○山田俊男君 自由民主党の山田俊男であります。
本日は、コロナ
対策等含めまして大変大事な
課題を抱えているときではありますが、私は、農村、さらにはJA等につきまして、大変大事な
課題であります
公正取引委員会との問題につきまして
質疑させていただきます。
本日は、いずれにしましても、こうして
質疑の機会をいただきました。感謝申し上げる次第であります。
テーマは、今象徴的に取り上げられております我が国有数のナスの産地でありますJA土佐あきに対する三年前の
公正取引委員会による排除措置命令と裁判についてであります。
お手元に資料をお配りしておりますので、手に取っていただきまして、少々環境といいますか
状況をお聞き取りいただけたらというふうに思います。
JA土佐あきは日本一のナスの産地であります。今はJA高知県に合併しております。事の発端は、四年前の
平成二十八年二月に、
規制改革推進
会議の
委員からJAに対する独占禁止法の適用について意見が出された。その後、僅か一か月もたたないうちに、
規制改革推進
会議、それと農業ワーキング・グループに
公正取引委員会が出席しまして、
情報提供窓口と農業分野タスクフォースの設置を提起したわけであります。そして、その直後に、
規制改革推進
会議の
委員の発言と、それと答申を受けて、
政府は、農協は組合員に
事業利用を強制してはならないとの法規定を新設したわけであります。
なお、その際の
規制改革推進
会議での発言
委員は、これはまあ私の思い過ごしもあるかもしれませんが、ともかく、よく知った方でありますが、農協批判をしてやまない人がメンバーとして入った上で発言されて、それがもう通ってしまうという
状況があったわけでありました。これはどうしてもなかなか我慢できないわけでありまして、それらのことが今回の私の
質疑にも相なったという
状況であります。
また、そのときの改正で、これは私が三十数年在籍しましたJA全国農協中央会が農協法から除外されて、一般社団法人へ組織転換することに相なってしまったわけでありました。これも何ともはや悔しい思いでありまして、これらのことごとが今日の私の
質疑の背景にあるということでもあります。
そして、このことがあった二週間後に、農業分野における独占禁止法違反行為に係る
情報提供窓口が設置され、JAに対する監視
対策が強化されたわけであります。さらに、その半年後に、
規制改革推進
会議は、農業者に農協
利用を強制することについては、独占禁止法の不公正な取引
方法であり、農協法の中でも禁止規定が明記されたことであるので、
公正取引委員会と農林水産省が連携を取って徹底して取り締まるべきであるというふうに表明されているわけであります。これを受けまして、四か月後に、
公正取引委員会は、JAへの出荷を行わない支部園芸部員に圧力を掛けたとして、JA土佐あきに対して排除措置命令を発したわけであります。
まさに小規模な農業者の協同の取組で、そして食料危機を克服し、戦後のこの混乱の中で大変な日本の復興を
地方から支えた農業協同組合の大切な機能や役割を否定する発言であり、動きであると言わざるを得ないわけであります。これは私にとりまして到底許せないことでありますから、今回この機会をいただいたということであります。
この時点で、協同組合による生産者の協同の取組に対する独占禁止法の適用除外措置が実質上外されてしまったのではないのかというふうに思います。これは、戦後のこの
経済、それから農村政策の流れの中では物すごい大きな私は転換であり、それから政策として間違っているんじゃないかという思いでいるわけであります。
以下、裁判の
状況を私は申し上げておきますが、地裁では、これ、裁判の
状況はお手元にお配りした資料の後半部分には出ておりますけれども、地裁では
平成三十一年三月に、不当に拘束する条件を付けた取引としてJA土佐あきの提訴を棄却、また、高裁では
令和元年十一月に、JA土佐あきの控訴をこれも棄却しておりまして、JA土佐あきが合併したJA高知県は、極めて遺憾、慎重に今後の対応を決定するとの見解を発表して、
令和元年十二月十日に最高裁へ上告しております。最高裁は十二月十八日にこれを受理している、こういう
状況にあります。
以上、申し上げましたが、極めて残念なのは、
規制改革推進
会議は、かねてから農協批判を繰り返す、まあこれも、山田、おまえの思い込みなのかというふうに言われるかもしれませんが、まさに、かねてから農協批判を繰り返す有識者
委員を参加させた
会議をこうして開いて、そして農協は、農協
利用を強制してはならないとする法規定を農協法改正に盛り込んで答申しました。そして、何とそれ、自由民主党が政権与党でございますが、それを実現してしまったわけであります。山田、おまえもちゃんと賛成の手を挙げたんだろうと言われりゃそのとおりでありますが、いっぱい
課題ありまして、ともかくそのことについて今本当に悔しい思いをしているところであります。
そして、それらを受けまして、一連のJA全中、私が職を、三十数年いた場所でありますが、JA全中の廃止を含む農協法改正、改正なんて言うともう本当に涙が出るんですが、改悪が進んでしまったわけであります。そして、
公正取引委員会は、新たに設置した農業分野タスクフォースを介して、JA土佐あきの支部園芸部に対するJA
利用の強制を
理由に排除措置命令を発したわけであります。
質問しないで申し訳ないんですが、衛藤
大臣、この後にお願いします。
今回の一連の措置は、明らかに、率直に言います、やり過ぎです。JAの協同の取組を潰すものとしか言いようがないわけであります。
公正取引委員会は、そして
政府は、自制心を持って地域の協同の取組を大切に育むべきなのであります。まさに、
規制改革推進
会議による答申、それに沿った形での
公正取引委員会によるJAへの排除措置命令は、今がチャンスとばかりに進められました。二年ないし三年の間に一気に進められたわけであります。
規制改革推進
会議のメンバーの
皆さんは優秀な
皆さんでありまして、それぞれメンツもあるかもしれませんが、しかし、大切な日本のふるさとにあって、協同の取組を生産、流通、販売の柱に据えて前進しようと努力しているJAや組合員農家の協同の取組を信頼し、大切にしていくということが私は何としても求められているんだというふうに思います。日本の大切なふるさとを壊してはならないんです、ならないんです。今、ここ本当、二年、三年の間に進んでいることがそういうことなんだということを、何としてでも
委員の
皆さんにも、それから多くの
皆さんにお伝えしたいというのが私の思いでもあります。
最後に、衛藤
大臣と杉本
委員長にも御意見を伺いたいというふうに思います。
衛藤
大臣、若干過激な主張を行ったというふうに自覚はしておりますが、
地方の
状況をよく御承知の衛藤
大臣だから申し上げることが私はできたというふうに思っております。どうぞ、多様な地域で土にまみれて生産に励む多くの農業者やJAの組合員の協同の取組と、自主的で意欲的な生産、販売の熱意を酌み取っていただいて、
公正取引委員会を始めとする各機関の取組を進めていただきたい、この思いでありますので、どうぞ一言御意見を賜っておきたいと、こんなふうに思います。