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参考人(
尾身茂君) お答えいたします。
今恐らく
先生の御懸念というか御関心は、東京都の状況が、またいわゆる休業要請等々、
緊急事態宣言で出したようなことをする必要があるかどうかということだと私は
理解していますけど、実はその休業要請をまたするかどうかというような
行政的なことは、これは基本的には都知事の専権事項ですから、私が今ここであれすることはないんですけど、私が今、どういうふうに今この状況を
考えているかということは、個人としてあるいは一専門家として申し上げることはできると思うんですけど。
今の状況は、確かに
検査が夜の町なんかをして増えているという
実態がありますけど、実はクラスターの、夜の町だけじゃなくてクラスター
感染が増えているということは、もう
皆さん、みんな社会が知っている。そこが
一つの懸念材料でありますけど、実は私どもはもう
一つ同様に懸念していることが、東京からほかのところに拡散している孤発例というものが、もちろん
報告はされているんですけれども、今一番東京都に求められていることは、休業要請するかどうかという議論はもちろん大事ですけど、それと同時に、今の状況をどれだけ早く、この拡大をしつつあるところを抑えるかということですよね。
それで、今世の中は、基本的には経済社会の活動をしながら
感染拡大の防止を両立ということが今言われている中で、恐らく私は個人としては、
緊急事態宣言を出すかどうかというのは国の仕事でありますけど、いずれにしても、前と同じようなあれだけの強力な要請、それから
自粛ということを求めるということはなかなか実際的には
国民的なコンセンサスが得られないと思います。
そういう中で、じゃ、何がこれからやるべきかということは、実は、東京都も含めて国も我々専門家も、一体今何がやるべきかということについても全体的な戦略を練る必要があると思います。これは、一言で言えば、これは私の私見です、まだ専門家
会議でコンセンサスを、これは、今言ったように、社会経済と
感染拡大をどうやってバランスを取るかというフェーズに今入っているわけですよね。
緊急事態宣言を出す前は、ともかく
感染を拡大しない。明らかに違うフェーズになって、ここでやるべきことは、実はめり張りの付いた戦略的な方法だと思います。押しなべてやるということじゃなくて、戦略的で、どこかに集中してめり張りの付いたという戦略を早く全体でコンセンサスを得るということだと思います。
そういう中では、
幾つか、今日は全部はあれですけど、
幾つか時間の関係で。
一つは、クラスター
感染というのがもう既に起きていることは事実です。これについてしっかりと、昨日も議論がありましたけど、従業者なんかと一緒になって取り組んで、
検査をする方だけじゃなく、サーベイランスすることだけじゃなくて、
感染拡大をどう防止するかというのをもう少し更に、今もう既にやってくれていますけど、それをやる。それから、院内
感染とか必ず起きますから、ここについても早く探知できてそこで
感染を防止できるということ。
それから、実はもう
一つ、余り議論されていませんけれども、これを、
感染拡大を防止するためには、実は孤発例の
情報がもっと迅速に、もっと詳しく、ここが今、一生懸命頑張っているんですけど、求められるほどはできていないので、こういうところが実は戦略的にやる必要があるので、一生懸命頑張っていただいていますけど、もう一歩、
関係者、
政府、自治体等でやらないと、気が付いたときには
感染拡大、それこそオーバーシュートということで、今、我々、私個人としては、そういうふうになることを防ぐためにも、早く予知をするためには、今のデータでは不十分です。もっと早く今の
感染の状況を把握して
情報共有を広域でやるということが、一生懸命やっていますけれども、今、HER―SYSなんというのを国がやっていただいていい一歩が出てきていますが、その他いろんな課題がありますから、これを早急に今までの
努力に更に加えてやることが私は一番必要だと思っております。