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足立信也君 私は、ただいま可決されました
年金制度の
機能強化のための
国民年金法等の一部を改正する
法律案に対し、自由民主党・国民の声、立憲・国民.新緑風会・社民、公明党及び日本維新の会の各派共同提案による
附帯決議案を提出いたします。
案文を朗読いたします。
年金制度の
機能強化のための
国民年金法等の一部を改正する
法律案に対する
附帯決議(案)
政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な
措置を講ずるべきである。
一、
被用者保険の適用については、被用者には
被用者保険を適用するとの
考え方に立ち、個人事業所に係る適用業種の見直しも含めた更なる
適用拡大に向け、
検討を促進すること。特に、短時間労働者に対する
被用者保険の適用に係る企業規模要件については、あくまで経過
措置として規定されたものであり、本来撤廃すべきものであることから、
被用者保険の
適用拡大により保険料負担が増加する中小企業に対する支援の拡充等を進めつつ、できる限り早期の撤廃に向け、速やかに
検討を開始すること。あわせて、労働時間要件及び賃金要件に係る
適用拡大についても
検討に着手し、早期に必要な
措置を講ずること。
二、
被用者保険適用の可能性があるにもかかわらず、適用されずに取り残されている労働者について適用の徹底を図るとともに、労働政策と連携を図りつつ、脱法的な
被用者保険の適用逃れを防止するための対策を講ずること。あわせて、
厚生年金保険の適用・徴収対策に係る日本
年金機構の組織体制の強化を進めること。
三、複数の雇用関係に基づき複数の事業所で勤務する者が、いずれの事業所においても単独では適用要件を満たさないが労働時間等を合算して適用要件を満たす場合について、更なる企業規模要件の見直しとあわせ、実務上の実行可能性も踏まえつつ、雇用保険の取扱い等も考慮し、該当する労働者にふさわしい保障の
在り方について
検討を行うこと。
四、次期
財政検証に向けて、新型
コロナウイルス感染症の拡大に伴う急速な景気後退や暮らし方、働き方の変化等による社会経済への長期的な影響等について、早期に
検討を開始し、その結果を踏まえた
財政検証を実施すること。加えて、次期
財政検証では、全
要素生産性上昇率や実質賃金
上昇率の長期の前提について足下の状況を踏まえ、現実的かつ多様な経済前提の下でその結果を示すとともに、モデル
年金世帯以外の多様な世帯の
所得代替率を試算するなど、より実態に即した検証を行うこと。
五、
前回の
財政検証後に行われたピアレビューで
指摘された確率的将来見通しと分布推計について、引き続きその実現について
指摘されている様々な課題を含めて
検討を行い、その
検討結果を公表すること。
六、
基礎年金制度の創設時において、
基礎年金が国民の老後
生活の基礎的
部分を保障するものとして設定された経緯も踏まえ、将来の
所得代替率の低下が見込まれる
基礎年金の
給付水準の引上げ等を図るため、国民
年金の加入期間を延長し、
老齢基礎年金額の算定の基礎となる年数の上限を四十五年とすることについて、
基礎年金国庫負担の増加分の財源確保策も含め、速やかに
検討を進めること。
七、
年金の繰下げ
受給については、
年金額が
増額される一方で、加給
年金や振替加算が支給されない場合があることや、社会保険料、
所得税、住民税等の負担が増加することについても、国民に分かりやすい形で周知徹底するとともに、国民が
年金額と社会保険料等の負担の変化を簡易にイメージできるような方策を
検討すること。
八、
年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)等が管理・運用する
年金積立金については、専ら被
保険者の利益のために、長期的な観点から、安全かつ効率的に行うことから、市場の動向等を踏まえた適切なリスク管理を行うこと。また、国民が理解しやすい情報開示に努めるとともに、会計
検査院から開示を求められていたストレステスト等の中長期のリスク情報については、GPIFの業務概況書に記載するなど少なくとも年一回は公表すること。なお、GPIFの経営
委員会の
委員構成など
年金積立金の管理運用に関して、諸外国の実態にも倣い、被
保険者の代表の意向が適切に反映されること等を念頭に置いた制度運営や見直しの
検討を行うこと。
九、自営業者等の
高齢期の経済基盤の充実を図るため、国民
年金基金や個人型確定拠出
年金(iDeCo)への加入の促進を図ること。また、個人型確定拠出
年金の加入者手数料等に係る透明性を確保するため、国民
年金基金連合会等に対し、手数料の算定根拠に関する情報公開を定期的に行うよう促すこと。
十、昭和六十一年の制度創設以降、共働き世帯が著しく増加しているといった時代の変化を踏まえ、国民
年金第三号被
保険者制度の
在り方について
検討を進めること。
十一、
年金生活者支援
給付金の
在り方については、低
所得である高齢者等の
生活状況、低
所得者対策の実施状況、
老齢基礎年金の額等を勘案し、総合的に
検討すること。
十二、今後、社会保障の支え手である現役世代の負担増が見込まれる中、特に子育て世代の負担軽減を図るため、
被用者保険には産前産後・育児休業期間の保険料の免除制度が設けられていることを踏まえ、財政負担の
在り方にも留意しつつ、国民
年金における本法附則第二条第四項の
検討と併せて国民健康保険の保険料における配慮の必要性や
在り方等についても
検討すること。
右決議する。
以上でございます。
何とぞ
委員各位の御賛同をお願い申し上げます。