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政府参考人(辺見聡君) お答え申し上げます。
秋野先生には、
沖縄で先生御自身、自ら遺骨収集に当たっていただくことに加えまして、遺骨収集に携わるボランティアの
方々を厚生労働省に御
案内いただき、そうした
方々の声を何度も届けていただいております。感謝申し上げるところでございます。
沖縄におきましては、戦後間もなく
地元住民の
方々により遺骨収集が行われ、
昭和三十一
年度以降は
政府による遺骨収集を実施しており、これまでに約十八万七千柱の御遺骨を収容しているところでございます。
沖縄での遺骨収集に係る
予算については、毎
年度事業の実施に必要な
予算を要求、確保してきているところでございます。例えば、
平成二十三
年度から
沖縄県への委託
事業として、戦没者遺骨収集情報センターで遺骨収集に係る情報を一元的に収集する
事業を実施しているところでございます。
また、先生からいただきました御
指摘なども踏まえまして、大
規模ごうも含めた遺骨収集の
経費も毎
年度必要額を要求、確保しているところでございます。例えば、
平成二十三
年度には、大
規模ごうの調査の拡充などを行い、前
年度の約二倍の
予算とさせていただいたところでございます。
また、御遺骨の身元特定のためのDNA鑑定につきましては
平成十五
年度から実施をしており、秋野先生の御
指摘やボランティアの
方々の御
意見なども踏まえながら、見直しを行いつつ実施してきているところでございます。身元特定のためのDNA鑑定につきましては、原則として、遺留品等から御遺族が推定できる場合に実施をしてきているところでございますけれども、
沖縄におきましては、これまで御遺族との血縁関係が認められた件数は五件という
状況でございます。
こうした中、例えばでございますけれども、身元特定に至らなかった事例ではございますが、
沖縄県西原幸地で収容されました御遺骨とともに発見された万年筆に歩兵第二二連隊第一一中隊を示す記載があったため、当初、この中隊の御遺族との間でDNA鑑定を実施していたところでございますけれども、西原幸地はこの連隊が最期を迎えられた
場所であるという御
指摘をいただきまして、DNA鑑定の御遺族への呼びかけの対象をこの中隊から連隊全体へと広げて実施するなど、秋野先生の御
指摘などを踏まえまして取り組んできているところでございます。
また、
沖縄におきましては、
平成二十八
年度から、県内の四地域を対象に、遺留品等がなくてもその御遺族に対しDNA鑑定を呼びかける試行的取組を開始し、二十九
年度からは対象を県内の十の地域に拡大して実施をしてきているところでございます。さらに、今
年度からはこの試行的取組を拡充し、
沖縄県が未焼骨で保管している御遺骨、約七百柱も対象とすることとしたところでございます。
沖縄でこれまでにDNA鑑定を実施した御遺族の数は、試行的取組を含めて約八百件でございます。遺留品等がない御遺骨についての試行的取組においては、残念ながらこれまでに御遺族との間で身元特定に至ったものはないところでございます。
このほか、DNA鑑定につきましては、検体採取の対象部位について、DNA鑑定人会議の
専門家の
意見を踏まえ、
平成二十九
年度以降、従来の歯に加えまして、四肢骨も対象としております。また、
令和元年十月からは、頭蓋骨の一部の側頭骨錐体部も新たに追加したところでございます。
また、先生からは収集作業の改善についての御
指摘もいただいており、御提案をいただきました御遺骨を保管する袋につきましては、今
年度から、遺骨収集
事業を委託する
沖縄県を通じて、遺骨の状態に応じて使用していただくものとして、密閉度の高いジッパー付きビニール袋をお申し出いただきましたボランティアの
方々に提供する、このような改善を行ってきたところでございます。
今後ともしっかりと取り組んでまいりたいと
思います。