○藤野
委員 いや、おかしいんです。
懲戒処分をするかどうかというのは
法務大臣段階では決められないんですよ。どうしますかというのを上げるのはわかりますよ。いろいろな材料を上げるのはわかる。しかし、
懲戒処分をしないという決断、あなた方のレベルではできないんです。
内閣でやらないといけない。そして、
内閣でやった後に、それはそのままでおいておけないよねというので、次は
監督上の
処分がある。勧告にするのか
訓告にするのか、いろいろありますよ。しかし、今の制度というのは、
懲戒処分という重い
処分についての判断権者は
任命権者である
内閣しかないんですよ。
ちょっと、
大臣、お聞きしますけれども、先ほど、
総理、了承したとおっしゃいました。そのとおりの
答弁をされております。二十五日の会見でも、昨日の会見でも、
法務省が
訓告が相当と伝え、
検事総長も
訓告が相当と判断したと。要するに、
決定の主体は
法務省と
検察庁だという
答弁です。これは違うんですよ。
そして、昨日の参議院決算
委員会では菅官房長官が、我が党の山添
委員の質問に対して、
懲戒処分が不要だと判断したのはなぜかと聞かれまして、そのようなことは判断しておりませんと
答弁しているんですね。私、驚きました。今まで見てきたように、
現行法というのは、まさに
任命権者である
内閣にその判断を委ねているんです。判断できるのは
内閣だけなんです。それが、判断しておりませんと。一体、この
内閣は
現行法をどういうふうに
考えているのか。
検事長という重い職責にある人の
懲戒処分をするかどうかというこの重い判断について、全く
現行法を踏みにじっている。まさに、私は、予算
委員会が必要だと思うんですね。本当にそういう
意味では、
総理と官房長官に
説明してもらわないといけない。そうしないと、今回の
処分について誰が
決定したのか、この肝心かなめの核心の部分が明らかにならないどころか、
総理も官房長官も全く
現行法と違う
答弁しているわけです。これは絶対に曖昧にできません。
そして、改めて別の問題も聞きますけれども、中身についても全く
調査が私はされていないと思うんです。先ほど
後藤委員から
ハイヤーの問題がありました。私も、これは大変気になっているんですね。
ちなみに、
人事院の
懲戒処分の指針だけではなくて、東京高検がみずから、「品位と誇りを胸に 今一度見つめ直そう 自分の
行動と職場の風土」、
東京高等検察庁非違行為等防止対策地域
委員会という、まさに
人事院のものを更に東京高検に落とし込んだものがあるんですね。
これを見ますと、例えば先ほど出ましたマスコミ
関係者についても触れております。
利害関係者ではないけれども、以下の者について、この中にマスコミも入るんですが、
利害関係者に当たらないとされていますが、職務の公正さを疑われるような接触は厳に慎むべきであると、これに書いてあるんですね。
どんなものを慎むべきかというのがもう何個も書かれていまして、その中に、十三ページのエというところには、
利害関係者から無償で役務の提供を受けてはならない、この無償で役務の提供を受けるとは、
ハイヤーによる送迎の提供を受けることなどがこれに該当しますと。そして、キというところには、
利害関係者と一緒に遊技又はゴルフをしてはならない、遊技とは、
マージャン、パチンコ、ポーカーなどが該当しますということで、まさに今回の
事案が当てはまるような話であります。
そして、
ハイヤーについてお聞きしたいんですが、
調査結果
報告や
検討結果というのも拝見しました。そこには、
黒川検事長個人のために手配された
ハイヤーを利用したものではなく、
記者Bが帰宅する
ハイヤーに同乗したものであったと認められ、
黒川検事長個人のために手配された
ハイヤーではないと認定されております。
先ほど来お話ありましたけれども、帰宅する
ハイヤーと書いてあるだけで、行くときに乗ったかどうか書いてないんですね。公用車かもしれない。
ハイヤーかもしれない。ここは明らかになっておりません。再
調査を求めたいと思います。
そして、
記者の手配した
ハイヤーと書いてあるんですけれども、普通、
ハイヤーというのは、
個人契約というのはなかなかないと聞いております。これは
記者Bが手配した
ハイヤーなのか、新聞社が手配した
ハイヤーなのか。
やはり、普通の会社は、
個人が、社員
個人が
マージャンをするために
ハイヤーを使わせないと思うんですね。やはり、その会社の仕事にかかわるから
ハイヤーを使わせる。新聞社でいえば、取材であります。帰宅する途中などで、行くときかもしれませんが、密室で単独取材ができる、だからこそ社の
ハイヤーを使わせたんじゃないかというふうに思います。
実際、産経新聞の
調査結果の中では、「
記者二人の
説明では、取材
対象者の送迎には、
記者が用意して同乗する
ハイヤーを利用し、主にこの車内で取材が行われていました。
調査では、実際に取材メモなどが確認されました。」と、産経新聞、一面トップで書いてあるわけですね。
大臣、お聞きしますが、
ハイヤーという密室で取材ができる、だからこそ社が負担した、まさに、事実上、
黒川検事長のために手配された
ハイヤーなんじゃないですか。