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吉良委員 大臣、ありがとうございます。
本当に、問題意識も共有し、方向性も共有していただいていると
思います。力強く推進をしていただきたいと
思います。
次に、科学イノベーション、その中でも、特に宇宙分野を取り上げたいというふうに思っています。
これも
萩生田大臣の所信の中で、我が国が将来にわたって成長と繁栄を遂げるためのかなめは、科学技術イノベーションですというふうに述べられています。
私自身も、以前から繰り返し言っていることなんですけれども、人口減少、少子化、そのままいけば国力が衰えかねない。その中にあって、社会の活力を維持し、国力を維持し、そのためには科学技術立国、科学技術で生きていくしかない、それが私自身の持論であります。
そういう中で、大人になったときに、結果的には文化系と言われる仕事に携わる、そういうことになったとしても、少なくとも子供のころは、科学がおもしろくてしようがない、将来は科学者になりたい、ノーベル賞を受賞したい、エンジニアになりたい、
子供たちの七割、八割がそういう方向を、まずは小
学校、中
学校のころは向いている。そのような
学校教育にしなければいけないのではないかということを私自身は思っています。
これも
大臣所信の中で、旭化成の、ノーベル化学賞受賞者の吉野彰シニアフェローについて
大臣は語っておられましたけれども、吉野さんも、小
学校四年生のときの女性担任から勧められた「ロウソクの科学」という本を読んで、そして化学に対する興味を持った、こういう話がございました。
だから、そういう意味で、私自身は、
子供たちというのは、言われて押しつけられてやると、嫌な子も、逃げる子も出てきますけれども、興味を持ったら、とことんのめり込んで、その分野に対する
能力も、それからいわゆる学力全般についても伸びるものだと私は信じています。
そういう意味で、科学に目覚めるための具体的な提案をさせてもらいたいと思っています。
ただ、これは、柴山
大臣のときに、この文科
委員会のときに、実は私が提案したことでもあります。どういう提案かというと、小
学校の五年次か六年次、アンド、オア、中
学校の二年次か三年次に、宇宙週間、スペースウイークというものをつくったらどうかということです。
これも、また私の体験になって恐縮なんですけれども、先ほど言いました、米国時代に子供が通っていた小
学校は、宇宙週間だけじゃないんですけれども、地理、地理歴史の地理、地理週間というのがあったり、宇宙週間というのがあったりして、その宇宙週間というときには、子供がお祭り気分になるように、まずは、宇宙週間の間、
子供たち全員が着るTシャツのデザインを募集して、
子供たちの誰かのデザインが採用されて、みんなその服を着る。宇宙週間の最初は、初日には、実際の宇宙飛行士がNASAから来て、宇宙の楽しさ、おもしろさを話をする。そして、毎日毎日、宇宙についてのおもしろさ、楽しさを
子供たちが学ぶ。
ちょっと詳細は省きますけれども、かといって、一日じゅう全部宇宙のことではないんですけれども、宇宙のことを学ぶことによってほかの学科にも波及するような教え方をしています。そこは、ある種のすばらしい仕組みができ上がっているんですけれども。
子供たちは、その宇宙週間の後は、本当に宇宙のことばっかり話をするぐらい、興味を持つんですね。
それで、私自身は、この宇宙週間をぜひ
日本にも導入したらどうかというふうに思っています。ちょっと気になるのは、先ほど
萩生田大臣もおっしゃっていましたけれども、それじゃなくても教師不足で
学校現場は大変、その中には、これもやり、あれもやり、これもやりという中で、また宇宙週間なんという余計なものが入ってきたら、それじゃなくても大変なのにという現場の悲鳴の声も上がるかもしれませんけれども、私はそれでも、将来の
日本のことを考えれば、そういう宇宙週間を設けるべきだというふうに思っています。
もう一点、問題意識を披露させてもらうと、
日本の科学技術のレベルがどうやったら上がるか。私の持論ですけれども、主に四つの分野の頂が高ければ高いほど、裾野が広くなる。その四つというのは、一つは軍事です。そして、一つは原子力です。そして、この宇宙。そして、山中教授じゃないですけれども、生命科学。この四つの頂が高ければ高いほど、裾野が広がると思っています。
ただ、
日本の場合は、軍事についてはある意味ではタブー、そして原子力については、今は非常に警戒心が強い領域になってしまっていますので、そういう意味では、宇宙と生命科学、これが最も重要だろうというふうに思っています。
そういう意味では、
子供たちの興味を、まず宇宙というところで興味を持たせて、そこから科学全般に興味を持ってもらう、こういうふうに考えているんです。
あと一点、宇宙について言いますならば、イトカワに行って傷だらけになりながらイトカワの物質を持ち帰った「はやぶさ1」、そして先日、リュウグウ、「はやぶさ1」の苦い経験も生かしながら、
現時点では非常にうまくいっている「はやぶさ2」、こういう話というのは、
子供たちも本当に夢があって興味を持てるプロジェクトだと思っているんですね。
そういう意味では、この宇宙週間も、義務
教育の小
学校、アンド、オアになりますけれども、中
学校に設けていくということは、先ほど来言っていますけれども、
日本の科学技術の裾野を広げる、上げる、将来的には頂を高くする、
日本の社会の活力、国力を維持増進していくために一番大事なことだと
思いますけれども、この点について、できれば
大臣の見解をいただきたいと
思います。