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浮島委員 ぜひとも
大臣の強いリーダーシップのもと、よろしくお願いいたします。
安倍総理が二月の二十七日に、全国の小中高校、
特別支援学校に対して、三月二日から春休みまで臨時休業することを求めてから三カ月近くたとうとしております。この臨時休業、緊急事態宣言、そしてその
延長と、
子供たちも保護者も、そして
先生方も、先の見えない
状況に今直面をしております。
教師は、その中でも地域や
子供たちの
状況に応じて
子供たちを必死に支えてきました。改めて私は日本の
学校の、
教育関係者の底力を実感したところでございますけれども、他方で、なかなか登校できない
状況の中で、小
学校の新一年生が赤ちゃん返りをしている、子供の生活のリズムがとても乱れてしまっている、ずっと家にいると親子でストレスが高まってしまっているというお声もいただいているのが現状でございます。
中央
教育審議会は、四月の二十七日にオンラインで初等中等
教育分科会を開催したと
承知しております。
その
委員の一人の、認定NPO法人のカタリバ代表
理事として被災地の
子供たちの
支援を続けている今村久美さんは、
学校は、
子供たちが教科
教育を受ける場という価値以上に、
教育活動を通じた福祉の場という前提に立つ必要がある、また、
学校は、学びの場である以上に、人と安心、安全につながることができる居場所だと述べられておりました。
また、廃校寸前だった島根県の隠岐島前高校を島留学という発想で活性化させた岩本悠
委員は、
休校になり、当たり前だった日常が失われたことで、そもそも
学校は何を担い、何を守り、何を育んできたのかが改めて顕在化しました、
学校は狭い意味での
教育にとどまらない福祉的な価値、例えば健康的生活リズム、子供の安全な居場所等も担っていることが浮き彫りになってきましたと
指摘をされたところでございます。
それぞれ、本当にそのとおりだと私は思います。
先の不透明な中でお友達に会いたいと思っている
子供たち、また
子供たちに会いたいと思っている
先生方、今後、徐々に
学校再開が始まっていきますけれども、子供にとって人と安心、安全につながることができる居場所、子供の安全な居場所である
学校、
感染拡大の防止に最大限の配慮をしながら再開することは何よりも大事なことだと思います。
他方、三、四、五月と
休校が続いた中で、
子供たちも保護者にも、その間の学びをどう回復し学力を保障するかについては不安が高まっているのも現状でございます。今私
たちが何よりも優先すべきなのは、目の前の
子供たちの生活と学びをしっかり支えることだと思います。その地道な
努力のためにはしっかりとした投資をしていかなければなりません。
これから、もしかしたら一年、二年にわたって日本の社会はこの感染症と向かい合い、
学校も
休校したり再開したり、また
休校したり再開したりということを繰り返すことも否定はできません。そんな
状況のもとで、学びの保障のためにはどんな
取組が必要になるのか。まず、教科書の内容を、個別でも実施可能な学習と、対話や討論、協働など、集団での中でこそ意味のある学習に分けて、今となっては本当にぜいたくな時間となったクラスでの対面
授業で何を扱うのかを明確にして学習内容を重点化することが求められると私は思います。
例えば小
学校三年生であれば、年間、国語が二百四十五こま、算数が百七十五こま、体育が百五こまなど、計九百八十こまの
授業を行うことになっております。その中で、国語であれば語彙や漢字の習得は個別でも実施が可能な学びであります。また、記録や報告などの文章を読んで、文章の一部を引用してわかったことや
考えたことを
説明したり、また意見を述べたりする活動、こういうのは対面
授業や
オンライン授業で行うことが求められる学習活動であります。また、語彙や漢字の習得、計算能力の育成といった、個別でも実施可能な学習は、
情報端末を活用したり、学習指導員による指導を生かしたりして、
授業とは別に学習の
機会を
確保することができると思います。
さらに、学習指導要領はもともと大綱的な基準で、これまでも
学校は全ての単元に同じ時間をかけて
教育活動を行うのではなくて、大胆にめり張りをつけたり順番を入れかえることができました。今はこの
状況だと私は思っております。
文科省には、それぞれの単元を見渡して、各
学校に
教育内容の重点化、縮減を図るためのガイドラインを示すことが必要であります。
このように学習内容と学習量について見取り図とスケジュールを整理した上で、夏休みの活用や土曜
授業で時数を
確保する一方で、三つの密を避けるために、クラスを幾つかの集団に分けて午前と午後の二部制の
授業にしたり、
学校以外の公民館、
図書館等においてオンラインを活用した指導を行ったりして、安全、安心に学べる環境を
確保しなければならないと思っています。
でも、その際、個別でも実施可能な学習を中心とした教材、解説動画、そして学習定着度確認テストなどを
文科省がオンラインで提供して、
子供たちが
情報端末を使いながら自宅で学ぶ意欲を持って学習に取り組むことも極めて重要だと思っています。
学校は年間二百日の
授業日が設定されておりますけれども、今年度は四、五と、三十から三十五日分の
授業が実施できませんでした。しかし、このように
教育の内容を重点化して圧縮するとともに、どの学びを対面
授業で行うかを明確にしながら年間の学習計画を組むことにより、高三、中三、小六は優先的な分散登校で今年度末までに学びの保障をしっかりと行うとともに、それ以外の学年についても、二、三年を見通して無理なく学習を取り戻すことができることと思います。
また、仮に再び
休校となったとしても、
休校の
期間中、個別でも実施可能な学習は家庭において
情報端末を活用して行い、オンラインの
授業においては対話や討論を行うといった見取り図に基づき、慌てずに
対応ができると思います。
大臣の強いリーダーシップで、四千六百一億のGIGAスクール構想の実現のための
予算が
確保できました。これは画期的なことだと思います。
次に必要なのはマンパワーです。三つの密を避けるための少人数学習の集団を編成したり、個別でも実施可能な学習に
子供たちが意欲を持って取り組んだりするためには、これまでの常識に全くとらわれない規模の加配教員や学習指導員、スクールサポートスタッフなどのマンパワーが不可欠だと思います。
教育というのは人、国づくりは人づくりでございます。今年度の二次補正の編成に向けた
大臣の決意を伺わせていただきたいと思います。