○梅村聡君 でも、普通は、保健所に対してこれは疑似症患者ですかという聞き方は多分しないと思うんですよ。だって、電話を受けている方は医師でも誰でもない方が多いわけですから、その人に電話して、医師がですよ、電話して、この人は疑似症患者さんですかと聞くことは論理的にはなくて、届出主体は医師なんですから、それ、医師が判断するはずなんですね。保健所に電話するのにこの人が疑似症かどうかということを問い合わせる感覚って多分臨床医にはなくて、それは、これが疑似症の
可能性があるから電話しているわけでして、箸にも棒にも掛からへん人のことを電話して聞くはずはないわけなんですよ。
だから、何が申し上げたいかというと、もしこれが届出
対象になっているんだったら、PCR検査陽性の方の何倍もの数の方が多分今届出はされているんだと思います。でも、そういうことって多分統計的にないと思うんですね。
何でないのかなというふうに感じるかというと、この
資料二見ていただきますと、これ、実際の届出の紙なんですけれ
ども、これの十二番見ていただきたいと思うんですね。この十二番には、診断方法、PCR検査を含めて、どうやって陽性が出たかということを書く
前提になっているんですよ。だから、この検査をやらない疑似症の人が届出する場合は、ここ空欄で出てくることになると思うんですね。でも、そういう方が本当にそんなにたくさん届出されていたかどうかという話ですよ。
私は、現実的にはそういう届出を、じゃ、検査断られたけれ
ども疑似症患者だからこれ書いて届出しますよという医療機関がそんなに世の中にたくさんあったということは、私はなかったんじゃないかなというふうに思います。
これは、まあ言うたら穴の部分なんですよね。今回の
対応の中で、この間も
質問で申し上げたように、PCR検査で陽性の方は患者さんだと扱ってもらえるけれ
ども、陽性が出なかったり、あるいは検査までたどり着かなかった方は患者さんとしては扱ってもらえないと、そういうことが現実的に広がってきていたのが実は今回の指定感染症の一つの課題なんじゃないかなということは前から申し上げていました。
これ、もし解決しようと思えば、解決方法三つしかないんですね。三つしかない。
一つは、今おっしゃったように、もうこの解釈を押し通して、疑似症も全部届出をしてくださいと。これは一つの解決方法なんですが、季節性インフルエンザが蔓延してきて、季節性インフルエンザの検査も今防護がなかったらやれないという状況の中で、一千万人の方が生まれてくるわけですから、それ、疑似症というか、
新型コロナと新型インフルが見分けが付かない状態で疑似症を届け出てくださいと言ったら、これとんでもない数になってくるわけなんです。だから、これは現実的な方法じゃないんですね。
そうしたら、二番目の方法はどうするかというと、これ機械的な話ですけど、このウを消すことですよ。でも、このウを消してしまうと新型感染症の
意味が全くなくなってしまうので、これもできないと。
そうすると、三番目の方法は、じゃ、大きい声では言えないけど、まあこれマイク通しているので大きい声で言っているんですけど、今までと同じように、PCR検査が陽性の方だけを届出をすると。そこまでたどり着かなかった方は、疑似症とドクターは聞かなかったから、聞かなかったから疑似症じゃないんだという今のちょっとグレーな部分で押し通していくという、この三つしか方法がないと思うんですけれ
ども、私はどれもちょっと、この指定感染症というものの精神を考えるとちょっとどれも違うんじゃないかなというふうに思うんですが、これは考え方の整理として今述べさせていただきました。
そうしますと、ちょっとお聞きしたいんですけど、
厚生労働省としては、この
新型コロナウイルス感染症を指定感染症にし続けて運用することのメリットというのは、逆にどういうことを感じておられるでしょうか。