運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

2020-07-28 第201回国会 参議院 災害対策特別委員会 閉会後第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    令和二年七月二十八日(火曜日)    午後一時十分開会     ─────────────    委員異動  六月十七日     辞任         補欠選任      河井あんり君     佐藤  啓君  七月二十七日     辞任         補欠選任      佐藤  啓君     磯崎 仁彦君      小林 正夫君     古賀 之士君      水岡 俊一君     吉田 忠智君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         杉  久武君     理 事                 足立 敏之君                 長峯  誠君                 吉川 沙織君                 矢倉 克夫君     委 員                 磯崎 仁彦君                 岩本 剛人君                 小野田紀美君                 太田 房江君                 加田 裕之君                 野村 哲郎君                 馬場 成志君                 元榮太一郎君                 小沼  巧君                 古賀 之士君                 芳賀 道也君                 吉田 忠智君                 宮崎  勝君                 室井 邦彦君                 武田 良介君    国務大臣        国務大臣        (内閣特命担        当大臣防災)        )        武田 良太君    副大臣        内閣府副大臣   平  将明君        財務副大臣    藤川 政人君    事務局側        常任委員会専門        員        林  浩之君    政府参考人        内閣官房国土強        靱化推進室審議        官        宮崎 祥一君        内閣大臣官房        審議官      伊藤  信君        内閣府政策統括        官        青柳 一郎君        総務省大臣官房        審議官      馬場竹次郎君        総務省自治行政        局公務員部長   山越 伸子君        消防庁国民保護        ・防災部長    荻澤  滋君        厚生労働省大臣        官房審議官    辺見  聡君        厚生労働省大臣        官房審議官    堀内  斉君        農林水産省農村        振興局整備部長  安部 伸治君        林野庁森林整備        部長       小坂善太郎君        水産庁漁港漁場        整備部長     山本竜太郎君        中小企業庁経営        支援部長     村上 敬亮君        国土交通省大臣        官房総括審議官  長橋 和久君        国土交通省大臣        官房審議官    金井 昭彦君        国土交通省大臣        官房審議官    内田 欽也君        国土交通省大臣        官房技術審議官  渡邉 浩司君        国土交通省大臣        官房技術審議官  江口 秀二君        国土交通省水管        理・国土保全局        長        五道 仁実君        国土交通省道路        局長       池田 豊人君        観光庁審議官   五十嵐徹人君        気象庁長官    関田 康雄君        環境省環境再生        ・資源循環局次        長        松澤  裕君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○災害対策樹立に関する調査  (令和二年七月豪雨による被害状況等に関する  件)  (被災自治体への財政的及び人的支援に関する  件)  (被災者住まい確保に関する件)  (災害関連義援金に係る差押禁止に関する件)  (要配慮者避難実効性確保に関する件)     ─────────────
  2. 杉久武

    委員長杉久武君) ただいまから災害対策特別委員会を開会いたします。  議事に先立ち、一言申し上げます。  この度の令和二年七月豪雨により、甚大な被害がもたらされ、多くの尊い人命が失われたことは誠に痛ましい限りでございます。  犠牲者の御遺族に対し哀悼の意を表しますとともに、被災者皆様に心からお見舞いを申し上げます。  ここに、犠牲となられた方々の御冥福をお祈りし、黙祷をささげたいと存じます。  どうぞ御起立を願います。黙祷。    〔総員起立黙祷
  3. 杉久武

    委員長杉久武君) 黙祷を終わります。御着席願います。     ─────────────
  4. 杉久武

    委員長杉久武君) 委員異動について御報告いたします。  昨日までに、河井あんり君、水岡俊一君及び小林正夫君が委員辞任され、その補欠として吉田忠智君、古賀之士君及び磯崎仁彦君が選任されました。     ─────────────
  5. 杉久武

    委員長杉久武君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  災害対策樹立に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房国土強靱化推進室審議官宮崎祥一君外二十一名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 杉久武

    委員長杉久武君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  7. 杉久武

    委員長杉久武君) 災害対策樹立に関する調査を議題といたします。  まず、令和二年七月豪雨による被害状況等について政府から報告を聴取いたします。武田防災担当大臣
  8. 武田良太

    国務大臣武田良太君) 令和二年七月豪雨による主な被害状況及びその対応につきまして御報告いたします。  まず、一連災害により亡くなられた方々とその御遺族に対し深く哀悼の意を表しますとともに、全ての被災者方々に心からお見舞いを申し上げます。  令和二年七月豪雨は、熊本県を始めとする九州地方中心に甚大な被害をもたらしました。梅雨前線の停滞により七月三日から記録的な大雨が降り、七月四日に熊本県と鹿児島県、七月六日に福岡県、佐賀県、長崎県、七月八日に岐阜県、長野県に大雨特別警報が発表されました。新型コロナウイルス感染症による影響も重なり、多くの被災者皆さんが先の見えない不安を抱え、再建への気力を失いかねない厳しい状況が続いております。七月二十八日時点で把握しているところでは、死者八十二名、行方不明者四名等の人的被害や、多数の住家の全半壊及び床上・床下浸水等被害が出ております。道路鉄道等交通インフラ農作物等にも大きな被害が生じております。  政府としては、令和二年七月豪雨について非常災害対策本部を設置し、人命救援救助活動全力で当たってまいりました。  また、熊本県及び鹿児島県に対して内閣調査チームを派遣するなど、各省庁から被災県に対して専門的な知識を有する職員を派遣し、現地課題を速やかに把握し、先手先手対策を講じてまいりました。  これまでに、食料、飲料のほか、パーティション、段ボールベッド冷房機器及び非接触型体温計等新型コロナウイルス感染症対策も踏まえ、被災者の命に関わる生活必需品等物資プッシュ型支援として発送したほか、応急給水を含めた水道の復旧支援自衛隊による災害ごみ搬出の寄り添い支援などを行ってまいりました。  政府としてできることは全て行うとの方針の下、スピード感を持って、生活再建、そしてなりわい再建に向けて全力を尽くしてまいる所存です。  私自身、令和二年七月豪雨による発災直後の七月四日、熊本県知事と会談したのを皮切りに、被災地である熊本県、福岡県、鹿児島県、大分県及び岐阜県を訪れ、被災状況復旧復興の進捗の様子を自分の目で直接見てまいりました。改めて今回の災害のすさまじさや甚大さに触れ、被災地復旧復興に向けた決意を新たにしたところであります。さらに、安倍総理が七月十三日に熊本県を視察し、知事、被災自治体の首長と意見交換を行っております。  このような中で、令和二年七月豪雨を含む本年の梅雨前線豪雨等による災害激甚災害指定については、道路河川農地等災害復旧事業特例など、十の特例措置地域を限定しない本激として指定する見込みであります。被災された自治体被災者皆さんにおかれましては、財政面資金面に不安を抱くことなく復旧復興に取り組んでいただきたいと思います。また、被災者の権利を守り、生活再建に向けた取組を後押しするため、今般の豪雨特定非常災害指定いたしました。加えて、被災された方に住まい再建を進めていただくため、応急修理期間中の応急仮設住宅の使用を可能としました。  さらに、政府として、被災者生活支援を更にきめ細かく、迅速かつ強力に進めるため、各府省横断被災者生活生業再建支援チームを速やかに設置いたしました。十三日の非常災害対策本部における安倍総理指示を踏まえ、当該チーム中心対策パッケージを月内に取りまとめることとしており、被災地の実情を踏まえて積極的な検討を行っているところです。  被災された方々が安心して暮らせる生活や、被災した地域のにぎわいを一日も早く取り戻すことができるよう、被災地方々気持ちに寄り添いつつ、引き続き政府一丸となって被災者支援復旧復興対策等全力で取り組んでまいります。
  9. 杉久武

    委員長杉久武君) 以上で報告の聴取は終わりました。  これより質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  10. 馬場成志

    馬場成志君 自由民主党の馬場成志です。  今回、被災地熊本県選出ということでこの機会をいただいたというふうに思います。関係の皆様方に本当に心から感謝を申し上げます。  今般の七月豪雨においてお亡くなりになられた方々に心からお悔やみを申し上げますとともに、被災者皆様にお見舞いを申し上げて、この質問に入らせていただきます。  七月四日、前日から降り始めた豪雨災害は、熊本県を始め全国多くの地域に、死者八十二名、行方不明者四名、そして、いまだ把握し切れない甚大な被害国民にもたらしました。まさに、一夜にして山は崩れ、川は堤防を越え、町や集落をのみ込み、山から崩れ出た流木も一緒に濁流となって護岸を壊し、護岸とともに生活に欠かすことのできない道路を削り取り、川に架かる橋ももぎ取りました。そして、その流木は海を覆い尽くしたことも御承知かというふうに思います。  一瞬にして命をなくした方もいますし、愛する人を救うために自らを犠牲にした方もいらっしゃいます。一方で、幸いに、住民の助け合いの中で助かった人、自衛隊や消防、警察の方々に助けていただいた人など、多くの命も救われました。心から感謝を申し上げます。  さて、熊本地震コロナ、そして今回の豪雨と、打ちのめされた人々に活力を再生できる道筋を与えられるかがこれからの大きな鍵になります。政府におかれては、発災後直ちに現地災害対策室を設置いただき、内閣防災中心に、各役所も現場状況を確認し、素早い対応をしていただいています。先ほど大臣から御報告もいただきましたが、自衛隊には最大百五十六か所にも及ぶ孤立集落にリュックなどをしょって物資を届けてもいただきました。また、コロナ禍においてボランティア等の受入れが困難な現実の中で、災害瓦れき処理支援公費解体弾力的運用など、多くのことに前向きに対応いただいています。紹介すれば切りがありませんが、全ての皆様に心から感謝を申し上げます。  そして、災害全国広範囲に起きていますが、被災者の中には既にたくましく前を向いて進んでいる人もいます。しかし、現在、圧倒的に多くの被災者は改めて災害の悲惨さを目の当たりにし、途方に暮れているというのがこの三週間の現場を回った私の実感でもあります。そして、今日も東北北陸大雨特別警報可能性というような気象庁の発表もあっておるような状況であります。  今回、熊本を始めとして、武田大臣にも何度も入っていただきました。この近年の災害というか、今回の災害につきまして、率直なまずは御感想をいただきたいというふうに思います。
  11. 武田良太

    国務大臣武田良太君) まずは、多くの被災者皆さん方にお見舞いと、お亡くなりになられた方に心から哀悼の誠をささげたいと思います。  また、熊本視察の際には、県選出先生方に大変なお世話になりました。ありがとうございました。  被災地視察感想ということでありますけれども、やはり、自然のすごさに比べた人間のはかなさ、これを痛感した次第でありますが、本当に一瞬にしてお身内の命が奪われ、今まで暮らしておられた家屋が流され、そして明日への希望も絶たれ、本当に今なおどん底の生活を余儀なくされている方々から切実な思いも承ってまいりました。やはり我々としては、総力を結集して、一日も早く地域に元の姿が取り戻せるよう、一日も早く被災者皆様方に元の生活が取り戻せるよう、我々は力を発揮していかなくてはならないと、この思いを強くした次第であります。  政府としましても、できることは全てすぐにやる、スピーディーに対処するということで、今回、この一連災害復旧特例につきましては、地域を選ばない本激として、公共土木施設農地、そして中小企業の保証の特例については、十の特例地域を限定しない本激として対策を講じさせていただいたわけであります。また、総理の下で、指示により、今週中にも生活なりわい再建支援パッケージを公表することになるかと思います。  各省横断による柔軟的、また活用しやすいパッケージというものを用意することによって、少しでも現地皆様方に元気を与えられるよう、明日への展望が開けるよう、我々も微力でありますけれども力を発揮していきたい、こういうふうに考えた次第であります。
  12. 馬場成志

    馬場成志君 ありがとうございました。  これから本当に、もうどこからどこまでというよりも、何もかもお世話になるわけでありますが、よろしくバックアップをお願いしたいというふうに思います。  そして、何をやるにも、まずはインフラというものも必要なことであります。これがなければ、もう本当に生活も仕事も何もできません。そういった中で、国土交通省お尋ねをしますが、熊本県内道路河川橋梁及び下水道など、公共土木施設被害に対しての災害復旧事業災害関連事業及びその調査について、早期実施するために既に取り組んでいただいておりますが、現在の状況お尋ねしたいと思います。
  13. 五道仁実

    政府参考人(五道仁実君) お答え申し上げます。  令和二年七月豪雨により、熊本県において道路河川など公共土木施設に甚大な被害が発生しており、地域復旧復興を進めていく上で、委員指摘のとおり、まずこれらの早期復旧が非常に重要であると認識しております。  国土交通省といたしましては、被災施設早期復旧に資するよう、熊本県等の被災自治体にテックフォースを派遣し、公共土木施設被災状況調査を実施するとともに、本省災害査定官現地に派遣し、応急措置復旧方針立案に当たっての技術的助言を行っているところでございます。また、災害査定事務手続についても、熊本県など多くの施設被災している地域において簡素化効率化を図っているところでございます。  今後とも、公共土木施設早期復旧に向けて、被災した自治体をしっかりと支援してまいります。
  14. 馬場成志

    馬場成志君 よろしくお願いします。  そして、こういった大災害にあっては、地方においてはマンパワー技術力も不足してまいります。そういった中で、球磨川に架かる流失した橋梁十橋を含む国道二百十九号や熊本県道など約百キロの災害復旧について、早速国が代行することを決定していただきました。  そして加えて、本日、衆議院の災害対策特別委員会でも、熊本県が管理する球磨川中流部支川、九支川でありますが、この復旧についても国の権限代行制度によって実施するということをお答えを、答弁をいただいたというふうに思います。  改めて、このことについて、道路局長、また水管理国土保全局長お尋ねをしたいと存じます。
  15. 池田豊人

    政府参考人池田豊人君) お答えいたします。  今回の豪雨によりまして、八代市から人吉間の球磨川沿いの両岸の道路全線にわたり被災をし、また球磨川に架かる橋梁十橋が流失するという甚大な被害となりました。  現在は、応急的に緊急車両などの通行を確保するために、八月上旬を目途に国道二百十九号及び並行する県道、これを組み合わせて一本の啓開ルート整備を進めており、これまでに約八割が通行可能になってきたところでございます。また、通学路指定西瀬橋についても、仮橋の設置に七月二十三日から現地着手をしました。  本復旧については、今委員の方から御指摘ありましたように、この両岸の道路と流失した橋梁十橋、全体で約百キロについて、先般の国会で成立した改正道路法に基づき、国が権限代行を決定したところでございます。  今後とも、応急復旧及び本復旧について、国が主体的になって早期復旧に努めてまいりたいと考えております。
  16. 五道仁実

    政府参考人(五道仁実君) お答え申し上げます。  令和二年七月豪雨において、球磨川水系熊本県が管理している川内川等では大量の土砂が流出し、河道が埋塞するなど甚大な被害が発生しているところでございます。  このため、今後の降雨に備え、球磨川の九つの支川復旧を国が権限代行するよう、昨日、河川管理者熊本県から要請を受けたところでございます。国としても、極めて緊急性が高く、高度な技術力が必要であることを考慮し、川内川等支川について、国が権限代行により復旧工事を行うことを決定し、河道確保に向けた緊急的な土砂流木撤去等に着手することといたしました。  引き続き、国土交通省といたしまして、全力を挙げて被災地復旧復興に取り組んでまいります。
  17. 馬場成志

    馬場成志君 ありがとうございました。  本当にもう、この災害のときにはもう本当に役場あるいは県庁の職員土木部職員であっても生活支援の方へ走り回ったり、いろんなことをやっていくような状況であります。そういった中で、国に権限代行でしていただくというのは本当に有り難いことです。もちろん、元どおりにやっていただかなきゃいかぬこともありますし、それをすぐやらなければまた同じ災害が更にひどくなっていくというような状況です。また、改良して造っていただくというようなことも、既に党の場でも、いろんな場で、また政府に対して申し上げておるところでありますが、よろしくお願い申し上げたいというふうに思います。  そして、そういった、熊本だけでも、今回この道路河川、力をいただきます。その四年前の地震のときにもお世話になって、今も復興事務所があります。そういったことの中で、九州地方整備局の力も本当にたくさんいただいています。しかし、九州地方整備局においては、その人員については大変な苦労をしながら人を捻出して、絞り出していただいておるというふうに思います。  しかし、この九州だけの話ではなくて、先ほども申し上げましたように、今日も東北北陸も、あるいは岐阜であるとか、九州でもいろんなところであっています。こんな中で、更に地方自分たちだけではやれないということに、国土交通省が応えられるかというようなことを考えたときに、まだ人員の充実でありますとか、そういったことをやっていかなきゃならぬというふうに思っています。  このことはもうずっといろんなところで言われてきておることでありますが、改めて、この災害が毎年毎年続く中での国土交通省見解をいただきたいというふうに思います。
  18. 長橋和久

    政府参考人長橋和久君) お答え申し上げます。  今御指摘ありましたように、自然災害頻発化あるいは激甚化する中で、国土交通省、とりわけ現場を支える地方整備局の役割、あるいはその地域からの期待というのは非常に大きくなっているものと私どもも認識してございます。  今般の災害におきましても、先ほど御答弁したように、権限代行も含めて災害復旧事業の迅速な実施に対応しているところでございますが、御指摘あります一方で、地方整備局定員は、国交省が平成十三年に発足以降、合理化を進めてきたということもございまして、二十年間で約二割の減少をしてきたという事実もございます。その結果、例えば避難につながるような迅速な情報提供ですとかあるいは発災時の初動対応とか、国民皆様の命とか暮らしを守るための的確な対応を行う上で多くの課題の部分も出てきたことの直面していることも事実でございます。  このような状況も背景といたしまして、令和二年度におきましては地方整備局定員を百一名純増していただいたというところでございますが、国土交通省としては、今後とも、災害時の復旧復興はもとより、防災減災あるいは国土強靱化といった重要課題に的確に対応していくために必要な人員確保をすべく努力をしてまいりたいというふうに考えてございます。
  19. 馬場成志

    馬場成志君 これは私たち政治の責任でもあるというふうに思います。しっかりと私たちも声を上げていきたいというふうに思います。  そして、次の質問に入らせていただきますが、県管理河川佐敷川というものがありますが、これにつきましてはちょっと個別の話になりますが、この川が氾濫、越水して、浸水被害が二百九十ヘクタールに及びました。もちろん、災害復旧をやっていくわけでありますけれども、今までどおりではもちろん気休めにもならないというのが現場方々気持ちであります。  これをどうやって支援していくかということで、政府見解をいただきたいと思います。
  20. 五道仁実

    政府参考人(五道仁実君) お答え申し上げます。  熊本県の芦北町を流れる県管理佐敷川でございますけれども、委員指摘のとおり、大きな浸水が起こった、大きな被害が発生したところでございます。こうした被害状況を踏まえまして、被災地復旧に当たっては、再度災害を防止する観点から、原形復旧のみならず、施設の機能を強化する改良復旧を行うことが重要だというふうに考えてございます。  現在、河川管理者である熊本県において復旧に向けた抜本的な計画立案中であると聞いております。国土交通省といたしましても、県が行います再度災害防止のための計画立案に対して積極的に技術的助言を行うとともに、その復旧事業について必要な予算を確保するなど、引き続き全力支援をしてまいります。
  21. 馬場成志

    馬場成志君 よろしくお願いします。  次に、この豪雨における全国においての鉄道被害状況復旧状況に、まあまだ復旧状況とは言えませんが、またお尋ねしたいというふうに思います。  そして、甚大な被害を受けた我が熊本県では、JR肥薩線、そして肥薩おれんじ鉄道及びくま川鉄道について、早期全線復旧が実現するよう御支援をお願いしたいというふうに思っていますが、これについては鉄道局から御答弁をいただきたいと存じます。
  22. 江口秀二

    政府参考人江口秀二君) お答えいたします。  令和二年七月豪雨によりまして、鉄道においても、橋梁の流失、線路内への土砂の流入、路盤の流出等被害が生じておりまして、全国で十二事業者十九路線が運休しておりました。その後、復旧作業が終了した路線から順次運転を再開しまして、現時点で施設被害により運転を見合わせている路線は七事業者路線となっています。  このうち、熊本県内を走行する鉄道では大きな被害が発生しておりまして、特にJR肥薩線とくま川鉄道湯前線では橋梁が流失し、復旧に長期間要する見込みとなっております。各路線では復旧作業や具体的な復旧方法の検討が進められているところですが、技術者の少ない第三セクター鉄道の肥薩おれんじ鉄道とくま川鉄道に対しましては、公益財団法人である鉄道総合技術研究所が技術的な支援を実施しているところでございます。  このような被災した路線復旧に対する財政措置につきましては、例えば熊本地震におきまして、豊肥線に対しては平成三十年に改正されました鉄道軌道整備法による支援が、南阿蘇鉄道に対しては大規模災害からの復興に対する法律に基づく災害を対象としました特定大規模災害鉄道施設災害復旧事業による国の支援が手厚くなる制度がそれぞれ用いられました。  このような支援措置も踏まえまして、また道路河川等の関連する事業とも連携を図りながら、早期復旧が可能となるよう検討してまいります。
  23. 馬場成志

    馬場成志君 急いでいるところをお察しいただいて、ありがとうございます。本当に申し訳ありません。  そして、その鉄道不通区間の通学支援のために鉄道事業者が行う代替バスの運行経費等についてまた支援もいただきたいと思いますが、どんな状況でしょうか。
  24. 金井昭彦

    政府参考人(金井昭彦君) お答えいたします。  今回の豪雨災害により、くま川鉄道を始めとする地域鉄道被災し、この中には運行再開まで長期間を要すると見られる路線もございます。これらの路線においては、通学、通院など地域住民の生活交通を確保するため、各鉄道事業者が委託する形でバスによる代替輸送が行われておりますが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による輸送需要の大幅減少もございまして、経営環境が厳しい鉄道事業者にとって、災害復旧費用に加えまして、この代替輸送の長期化に伴う運行費用の負担が拡大すれば、今後の事業運営上の大きな重荷になると認識しております。  このため、これらの地域鉄道復旧後に円滑に運行継続できるよう、長期にわたって運行する代替運行バスに対する国の支援についてしっかり検討してまいりたいと考えております。
  25. 馬場成志

    馬場成志君 どうぞよろしくお願いします。  千数百人の通学の子供さんたちであるとか、あるいは通勤の方々が今大変困っておるというような状況であります。そのことは十分御承知いただいておるということで、ありがとうございます。  次の質問でありますが、中小企業庁へお願いしたいというふうに思います。  これ、これからなりわいを再開するに当たって、どれだけの力をいただけるかという中で、グループ補助金への期待が本当に大きいわけであります。その検討状況、まあ午前中の質疑を聞いておりましても、まだはっきりは答えられないというような状況だというふうに思いますが、これがなくては本当に地元は立っていけないというような状況でありますし、それと、金子衆議員の方からも話があったというふうに思いますが、実は、コロナももちろんありますが、その前の、四年前のグループ補助金を利用させていただいて、大変有り難い措置をしていただいていますが、これがまだスタートしたかしていないかというような状況の中でまた今回の災害ということでありますので、昨年の宮城県あるいは福島県では特別に十分の十というような御支援もいただいておるというふうに聞いております。そういったことにも、またこの今回の災害についても適用していただきたいというふうに強くお願いをするところであります。  また、それに関わって、自治体連携型補助金、持続化補助金のことについて、そして商工団体等の施設復旧支援についても、また経営相談対応の体制の充実、そして無利子貸付けなどの経営面での力強い支援についても中小企業庁にお尋ねしたいと思います。
  26. 村上敬亮

    政府参考人(村上敬亮君) お答え申し上げます。  職員現地に派遣する、梶山大臣自身も現場に入るということで、今現地の何がお困りになられているか、一生懸命聞かせていただいているところでございます。御指摘のありましたとおり、多くの皆さんが事業再開への気力を失いかねない厳しい状況にあるということは私どもも把握してございます。  総理の方から、被災者生活なりわい再建に向けた対策パッケージについて今週中に取りまとめる旨、改めて発言があったところでございます。今言及のございました五億までの定額補助でございますとか、それから前回までも適用してきております自治体連携型補助金、小規模事業者持続化補助金等々、これまでの前例も十分に踏まえた上で、現地の方に元気を取り戻していただけるような最終的なパッケージの詰めを今行っているところでございます。  御指摘も踏まえつつ、しっかりと事業者皆さんが事業継続に希望を持てるようなものを取りまとめてまいりたいと、このように思ってございます。
  27. 馬場成志

    馬場成志君 これがなければ地域は消滅してしまうというような思いで今お話をさせていただきました。短い、時間の関係でいろんなお話をさせていただけませんでしたけれども、よろしくお願い申し上げたいというふうに思います。  そして、今避難所として、避難所が十分かというと全く十分でない。もうこれは現場に入られた先生方は御承知だと思いますけれども、本当に山合いの中の平地が少ないところに人が住んでおるわけでありますから、そもそもスペースというか、ないわけでありますので、そういった中で難しい対応しておるわけでありますけれども。  これ大臣からの肝煎りでもあるというふうに聞いておりますが、被災した旅館やホテルを、高齢者等の要配慮者が安心して避難生活を送るためにということで今活用の準備をしていただいておるというふうに思いますが、そのことについて現状をお尋ねできればというふうに思います。
  28. 武田良太

    国務大臣武田良太君) 出水期に入る以前から、今回のこのコロナ禍における災害時の避難対策というものを我々は考えてまいりました。絶対数を増やさなければならないということで、各ホテル、また旅館業の方々避難所としての協力要請というのをしてきたわけでありますけれども、当然これは要配慮者優先の考えでもあったわけであります。  御承知のように、今回、人吉市等では、そのホテル、旅館自体が大変な被害に見舞われたということ、そしてまた、活用可能な民間賃貸住宅や即入居可能な公営住宅というのはほとんどないというのが現状で、地元の皆さん方も、また我々もちょっと頭を抱えておったわけでありますけれども、こうした状況の下は、被害を受けたホテル、旅館を避難所として活用するため、必要な応急補修工事費用等について災害救助法による国庫負担を行うことと前提としております。  その上で、今、熊本県の皆さん方と調整を進めているわけでありますけれども、引き続き、ホテル、旅館等をできる限り早期避難所として活用できるよう、皆さんと連携して支援を行ってまいりたいと思います。
  29. 馬場成志

    馬場成志君 よろしくお願いします。  今日、ここに、この委員会に入る前に、どこの新聞でしたか、地元の新聞だったと思いますが、見た中で残念なことが書いてございましたのは、やっぱり今回の被害者、水難の被害者が出た施設でありますけれども、運営を断念したと、今後やっていけないというようなことが今朝の新聞に載っておったというふうに思います。  こういったこと一つ一つがその地域を守れるか守れないかというようなことになっていきます。地元でその避難がしっかりとできるということ、今大臣から御支援をいただいていることに心から感謝を申し上げ、一人でも多くの方がそういった形で地元に残って生活できるようにということを願うところであります。  それから、今日は時間の都合で質問しませんでしたけれども、自治体支援につきましては、最初は、今は罹災証明であるとか災害ごみの対応ということになりますけれども、その次はいろんなことで技術者の支援であるとかそういったことになっていくと思います。  今日は、総務省には最初お話しして、もう質問できないからということでお断りしましたけれども、こういったことについてはまた武田大臣の下でしっかりと御支援をいただきたいと思いますし、また、ライフラインについても、水道がやっぱり駄目になって水が出ないというようなことの中で、これを復活させるために、それぞれ地域で、集落で引いている水道とかあるんですよね。これについては支援のスキームがございません。  ですから、こういったことについても取組を是非ともお願いしたいということを、もう全てお願いでありますけれども、して、私の質問を終わらせていただきます。よろしくお願いします。
  30. 足立敏之

    ○足立敏之君 自由民主党の足立敏之でございます。本日は質問の機会を与えていただきまして、杉委員長、各理事の皆さん感謝を申し上げたいと思います。  私は、建設省、国土交通省インフラ整備防災災害対応に取り組んでまいりました。本日は、一緒に被災地を回らせていただいた馬場先生に続きまして、熊本県を中心に大きな被害が発生した豪雨災害について質問をさせていただきます。  まずは、お亡くなりになられた皆様の御冥福を謹んでお祈り申し上げますとともに、被害に遭われた全ての皆様に心からお見舞いを申し上げます。  内閣府におかれましては、直ちに令和二年七月豪雨非常災害対策本部を設置されまして、武田大臣の陣頭指揮によりまして、政府を挙げて人命の救助活動に全力を挙げて取り組まれるとともに、現地課題を速やかに把握し、プッシュ型支援など先手先手対応に御尽力をいただきました。また、現在は対策パッケージの取りまとめを進めておられるということで、心から感謝を申し上げたいと思います。また、新型コロナウイルスの影響下で災害対応全力で当たっておられる関係省庁の皆様方にも心から感謝を申し上げたいと思います。  まず、避難情報の見直しについて伺いたいと思います。  今回の豪雨災害におきましては、大雨特別警報避難指示避難勧告、様々な情報が発信されています。  昨年の五月から大雨の際の災害の危険度や住民の取るべき行動を五段階の警戒レベルに分けて発表する運用が行われてきていますが、避難勧告と避難指示については同じレベル、危険な場所から全員避難という区分となっておりまして、違いが非常に分かりにくいという指摘がありました。  昨日、内閣府でこれらを統一する方針で検討を進めていると報道がありましたけれども、私自身も国土交通省にいた頃からその曖昧さを度々指摘されておりまして、統一する方向は非常に望ましい方向だというふうに考えています。  避難指示避難勧告との一本化、現在どのように検討を行っているのか、今後の見通しも含めまして内閣府の青柳政策統括官に伺います。
  31. 青柳一郎

    政府参考人(青柳一郎君) お答えいたします。  御指摘避難勧告、避難指示の関係につきましては、昨年、台風十九号を受けまして中央防災会議の下に避難に関するワーキンググループを設置し、この三月の報告におきまして、避難勧告・指示について制度上の整理を行うという報告をいただいたところでございます。  この報告を踏まえまして、避難に関する制度的な論点を議論するために、本年五月に有識者から成るサブワーキンググループを設けたところでございます。サブワーキンググループでの意見と併せまして、避難情報を実際に発令する市町村長の皆様方からも御意見を伺うために、百三十の市町村長さんを対象としたアンケートを、電話も含めまして、ヒアリングを含めて実施したところでございます。  これまでに伺った意見を踏まえますと、報道にもございますように、警戒レベル4に避難勧告と指示両方が含まれているのは分かりにくいと、それと、勧告と指示の意味の違いが住民に十分理解されていない、指示待ちにつながっているおそれがあると、課題があるということで、避難勧告と指示を一本化する必要性、さらに、より状況が切迫して、取るべき行動を変えるように市町村長が特に促したい場合に発令する情報、こういったものを設けることの必要性についておっしゃられる意見が有識者及び市町村長さん、大勢を占めているという状況になってございます。  今後、このサブワーキンググループでの議論、来月から九月頃には一定の取りまとめを行って、更に詰めを行っていきたいと思いますけれども、八月から九月頃にはある程度の取りまとめが行われるように議論を進めてまいりたいと考えております。
  32. 足立敏之

    ○足立敏之君 ありがとうございます。大変重要なことですので、できるだけ早く検討を進めていただきたいと思います。  次に、最近の豪雨災害状況等を見ていると、地球温暖化に伴いまして気候が大きく変化していて、これまでにない状況が生じてきているんではないかというふうに強く思います。その影響かと思いますが、今回も線状降水帯が多数発生しまして、同じ地域に猛烈な雨が降り続いて、九州だけでも十三回にわたって線状降水帯が発生したというふうにも言われています。  このような現象について予測がなかなか難しいという話も聞くんですけれども、人命に関わることでもあり、より精緻な予測が可能となるよう、気象庁に対する期待は非常に大きいものがあるというふうに考えています。  気象庁長官に伺いたいと思います。線状降水帯を起因とする降水量の予測について、もっと精緻にできないのか、その点について見解をお願いします。
  33. 関田康雄

    政府参考人(関田康雄君) お答えいたします。  線状降水帯は、強い降水を伴いながら長時間にわたってほぼ同じ場所に停滞するため、災害に結び付く可能性が高い現象でございます。この線状降水帯の発生を事前に予測することや、発生した線状降水帯による大雨がどのくらいの時間継続するのかを予測することは、ただいま委員から御指摘ありましたとおり、残念ながら現在の技術では困難でございます。  このため、現在は、線状降水帯の発生が確認された場合に観測される雨量や雨域の広がりなどに応じて、記録的短時間大雨情報の発表やホットラインによる地方公共団体への状況解説などにより気象台から警戒を呼びかけております。また、線状降水帯による大雨が継続し、重大な災害の起こるおそれが著しく高くなった場合には、特別警報を発表し、最大級の警戒を呼びかけることとしております。  今後、この線状降水帯の発生を予測し、これを防災気象情報として提供するためには、スーパーコンピューターを活用した予測技術の高度化に加えて、線状降水帯の発生に結び付く大気の状態を正確に観測し、特に水蒸気の流入量を把握することが必要であります。  気象庁といたしましては、交通政策審議会気象分科会の提言を踏まえまして、大学や関係機関とも連携し、線状降水帯による集中豪雨の予測技術の向上を重点課題として、予測プログラムの開発や衛星データを予測に取り込む技術の開発などに取り組んでいるところでございます。このような予測技術の開発は中長期的に取り組む必要がございますが、開発の進捗に合わせて、できるところから順次、防災気象情報の改善にも反映してまいりたいと考えております。
  34. 足立敏之

    ○足立敏之君 予測について御説明ありました。あらかじめ正確にきっちりやるというのはなかなか難しいかもしれませんが、例えば六時間前とか三時間前とか一時間前とか、いや、今起こっているということでもいいのかもしれないんですけれども、そういったことをしっかり気象庁として国民に向けて警鐘を鳴らしていただくように、そういう心構えでこれからも取り組んでいただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いします。  次に、道路の関係について御質問をいたします。  先ほど馬場先生からも御質問がありまして、球磨川沿い国道二百十九号あるいは県道の中津道八代線、こういったところが本当にずたずたな状態になっているところを、今回、権限代行で国が延長百キロ、橋は十橋、これを復旧していただくということになって、本当に感謝を申し上げたいと思います。また、河川についても、先ほど馬場先生からお話がありましたように、本当にたくさんの数、九本だったですかね、権限代行でやっていただくことになりまして、感謝を申し上げたいと思います。  そのぐらい今回の災害は激甚で、恐らく県の手に負えない、そういったものでございます。是非しっかりと復旧していただきたいと思いますが、やはり、馬場先生もおっしゃいましたけれども、そうはいっても、整備局の人員、組織、本当に限りがありまして、打ち出の小づちのように出てこないとよく局長も言っていますけれども、そういうような状況を考えたときに、これは政府挙げて、是非ともこういった権限代行を行うときの組織について、組織、人員について政府挙げてしっかり考えていただくように、これは武田大臣にもお願いしておきたいというふうに思います。よろしくお願いします。  道路関係では、熊本以外の地域でもかなり災害が起こっております。お手元の資料、資料一は今申しました二百十九号の関係ですが、資料二でございますけれども、岐阜県の国道四十一号です。これは、私、かつて中部地方整備局長を拝命しておりまして、そのときに管理をしておりました道路でございます。大変重要な道路で、高山と下呂の間を結ぶ観光や物流でも大変重要な道路なんですけれども、今回、飛騨川の出水によりまして河岸が約五百メーターにわたりまして決壊して、今これ通行止めになってございます。道路の山側にあるJR高山線についてもその影響で運行停止ということになっておりましたけれども、これは先日再び、道路の方側が整備がされて運行を再開したというふうに聞いておりますが、この道路は非常に重要な道路で、これからも観光面、物流面でも早期復旧が大事でありますので、何としてもしっかりと国土交通省さんによろしくお願いしたいと思います。  またもう一方、同じような状況国道二百十号、大分県の国道ですけれども、資料の三の方でございますが、とても似たような状況でございまして、これも玖珠川が増水して約百メーターにわたりまして道路が洗掘されて流失してしまっています。山側にこちらもJRの久大線というのがございますけれども、これ、七月二十三日に現地へ行きましたけれども、両現場とも整備局の皆さんが二十四時間体制で地域の建設業の皆さんと一生懸命復旧に向けて頑張っていただいておりました。  是非とも、この二つの国道早期復旧に向け、道路局長の御決意をお聞きしたいというふうに思います。
  35. 池田豊人

    政府参考人池田豊人君) お答えいたします。  まず、国道四十一号でございますけれども、今御指摘ありましたとおり、下呂市小坂町門坂において飛騨川の増水により川に面した道路のり面が約五百メーターにわたり崩壊いたしまして、その被災箇所を含む約一キロの区間で現在通行止めが続いております。このため、東海北陸自動車道などの一部区間を無料としまして、広域的な迂回路を確保しているところでございます。  また、この被災箇所に並行しておりますJR高山本線についても同時に不通になっておりましたが、道路河川鉄道の各管理者の連携による復旧で、七月二十三日にはこのJR高山本線については運行が再開されたところでございます。国道四十一号自体の復旧は、八月三十一日を目途に一車線の片側交互通行による交通開放を目指して応急復旧を進めております。  次に、国道二百十号でございますけれども、大分県の日田市の天瀬町赤岩地区におきまして、玖珠川の増水によりまして、これも道路のり面が百メーターほど崩壊しまして、ここを含む約一キロの区間でまだ通行止めが続いております。このため、並行する九州横断自動車道の長崎大分線の一部を無料にして迂回路を確保しております。この国道二百十号の復旧につきましては、八月二十日を目途に一車線の片側交互通行による交通開放を目指し応急復旧を進めております。  今後も、早期復旧に努めてまいりたいと考えております。
  36. 足立敏之

    ○足立敏之君 ありがとうございました。重要な道路ですので、よろしくお願いしたいと思います。  次に、球磨川の洪水被害についての御質問に参ります。  今回、熊本県南部を流れる直轄河川球磨川では、これまでに経験したことのないような洪水に見舞われました。  お手元の資料四の方に、人吉市内の商店街、温泉街の被害状況をお示しをしております。人吉市の中心街の九日町商店街というところを馬場先生も御一緒に視察させていただきましたけれども、特に中心街の被災は著しくて、建物は二階まで被害を受けておりました。その被害の甚大さにとても驚いたところであります。  また、資料四の右下のところにありますが、球磨川沿いの温泉街も被災しておりまして、老舗の温泉旅館ですけれども、水圧で川に面した側の窓ガラスが割れて内部に洪水が浸入して、泥、土砂が大変たくさん堆積している、そんなような深刻な状況も見て取れました。  また、次のページですけれども、青井阿蘇神社という国宝の神社が人吉市内にありますけれども、この神社は楼門とか拝殿まで浸水したというのは、江戸時代、寛文九年、一六六九年、あるいは正徳二年、一七一二年、その大洪水以来のことだそうで、明治以来つかったことのなかった楼門だとか拝殿がつかるような大洪水、まさに歴史的な大洪水を今回迎えたというふうに言えると思います。  さらに、下流の渓谷の区間になりますが、その次のページ、資料六でございますけれども、渓谷の中を谷いっぱい水が流れるというような状況になりまして、道路面から三、四メーター、場合によっては五メーターぐらいまで流水が達するなど、深刻な被害が発生しています。  こういうようなその深刻な被害を見ていますと、元々計画されていた川辺川ダムというのがありますけれども、これがあれば被害をもう少し軽減できたのではないかというふうに強く感じられます。  ここで、川辺川ダムについて御存じのない委員もおられると思いますので、私の方から簡単に説明をさせていただきます。少しお時間をいただければと思います。  川辺川ダム建設事業なんですけれども、昭和四十年七月、資料の七の方にございます、昭和四十年七月の球磨川の大出水を踏まえて計画されたもので、昭和四十二年に実施計画調査、そして昭和四十四年に建設事業に着手されています。  実は水没家屋が五百四十九世帯と大変多くて用地交渉が難航しましたが、平成二年に地権者と補償基準を妥結して、現時点では九九%の地権者が既にここにあります頭地代替地という高台に整備された代替地に移転をして移転済みになっています。また、付け替え道路も九割ほど既に完成していて、既に切替えも終わっております。また、本体工事のための、川の水を切り替える、仮排水トンネルとも言いますけれども、これも既にもう平成十一年に完成している、そんな状況ですが、平成の初頭に全国的にダムの反対運動が広がりまして、川辺川ダムについても反対運動が活発化したところであります。  実は、平成十九年の五月に、川辺川ダムを前提とする河川整備基本方針が当時の熊本県知事の了解もいただいて策定をされています。実はその際の本省の河川計画課長として取りまとめを行っていたのが私でございまして、このプロジェクトには強い思いがあります。  そのときの基本的な考え方としては、球磨川本川と支川の川辺川の合流点にある人吉盆地には洪水が集まりやすい。下流が渓谷となっていて狭窄部となっておるので、浸水被害が発生しやすい状況にある。さらに、球磨川本川には市房ダムというダムがありますが、規模が小さくて洪水調節効果が小さい。したがいまして、八千四百万トンという洪水調節容量を擁する川辺川ダムがこの流域の洪水防御のために不可欠というふうに考えていたところであります。今申しました川辺川ダムの八千四百万トンというのは、皆さん御承知の八ツ場ダムの六千五百万トンの約一・三倍ということで、効果は非常に大きいというようなことでございます。  しかし、その後、球磨川の流域内で最も川辺川ダムの受益を受ける人吉市だとか、ダムサイトの相良村などがダムへの反対を表明しました。それを受けまして、平成二十年九月に現知事の蒲島知事が計画を白紙撤回し、ダムによらない治水対策を追求するという発言をされ、検討に入ることになりました。  平成二十一年九月の政権交代を受けまして、前原元国土交通大臣が、ダム本体工事は中止、生活再建対策は継続との方針を発表され、今日に至っているところであります。法的には何も問題がなかったプロジェクトが大臣の一存で中止されるというのは、我が国ではこれまでなかったことだというふうに思います。その影響で今回の水害が起こったとすると、これは大変なことだというふうに思います。  同じ時期に中止された八ツ場ダムでございますけれども、流域の都県知事の反対を受けまして再度検証を行って、その結果、事業継続となりまして、昨年十月に完成して、台風十九号の大雨で利根川の流域が洪水に見舞われた際に大きな効果を発揮したのは皆さんの御記憶にあるところだと思います。  球磨川につきまして、今回の豪雨によりまして激甚な浸水被害が発生していますが、今後、更に地球温暖化などで水害が激甚化することを考えますと、今後、被害の大きかった人吉市だとか球磨川沿いの町の再生と併せて、ダムを含め、川辺川ダムを含め、抜本的な治水対策を改めて検討すべきと考えますが、水管理国土保全局長見解を伺います。
  37. 五道仁実

    政府参考人(五道仁実君) お答え申し上げます。  今委員指摘のとおり、今回の豪雨でございますけれども、速報値によりますと、球磨川流域で十二時間で三百ミリを超えると、流域平均雨量があったと推定されておりまして、記録的な大雨であったというふうに考えられます。今回の水害につきましては、今後、県や関係市町村のお話も伺いつつ、今回の水害の検証が必要であるというふうに考えてございます。  その上で、球磨川の抜本的な治水対策の検討に当たっては再度災害防止の観点が重要であるというふうに考えてございます。例えば、昨年の東日本台風の記録的な豪雨により被害を受けた七つの一級水系においては、本年一月に国、県、市町村の連携により緊急治水対策プロジェクトを作成し、同様な台風でも再度災害が防止ができ、本川から越水させないことを目標として、緊急的に実施すべきハード、ソフト一体となった対策の全体像を明らかにしたところでございます。球磨川においても、甚大な被害を受けた沿川の町の再生ができるよう、七つの水系と同様に、上流、下流、本川、支川の流域全体でハード、ソフト一体となって取り組む抜本的な治水対策を国、県、市町村で連携して検討してまいりたいと考えております。
  38. 足立敏之

    ○足立敏之君 地元に伺ったときも、沿川の首長さん方からは、やはり抜本的な治水対策を早くつくってくれという声が大変多かったです。是非とも、国土交通省、責任を持って抜本的な対策に取り組んでほしいというふうに思います。  そして、最後の質問の方に参りたいと思います。  先日、いわゆる骨太の方針が七月の十七日に閣議決定をされています。その中で、国土強靱化に関する記載についてですけれども、今回の一連豪雨災害を踏まえまして、今年度までの三か年緊急対策後も中長期的視点に立って計画的に取り組むため、国土強靱化基本計画に基づき、必要十分な予算を確保して、災害に屈しない国土づくりを進めるというふうにされました。  三年前に九州北部豪雨を契機に始まりました防災減災国土強靱化の三か年緊急対策ですけれども、今年度が最終年度となっております。令和二年度が最終年度である、今年度が最終年度であるこの三か年緊急対策ですけれども、引き続き継続して計画的に実施する必要があるというふうに今回の豪雨災害を見ても強く感じますけれども、国土強靱化担当大臣でもある武田防災担当大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
  39. 武田良太

    国務大臣武田良太君) 御指摘のとおり、ここまで災害が激甚化、多発化する中で、年々、この国土強靱化政策の重要性というのは増してきているように考えております。多くの先生方に御協力をいただきました三年間の緊急対策、もう最終年度を迎えたわけでありますけれども、まずはしっかりとこれを、取組を進めていくことが重要ではないかと思います。  また、令和元年補正で一兆一千五百二十億円という予算を計上していただきましたけれども、これは、水害に関する河道掘削でありますとか堤防強化、こうした事業を進めさせていただいているところであります。七月十七日には骨太の方針二〇二〇におきましてしっかりとこの三年後の国土強靱化の方向性についても書かせていただきました。中長期的視点に立ってこれ計画的に進めていくんだと、そして、これを実行に移すためには、必要十分な予算を確保してこれを着実に進めていくということを記させていただきました。全国の知事会、そして市町村会の皆さんからも強い要望も来ておりますし、ますますこの重要な政策になってくると思います。今後ともしっかりと取り組んでまいりたいと思います。
  40. 足立敏之

    ○足立敏之君 ありがとうございます。  今回被災された方々の尊い犠牲に報いるためにも、できれば五か年計画ぐらいに作り上げていただいて、しっかり進めていただくようにお願いをして、質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  41. 古賀之士

    古賀之士君 立憲・国民.新緑風会・社民合同会派の国民民主党、古賀之士でございます。  私からも、令和二年七月豪雨始めとします一連災害並びに新型コロナウイルス感染症でお亡くなりになられた方々に対しまして御冥福を祈り、また、御家族、御遺族、関係者の皆様方に謹んでお悔やみとお見舞いを申し上げます。  先ほど各委員皆様方の様々な一連豪雨災害質疑を聞いておりまして、私も幾つか思い出させていただきました。選挙区は福岡県でございますが、先ほどから熊本の甚大な被害のお話がございました。人吉にはそれこそ何度も伺ったことがありまして、その中の商店街のお肉屋さんに、まさにお肉屋さん手作りのおいしい肉まんを作るところがありました。ショウガが利いて大変おいしくて、鉄道やドライブで訪ねるたびにそこで買って、更に旅行を楽しんだ思い出があります。そういった方々が今大変苦しんでいらっしゃるんだなということを感じまして、今、大変悲しい思いになっております。  と同時に、その人吉に向かう鉄道、肥薩線でございますが、吉松まで行く八代間の鉄道、これは肥薩線といって、鉄道マニアには知る人ぞ知られる日本三大車窓を見ることができるという、先ほどからライフラインのお話もございましたけれども、九州の観光インバウンドを支える鉄道でもございます。それが残念なことに寸断された状態です。  先ほどから鉄道に関する復旧復興のお話も出ておりました。その肥薩線だけではなく、武田大臣の御地元の平成筑豊鉄道、そして佐賀県や長崎県、そして鹿児島県でも鉄道が寸断されている箇所が何か所もございますので、どうぞ皆様方、関係者の皆様方、引き続きの御尽力を要望をいたします。  では、まず、その災害対策全般についてお尋ねをいたします。  復興庁の後続、後継組織についての抜本的見直しについてのお考えを武田大臣にお伺いをいたします。  防災の、いわゆる発災から復旧復興までを一元的に扱う、担う防災省の設置を望む声が全国の知事会等などから上がっておりますが、現時点で、防災担当大臣でいらっしゃる武田大臣は、この防災省の設置に関しましてはどのようにお考えでしょうか。
  42. 武田良太

    国務大臣武田良太君) 防災省設置の声というものがあることは承知いたしております。  現在においては、災害対応については、内閣総理大臣の指揮の下に、内閣官房、また内閣府が中心となって省庁横断的な取組を行い、各省と自治体との適切な役割分担の下、被災地の迅速な復旧早期の復興に取り組んでまいりました。  また、政府の迅速、円滑な初動対応と応急対策を強化する観点から、平時から内閣危機管理監の下に関係省庁の局長級が定期的に集まる自然災害即応・連携チーム会議を今年四月に設置をいたしました。その上で、この自然災害対応における連携というものを一層強化してまいっております。  今後とも、防災体制の実質的な充実強化というものは重要な問題でありますし、関係省庁や自治体の連携の在り方についても不断の見直しを進めてまいりたいと考えております。  今の段階では、この体制において即応態勢、また様々な災害対応というものが十分機能しておるというふうに私は考えておりまして、更にこのチームというものを充実したものにしていくことが重要なのではないかと、こういうふうに考えております。
  43. 古賀之士

    古賀之士君 防災省の設置を望む声が全国の知事会等からも上がっているということは、取りも直さず、今大臣がおっしゃった政府内閣主導の一連の連携の中で、幾つかやはり問題点や課題があるという認識をお持ちだからだと思っております。  そういう意味では、今大臣がいみじくもおっしゃった、いわゆる総理大臣を始めとするそれぞれの権限、こういったものも今地方に一部あるいは全てを移譲する部分も考えられますし、また、予算のことについても後ほどお伺いをいたしますが、予算の権限の自由な扱い等についてもより幅を持たせていく考え方、これは、いわゆる政府内閣がトップダウンと言っては語弊があるかもしれませんが、ある意味全国の知事会の皆様方地方の声を集約して、言ってみればボトムアップの形で要望している内容だと思います。  その辺については、必要な部分に関しては検討する余地もおありになるんではないかと思いますが、その辺について一つお尋ねをいたします。御所見いかがでしょうか。
  44. 武田良太

    国務大臣武田良太君) 組織の在り方、そして様々な対応の在り方については全て不断の見直しをやっていくことが重要ではないかと思っております。やはり国民の命を守っていくためには何をなすべきか、何を改善すべきか、このことについては常に考えながら責任を果たしていきたいと、このように考えております。
  45. 古賀之士

    古賀之士君 是非、武田防災担当大臣におかれましては、引き続き内閣政府のリーダーシップを図っていただくと同時に、全国の知事会等のそういった要望などもしっかりと受け止めていただいて、更なる連携の強化、そして深まりを図っていただくよう御要望申し上げます。よろしくお願いいたします。  さて、資料の一、御覧いただきたいと存じますが、災害レッドゾーン及び災害イエローゾーンについての居住人口について伺ってまいります。  まず、居住誘導区域において、災害イエローゾーン、下の段ですね、イエローゾーンの左側部分にあります、市町村の浸水想定区域の中、これが、何と九〇%近い八八%が、の二百四十二都市がその災害イエローゾーンに指定されていて、なおかつ、その中で浸水想定区域が二百四十二、つまり八八%である。ということは、正直なかなか、現実的には様々な地形の問題等もあるのかもしれませんけれども、正直、どこに行ったらいいのかという部分ではこれは大きな課題を投げ付けていると思います。  国交省の参考人に伺います。この件についてどのようにお考えでしょうか。
  46. 内田欽也

    政府参考人(内田欽也君) お答えいたします。  災害レッドゾーン及び災害イエローゾーンに含まれる人口自体は把握できておりませんけれども、例えば、洪水の災害リスク地域に居住する人口、これは約三千六百万人、土砂災害のリスク地域には約八百万人が居住していると推計をしております。これは二〇一五年の数字になります。  コンパクトな町づくりの推進におきましては安全な暮らしを確保することが大切ですけれども、一方で、多くの都市が河川の流域に発展してきた経緯もございまして、浸水想定区域の全てを居住誘導区域から除外することが困難な場合も見受けられます。  このため、さきの通常国会で都市再生特別措置法を改正し、浸水想定区域をやむを得ず居住誘導区域に含める場合には、立地適正化計画におきまして新たに防災指針を作成しまして、避難地、避難路の整備、宅地のかさ上げ、警戒避難体制の充実等、必要な防災対策、安全確保策を定めることといたしておりまして、二〇二五年までに六百の市町村で防災指針を作成することを目標としております。この防災指針作成を支援するために関係省庁と連携体制も構築したところでありまして、居住の安全確保を図るため、都市の防災減災対策の更なる推進を図ってまいりたいと考えております。
  47. 古賀之士

    古賀之士君 それこそ、今コンパクトな町づくりの推進というお言葉がありましたけれども、そういう形で、どんどん便利なところに、あるいはまた、防災上、より安全な地域に移住していただくということを行政サイドからこれからお願いしていく、あるいは提起していくという時代にもう入っていると認識しております。  ただ、いかんせん、やはり住んでいらっしゃる方が現実的にすぐ引っ越せとか言われても、住み慣れた町やあるいは先祖伝来からここに住んでいるという、様々な思い入れや事情もあります。とはいえ、災害に巻き込まれて命を失っては元も子もないという一片も、側面もあるわけでございますので、引き続き、是非強力なリーダーシップで、きちんとしたそのハザードマップをより正確にしっかりと皆さん方にオープンな形で提示をしていただくと同時に、様々な居住地の皆様方には選択肢があるんだということで、コンパクトな町づくりを含む、移住を含むですね、という提言も引き続き行っていく必要が、安全上、そして最終的には住む方の命を守るために必要だとも感じておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。  では、資料の二、御覧ください。一番下の部分でございます。  第四次男女共同参画基本計画では、地方自治体防災会議委員に女性が占める割合については、計画の段階では、平成三十二年、つまり今年で三〇%を目標にしていたはずでございます。しかし、資料の三を御覧いただいてはお分かりのように、現状では、都道府県全体では一六%、四十三都道府県が二五%以下であり、十二道府県に至っては一〇%以下です。市町村全体では僅か七・八%にすぎません。  こうした目標と現状の乖離について内閣府参考人に伺いますが、どのように受け止め、今後どのような対策をいつまでに行っていくのか、お答えいただけますでしょうか。
  48. 伊藤信

    政府参考人(伊藤信君) お答えいたします。  災害対応に当たりましては、現場を担う地方公共団体の役割が大変重要でございまして、各地方公共団体において、男女共同参画の視点からの取組が進められることが不可欠であるというふうに考えてございます。中でも、地方防災会議を始めといたします意思決定の場への女性の参画は重要でございます。  御指摘地方防災会議における女性の割合につきましては、この計画の五年間で着実に上昇してはいますものの、引き続き女性の参画拡大を進めていく必要があるというふうに認識をしてございます。  現在、次の第五次男女共同参画基本計画の策定に向けて、男女共同参画会議の下で今後の方向性などについて議論をいただいているところでございます。  また、本年五月に作成いたしました災害対応力を強化する女性の視点、男女共同参画の視点からの防災・復興ガイドラインにおきましては、地方防災会議への女性の参画拡大につきまして、具体的な取組例などを含めまして盛り込んでいるところでございます。  今後とも、関係省庁や全国知事会等と連携しながら、地方防災会議への女性の参画の拡大に取り組んでまいりたいと考えてございます。
  49. 古賀之士

    古賀之士君 さらに、資料の四を御覧ください。今参考人からの答弁がありましたとおり、これは中央防災会議の委員の名簿でございます。  武田大臣にお伺いいたします。  この名簿を見ますと、二十九人中女性は僅か四人と、こちらもやはり目標の三〇%には遠く及ばず、一四%しかございません。地方防災会議委員を女性を増やすためには、まず、中央の委員を増やすべきだということもまず率先して考えていく方がよろしいんじゃないかと思いますが、済みません、これ通告はしていないかもしれませんけど、武田大臣は御所見としてどのように感じますか。今、中央の方でも今は三〇%届いていない状況で、地方皆さんたちを三〇%というのよりも、まず中央からしっかりと、二十九人中四人しかいない、こういうその中央防災会議のメンバーの女性の割合をもっと増やしていくべきだというふうにはお考えになりませんか。
  50. 青柳一郎

    政府参考人(青柳一郎君) 大臣の所見を申し上げる前に、中央防災会議の委員、法律に基づいて構成メンバーが決まっているところでございまして、全閣僚と、指定公共機関ということで、日銀、日赤等々のいわゆる特定の会社の総裁ですとか会長さん、それから一部有識者がいるという構成ですので、若干、自由に女性をどんどん増やせるという性格の会議ではないということはちょっと申し上げておきたいと思います。
  51. 武田良太

    国務大臣武田良太君) いろいろとその中のルールもあるんでしょうけれども、やはり今から全ての場において女性がもっと活躍できる社会づくりに我々も力を果たしていかなければならないと、このように考えております。
  52. 古賀之士

    古賀之士君 是非実現に向けて動いていただきますよう、また、今お話がありましたように、その当面の役職で決めているというお話がございましたけれども、まあどちらを優先順位付けるかという問題になるかと思いますが。  例えば、せっかく、じゃ、この枠で、例えばその防災、中央の会議のメンバーの中に、各閣僚の皆さんたちはそういうメンバーで決まっているならやむを得ない部分もあるかもしれませんが、例えば赤十字、それから日本放送協会あるいはNTT、様々なあれがあります。この辺ももし必要であるならば、トップでなく、それに準ずる女性の方を出してこられるということも大事だと思います。  ただ、これは蓋を開けてみると、いや、この中に実は女性はいないんだとかいうのがまた出てきたりもするので、これはまた一つ、それはそれでまた問題提起にはなるかと思いますが、それも含めまして前向きに御検討いただきますよう、大臣の前向きな答弁を、していただいたことを信じておりますので、よろしくお願いいたします。  通告なしの質問、ありがとうございました、答えていただきまして。  さて、資料の五、御覧ください。今年、男女共同参画の視点からの防災・復興に関する検討会からの提言というのがございます。アンダーラインの部分を読ませていただきます。平成二十八年熊本地震、平成三十年北海道胆振東部地震といった地震や、平成三十年七月豪雨(西日本豪雨災害九州北部豪雨災害、平成元年房総半島台風及び令和元年東日本台風といった台風・豪雨災害において、残念ながら、ジェンダーの視点を持った取組が十分に浸透しているとは言い難い状況であったと記されています。  検討会提言及び検討会の議論に基づいたガイドラインが出された後に発生した今回の豪雨一連災害について、内閣府参考人に伺いますが、どのように対応していらっしゃるでしょうか。
  53. 伊藤信

    政府参考人(伊藤信君) お答えいたします。  今般の令和二年七月豪雨に当たりましては、気象予報を踏まえ、事前に九州地方の県に対しまして、委員からお話ありました女性の視点からのガイドラインの活用を改めて要請するとともに、各県に対して重ねて個別に働きかけを行いました。  また、その後、全国的に大雨が予想される状況になりましたことから、七月七日の閣議後の会見におきまして、橋本大臣から地方公共団体に対しましてガイドラインに基づく取組を呼びかけますとともに、同日付けで、全都道府県、それから全政令市に対しまして事務連絡を発出をいたしたところでございます。  さらに、内閣府の調査チームの一員といたしまして、男女共同参画局の職員一名を熊本県庁に派遣いたしまして、現地に約二週間常駐いたしまして、熊本県男女参画・協働推進課との連携を図り、熊本県の取組を支援するとともに、派遣職員被災市町村や避難所を巡回した際にはガイドラインの活用を個別に依頼をしてまいったところでございます。  今後とも、状況に応じて職員現地に派遣するとともに、関係省庁、全国知事会などの関係団体と連携をして、このガイドラインの周知の徹底を図り、取組状況のフォローアップをすることによりまして、全国での取組を促進してまいりたいと考えてございます。
  54. 古賀之士

    古賀之士君 せっかくガイドラインができましたので、それに対する今データ、様々な現状を把握をしている段階だと存じますが、できるだけ速やかにそのガイドラインに沿った形での報告、そして、現実的に毎年、あるいはこの夏もまだ起こり得る災害状況を的確に把握されまして、是非前に進んでいただければと思います。よろしくお願いいたします。  時間がなくなってまいりましたので、済みません、次の豪雨災害取り巻く状況と検証についての中で、質問を通告をしておりました括弧一と括弧二は後ほど、また後日チャンスがあれば、機会があれば伺います。  括弧三の、つまり資料六を御覧いただけますでしょうか。資料六、今回の災害を含め、福岡県の久留米市では度々内水氾濫が発生しております。久留米市だけではなく、福岡県あるいは九州北部、様々な部分で内水氾濫があります。例えば、昨年の台風十九号においても川崎市のタワーマンションが浸水するなど大きな被害を出しています。つまり、堤防が決壊をしてから起きるという氾濫ではなくて、いわゆる雨が降って、水はけが悪く、どんどんどんどん、堤防が決壊していないのにそのエリアだけ水がたまって、しかもその水がいつまでたっても引かない、あるいはどんどんどんどん増えて人的、物的被害を及ぼしているというこの内水氾濫についてお伺いをいたします。  六月の社会資本整備審議会の答申でも、内水氾濫に関して、水災害リスク情報空白地帯の解消が指摘されております。ただし、資料七を御覧いただければお分かりのように、内水ハザードマップについては実は二五%が未公表になっております。さらに、地下を有する自治体においては二十のうち一つしか公表していないという、こういう現状がございます。  この内水氾濫が注目を集めれば集めるほど、実はなかなかその対策が具体的に進んでいないという状況がこのデータからも見えるわけですが、国交省の参考人に伺います。今後、どのような対策をいつまでに行っていくおつもりなのでしょうか。
  55. 五道仁実

    政府参考人(五道仁実君) お答え申し上げます。  ハザードマップにつきましては、地域の水害リスクや水害時の避難に関する情報を住民に伝える最も基本的なものであり、内水ハザードマップについても更なる作成の加速化を進めていく必要があるというふうに考えてございます。  令和元年度末における内水ハザードマップの作成状況でございますけれども、内水浸水により人命に影響が懸念される地下街を有する二十の地方公共団体のうち、現段階では二団体のみが想定最大規模に対応した内水ハザードマップが公表されているというところでございます。また、近年、甚大な被害を受けた地方公共団体への作成を要請している既往最大規模の降雨に対しての内水ハザードマップも、委員指摘のとおり、未公表の団体が多くあるということでございます。  国土交通省といたしましては、まず地下街を有する二十の地方公共団体について、防災減災国土強靱化のための三か年緊急対策等の活用によって今年度末までに内水ハザードマップの公表がおおむね完了するよう、しっかり自治体への取組を推進してまいりたいというふうに考えてございます。  また、近年甚大な被害を受けた地方公共団体の内水ハザードマップの早期の策定が必要な地方公共団体につきましても、浸水実績や地形情報を活用した簡易な作成手法の提示をするなど技術的に助言を行いまして、防災・安全交付金による財政的支援も組み合わせながら内水ハザードマップの作成数を増やしてまいりたいと考えております。
  56. 古賀之士

    古賀之士君 時間がなくなりましたので、次を最後の質問にさせていただきます。  資料の八です。地方自治体河道掘削事業について、財政支援措置の強化、緊急自然災害防止対策事業債及び緊急浚渫推進事業債の交付税措置率、こういったものを更に引き上げる、こういったお考えがあるのかどうか、また、緊急自然災害防止対策事業債について来年度の延長を行う考えがあるのだろうか、同様に緊急防災減災事業債の延長についてはどうお考えなのか、総務省の参考人に伺います。
  57. 馬場竹次郎

    政府参考人馬場竹次郎君) お答えを申し上げます。  御指摘のありました河道掘削事業につきましては、補助事業として行う場合は、補助率二分の一の国庫補助金に合わせまして、地方負担分につきまして交付税措置率二〇%の公共事業等債が措置されているところでございます。また、地方単独事業として行う河道掘削事業を行う場合に活用が可能となる緊急浚渫推進事業債等につきましては、その緊急性に鑑みまして、一般の事業債の中では最も高い七〇%の交付税措置率を講じております。  これらの措置により、補助、単独、いずれの河道掘削におきましても地方団体の負担が大幅に軽減されているところであり、事業遂行が可能となっていると考えております。  また、緊急自然災害防止対策事業債及び緊急防災減災事業債の期限につきましては令和二年度までとしておりますが、今年度までに建設工事に着手した事業につきましては令和三年度以降も現行と同様の地方財政措置を講ずることとしております。その上で、両事業債の令和三年度以降の対応につきましては、地方団体の取組状況や御意見なども十分にお聞きしながら、また、国の動向なども踏まえつつ適切に検討をしてまいります。
  58. 古賀之士

    古賀之士君 私の持ち時間があと、もう本当になくなりましたので、申し上げておきます。  こういった、いわゆる国が補助率を上げていくということも、ある意味、先ほど冒頭に申し上げました全国知事会からの防災省の設置、こういう権限や予算の中の一つの例といいますか、なると思います。  武田大臣もよく御存じのように、例えばこれ、農家の方々がよく言われるんですが、いわゆる地方自治体に行って、この河道の掘削事業、つまり、派手な、見た目がきれいに、堤防をきれいにするとか、そういうことをボトムアップするとかいうことではなくて、全然分からない河川の底をさらっていく、こうすることをやらないと、毎年どんどんどんどん上流から堆積物がたまっていくわけです。  こういったものに対してやっぱりきちっと予算を組んで、見栄えが全然分からないんですけれども、でも、そういうことをしっかりやったんだよということで、田畑をしっかりと守っています。これも大切なお仕事だと思いますので、どうぞよろしくお願いをいたします。  時間が来ましたので、質問を終わります。
  59. 吉田忠智

    吉田忠智君 立憲・国民.新緑風会・社民の吉田忠智でございます。  今回の豪雨災害被害を受けました大分県出身ということもございまして質問の機会を与えていただきまして、誠にありがとうございます。  改めまして、今回の記録的な豪雨によりまして亡くなられた方々の御冥福をお祈り申し上げますとともに、被害に遭われた方々に心からのお見舞いを申し上げます。また、武田大臣を先頭に、復旧復興に御尽力をいただいております全ての皆様に心から敬意を表し、感謝を申し上げたいと思います。  社民党は、七月四日に対策本部を設置をいたしまして、まだ豪雨は続いておりましたけれども、内閣府からヒアリングを行い、そして、七月二十日に福島みずほ党首が熊本県の人吉市、球磨村に現地調査に伺いました。そして、昨日、元々予定されていたわけでありますが、私と吉川元副党首、衆議院議員が大分県日田市に現地調査に伺いました。  熊本が、被害が本当、先ほど来お話がございましたように大きかったわけでありますが、日田市が今回かなり、先ほど二百十号の状況についても足立先生からお話がございましたけれども、かなりの被害が出ております。  日田市は、今回の前には二〇一七年、その前には二〇一二年、何と八年のうちに三回も甚大な被害がございました。昨日、日田市長にも会いました。しかし、日田市の皆さんは心折れることなく頑張っていただいております。そうした皆さん思いに、もちろん日田市のみならず、今回被害を受けた皆さん方思いをしっかり踏まえながら復旧復興全力を挙げていかなければならない、これは与党も野党もありませんので、しっかり取り組んでいかなければならないと私自身も肝に銘じております。  当面の復旧復興策ということで今日は質問させていただきます。それから、通告のこの順番が少し変わることをお許しをいただきたいと思います。  まず、複合災害に対する認識について、武田大臣に伺います。  今回の豪雨災害は、まあ、るるお話がございましたように、新型コロナウイルスが収束しない中で、感染者がまた増えている状況の中での災害で、被災でございます。  大臣は、七月十日、十四日の閣議後記者会見でも、記者からの質問に答えて、避難所の衛生管理やボランティアの募集範囲などについて言及されておられましたけれども、まさに前例のない複合被害についてどのように認識をされておられるか。また、複合災害の中で従来にない様々な御苦労がおありだと思います。そういうことについて是非お聞かせをいただきたいと思います。
  60. 武田良太

    国務大臣武田良太君) 復旧復興に向けて総力を結集して取り組むというのはこれ当然のことですけれども、やはりコロナ禍における徹底した衛生管理を併せて行わなければならないというのは本当に神経を使うことであります。  当然、この出水期を迎える前の段階から、我々は、この衛生管理に対する、例えば避難所における衛生管理でありましたり、あとは県を越えての人的交流、つまりボランティアの方々全国から集まる場合にどうやって衛生管理をしていくか等々のいろんな検討を進めてまいりました。  今一番現地方々も頭を抱えておられるのが、やはり絶対的なマンパワーが足りていないということであります。やはり、そうしたコロナウイルス禍ということでなかなかボランティアの方々も集まりにくいというのが本当に悩ましいところであるんですけれども、さはさりながら、復旧復興活動というのは着実に進めていかなくてはならない。そのためには、やはり各自治体でありますとか地元の方だとか自衛隊でありますとか、全て使える人材というものを皆さん協力していただいて、しっかりと衛生管理をしながらもこの復興復旧に取り組んでいかなければならないというのが今の状況ではないかなと思っております。  また、全国社会福祉協議会が、ボランティアについては、地域の社会福祉協議会に対し、新型コロナウイルス感染症も踏まえ、被災者等の意向に配慮した募集範囲の設定等の対応を徹底するよう通知をしたところであり、内閣府としても、ボランティアと国、自治体自衛隊が連携して家屋からの土砂の除去やごみ出しを行うなど、効果的な支援が行われる環境整備に努めているということであります。  また、今般の災害で大きな被害を受けた人吉市においては、早期住まいというものの確保が重要であると認識しております。応急仮設住宅や個室利用可能な宿泊施設確保が重要であるため、市営住宅の空き室を用途廃止の上、応急仮設住宅として活用すべく、現在改修が進められております。また、被害を受けたホテル、旅館を避難所として迅速に活用するために、熊本県人吉市及びホテル、旅館の経営者等関係者との調整を進めております。  徹底した衛生管理をしながらも、一つ一つ復興復旧に向けて前向きに今取り組んでおるところで、今後とも引き続き対策に講じていこうと、このように考えております。
  61. 吉田忠智

    吉田忠智君 いずれにしましても、新型コロナウイルスの拡大がまだ収束しない中で、今後、また台風被害も想定されますし、複合災害を前提にした対応がしっかり求められていると思っております。  これから私も幾つかの課題について質問しますが、そうした複合災害というそれぞれの課題がもう深く関わるものですから、そうしたことを念頭に置いた答弁もいただきたいと思っています。  次に、復興財源について質問をいたします。  今回の被災地、とりわけ被害の大きかった熊本県人吉市、球磨村、大分県日田市、玖珠町、九重町の財政状況を確認しますと、非常に厳しい状況であります。人吉市では、職員の給与カットをめぐり厳しい労使交渉が行われているというようなことも聞いております。そして、それぞれ地方自治体、この間のコロナウイルス対策においても、地方創生臨時交付金という制度も創設されましたけれども、いずれにしてもやっぱり単費をかなり使っております。それがまた拍車を掛ける、そして今回の豪雨災害、そうした状況でございまして、まさにせっかくこういうときのためにためた基金がだんだん少なくなっている、枯渇しているという状況もあるわけでございます。  こうした状況で、ちょっと地方財政という観点から見逃し難いことがありました。これまで政府の骨太方針では地方の財源確保に関する言及があり、昨年度は、「地方の歳出水準については、国の一般歳出の取組と基調を合わせつつ、交付団体をはじめ地方の安定的な財政運営に必要となる一般財源の総額について、二〇一八年度地方財政計画の水準を下回らないよう実質的に同水準を確保する。」と書かれていたわけですが、昨年のこの骨太方針では、今回、七月十七日に発表された今回の骨太方針では地方の歳出水準に関する記述が削除されております。このことは、今日、もうもちろん答弁を求めませんけれども、地方としては看過できない問題だと思っております。  そこで、今日は藤川財務副大臣に来ていただいておりますけれども、今回の七月豪雨災害対策の予算の確保被災自治体への財政支援をどのように行っていくのか、伺います。
  62. 藤川政人

    ○副大臣(藤川政人君) 先般の非常災害対策本部におきまして、先生御承知いただいているとおり、総理から、予備費や復旧財源、復旧事業についての予算を合わせ四千億を超える財源があり、これを活用して一日も早い住まい確保、廃棄物、土砂の処理、そして各種事業の再開など、被災者生活なりわい再建に向けての対策パッケージ、今取りまとめているところであり、近々に先生のお地元にも、また先生方にもお伝えできるところであります。  被災地からの要望や地域ごとの特性などを踏まえながら、被災地方々が一日も早く安心して生活していただけるよう適切に対応してまいりたいと思いますし、先生の被災地に対する思い、それをしっかり受け取らさせていただき、今後の対応についても財務省で共有した上でしっかりとした対応を進めてまいりたいと考えております。
  63. 吉田忠智

    吉田忠智君 特に自治体、先ほども自治体状況の厳しさを申し上げましたけれども、やっぱり大胆な財政手当てが私は必要だと思っています。  そして、特別交付税、災害対応のときの財源措置としては特別交付税が措置されるわけでありますが、自治体からは、もう特別交付税じゃとても足りない、それは総額、皆さん御存じのとおり、地方交付税全体の六%と決められているんです、特別交付税。だから、特別交付税じゃなくて、この際、災害が頻発するわけですから、やっぱり災害対策の交付金、これを創設すべきじゃないかという声が上がっているんですが、そのことについてお伺いしたいと思います。
  64. 青柳一郎

    政府参考人(青柳一郎君) お答えいたします。  新たな災害交付金を創設して自治体の財源不足に対する手当てを行うということが必要という御提言でございますけれども、まず、国としては、今回の七月豪雨を含む梅雨前線豪雨等について、道路河川農地等災害復旧事業特例といった特例措置、十の特例措置を本激として、激甚災害として指定する見込みでございまして、これによって、公共土木施設災害復旧事業でいえば、補助率が一、二割程度かさ上げされる、地方公共団体の負担分についても地方財政措置が講じられるということで、実質的には地方公共団体の負担は軽減されるということになるものでございます。  さらに、副大臣の方からもお話ございましたけれども、現在、被災者生活生業再建支援チーム中心にして対策パッケージの今週中の取りまとめも進めようとしているところでございます。  被災地早期復旧復興のために、被災自治体財政面で不安を持つことなく事業実施をできるようにするというのは大事なことだと考えておりますけれども、総務省等関係省庁とも連携して、自治体の声をよく聞いてまいりたいと考えております。
  65. 吉田忠智

    吉田忠智君 本激に指定していただく見込みということで、その点については感謝をしますけれども、いずれにしても、やはり災害が頻発する中で、私はやっぱり災害対策交付金、創設が必要ではないかと思いますが、そのことについて、武田大臣、問題意識をちょっとお伺いしたいと思います。
  66. 武田良太

    国務大臣武田良太君) 先ほどから申し上げておりますけれども、既存の仕組みだけにとらわれることなく、ありとあらゆる場面での不断の見直しが必要だと、このように思っております。本当の意味で役に立つ有効なものとは何なのか、常に見極めながら取り組んでまいりたいと思います。
  67. 吉田忠智

    吉田忠智君 先ほど古賀委員からもお話のございました防災省の設置も含めて、災害対策交付金、是非これから検討、具体的な検討を進めていただきたいと思います。  次に、被災自治体における復旧復興体制の確立について伺います。  今回の被災自治体に他自治体から既にもう技術職員、それから事務職員の応援が入っております。現時点での応援体制について、そして今後、被災自治体が望む応援体制、まあ送り出す方ももう地方行革で厳しいんですよね、本当は、もうぎりぎりのところでやっているんですけれども、何とかそれをもう知恵を絞って捻出して送り出すということですが、当面それを乗り切らなきゃいけない。  したがって、しっかり総務省としてもコーディネートしていただいて、被災自治体に対する手厚い支援体制を組んでいただきたいと思いますが、見解を伺います。
  68. 山越伸子

    政府参考人(山越伸子君) お答えいたします。  総務省では、平成三十年三月に、大規模災害発生時の短期の応援職員派遣の仕組みといたしまして、全国知事会などとともに被災市区町村応援職員確保システムを構築いたしたところでございます。  今回の豪雨におきましても、このシステムに基づきまして、昨日までに熊本県内被災八市町村に対し、九州、中国ブロックの十三県市から延べ二千六百六十二名の応援職員が派遣され、避難所運営や罹災証明書の交付業務などの支援を行っているところでございます。  引き続き、被災県と連携して被災団体のニーズを把握しながら、必要な体制を確保できるようしっかり対応してまいります。  また、これからの話になると思うんですが、中長期の応援の方でございますが、総務省では、都道府県などにおいて技術職員を増員いたしまして、平時には技術職員不足の市町村を支援するとともに、大規模災害に備えて復旧復興に必要な中長期派遣の要員を確保するための新たな仕組みを今年度創設したところでございます。具体的には、都道府県などが技術職員の増員を行った人数の範囲内で、市町村支援業務に従事する技術職員数と大規模災害が発生した場合に中長期派遣可能な技術職員数、この双方を満たす人数の人件費につきまして地方交付税措置を講ずることとしております。  今回創設した新たな仕組みによりまして、当面、数年を掛けて千人程度の中長期派遣要員を確保できるよう取り組んでいるところでございます。制度創設初年度ということもありまして、この中長期派遣可能な技術職員数として現時点では百八十八名が登録されているという状況でございます。  今後とも、中長期派遣要員を着実に確保できるよう、地方公共団体と連携して取り組んでまいります。
  69. 吉田忠智

    吉田忠智君 まず、今回の七月豪雨災害を乗り切るための応援体制をしっかり組んでいただきたいと思います。そして、今、後段答弁にありました災害対策派遣要員につきましては、百八十八名の確保ということでありますが、中長期的な課題として、それがしっかり機能するようにしていただきたいと思います。  次に、地方自治体の現業職員についてでございますが、この間、東日本大震災以来、私も現場を回りまして聞きますと、やっぱり現場の事情に精通した現業職員がいなくなって迅速な復旧復興体制がなかなか組みにくくなったという御指摘もございます。  そしてまた、先日、下関の清掃の事業所にちょっとお伺いしましたら、一昨年の西日本豪雨のときに、清掃職員の、現業職員皆さんがパッカー車で現地に行って迅速な対応をしていただいて大変感謝されたと。で、下関市議会の中で、保守、与野党、保守、革新を問わず、やっぱり現業職員の存在は一定必要じゃないかという議論もあるようでございます。  そういう自治体における現業職員のやっぱり必要性というものも言われている中で、これから増やしていく必要があると思うんですが、そのことについての見解を伺います。
  70. 山越伸子

    政府参考人(山越伸子君) お答えいたします。  地方公共団体の技能労務職員数は、この十年間で約七万人減少いたしまして、平成三十一年には約八万人という状況でございます。これは、各地方公共団体におきまして、効率的、効果的に行政サービスを提供する観点から、民間委託の推進など業務改革に取り組んできたことによるものだと理解をしています。  他方、災害応急対応につきましては、様々な行政サービスについて平時とは異なる規模の人員を要することになりますことから、これらの需要に迅速かつ適切に応えるためには、各地方公共団体、民間事業者、ボランティア、NPOなど多様な主体と連携した対応を行うなど、様々な工夫を行うことが必要であると認識をしております。  各地方公共団体におかれては、今後とも、地域の実情に応じまして技能労務職員を含めた適正な人員配置に取り組むことが重要と考えております。
  71. 吉田忠智

    吉田忠智君 地方自治体がまた現業職員を採用するという場合には、総務省もしっかりそれを理解をいただいて対応していただきたいと思います。  次に、災害事務の簡素化について質問をいたします。  特に現場皆さん自治体現場皆さんの声を聞きますと、これまでの査定事務はとにかく煩雑で書類が多いと、簡素化が強く求められています。災害査定における事務手続簡素化を今後強力に進めていくというふうに考えますけれども、まず、国土交通省見解を求めます。
  72. 五道仁実

    政府参考人(五道仁実君) お答え申し上げます。  令和二年七月豪雨においては、復旧しなければならない施設の数が相当数に上ることから、被災自治体早期災害復旧事業に着手できるよう、災害査定の事務の簡素化をすることとし、七月の二十二日に関係自治体に通知をしたところでございます。  具体的には、会議室内の書類のみで事業費を決定できる机上査定の対象を一件三百万未満のものから例えば大分県であれば二千万以下のものに拡大し、現場に赴く回数を削減するとともに、提出していただく設計図書を簡素化し、書類作成に要する負担を軽減するなどを実施したところでございます。  また、テックフォースが自治体所管施設被害状況調査し、災害査定に必要な書類作成に活用できるよう自治体報告するとともに、本省の災害査定官を現地に派遣し、応急措置復旧方針立案に当たって助言を行っているところでございます。  国土交通省といたしましては、被災自治体方々が一日も早く元の暮らしを取り戻せるよう、被災自治体全力支援してまいります。
  73. 吉田忠智

    吉田忠智君 国土交通省において机上査定の金額を引き上げた、本当に前進だと思いますし、また、今後もまた簡素化国土交通省としてもしっかり進めていただきたいと思います。  そして、農林水産省、農地、農業用施設災害査定について、農林水産省、農地、農業用施設については上限額が二百万未満ということになっているんですね。これも是非引き上げてもらいたいと。  それから、写真をいっぱい付けなきゃいけない、それも是非簡素化、もう要所要所で分かるものがあればいいんじゃないかという声が上がっているんですけど、その簡素化について是非やっていただきたいと思いますが、いかがでしょう。
  74. 安部伸治

    政府参考人(安部伸治君) お答え申し上げます。  御指摘のとおり、机上査定の上限額は一般的に二百万円未満でありますけれども、激甚災害の場合には査定見込み件数のおおむね九割を机上査定とするように上限額の引上げを行っております。例えば、昨年の台風十九号で長野県の机上査定上限額を農地で三千万円、農業用施設で六千万円としたところであります。被害状況に応じまして迅速に査定が進むよう、適切に対応してまいります。  写真の関係でございます。机上査定の場合には現地確認ができないということで、被災箇所でございますとか被災の規模を特定する写真自体は不可欠でありますけれども、提出する写真を必要最小限とできますよう、市町村に対する適切な情報提供でございますとか技術的な支援を行ってまいりたいと思います。
  75. 吉田忠智

    吉田忠智君 今答弁がありましたように、市町村の方も写真をもう念を入れてたくさん付けるという傾向もあるようでありまして、それはもうそんなに必要ないんだということも是非また御助言をいただきたいと思います。  それから、増嵩申請というのをやるんですね。激甚災害指定されますと、農家負担をできるだけ少なくするために補助率のかさ上げをするためのまた手続がございまして、これも、この時代になってそんなに多くの資料を用意してやる必要があるのかという声があるんですけど、この激甚災害の増嵩申請に関わる、増嵩申請の事務手続簡素化、これについても見解を伺います。是非やってほしいと思います。
  76. 安部伸治

    政府参考人(安部伸治君) お答え申し上げます。  農地、農業用施設災害復旧事業に係ります補助率は、関係する農家一戸当たりの事業費によって決定をされるために、被災施設と受益農家数の関係を示す図面を作成した上で関係農家数を算出して行うということとなってございます。  ただし、激甚災害の場合には、関係農家数を既存の図面や農地台帳、これを基に算出することや、補助率の増嵩申請の審査を全てではなく抽出して審査することなど、事務の簡素化に努めているところでございます。  引き続き、必要な手続の簡素化に努めてまいりたいと考えてございます。
  77. 吉田忠智

    吉田忠智君 とにかく、災害査定もそうですし、件数が増えておりますので、是非これからまた簡素化を強力に進めていただきたいと思います。  次に、社会福祉施設災害復旧費国庫補助金について質問をいたします。  今回の豪雨災害では各地の、まあ球磨村の千寿園はテレビに大きく取り上げられましたけれども、高齢者福祉施設被害が著しく、多くの人命が失われました。土砂災害の危険のある場所にこうした高齢者福祉施設を建設したことそのものが問題であります。  現行の社会福祉施設災害復旧費国庫補助金は、現在地復旧に関わる経費のみが補助対象となっているようですが、そのような理解でよろしいのでしょうか。  東日本大震災では高台移転が公費で行われましたけれども、施設再建に際しては、安全な場所への移転について補助対象とすべきと考えますが、見解を求めます。
  78. 堀内斉

    政府参考人(堀内斉君) お答え申し上げます。  御指摘のありました社会福祉施設災害復旧費補助金につきましては、災害前と同じ場所、形状、材質等で元に戻す原形復旧が原則ではありますが、国に協議いただき、必要性があると認められる場合には移転改築も可能としております。  被災自治体等と緊密に連携し、一日も早い施設復旧に向けて全力を尽くしてまいりたいと考えております。
  79. 吉田忠智

    吉田忠智君 移転改築が可能という答弁をいただきました。  昨日私が伺いました日田市にも被災された高齢者施設がございます。とても今あるところには建て替えができない、現地の方も言っておりました。こうした施設がしっかり移転ができて、また従来のように利用者が安心して利用できる、そうした状況ができるように厚生労働省としてもしっかり対応していただきたいと、そのことを要請したいと思います。  次に、JR、鉄道復旧についてでございます。先ほど来もお話もございました、JRも含めて七事業者路線が今なお被災して復旧できていないということでございます。  大分県内でも、JR久大線が大きな被害を受けました。三年前の九州北部豪雨でも被害を受けて、ようやく全線開通したやさきのまた大災害ということでございました。かなり開通まで、何か地元の話じゃ二年ぐらい、二年以上掛かるんじゃないかという、全線開通まで、そういう話もありましたけれども、政府として、国交省として最大限支援をしていただきたいと思いますけれども、見解を求めます。
  80. 江口秀二

    政府参考人江口秀二君) お答え申し上げます。  令和二年七月豪雨によりましてJR九州の久大線が大きな被害を受けまして、現在、日田駅から向之原駅間で運転を休止しております。被災した区間では復旧に向けた作業が進められておりまして、八月八日には日田駅から豊後森駅間で、また八月末には庄内駅から向之原駅間で運転再開される予定となっております。  一方、豊後森駅から庄内駅間につきましては、第二野上川橋梁の流失などが生じておりまして、今後、具体的な復旧方法の検討が行われる予定ですが、復旧には長期間掛かる見込みとなっております。  国土交通省としましては、道路河川等の関連する事業とも連携を図りながら、当該区間の早期復旧が図られるよう、必要な支援について検討してまいります。
  81. 吉田忠智

    吉田忠智君 是非しっかり国交省としても支援をしていただきたいと思います。  通告をしておりました幾つかの課題、時間がなくなりましたので申し上げたいと思いますが、まず、グループ補助金、今回、大分県においても、天ケ瀬温泉、湯平温泉、また、その他多くの温泉が被災をされています。グループ補助金ということに是非また適用していただきたいと思いますし、これが四分の一は、補助残はこれ融資ということですから、コロナでもうほとんど営業できなくて今回の被災ですから耐えられない、それを何とかしてほしいという声もありますので、それを是非酌み取って、また政府パッケージにも盛り込んでいただきたいと思います。  それから、分散避難についても質問しましたが、午前中の衆議院の委員会でも答弁がございましたけれども、今後、仕組みとして、システムとしての分散避難、それをしっかり確立をしていかなければならないと思っております。  それから、泥出しの、土砂の処理についても災害救助法で是非やってほしいということでしたが、この間答弁もございましたので、ボランティアの皆さんは本当に頑張っていただいておりますけれども、ボランティア頼みではなかなか厳しいというところも出ておりますので、そうした公的な対応もしっかりしていただくことをお願いをしまして、私からの質問に代えさせていただきます。  ありがとうございました。
  82. 宮崎勝

    宮崎勝君 公明党の宮崎勝でございます。  私からも、この度の豪雨災害におきましてお亡くなりになりました方々に衷心よりお悔やみを申し上げますとともに、被災された方々に心からお見舞いを申し上げたいと思います。  公明党といたしましても、発災後の今月六日以降、五回にわたって災害対策本部の会議を開かせていただいて、九州を始め岐阜、長野などの被災地の要望を政府にお届けをして対策を求めてきたところでございます。また、今月十一日には山口代表、十八日には党の災害対策本部として被害が大きかった熊本県を視察させていただきました。私も、対策本部の一員として十八日に現地視察させていただいたところでございます。これらを基に、今月の二十二日には、安倍総理に対しまして、現在政府が取りまとめている被災者生活なりわい再建に向けた対策パッケージに盛り込むべき対策につきまして緊急要請を行わせていただいたところでございます。本日は、その内容を中心質問をさせていただきたいと思います。  まず、熊本被災地における災害ボランティアの現状、活動状況につきましてお伺いしたいと思います。  お配りをいたしました資料一でございますけれども、これは我が党の対策本部が二十一日に全国社会福祉協議会と意見交換を行った際に全社協の方から提供いただいた資料でございますけれども、これまでの大規模災害時のボランティアの数及び社協による応援派遣職員の実績をまとめたものでございます。ここにありますとおり、二〇一六年の熊本地震の際には約十二万人のボランティアの方が活動をされたということでございます。地元の方に伺いますと、このうちの約七割は県外からの受入れだったというふうに聞いております。  そういった意味でも、今回、熊本豪雨災害におきましては、コロナ禍ということもございまして、知事の方から、感染拡大の影響ということを考慮いたしましてボランティアの受入れを県内に限定をしているところでございますが、このため、ボランティア不足による復旧の遅れが懸念されているところでございます。  そこで、内閣府にお伺いいたしますけれども、ボランティア活動の現状についてどのように現在認識されているのか、青柳統括官にお伺いしたいと思います。
  83. 青柳一郎

    政府参考人(青柳一郎君) お答えいたします。  熊本県では、発災後、人吉市、八代市、球磨村など十二市町村で災害ボランティアセンターが開設されておりまして、被災者支援活動が行われているわけですけれども、ボランティアについては、県の意向として、まずは県民の力で対応するということで県内に限定されているところでございます。  このような中で、ボランティアのまず参加そのものを促進するために、熊本県知事から県民あるいは職員等へのボランティア参加の呼びかけを行っていただいたり、県等による被災地へのボランティアバスの運行、また高速道路の無料化措置等が講じられて、個人に加えて県内の大学、企業の参加も得て、四連休中の七月二十三日がこれまでの最も多い約二千人でございますけれども、二十六日までに延べ約一万三千名が参加されていると聞いてございます。  ただ一方で、被害が甚大な地域ではいまだ多くの被災家屋の片付け作業が残っているということで、従来、主にボランティアが行う片付け作業を公的主体の事業でも補完して連携して行っていくことが重要であるというふうに考えております。人吉市では、例えば人吉市、ボランティア、地元企業などの関係者が一体となって土砂やごみ出しを行う取組を進めるということで、自衛隊も必要な支援を行うというふうに伺っておるところでございます。  引き続き、こうした連携を促進して、ボランティア不足で復旧が遅れるということがないように、内閣府としても地元自治体と連携して対応を図っていきたいと思います。
  84. 宮崎勝

    宮崎勝君 ありがとうございます。  その上で、被災した住宅の廃棄物であるとか泥土を撤去する支援ということでございます。  これは午前中の衆議院の委員会でもあったかと思いますけれども、私たち現地視察した際も、ボランティアの不足などによりまして、被災した家屋内外の清掃や片付けであるとかあるいは泥土のかき出しであるとか除去、また、ごみの搬出、運搬などの作業が長期化するのではないかという、それを心配する声も伺いました。  そこで、環境省にお伺いいたしますけれども、環境省では災害廃棄物処理事業というものがあると伺っております。また、国交省の堆積土砂排除事業ということがございます。こうしたものを積極的に活用しながら、地元の住民の方を雇用する形で地元の建設業者の方がその協力を、除去に協力をするであるとか、あるいは自衛隊が今もやっておりますけれども、そうした方々の協力、またボランティアによる支援と、こうしたものを組み合わせた形で災害廃棄物を迅速に除去するための体制をしっかりと整えていただきたいと、このように思うわけでございますけれども、環境省の見解を伺いたいと思います。
  85. 松澤裕

    政府参考人(松澤裕君) お答えいたします。  被害が甚大な地域では、先生御指摘のとおり、いまだ多くの家屋内の片付け作業が残ってございます。  この状況を受けまして、環境省では、人吉市におきまして、災害ごみの搬出が困難な方の家屋からの土砂と廃棄物の迅速な撤去に向けまして、内閣府、国土交通省熊本県と連携しまして、災害ボランティアバスの運用などによりボランティアの方の参加を促進する、これによりまして、二十三日は約千二百人の方が人吉市に入っていただきました。こういったボランティアの参加促進に加えまして、大雨災害新型コロナウイルス感染症により影響を受けている地元企業の方、この方々土砂や廃棄物の撤去を委託する、さらに、この全体を国交省と環境省の事業を連携させた撤去スキームで財政的に支援していくと、こういった土砂、ごみ出し支援パッケージを行うことといたしております。また、自衛隊におきましては、これまで畳ですとか家具、こういった大型な災害廃棄物の搬出支援を実施しておりますけれども、このパッケージにおきましても、自衛隊支援が必要になった場合には協力をいただけるというふうに承知しております。  環境省では、このパッケージの実施に向けまして、ボランティアとそれから地元業者との役割分担ですとかすみ分けをどうするか、こういった調整、それから市と地元企業との契約手続をサポートする、こういったことも含めまして、熊本県と連携して人吉市の支援に努めているところでございます。  さらに、人吉市に加えまして、球磨村などでも必要があればこういった組合せのパッケージ支援を活用していきたいと考えております。
  86. 宮崎勝

    宮崎勝君 ありがとうございます。  是非その撤去スキームの活用、積極的な活用をお願いをしたいと思っております。  それから、同じくボランティアに関連しますけれども、生活支援相談員という制度がございますけれども、この見守り支援について、次お伺いしたいと思います。  今回の豪雨災害におきましては、この新型コロナの感染拡大の影響から分散避難というものが呼びかけられました。このため、被災者は、被災者避難先ですけれども、一時避難所だけではなくて、在宅避難であるとか親戚、友人宅など多方面にわたっていると伺っております。  また、やはり現地に行ってみて感じるのは、高齢の被災者もたくさんいらっしゃるということでありまして、今後の生活再建に向けましてきめ細かな支援を継続的に実施していく必要があるというふうに感じております。  そこで、今後のフェーズが変わる段階かもしれませんけれども、厚労省が社会福祉協議会などに委託をして実施している被災者見守り・相談支援事業というのがございますけれども、この生活支援相談員が、例えば仮設住宅に入る前の避難所にいる被災者であるとかあるいは在宅避難をしている方などに対しても見守り支援を行っていただきたいというふうに思うわけですけれども、厚労省の見解をお伺いしたいと思います。
  87. 辺見聡

    政府参考人(辺見聡君) お答え申し上げます。  厚生労働省におきましては、被災された方々状況に応じて支援が行われるよう、避難所で生活する支援が必要な方に対しては、災害派遣福祉チーム、いわゆるDWATなどによる入浴介助等の日常生活上の支援被災された方が抱える課題を解決するための相談支援、また、自宅で生活する高齢者等に対しては、被災高齢者等把握事業によるケアマネジャーなどの専門職による生活支援などの助言等の支援、さらに、応急仮設住宅へ入居している方や入居予定の方に対して、被災者見守り・相談支援事業による見守り等の支援を行っているところでございます。  議員御指摘の在宅避難をされている方に対しては、被災高齢者等把握事業による生活支援の助言等の対象となることに加えまして、被災者見守り・相談支援事業におきましても、在宅であって孤立するおそれのある方々支援の対象としているところでございまして、支援を必要とする方に広く支援が行き届くことを可能とするような体制となっているものと考えているところでございます。  これらの事業につきましては、発災直後から支援を実施できるよう、今年度の当初予算において所要の措置を講じているところでございます。被災地におきまして被災された方々状況に応じた支援が行われるよう、厚生労働省といたしましても、被災自治体とよく連携をし、被災者への見守り体制の構築に努めてまいりたいと考えているところでございます。
  88. 宮崎勝

    宮崎勝君 ありがとうございます。是非、こうした見守り支援というものは大変これから重要になってくると思いますので、しっかり取り組んでいただきたいというふうに思っております。  次に、被災者生活再建に当たっては、安心できる住まい確保を急ぐ必要があります。応急仮設住宅の速やかな建設を進めるとともに、様々な住まい確保を進めていただきたいというふうに考えております。  先ほど馬場先生からもお話がありましたとおり、大臣からも御答弁があったんですけれども、私たちが伺ったときに、温泉地でもある人吉市ではホテルや旅館が被災しているということで、現地の松岡市長からも、懇談をした際には、この被災したホテルや旅館などを二次避難所として活用するため、復旧費用を公費で負担してもらいたいと、そのような要望もいただいたところでございます。この被災したホテル、旅館を二次避難所として活用するための支援についてまずお伺いしたいというふうに思います。  それからまた、公営住宅や民間賃貸住宅を応急仮設住宅として活用するための改修工事費用についても、応急援助費で負担するなど自治体の負担を軽減する支援が必要だと考えております。併せて見解を伺いたいと思います。
  89. 青柳一郎

    政府参考人(青柳一郎君) お答えいたします。  大規模な災害避難所が足りない場合に急遽避難所として使用せざるを得ない既存建築物の応急補修工事に要する費用というのは、災害救助法による国庫負担を行うことがまず可能でございます。また、活用可能な民間賃貸住宅や即入居可能な公営住宅等が十分確保できずに、建設型応急住宅の適地も不足しているような場合においては、公営住宅について、用途廃止をすることを前提として当該住宅を改修して応急仮設住宅として活用することは、これも可能でございます。  今般の災害で大きな被害を受けた熊本県人吉市では、活用可能な民間賃貸住宅、即入居可能な公営住宅ほとんどないということに加えまして、市内のホテル、旅館等の多くが浸水被害を受けて、すぐに避難所として活用できる状態ではないということでございます。このような状況の下で、まず被害を受けたホテル、旅館、これを避難所として迅速に活用するため、必要な応急補修工事費用等については、災害救助法による国庫負担を行うことを前提として、現在、熊本県、人吉市、ホテル、旅館の経営者等関係者との調整を進めているところで、速やかに補修工事が開始できるように調整を図っているところでございます。  それから、人吉市においては十分な数の仮住まい確保することが困難でございますので、市営住宅の空き室を用途廃止の上で応急仮設住宅として活用すべく、現在改修が進められているところでございます。  それから、御指摘のあった民間賃貸住宅につきましては、また地域のニーズをよく伺いながら、対応を検討してまいりたいと考えております。
  90. 宮崎勝

    宮崎勝君 是非調整を進めていただきたいと思います。  あともう一つ、住まいの関係でございますけれども、平副大臣にお伺いしたいと思いますが、今般、被災した住まいを修理して住み続けることを選択した人については、これまでは応急修理と仮設住宅の供与の併用はできなかったわけですけれども、今回、今月十六日に、内閣府といたしましても、応急修理に一定以上の時間が掛かる場合は仮設住宅にも入居できることにするということで、その通知を発出したと承知をしております。  まず、この要件について説明をいただきたいということと、あと、今回から決めていただいたということがありますので、この応急修理と仮設住宅の併用ができることについて自治体被災者にきめ細かく周知をしていただきたいと思いますけれども、御見解を伺いたいと思います。
  91. 平将明

    ○副大臣(平将明君) 先生御指摘の点は本委員会でも何度か議論になったところでありますが、応急修理と仮設住宅の供与が併用できるようになりました。  対象になる方でありますが、応急修理をする被災者のうち、応急修理の期間が一か月を超えると見込まれる方であって、自宅が住宅として利用できない半壊以上の被害を受け、他の住まい確保が困難な方としているところでございます。また、その際の仮設住宅の使用期間については、できる限り早期住まい再建を図る観点から、原則六か月としております。この措置により、応急修理を行う期間の一時的な住まい確保の選択肢が増え、これまでより安心して住まい再建に取り組んでいただくことが可能になると考えております。  また、自治体向けでございますが、この措置の内容及び留意事項をまとめた事務連絡を発出するとともに、今般の災害でこの措置の活用が多く見込まれる熊本県とも、被災者への情報提供を含め、実際の運用に当たって整理すべき詳細な事項の調整を継続的に行っているところでございます。この措置の利用が見込まれる他の被災自治体にも成果を共有をしているところでございます。  今後とも、運用に当たって混乱が生じないように、引き続き被災自治体被災者皆さんに丁寧な説明、情報提供に努めてまいりたいと考えております。
  92. 宮崎勝

    宮崎勝君 ありがとうございます。  もう一つ、大きな被害がありました球磨村を視察いたしましたけれども、この被災した住宅の多くは球磨川の両岸の狭い土地に立地をしておりまして、今回のような水害を再び繰り返さないようにするためには住宅を再建する際の支援が非常に必要だなということを感じた次第でございます。  この再建に当たっては、当然住民の皆様の意向を尊重しなければなりませんけれども、そういう球磨村のように住宅の適地に乏しい被災地域におきましては、新たな宅地造成や関連する生活インフラ整備などにしっかりとした支援が必要になると思いますけれども、国交省見解を伺いたいと思います。
  93. 渡邉浩司

    政府参考人(渡邉浩司君) お答え申し上げます。  令和二年七月豪雨に関して、新たな宅地の造成や関連する生活インフラ整備につきましては、熊本県からも御要望いただいており、確認させていただきましたが、現時点においてはまだ具体的な構想や計画があるわけではないと伺っております。  一方で、これまでの災害においても、国土交通省においては、地域復旧復興が円滑に進むように、様々な事業手法を活用し、新たな宅地の造成や住まい再建を最大限支援してまいりました。  住まい再建や復興町づくりに向け、今後、被災地方公共団体において具体的な検討が進められることになりますが、国土交通省としても、将来の町づくりに向けた計画検討への技術的支援等も含め、被災された自治体の意向を丁寧に伺いながら積極的に支援してまいります。
  94. 宮崎勝

    宮崎勝君 ありがとうございます。  次に、資料二ですけれども、これは球磨川流域の八代市坂本町を視察したときの写真でございますけれども、この電信柱に昭和四十年七月豪雨の洪水痕跡というのが表示をされておりました。これ、旧建設省が設置をしたようでございますけれども、今回の水害のすさまじさを、今回の水害は、この昭和四十年の洪水痕跡から三メートル以上上のところに今回の水害の痕跡があるものですから、大変今回の水害のすさまじさというものを物語っていたところでございます。  是非、今後、この球磨川の抜本的な治水対策というのは今後検証した上で取り組まなければならないというふうに思っておりますので、これは是非しっかり取り組んでいただきたいと思います。  それから、資料三、これは写真がちょっと余りよろしくないんですけれども、球磨村の特別養護老人ホーム千寿園でございます。入所者十四人が亡くなるという痛ましい結果になってしまったわけでございますけれども、やはり感じましたのは、やはり水防法では、千寿園ではこの水防法に基づく避難確保計画を策定をして避難訓練も実施をしていたところでありますけれども、今回の事態を防げなかったということはしっかり重く受け止めなければならないと感じたところでございます。  こうした被害を繰り返さないように、避難のタイミングであるとかそれが適切であったのかどうか、また、この避難確保計画がこれまでどおりでよかったのかどうかなどもしっかりと検証をして再発防止に取り組まなければならないというふうに思っております。そういった観点から、国交省見解を伺いたいと思います。  また、今回のケースでは入所者を一階から二階に避難させるのに時間が掛かったことから、災害時の避難用スロープの設置など暫定的な対策も必要ではないかと考えますけれども、厚労省の見解を伺いたいと思います。よろしくお願いします。
  95. 五道仁実

    政府参考人(五道仁実君) お答え申し上げます。  平成二十九年の五月の水防法改正によって、市町村の地域防災計画に位置付けられた要配慮者利用施設につきましては、避難確保計画の作成と計画に基づく訓練の実施が義務付けられたところでございます。災害の発生を想定した避難確保計画を策定して実効性のある訓練を実施しておくことにつきましては、災害時の円滑かつ迅速な避難につながることから、引き続き国土交通省として計画の策定及び訓練については実施して促進をしてまいりたいと思います。  一方、委員から御指摘ございましたように、今回被災した千寿園につきましては、平成三十年四月に避難確保計画を作成し訓練を実施していた中の、多くの犠牲者が出たということでございます。今後、避難確保計画の内容や当日の避難行動の詳細等確認した上で、関係省庁と連携して今回の事案について検証、総括を行ってまいりたいというふうに考えております。
  96. 堀内斉

    政府参考人(堀内斉君) お答え申し上げます。  厚生労働省におきましては、特別養護老人ホーム千寿園における検証については熊本県、国土交通省等と連携して進めているところでございます。  その上で、特別養護老人ホーム等の高齢者福祉施設の非常災害対策につきましては、まずは運営基準に基づく非常災害対策計画の作成、避難訓練の実施を徹底させるとともに、施設整備につきましては、ただいま議員より御提案いただいた点も含めて、更なる対策を検討してまいりたいというふうに思っております。
  97. 宮崎勝

    宮崎勝君 ありがとうございます。  抜本的には、やはりこうした入所施設を高台に移転するなど、抜本的な対策の検討が必要ではないかというふうに考えているところでございます。  あと、最後の質問になりますけれども、足立先生が先ほど御質問されておりましたけれども、この豪雨をもたらした線状降水帯ということでございます。  複数の積乱雲が列を成して発生している線状降水帯が今回の豪雨災害の大きな要因とされております。この線状降水帯の発生を予測できれば住民の早めの避難にも役立つと思いますけれども、現状ではなかなか予測は難しいというふうにお伺いしているところでございます。  気象庁としては、現在、この線状降水帯の発生を予測する研究を行っているというふうに伺っておりますけれども、その現状と今後の予測精度の向上に向けた取組についてお伺いしたいと思います。
  98. 関田康雄

    政府参考人(関田康雄君) お答えいたします。  線状降水帯は、強い降水を伴いながら長時間にわたってほぼ同じ場所に停滞するため、災害に結び付く可能性が高い現象であると考えております。この線状降水帯の発生を事前に予測することや、あるいは発生した線状降水帯による大雨がどのくらいの時間継続するかということを予測することは、残念ながら、委員から御指摘もありましたとおり、現在の技術では困難でございます。  今後、線状降水帯の発生を予測し、これを防災気象情報として提供するためには、スーパーコンピューターを活用した予測技術の高度化に加えまして、線状降水帯の発生に結び付く大気の状態を正確に観測し、特に水蒸気の流入量を把握することが必要であると考えております。  このため、気象庁では、交通政策審議会気象分科会の提言を踏まえまして、大学や関係機関とも連携し、線状降水帯による集中豪雨の予測技術の向上を重点課題といたしまして、予測プログラムの開発や気象衛星データを予測に取り込む技術の開発などに取り組んでいるところでございます。  このような予測技術の開発は中長期的に取り組む必要がございますが、開発の進捗に合わせて、できるところから順次防災気象情報の改善にも反映してまいりたいと考えております。
  99. 宮崎勝

    宮崎勝君 時間が来ましたので、以上で終わります。ありがとうございました。
  100. 矢倉克夫

    ○矢倉克夫君 公明党の矢倉克夫です。  この度の災害でお亡くなりになられた方の御冥福を心からお祈り申し上げるとともに、被害に遭われた方へ心からのお見舞いを申し上げたいというふうに思います。  このコロナ状況に負けず、全国でこの災害に対しての義援金を募る動きがございます。私からは、まず、この差押禁止について大臣の御所見を伺いたいと思います。  義援金、これに託された思いというのは、早く被災者の方に元気になっていただきたいという善意、この思いであります。これは、現実にその方に届いて初めてお伝えできるもの、その前に差し押さえられてしまって届かなければ義援金の意味がなくなってしまうわけでありますから、差押禁止という話が出ているところであります。  資料一を御覧いただきたいと思います。  こちらは、これまでは議員立法という形で、義援金の差押え、しておりました。とりわけ、一昨年までのものの一部をまとめたものでありますが、特に一番目と三番目のこの段、一番目は北海道胆振東部地震であります。そして三番目は、大阪府北部を震源とする地震人的被害住家被害、また義援金の総額など、実は北海道胆振東部地震の方が甚大、更に甚大さを増しているわけでありますが、義援金の差押えに関しては、大阪府北部地震だけが、この二つに関して言えば差押禁止になっている。  この違いを端的に申し上げると、なぜかといえば、国会閉会中だったか開会中の災害だったかという、この点だけに帰着するというふうに私は思っております。先ほどの義援金の趣旨から考えて、国会が閉会中か開会中かで災害が起きる、ということで違いがあることの合理性はそもそもないというふうに思っており、その回避のためには、義援金の差押えそのものを恒久的に阻止する法律が必要であるというふうに考えますが、武田大臣の御所見をいただきたいと思います。
  101. 武田良太

    国務大臣武田良太君) 今日まで、義援金を差し押さえることを禁止する法律、これは、特定の災害を対象に差押えを禁止する四つの法律が制定されてまいりました。これまで法律により義援金の差押えが禁止された災害がある一方で、法の対象となっていない災害があることも承知をいたしております。  特定の災害ごとではなく、一定の災害を対象に差押えを禁止するいわゆる恒久法については、御党において検討が進められておると承知をいたしております。災害に関する義援金の差押えを禁止する法律を恒久化することについては、被災者生活再建のために自ら使用することを期待されている義援金の趣旨等を踏まえると大変意義のあるものであると考えております。
  102. 矢倉克夫

    ○矢倉克夫君 私は、このような不合理なくすためには、その恒久化と併せて対象も広く捉えるべきだというふうに思っております。義援金の趣旨、先ほどのとおり、被害の拡大、被害状況により特段変わりもないわけでありますし、この表を見ても分かるとおり、特定非常災害指定されていない大阪府北部地震も対象に今までしてきたわけであります。  昨年の特別委員会で私は災害一般を対象とすべきと申し上げたわけでありますが、特に自然災害一般は少なくとも対象とすべき。  その点で確認したいことが、あの糸魚川の火災のように、発生した当初は人災であったわけでありますが、自然災害が重なって大きく災害が広がった。こういう複合的災害も今まで国としては例えば被災者生活支援法の関係で自然災害と認定しているというふうに理解をしておりますが、この点、確認をまずしたいというふうに思います。
  103. 青柳一郎

    政府参考人(青柳一郎君) お答えいたします。  被災者生活再建支援法では、暴風、豪雨、豪雪、洪水、高潮、地震、津波、噴火その他の異常な自然現象を自然災害と規定しております。  御指摘の平成二十八年十二月の糸魚川の災害については、通常の火災とは異なりまして、出火前後の強風により広範囲に延焼を拡大したものと見られるために、被災者生活再建支援法の適用に当たってはこのような強風を異常な自然現象として位置付けたものでございます。
  104. 矢倉克夫

    ○矢倉克夫君 今のような事情認定の下で、自然災害等、この糸魚川のようなものも入りました。  改めて、先ほど大臣からも言及いただきましたが、公明党としてもこの議論を進めて、この差押禁止についての恒久法化をしっかりと進めていきたい、その際には、糸魚川のようなものも含めた自然災害等を含めた更なる広い対象のものをしっかりと対象にしていきたいというふうに思っております。議論をしっかり進めていきますので、この場をお借りいたしまして各会派の御協力をお願いを申し上げたいというふうに思います。  差押禁止に関しては以上で質問を終わりにして、次の質問に入らせていただきたいというふうに思います。  資料二を御覧いただきたいというふうに思います。  こちら、別の委員会でも提示したものでありますが、各災害が仮に起きた場合、直接の被害に加えて様々な経済被害等も発生する派生被害もあるわけであります。阪神・淡路大震災後の二十年、これを実証研究して、そのデータを基にして、各災害が起きた場合は果たして長期的な経済減速どの程度起きるかというテーマになります。南海トラフ地震、例えば千二百四十兆円の被害。しかし、三十八兆円のこの対策をしっかり打てば五百九兆円の減災が起きて四一%の減災となる。このようなデータがしっかりと盛り込まさせていただきました。  防災減災をしっかりと対応することは未来への着実な投資となる。にもかかわらず、政府は当初、骨太の方針制定されるときに当たっては、この防災減災を柱の一つとされていなかったわけであります。公明党の中で議論をさせていただいて、今回の骨太で柱の一つとした上で、先ほど足立先生からも言及がありました、中長期的視点に立ってと、そして、予算も、必要な予算というだけではなくて必要十分な予算という形で今回決定をいただいたところであります。  特に、防災減災国土強靱化の三か年計画、当初予算も含めた恒久的な予算、計画的な予算として議論をされた、これの延長も私は個人的には当然しっかりやるべきであるとともに、当初予算化でしっかりと長期的な視点を持ってやる、改めて、そして共に、長い、いつまでにどれくらいやるかというようなこともしっかりと視野に入れた形で計画立てるべきであるというふうに、その方が企業や自治体も先が見えてくるというふうに思っております。  改めて大臣に、今回骨太の方針で、中長期的視点に立ってと、そして必要十分な予算というふうに規定をされた意義をお伺いをしたいというふうに思います。
  105. 武田良太

    国務大臣武田良太君) 地方自治体、また知事会の皆さん方からも、この国土強靱化政策の必要性、重要性については指摘をされておりますし、今、三年間の緊急対策の最終年を迎えておりますけれども、まずはこれをしっかりと取組をやっていく。それと、令和元年の補正予算で組んでいただきました一兆一千五百二十億円のこの事業というものもしっかりとしたものにしていく。そして、この三年後以降の問題につきましては、先ほど委員のお話にありましたように、十七日の日に骨太の方針二〇二〇で、中長期的視点に立って計画的にこれをやっていくんだと、そして必要十分な予算というものを確保した上で強くしなやかな国土形成を図っていくということをうたっていただきました。  そうした骨太の方針に従いながら、そしてまた各地方の期待に応えながら、しっかりと三年後にも国土強靱化政策に取り組んでまいりたいと、このように考えております。
  106. 矢倉克夫

    ○矢倉克夫君 是非、各自治体の期待に応えて、安心できる長期的なビジョンを、そして政策を予算とともに取っていただきたいというふうに思っております。  時間が参りましたのでこれで終わりにいたしますが、最後、質問通告したのが質問できませんが、一言だけ。  資料の方で書いてあります被害の中で、高潮の被害も書かれております。ただ、例えば東京湾の巨大高潮四十六兆円の被害でありますが、海岸堤防〇・二兆円の措置をしっかりとれば二十七兆円の減災ができると、こういうデータもあります。台風十九号が仮に満潮の午後四時頃に起きていたら大きな高潮が起きていたというような仮定もなされているところであります。  今後の台風シーズンに向けて高潮対策もしっかりと行っていただきたいことを御要望申し上げて、質問を終わりたいというふうに思います。  ありがとうございます。
  107. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 維新の室井でございます。  早速質問に入ります前に、この度の豪雨災害によって多くの方々がお亡くなりになりました。また、残された御家族の方々にも心からの哀悼の意をささげる次第であります。また、家を流され避難生活をされている方々にも、心から、これからの一日も早い日常生活に戻れるよう、我々もしっかりと全身全霊を懸けて頑張って御協力すること、お誓いを申し上げる次第であります。  それでは、早速質問をさせていただきますが、本当に、私も七十三年間生きており、人間をしておりますけれども、これだけの集中豪雨、また、続けて、これはごく最近のあれで、データでありますけれども、二〇一七年の九州北部豪雨、二〇一八年の西日本豪雨、二〇一九年の台風十九号、そして二〇二〇年、今、九州南部を襲ったというか襲っているというか、豪雨災害、そして、夏、秋にかけて台風がまた日本の国を襲うという、こういうことでありますけれども、水に関するこういう自然災害だけでもこれだけのものが続いてくるわけでありますが、まだ、少しずれた、離れた話でありますけれども、日本の国には活火山がいまだに百以上超えたものが存在していると。そしてまた、東京直下地震、南海トラフとか、そういうことが日本のこの小さな島国を取り囲んでおるわけでありますけれども。  大臣に絞ってお聞きをしたい、質問いたしますけれども、御所見をお聞きしたいわけでありますが、この想定外の豪雨災害が常態化する中で、水災害とどう向き合い、防災対策にどう取り組もうと考えておられるのか、御所見をお聞かせをください。
  108. 武田良太

    国務大臣武田良太君) 非常に水災害は大変危険な災害でありまして、やはり常日頃、その災害に対する意識というものをそれぞれの方々に持っていただく、我々も持っていく、決して人ごとではなくて、明日は我が身か、自分地域が水災害になったときには、どういう形でどの場所に避難していくかということを常日頃から考えていただいて、自らの命を自らで守るという意識をこれ持っていただくことが大事であろうと思います。  自助、公助、共助の、これの非常に実質的、実効性のある連携というものが求められるわけでありますけれども、内閣府では、自助の意識向上のために、今年の出水期前より、国民一人一人に災害リスクや災害時に取るべき行動を知っていただくよう、市町村から各戸にハザードマップや避難行動、避難情報の理解を促進するチラシを配布する等の集中的な取組を推進してまいりました。  また、災害時の各自の避難行動を整理し確認するマイタイムラインの活用や、地域住民等が地域のリスクを把握し、地域で助け合う避難計画を立てる等の地区防災計画の策定について、ガイドブックの作成、また好事例の横展開等により促進を図っているところであります。  さらに、今後も、災害リスクを踏まえた分かりやすい災害避難情報の在り方、福祉関係者等と連携を図った高齢者等の実効性のある避難確保、方策、災害発生前の円滑な大規模広域避難の方策などの検討を進めていくことといたしております。  引き続き、国民防災意識の向上、また、避難行動の確保等を促進する取組を進め、防災意識社会をつくっていきたいと、このように考えております。
  109. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 ありがとうございます。  まさに大臣がおっしゃるように、大臣の言葉と重複いたしますけれども、防災自然社会、この構築がやはり一番大切なことであり、当然、自らの命は自らが守る、こういう意識を持たねば防災意識改革は進めることができないと思っております。是非、指導力を持って、各自治体との横の連携を持ちながら御指導を、お力添えをいただきたいと思っております。  続きまして、水害タイムラインを活用した積極的な実効性のある避難活動に取り組んでこられた自治体があるわけでありますけれども、それについて、この水害タイムラインを活用した実効性のある避難行動についてもう一度お聞きをいたしますが、この球磨川は日本の三大急流の一つであります。過去にもう度々水害が起きていたことから、八代市では、災害時に行政や市民が取るべき行動を時系列でまとめたタイムライン、水害に備えておられました。また、人吉市、今年の六月、球磨川の支流河川の氾濫や土砂災害への対応を定めた全国初のマルチハザードタイムラインの試行版を完成させるなど、先進地として知られておりました。  しかしながら、九州南部を襲った豪雨球磨川は氾濫し、八代市、芦北町、そして球磨村、人吉市等では人的災害に見舞われたと。これだけ努力して地域が一つになって頑張ってきたわけでありますけれども、人の命が奪われたということであります。  ここでお尋ねいたしますが、このタイムラインを作り水害に備えても避難行動に結び付かなかった理由として考えられることは、短時間での降雨量と朝方という時間帯の避難の難しさに原因があると考えられるということでありますが、このタイムラインの不断の見直しの必要性と早期避難につながる住民への周知の在り方について、改めて各自治体と連携をし、実効性ある避難行動確保につなげる取組の必要性を感じておりますが、ここで政府の方ではどのようにこの件について取り組んでいき、見直そうとされておるのか、お聞きをしたいと思います。
  110. 青柳一郎

    政府参考人(青柳一郎君) お答えいたします。  今般の令和二年七月豪雨避難が難しかった要因、委員指摘のような、降雨量が短時間に集中したことですとか避難勧告の発出した時間帯が朝方であったこと、ここら辺は今後よく検証していく必要があろうかと思います。  御指摘のタイムラインは、御案内のとおり、いつ、誰が、何をするかに着目をして、防災行動と実施主体を時系列で整理する計画でございますけれども、このタイムラインは、策定したから万全というものではなくて、洪水予報や市町村による防災情報の住民への伝達、また住民の避難行動など、実際の対応状況を踏まえて必要な見直しを繰り返し行うことが大変重要であると考えてございます。  また、災害避難情報についても、昨年の三月に五段階に整理して国民に発信することとしておりますけれども、現在も避難勧告や避難指示などに関して分かりやすさを高める制度的な検討も行っておりまして、不断の見直しに努めているところでございます。  そういった中で、御指摘のような自治体との連携も含めて、国民一人一人に災害リスクや災害時に取るべき行動を知っていただくように、市町村から各戸、それぞれの住戸にハザードマップ、避難行動、避難情報の理解を促進するチラシを配布するですとか、災害リスクを把握して豪雨時に災害避難情報を住民間で伝達する住民間の声掛け避難等に対して計画を立てる地区防災計画の策定を促進する、優良事例を横展開する、様々な取組で実効性を上げる対応を今後しっかりと図ってまいりたいと考えております。
  111. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 是非、それぞれ地域の人たちが心を一つにして前向きで頑張ってきた取組が無残にも砕かれてという、挫折感を感じるようなことでは、また人の命というものは尊いものでありますから、是非、短時間で集中豪雨が降ったからとか、また朝方の早い、また、太陽がまだ昇っていない、足下がまだはっきりしないときに雨が降ったとか、集中したから、それが原因だったとか、そんなことはもう理由にならないと思いますので、こういう教訓を生かして、これからもしっかりと前向きな姿勢で捉えて御指導をしていただきたいと思います。  続きまして、ちょっとここは重複すると思うんですけれども、申し訳ありません、高齢者等の施設の入居者の水害、土砂災害からの避難の実効性の確保について、このことであります。  この熊本の球磨村に、熊本県球磨村にある特別養護老人ホーム、御承知のとおり、千寿は球磨川の氾濫で十四人の入居者が死亡されたと、そして、二〇一六年八月の台風十号による河川の氾濫で岩手県の岩泉町の認知症のグループホームの入居者が九人全員死亡されたと、こういうことが報道されたわけでありますけれども、何とかこういうことについて行政が対応できないのか、建築確認、建築許可とか、いろんなことを想定しながら許可を下ろすとかできないのかなと、そういう素人なりに考えておりましたら、もちろん要配慮者利用施設指定された高齢者施設や障害者施設などは避難計画の作成や避難訓練の実施が義務付けられているという程度のことだったわけでありますが、ここで質問いたしますが、国は、二〇二一年度中に要配慮者利用施設指定された高齢者施設や障害者施設などにおいて避難計画の作成率を一〇〇%にする目標を掲げていると。その避難計画の作成状況と、この避難確保計画の作成によってどのような効果が期待されるのかお聞きをしたいことと、続けてもう一点御質問いたしますが、この球磨村の千寿園は、避難確保計画を作成し、年二回、地域住民と協力して車椅子の入所者を高台に上げるなどの訓練をしておられたと。急な浸水対応が間に合わず、改めて高齢者の早期避難の重要性が指摘されておりますが、この再発防止にどう取り組んでいくのか、この二点をお聞きをいたします。
  112. 五道仁実

    政府参考人(五道仁実君) お答え申し上げます。  水防法に基づく避難確保計画は、令和二年一月一日時点で、対象となる七万七千九百六の要配慮者利用施設のうち三万五千四十三の施設で、また土砂災害防止法に基づく避難確保計画は、平成三十一年三月三十一日時点で、対象となる一万三千七百四十一の要配慮者利用施設のうち四千九百五十八の施設で作成がされているところでございます。水害や土砂災害の際に円滑に迅速に避難するためには平時から訓練をしていくことが重要であり、一般の住民より避難に時間を要する要配慮者利用施設の利用者については、その必要性がより高いものと認識しております。  令和元年東日本台風の水害時や土砂災害発生時の際には、避難確保計画を作成し避難訓練を行っていた埼玉県川越市の特別養護老人ホーム川越キングス・ガーデンや静岡県小山町の平成の杜におきまして、二階へ垂直避難を実施し、職員、利用者全員が無事で避難することができたという事例も承知しているところでございます。  先ほどお話をさせていただきましたように、このように災害発生を想定した避難確保計画を作成し実効性のある訓練を実施しておくことは災害時の円滑かつ迅速な避難につながることから、引き続き、国土交通省として計画の策定と訓練の実施を促進してまいります。  一方、今回被災した千寿園につきましては、委員指摘のとおり、避難計画を作成し訓練を実施していたというふうな中におきまして多くの方が犠牲になられたということでございます。避難確保計画の内容や当日の避難行動の詳細を確認した上で、関係省庁と連携して今回の事案について検証、総括を行ってまいりたいというふうに思います。
  113. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 ありがとうございます。  そもそも、こういう施設が市街地に離れた山の奥というか、その方が土地も安いですし環境もいいということで、河原のせせらぎ、そして裏に山があるとか、そういう環境を好むというか、私もそういう環境は好きでありますけれども、その点は、人の命とかそういうことを考えられて、国交省の担当であると思いますけれども、こういう福祉の施設について建築確認、建築許可の基準をもう少し見直す点もあるんじゃないのかなと、こんなことを一つ要望しておきまして、また御検討を、すぐなるものじゃないでしょうけれども、御検討をしてください。要望しておきます。  最後に、済みません、災害からの避難場所の指定について少し、時間がもうなくなりましたので簡単に、簡単にというか、お願いをしたいんですけれども。日本の各これは自治体が管理していると思うんですけれども、消防局とか消防署、これは全国にどのくらいあるんでしょうかね。
  114. 荻澤滋

    政府参考人(荻澤滋君) 全国に消防本部七百二十六ございますけれども、その下にある消防署、出張所も含めまして四千八百三十二ございます。
  115. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 私が申し上げたいのは、今回、あらゆるところであっても消防団、水防団というのは活躍をしてくれておりまして、地域の事情を一番よく知っているのが、自衛隊が入り込むよりも、地域の消防団、水防団が一番よく分かっております。  そして、消防というと、どうしても頼りたくなる、そして救急車が消防局から出ていく、そういう光景を見ておりますので、私が申し上げたいのは、この四千八百のところに避難所、消防署のそういうゆとりのあるところもあったり、消防署員向けの駐車場が百坪あって、それは消防署員だけが車止めていると、今度建て替えとか改造しなくちゃいけないときに避難所として考えられないのかということをひとつ要望だけしておきます。答えはいいです。あっ、じゃ、答えできる。
  116. 荻澤滋

    政府参考人(荻澤滋君) 緊急避難場所若しくは避難所の確保については大変重要な課題でございまして、市町村長が確保指定することになっております。  御指摘のように、消防署についてでございますけれども、法令の定める立地条件、安全な区域内にある等の条件を満たすことはもちろんでございますけれども、その一方で、消防署、市町村の災害対応の拠点になるということもございますので、そういったことも留意しながら各市町村において的確に判断をすべきものというふうに考えております。
  117. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 よろしくお願いします。  終わります。
  118. 武田良介

    武田良介君 日本共産党の武田良介です。  今回の七月の豪雨災害で亡くなられた皆さんに心から哀悼の意を表したいと思いますし、被災された全ての皆さんにお見舞いを申し上げたいというふうに思います。  今回の豪雨は、九州でも大変な被害が出ておりますが、全国的に大変な被害が発生をしてしまいました。私も、岐阜県の方に伺って、甚大な被害の現状を見てまいりました。岐阜県の八百津、それから白川町、それから下呂市など、こういったところで調査をしてまいりました。  例えば、下呂市は平成の合併の際に四町一市が一つになったという自治体だということでありまして、市の面積が八百五十一キロ平方メートル、そのうち約九割を森林が占めているという、そういう広大な自治体というふうになっております。こういう下呂市で豪雨災害が発生をしてしまいました。  下呂市では、今、住家被害の一次判定が始まっております。全壊と判定されている被害家屋もあれば、半壊だとか一部損壊というふうに判定されている被害家屋もあるわけであります。この半壊、一部損壊というふうになったところでは、本当に住宅再建の十分な支援が受けられるんだろうかということで、不安の声もあるということなんです。  まず初めに、内閣府に確認をしたいというふうに思いますけれども、住宅再建にはどんな支援があるのか、簡潔に御説明いただけますでしょうか。
  119. 青柳一郎

    政府参考人(青柳一郎君) お答えいたします。  被災した住宅を再建するための支援制度としては、災害救助法の住宅の応急修理制度がございますし、必ずしも住宅を再建するための制度ではございませんけれども、被災者生活再建支援制度ということで、最大、全壊であると三百万円の支援金を支給するというものがございます。そのほか、応急仮設住宅の供与ですとか住宅金融支援機構の災害復興住宅融資、災害公営住宅の整備などといったものが支援制度として考えられるのではないかと思います。
  120. 武田良介

    武田良介君 災害救助法あるいは被災者生活再建支援法に基づく制度、こういったものの支援があるわけですが、これは、半壊ではなくて大規模半壊だとか全壊だというふうに判定された場合には被害がもう少し上がっていくわけであります。  これ、一次判定に納得がいかないという被災者の方がいらした場合は、これ確認ですけれども、二次判定に進む、その納得がいく判定をしてくださいということで申し出ることができる、確認だけお願いしたいと思います。
  121. 青柳一郎

    政府参考人(青柳一郎君) お答えいたします。  罹災証明書の早期交付のために、第一次調査ということで浸水深等の外観により簡易に判定を行う、これは早く交付するためのものでございますので、被災者からの申請があれば第二次調査あるいは再調査を実施して、家屋内へ立ち入って詳細な調査を行うことで被害の実情に応じたより正確な判定を行うということは可能でございます。
  122. 武田良介

    武田良介君 つまり、被災地に行くと、浸水がどのぐらいの高さまで来たから私はきっと半壊だろうとか、そこまでは、それ以上は行かないだろうとか、やっぱりそういう言葉がよく聞こえてくるわけですけれども、今答弁にありましたように、あくまで、浸水何メートルではこのぐらいの被害認定というのは、あくまで迅速に一次判定をするための基準であって、それが最終的な基準ではないということでよろしいでしょうか。もう一度確認します。
  123. 青柳一郎

    政府参考人(青柳一郎君) 御指摘のとおりでございまして、この運用については今回の豪雨の際にも留意事項として通知もいたしておりますし、また、内閣職員発災後に派遣をして、被災自治体の担当職員に対しても説明会を行うなどの周知に努めているところでございます。
  124. 武田良介

    武田良介君 是非、被災者皆さんにも諦めていただきたくないというふうに思いますし、大事なことはその住まいとしての機能が喪失されてしまっているのかどうかということだというふうに思いますので、そうした視点で是非しっかりと判定をしていただきたいというふうに思います。  次に、被災者生活再建支援法の適用について質問させていただきたいと思いますが、そもそもこの法律に基づく制度ですね、これが適用されるかどうかということが非常に大問題になっていると思います。  今回の七月豪雨被災者生活再建支援制度の適用状況、私も事前にお聞きいたしましたけれども、これ、熊本県は百以上の世帯の住宅が全壊する被害が発生しているということで、これは適用されている。それから、福岡県の大牟田市は人口が十万人以上三十万人未満という自治体ということで、滅失百世帯以上ということでこれ適用されているというふうに承知をしておりますけれども、しかし、その被害熊本県と大牟田市だけではなくてほかにも広がっているわけでありますけれども、今後の適用の見通しというふうな点ではどのようになっているでしょうか。
  125. 青柳一郎

    政府参考人(青柳一郎君) 御指摘のとおり、現在、熊本県が県内全域の適用、また、福岡県の大牟田市ということでございますけれども、これ、自治体の方で、結局、被害家屋の調査を進めて、全壊等の状況が判明次第追加していくということになろうかと思いますので、今後もまだほかの自治体でも支援法の適用を行っていく県は出てくるものと考えております。
  126. 武田良介

    武田良介君 適用の判断そのものは国ではなくて県が判断していくものであろうというふうに私も承知をしておりますが、今の答弁も、これから被害認定が確定していって徐々に明らかになってくると、その趣旨は理解をしております。  その上で、既に明らかになっております下呂市の被害状況ですね、私見てまいりますと、国の基準からすると、下呂市はもう既に被災者生活再建支援法のこの適用の条件にこれ当てはまってくるんじゃないかなというふうに見えたんですが、この点はどうでしょうか。
  127. 青柳一郎

    政府参考人(青柳一郎君) 基準でいきますと、施行令の規定によりますと、人口五万人未満の下呂市の場合には住宅の全壊二世帯以上で被災者支援法が適用されるということになりますけれども、この判断をまだ正確に県の方で断定をある意味していないという状況なんだろうと思われます。
  128. 武田良介

    武田良介君 しっかりと調査がされて適用されれば、被災者皆さんにとってはその分支援が出るわけですから、県の判断ということでありますけれども、その条件をしっかりと下呂市とも共有して取り組んでいただければというふうにこれは思います。  これ、九州始め岐阜県など全国で広く被害は発生しているわけでありますが、この対象となるためには、先ほど来話があるような人口に合わせて全壊世帯が何戸あるかだとか、こういう基準が求められているわけであります。  私が視察しました岐阜県ですけれども、岐阜県下だけ見ても、例えば高山市などは半壊が六で床上浸水十五と、こういう被害はあるわけですね。同じ災害被災しているわけですけれども、しかし、一方では支援が受けられて一方では支援が受けられないということでは、これは被災者皆さんなかなか納得いかないという思い抱かれるのは私、当然だというふうに思いますし、被災者皆さんにとってみれば、どんな被害であっても同じ被害ですから、同じ災害によって受けた被害ですから、やっぱりこの全壊十戸以上の市町村だとか全壊百戸以上の都道府県、こういう条件を緩和していくべきではないだろうかと。  被災者皆さんの間に線引きするようなことになってしまいますので、これは緩和していくべきじゃないかなというふうに思いますけれども、大臣、この点いかがでしょうか。
  129. 武田良太

    国務大臣武田良太君) そもそも、この支援制度については、被災市町村や県の力だけでは対応が難しいとされたときに、各都道府県の相互扶助と、そして国とが支援が行うというものでありまして、今御指摘の一市町村で全壊十世帯以上なんという一つのルールがあるわけですけれども、支援法の適用となる災害で適用基準を満たさない市町村については、支援法による支援金は支給はされませんが、都道府県が条例で全壊等の世帯に対し支援法と同様の支援を行えば、支給額の二分の一を特別交付税で措置することとしており、既に二十四の都府県でその制度が導入されております。  これらの都府県では適用基準を満たしていなくても独自支援制度による支援金が支給されているところであり、当該制度を導入していない道府県に対しても引き続き制度の導入を促すなど、被災者に寄り添った災害対応に努めてまいりたいと思っております。
  130. 武田良介

    武田良介君 私は、各県がやっているというだけにとどまってはやっぱりならないんじゃないだろうかというふうに思うんです。国による支援をもっと行き届かせることによって、それぞれの自治体は更に手厚い支援を行うことができるようになっていくと、やっぱりこういう関係になっているというふうに思いますので、更に被災住民の皆さんに寄り添った支援を、そういう条件の緩和を是非求めておきたいというふうに思っております。  先ほど来話出ておりますが、七月十七日事務連絡、今回の七月豪雨に係る応急仮設住宅について、この中で応急修理期間中に応急仮設住宅を使用することを可能としたと、この事務連絡が出されております。これまで繰り返し求めてきた問題ですので、これ、ついに私も認められたということで、大変この点歓迎をしたいというふうに思っております。  これは、先ほども少しありましたけれども、原則六か月ということになっているわけですけれども、六か月を過ぎた時点で住まい確保がまだ困難な場合、その後、住まい確保については内閣府はどのように考えておられるんでしょうか。
  131. 青柳一郎

    政府参考人(青柳一郎君) お答えいたします。  発災後六か月というふうにいたしておりますのは、近年の主な災害において、発災後六か月以内におおむね六割程度の被災者が応急修理を完了している実態も踏まえたものでございますけれども、やはり、元々、いつまでも仮設住宅にいて、ついの住みかに移れないというよりは、やはり早期住まい再建を図るという観点から一定期間を置いているというものでございます。  ただ、六か月を経過した場合でございますけれども、やはり被災者の個別の事情、住まい再建に係る意向も踏まえて対応を判断することとなろうかと思います。
  132. 武田良介

    武田良介君 個別の事情や意向を踏まえるということなんですけれども、その事務連絡の趣旨からすれば、応急修理の間、住むところがない被災者の方に対して安心して住む場所を提供するということだと思うんですね。その趣旨からすれば、応急修理が間に合わない場合について、当然継続して使用することもできるんじゃないでしょうか。
  133. 青柳一郎

    政府参考人(青柳一郎君) ただいま申し上げましたとおり、個別事情、また状況を踏まえて判断するということですから、一律に六か月過ぎてもまだ修理が終わっていないからいれるよということになるかどうかというのは、それぞれの事情によろうかと思います。
  134. 武田良介

    武田良介君 個別の事情を踏まえてということですけれども、住まい確保ができていない状況で追い出すなんということは決してこれはあってはならないのは当然のことでありますので、継続して入居されるということができるように強く求めておきたいというふうに思います。  下呂市ですけれども、全国にも有名な下呂温泉があるわけであります。年間約百万人が訪れる温泉地というふうに聞いております。大小七十のホテルや旅館が建ち並んでおります。私も現地視察の際に山内市長とお会いをいたしまして、観光への支援も訴えられました。下呂市も、他の温泉地などと同じだと思いますけれども、コロナの自粛明け、営業を再開したところだったわけであります。先日の七月の四連休、このときにもう宿泊の予約が入り始めていたと、しかし、今回の災害を受けて約三千件のキャンセルが出てしまったということを伺ってまいりました。  今、ゴー・ツー・トラベル、これもう始まっているわけですけれども、観光地の実情というのはやっぱり各地で違うと思うんです。直接旅館などが被害を受けているところもあれば、下呂温泉のように、直接ほとんど被害を受けていないところもあるわけなんですね。そういう違いがあるんですから、支援が変わってくる、それぞれに合わせた支援をするというのは、これ当然のことだろうというふうに思っております。  このゴー・ツー・トラベルというのは、これ一・三兆円の予算があるというふうになっているわけですが、それぞれの被災地に対して別の支援をやっていくことということを考えれば、このゴー・ツー・トラベル、中止をして、災害対策も含めた観光支援を抜本的に見直す、こういう必要があるんじゃないかというふうに思いますけれども、観光庁、いかがでしょうか。
  135. 五十嵐徹人

    政府参考人五十嵐徹人君) 被災された観光業への支援についてお尋ねがありました。  今般の令和二年七月豪雨によりまして、七月二十七日現在でございますが、九州地方及び中部地方で百を超える宿泊施設被災をしたほか、多くの施設が臨時休業の状態となるなど、甚大な影響が発生していると承知をしております。  国土交通省といたしましては、九州運輸局、中部運輸局、そして北陸信越運輸局に今般の豪雨被災をされた被災宿泊事業者向けの特別の相談窓口を設置するとともに、例えば九州運輸局でございますけれども、運輸局の観光担当の幹部が実際に被災地に赴きまして被災された事業者の方からお話を伺ってニーズを酌み取ると、そういった形で被災事業者に寄り添った支援をこれまでも行ってきたところでございます。  被災地復旧復興につきましては、政府全体で被災者生活なりわい再建に向けた対策パッケージを取りまとめることとなっております。このうち、観光分野につきましては、赤羽国土交通大臣指示も踏まえ、関係省庁等と連携しつつ、個別の施設復旧から地域全体の魅力向上までを含めた幅広い支援策を現在検討しているところでございます。  また、御指摘がありました下呂温泉等におきます一種の風評被害対策でございますけれども、例えば下呂温泉につきましては、宿泊施設の営業状況や下呂温泉へ向けての交通アクセス等の状況につきまして、観光庁のホームページにおいて既に情報発信をしております。こうした風評被害を防止するための観光庁のホームページやSNS等の活用によります正確な情報発信などの諸施策についても、先ほど御紹介いたしました対策パッケージに盛り込むべく調整を進めているところでございます。  加えまして、復興を後押しすべく、被災地復旧状況等を踏まえつつ、観光需要を強力に喚起する方策についても検討しているところでございます。  国土交通省といたしましては、引き続き、被災された方々に寄り添ってその御要望を丁寧に伺いながら、関係省庁等とも連携し、被災地支援全力で取り組んでまいります。  以上でございます。
  136. 武田良介

    武田良介君 相談窓口の設置だとか現地に行っての聞き取り、あるいはその魅力をどう輝かせるか、パッケージの中でですね、で、風評被害対策等々で周知をしていくだとか、こういったところまでだと、これまでの延長線というような感じがどうしてもしてなりません。  今回は、もう皆さん言われているように、コロナがあって、コロナ禍での豪雨災害ということも重なっていることも含めて、これまでの延長線にはとどまらない抜本的な支援強化が必要だということを私から求めておきたいというふうに思います。  下呂市長ともお会いしたときに、観光の関係で言われたところに一つ、国道四十一号線の問題がありました。JRの高山線、それから国道四十一号線、高山市と下呂市をつなぐ非常に重要な道路鉄道だと。  鉄道は既に再開しているということで承知をしておりますが、四十一号線の再開の見通しについて御説明いただきたいと思います。
  137. 池田豊人

    政府参考人池田豊人君) お答えいたします。  今回の豪雨で、下呂市小坂町門坂において飛騨川の増水で道路のり面が約五百メーター崩壊しておりまして、今その箇所を含めて前後約一キロの区間で通行止めが続いております。現在二十四時間体制で応急復旧を進めておりまして、八月三十一日を目途に一車線の片側通行の交通開放を目指して取り組んでいるところでございます。
  138. 武田良介

    武田良介君 当初は三か月、四か月掛かるんじゃないかということもお聞きしておりましたけれども、これが八月の末ということになりますと、非常にスピード感があったのかなというふうに思います。  もう一点、バックウオーターの現象が起こったということが現地でも非常に被災住民の方が心配をされておりました。飛騨川と白川の合流点などでこれが起こった。これ、バックウオーターというのは一般にどういうことが要因として起こるのか、あるいはこの飛騨川と白川の合流点の場合、どんな要因が考えられるのか。国交省、この点はいかがでしょうか。
  139. 五道仁実

    政府参考人(五道仁実君) 一般的に、バックウオーター現象でございますけれども、本川の水位が上昇することで支川の水が本川に流れにくくなって滞留することによって支川の水位が上がっていって、一定以上に上がるとあふれてくるというようなことでございます。  今回の飛騨川と白川の合流点についての要因について、今、河川管理者である岐阜県において詳細な調査、検証をしているところであるというふうに承知しております。
  140. 武田良介

    武田良介君 県がしっかり調査、分析をする、もちろんそういうことだというふうに思いますけれども、現地の方たちから聞くと、やっぱりその河床が高くなっていたんじゃないかという声が複数聞かれるんですね。しっかりと調査をしていただき、また今後の河川整備ですね、しっかりと対策をしていただきたい。  今日、時間がなくて、駆け足でいろんな分野ちょっとお話しさせていただき、通告してまだ質問できなかった分野もありますけれども、いずれにしても、これまでの支援にとどまらない、被災者皆さんの心を折れさせない、そういう支援を求めて、私の質問を終わりたいと思います。
  141. 杉久武

    委員長杉久武君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後四時二十三分散会