○伊波洋一君 この国交省の様々な基準等の資料においては、この応力解放というのは、サンプリングの際の、サンプリングしたものに対して応力解放が起こるというふうに書かれているんです。原地盤について応力解放があって、それが調査には支障を来すなどということは、一言も、どこにも書いてございません。そういう
意味では全く科学的な根拠のない今の
大臣の答弁だったと思います。
国交省も聞いたことのないような、全く科学的な根拠もない
防衛省の思い込みの下でこのような大事なデータが排除される、これはおかしいんです。
防衛省自身、配付資料三枚目の平成二十九年一月の詳細施工
計画書では、工事の目的を「コアサンプル採取及び、CPTデータの取得」と書いていますし、平成二十九年二月の特記仕様書、第二回設計変更では、電気式静的コーン貫入試験、地盤工学基準、JGS1435―1995を三メートル、試料採取を目的とした機械ボーリング、オールコア直径七十ミリ程度を一メートル交互に行いと書いています。このJGS1435というのは、CPT試験の
実施方法を定めた地盤工学会の調査基準です。
可能性としては、
防衛省主張のとおり、原地盤の応力解放が生じてデータが不正確になり地盤工学会基準に反する調査になるか、それとも
防衛省の主張自身が間違いなのか、いずれかしかありません。
防衛省は、CPTデータは土層判別に用いると言いますが、同じCPT試験の報告書のうち、試験結果の解釈の項目では、三成分の測定値を用いる土層の判別方法としてロバートソンの土質性状分類チャートが採用されています。一般に、ロバートソンの土質性状分類チャートによる土層判別には、正確な絶対値としての三成分の測定を使用して、人為的誤差の入り込まない土質分類を可能にするものです。
ただいま
防衛大臣の答弁は、そのまさに三つの測定値が間違っていると言ったわけですけれども、しかし、
防衛省は、この土質調査の層分類を正しいものとして受け入れています。CPTの三成分が正確に測定されているということがCPTの報告書の大前提となっているんです。
そういう
意味で、第四回の技術検討会でも、今回取得したCPTデータを初期値として、そこからの土の強度
増加の過程をしっかりと評価した方がよいとの意見が
委員から出され、配付資料五枚目の第五回配付資料にも、動態観測の
実施前段階において検討すると明記されました。
CPTデータの三成分が不正確であり、絶対値として
意味のないものであれば、そもそも初期値として動態観測に使用できるという議論にはならないのではないですか。