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2020-06-19 第201回国会 参議院 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 閉会後第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    令和二年六月十九日(金曜日)    午後一時一分開会     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         小西 洋之君     理 事                 猪口 邦子君                 山田  宏君                 石橋 通宏君                 秋野 公造君     委 員                 有村 治子君                 石田 昌宏君                 今井絵理子君                 岩本 剛人君                 高橋はるみ君                 鶴保 庸介君                 三宅 伸吾君                 宮島 喜文君                 大塚 耕平君                 勝部 賢志君                 徳永 エリ君                 下野 六太君                 鈴木 宗男君                 紙  智子君                 伊波 洋一君    国務大臣        外務大臣     茂木 敏充君        国務大臣        (内閣特命担        当大臣沖縄及        び北方対策))  衛藤 晟一君    大臣政務官        防衛大臣政務官  渡辺 孝一君    事務局側        第一特別調査室        長        清野 和彦君    政府参考人        内閣官房内閣審        議官       川辺英一郎君        内閣府政策統括        官        宮地  毅君        内閣沖縄振興        局長       原  宏彰君        警察庁長官官房        審議官      太刀川浩一君        外務省大臣官房        審議官      宇山 秀樹君        外務省大臣官房        参事官      田村 政美君        外務省大臣官房        参事官      河津 邦彦君        外務省国際法局        長        岡野 正敬君        文部科学省大臣        官房審議官    矢野 和彦君        文部科学省総合        教育政策局社会        教育振興総括官  寺門 成真君        文化庁審議官   杉浦 久弘君        厚生労働省大臣        官房審議官    吉永 和生君        厚生労働省大臣        官房審議官    辺見  聡君        経済産業省商務        情報政策局商務        ・サービス政策        統括調整官    江崎 禎英君        国土交通省大臣        官房審議官    長井 俊彦君        防衛省大臣官房        施設監      高木 健司君        防衛省地方協力        局次長      青木 健至君        防衛装備庁プロ        ジェクト管理部        長        斉藤 和重君     ─────────────   本日の会議に付した案件政府参考人出席要求に関する件 ○沖縄及び北方問題に関しての対策樹立に関する  調査  (沖縄及び北方問題に関しての施策に関する件  )     ─────────────
  2. 小西洋之

    委員長小西洋之君) ただいまから沖縄及び北方問題に関する特別委員会を開会いたします。  政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  沖縄及び北方問題に関しての対策樹立に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官川辺英一郎君外十七名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 小西洋之

    委員長小西洋之君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  4. 小西洋之

    委員長小西洋之君) 沖縄及び北方問題に関しての対策樹立に関する調査のうち、沖縄及び北方問題に関しての施策に関する件を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  5. 有村治子

    有村治子君 自由民主党有村治子です。  本日、私がいただきました質問時間は合計十分でございます。御準備をいただきました答弁者皆様に御礼を申し上げ、明快で簡便な御答弁をいただきたいと御協力を仰ぎます。どうぞよろしくお願いいたします。  今年一月、東京霞が関領土主権展示館がオープンしました。私自身も一時間半掛けて全展示を拝見いたしましたが、我が国固有領土、北方領土、竹島、尖閣諸島に関して大変充実した資料がそろっています。日本領土を平和的に守るために、一人でも多くの方々にも関心を持っていただきたいと思います。  この領土主権館は、国内向けのいわゆる国威発揚の場ではなく、正々堂々と世界に開かれた歴史的事実、根拠のある主張を展開しています。コロナ禍が終息して入国が緩和された後には、ロシアや韓国や中国など、近隣諸国皆さん是非先入観を持たずに御覧になっていただきたいと思います。  この展示館は、新藤義孝衆議院議員の熱心な御提案もあって領土主権展示館という名称になっていますが、この主権という言葉は、用語としては知っていても、なかなか説明するには難しい概念かもしれません。  そこで伺います。主権とは何ぞや、主権意味するところを具体的に教えてください。
  6. 岡野正敬

    政府参考人岡野正敬君) 国際法上、主権とは、一般に、国家が自国領域において有する他の権力に従属することのない最高統治権のことをいうと解しております。
  7. 有村治子

    有村治子君 まさに外務省が今お答えいただいたように、他国からの干渉や支配を一切受けることなく自国領域を統治する権利であります。  政府におかれましては、主権概念、また独立国として主権を守り抜くことの価値をもっともっと国民皆さんにお伝えいただきたいと思います。立法府の一員として私自身努力をいたしてまいります。  現在、中国は、沖縄尖閣諸島沖での挑発行為をエスカレートしています。中国海警局による航行は連続六十日を超え、過去最長を更新しており、直近では、民間人である日本漁業者、漁船を追尾、威嚇したり、ロシアと連動する暴挙に出ています。日本を含め世界中が感染症に向き合っているこの苦しいときにおいても、新型コロナウイルス感染源である当の中国日本領海における緊張を意図的に高めている、この現実を直視して私たちは今後の日中関係を考えねばなりません。  力による現状変更をもくろむ中国によって海域の緊張も高まっている現在においても、日本政府は一貫して尖閣諸島には他国との間にそもそも領土問題は存在しないとの立場を堅持されています。当然のことだと思います。  領土問題は一切存在しないとする日本政府主張はどのような意味を持つのでしょうか、簡潔明快に御解説ください。
  8. 田村政美

    政府参考人田村政美君) お答えいたします。  まず、委員指摘のとおり、尖閣諸島をめぐり解決すべき領有権の問題は一切存在しておりません。尖閣諸島我が国固有領土であることは歴史的にも国際法上も疑いのないところであり、現に我が国はこれを有効に支配しているものでございます。  一九七〇年代以降、中国尖閣諸島について独自の主張を始めたことは承知しておりますが、これは国際法上の根拠がないものと考えております。したがって、我が国としては、尖閣諸島領有権について中国と交渉すべき問題はないと考えております。  日本政府は、一八九五年に尖閣諸島沖縄県に編入いたしました。これは、単に尖閣諸島が無人島であるだけでなく、清国を始め、どの国の支配も及ばないことを慎重に確認した上で行ったものであります。その後も、尖閣諸島中国支配されたことはなく、我が国としてこれを有効に支配しているものでございます。  外務省としましては、引き続き、尖閣諸島に対する対外発信、一層取り組んでいくとともに、我が国領土領海、領空、断固として守り抜くという決意の下、毅然かつ冷静に対処していく考えでございます。
  9. 有村治子

    有村治子君 無主の地、すなわち持ち主がいなかったことを慎重に確認して、日本国国際法にのっとって沖縄県に平和的に編入した、今御答弁のとおり、明治時代から現在に至るまで、尖閣諸島は紛れもなく日本領土であり続けています。敗戦後のアメリカによる沖縄統治時代も含め、尖閣諸島他国領土になったことは一度たりともありません。  この度、沖縄石垣市議会において、尖閣諸島の地名を石垣字登野城から石垣字登野城尖閣に地名変更する議案が審議をされます。六月議会です。従来から地番や字名があてがわれている尖閣諸島について、行政効率化のために地方自治法に基づいて行われる字名変更であります。沖縄県知事も、ちょうど一週間前の記者会見で、尖閣諸島字名変更することは市町村事務であり、石垣市で決定されることだと明言をされています。これは、今この瞬間も尖閣諸島を統治している沖縄県石垣市が地方自治としての施政権責任を持ち、日本国として主権を発揮しているという証左でもあります。  そこで、衛藤大臣に御尽力をいただきたい具体的な提案がございます。  石垣中山市長の確かなリーダーシップと石垣市民五万人の民意を代弁する市議会議員皆様が懸命に地方行政を進めておられます。その地方行政を尊ぶ立場の国政であればこそ、日本政府は常に、主権を行使している尖閣諸島のことを沖縄尖閣諸島あるいは石垣尖閣諸島と明確に粘り強く呼称し続けるべきだと私は考えます。日本政府が発行する尖閣諸島についての全ての啓発資料において、尖閣諸島沖縄県石垣市の所管だという事実、この自明の理をもっと明確に、一番最初に書いていただきたいと思います。  今日の配付資料御覧のとおり、現在は、内閣官房及び外務省パンフレットにおいても、尖閣諸島日本固有領土だと説明しながらも、沖縄県石垣市の島々であるという行政事実の記述がない、あるいは極めて小さい扱いになっています。尖閣諸島が何県の何市にあるのか明確にイメージされる国民皆様が一体何割おられるでしょうか。領土主権を保全する国民運動において、この視点、この事実の告知が足りません。  それが証拠に、昨日、尖閣諸島関連記事を国会図書館で検索すると、沖縄県という記述が全くない尖閣諸島記事は、この一年間でも、読売新聞で四十六件、朝日で三十一件、日経で三十件、毎日で二十四件ございます。尖閣諸島を報道する際、産経新聞は沖縄県石垣市を明記することを基本とされているようであります。  我が国固有領土、現に沖縄県石垣市が地方自治責任を負って確かな施政権を続けているのですから、日本政府是非、その主権行使を明確に発信する意図と領土を守り抜く意思を持って、沖縄県石垣市の尖閣諸島冒頭明言あるいは明示する習慣を付けていただきたいと思います。  最後に、領土担当大臣から、首相官邸を始め外務省国土交通省文部科学省を含む全ての省庁、全閣僚に働きかけていただきたいと考えますが、大臣の御所見、御決意をお伺いします。
  10. 衛藤晟一

    国務大臣衛藤晟一君) 尖閣諸島は歴史的にも国際法上も明らかに我が国固有領土であり、行政区域としては沖縄県及び石垣市に含まれております。  委員の御指摘は、各種の公的な記録等において沖縄県石垣尖閣諸島と、尖閣諸島沖縄県及び同県石垣市に属することを明示することで我が国主権を有するということを国民に周知すべきであるという趣旨内外共に明らかにするという趣旨で理解いたしました。非常に重要な御指摘をいただいたと考えています。私としても、領土問題も担当する大臣として、尖閣諸島の所在に言及するよう努めてまいりたいと思います。  そしてさらに、やはり領土問題が存在しないというからには、やっぱり実効支配をどう確立するかということであります。領土問題として存在していないのでありますけれども、しかし、ほかの国はそうでない動きをしているわけでございますから、いかにして、経済的にも、それからいろんな意味でもちゃんとした領土としての扱いをしていくということを、実質上の扱いをやっぱり我が国も確立していかなければいけないという具合に思っています。  以上です。
  11. 有村治子

    有村治子君 衛藤大臣茂木大臣、両大臣の御活躍を念じて、私、自由民主党有村治子質問を終わります。  ありがとうございました。
  12. 徳永エリ

    徳永エリ君 皆様、お疲れさまでございます。共同会派国民民主党徳永エリです。  まずは冒頭、一言申し上げたいと思います。  国会閉会直後、特別委員会が開かれて大臣所信に対する質疑が行われるというのは、異例中の異例であります。平成十三年の省庁改編後、初めてということでございます。こういったことが二度とないように、まずは政府与党に猛省を促したいと思います。  そして、通告いたしておりませんけれども、質問に入る前に、茂木大臣衛藤大臣にお伺いをいたします。  昨日、現職の国会議員である河井夫妻参議院選挙をめぐる買収容疑で逮捕されました。地元議員や首長、延べ九十六人に約二千五百七十万円を配って票の取りまとめを依頼したという公職選挙法違反であります。お金を配って票の取りまとめをする、こんなことはあってはならないことだと思います。  両大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
  13. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 河井克行議員、また、あんり議員公職選挙法違反容疑で逮捕されたと、捜査中の案件でありますので事案に対するコメントは控えたいと思いますが、いずれにしても、国会議員政治活動に対してきちんと国民に対して説明責任を果たしていくことが極めて重要だと考えております。
  14. 衛藤晟一

    国務大臣衛藤晟一君) 私も、今捜査中であり、逮捕されたところでございますので、コメントする立場にはありません。しかし、検察も、日本検察は私は公平だという具合に思っておりますので、やっぱりこういう事実について真摯に受け止めて、ちゃんと説明責任を果たさなければいけないでしょうし、また我々も、私も襟を正して、政治家として精進してまいりたいという具合に考えております。
  15. 徳永エリ

    徳永エリ君 是非とも今おっしゃったようにしていただきたいと思いますが、法をつかさどる立場の法務大臣が逮捕、これは異例の立件でありまして、安倍政権、自民党への影響は大変に大きいと思います。また、コロナ禍において一番大切なことは政治への信頼であります。この問題は、政府与党に対する影響だけではなくて、その政治政治家に対する国民の不信につながりかねない、大変に安倍政権責任は重たいということを申し上げておきたいと思います。  さて、本日、私は沖縄の抱えている課題についてお伺いをいたします。  まず、沖縄子供貧困対策について、皆さん資料をお配りさせていただきました。子供貧困に関する指標であります。  大臣、改めてこの指標御覧になって、そして沖縄子供貧困率ですが、全国平均一三・九%のところ、その約二・二倍の二九・九%という大変に深刻な状況であります。これに関して改めて御所見をお伺いしたいと思います。
  16. 衛藤晟一

    国務大臣衛藤晟一君) ただいま御指摘いただきましたように、沖縄における子供相対的貧困率が二九・九%、全国平均は一三・九%で、二・二倍であります。また、沖縄は一人当たりの県民所得全国で最下位、四十六番目の県と比べましても約九割程度であります。そして、母子世帯割合全国で最も高いという具合になっています。  このため、内閣沖縄担当では、平成二十八年度から沖縄子供貧困緊急対策事業として、食事提供学習支援などを受けながら子供が安心して過ごせる子供居場所の運営や、子供支援につなげるための調整等を行う支援員の配置を支援しています。  私も就任以来、特にこの子供貧困の問題について、沖縄にもこのコロナの前は何度もお伺いして、そして、そういう支援をいただいている施設も訪問しながら激励をしてまいってきたところでございます。  こうした事業実施によりまして、子供たちが必要な支援に着実につながり、貧困の連鎖を断ち切ることができるよう、今後とも沖縄県や市町村ともよく連携し、しっかりと対策を取っていくことが必要だという具合に考えております。
  17. 徳永エリ

    徳永エリ君 皆さんにお配りした指標ですけれども、少し古い数字もあるんですね。今御説明があったような、沖縄でも、そして国でも対策を打ってきたわけでありますけれども、具体的にどういう対策を取ってきて、そしてその成果はしっかり上がっているのか、あるいは、この指標数字改善されたものがあるのかどうか、その点についてもう一度お伺いします。
  18. 原宏彰

    政府参考人原宏彰君) お答えいたします。  沖縄県におきましては、沖縄県子どもの貧困対策計画に定められました四十一の指標につきまして、毎年度施策点検評価実施してございます。  指標改善につきましては様々な要因が関係しますので、国が行っております沖縄子供貧困緊急対策事業のみによる成果を測るのは難しい点がございますけれども、令和元年、二〇一九年度実施をいたしました点検評価では、先ほどの四十一の指標中、三十指標改善するなどの効果が出ているものと承知をしてございます。  例えば、県全体で見ますと、緊急事業を開始する前と比べまして、例えば小中学生期子供のいる世帯経済的に困窮している世帯割合が四・九ポイント改善いたしまして二五%になっているでありますとか、生活保護世帯に属する子供高校等中退率割合が一・三ポイント改善しているでありますとか、そういう状況でございます。  ただし、困窮する世帯は依然として高い割合でございます。子育て家庭生活実態は大変厳しい状況にあるということを踏まえまして、引き続き本事業などによる支援を行っていく必要があると思っております。
  19. 徳永エリ

    徳永エリ君 成果が少しずつ出てきて指標改善も見られているということでございますが、新型コロナウイルス感染症によって沖縄経済も相当傷んでいるのは御案内だと思います。親の休業や介護などによって、子供たち生活が更に困窮することが予想されます。  特に、沖縄は、先ほどの指標にもありますように、非正規職員従業員率が高くて、また非正規雇用の多い母子世帯割合が大変高くなっています。新型コロナウイルス感染症影響沖縄子供たち生活にどのように現れているのか、食事は取れているのか、学校に行けているのか、虐待はないのか、こういった調査を早急にしていただいて、継続的な支援だけではなくて、コロナ対策における支援、これもしっかりと沖縄と連携してやっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  20. 原宏彰

    政府参考人原宏彰君) お答えいたします。  直接的に、新型コロナウイルス感染症対応によります学校の休校や外出自粛等に伴いまして、子供家庭状況変化に対応いたしまして、適切な感染対策を行いながら必要な支援が継続されることが重要だと考えてございます。また、経済的な状況につきましては中長期に見ていかなければならないものと考えてございます。  今般の新型コロナウイルスへの感染防止のために、子供居場所では、通う場としては、一時的に休止していたところはございますけれども、直近状況を申し上げますと、県内九割以上の子供居場所が既に開所をしているという状況にございます。  また、休止している居場所におきましても、いわゆる三密を避けながら子供に対する支援を継続するために、例えば曜日で学年を分けるでありますとか、オンラインでの面接あるいは学習支援、それから弁当での食事提供等々の工夫をしている居場所もあるというふうに伺ってございます。現場におきまして、職員方々工夫をされながら貧困家庭子供への支援に取り組んでいただいているものと承知をしてございます。  今般、今御指摘いただいた中長期経済的影響等々につきましては、注視してまいりたいというふうに思ってございます。
  21. 徳永エリ

    徳永エリ君 子供貧困対策については、沖縄県では亡くなられた翁長前知事が大変に力を入れていた施策でもあります。そして、沖縄子供貧困率、大変に高い目標ですけれども、一〇%を目指しているということであります。今後も、もちろん沖縄県の努力もありますけれども、国の支援もしっかりとしていただきたいということを改めて申し上げたいと思います。  さて、沖縄経済をリードしてきた観光産業の先行きが不透明さを増しています。沖縄県では、平成三十年度の入域観光客数が一千万人を初めて超えました。また、二〇一九年の沖縄県内へのクルーズ船寄港回数は、那覇港が過去最高となる二百六十回を記録し、初めて全国で第一位になりました。令和年度後半も、新型コロナウイルス感染症影響はあったものの九百四十六万九千二百人、外国人観光客インバウンドはその約三割ということでありました。しかし、今年四月は昨年同月の八十五万千四百人の九〇・九%減の七万七千三百人、インバウンドはゼロであります。  また、沖縄県では、東京オリンピック・パラリンピックの開催によって、インバウンドの増加を見込んで新しいホテルや施設などを建設してきたことも皆さん案内だと思います。もう何十億、何百億とそういった投資をして、今年になってオープンしたものの全くお客さんが来ないという状況です。  これまでは大変に好調だった沖縄観光産業を今後どのように回復させていくのか、国はどのような支援をしていくのか、大臣にお伺いいたします。
  22. 衛藤晟一

    国務大臣衛藤晟一君) 委員指摘のとおり、沖縄観光産業新型コロナウイルス感染症による影響を大きく受けていると認識いたしております。  そうした状況の中で、沖縄県を対象とする緊急事態宣言が本年五月十五日に解除された後、二十一日には沖縄県による休業要請が解除され、さらに、本日からは国内渡航自粛要請全国的に解除されたものと承知いたしております。  内閣府としては、こうした動向を引き続き注視してまいりたいと思っております。そして、この沖縄経済を牽引する役割を果たしてきた観光産業反転攻勢に向けて、必要に応じて沖縄振興予算を活用しながら、しっかりと取り組んでまいりたいと思います。  こういう具合に解除になりましたので、国内動きが大きくなると、国内での動きとしては、沖縄に相当今から集中して行けるのではないのかと思っています。ですから、私どもとしては、沖縄県にも、やっぱりこのコロナ対策をやりながら、何かあったときに、もう一回、第二波が沖縄に来ないようにその受入れ体制もちゃんと準備していきながら、観光振興も一緒にやっていくということを同時に要請して、そしてこの地元取組をしっかり支援してまいらなければいけないという具合に考えております。
  23. 徳永エリ

    徳永エリ君 おきなわ彩発見といって、沖縄県内を旅行しましょうという、そういった取組が大変に人気があるというふうに伺っております。  こういうときだからこそ、県が自分で考えて必要な施策を打っていく、そのための一括交付金が必要だと思うんです。平成二十六年度一千七百五十九億円をピークとして、翌年以降六年間連続この一括交付金減額となっているわけでありますけれども、是非とも、来年度予算に向けて、概算要求、この一括交付金、今こそしっかりと増額しなければいけないと思いますけれども、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
  24. 衛藤晟一

    国務大臣衛藤晟一君) 一括交付金につきましては、継続事業費及び新規事業費の過去の推移を勘案して、国として必要と考える額を確保してきたところでございます。  引き続き、今年度の執行状況も注視しながら、必要な予算の獲得に努めてまいりたいという具合に考えております。
  25. 徳永エリ

    徳永エリ君 是非ともよろしくお願い申し上げます。  改正沖縄振興特別措置法に基づく、沖縄県が自主的な選択に基づいて事業実施できる沖縄振興一括交付金、これの減額がずっと続いているわけで、しっかりとここは増額していただきたいということを改めてお願いしておきたいと思います。  続きまして、沖縄県宮古島市保良地区の採石場、保良鉱山で陸上自衛隊の弾薬庫の建設が始まっていて、半年になります。  私も昨年の九月二十三日に現地を視察してまいりました。防衛省は詳細を明らかにしておりませんが、弾薬庫が完成すれば、地対艦・地対空ミサイルも保管される見通しです。総面積約十九ヘクタールの弾薬庫の施設から最も近い民家は、直線距離で約二百メートルです。施設から半径一キロの保良集落は世帯数百八十戸、三百十三人、七又の集落は世帯数三十戸、四十八人が暮らしていますが、万が一火災など事故が起きた際の住民への被害が大変に心配されます。もう見たら分かるんですよね、集落が近いことが。  そんな中、陸上自衛隊の教範で、地対艦誘導弾が火災に巻き込まれた際に爆発するまでの時間は二分、その際は一キロ以上の距離又は遮蔽の陰等に避難すると記載されていることが報道され、住民の不安が高まっております。  防衛省では、万が一事故や火災が発生した場合の住民の避難誘導など、具体的なマニュアルは作成しているんでしょうか、お伺いいたします。
  26. 高木健司

    政府参考人(高木健司君) お答えいたします。  宮古島への陸上自衛隊部隊配備に係る保良鉱山地区への火薬庫の設置、運用に当たりましては、火薬類取締法、自衛隊法等の関係法令に基づき、適切に行っております。  火薬庫の安全性に関しましては、火薬類を取り扱う隊員に対し安全管理に必要な教育が行われている、火薬庫の所在する地区として必要な警備体制が取られている、火薬庫は駐屯地等の中でも更に内柵で区画されたエリアにあって、火薬庫周辺を含めて火気厳禁である、また火薬庫の中の照明等の設備も火災の着火源となる電気火花等を防ぐものである、弾薬も含め全ての金属は常に静電気が除去されている、また外部からも避雷針で保護されているなど十分に対策をしており、火災が発生しないように設置、運用してまいります。  また、配備を予定しております地対空誘導弾、地対艦誘導弾は安全装置により電気を遮断し発射できない状態で、また、これらの誘導弾は頑強な箱の中に収納し、衝撃に耐え得る構造となっており、火薬庫内では、専用の器具で固定することで地震等の荷崩れによる落下を防止するなどの措置を講じます。  このような何重にもわたる安全措置により、意図しない火災や爆発が起こらないよう万全を期していく考えでございます。  火薬庫の設置に当たっては火薬類取締法の関係法令に基づき適切に対応しているところでございまして、この規定におきましては、万が一の際の避難誘導マニュアルの作成についての規定はないと承知しております。  いずれにいたしましても、火薬庫の設置に当たっては、火薬類取締法の関係法令に基づき適切に対応してまいります。
  27. 徳永エリ

    徳永エリ君 今の説明は防衛省の論理なんですよ。住民は不安なんですよ。心配しているんですよ。だから、住民の皆さんがしっかり安心を確保できるように誘導マニュアルなどを作るのが、それはもう防衛省の私は責務だと思いますよ。  また、宮古島は、弾薬庫が建設されることを反映した国民保護計画の策定は行っておらず、今後も策定をする予定はないと言っているんです。また、火災や事故などの緊急時の避難計画も策定されていません。住民の生命、財産を守るためにも、国民保護計画の改定だけではなく、自治体が避難計画を作り、定期的な避難訓練を行うことが必要だと私は思います。しかし、防衛省は、火薬の貯蔵量などを国防上の機密事項だとして明らかにしていません。  防衛省が自治体に情報を提供していないから宮古島市は国民保護計画の改定もできない、適切な避難計画を立てることもできないのではないでしょうか。御見解をお伺いいたします。
  28. 小西洋之

    委員長小西洋之君) どなたが答弁されますか。渡辺防衛大臣政務官
  29. 渡辺孝一

    大臣政務官(渡辺孝一君) 防衛省におきましては、火薬庫の設置に当たっては、火薬取締法等の関係法令に基づき必要な保安措置を確保しております。また、誘導弾等を火薬庫に保管するに当たっても、意図しない火災等の事故が発生しないよう、何重にもわたる安全措置により万全を期しているところでございます。  その上で、自衛隊の部隊の能力が推察される情報などの提供は困難であるものの、一般論として申し上げれば、宮古島市に対しまして必要に応じた可能な範囲で情報提供などの協力をしていく考えでございます。
  30. 徳永エリ

    徳永エリ君 最後の御答弁が重要なんですよ。必要な情報を提供していく考えとおっしゃいましたね。しっかり情報を提供していただいて、国民保護計画、避難計画や避難訓練、実施できるように協力していただきたいということをお願い申し上げておきたいと思います。  さて、イージス・アショアの配備中止について、今朝、野党で防衛省からヒアリングを行いました。改めて、ブースターの落下地点、これがコントロールできないという説明を受けました。このブースターの落下地点がコントロールできないという問題は、宮古島や石垣市の自衛隊駐屯地に配備する地対艦・地対空誘導弾、これでも生じる問題なのかということを事実確認をさせていただきました。  そうしましたところ、防衛省からは、中距離地対空誘導弾はブースターを保持しておりません、しかし、地対艦誘導弾はブースターを保持しておりますが、ブースターの落下をコントロールするわけではなく、ブースターの落下による危険範囲などを把握した上で、人員の退避を確認した後、射撃することを基本としており、有事における射撃については、市街地から隔離した場所において周囲の安全確保に努めた上で実施することになり、その射撃場所は状況に応じ選定することとなりますという御回答をいただきました。  この危険範囲、具体的にはどのくらいの範囲なのか、安全確保、具体的にどのようにして安全確保をするのか、御説明ください。
  31. 斉藤和重

    政府参考人(斉藤和重君) お答えいたします。  先生御指摘の地対艦誘導弾、一二式地対艦誘導弾と考えられますが、この装備品は車載型の装備品でございまして、自由に発射地点を選定することができます。その装備品でございますが、発射地点や射撃方向からブースターの落下範囲をあらかじめ予測することができます。  その上で、先ほど先生もおっしゃっておられましたが、有事における射撃においては、市街地を避け、周辺の安全確保に努めた上で、危険が周囲に及ばないような形でその範囲にブースターを落下させるという適切な措置を講じてまいります。したがいまして、安全等に影響を与えることはないよう実施しております。  なお、発射後にブースターを切り離す高度、距離、したがいましてその落下範囲ということにもなりますけれども、陸上自衛隊の運用要領が推察され、任務の遂行に支障を来すおそれがありますので、具体的な回答は差し控えさせていただきたいと思います。
  32. 徳永エリ

    徳永エリ君 全て防衛省の論理の説明なんですよね。そして、機微に触れることは説明ができないということです。  先ほどから申し上げておりますけれども、宮古島、石垣、自衛隊の基地があります。周辺住民の皆さんは大変に心配をしております。これから自衛隊の皆さんとその住民の方々、島の中である意味共生していくわけですから、やはり、連携とか協力とか、信頼関係を醸成していかなければ、うまくいくものもいかなくなると思うんですね。ですから、住民の方にはちゃんと必要な情報を提供していただいて、出せるだけの情報を出していただいて、住民説明会もきちんとしていただいて、防衛省の論理ではなくて、住民の皆さんが安心できるそういった体制、情勢、つくっていただきたい、そのことを改めて申し上げたいと思います。  時間になりましたので、質問を終わります。ありがとうございました。
  33. 勝部賢志

    ○勝部賢志君 立憲・国民.新緑風会の勝部賢志でございます。  今日は質問の機会をいただきました。時間が限られておりますので、早速北方領土問題について伺いたいと思います。  新型コロナウイルス影響があって、予定をしていた外交の日程などがことごとく延期になったり思うようにできなかったりという状況だというふうに思いますけれども、ここ最近の交渉といいましょうか、あるいはロシアとの会談などについてどのような状況にあったのか、まずお聞かせをいただきたいと思います。
  34. 宇山秀樹

    政府参考人(宇山秀樹君) お答えを申し上げます。  最近のロシアとの交渉、会談等についてでございますけれども、五月二十八日に日ロ外相電話会談が行われまして、茂木大臣とラブロフ外務大臣は、新型コロナウイルスへの対応について緊密に協力していくことで一致するとともに、平和条約交渉を始めとする日ロ間の協議や協力についてしっかり進めていくために事務レベルの協議を早期に開催することで一致をいたしました。  これを受けまして、六月四日に森外務審議官がモルグロフ・ロシア外務次官との間で電話協議を行いまして、平和条約締結問題を含む幅広い二国間関係について議論を行ったところでございます。
  35. 勝部賢志

    ○勝部賢志君 五月の二十八日に茂木大臣御本人がラブロフ外相と電話で会談をされたということであります。交渉の内容についてはなかなか言及すること難しいかもしれませんけれども、北方領土の考え方についてどのようなお話があったのか。  それから、昨今、ロシアでは憲法を変えて割譲を禁止するという、そういう条項を盛り込むという動きもあります。私どもとしては、そういう動きに大変危惧を覚えているところでありますけれども、そのことに対する大臣の認識、北方領土交渉に大きな影響があるのではないかと危惧されますが、どのように考えておられるのか、見解をお伺いしたいと思います。
  36. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) ラブロフ外相とは、昨年九月の国連総会での会談、十一月のG20、名古屋サミットの際の名古屋での会談、さらには昨年の年末、私がモスクワの方を訪問いたしまして八時間にわたります会談、そして今年の二月、ミュンヘン会議の際の会談に引き続きまして五回目ということになりましたが、コロナ影響もありまして今回は電話会談ということで、この数か月、私、四十か国以上の外相等と電話会談やっておりますが、四十五分というのは比較的長い時間でありまして、そこの中で、一つは両国の新型コロナの今の状況であったりとか簡易検査キットに関する日ロの協力等々について話した後、平和条約交渉、さらには四島での事業を始め、様々なことについて今後もしっかり進めていきたい、そのための事務レベルの協議を早急にスタートをさせたいということで、それを受けまして、六月の四日に森外審、さらにはモルグロフ次官の間での協議、そして五日には局長級の作業部会等々も行われているところでありまして、なかなか今物理的に会うという状況にはないんですが、ラブロフ大臣との間では、事態がある程度終息をしたら訪日をしてほしいという話をしておりまして、ラブロフ大臣の方もできるだけ早く日本の方に赴きたいという話でありますので、外交レベルで今後日程も調整して、お会いした際にはしっかりこの領土問題について議論したい、こんなふうに思っております。  それからもう一点、ロシア連邦の憲法改正に関する動向について今関心を持って注視をしているところでありまして、当初、四月の二十二日に投票が行われる予定でありましたが、新型コロナ影響によりまして七月の一日に延期をされたわけでありますが、御指摘の日ロの平和条約交渉と、この具体的な内容になりますと、まさにこれ交渉が現在進行形でありまして、その詳細、また様々な要因の影響につきましては、今後の交渉に影響が出るのでコメントは控えさせていただくところは御理解いただければと思っております。  その上で、平和条約交渉については、二〇一八年十一月のシンガポールでの日ロ首脳会談で、両首脳は一九五六年共同宣言を基礎として平和条約交渉を加速させることで合意をしておりまして、それ以降、首脳間、外相間、また次官級で交渉を重ねているところであります。  戦後七十年以上解決していない課題でありますから解決が困難なのは確かでありますが、領土問題を解決して平和条約を締結すると、こういった基本方針の下、粘り強く交渉に臨んでまいりたいと考えております。
  37. 勝部賢志

    ○勝部賢志君 大臣から細かく御説明をいただきましたけれども、八時間にわたる会談というように大変精力的にやっておられるので、私ども大変期待をしております。コロナもありましたのでなかなか、先ほど言ったように物理的に難しい状況あると思いますけれども、是非、運動を続けておられる地元方々も高齢化が進んでおりますので、その進展を皆さん期待をしておりますので、是非お願いをしたいというふうに思いますが。  今日は、少し基本的な話をさせていただきたいと思うんですけれども、北方領土問題に対する政府としての基本的なスタンスをお伺いをしたいというふうに思います。  まず、政府がこの間、公式で表明をしている考え方を、参考人からで結構でありますので、お示しいただきたいと思います。
  38. 宇山秀樹

    政府参考人(宇山秀樹君) お答え申し上げます。  北方領土我が国主権を有する島々であると、そして平和条約交渉の対象は四島の帰属の問題であるというのが日本政府の一貫した立場でございます。その上で、先ほど大臣からの答弁の繰り返しになりますけれども、この平和条約交渉に関しましては、二〇一八年十一月、シンガポールでの日ロ首脳会談で、両首脳が一九五六年日ソ共同宣言を基礎として平和条約交渉を加速させていくということで合意したわけでございまして、それ以降、首脳間、外相間、次官級等で交渉を重ねてきているところでございます。  引き続き、領土問題を解決して平和条約を締結するという基本方針の下で粘り強く交渉に取り組んでいくということでございます。
  39. 勝部賢志

    ○勝部賢志君 外務省が発行している「われらの北方領土」という冊子がございますね。そこには、「択捉島、国後島、色丹島及び歯舞群島から成る北方四島は、我が国民が父祖伝来の地として受け継いできたもので、いまだかつて一度も外国の領土となったことがない我が国固有領土です。」というふうに記載をされています。  交渉に当たっては、今政務官からお話があったとおりであるんですが、この基本姿勢は一貫して貫かれてきたものだというふうに思いますが、改めて確認をさせていただきたいと思います。  そこで、今日は文科省にもお越しをいただいているんですけれども、小中学校の教科書にこの北方領土についてどのような記載、教科書で指導する内容がどのように記載になっているかということをお聞きします。
  40. 矢野和彦

    政府参考人(矢野和彦君) お答え申し上げます。  北方領土につきましては、現在使用されている小学校の社会の全ての教科書、また、来年度から使用される新学習指導要領に基づく中学校社会の全ての教科書において記述されているところでございます。  教科書は学習指導要領に基づいて記述されるものでございまして、北方領土について小学校社会では、北方領土日本固有領土であること、ロシア連邦が不法に占拠しているということなどが記述されているところでございます。また、中学校の社会でも、北方領土日本固有領土であること、ロシア連邦が不法に占拠していることや、歴史においては、日本領土の画定について扱う中で、北方領土が一貫して我が国領土として国境設定がなされたことなどが記述されているところでございます。
  41. 勝部賢志

    ○勝部賢志君 その基になる指導要領の改訂が二〇一七年に行われていると思います。その前の記述と私は多少違いがあるのではないか、特に小学校ですね。その点も触れながら、どのような記載となっているのか、お聞きします。
  42. 矢野和彦

    政府参考人(矢野和彦君) 文部科学省におきましては、平成二十九年三月に小中学校の学習指導要領の改訂を行い、従前から北方領土について記載していた中学校社会科の地理的分野のみならず、小学校社会科及び中学校社会科の地理、歴史、公民の全分野に北方領土を明記いたしました。  具体的には、例えば新しい中学校の学習指導要領におきましては、北方領土我が国の固有の領土であることなど我が国領域をめぐる問題、これは地理的分野でございますが、また、我が国が北方領土に関し残されている問題の平和的な手段により解決に向けて努力していること、これを公民的な分野などについて取り上げることとしているところでございます。
  43. 勝部賢志

    ○勝部賢志君 小学校でもしっかりと、固有の領土であるということと不法に占拠されたということもしっかりと指導するようにというふうになっているんですね。  私は、北海道にいて、子供たちへの歴史的な事実をしっかり伝えることが極めて大事だということを道内の道民の皆さんと共有をしてきたところで、こういうふうにはっきりと明記されてきたことはある意味いいことだというふうに思っているんです。  そのことについて、茂木大臣、この基本的に我が国固有領土であるというような考え方についてどのような見解をお持ちか、そして運動を担当される衛藤大臣にも、是非、これ基本的な考え方でありますので、見解をお伺いしたいと思います。
  44. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 今日の委員会冒頭で、有村議員質問の中で主権とはと、こういう議論があったかと思うんですが、基本的には統治を確立することでありまして、またその事実を内外に示すこと、これが極めて重要なんだと考えておりまして、若干北方領土に関します歴史、勝部議員もよく御案内だと思いますが、申し上げますと、我が国は既に十七世紀の前半には国後島、そして当時の呼び方でエトホロ島、今の択捉島でありますが、等の地名を明記した地図などを編さんしまして、松前藩が徐々に統治を確立していったわけであります。また、当時の幕府は択捉島及びそれより南の島々に番所を置きましてこれらの島々を統治するなど、我が国国民が父祖伝来の地として受け継いできたと、そういった意味におきましても北方領土我が国主権を有する島々であると考えております。
  45. 衛藤晟一

    国務大臣衛藤晟一君) 北方領土は、ただいまの後の経過を申し上げますと、日露通好条約によって国の境界を定めました。そのときから歯舞、色丹、国後、択捉は我が国であります。得撫より南が、そして樺太が混住の地ということになったところでありまして、それから一八七五年の樺太千島交換条約が成立し、そしてまた日露戦争の後のポーツマス条約では、今度は樺太が半分また日本のものになるという具合にして領土問題を繰り返してきました。  戦後、そういう意味では、いろんな戦争の経過がありましたけど、一度も、日本が固有の領土として頑張ってきたこの歯舞、色丹、国後、択捉の領土の放棄を日本はしたことはないわけでございますけれども、昭和二十年の九月から当時のソビエト軍が入ってきて支配を始めたという形になっているのが今の状況でございます。  ですから、法的にいえば、国際法からいっても、我が国は、この主権を有する島々であるということは言えるし、また、ずっと一貫して固有の領土として北方領土を持ってきたということは言えると思います。法的な説明として、我々は、我が国主権を有する島々ということをずっと言い続けてきているわけでございます。そういう認識をいたしております。
  46. 勝部賢志

    ○勝部賢志君 今日は資料を配らせていただきました。時間が非常にタイトになってきましたので、恐縮ですが、ちょっと資料を見ていただきたいと思うんですけれども、外交青書、御案内のとおりで、一ページ目は二〇一六年の記載であります。  緑色で線引いてありますが、北方四島は日本に帰属するという、日本立場であるという基本姿勢をまず書いて、その下に、ちょっと線引いていませんが、「北方四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結するとの一貫した方針の下、」という記載があります。これが外交青書、基本的な我が国立場だと思いますが、これは二〇一六年から二〇一八年までこれ一貫して同じ冒頭にこの記載があるんです。ちょっと一七年、一八年抜けちゃっていますが、これ同じものであります。  ところが、二〇一九年を見ていただきたいと思いますが、次のページです、北方領土と平和条約締結交渉と。ここのところにはそういった記載、全くありません。  そして、次のページ。これは二〇二〇年の外交青書ですが、ここは多少表現が戻って、北方領土我が国主権を有する島々であると。先ほど主権という言葉がよく出てきましたけれど、そう書いてあり、後半は、「北方四島の帰属の問題を解決して」と書いてある。これはまた元のとおりに文章戻っています。  二〇一九年だけこういうふうに表現ちょっと違うんですね。このことは恐らく、私、この委員会今日質疑させていただくの初めてですけれども、この委員会でも取り上げられてきたのではないかと。つまり、しっかりとした基本姿勢が揺らいできているんじゃないでしょうかと、弱腰の外交ではないかというふうに指摘をされてきたことだと思います。  それと併せて、次のページは、歴代外務大臣の二月七日、北方領土全国大会での挨拶なんです。これは公的に発表されている挨拶文でありますけれども、平成二十九年の、これは岸田外務大臣ですね。黄色い線引いてありますが、北方領土我が国固有領土であると定型句のようにこうやって言葉が入っています。次のページは、河野外務大臣です、平成三十年。これも、北方領土我が国固有領土ですと途中で入っています。  そして、最後のページが今年の二月七日、まだコロナがそれほど感染がなかったので全国大会あったんですね。そこで大臣からの御挨拶がありました。私、中身を見させていただいて、実は、大変ある意味心のこもった御挨拶だなというふうに思っています。入場するときに元島民の方に頑張ってほしいという言葉をいただいて、その言葉をいただいて頑張るんだということも言っていただいたり、決められた、ある程度、原稿を読むような挨拶よりは私は大変いい挨拶だというふうに思っています。ところが、中身ずっと見ていくと、やはりその基本姿勢というのが明確に示されていないんですね。それが非常に私は残念でなりません。  そして、なぜそういうことを言うかというと、ここに参加をしていた北海道から来た運動をする方々あるいは元島民の皆さんから、同じような、先ほど言ったような外交青書の表現と同じように、やっぱりこれ、何かロシアに対して遠慮しているのではないだろうかと、我が国領土であるということを主張すると何か交渉に影響あるんでしょうかというような声を聞きました。  決してそういうことはないと思いますし、私は、むしろしっかりとそういうことは、先ほど大臣、内外にしっかりとそれは表明していく必要があると。先ほど申し上げた教科書にも、子供のうちからしっかりとそのことは歴史的な事実として教えていくことが必要だという話もさせていただいたところであります。  ちょっと時間が来ましたので、一つは大臣に、まあ挨拶ですからその時々それぞれ言い方というのもあるのかもしれませんけれども、私は、いろんな場面で今言ったような基本姿勢を是非前面に出して、長々と語る必要はありませんけれども、一言でも、やはり一緒に頑張っているみんなが勇気付けられるような言葉が必要ではないかと思いますので、茂木大臣にそのことと、それから衛藤大臣には、やはり運動がだんだん衰退しているのではないかという懸念がありますので、そういう意味で、運動が更に高まる意味でも、基本姿勢などに含めて是非私はそういう発言していただきたいと思いますが、見解を伺います。
  47. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 大変重要な御指摘だと思っております。  先生の言葉も胸に刻みながら、また、元島民の皆さんや関係者の皆さんの期待に応えられるように全力でこれからも交渉に当たっていきたいと思っております。
  48. 衛藤晟一

    国務大臣衛藤晟一君) 我が国主権を有する島々であるということは変わりありません。そして、政府の法的な立場も確定いたしております。  北方担当の大臣としては、一人でも多くの国民にこの問題に対する理解と関心を持っていただきまして、国民世論を盛り上げて外交交渉を後押しすることが重要だというふうに思っております。そして、若者を始めとする国民世論の啓発の強化、交流事業の円滑な実施、元島民の方々の援護等に積極的に取り組み、外交交渉をしっかりと後押ししてまいりたいと思っております。
  49. 勝部賢志

    ○勝部賢志君 あともう幾つか用意をしていたんですけど、ちょっと時間になりましたのでそれはまた別な機会にと思っているんですけれども、私は、今の基本姿勢と加えて、北方領土がなぜ日本領土なのかというその、何というんでしょうか、根拠国民全体が明らかにしていくことって大事だと思うんですね、ロシアは私たちの国だと言い始めていますので。そういったことについて、改めてまた次の機会に議論させていただきます。  どうもありがとうございました。
  50. 秋野公造

    ○秋野公造君 公明党の秋野公造でございます。お役に立てるように質疑をしたいと思います。  私は、沖縄で遺骨収容のお手伝いを続けております。一日も早く御遺族の下に御遺骨をお返ししたい、そんな思いから、収容した御遺骨は沖縄でDNA鑑定まで完結させるべきではないか、そんな私たちの思いを厚生労働省は聞き届けてくださり、遺骨収容、DNA抽出のための検体採取、DNA抽出、DNA分析、こういったものを沖縄で行うということを先般、稲津副大臣の御答弁で確定をしていただいたところであります。  今、沖縄には七百柱の仮安置された御遺骨などもあります。この後の手続につきまして、まずはお伺いをしたいと思います。
  51. 辺見聡

    政府参考人(辺見聡君) 現在、厚生労働省におきましては、沖縄県が保管しております約七百柱の戦没者の御遺骨につきまして、DNA鑑定のための検体の対象部位を確認をする作業に取り組んでいるところでございます。この確認作業に当たりましては、秋野先生からも御指摘をいただきましたとおり、適切な専門家に携わっていただくことが重要と考えており、当初の予定では四月十六日に沖縄の遺骨収容に関わっていただいている専門家を現地に派遣する予定でございましたが、コロナウイルスの感染状況を踏まえまして、一旦延期をすることとしておったところでございます。  その後、五月二十五日に緊急事態宣言が解除され、今般、県境をまたいだ移動も全国で解除されたところであり、来週六月二十五日に、当初予定しておりました専門家の先生にも御参画をいただきまして、現地で、DNA鑑定のための検体の対象部位が適切に選ばれているかどうか、こういった作業を行うことを予定をしているところでございます。  御遺族の思いにも応えるべく、感染症の予防にも留意する必要がありますが、着実に進めてまいりたいと考えているところでございます。
  52. 秋野公造

    ○秋野公造君 初めてのことになります。ありがとうございます。  戦没者の御遺族あるいは遺骨収容に関わる方々からしますと、御遺骨のDNA鑑定がどういう状態で行われているのか、今どんな状況なのかということをきっちり理解をしていただく、それが分かるということが重要でありますが、例えば沖縄総合事務局の一角をそういった場所として活用することはできないか、確認をしたいと思います。
  53. 原宏彰

    政府参考人原宏彰君) お答えいたします。  沖縄県内で収集された戦没者の御遺骨については、そのDNA鑑定を沖縄県内で行い御遺族等にお返しすることができることが、県民のお気持ちにも沿い、望ましいと考えております。沖縄県内でのDNA鑑定につきましては、その実現に向けまして、先ほど御答弁ありましたとおり、現在、厚生労働省において検討が進められていると承知をしてございます。  そのため、お尋ねの場所について、議員からは沖縄総合事務局に言及をいただき、具体的な御提案として受け止めましたが、内閣府としては、厚生労働省から、使う部屋の仕様などを検討の結果、依頼がなされた場合など、必要に応じて対応してまいりたいと考えております。
  54. 秋野公造

    ○秋野公造君 どうぞよろしくお願いをしたいと思います。  沖縄には、沖縄型神経原性筋萎縮症という沖縄だけの筋力が落ちていく難病があります。当委員会委員派遣におきましても、石井委員長の時代だったと思いますが、その病気と闘う我如古盛健先生の意見を聴取するとともに、三線奏者のプロでありますので、その三線も聴いていただいたところであります。  難病については、やはり患者の症例数が少ないということで、患者さんのニーズをよく把握をした調査研究をしっかり行っていただいた上で、その上で医薬品や医療機器の開発、こういった実臨床をしっかりとつないで一気通貫で進めていくということが非常に重要でありまして、厚生労働省の調査研究、それからAMED、これがしっかり連携すべきと考えます。  HALという、ロボットスーツとして皆さん御存じかもしれませんが、私の三線の師匠でもあります我如古先生がHALを装着したときに、HALを着けているときに筋力の増強が認められるというのは想定の範囲だったわけでありますが、外した後にその筋力が維持をされたという現象が初めて確認をされました。こういったことこそしっかり研究を進めていただいて、もしかしたら治らないかもしれないけれども、筋力を維持することができるならば生活の質は大きく改善をすることになります。  こういった連携がいいモデルになるのではないかと私は考えますが、厚労省の御見解、お伺いをしたいと思います。
  55. 吉永和生

    政府参考人(吉永和生君) お答え申し上げます。  難病につきましては、委員指摘のとおり、治療法が確立しておらず、長期療養が必要であるにもかかわらず、希少性が高いため、医薬品、医療機器等の開発が進みにくい側面がございます。このため、患者の方々等の実態を踏まえた研究開発を進めることが重要であると考えてございます。  本年三月に改訂されました健康・医療戦略におきましては、秋野委員を始めといたしまして与党での様々な御意見を、御議論を踏まえまして、難病患者の実態とニーズを十分に把握することが大切であり、厚生労働科学研究費における難病の実態把握等の研究からAMEDにおける実用化を目指した研究まで切れ目ない研究開発が行われるよう、厚生労働省とAMEDは相互に連携して対応することとされたところでございます。  こうした中で、厚生労働省といたしましては、厚生労働科学研究において、難病の実態把握や診断基準の作成等、施策の科学的な推進に資する調査研究につきまして、遺伝子解析等の基礎的な研究を含めまして着実に成果を上げていくことが重要であると考えてございます。また、AMEDと連携し、実用化を目指した基礎的な研究から診断法、医薬品等の研究開発に至るまで切れ目なく実臨床につながる研究開発を進めていくことが重要であると考えてございます。今後ともこうした取組を進めていきたいと考えているところでございます。  また、御指摘のHALに関する研究につきましては、平成二十九年度の厚生労働科学特別研究事業におきます研究によりまして、沖縄性神経原性筋萎縮症の一部の患者におきまして、握力が増強する、あるいは三線の演奏がしやすくするなど、生活の質の向上につながっているとの報告がなされているところでございます。このように、沖縄型神経原性筋萎縮症の患者の方に対しましてHALが有用である可能性が示されるなどの一定の成果がございます。現在も厚生労働科学研究の枠組みにおきまして追加データの蓄積、解析を行う研究を進めているところでございます。  今後、実用化を目指した研究につなげるためには、まずは現在の研究の中で引き続き成果を上げていただきつつ、AMED等における研究の公募に申請していただくことが必要になるものと考えるところでございます。
  56. 秋野公造

    ○秋野公造君 どうぞ引き続きよろしくお願いをしたいと思います。  経済産業省の音頭で、アルコールの代替品、代替消毒法の検証が行われました。非常にこれは画期的な取組でありまして、国民に対して適切な正確な情報提供を行うことができたということで、本当に私からも感謝の言葉を申し上げたいと思います。  一方で、アルコールと、恐らくこれ次亜塩素酸ナトリウムの代用品を調べるべきではなかったのかという思いがありまして、すなわち今回の代用品の検討が酸性の消毒液に偏っているということであります。  例えばでありますけれども、ホタテとか、あるいは私自身沖縄のアカガイみたいな、こういった貝殻焼成カルシウム、これが非常に強アルカリ性が期待をされておりまして、次亜塩素酸ナトリウムの代用として活用できるのではないかということも考えているわけでありますが、酸性だけではなくアルカリ性のものについても調べていただきたいとお願いをしたいわけでありますが、御見解お伺いをしたいと思います。
  57. 江崎禎英

    政府参考人(江崎禎英君) お答えを申し上げます。  ただいま御指摘いただきました検証事業でございますけれども、これ元々は、新型コロナウイルス感染拡大によりまして、消毒用エタノール、これが大幅に不足する可能性があることを踏まえまして、家庭や職場、とりわけ店舗などにおけますアルコール以外の選択肢を増やす、アルコールにつきましてはできる限り医療機関に回したいという、こういう思いから、独立行政法人製品評価技術基盤機構、NITEと呼んでおりますけれども、ここにおきまして候補となる物質の有効性評価をしたものでございます。  したがいまして、本事業の目的でございますけれども、アルコール消毒の代替となるものを応急措置的に探すということでございますので、まずは十分な供給量があること、そして一般家庭や職場でも容易に扱えるものであるということ、そして、何といいましても新型コロナウイルスそのものへの高い消毒効果が期待されるという、これを考慮しまして、まずは台所洗剤などの主成分であります界面活性剤を始めとする候補物質について有識者の検討委員会に諮った上で選定、評価してきたものでございます。  既に高い効果が含まれる代替物質につきまして順次公表を行っておりまして、今月末に予定される最終報告をもってNITEにおける検証事業は終了する予定でございます。しかしながら、本日御指摘いただきましたその点につきまして、まずは有識者会議における検討委員会にお伝えいたしますとともに、今後の対応につきましては、関係機関とも連携しつつ、経済産業省として前向きに検討してまいりたいと考えております。
  58. 秋野公造

    ○秋野公造君 どうぞよろしくお願いします。国民が期待をしておりますので、改めてよろしくお願いをしたいと思います。  平成二十七年に与那国町の皆さんと一緒に与那国海底遺跡に潜りました。すばらしい景色に感動をいたしました。今日資料お配りをさせていただいておりますが、与那国海底遺跡と呼ばれるところ、ここは人工のものなのか自然のものなのか非常に議論が激しく行われているところ、長く行われているところでありまして、当時も決着が付いていなかったということでありますが、大切にしなくてはならないということは皆さんの一致するところでありまして、これが人工のものか天然のものか、それが決着が付かないこともミステリーの一つとして大切な価値になるのではないかと、様々なお話もさせていただきながら、この記事のとおりでありますが、天然記念物を目指そうではないかということで落ち着いたところであります。  その後、与那国町を中心に様々な文化的な価値付けといったものも検討したということを聞いておりますが、また平成二十八年の三月、令和元年の五月、御質問をさせていただいたところでありますけれども、その後の進捗、お伺いをしたいと思います。
  59. 杉浦久弘

    政府参考人(杉浦久弘君) お答え申し上げます。  委員指摘のとおり、本件につきましては、秋野委員による現地視察やその際の意見交換の結果に基づきまして、平成二十八年三月と令和元年の九月に本特別委員会で御質問をいただいたところでございますけれども、その後、与那国島の天然記念物に係る調査は、文化庁の補助を受けまして、与那国町により平成二十九年度から令和元年までの三か年で実施され、令和二年三月に同町において報告書が取りまとめられたところでございます。  この報告書によれば、与那国島の学術的な価値といたしまして、岩石の風化や波による浸食等により特徴的な地形が形成されていること、正断層と言われる断層が地表に露出していること、生物の生活の痕跡を示す化石が数多く見られることなどが挙げられておりまして、中でも二つの場所、すなわちサンニヌ台と久部良フリシの二つの場所ではこれらが特に良好な状態で確認できるため、学術的な価値が高く、適切に保護する必要がある旨指摘されているところでございます。  この報告書を踏まえ、今後、与那国町において、文化財としての価値などについての学術的な議論もなされた上で、今後の取扱いや適切な保存活用の方策が検討されるものと承知しております。さらに、その上で、与那国町から意見具申が出されれば、文化庁におきまして文化審議会における学術的な議論を踏まえて適切に対応してまいりたいと、このように考えております。
  60. 秋野公造

    ○秋野公造君 どうぞよろしくお願いをしたいと思います。外国の方も多く訪れておりますので、一日も早く文化的な価値付けを付けていただけますようにお願いをします。  首里城の再建も待ち望まれております。  琉球の伝統的な建材であるチャーギとオキナワウラジロガシも調達をするということで聞いておりますけれども、琉球王国時代の首里城に使われていた畳につきましても、かつて琉球畳は七島イと呼ばれるものを原料として作っておりました。これは今、大分県の国東半島に僅かに残る形でありますけれども、この七島イを使った畳は、実は前回の東京オリンピックの柔道競技でも正式に使われていたものでもあります。  改めて、この原材料である七島イを用いた畳も、文化財の復元、伝統技術の活用と検証の観点から復元設計に反映させるべきではないかと考えますが、これは国交省の御見解、お伺いしたいと思います。
  61. 長井俊彦

    政府参考人(長井俊彦君) お答えいたします。  今回の首里城の復元につきましては、詳細な時代考証に基づく前回復元時の基本的な考え方を踏襲しつつ、前回復元後に確認された資料等を反映させていくことにしております。前回の復元では、琉球王国時代の歴史資料等を根拠として、正殿におきまして、国王の玉座であります御差床などに畳を使用していたところであります。  御指摘の点につきましては、まずは往時の御差床の畳の材料がどのようなものであったのかということを示す資料につきまして確認をさせていただきまして、有識者の御意見も伺いながら、御指摘の七島イを使用する可能性も含めまして検討をしてまいりたいと考えております。
  62. 秋野公造

    ○秋野公造君 琉球畳は大切な琉球文化の一つでありますので、よろしく願いをしたいと思います。  そうなってきますと、例えば首里城の復元と併せて御茶屋御殿などを一体的に復元をしようと、こういったような機運も盛り上がってきているところであります。  私は、長崎の原爆遺跡、城山小学校が指定文化財になりましたので、一日も早くこれも世界的な価値付けをということで、世界遺産の暫定一覧表の見直しについて求めてきたところでありますが、改めて、この世界遺産暫定一覧表の見直しについて文化庁の御見解、お伺いしたいと思います。
  63. 杉浦久弘

    政府参考人(杉浦久弘君) お答え申し上げます。  ユネスコの世界遺産一覧表に記載されるためには、まずは我が国の世界遺産暫定一覧表に記載されることが必要でありまして、当該暫定一覧表には現在のところまだ六件の文化遺産が記載されているところでございます。世界遺産の審査が文化遺産と自然遺産を合わせて年一件に限られ、ICOMOSによる審査が厳格化している現状に鑑みまして、まずはこれらの世界遺産登録を着実に進めることが重要であると考えているところであります。  その上で、暫定一覧表の見直しにつきましては現時点では未定ではございますが、これについては様々な御意見をいただいておりまして、本日、本委員会でも委員から再度御意見をいただきました。  今後、有識者等、関係の方々の御意見を伺いながら、文化審議会における専門的な視点からの検討が行われるよう、文化庁として文化審議会の委員方々に適切に相談してまいりたい、このように考えております。
  64. 秋野公造

    ○秋野公造君 どうぞ一日も早くお願いをしたいと思います。  沖縄でも、これから社会資本ストックの維持管理、更新、こういったことを適切に実施されていくということになります。この際、この施設の定期点検の現場で、業務を実施する能力がなかなか証明されない方が配置をされているという課題があります。  公共工事の品質確保の促進に関する法律、この基本方針の中には、この点検業務を含む調査、設計は、しっかりこの能力、技術者の経験又は有する資格を適切に審査、評価することが必要であるとされておりまして、特にこの公共施設の老朽化対策は、予防保全を行って、しっかりと耐用時期を明確にした計画を策定することで財政負担の軽減措置にもつながるということであります。  そのためには、例えばインフラ調査士といった国交大臣登録資格などの質の高い点検が必要と考えますが、沖縄においてもこういった方々を活用していただきたい。これは大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
  65. 衛藤晟一

    国務大臣衛藤晟一君) 公共施設を適切に管理しまして老朽化対策を計画的に行うためには、御指摘のように、知見を有する者による質の高い点検を行うことが有益と認識しております。  沖縄県においても、公共施設等管理適正化計画を策定し、公共施設マネジメントの取組を推進するとともに、共通仕様書に御指摘の資格の活用を明記するなど、点検の精度向上の取組を行っているものと承知しております。  内閣府としても、今後も必要に応じて助言を行うなど、公共施設の老朽化対策の推進に協力してまいりたいと考えております。
  66. 秋野公造

    ○秋野公造君 どうぞよろしくお願いします。  終わります。
  67. 鈴木宗男

    ○鈴木宗男君 杉浦審議官、来ておられますか。最初に、今、秋野先生が与那国のこの海底遺跡の水中文化のお話しされましたけど、私も今質問聞いていて、これは是非ともやってやるべきだと、こう思いますので、私からもこれ、併せて文化庁にお願いしておきたいと、こう思っております。  そして、これも私と秋野委員とのこれは共同作業みたいなものですけれども、根室―国後のこの海底ケーブルの揚陸施設の文化財登録の関係について、その進捗状況どうなっているか、この点お尋ねをいたします。
  68. 杉浦久弘

    政府参考人(杉浦久弘君) ありがとうございます。お答え申し上げます。  お尋ねの海底ケーブル陸揚げ施設につきましては、地元自治体かつ所有者である根室市が国の登録有形文化財としての登録に向けた検討を進めているところでございます。  また、根室市からは文化庁の文化財調査官による現地調査が要望されているところでございますけれども、その後の新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響によりまして、残念ながら、いまだ現地への出張ができないままとなっているところでございます。  文化庁としては、所有者である根室市からの御希望や準備状況、それからこの新型コロナウイルス感染症等の状況等なども踏まえながら、今後の対応について市としっかり検討してまいりたいと、このように考えておるところでございます。
  69. 鈴木宗男

    ○鈴木宗男君 具体的に、例えばいつ現地視察するだとか、そういう予定はあるんでしょうか。
  70. 杉浦久弘

    政府参考人(杉浦久弘君) お答え申し上げます。  私どもお聞きしているのは、根室市からは、夏頃、八月頃例えばという形で調査を希望されておりまして、ちょっとこれは新型コロナウイルス感染症影響を見なければなりませんが、その頃ぐらいまでには何とか行けるようになりたいなということで、いずれにせよ、今後具体的な日程を市とよく調整してまいりたいと、このように考えているところでございます。
  71. 鈴木宗男

    ○鈴木宗男君 杉浦審議官ですね、是非とも早めに、北海道はもうコロナも落ち着いてきていますから。あと、そんなに密になる話じゃありませんから。恐らく視察に行くのは一人か二人ですから。しかも、だだっ広いところで、人のいるところじゃないですから。  これは、是非とも、八月なら八月に行っていただけるという理解でよろしいですか。
  72. 杉浦久弘

    政府参考人(杉浦久弘君) そういうふうに願っておりますし、頑張りたいと思います。
  73. 鈴木宗男

    ○鈴木宗男君 くれぐれもよろしくお願いいたします。  茂木大臣ですね、これも、もう一にコロナの終息にかかっていると、こう思うんですけど、やっぱり元島民の皆さん方、もう、今年墓参できるんだろうか、いや、ビザなしあるんだろうか。元島民の皆さん、もう八十五歳です、平均年齢。人生限られていますね。そういった意味では、とにかく私は墓参だけでもこれ早くやってあげたい。防衛外務委員会でも私は飛行機の活用等話をしたんですが、茂木大臣から前向きの答弁もいただきましたけど、ここはまあコロナの関係もある、今ロシア状況もそれなりに大変だということは分かるんですけれども、何としてでも取っかかりだけは付けていただきたいと思いますけれども、今現状ではどうなっているんでしょうか。
  74. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 先ほど申し上げたんですが、五月二十八日にラブロフ外相と会談を行った際に、四島交流事業、これどう今後進めていくかと、そういったことも含めてしっかり進めていくために事務レベルの協議を早急にやろうということになりまして、それを受けて六月の四日に次官級の電話協議行ったところでありまして、墓参でありますが、御案内のとおり、高齢になられた元島民の方々を始めとする参加者の健康と安全、確保することが極めて重要だと考えておりまして、船ということになりますとやっぱり時間も掛かりますし三密にもなりかねないということでありますから、航空機墓参を含めて四島交流事業、可能な限り早急に、早期に開始をしたい、そんなふうに考えております。
  75. 鈴木宗男

    ○鈴木宗男君 今、茂木大臣が、やっぱり船だと三密になるという、私もそう思います。しかも、今の「えとぴりか」では限界があると思いますね、人の収容等についてもですね。そういった意味でも、是非ともこれ飛行機の活用ということを考えてもらいたいし、あと、去年、四島での共同経済活動の一環として観光事業がスタートしました。私は、観光なんかは、例えば上陸しなくても、国後から択捉から船で回るのも北方四島を見るという意味でも私は価値があるんじゃないかと、こう思っているんですが、この点、茂木大臣、船の活用での観光事業なんかも、私は、上陸しないということになればできるんでないかと思いますけれども、どうでしょう。
  76. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) まさに、そういったことも含めて今事務レベルで詰めを行っております。一つのアイデアだと思いますので、よく検討させていただきたいと思います。
  77. 鈴木宗男

    ○鈴木宗男君 これ、ラブロフ大臣と五月二十八日に大臣が電話会談されました。そして、六月四、五と次官、局長級のまた電話会談あるいは会議等をやられましたけれども、次回は大臣、いつ頃を考えているんでしょうか。
  78. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) できるだけ早くと思っておりまして、昨年十二月、私がモスクワを訪問しまして、かなり長い時間、八時間、多分外相会談としては異例に長い時間、様々な、お互いに、どういった形でお互いの立場、何というか、成り立つようになるのか知恵を出そうということで議論させていただきました。  二月にミュンヘン会議で会ったときに、今度はラブロフ大臣日本に来てほしいということで、行くよという話だったんですけど、それでコロナになっちゃいまして現在に至っているんですが、先日の電話会談におきましても、この状況が終息をしたらできるだけ早く、ラブロフ大臣日本を訪問したいということでありまして、なかなか領土交渉、これ電話でやるわけにもいきませんので、やはり直接向かい合って、胸襟を開いてしっかりと交渉したいと思っております。
  79. 鈴木宗男

    ○鈴木宗男君 是非とも大臣、これ、早く、日本に来てもらうのが一番だし、日本は落ち着いていますから、状況的にはモスクワよりはいいと思いますので、安心して来てもらっていいですよということを言えばラブロフさんも来てくれると思うんですけれども、これ、大臣、また電話でもする予定はないんでしょうか。
  80. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 今すぐに電話会談の日程が決まっているわけではありませんが、ラブロフ外相との間では必要なときはいつでも連絡を取り合おうということになっておりますし、恐らく、率直に言って、相手方も感じていると思いますが、ケミストリー合っていると思いますから、できるだけ早く訪日実現をして交渉を進めたいと思っております。
  81. 鈴木宗男

    ○鈴木宗男君 私のところにも、ロシア側も茂木大臣のことを評価していますし、また、相手側も、茂木さんとは何となく、これはいい話合いができるというような受け止めしておりますので、是非ともここは乾坤一擲、茂木大臣にまた頑張っていただきたいと思います。  大臣、五月の九日の対独戦勝記念日の七十五周年式典、これがコロナの関係で延期になりました。六月二十四日にパレードが行われるわけですけれども、私は、これはもう安倍総理に行ってもらいたいということを願って委員会でも質問等させてもらっていたんですけれども、今回はCIS諸国だけの首脳の招待だということになっております。  しかし、外国への招待というのは生きているということにも聞いておりますので、この六月二十四日のパレード、日本国としては現地の大使が出るんでしょうか。誰が例えば出席するような予定でおられるんでしょうか。
  82. 宇山秀樹

    政府参考人(宇山秀樹君) 委員指摘のこの式典につきましては、総理はこの新型コロナをめぐる内外の情勢に鑑みて出席はしないということでロシア側にも回答した次第でございますけれども、現地で、外交団、大使を含む外交団に対して招待が出されているということは我々承知しておりません。(発言する者あり)ええ、外交団への招待は出ていないと聞いております。
  83. 鈴木宗男

    ○鈴木宗男君 ということは、大使、まあ大使なら大使も出ないということなんですね、招待が出ていないということで。
  84. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 恐らく、どれくらいの規模でこの式典を実行するかということでありまして、これはまさに主催者側の判断ということになってくるんだと思いますが、もちろん、現地で外交団に対して招待があるということが今後起こってくれば、我々も上月大使なりですね、しっかり対応はしていきたいと思いますが、まずはロシア側がどういった形で式典を実行するかと、これを見極めたいと思っております。
  85. 鈴木宗男

    ○鈴木宗男君 七十五周年というのはロシアにとっては極めて重みのある年なんですね。これ、ロシアというのは五の周期での式典、日本は十周年ですよね、向こうは五だとか十五、二十五、五十、七十五といえば日本の百周年に当たるような意味合いがあるんですね。そういった意味では、私は、大臣是非とも、ラブロフさんにお祝いのメッセージを送るなり、私は、歴史の事実をまさに評価、たたえて私はいただきたいなと、こんなふうに思っております。  そこで、大臣、北海道では地域交流年、大臣が、北海道、この札幌で必ずやりますということを委員会でも何回も答弁いただいているんですけれども、これ、いつ頃になるのか、あるいは、これもコロナの関係になるんですけど、私は、先ほど言ったように、北海道で、あるいは日本も落ち着いている、非常事態宣言も解除して、今日からは県境をまたいでの移動も認めているというこの日本の安全性というか、今の現況を早くロシアに伝えた方がいいと思うんです。  そして、大体日本としてはここいら辺が、八月なら八月ですね、まあ八月というのは向こうも夏休みですからなかなか難しいと思うんですけれども、私はできたら七月中にはこの地域交流年のオープンだけはしてほしいと。  大臣、北海道で今年大きなまたイベントがあるのがウポポイです。アイヌのまさに歴史、文化のいわゆる博物館ができ上がるんです、国立のですね。これはもう七月十一日に決まりました。これはもう官房長官始め文科大臣、恐らく国交大臣、三大臣が行かれての式典になると思いますね。これは今日、官房長官、記者会見で発表しております。  ですから、そういった大きな会合も動き始めていますので、私はできたら七月中にでも、今からやれば間に合うと思いますので、あと八月になればもう夏休みになって駄目ですね、ロシアはもうびしっとそれなりの立場の人が休み取ってしまいますから。そうなると早くやった方がいいと思うんですけれども、私は何とか七月中にでもやってほしいと思いますけれども、いかがでしょうか。
  86. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 先日のラブロフ大臣との会談の中でも、日本の感染の状況、落ち着いているという話をしたのと同時に、この日ロ地域交流年の開会式、開催することは極めて重要だということでお互い一致をしているところであります。  もちろん、鈴木委員のようなフットワークのいい方が三人か四人いたらすぐにできるんじゃないかなと思う部分もあるわけでありますけれど、全体の外交日程であったりとか、また開催するとなるとロシアの関係の知事の方とかお呼びすると、そういう方々の日程等々もありますし、コロナ状況等々を見ながら、できるだけ早く開催をしたいと、また開催する場合は北海道で開催する、この方向で調整を進めていきたいと思います。
  87. 鈴木宗男

    ○鈴木宗男君 是非とも一日も早い開催を、北海道待っていますし、また茂木大臣の来道を待っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。  そこで、大臣、今日も各委員から北方領土の議論が出ました。私は、やはり基本的に大事な問題として、日本における領土問題は北方領土と竹島のみと私は考えておりますし理解しておりますけれども、それでよろしゅうございますか。
  88. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 尖閣には領土問題存在しておりません、そのような御理解だと思います。
  89. 鈴木宗男

    ○鈴木宗男君 よくですね、尖閣の問題を取り上げる、これは私は中国を利するだけだと思っております。日本実効支配しております。日本のものであります。これ民主党政権のとき、蓮舫国務大臣は尖閣は領土問題の一つだと言ってしまいました。大変なひんしゅくを買いましたね、これ。しかし、そう思っている人がいてよく尖閣を話題にするけれども、逆に、触れることは国益でない、私からすれば、日本のものなんですから。だから、日本の法律に基づいてきちっとやっているわけでありますから。この点、是非とも委員皆さん方も御理解をいただきたいと、こう思っております。  先ほど、勝部委員質問の中で、歴史の事実という話がありました。私は、まさに外交は歴史の事実、外交は積み上げでありますから、過去の約束を守らなければ、これは進む話じゃありません。そういった意味で、茂木大臣、私はもっと外務省国民にしっかりとした正しい歴史認識を教えるべきだと、こう思っております。  今日の日本がどういう経緯をもって国際社会の中にいるかということ。少なくとも、ポツダム宣言を受け入れて無条件降伏をして、そして、残念なことですけれども、そのポツダム宣言に何が書かれているかということ。日本の面積は本州、四国、九州、北海道、その周辺の諸小島、これが歴史の事実であります。それに基づいて、一九五一年、サンフランシスコ講和条約で日本は国際社会に復帰をしております。このとき、吉田総理は、千島列島の放棄であります。ですから、国後、択捉は放棄しているのであります。これも歴史の事実であります。同時に、北方領土という言葉や固有の領土という言葉がいつできたかということ。戦前も戦中もありません、みんな戦後の造語であります。特に冷戦時代になってからの言いぶりなんであります。一括返還という言葉がまさに冷戦構造での表現であります。ここら辺ですね、もっとしっかり私は歴史の事実をこれ外務省国民に知らせるべきでないかと、こう思っております。  「われらの北方領土」といって、これ皆さん方のところに全部配られていると思いますけれども、ここでサンフランシスコにおける吉田総理の演説を、都合のいいところしか書いていません。四五%の面積を日本は放棄する、一番大事なことを書いていませんね。ここは是非とも、私は、茂木大臣、来年の「われらの北方領土」には吉田茂全権が何を言ったかということ、同時に、そこで私は吉田総理がすばらしかったと思うのは、それを捨ててでも八千六百万の我が日本人は立ち上がる、国際社会の協力を得ながら雄々しく立ち上がる、堂々たる演説をぶっているのであります。私は、是非ともそういったことをしっかり広めていただきたい。来年のこの「われらの北方領土」には吉田茂総理の受諾演説の第二をしっかり載せていただきたい。我が日本は四五%の面積を喪失するのでありますと、それでも雄々しく立ち上がるという表現を私は入れていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  90. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 鈴木委員からサンフランシスコ講和条約におけます吉田総理のあのお話お伺いするのは三回目になるかと思うんですが、自分なりに十分理解をさせていただいたつもりであります。  この冊子の編さんにつきましては、また全体を考えながらよく検討させていただきたいと思います。
  91. 鈴木宗男

    ○鈴木宗男君 私は、外交というのは相手がある。日本主張だけが通る外交はいい外交じゃありません。日本が百点で、例えばロシアが零点とか中国零点、ありません。お互い信頼関係の中で、お互い良かったという方に持っていくしかないんですね。そういった意味では、私は、安倍総理がやっているこの日ロ外交は、首脳会談のたんびにこの領土問題、平和条約の話合いがされている。残念ながら、竹島問題あっても首脳会談でも外相会談でもこれは取り上げられていませんね。それぐらい厳しいものなんです。そういった意味では、私は、今、安倍総理が取っているこの日ロ外交、平和条約締結に向けての姿勢、これしか解決の方法はないと思っております。  是非とも、茂木大臣、ポスト安倍の一人だと今言われている茂木大臣でもありますので、この安倍総理の対ロ外交をしっかりサポートしていただきたい。決意のほどをお知らせいただきたいと思います。
  92. 小西洋之

    委員長小西洋之君) 時間来ていますので、簡潔にお願いいたします。
  93. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 安倍総理支えながら、そして、鈴木先生の熱い思いにも応えられるように、しっかり頑張っていきたいと思います。
  94. 鈴木宗男

    ○鈴木宗男君 終わります。
  95. 紙智子

    ○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。  今日は、沖縄子供の命に視点を当てて質問したいと思います。  質問、順番を変えます。  沖縄振興というのは、沖縄の自主性を尊重し、沖縄の自主的な発展と豊かな住民生活の実現です。そして、安心、安全が保障され、穏やかな暮らしと両輪です。しかし、基地があるがゆえに、沖縄子供も県民も命が危機にさらされるという状況があります。  先月、五月二十一日、二十二と、飛行自粛の依頼を無視して米軍機が学校の上空を飛行しました。沖縄県、そして宜野湾市、嘉手納町では、毎年式典や入学式などの大切な行事やテストの前には沖縄防衛局を介して米軍機の飛行自粛依頼を米軍に行っており、今回も、コロナ禍で延期になった入学式の当日、事前に米側に伝えていたんです。  防衛省に事実を確認をしましたら、目視で離着陸の事実を確認したので米側に申入れを行ったということでしたけれども、どのような申入れをしたんでしょうか。
  96. 青木健至

    政府参考人(青木健至君) お答え申し上げます。  先月の沖縄県における各学校の授業再開に当たり、沖縄県及び宜野湾市から沖縄防衛局に対し、入学式等が実施される日における米軍機の飛行自粛について要請をいただきました。当該要請を受け、沖縄防衛局から米軍に対し、学校周辺での飛行について配慮するよう申入れを行いました。  米軍機の飛行運用に際しては、安全確保はもとより、周辺住民の皆様生活への最大限の配慮が大前提です。防衛省といたしましては、引き続き米側に対し、学校生活等への影響を最小限にとどめるよう求め、適切に対応してまいります。
  97. 紙智子

    ○紙智子君 ですから、配慮するように申し入れたと言うんだけど、どうして依頼を無視したのかということを聞いたんでしょうか。そこがただされなければ、事件や事故というのは止まらないんですね。  子供たちは日々危険な状態にさらされています。二〇一八年の十二月に、沖縄タイムスが、宜野湾市内の小中高、それから保育、幼稚園など八十四施設にこの米軍機の飛行についてのアンケートを行いました。例えば、米軍機の墜落や落下への不安について、常にある、時々あるを合わせると七七・二%、全くないというのは〇%です。小中高校で、時々授業が中断する、学習面に悪影響がある、特に運動場などで教師の説明が伝わりにくい。それから、保育園では、三歳の男の子が飛行機の音が怖い、二か月ほど震えて園庭に出なかった、あるいは絵本の読み聞かせがよく中断する、園児は騒音に耳を塞いで不安な表情をすると。こういうことが示されているんですね。  どうしてこういうアンケートの結果になっているのか。教育政策を担う文科省として、その最大の原因がやっぱりこの米軍機の往来が影響している、そういうふうにお考えでしょうか、見解をお聞きします。
  98. 寺門成真

    政府参考人(寺門成真君) お答えを申し上げます。  委員御紹介のアンケートにつきましては、地域の皆様の声をお聞きした一つの調査結果であるというふうに認識をしてございます。  また、学校の安全につきましては、学校におきましては児童生徒等の安全の確保が保障されることが不可欠の前提であり、この学校安全の意義を踏まえ学校教育活動は行われる必要があるものというふうに認識をしているところでございます。
  99. 紙智子

    ○紙智子君 今の、子供たちの安全確保というのは教育の大前提だというお答えなわけですけれども、その答弁というのは非常に私大事だというふうに思うんです。前提なんですよね。  それで、衛藤大臣にお聞きしますけれども、このアンケートの実態、こういう実態ですね、沖縄子供たちは一体いつこの状態から解放されるのか。子供たちが安心して平等な教育を受けられるように、これ是非、防衛省や外務省などの関係機関が連携を取ってやっぱり解決に向けて協議を行うべきだと思うんですけれども、大臣、いかがでしょうか。
  100. 衛藤晟一

    国務大臣衛藤晟一君) 米軍基地が集中する沖縄においては、米軍機の飛行に際して住民の方々が米軍機事故等に対する不安を招いていることは承知をいたしております。  米軍の運用に当たって事故等はあってはならないものであり、私としても、沖縄の振興を担当する大臣として県民の皆様の思いを深く受け止めつつ、また関係省庁や自治体とよく連携しながら、住民の方々の不安を和らげることができるよう最善を尽くしてまいりたいと思っております。
  101. 紙智子

    ○紙智子君 やはり、衛藤大臣は、少子化の担当も含めて子供の政策とも関わってきている大臣ですから、是非閣内でもイニシアチブを取って、やっぱり大臣がやらなくて一体誰がやるのかというふうに思うんです。  国には危険な状況を取り除く責任があると思うんですね。しかし、放置されている問題がまだ多々あるわけです。  それで、二〇一七年の十二月七日に起きた宜野湾市の緑ケ丘保育園での米軍機の部品落下事件についてなんですが、当時、保育園の園庭には二十人から三十人の子供たちが既に遊んでいたと。一歳児たちが建物から園庭に出ようとしたやさきの部品の落下だったということですね。  お配りした資料を見ていただきたいんですが、これが落下したCH53Eの部品です。それから、もう一枚、二枚ありますけど、もう一枚は沖縄県が設置しているカメラが捉えたそのときの飛行中のCH53Eなんですね。米軍はこれは、落下物は米軍のものであるというふうに認めているんです。ところが、当日飛行したCH53Eからは落下させていないというふうに否定しているわけですよね。  それで、この間、改めて私どもしんぶん赤旗が文書で米軍に事実関係を確認したんですね。そうしたら、海兵隊からは、海兵隊の航空機から落下したものではないという、まあ同じ答弁なわけです。それは、この部品は飛行前に外すことになっていると、基地内にあったというふうに言うんですね。沖縄の防衛局も米軍と同じ見解だというふうに言うわけですよ。  立入調査もしていないのにどうして米軍と同じ見解になるのかって、よく分からないんですけれども、結局、それから何も分からないまま、進まずに二年以上が経過しているんですよ。こんなことでいいんでしょうか。警察庁にお聞きします。
  102. 太刀川浩一

    政府参考人太刀川浩一君) お尋ねの件は、平成二十九年十二月七日、沖縄県宜野湾市内の保育園において軍用ヘリに使用されている部品カバーが発見された事案と承知しております。  沖縄県警察において現場の状況を確認するとともに、保育園から当該部品カバーの提出を受け、関係者から事情聴取するなど、これまで必要な事実確認を行ってきたところでありますが、当該部品カバーが上空からの落下物であるか否かを含む事実関係の特定には至っていないものと承知しております。  沖縄県警察において、引き続き関係機関と協力しながら、こうした事実関係の特定に必要な事実確認を更に進めていくものと承知しております。
  103. 紙智子

    ○紙智子君 二年過ぎているんですよ。本当にこの現場に立入りもできないまま、分からないままで来ていると。そういうことだからやっぱり不信が生まれるんですね。この部品落下事故を曖昧にしようとしているのかというような声も上がっているわけですよ。これが国の言う豊かな生活の実現なんだろうかと。  そこで、茂木外務大臣にお聞きしますけれども、大臣は、所信の中で、米軍機等の安全確保について米国に強く要請するというふうにおっしゃっておりますけれども、この事案で曖昧にするんでしょうか。米側とどんなやり取りをされているんでしょうか。
  104. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 捜査当局の対応については今答弁があったとおりだと承知をいたしております。  外務省としては、本件事案を受けまして、米側に対しまして速やかな情報提供を求めたところであります。これに対して米側は、日本側関係機関と連携して事実関係の究明に協力していく旨述べております。  引き続き必要に応じ適切に対応していく考えであります。
  105. 紙智子

    ○紙智子君 いや、もう全然、外務大臣答弁としてそれでいいんでしょうか。子供の命懸かっているんですよ。何でもっと踏み込んで明らかにできないのかというふうに私思うんですね。  緑ケ丘保育園の園長にお話を伺いました。今月も、六月の十五日十一時頃に、ちょうど保育園で園児たちがお昼を食べていたときにも、大型固定翼機がこの普天間飛行場からタッチ・アンド・ゴーの訓練を繰り返し行っているというわけですよ。  園長は、とにかく上空を飛ばないでほしいと。落下事故があったのになぜ防衛局と警察は動かないのか、何をやっているのか、状況はむしろ悪化して、米軍は民間の上空を使いたいように使っていると。日米の交渉の中で合意して飛ばないとなっているはずなのに、そんなこと守っていないわけですよ。今日あしたの命の問題なんだということを訴えられました。  それで、二〇一九年の一月に緑ケ丘保育園にはこの参議院の本委員会で視察して、米軍機のこの物品の落下事件に対しては直接要請を受けている問題でもあるんですね。その直後、与野党がこの委員会として何とかしようということで対策を講じたということが、聞いていますけれども、そういうことがまずあるということと、それから、二〇一八年には、十二月に宜野湾市議会で、緑ケ丘保育園の上空を飛ばないでくださいという請願の実現を求める意見書が、これ全会派一致ですよ、で採択をされているんです。  そういう要請を受けた以上、やっぱり委員会としても引き続き解決のために取り組む必要があるというふうに思います。それから、この後も、ですから、この問題やっていきたいと思います。  次に、日ロの問題について茂木外務大臣にお聞きします。  二〇一六年の十二月に、ロシアのプーチン大統領が来日をしました。で、首脳会談を行いました。安倍総理はそのときに、七十年間一ミリも領土問題は動かなかった、互いの正義を語るだけではいかないんだということで、新しいアプローチで前に進めていくというふうに言いました。しかし、あれから三年以上たちましたけれども、元島民の願い、あるいは地域の皆さんの願いに応える前進があったんでしょうか、お聞きします。
  106. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 北方四島におきましては、二〇一六年の長門合意に基づきまして、特に昨年来、かつてない日ロの協力が実現をしております。  具体的に申し上げますと、平和条約交渉については、二〇一八年十一月のシンガポールでの日ロ首脳間で合意が行われまして、これを踏まえ、私とラブロフ外相との間で、昨年九月にニューヨークで、十一月に名古屋で会談を行い、そして十二月には私が訪ロして八時間にわたり会談をし、相互の基本的な立場の違いを埋めていく方策について、お互いが知恵を出し合いながら相当突っ込んだ議論をさせていただきました。  共同経済活動についても、昨年、初めて北方四島への観光パイロットツアーを始めとするパイロットプロジェクトを実施をいたしました。航空機によります元島民の方々の墓参につきましても、昨年は泊、留別といったこれまで何年も訪問できなかった場所を訪れることができました。  このように一つ一つ成果は生まれていると考えておりまして、日ロ協力、さらに平和条約交渉、更に進展をさせていきたいと思っております。
  107. 紙智子

    ○紙智子君 飛行機で墓参できるようになったと、それは良かったと思いますよ。だけど、毎回それ同じことばっかり言っているんですよね。(発言する者あり)そうですか。  島民の最大の願いは、やっぱり島に帰りたいということなんですよ。領土問題の進展を首脳会談のたびに期待するんだけれども、がっかりすると。この繰り返しなんですね。元島民の平均年齢が八十五歳になっている、余りもう時間ないと。自分の住んでいた土地がどうなっているのか確認したいけれども、ままならない。墓参も、全て希望どおりじゃなくて、限定されていて、行くことができない場所もあるわけです。  さらに、水産業も、サケ・マス流し網漁がロシアの法律改正で禁止をされて漁ができなくなった。それで、代替措置として政府が行ってきたサンマの棒受け網漁、これも今厳しい状況になっていますよ。水産で栄えてきた根室にしても、隣接地域の経済も、これ大変な状況です。その上、安全操業協定があるにもかかわらず、去年の十二月にはミズダコの漁をしていた根室の漁船がロシアに連行されて拘束される事態もあったわけです。  新しいアプローチでやってきたんだと言うんですけれども、むしろ経済も漁業の安全性も悪化しているんじゃないんでしょうか。いかがですか。
  108. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 全くそのようには考えておりません。  紙委員領土交渉、そんな簡単じゃないですよ。やはり、相手のあることです。そこの中で一歩一歩進めていかなきゃならない。四島におけます事業も、お互いの法的な立場を害さない中でどうやっていくかと相当な工夫が必要な中で一歩一歩前進をさせていくということが必要であると思っております。
  109. 紙智子

    ○紙智子君 いや、交渉は相手があることだから、そんな簡単じゃないということは分かりますよ。  でも、最近は、ロシアのラブロフ外相もプーチン大統領も、これかつて余り言わなかったんですけど、最近は、北方四島というのは第二次世界大戦の結果ロシア領になったんだという主張を繰り返し言っているんですね。共同経済活動をめぐっても、日ロ互いの法定の枠組みを害さない形で協議すると言ってきたはずなんだけど、ロシア側が、いや、ロシアの法制下でやるんだというふうに言ってみたり、最近は、報道によると、日ロどちらの法律を適用するのかの管轄権問題ですね、この棚上げを提案しているとか、さらに、来月の七月には領土割譲禁止を含む改憲案の是非を問う国民投票が行われると、賛成多数で成立する見込みだということが報道されているわけです。  こういう動きをやっぱり私たちも新聞などで読むと、非常に、大丈夫なんだろうかと、茂木外務大臣はこうした動きに対してどう対応しているのか、この領土問題の解決の糸口ですね、見通しということについて是非話していただきたいと思います。
  110. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 北方四島におけます共同経済活動、これは双方の法的立場を害さないことが大前提であります。この点につきましては、二〇一六年十一月のプーチン大統領訪日時のプレス向け声明においても確認をされているところであります。  また、言及のありましたロシア連邦の憲法改正に関する動向につきましては関心を持って注視をしておりまして、七月一日に投票を延期されておりますが、日ロ平和条約交渉、まさに現在進行形で進められているものでありまして、その詳細であったりとか様々な要因の影響についてコメントすることは差し控えたいと思っておりますが、これからも粘り強く交渉を進めていきたい。  交渉、いろんなやり方あると思います。ただ、基本的には、例えば交渉の基本的な書物に出てきます「ゲッティング・ツー・イエス」でもそうでありますし、「ジ・アート・アンド・サイエンス・オブ・ネゴシエーション」でもそうでありますけど、いかに自分の情報を出さずに相手の情報をたくさん取るかと、これが交渉における第一弾の、一番の成功の鍵と言われておりまして、その点、紙委員と私では見解を異にしていると思います。
  111. 紙智子

    ○紙智子君 見解の違いをちょっと持ち出されると困るんですけれども。  私は、多くの国民皆さんがそういうやっぱり不安を持っているわけですし、それから、現に私たちは、サケ・マスの流し網のときに、ロシアの法律が変わったことによって、禁止されたことによって日本影響を受けて、それできなくなったということを体験したわけですよ。だから、こういうロシアの中での改憲が動きがあるということになると、それをめぐって本当にちゃんと交渉するということでは不利な状況にならないんだろうかという不安を持つわけですよ。  やっぱり、ロシアとの交渉自身が大変だという話はあるんですけれども、やっぱり今のロシア主張をそのままにして領土交渉の解決はないというふうに思うんです。安倍総理は、原則論だけ言っていても進まないんだということを言われてきたんだけど、やっぱり原点に立ち返った交渉が必要だと思うし、国際社会全体を納得させる論立てで、やっぱりしっかり組み直してやっていくということをやるべきだということを改めて訴えまして、質問を終わりたいと思います。
  112. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 ハイサイ、沖縄の風の伊波洋一です。  本日は何点か質問いたします。  最初に、沖縄本島中部の北谷浄水場におけるPFOS、PFOA汚染水問題について伺います。  沖縄県の北谷浄水場が取水する河川等から有害物質PFOS、PFOAが検出され、大きな問題となっています。前回、北部にある国ダムから県に水を融通する方向でこの問題を解消できないかとお願いしたところ、衛藤大臣からは、「沖縄皆さんの御要望をいただいて、これは何としても協議を進めてまいりたい」という力強い決意表明いただき、大きく状況動き出しました。  その後、四月十日に米軍普天間飛行場からPFOS、PFOAを含む大量の泡消火剤が河川に流出する事故が起き、この事故が話題になる中、昨年十二月にも同基地から外部への泡消火剤の流出事故が起きていたことが明らかになりました。嘉手納基地でも流出事故が度々発生しており、河川汚染の原因と考えられます。本島中部地域の四十五万人の住民の飲料水の安全をどう確保するかという問題であり、喫緊の課題であると考えます。  大臣答弁を受けて、県と国で協議が始まっていると聞いています。進捗状況や議論はどのようになっているでしょうか。
  113. 原宏彰

    政府参考人原宏彰君) お答えいたします。  委員指摘の課題につきましては、まずは水道事業者であります沖縄県企業局が検討するものと承知をしておりますが、三月の委員会での審議も踏まえ、内閣府が呼びかけ、本年四月に沖縄県企業局や沖縄総合事務局等による実務者間での協議を開始させていただいてございます。この会議では、現在の取水状況やダムの水運用の状況を議題といたしました。こうした議論を踏まえて、先日、六月十一日でありますが、沖縄県企業局から沖縄総合事務局に、検討を進めるに当たって必要な情報の提供等の依頼がなされたとの報告を受けてございます。  内閣府といたしましては、沖縄県企業局の検討が進むよう、必要な情報提供や協議の場を持つなど、関係省庁と連携して対応してまいりたいと考えております。
  114. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 環境省は、五月二十六日に、PFOS、PFOAについて、一リットル当たり合計五十ナノグラムという暫定指針値を決定しました。  ところが、六月十一日に同省が発表した二〇一九年度全国調査では、北谷浄水場が取水する沖縄市の大工廻川で指針値の約三十倍の一リットル当たり千五百八ナノグラム、沖縄市の天願川で指針値の約十倍の四百七十ナノグラムという高濃度の汚染水が検出されたことが報告されています。環境省がナショナルミニマムと決定した暫定指針値を大きく上回る有害物質に汚染された水が住民の飲料水として利用されている深刻な現状が改めて確認されました。  是非衛藤大臣には、県と国の協議を加速させ、沖縄県民の四十五万人が一日も早く安全な水を飲めるように、国としても更に一層の御尽力いただきますようお願いいたします。  次に、沖縄振興特措法と振興計画について伺います。  大臣も所信で、現行の沖縄振興特別措置法の期限、本土復帰五十年という大きな節目まで残すところ二年、これまで沖縄振興の検証に取り組むと決意を述べておられます。  二〇二一年末で期限を迎える沖縄振興特別措置法や沖縄振興計画の今後について、これまでの検証の進捗状況伺います。
  115. 宮地毅

    政府参考人(宮地毅君) お答え申し上げます。  内閣府では、沖縄県や県内市町村協力も得ながら、これまでの沖縄振興について検証を行っているところでございます。  具体的に申し上げますと、沖縄振興計画の総点検作業を行うとともに、内閣府に置かれました沖縄振興審議会において、これまでの沖縄振興の検証についての調査審議を進めていただいているところでございます。  引き続き、専門家や地元皆様のお考えも伺いながら、多角的に検証を行ってまいりたいと考えております。
  116. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 計画あるいは振興法の改定並びに計画の策定に向けての検討については、コロナ問題もあって若干遅れもあるようでございますが、今、全国的にも、コロナウイルスの影響により大きな経済の停滞が起こっていますが、沖縄でも、年間一千万人を超えていた県観光入域客が約九割減少、年間三百万人超だった外国人観光客もほぼゼロになっています。観光産業への依存の高かった県経済は、コロナパンデミックなどのリスクに極めて弱いことが明らかになりました。こうしたリスクも今後の沖縄振興策に取り込んでいかなければならないのではないでしょうか。  これまでの沖縄振興の検証に当たっての直近コロナによる影響の検証は避けて通れないと考えますが、今後検証していく必要があるのではないでしょうか、伺います。
  117. 宮地毅

    政府参考人(宮地毅君) お答え申し上げます。  新型コロナウイルス感染症によりまして、観光産業を始め、沖縄経済への様々な影響指摘されているところでございます。こうした影響につきましては、現段階で具体的に見通せる状況にはございませんが、引き続き沖縄経済の動向を注視してまいりたいと考えております。
  118. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 現行の特措法、振計では、内閣府が法改正の前年の平成二十三年九月に新たな沖縄振興策の検討の基本方向についてを決定し、現在の地方分権の在り方を先取りするような発想で、県が策定主体となって沖縄振興計画が作られています。これは極めて先進的な取組だったと思います。  二十七年間の米軍統治で遅れた社会資本整備と、その後の米軍基地の集中の継続による今日までの基地の負担、とりわけ振計の目玉の一つである普天間基地跡地利用が大幅に遅れて二〇三〇年代半ば以降にずれ込む見通しとなっていること、島嶼県であるという地理的な困難性など、沖縄振興の継続は必要不可欠です。検証作業により問題点を洗い出して、是非次期振計につなげていただくようお願いします。  新型コロナ感染症のパンデミックという困難の中で御苦労も多いと思いますが、これを乗り越えて、より強靱な沖縄県の発展につなげていただきたいと思います。衛藤大臣の御所見伺います。
  119. 衛藤晟一

    国務大臣衛藤晟一君) 内閣府では、これまでの沖縄振興の検証中であります。現時点では、沖縄振興の評価や継続の可能性について具体的にお答えできる段階にはありません。  いずれにしろ、引き続き地元の実情を丁寧に伺いながら、新型コロナウイルス感染症による影響の把握に努めてまいりたいと思います。
  120. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 昨年十月三十一日、まあ今回の振興についてもあれですけれども、今後はコロナの問題を避けて通ることはできないと思います。大臣のおっしゃるとおり、ウイズコロナとかアフターコロナを見据えたときに、これまでの振興特措法、振興計画の単純な延長では足りないと思います。是非コロナに負けない新沖縄振興になるようお願いしたいと思います。  次の質問に移ります。  昨年十月三十一日に火災で焼失した首里城の再建について、大臣は所信で、一日も早い復元に向け、政府として責任を持って全力で取り組むと力強くお約束いただきました。  国のこれまでの取組と最新の計画について御説明ください。
  121. 原宏彰

    政府参考人原宏彰君) お答えをいたします。  政府においては、火災発生後直ちに関係閣僚会議を立ち上げまして、昨年十二月に首里城復元に向けた基本的な方針を策定するなど、首里城の復元に向けて迅速に取り組んでまいりました。  この方針に基づきまして、三月二十七日には首里城正殿等の復元に向けた工程表を決定をいたしまして、首里城正殿について、令和年度早期に設計に入り、令和四年中には本体工事に着手をし、令和八年までの復元を目指すことといたしました。現在、技術的な検討や北殿等の施設解体など、復元に向けた取組を進めております。  引き続き、首里城の一日も早い復元に向け、関係省庁等と連携をし、しっかりと取り組んでまいります。
  122. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 県は四月二十四日に首里城復興基本方針を策定し、正殿の復元にとどまらない、首里城公園の更なる魅力の向上や、新首里杜構想による歴史まちづくりの推進などを掲げています。これに関しては、特に龍潭の周辺の中城御殿などの整備を求める意見が有識者から出されています。  県や那覇市が調整した上で、地元が主体的に取り組むことが前提ですが、私個人としても、首里城に保管してきた歴史資料や那覇市が保管する琉球王国・尚家文書、資料等を含めて、中城御殿など、この地域の復元施設に集中して保管、展示し、研究するとともに、観光資源としての活用も可能とするような整備が実現できないものかと考えております。と申しますのも、今回のコロナの問題もありまして、やはりゆっくりと散策して観光を行うという、こういう形の転換が必要だと思います。  そこで伺います。首里城復興基本方針に沿った県や市による歴史的環境の新たな整備については、次期振計に位置付けるべきとの意見もあります。こうした構想を国としてもサポートしていただきたいと考えますが、いかがでしょうか、大臣
  123. 衛藤晟一

    国務大臣衛藤晟一君) 沖縄県が本年四月に公表した首里城復興基本方針は、首里城の復元はもとより、首里城に象徴される琉球の歴史、文化の復興に積極的に取り組むために、九項目を挙げて取組の方針を示したものと認識をいたしております。委員指摘の新首里杜構想については、首里城を中核とする首里杜地区を琉球文化が体現できる場として整備する構想として、この基本方針の一項目として位置付けられていると承知をいたしております。沖縄県において、方針に基づき、今年度末までに内容の具体化に取り組むと承知いたしております。  内閣府としても、そうした県の取組を注視してまいりたいと思っております。
  124. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 大臣、ありがとうございます。  琉球は、かつては四百五十年という琉球王国の時代、さらにその前の七十年近く、三山の時代もございます。その間、様々な大陸との歴史的な連携をしながら行ってきた様々な文書もございますし、そういう歴史の詰まったところです。そういう歴史も含めて、首里城復元の際には、かつてここにあった歴史、文化というものが多くの皆さんに見られるように是非お願いしたいと思います。  次に、さて、沖縄観光産業の回復のためには、一日も早く元のように観光客を取り戻す取組が求められています。国内観光客の回復はゴー・ツー・キャンペーン等の取組に大きな期待をしていますが、沖縄は国際観光地でもあり、その早期回復が求められています。コロナの水際対策として、検疫や医療提供などの体制が整っていることから、海外との出入国は、現在、成田空港と関空に限定されています。また、現在、原則入国拒否の対象国は計百十一か国・地域に上ります。  昨日の新型コロナウイルス対策本部で、安倍総理は、コロナの水際対策の出入国制限に関し、タイ、ベトナム、オーストラリア、ニュージーランドの四か国をまずビジネス目的で今月中にも緩和する方針を示しました。  沖縄観光における外国人観光客は、台湾が四割、香港を含む中国が三割、韓国が二割を占めています。これらの国、地域だけで沖縄外国人観光客の九割を超えています。そして、これらの国、地域は、既にほぼコロナの終息に成功しています。沖縄県も、島嶼県であることが幸いして、本日十九日現在で五十日間連続で新規感染者数ゼロを記録しています。水際対策の緩和に当たっては、台中韓などの国、地域、特に、例えば台湾や福建省など中国の一部地域に限定するなどして観光客を沖縄県内に限定して受け入れるなど、日本全国で一律に緩和するのではなく、よりきめ細かな対応が必要ではないでしょうか。  茂木大臣、台湾や福建省などを先行するような取組についてはどのようにお考えでしょうか。
  125. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 今後、経済を回復軌道に乗せていく上で、我が国内外の感染状況を踏まえながら、感染再拡大の防止と両立をする形で国際的な人の往来を部分的、段階的に再開していくことは重要だと考えております。  このため、まずはビジネス上のニーズも踏まえながら、入国拒否対象国・地域の中でも感染状況が落ち着いている国との間で、現行の水際措置を維持した上で、追加的な防疫措置、入国前のPCRの検査であったりとかLINEのアプリを通じた健康のフォローアップであったりとか、そういった措置を講ずることを条件に、例外的にビジネス上必要な人材等を念頭にした人の往来を可能とする仕組みを試行することにしたところであります。  その対象につきましては、委員指摘のように、当面はベトナム、タイ、豪州、ニュージーランドと協議、調整を行い、準備が整い次第、部分的、段階的な往来を試行的に行っていきます。その上で、我が国内外の感染状況等を総合的に勘案をし、人の往来の再開の対象となる国、地域を順次拡大すべく検討、準備を進め、環境が、協議が調い次第、順次同様の措置を講じていきたいと思っております。  沖縄で感染が非常に収まっていると、また沖縄にとって特に観光が重要であると、そのとおりだと思っております。そこで、例えば海外の一つの国の、収まっている特別な地域といいますか、限定された地域と日本のどこかの圏内での往来をと。お考えとしては分かるんですが、大体、海外でも国内の移動制限というのがなくなっているわけでありまして、そうすると、それをチェックをするというか、それはなかなか難しいことになってきますし、日本におきましても、そういったトラッキングをする、また衛生管理をすると、なかなか技術的には難しい問題もあるなと、このように思っております。
  126. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 ありがとうございます。  日本全体として国際観光を、海外からの観光を大きな目玉としてこの間のお取組が行われております。沖縄の場合、先ほど申し上げましたように、全体で一千万人、これがゴー・ツー・キャンペーンで国内的に回復することを願っていますが、海外からは三百万人来ております。そういう意味では、やはり一日も早く国としてそれぞれの国との行き来をさせていくと。つまり、ビジネスでできるということでありますから、そういうところを一般観光にもつなげていくことがやはり日本にとっては求められていると、このように思います。是非そのことを強く訴えたいと思います。それから、衛藤大臣にも、観光問題や沖縄振興、県民の水の問題ではこれから是非またお願いしたいと思います、これからもですね。  ちょっと時間が少し余りましたのでお話をしますけれども、先ほど申し上げた六月十一日に発表されたこの国の調査ですけれども、全国的に言いますと、ほとんどPFOS、PFOAというのは検出されないんですよね、様々な浄水場でもですね。唯一、沖縄でも北部地区では検出されておりません。沖縄市や普天間のようなところです。つまり、今申し上げましたような大工廻川やあるいは天願川のようなところでは、五十ナノ・パー・リッターのところが、三十倍近くの千四百六十二とか、あるいは十倍の四百七十五とか。それから、率直に言って、宜野湾市ですと、湧水が一日に一万、二万トン出ます、下の方でですね、それに全部PFASが入っているわけです。  つまり、いかにこの我々の自然の水が汚染されているか。沖縄市でもそうなんです。今、公園でこの子供たちが遊んでいる池が、これが入っているということが明らかになって、これがもう入ることを禁止ということになっています。  これは、やはり政府として米側に強く申し入れるとともに、あわせて、命の水ですから、四十五万人が今飲んでいる上水にそういうことが、現実に入っているという状況をいかに早く止めていくかということは、これは政府としても喫緊の課題だと思いますので、国交省を中心に是非努力いただいて、内閣府で御調整いただいて、一日も早く実現できるようにお願いして、終わりたいと思います。  ありがとうございます。
  127. 小西洋之

    委員長小西洋之君) 本件に対する質疑はこの程度にとどめ、本日はこれにて散会いたします。    午後三時十八分散会