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枝野委員 固定資産税であるとか着陸料、航空機燃料税それから自動車税など、猶予だけではなくて免除を明確にしていただきたいというのと、いろいろな
支援をしていただいていますが、そういった、そのきかないところが、例えば過疎地域であるとかの、でも不可欠な交通インフラというのはたくさんあって、そこからばたばた倒れていくということを大変危惧をしていますので、さらなる
支援を
お願いをしたいと思います。
済みません、時間がなくなったので、教育のことは参議院の同僚に譲りたいというふうに思います。
こういうふうに、
政府の対策がおくれてきて対象も
規模も常に小さくなって後手後手に回っている原因は、危機で明らかになった社会経済やあるいは政治
行政の実態を直視することなく、場当たり的に進んできたことに原因があると私は思います。長期戦になるかもしれない目の前の危機に対して迅速、適切に対応してこれを乗り切るためにも、また、この危機の先にあるいわゆるポストコロナ社会を切り開いていくためにも、この危機によって明らかになった現実を我々は直視するべきだというふうに思っています。
一つは、この間、目先の効率性や自己責任が強調され、競争ばかりがあおられてきた、いわゆる新自由主義的社会が脆弱であることが明らかになったと思っています。世界最高と言われていた
日本の医療が、
感染者の急増で崩壊寸前まで追い込まれました。多くの医療機関が、現時点で深刻な経営危機に瀕しています。人口当たりのPCR検査の
実施数も他国と比べて決して多くありません。この間、医療も効率化の例外ではなく、医療機関の統廃合や病床数の抑制などが進められてきました。その弊害が今回如実にあらわれていると思います。
医療だけではなく、介護や保育、障害福祉、放課後児童クラブなど
生活に不可欠なケア
サービス、これが
感染症危機のもとで大変厳しい
状況に追い込まれました。
関係者の献身的な、そして使命感に頼ってようやく維持されているという
現場が山ほどあります。これらは、需要増大に応じた
サービス供給体制の整備が後回しになり、特に、そこで働いている
皆さんの賃金、労働条件が低く抑えられてきた。その結果、従来から
サービス不足、人手不足が言われてきた、そこがやはりこういう危機のときには一番弱い、脆弱さがあらわれています。
目の前の危機を乗り切るためにも、ポストコロナ社会に安心できる社会をつくり上げるためにも、
一つには、医療供給体制を減らしてきた流れを明確に転換する、その方針を明らかにすべきであると私は思います。また、看護師さんなどや、介護、保育、障害福祉、放課後児童クラブなどに従事する方々の労働条件や賃金を引き上げるという明確な方針を今示すべきであると思います。これを、一点目、後ほどまとめて聞きます。
二つ目に、非正規雇用など不安定な働き方がふえたことで、
雇用調整助成金などによる雇用の維持が十分に機能していません。最低限の暮らしを営むという意味で極めて脆弱な社会になっていることが明らかになりました。しかも、厚生労働省の
国民生活基礎調査だと、この十年で貯蓄ゼロ世帯は一〇・五%から一五・七%へと急増しました。貯蓄ゼロですから、仕事を失ったら直ちに食べられなくなるんです。住まいを失うことにもつながるんです。
さらには、効率化を求めて進んできた一極集中や国際分業、大きな弱点をはらんでいることが明らかになりました。都市の過密は明らかに
感染症には脆弱です。マスクや防護服など、国際分業の行き過ぎで一時的とはいえ必要物資の不足を招きました。多くの
皆さんが不安を抱いています。これまでのところ、幸いなことに食料とエネルギーについての混乱はまだ生じていませんが、もし今後、途上国などを中心に感染拡大が続いた場合には、世界的な食料不足のおそれが生じると危惧しています。
二つ目に、過度な国際分業と都市一極集中の弱点が明らかになった中、速やかに、目先の効率性に左右されない一次産業、そして農山漁村
政策への転換が求められていると思いますが、いかがでしょうか。
二つ目に、小さ過ぎる
行政の脆弱さが明らかになりました。
官から民へ、民間でできることは民間で、こういうスローガンに振り回され、危機に対応できない小さ過ぎて脆弱な
行政になっています。
現場は少ない人員で頑張ってきましたが、保健所を減らし
職員を減らし過ぎてきた結果として、PCR検査に至るプロセスに目詰まりが生じたのではないでしょうか。
自治体職員を減らし非正規化を進めてきたにもかかわらず、この
定額給付金十万円の手続を
自治体に丸投げし、
現場を疲弊させ、手続のおくれを招いてきたんじゃないでしょうか。
縦割り
行政の中で、自前では処理できない業務であるにもかかわらず、既存の体制で進めようと、つまり自分の省内で処理しようとするから、外部に丸投げをし混乱を招いた
持続化給付金の問題を生じたんじゃないですか。
感染者情報は、つい最近までファクスでの報告が求められていました。
オンラインで
感染者情報を集約するシステムの構築に手をつけたのは五月に入ってからですね。いまだに十分に機能しているという話は聞きません。
定額給付金では、
マイナンバーが役に立たないどころか、
自治体の事務処理に混乱をもたらしました。
雇用調整助成金に至っては、
オンライン申請を始めたのはいいけれども、初日にバグって機能が停止し、いまだに回復できていないじゃないですか。
公務員を減らせば改革だという三十年前の時代おくれの発想を続けてきたこと、これが今さまざまなところの問題を噴き出させているんじゃないでしょうか。必要なのは、公務員の数を減らすんじゃなくて、適切な部局間の連携
支援を行って、そして、電子化も、
国民に何かを求めるんじゃなくて、
行政の内部における電子化や
オンライン化、これこそが必要なんじゃないでしょうか。これを三点目としてお尋ねを申し上げます。
最後に、
国民の
皆さんにも呼びかけたいというふうに思います。
新型コロナウイルス感染症危機の中で、自己責任とか目先の効率性を強調していたのでは、自分や大切な人は、命は守れません、このことが明らかになりました。自分以外の全ての人に協力してもらわないと感染拡大はとまらず、結果的に自分
たちの命も守れません。同時に、自分の感染リスクを少しでも小さくしようと行動することが、自分のためだけではなく、社会全体の感染拡大を防ぎ、他の全ての人の命を守ることにつながる、このことを私
たちは知りました。社会はこうした互いの支え合いによって成り立っていることを私
たちは再
確認するべきであるというふうに思います。
その上で、大切なことは、支え合いのために生じるリスクとコストが著しく偏っていることなんです。
リモートワークでステイホームが可能な方がいる一方で、最も高いリスクの中で
尽力いただいている
医療従事者などを先頭に、ケア
サービスの
皆さん、物流、小売、旅客運送など、あるいは警察などを先頭に多くの公務労働、リスクがあっても欠かすことができない業務に従事する人がいて社会は成り立っている。
多くの人は減収となっていますが、それでも、この中で実は増収になっている方も一部にはいます。一方で、観光産業や飲食関連、そして、同僚議員が聞きますが、
文化芸術など、影響が特に大きく、経済が回復してきてもなかなか影響は長期にわたるのではないかということで、負担も人によって大きな違いがあります。それでも、それぞれの
皆さんにできるだけのことをやっていただかなければ、そしてそれが可能な
状況にしなければ、この
感染症を乗り越えることはできません。
ですから、このリスクやコストを平準化すること、つまり再分配することこそが政治の最大の役割。本来、私は平時から常に、再分配をすること、リスクやコストを平準化することこそが政治の最大の役割であるというふうに思っているし、それができるのは政治だけです。
政治がリスクやコストの平準化、再分配の役割を積極的に果たすことが求められているのではないか、そのことを、
総理、今の三点、そして最後の一点、お尋ねをして質問を終わります。
総理、いかがでしょうか。