○浜田聡君 浜田聡です。所属政党はNHKから
国民を守る党、参議院会派はみんなの党です。よろしくお願いいたします。
本日は、近日中に参議院本
会議の人事案件で採決対象となる
日本銀行の審議
委員に関することを中心にお聞きしたいと
思います。
この審議
委員として任命された方が
国会の議決で承認を得た際には、
日本銀行の政策
委員会の一員として活躍されることになります。この
財政金融委員会におられる方々にとりましては釈迦に説法で恐縮ですが、この
日本銀行の政策
委員会は、
日本銀行の最高意思決定機関、
日本の
金融政策を左右する極めて重要な
委員会であり、僅か九人で構成されています。その九名のうち一名がこの度交代という形で、今後、
国会でその賛否を問われることになります。
さて、このように
日本の
金融政策を左右する非常に重要な
日銀の審議
委員の人事でありますが、その前に、
日本の
金融政策がどのように決定していくのかについて少しだけお話ししたいと
思います。
金融政策決定がなされる中心となるものに、
日銀の
金融政策決定会合というものがあります。これは、会社でいえば定期的な
会議のようなものではないかと
思います。開催される場所はもちろん東京都中央区
日本橋本石町にある
日本銀行で、年に八回、それぞれ二日間の日程で開かれます。年に八回ということで、一か月半に一回の頻度という、イメージしやすいのではないかと
思います。その会のメンバーとして中心となるのが、先ほど申し上げた政策
委員会の
委員九名というわけです。この二日間の各会合が終わりますと、
日銀総裁が記者会見するなど、その
内容はインターネットでも発表され、我々の周知するところとなります。
さて、この
金融政策決定会合について、
日本銀行の方にこの
委員会で幾つか
質疑をしたいと
思いますと言いたいところだったのですが、
日本銀行さんの方でいろいろと諸事情があるようで、本当にお忙しいことだと
思います。この
委員会での
日本銀行担当者様による回答は難しいという事態となりました。ただ、あらかじめ私の通告していた
質疑には書面で誠実に回答をいただいておりますので、それを踏まえて、私が
質疑、そして
日銀さんに代わって私が回答もしていくという非常にユニークな形態となりますが、どうか御容赦いただきたいと
思います。
まず最初の
質問です。
日本銀行の
金融政策決定会合ですが、現在の形、つまり年八回、それぞれ二日間開催、九人の政策
委員を中心とする会合になったのはいつからでしょうかという
質問に関して、
日本銀行からの回答として、平成十年に施行された現在の
日本銀行法により、政策
委員会は総裁一名、副総裁二人、審議
委員六人の計九人で構成することが定められるとともに、
金融政策決定会合については政令の定めるところにより定期的に招集することとされました。その後、政令の改正を受けて、平成二十八年から現在のように年八回、それぞれ二日間の日程で開催されると
承知しています。
次の
質問に移ります。
九人の
委員による採決ということで、拮抗する場合だと、賛成が五名、反対四名で何とか可決などのケースが考えられます。最近の採決で五対四で何とか可決した事例を二例ほど教えてくださいと
質問をしました。その回答として、採決において賛否が拮抗したケースについて申し上げますと、平成二十八年一月二十八日、二十九日の
金融政策決定会合ではマイナス
金利の導入について賛成五名、反対四名で可決されたほか、平成二十六年十月三十一日の
金融政策決定会合ではマネタリーベース増加額の
拡大等について賛成五名、反対四名で可決された例がありますという回答をいただきました。
次の
質問になります。
各
委員による議案に対する意思表示として、賛成、反対以外の意思表示は可能でしょうかという
質問に関しまして、回答として、政策
委員会の
委員は
金融政策決定会合における議事の議決に際し、賛成、反対、棄権のいずれかの意思表示をすることとされていますと、三つ選択肢があることを御回答いただきました。
次の
質問になります。
過去五年間の
金融政策決定会合において、
委員が参加しなかった、つまり欠席、
金融政策決定会合を欠席した事例があるのか教えてくださいという
質問に対して、過去五年間において
金融政策決定会合を欠席した
委員はいないと
承知していますと回答をいただきました。
日本銀行への
金融政策決定会合について
最後の
質問となりますが、欠席
委員が出るなどで
委員が八名になったときに四対四など賛否同数のときの採決結果となることは過去にあったのか、その場合どうなるのかという
質問をしましたところ、この
質問に対する
日本銀行からの回答として、平成二十年十月三十一日の
金融政策決定会合では、審議
委員一名が欠員となる中、
金融市場調節方針の変更について賛否が同数となり、
議長が決定した例があると
承知していますという回答をいただきました。
というわけで、
日本銀行の
金融政策決定会合についての
質問は以上となります。
質疑と回答を一人でするというユニークな形態となりましたが、御清聴いただいて感謝しております。
次に、
日本銀
行政策
委員会審議
委員の人選について、
内閣府の方に幾つか聞いていきたいと
思います。
先ほどから何度か述べさせていただきましたが、
日本の
金融政策を決定する九名の政策
委員の一人を決める重要な人事案件でございます。
今回の配付資料に、現在の九名の
委員の名前と顔写真の紹介をさせていただきました。現在のメンバーの一人である原田泰さんは三月二十五日に任期満了で、安達誠司さんが後任として決定しております。今年六月三十日に任期満了を迎えます布野幸利さんの交代として今回審議
委員として任命されていますのは、中村豊明さんという方です。
国会での人事案件ということで、各人事で任命された方々のプロフィールなどの資料は
国会議員各自の事務所に届けられているかと
思います。今回の配付資料として用意することを忘れておりまして、恐縮です。各事務所に配付された資料から、中村豊明さんの任命理由の部分を読み上げさせていただきます。
生年月日が昭和二十七年八月三日、六十七歳。任命理由として、中村豊明氏は、長年にわたり株式会社日立製作所に在籍し、同社
財務一部長、代表執行役執行役副社長等を歴任し、日立グループの事業ポートフォリオ改革、バランスシート改革、同事業変革、
運営に携わってきた。現在は、株式会社日立製作所取締役のほか、日立金属株式会社取締役、
日本監査役協会副会長、預金保険機構
運営委員会委員、国税審議会
委員を務めるなど幅広い活躍をしており、国内外の
経済情勢に精通している。このため、
経済及び
金融に関して高い識見を有している同氏を
日本銀
行政策
委員会審議
委員として任命しようとするものであるといった任命理由が各議員事務所に届けられた資料に記載されております。
産業界での実績は申し分ないとは
思います。ただ一方、
日本銀
行政策
委員会審議
委員として、特に
経済政策、
財政金融政策についてどういう考えをお持ちであるかというのが私は大事だと考えております。
そこで、この中村豊明さんが
財政金融政策に関してどういう考えをお持ちなのかについて、
国会の議事録から少したどってみたいと
思います。
中村豊明さんは、過去、平成二十四年八月六日の参議院社会保障と税の一体改革に関する特別
委員会公聴会において、公述人として
発言をしております。その
発言の一部を紹介させていただきます。
冒頭、我が国の現状に関する
認識につきまして申し上げさせていただきます。まず、
財政につきましては、平成二十四年度末に国と地方を合わせて政府の長期債務残高が九百四十兆円、それから、
GDPに対しますと約二〇〇%に達するという見込みでございます。したがいまして、近年一段と深刻さを増していると
認識をしておりますといった感じで、
財政規律を重視するような
発言があるとともに、この公聴会の時期辺りに成立した自民、民主、公明の消費増税の三党合意について高く評価する旨の
発言もありました。
そういったところから、消費増税を推進するような思考をお持ちであると判断を私はしております。つまり、
財政規律重視、
消費税は増税に積極的と判断しましたが、
内閣府としてはこの方に関する御見解はいかがでしょうか。