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2020-08-26 第201回国会 参議院 災害対策特別委員会 閉会後第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    令和二年八月二十六日(水曜日)    午後一時開会     ─────────────    委員異動  七月二十八日     辞任         補欠選任      磯崎 仁彦君     佐藤  啓君      古賀 之士君     小林 正夫君      吉田 忠智君     水岡 俊一君  八月二十五日     辞任         補欠選任      岩本 剛人君     三浦  靖君      佐藤  啓君     本田 顕子君      小林 正夫君     舟山 康江君      水岡 俊一君     石川 大我君      室井 邦彦君     音喜多 駿君  八月二十六日     辞任         補欠選任      石川 大我君     岸 真紀子君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         杉  久武君     理 事                 足立 敏之君                 長峯  誠君                 吉川 沙織君                 矢倉 克夫君     委 員                 小野田紀美君                 太田 房江君                 加田 裕之君                 野村 哲郎君                 馬場 成志君                 本田 顕子君                 三浦  靖君                 元榮太一郎君                 小沼  巧君                 岸 真紀子君                 芳賀 道也君                 舟山 康江君                 宮崎  勝君                 音喜多 駿君                 武田 良介君    国務大臣        国務大臣        (内閣特命担        当大臣防災)        )        武田 良太君    副大臣        内閣府副大臣   平  将明君        農林水産大臣  加藤 寛治君    大臣政務官        内閣大臣政務        官        今井絵理子君    事務局側        議事部長     金子 真実君        常任委員会専門        員        林  浩之君    政府参考人        内閣官房内閣審        議官       松本 裕之君        内閣官房内閣人        事局人事政策統        括官       山下 哲夫君        内閣府政策統括        官        青柳 一郎君        総務省大臣官房        審議官      川窪 俊広君        総務省自治行政        局公務員部長   山越 伸子君        総務省総合通信        基盤局電波部長  鈴木 信也君        消防庁審議官   五味 裕一君        消防庁国民保護        ・防災部長    荻澤  滋君        厚生労働省大臣        官房生活衛生・        食品安全審議官  浅沼 一成君        厚生労働省大臣        官房審議官    間 隆一郎君        厚生労働省大臣        官房審議官    山本  史君        厚生労働省大臣        官房審議官    堀内  斉君        農林水産省農村        振興局長     牧元 幸司君        水産庁漁港漁場        整備部長     山本竜太郎君        中小企業庁経営        支援部長     村上 敬亮君        国土交通省大臣        官房総括審議官  長橋 和久君        国土交通省大臣        官房技術審議官  渡邉 浩司君        国土交通省水管        理・国土保全局        長        井上 智夫君        国土交通省住宅        局長       和田 信貴君        環境省環境再生        ・資源循環局次        長        松澤  裕君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○災害対策樹立に関する調査  (災害廃棄物処理に関する件)  (要配慮者避難実効性確保に関する件)  (災害ボランティアに関する件)  (災害時の情報伝達に関する件)  (流域治水への転換に関する件)     ─────────────
  2. 杉久武

    委員長杉久武君) ただいまから災害対策特別委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨日までに、古賀之士君、吉田忠智君、磯崎仁彦君室井邦彦君及び岩本剛人君委員辞任され、その補欠として石川大我君、舟山康江君、音喜多駿君、三浦靖君及び本田顕子君が選任されました。  また、本日、石川大我君が委員辞任され、その補欠として岸真紀子君が選任されました。     ─────────────
  3. 杉久武

    委員長杉久武君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  災害対策樹立に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官松本裕之君外十九名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 杉久武

    委員長杉久武君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 杉久武

    委員長杉久武君) 災害対策樹立に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 本田顕子

    本田顕子君 自由民主党、本田顕子です。今回、被災地熊本県出身ということでこの機会をいただいたと思います。関係皆様に心から感謝を申し上げます。  全国で死者八十二名と多くの人命が失われ、いまだ四名が行方不明となっております。また、住居被害は約一万八千件に上っております。御逝去された皆様へ哀悼の意を表し、被害に遭われた全ての皆様に心よりお見舞いを申し上げます。  国においては、発災直後の七月五日に非常災害対策本部を設置していただき、この日に武田防災担当大臣、十三日には安倍総理大臣現地を視察され、その後も関係大臣皆様に視察をしていただき、被災者の命に関わる生活必需品物資に加え、新型コロナウイルス感染症対策のための三密対策のパーテーションや非接触性の体温計など、心強いプッシュ型支援、そして迅速かつ着実な復旧復興への大きな支援をいただいておりますことに、武田大臣を始め皆様に深く感謝を申し上げます。  九州南部から広がった豪雨災害で特に被害が大きかった熊本が直面している課題は、自然豊かな日本の中山間地に通じる課題と思います。  そこで、私は、地方負担最小化と、私の専門分野である薬と公衆衛生観点から質問をさせていただきます。  では、技術職員被災市町村への中長期派遣について質問をいたします。  今回被災した熊本被災市町村は、中山間地にある過疎市町村等であることに加え、甚大な被害を受けた平成二十八年の熊本地震と、今年から広がっている新型コロナウイルス感染症による経済的打撃、そして七月の豪雨災害というトリプルパンチにより、人的にも財政的にも非常に厳しい状況にあります。  今後の復旧には、道路橋梁などの公共土木施設復旧や農地の復旧などにスピード感を持って取り組んでいく必要があります。しかしながら、被災市町村技術職員が著しく不足しているため、熊本県では被災市町村技術職員約二百六十名を要望し、九州地方知事会から三十名確保していただいているそうです。三十名という人数は、地方公共団体技術職員が十年間で七万人減少している状況を思えば大変貴重な人数と思います。とはいえ、要望人数には到底足りません。  被災市町村技術職員不足につきましては前回の災害対策特別委員会でも質問が行われ、各地方公共団体において地域の実情に応じた技能労務職員を含めた適正な人員配置に取り組むという答弁でございましたが、被災市町村スピード感を持って災害復旧を行えるように、国の後押しをもう一歩期待したいところです。  例えば、今年度から総務省において開始されている大規模災害時に被災市町村技術職員中長期派遣を行うための制度などが速やかに実施されるように国が後押しすることはできませんでしょうか。本制度活用状況と今後の見通しについて御説明をお願いいたします。
  7. 山越伸子

    政府参考人山越伸子君) お答え申し上げます。  総務省ではこれまで、大規模災害被災団体復旧復興支援するために、全国町村会と連携いたしました中長期応援職員派遣スキームによりまして被災団体への職員派遣をしてきたところでございます。  しかしながら、防災減災の推進、それから公共施設老朽化を踏まえた適正管理地方公共団体の中で求められる中で、小規模市町村を中心に技術職員平時から不足をするという問題がございますし、また、大規模災害時においては技術職員中長期派遣を求める声が多いものの、恒常的な職員不足によりまして十分にその要望に応えることができていないという状況であろうと思います。  こうしたことから、委員指摘のとおり、都道府県などにおいて技術職員を増員し、平時には技術職員不足市町村支援するとともに、大規模災害に備えまして、復旧復興に必要な中長期派遣要員確保するための新たな仕組み、今年度創設したところでございます。今回創設した新たな仕組みによりまして、当面、数年を掛けまして千人程度中長期派遣要員確保できるように取り組んでいるところでございます。今年度は制度開始初年度ということもありまして、中長期派遣が可能な技術職員数として現時点で百八十八名が登録されているという状況でございます。  今回の豪雨災害に対しましても、このような新たな仕組みも活用しながら、被災団体中長期応援ニーズに応えることができるよう、被災県と連携しながら復旧復興に必要な応援職員確保総務省としても全力で取り組んでまいります。
  8. 本田顕子

    本田顕子君 ありがとうございます。  より良い連携が進むように、是非よろしくお願いいたします。  次に、被災した医療施設社会福祉施設等復旧についてお尋ねいたします。  熊本では、公的、民間合わせて、医療施設三十件、高齢者施設二十七件などが浸水被害を受けております。医療施設社会福祉施設を合わせますと、約百三十件の浸水被害でございます。元々医療資源が乏しい地域での災害のため、医療の継続を希望する被災地の気持ちに寄り添う復旧が望まれております。  再度の災害防止観点から、浸水被害を避けるために移設建て替え、追加の施設整備などが必要なケースも想定されます。このようなケース補助対象に加えていただくことや、こうした施設補助率かさ上げなど、財政支援を拡充することは考えていただくことはできませんでしょうか。お考えをお聞かせください。
  9. 間隆一郎

    政府参考人間隆一郎君) 被災した医療施設等復旧支援についてお尋ねをいただきました。  災害復旧費につきましては、被災施設を原形に復旧する場合を対象とするのが基本とはなっております。  その上で、あくまでケース・バイ・ケースではございますけれども、例外的に、原施設が、元の施設被災しまして、その土地が例えば地震、水害などで地形が変わってしまった、あるいは地盤が変動してしまったというような場合に、そういうことのために被災施設を元に戻すことが不可能な場合、現地建て替えが不可能な場合がございます。そういった場合には移設等を行う場合も対象となる場合がございます。  最近の例で申し上げますと、平成二十八年の熊本地震被災いたしました熊本市民病院場所を移転しまして、東区の方に移転しまして、昨年の六月に竣工したという例がございます。  また、補助率関係でございますけれども、令和二年七月豪雨につきましては、昨日二十五日の閣議で激甚災害に指定されたところでございます。  この関係から、医療施設につきましては、公的医療機関に対しては補助率引上げ、そして、救急医療とか、それから周産期医療等のいわゆる政策医療を実施してくださっている民間の医療機関に対しては補助額の上限を撤廃するなどの対応が行われることになりました。また、介護施設等につきましても、社会福祉施設等災害復旧費補助金における補助率引上げを行うこととしてございます。  こういった取組を通じまして、医療施設介護施設早期復旧にしっかり取り組んでまいりたいというふうに思います。
  10. 本田顕子

    本田顕子君 ありがとうございます。  こうした今の御答弁から、国が後押ししていただいているということを被災地が実感しますと、自信を持って取り組むことができると思いますので、地形の変化の部分とか、よく現地の方の意見をまた聞いて進めていただければと思います。よろしくお願いいたします。  次に、DMAT構成員についてお尋ねいたします。  大規模災害や多傷病者が発生した事故などの現場に、おおむね四十八時間以内に、急性期活動できる機動性を持った、専門的な訓練を受けた医療チームDMATがあります。この構成員について教えてください。
  11. 間隆一郎

    政府参考人間隆一郎君) お答えいたします。  DMAT構成員ですけれども、専門的な研修、訓練を受けた医療チームでございますが、DMAT一隊当たり、構成は、医師が一名、それから看護師が二名、業務調整員一名の四名を基本としてございます。  この業務調整員という者が主としてDMAT活動に関わる通信移動手段医薬品生活手段等確保を行う者というふうになっておりまして、特段の職種の指定はございません。実態的には、薬剤師さんがなられている場合とか、臨床検査技師さんがなられている場合とか、病院事務をやっておられる方がなられている場合など、様々なケースがあるというふうに承知してございます。
  12. 本田顕子

    本田顕子君 ありがとうございます。  今いただきました御答弁から、私の要望を申し上げさせていただきます。  今回、熊本では、熊本地震の経験が生かされ、災害対応医薬品供給車両通称モバイルファーマシー災害薬事コーディネーターなど、機動的に稼働したと伺っております。道路寸断橋梁の崩壊などにより陸の孤島や孤立集落となった場所への医療ニーズは、急性期医療に加え、慢性期医療ニーズも高かったそうです。現地の天候などにより、視界不良の影響も重なり、自衛隊のヘリで次に飛べないことも予想し、自衛隊にこのDMAT現地災害支援薬剤師も帯同し、必要な医薬品供給が行われたそうです。  本日は災害対策特別委員会ですので、狭義な内容厚生労働委員会で取り上げさせていただきたいと思いますが、今述べた医薬品供給を含めた支援活動は、急傾斜に家が多く建てられている日本土地事情考えますと、今後も想定される支援になるのではないかと思います。今回の災害支援活動を検証する際、薬剤師帯同必要性について御検討いただければと思います。  次に、被災地災害対策本部医療支援物資供給について質問させていただきます。  災害が発生すると被災地都道府県災害対策本部が設置されますが、災害時において、本部医薬品などの供給に精通する担当者、例えば薬務主管担当者薬剤師配置についてどのようにお考えでしょうか。  また、令和二年度予算において災害時における薬剤師対応体制整備として六百万円の予算が計上されております。この内容について御説明をお願いいたします。
  13. 山本史

    政府参考人山本史君) お答え申し上げます。  先般の令和二年七月豪雨の際に、熊本県では、保健医療調整本部に参画した薬務主管課及び薬剤師被害状況を把握しながら被災地への薬剤師派遣などについて調整いたしまして、また、被災地派遣された薬剤師DMAT等と連携して医薬品供給等を行ったと承知しておりまして、このように薬剤師災害時に関わることは医薬品提供体制考える上で重要であると認識しております。  このため、御指摘令和二年度予算では、災害時に円滑かつ迅速に医薬品供給できますよう、薬剤師を活用した医薬品供給体制整備支援するため、災害対応可能な薬剤師の養成などを八都道府県に対して支援しているところでございます。  今後とも、各都道府県において薬剤師を活用した医薬品提供体制整備され、被災地医療救護活動に資するよう取り組んでまいりたいと考えております。
  14. 本田顕子

    本田顕子君 ありがとうございます。  今述べていただきました好事例が全国に広がっていくことが、地域の命の防災にもつながると思います。引き続き、厚労省皆様の御指導をよろしくお願いいたします。  また、避難所における医薬品などの供給は、食品などの生活必需品と異なり、適切な管理の下で行われなければなりませんが、このようなことは被災者避難所担当者にはなかなか理解されにくく、医療支援活動に当たられる方が説明に苦労されていると伺います。今ほど御説明いただいたそうした整備事業など、こうした事業を通じて理解が広がるように重ねてお願いいたします。  次に、被災した空き家の片付けについて質問をさせていただきます。  今回の熊本豪雨被災地は、元々空き家率全国平均より高く、例えば二〇一八年の調査では、人吉市は八百軒、球磨村は七十軒でした。こうした空き家も今回浸水し、たくさんの汚泥、土砂が家に流入したままとなっております。浸水しているため、現地土砂とカビで悪臭がひどい状態であるにもかかわらず、片付け、解体撤去がされないまま放置されているとのことです。  私は、公衆衛生観点から、こうした状態が放置されることは新たな感染症の発生にもつながりかねないと思いますので、何らかの対応考えておくことが必要と考えます。空き家撤去などは所有者からの申請が前提と存じますが、全国空き家率を鑑み、今後の対策方針などお聞かせください。
  15. 松澤裕

    政府参考人松澤裕君) お答えいたします。  環境省では、廃棄物処理及び清掃に関する法律第二十二条に基づき、被災市町村の実施する災害廃棄物の収集、運搬及び処分に対しまして、災害等廃棄物処理事業費補助金による支援を行っているところでございます。  被害を受けた状態でそのまま放置すると生活環境保全上の支障が生じる全壊半壊相当空き家につきましては、市町村廃棄物部局と、それから空き家対策を担当する部署が連携していただいて、所有者の確認を得て解体撤去を進める必要があると認識しております。こうした空き家解体撤去に係る経費については、災害廃棄物処理補助金対象とさせていただいているところでございます。  また、罹災証明書が発行されない場合、典型的には、住んでいた方が住所を移してしまったと、こういうケースでございますけれども、こういう場合には、罹災証明書の発行と同じように、市町村の側が調査をしていただいて、全壊半壊相当被災証明書というのを出していただくことでこの環境省補助金対象とさせていただいております。既に関係市町村にもこうした運用についてはお伝えをしているところでございます。  被災地皆様生活再建が迅速に進むように、引き続き環境省としても全力支援をしてまいります。
  16. 和田信貴

    政府参考人和田信貴君) 先ほど環境省より御答弁ありましたとおり、基本的には、今般の被災地全壊半壊相当空き家解体撤去につきましては災害等廃棄物処理事業費補助金が活用されるものと承知しております。  一方で、所有者等を確認できない場合につきまして、被災した空き家に価値がある場合であっても、特定空き家等、すなわち、そのまま放置すれば著しく衛生上有害となるおそれのあるなどの空き家、これにつきましては、空家等対策特別措置法に基づきまして市町村長略式代執行による除去等対応を行うことが可能となっております。この場合、被災程度罹災証明書の有無にかかわらず、補助金等により空き家除却等に取り組む市町村に対する支援を行うことも可能となっております。  国土交通省といたしましては、引き続き被災地ニーズを丁寧に伺いつつ、復旧復興が迅速に進むよう取り組んでまいります。
  17. 本田顕子

    本田顕子君 ありがとうございます。  是非そうしたことで進むように、現地の方から、本当に、周りは片付いているんだけれども、そこだけがぽつんと取り残されて非常にひどい状態だということですので、是非ともよろしくお願いいたします。  次に、情報網長期寸断への対応について質問いたします。  この度の七月豪雨において、通信ケーブル切断等により、例えば人吉球磨においては行政機関から住民への連絡が途絶えるなど、初動対応影響が出ました。私は医療専門としておりますが、医療分野情報通信ネットワークなしには町の薬局も稼働しないというのが現状でございます。  日本自然災害が多く、それなりに情報通信産業には蓄積があるかと存じます。災害に強い通信手段として、総務省対応についてお聞かせください。
  18. 鈴木信也

    政府参考人鈴木信也君) お答え申し上げます。  委員指摘のとおり、災害時において携帯電話等通信サービスが停止した際においても行政機関等が円滑に活動できるよう、通信手段確保しておくことが重要でございます。  このため、総務省におきましては、平時より衛星携帯電話約三百台等貸出用無線機を備蓄し、各地方に配備しております。また、豪雨災害等あらかじめ一定の被災が想定される場合には、事前に被災想定地域無線機を搬送しておくことで、地方公共団体に対し衛星携帯電話等の円滑な貸出しが可能となるよう体制を整えているところでございます。  これまで、例えば昨年十月の台風十九号の際におきましては、簡易無線衛星携帯電話等、計六十八台の貸出しを行ったほか、本年、令和二年七月豪雨においても計百五十八台の貸出しを行っております。  総務省におきましては、災害時等においても円滑な通信手段確保できるよう、引き続き関係省庁地方公共団体等と連携し、取り組んでまいりたいと考えています。
  19. 本田顕子

    本田顕子君 ありがとうございます。  そうした備えがあるということを伺いまして安心いたしましたけれども、やはりそれでも、そうであっても切れるという、切断するということもございますので、どんなとき、アナログになっても復旧ができるという練習もある意味私は必要ではないかと思っておりますので、そうしたことも防災訓練などでまた取り入れていただければと思います。  それから、七番目の質問は、逃げ遅れ防止のための対策の拡充について御質問させていただきます。  私は、七月三十一日に世耕弘成幹事長を始め自民党参議院の先生と人吉市、球磨村を視察しました。人吉市の市街地を約二時間歩き、お話を伺いましたが、その際、今回の避難垂直避難が多かったと伺いました。浸水スピードが速かったことが主な理由でしたが、そのほかの理由として、感染のリスクを恐れ避難所に行くことをためらったり、家を守らなければいけないという先祖からの意識が動き、逃げることをためらったそうです。  私は、こうしたお話を伺いながら、自力で逃げられない高齢者の方や、ためらわずに逃げるための対策を進める必要ではないかと考えますが、内閣の見解についてお聞かせください。
  20. 青柳一郎

    政府参考人青柳一郎君) お答えいたします。  高齢者障害者などの要配慮者の方については、災害時の避難に困難を抱える場合がございます。その支援、重要な課題でございますので、自ら避難することが困難な者につきまして避難行動要支援者名簿を作成して避難支援等への活用を自治体に促すといった取組を行っております。  一方で、昨年の台風十九号あるいは今般の令和二年の七月豪雨におきましても、高齢者障害者などの要配慮者に多くの被害があったところでございます。何よりも、コロナ禍におきましてもしっかり避難をしていただく必要があるということございますけれども、一方で、その避難に困難を要する者につきましては、それを支援する方策というのをしっかりと整えておく必要があると考えております。  現在、昨年の台風十九号を踏まえた高齢者等の避難に関するサブワーキンググループというのを設けておりまして、こちらで高齢者障害者等の避難の実効性の確保について御議論をいただいているところでございます。  サブワーキンググループでは、自ら避難することが困難な避難行動要支援者ごとに避難計画を個別計画として作成する、これが制度的な論点となっておりまして、計画策定主体ですとか実施体制、また福祉専門職の関与を促進する工夫、こういった課題について検討を進めていただいているところでございます。  今後、サブワーキンググループによる検討結果、年内には出したいと思っておりますけれども、これを踏まえて、関係省庁、自治体とも連携しつつ、実効性を高める取組を進めてまいりたいと考えております。
  21. 本田顕子

    本田顕子君 ありがとうございました。  そうした作成を是非年内にということで、よろしくお願いいたします。また、そうした方々を、高齢者の方を支えるときに、丁寧な聞き取りの中にケアマネジャーの連携も必要だと思いますので、そうした方とも連携をして進めていただければと思います。  以上で私の質問を終わらせていただきます。
  22. 加田裕之

    ○加田裕之君 自由民主党の加田裕之でございます。  質問に入る前に、この度の令和二年七月豪雨におきましてお亡くなりになられました方に心より哀悼の意を表しますとともに、今なお被災地で懸命に復旧復興に取り組んでいる皆様方にお見舞い申し上げるとともに、この委員会一同、力を合わせて頑張りますことをお誓い申し上げまして、質問に入らせていただきたいと思っております。  この度の災害というのは、いまだかつて誰もが経験していないコロナ禍との複合災害の中にあります。その中で、被災者の生活となりわいの再建に向けた対策パッケージの着実な推進に向けて大臣の決意についてお伺いしたいんですが、令和二年七月三日から三十一日まで二十九日間という、過去最も期間の長い七月豪雨災害が発生してから五十日を超えました。その間、武田大臣被災地であります熊本県、福岡県、鹿児島県、大分県、岐阜県の現地に入られましたこと、そしてまた、私も、お忙しいところ、提出させていただきました申入れ、大臣、受け止めていただきまして、対策考えていただきましたことにも感謝、御礼申し上げたいと思います。また、五月十五日から豪雨災害に対しまして、昨日、激甚災害の指定、七月豪雨災害においては特定非常災害に指定いただいたことに感謝を申し上げたいと思います。  七月三十日には、被災者の生活となりわいの再建に向けた対策パッケージが発表されまして、新型コロナウイルス禍の中で、令和二年七月豪雨に対しまして、被災地ニーズ地域ごとの特性を踏まえつつ、被災者の生活となりわいの再建に向け、緊急に対応すべき施策を取りまとめ、被災者の安心感を確保するとともに、被災自治体が安心して復旧復興に取り組めるよう、必要な財政措置等を行う基本方針の下、生活の再建、なりわいの再建、災害応急復旧災害救助などの緊急対応策が盛り込まれております。  今月二十日には、気象庁の異常気象分析検討会におきまして、令和二年七月の豪雨の特徴やその要因につきまして、地球温暖化の進行に伴う長期的な大気中の水蒸気の増加によりまして降水量が増加した可能性があることや、今後も極端な現象が起こりやすいことを念頭に台風などに備える必要があると検討会の会長を務めた中村尚東大教授が指摘しております。これは、ワクチンが開発されていない中で、コロナ禍との複合災害が今後も起こる可能性が高いという指摘にもつながると思います。  そこで、武田大臣に、この度、歴史上経験したことのないコロナウイルスと自然災害との複合災害につきまして、感想、そして被災者の生活となりわいの再建に向けた対策パッケージの着実な推進に向けての御決意をお伺いしたいと思います。
  23. 武田良太

    国務大臣武田良太君) コロナ禍における災害対策という初めての経験を我々もさせていただきました。本当に、全ての地域の方々、コロナ禍という大変厳しい状況をしっかりと認識していただいて、それぞれが自覚していただいて、大変なる協力を賜りましたことにまずは感謝を申し上げたいと存じます。  委員指摘のように、七月三十日、被災者生活・生業再建支援チームの下で対策パッケージを取りまとめさせていただきました。例えば、中小・小規模事業者向けのなりわい再建補助金の創設については、この皆様方がしっかりと活用いただくためにきめ細かに説明会を開催をさせていただきました。また、農林漁業者への支援としては、機械、そしてハウス、農地の災害復旧については募集と並行して事前着手を行うことで迅速な復旧に取り組める状況をつくらせていただきました。また、あわせて、住まいの確保についてでありますけれども、八月二十五日時点で、熊本県内におきましては、建設型応急住宅の建設着手六百八十三戸や、賃貸型応急住宅の入居決定は九十八件がもう既に進んでいるところであります。  とにかく、被災地皆様方が明日に向かって希望を持って前を向いて再建に取り組めるように、このパッケージに盛り込まれた措置を速やか、かつ着実に進め、被災地復旧復興全力をもって取り組んでまいりたいと、このように考えております。
  24. 加田裕之

    ○加田裕之君 力強いメッセージ、御答弁、ありがとうございます。  今大臣からの御答弁がありました中で、やはりコロナ禍の中におきまして、過去の前例のないケースという部分が出てくる中で様々な課題が浮き上がっております。  その一つが、私は、県外ボランティアについてなんですが、配付資料一の方を御覧いただけても分かりますように、これは八月九日の熊本日日新聞の記事なんですけれども、「ボランティア減少傾向 豪雨被災地 コロナ、猛暑影響か」という見出しの記事です。また、配付資料二の方で、このグラフ見ていただいてもお分かりのように、これは過去の災害におけるボランティアの人数の比較であります。  今回のあの猛暑の中で、人吉市、球磨村では二百人、八代市では百人、芦北町では五十人ぐらいボランティアが不足しているということも聞いております。また、人吉市、球磨村では、ボランティアニーズ六百三十一件に対しまして完了数は三百九十六件と、まだまだボランティアが入っていない箇所もあります。人吉市、球磨村では、いまだに半壊家屋、全壊家屋の全容がつかみ切れていない状況にあります。被災家屋が片付けないことで自宅に帰れないという方々が多く、結果的には避難者数が減っていないというのが今の現状ではないかと思います。  やっぱり、ここは今こそPCRを検査しまして、県外ボランティアにしっかりと私は頼るべきところは頼るべきではないかと思っております。例えば、床上・床下浸水家屋が同じ程度でありました昨年の台風十九号による千曲川の氾濫で被害を受けた長野市に入ったボランティアの数を同じ期間で比較しましても、ボランティアの人数は五分の一でしかありません。  被災地は、コロナ、熱中症、その他感染症等で高齢者の命が危ない状況です。メディアの被災地のニュースも減りまして、やっぱり被災者皆様は心理的孤立が懸念されております。もちろん、ワクチンが開発されるまでは我々はコロナウイルスの感染対策を取らざるを得ない状況にあります。被災自治体が手いっぱいの中におきまして、県外からのボランティアをどのようなスキームで受け入れていくのか、これはやはり私は国がしっかりと地元のニーズを酌み取りまして考えなければいけないと思っております。費用と責任の所在をしっかりと明確にし、役割分担されない限り、この問題の解決はできないと思います。  コロナ禍と自然災害における複合災害下での県外ボランティアの受入れ体制につきまして、御所見をお伺いいたします。
  25. 青柳一郎

    政府参考人青柳一郎君) お答えいたします。  まず、被災地でのボランティアの受入れにつきましては、全国の社会福祉協議会が各地域地域の社会福祉協議会に対しまして、新型コロナウイルス感染症も踏まえて、被災地の住民等の意向を考慮して、感染症対策を含めて自治体と十分協議して具体化していくようということで通知をしておりますが、これは地元の意向を踏まえることが重要であるということでございます。  県外ボランティアというお話ございまして、今回の七月豪雨に際しましても、私ども、熊本県の方とも何度もお話合いを進めてきたところでございますけれども、熊本県では、ボランティアについてまずは県民の力で対応するという意向を示され、マスクの着用、手洗いなどの手指衛生、人と人との距離の確保などの基本的な感染予防の実施をチェックリストにより確認することを求めているということでございます。  こういった中で、熊本県では、県民のボランティア参加を促進するために、知事からの参加の呼びかけですとかボランティアバスの運行、さらにはボランティア参加者に被災市町村内の店舗等で使える被災地復興応援券の配付といった形で県民ボランティアの確保被災地復興を図る施策を講じているところです。また、ボランティア人員を補う工夫として、人吉市等では、これまで主にボランティアが行っていた片付け作業、これを市の委託事業として地元企業が行うといった形で官民連携の対応も行っていると。  一方で、県外ボランティアの受入れということになりますと、PCR検査という話ございますけれども、そういったきめ細かい対応必要ということになれば、厚生労働省等の関係省庁とも連携して対応してまいりたいと考えております。また、仮に被災地においてPCR検査を実施することとなった場合には、PCR等検査を含むボランティアの受付に必要となる費用等につきまして、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の活用が可能でございます。  まずは地元の意向が第一ではございますけれども、県外ボランティアを受け入れるということになった場合に、その受入れが円滑に行われるようにきちんと対応は図ってまいりたいと考えております。
  26. 加田裕之

    ○加田裕之君 ありがとうございます。もちろん地元の自治体からの要望というのが一義的だとはやはり思いますけれども、やはりこれ、専門的見地から是非言っていただけたら、アドバイスしていただきますようにお願いしたいと思います。  もちろん、臨時調整交付金の部分を充当するというPCRのことについても、これは大臣も言及されていましたけれども、実際問題、これ、本当の意味で自治体にとりましてはいろんな部分で予算というものは使わないといけない。そうした中におきまして、先ほど私も指摘しましたように、これから複合災害というのはコロナ禍で起こるということを想定した中でのスキームづくりというのが私は必要だと思っております。その点につきましても、やはりしっかりと今回のいろいろな、まあ前例のない対応策だと思いますからなかなか大変だとは思いますが、その点も専門的見地からまた是非お願いしたいと思っております。  次に、危機管理体制についてお伺いしたいと思うんですが、先ほどから申し上げますとおり、熊本を始め各地に大きな被害をもたらしました令和二年七月豪雨は、私たちが初めて経験した、自然災害感染症との複合災害となりました。コロナ禍での災害では、避難所でのソーシャルディスタンスの確保など感染対策、県外からのボランティアなしでの復旧作業など、今までの災害にない対応を迫られました。  近年、毎年のように発生している豪雨、台風による災害、また近い将来起こるであろうと言われております南海トラフ巨大地震などの地震災害に加えまして、新型コロナウイルスのような感染症の拡大など、緊急事態に際しての総合的な危機管理体制の構築の必要性が高まっております。  我が国は地震を始め災害の多い国土であり、災害対策基本法など災害対策施策を積み重ねてまいりました。感染症に関しましては、エボラ出血熱など危険度が高い感染症の病原体を扱うことができる国立感染症研究所村山庁舎で稼働する国内で唯一のバイオセーフティーレベル4の施設がありますが、これは研究が中心で、しかも施設老朽化指摘されており、新たな施設の稼働までは七年以上必要であります。残念ながら、アメリカのCDCのような感染症が発生した際の対策を担う機関ではありません。SARS、MERSの脅威にさらされることもなかった我が国では、厚労省平時組織でしか感染症に対する機関がない状態でありました。  私の地元であります兵庫県では、防衛大学校長を務められた五百旗頭真先生を座長に、建築家の安藤忠雄さんや劇作家の平田オリザさんなどをメンバーとする有識者会議が、防災庁や感染症(疾病)対策庁などの分野ごとの組織や総合的な危機管理省のような機関の創設が必要であるとの提言を出しております。  私も、今後、防災感染症、国民保護事態の危機に総合的に対処できるよう、いざというときには迅速かつ効率的に機能する政府専門機関が必要だと考えておりますが、政府の見解をお伺いいたします。
  27. 松本裕之

    政府参考人松本裕之君) お答えいたします。  政府といたしましては、平素から危機管理に万全を期すことが重要であるとの認識の下、緊急事態に対し速やかに対応できるよう、体制整備に努めているところでございます。  具体的に申し上げますと、地震災害、風水害などの大規模な自然災害や、航空、鉄道事故等の重大事故、ハイジャック、NBC・爆弾テロ等の重大事件のほか、核実験、弾道ミサイルや危険性の高い感染症の発生など、国民生活を脅かす様々な事態を想定し、事態の発生又はその可能性のある事態を認知した場合には、それぞれ専門性を有する関係省庁からの情報集約や対処に係る総合調整等の初動対応を行っているところでございます。  災害感染症を始めといたしますこうした緊急事態への対応に当たりましては、内閣総理大臣の指揮の下、内閣危機管理監を始め、内閣官房や内閣府が中心となって省庁横断的な取組を行う体制となっているところでございまして、引き続き、政府一丸となって迅速かつ効率的な対応ができますよう、危機管理体制確保に努めてまいりたいと考えているところでございます。
  28. 加田裕之

    ○加田裕之君 ありがとうございます。  次に、地方整備局の定員について質問したいと思います。  今回の七月豪雨を言うまでもなく、近年、各地で激しい災害が頻発している状況なんですが、これらの自然災害に対峙していくためには強靱な国土づくりを進める予算やインフラ老朽化対応する予算の増額は必要です。  近年、防災減災、国土強靱化のための三か年計画等で対応しているとのことですが、凶暴化するこの事態に対しまして、取組を一歩、より一層進め、中長期的な見通しを示した上で、五か年程度の計画に基づき着実に進めていくための予算確保が是非とも必要であると考えております。  また、コロナ禍におきまして、二〇二〇年四月から六月期のGDPが年率換算で二七・八%減と戦後最大となり、非常に深刻な状況です。これまでも公共投資はGDPの底上げに一定の役割を果たしてきており、特にリーマン・ショック時には公共事業の大型予算による回復効果が大きかったと言われております。今回の新型コロナウイルスによる危機的な状況が今後何年も続くことも考えられ、当面の間、公共事業予算をしっかりと確保することは地方経済を支えるために極めて重要です。  また、七月豪雨におきまして、県道を始め、落橋した十橋を含めて延長百キロメートルの道路球磨川の県管理の支川、九河川につきまして、国が権限代行で対策を実施することになっております。この公共事業をまさに現場で執行しているのが地方整備局でございます。  この地方整備局の定員というのは、令和二年に初めて増員になりましたが、長期的には減少傾向だと聞いております。度々いろいろな場所でお尋ねしていると思いますが、これまでの定員の推移をお答えをお願いしたいと思います。また、今後更にスピード感を持って事業を執行し、防災減災対策の推進や地域経済の下支えをするためには、整備局の引き続きの増員が必要だと私は考えておりますが、国土交通省の御見解をお伺いいたします。
  29. 長橋和久

    政府参考人(長橋和久君) お答え申し上げます。  国土交通省地方支分部局であります地方整備局は、まさに今御指摘あったように、現場を支える組織として、災害時においては復旧復興や、あるいは新しい社会資本の整備管理などに努めてきたところでありますが、昨今の頻発化あるいは激甚化する自然災害の中で、その役割は特に地域の期待もより大きくなってきているというふうには認識してございます。  一方で、今先生御指摘がありましたように、地方整備局の定員は、国土交通省平成十三年に発足したときは二万三千三百七十七人ということでございましたが、その後、定員の合理化を進めてきて、結果、令和二年度、今年度末の定員は一万八千九百八十九人となっております。十九年で約四千四百人、比率で約二割純減してきたというところでございます。その結果、例えば有事のときの人手が要るようなときでは、避難につながるような迅速な情報伝達ですとか災害発生時の初動対応とか、国民のまさに生命に関わるような対応をするときに少し課題に直面してきているのではないかというふうに国土交通省としては認識しております。  このような実情を背景としまして、令和二年度、先ほど先生御指摘ありましたように、発足以降初めて百一名の純増ということとなりました。国土交通省としては、今後とも、災害復旧復興あるいは国土強靱化など、政府の重要施策を確実に実施していくための必要な人員配置、人員体制確保すべく努力してまいりたいと考えてございます。
  30. 加田裕之

    ○加田裕之君 ありがとうございます。  ニーズの方は上がってきていますが、長期的な減少になっていると、定数は。今回百一名増えたということではありますけれども、ますますこのニーズは高まっていると思いますので、引き続きしっかりと人員確保についても要求していただきたいと思っております。  それにつながる質問ではあるんですが、次はテックフォースの重要性についてです。  私の地元兵庫県では、これまで何度もテックフォースを派遣してもらっております。一昨年の西日本豪雨では、私の地元宍粟市の方におきましても一名の方がお亡くなりになられるという大きな被害が発生いたしました。天然ダムも発生しまして、テックフォースの専門家による状況把握やポンプ車による排水作業を実施していただきました。これがなかったら本当に大変なことになっておりましたし、ぎりぎりのところで回避することができまして、大変感謝したものであります。自分は当時、県会議員でしたので、災害対応を行う自治体はそもそも人手が不足していると、更にその上、技術者もいない状況でありました。近畿地方整備局からテックフォースを出動してもらわないと回らないほど、体制が弱体しているのを目の当たりにしてきました。  先月の球磨川における大水害におきましても多数のテックフォースが派遣され、被災状況調査や氾濫水の排水等の作業に当たるとともに、先ほども触れましたが、多数の橋が流失するなどの甚大な被害が生じました国道や河川の復旧を県に代わって国が代行して実施するなど、地方整備局は大きな役割を果たしております。このように、大規模な災害が発生した場合の応急対応復旧復興に欠かせない存在となっている地方整備局の定員が、先ほどもありましたこと、純増、百一名ではありますが増えたということは画期的であり、高く評価をしたいと思います。  ちょうど先週末に私の地元の淡路島で津波・高潮対策のシンポジウムが開催されて、その備えとしましての国土強靱化の取組に加えまして、今後、地球温暖化による気候変動の進行が懸念されていることや南海トラフ地震の発生が切迫していることなどを踏まえると、災害発生時のテックフォースの活動の重要性はますます増してくると考えておりますが、内閣人事局の御見解をお伺いしたいと思います。
  31. 山下哲夫

    政府参考人(山下哲夫君) お答えいたします。  災害時のテックフォースの活動につきましては、被災自治体が行う被災状況の把握、被害の拡大の防止、被災地早期復旧に対する技術的支援など、その重要性について国土交通省からかねがね伺ってきているところでございます。定員管理に当たりましても、テックフォースのマネジメント強化や、近年相次ぐ災害への対応を始めとする防災減災対策は重要な課題考えており、令和二年度においては百一人の純増としたところでございます。  今後も、国土交通省から、テックフォースなど、現場の実情、課題などについて丁寧に伺いながら定員管理を行ってまいりたいと考えております。
  32. 加田裕之

    ○加田裕之君 ありがとうございます。  内閣人事局は、設立の趣旨という中におきまして、国家公務員の人事管理に関する戦略的中枢機能を担う組織であるということであります。まさにこれは戦略的に、これは国交省から言ってこなくても、しっかりと要るものは要るということで戦略的に取り組んでいただきたいと思っております。  次に、災害時におけるライフラインの問題なんですけれども、その中で一番重要となります水道についてでありますが、今回の七月豪雨におきましても水道がストップしたことによりまして大変多くの被災者の皆さんが苦労されました。また、新型コロナウイルスの感染拡大対策として、衛生管理観点からも水は大変重要でございます。  厚労省のデータによりますと、全国の水道管の法定耐用年数の四十年を超えた道路は、平成二十八年のデータで一四・八%となっております。今後、このように年数を超えた劣化した管路が災害時のライフラインの復旧の足かせにならないか、私は懸念しております。  私の地元の姫路の方におきましても、今年度、家島諸島に海底送水管の現況調査を始め更新計画を策定する予定と聞いておるんですけれども、岡山の笠岡市などと同様、離島を抱える自治体間で、水道技術研究センターを窓口に、今年度、意見交換の場を設けたとも聞いております。  これは、もう災害が起こりますと、一つの集落とか、また一つの離島とか、孤立した状態に置かれるということであります。これも国土強靱化の一環となりますが、災害に強い水道事業というものを考えていく上で、しっかりと国の方で後押しする施策が必要だと思っておりますが、厚労省の御見解をお伺いいたします。
  33. 浅沼一成

    政府参考人(浅沼一成君) お答えいたします。  高度経済成長期に整備された水道管路の更新時期が到来しており、委員指摘のとおり、災害に強い水道事業考えていく上で長期的な視点に立った計画的な更新を進めていくことが重要であると考えております。  そのため、平成三十年十二月に成立しました改正水道法において、水道事業者等に対しまして、長期的な観点から、水道施設の計画的な更新や水道施設の更新に関する費用を含むその事業に係る収支の見通しの作成、公表について努力義務を設けたところでございます。  また、平成三十年十二月に閣議決定されました防災減災、国土強靱化のための三か年緊急対策に基づき、水道管路の耐震化を集中的に推進することとしており、経営条件が厳しい水道事業者が行う施設整備事業につきましては、生活基盤施設耐震化等交付金によってその整備に要する費用の一部を財政支援しているところでございます。  厚生労働省といたしましては、今後とも、改正水道法や骨太の方針、国土強靱化基本計画等を踏まえつつ、水道事業者等が長期的な視点から水道管路を計画的に更新できるよう後押ししてまいりたいと考えております。
  34. 加田裕之

    ○加田裕之君 終わります。
  35. 吉川沙織

    ○吉川沙織君 立憲・国民.新緑風会・社民の吉川沙織でございます。  この間の災害によりお亡くなりになられた方にお悔やみと、被災された方々に心よりお見舞いを申し上げます。  今回は、令和二年七月豪雨に特化した内容として、特定非常災害災害義援金の在り方、そしてまた、今般の被害等を踏まえ、今後の災害対策防災対策に資する観点から質問いたします。  令和二年七月豪雨による災害は、特定非常災害被害者の権利利益の保全等を図るための特別措置に関する法律に基づく特定非常災害に指定されています。過去の災害における指定の例について内閣府に伺います。
  36. 青柳一郎

    政府参考人青柳一郎君) お答えいたします。  これまで特定非常災害特別措置法に基づき特定非常災害に指定された災害は、阪神・淡路大震災、新潟県中越地震、東日本大震災、熊本地震平成三十年七月豪雨令和元年台風十九号、そして令和二年七月豪雨でございます。
  37. 吉川沙織

    ○吉川沙織君 この特定非常災害特別措置法は、阪神・淡路大震災の発災を受けて平成八年に制定された法律です。今まで、今の答弁から七例あると伺いましたけれども、平成二十八年以降はほぼ毎年これに指定をされているような状況にありますが、この特定非常災害の定義について伺います。
  38. 青柳一郎

    政府参考人青柳一郎君) 特定非常災害は、特定非常災害特別措置法におきまして定義が設けられておりますけれども、ちょっと長いんではしょりますけれども、著しく異常かつ激甚な非常災害であって、被災者の権利利益の保全等、同法に定める措置を講ずることが特に必要と認められるものとされているところでございます。
  39. 吉川沙織

    ○吉川沙織君 今御答弁いただきましたように、特定非常災害特別措置法第二条の書き出しにこうあります。「著しく異常かつ激甚な非常災害」と書いてありますけれども、では、この判断をどのようにするのか、具体的な判断基準を伺います。
  40. 青柳一郎

    政府参考人青柳一郎君) この著しく異常かつ激甚な非常災害につきましては、これまで国会答弁において、死者、行方不明者、負傷者、避難者等が多数発生していること、住宅の倒壊等の建物被害が多数発生していること、交通やライフラインが広範囲に途絶していること、これらの被害により地域全体の日常生活や業務環境が破壊された状況にあること等の諸要因を総合的に勘案して該当するか否かを判断すると答弁されておりますけれども、具体的な指定基準は特にございません。
  41. 吉川沙織

    ○吉川沙織君 特定非常災害特別措置法の概要にも、それから今答弁いただいたように国会答弁でも、今おっしゃった四要件、これらを総合的に勘案するということだけであって、具体的な基準は設けていないということでした。  冒頭申し上げましたとおり、この法律は平成八年にできていますが、それほど多くの災害が指定されてきたわけではありません。ただ、平成二十八年以降、二十九年除いては、平成二十八、平成三十、令和元年、そして今回の令和二年七月豪雨と、ほぼこれに指定されるような災害が毎年発生をしているということになります。  ただ、これ、平成八年六月五日の法案審査時、参議院災害対策特別委員会で、当時の政府委員、国土庁の防災局長答弁を見てみますと、「阪神・淡路大震災級の極めて大規模かつまれに見る災害」を想定しているとの答弁が残っています。ですので、この特定非常災害の指定対象となる災害を明確にすべきではないかと考えるんですけれども、内閣府、いかがでしょう。
  42. 青柳一郎

    政府参考人青柳一郎君) お答えいたします。  特定非常災害の指定につきましては、先ほど申し上げましたように、被害の規模、状況等に係る諸要因を総合的に勘案した上で、この特別措置を講ずる必要性等の諸般の事情をしんしゃくして個別の災害状況ごとに判断することが必要であると考えております。  また、災害はそれぞれ個々に状況も異なるというところもございます。近年、激甚な災害が頻発しているということも踏まえますと、具体的ないわゆる数値基準のような指定基準を設けるということは現時点で考えておりません。
  43. 吉川沙織

    ○吉川沙織君 なぜこの問いを立てたかと申しますと、この特定非常災害特別措置法で、今回の災害も七月十四日に政令でそれが指定されているわけですけれども、この政令に指定されることによって行政上の手続がいろいろ変わります。この特定非常災害特措法というのは、その名が示すとおり、あくまで特例措置です。本来は、それぞれ定められている行政手続には何らかの形で期間が定められる理由が厳格にあるわけですので、本来、柔軟に変えられるのであれば、元々の法律を変えるべきというのが立法府側の立場として言えることかと思いますので、それを指摘して次に移ります。  令和二年七月豪雨による被災者支援するため、多くの災害義援金が寄せられています。災害義援金については、平成二十三年以降の大規模災害時に差押えを禁止する法律が制定されてきています。これまでの災害義援金差押禁止法について、法律名のみ内閣府に伺います。
  44. 青柳一郎

    政府参考人青柳一郎君) これまで四つの法律が制定されております。  東日本大震災関連義援金に係る差押禁止等に関する法律、平成二十八年熊本地震災害関連義援金に係る差押禁止等に関する法律、平成三十年特定災害関連義援金に係る差押禁止等に関する法律、令和元年特定災害関連義援金に係る差押禁止等に関する法律の四本でございます。
  45. 吉川沙織

    ○吉川沙織君 平成二十三年の東日本大震災と平成二十八年の熊本地震に関しては、特定非常災害に指定されたその災害名が冠された法律が成立をしています。  平成三十年と令和元年はそれ以外のものも入っているわけですけれども、一応確認です。平成三十年には特定非常災害平成三十年七月豪雨が、そして令和元年の方には特定非常災害に指定されている令和元年台風十九号が含まれるということでよろしいでしょうか。
  46. 青柳一郎

    政府参考人青柳一郎君) はい、含まれております。
  47. 吉川沙織

    ○吉川沙織君 つまり、今まで七つが特定非常災害に指定をされてきているわけで、その災害義援金を差押えすることを禁止する法律自体は、平成二十三年以降しかありませんので、今まで四本できています。  では、今内閣府から答弁があった四本の災害義援金差押禁止法は内閣提出法律案か議員立法かを参議院議事部長に伺います。
  48. 金子真実

    ○参事(金子真実君) お答えいたします。  災害関連義援金に係る差押禁止等に関する法律案は、過去四度成立しておりますが、全て議員立法でございます。
  49. 吉川沙織

    ○吉川沙織君 全て議法であるという答弁をいただきましたし、これらは全て全会一致で可決、成立をしております。平成二十三年東日本大震災以降の特定非常災害については、全て災害義援金差押禁止法が制定されています。  令和二年七月豪雨も先般特定非常災害に指定されましたが、これまでと同様の立法措置を行おうとする場合、国会が閉会中でも可能かどうか、参議院議事部長に伺います。
  50. 金子真実

    ○参事(金子真実君) お答えいたします。  閉会中の審議につきましては、本会議において継続審査又は調査の議決が行われた場合のみ当該委員会において行うことができます。  他方、法律案の発議、提出や本会議の招集は行えないとされておりますので、閉会中に法律を成立させることはできません。
  51. 吉川沙織

    ○吉川沙織君 先般の通常国会は、六月十七日に会期末を延長することなく迎えました。その六月十七日は、皆様出席なさったと思いますが、本会議が開かれて、そこに付された案件の一つに、委員会及び調査会の審査及び調査を閉会中も継続するの件として、異議なしで、ですから、今日もこうやって委員会は開くことができます。ただ、法律を通すための本会議を閉会中に開くことはできません。  令和二年七月豪雨が特定非常災害に指定されていることからすると、これまでと同様の立法を検討する必要があります。また、これをどうするかということによって、債権者、債務者双方にとってやはり早急に方向性が示されることが望ましいのではないかと思います。  今回、特定非常災害であるにもかかわらず、同様の立法措置が国会が閉会中であることによってのみできないとするのであれば、法の公平性の観点からも疑義が生じてしまうのではないかと私は強く思っています。国会を召集する立場である内閣の一員たる防災担当大臣については、このことを強く指摘しておきたいと思います。  これは、議法であれ閣法であれ、関係ないです。国会が開かれなければこれまでと同じような措置が国会で立法することができないのですから、それは強く指摘しておきます。  次に、災害時における情報提供の観点と行政機能の確保から伺います。  私は、平成二十年四月以降十二年間、災害時の情報提供に関し、様々な角度からこの委員会を始めとしていろんな委員会で問うてきました。その重要な伝達手段の一つである防災行政無線の整備率について伺いたいと思います。  これは、公表されている整備率と、そして私自身、これ、平成の大合併が途中でありました、平成の大合併の効果を抜いたもの、市町村合併効果を抜いた旧市町村単位の防災行政無線の最新の整備率、公表されているものと市町村合併の効果を抜いたもの、最新それぞれお答えください。
  52. 荻澤滋

    政府参考人(荻澤滋君) 防災行政無線等の整備状況でございます。  直近の取りまとめ、公表しております平成三十一年三月末現在の数値でございますけれども、全千七百市町村のうち千五百七市区町村、率にすると八六・六%で整備されているという状況でございます。また、もう少しきめを細かくいたしまして、市町村合併が行われる以前の平成十六年三月末で見てみますと、こちらは、母数、分母は三千百五十五になりますけれども、こちらについても個別に確認したところ、八四・六%という状況でございます。
  53. 吉川沙織

    ○吉川沙織君 A町とB町があってC市になったときに、A町は整備済団体であってB町にはなくて、それがC市になったとしたら、そのC市は旧B町になくても整備済団体として計上されてしまいますので、市町村合併効果を抜いた実質の整備率は公表値より当然低くなります。これは、実は私、平成二十一年四月から十一年間、定期的に一年に一回若しくは二年に一回は聞いてきたわけですけれども、大体これまで公表値とそれから実質の整備率というのは四%ぐらい平均して乖離がありました。  では、今回どうなんだろうということで、今お伺いするのが、平成二十九年三月末、平成三十年三月末、平成三十一年三月末の公表値と実質値の差、パーセンテージでお答えください。
  54. 荻澤滋

    政府参考人(荻澤滋君) 平成二十九年三月末時点では三・九ポイントの差、また三十年三月末時点では四ポイントの差、今ほど申し上げました三十一年三月末、直近でございますけれども、申し上げたとおり、二ポイントの差という状況でございます。
  55. 吉川沙織

    ○吉川沙織君 この公表されている整備率と市町村合併効果を抜いた実質の整備率って、これまで委員会等で八回聞いて今日九回目なんですけれども、大体最大で四・八から三・九ぐらいまで差があったのが、今回の今お答えいただいた数値では二%まで改善をしたように見かけ上は見えますが、これについて要因があったらお答えください。
  56. 荻澤滋

    政府参考人(荻澤滋君) 直近の平成三十一年三月末時点の調査、取りまとめでございますけれども、いわゆる防災行政無線等の整備調査でございますけれども、無線等を活用した地方団体が自前で無線網を構築する防災行政無線同報系に加えまして、コミュニティーFM放送、そういった民間事業者の放送網等を活用した防災行政無線と同等の機能を果たし得るもの、こういうものについても加えて調査をしているところでございます。今回二ポイントに縮まったというのは、こういうことが要因の一つになっているものというふうに考えています。
  57. 吉川沙織

    ○吉川沙織君 私、平成三十年版の消防白書と令和元年版の消防白書の市町村防災行政無線通信施設整備状況というのを拝見しました。そうしたら、備考欄があって、備考欄一と二とあるんです。備考欄の二の書きぶりが今回のから急に変わったんですよね。だから、今答弁されたものを、今まではずっと書きぶり一緒だったんです、平成二十年代前半から。それが、今まで同報系に特化していて、それ以外に加えたものについてはちゃんと明記していたんですけれども、それ以外のものを同等のものとみなして計上したということなんですが、では、じゃ、今までと同じ計算式、同じ基準で最新の公表の整備率と市町村合併抜いたものってあればお答えいただけますか。
  58. 荻澤滋

    政府参考人(荻澤滋君) 冒頭申し上げました直近の平成三十一年三月末現在の数値でございますけれども、コミュニティーFM放送網を活用したものを除きますと、千七百四十一市区町村のうち八三・九%、また、三千百五十五旧市町村を母数にいたしますと七九・八%ということで、その差は四・一ポイントという状況でございます。
  59. 吉川沙織

    ○吉川沙織君 これまでと同じ基準で答弁いただいたときに、一覧にしてみたんですけれども、今までは、これまでの十一年間、緩やかであっても整備率というのは上昇し続けていたんです。それが、今答弁いただいたものは初めて下落しています。この下落した要因についてあれば伺います。
  60. 荻澤滋

    政府参考人(荻澤滋君) 若干数値、委員のおっしゃるとおり下がっているところでございますけれども、例えば、大変老朽化している、現在、防災行政無線同報系デジタル化の整備が進んでおりますけれども、かつて古く何十年前に整備されたアナログ系の防災行政無線、これについてデジタル化をする、また更新する、大変費用が掛かりますので、これについては独自で無線網を構築するのではなくて、既にあるFM放送等の民間事業者の無線網を活用しようと、そういうふうに選択、決断をされた市町村があったものというふうに考えています。
  61. 吉川沙織

    ○吉川沙織君 同報系の防災行政無線もコミュニティーFMも、同時に情報を、住民の皆様に命を守るための情報を伝達するという意味では同じ機能を果たすかもしれませんけれども、今まで総務省消防庁は同報系やデジタル系のメリットを強調して地財措置を講じながら整備してきたはずです。同報系が主軸で、コミュニティーFMはあくまで今までは補完だったはずです。同列にこれから扱うということですか。
  62. 荻澤滋

    政府参考人(荻澤滋君) 従前の市町村防災行政無線、同報系の整備でございますけれども、自前で無線網を構築するということでございますので、自前で送受信機も整備する、大変費用が掛かりますので、一方で、伝達手段の整備、刻一刻争うものでございますので、それよりも早く安価にできるものであれば新しい技術については積極的に活用していくべきではないだろうかということで、二十八年に通知を出しまして、こういうような方式の活用についても推奨をしているところでございます。
  63. 吉川沙織

    ○吉川沙織君 多様な情報伝達手段はあってしかるべきですし、おっしゃることも分かります。ただ、これまで必要だからということで手厚い地財措置を講じてやってきて、なおかつ今回の公表値からしれっとその中に計上するものを変えていること自体が、私は、立法府に身を置く者としては、しれっと変えたのがちょっと余りよろしくないのではないかと思います。統計の取り方をこのように変更するということは、こうやって見付けることができればいいです、十一年ずっと聞いていたから、あら、数値おかしいじゃないのと分かっただけであって、これは余りよろしいことではないと思います。  消防庁として防災行政無線の位置付けがこれまでと変わらないということであれば、これまでの数値との連続性を確保した形で公表した上で、さらに、今おっしゃったコミュニティーFMとかを参考値で併せて公表したらよろしいんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
  64. 荻澤滋

    政府参考人(荻澤滋君) 市町村防災行政無線、同報系の整備につきましては、多額の費用が掛かることからなかなか苦戦をしているところでもございました。委員のおっしゃるとおり、この十年来、その整備に向けて後押し、支援をいただいたところでもございます。したがいまして、そういう数値の取り方については、連続性についてもしっかり配慮をしてまいりたいというふうに考えております。
  65. 吉川沙織

    ○吉川沙織君 実態を表すという意味で、本当に国が出す数値とか統計というのはとても大事ですので、是非お願いをしたいと思います。  それでは、令和二年七月豪雨において、この情報伝達手段の主要な一つである、東日本大震災で特に役立ったと消防庁防災情報室が令和二年三月に出している災害情報伝達手段の整備等に関する手引きでも書かれていますけれども、これが浸水により故障した有無、これを伺いたいと思います。
  66. 荻澤滋

    政府参考人(荻澤滋君) 令和二年七月豪雨におけます防災行政無線の被害状況でございます。これにつきましては、小規模の支障も含めて現在悉皆調査中でございますけれども、現在把握しているものでございますと、熊本県における二市一村において被害が生じているというところでございます。八代市の坂本地区、これは合併前の旧坂本村でございますけれども、そこの送受信機の被害、そのほか屋外スピーカーにおいて浸水被害が生じているという状況がございます。
  67. 吉川沙織

    ○吉川沙織君 災害時における情報伝達並びに行政機能の確保観点から、今防災行政無線の浸水被害状況について伺いましたけれども、庁舎自身が浸水をしてしまった例というのは、去年十一月二十日のこの委員会でも台風十九号の例を引いて明らかになっていますけれども、じゃ、今回の令和二年七月豪雨において庁舎が浸水してしまった事例を、把握されている分だけで結構ですのでお願いします。
  68. 荻澤滋

    政府参考人(荻澤滋君) ただいま申し上げました熊本県八代市の坂本支所、これは旧坂本村でございます、ここにおいて三メーターぐらいの浸水被害、大変大きな被害がございました。そのほか、大分県の日田市天瀬振興局庁舎、また、消防庁舎でございますけれども、熊本県の人吉球磨消防本部の庁舎において床上の浸水被害があったところでございます。
  69. 吉川沙織

    ○吉川沙織君 この浸水した庁舎というのは、例えば自治体が出しているハザードマップなりなんなりで洪水浸水想定区域内に位置していたかどうかだけお答えください。
  70. 荻澤滋

    政府参考人(荻澤滋君) 私どもで各市の方で作成しておりますハザードマップで確認しましたところ、今申し上げたところいずれも、深度の浅い深いはございますけれども、浸水想定の区域内にあったところでございます。
  71. 吉川沙織

    ○吉川沙織君 さっき、防災行政無線の浸水において、旧坂本村においては親局まで、普通は屋外スピーカーなんかは浸水することも本当はあってはならないんですけれども、親局まで浸水をしたということは、想定を超える浸水被害があったことは明らかですけれども、ただ、やはりこれは対策を講じていく必要があると思います。  先ほども申し上げましたけれども、昨年十一月二十日のこの委員会で、台風十九号等による大雨で自治体の庁舎が水没し、初動対応影響した自治体も見られたことから、庁舎が浸水想定区域に所在する自治体を内閣府として把握していますかしていませんかとお伺いしたら、把握されていないという答弁があって、でも、その後、調査をいたしますと答弁がありました。  事実、これ調査を行っていただいた結果が、今年二月五日の令和元年台風十九号等による災害からの避難に関するワーキンググループ第二回、資料六の一で示されていますけれども、庁舎の浸水対策を行っていると回答した自治体でも非常用発電機の浸水対策を講じているのは約五一%にとどまっている。こういうことから見ても、いつ何どき、どんな豪雨が、どんな災害があるか分からないものですから、早急な対策が必要だと思います。  先週八月二十一日に、内閣府は、避難勧告・指示の在り方について一本化することについて、さらには、災害対策基本法改正に向けて作業をこれから進めていくということが正式に公表されました。今後、避難勧告と指示を一本化すること自体は明らかに、もう報道も多くなされています。  では、今日以降の災害についてはどのように発令をしていくのか、内閣府の方針を伺います。
  72. 青柳一郎

    政府参考人青柳一郎君) お答えいたします。  避難勧告、避難指示については災害対策基本法に規定されておるところでございまして、一本化のためにはこの法律の改正の手続が必要でございます。また、市町村における避難情報の発令基準の変更等も行っていく必要があると考えておりますので、災害対策基本法が改正施行されるまでは現行の避難勧告、避難指示が発令されることとなるものでございます。  ですので、それまでの間、避難勧告、避難指示が発令されること、こういったことをしっかり周知をしていく必要があると考えておるところです。
  73. 吉川沙織

    ○吉川沙織君 一本化になるのにばらばらに出ると分からなくなるんですけれども、いつ出されますか、法律。
  74. 青柳一郎

    政府参考人青柳一郎君) 現在、サブワーキングの検討を年内を目途にまとめていただくべく作業を進めておりますので、その結論が出次第、法案をまとめて、閣議決定に向けて法案作業を進めていければと考えております。
  75. 吉川沙織

    ○吉川沙織君 避難勧告と指示については、災害対策基本法の第六十条に法的根拠がないとも読めないような文章はありますので、確かに変えないと、あと、市町村長にその発令の権限があるので分からなくはないんですけれども、私たちからすれば、もうこれ一本化するの分かっていて、でも、どっちやねんということになりかねないので、是非混乱を来さないような形でやっていただきたいと思います。  そしてまた、これ、去年三月に避難勧告等に関するガイドラインが改定されて、全員避難を意味するのはレベル4です。でも、さらにその上に5があるので、まだ上のレベルがあるから油断で住民に直感的に分からないというおそれがあるとは思わないでしょうか。5だと既に災害発生しています。いかがでしょう。
  76. 青柳一郎

    政府参考人青柳一郎君) お答えいたします。  委員指摘のとおり、警戒レベル5を設けると、それまで避難しない住民が出てくるおそれがあるという点、先ほど申し上げましたサブワーキンググループにおきましても一部の委員から同様の御指摘はいただいているところでございますけれども、一方で、このサブワーキンググループでは、昨年度より警戒レベルは五段階であることを周知徹底してきている、五段階という仕組みを変えることで混乱を生じかねないのではないか、また、警戒レベル4の上に住民に命を守る最善の行動を求める段階も位置付ける必要がある、また、避難は警戒レベル4までに行うものであって、その上の段階は避難する段階ではないという位置付けを明確にするべきといった御意見も出されたところでございまして、こういった御意見も踏まえまして、今後、引き続き検討を進めてまいりたいと考えております。
  77. 吉川沙織

    ○吉川沙織君 5まであって、4で本当は全員避難なのに、まあ5があるからまだ大丈夫かと思っていたら、5だと本当に既に災害が発生している段階ですので、そこはこれからまた検討をいただくと思いますので、分かりやすくやっていただきたいと思います。  それから、もう一点あります。避難勧告・指示の一本化に伴って、市区町村が出す警戒レベル情報、これ1から5まであって、避難勧告とか指示がここに入っています。もう一個あります。今申し上げたのは警戒レベルで、警戒レベル相当情報といって、気象庁とか都道府県がこれまた出すんですけど、こっちは何かというと、河川水位や雨の情報で、同じ1から5に区分けしているんですけど、警戒レベル情報と警戒レベル相当情報があくまでもリンクをしていない、だから分かりづらい。  この関係を併せて整理をして、避難に結び付けていただくような、どうせ改善をしていくならそういう必要があると思うんですけれども、もし大臣、御所見があれば。なければ内閣府、お願いします。
  78. 青柳一郎

    政府参考人青柳一郎君) 御指摘の警戒レベル情報と警戒レベル相当情報の関係については、そもそも防災情報が多様かつ難解で分かりにくいということから、昨年、五段階に整理をして、それぞれの対応関係を示させていただいたところでございます。  ただ、まだなかなか相当情報と警戒レベルとの関係が分かりにくいという声もございますので、相当情報、関係省庁もございます。すぐさま改善がどこまでできるかというところもございますけれども、できるだけ分かりやすく住民に伝わるように、気象庁、国土交通省等とも連携して防災情報の検討を行っていきたいと考えております。
  79. 吉川沙織

    ○吉川沙織君 これ、私、何というんですか、市町村が出す警戒レベルで確実に避難しましょう、気象庁などから出る河川水位や雨の情報を参考に自主的に早めの避難をしましょうといって、別のこと書いてあるんですね、1から5で。警戒レベル情報と警戒レベル相当情報で、常にこれ見て、ああ避難しなきゃというんだったら分かるんですけど、やっぱり分かりづらいものですから、来年になろうかと思いますけど、災対法改正に向けて、これも併せて是非検討の俎上にのせていただきたいと思います。  災害情報伝達については、特に、情報が届くこと、その情報の意味が分かること、避難行動を確実に促すことが必要で大事だと思います。実態把握とその手段の在り方を含め、国民の生命、身体、財産を守るという観点で、立法府の立場から引き続き質問をしていきたいと思いますので、これからもよろしくお願いします。ありがとうございました。
  80. 舟山康江

    舟山康江君 立憲・国民.新緑風会・社民の舟山康江でございます。  令和二年七月豪雨は、梅雨前線の停滞によりまして、九州地方と、その後、岐阜、長野を中心に甚大な被害をもたらした後、東北地方に移動いたしまして、ちょうど前回の本特別委員会が開催された日の夜から山形県を中心に豪雨をもたらし、大きな傷痕を残したと、こんな状況であります。  六月十七日に国会が閉会をいたしまして、今年は新型コロナ感染症の問題で本当に議論をしなければいけない問題がたくさんあり、さらに、こうした長雨による、まさに昨日、激甚災害に指定されたわけでありますけれども、これだけの災害があったわけですから、随時、連日しっかりと議論をしなければいけない、そんな環境にもかかわらず国会が開会されないというのは大変残念だなと思っております。  本日は、そんな中でも、委員長、与野党の理事始め皆様の御尽力によりまして閉会中審査が開かれたということに関しては、心から感謝を申し上げたいと思っております。  さて、今回の災害ですけれども、激甚災害指定のほか、先ほど言及がありました特定非常災害、非常災害、そして被災者の生活となりわいの再建に向けた対策パッケージと、様々な対策支援の枠組みが用意されているということに関しては、被災者にとっては非常に心強い部分があるのかなと思いますけれども、今日は、その一方でまだまだ課題も見えてまいりましたので、そこを中心に質問したいと思っております。  山形県におきましても、最上川中流域や支流における大規模な河川の氾濫によりまして、農業用の揚水機場が多数水没し全損したほか、堆肥場などの共同利用施設も冠水により使用不可能になっていると、こんな状況であります。  資料の一枚目を御覧いただきたいと思います。  農林水産施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律、これがいわゆる農業関係災害復旧事業の根拠になる法律でありますけれども、ここ、一番上に囲ってあるところですね、ここを見ますと、災害復旧事業基本は原形復旧であります。ただし、例外として、二条六項に原形に復旧することが不可能な場合、七項に原形に復旧することが著しく困難又は不適当な場合に、これに代わるべき必要な施設をする場合にはこれを災害復旧事業とみなすことができるとありまして、この法律の解釈の詳細を定めた農林水産省農村振興局の農地農業用施設災害復旧事業査定要領の解説というものがあるんですけれども、これが、矢印の下ですね、ちょっと赤く囲ってありますけれども、この解説の中での見解を見ますと、災害復旧事業被災した施設の従前の効用回復を行う事業であるとされております。  それでは、この効用回復とは何か、この下に書いてありますけれども、原施設の効用回復とは従前の利用上の機能及び安定度を回復するために行うものであり、機能の回復と、その安定度の回復ということについても解説がございます。  その中で書かれているのが、これ真ん中の③のところの二行目からですけれども、無理に原位置に原形復旧を行えば利用上の機能の回復は可能でも施設の安定は保ち得ない場合もあります。こういった場合を原形復旧不可能、困難、不適当と言っているんですけれども、その場合には、従前の施設の安定度を限度として位置、規模、構造、工法等を変更して復旧することになりますとなっております。  そして、それはどういう場合に可能かという規定があるんですけれども、そこには、災害によって地形、地盤、その他種々の状況の変化が伴う場合にそういった、変えることもできますよと書いてあるんですけれども、地形、地盤、そのほか種々の状況変化とは何か、これ一番右に書いてありますが、今回、もうその直近の災害時の降雨量、洪水量等を含めることによってその構造物の建築、建造地点における被災前までの確率降雨量、洪水量等の構造物設計の基礎となる条件変化も含みます。  ここ最近、甚大な、まさに想定外の災害が起きているということを考えると、やはりこういったいわゆる種々の状況変化によっても、場合によっては位置、規模、構造、工法等を柔軟に変更して施工することができるということがこの解説書に書いてあるんですけれども、例えば、後で少し詳細に触れますけれども、あるところで対岸に堤防ができれば、当然、これは地形の変化、流量の変化があるということが想定されますので、まさにこれも種々の状況変化に含まれるんではないかと考えております。  農水省にお聞きいたしますけれども、現在でも、これ二〇一五年の解説、二〇一五年、これが一番新しいものと聞いて取り寄せさせていただきましたけれども、現在でもこの運用、解釈に変更はないかどうか、確認したいと思います。
  81. 牧元幸司

    政府参考人牧元幸司君) お答え申し上げます。  ただいま委員から御説明ございましたように、この災害復旧事業につきましては原形復旧が原則でございますけれども、原形復旧が困難等の場合には従前の効用を復旧するために必要な施設とすることができるということでございまして、その解釈、運用についても変更はないところでございます。
  82. 舟山康江

    舟山康江君 困難な場合、そして何でやるかというと、やっぱり効用回復が目的なわけですね。そういう状況でかなり柔軟にできるという解説があるんですけれども、どうも聞きますと、これ、多分山形県だけではないと思いますが、現場では厳しく原形復旧を指導しているというような声もよく耳にいたします。  現場の職員が限定的に解釈、運用したがる背景には、財政上の制約とか財務省がということもあるかもしれませんけれども、気候条件などの変化に対応せずに、また同じところに原形復旧して更に被災を繰り返せば、かえって無駄な支出を生むだけであり、費用対効果の観点からも問題ではないかと思っております。  先ほどちょっと触れました、河川の片側で堤防が、資料の二枚目ですね、御覧いただきたいと思いますけれども、これ右側の西野々揚水機場と大海平揚水機場がもう完全に水没をして使えなくなりました。因果関係の分析はまだこれからだと思いますけれども、その対岸に、被災前に新設された堤防、非常にきれいに整備された、元々はこの向かって左側がいわゆる浸水常襲地域だったんですけれども、そこを防ぐために再整備されました。  そうなったときに、やはり地元の皆さんにお聞きしますと、今回未曽有の雨量だったということもあるにせよ、この反対側、揚水機場のある側が非常に大きな今までにないような浸水を受けたと、こんなこともありました。  そういった場合に、これは当然、揚水機場設置時点とは大きく状況が変化したということにもなりますので、例えばかさ上げですね、先ほど位置、規模、構造、工法、こういったことをしっかりと適用させてできるのかなと思っておりますので、是非、現場の状況とか、さっき言いましたように、雨量が変化している、気候が変化している、そういったところも含めて、原則、原理原則に縛られることなく臨機応変に、まさに機能回復のための運用をして指導を徹底いただきたいと思っております。  これ、農地農業用施設災害復旧事業査定要領という要領ありますけれども、それだけを見ますと、かなり範囲が限定的に書いてあるんですね。それで、こういった解説書の中で細かくこんなこともできますよということを書いていると思いますけれども、この同じ解説書の中では、一見すれば各状況に例示されたもののみが復旧事業として法の適用を受けるように見えます。いわゆる限定基準のような感じを受けますが、主な事例のみを例示してあるため、いわゆる原則基準と考えてくださいと、ここまできちんと書いてあるわけです。  そういう意味で、やはり是非この趣旨を徹底して、できるだけ柔軟に対応いただきたい。若しくは、やはり非常に細かく限定的に書いてあるこの要領そのものをもう一度見直す、そんな時期にも来ているんではないかと思いますので、是非そこも併せて検討いただきたいと思います。  やはり、これから復旧だけではなくて復興ということも考えていかなければいけない。そういった意味では、先ほど本田委員質問の中では医療・福祉施設復旧の話もありました。多分ほかの分野でも同じなのかと思うんです。原形に戻すだけでまた被害があるようなことではないように、しっかりと運用見直しを検討いただきたいと思いますけれども、答弁いただきたいと思います。
  83. 牧元幸司

    政府参考人牧元幸司君) お答え申し上げます。  今回のこの七月豪雨につきましては、御指摘いただきましたように、農林水産関係にも大変大きな被害をもたらしたところでございます。  この被害への支援対策につきましては、この再度災害防止観点を踏まえつつ、早急に農林漁業関係施設等の復旧を進めるということにしているところでございます。関係機関に対しましても、災害復旧事業による再度災害防止に向けた取組等の推進について通知するなど周知も行っているところでございます。  今委員からるる御指摘いただきました、例えばこの浸水被害を受けた揚水機場でございますけれども、これにつきましても、災害復旧事業におきまして、施設への浸水を防止するための例えば窓などの開口部を閉塞したりとか、あるいは電気設備を高い位置に移設するといったようなことについても経済性を考慮しつつ実施できるとなっているところでございまして、ただ、この被災した施設ごとに状況も大変様々でございます。また、復旧方法につきまして、地元の御要望もこれまた様々でございますので、地元自治体等の意見も伺いながら災害復旧にしっかり取り組んでまいりたいと考えております。
  84. 舟山康江

    舟山康江君 是非柔軟に、ケース・バイ・ケース対応いただきたいということを改めてお願いを申し上げたいと思います。やっぱり現場からは、いや、原形復旧ではなくて、もう少しちょっと工法の変更も考えたいんだけれどもそのハードルが高いんだという声をまだお聞きいたしますので、改めてお願いしたいと思います。  加えて、ちょうどこの二基の揚水機場があるこの場所に関しては、近くに国交省の最上川中流消流雪揚水機場というものがあって、要は冬場のあれですね、消雪用の機場があって、それが物理的に供給可能かどうかはまだ分からないんですけれども、是非、農水省、国交省、連携をして、復旧もそうですし、例えばすぐに復旧できないときに、こういった国交省の施設等の利用ですね、そういったこともできるか、その辺の連携も密に取っていただきたいと。今、整備局を通じてそれが可能かどうか確認していただいている最中なんですけれども、是非、農政局と整備局と連携して、こういった部分も、いわゆる相互の利用ですね、こんなことも考えていただきたいなと思っております。  もう一点、今回激甚ということで、非常に本体工事、高い補助率で実施できるということは大変有り難いということなんですけれども、本体工事に加えて、設計費、やっぱり一市町村でかなりたくさんの箇所が壊れていると設計費の負担も大変重たいんですね。一般的には設計費は補助対象に含まれないというような御回答ではございましたけれども、ただ、通常の補助事業とは違いまして、災害復旧事業基本的にはもうやるということなわけですね。実行されるのが前提ですし、まさに密接不可分のことでありますので、そこも併せて大胆に制度設計を切り替えるべきではないのかなと思います。  被災地の自治体の職員は、もう本当にいろんなことに対応しなければいけない。やっぱりこういったところの負担軽減という意味でも、設計費など、設計など外注できるところは外注できる、そこも補助事業に含まれるというような運用改善はできないものなんでしょうか、お答えいただきたいと思います。
  85. 牧元幸司

    政府参考人牧元幸司君) お答えを申し上げます。  御指摘いただきましたこの査定の設計書でございますけれども、これは災害復旧事業の申請書類ということでございますので、申請書類でございますので、基本的には事業主体の負担となっているところでございます。  しかしながら、今般のこの七月豪雨につきましては、激甚災害ということでございます。この激甚災害に係る災害復旧事業につきましては、事業主体の負担軽減のために査定設計書の作成経費について補助を行っているところでございますので、御活用できればと思っているところでございます。
  86. 舟山康江

    舟山康江君 一般論としては今のお答え分かるんですけれども、先ほども申しましたとおり、壊れたものを直すのにやっぱりどうしても新しい設計も必要だというところの中で、そこは農水省だけの問題じゃないかもしれませんけれども、是非、国交省等も含めて、この設計費の扱いについては政府全体で再検討していただきたいということをお願い申し上げたいと思います。  続きまして、河川の整備管理について質問させていただきます。  各地ともに被害の最大の原因は、多分どの災害も共通しているのが河川の氾濫ですよね。河川の氾濫によって非常にこの浸水被害が起きているということであります。  気候変動による豪雨の頻発化、激甚化を見据えた事前防災対策には国交省、政府を挙げて取り組んでいただいているわけでありますけれども、国土強靱化三か年計画、これにも入っていますが、河川氾濫への対策を更に急ぐ必要があると思っております。  まず、なぜこれだけ毎年河川氾濫が起こっている中で、河床が上昇、それから支障木があるという、こんな状況に対して放ってしまったのか。現状に対する認識と原因を国交省に見解をお伺いしたいと思います。
  87. 井上智夫

    政府参考人(井上智夫君) 河川におきましては、出水等に伴う河床の上昇、樹木の著しい繁茂が治水上支障を来す場合があり、堆積した土砂や繁茂した樹木の撤去を適切に行うことが重要と認識しております。  このため、国管理河川におきましては、河川の流下能力について管理目標を設定し、おおむね五年を計画期間とする河川維持管理計画に基づき、日常の河川巡視や定期的な測量等により土砂の堆積や樹木の繁茂の状況を把握した上で、堆積土砂の掘削を定期的に実施しております。  一方、自治体が管理する中小河川では、予算等の制約から、維持管理観点で行う堆積土砂の掘削などが計画的に進められず苦慮している場合があると認識しております。
  88. 舟山康江

    舟山康江君 圧倒的に、やはり河川の管理もう少し力を入れていかないと、ダム、堤防のような大きな事業もそうですけれども、やはり基本的には、きちっと元の河床に戻していくというんですか、河床掘削、しゅんせつ、こういったものが今本当に求められているんではないのかなと思います。  資料三枚目、御覧ください。  この左側の写真が先ほど言及いたしました山形市における堆肥場の脇を流れる川、もう本当に小川のような川で、こんな川だったらすぐあふれるなと思ったんですけれども、災害の後、県の方に強くしゅんせつをお願いしたところ、すぐに取り組んでいただきまして、右側、えっ、こんな普通の川だったんだって本当にびっくりしたんですけれども、ある意味、ここまで放置されている河川がたくさんあると思うんですよ。まさにここは早急に点検をして、予算の制約はあるにしても、やはりかなり優先順位高いと思うんですよね、このしゅんせつ。  そういう中で、総務省でも、緊急浚渫推進事業費ですね、と併せて緊急自然防災防止対策事業債と、こういったことでしゅんせつをできるような、起債ができるかなり使い勝手のいいものができていますけれども、是非これをどんどん進めていただきたいと思いますし、防災観点からも、内閣挙げて、特に防災担当大臣としても、この推進についてももっとアピールしていただきたい、拡充を求めていただきたいと思っておりますので、ここは要望だけにとどめさせていただきたいと思います。  続きまして、揚水機場などの河川管理施設管理につきまして、河川法九十九条におきましては、特に必要があると認められるとき、国が整備管理している河川管理施設の維持又は操作について地方公共団体等に委託できるとされておりますけれども、国交省にお伺いいたします。特に必要があると認めるときというのはどのようなときなんでしょうか。
  89. 井上智夫

    政府参考人(井上智夫君) お答え申し上げます。  河川法第九十九条第一項の特に必要があると認めるときとは、河川管理者の人員、体制等を勘案した場合、河川管理施設の維持や操作等を地方公共団体等地域に密着した者に委ねた方が河川管理者自身が行うよりむしろ望ましいと認められる場合を指すものと考えております。
  90. 舟山康江

    舟山康江君 その辺、どのように役割分担をするかというのをもう少し規定上も明確にした方がいいのかなと感じました。  といいますのが、排水機場などは自治体が受けて、これも自治体から個人に委託している場合がありますし、水門などについては個人に直接、いわゆる非常勤の国家公務員として委嘱していると、こんな状況ですけれども、それはそれで現場をよく分かっているということはいいんですけれども、緊急時にどのような指示体系、指揮命令系統になっているのか、責任関係どうなのか、場合によっては、緊急時には国の職員が直接駆け付けてやはりその指揮を執るという必要性もあるんではないかと思いますけれども、この辺りの再点検をするべきだと思いますし、あわせて、マニュアル等の整備も行われているのかどうか、ここをお聞かせください。
  91. 井上智夫

    政府参考人(井上智夫君) まず、操作員への指示体系につきましては、自治体に操作を委託した場合は地方自治体を経由して、個人を任命した場合は直接個人に対して河川管理者から出動の指示を行うとともに、操作員からの報告内容を参考に、河川管理者として適宜必要な判断、指示を行っております。  なお、河川管理者の操作内容は操作規則等によることが基本であり、地方自治体に委託した場合も、直接個人を操作員に任命した場合においても、操作員の役割は同様です。さらに、委員指摘のように、河川水位の上昇等により操作員が現地で孤立するような緊急事態が想定される場合には、地方自治体へ委託した場合も、直接個人を任命した場合も、操作規則等に基づき、河川管理者から安全な場所への退避の指示を行うなど、操作員の安全確保に努めております。  以上のような緊急時の対応は、本省からの通知等を踏まえて操作規則等に位置付けをしているところでございます。引き続き、地方自治体や地域の皆さんの御協力をいただきながら、排水機場や水門、樋門等の操作に関し、出水時等の対応に不備がないよう適切な対応に努めてまいります。
  92. 舟山康江

    舟山康江君 ある場所では、国が水門を閉めたけれども、それが市町村が知らなかったと、こんな声も聞こえてまいりましたので、是非、連携を密にということをなおこれから徹底いただきたいなと思っております。  続きまして、流域治水への転換についてお聞きします。  昨年十月十八日、国土交通大臣から社会資本整備審議会に対しまして、「気候変動を踏まえた水災害対策のあり方について」の諮問がありまして、小委員会において五回の検討を重ねまして、七月九日、あらゆる関係者が流域全体で行う持続可能な流域治水への転換が取りまとめられました。  図示したものが四枚目の紙であります。非常に画期的だと思うんですね。ただ川で止めるだけではなくて、上流でためて、場合によってはあえて流して、そして被害の軽減ということでありますけれども、この内容に関して、まさに激甚化する数々の災害の中でやはりこういった転換というのは大事だと思うんですけれども、防災担当大臣の見解をお聞かせください。
  93. 武田良太

    国務大臣武田良太君) 七月九日、御指摘の社会資本整備審議会答申を受けました。  今までは、河川そして下水道の管理者を中心とした治水対策であったわけですけれども、やはりこれだけ多くの被害が毎年起こっているという中で、これは全て見直していかなくてはならない。その管理者だけではなくて地域全体、住民も含めた上で、地域全体の力でこの治水対策というものを進めていこうという考えだというふうに承知をいたしております。  とにかく、国民の生命と財産を守っていかなくてはならないわけであって、ハード、ソフト一体のこの流域治水という考え方というのは非常に画期的かつ重要であると思いますので、我々も関係省庁と連携してしっかりと取り組んでまいりたいと、このように考えています。
  94. 舟山康江

    舟山康江君 ありがとうございました。  今大臣最後に言われたように、本当に関係省庁が連携をして取り組んでいかなければいけないという、その重要性が改めて再認識されたのかなと思っております。  これを受けまして、それぞれ河川整備計画と、これ最上川だけでこんなに分厚いものですけれども、それぞれの水系ごとに河川整備計画が作られております。そうなりますと、これを受けて、また今回の災害を受けて、この河川整備計画を見直すということがこれから進んでいくのかなと思いますけれども、どのようなスケジュールでどのように見直していくのか、今の計画をお答えいただきたいと思います。
  95. 井上智夫

    政府参考人(井上智夫君) 社会資本整備審議会の答申を受け、国土交通省としては、治水計画などを作成する際の基準を見直し、過去の降雨実績に基づく計画から気候変動による降雨量の増加などを考慮した計画に見直してまいります。  こうした計画の見直しには気候変動による河川ごとの影響の精査等に時間を要しますが、令和二年七月豪雨など、近年、現行の施設能力を超える洪水が頻発化している現状を踏まえ、まずは全国の一級水系で国、都道府県市町村等の関係者が一堂に会する協議会を設立し、当面の対策を明らかにした流域治水プロジェクトを本年度中に策定してまいる予定です。  その上で、気候変動の影響による降雨量の増加を考慮して流域治水プロジェクトを見直し、河川管理者等が主体となって行う治水事業等をこれまで以上に充実強化することに加え、国、地方公共団体地域の企業、住民の方々など、あらゆる関係者が協働して氾濫域も含む流域全体で治水対策に取り組む流域治水に進めてまいります。これらの検討の中で河川対策について追加等が生じた場合には、河川整備計画を速やかに見直してまいります。
  96. 舟山康江

    舟山康江君 ありがとうございました。  その中で、集水域でのためるということの重要性が強調されている中、この報告書を見る限り、森林の役割、いわゆるかつて緑のダムという言われ方もしましたけれども、森林の役割に対する言及がちょっと弱いのかなと思っております。  その点について、国交省の見解と、やはりここは農水省が積極的にこの森林の保水機能の向上、そして氾濫、いわゆる遊水地機能ですね、こういったところの再評価が求められると思いますので、双方からこれに対する見解をお聞かせいただきたいと思います。
  97. 井上智夫

    政府参考人(井上智夫君) 近年の水災害の頻発化、激甚化を踏まえると、流域のあらゆる関係者が協働して流域全体で治水対策に取り組むことが重要でございます。その際、集水域における保水や土砂流出防止などの機能を持つ森林を保全することも重要と考えております。  これまでも治水計画は、日本学術会議から示された大洪水においては顕著な効果が期待できないとの見解にも留意しつつ、森林の保水機能を前提として作成してきております。  また、平成二十九年九州北部豪雨を始めとした近年の災害では土砂流出に伴う流木による甚大な被害が発生していることから、治水治山対策とも連携しながら、流木捕捉効果の高い透過型砂防堰堤等の整備を進めています。  引き続き、森林の保全における取組とも連携して、安全、安心な地域づくりのため、流域全体で治水対策を行ってまいります。
  98. 加藤寛治

    ○副大臣(加藤寛治君) お答えいたします。  流域全体での治水対策を進めていく上では、森林、農地の有する水源涵養等の機能を適切に発揮していくことが重要であると考えております。  このため、農林水産省では、健全な森林の育成を図るための間伐等の森林整備や、流木や土砂の流出を抑制する治山対策を進めて、森林の有する国土保全や水源涵養機能の維持向上に努めるとともに、農業者が地域の共同活動として取り組む田んぼダム等、水田の持つ貯水機能を活用した取組の推進を取り組んでいるところでございます。  また、近年における豪雨災害の形態の変化を踏まえて、これらの機能がより高度に発揮できるように、国土交通省や地元自治体とも連携をしながら、流域全体の治水対策が進むことができるように努めてまいりたいと考えております。
  99. 舟山康江

    舟山康江君 終わります。ありがとうございました。
  100. 矢倉克夫

    ○矢倉克夫君 公明党の矢倉克夫です。  私からも、これまでの災害でお亡くなりになられた方に心からお悔やみを申し上げるとともに、被災された方へのお見舞いを申し上げたいというふうに思います。  前回もお配りした資料、まず、お配りしております資料一枚目、御覧いただきたいと思います。  こちら、阪神・淡路大震災から二十年をこれ実証検証しまして、その際に発生した経済被害がどれくらいか、そして減災がどれくらいになるかということをこれシミュレートしたものをここに書いてある災害に適用したものであります。  特に、高潮をこの前申し上げたんですが、二千億円のこの対策で二十七兆円の減災ができるという結果になっております。この意味も込めて、改めて減災効果という意味で非常に高い高潮対策、現状どうされているか。  あわせて、前回の質疑のときに大臣の方から、三か年計画が終わった後もしっかりと国土強靱化を取り組んでいくというような話がありました。その趣旨も踏まえて、今後の対策も併せてお伺いをしたいと思います。
  101. 山本竜太郎

    政府参考人山本竜太郎君) 海岸関係省庁である農林水産省、国土交通省を代表して、水産庁からお答えします。  昨今、激甚化、頻発化する台風災害により、全国に毎年甚大な被害が発生しています。このような状況を踏まえ、高潮などによる浸水を防止するため、防災減災、国土強靱化のための三か年緊急対策により、全国約百三十か所において、堤防のかさ上げや離岸堤の整備など、緊急的な対策を進めているところです。この三か年緊急対策により高潮対策を行っている海岸では、昨年の台風第十五号や台風十九号により高潮などから浸水被害を防いだ事例も見られます。また、防災減災、国土強靱化のための三か年緊急対策後においても、事前の防災対策は重要であるとの認識の下、骨太の方針を踏まえ、中長期的な視点に立って国土強靱化のための海岸整備に取り組んでまいります。
  102. 矢倉克夫

    ○矢倉克夫君 引き続きよろしくお願いします。  高潮に関連してですけど、次の資料二の一、二を見ていただきたいんですけど、二の一の方は、これ江東五区、足立、葛飾、墨田、江戸川、江東区、こちらの大規模水害ハザードマップです。想定九百三十ヘクトパスカルぐらいの台風が来て、また高潮や洪水が起きた場合の想定、これほぼ今の五区がすっぽりはまる感じで、さらに二枚目見ると、一週間以上これ浸水が続いているというところが多いという、非常な災害状況であります。  次に、もう二枚、資料三の一、三の二になります。これ、併せて、当事者自治体のこの危機意識を分かりやすくしたこれリーフレット、発行されているリーフレットであります。三の二の方を見ると、ここにいては駄目ですと、二百五十万人を避難するという想定でいろいろ書かれている、それぐらい危機意識が非常に高いわけであります。  その上で、他方でいろいろ検討しなきゃいけないことがあって、例えばこの避難先の確保ですね、足立区では埼玉県の方に行くという話になりますけど、例えば埼玉県も、川口の方などは荒川の氾濫のおそれも当然あり、また、今朝方、私、埼玉県の越谷とか吉川の方にもお話もお伺いもしました。中川、綾瀬川、氾濫のおそれもある。そういった避難先として想定されているところも避難の可能性、しなきゃいけないような可能性もあって、どこに避難先を確保するかという話、あと、昨年の台風十九号のときなどは、想定された避難時間には既に計画運休が始まっていて交通手段もなかったりとか、やはりこういうことを事前に改めて検討しなければいけないことがたくさんあるわけであります。  そういう、平時からしっかりと連携の枠組みをこれつくらなければいけないわけなんですけど、こういう近隣県を含めた自治体間の連携、この広域避難の実効性を高めるためには支援促進する必要があると思いますが、国はどのように取り組んでいらっしゃるのか、答弁いただきたいと思います。
  103. 青柳一郎

    政府参考人青柳一郎君) お答えいたします。  大規模水害時における広域避難に関しまして、平成二十七年の関東・東北豪雨の際に広域避難課題となったことを踏まえまして、中央防災会議の下にワーキンググループを設置し、平成三十年の三月には、三大都市圏のゼロメートル地帯を念頭に、大規模かつ広域的な避難において想定される課題基本的な考え方等について取りまとめたところでございます。その後、具体的な対応を検討するために、東京都と共同で関係自治体、交通事業者、河川管理者等で構成する検討会を設置しまして、荒川下流域を中心として、自治体を含む関係者間の連携による避難場所避難手段の確保等について検討を進めてきているところでございます。  また、御指摘がありましたように、令和元年、昨年の台風十九号で顕在化した広域避難課題を踏まえまして、現在、国のサブワーキンググループにおきまして、広域避難関係者間の調整を円滑に進めるための調整、協議の仕組み等についての検討を進めているところでございます。  これらの検討を通じまして、各地域の広域避難についての近隣県を含みます自治体間の連携の促進が図られるように、引き続き関係機関と連携して進めてまいりたいと考えております。
  104. 矢倉克夫

    ○矢倉克夫君 既に枠組みをつくっていらっしゃるということでありますけど、近隣県含めて是非お願いしたいことと、特にこの受入れ側は、受け入れる、非常に負担だけを負うわけじゃなくて、やはり受け入れやすい体制をつくるための支援であったりそういうことも考えないといけない。あと、分散避難という考えもいろいろ考慮しながら考えなきゃいけないと思うんですね。二百五十万の方が全部避難をするという形がいいのか、それとも、その場に残って、避難することがかえって危険な方もいらっしゃるかもしれませんから、そういった現実的な議論も含めて、是非安全な体制を今からつくっていただきたいというふうに思います。これは要望したいと思います。  あともう一点だけ。今の関係でいうと、広域避難にする前の予防防災がやっぱり必要なので、荒川に関しては、荒川上流の方の第二、第三調節池など、そういうのをしっかりと整備していくことがこれ重要であります。これを改めて、何度も申し上げているので、強く要望だけにとどめたいというふうに思いますので、よろしくお願いを申し上げたいというふうに思います。  続きましてですが、三つ目の問いとして、改めてですけど、令和二年のこの七月豪雨、本当にお亡くなりになられた方に御冥福をお祈りを申し上げて、被災された方にお見舞い申し上げたいというふうに思います。  大変甚大な被害が起きました。特に海抜が低い地域、ずっと長い間浸水していたという状況、そういう中で、大牟田市などでは豪雨によって三川ポンプ場というのが水没した。これ、現地の公明党の議員が大牟田市長とともに赤羽大臣にも申入れもしたわけであります。  こういう排水設備というもの、この三川ポンプ場というのは整備途上であったわけでありますけど、そのために大牟田市が計画していた水準にもこれは達していなかったわけであります。今回、復旧ということでありますけど、早期の災害復旧と併せて機能強化というのをこれ望みたいというふうに思います。  今後の復旧方針を改めてお伺いするとともに、今、先ほども、農機の関係では舟山議員が災害復旧ということでお話もされておりました。下水道に関しても、災害復旧という概念は基本、原形復旧なんです。ただ、想定を超えて起きているものがやはりある。同じようなものではなく、更に機能を強化しなきゃいけないというところは同じであるというふうに思います。  様々な補助金、下水道床上浸水対策事業事業間連携下水道事業など、こういう個別補助金などもしっかりと活用をして、事前防災観点から全国的な排水設備の単なる原形復旧ではない機能強化を加速すべきであり、そのための予算をしっかりと確保すべきであるというふうに思いますが、この点も答弁をいただきたいと思います。
  105. 井上智夫

    政府参考人(井上智夫君) 令和二年七月豪雨浸水した大牟田市の三川ポンプ場については、国土交通省のテックフォースが行った被災調査を踏まえ、大牟田市において災害復旧に併せて機能強化を行うことを復旧方針としているものと承知しております。これを受け、施設の耐水化、ポンプの増強などの機能強化のための具体的な施設計画の策定については日本下水道事業団が大牟田市を全面的に支援しており、今後、事業を実施する際には国土交通省としても財政的支援に努めてまいります。  次に、委員指摘の排水設備の機能強化を全国で加速すべきとの御指摘につきましては、ポンプ場や雨水貯留施設等の大規模な雨水対策施設整備を計画的、集中的に実施することができるよう、防災・安全交付金に加え個別補助制度を創設し、積極的に支援しているところです。  国土交通省といたしましては、最終年度となる防災減災、国土強靱化のための三か年緊急対策を着実に進めるとともに、三か年緊急対策後も中長期的視点に立って計画的に取り組むため、必要十分な予算確保に努め、ハード、ソフト両面から下水道の浸水対策を強力に推進してまいります。
  106. 矢倉克夫

    ○矢倉克夫君 前回の質問でも申し上げました。三か年で終わりではなく、三か年後もしっかりとこれは必要な政策、予算をつくっていかなければいけない。そういう意味でも、今のお話を支えられるように我々もしっかりと訴えていきたいというふうに思いますので、どうぞ引き続きの予算獲得、よろしくお願いを申し上げたいと思います。  もう一つ、九州の現場からお伺いしたお話でありますけど、なりわい再建補助金、これは、従来のグループ補助金のグループ要件というものを撤廃をして、自治体連携型補助金と一体化して新しく創設をしていただいたものと理解もしております。四分の三が補助をされる、一定の場合は特に自己負担なく定額補助をされるという、非常に制度として良い形で改良されたものと理解もしておりますが、特に定額補助については過去に被災されたことを条件とされていらっしゃる。  本年七月三十日の対策パッケージでは、この趣旨として、制度の趣旨としては、熊本地震、コロナ禍、あと豪雨、この三重苦に対応するという趣旨の記載があるわけでありますけど、例えば豪雨被害が多かった球磨川流域、人吉市や球磨村など、特に県南地域というのは熊本地震被害が甚大というわけでは必ずしもなかったわけであります。こういう地域からは、この過去に被災という要件で自分たちは外されてしまうんじゃないかというような御不安がある。  これについてはどのように思われるかということと、あわせて、定額補助の要件だとしても、過去に被災したかどうかというところよりは、私は現に助けを求めているかどうかというところが重要でありますから、この要件というのは不要なのではないかと考えているところでありますが、それについて見解をいただければと思います。
  107. 村上敬亮

    政府参考人(村上敬亮君) 御説明の機会をいただき、ありがとうございます。  なりわい再建補助金本体につきましては、もう先生御承知のとおり、中小企業等が行う施設や設備の復旧等に要する費用の四分の三を補助する、で、速やかな復興と。この補助金自体につきましては、特に過去の被災については要件になってございません。まさに今苦しんでいる方々をお助けするための補助でございます。  なお、併せて御紹介いただきましたとおり、次に、特に、コロナの影響下である、さらに熊本地震を始め過去数年以内に被災をしているという三重苦の方につきましては、特例的に、更に定額、一〇〇%で、自己負担のない形で復興を支援をさせていただくと、こういう枠組みをつくらせていただいてございます。  その三重苦ということでございますので、コロナの影響を受けていること等とともに、過去数年以内に発生した災害被害を受けたことということを要件にさせていただいてございますけれども、これは必ずしも過去の被害というのは熊本地震だけに限りません。とにかく、何らかの形でコロナプラス過去の災害ということについて御説明をいただければ更に上乗せの定額補助を発動すると、そういう運用を考えさせていただいてございます。  過去の被災をどのように証明するかにつきましても、一件一件丁寧に伺わないと、どのようにお答えすればいいか分からぬケースもあるものですから、余り頭から、はなで食って掛からずに、できるだけ一件一件の御要望を丁寧に伺いながら、極力柔軟に支援できるように現場でも運用に努めてまいりたいと、このように考えてございます。
  108. 矢倉克夫

    ○矢倉克夫君 分かりました。そういう地震が、被害が起きているかどうかで、そういうこと、硬直的な判断ではないということと、個々の事情に応じてという、柔軟な運用をというようなことの趣旨で御答弁だったというふうに思います。  制度の周知とともに、この過去何年というところ、この仮に要件が残らざるを得ないとしたら、そこをしっかりと柔軟に運用する形で多くの方をできる限り支えてあげれるような対応で是非お願いをしたいというふうに思います。  最後、ちょっと問い五と問い六を併せて、大変恐縮ですけど、質問させていただきたいと思います。  最後はやはり、今回も豪雨関係など、千寿園など、逃げ遅れた方々への被害が起きた場合などもあります。やはり、介護施設やまたあるいは障害者の方々の施設など、避難弱者を抱えている建物の避難の在り方であります。特に、私もかなり前のときに質問した川越のけやきの郷さん、これは障害者施設でありますけど、そういう施設は、やはり多くハザードマップ上危険なところにあるという印象があります。現に、いろんなところで建てようとしてもなかなか建てられずに、最終的にそこに建てたというような経緯を持っていらっしゃる施設が様々あるわけであります。  まず、行政に、こういう各施設がハザードマップ上どこにあるのかということを、これ現在ある施設だけじゃなくて、今後造ろうとする施設もしっかりとこれは把握をしていただきたい。その上で、垂直避難のためにはやはりスロープなどの設置が必要であるというふうに思います。  今回は既に障害者施設のための補助措置はあったわけですけど、この千寿園の例を基にして介護施設への措置というものも交付金という形でとられたわけでありますが、先ほど言った行政としてどこにどの施設があるかということをちゃんと把握した上で、行政の側からこういう制度があるということをしっかりとプッシュ型で後押しをして申請するような形のサポートなどもしていただきたいというふうに思いますが、この点、お伺いをしたいというふうに思います。
  109. 堀内斉

    政府参考人(堀内斉君) お答え申し上げます。  まず、ハザードマップ上の危険な地域に所在する施設をきちっと把握すべきという点についてでございます。  障害者施設や介護保険施設等は、自力で避難することが困難な方も多く利用されていることから、利用者の安全を確保するため、各種災害に備えた十分な対策を講じる必要があると考えております。  このため、従来より、施設を所管する自治体においては、洪水等の浸水想定区域内や土砂災害警戒区域内に所在する障害者施設や介護保険施設を的確に把握し、その上で、施設に対して策定が義務付けられている非常災害対策計画の内容やその実効性を確実に把握、点検するとともに、災害時の早期の避難が着実に行われるよう助言を行うこと、特に、災害時に危険な場所に所在する施設については防災部局と連携して避難情報発令時に個別に連絡することを徹底することなどによって早期の避難を促すこととしております。  今般の令和二年七月豪雨を受けまして、改めて、先日、八月の十八日には、厚生労働省から各自治体に対しまして、非常災害対策計画の確認、避難情報発令時の連絡を徹底するよう連絡したところです。今後も災害に備えた十分な避難対策が取られるよう、様々な機会を通じて促し、更なる利用者の安全の確保に努めてまいりたいと考えております。  もう一点、今般の新しい支援策ということで、御指摘のありました垂直避難用のエレベーター、スロープ、避難スペースの確保等の改修工事に対して補助を行うということを創設した点についてでございます。  今御指摘ありましたように、この補助を申請するに当たっては、各施設にこの制度をきちっと御理解していただくということが我々も重要と考えております。議員の御指摘も踏まえまして、洪水などの浸水想定区域内や土砂災害警戒区域内に所在する施設に対して当該補助制度が十分周知され活用されるよう、都道府県等と連携して補助事業を進めていきたいというふうに思っております。
  110. 矢倉克夫

    ○矢倉克夫君 ありがとうございます。
  111. 宮崎勝

    ○宮崎勝君 前回、七月二十八日に閉会中審査が行われましたけれども、そこに引き続きまして質問をさせていただきたいと思います。  まず、私、今回の七月豪雨におきまして甚大な被害を受けました熊本県を、被災地を七月十八日の日には視察させていただきました。  本日は、熊本県の復旧課題、また今回の災害の教訓につきまして、我が党の地元の議員の報告などを基に、改めて質問をさせていただきたいと思います。  最初に、熊本県の現在の避難者数でございますけれども、今月二十四日現在、四十四か所の避難所に千百七十五人が避難をされているということでございます。猛暑が続く中、避難者の健康面などへの影響考えますと、できるだけ早く、仮設住宅など、少しでも安心できる住まいを確保すべきだと考えております。  現在、建設型、賃貸型応急住宅などの確保を進めていると思いますけれども、現状と今後の見通しにつきまして、まず内閣府にお伺いしたいと思います。
  112. 青柳一郎

    政府参考人青柳一郎君) お答えいたします。  熊本県におきましては、八月二十五日、昨日時点で、建設型応急住宅については六百八十三戸の建設に着手しておりまして、人吉市や球磨村などでは既に入居が始まっているところでございます。また、賃貸型応急住宅、みなし仮設ですけれども、これは二百十八件の申込みに対して九十八件の入居が決定しているというところでございます。  さらに、熊本県におきましては、先週、八月の十九日に被災市町村における応急仮設住宅等の確保状況と今後の必要戸数についても取りまとめ、公表をされたところでございまして、今後も多様なニーズを踏まえまして、住まいの確保、着実に行われていくものと考えております。  被災地における住まいの確保状況はきちんと注視しながら、熊本県等と連携して、できる限り早期に確保できるように対応してまいりたいと考えております。
  113. 宮崎勝

    ○宮崎勝君 なるだけ九月、十月というところで入居を進めているということですけれども、速やかに進むようにお願いをしたいと思います。  次に、災害廃棄物などの撤去についてでございます。  我が党の地元議員の話では、災害廃棄物土砂撤去は、市街地はほぼ完了していますけれども、球磨川の支流地域では人家の周りに砕石や流木などが残っており、これらについては、人の力、人力ではなかなか取り除くのが難しく、撤去が進んでいないということでございます。  また、解体することを選んだ家屋については、解体と併せて災害廃棄物等を撤去する段取りを取るようでございます。しかしながら、この家屋解体について国の支援が受けられることになっているんですけれども、しかしながら、やはり人手と業者の不足で時間が掛かることが予想されているということでございます。  七月三十日の被災者の生活となりわいの再建に向けた対策パッケージでは、この災害廃棄物等を生活圏内から一刻も早く撤去することや家屋解体を加速化する取組が示されているところでございますけれども、今後の対応について環境省に伺いたいと思います。
  114. 松澤裕

    政府参考人松澤裕君) お答え申し上げます。  土砂廃棄物を屋内から排出することが困難な方がいらっしゃいますので、この方々を支援するため、人吉市におきましては、内閣府、国土交通省熊本県と連携いたしまして、まずボランティアの皆さんの参加を一層促していくということとともに、今回の大雨災害、それから新型コロナウイルス感染症により影響を受けていらっしゃる地元企業の方に土砂廃棄物の搬出を委託をして、重機も入れて搬出に参画していただくと。  さらに、土砂廃棄物に関して国交省と環境省の連携した撤去スキームというのを体制づくりを進めまして、人吉モデルという取組を現在進めているところでございます。球磨村では、先行して土砂撤去を地元の森林組合が重機も入れてやっていただいているという状況でございます。球磨村では、土砂に加えまして、住家から廃棄物を出す部分について、人吉と同じ取組を今後展開をしていただくことになっております。  家屋解体につきましては、現在、人吉市始め被災市町村で申請の受付手続などが始まっているところでございます。環境省では、地方の環境事務所職員、それから、過去の災害被災してこういった家屋解体を経験した自治体職員、地元の熊本市、こういったところございます。こういった方々の応援も行いまして、地元の市町村の解体業務の支援を行っているところでございます。また、解体業者につきましては、関係する事業者団体、建設業ですとか解体工事業とかございますので、こういったところと連携して、まさにこの事業体制を進めているところでございます。  被災地の、被災者皆様生活再建、こういったことが順調に進むように、環境省といたしましても今後とも全力支援をさせていただきたいと思います。
  115. 宮崎勝

    ○宮崎勝君 是非お願いしたいと思います。  現地では、やはり人手不足、また業者がなかなか今不足しているというようなこともございまして、やはり時間が掛かるということがかなり言われているようでございますので、この辺の迅速化を更に進めていただければというふうに思います。  さらに、次に、今回の七月豪雨の教訓を踏まえた今後の防災対策についてお伺いしたいと思います。  最初に、武田防災担当大臣にお伺いしたいと思います。  今回もそうなんですが、想定を超える豪雨、台風災害が毎年のように今発生している上、今回の豪雨災害では避難所における新型コロナウイルスの感染防止対策も必要になるなど、難しい対応が迫られたというふうに思います。今後、本格的な台風シーズンを前に、今回の教訓を今後の防災対策にどのように生かしていかれるのか、大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
  116. 武田良太

    国務大臣武田良太君) このコロナ禍の災害対応というのは本当に神経を使うものでありました。我々は、出水期に入る前段で、各自治体の方にこうしたコロナ禍における例えば避難所の在り方、感染予防対策についてはずっと協議をしておりました。私自身、その避難所に訪問させていただいたときに、その御当地の自治体やボランティアの方々が本当に、そのレイアウトの在り方、パーテーション、そして消毒、全てしっかりと対応していただいたというところに本当に感謝をまずは申し上げたいと思います。  今一番思うのが、コロナ禍で一番の問題は何かといったら、やっぱり絶対的なマンパワーが足りないということです。先ほど、土砂の排出等で、委託業務で地元の企業が手伝ってくれているというような状況ですけれども、本来全国から集まってくださるボランティアの方々が力を発揮してくれる部分が、その力が発揮できなかったというところ、このマンパワーの不足分をどうやって補っていくかということを今から真剣に考えていかなくてはならないんじゃないかなと思います。  それと、もう一個は分散避難の問題で、安全がこれはきっちりと確認できたときには自宅だとか御親戚のところに避難をしていただくということ、それを促しておったわけでありますけれども、どなたがそうした、例えば自宅に避難をされているかということをなかなか自治体が確認ができない、そのために、我々としては、そうした在宅の避難をされている方々にも食事等の物資補給というものをして、物資支援というものをしておったんですけれども、どなたがどういう形でどこに在宅避難されているかということがなかなかつかめていないことによって、十分できた支援対策というものが生かされていなかった部分ということも、これも十分に反省していかなくてはならないんじゃないかなと思います。  ただ、とにかく避難所というのは、この暑さ、そしてコロナ、災害という本当にもう肉体的にも精神的にもかなりのストレスやダメージを与えられるものであって、そうした中において、経産省始め、プッシュ型支援、クーラー始め暑さ対策に本当にスピーディーに対応していただいた。また、自衛隊の皆さん方が入浴支援施設、これは本当に全ての皆さん方から大変評価と感謝をされたわけでありまして、そうした被災地の実情に沿った、皆様方のダメージにしっかりと我々が対応できる対策というものを今後とも果たしていきたいと、このように考えております。
  117. 宮崎勝

    ○宮崎勝君 是非お願いいたします。  続きまして、教訓の二番目として、高齢者など要配慮者避難対策についてお伺いしたいと思います。  現時点で分かっている熊本県の死者六十五人のうち六十五歳以上の高齢者の方は五十五人で、八五%を占めているということでございます。また、熊本県によりますと、亡くなった方の約八割は水死だったということでございます。球磨村の特別養護老人ホーム千寿園でお亡くなりになった十四人の方を始め、河川の氾濫で急速に浸水が進んだことにより、多くの高齢者の方が自宅から逃げ遅れたと見られております。  過去の災害でも、高齢者など要配慮者避難対策が教訓となっているところでございますけれども、政府におかれましては、令和元年台風十九号等による災害を受けまして、中央防災会議の下に設置されたワーキンググループにおいても高齢者等の避難実効性確保が論点になっているというふうに承知をしております。  高齢者など要配慮者の方々の避難対策を強化するため、一人一人の状況に応じた個別計画を法定化するなど、もう一歩踏み込んだ対応が必要ではないかと考えておりますけれども、内閣府の御見解をお伺いしたいと思います。
  118. 青柳一郎

    政府参考人青柳一郎君) お答えいたします。  高齢者障害者など要配慮者の方については、災害時の避難に困難を抱える場合がございます。その支援等は重要な課題であると認識しておりますし、御指摘のとおり、昨年の令和元年台風十九号、また今般の令和二年七月豪雨においても高齢者障害者など要配慮者に多くの被害が生じたところでございます。  現在、昨年度のワーキンググループを受けた形で高齢者等の避難に関するサブワーキンググループを設けておりまして、ここで高齢者障害者等の避難の実効性の確保について御議論をいただいているところでございます。  サブワーキンググループでは、自ら避難することが困難な避難行動要支援者ごとの避難計画であります個別計画など制度的論点となっておりまして、計画策定主体、実施体制、福祉専門職の関与を促進する工夫などの課題について検討を進めていただいているところでございます。  今後、このワーキンググループの検討結果も踏まえまして、もう一歩踏み込んだ対応が取れないかということについてしっかり検討してまいりたいと考えております。
  119. 宮崎勝

    ○宮崎勝君 是非、我が党としては個別計画をしっかりと実効性を持たせるような対策が必要だというふうに思っておりますので、何とぞよろしくお願いしたいと思います。  次に、夜間の避難対策についてお伺いしたいと思います。  人吉市であるとか球磨村は、災害時に行政や住民が取るべき行動を時系列でまとめたタイムラインを作り、水害に備えてきたところでございます。行政の側は、今回の豪雨におきましても計画に沿って、球磨川の氾濫が発生したのは四日だった、四日の朝だったわけですけれども、その前日である三日の段階から避難情報を出して、それに基づいて避難した方もいらっしゃいましたけれども、残念ながら逃げ遅れてしまった住民も多かったということでございます。その原因として、住民にとって過去に経験したことのない想定外の豪雨になったということとか、あるいは未明の数時間で水位が急激に上昇したことなどが考えられております。  今回の豪雨の原因として線状降水帯ということが言われておりますけれども、その発生予測は大変難しいということであります。そうした中で、夜間であるとか未明に豪雨となった際の住民の避難対策について、やはり夜間ということに絞って改めて検討すべきだと考えておりますけれども、この点について、内閣府、どのような御見解か、お伺いしたいと思います。
  120. 青柳一郎

    政府参考人青柳一郎君) お答えいたします。  御指摘のとおり、夜間また未明の豪雨というのは大変避難が難しいところでございます。避難行動が困難になるような大雨や暴風が夜間や早朝に生じることが予想される場合には、前日の夕方時点など、可能な限り早めに避難情報を発令するということを周知徹底するということが考えられるところですけれども、一方で、住民の方々には、やはり平時から地域災害リスクを認識してもらうということ、また、避難情報、警戒レベル4ということで発令された場合には、やはり全員避難というところ、改めて理解して徹底をしていただくということも重要であろうと思います。  現在議論を進めております避難情報等に関するサブワーキンググループにおきましても、今回の豪雨における気象情報や避難情報の発信状況等を踏まえて、関係省庁とも連携して必要な検討は行っていきたいと考えております。
  121. 宮崎勝

    ○宮崎勝君 ありがとうございます。  おっしゃるように、やっぱり行政だけに頼るのではなくて、やはり自助や共助も必要だという、自助や共助が必要である、それを強めていくことが必要だということであると思います。私たちもそうした観点からこれからもしっかりと対策に取り組んでいきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。  以上で終わります。ありがとうございました。
  122. 音喜多駿

    音喜多駿君 日本維新の会の音喜多駿です。  初めに、令和二年七月豪雨による被害でお亡くなりになられた方々とその御遺族に対しまして深く哀悼の意を表しますとともに、全ての被災者皆様に心からお見舞いを申し上げます。  それではまず、被災者生活再建支援制度について質問をさせていただきます。  住家被害に関する支援については、災害救助法における応急修理と災害生活再建支援金の二つがあると承知しており、後者の被災者生活支援金は全壊で三百万円、大規模半壊で百五十万円となっております。しかしながら、現在の、現状の住家被害の区分である全壊、大規模半壊よりも下の半壊や一部損壊についても相当程度の数が発生しており、被害の実態に合う形での救済金額を検討すべきと考えます。  こちら、かねてより我が党が要望、提案していることでありまして、改めての要望と、こちら提案となりますが、内閣府の見解をお伺いいたします。
  123. 青柳一郎

    政府参考人青柳一郎君) お答えいたします。  被災者生活再建支援金につきましては、全国知事会からの半壊世帯への支給対象拡大の要望を受けまして、全国知事会と実務者会議を設けて検討を進めてまいりましたけれども、先月三十日に検討結果をまとめたところでございます。  これによりますと、同じ半壊であっても、上位の損害割合三〇%台については、今、補修費等が相当高額になっていることから支援金の対象とすることが考えられ、その支給額は補修の場合で五十万円程度が妥当とされているところでございます。現在、この実務者会議の検討結果も踏まえて、半壊世帯の一部にも支給対象を拡大する方向で政府内の検討、調整等を進めているところでございます。  なお、支給金額の引上げ、最大三百万円ということにつきましては、平成三十年七月の全国知事会の報告におきまして、現行の支給額は被災者が住宅再建を行うために必要な支給額であると考えられることから、支給限度額は現行どおりとするとされているところでございます。  また、全国知事会との実務者会議においては、住民に対して保険、共済の加入促進といった自助の取組を促していくことが重要との認識を共有したところでございます。自治体とも連携して加入促進を図ってまいりたいと思います。被災者生活再建支援金の公助だけでなく、保険、共済による自助も重要であると認識しているところでございます。
  124. 音喜多駿

    音喜多駿君 八月四日と昨日の武田大臣の記者会見も拝見しまして、そして、今の御答弁にもありましたように、大規模半壊については支援金検討していただいているということでございますので、是非、早急な対応をお願いしたいと思います。  あわせて、被災者生活再建支援する観点からも、例えば地震、水害、風害というような災害状況に合わせた基準を構築するなど、よりきめ細やかな被害基準の作成も検討していただきたいと要望をいたします。  次に、本日これを中心に聞いていきたいんですが、都市防災観点から、災害時の非常用発電機等の燃料備蓄についてお伺いをいたします。  近年、都心部や沿岸部を中心に高層マンションが多く建設されておりますが、これらのマンションなどでは、災害やブラックアウトを想定して、国では、非常用発電機が七十二時間稼働できるように、貯蔵する容器や発電機設置等に要する初期費用の補助というのは行っております。災害医療分野で生死を分けるタイムリミットとして七十二時間の壁があるため、この七十二時間の非常用の電源、燃料というのは非常に重要になるわけです。  しかしながら、現時点では、高層マンションなどにおける非常用発電機等の燃料の備蓄、管理状況や費用について把握ができておらず、災害時に七十二時間以上の稼働が実際に可能なのかについても分からないのではないかという指摘があります。というのも、非常用発電機の燃料は定期的に入替えをしないと実際緊急時には稼働しないおそれがあり、経産省は非常用発電機に使用する燃料であるA重油と軽油の劣化試験を実施し、調査結果に基づき、使用推奨期限をそれぞれ三か月、六か月と発表をしています。  そこで、高層マンションなどにおける非常用発電機等の燃料の備蓄が持続的に行われるため、まず、災害用の備蓄を前提とした燃料の入替えが定期的に行われているのかどうか、また、その場合の費用などについて包括的に調査をし把握すべきと考えますが、内閣府の見解をお伺いいたします。
  125. 青柳一郎

    政府参考人青柳一郎君) お答えいたします。  昨年の東日本台風による大雨に伴う内水氾濫によりまして、高層マンションの地下部分に設置されていた非常用発電機等の電気設備が冠水をして停電が発生したところでございます。  この反省に基づきまして、今年の六月に、国土交通省及び経済産業省におきまして、建物の上階等の浸水リスクが低い場所への電気設備の移動等の対策、こういったものについて取りまとめた建築物における電気設備の浸水対策ガイドライン、これを策定し、また関係団体を通じて周知を図りますとともに、発電機設置等に要する経費についても補助を行っているところでございます。  また、このガイドラインにおきましては、必要な燃料の備蓄及び品質の劣化を防止するための適切な管理についてもうたっているところでございまして、燃料の定期的な入替えは必要なものであると認識はしておりますけれども、まず一義的には所有者等皆様の自助努力できちんと点検、管理をしていただくものと考えております。
  126. 音喜多駿

    音喜多駿君 今御答弁ありましたように、初期の備蓄に関しては国がかなり積極的に補助をして今これは整ってきた、それは前向きなことだと思うんですけれども、じゃ、この備蓄、入替えに関しては、まず自助努力でという段階にとどまっているわけですね。三か月と半年で入れ替えるというのはこれはかなりコストが掛かることなので、やはりかなり、実際に私が仄聞したところではほとんどの方がやっていないのではないかというふうに指摘をされております。なので、まず、是非これは実態調査をして現状を把握していただきたいと私は強く考えております。  そして、この調査を進めていただくことに並行いたしまして、非常用発電機燃料の劣化基準と燃料の入替えについて、必要であれば消防法の改正が必要ではないかと考えます。  例えば、災害拠点病院などは災害時に電力供給や燃料補給が途絶しても七十二時間程度の非常用発電機の使用により病院の機能を維持できるように定められていますが、この量というのはもう莫大であって、病院にとって経済的負担が非常に大きいとされています。そのため、非常用発電機の劣化に対応して劣化燃料を入れ替えるという作業を行っている病院もやはりほとんどないのではないかということを民間調査から仄聞をしております。  こうした非常用発電機の燃料は劣化も早いと言われておりますので、病院や行政施設など災害時に長時間の発電能力が求められる特定施設においては、消防法に基づく検査実施項目に非常用発電機燃料の劣化基準というのを追加し、劣化している場合、燃料の入替えを義務付けるべきではないかと考えますが、消防庁の見解をお伺いいたします。
  127. 五味裕一

    政府参考人(五味裕一君) 消防用設備等の非常電源であります自家発電設備につきましては、消防法第十七条の三の三の規定に基づきまして定期的に点検を実施いたしまして、その結果を消防長又は消防署長に報告するということになっております。  自家発電設備につきましては、半年に一回、実際に原動機を稼働させまして自家発電設備が正常に運転できることを確認すると、こういう点検基準になっております。もし支障がございましたら、燃料の交換を含めまして適切に対応することとしております。  消防庁といたしましては、こうした点検を適切に実施することによりまして、現に設置されている自家発電設備につきまして、その機能の確保に引き続き取り組んでまいりたいと存じます。
  128. 音喜多駿

    音喜多駿君 本当、この燃料が、全体の総量とすればかなりの量あるのが、やはりちゃんとこの七十二時間動かせるのかどうかと。劣化基準というのをチェックしていくというのは、実はこれは義務付けるだけというのは、今のチェック基準もそうなんですけれども、それだけでは機能しませんで、非常用電源の備蓄燃料入替えに伴うコストというのはやはり相当程度掛かりますので、事業者の負担にもなり得ます。  例えば、この廃油の処理については発電事業者に焼却処理や発電などの燃料として買い取ってもらうことで入替えコストを低減させることや、こうしたことは平時から国と連携して、劣化する前に新しい燃料と交換、流通させることを促してコストを低減させる仕組みなどのこうしたものの検討の支援が必要ではないかと思います。  今の指摘とも関連して、非常用発電機の備蓄燃料のランニングコストについても伺っていきたいと思います。  これもある民間団体の試算によりますと、例えば東京都の港区、この本庁舎及び防災拠点のみなとパーク芝浦では、合計約十八万リットルのA重油を備蓄しております。この燃料費を一リットル当たり仮に百八円としますと、約二千万円となります。これを規定に基づいて、このガイドラインに沿って約三か月ごとに入れ替えますと、年間八千万円ということになります。また、この入替えに伴い、タンクの洗浄費、廃油処理費などが発生し、約一千万円が生じると、こうした試算が出されております。とりわけ、このA重油は長期保存が難しいため、備蓄燃料は指定数量が許す限り軽油に代替していくことが望ましいと考えられますが、しかし、軽油には地方税として一リットル当たり三十二・一円の軽油引取税が課されるため、備蓄燃料の維持や入替えの障害になっていると、こうした指摘や意見が生じています。  現在、船舶や農業などの一部の事業に関してはこの税が減免されており、甚大な災害復旧に七十二時間以上を要する災害が発生することも想定して、燃料備蓄に関する負担軽減や持続的な備えを促進する観点から、非常用発電機燃料に使用する備蓄燃料についても軽油引取税の減免、補助などによって燃料備蓄と入替えを促進すべきと考えますが、この税を所管する総務省に見解をお伺いいたします。
  129. 川窪俊広

    政府参考人(川窪俊広君) お答え申し上げます。  軽油引取税は都道府県が課税をする地方税でございまして、かつて道路特定財源とされておりましたが、平成二十一年度以降、一般財源とされております。このため、現行制度におきましては、道路の使用の有無に関係なく課税をすることが基本考えられ、軽油が特定の用途に供される場合に課税を免除する措置につきましても、三年ごとに税制改正プロセスの中で延長の適否が検討されるということとなっております。一般財源化後は新たな課税免除のカテゴリーを導入することは基本的に行われていないところでございますけれども、いずれにしても、今後の課税免除措置の在り方につきましては税制改正プロセスの中で御議論いただくことになると考えております。  こうした軽油引取税の課税免除についての基本的な考え方を踏まえつつ、御指摘の燃料備蓄につきましてどのような政策手段をもってそれを進めていくかという点に関しましては、関係省庁での検討に留意をしてまいりたいと考えております。
  130. 音喜多駿

    音喜多駿君 今、税の在り方やルールについてはもうそのとおりなんだと思います。ただ、これを変えていくリクエストというのは担当省庁から出さなければいけないということなんだと思いますが、是非、今述べてきたように、やっぱりこの軽油というのを、ずっと大量のものを三か月、六か月に一遍交換していくというのは非常に負担になっていくと。  そこで、自助努力でというのであれば、もちろん自助努力も重要なんですけれども、減税などのインセンティブを与えてこれを入替えを促していく、そうした取組もやはり私は必要ではないかと思いますので、これは関係省庁横串で皆さんで進めていただきたい、省庁横断で進めていただきたいと思います。そして、このリーダーシップを取るというのがやはりこの防災担当大臣の役割の一つじゃないかと考えます。  政府においては、災害時に備えた自衛的な燃料備蓄に関する事業を行うなど、国として災害時の非常用発電等の燃料備蓄そのものについては一定程度進んでいると理解しておりますが、一方で、今述べてきたように、燃料の適切な管理、入替えについては現状が把握できていないことが課題の一つとなっていると私は感じています。  こうした施策は電源や燃料が配置されていることが目的ではなくて、緊急時に電源が動くことが目的となるべきです。実際に大きな問題が発生する、災害時に動きませんでした、そういうことで命が失われる、こうしたことが起こる前に、国として確認を行い、燃料備蓄、入替えの問題を改善していくべきと考えますが、武田大臣の見解をお伺いいたしたいと思います。
  131. 武田良太

    国務大臣武田良太君) 災害時におけるこの非常用電源については、発電機については、非常に大きな役割を果たしているんだろうと思います。発電機はあれど燃料がないから動かない、また経年劣化等で燃料が駄目になって不具合を生じるということは絶対にあってはならないというふうに思っております。  このため、国、地方公共団体施設並びに災害拠点病院等に関する非常用の発電機については、防災基本計画において、委員指摘の最低三日間ですね、十分な期間の発電が可能となるよう燃料の備蓄等を行い、平常時から点検、訓練等に努めることを定めております。  また、地方公共団体向けに発出しております大規模災害発生時における地方公共団体の業務継続の手引きにおいても、非常用発電機の燃料等が経年劣化等のない状態で十分確保されているかを確認する旨定めております。  このように、非常用発電機の燃料の適切な管理や入替えについては、まずは施設管理者の責任において行われるべきものとは考えておりますけれども、委員指摘の点につきましては、関係省庁としっかりと今後勉強してまいりたいと、このように考えております。
  132. 音喜多駿

    音喜多駿君 丁寧な御答弁いただき、ありがとうございます。  まず定められているというのはもうそのとおりで良いことだと思うんですけれども、じゃ、実際にやられているのかと。消防庁さんも言いましたように、動くところまで確認してもらっているといっても、じゃ、動いたから、まあ燃料劣化していないんならいいかということでやっぱり入替えをしないとか、そうした事案がもし常態化しているとすれば、やはりこれは大規模災害起きたときに大きな問題を引き起こす可能性が高いと。  そして、仄聞する限りでは、やはり入替えをしている病院や高層マンションというのは余りないのではないかというような民間の調査もありますので、この点、国としても緊張感を持って是非注視していただきたいと思いますので、要望をさせていただきます。  それでは次に、残された時間で、まず、被災地のボランティアへの対応について伺います。  私も、これまで、二〇一一年、東北の復興支援や、昨年も台風被害を受けた千葉県の富津市などにボランティアとして参加をしてまいりました。  いざ災害が起こりますと、社会福祉協議会が災害ボランティアセンターを設置、運営し、ボランティアの方を鋭意受け入れます。しかしながら、社会福祉協議会というのは元々平時地域福祉の事業を担っている機関であって、ボランティア活動というのは複数ある業務の一つであります。そのため、災害時においても、介護福祉事業などの業務もあることから、その災害対応に当たる人員というのもどうしても限られますし、一方で、こうした災害時には民間ボランティア団体が目覚ましい活躍をされており、言わばもうプロフェッショナルとして現場を仕切られている、そういった場面を私も見てまいりました。  具体的には、私がボランティアへ行った二〇一一年のときは、石巻の専修大学のキャンパスでテントを張って、ずっと集団でボランティアやっていたんですけれども、たくさんのボランティアが来ていただく、そうすると、社会福祉協議会が受入れのいわゆるキャパオーバーと申しますか、把握しているニーズ、案件というのに対して、ボランティアが百件しかないのに三百団体来てしまう。そうすると、二百人の方に対してはボランティアお断りして、今日はもう全部マッチングは終わったのでボランティア作業はありませんということで打切りになってしまうということはよくあるんですね。  その後、じゃ、二百人があふれてしまったらどうするかというと、おい、兄ちゃん、まだまだこっちにニーズあるでと言って、うちの団体把握しているからという、結構プロボランティアの団体が仕切っているところに付いていくと、確かに困っている人がいて、そこでボランティア作業をやると。  そういうように、我々は、当時は野良ボランティアとか言っていましたけれども、そういう社会福祉協議会を通さない野良ボランティアというのは、まあ行政としては禁止というか、社会福祉協議会通してくださいと言うんですが、社会福祉協議会のキャパにはやっぱり限界があって、実態として、現場では、やっぱりそういうかなり経験値を積んだプロボランティアの人たちが、社会福祉協議会が手が回っていないところのニーズを、もう山奥に原付でぶおおと行ってニーズを聞いてきて、じゃ、三人連れてくるよといって戻ってきて、今日はマッチングできなかったというボランティアを引き連れて実際作業をやると。  裏側では、ちゃんとそのNPO団体とかボランティア団体も、ちゃんと福祉協議会に今日どこどこへ行って、山の奥へやってきましたからと情報共有はしているんですけれども、ただ、公的にはやっぱりその野良ボランティアというのは禁止されているので、そういうことというのは表向きにはなかったことになっていると。  こういう状況は、二〇一一年には少なくともたくさん現場としてありましたし、今、私はちょっと熊本には行けていないんですが、熊本に入っている当時のボランティア仲間の話を聞くと、やっぱりそういう状況というのは今も改善されていないというか、そうしたことはどうしても起きてしまう。これは社会福祉協議会が悪いわけではなくて、そのキャパシティーの中で一生懸命やっているわけですけれども、こういう災害初期の段階から実際にこういうことが起きているとすれば、そうしたプロのNPO団体、ボランティア団体の方々と連携をするということも前向きに考えて、仕組み化していく必要というのがあるのではないかというふうに思います。  この災害ボランティア不足というのも解消するため、今は確かに人足りないんですが、初期の方は逆にマッチングができないという事態も起きますと、この全国社会福祉協議会が窓口になって受け入れるというボランティア活動だけではなくて、信頼ができる民間ボランティア団体との連携や当該団体への支援というのを奨励していくべきと考えますが、こちら、内閣府に見解をお伺いいたします。
  133. 青柳一郎

    政府参考人青柳一郎君) お答えいたします。  御指摘のとおり、災害時には社会福祉協議会がボランティアセンターを開設するだけではなくて、NPO等のボランティア団体も被災地に駆け付け、それぞれの専門的能力を発揮して大きな力となっているところでございます。  やはり、ここ数年、こういったNPO等のボランティア団体との連携も進んできておるところでございます。それを内閣府としても支援をしているということで、内閣府では、支援を行う行政、社会福祉協議会、NPO等のボランティア団体等が連携、協働して活動を行える環境の整備に向けて、三者の連携、協働を促すガイドブックの作成ですとか、中間支援組織のJVOAD、全国ボランティア支援団体ネットワーク等タイアップをする、また、全国、それから被災地レベルでの情報共有会議の実施等によって支援を行っているところでございます。  今般、七月豪雨災害に際しましても、熊本県においてはこれまでに百十九のボランティア団体が避難所の運営支援等の活動を行っております。ボランティア団体、社協、県が情報共有や活動調整を行う、火の国会議と呼んでおるようですけれども、これを三十四回開催して、関係者が連携して活動しているものと承知をしております。  引き続き、御指摘のように、NPO等のボランティア団体との連携も含めて、行政、社協、ボランティア団体が連携して活動しやすい環境の整備に努めてまいりたいと考えております。
  134. 音喜多駿

    音喜多駿君 ありがとうございます。  今御答弁あったように、大分環境というのはどんどん改善していると思います。実際、昨年、富津に行ったときも、やはり社協に行ったら、NPOの名刺持っている方が何名も、いわゆる社協のメンバーというか、もう一体化して活動されていて、そうした連携というのはどんどん良くなっているんだなというふうに思います。  これはもう一歩進んで、発災の直後というか、かなり初期の段階から、今協力というのはやっぱり社協とか行政が中心になって、その中に入り込んで連携していると、そこはかなりできてきているようになったんですが、今言ったように、社協がもう受け入れないものを並行してとか、横の関係で協力していけるような、そうしたことができると、戦力が二倍、三倍というか、ボランティアの力が更に増してくると思いますので、更なる改善というのも是非御検討いただきたいと要望いたしまして、質問を終わります。  ありがとうございました。
  135. 武田良介

    武田良介君 日本共産党の武田良介です。  なりわい再建補助金というものができました。最初に中企庁にお伺いしたいと思いますが、これがどういったものなのか、どういうふうに支援が拡充されたのか、分かりやすく御説明いただきたいと思います。
  136. 村上敬亮

    政府参考人(村上敬亮君) お答え申し上げます。  今回措置されましたなりわい再建補助金は、御指摘いただいたとおり、従来グループ補助金と言っていたものと自治体連携型補助と通称していたものとを併せまして、一つの制度ということで今回総合的に手当てしたものでございます。  具体的には、従来のグループ補助と言われている部分につきましては、これも御指摘いただいたとおり、グループ要件は外しまして、個別の企業が直接、県の復興計画のところできちっと位置付けられれば、グループを組む組まないにかかわらず、従来と同様な設備等の復旧復興に向けた取組を四分の三補助し、速やかな復興の実現に向けて支援が受けられるというものでございました。このグループ要件を組む手続が不要になったというところが一つ目の拡充ポイントでございます。  続きまして、定額補助が付くようになったという制度につきましては先ほども御説明させていただいたとおりでございます。  三重苦につきましても、要件的に何か緩んだ、明確に緩んだわけではございませんが、一つ一つ極力丁寧に、特にコロナの影響下ということでは、もう既に被災前に売上げが落ちてしまっている方というのが相当数たくさんいるものですから、昨年来、そこの要件が引っかかって定額補助対象にならなかった方が、今回見込みではございますけれども、より柔軟に適用対象になる方が増えるのではないかという意味では運用上の緩和効果はあるのではないかということを期待をしてございます。  続きまして、従来の自治体連携型補助の部分でございます。  基本的な補助自体の要件は同じでございますが、今回、こちらにも同じ三重苦の条件が満たされれば定額補助が適用されることとなりました。従前は自治体連携型補助の世界には定額補助の部分はなかったわけでございますが、今回は自治体連携型補助の旧来の対象エリアにつきましても三重苦の要件を満たせば定額補助、一〇〇%助成が受けられると、この部分も拡大をさせていただいた部分になるかなというふうに思います。  いずれにいたしましても、一件一件の御事情を丁寧に聞かせていただきまして、極力実態に即した復興支援ができますように、引き続き中企庁としても制度の運用に努めてまいりたいと、このように考えてございます。
  137. 武田良介

    武田良介君 是非柔軟な運用をお願いしたいと思うんです。定額補助についても先ほど答弁、今答弁いただきましたけれども、これも一件一件本当に柔軟に対応していただくことを私からも要望させていただきたいというふうに思います。  これ今、C類型というのがこのなりわい再建補助金の中にありますけれども、これ聞きますと、災害救助法が適用されているところということがこれ一つ要件になっているということなんですが、災害救助法の適用は、皆さん御承知のように、一号から三号までの災害規模に応じたものもあれば、四号適用もあります。  実際に、今回の七月豪雨の場合にはみんな四号適用されているわけですけれども、これはC類型を使う際にも四号適用でも特に構わない、C類型を使えるということでよろしいでしょうか。
  138. 村上敬亮

    政府参考人(村上敬亮君) お答え申し上げます。  厳密に制度的なことを申し上げれば、災害救助法の対象エリア四号だから自動的に今回の補助対象になりますという設計になっているわけではございませんが、事実上そういった指定を受けたことを踏まえて、それを含む都道府県と御相談させていただいた上で、都道府県に対する助成制度として制度設計をしているということでございまして、これまでの実績からいえば、災害救助法が何号であれ対象になったエリアに対しては事実上その都道府県に対する補助制度が発動されていると。最終的にはそれを受けた方が得かどうかは都道府県にも御判断いただくことになっていますので、制度設計として直通するわけではございませんけれども、結果としても、実態は御指摘いただいたような運用になってございます。
  139. 武田良介

    武田良介君 都道府県とよく相談してと、都道府県の判断という趣旨の御答弁いただきました。そこが私非常に重要だと思っております。  一つ具体的な例なんですけれども、長野県の天龍村というところがございまして、今年の七月豪雨によって発生しました土砂崩れによって被災した建設業者、一社あるんですね。先ほどグループ要件外れたという話ありましたが、一社であります。これ、長野県は災害救助法を十四の市町村には適用しているわけですけれども、この天龍村に対しては適用しているということになっておりません。この場合でも、天龍村にある建設業者もC類を使うことはこれできるということでよろしいでしょうか。
  140. 村上敬亮

    政府参考人(村上敬亮君) お答え申し上げます。  ちょっと制度論になって恐縮でございますけれども、先ほども御案内のとおり、なりわい再建補助金制度災害救助法の指定エリアであることを直接求めているわけではなく、そうした指定エリアを含む都道府県と相談をさせていただいた上で設計をするのが本制度と、こういう制度設計になってございます。運用はもう実際御指摘いただいたとおりになっているわけでございますが。したがいまして、本件の場合につきましても、厳密に言えば長野県の判断ということになります。  少なくとも制度は天龍に対する支援を禁じているわけではございませんので、その辺も都道府県とよく事情を伺いながら詳細な運用は決めていくと、こういうことになろうかと思います。
  141. 武田良介

    武田良介君 今私は長野県の天龍村ということを言いましたけれども、各地にあると思うんですね。面的な被害を受けているところもあれば、それぞれ例えば中山間地で一件だけ被害を受けている、近隣でいえば一件だけ被害を受けている、たくさんあると思います。  今答弁いただいたように、県とよく相談をし、県がどういう制度設計していくのかということから柔軟に国の方も是非対応いただきたいということを重ねてお願いをしたいと思いますし、これ、まだ詳細は全て決まっていないということを伺っております。  これ、詳細決まりましたら、是非、紙だけで通知するんじゃなくて説明会を地元で開いてほしいと、こういう要望も岐阜県の方からも私あるんだということをお聞きをしておりまして、岐阜県も、例えば下呂、高山、それから加茂地域、そのぐらいで説明会を是非やってほしいということも私伺っておりますので、是非これは御要望させていただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いしたいというふうに思います。  次に進みたいと思いますけれども、七月豪雨が発生をしてしまいました。河川整備の重要性はますます多くの方に認識されるようになっているというふうに思います。それを考えていく上で、昨年の台風十九号災害被災した千曲川、ここの河川整備がどのように進んでいくのか、これ大変重要な先行例にもなってくるかなというふうに私は思っております。  そこで、具体的に長野市に入る前に国交省に説明求めたいと思いますけれども、今、各水系で流域治水プロジェクト、この素案というのが作られ始めておりますけれども、まず、この流域治水考え方というのはどういうものなのか、御説明いただきたいと思います。
  142. 井上智夫

    政府参考人(井上智夫君) 昨年の十一月から気候変動を踏まえた抜本的な治水対策について社会資本整備審議会において議論を進め、七月九日に流域治水という新たな治水対策をスタートさせるという答申をいただいたところです。これを受け、国土交通省としては、治水計画を過去の降雨実績に基づく計画から気候変動による降雨量の増加などを考慮した計画に見直してまいります。こうした外力の増大に対応するためには、これまで以上に治水対策を充実させる必要があります。  そのため、まずは、河川におけるハード対策として、上流、下流や本川、支川の流域全体を見据え、上流で洪水を貯留するダムや遊水地の整備、下流から計画的に行う堤防整備や河道掘削などをより一層充実させてまいります。その上で、いまだ治水施設整備が途上であることや施設整備の目標を超える洪水の発生が頻発している現状を踏まえると、氾濫が発生した際の被害を回避するため、リスクのより低い地域への居住誘導やリスクの高い地域における開発抑制などの町づくり、さらには宅地かさ上げなどの住まい方の工夫等を進めるとともに、地域住民の防災意識を高めるなど、氾濫発生に備えた警戒避難体制の充実や被災地における早期の復旧復興のための対策などについても組み合わせながら、総合的かつ多層的に取り組むことが重要であります。  このように、河川管理者等が主体となって行う治水事業等をこれまで以上に充実強化することに加え、あらゆる関係者の協働により、流域全体で治水対策に取り組む流域治水への転換を今後進めてまいります。
  143. 武田良介

    武田良介君 ちょっと長めの答弁だったんですけど、要は、その治水対策を行っていく主体をその河川等の管理者だけではなく広げていくということだとか、その流域も含めて、その氾濫域なども含めて広げていく。具体的に言うと、河川対策があり、いわゆる流域対策があり、ソフト対策があり、先ほど舟山委員の資料にも付いておりましたけれども、そういったことを念頭に置いているということだと思うんですが。  長野市、千曲川との関係ということも踏まえて一つ確認させていただきますけれども、昨年被害を受けた七つの水系は緊急治水対策プロジェクトというのを、もうこれ既に立ち上がっております、どちらも同じ三つの柱、河川対策、流域対策、ソフト対策、同じ三つの柱で具体化を図っているということで間違いないでしょうか。
  144. 井上智夫

    政府参考人(井上智夫君) 流域治水プロジェクトと七水系の緊急治水対策プロジェクトは、いずれも河川対策、流域対策、ソフト対策の三本の柱で治水の全体像を取りまとめることとしていきます。  以上でございます。
  145. 武田良介

    武田良介君 三つの柱は同じで、これを、今三つを具体化を図っている、同時に具体化を図っているということなんです。  そこで、千曲川に引き付けてちょっとお聞きをしたいと思っておりますが、長野の被災地では、今のこの緊急治水対策プロジェクト、これに基づいた復興計画が今検討されているさなかであります。この中に、国交省の関わりでいいますと、一つはその河川整備ですね、これの具体化、それからもう一つ、防災ステーションの設置という話が入っております。  これ同時にやられているわけですが、現場で起こっている声は、河川整備は進まない、防災ステーションの具体化だけは進んでいくと、こういう思いがあるんですね。河川整備はその下流域から手を着けなきゃいけない。この信濃川の関係でいえば新潟の方ですね、向こうから手を着けていかなきゃいけないということが原則なので、今回大きな課題になった立ケ花と言われるところの狭窄部、これにどう手を着けるのかというのはなかなか具体的なものが示されない、住民の皆さんには。  しかし、一方で、防災ステーションについては、予算との関係で、長野市が言うには、被災者の皆さんに言うには、八月末までに地元住民の皆さんの合意が欲しい、どこに立地をするのか、どれだけの用地面積を必要とするのかということの合意がもう欲しいということを言われているということを私は被災者の方からお聞きをいたしました。  これは、コロナの下、住民説明会がなかなか開けなかったということも含めて、それも含めて、被災者の皆さんは、被災者の声をもっと聞いてほしい、もっと時間を掛けた丁寧な議論が必要だと、こういうことをおっしゃっているわけなんです。この河川整備、立ケ花狭窄部の改修には具体化できないのに、防災ステーションだけ進むと。  これで、国交省に確認したいと思うんですけれども、この防災ステーションの基礎部分を造るには国交省が全額お金を出すんだというふうに聞いています。ですから、その立地とか用地面積、これをどうするのかという計画を上げてくれというふうに現場に要請している、そういう事実はあるのかどうか、これ八月末までにというふうに言っているのかどうか、この点について確認したいと思います。
  146. 井上智夫

    政府参考人(井上智夫君) 河川防災ステーションは、災害発生時における緊急復旧活動等の防災活動拠点として河川管理者が実施する資材備蓄のための基盤整備と、水防活動等の拠点として市町村等が実施する水防センター等の建築などを一体的に行うものです。  長沼地区の河川防災ステーションについては国土交通省千曲川河川事務所と長野市の共同で八月二十四日に地元説明会を開催し、河川防災ステーションの災害時と平常時の役割や設置予定位置、長野市が建築する水防センター等の関連施設について地元住民の皆様に御説明するとともに、御意見を伺ったところです。この中で、国として八月中までに住民の意見の取りまとめを依頼したという事実はなく、防災ステーションの計画を決める明確な期限はない旨もお伝えしたところです。  引き続き、住民の皆様の御意見を十分にお聞きしながら、長野市とともに連携して防災ステーションの整備を進めてまいります。
  147. 武田良介

    武田良介君 八月末までではないということは言ったということは、しかし、計画出してくれということをお願いしているというのは事前にお伺いしておりますが、簡潔に事実関係だけ。  流域治水プロジェクトの素案、今、信濃川の話してきましたが、それだけじゃなくて、全体のこの素案はいつまでにこれ成案にしようと思っているのか、この点だけお願いします。
  148. 井上智夫

    政府参考人(井上智夫君) 現在、国、県、市の関係者が一堂に会する協議会を設置し、検討を進めているところでございますが、まずは本年度中に全国の一級水系で当面の対策を明らかにした流域治水プロジェクトを策定してまいる予定です。
  149. 武田良介

    武田良介君 当面のと強調されましたが、今年度中に成案にするということなんですよね。  これ、私が今言ったように、混乱が生まれると思うんです。どこの水系でも生まれると思いますけれども、とりわけ七つの水系、昨年被害があって緊急治水対策プロジェクトが動いているようなところでは起こり得ると思うんです。  被災者の方たちから私お話聞きましたけど、やっぱり被災者の方たちからすると、先ほども少し言いましたが、まず狭窄部に手を着けてほしいと、そういう思いがあるのになぜ防災ステーションだけ進んでいくのかという思いになりますし、別のことからいえば、住宅再建、今本当に考えなきゃいけない時期になっています。決壊して濁流で流された、でもそのふるさとにもう一回住宅を建てるのかどうするのか、そういうことも悩んでいるときに、防災ステーションだけは場所が決まっていくということになるわけなんです。本当にこれでいいんだろうかということだと思うんですね。  これ、今年度中に流域治水プロジェクトを取りまとめると、これ現場に指示するのはやめた方がいいんじゃないかと思うんですけど、いかがですか。
  150. 井上智夫

    政府参考人(井上智夫君) 本年度中に全国の一級水系で当面の対策を明らかにした流域治水プロジェクトを策定する予定としておりますが、その後も随時様々な関係者による議論に応じて流域治水プロジェクトに参画する主体や取組内容の追加、見直しを行うことにより、流域治水の充実強化を図ってまいります。
  151. 武田良介

    武田良介君 これからも見直すんだからという答弁だと思うんですけど、早くやるべきは、既にある河川整備計画をしっかりとやり遂げるということだと思うんですよ。先ほどの答弁の中にも、そもそも河川整備計画あったけれども、それを超えて被害が発生しているわけでしょう。少なくとも河川整備計画をやり遂げるということは迅速にできるわけですから、流域治水プロジェクトを形としてまとめることを急いだところで、実際にその河川整備計画が具体的に進み、被災者の皆さんの思いにかみ合った事業が進まなかったら、私、これ意味ないと思いますよ。やっぱり、そういう意味からも、ここにこだわるんじゃなくて、実際に被災者の皆さんの願いに応える、やっぱりそういうことが本当に必要だろうというふうに思います。  もう時間がなくなってしまって、もう一つ大きなテーマ、お話聞きたいところあるんですが、大臣に最後に一問お伺いさせていただきたいと思うんです。  この流域治水プロジェクト、先ほども少し舟山委員からもお話があったんですけれども、長野県の緊急治水対策プロジェクト見ても、例えば田んぼに保水するというときに、田んぼの水が出ていく口ですね、落水口とお読みするんですかね、あそこに調整板を置いて小さな穴にして、流出する量を減らして幾らかためましょうということを書いてあるんですけど、例えばそのことをイメージしたときに、それを担えるだけの農家さんがいなきゃいけない。それはもう人数としてももちろん必要ですし、ただ計画としてそれを盛り込んだというだけではなくて、実際、自分がそれを実行するんだという農家さんがやっぱりいなきゃいけないんだと思うんです。これ、国交省が作っている河川整備のことを中心にやっている計画で、そのことが付け加わっているように見えるんですね。  ですから、先ほど舟山委員もおっしゃっておりましたけれども、本当にここの位置付けどうなっているのか。こういうことで防災減災ということを考えていくのであれば、私は事前に、事前にということもあれですが、国交省、農水省、あるいは山のこといえば例えば林野庁だとか、その以外の省庁もたくさん絡みますけれども、みんなとよく協議する必要があると思うし、言ってみれば、農業で食べていける、林業で食べていけるというところまでしっかりやらないと、本当に流域治水、それによる減災防災ってできないんじゃないだろうかと、そこまで踏み込む必要があるんじゃないかということが私の最大の問題意識なんですけれども、大臣の御見解を伺いたいと思います。
  152. 武田良太

    国務大臣武田良太君) この流域治水という発想というのは私はすばらしいものだと思いますし、これを多くの担い手の皆さん方が継続的に果たしていくためにはしっかりとした手だてを打たなきゃならないという御指摘だと思います。  これ、全て個人も、また、ありとあらゆる、農業、林業、そしていろんな御商売されている方も含めて、また個人も含めて参画、連携していただかなくてはならないし、ハードもソフトも一体化していかなくてはなりませんけれども、やはり役割分担も含めて計画性というものがこれは大事になってくるんではないかと思います。計画的に役割分担も含めた上でしっかりとみんなで連携していく、そうした一つのシステムを各地域地域でつくり上げていくことが必要だと思います。  委員指摘の農村振興と申しますか、担い手の皆さん方がいなくなればこうした流域治水というのも絵に描いた餅で終わってしまうぞと、そうしたことを考えて、我々も地方の出身ですから、そうした農村振興も含めて今後何ができるかということを関係省庁と連携して責任を果たしていきたいと思っております。
  153. 武田良介

    武田良介君 私も、発想としては、流域治水、非常に大事なことだというふうに思っております。でも、これを本当に実効性あるものにするためには、やっぱり今大臣、計画の問題、そういう角度からも御答弁いただきましたけれども、本当に農業で食べていける、林業でやっていけるという状況をつくらないとやっぱりこれはなかなか難しいんだろうということを思っておりますので、せっかくの大事な発想ですから、これを実効あるものにするために、大臣のこれからの活動で更にこれを実効性あるものにしていただきたいということを御要望いたしまして、質問とさせていただきます。  ありがとうございました。
  154. 杉久武

    委員長杉久武君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後四時六分散会