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蒲島郁夫君
熊本県知事の
蒲島です。
本日は、このような機会を設けていただき、まことにありがとうございます。
委員の
皆様におかれましては、平成二十八年
熊本地震からの
復興に対しまして、多大なる御
支援をいただき、心からお礼を申し上げます。
熊本地震から三年九カ月が経過いたしました。本県では、
熊本地震からの
創造的復興に向け、お手元の資料一ページにありますように、重点十項目を掲げ、時間的緊迫性を持って取り組んでいます。
それでは、資料に沿いまして、主な
取組の
進捗状況を
説明させていただきます。
二ページをお願いします。二ページに住まいの
再建について書かれています。
住まいの
再建については、県政の最重要課題と位置づけ、県独自の六つの
支援策を創設し、全力で取り組んでいます。
一月末現在、仮設住宅の入居者数は、一千八百六十三世帯、四千三百九十三人となり、ピーク時から九割を超える
被災者の
方々が住まいを
再建されております。引き続き、お一人お一人の
状況に応じた伴走型
支援を行い、住まいの
再建を全力で後押ししてまいります。
三ページをお願いします。
熊本の宝は阿蘇でありますけれども、阿蘇へのアクセスルートがほとんど地震でやられてしまいました。道路については国交省において精力的に復旧を進めていただいており、来年度中に、国道五十七号北側復旧ルート、国道三百二十五号
阿蘇大橋ルートが全線開通の見込みであります。
四ページをお願いします。四ページには鉄道が書かれておりますけれども、鉄道については、JR豊肥本線が来年度中に運行を再開し、南阿蘇鉄道は二〇二三年夏ごろに再開する見込みであります。
これらの道路と鉄道の開通により、阿蘇
地域へのアクセスは、通勤通学の利便性回復はもとより、阿蘇観光の再生に向け、大きく前進いたします。
それでは、五ページをお願いします。五ページは、益城町の
復興まちづくりについて書いています。
私は益城町の
復興なくして
熊本地震からの
復興はないというふうなことを思っておりますので、この最も被害を受けた益城町について、
創造的復興のシンボルとして、県道
熊本高森線の四車線化と木山地区の区画整
理事業を進めています。
四車線化は、昨年一月から進めているモデル地区
整備が今年度末に完了予定であります。
六ページをお願いします。六ページは、もう一つの
復興である木山地区の土地区画整
理事業であります。一部の地区で昨年十一月に着工し、早いところでは、ことし六月までに自宅
再建が可能となる見込みであります。
一日も早い
被災者の
生活再建に向け、引き続き、町と連携しながら、時間的緊迫性を持って事業に取り組んでいきます。
七ページから九ページにかけて見ていただきたいと思います。七ページから九ページにかけては、大空港構想についてであります。
阿蘇くまもと空港が地震で傷みましたけれども、それを、大空港構想に基づいて
創造的復興をしたいという形で、今、コンセッションの方式を導入しながら進めております。これは、
国内線と国際線が一体となって、二〇二三年の春の供用開始に向けて進んでいるところであります。
九ページをお願いします。九州の真ん中にある空港が生まれ変わるタイミングを見据えて、長年の課題であった空港アクセスの改善にも取り組んでいます。アクセス鉄道を
整備する計画を進めています。
そして、納税者の負担を抑えるため、JR九州から、JR豊肥本線へつながることで生じる増益効果分から、
整備費の三分の一に相当する額を上限に拠出するという、今までに例のない
協力をいただいております。
そして、今、国にもお願いしておりますけれども、今後、具体的な
整備方針が決定した段階で、国においても
整備費について最大限の御
支援をお願いしたいと思います。もちろん残りは県が負担するということになります。
このアクセス鉄道は、大空港構想、それから、それを超えた、地方創生にとってとても大事なプロジェクトだと思いますので、ぜひ国の御
支援をお願いしたいと思います。
では、次に、重点十項目からかわりまして、被災
自治体への
支援について、十ページをお願いしたいと思います。
被災
自治体への
支援についてですが、県や被災市町村の財政負担については、これまで、国庫補助制度の創設、補助率のかさ上げ、地方財政措置の拡充など、国の強力な
支援により、その最小化が図られてきました。心からお礼を申し上げたいと思います。
熊本地震のような大きな
災害からの復旧
復興には、着工後十年余りを要する益城町の区画整理のような、長い年月と多額の費用がかかるものがあります。今後とも、復旧
復興に係る事業を着実に履行できるように、
令和二年度当初予算はもとよりのこと、地方の財政負担の最小化と中長期的な財源の
確保のために、特別な財政措置の継続をお願いしたいと思います。
三番目は、大
規模災害に
対応する
体制確保についてであります。十一ページをお願いします。
大
規模災害については、
全国の市町村からの
支援が不可欠であります。
熊本地震発災当時の
災害対策基本法では、都道府県が市町村に
支援を要請するスキーム、枠組みがありませんでした。本県の要望に対し、国は、速やかに法律を改正していただき、被災市町村
支援の
体制が
強化されました。改めて
感謝申し上げます。
現在も、本県及び被災市町村では、他
自治体から多くの職員派遣を受け、
熊本地震からの早期復旧に大きく貢献していただいております。引き続き、迅速かつ円滑に復旧
復興に取り組めるよう、必要な
支援をお願いしたいと思います。
また、本県では、小規模
自治体を中心に、専門的な知識が必要な分野において、技術職員が不足している
状況です。そうした
状況を踏まえ、県職員を上乗せして採用、育成し、事業受託や職員派遣など、市町村の要望に応じた
支援を来年度から開始いたします。
国においては、増員した技術職員分の人件費を普通交付税で措置する予定とされていますので、心から
感謝申し上げたいと思います。ありがとうございます。
四番目、国土強靱化
対策の予算の
確保についてであります。十二ページをお願いします。
国土強靱化
対策の予算の
確保についてでは、十二ページにありますけれども、本県では、
熊本地震の教訓をしっかりと反映する形で、地震発生の翌年に
熊本県国土強靱化
地域計画を策定しました。また、全ての市町村が計画策定に向けて
取組を進めております。県、市町村とも、平時からの備えによって被害の最小化を図り、迅速な復旧
復興につなげる
取組を進めているところであります。
国においては、
令和二年度までを
取組期間とする三カ年緊急
対策が講じられています。しかし、三カ年緊急
対策のみで完了するものではなく、長期的かつ計画的に取り組むことが極めて重要であります。そのため、三カ年緊急
対策終了以降においても、持続的かつ幅広く適用可能な予算の
確保をお願いしたい、このように思います。
五番目、十三ページをお願いします。地方創生についてであります。
我が国の人口減少や少子
高齢化、東京都への一極集中への流れは、現時点では歯どめがかかっておりません。本県としても、国と協働しながら、
熊本、我が国のさらなる発展に向けて、総力を挙げて取り組んでまいります。
最後になりますが、このほかにも、CSF、これの
感染防止への懸念や、阿蘇火山活動の活性化、長期化に伴う降灰の
影響などの課題も
熊本県は抱えております。国においては、このような
地域事情にも寄り添っていただき、万全の
対策を講じていただきますようお願いします。
あと二分残りましたので、一ページをあけてください。
まず、一ページの重点十項目の、
災害廃棄物の処理が二番目に書かれておりますけれども、これはおかげさまで二年で完了いたしております。
熊本城の復旧については、これについては全部終わるのに二十年かかりますけれども、現在、天守閣の外観が完了し、ことしじゅうには内部が終わる予定であります。
六番目、被災
企業の事業
再建については、これは
政府がグループ補助金を提供していただいたことによって九七%の事業再開が完了いたしました。ただ、今、大きな問題は、後継者問題であるとか、あるいは事業継承問題、それから資金のつなぎの問題が出ておりますので、そのことに関してはまた議論していただければと思います。
被災農家の営農再開については、九九・八%完了いたしました。
九番目の八代港のクルーズ拠点に関しては、現在、ロイヤル・カリビアンというアメリカの会社と国交省と
熊本県がこの
クルーズ船の拠点化を進めております。今月の二十九日には完成予定です。
十番目の国際スポーツ大会は、
熊本県で女子ハンドボール世界選手権大会とラグビーのワールドカップを行いましたけれども、大成功に終わりました。皆さんの御
協力に心から
感謝いたします。
ちょうど時間となりましたので、私の陳述を終わります。ありがとうございました。(拍手)