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榛葉賀津也君 ありがとうございます。
この背景にも米中の
関係が当然あるわけでございますが、私は、一九七一年の米
中国交正常化以降、まあ米中
関係はまた最悪だと思っています。まあ新たな冷戦という言葉も聞こえてくるんですけれども、米中はかつて四十年続いた米ソの冷戦のようなことにはならないと多くの識者が言っていました。様々な
海洋への
主導権争い、貿易、経済、ハイテク、情報通信、そういった
意味での緊張感は発生当然するけれども、イデオロギーを含んだ米ソの冷戦
行動のような構図にはならないんではないかと多くの識者が指摘をしていました。その理由として、ソ連と違って
中国は共産主義を拡散しようとはしていない、そしてもう
一つは、僅かな経済、貿易の
関係だった米ソと異なって米中の
経済関係は余りにも深く密接に関わっていますから、そんなことはならないんだろうと、緊張
関係あっても冷戦のようなことにはならないんだろうという意見もございましたが、この
コロナで少し様相が変わってきたように私は思えるんです。
アメリカでの
コロナで死者が十万人を超えました。これ、
ベトナム戦争の死者を超えるんですね。
ベトナム戦争は六万人ですから、はるかに
コロナで亡くなった方の方が多い。この怒りと不満が、あの国の人種差別に対する不満もそうですけれども、
中国に向かっているということを忘れてはならないと思います。
アメリカは、感染が
中国、この感染は、
中国がこの内容を隠蔽したせいでアメリカ人の命が奪われているんだ、その元凶は、言論の自由を封鎖をして
行動の自由を制限している
中国共産党の体質そのものにあると、
台湾を見ろ、
香港を見ろ、
中国とんでもないことやっているじゃないかと、こういう感情的かつイデオロギー的なあおりであります。
中国もまたこの新たなイデオロギー体質をあおっている軽佻がある。つまりは、この
コロナの
対応、
中国はしっかり封じ込めているけど欧米は全然封じ込めていないじゃないか、つまりは
民主主義の
制度よりも我々の共産体制の方がシステムとして優れているんだ、こんな声が聞こえるようになる、これ大変、私、厄介だと思っております。
我が国にとって、デカップリングが起こったり、この米中の新たな冷戦構造というのは百害あって一利なしだと思います。
大臣、この
状況を
外務大臣としてどのように御覧になっていますか。