○木村英子君 マニュアルの中で無人駅を
推進するものではないということをお聞きしたので、それは少しは安心しましたが、しかし、人手不足が深刻化し、人員削減や
予算削減により駅の無人化が急速に進んでいるというのが現状です。
告示によって、無人化してしまう駅がその告示によって増えているように思います。なぜかというと、やはり人手不足ですから、告示があるということに頼ってしまう駅の駅員さん
たちというのは現在いるんではないかというふうに思います。
介助の必要な
障害者の人
たちが電車に乗れなくなってしまうという相談というのは幾つか来ておりまして、紹介しますと、筋ジストロフィーの車椅子の方が昨年、
東京のJR池袋駅から埼玉の南与野駅まで電車に乗ろうとして駅員にスロープを出してほしいと介助を
お願いしたところ、駅員がいないので降車時にスロープが出せない、駅員が戻ってくるまで一時間待ってくれと言われたそうです。その方は、電車に乗りたい駅に乗せてほしいという普通の望みさえもかなわず、鉄道を使うときはいつも不便を感じながら日常
生活を送っています。
また、同じく埼玉の事例ですが、福祉作業所に通う車椅子の方が、日常的に
利用している土呂駅で今年の二月に時間帯を書いた紙を渡され、この時間帯は絶対に来ないでくださいと言われたそうです。電車に乗れる時間を制限されたということです。その紙で指示された時間帯というのは、駅員が不在で
障害者にすぐには
対応できない時間帯で、しかも一日の半分の時間しか
利用することができないことになっていました。この方は福祉作業所の作業が終わる十五時頃に駅を
利用したいのですが、その時間帯は駅員が不在で
対応できない時間になっており、渡された紙に従えばその方は通勤することができなくなるということです。
これはおかしいと思いませんか。インターホンが設置されていても駅員の都合を押し付けられたら、合理的配慮どころか、福祉作業所に通っている
障害者の方の
社会参加を妨げることになり、結果的に差別を助長してしまうことになります。介助の必要な
障害者にとっては、無人化が進むことは、
障害を理由に健常者には付さない条件を公共交通機関を
利用するたびに付けられ、結局、このことが
障害者の
社会参加の障壁となっていると私は感じています。
これらの
状況を踏まえて、埼玉ではさいたま市を含む五つの
自治体がJR東
日本に対して係員の再配置などを要望したところですが、いまだに解決には至っていないです。
また、無人駅ではインターホンで
対応するという駅がほとんどですが、視覚
障害を持った方の場合、インターホンの設置されている場所がそもそも見えないので分かりにくく、仮にたどり着いたとしても、インターホンで呼んでもすぐには来てもらえないことが多く、常にホームからの転落が怖くて安心して駅を
利用できないという実態があります。
次に、聴覚
障害者の場合、インターホンの音声の声が聞こえなくて
利用ができませんし、モニターが設置されているところも少ないため、困ったことが起きても駅員を呼ぶことすらできません。無人駅では駅員がいないため、事故や災害などで電車が止まってしまったり遅延した際に何が起こっているのか
理解できず、不安を抱えたまま駅や電車を
利用するしかない
状況です。
資料二を御覧ください。大分県でも、二〇一七年八月にJR九州が特急が止まる駅を含む八駅の無人化を進めるという方針を出し、現時点で三駅が無人化してしまいました。これに対し、
障害者団体が抗議の声を上げて、七万人を超える無人化反対の署名がJR九州に
提出されました。しかし、JR九州は、スマートサポートステーション、SSSという遠隔操作で乗車を見守るシステムを
導入したらしいですが、このまま無人化が進み八駅全てが無人化されてしまうと確実に
障害者が自由に駅を
利用することができなくなってしまうので、大分県の
障害者団体がJR九州に対し訴訟提起を
検討しているという段階です。
このように、駅の無人化が進むことで様々な
障害者の人
たちが駅を
利用することができず、バリアが増え続けています。国が率先して
障害者の人権や合理的配慮を公共交通
事業者に対して指導していただきたいのですが、国交省はこういった相談に対してどのように
対応しているのでしょうか、お聞かせください。