○馬淵
委員 キャッシュレス還元事業を含めて二・三兆円も措置しているのにもかかわらず、低迷がやはりもう既に明らかになっている。しかも、二〇一四年四月のときよりも消費税率の上げ幅は小さい。二〇一四年四月、これはずっと長期低迷してきたわけですよ。今回は更にひどい
状況になりかねないということを私は申し上げているわけです。十二分な
対策を講じたとお考えですかというふうにお尋ねしても、そこは十二分であるだろうというお話でしかない。
そもそも、
政府の
経済成長の見通しが甘いということを改めて申し上げなければならないんですが、これは先ほど申し上げた閣議決定、2、ここには
令和元年度のGDP成長率〇・九%と示されておりました。
また、お手元の資料で7として、これは
内閣府の年央試算。
政府は年初に
経済見通しを出します。そして、年央、七月に
内閣府が
経済見通しを発表します。この数値は、ほぼほぼ一致をしています。年央試算では、二〇一九年度のGDP成長率、実質で〇・九%、これは同じですね。そして、名目は一・七ですから、閣議決定がプラス〇・一。
このような数値が出されているわけでありますが、実は、私は、前回の消費税率の引上げ、二〇一四年四月のときにも、この予算
委員会で、この
内閣府の年央試算とそして閣議決定の見通しについてのそごを指摘をしました。
当時は四月に引き上げていますから、年央試算は非常に甘い見通しを立てていたんですが、閣議決定に関しては、
安倍総理、当時
総理でいらっしゃいましたが、一月の段階で、大幅に景気が減速するというマイナスの数値を閣議決定で出されたわけであります。当時は、麻生
財務大臣と甘利
経済再生担当大臣、このお二方に
質疑をしたところ、民間も全部外していたんだというお話もありましたし、率直に見通しが甘かったことも認められました。
つまり、私が申し上げたいのは、この
内閣府の年央試算、さらには閣議決定も含めて、変わらぬ見通しのまま来ているんですね。この
状況の中で、二〇一四年だけはさすがにそれは見過ごせずに閣議決定を変えましたが、本来であるならば、先ほど来、十―十二の数値、商業統計や、あるいは家計消費が落ち込んでいる
状況等々を勘案すれば、これは閣議決定を見直さなければならない
状況に私は十分達していると思います。このような見通しの甘さ、
経済成長率に対する見通しの甘さというのが、
安倍政権では代々これが続いているわけです。この間、ずっと続いている。
こうした見通しの甘さというのは、
経済成長だけではありません。税収も同様でありました。
これについては、
総理が、見通しということで申し上げると、さきの施政方針演説で、来年度予算の税収は過去
最高となりましたと語り、その額は、
令和二年度予算フレーム、六十三兆五千百三十億円と税収値が記載されています。しかし、これはあくまでも税収の見積りであります。
一方、昨年の通常国会の施政方針演説では、
総理は、二〇一九年の税収について、「来年度予算における国の税収は過去
最高、六十二兆円を超えています。」このように述べましたが、ことしのこの
補正予算で、税収見通しは約六十・二兆円だということが明らかになりました。
つまりは、
総理が昨年の施政方針演説で
国民に示した、過去
最高、六十二兆円という数値はいずれも達成できていません。そしてまた、今回も、税収については、数字を挙げると間違うかもしれないから、それは避けられたのかどうかわかりませんが、過去
最高というふうに施政方針演説で述べられ、また、予算フレームには六十三・五兆円の税収値が記されています。
過去においても、この税収においても見通しが甘いんですよ。そして、繰り返しになりますが、
内閣府の年央試算とそしてこの閣議決定、これを全く一致させたまま、消費税率引上げ後三カ月たっているにもかかわらず、変わらぬ数値を掲げている。
しかし、きょうのGDPの速報値、これを見て、ああ、このまま成長するんだなと思う
経済人、私はいないと思いますよ。むしろ、余りにも甘い見通しで、ある意味、消費増税の
影響を過小に見積もって、そして見通しを見誤ってきたことを隠し、糊塗し、
経済の悪化を招きながらも、常に、
海外の
状況やコロナウイルス等々、突然湧いてきたような
状況に責任を全て転嫁していく、これが責任ある
経済運営と言えるんでしょうか。
総理、税収の見積りも甘かったわけですよ。あるいは、二〇一四年四月のあの消費税の引上げのときも、年央試算が甘くて、それを慌てて一月の閣議決定で変えているわけです。こうした
総理の運営する政権、本当にこの昨年の十月の消費税引上げで景気を回復させることができるんですか。私は到底難しいと思っています。
まず、
総理、もう時間もありませんが、
総理からお答えをいただきたいのは、このような
状況の中で、
総理は、
経済見通しを改めて見直す必要があるということ、これを
国民の
皆さんの前で、国会のこの場面でしっかりとお約束をしていただくことはできませんか。
総理、いかがですか。