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2020-06-02 第201回国会 参議院 国土交通委員会 第17号 公式Web版

  1. 会議録情報

    令和二年六月二日(火曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員異動  六月一日     辞任         補欠選任      末松 信介君     宮崎 雅夫君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         田名部匡代君     理 事                 朝日健太郎君                 酒井 庸行君                 増子 輝彦君                 伊藤 孝江君                 武田 良介君     委 員                 足立 敏之君                 青木 一彦君                 岩本 剛人君                 金子原二郎君                 清水 真人君                 鶴保 庸介君                 豊田 俊郎君                 宮崎 雅夫君                 和田 政宗君                 小沢 雅仁君                 長浜 博行君                 野田 国義君                 浜口  誠君                 森屋  隆君                 里見 隆治君                 宮崎  勝君                 室井 邦彦君                 木村 英子君                 上田 清司君    国務大臣        国土交通大臣   赤羽 一嘉君    副大臣        国土交通大臣  青木 一彦君    大臣政務官        国土交通大臣政        務官       和田 政宗君    事務局側        常任委員会専門        員        林  浩之君    政府参考人        厚生労働省大臣        官房審議官    八神 敦雄君        国土交通省総合        政策局長     蒲生 篤実君        国土交通省国土        政策局長     坂根 工博君        国土交通省都市        局長       北村 知久君        国土交通省水管        理・国土保全局        長        五道 仁実君        国土交通省道路        局長       池田 豊人君        国土交通省住宅        局長       眞鍋  純君        国土交通省国際        統括官      岡西 康博君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案  (内閣提出衆議院送付)     ─────────────
  2. 田名部匡代

    委員長田名部匡代君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨日、末松信介さんが委員を辞任され、その補欠として宮崎雅夫さんが選任されました。     ─────────────
  3. 田名部匡代

    委員長田名部匡代君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、国土交通省都市局長北村知久さん外七名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 田名部匡代

    委員長田名部匡代君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 田名部匡代

    委員長田名部匡代君) 都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 足立敏之

    足立敏之君 おはようございます。  自由民主党の足立敏之でございます。本日は質問機会を与えていただきまして、田名部委員長を始め、各党の理事委員皆さん感謝を申し上げたいと思います。  私は、御承知のとおり、建設省、国土交通省で長らく勤務をいたしまして、インフラ整備防災災害対応などに取り組んでまいりました。本日はそうした経験を踏まえまして質問をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。  まずは、これまでに新型コロナウイルスによって亡くなられた皆様に謹んで哀悼の意を表しますとともに、感染された皆様方の一日も早い回復をお祈りを申し上げます。また、医療関係を始め、国民生活を支えるために様々な分野新型コロナウイルスと闘ってこられている全ての皆様に心から感謝を申し上げます。ありがとうございます。  さて、国土交通省では、新型コロナウイルス感染拡大防止のために海や空などの水際の感染防止対策に、赤羽大臣陣頭指揮国交省一丸となって対応をしてこられました。特に、政府基本的対処方針で定められました交通ネットワーク確保重要インフラ維持管理公共工事など継続が求められている業務の実施に全力で努めてこられました。特に整備局運輸局皆様、さらにはそれを支える建設業運輸業皆様方にも心から感謝を申し上げたいというふうに思います。  さて、五月の二十五日、緊急事態宣言が全ての都道府県で解除されました。これも政府自粛要請に応えて対応してこられた国民皆様方、それから各企業皆様方、そして国土交通省始め関係省庁皆様方のお一人お一人の御努力のたまものと心から感謝を申し上げたいというふうに思います。  さて、宣言は解除されましたけれども、新型コロナウイルス影響は様々な分野に波及しております。我が国経済に与える影響はとても大きいというふうに考えております。特に、様々な民間企業が深刻な影響を被っておりまして、それに伴って今後の民間投資の減退も見込まれ、景気長期低迷が懸念されます。私たちの生活において、密集、密閉、密接の三密の心配のある既存の生活様式見直して、ソーシャルディスタンスを考慮した新たな生活様式への転換を図っていくことが必要とされておりまして、仕事面でもテレワーク基本とした新たな仕事の仕方が求められています。  こうした状況を考えますと、ちょうど私が国土交通省を退官した平成二十六年なんですけれども、二〇五〇年を見据えて、国土づくりの理念や考え方を示しました国土グランドデザイン二〇五〇、これを当時取りまとめておりましたけれども、今回の新型コロナウイルス教訓を踏まえまして、いわゆるポストコロナ時代グランドデザインとして見直す必要があるのではないかというふうに考えています。  国土グランドデザイン二〇五〇というのは、お手元資料に配りましたけれども、資料の一枚目、二枚目に示しましたリニアを軸としたスーパーメガリージョンとか、コンパクト・プラス・ネットワークなどを基本戦略としております。ポストコロナということを考えると、少しマッチしていないところが出てき始めているんじゃないかなというふうに感じるところでもあります。  グランドデザイン見直しに当たりまして考えるべき点、私見でございますけれども申し上げたいと思いますけれども、まず集中から分散への回帰ということではないかというふうに思います。東京一極集中是正も含めまして、都市地方役割見直し、それを踏まえた地方活性化、こういったことを進める必要があるというふうに考えます。これまでの集中、集約あるいは高度化効率化を目指したまちづくり地域づくりから、もう少しゆとりだとかそういったことを考えた人中心まちづくり、あるいは、緑や水辺など自然と調和したまちづくり地域づくりへと転換する必要があるのではないかというふうに考えます。  また、テレワークリモートワーク中心の新たな仕事の仕方への転換、これも必要とされておりまして、それを支えるデジタル時代まちづくり住まいづくり、こういったことも大事だというふうに考えております。  また一方で、海外に過度に基盤を求めた脆弱なサプライチェーン、かなり今回も指摘がございましたけれども、経済安全保障観点からも一定程度国内に回帰させることも必要ではないかというふうに考えております。さらに、インバウンドに大きく依存した観光産業についても考え直す時点に来ているのではないかというふうにも思います。  赤羽大臣は、先週五月二十九日、経済財政諮問会議において、防災減災対策及び老朽化対策という二つの大きな課題集中的に取り組む、そのことに加えて、強靱な経済構造を構築するための生産性向上民間投資誘発に直結する社会資本整備を戦略的に進める、そのことによりまして、我が国安心成長未来を実現すると主張されておられました。大変心強い限りでございます。  そうした考え方を基に、新型コロナウイルス教訓を踏まえまして、ポストコロナ時代にマッチした持続可能な社会という観点国土グランドデザインを見直すべきと考えますが、赤羽大臣見解をお伺いいたします。
  7. 赤羽一嘉

    国務大臣赤羽一嘉君) まず冒頭、今般の新型コロナウイルス対策に対しまして、我々国土交通省の職員、また、所管公共交通機関を始め、所管業界団体皆様方に温かな激励のお言葉をいただきましたことに、まず心から感謝を申し上げたいと思います。  新型コロナウイルスにつきましては、非常事態は解除はされたものの、この六月一日からの通勤通学の例えば電車のラッシュも戻りつつあったり、やっぱり緊張感を持ってこの拡大再発防止、また早期終息を目指して全力を尽くしていかなければいけないということで気を引き締めてやっていきたいと思いますので、まだ引き続き御指導よろしくお願い申し上げたいと思います。  この今の御質問のこれからの国土在り方ということでいえば、まず、感染症のこの事態がなければ、少子高齢化人口減少化過疎化が進む中でどうしていくのかという中で、当然、様々なことを考え、コンパクト・アンド・ネットワークシティーを形成したりとか、あと、当然、この近年の激甚化甚大化、また頻発化する災害に強い地域づくりと、これはもう足立先生からの御指導あったとおりだと思っておりますが、今回これに加えて新たな感染症、未曽有感染症、これが世界中に蔓延しているという状況の中で、今後の国土在り方というのをどう考えるかということは大変大きなテーマだというふうに思っております。  現時点において、コロナ後の国土の姿を正確に描くというのはまあ難しいとは思いますが、私、個人的に思っておりますのは、二十五年前の阪神・淡路大震災を経験したときに、神戸の町がどうだったかというと、例えば災害公営住宅というのは高齢者だらけ、平均七十五歳ぐらいの住宅がたくさんできて、中の自治会もつくれないような状況が幾つも起こりました。これはある意味では、二十年後の我が国状況が随分前倒しで現出されたと、そうした将来の課題が直面に突き付けられるというのがこういう大きな災害とか感染症だというふうに思っております。  ですから、この感染症拡大自体は大変つらくて厳しいものでありますけれども、私は捉え方としては、これは将来の課題が今ある意味では顕在化、このことによってされたと、ですから、このことを非常に明確にしてどう取り組むのかと、やっぱり前向きにこのことを捉えていかなければいけないと。  私は、よく毒をもって薬となすというような思いで考えていかなければいけないとなると、様々この感染症現時点でも示唆的な状況というのはあると思います。今、足立委員からお話あったとおりであるんですけど、やっぱり一つは、接触機会軽減のためのテレワークという働き方ですとかデジタル化、こうしたものはやっぱり必須ですし、ある意味では、その結果、高い都心の中にオフィスを構えるよりも地方に住んで十分仕事ができるとか、あとは、私もかねがね申し上げておりますが、二拠点居住、こうしたものが、やっぱりそうした選択がされるだろうと。  また、経済的に言うと、サプライチェーン見直しということで、ある程度地産地消型の経済圏というのも、やっぱり各企業ともそうしたことをやらないとリスクのヘッジメントにならないというふうに私はそう考えております。  加えて、そうしたことから、かねてより東京一極集中主義を改善しなきゃいけないというのは、皆総論では言うんですけど、なかなかそのきっかけがなかったわけでありますが、これは今回のことで様々な大きなきっかけになるんではないかと。この東京一極集中を改善するということは災害感染症リスク軽減にもつながりますし、社会経済としての強靱性ということが保たれるというふうに思っておりますので、是非東京一極集中是正をする、それは裏腹に、それぞれの地方地方創生にもつながるというふうに思っております。  本来の我が国が持っている各地方の魅力とか伝統的な文化、技術とか産業、こうしたものをもう一度よみがえらせるようにしていかなければいけないと思いますし、また、やっぱりゆとりのある空間ということがこれからニューノーマル生活様式でも求められておりますので、ある意味では豊かで健康的な暮らし方、生き方、働き方というものが価値を持っていくんではないかと思いますし、それを支える意味では、地域公共交通機関では課題でございましたが、自動走行ですとか、AIとかIoTを活用した人手不足を補う物流機械化、昨日も実はちょっと物流業界現場に行ってまいりましたが、そうしたことが非常に大事になってくるんではないかと思っております。  様々な課題で、ちょっと五月雨式な答弁で申し訳ないんですが、私の言いたいことは、大変大きな我が国が抱えている問題を今顕在化されたということで、前向きに、しっかりと先を見通し国土形成づくり、しっかり国交省としても取組を進めていきたいと思っておりますので、今後とも御指導よろしくお願いしたいと思います。
  8. 足立敏之

    足立敏之君 ありがとうございました。  現行の国土グランドデザインは当時の太田大臣の強い思いで作成されたものでございますけれども、今回、コロナ影響を受けまして、赤羽大臣の今お聞かせいただいた熱い思いと強いリーダーシップで、この国土グランドデザイン見直し是非お願いをしたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。  次に、建設分野への影響について御質問申し上げます。  五月十九日の国土交通委員会でも質問をさせていただきましたけれども、その後の状況も踏まえまして今日は質問させていただきたいと思います。  お手元資料三にデータを示しましたが、帝国データバンクが四月に実施した調査によりますと、資料右下のグラフなんですけれども、今年度の業績が既にマイナス影響があると見込んでいる建設会社が四三・二%、今後マイナス影響があると見込んでいる社が四四・六%、合わせてマイナスと見込んでいる建設会社が既にもう九割と、大変な数値に上っております。  また、個々の建設会社あるいは住宅建設会社の今年度末の業績見通し、これも左側の方の中に示させていただきましたけれども、現時点で、工事中断等影響はもうほとんどないんですけれども、今後見込まれるディベロッパーさん、それから不動産、ホテル、物流など民間建設投資の落ち込み、これが大変厳しくて、さらには、後ほど申し上げます海外での建設投資の先行きの不透明感もあって、二割から三割の減益見通しのみならず、五割を超えるような減益見通しを示している社もあります。大変深刻な状況と言わざるを得ないというふうに思います。  中でも、海外受注業績を伸ばしてきた建設会社あるいは住宅建設会社さん、たくさんおられますけれども、この新型コロナウイルス影響で、海外現場を閉所して派遣していた社員を帰国させたり、建設コンサルタントについても海外業務を打ち切らざるを得なくなったり、海外事業にも大きな影響が出ているというふうに聞きます。  今後、更に大幅な事業縮小があると非常に困るなというふうに思っておりますけれども、海外でダメージを受けている国内建設業建設コンサルタント状況について、国交省としてどのように受け止め、今後どのような支援を考えているのか、岡西国際統括官にお聞きしたいと思います。
  9. 岡西康博

    政府参考人岡西康博君) お答え申し上げます。  新型コロナ感染拡大に伴う海外建設工事等を受注している日本建設業への影響については、国土交通省において随時ゼネコン建設コンサルタントなどの各企業業界団体から聞き取りを行い、把握に努めているところであります。  それによりますと、各国政府移動制限措置工事中断命令発出状況などは国によって異なりますが、我が国ゼネコン建設コンサルタントの多くは工事などの一時中断や体制の大幅な縮小を余儀なくされており、各企業の経営やプロジェクトの進捗に大きな影響が出るおそれがある状況と聞いております。  また、今後、感染終息し、工事等を再開する段階においては、我が国企業発注者である相手国政府などとの間で工期の延長や追加的な経費の負担などについて本格的に協議を行っていくことになりますが、企業からは相手国政府等との協議が難航するのではないかとの懸念の声も寄せられています。  国土交通省といたしましては、海外建設工事等を担う建設業への影響は非常に大きく、今後更に深刻化していくおそれがあると認識しており、ゼネコン建設コンサルタントからの情報関係府省、機関とも情報共有するとともに、政府一丸となって可能な限り支援を行っていく必要があると考えております。  このため、新型コロナ感染拡大後、国土交通省では、外務省、JICA等関係府省、機関情報共有意見交換を行ってきておりますが、感染終息後、日本インフラシステム海外展開が途絶えることのないよう、引き続き関係府省、機関と連携した支援に積極的に取り組み、ゼネコン建設コンサルタントの不安を少しでも解消できるように努めてまいります。
  10. 足立敏之

    足立敏之君 ありがとうございました。  先週の国土交通委員会で、武田委員から建設分野の方々に対するPCR検査というお願いがありましたけれども、私からも一点お願いがありますが、今お話のありました海外業務関係帰国者だとか渡航者PCR検査をできるだけ迅速に実施できるような、そういう手だてを是非考えていただきたいと思います。やっぱり二週間のロスというのは仕事上も大変大きゅうございますので、是非とも企業海外進出の要とも考えますので、その辺についても御配慮をお願いしたいと思います。  五月二十七日に二次補正が閣議決定されております。しかし、一次補正、二次補正基本的に民間投資の冷え込みへの対策までは考慮されておらないと思います。新型コロナウイルス感染一定程度終息した段階で、そこから景気を支えるための次の経済対策が改めて求められるというふうに考えております。  前回、五月十九日もお話ししましたけれども、一九三〇年代の世界大恐慌の後にアメリカで行われたフランクリンルーズベルト大統領提唱によるニューディール政策参考に、日本版ニューディール政策を進めていただくよう大臣にもお願いしたところでございますけれども、本日、新たな国土グランドデザインの作成もお願いをいたしましたので、その基本的な考え方に沿って、ポストコロナ時代にマッチした日本版ニューディール政策というものを取りまとめていただいて、推進していただくように改めて赤羽大臣にはお願いしたいと思います。  ところで、韓国では、文在寅大統領が今回の新型コロナウイルス影響への経済対策として、大規模な公共事業韓国版ニューディールとして実施すると表明されておられます。  お手元資料四を御覧いただきたいんですけれども、韓国インフラ整備の予算でございますけれども、二十年間で二・五倍に伸びております。一方、日本はその間半減をしておりまして、日本を大きく上回るスピードで韓国インフラ整備は進んでいます。  次のページめくっていただきまして、いろんなインフラ整備状況比較でございますけれども、高速道路やダム、港湾空港など、インフラ整備の面で大きな差が付いてしまっているのが実情ではないかというふうに思います。  巨大な仁川空港に到着して、ソウル市内に向かうときに四、五車線もある高速道路をばあんと走っていくというのを皆さんも御経験されていると思います。私も十年以上前なんですけれども、それを見たときに愕然として、これは日本の方がもうインフラ整備遅れているんじゃないかというふうに危惧したこともありますけれども、先生方も同じ危機感是非持っていただければ有り難いというふうに思います。  その韓国韓国版ニューディール政策で更にインフラ整備を進めるということなんですけれども、何とか日本版ニューディール政策についても負けないようにしっかり進めていただきたいと思います。  日韓公共事業の動向やインフラ整備進捗状況を踏まえますと、日本でも公共投資をしっかり確保してインフラ整備を進める必要があると考えますが、青木大臣見解をお伺いいたします。
  11. 青木一彦

    ○副大臣青木一彦君) 足立委員にお答えいたします。  社会資本整備、これは未来への投資でありますし、自然災害から国民の命と暮らしを守るとともに、生産性向上民間投資誘発を通じて、地方を含め我が国経済成長を支えるものだと考えております。  先ほどニューディール計画の話されました。そのことも踏まえまして、委員が御指摘韓国との比較でございますが、我が国整備水準については、これは自然や国土条件等、様々な違いを踏まえると一概には比較することは難しい面もございますが、先ほど委員がおっしゃいましたように、四車線以上の高速道路の割合が韓国に比べて少ない、釜山港に比べ、我が国国際コンテナ戦略港湾では大型コンテナ船が入港できる水深十六メートル以上の大水深岸壁が少ない、仁川空港に比べ、成田空港滑走路の本数が少ないといった指摘があるのも承知をいたしております。  例えば、高速道路を四車線化すれば、災害時に通行止めが早期に解消できる、安定性安全性向上が期待されます。そして、世界的な大型化が進展するコンテナ船の入港が大水深岸壁整備すれば可能となるほか、成田空港の第三滑走路整備等を行えば首都圏全体で年間発着回数およそ百万回が実現されるなど、港湾空港国際競争力強化等が図られることが期待されます。  国民の安全、安心確保経済成長地域活性化といった重要な役割を担っているものであり、今後ともこうした観点から必要な社会資本整備をしっかりと進めてまいりたいと考えております。
  12. 足立敏之

    足立敏之君 ありがとうございます。  ところで、今後、経済対策として公共事業を進めるためには自治体負担が必要になってまいります。しかし、新型コロナウイルスによる影響自治体自体も税収が悪化して、財政事情も非常に厳しい状況になってございます。  今後、経済対策を進める際には、あのリーマンショックの際とか東日本大震災の際に実施した直轄事業負担金裏負担とか、補助事業交付金事業自治体負担分について交付金などで国が支えるという地域元気交付金というのがありましたけれども、こういう措置が今回も必要ではないかというふうに考えますけれども、国土交通省青木大臣の御見解お願いします。
  13. 青木一彦

    ○副大臣青木一彦君) お答えいたします。  私も地方出身で、基礎自治体、そして県、財政的にかなり厳しいところたくさんあるということも存じております。  その中で、委員が御指摘のように、リーマンショック東日本への対応のため、政府地方負担軽減を図り、地域における公共投資が円滑に実施されるよう、リーマンショックの際には地域活性化公共投資臨時交付金、そして東日本のときには地域経済活性化・雇用創出臨時交付金といった地方公共団体に対する支援措置が講じられたことは承知いたしております。地域における公共工事事業を円滑に進めていくためには、やはり地方自治体負担にしっかりと配慮することが大変重要と考えております。  今後、政府におきましても、御指摘のような支援措置について検討がなされる場合、国土交通省といたしましては、関係省庁としっかり連携し、対応をしてまいりたいと考えております。
  14. 足立敏之

    足立敏之君 ありがとうございます。この点、非常に重要ですので、よろしくお願いしたいと思います。  さて、本日の本来のテーマであります都市再生法改正案の質疑の方に移らせていただきたいと思います。  法案の一つの柱であります居心地が良く歩きたくなる町中の創出というのがうたわれておりますけれども、これは先ほどもお話ししましたポストコロナ時代にマッチしたとても大事な考え方ではないかなというふうに考えております。緊急事態宣言発出時に、私もステイホームをしていたときにウオーキングで町中を歩いて、こんないいところがあるんだという再発見をしたんですけれども、そういうような意味で、いろんな取組が各地で進んでいるというふうに思いますが、こういった施策を総合的に進めるという意味で、今回の法改正、非常に重要だというふうに思っています。  実は、昨年、前の都市局長青木局長からお勧めいただいて、宮崎県日南市の油津の商店街というのに伺いました。お手元資料八というのをお配りしておりますけれども、わざわざ崎田市長さんに御案内いただきましたけれども、なかなかユニークな優れた取組がされておりまして、スーパーマーケットをリノベーションしたサロンのような施設だとか、それから新たな発想のゲストハウスとか、多彩な店舗が入ってカラフルな、この左下にありますけれども、コンテナ村みたいなものが町中にあって、ウオーカブルな範囲内でいろんなそういった取組が進められておりまして、歩いて過ごすのにちょうどいい、そんな感じのまちづくりが行われておりました。  また、一方で、リフォームされたIT系の企業が入っているビルでは、若い人たちが楽しそうににぎやかに仕事をされているのを見て、大変羨ましく思ったこともありますけれども、こういう都市再生の新たな形みたいなものを見せていただいたという感じがしておりまして、こうした取組はしっかりと応援をしていただきたいというふうに思います。  この日南市のようなまちづくりについて国交省としてどのように評価しているのか、そしてこうした取組はどう普及させていくのか、さらには今回の法改正で居心地が良く歩きたくなる町の創出が目指している点について、北村局長にお伺いしたいと思います。
  15. 北村知久

    政府参考人北村知久君) お答え申し上げます。  委員指摘宮崎県日南市の事例は、これは、シャッター街化した油津商店街において民間が主体となって既存小店舗の改修等を行った、商店街の再生につながったという事例でございます。  この事例のポイントとして私どもが理解しておりますのは、一つは、日南市の方において、このまちづくり全体をコーディネートする民間のマネジャー、こういう方を全国から公募、選定して、このマネジャーがまちづくりの担い手の立ち上げとか店舗の誘致に取り組んだと。一方で、この民間のマネジャーや市民が出資する民間会社でございます油津応援団というところが商店街の一部を解体し、敷地のオープンスペース化とか建物の一階部分のガラス張り化ということをやって人々が憩える空間をつくったということで、行政と連携しながら民間主体でオープンスペースなどの交流・滞在空間の整備が進められた点だと考えてございます。  日南市の事例のように、行政による取組だけではなく、民間自身がオープンスペースの提供を行って官民が一体となって空間整備を行うと、これは非常に質の高い交流・滞在空間の創出につながるものであり、まちづくりの重要な手法であるというふうに私どもも高く評価しているところでございます。  ただ、一方で、こういったような取組はまだまだ全国的には限られてございまして、まちづくりの手法として定着しているとは言い難い状況でございます。こういったことを踏まえまして、今回の法改正におきましては、こういった交流・滞在空間の創出に向けた官民の計画をそのまちづくりの計画に位置付ける、官民で計画を作っていただいて、私ども、この法律の制度、また予算、税制とのパッケージによる支援を行うことで居心地が良く歩きたくなる空間づくりを促進すると、こういったものにつながっているということでございます。
  16. 足立敏之

    足立敏之君 ありがとうございました。  次に、災害対応のお話を質問させていただきたいと思いますけれども、お手元資料九でございますけれども、昨年の台風十九号による東日本の豪雨災害を始めとする災害で、浸水被害によって多様な被害が生じました。例えば、佐賀県で工場から油が流出したり、郡山市ではバスが大量水没したり、御承知のとおり、新幹線の車両基地が水没したり、医療機関、病院や高齢者施設などがたくさん水没するなどの影響が出ました。これらの被害は、恐らくハザードマップの情報というのは事前にちゃんと伝わっていれば未然に防ぐことができたんではないかというふうに考えます。こういった温暖化の進展で浸水被害が拡大が懸念される中で、やっぱり浸水域管理というようなことも必要ではないかというふうに考えています。  実は、昨年十一月の参議院の国土交通委員会あるいは災害対策特別委員会で、北村局長あるいは内田審議官に、そういう浸水域をしっかり管理して土地利用規制をしたり建築規制をしたり、そういった取組をしてほしいというお話をしまして、局長や審議官からはしっかり受け止めて対応していくんだという決意をお聞かせいただいたんですが、その結果が本日の法改正につながっておるというふうに私も認識しておりまして、局長を始め都市局の皆さんには感謝を申し上げたいと思います。  今回の法改正によりまして、浸水域においてどういった効果を考えているのか、北村局長にお伺いいたします。
  17. 北村知久

    政府参考人北村知久君) 近年、頻発、激甚化する自然災害対応するためには、堤防の整備や既存ダムの洪水調整機能の強化等を推進するとともに、開発規制、立地誘導、移転の促進などの土地利用方策についても効果的に組み合わせて総合的な対策を講ずる必要がございます。  本法律案におきましては、まず、土砂災害特別警戒区域などのいわゆる災害レッドゾーンにおいて、病院、社会福祉施設、店舗等の開発を原則として禁止すること、また浸水ハザードエリア等において市街化調整区域における開発許可を厳格化するなど、災害ハザードエリアにおける新規開発の抑制を図ってございます。  また、既に災害ハザードエリアに立地する住宅や病院、福祉施設等の移転の促進について支援制度の拡充を図るとともに、市町村が主体的に市民や施設の所有者の意見調整をした上で手続の代行等をして、そういう計画作り、コーディネートをする制度を創設しております。  加えて、そのコンパクトシティーの取組でございます立地適正化計画において、洪水における浸水想定等の災害リスクを考慮した上で居住誘導をすると。居住誘導区域における避難地、避難路の整備とか宅地のかさ上げ等の防災対策を定める防災指針を位置付けるということで、防災というものをまちづくり基本に位置付けるというような改正を行ってございます。  国交省としては、これらの措置を講ずることにより、防災観点を入れて安全にまちづくりをする、こういったものが全国的に普及するような、そういう方向で全力を傾けてまいりたいと考えてございます。
  18. 足立敏之

    足立敏之君 浸水域の管理は非常に重要ですので、よろしくお願いしたいと思います。  次に、気候変動に伴う豪雨災害の増加について伺います。  資料番号の十を御覧ください。  温暖化によりまして、今後降雨がどういうふうに変わるかというのが水管理・国土保全局で検討されておりまして、この左側の下に表がありますけれども、気温が二度上昇すると北海道や九州北西部で一五%雨が増加する、気温が四度上がると北海道や九州北西部では降雨量が約四〇%増える、その他の地域でも二〇%増えるというふうな結果が発表されています。これは大変深刻な状況でございます。  こういう状況を受けまして、国土交通省では、気候変動を踏まえた水災害対策検討小委員会というのを立ち上げて、今現在検討に入られたというふうに聞いております。ホームページや専門紙の記事で流域治水というような文言を見させていただきましたけれども、非常にいい方向の検討ではないかというふうに思っております。  今後の治水対策についてどのような方向で検討を進めようとしているのか、五道水管理・国土保全局長に伺います。
  19. 五道仁実

    政府参考人(五道仁実君) お答え申し上げます。  今委員から御指摘のように、昨年より小委員会において検討をしているところでございます。この小委員会の議論を踏まえまして、河川管理者などが治水を行うとともに、住民に的確な避難などを求めるという、今までの水防災意識社会の再構築の取組を更に一歩進めて、河川管理者が行う治水対策の強化を図った上で、国、地方自治体企業、住民などが、あらゆる関係者が協働して流域全体で治水対策に取り組む流域治水へ転換していくことは重要であるというふうに考えてございます。  この考え方は、昨年の被害を受けました信濃川を始めとする流域治水プロジェクトにも取り入れているところでございまして、具体的には、河川管理者が行う河道掘削や遊水地などの整備の強化、加えて、利水ダムの事前放流の強化や民間による貯留施設の整備など、これまで主体的に治水対策に関与してこなかった流域のあらゆる関係者に参画いただくとともに、水田の活用、土地利用規制、住まいの工夫、住まい方の工夫など、流域のあらゆる場所で治水対策に取り組んでいくこととしております。  今後とも、このような流域治水への転換を進めまして、防災・減災が主流となる安全、安心社会づくりに努めてまいります。
  20. 足立敏之

    足立敏之君 どうもありがとうございました。  今お話のありました気候変動に備えた防災減災対策の強化を含めまして、ポストコロナ時代国土グランドデザインに沿った日本版ニューディール政策、これをしっかり推進していただくように赤羽大臣を始め国土交通省の幹部の皆様方お願いをして、私の方からの質問を終えさせていただきます。  以上です。ありがとうございました。
  21. 野田国義

    ○野田国義君 野田でございます。どうぞよろしくお願いいたします。  いよいよ六月に入りまして、この通常国会の方も会期末を迎えて、本当にいろいろなことが行われておるということでありますが、コロナウイルス対策の二次補正も出てくると、来週から審議が始まるということでございますが、その中でちょっと気になる点が、もちろん予備費の十億円というのも、あっ、十兆円か、これも気になりますし、また、持続化交付金の事務局の問題ですね、あれが七百数十兆ですか、ああ、数十億円ですね。すると、御承知のとおり、この間からの委員会でも説明を受けましたけれども、ゴー・ツー・キャンペーンが三千九十五億円の事務局費ですか、そういうことになっておりまして、非常にこれ、気を付けていかなくてはいけない、国民の不信が増幅するということになる可能性もあるわけでございますので、どうか国交省としてもしっかりその辺りのところ、よろしくお願いしたいと思っております。  今、話いろいろあっておりましたけれども、私もどうしても首長経験者として、この予算の問題ですね、国の本当にこれ予算、六十兆からこの第一次、第二次ということで使っていくわけでありますけれども、プライマリーバランスとか、そういうことを考えると、本当に大丈夫だろうか。  それと、私、地方自治、今もちょっと触れていただきましたけれども、本当にこれ、当然今は使わなくちゃいけないと私も思っております。財政調整基金、こういうときのために財政調整基金があるんだと。だから、思い切って使うところは使っていかなくてはいけないと思っております。  また、東京においても一兆円ですか、ほとんどもう底をつくというような状況ですし、また、あれ清水でしたっけ、三つぐらいの市役所を始め大型プロジェクトがあるけれども、それはもう凍結すると。そしてまた、相模原市においては、七十二万人の政令都市でありながら、基金が何と四億円になってしまったと。本当にこれは大変なことだと私は思っておりまして、この財政という部分もしっかり見据えて、このコロナ後どうしていくかということ、大きな課題であろうと思っております。  そういう中にあって、私、何度も質問させていただいておりますが、国道三号線のこの八女―広川のバイパスの問題でありますが、ここも三百億から五百億の予算が要るということでございます。そこで、私、この間ちょっと質問して、池田局長から答弁いただきましたので、ちょっとその答弁の内容を精査をしたところでございます。  そこで、ちょっとこれ、虚偽の答弁じゃなかったのかなと思うところがございましたので、まずそこを触れさせていただきますが、池田局長のお言葉といたしまして、今後でございますけれども、国交省としてこの方針を最終確認をした上で、いわゆる第三、山側にそのバイパスを造るということですね、した上で、福岡県に対し都市計画に必要な図書を送付しまして、福岡県において都市計画決定を進めていただけないかという、そういう予定をいたしておりますということで、福岡県があたかもその都市計画をやるんだというようなことで、福岡県が今、何か一キロぐらいの幅があるそうなんですね、ルート作りには、で、そこを都市計画決定していくということでございますが、このことを、本当にこれは福岡県が作っていくんでしょうか。  私、これ見てみますと、都市計画決定の手続という、このあれを持っておるんですが、原案の作成はまず国がやると、国がいわゆるそういったルートを作っていくというようなことになっておらないか。このルートが、私非常に、何といいますか、疑義があると申しますか、地元でいろいろうわさされているのは、不動産屋さんが、うちの前を通るためにこのバイパスを造ってくれと、そういうことでやったと、スタートを切ったと。そして、ある自治体は、小学校にぶつけて、その小学校をその国交省予算というか、そういうのでやらせろというようなことを思っているとか、地元ではそういった話が蔓延しているんですね。  だから、非常にこのルートというのは、当然利害が絡むわけでありますので、大切なことでありますけれども、どう今されているのか。国交省が恐らくこれやっているんじゃないですか。
  22. 池田豊人

    政府参考人(池田豊人君) お答えいたします。  御指摘の国道三号の広川から八女のバイパス計画に限らず、直轄国道のバイパスなどに係る都市計画の手続については、事業者である国土交通省においてルート案を作成いたしまして、国交省から関係する都道府県に対しまして、そのルート案を送付しまして、都市計画決定をしていただく要請を行うことになります。その後、要請を受けた都道府県は、都市計画が必要とこう判断した際に、自ら主体的に、主体となってですね、自ら主体となって都市計画決定の必要な手続を進めると、こういうことになっております。  御指摘のこのバイパスでございますけれども、有識者委員会で了承された山側ルートバイパスについて、国交省として方針を最終確認した上で、福岡県に対しまして都市計画決定の要請をしてまいりたいと考えております。
  23. 野田国義

    ○野田国義君 そうですよね。いわゆる国、国交省の方でルートを決めるということ、これが非常に本当に地元の方々にとっては重要で、そしてまた利害が絡むということでございまして、この辺りのところ、私が今言ったようなことが本当の現実の問題として起こったら、ほら、やっぱりというような話になって、非常にこれおかしな問題になるんじゃないのかなと。  ですから、私、これ、確かに首長は造ってほしいということを、地元要望を上げているようでございますけれども、期成会もなくて、本当に多くの住民が求めているかというと、そういううわさがですね、非常に悪いうわさばかりが蔓延しているというような状況でございますので、私は、このコロナ後と申しますか、アフターコロナ、私は非常に、見直すところは、不要不急な事業はもう止めると。今、先ほど自治体のことも話しましたけれども、そういうスタンスも逆に必要なことではなかろうかなと。要るものは要りますよ。しかしながら、不要不急なものはもう凍結してしまうと、そういう勇気も私は必要なことであろうということを強く池田局長にも申し上げさせていただきまして、要望いたしまして、次の質問に入りたいと思います。よろしくお願いしたいと思います。  それじゃ、法案の方に入らさせていただきたいと思いますが。  まず、私も経験上、まあ今回はいい法律、もっと早くこういう法律出てきておかなくちゃいけなかったんじゃないかなと。これだけ災害が多発してくるといろいろなことが起こってまいります。  それで、ちょっと二点についてお聞きしたいと思います。  まず、中心市街地の問題ですね。  この浸水想定区域など、災害ハザードエリアに市役所始め文化施設とか保健所とかが大体固まって都市にはあるわけでありますけれども、そして同時に、そこはいわゆる避難所にもなっているわけですよね、パターンといたしまして。そして、そういうところでいわゆる浸水をする。そして、御承知のとおり、今、一番問題になっておりますように、内水氾濫の非常に危険が伴って、当然、大雨が降るとそういった内水氾濫が起こるということでございまして、この対策などをどのように国交省考えておられるのか。  それともう一つ、これも私、経験あるんですけれども、この災害ハザードエリア、例えば地すべりとかそういうところの集落、本当にこれはもう集団して移転してもらった方が予算的にも低く抑えられるんじゃないか、そういう発言も私自身も何度もしたことありますが、当然、地域住民の方々は、何言っているんだというような話にこれまでなってきたわけです。  しかしながら、やっぱりこういうところはしっかりと転換も図っていかなくちゃいけない。例えば、地すべりなんかはもう何十億、何百億と掛かるぐらい、もう地すべりなんかは本当にお金掛かるんですよね。で、そこには何十戸しか集落がないというようなところなんかも経験をしてきたところでございますけれども、それで、この支援策ですね、当然そこには支援策が国として要ると思います、自治体だけじゃできませんから。  そういうこの二点ですね、中心、そしてちょっと離れたところの移転の促進の対策支援策についてお聞きしたいと思います。
  24. 北村知久

    政府参考人北村知久君) お答え申し上げます。二点お尋ねいただきました。  まず、避難地、避難所の関係でございますけれども、人口減少、少子高齢化が進む中でコンパクトまちづくりということを進めておりますが、そういった中で都市機能や居住を誘導する町中での地域の安全の確保が、先生おっしゃるとおり、大変重要だと考えてございます。  このため、浸水想定区域等にやむを得ず居住誘導区域を定める場合、こういった場合は、コンパクトまちづくり防災対策を両立させる必要がございますので、今回の法律改正案の中で立地適正化計画に防災指針というものを位置付けて、この避難地とか避難路の整備、宅地のかさ上げ、警戒避難体制の充実などを図るようにという定めをしているところでございます。  具体的に、では、その計画に基づきまして、じゃ、避難所をどのように安全なものにするかということにつきましては、都市防災総合推進事業という事業を私ども所管してございますけれども、指定緊急避難所として市町村が指定した避難所につきましては、例えば、避難所の高床式化による避難場所の機能強化とか、防災備蓄倉庫の設置とか非常用発電施設の整備、また避難誘導のための看板、案内の設置と、こういったものについて国の方で補助を差し上げて、避難における安全確保を促進するということをさせていただいてございます。  もう一点の、移転の促進でございます。  災害ハザードエリアからの移転を促進するために、まず、本法律案におきましては、この移転、委員指摘のとおり、なかなかその住民の方の利害が、理解が得られないということでございますので、ここはやっぱり市町村の方になるべく汗をかいていただけないかということで、この法律では、市町村が主体的にその住民や施設の所有者の方の意見を調整して、移転に関する計画を作成して、いろいろな手続も代行してあげると、こういった制度を創設したいと考えてございます。具体的には、市町村がその計画を作って、これを公告いたしますと、その計画に定めた所有権、賃借権等が一括して移転できると、登記の手続も市町村がやってもらえるというふうなことを考えてございます。  あと、そうはいいましても実際上お金が掛かるわけでございますので、この費用負担についてでございますけれども、まず、住宅の移転につきましては防災集団移転促進事業という事業が活用可能でございます。こちらは、市町村が行います移転者向けの住宅団地の整備、またその移転者から土地や建物を買い上げる費用、またその引っ越し費用、こういったものを市町村の方で助成をしていただきますと、それに対して国庫が、国から補助をするという制度がございます。  また、医療施設、福祉施設とか教育文化施設等につきましては、これ、都市構造再編集中支援事業という事業が活用可能でございます。こちらの事業は、その立地適正化、このコンパクトシティーをつくるための計画でございますけれども、この中で、こういったその医療施設、福祉施設等を造ったり移転したり、併せてその道路等の公共施設整備を行う一括した計画でございますけれども、こういった計画を遂行する費用に対して国が補助することとしてございます。  令和二年度の予算におきましては、こちらのその医療、福祉、文化施設等を災害ハザードから移転するということが、これ、四市において計画がございまして、こちらの計画全体に国費約三十億円を配分をしているところでございます。
  25. 野田国義

    ○野田国義君 あと大臣に聞こうと思っておったが、もう時間がありませんけれども、本当にこの新型コロナウイルス感染症のこの拡大感染拡大の中で、大きく大都市状況あるいは国土政策というものは変わってくると思うんです。  今回、人を中心にした道づくりということもあるわけでありますけれども、本当に町中歩いておりますと、この東京を、そうすると、カフェというか、いわゆる道側にオープンカフェですか、そういうところに人は非常に集まっているというような状況でございますので、またこれもいわゆる違った生活、新しい生活スタイルではないかと、そのようなことを思うわけでございますので、そういった国土政策全般にわたって、何というか、意識の改革もしながら、新しいこのコロナ後の対策をしっかり大臣を中心に立てていただきたい、このことをお願い申し上げまして、質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。
  26. 森屋隆

    ○森屋隆君 共同会派の森屋隆です。  本日は、質問機会をいただきまして、ありがとうございます。  それでは、都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案についてお尋ねをいたします。  まず、立地適正化計画は、地域公共交通をも含めたコンパクトシティー・プラス・ネットワークまちづくりのために作成されると承知をしています。  先般、地域公共交通活性化再生法の改正案が可決しました。その改正案においては、自治体の交通網のマスタープラン作成が努力義務化されました。立地適正化計画を既に作成、公表しているのは、今年の四月一日現在で三百二十六の市町村であります。一方、地域公共交通網形成計画の作成は五百程度となっています。  このように、地域の公共交通は地域生活の重要な役割を担っていると言われ、地方自治体が作成する様々な計画に盛り込まれていますが、現状では路線廃止などが進み、新型コロナ感染拡大する以前からこの経営は厳しく、新しい担い手がなかなか育っていないような状況です。  そこで、お尋ねをいたします。この都市再生特別法に基づいた立地適正化計画と地域公共交通活性化再生法に基づいた地域公共交通計画がどのように関連をして、そして地域活性化のために生かされていくべきかとお考えか、そこのところを教えていただきたいと思います。  また、このような仕組みがうまく機能をしている事例、よく富山がうまくいっているんだということで聞かせていただいておりますけれども、富山以外にうまくいっているところがあれば是非教えていただきたいと思います。
  27. 北村知久

    政府参考人北村知久君) お答えを申し上げます。  委員指摘のとおり、コンパクトシティー、これもうコンパクト・プラス、委員も御指摘のように、プラス・ネットワークというふうに言ってございますので、この居住や都市機能の誘導と公共交通の充実、これは併せて行うことが効果的だというふうに考えてございます。  このため、私ども、このコンパクトシティーの立地適正化計画の策定に当たりまして、都市計画運用指針というもので公共団体の方にその作り方等をお示ししているわけでございますけれども、この中でも地域公共交通に関する計画と十分に調整を行うべきと、必要に応じて一体的な計画策定を進めるべきということを明記いたしまして、市町村の取組を促しているところでございます。その結果、現在、二百九の都市におきまして立地適正化計画と地域公共交通に関する計画、これ両方を策定して、それぞれ関連した施策を進めているというふうに承知してございます。  具体的にその進め方につきましては、特に私どもの方ではいろいろな補助制度を所管してございますけれども、こういった地方公共団体と公共交通事業者などが一体となりまして、都市地域総合交通戦略というふうな、これ補助制度上の名前でございますけれども、ものを策定しまして、交通結節点の整備ですとか公共交通に必要な交通施設の整備を行う場合には、私どもの社会資本整備総合交付金により支援をするというふうな形で応援をさせていただいているところでございます。  また、事例のお話、委員指摘のように、富山市、これ大変先進的ですばらしい取組をしていただいているところでございますが、私ども、コンパクトシティーの取組を加速化するために、そういう先進的な事例を、都市をこれモデル都市として選定して、ほかの市町村の方に取組の横展開を図るようなことをしてございます。  このうち公共交通施策を重点テーマとしているモデル都市としては、例えば熊本市ございまして、熊本市におきましては、鉄軌道やその運行頻度が高いバス路線の沿線に居住誘導区域を設定いたしまして、このエリアにおきまして歩行空間や公園緑地等の整備を進めて居住環境の向上を促進する、利便性の高い公共交通沿線への居住誘導を進めてございます。  同じく岐阜市も積極的に取り組んでいただいておりまして、こちらは公共交通運行の効率化のために乗客の利用データを分析して公共交通網の再編を行うと。これに併せてこの交通網の沿線に居住誘導区域を設定し、さらに、そこに転居する場合には助成も行うというふうなことで公共交通沿線への居住誘導を図ってございます。  国土交通省としましては、こういった事例につきまして説明会ですとか講習会で全国に周知をする、場合によっては職員が直接コンサルティングをするというふうなことで全国への横展開に取り組んでまいります。  以上でございます。
  28. 森屋隆

    ○森屋隆君 ありがとうございます。  それぞれのこの計画がうまく、ベストミックスというんですかね、それで町がいい方向に再生していければいいなと、こういうふうに思いますし、今熊本や岐阜もそういった形で、いい形の中で進んでいるというふうに答弁いただきまして、ありがとうございます。  ちなみになんですけれども、今三百二十六の都市がこの計画を公表しているんですけれども、三月三十一日の時点で五百二十二の都市が何らかのこの立地適正化計画の取組をしているということなんですけれども、全体的にはこの数値目標というのはあるんですかね。
  29. 北村知久

    政府参考人北村知久君) 全国で千七百くらいの市町村がございますけれども、その中で、いまだに人口がある程度増えているところとか、あとは、また逆に本当の過疎で、いわゆる都市計画区域がないようなところもございますので、そういったところで一〇〇%にはならないと。ただ、できるだけ進めていただくということで取り組んでいるところでございます。
  30. 森屋隆

    ○森屋隆君 ありがとうございます。  じゃ、まだ、もう少し増えていければいいのかなというふうに思います。ありがとうございます。  次の質問に移ります。  先ほど足立先生の方からも少しありましたけれども、昨年の台風十九号は公共交通に様々な被害をもたらしました。  福島交通の郡山支社ではバス九十二台が浸水し、路線バスの運行にかなり支障が出てしまい、市民の皆さんがお困りになったと、こういうふうにお聞きしました。私も被災後すぐに視察をさせてもらいましたが、従業員は総出でバスの退避を行ったと、こういうふうに聞いていますが、雨が予想以上に激しく、とても間に合うような状況ではなかったそうです。  実は、これより数日前に、郡山市と福島交通は、東京に本社がある会社の郡山支店と災害時におけるバス車両の退避に関する協定を結び、十分な退避場所があったということです。そして、二〇一一年の台風での被害を受け、郡山市が退避場所を探し、協定を結んだところでした。災害に対するこういった準備はあったんですけれども、結果的にはその浸水を防ぎ切れなかったということです。  まず、今回のような事態に関して、安全なまちづくりを目標とするとともに災害ハザードエリアから移転を促進する今回の法改正の目的から鑑みて、国交省はどのような見解をお持ちか教えていただきたいと思います。そして、この台風十九号の被害から一年近くが経過しようとしておりますけれども、再び同じことが繰り返されることのないようにすべきだと当然思いますが、これは何が原因で、どのような対策が取られたのか、今現在取られているのか、これについても教えていただきたいと思います。
  31. 北村知久

    政府参考人北村知久君) 二点御質問いただきましたので、まず第一点目の方に私からお答えいたします。  このバス等の公共交通機関、これは先ほども御答弁しましたように、まちづくり観点からも大変重要な機能だと考えてございます。  こういった台風で例えば浸水するおそれがあるということで、例えば路面電車とかバスとかの停留所とか車両基地、こういったものがつかると大変問題になりますので、これは先ほども申し上げましたけれども、地方公共団体と事業者の方でしっかりと連携をして計画を例えば作っていただくと。  今回、法律の中で防災指針というようなものも取り入れましたけれども、それに限りませんで、そういう計画を作って、例えば停留所とか車両基地はこちらに移そうというようなことを、公共団体の方と事業者の方が一緒になって事業をしていただく場合には、私どもの方から社会資本整備総合交付金により支援をするという形ができますので、是非とも公共団体と事業者と、まちづくり観点からよく御検討いただいて取り組んでいただければ、国として支援できるところもあろうかと存じております。
  32. 五道仁実

    政府参考人(五道仁実君) お答え申し上げます。  治水の対策ということでございますけれども、昨年の令和元年東日本台風では、施設を上回るような降雨ということでございました。その中で、阿武隈川本川や支川の逢瀬川の越水などにより、郡山市内、また委員指摘の福島交通郡山支社付近も含めて甚大な浸水被害が発生したところでございます。  このため、国土交通省では、阿武隈川水系の直轄区間においては、今回の同様な降雨でも河川から越水させないことを目標として、令和十年度までに河道掘削、遊水地整備などをメニューとする総額約一千四百四十億円の緊急治水対策プロジェクトを策定して、初年度となる令和元年度には補正予算として約百七十億円を計上いたしまして、決壊した堤防の復旧や河川の水位を下げるための河道掘削を実施しているところでございます。  また、福島交通郡山支社の付近を流れます支川、逢瀬川におきましては、福島県におきまして、令和元年度から令和七年度までに、補助事業等により総額約五十億円で堤防の整備や橋の架け替えなどを実施する予定としております。令和元年度の補正予算には約六億五千万を計上して、河道掘削などを実施することとしているところでございます。  今後とも、激甚化、頻発化する災害に対しまして、本川、支川、河川整備を計画的に進めまして、治水安全度の向上に努めてまいりたいと考えております。
  33. 森屋隆

    ○森屋隆君 ありがとうございます。  まずは、営業所の移転などは、地方自治体事業者が連携をして代替地を探して、移動したときにはそこに国からの補助があるという、そういうことでよろしいでしょうか。ありがとうございます。  今回のこの福島交通の郡山支社の今の浸水の話も、もう本当に一メーター八十ぐらいまで水が来たということで、まあ不幸中の幸いで、人命は、誰かが亡くなるということはなかったんですけれども、そういったもう本当に危機を感じたと、危険を感じたと、夜中だったものですから特にやっぱりそういった怖さも感じたということで、今お聞きしましたら、そういった対策を取ってくれているということで大変有り難いと思います。  最後になりますけれども、魅力的なまちづくりについてお聞きをいたします。  コロナ感染拡大による新しい生活習慣によって具体的に私たちの生活が今後どう変わっていくのか、これはまだはっきりしないかと思われます。そうした中で、今回の法律案の内容が実際にどういうふうに利活用されていくのか、少し疑問に思うところもございます。それは、コロナ感染拡大状況を経た今、国交省としては今回の法改正で目指した魅力的なまちづくり、特に心地が良くなる町中づくりについてでございます。これは官民一体の取組でありますから、民間の設備投資といった点や、あるいは人が集まる場所をつくるという目的などからなかなか難しいのではと思いますけれども、国交省はどういった見通しをお持ちか、この辺についてお聞かせをいただきたいと思います。
  34. 北村知久

    政府参考人北村知久君) 今回、歩きたくなる町中づくりということでございます。  先ほど足立委員質問に御答弁いたしましたが、この官民で取り組むということが今回の取組のポイントだというふうに考えてございます。これまで地方公共団体主導でいろいろな公共事業をやって、例えば駅前非常にきれいになったなというふうなことがございますけれども、やっぱりそこでその民間の方の取組がないと、そこでそのにぎわいというようなものを、やっぱりどういった店をつくるとどういったお客さんが集まってくるかというようなこともなかなか官の側では難しいところがございますので、今回はそういう民間のアイデアを是非ともその計画作りの中から生かしていって官民で取り組むと。  そういった中で、先生、委員指摘のように、確かに難しい課題などはございますけれども、民間の知恵も入れながら新しい形のまちづくりを進めてまいりたいというふうに考えてございます。
  35. 森屋隆

    ○森屋隆君 ありがとうございました。  取組自体は本当にいい取組だと思います。少し民間の投資が弱いようにならないように、是非今回のコロナ対策もしっかりやっていければと思います。  終わりたいと思います。ありがとうございました。
  36. 浜口誠

    ○浜口誠君 立憲・国民.新緑風会・社民の浜口誠です。  早速質問に入らせていただきたいと思います。  日本も本当に災害が頻発化、激甚化しています。こういった自然災害に対して、日本のようにどこで災害が起こるか分からないと、こういう国にとってはこうした対策をしっかりやっていくというのは極めて重要だというふうに思っています。  政府も、減災・防災、さらには国土強靱化の三か年の緊急対策、今まさに行っておりまして、令和二年度がその最終年度、三か年の最終年度ということにもなっております。  そこで、赤羽大臣にお伺いしたいんですけれども、今回の法改正あるいは国土強靱化の取組、こういったことを通じて、安全、安心まちづくりに向けてどういったところを我が国として目指していくのか、目指す姿について大臣思いがありましたら、是非冒頭にお聞かせいただきたいなというふうに思います。
  37. 赤羽一嘉

    国務大臣赤羽一嘉君) 大変大きな質問なので的確にちょっと答えられるかどうかはあれなんですけれども、今回のまず法改正、お願いしている第一点は、やはり近年、本当に気候変動の影響を受けて激甚化、頻発化している自然災害から国民皆様の命と暮らしを守るという観点からは、やはりハザードマップで危険だというエリア、また浸水想定地域、これを今までのような開発の在り方でいいのだろうかという、これまでは土地の私権に関わる問題で大変難しい、またナイーブなところだったと思いますが、ここはあえてそこに踏み込んで、開発を禁止するとか抑制するといったことを取り込んだというふうに思っております。これ、やっぱり安全、安心であるということを担保するということが、やはり健全な国土づくりというか、国民の安全、安心暮らしにつながるというふうに思っておりますので、そうしたことの法改正だということでございます。  同時に、御承知だと思いますが、国交省の中にも、省内横断的に「いのちとくらしをまもる防災減災」というスローガンを掲げてのプロジェクトを立ち上げておりまして、そうした中での抜本的な防災減災対策、この夏というか六月中をめどにしっかり講じていかなければいけないと。治水対策については、先ほど水局長からも御答弁したような形で、再度災害は必ず防止するという心意気でやっていきたいと、こう考えております。
  38. 浜口誠

    ○浜口誠君 ありがとうございます。  まさに今回の法改正は非常に重要な中身を含んでいるというふうに思っておりますので、しっかり今日の委員会でも議論していく必要があるというふうに思っております。  今回の法改正によって、災害レッドゾーンにおいては、住宅等に加えまして、自己の業務用施設、これいろいろあると思います、病院とか店舗とか学校とか社会福祉施設とかいろいろありますけれども、そういった業務用の施設についても原則開発は禁止するということになっております。  そこで、今全国に、その中でも災害弱者と言われる皆さんが利用する病院ですとか社会福祉施設、このレッドゾーンの中に、災害レッドゾーンの中にどれぐらいの施設があるのかというのをまず一点目、伺いたいと思います。その上で、今後、この災害レッドゾーンの中にあるそういった施設をやはり安全な地域に、安全なエリアに移転させていく、あるいはその災害レッドゾーンにいろんな対策を施して安全なエリアに変えていく、こういった取組が非常に重要だというふうに考えておりますけれども、政府としての取組状況ありましたらお聞かせいただきたいと思います。
  39. 北村知久

    政府参考人北村知久君) まず、お尋ねの災害レッドゾーンのうちの、ちょっと私どもの方で資料を持ち合わせておりますのは、土砂災害特別警戒区域、こちらに立地している病院、社会福祉施設等のいわゆる要配慮者利用施設というものでございますが、これにつきましては、平成三十一年三月末時点で全国で約四千施設あるというふうに承知してございます。  今回は、こういった災害レッドゾーンも含めて、それ以外の例えば浸水想定エリアと、そういったようないわゆる危ないエリアから安全なところに移転するための一つは計画を公共団体の方でなるべく作ってくださいということと、あとは予算の制度で、住宅の移転又は施設の移転というようなものについての移転を促進するような対策ということを予算の拡充等をして進めてまいりたいというふうに考えてございます。  また、災害レッドゾーンにつきましては、原則立地規制するわけでございますけれども、ただ、例えば土砂災害等につきましては、これはしっかりと対策を講ずればレッドがレッドじゃなくなるというようなこともございまして、例えば福島県の河沼郡会津坂下町というところでは、砂防堰堤の整備により一定の安全性確保されたためにいわゆるレッドゾーンが解除したという事例もございますので、こういう対策によって安全性確保できるという場合もございますので、そこら辺はきめ細かく地域の実情に応じた整備で、駄目な場合には移転していただくと、そういうようなことで、複合的に進めてまいりたいと考えてございます。
  40. 浜口誠

    ○浜口誠君 ありがとうございます。  是非、それぞれの地域によってどういった対応がベストなのかというのはあると思いますので、地域の住民の方の意見、あるいは地方自治体とも連携取っていただいて、少しでもその地域で暮らす皆さんが安全な場所で生活できるように、しっかりとした対応お願いしたいというふうに思っております。  続きまして、浸水ハザードエリア等についてなんですけれども、この浸水ハザードエリアの市街化調整区域においては、今回、開発の許可の基準の厳格化を行っていくということになっております。具体的にその厳格化する内容というのはどのような内容になっているのかということと、しっかりと、こういった厳格化を行っていきます、開発基準はここまでのレベルを求めていきますといったことを分かりやすく広報、告知していくというのは非常に重要だというふうに思っておりますけれども、そういった広報に対してどのような取組をこれから行っていくのか、伺いたいと思います。
  41. 北村知久

    政府参考人北村知久君) お答え申し上げます。  まず、今回規制を強化しようといたします市街化調整区域における開発でございます。  これにつきましては、市街化調整区域というのは本来市街化を抑制すべき区域ということで、都市計画法の第三十四条というところの、開発できる場合が幾つか各号で決められております。この中で、ただ、同条で十一号というのがあるんですけれども、こちらの十一号というのと十二号というもので、要すれば、本来は調整区域で開発が禁止されているんだけれども、自治体の条例で定めると調整区域であっても開発ができるようになるという、そういう一種の特例的な規定がございます。  実際は、この条例の作り方は、公共団体によってはかなりラフにやっているところがございまして、実態を見ると、実は調整区域なのに条例を定めて市街化区域と同じように開発ができる、しかも、そのときに災害安全性というものを全然見ないで許可を出しているという事例があるということが判明してまいったところでございます。  今回は、こういう、これらの規定で許可が可能となっているエリアから、もう災害ハザードエリア等はこの規定使っちゃ駄目だよということにしまして、そういう場合には、市街化調整区域の場合にはこの三十四条の後ろの方に開発審査会という、それぞれの自治体の第三者機関で個別に審査をして、ちゃんと安全性とかも見た上でオーケーしないともう許可を下ろしませんよということで規制をきっちりとやる、今までのノーチェックの許可はやれないというような改正を行うこととしているところでございます。  個別のその審査の基準でございますが、これは、開発審査会はそれぞれの自治体にある機関でございますので、それぞれの審査会、公共団体で基準を定めることになりますが、私どもの方で技術的助言ということで、こういった基準でやるのが望ましいと。例えば浸水に対しては、そもそも土地をかさ上げすると、そうすると安全でありますので。ですとか、例えば施設によっては床を高くして、二階以上じゃないと人が居室みたいなものに使えないとか、そういったようなことを今考えてございますけれども、こういった基準を地方公共団体に対してお示しをすると。  これにつきましては、委員指摘のとおり、これ世の中にちゃんと理解していただかなければ意味がございませんので、公共団体ですとか又は実際にその規制を受ける事業者のサイド、こちらの方々に対して説明会の開催等を通じてその内容を周知徹底して、安全なまちづくりが担保できるようにということに努めてまいりたいというふうに考えてございます。
  42. 浜口誠

    ○浜口誠君 周りの皆さん、その関係する皆さんがその基準なりをしっかり理解した上で対応されるというのは本当に大事だと思いますので、今局長言われたように、告知の面ではいろんな工夫をしていただいて、しっかり関係する皆さんに理解していただけるような取組も是非行っていただきたいなというふうに思います。  では、続きまして、立地適正化計画というのがありますけれども、この立地適正化計画の居住誘導区域においては、災害レッドゾーン、これ原則除外するということになっていると思いますけれども、ただ、この立地適正化計画は平成二十六年から作られていて、もう既にその居住誘導区域の中に災害レッドゾーンが含まれているといった地域もこれはあろうかと思います。  こういった場合に、市町村に対して、県ですとか都道府県がどういった支援を行っていくのか。この除外するというのがやっぱり必要になってくると思いますけれども、その支援在り方についてお伺いしたいと思います。
  43. 北村知久

    政府参考人北村知久君) 委員指摘のとおり、今回の法改正と併せて、ちょっと、法律成立後には政令を改正をしたいと考えてございますが、今回は、政令の中でこういうレッドゾーンについては居住誘導区域からもう定められないようにするというようなことを政令改正でしたいというふうに考えてございます。  委員指摘のように、既にレッドゾーンが張られて、これ全国的には非常に珍しいケースでございますので、ゼロではございませんけれども、数か所ではございますけれども、ただ、実際上定めているところはございます。これを強制的に外せということになりますので、私どもとしては、政令ですので規則として決まってしまいますけれども、それをちゃんと現場で実際に運用できるようにということを、よくその法律の趣旨を自治体に対して周知するとか、あと自治体の方が住民に説明する必要が場合によっては出てまいりますので、そういったことをどうするのか。  私どもの方で、このコンパクトシティーを推進するために支援チームというものを国交省だけではなく関係の省庁とも連携をしてございまして、こういうコンパクトシティーにするのはまちづくりにとっていいよと、場合によってはこういう助成制度が使えるよというようなことをアドバイスするチームございます。  今回、その中で、特にこの防災観点が重要だということで、国交省都市局だけではなく、関係の、省内の関係部局、場合によっては内閣防災とか、いろいろ今調整中でございますけれども、そういった知見を持って自治体の方に、いろいろなその制度の趣旨を徹底するとか、場合によっては、先ほどありましたように、災害レッドゾーンも原則禁止ということになっていますので、先ほど申し上げましたように、例えば砂防事業をやると、安全になればそもそも抜かなくてもいいというようなこともございますので、それぞれの実情に応じて、どういったやり方でやるのか、住民に対してどのように説明していくのか、ちょっと国の方からも個別にちょっとウオッチをしていって、今回もレッドゾーンが入っている市町村どことどこというのは分かってございますので、今回、それがうまく移行できることについてきめ細かくウオッチをして、必要な指導、助言をしてまいりたいというふうに考えてございます。
  44. 浜口誠

    ○浜口誠君 では、続きまして、小規模市町村についてお伺いしたいと思います。  小規模の市町村においては、都市機能誘導区域とか、先ほど来少し出ていますけれども居住誘導区域、こういったものの設定がなかなか難しいというのもあって、立地適正化計画に基づくまちづくりがなじまないんじゃないかと、こういった指摘がなされております。  そんな中で、こうした小規模の市町村において、どのような災害対策、安全なまちづくりをサポートしていくのかというのは一つの課題になってくるというふうに思っておりますけれども、これは国交省としてどう対応していくのか、基本的なお考えをお伺いしたいと思います。
  45. 北村知久

    政府参考人北村知久君) 小規模な市町村、特に例えば大都市周辺の市町村におきましては、その都市機能、例えば病院に行くとか、いろいろ施設に行くというものも、もう自分の町の中では完結しないと、ですので隣の町に行くという、そういうところでは、自分のところだけで、じゃ、どこに都市機能を誘導するんだということが難しいものですから、なかなかそういったところでは単独で立地適正化計画を作れないというような御指摘があるのは御指摘のとおりでございます。  このような場合には、私ども言っておりますのは、是非とも、だったらその隣町と一緒に計画作ってください、これなかなか首長さんにとってみると難しいところもあるわけでございますけれども、こういう市町村が連携、共同して計画を作ると。  例えば、兵庫県で、太子町、これ人口三万人強と、あと福崎町、これ二万人くらいのところでございますが、こちらは隣に姫路市さんとか、あと、たつの市という市がありまして、これ共同で立地適正化計画を作ってございまして、例えば大きな病院はもう姫路駅の周辺に持っていくとか、周辺の都市の駅にはもうちょっと小さい地域の病院とか商業施設、こういう四市町でその役割分担をして立地適正化計画を作るというようなことをしてございます。  今回の改正案によって、こういった取組、今までは運用でやっておったんでございますけれども、今回法律に明記しまして、複数の市町村が共同で計画を作成できるんだよと、これ法律で明記をするのと、あと、その予算においても複数で作成する場合にもしっかりと予算で計画策定費を応援するという制度を創設させていただいております。  こういった形で、単独では立地適正化計画を作れない市町村も計画を作って、その計画の中でその防災指針を定めて安全性を高めると、こういう取組を共同で地域で進められるような枠組みを是非とも応援したいというふうに考えてございます。
  46. 浜口誠

    ○浜口誠君 その場合は、都道府県の知事とかの役割はどんな役割になるんですかね。要は、各関係する自治体の首長さんが集まって計画を作っていただければいいですけれども、なかなか関係が難しくて、音頭取る人がいないとそういったのが前に進まないというようなこともケースとしてはあり得るんじゃないかなというふうに思っていますけれども、そういったときの場合の対応として、都道府県の知事さんとかあるいは国交省が果たす役割というのはどういったことになるんでしょうか。
  47. 北村知久

    政府参考人北村知久君) お答え申し上げます。  法律上は、これはあくまでも、この立地適正化計画は市町村が作るということになってございまして、今回の改正でその市町村が共同して作れるということでございますので、共同して作るときだけ上に知事が入るという、法律上の立て付けはそのようにはなってございません。  実際上は委員指摘のとおりで、今回の例えばその太子町の件も、太子町の住民から見ると、要はそういう高度医療はうちの町じゃなくてもう姫路に行けよという話になるものですから、なかなかその首長さんにとってみれば作りづらい面もあろうかと思います。  そういった場合には、ちょっとこれ、もう本当に運用の話になってまいりますけれども、当然、委員指摘のように、県の都市計画部局ですね、都市計画の世界でその県が市町村の都市計画を認可するようなものもございますので、県が広域的に見ていろいろ御指導いただく場合もあろうかと思いますし、あとは、私ども、地方整備局ごとにこの相談窓口みたいなものをつくってございまして、例えば兵庫県であれば、その整備局の窓口の方で、こういうようなことを考えているんだけどということを、できるだけ我々の方からなるべく出向いてそういう相談に応じて、そういう効果的な作成ができるように、これ、ちょっと今回法律で初めて制度化したものですから、先生の、委員の御指摘を踏まえて、是非そういった取組、国としてもしっかりと後押しするように努めてまいりたいと考えてございます。
  48. 浜口誠

    ○浜口誠君 では、続きまして、居心地が良くて歩きたくなる町中づくりについてお伺いしたいと思います。  この居心地が良くて歩きたくなる町中づくりについては、市町村都市再生協議会、この協議会の中で、官民の幅広い当事者の方に参画していただいて、議論していただいて、アイデア出していただいて、そうした幅広い皆さんの意見を町中づくりに反映させていくというのは極めて重要だというふうに思っております。  その中で、本当に幅広い皆さん是非参画していただく必要があると思います。障害のある方、あるいは若者、高齢者、子育て世代、本当にいろんな方がやっぱりにぎわいのある町には集まってきますから、いろんな視点でにぎわいのある町をつくっていく、町中をつくっていくにはどうすればいいんだというふうに、この協議会の位置付けが非常に重要になってくるというふうに思っておりますので、是非大臣のお考えとしても、やっぱり幅広いこの協議会しっかり生かしてくれというのは、これから居心地いい、歩きたくなる町をつくっていこうという場合は大事だよというのを是非大臣からもメッセージを出していただきたいなというふうに思いますけれども、大臣の御所見がありましたらお願いします。
  49. 赤羽一嘉

    国務大臣赤羽一嘉君) 似たような事例でいいますと、バリアフリーのまちづくりを進めるときに、それぞれの地域でマスタープランを作成する協議会に障害を持たれている方ですとか高齢者の方も入っていただくような形で、また、そして、やった施策がフィードバックができるというような仕組みをつくっている、これは当然だと思います。  今後のこの地域在り方というのは、やっぱり私は思うんですけど、うまくいっているところはそこの地元の皆さんが主体者となってやっているが、駄目なところは何かある企業に任せるとか官の力に委ねると、そういったところはなかなか永続性がないような感じがします。  そういう意味で、そうした意味で、この協議会の、市町村都市再生協議会という協議体の、何というか、柔軟性というか強靱性を持つという意味でも、様々な障害者の方、高齢者の方、また青年会議所ですとか子育て世代の代表とか、様々な御代表を選ぶのもなかなか難しいかもしれませんが、そうした皆さんの声が反映できる会議体であるように、国交省からも各地方自治体にそうした旨はしっかり伝えていきたいと、こう考えております。
  50. 浜口誠

    ○浜口誠君 是非、大事な位置付けの協議会になるというふうに思いますので、御対応をよろしくお願いしたいと思います。  今回の法の中の第二十九条と第七十一条に、認定事業者の認定事業に対して、民間都市機構がその認定事業の施行に要する費用の一部については支援することという趣旨の条文が書かれておりますけれども、具体的に、民間都市機構が行うこの費用の負担の水準等含めて、どのような支援を行っていくのか、その中身についてお伺いしたいと思います。
  51. 北村知久

    政府参考人北村知久君) 都市再生特別措置法第二十九条と七十一条に定められております民間都市開発推進機構の支援業務、これは今回拡充してございますけれども、元々支援業務ございます。  これ、ちょっと恐縮ですが、いわゆるメザニン支援業務というものと、まち再生出資業務という名前でちょっと予算上呼ばさせていただいてございます。  まず、メザニン支援業務でございますけれども、これは主に都市部において行われる比較的大規模で公共施設の整備を伴う民間都市開発事業を対象に、こちらの機構が資金の貸付けとか社債取得をして長期安定的に資金を供給する制度でございます。  支援に当たりましては、広場とか道路とかそういった公共施設などのその整備費と又はその総事業費の五〇%のいずれか少ない方を上限ということで、事業費にその貸付け等を充てるということをしてございます。これまではこのメザニン支援業務によりまして、例えば東京都の港区の赤坂インターシティというようなところで、高品質なオフィスと商業施設に加えて広々とした緑地広場等を整備すると、こういった大規模な複合開発を支援してございます。  もう一つのまち再生出資業務でございますが、これは、主に民間の活力が必ずしも十分でない地方部において行われる比較的小規模で公共施設の整備を伴う民間都市開発事業を対象に、機構がその事業の立ち上げの下支えとなる出資ですね、貸付けではなくて出資を行う金融支援業務でございます。  こちらの業務におきましては、公共施設費の整備費か総事業費の五〇%又は資金の、資本のうちの五〇%と、これのうちの最も少ない額が上限ということで出資をしてございます。出資で、これまでの成果でございますけれども、例えば岩手県紫波町にオガールプロジェクトというのがあります。地域で結構有名なんでございますけれども、こちらは官民連携の下で子育て支援施設、図書館、カフェなど地域に必要な施設を整備するということで、民間の方がこういう公共的なもので、なおかつ採算がぎりぎりくらいですね、そういったものを行うときに出資をして応援するというふうな成果が出ているところでございます。
  52. 浜口誠

    ○浜口誠君 いろんな民間都市機構としてのサポートがあると思いますので、その支援がより公平性、透明性のある支援になっているかどうかというのもこれしっかり確認していく必要があるというふうに思っておりますので、引き続き支援の中身については国土交通省としても精査していただきたいなというふうに思っております。  続きまして、魅力あるまちづくり観点から、今回、居住エリアにおいて用途制限の緩和というのが行われることになります。今まで居住エリアにおいて造れなかった店舗ですとか病院等の立地が促進されるという面が今回の法改正でできることになりますけれども、その地域にとって、用途制限緩和されることによっていろんなものができるんですけれども、本当にその地域にとって必要なものかどうかというところの精査ですとか、あるいは、その地域にその新しい店舗、病院ができることによってどのような影響があるのか、非常に幅広い観点から必要性というのは検証していただく必要があるというふうに思っておりますし、実際住民の方にも意見を十分聞いていただいて、ニーズに合致したものかというのもこれ確認していく必要があるというふうに思っておりますけれども、今回、そういった形の居住エリアでの用途制限緩和に動くということですけれども、今申し上げたような丁寧な進め方が極めて重要だというふうに思っておりますけれども、国土交通省としての見解がありましたらお伺いしたいと思います。
  53. 北村知久

    政府参考人北村知久君) 今回、居住環境向上用途誘導地区というものを創設したいと考えますが、これ、趣旨は、高齢化等が進む中で、これまでは住宅地というと住宅ばかりでございましたけれども、そういった中で、店舗や病院が近くにないと、そう言ってお困りの方が特に高齢者の方とかでいらっしゃるということで、歩いて暮らせる範囲内に暮らしに必要な小規模な店舗とか病院というものが立地できるようにするというものでございます。  今回の地区につきましては、これは用途制限の緩和については都市計画で定めることになりますので、通常の都市計画決定の手続にのっとって行いますので、これは都市計画決定権者である市町村が地域の住民の意見を聞くということが義務付けられてございます。今回、委員指摘のとおり、住民の方から見れば、私どもの制度の趣旨は、そういうことでお困りの方が困らないようにその店舗を造るということですけれども、場合によっては、その周りの方から見ると、自分は住宅街だと思って家買ったのに、何か急に隣に病院ができてどうだというようなこともございますので、そこは地域の方の広い意見、必要であると考える方、またそうでない方もいらっしゃるかもしれないという前提で、市町村の方でしっかりと、これが本当に住環境の点から望ましいものかどうかとか、あとは日常生活の利便性向上につながるかどうかということを、しっかりと地域の住民の意見も聞きつつ、適切に運用できるように、国土交通省としても公共団体を指導、助言をしてまいりたいというふうに考えてございます。
  54. 浜口誠

    ○浜口誠君 是非、本当にいろんなニーズ、声があると思いますので、しっかりその声を拾った上で御判断していただきたいと思いますし、今回、用途制限の緩和がされますけれども、いろいろ居住エリアがあるじゃないですか、第一種低層とか第二種低層とか、いろいろ地域があると思うんですけれども、それぞれ緩和される要件は違うんでしょうか。ちょっと少し、その緩和の中身についてお伺いしたいと思います。
  55. 北村知久

    政府参考人北村知久君) 緩和の内容でございますけど、例えば、一番典型的なのは第一種低層住居専用地域ですね、これは本当に住宅しか建てられないものですから、そもそも病院や店舗自体を建てられるということにするということと、その建てられる面積がどのぐらいかという、それの特例になります。  二種低層とか、ものによると、元々建てられる許容範囲が広いところは、建てられるんだけれども少し大きいという、大きさだけの特例になったりとか、そこは地域の元々のベースの規制がどうあるか、それに加えて、どの程度のその規制緩和が必要かということを個別に市町村の方で判断して、そういう特例を踏まえた計画作りをすると、そういうことになろうかと思います。
  56. 浜口誠

    ○浜口誠君 ありがとうございました。終わります。
  57. 宮崎勝

    宮崎勝君 公明党の宮崎勝でございます。  本日は質問機会をいただきまして、大変にありがとうございます。  早速質問に入らせていただきますが、公明党は、自然災害が頻発化、激甚化する中でやはり防災・減災というものを政治の主流に据えていかなければならないということで、様々な主張をさせていただいております。こうした中で、今回、災害リスク対応した安全なまちづくりを推進する法律案ということで、大変な重要な意義があるというふうに感じているところでございます。  そこでまず、住民との間のリスクコミュニケーションについて最初にお伺いしたいと思っております。  様々な自然災害リスク対応する安全なまちづくりを進めるには、住民が自分の住んでいる地域にどんな災害リスクがあるのかということを知ることが大変重要だと思います。そのためにも、市町村等が住民とのリスクコミュニケーションをしっかり丁寧に行っていく必要があると思っております。  この点について、昨年七月に公表された都市計画基本問題小委員会中間とりまとめにおきまして、行政だけではなく、民間事業者等も含めた多様な主体、方法を通じて、災害リスク等に関する正しい情報提供等が積極的になされるような工夫が必要であるというふうに指摘しております。  また、今年の一月二十七日の衆議院の予算委員会におきまして、赤羽大臣は、我が党の國重徹衆議院議員の質問に対しまして、不動産取引における重要事項説明として新たに水害リスクに係る説明も義務付ける方向で進めていくという旨の答弁をされておりますけれども、こうした、なかなか、企業側の取組ということも重要になってきていると思っております。  そこで、最初に大臣にお伺いしたいと思いますけれども、安全なまちづくりの推進におきましては、災害リスクについて市町村や企業が住民との積極的なリスクコミュニケーションを行うことが必要であり、国としてもこの取組を支援すべきだと考えますけれども、大臣の御所見を伺いたいと思います。
  58. 赤羽一嘉

    国務大臣赤羽一嘉君) 私自身、昨年九月に大臣に就任して以来、様々な自然災害の被災地に足を運ばせていただいて、改めてやっぱり認識をしたところが、やはりハザードマップ上の危ないと言われている地域に結構住宅地が張り付いていて、そのまま、浸水想定地域のままに洪水になって大変な被害になってしまっていると。  やはり、ちょっと言い方が正しいかどうか分かりませんが、これまでの我が国考え方というのは、多くの人の考え方というのは、危険さというよりも、いつ来るか分からない自然災害リスクよりも、やっぱり利便性とかということの方が優先されるというふうな話があったり、また、そういうリスクということを持ち出すと非常に資産価値が下がるみたいな、そうしたようなことがあったように記憶をしております。私、阪神・淡路大震災以降、マンションの例えば耐震判断については相当助成金を出して推進しようとしましたが、耐震判断をした結果が悪いと資産に物すごい影響が出るというような話で、なかなか余り使われなかったというような記憶もございます。  しかし、この近年のこういう激甚災害の頻発で、そうしたことが相当、随分認識が変わってきたんではないかというふうに思っております。今回の法改正に当たっても、全国の地方自治体にアンケート調査をして、もう少しこの開発規制ということについては大変反対の意見が出てくるかと思いましたが、相当そうしたことは大変な御理解はいただいているというような結果も出ているところでございます。  そうした意味で、本当そういう環境が良くなってきたというか、理解をしていただく環境になったからこそ、リスクコミュニケーションが非常に大事であると思います。ハザードマップは随分全国の地方自治体も頑張って作っていただいておりますが、なかなか分かりにくいとか、災害別のリスクがばらばらになっているということで、今国交省として、洪水ですとか土砂災害などの災害別のリスク情報を同一の地図上に重ねて表示する取組ですとか、また、スマートフォンなんかを使って視覚的に分かりやすく表示できるような取組で、国民皆様にとって身近な、ハザードマップというのは分かりやすいんだ、大事なものなんだということが徹底できるような形にしていきたいと思います。  加えて、やはりそうしたハザードマップを活用した上で、地域におけるマイ・タイムラインの普及ということをどう考えていくのかと。これ、私はやはり個人だけだと実際避難をするということがなかなか腰が上がらないケースが多いと思います、高齢者の皆さんも多いわけですから。ですから、神戸の例でいきますと、小学校単位で防災福祉コミュニティーというようなものをつくって、非常に日常的にコミュニティーを活性化しながら、また訓練も行っていく。ですから、やはり地域地域で、自助、共助、公助でいうと共助のところがしっかりしていれば、やっぱり地域でお互いが支え合っていくということが非常に大事なのではないかというふうに思っております。  また、今御指摘いただきました國重委員からも、予算委員会質問立って、そのときにやっぱり、不動産取引のときに購入者に対する重要事項説明として水害リスクを、係る説明を義務付けるべきだという御提案をいただいて、その方向で検討するということでございましたが、今もう既に義務付けるということで五月二十九日からパブリックコメントを実施しておりまして、具体的に改正作業を進めているところでございまして、こうしたことも併せて、まさに官民一体となって安全性というものを正しく理解をした上で、適切な居住空間というか、をしっかりと取っていけるようにしていきたいと思っております。
  59. 宮崎勝

    宮崎勝君 ありがとうございます。  続きまして、立地適正化計画を通じた安全確保策ということで、今回の法律案に関して御質問したいと思うんですけれども、まず、先ほど紹介した都市計画基本問題小委員会中間とりまとめの中で、「災害の種類によって、立地適正化計画を通じた対策が有効なものとそうでないものとがあるため、立地適正化計画への記載に当たっては、災害の種類に応じた対策の手法を検討することが必要である。」、そういう記載がございます。  そこで、立地適正化計画による対策が有効なもの、有効でないものというのはどのような種類の災害を指しているのかということをまずお伺いしたいのと、あと災害の種類に応じた対策の手法の検討ということでどのような整理がされているのか、伺いたいと思います。
  60. 北村知久

    政府参考人北村知久君) お答え申し上げます。  委員お尋ねの都市計画小委員会でございますが、これは、一昨年の秋から昨年の夏にかけてコンパクトシティーの取組状況についていろいろ御議論をいただいております。  その中で、その立地適正化計画による対応が有効かどうかというのは、これは、ありていに言えば、要は、立地適正化計画で居住誘導をするところから危ないところを外してしまえばもう危ないところに住まないということになるということでございまして、例えば、その対応が可能というのは、要は、例えば土砂災害とかはある程度スポット的でございますので、そういったものはもう外してしまえばいいということですので、対応が可能だと。  一方で浸水ですね、浸水だと、その洪水想定区域ですと、例えば浸水想定って、ある町のもうほとんどその市街地の全てが浸水想定になってしまうというようなところもございますので、これは単に外すということでは物事が解決できないんじゃないかということで、委員会の中では、この立地適正化計画ではその対策が難しいというようなことを頂戴してございます。  それは、昨年の夏にこういった御提言をいただいておりまして、ただ、それ以降、その昨年のいろんな台風被害等も踏まえて、私どもとして、やっぱりしっかりとしたその対策を、まちづくり観点からも対策を考えなければならないということで、ですので、今回の改正の中でその土砂、レッド等はこれはもう外しましょうということで、これは政令でちょっとやらせていただこうと考えてございますけれども、じゃ、浸水についてはできれば外してほしいということで、その公共団体等といろいろ取り組んでまいりたいと思いますが、そうはいっても外し切れないものについては、じゃ、そこはその居住誘導、住んでいただくことを前提に、ただ、その防災対策も併せてやらなきゃならないということで、今回の改正で、そういうところで立地適正化計画で居住誘導をする場合には防災指針というものを定めなさいということを法律上に書き込ませていただきまして、誘導する以上は、じゃ、いざとなったらどこに逃げるのかというその避難路とか避難地とか、そういうものを決めろとか、ソフト対策でも結構なんですけれども、そういうことをもうまちづくりの計画の中に書き込みなさいということを今回の改正で行ったということでございます。
  61. 宮崎勝

    宮崎勝君 ありがとうございます。  今局長の方から御答弁がございました防災指針でございますけれども、この中に防災対策だとか安全確保策を定めるということで、この居住誘導区域内におけるそうした対策を定めるということでございます。  これ、基本的には立地適正化計画を作成している全ての市町村にこの防災指針の作成を求めているというふうに認識をしておりますけれども、この作成に当たって国として市町村にどのような支援を行っていくのか、そこをちょっと確認をさせてもらいたいと思います。
  62. 北村知久

    政府参考人北村知久君) お答え申し上げます。  先ほどの答弁と若干重なりますけど、防災指針でいろいろ避難地、避難路の整備ですとか、例えば誘導のための看板とか案内板とか、あとはソフトとかいろいろ決めることになります。  防災指針、今、そういったレベルのことを法律では考えているわけでございますが、じゃ、実際にどういうふうに作ったらいいのかというのはこれ現場相当悩むんだというふうに思っております。これについては、我々も、まちづくり観点あと防災観点ということも当然必要なものですから、ちょっと省内の話で恐縮でございますけれども、水災害まちづくり在り方検討会という、これ、学識経験者に入っていただいておりますが、これ、事務局側が私ども都市局とあと水局と住宅局と一緒になってこの委員会を運営しておりまして、こういった中で、どういう水害リスクに対してどういうまちづくりをつくったらいいのかと、どういう防災指針を作ったらいいのかと、これ、検討会を今開いて議論をしていただいておりまして、こちらの方で防災指針の作り方のガイドラインというものを作りたいというふうに考えてございます。  それを踏まえて、それを市町村にお示しするのと併せて、今回、立地適正化計画の改正とか、あとはこれから新たに作るときにはもう初めから防災指針込みで作ってくださいということになるわけでございますけれども、それについていろいろな調査とかで経費も掛かりますので、そういう計画策定費についてちょっと補助を差し上げるという財政的な支援を考えてございます。あと、ノウハウの点について、国、私どもと国交省都市局なり水局なり、そういう専門家が場合によってはもう個別に市町村の方に出かけていって、その作り方の相談に乗ったり御指導する、そういったような支援、こういった形で市町村での指針作りが進むように応援してまいりたいというふうに考えてございます。
  63. 宮崎勝

    宮崎勝君 ありがとうございます。  それからもう一つは、この立地適正化計画と地震発生リスクということについてお伺いしたいと思うんですが、平成二十八年四月に発生した熊本地震によりまして甚大な被害を受けた熊本市でございますけれども、この熊本市におきましても、地震発生の二週間前の、同じ年の四月一日に立地適正化計画が公表をされているということでございます。この熊本地震におきましては、この都市機能誘導区域などに指定されていた箇所も相当程度の被害が発生したというふうに聞いております。  政令指定都市でございますので、こうした大都市では既に市街化が進んでおりまして、人口も今後大幅な減少は見込めないという状況でございます。このような地域におきまして、これまでの地震による被害を教訓とするならば、この立地適正化計画を策定あるいは修正するときにおきまして、例えば活断層の存在などの地震発生リスクに対してどのような配慮が求められているというふうに考えるのか、お伺いをしたいと思います。
  64. 北村知久

    政府参考人北村知久君) 国土交通省におきましては、いろいろな災害が頻発しておりますので、平成二十五年に防災都市づくり計画というもの、これは今回みたいに法律に基づく計画でございませんで運用レベルでございますけれども、これの考え方を取りまとめてございます。  この中で、委員指摘の地震につきましては、一つ、例えば、活断層の存在を確認し、地震に伴う建物の倒壊、地盤の液状化、延焼火災、避難の困難性などの災害リスク評価を行った上でどういった課題があるかを整理すると。また、その課題に対して、地震や延焼火災に強い建物造りの推進、避難地、避難路の整備災害対応に必要な施設の配置など防災都市づくりの方針を定めて基本的な施策を定めるというような一連の考え方をまとめてございます。  これ、防災都市ということで一般的な考え方を当時まとめたものでございますので、今回、この立地適正化計画に基づく法律上の防災指針、これを作るに当たって、もう一回この考え方をどういうふうに反映していったらいいかということを、ガイドラインの作成の過程等もよく検討して、これが適正な形で防災指針が作れるように今後検討し、支援も行ってまいりたいと考えてございます。
  65. 宮崎勝

    宮崎勝君 ありがとうございます。  続いて、市街化調整区域における開発抑制ということでお伺いしようと思いましたけれども、先ほど浜口委員からも同様の御質問がありましたので一問飛ばさせてもらいますけれども、衆議院の審議におきましても、昨年の台風十九号、いわゆる東日本台風におきましても、この市街化調整区域における被害が八割を占めているということも明らかになっておりまして、そうした意味でも今回の対策、大変重要だというふうに指摘しておきたいというふうに思います。  それから、続きまして盛土造成地の対策の強化ということについてお伺いしたいと思っております。  国土交通省におきましては、大規模盛土造成地の安全性の把握を進めるということで、地方公共団体がこの大規模盛土造成地のマップを公表するという取組を進めてきているところというふうに承知をしております。  今年の三月三十日までに全ての地方公共団体でこのマップが公表をされまして、この大規模盛土造成地が四十七都道府県で千三市区町村におきまして五万千三百六か所あるということが公表をされたところでございます。  この盛土造成地のマップ作成ということについては、二〇〇六年に創設された宅地耐震化推進事業というものに基づいて行われているもので、第一ステップとしてはマップを作成して、第二ステップで宅地の危険度を調査する、第三ステップではこの危険な宅地の対策工事を進めるというふうになっているというふうに承知しております。  そこで、まず、現時点でこの危険度調査、対策工事を終えているのは何か所あるのか、伺いたいと思います。  また、今回の法改正に伴ってこの宅地耐震化推進事業というのが拡充をされまして、この立地適正化計画に位置付けられた居住誘導区域における盛土造成地等の対策が強化されることになっております。これまでの事業と比べてどこが強化されてどんな効果があるのか、お伺いしたいと思います。
  66. 北村知久

    政府参考人北村知久君) お答え申し上げます。  委員指摘のとおり、この大規模盛土について、マップの策定、安全性の調査、工事という三段階で進めてございまして、盛土については、一千三市町村の五万一千三百六か所で盛土造成地があるということがちょうど分かったところでございます。  第二ステップのその安全性の調査でございますが、安全性の調査につきましては、私ども、まずその安全性の調査をするのも、これもどこからやったらいいのかという、市によっては何か所もあるところがございますので、なるべく危ないところから調査を掛けるということで、調査のための計画作りをまずしなさいということに指導させていただいておりますけれども、これについて、そこの計画づくりを行っているのが千三のうちの三百三市町村で調査の計画を作ってございまして、そのうちのさらに三十五市町村の三千七百五十か所でこの安全性の調査が完了してございます。  安全性の調査が完了しているということは、当然安全かどうか分かりまして、その調査の過程で一か所だけこれは危ないというものが分かりまして、それについては既に工事が終了してございます。  もう一か所、この安全性の調査とは別に、実際にその盛土の変状が見られて、これ危ないぞということで調査を待たずにもう工事をしたというものがもう一か所ということで、事前対策工事としては合計で二か所の実績が今のところございます。  また、令和二年度予算におきましては、この宅地防災の、事前にとにかく対策工事をなるべくやってくださいということで、今回、防災指針に基づきまして公共団体が計画的に対策工事を実施する場合と、これは当然差し迫った危険があるからということでございますけれども、こういった場合には国の補助率を引き上げるというような制度拡充を行いました。  この大規模盛土については、あくまでも民地なものですから、民地についてその公共団体が事業をするということについてなかなか住民の御理解も得られづらいし、また自治体も出しにくいという中で、国費率を上げるということが大きな効果があるんじゃないかなというふうに考えているところでございます。
  67. 宮崎勝

    宮崎勝君 ありがとうございます。  同じように、土砂崩れ危険箇所の対策ということもお伺いしたいと思いますけれども、昨年の台風、大雨におきまして多くの土砂崩れが発生して、各地で甚大な被害となりました。そうしたことを受けまして、我が党の地方議員であるとか、あるいは、党で二月に視察した館山市もそうなんですけれども、土砂崩れ危険箇所の対策拡充を求める声というのが寄せられております。  この対策におきましては、実際に崩壊した箇所の緊急対応はもちろんのこと、事前に対策するということで被害の発生を未然に防ぐことも重要と考えております。一方、人家戸数とか、そういう対策事業を実施する要件を満たさずに十分に対応ができていない箇所もあるようでございます。  この土砂崩れの危険箇所については、地域の実情や要請に合わせて行政がきめ細かく援助することで命と財産を守る制度の拡充が必要だと考えますけれども、御見解を伺いたいと思います。
  68. 五道仁実

    政府参考人(五道仁実君) お答え申し上げます。  土砂崩れは人的被害を伴う事例が多く、地域の安全、安心確保するためには、事前に実施する予防対策及び災害後に実施する再度災害防止対策、共に極めて重要だというふうに考えております。  このため、国土交通省といたしましては、地方公共団体が土砂崩れの予防対策として行う急傾斜地崩壊対策事業及び再度災害防止対策として行います災害関連緊急事業に対して財政的な支援を行っているところでございます。  これらの事業の実施に当たっては、人家の立地等の観点から優先度の高い箇所において集中的に対策を行うため、例えば予防対策については、保全人家戸数十戸以上かつ崖の高さ十メートル以上である箇所について採択することを原則としているところでございます。  その上で、地域の実情を踏まえましてきめ細かく対応できるよう、予防対策については、例えば病院などの要配慮者利用施設が保全対象に含まれる箇所については、平成七年度から人家の十戸の要件を五戸に緩和するとともに、今年度からは、要配慮者利用施設と避難路が含まれる場合には高さ十メーターの条件も五メーターに緩和しているところでございます。  また、再度災害防止対策につきましては、原則人家五戸以上かつ高さ十メーター以上の箇所に限定されているところでございますけれども、激甚災害に指定された場合には、人家二戸、高さ五メーターの小規模な崖崩れ対策に対しても支援できる制度を平成元年に創設するなど、これまでも対応できる箇所の拡充に取り組んできたところでございます。  今後とも、現地の実情を適切に把握するとともに、地域の要望に耳を傾け、土砂災害に対する安全、安心確保ができるよう適切に対応してまいりたいというふうに考えております。
  69. 宮崎勝

    宮崎勝君 ありがとうございます。  時間の関係で最後の一問にさせてもらいたいと思いますけれども、大臣にお伺いしたいと思いますが、今回、国土交通省として立地適正化計画の作成や見直しに当たって市町村への支援を引き続き行っていくという、これは大変重要だと思いますけれども、一方で、この昨今の都市政策や土地対策に係る法改正など、それに伴って様々な制度が創設をされたりしておりまして、実際に制度を運用する市町村が大変、十分に活用できていないんではないかと。そのためにも市町村が使いやすいような配慮が必要ではないかというふうに考えているところでございます。  今回、安全なまちづくりに向けて新たな取組が始められる中で、まちづくり関係の諸制度とその運用実績について把握や検証をして、市町村が制度を十分に活用できるような環境を整えるということも必要だと思いますけれども、最後に大臣の御見解を伺いたいと思います。
  70. 赤羽一嘉

    国務大臣赤羽一嘉君) 具体的な御提言、大変ありがとうございます。  地域づくりもそうですし、地域公共交通機関のマスタープランもそうですけど、全てやはり一番身近な市町村が中心になってやっていくという意味で、今、様々な法改正をしたことが一番肝腎な市町村の皆さんに御理解をいただけないということは、まさに画竜点睛を欠くというふうに思っております。  特に、安全なまちづくりという観点からは、先ほど宮崎委員のお話にもございましたが、昨年の令和元年東日本台風の決壊で、要するに市街化調整区域で約八割だったということ、これはやはり、市町村の中で条例を定めて、そこが居住地になって被害が起こってしまっているということは、非常にこれは看過することはできないというふうに思っております。  今回、そうしたことも法案で法改正の項目に入れさせていただいておりますが、そうしたことも踏まえながら、国は法律を作ればそれでおしまいということではなくて、今回も法改正による制度の円滑な実施に向けて、先ほど局長から答弁もさせていただきましたが、一番近い地方整備局において一元的な相談窓口を設置する、また、本省においてもエリアごとに担当者を決めて、もうまさにプッシュ型で、きめ細かなコンサルティングを実施していくと。  地方公共団体、なかなかこれ大変な作業だということを前提に、しっかりと積極的に取り組んで、まさに防災・減災が社会の主流となる状況をつくっていきたいと、こう決意をしております。
  71. 宮崎勝

    宮崎勝君 ありがとうございました。終わります。
  72. 田名部匡代

    委員長田名部匡代君) 午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。    午後零時三分休憩      ─────・─────    午後一時三十三分開会
  73. 田名部匡代

    委員長田名部匡代君) ただいまから国土交通委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  74. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 大臣、御苦労さんです。お疲れのところ早速質問に入らせていただきます。  この度のこの都市再生法、土地再生推進法についてでありますけれども、隅々まで私も詳しく読む時間がなかったんですが、一番気にしていたのは、この三問目、四問目の私の中の質問でもそうなんですけれども、災害に対する対応、そして土砂災害、そういうことに対して、いろいろと過去千件以上の、達するそういう被害が起きているという、こんなことを聞いたときに、もう日本の国も少子高齢化が進んでいっておるんだから、もう山を削って住宅を建てる、そんな無駄なことをする必要はないんじゃないかと。私自身、そういう個人で考えておりましたし、そして、私は昔から、先生方もよくおっしゃっておられますけれども、無電柱化の件、これもこの法案の中に入れていただいているというようなこともお聞きしましたので、微に入り細に入りいろいろと対応してくれているんだなという、そういう思いでこの法案も期待をしておりますので、是非スムーズに進むようにお願いをしていきたいと思います。  まず大臣に、全体的なことで大臣のお考えをお聞きしたいんですけれども、ここに、平成二十六年でしたか、立地適正化計画制度が創設され、その後コンパクトシティーという、コンパクトシティーの典型的なモデル市というのは、赤羽大臣も何回もおいでかも分からぬけれども、尼崎というのはそれに非常に近いコンパクトシティーということで言えるんじゃないかなと思っていますが、六年を迎え本格化して、現在四百六十八都市が具体的な取組を始めたと、このように聞いております。そのうち二百五十一都市、立地適正化計画が作成、公表されると。  こういうところまで来ているわけでありますが、この都市再生推進法、平成十九年、制度が創出され、まちづくりを担う都市が、いまだにというか、この表現はまだ六十七団体に終わっているという、これが順調にいっている数字なのか、何か難しい問題がやはりあってこういう数字になっているのか。この辺もちょっと含めて大臣の、今回のこの法改正で、この都市再生推進法、国土交通省としてどのような団体に役割を果たそうとされているのか、またどのように育成をしていこうとされているのか、この点をお聞きをしておきたいと思います。
  75. 赤羽一嘉

    国務大臣赤羽一嘉君) 今おっしゃられた六十七の団体というのは都市再生推進法の法人のことでよろしいんでしょうか。  今回の法改正ももちろんそうなんですけど、やっぱりまちづくりを進めるという意味では、官の部分だけでは十分うまく機能しないというふうに思っております。現実には、様々なところで、まちづくり会社ですとかそれぞれのNPO、また地域まちづくり団体において精力に取組をしていただいております。  具体的には、福井市のまちづくり会社においては、町中の道路ですとか公園を一体的に活用し、イベントを実施したり、オープンテラスを設置したりする取組をしていただいていますとか、あと、和歌山市のまちづくり会社においては、川沿いの遊休不動産を活用して、水辺空間を楽しめる飲食店を設置、運営する取組など行われておりまして、こうしたまちづくり団体の存在が、結局は地域ににぎわいを生み出し、魅力あふれるまちづくりを推進する上で極めて重要なものとなって機能していただいております。  午前中の質問でも申し上げましたが、やはり地方創生といいましても、その地域に住まれている人たちが主体者となってその地方創生を支えていけるかどうかということが非常に重要だというふうに思っております。  都市再生特別措置法におきましては、このようなまちづくり団体を市町村が指定する都市再生推進法人制度というのを設けておりまして、本改正におきまして、イベント開催時の道路占用等の申請手続のサポートを都市再生推進法人の業務として位置付けるなど、その役割拡大されているというところでございます。  また、国交省といたしましては、都市再生推進法人の意欲的な取組がより広く展開していただけるように、まちづくり活動の一環としてベンチの設置ですとか植栽等を実施する場合には必要な費用を低利で貸し付ける制度を創設するなど、都市再生推進法人の育成を支援してまいりたいと思っております。  都市再生推進法人を始めとするまちづくり団体の育成ができるだけ多くの地域で進むように、まちづくりに関する制度を紹介する手引書の作成ですとか、先進的な事例を紹介するセミナーの開催支援等に今取り組んでいるところでございまして、こうした意味では、官民一体となって、全国で様々な地域の特色があるまちづくりが進むように、しっかりとこの団体の育成にも取り組んでまいりたいと、こう考えております。
  76. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 ありがとうございます。  次の質問になるんですけれども、このまちづくりに向けた関係者間の連携強化、こういうことでありますけれども、今大臣がおっしゃったように、住民とか民間事業者、地方公共団体、国との間でやっぱり連携強化をするということはこの事業の政策の効果を上げることに、ための重要、つながるというふうに思っております。是非、その点は御指導をよろしくお願いを申し上げたいと思いますが、居心地が良く歩きたくなるというこの言葉は非常に心温まる、心豊かに子供たちも成長するというか、そういうまちづくりはすばらしいなと。  香港やアメリカを見ていても、警察が罪もない住民を殺してしまうとか、ああいう場面がよく出ていますけれども、日本ではあんなことは考えられないこと。中国は香港をああいう強力的にもう押し切ってしまうだろうと思います。どんどん香港から台湾に、よそに移住する人も多いと聞いておりますけれども、そういうことを聞いたり見たりしておると、日本の国はいいなと、このように思っております。  ただ、我々の青春時代というのは、歩道にこういうテラスカフェとか、歩道にそういうものを置いてコーヒーを飲んだりすると、まあほこりや煙で、こんなの常識じゃ考えられない。外国の人は、ようテレビ見ても、歩道の上にテラスを置いてコーヒー飲んだり食事されている。外でようあんなことするなと、私は七十三歳の感覚でもう五十年前の話をしているんですけれども、考えられなかった。  しかし、今こういう法案ができ、また心地が良くなる、歩きたくなる町、是非ともこれは積極的に子供や孫のために進めていきたいな、そして諸外国の方々が日本の国に移住したいなと、そのような気持ちになるようなまちづくりをすることによって、金、金、経済、経済、単価が安いからアフリカや中国で物をつくりに出ていくとか、余りそちらに走っちゃうと、今のアメリカのように、先進国でありながらああいう教育すらできていないという情けない姿を見ているわけでありますけれども。  ここで北村さん、よろしく。この官民の様々な関係者が連携しなくちゃいけないまちづくりを、目指すべき姿、共有しながら取り組んでいくことが必要だと。大臣の答弁と重なるかも分からないですけれども、あなたとしてどのように取り組んでいこうとされておるのか、簡単にちょっとおっしゃってくれますか、時間がないもので。
  77. 北村知久

    政府参考人北村知久君) 委員指摘のとおり、このまちづくりに当たりましては官だけでなく民も一緒に取り組むことが大事でございます。今回、法律の中で協議会制度の拡充をしてございまして、いろいろな主体の方が参加できるようにというようなことを制度化しておりますので、こういったまちづくりの計画段階で民間の方がしっかりと参画できるように。  また、私どもの令和二年度の予算におきまして、こういった協議会も含めた、官民の方がいろいろ議論をするような場の立ち上げ、又はそこでビジョンを作ると、そういったような事務的な経費についても、これも補助で応援するという制度をつくってございますので、今後とも官民の様々な関係者の連携したまちづくり、一層推進してまいりたいと思います。
  78. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 三番と四番の質問を合わせて御質問をしたいと思います。  この三番は、冒頭申し上げたように、もう少子高齢化が進んでいるのに、山を削って住宅地、宅地造成は必要ないだろうというようなことを申し上げたけれども、そのことも含めていただいているというこの法案、これ以上突っ込んだ質問、時間の無駄でありますので、いたしません。ただ、やはり日本の国の洪水、内水氾濫、高潮、そして風水害、そして洪水、本当に想像を絶するような自然災害が襲ってきております。  そこで、このところに市街地の住宅開発事業において防災観点を踏まえることが重要だと考えているというようにおっしゃっておるんですけれども、どのようなことが重要と考えておられるのか、お聞かせいただけますか。
  79. 北村知久

    政府参考人北村知久君) 委員お尋ねの市街地における宅地開発事業ということでございます。  一つは、民間の宅地開発につきましては、午前中の審議でも御答弁申し上げました開発許可についての厳格化ということで、危険なエリアにおいては開発を禁止又は厳格化するというようなことで進めてまいりたいと思います。  もう一方の、いわゆる公的な開発で土地区画整理事業というのがございまして、これは東日本大震災の被災地で津波防災観点から、この区画整理でまちづくりをするというようなことが行われています。これにつきましても、今回の法律案の中で立地適正化計画に基づいて防災指針を今度作ることがございますけれども、こういった中で区画整理を利用したまちづくりをすると。特に、その区画整理で低地にある住宅を高台に移転するような事業をすることが、法律上この集約換地をする制度を創設しております。  また、浸水想定区域内でやむを得ず区画整理をする場合、こういった場合には土地のかさ上げというようなことが必要になってまいりますが、これについても、令和二年度の予算から、そのかさ上げ費用についても補助の、社会資本整備総合交付金の対象にするというような形で、事業の中で安全な宅地造成ができるように配慮を用いているところでございます。
  80. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 この質問で終わりますけれども、ちょっと私聞きそびれたのかも分からないけれども、この住宅開発についての勧告に従わない場合は事業者の名前を公表すると。公表して規制強化がなされるということであるけれども、罰則等を伴わない公表によってその開発の抑制の実効性は担保されるのかと、そういう不安があるんですが、その点はどうなんでしょう。
  81. 北村知久

    政府参考人北村知久君) 今回の民間の宅地開発につきましては、基本的には開発行為を禁止、抑制するという許可制度で対処してございますけれども、都市計画法に基づく開発許可、大規模なものは対象になりますが、小さなものが、相対的に小さなもの又はいわゆる線引きしていない都市計画については、かなりその許可が要らないものがございます。これを補う観点から、今回、宅地開発をする場合には届出をしていただいて、市町村が勧告しても従わない場合には公表するという制度を新たに設けてございます。  これは、委員指摘のとおり、確かに罰則は伴わないわけでございますけれども、その宅地開発事業者にしますれば、要はそういうイエローゾーンとかで宅地開発をしましたと、それに対して、危険なエリアで宅地開発をして、それに対してその市町村が勧告をしているのに従っていないと、それを公表されるということ自体が事業者にとっては大きな抑止力に働くのかなと。また、お買上げになる、宅地を買う方も、あっ、ここは危ないエリアなんだなとか、行政の指導に従わないで分譲している、そういう業者なんだなということが分かりますので、事実上その購入の歯止めになるんじゃないかということで、一定の効果があるものというふうに考えているところでございます。
  82. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 終わります。
  83. 武田良介

    武田良介君 日本共産党の武田良介です。  早速、法案の質問に入りたいと思いますけれども、現在指摘されているところですけれども、気候変動による影響が大きいというふうに思いますけれども、災害激甚化する、頻発化するということがあります。台風だとか豪雨災害だとか、そういった災害に備えた対策都市計画、まちづくりに求められているということはそのとおりだというふうに思いますし、また、それぞれの地域で、商店街だとか団地だとか、それぞれの地域で何とかその地域を盛り上げていこうと、地域の方たちの力を生かして魅力あるまちづくりを進めていく、今回の法案にも関わって非常に重要なことだというふうに思っております。  その上で、立地適正化計画によるまちづくり、これについてはよく考えなければならない問題もあるのではないだろうかというふうに思いますので、そういった立場から質問させていただきたいというふうに思います。  最初に国交省説明いただきたいと思うんですけれども、今回の法案でその立地適正化計画を自治体の単独ではなくて共同して作成することができるというふうになるわけですけれども、その理由と目的について御説明いただけますでしょうか。
  84. 北村知久

    政府参考人北村知久君) 買物とか通勤などのその住民の生活圏が隣接する市町村と一体となっている小規模市町村、こういったところにつきましては、単独で立地適正化計画を作成することは難しい場合がございます。こういった場合におきましては、市町村が広域的に連携、共同して立地適正化計画を策定して、安全でコンパクトまちづくりを進めることが効果的であると存じます。  このような取組を促進するため、本改正におきましては、複数の市町村が共同して立地適正化計画を作成することができるということを法律上明記するとともに、本年度の予算におきましても、複数の市町村で計画を作成する場合には予算上の措置を講ずるという措置を講じてございます。  国交省としては、コンサルティング、国の職員によるコンサルティングとか、あとはモデル都市の横展開等を通じましてこういった広域的な取組というものを応援してまいりたいと考えてございます。
  85. 武田良介

    武田良介君 今説明もありましたけど、買物をするだとかということで隣の町まで出かけなければならないというような地域にあってはそういうことも必要なんだということだと思うんですが、一点確認ですけど、国交省資料、私、見ていましたら、都市計画区域を有する一千三百七十四都市のうち四百四十都市、約三割が立地適正化計画を策定、これ、数字が平成三十年の十二月末時点の資料でしたのでちょっと今変わっているかもしれませんが、その人口規模が二十万から五十万の自治体では四分の三が取り組んでいるんだけれども、十万人未満の小規模の自治体が取組、遅れているんだというふうな資料もありました。  だから、今御説明あったとおりかもしれないんですが、ちょっと重ねて確認ですけど、そういう自治体も立地適正化計画を作成する、持つことができる、全国に広げていこうということが狙いにあるということでよろしいんでしょうか。
  86. 北村知久

    政府参考人北村知久君) 立地適正化計画は、人口減少社会の中で町が、非常に町の人口が減っていく中でどういうところに住んでいただくか、どういうところに機能を誘導するかということを作っていただく計画でございますので、例えば人口がどんどん増えているようなところとか、あとは、また逆に都市計画区域がほとんどないような農村地帯というところでは必要ないと思いますけれども、それ以外の市町村においては立地適正化計画を作っていただくことが望ましいものだというふうに考えてございます。
  87. 武田良介

    武田良介君 まだ作れていないところを政府コンパクトシティーということも言いながらやっているんですから、広げていきたいと。今言った、本当に農村部とか不可能なところというのもあるのかもしれませんけれども、基本的にやっていくということだというふうに思います。  その小規模自治体の立地適正化計画の策定という話で一点だけ発言しておきたいと思うんですけれども、本年度から予算措置においても始まっているその支援制度ということがありました。要は、社会資本整備総合交付金による事業ですね。都市再生整備事業のこの計画事業の制度、これ再編して、今度は都市構造再編集中支援事業、これを個別支援制度としてその補助率を二分の一にするということで、二分の一の補助率拡充していくと。この個別支援の制度を活用するには立地適正化計画を作成している市町村でなければならないんだと、それ以外のところが対象外だということがあるということもお聞きをいたしました。これ、立地適正化計画を作らなければ補助を受けることができなくなるということですので、大変な誘導策だなというふうに思っておるわけであります。  いずれにしても問題だというふうに思っておりますのは、立地適正化計画の策定、それから実際のまちづくりに、先ほど来、大臣からも答弁ありましたけど、住民が主人公になって取り組めるかどうかということが非常に重要だと思っております。  先ほど来、話が出て恐縮ですけれども、神戸市の三宮の駅前の開発ということがあります。この計画について、私も資料を読む限りで取り上げるのも恐縮なんですけれども、見ていきますと、国が立地適正化計画を二〇一四年に導入をして、その神戸市版である都市空間向上計画素案というのを神戸市が昨年の六月に策定をしたというふうに聞いております。  素案の中に当然、都市機能誘導区域と居住誘導区域と示されるわけですけれども、居住誘導区域の外になってしまった方々、これが、先ほどの室井委員の話にもありましたけれども、神戸市による開発団地にお住まいの方たち、こういう方たちが相当数いらっしゃったというふうにお聞きしますが、約三割もの方がこの区域外に置かれてしまったということで、もちろん直ちに出ていきなさいなんという話ではないわけですけれども、しかし、これはどうなっているんだということで、穏やかではいられないという受け止めをされた方がたくさんいらっしゃったというふうにお聞きをしております。  これ、誘導された地域のところでは人口が集中するということがあるんだということで、二〇一六年に新設されたJRの摩耶駅、この付近には分譲マンションが集中したということがあったんだそうであります。そのときには、児童が一気に急増したということがあって、周辺の西灘小学校というところは運動場に仮設校舎を建てて対応する必要があったんだということもお聞きをいたしました。学校内にある学童保育コーナーだけでは収まらなかったので、近隣の自治会館にその分館も設けたと。しかし、そのところも七十人で児童がひしめき合ってしまったということで、これ何とか対応しなければいけないということで課題になったそうであります。  居住誘導区域外の方ですけれども、こちらはその人口も減りますし、民間の施設なども撤退するということになりかねないと。公共施設も集約化するという流れの中で、どんどん住み続けることが困難になってしまうという声が地域の方から出されたということを私もお聞きをしております。  今、ちょっとずっと紹介しましたけれども、これは神戸の例ということでありますけれども、立地適正化計画に基づいて進められる誘導によって、こういった問題が全国でも起こり得るのではないだろうかというふうに思いました。  その上で、国交省にこれも説明いただきたいと思うんですが、こういう住民の皆さんの声をどうやって反映していくのか、その仕組みについて説明いただければというふうに思います。
  88. 北村知久

    政府参考人北村知久君) お答え申し上げます。  このコンパクトシティーをつくるための立地適正化計画の作成に当たりましては、地域住民の方々の意見を適切に反映することは、これも重要だと考えてございます。このため、都市再生特別措置法におきましては、この立地適正化計画を作成しようとする場合には、あらかじめ、公聴会の開催など住民の意見を反映させるための必要な措置を講じなければならないと、このように規定しているところでございます。  さらに、この法律の運用を、私どもで主導させていただいております都市計画運用指針では、特に、居住誘導区域や都市機能誘導区域の外に置かれている方々、そういった方々については、その誘導区域内で講じられる特例が適用されていない、こういう方について十分な住民の合意形成プロセスを経ることが重要だと、このように記述をしているところでございます。
  89. 武田良介

    武田良介君 今答弁いただいたように、公聴会だとかパブコメ取ったりだとか、ワークショップを開いて声を聞いていくということになっている。実際にその神戸の場合も、先ほど約三割が区域外に置かれてしまったということだったんですけれども、素案の段階でそういった声がいろいろ出される中で、計画が計画案に変わったときには五%ぐらいになったんだということもお聞きをいたしました。それは非常に重要なことだったというふうに思っております。  先ほどの懸念の点になりますけれども、神戸の例でもう少し、私、資料読んだところでお聞きしたいと思うんですが、神戸の例の場合は、高層ビルだとかバスタが入るような大型ビルだとか、あるいは役所などが入る建物など大分大きなものが計画されているようでありますけれども、これ、神戸のことだけを何か言いたいわけではないんですが、一般的に、この都市機能誘導施設、公共施設の整備ということがやられるわけですけれども、必ずしも高層ビルだとか何かバスタだとか、そういった大きなものを造らなければならないと、そんなものになっていないと思うんですけれども、この制度自身はですね。その点だけ確認したいというふうに思います。
  90. 北村知久

    政府参考人北村知久君) 誘導施設につきましては、それぞれの地域ごとに必要な施設を誘導するということでございますので、委員指摘のとおり、大規模な施設を図らなきゃいけないとか、そんなような目的にはなってございません、制度にはなってございません。
  91. 武田良介

    武田良介君 先ほどの答弁で紹介いただいた公聴会だとか開いていくというときに、私もずっと神戸の例を紹介しながら一般論で聞いて申し訳ないんですけど、神戸でもワークショップを開いたときに、タワーマンションを造るという話なんかがあるということを聞いた住民の方が、タワーマンション建てて、じゃ、数十年後とか、みんな入った人が高齢化したときにどうなるんだろうかという不安の声が出されたということだとか、あるいは、近隣にある団地をリノベーションしてきれいなものに変えていくと、そういうことはないのだろうかというような声も出されたということは非常に重要なことだっただろうというふうに思います。  やはり、私が懸念しているのは、誘導する、集約する、今度は魅力あるまちづくりということを強調しながら、大規模な開発がどんどん進んでいくことに傾いていくということが私は非常に懸念をしているわけであります。  神戸の例でも、商業施設の入る市庁舎への建て替えが行われるだとか、その総事業費は民間開発も合わせれば一千億円単位になるというふうに市長も市議会で述べておられるそうでありますけれども、一部そういうものを造る方たちは喜ぶかもしれませんけれども、住民の皆さんの声がそこにしっかり反映された計画にならなければ、そういう計画でなければならないということを思っております。  ちょっと時間の関係で先に進みたいと思いますけれども、先ほど少し答弁にもありましたが、居住誘導区域外で住んでおられる方たちなんですね。この点について国の対応を聞かせていただきたいと思うんですが、神戸市で素案を提示した際に市の方が行った説明というのは私もちょっと驚きまして、居住誘導区域外となる地域については、その地域では住宅ストックを抑制して、スーパーだとか病院が撤退しても新たな施設を誘致するのではなくて、代替手段として移動販売車や遠隔医療、ドローンを使った荷物配送、これを進めるんだということを説明されたんだそうです。この説明に市民の方が非常に驚いたというか、反応されたということをお聞きしました。  神戸のこの説明がいい悪いという話ではないんだけれども、一方で誘導するわけですから、一方で中山間地あるいは、まあ中山間地というのが神戸の規模と合うかどうかというのはありますけれども、人口が減ってしまう地域というのはやはりあるわけで、こういう地域に対して国はどういうふうに取り組んでいこうとしているのか、この点について伺いたいというふうに思います。
  92. 北村知久

    政府参考人北村知久君) 立地適正化計画は、先ほども申し上げましたが、これ、人口が全体減少していく中でどういった町の機能を維持していくかということでございますので、計画を作って、ある程度そのコアの部分にいろいろな施設を維持していくと。委員集めるというふうにおっしゃいますけど、どちらかというと、右肩上がりの時代であれば非常にどんどんどんどん大規模開発で集めてくるということはあるんですが、今はどちらかというと、全国で直面している問題は、人口が減っていく中でどうやって地域のコミュニティーなり生活を維持していくかということでございますので、過大な投資をするというよりは、今ある病院とか福祉施設とかがちゃんと今後でも維持できるように、そのためにはある程度必要な機能が真ん中に集まっていないと結局全て共倒れになってしまうと。そういうものが撤退されてしまうと、もう市からなくなってしまうとどうにもならないということでコンパクトシティーをやっているということでございます。  ですので、そういうことで、町全体の機能を維持した上で、ただ、居住誘導区域外の方については、私ども、コンパクト・プラス・ネットワークというような言い方してございますけれども、そういった方がしっかりと町の中に行けるようなということで、トータルで見て住民の方が今後も暮らしやすく住めるような、そういったまちづくりができるように国としても支援をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
  93. 武田良介

    武田良介君 今の答弁、私も理解いたします。ただ、私が懸念しているのは、その過大な投資になったりだとかそういうことを懸念しているわけであります。  最後に、大臣に一問だけ。私は、そういう周りの、この地域に住み続けたいというふうに思っている方たちが、たとえ中山間地とかいろんな地域、なかなか不便があったりするかもしれないけれども、そういう方たちの思いを応援していくということがやはり大事ではないだろうかというふうに思っておるんですけれども、大臣の認識、最後に一問、聞かせていただいて終わりたいと思います。
  94. 赤羽一嘉

    国務大臣赤羽一嘉君) ちょっと済みません、その前に、答弁させていただく前に、ちょっと地元の神戸のことで、私、この計画はよく分かりませんけれども、タワーマンションを推進するような、今の市長が、そういう御発言がありましたけど、久元市長はタワーマンションは造らないというふうに宣言もしておりますし、ちょっとそうした事実関係は正しくやっていただいた方がいいと思います。  これ、私も、今、この神戸だけじゃありませんが、地方地方自治体が中心になって、議会の中で様々な意見を酌み取って、そして決めていくわけですから、それを国会の場で様々なことを、批判しているわけじゃないと言われましたが、このお配りの資料も、三宮の町の良さがどんどん失われていますという、こんなビラどこなのかと見たら、これ、ちょっと、お認めになられているんですからいいんですけど、こういうことも別に私、神戸市民ですけどそういうふうに思っておりませんし、ちょっといかがなものなのかなというふうに思います、正直言いまして。  それで、先ほどのお話ですけど、この区域外の方について、これはどうするかというのは、それは首長の皆さんも、その議会、様々な議論の中で工夫をするというふうに思っております。  富山市も、コンパクトシティーの成功例ということで私も視察を行きましたが、あそこ合併をして大変広くなっておって、中心市街地だけじゃないところについては、バスのおでかけ定期券みたいなことをやって、ネットワークということで拾っていると。確かに、拡散をしていくと病院もそういう公共施設が維持できなくなっていくからということで、あそこはLRTの駅のところに相当意図的に集約をして、その途中では相当御批判もあったと聞いておりますけれども、それは十五年掛けてやって大変な成功事例となっているということは、これは私はすばらしいなと思いましたが、これは、あくまで私の言いたいことは、その富山市、市長さんが市議会と市民の皆さんとの議論の中で決めたことだというふうに思っているんで、それは国として結果として大変評価をしているということでございますので、だから、私、申し上げておきたいのは、そうしたことについてどうするかというのは、どこまで行っても市町村の中で、前回も、前回というか衆議院のときも共産党の高橋議員からの質問にも同じように答えていますけど、地元の皆さんの声を拾いながら、どう選択するかは首長の、またその議会の判断で決めることではないかと思います。
  95. 武田良介

    武田良介君 終わります。
  96. 木村英子

    ○木村英子君 れいわ新選組の木村英子です。  本日は、都市再生特別措置法の、居心地が良く歩きたくなるまちづくりについて質問いたします。  現在、障害者にとって、一歩町に出たとき、正直言って居心地が良く歩きたくなる町とは言えません。何度もお話しさせていただきましたが、どこへ行っても構造上のバリアがあり、入店を断られたり、交通機関も利用する際健常者には付けられない条件や制限を付けられ、安心して利用できない現状だからです。  私事の経験になりますが、町並みに並ぶおしゃれなカフェに入りたくても、階段や段差があり、店員さんに手助けをお願いしたとき、景観に悪いのでお断りと言われたことがあります。障害者がお店の中にいるとほかのお客さんが入りづらくなるということだそうです。とても悔しい思いをしました。  また、公園内のイベントや地域のお祭りなどを楽しみたくても、町に繰り出しても催物は車椅子では背が低くて見ることができず、おいしいものを食べたくても入れないお店が多いのが現状です。そのため、楽しむどころか悲しい思いをすることが多くて、外へ出ることが苦痛になってしまう障害者はたくさんいると思います。  近年は、障害者権利条約や障害者差別解消法が制定され、条文では権利が保障されていますが、障害があっても安心して地域の催物やショッピングをするような環境にはなっていないのです。  アメリカでは、ADA法という障害者の差別を禁止する法律があり、バリアフリーの整備が徹底されているそうです。また、都市部だけではなく人口数百人ぐらいの小さな町のレストランも、必ず車椅子で入れるルートがあって車椅子で入れるテーブルが設けられているなど合理的配慮が徹底されており、全てのお店がバリアフリー化されています。障害者が健常者と同じように差別されず、誰でも使えるような町が当たり前になっているそうです。  一方、日本では、二千平米以上の店舗にしかバリアフリー化の義務がないため、階段や段差があり、床に固定された椅子が多くて、構造上車椅子では入店できないお店が多数存在しています。差別的取扱いをしないということ、合理的配慮を提供するということが障害者差別解消法では求められていますが、これを確実に行うためには、環境整備、バリアフリー化が必要になります。  そこで、質問いたします。  特に今回の改正案では、居心地が良く歩きたくなるまちづくりを推進していますが、公園が憩いの場所として合理的配慮が行き渡っていれば、障害を持っている人たちにとっても居心地の良い歩きたくなる町になり、心のバリアフリーにもつながると思います。  その上で、例えば公園内に建てられている建物に対してスロープやエレベーター、点字ブロック、車椅子用トイレなどの設置を保障していただきたいですし、バリアフリー法で定められている基準の二千平米未満の店舗等を設置する場合においても、その小規模店舗のバリアフリー化を保障していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  97. 北村知久

    政府参考人北村知久君) お答え申し上げます。  今回、居心地が良くなる、歩きたくなる町中ということで市町村で計画作って整備していただきますが、その中で、公園についての、いろんな人が集まってきて交流していただくこと、過ごしやすくしていただくこと。また、特に今回の法律では、公園に民間事業者の方が施設を造るという場合に、公園管理者、これ普通は公共団体でございますが、公共団体と協定を結んでそういう店舗を建てていただく制度をつくってございます。  今回、委員指摘のとおり、公園という機能を考えますと、そういう障害者の方、またお年寄りとか、あとベビーカーを持って歩いている方いらっしゃると思いますけれども、そういったいろんな方が集まっても過ごしやすくできるようにと。これ、公園管理者が協定を結んで建てさせるということでございますので、公共団体がその協定を結んで、民間事業者がここにカフェ造りたいという場合には、その協定の中にバリアフリー化することというふうなことを書き込ませて、協定ができたら、その後、ちゃんとそういうバリアフリーができているかとか運営がどうかということもチェックすると、こういうような運用ができるように、私どもの方から、制度ができましたら地方公共団体を指導してまいりたいというふうに考えてございます。
  98. 木村英子

    ○木村英子君 ありがとうございます。  公園管理者に対して、これからもチェックあるいは指導をしていくということをおっしゃってくれましたけれども、差別解消法が制定された現在においてもなかなか合理的配慮が行き届かないということが現状にあります。  資料一を御覧ください。  障害者権利条約九条では、建物やサービスを誰でも自由に利用できる権利がうたわれ、その精神はバリアフリー法の基本理念にも掲げられていますが、実際には、バリアフリー法についても対象にならない建物が多く、限られているのが現状です。  そのような現状の中で、障害者に対する差別解消に向けて独自に取り組んでいる自治体が増えてきています。  資料二を御覧ください。  例えば、明石市では条例をつくり、建物のスロープや手すりの設置に補助を出すだけではなく、点字メニューなどのコミュニケーションツールの作成や折り畳み式スロープなどの物品の購入にも補助を出し、合理的配慮を推進しており、ほかの自治体にもこのような取組が広まっています。  また、日光市では、これに加えて、イベントの際に手話通訳を派遣することに補助を出していますし、このような自治体の取組のように、今回の歩きたくなるまちづくりの中でも、心のバリアフリーの観点から、コミュニケーションツールとしての点字のメニューなどを用意したり、また、公園のイベントなどの企画において手話通訳者の配備なども必要です。  しかし、これらの取組を自治体任せにするのではなく、本来であれば国が財政的な補助をすべきだと思います。  そこで、赤羽大臣質問いたします。  障害者の差別を解消するためには、どんな建物であっても障害者が利用できるよう、バリアフリー化をすることが必要です。本来は小規模店舗においてもバリアフリー化を義務化すべきですが、少なくとも全ての店舗においてスロープや手すりなど設置がなされるよう、その費用の補助を国が行うなど、合理的配慮のための取組をしていただきたいのですが、どのようにお考えでしょうか。
  99. 赤羽一嘉

    国務大臣赤羽一嘉君) 今言われていることは、まさに本来我々が目指すべき共生社会在り方だというふうに思います。私もこのバリアフリーに関してこの当委員会でも何度も御答弁させていただいておりますが、バリアフリーの社会づくりというのは、ある意味では現実との闘いで、現状をどうステップ・バイ・ステップで変えていくのかということで、例えば駅のバリアフリー、施設のバリアフリーも二十年ぐらいも掛かって今こういう状況にようやく来たというのが現実だと思います。  障害者の皆さんとお話をすると、やはり小規模の飲食店といったところがやっぱり入口が狭くて入れないとかトイレが車椅子の対応じゃない、こうしたことが非常にバリアになっているという話も聞きますし、やっぱり一番の問題だというふうには思っておりますが、現状で言うと、なかなか物理的にそもそもそういうバリアフリーのセットができないような小規模の飲食店も少なくないですとか、新築で建てる場合もあれば、居抜きでそのまま借りて起業的に、業を起こしているというようなこともあって、これまでそうしたところに義務化を掛けるようなことはできなかったというのがもうこれは率直に言って現状でございます。  これをどう変えていくのかということで今取り組んでおりますのは、様々なことはやっている中で、具体的には本年一月に、学識経験者、また障害者、また高齢者の団体の皆様、また事業者団体で構成される建築物のバリアフリー化のガイドラインである建築設計標準の見直しのための検討会を立ち上げさせていただきました。造るところからバリアフリー仕様であることが当たり前の状況をつくらなければいけないというふうな思いで、この検討会のワーキンググループには小規模店舗に関する特別のワーキンググループも設置をしておりまして、ここには関係省庁及び地方公共団体に加えて、十の障害者・高齢者団体の皆様方、また十八の関連事業者団体、そして五つの建築関係団体が初めて一堂に会して直接意見の交流をする場を整えることができておりまして、これをしっかりと進めながら、何とか小規模の飲食店等々のバリアフリーをしっかり進めていきたいと、こう思っております。  今にわかに地方自治体でこうしたバリアフリーの制度を進めるということで助成制度ができているということは非常に高く評価をしておりますが、ちょっと現状でなかなか国で、予算獲得をしようと、この二〇二〇東京オリンピック・パラリンピックというのはレガシーとして共生社会と言っている以上、なかなかバリアフリーの予算というのは非常に限られておりますが、それを少し大きく獲得するために、国交省としても予算の闘いというのはしっかりしようと思っておりますが、ちょっと今、にわかに全国のところにいきなり法的に義務化を付けるというのは、なかなかそのハレーションというか逆効果も大きいのではないかと思いますので、その辺は丁寧に進めながら理想に向けて一歩一歩前に進めていきたいと、こう思っております。
  100. 木村英子

    ○木村英子君 赤羽大臣、ありがとうございます。当事者も含めた検討会もされていくということですので、そういった意味では、これから第一歩として進めていっていただきたいというふうに思っております。  また、公園の開発については、ホームレスの方や低所得者の方が不利益を受けるのではないかというような懸念もあります。都市開発によって特定の企業だけが優遇されるのではないかという懸念や、その点については附帯決議を提案させていただいていますので、国土交通省としても、誰もが居心地が良く歩きたくなるような町を今後も推進していただきたいと思っております。  私の方からは以上です。終わります。
  101. 上田清司

    ○上田清司君 無所属の上田でございます。  居心地のいい、歩きたくなるまちづくりについて幾つか質問したいところですが、この居心地のいい、歩きたくなるまちづくりにはマスクは似合わないもので、まずマスクについての質問をさせてください。  いわゆるアベノマスクは、介護施設等に配布するということで、三月十六日から十九日にかけて六社と随意契約をして、三月三十一日に履行期限、いわゆる引渡しをすることになっておりましたが、四月三十日から五月三十一日に履行期限を延ばす再契約を結んでおります。緊急性をもって随意契約だと、予備費による約二百億円、本当にこれは緊急性と言えるのかと。オープンに入札ができたのではないかという疑念があります。  また、補正予算では、既存の三社に加えて、新たに六社を加えて九社と契約をされています。補正分百六十六億八千万は、そもそも契約日が五月十三日から五月十五日、履行期限日が六月十五日、六月三十日、七月十五日になっていますので、まさしくこれは全く緊急性がない。まさに随意契約は不当ではないかと。  経産省みたいにサービスデザイン協議会に丸投げしていないからまだましな方だなんて心で思っているかもしれないけれども、しかし、これは明らかに緊急性のない、オープンに入札をすべきものではないかと思っております。  補正部分については、これはもう既に会計検査院に、執行が終わってからでないと調査はできませんが、予備的調査をお願いしております。  そもそも、こういう金額を、百六十六億からする金額を随意契約で、しかも、もう既に五月十三日から五月十五日に掛かって、この段階で緊急性があるというふうに、どこにそういう話があるのか、この件について政府参考人にお聞きしたい。
  102. 八神敦雄

    政府参考人(八神敦雄君) お答え申し上げます。  まず、布製のマスクにつきましては、せきやくしゃみによる飛散を防ぎ、感染症感染拡大を防ぐために効果があるというふうに考えており、積極的なマスク着用を現在働きかけをしておるところでございます。  全戸向けの布製のマスクの配布につきましては、緊急事態宣言の解除後におきましても、専門家会議で提言をされました新しい生活様式で、外出時、屋内にいるときや会話をするときには、感染拡大防止観点から、引き続きマスクの着用……(発言する者あり)  お答え申し上げます。引き続きマスクの着用が有効だということ、それから今後も感染拡大が再燃する可能性もあるということ、こうした状況下で不織布マスクの需要抑制にも資するということから、引き続き有意義であるというふうに考えてございます。  感染防止の観点から、緊急に多量の布製マスクを調達をして全戸向けに迅速に配布する必要があったという状況を踏まえまして、緊急の随意契約としたものでございます。
  103. 上田清司

    ○上田清司君 全然答えになっておりません。  七月十五日に引渡しが履行期限になっているようなのがどこに緊急性があるんだと。それだったら公開入札で十分じゃないかと。これはもう国会を軽視している。会計検査院にいずれしっかり調査していただくので、覚悟してもらいたいと思います。とんでもない。人のお金を何だと考えているか、勝手に随契にして。もう少し考えていただきたいと思います。  それでは、本論の方に行きます。  今回、居心地が良く歩きたくなるまちづくりの創出ということで、いろんな条件づくりをされております。  特に、私が気になっているところでは、公共空間のリノベーション、交付金による支援と、それから民間事業者が参入される場合、公共空間を提供するということを前提にして固定資産税の軽減をすると。この交付金のリノベーションの条件、支援するという条件、それから、まさに公共空間を提供する民間事業者ですから、その公共空間で当然何らかの形で利益を得るものをなくすわけですから、それに対する一種の補償的な意味での固定資産税の軽減なのか、この意味がよく不明なので、この考え方についてお聞きしたいと思います。
  104. 北村知久

    政府参考人北村知久君) 今回の居心地が良くなる町中ということで、民間事業者の方にいろいろ協力していただく。委員指摘のケースは、民間事業者の方、今日の質疑の中でも宮崎の油津商店街の例もございましたけれども、民間企業の方が自分たちの土地を少し削ってオープンスペースをつくって、そこにいろいろな旅行の方とか観光客の方を通すと。それ自体としては利益を生まない空間でございますけれども、そこに人が集まってくることによってにぎわいをもたらすというようなことを民間の方が自発的にやっていただいているところがあります。  今回は、官民で計画をして公共空間もなるべく歩きやすくすると。例えば、車道の歩道化をするんですが、それに合わせて民間の方も、じゃ、自分の軒先もこれも公共空間の一体として提供しましょうというような場合がございますので、そういった自由に使える空間を民地側で用意していただいた場合には、その分、その分というか、それに代わって固定資産税を、五年間の措置でございますけれども、半減するというようなことで促進をするというような制度でございます。
  105. 上田清司

    ○上田清司君 公共空間のリノベーションの交付金という考え方についてはどうなんですか。
  106. 北村知久

    政府参考人北村知久君) 失礼しました。  公共空間のリノベーションについては、これはむしろ公共側でございまして、例えば、今申し上げました、これまで車道だったところを歩道化すると。そのためには、例えば舗装の打ち替えとか、そういった費用が掛かってまいりますので、そういった事業につきまして交付金で国の方が支援をするというものでございます。
  107. 上田清司

    ○上田清司君 条件づくりを何らかの形で国交省が行っていくという考え方で、もう一つは、民間でいわゆるエリアのコーディネートをする人たちなりをきちっと手配をして非常に居心地のいい空間をつくっていくという、こういう考え方が入っているわけですけれども、どちらかというと、私は公が空間をきちっと整備していけば、黙っていてもその空間を活用すべき形は当該市町村あるいは地元の商工会、商工会議所、あるいは商店街などが行っていくものだというふうに思っています。中途半端にどこかのまちづくり仕掛け人みたいな方々に来てもらわなくても、あるいはそういったものを指定しなくても十分だというふうに思っております。  今、資料で、埼玉県の春日部市というところで、県の管理であります河川整備を県がしっかり、もちろん地元町内会等々の、市当局始め関係者の意見を全部聞いて何回も話合いをした上で、できるだけ御要望を生かす形でのこの河川の整備並びに遊歩道の整備、そして形、まさに居心地のいい歩きたくなるような空間づくりをやったんですね。これは、たまたまその絵は商工会議所が主催して行った夕涼みの会であるんですけれども、ふだんから土日などはウオーキングの方々が、今はちょっと違いますけれども、大変多くて、非常に熱心に様々な取組を商店街が企画したり、商工会議所が企画したり、様々なことをやっているんですね。  私は、何かいろいろ考え過ぎじゃないかと。形を整えてあげればやっていただける、また、やらないと地域の再生なんかできないというふうに思うんですが、何か必要以上に枠組みをつくって指定する云々等々をやり過ぎているんじゃないかというふうに思っております。  赤羽大臣、何回かほかの質疑でもありました。その都度法律を一部改正しながら、計画をその都度ちょっとネーミングを変えながらやってきているんですけれども、むしろ、きちっとした、環境整備に関して枠組みをきちっとやったら、こういうことを余りやらなくてもできるんではないかと、こんなふうに思っておりますが、いかがでしょうか。
  108. 赤羽一嘉

    国務大臣赤羽一嘉君) 率直に言って、私、お答えする、何というか、材料が余りないんですけれども、なかなか、多分地方自治体によってはこうした仕組みが必要なく、これ春日部ですか、このようにうまくいっているというケースもあれば、なかなかこうしたことの仕組みが整わないところも多分あるんじゃないかなと。ですから、そこに規制緩和なり公共の提供とか、そこに民間事業者も誘致するみたいなことで、実例としてうまくいっている例も全国でも数多く出てきておりますので、私、使わなくて済むんだったら別に使わなくて、無理やりこれでやれということではないんではないかと思いますので、選択肢というか材料というものを提供すること自体はそんなに否定されるものではないと思います。  日南市ですとか栃木県の上三川町という人口三万人のところでも、普通であれば相当過疎化が進んでいると思いますけれども、様々な創意工夫の中で頑張られているところもありますので、それを、国としてもできることをしっかり後押しをしたいと、そういう趣旨でありますので、何か国が押し付けがましくやるというような趣旨ではないんではないかなというふうに、私はそう感じております。
  109. 上田清司

    ○上田清司君 大臣、中身もそれはよく分かった上で言っておられるわけであります。要するに、いろんなパターンがあるので、そういうパターンを尊重しながらやらなければならないということを私は強調しているわけであります。  よくこの指定の話が出てきますので、この指定の話に関しては非常に眉唾だと私は感じております。何か書類を整えて指定を受けなければというところからのスタートになってしまいますので、そこをきちっと見ていただく形が整わないと本当のまちづくりはできないんじゃないかということをいつも感じておりますので、あえて申し上げました。  ありがとうございました。終わります。
  110. 田名部匡代

    委員長田名部匡代君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
  111. 武田良介

    武田良介君 私は、日本共産党を代表し、都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案に対する反対討論を行います。  昨年、台風十九号では十四県四十二市町において、立地適正化計画の居住誘導区域で浸水被害が発生しました。立地適正化計画を作成している自治体のうち、浸水想定区域など災害時の危険区域を居住誘導区域に含めている自治体が九割を超えていることが分かりました。本法案で、まちづくり計画を防災優先にし、浸水想定区域や土砂災害危険区域など災害リスクを的確に反映して建築制限など規制が盛り込まれたことは当然のことであります。  しかし、民間都市再生事業計画の認定延長や一体型滞在快適性等向上事業に関して問題があり、賛成できません。  法案に反対する第一の理由は、民間都市再生事業が、大都市部の大規模開発事業を進める民間大企業、大手不動産、ディベロッパーなど特定の大規模事業者を、容積率緩和、税制措置などで優先的に優遇するものであるからです。  民間都市再生事業計画の認定申請の延長には反対であります。  アベノミクスによる都市再生政策は、国際戦略都市都市再生プロジェクトや国際競争拠点都市整備事業など、特定の開発事業者等への手厚い支援を一層露骨にしています。二〇〇五年から、民間都市再生事業計画の認定は百三十二件に上ります。これらの開発事業者には容積率緩和が認められ、免税等による優遇は、一三年度から七年間で四百億円を超える額に上っています。  また、本法案にある民都機構の支援対象の拡大は、民間都市再生事業と同様に大規模事業者を優遇するものであり、反対です。  第二の理由は、一体型滞在快適性等向上事業が、大都市部を中心に、まちなかウオーカブル推進事業などと一体で行われる都市構造改変や、他の都市開発事業とともに特定の大手開発事業者を優遇する大規模開発事業を後押しする懸念があるからです。  歩きたくなる町中など歩行者の利便に配慮したまちづくりは、車中心のまちづくりから歩く人に重点を置いたまちづくりへの転換であり、必要なことです。しかし、本法案で推進するまちなかウオーカブル事業は、官民連携と称して、街路、公園、広場など公共空間を利活用した民間事業集中的、一体的に支援するとし、民間事業者に行政の普通財産を時価よりも低い対価で貸し付けるなど優遇します。  さらに、大手開発事業者を含む都市再生推進法人に道路や都市公園の占用、使用の許可に係る事務を行わせ、民都機構から融資を受けられるようにもします。  予算措置においても、都市再生整備計画事業制度を再編し、民間事業者等が行う都市構造再編集中支援事業を個別支援制度とし、その個別補助率を二分の一に拡充しています。  同事業は、こうした大手開発事業者を含めた民間事業者を優遇することになりかねません。  以上、反対の討論を終わります。
  112. 田名部匡代

    委員長田名部匡代君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。  都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  113. 田名部匡代

    委員長田名部匡代君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、浜口さんから発言を求められておりますので、これを許します。浜口誠さん。
  114. 浜口誠

    ○浜口誠君 私は、ただいま可決されました都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・国民の声、立憲・国民.新緑風会・社民、公明党、日本維新の会及びれいわ新選組の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に万全を期すべきである。  一 災害危険区域等における開発許可の見直しについては、関係政令等の内容を関係事業者や地方公共団体に対し早期に示した上でその周知徹底を図ること。また、本法の趣旨に鑑み、市街化区域の浸水ハザードエリア等における開発許可についても、その周辺地域を含め溢水等の災害リスクが増大しないよう適切な措置がなされているか等について十分に確認して基準への適合性が判断されるよう、地方公共団体に対し適切な助言等を行うこと。  二 地方公共団体の厳しい財政状況に鑑み、国において事務経費を含めた財政支援を行うことなどにより、防災集団移転促進事業が事前防災対策として積極的に活用されるよう地方公共団体の取組を後押しすること。また、多数の災害弱者が利用する病院、社会福祉施設等の災害危険区域等からの移転が図られるよう一層の取組を行うこと。  三 立地適正化計画について、災害危険区域等が居住誘導区域から可能な限り除外されるよう助言等を行うとともに、除外が困難な区域については、防災指針に基づき適切な対策が講じられるよう必要な支援を行うこと。また、防災指針に基づく取組を進める際には、市町村と国や都道府県の河川管理者等とが連携し、必要な治水対策等とまちづくりが一体となったものとなるよう、関係者による総合的な取組を推進すること。  四 現存する緑地や農地の適切な保全は、市街地の拡散や管理放棄地化の抑止につながり、居住誘導区域外の区域における環境保全に資することに鑑み、その保全に資する諸制度の活用を引き続き積極的に推進すること。また、都市農業の利便増進と良好な居住環境の確保に向けて、現行の生産緑地制度や田園住居地域制度等も含め、地域特性に応じた制度の活用が図られるよう、地方公共団体に対し適切な助言等を行うこと。  五 居住環境向上用途誘導地区を定め、病院、店舗等の日常生活に必要な施設の立地の促進を図る際には、既存の用途地域の趣旨を踏まえ、建築規制の緩和が住環境や景観に著しい影響を及ぼすことのないよう留意するとともに、地域住民等の意向に十分配慮した運用がなされるよう、地方公共団体に対し適切な助言等を行うこと。  六 「居心地が良く歩きたくなる」まちなかづくりに向けて議論が行われる市町村都市再生協議会については、豊かな生活を支え魅力あるまちづくりに資する都市再生整備計画を策定する観点から、幅広い住民の多様なニーズを反映させられるよう、障害者団体、子育て支援団体、高齢者団体など、構成員の多様化を促すこと。また、障害者、子育て世代、高齢者などが利用しやすい空間を作るため、バリアフリーの観点を踏まえた整備がなされるよう、地方公共団体に対し適切な助言等を行うこと。  七 「居心地が良く歩きたくなる」まちなかづくりを推進するに当たっては、開発によって、従来から居住している低所得者などが生活上の不利益を被ることのないよう、支援措置を講ずるなど十分に配慮すること。  八 本法に基づいて都市開発を行うに当たっては、市町村において人材や専門的ノウハウが不足している状況等に鑑み、民間事業者等の選定に当たり、土地所有者、住民や利害関係人等の意見を十分に反映した事業の実施ができる者を適切に判断できるよう、必要な技術的支援を行うこと。    右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
  115. 田名部匡代

    委員長田名部匡代君) ただいま浜口さんから提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手をお願いします。    〔賛成者挙手〕
  116. 田名部匡代

    委員長田名部匡代君) 全会一致と認めます。よって、浜口さん提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、赤羽国土交通大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。赤羽国土交通大臣
  117. 赤羽一嘉

    国務大臣赤羽一嘉君) 都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま可決されましたことに深く感謝申し上げます。  今後、本法の施行に当たりましては、審議における委員各位の御意見、ただいまの附帯決議において提起されました各事項の趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。  ここに、委員長を始め理事皆様方、また委員皆様方の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表します。  誠にありがとうございました。
  118. 田名部匡代

    委員長田名部匡代君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  119. 田名部匡代

    委員長田名部匡代君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後二時四十五分散会