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篠原(孝)
分科員 事務方に聞きましたら、外国がどのような法的根拠でもって上陸拒否しているかというのを、きちんとしたことはわからないと。これもまた怠慢だと思います。既に
日本も二カ国が上陸拒否というのを言われていますね。
アメリカはもう、あとオーストラリアは、中国からの入国を全面的にストップしている。やはり、こういうのは大変なんですよ。
私もそんな歴史をきちんと見ているわけじゃありませんけれ
ども、はるかかなたの昔は、外敵の侵入よりも、こういった感染症、これでもって人口が三分の一に減ったとかいうので、それで国が滅びたりしたことがあるわけで、ですから、
各国とも必死でこれをとめようとしているんですね。ですから、これはやはり法治国家としてきちんとすべきであって、これからやるべきことを速やかにやっていただきたいと思うんです。
ついでにですけれ
ども、ここは新型コロナウイルスのことばかりやっていますけれ
ども、やはりアフリカ豚熱も同じなんです。どういうことかというと、豚熱はワクチンがあるんです。アフリカ豚熱はないんです。同じように、ウイルスで、伝染力がひどい、すぐ豚が死んでしまうということで、非常に似ているんです。
ところが、皆さん、いや、銃剣を持ってくるのと肉製品を持ってくるのは、両方あるけれ
ども、おかしいけれ
ども、それは同じに扱うのは問題じゃないかと。ところが、この表の中で見ていただければわかりますけれ
ども、二月六日時点で十六万四千頭の豚が処分されているんです。殺されているんです。自分がかかっていなくても、もう蔓延するといけないからと予防的に殺されているんですね。今、右側の、人になると急にあって、人のことだけ考えるんですけれ
ども、やはり両方同じなんです。だから、これもぜひ一緒にやっていただきたいと思います。これは、農林水産
委員会で私が幾ら言っても、最後は
法務省なんです。
私は、フーリガンのときのを言いますと、これは物すごく効果があったんですよ、調べられておられるかどうか知りませんけれ
ども。これは、
日本で、日韓共催の大会でもって、外国からフーリガンが来て大騒ぎされたら困る、
日本人にはそんな悪いことをする人はいないということで、この規定を入れたんです。アナウンス効果というか、予防的効果は絶大でした。
これは、新型コロナウイルスのところにはそんなにワークしないと思いますけれ
ども、肉製品の方で言わせていただきますと、これをやると、肉製品を持っていったら上陸拒否されるよと言ったら、旅行会社が、もうそれは持っていっちゃいけないぞといって、中国を出発するときに、みんな置いていかせるんです。それによって、アフリカ豚熱のウイルスが
日本に来るのを阻止できるんです。
だから、一緒にぜひやっていただきたいと思う、この際。皆さん、新型コロナウイルスの方にばっかり頭が行っていて、そっちにばっかり行っていますけれ
ども、全く同じなんです。だから、絶好の機会なので、私は、ぜひこれは一緒にやっていただきたいと思います。
次。今、相当ごたごたしている問題です。黒川東京高検検事長の任期延長の件です。裏側の
資料も見ていただきたいんです。
私は、農林水産省に三十年勤めました。国際
関係の仕事をそんなにしたわけではありませんけれ
ども、
それなりにしたんです。ガット・ウルグアイ・ラウンドというのがありました。そのときに、塩飽二郎さんという立派な方が私の上司で、農林水産省の
審議官です。ウルグアイ・ラウンドが長く続きました。一九九〇年にブリュッセルで終わる予定だったんですけれ
ども、とても終わらず、それから三年かかって、一九九三年の十二月に決着したんです。
そこでどうなったか。私は、塩飽
審議官に仕えまして、一年間に十一回海外出張をしています。要するに、かばん持ちです。かばん持ちで、塩飽さんの後をくっついてあちこち行きました。
会議に出席するのはガット室長というのがいたんですが、それ以外で、
アメリカだ、カナダだ、オランダだと、根回しですよ。そのときに、旅費も足りないですから、私が、直接
関係ないんですけれ
ども、
審議官からすると便利だったんでしょうね。私を連れていくんです。それで、電報を書かされて、なかなか大変でした。
私は、心配していました。あれ、まあ、いいや、決着するから、これで大団円で塩飽さんがやめられる花道でちょうどいいと思っていたら、延びちゃったんです。ところが、塩飽さんというのは立派な方なんですが、若いころ、学生時代に結核を患われて、三年ほど療養生活を送っておられて、卒業がおくれているんです。ですけれ
ども、役所というのは、全て入省年次で人事をやります。
法務省の検事も検察官も同じだろうと思います。それで、困ったというので、僕はそんなの知らなかったんですが、国家公務員法上に定年延長の規定があるんです。それをやると言うので、へえ、なかなか
日本の制度というのは柔軟だ、それで救われると。
なぜかというと、国内は、ボトムアップですね。下でやったものが上に上がっていってというので大体決まっていくんですよ、国内の制度とか対応というのは。ところが、外交交渉というのは、ヘッド・オブ・デリゲーションがいかに交渉して、その人たちがやって、その人たち、あいつが言ったから信用しよう、長年やっていると。
日本と比べて、外国は長いんですよね。
日本はくるくるかわる。それでも長くやっているんですけれ
ども。
例えば、事務次官は一年でかわっても、
審議官や、
財務省でいったら
財務官は、二年か三年やります。ところが、我が省は、塩飽さんは、もう顔役になっていたんです。
日本の米問題、農業問題の顔ですから、余人をもってかえがたしというので、こういう措置を講じたんだ。僕は本当にびっくりしました。これで
我が国の農産物が、ガット・ウルグアイ・ラウンドの交渉もうまくいくのではないか、いい制度だと感心したんです。
そして、今回、これと同じことを東京高検検事長でやられるというんですね。やっておられる。これは、理由として、重大かつ複雑困難な事件の捜査、公判に対応するためという形式的なことを言っておられますけれ
ども、私は、一般国民に問うたらわかると思う。ウルグアイ・ラウンドが継続している、
山口さんは
外務省におられたからわかると思いますが、外交というのはそういう案件があるんですよ。継続していて、あと、そっちに置いて、かわるわけにいかない。
しかし、
日本の国内の組織に、今検察で重大案件があるんでしょうか。東京高検にそれがあるんでしょうか。私は、はっきり断言しますけれ
ども、ないと思いますよ。いかがですか。