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2020-03-10 第201回国会 衆議院 東日本大震災復興特別委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    令和二年三月十日(火曜日)     午後一時開議  出席委員    委員長 伊藤 達也君    理事 小里 泰弘君 理事 小田原 潔君    理事 高橋ひなこ君 理事 冨樫 博之君    理事 根本  匠君 理事 落合 貴之君    理事 谷田川 元君 理事 浮島 智子君       あべ 俊子君    青山 周平君       安藤 高夫君    安藤  裕君       伊藤信太郎君    池田 佳隆君       上杉謙太郎君    鴨下 一郎君       神田  裕君    木村 次郎君       黄川田仁志君    国光あやの君       小寺 裕雄君    古賀  篤君       高木  啓君    津島  淳君       出畑  実君    中曽根康隆君       長坂 康正君    古川 禎久君       穂坂  泰君    堀内 詔子君       三谷 英弘君    宮澤 博行君       村井 英樹君    阿久津幸彦君       小熊 慎司君    岡本あき子君       金子 恵美君    岸本 周平君       玄葉光一郎君    近藤 和也君       階   猛君    矢上 雅義君       山崎  誠君    國重  徹君       高木美智代君    高橋千鶴子君       杉本 和巳君     …………………………………    国務大臣    (復興大臣)       田中 和徳君    復興大臣        菅家 一郎君    復興大臣        横山 信一君    環境大臣        石原 宏高君    復興大臣政務官      青山 周平君    政府参考人    (内閣官房内閣審議官)  諸戸 修二君    政府参考人    (内閣大臣官房審議官) 村手  聡君    政府参考人    (復興庁統括官)     石田  優君    政府参考人    (復興庁統括官)     石塚  孝君    政府参考人    (復興庁統括官)     小山  智君    政府参考人    (復興庁審議官)     奥  達雄君    政府参考人    (総務省大臣官房審議官) 谷  史郎君    政府参考人    (総務省大臣官房審議官) 稲岡 伸哉君    政府参考人    (外務省大臣官房審議官) 加野 幸司君    政府参考人    (文部科学省大臣官房審議官)           蝦名 喜之君    政府参考人    (厚生労働省大臣官房審議官)           横幕 章人君    政府参考人    (防衛省大臣官房審議官) 町田 一仁君    衆議院調査局東日本大震災復興特別調査室長     武藤 裕良君     ――――――――――――― 委員の異動 三月十日  辞任         補欠選任   津島  淳君     池田 佳隆君   堀内 詔子君     村井 英樹君   本田 太郎君     高木  啓君 同日  辞任         補欠選任   池田 佳隆君     津島  淳君   高木  啓君     出畑  実君   村井 英樹君     堀内 詔子君 同日  辞任         補欠選任   出畑  実君     本田 太郎君     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  政府参考人出頭要求に関する件  東日本大震災復興総合的対策に関する件      ――――◇―――――
  2. 伊藤達也

    伊藤委員長 これより会議を開きます。  議事に入るに先立ちまして、委員会を代表して一言申し上げます。  明十一日で東日本大震災の発生から九年を迎えます。改めて、お亡くなりになられた方々とその御遺族に対しまして、深く哀悼の意を表しますとともに、被災地復興を祈念をいたします。  これより、お亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りし、黙祷をささげたいと存じます。  全員の御起立お願いをいたします。――黙祷。     〔総員起立黙祷
  3. 伊藤達也

    伊藤委員長 黙祷を終わります。御着席願います。      ――――◇―――――
  4. 伊藤達也

  5. 伊藤達也

    伊藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――
  6. 伊藤達也

    伊藤委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。小田原潔君。
  7. 小田原潔

    小田原委員 自由民主党小田原潔であります。  質問の機会をいただき、ありがとうございます。  あれから九年がたとうとしております。平成二十三年の三月十一日、私は、落選中で、永田町を歩いておりました。経験をしたことのない激しい揺れに青ざめ、そのときは、とうとう関東大震災が来たと思いました。数日間不安で、ACのコマーシャルが続くテレビを消せなかったのを思い出します。  二週間が経過するころ、五体満足な健康な成人男子が、職もなく、テレビを見ているだけでいいのかという思いも募り、東北自動車道が再開通した翌日、単身、車でボランティアをしに行きました。一年以上、テント生活をしながら、宮城七ケ浜町で、ヘドロをかき出したり、だめになった家財道具を出したりといった作業を続ける日々でありました。  たどり着いたときの光景は、余りの悲惨さで、これが本当に人の力でもとに戻せるのか、途方もない思いになりました。ボランティアセンターでは、後日わかりましたが、町会議員方々が、御自身の立場を語ることなく黙々と働いていらっしゃいました。  一年一緒に働いて、初めて自分のことを語る青年もいました。車ごと流され、観念をしたけれども、奇跡的に、高速道路の土手にぶつかって車のドアをあけることができて、生き長らえた、そう言った青年一緒に働いてくれていました。彼は今、七ケ浜町で、柔道整復師の資格を取り、元気に開業し、町の人たちに心の安らぎを与えてくれています。  初めての慰霊祭の日は、ボランティアセンター仲間で、作業車で浜に行き、海に向かって黙祷をし、帰りの車中で慰霊式典様子を聞きました。御遺族の方のお言葉に、車内全員が泣きながら聞いたのを覚えています。今でも心の戦友であります。  野外で私が活動している様子を、当時、町の地域福祉課長として見回りでごらんになっていたのが、今の寺沢町長であります。七ケ浜町は、私の同志で先輩伊藤信太郎衆議院議員選挙区でありますが、七ケ浜町の今を通じて全被災地課題取組について伺います。  まず、子供の心のケア継続ときめ細かい寄り添いについて、心のケア取組についての現状を文科省からお伺いしたいと思います。
  8. 蝦名喜之

    蝦名政府参考人 お答え申し上げます。  震災から九年が経過する中で、現在でも、震災を突然思い出し、気持ちが落ちつかなくなることがある児童生徒でありますとか、避難先での生活を余儀なくされている児童生徒が、今でもおります。被災児童生徒に対するきめ細かな心のケアなどの支援については、継続的に取り組んでいくことが大変重要であるというふうに考えているところでございます。  こうした認識のもとで、スクールカウンセラーなど子供の心のケア専門家配置につきましては、震災直後の平成二十三年度から現在まで、全額国庫補助にて配置をし、現場支援しているという状況でございます。令和二年度の政府予算案におきましても、被災自治体要望を踏まえまして、配置に必要な経費を計上いたしているところでございます。  文部科学省といたしましては、引き続き、被災自治体との丁寧な情報交換を行いながら、復興庁とも連携しながら、心のケアを含めた必要な支援に努めてまいりたいと考えているところでございます。
  9. 小田原潔

    小田原委員 ありがとうございます。  現場の声を聞いてみました。そうすると、記憶がないはずの生まれたばかりの子供、今、小学校三年生、四年生に、特に不登校や多動が多いということでありました。  これは震災と関連があるという御認識なのかどうか、お伺いしたいと思います。
  10. 蝦名喜之

    蝦名政府参考人 お答えを申し上げます。  不登校等の要因につきましては、児童生徒によってさまざまであると考えてございます。  御指摘の現在の小学校三年生、四年生、震災当時は生まれて間もないころだったと考えますけれども、現在の小学校三年、四年生に震災がどの程度影響を及ぼしているのかというのは、個々の児童生徒の生育の状況等によりますために一概にはなかなか言えないものと考えてございますけれども、他方で、被災自治体における調査などによりますれば、震災から時間が経過した最近になっても、当時の恐怖や喪失感による不安などから新たに不登校となる子供が出てきているといったようなこと、また、今でも突然震災思い出して授業に集中できなかったり気持ちが落ちつかなくなったりするという子供が存在してございます。  依然として震災のつらい思いをさまざまな形で抱きながら学校生活を送っている児童生徒も、一定数存在するものと承知をしているところでございます。
  11. 小田原潔

    小田原委員 確かに、ボランティアセンターには、当時、地元の中学生、高校生も春休みということで、ヘドロだらけになりながら手伝ってくれた子供たちが大勢いました。  さて、現場では、特に昨年、一昨年と、緊急スクールカウンセラー等活用事業というのを実施しています。しかし、本音を言えば、学校に張りつくスクールカウンセラーよりも、未就学児や不登校、親世代のメンタルが子供に及ぼす影響など、家庭からも話を聞くスクールソーシャルワーカー要望が強いです。  御認識はいかがでしょうか。
  12. 蝦名喜之

    蝦名政府参考人 お答え申し上げます。  心理の専門家でありますスクールカウンセラーだけでなく、家庭を含めた子供を取り巻く環境に働きかけながら、福祉専門家として、例えば福祉機関との間をつないでいくような、支援を行うようなスクールソーシャルワーカー配置充実を図っていくということは重要であるというふうに考えてございます。  実際にも、例えば宮城県から要望をいただいてございますが、近年、スクールソーシャルワーカーへの支援ニーズが高まっているということを踏まえて、スクールカウンセラーはもとより、スクールソーシャルワーカー配置継続できるよう特段の配慮をお願いしたい、こういったような内容の要望宮城県からはいただいているところでございます。  こうしたことも踏まえまして、令和二年度の政府予算案におきましても、スクールソーシャルワーカー配置に必要な経費を計上いたしているところでございます。  いずれにしましても、引き続き、被災自治体と、現場で実際、何が、どういったニーズがあるのかといったことについての丁寧な情報交換を行いながら、スクールソーシャルワーカー等配置も含めて必要な支援に努めてまいりたいと考えているところでございます。
  13. 小田原潔

    小田原委員 ありがとうございます。  予算の御説明をいただいたときに、要求の満額を満たしているという説明をいただきました。しかしながら、現場で話を聞いてみると、そのスクールカウンセラーについては、上限額を守るために時間数を減らしてやりくりをしているという声もありました。  この点、御認識はいかがでしょうか。
  14. 蝦名喜之

    蝦名政府参考人 お答えを申し上げます。  現在、政令指定都市を除く市町村におきますスクールカウンセラー等配置につきましては、原則、その市町村が属する都道府県配置基準に基づいて配置を行ってございます。文部科学省としては、そうした都道府県からの要望を踏まえて、それに見合う形での予算を措置をしているところでございます。  一方で、学校現場からの声としては、スクールカウンセラー配置時間が、委員指摘のように、必ずしも十分ではないといったような指摘があるということを私どもとしても承知をしているところでございます。  文部科学省といたしまして、引き続き、被災自治体との丁寧な情報交換を行うということを通じまして、可能な限り、実際の学校現場を含めた被災地での要望に応えることができるよう、県との調整に努めてまいりたいと考えているところでございます。
  15. 小田原潔

    小田原委員 復興創生期間令和二年度で終わります。  先ほど、小学校三年生、四年生に問題を抱える子供がふえている、子供の数は減っているのにそういう子がふえているという現場の切実な懸念があります。小学校三年生、四年生というと九歳、十歳でありますから、まだまだ、しっかりとした心根で元気に成長してもらうためには、寄り添っていただく要望というのが続いて当然であろうと思います。  支援を必要としている子供たちがたくさんいることに鑑み、心の復興事業として継続、延長を求める声が強いのでありますが、復興大臣に今後の意気込みをいただきたいと思います。
  16. 田中和徳

    田中国務大臣 質問者のお許しをいただき、答弁に先立ち、一言申し上げさせていただきたいと思います。  先ほど皆様と一緒黙祷をさせていただきましたが、あす三月十一日、東日本大震災発災から丸九年を迎えることになります。予定をしておりました政府主催東日本大震災追悼式は、コロナウイルス感染拡大を阻止するために、残念ながら、やむを得ず取りやめとなったところでございます。  私は、震災によって亡くなられた方々に心から哀悼の意を表し、遺族方々や、今なお仮設住宅でお暮らしをしておられる方々の不自由な状況を鑑みるときに、心からお見舞いを申し上げるとともに、被災地の一日も早い復興再生へ強い決意を持って臨んでまいりたいと思っております。  ただいま、七ケ浜町でとうといボランティア経験をされた小田原潔委員からお尋ねがあったことについて、お話をしておきたいと思っております。  「復興創生期間」後における東日本大震災からの復興基本方針においても、被災した子供に対する支援については、復興創生期間後も引き続き支援に取り組む旨示しており、引き続き、被災自治体文部科学省等関係者としっかりと連携をしながら取り組んでまいりたいと思います。  お話がありましたように、震災によって家族や住居を失った子供たち、特に、震災を突然思い出したり、お話があったように、授業中に集中できなかったり、いろいろなケースがあるわけでございますので、丁寧に対応していくことをお約束を申し上げたいと思います。
  17. 小田原潔

    小田原委員 ありがとうございます。ぜひ、子供たちに寄り添った国でありたいと私も願います。  ただいま大臣から、とうといボランティアというお言葉をいただきましたが、本音を言うと、ボランティアは、そもそも、黙って行って、黙って働いて、黙って帰ってくるものであろうと思います。私自身も、自分からこの体験を話すことはほとんどありません。むしろ、贖罪の気分とまでは申しませんけれども、この国難の時期に、あなたはあのとき何をしていましたかと聞かれて恥ずかしくない生き方をしたいと思ったその欲求を受け入れてくれた、震災に立ち向かう活動にかかわらせてくれただけでもありがたいと思います。  次の質問に移ります。災害公営住宅の見守り事業についてであります。  子供たちの心もさることながら、ただいま現場では住民の高齢化単身化が進んでおります。高齢者世帯単身世帯が六〇%から七〇%を占める七ケ浜町では、社会福祉協議会臨時職員として四、五名の方が継続して二百八十八世帯を巡回し、月に二回程度年間延べ四千人程度の見守りをしてくれています。人間関係もできてきて、引き続き事業継続を望む声が強うございます。  決意のほどをいただきたく存じます。
  18. 田中和徳

    田中国務大臣 ただいまのお尋ねについてお答えをいたしたいと思っております。  七ケ浜町においては、災害公営住宅高齢化率が四三%でございまして、町全体の約三〇%より高い、このようにも伺っておるところでございます。  いろいろと今数字的にもお話があったわけでございますが、復興庁被災者支援総合交付金によってこの取組支援をさせていただいておるわけでございます。  このような見守りなどの被災者支援は、昨年取りまとめた復興基本方針において、復興創生期間後も事業の進捗に応じて支援継続するということにもなっております。引き続き、自治体と連携し、丁寧に状況を伺って、被災者に寄り添った支援をいたしてまいりたいと思っております。
  19. 小田原潔

    小田原委員 ありがとうございます。  現地に行き、初めて悲惨な光景のど真ん中で、ボランティア仲間と、寒く、きついにおいの中、ヘドロで汚れ、危険な場所に重い物を運ぶ、ああいった作業をしたことで、現地人たちの悲しみ、つらさを少しでも共有したい、そういう思いでありました。  被災地の写真は、とてもじゃないけれども撮れませんでした。その場所は、皆さんが幸せに暮らしていた場所だし、悲劇が起きた場所でもあります。心の中にあんなつらい光景を焼き付けたいという気持ちも全くありませんでした。  今はハード面はほとんど完了したと現場人たちも言ってくれています。しかしながら、区画整理後の土地利用について頭を抱えていらっしゃいます。  まずは、東日本大震災からの復興に係る土地区画整理事業における宅地活用状況について教えてください。
  20. 石塚孝

    石塚政府参考人 お答え申し上げます。  住まい復興工程表に基づき、土地区画整理事業によって整備されました宅地活用状況は、昨年九月末現在で、全体、約六五%となっております。
  21. 小田原潔

    小田原委員 ありがとうございます。  現場では、区画整理が終わり、町が買い取った土地でありますけれども、何に活用するかというところに悩んでいらっしゃいます。  もともと、とってもにぎやかな場所であったわけではありませんし、かといって、使途のないまま放っておくわけにもいかない、できれば買ってもらったり借りてもらったりして町の負担を軽減させていただきたいという本音があるわけでありますが、土地区画整理事業により造成した宅地空き区画に対する利活用促進取組について、大臣からいただきたいと思います。
  22. 田中和徳

    田中国務大臣 御指摘がございましたように、土地区画整理事業実施地区土地利活用促進は極めて重要な課題でございます。このため、土地所有者利用者マッチング等土地利用活用促進に向けて各自治体が懸命に努力をしております。  七ケ浜町は仙台の通勤圏でありまして、都市部土地需要の受皿となる可能性は十分ある、このように私は、現地にもお伺いして、今思っておるところでございます。  復興庁としても、引き続き、職員現地に出向き助言等を行うとともに、住まいの再建だとか、産業、なりわいの再生など、関係省庁と連携し、あらゆる施策を総動員して被災自治体とともに取り組んでまいりたいと思います。  委員の御指摘を重く受けとめて努力をしてまいります。
  23. 小田原潔

    小田原委員 ありがとうございます。  きっと、町長を始め七ケ浜皆さん、この状況をインターネットの中継でごらんになっていると思います。大臣からのお言葉、どれだけ心強く思ったかと察する次第であります。  先輩選挙区のお話を随分と執着して話をしてしまいましたが、私自身はほかの被災地に行くのは余り気が進みませんでした。というのは、当初、どの自治体社会福祉協議会職員対応に手いっぱいで、来てくれるなというところの方が多かった。それを、このようなよそ者の私の気持ちを受け入れてくれた、そういった七ケ浜人たちに完全な復興をなし遂げるまで寄り添いたいという思いであります。  これが全ての被災地に共通することとなることを確信して、質問をさせていただきました。  ありがとうございました。
  24. 伊藤達也

    伊藤委員長 次に、津島淳君。
  25. 津島淳

    津島委員 自由民主党津島淳でございます。  私からも、発災九年を迎えるあすの三月十一日、犠牲になられた方々に心からの哀悼の誠をささげます。  九年がたつわけであります。被災地復興は進みつつあるといえども、まだまだ道半ばのところはございますので、田中大臣を先頭に、被災地の完全なる復興というものを進めていただくように、ぜひお願いをいたします。  震災記憶の風化ということが言われております。憂うる声が上がっております。  記憶、つまり、忘れてはいけないということはもちろんなんですが、大事なことは、あの日起こったこと、そしてその後に起こったことをどう次の災害に生かしていくかということではないかと私は思っております。  そういった観点で、きょうは、災害医療の展開について、当時の課題等を一つ一つ見ていきながら議論してまいりたいと思いますので、よろしくお願いします。  東日本大震災では、東北太平洋岸域、多くの自治体被災したわけであります。被災地域、およそ医療機関は三百八十ある、私なりに調べた結果、あると承知をしております。  まず、復興庁にお伺いしたいんですが、この三百八十あったと言われる医療機関被災状況を教えていただけますか。
  26. 石田優

    石田政府参考人 お答え申し上げます。  先生御指摘のとおり、発災当時、被災三県には三百八十の病院が存在しておりました。  現在では、未再開の病院福島浜通りの六病院のみとなっておりますが、発災当時は約三百の病院被災し、全壊が十四病院半壊等の一部損壊が二百八十九病院となりました。  この結果、被災直後の時点で、入院、外来の停止や制限を行った病院が二百以上に上っていたと承知しております。
  27. 津島淳

    津島委員 ありがとうございます。  今、石田統括官から答弁ありましたとおり、多くの病院被災したわけですね。そういった多くの診療所で、医師の皆さんは、壊れた建物の中で必死の思い医療を提供してきた、あるいは地域避難所を巡回して、巡回診療を自発的に行ったり、そういったことを行っていたわけです。  実際、また、地域拠点となる災害拠点病院は三十三、被災三県であるわけですが、そのうち三十一施設が一部損壊という被害を受けたわけであります。  そして、発災後、その地域医療支援すべく、災害派遣医療チームDMATが入ってまいります。このDMAT活動課題について、次はお伺いします。  DMATは、三月十一日から二十二日まで、全国から延べ約三百四十隊、千五百人が活動を行ったと記録に残っています。この活動記録について、内閣府防災あるいは厚生労働省DMAT事務局において検証が行われ、いろいろな課題指摘をされております。  主なものとすれば、急性期のみならず亜急性期慢性期疾患への対応が必要になった、活動期間として想定していた発災後七十二時間を超えての活動が必要であった、広域医療搬送がスムーズに行えなかった、派遣されたDMATの隊員のロジスティックサポートの充実といったことが指摘されております。  こうした課題について、内閣府、きょうは村手さんですか、今後の大規模災害時の医療の提供にどう生かしていかれるでしょうか、お願いします。
  28. 村手聡

    村手政府参考人 お答え申し上げます。  災害医療を含め、東日本大震災における災害応急対策課題につきましては、東日本大震災における災害応急対策に関する検討会において検証され、平成二十三年十一月の中間取りまとめにおいて整理されてございます。  その中で、委員指摘のとおり、災害医療については、他の医療チームへの引継ぎも含めまして、発災中長期医療に至る対応ですとか、また慢性疾患等入院患者避難所患者広域医療搬送を含めた対応などが課題として挙げられていたところでございます。  これらの課題を踏まえまして、政府では、防災基本計画を改定いたしまして、DMATが中長期的にも医療活動を展開できる体制の確立や円滑な引継ぎ、また傷病者や慢性疾患患者の広域搬送体制の確保などの取組を追加いたしました。また、この改定を受けまして、具体的に、厚労省におきましては、DMAT活動要領の改定を行って、DMAT活動が長期間に及ぶ場合の追加派遣やDMATロジスティックチームの創設などについて対応を行っていただいたところでございます。  こうしたことを踏まえまして、さきの熊本地震において、DMATにおける二週間にわたる継続的な医療活動が行われるなど、東日本大震災の教訓を生かした取組が進められているところでございます。  今後も引き続き関係省庁と連携いたしまして、大規模災害時における災害医療の確保に向けて、しっかりと取組を進めてまいりたいと考えてございます。  以上でございます。
  29. 津島淳

    津島委員 ありがとうございました。  DMAT活動発災後七十二時間以上を超えて中長期の活動になるということを想定したものとしている、そしてそれを支えるロジスティクスについても検討されているというお答えでございました。  このロジスティクスということが極めてやはり重要であって、東日本大震災のとき、特に空路で全国から入ったDMATの隊員さんは、入ったはいいが、衣食住、彼らみずからの衣食住の問題というのがネックになったということがございました。  そこで、私から、ある意味提案ということになるんですが、船の活用ということを今後検討すべきだということ、このことについてちょっと議論をしてみたいと思います。  きょう、委員の皆様には資料を配らせていただいておるかと思います。三月四日付の日本経済新聞、「病院船導入 機運再び」ということで、この場では、病院船建造についての議論はまたとしたいと思っております。  私が主に論じたいのは、今ある船舶の活用ということであります。自衛隊には、医療設備を持った艦船が現に存在しています。あるいは、民間船舶でも、医療設備を持った船が存在しています。これらを活用すること、それを検討すべきではないかという点を論じていきたいわけであります。  災害時に船舶を活用するメリットを私なりに整理をしますと、大量の人員、物資をまず被災地に運ぶことができる、それから、船舶自体に燃料、水等があり、一定期間自立ができる、さらに、居住空間がある船舶では、それを避難所として活用できるのではないか、さらに、医療設備があれば、臨時広域搬送拠点、いわゆるSCUとしてそれを使うことができるといったメリットがありますが、まだまだ、どのように活用するのか、そしてスタッフをどのように参集していただくのか、陸との連携はどうするのか、さまざま課題があると私は認識しております。  いずれにしても、船舶を活用するということはやはり私は有用であって、政府においてぜひこれは検討していただきたいと思うんですが、きょうは横山副大臣においでいただいております。実は、病院船についてはいろいろと語り合う仲でもございますので、特別に御指名をするような形なんですが、横山副大臣、ぜひ思いお答えいただきたいと思います。
  30. 横山信一

    ○横山副大臣 お答えいたします。  津島先生には、議連を通しまして一緒に、病院船又は災害時多目的船についての利活用について、終始議論をリードされてきていることに敬意を表するものでございます。  東日本大震災におきましても、沿岸地域医療機関が多く被災したことを鑑みると、大規模災害時の医療ニーズ対応する多様な手段を確保しておくということは重要なことと考えております。  委員指摘のいわゆる病院船の活用につきましては、これまでも、内閣府を始めとする関係省庁が実証実験等を通じた検討を進めてきたところでもございます。厚生労働大臣からも、課題の解決を関係省庁とも探りながら、病院船の配備のあり方について加速的に検討を進めていきたい旨の発言があったと承知をしております。  また、一方で、東日本大震災では、医療機能だけでなく、自衛隊艦船による入浴支援、あるいは訓練所練習船等による炊き出しの支援なども実際に行われておりました。  こういう観点を見ますと、被災者支援にも船舶が活用された、活躍したという事実がございます。その点において、復興庁といたしましても、災害時多目的船という観点も今後注視をしてまいりたいと考えているところでございます。
  31. 津島淳

    津島委員 ありがとうございます。  病院船という役割が特化した船の必要性というものももちろんあるんですが、副大臣がおっしゃられた災害時多目的船という考え方、こういった、少し幅を広げて、そして、今ある船をどう活用していくか。しかし、今ある船では足らざるところ、そういう災害時多目的船を新造する、新たにつくるのか、あるいは中古船の改造をするのか。これは費用の面もございますので、こうした部分も私なりにも今後勉強を重ねて、一定の考え方を取りまとめたいなというふうに思っておるところであります。ありがとうございます。  最後、時間の関係で最後になると思うんですが、防衛省さんにおいでいただいております。  先ほど、自衛隊の艦船に医療設備を持った船があると申し上げました。護衛艦「いずも」、あるいは「しもきた」もそうですね。こうした医療設備を持った艦船を、災害医療の提供という観点から、現在、防災訓練への参加等、どのような形で医療の提供に資するものとしようとしているのか、取組をお聞かせください。
  32. 町田一仁

    町田政府参考人 お答え申し上げます。  防衛省・自衛隊では、さまざまな防災訓練において、自衛隊の艦艇を活用した応急医療活動、これの訓練を実施してきたところでございます。  例えば、二〇一八年十月に実施いたしました日米共同の防災訓練で、これでは、海上自衛隊の護衛艦、先生御指摘いただきました、「ひゅうが」に設置いたしました臨時の医療施設、SCUに、自衛隊のヘリコプターにより患者さんを搬送して、その応急処置を実施した後に、被災地の外の病院へ搬送するといった訓練を実施しております。  それから、船舶医療活動要領、これの作成を目的といたしまして、内閣府さんの方で昨年、二〇一九年六月に立ち上げられました、船舶医療活動要領、これの検討ワーキンググループに参加するなど、関係省庁等とともに、急性期における公的船舶の船舶医療活動要領についても検討を行っているところでございます。  防衛省・自衛隊といたしましては、より多くの被災者様を救助、支援するため、自衛隊の有する能力や装備品等の活用をして、関係省庁様と連携しつつ、しっかり取り組んでまいりたい、このように考えております。
  33. 津島淳

    津島委員 ありがとうございます。  搬送訓練など実際に官民連携で取り組んでいるという事例、東京湾で行われた訓練などを私も実際見せていただきました。それを見て思うことは、更にその設備を活用して、災害時に適切な医療を提供し得るのではないかという思いが、私は見て、より強くなったものでございます。  しかし、この病院船を含め災害時多目的船の導入、そしてそこでの医療の提供ということに、まだまだ越えねばならぬハードルというのが、実際に、法整備の部分でもあるのも事実でありますし、また、これからの訓練、実際その船で働く人たちの訓練といったことも課題になると思います。  こうしたことをまたさまざまな場で議論させていただきたいと思い、その思いを申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。  ありがとうございます。
  34. 伊藤達也

    伊藤委員長 次に、三谷英弘君。
  35. 三谷英弘

    ○三谷委員 自由民主党の三谷英弘です。  まず、この質問の機会をいただきましたことにつきまして、理事の皆様、そして委員の皆様に心から感謝を申し上げたいと思います。  そして、あしたがあの震災の日から丸九年ということで、犠牲となられた方々に追悼の意を表するとともに、被災者にお見舞いを申し上げたいと思います。  先ほど大臣がおっしゃられたとおり、あしたの追悼式典、これがなくなってしまったということではございますけれども、私としても、個人的に、その時間、二時四十六分には黙祷をささげたい、このように考えております。  最初の質問の中で小田原委員が話をされておりました。誰しも私の三・一一というものがあるんだろうというふうに思っております。  私も、その発災の時間には、次の選挙、その当時、まだ議員ではありませんでしたけれども、に向けて準備を進めているという中で、事務所におりました。本当に大きな揺れを感じて、ああ、これが関東大震災なんだなというふうな思いで、危機的な思いの中でその時間を過ごし、急いで家に帰り、テレビをつけたら、そういった状況だったということが明らかになりました。その後、原発があのような事故を起こすということをテレビで見まして、いても立ってもいられなくなったというところが率直な気持ちではありました。  この震災直後、そういった事故の直後でありましたけれども、三月の下旬に二回にわたりまして、福島県のいわき市の方に、さまざまな救援物資を持って車で伺わせていただいたということを今でもよく覚えております。  そのときは、どれぐらいの被害が、特に放射能の問題が、あるかわからない、その影響もわからないという中ではありましたので、秋葉原でガイガーカウンターを買わせていただいて、それを持って現地に行ったというような記憶があります。  先日、二月の下旬ですけれども、それこそ本当に、約九年ぶりにいわき市に伺わせていただく機会がありました。本当に今では、本当に見る限り、見る限りではありますけれども、もとどおりにはなっております。しかしながら、まだまだそういった震災影響というものがあるという中でありますので、きょうの機会は、さまざまな被災地がありますけれども、福島に絞ってちょっと質問させていただきたいというふうに思います。  まず、原発事故からの復旧復興という点についてお伺いをさせていただきます。  加えまして、先日、「Fukushima50」という映画を、これは試写会という形でしたけれども、拝見をさせていただきました。本当に原発のあの現場で命を賭して守られた、現場対応に当たられた吉田所長を始めとして、本当に多くの現場の皆様に改めて心からの敬意を表したいというふうに思います。  誰しもが経験をしたことのない、そういった事故ではあったと思います。しかしながら、その後、建屋についても遮蔽措置がとられるというような原状復帰が大分進んでおります。また、除染というものも大きく実は進んでおります。なので、まず、この除染の状況について簡潔にお答えいただきたいと思います。
  36. 田中和徳

    田中国務大臣 三谷委員発災直後にいわき市などに行かれて、いろいろなことを感じられた、行動されたことについて今伺って、私も、当時のことを、いろいろなことを思い出しました。また、今お話があった映画についても、私も試写会で拝見をいたしまして、感動を覚えたところでございます。  除染の進展の状況を御報告いたします。  二〇一八年三月十九日までに、帰還困難区域を除き、八県百市町村の全てで面的除染が完了ということになります。帰還困難区域については、環境省が特定復興再生拠点区域において除染を実施しておるところでございますので、そういうこととして、私たちも、除染、非常に重要に考えて行動してきたところでございます。
  37. 三谷英弘

    ○三谷委員 ありがとうございます。  そして、先日、いわき市に伺ったときに、自分はこれは本当に勉強不足だったなと思うんですけれども、常磐道の双葉インターチェンジというのがこの三月七日に開通、もう現時点で開通をしているわけですし、また、今度の十四日、常磐線が全線を開通する。先日は、上野から乗りまして終点がいわき駅ということだったわけですけれども、そのまま仙台まで行けるようになった。当然、その途中には、双葉駅を含む三駅も再開されるというようなことだというふうに伺っております。  当然ながら、常磐道ですとかこの常磐線というものは、海側を通るということでありますので、福島第一原発のそばを通らなければいけないということでもあろうというふうには思います。そういう意味では、本当にそこまで、そういったことができるぐらい除染が進んでいるということを我々もっと勉強していかなければいけないんだろうというふうに思っております。  そういった、常磐道が通り、あるいは常磐線が開通するというようなことにつきまして、そのことが持つ意義について大臣からお答えいただきたいと思います。
  38. 田中和徳

    田中国務大臣 委員指摘のとおりでございまして、常磐自動車道常磐双葉インターチェンジの開通やJR常磐線の全線開通は、アクセス性の向上だとか物流の効率化を通じて、被災地の産業の再生あるいは帰還環境整備の促進、交流人口の拡大に大変大きな意義を有するものになると認識をしておるところでございます。  復興庁としては、今回、三月十四日の全線開通ということで、JR常磐線は、こういうことを契機にしまして、交通の利便性が一層向上することが期待されておることから、多くの方々にこの地域を訪れていただきたい、福島の復興を大きく加速するきっかけとしていきたい、このように思っております。  また、東京のオリパラ、復興五輪でもございますし、今、コロナウイルスの問題はございますけれども、ぜひ多くの方に現地に行っていただきたいな、このように思っております。
  39. 三谷英弘

    ○三谷委員 ありがとうございます。  本当に、我々として何をしなければいけないかといいますと、震災記憶というのが、残念ながら風化をしていってしまっているというような状況がある一方で、実は、当時の得た記憶がそのまま残ってしまっている、その後の状況の進展について、これを踏まえて我々の記憶もアップデートしていかなければいけない、このように思っております。  特に、私の地元横浜でありますが、横浜に住む我々としても、さまざまな状況が進み、除染が進み、そして福島により多くの人が訪れていくということが、それはもう、十分に楽しんで福島を訪れようというようなことができる状況なんだということをしっかりと伝えていかなければいけない、このように考えております。  私の地元横浜でも、「広報よこはま」に福島県PRに関する記事、これを掲載させていただいておりますし、また、市営地下鉄や横浜高速鉄道の構内に福島県のイメージポスター、これを掲出する、そういったことをやって、福島に人が集まるような施策を講じております。また、消防出初め式など、各区の区民祭り等々においても、福島県内の自治体にイベントブースで出店できるように、そういったさまざまな支援、これをさせていただいておりますけれども、そういったこともこれからもしっかりと取り組むように、横浜市とともに力を合わせてやっていきたいというふうに思っております。  しかしながら、そうはいいながら、まだまだその記憶がアップデートされていないということで、国内、国外ともに、風評被害というものが残っているというような状況です。国内の風評被害の対策、そして、世界的に言っても、まだまだ風評被害というものがあろうというふうに思っております。特に、先日は韓国の団体が、防護服を着て聖火を持つ、そういったランナーのポスターをつくったりとか、そういったことで、さまざまなことが行われております。  そういった世界的な福島の風評被害に対する対策もしっかりと進めていっていただきたいと思いますけれども、この国内、国外双方の風評被害対策、これについてお答えいただきたいと思います。
  40. 田中和徳

    田中国務大臣 国内外における風評被害対策についての取組について、御答弁を申し上げます。  風評払拭・リスクコミュニケーション強化戦略に基づいて、政府一体となって取り組んでおるところでございます。  国内に向けては、昨年度より、テレビ、インターネット、SNSあるいはラジオ等、あらゆる媒体を活用させていただいて、放射線に関する正しい知識や福島の現状等についての効果的情報発信を行っております。私自身も、先日、相模原の橋本というところの大型店に出向いて、福島の産物の販売に協力をさせていただいてきたところでございます。  いずれにしても、アンテナショップ等々も行って、私自身も頑張ってまいりたいと思っておりますが、とにかく国内向けが重要でございます。特に流通のプロセスというのが、もちろん消費者の方も大事なんですけれども、一番、やはり風評に影響を与えるわけでございます。  海外についても、在京大使館に対しまして、一軒ずつ回りまして、相当お願いを大使に直接いたしてまいりました。今日、五十四カ国の国・地域で日本産食品へのいろいろと規制があったわけでございますが、三十四カ国で撤廃し、十八カ国・地域が緩和をした、こういうことでございます。私自身も、トップセールスで、海外でこれから行動に移してまいります。  また、韓国の団体による放射能五輪キャンペーンについては、事実とは異なる不適切なものでございまして、私どもも外交ルートを通じて厳しく申し入れたところでございます。
  41. 三谷英弘

    ○三谷委員 ありがとうございます。  本当に、この風評被害への対策というのは、引き続きしっかりと進めていっていただきたいと思います。  いずれにしましても、原子力災害被災地域に関しましては、復興再生というのが本当にこれからが本番だというふうに考えております。本当に、福島の復興なくして日本の将来はないという、安倍総理もよくおっしゃっておりますけれども、その気持ちでしっかりとこの問題に取り組んでいきたいと思います。  そして、最後に一点だけ、時間が限られておりますので、お伺いしたいと思います。  その中で大事なことは、福島の未来を語ることだというふうに思います。この福島、復興の先にどのような場所をつくっていくのか。今、福島イノベーション・コースト構想、例えばロボットですとか水素、そういったさまざまな先端的な技術ですとか新エネルギーの開発、そういったことに取組をされているかと思います。その福島イノベーション・コースト構想の狙いについてお答えいただきたいと思います。
  42. 田中和徳

    田中国務大臣 時間の関係がありますので、簡潔に申し上げます。  この構想を基軸とした浜通り地域などの自立的、持続的産業発展の姿とその実現に向けた取組の方向性を提示する産業発展の青写真を、経産省、福島県とともに昨年十二月に取りまとめをいたしました。  この青写真に基づいて、あらゆるチャレンジが可能であり、地域の企業が主役となって、構想を支える人材育成が進む先導的な地域となることを目指し、政府一丸となって頑張ってまいりたいと思います。ぜひひとつ、これからも御支援お願いしたいと思います。
  43. 三谷英弘

    ○三谷委員 時間となりました。私もこの政治の世界に籍を置かせていただいている一員として、しっかりと復興に取り組んでまいりたいと思います。  以上をもちまして質問を終わります。ありがとうございました。
  44. 伊藤達也

    伊藤委員長 次に、浮島智子君。
  45. 浮島智子

    ○浮島委員 公明党の浮島智子です。よろしくお願いいたします。  あすで発災より九年。心より哀悼の誠をささげます。  本日は、今後、本委員会で審議される予定であります復興庁設置法等の一部改正案でも議題となっております移住等への促進について、特に学校教育の観点を中心にお伺いをさせていただきたいと思います。  東日本の大震災の前は、双葉八町村には六千四百四十三人の小中学生がおりました。今、双葉町、大熊町を除き、六町村で学校が再開をしております。  他方、震災前、双葉郡には、きょう資料をお配りさせていただいておりますけれども、この青い字で書かれております浪江高校、浪江高校津島校、双葉高校、双葉翔陽高校、富岡高校の五つの高校がありました。千五百人の高校生がここで学ばれておりました。  そこで、まず文科省にお伺いをさせていただきたいんですけれども、双葉のこの八町村の小中学校に今児童生徒が何人在学をしているのか、それは震災前の何%に当たるのかを教えていただきたいと思います。
  46. 蝦名喜之

    蝦名政府参考人 お答え申し上げます。  双葉八町村の小中学校児童生徒状況につきましては、平成三十一年四月現在で、浪江町が十八人、震災前の二%、それから、葛尾村が十四人で震災前の一三%、双葉町が四十七人で震災前の八%、大熊町が十五人で震災前の一%、富岡町が四十五人で震災前の三%、川内村が六十五人で震災前の三九%、楢葉町が百九人で震災前の一六%、広野町が二百三十六人で震災前の四四%となっており、八町村を合わせますと五百四十九名となりますので、全体で震災前の九%となっているところでございます。
  47. 浮島智子

    ○浮島委員 この八町村の子供たちを始めといたしまして、被災三県の子供たちの学び、これをしっかりと支えていくことは私たちの責任だと思っております。  震災から九年がたち、発災時に生まれていなかった子供、先ほども議論がありましたけれども、今、小学生になっています。この子供たち震災と関係がないかというと、決してそんなことではありません。保護者や親戚が直面している困難、そして、発災時に生まれていなかった子供たちの生育や成長にも影響を及ぼしていると思っているところでございます。私たちはこのことを決して忘れてはならなく、しっかりとサポートしていかなければならないと思っております。  東日本大震災から九年目になりますけれども、被災三県における不登校児童生徒は増加の傾向にある、先ほども御議論にありましたけれども、その伸び率も全国と平均してとても高いものと承知をいたしております。  このような状況の中で、子供たちを支えるに当たっては、復興創生期間後におきましても、スクールカウンセラー配置支援が引き続き必要であると思います。そして、それとともに、あわせて、心のケアと同時に、きめ細かい学習支援が大事であると思っております。少人数指導、また少人数学級が欠かせないと思います。  そこで、被災地については、心のケアのみならず、この学習支援等についても重要であり、復興創生期間後においても教員等の復興加配は引き続き必要と考えますけれども、あわせて見解をお伺いさせていただきたいと思います。
  48. 蝦名喜之

    蝦名政府参考人 お答え申し上げます。  震災から約九年が経過するわけでございますけれども、現在でも、震災を突然思い出し、気持ちが落ちつかなくなることがある児童生徒でありますとか、避難先での生活を余儀なくされている児童生徒がいるなど、被災児童生徒に対するきめ細かな心のケアや学習支援等につきましては、継続的に取り組むことが重要であるというふうに考えてございます。  このため、令和二年度の政府予算案におきましても、被災自治体要望も踏まえながら、スクールカウンセラー等配置や特別な教員加配に必要な経費について盛り込んでいるところでございます。  また、昨年十二月二十日に閣議決定をされました「復興創生期間」後における東日本大震災からの復興基本方針におきましても、東日本大震災影響に鑑み特別に措置される教員加配、スクールカウンセラー等配置については、事業の進捗に応じた支援継続するというふうにされているところでございます。  文部科学省といたしましては、引き続き、この基本方針も踏まえまして、被災自治体との丁寧な情報交換を行いながら、必要な支援に努めてまいりたいと考えてございます。
  49. 浮島智子

    ○浮島委員 ぜひとも、現場の声をしっかり聞き、ニーズに合った支援をしていただくようにお願いをさせていただきたいと思います。  また、義務教育を終えた子供たちは高校へと進学をいたしますが、その高校は今どんな状況にあるのか。  この八町村に震災前にあった、先ほどペーパーをお配りさせていただきました、このブルーの星印の五つの高校は、現在休校しております。平成二十七年四月には、この八町村の要望を踏まえまして、広野町にふたば未来学園高校が開校したところでございます。  この特色ある双葉郡の復興を目指す探求学習は、全国的あるいは世界的に今有名になっているところでございますけれども、生徒の皆さんもこのふたば未来学園高校で生き生きと成長している様子を私も何度か視察をさせていただき、本当に心強く、うれしく思っております。  私が文部科学副大臣のときに、福島県避難指示区域等内の学校に対する支援本部の本部長といたしまして、地域の核となる学校の特色化、そして魅力化のための取組を推進するためのふるさと創造学を始めとする双葉郡教育復興ビジョンを策定いたしました。皆さんのお力のおかげでそれが確実に実現していることも、すばらしいこととは思っております。  また、このふたば未来学園高校の探求学習を始めとしたカリキュラムの特色、全国的にも世界的にも今有名になっているこの探求活動でございますけれども、在校生の皆さんや一期生、そして二期生の成長ぶりなどについて御説明を願いたいと思います。
  50. 蝦名喜之

    蝦名政府参考人 お答えを申し上げます。  ふたば未来学園高校においては、福島県及び企業、あるいはNPO法人を含む関係の団体、また大学や国際機関とも連携をいたしまして、原子力災害からの復興という課題解決をテーマに、持続可能な社会を考える未来創造探求学習に取り組んでおります。福島の現状について国内外に発信をする取組として高い評価を得るとともに、探求学習の先進事例としても全国からの視察が相次いでいるというふうに承知をしてございます。  また、こうしたものに加えまして、在校生は、令和元年度においても、例えばバドミントンなどのスポーツや演劇、それからソーシャルビジネスプロジェクトなど、多様な分野で目覚ましい成果を上げております。  また、昨年度末までに卒業いたしました一期生及び二期生については、探求的な学びやさまざまな活動での経験を通じて、より明確な地域社会への貢献の意思を持ちながら、地域医療や放射性廃棄物の最終処分に携わることを目標に大学に進学をした者もありますれば、地元で就職し、全国あるいは世界各国からの来訪者に対して原子力災害の背景や教訓を伝える業務に従事をする者など、地域復興を支えるさまざまな分野で活躍をしているというふうに認識してございます。  引き続き、ふたば未来学園の教育活動のさらなる充実に向けて、文部科学省といたしましても支援をしてまいりたいと考えてございます。
  51. 浮島智子

    ○浮島委員 今御説明ありましたように、NPO法人との連携も含めまして、桃田賢斗選手を生み出したあの富岡高校の伝統を引き継いだバドミン部など、あと演劇等々、さまざまな成果が出ていると思っているところでございます。  また、三月には常磐線が全線開通することになりますし、浪江の駅から広野の駅の間が約四十分で結ばれることもこれらの成果を更に確実なものといたしますし、それらの成果は定住等の促進にも私は結実することと思っているところでございます。  しかし、目の前の状況はとても厳しく、今、今後帰還促進に加えて、移住等、そしてこれをしっかりと促進するといっても、幼児教育から高等教育までの、その土地で教育がしっかりと受けられる環境、これが整っていないと、なかなか若い方、そして家族で移住しようと思わないのも事実だと思っております。  そのため、地元の方とお話をしていますと、現在休校しているこの五校の高校の再開をしたい、希望している、でも、今なぜ希望するかというと、遠くて通うところがない、小中学校はここにいるけれども、通うところがない、遠くて通い切れない、だから県外に出てしまうという声もいただいているところでございます。  そこで、確認ですけれども、浪江町が近い小高産業技術高校の学科構成、そして教育内容、そして学科ごとの入学志願者の倍率など、同校の現状を教えていただきたいと思います。
  52. 蝦名喜之

    蝦名政府参考人 お答えを申し上げます。  福島県立小高産業技術高校は、地域における新たな産業を創出するイノベーション・コースト構想でありますとか、復興に寄与する人材育成を目的に、福島県立の小高工業高校と小高商業高校を発展的に統合しまして、平成二十九年四月に開設をされたものでございます。  学科の構成といたしましては、工業系の機械科、電気科と商業系の流通ビジネス科に加えて、工業系と商業系のコースを有した産業革新科を設けてございます。  各学科の志願者の倍率は、先週実施をされた令和二年度の前期選抜の状況について申しますと、機械科が〇・六八倍、電気科が〇・六倍、流通ビジネス科が〇・六五倍、産業革新科が〇・五六倍となっているところでございます。  なお、平成二十九年度から今年度までの三年間、文部科学省のスーパープロフェッショナルハイスクール事業にも指定をされるなど、地域、企業、大学などと連携をした取組を同校は進めてございます。  今後も、ロボットや再生可能エネルギー関連産業など、福島浜通りの新産業の創出を担う人材育成への貢献を期待しているところでございます。
  53. 浮島智子

    ○浮島委員 今の、〇・六八倍、〇・六倍、〇・六五、〇・五六というお答えがありましたけれども、そうしますと、現在休校している五校の高校を再開すれば移住等の促進が図られるという単純なことではないということがわかります。  新たな高校をつくるということは、この小高産業技術高校やふたば未来学園高校における特色ある取組、これをしっかりと生かしつつ、それと連携しなければ、共倒れになってしまうという可能性もあるのではないかと思います。  そのため、この八町村の定住等の促進を真剣に考えるに当たっては、この八町村が対話を重ねて構想を立てて、福島県、そして復興庁文部科学省が連携をして実現を図るという体制が私は必要ではないかと考えます。  例えば双葉郡では、一部事務組合という仕組みがありまして、それを使いまして、准看護師養成学校が設置されています。この仕組みは、八町村が、幼児教育から高等教育までの学校教育を見通し、地元に必要な人材を育成するための構想を打ち立てて、運営や経営に知恵を絞って共同するために有効ではないかと考えられているところでございます。  また、現在、文科省ではGIGAスクールの構想を掲げておりますけれども、小中高校の各教室に高速大容量のネットワークが整備されようとしております。これが実現されれば、ふたば未来学園高校や小高産業技術高校と連携したサテライト校型、サテライト型の学びの場が、あり方も見えてくるのが可能性だと私は思っております。  このように、八町村の高校教育段階での学びの場、これをしっかりと広げていく場合には、現在休校している高校を再開するという選択肢だけではなくて、一部事務組合という仕組みの活用をする八町村の共同によるマネジメントの仕組みの導入、又は、ふたば未来学園高校や小高産業技術高校と連携したサテライト型の学びの場などを、しっかりと柔軟性を持った発想を持って取り組むべきだと思います。  文科省として、GIGAスクール構想なども踏まえつつ、八町村との対話をしっかりとし、知恵とアイデアを出し合うべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
  54. 蝦名喜之

    蝦名政府参考人 お答えを申し上げます。  東日本大震災において避難指示等に直面した双葉郡を含む福島県の子供たちが主体的にふるさとの復興を担う、生き抜く力を身につけるためには、高等学校を含め、魅力ある学校づくりを始めとした復興教育を進めることが極めて重要だと考えております。  文部科学省としては、これまで、ふたば未来学園における地域復興に係る探求活動や小高産業技術高校における専門人材の育成等に対して支援を行い、双葉郡を含む浜通りなどの高等学校教育を支援をしてきたわけでございます。  一方、委員から御指摘もありましたように、双葉郡においては現在でも五校の高校が休校しているというような状況でございます。こうした状況を踏まえて、文部科学省といたしましては、双葉郡八町村の教育長等を構成員といたします福島県双葉郡教育復興ビジョン推進協議会に復興庁ともどもに参画をいたしまして、平成二十五年十一月以降、十八回にわたって福島県や八町村と対話を重ねてきたところでございます。  今後とも、このような仕組みも活用をしながら、また、委員からは、一部事務組合の活用でありますとかICT、GIGAスクールとの兼ね合いについても御指摘をいただいたところでございますけれども、ここは柔軟な発想に立ちながら、八町村が描きます地域の産業振興や未来創造に資するような双葉郡の高等学校教育の望ましいあり方につきまして、地元の思いをしっかり受けとめながら、ともに未来志向で対話を深めてまいりたいというように考えているところでございます。
  55. 浮島智子

    ○浮島委員 しっかりと地元とも連携をとりながら、柔軟な考え方で進めていただきたいと強くお願いをさせていただきたいと思います。  また、次に、心のケア、伝統、文化、芸術への支援についてお伺いをさせていただきたいと思います。  心のケアということは、私も阪神・淡路大震災のときにニューヨークから帰ってきまして、今も劇団をさせていただいておりますけれども、文化芸術の力というのははかり知れないすごい力を持っております。  この二〇一一年三月十一日の発災後、地元の子供たちが、自分たちは落ち込んでいられない、しっかりと立ち上がりたいということで、日本舞踊を通しての心のケア、元気をみんなに伝えていきたいということで、すぐ活動を始められました。そして、二〇一六年十二月二十日には、その子供たちにこの国会にも来ていただいて、日本舞踊を皆さんに披露していただきました。そして、各省庁の皆さんが、百人以上を超す皆さんが見てくださったんですけれども、子供たち、小学生から高校生まで一人一人が自分たちの地元に対する思いを語る、そして日本舞踊を踊る姿を見て、みんなが涙をしていました。  そして、地元、被災地の大人から、伝統芸能、そして民俗芸能、お祭りなどについて教室を開いて、子供たちにしっかりと伝えるという取組活動もたくさんあるのが現実でございます。放っておくと失われてしまうかもしれないという被災地の伝統文化を守るという意味、また、心の支えの活動をしている子供たち、この子供たちがしっかりと頑張っているというのは、定住にもつながっていくことと私は思っております。  そこで、心のケア、地元で活動している伝統、文化、芸術に対しての支援はしっかりするべきと思いますけれども、御見解をお伺いしたいと思います。
  56. 横山信一

    ○横山副大臣 お答えいたします。  復興を進めていく上で、人と人とのつながりをつくり、被災者が生きがいを持って暮らしていただけるよう心の復興支援することは極めて重要と考えております。  被災者が文化芸術や民俗芸能活動を生きがいづくりにつなげるといった取組を含め、心の復興に資する自治体やNPO等の取組について支援を行ってきているところでもございます。  委員から御指摘のありましたように、子供という視点も大変に重要だというふうに考えております。昨年取りまとめをいたしました復興基本方針において、復興創生期間後もこうした支援継続するとしているところであり、引き続き、被災者に寄り添った取組を推進してまいります。
  57. 浮島智子

    ○浮島委員 ぜひとも全力で御支援をいただくようお願いをさせていただきたいと思います。  私も発災後、そのときはちょうど落選中で、家で予算委員会を見ておりました。そのとき発災されました。私は、その十日後から現地に入らせていただき、そしてその後、環境政務官としても現地に行かせていただきました。  そこで、子供たちのすごい頑張り、きょうは持ってこさせていただいたんですけれども、これは一つ一つの瓦れきです。保原高校の子供たち、美術部の子供たちが、「がれきに花を咲かせようプロジェクト」といって、私も一緒に絵を描きましたけれども、一つ一つの瓦れきを拾って、一つ一つに絵を描いて、みんなに元気なんだよということを伝えておりました。また、子供たちだけではなく、たくさんの方々が、自分たちの住んできたところをしっかりと守っていこう、そして人に伝えていこうという活動をされておりました。  本日は、移住、定住等促進という観点から、子供たちの学びの場、また高等教育レベルの学びの場の確保、また伝統、文化、芸術についての支援等々、質問をさせていただきましたけれども、最後に、大臣に、今回、復興庁の設置等の一部改正案が審議されますけれども、ここにとっても、移住、定住等の促進、これはすごく大きなテーマになっております。この点に関しまして、基本的な方向性、そして考え方を最後にお聞かせいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
  58. 田中和徳

    田中国務大臣 浮島委員環境省を始め数々の御経験あるいは体験を通じてのお話でございまして、大変私も注意深く、また有意義に伺ったところでございます。  福島の原子力災害被災地域における住民の帰還状況だとか今後の帰還意向、地元の要望を踏まえると、復興を支える新たな活力を呼び込む施策にも力を入れる必要が当然ございます。今月三日に国会に提出した福島特措法の改正案においては、交付金の対象として、新たな住民の移住、定住の促進や交流人口、関係人口の拡大に資する施策を追加をしているところでございます。さらに、同法案には、営農再開の加速化や福島イノベーション・コースト構想の推進が盛り込まれておりまして、こういう施策を通じて、魅力ある働き場をつくるためにしっかりと進めてまいりたいと思っております。  医療、介護、福祉、あるいは教育、買物環境など、安心して生活をしていただける環境の整備に努力をしてまいります。  以上でございます。
  59. 浮島智子

    ○浮島委員 ありがとうございます。  ぜひ寄り添うという視点をしっかりと持って、忘れずに取り組んでいただきたいと思います。  ありがとうございました。終わります。
  60. 伊藤達也

    伊藤委員長 次に、玄葉光一郎君。
  61. 玄葉光一郎

    ○玄葉委員 玄葉光一郎です。  私、地元でもございます。改めて、あの三・一一のときに犠牲になられた方々の御無念、そして御遺族の悲しみ、強く握り締めて、深く心に刻み込みたいというふうに思います。  その上で、きょうは二、三、田中大臣質問したいと思います。  一つは、復興財源フレームでございます。  この場でかつても申し上げたことがございますが、たまたま私はその当時、与党第一党の政調会長で、閣僚も兼務をしていて、財源をつくるという作業もいたしました。復興のための二・一%の所得税の上乗せ、あるいは復興法人税等を課すということも行ったわけであります。復興所得税は、御承知のとおり、二十五年間かけていくわけでありますが、まさに、復興債でつないで、その復興所得税で返していくということでございます。  この復興財源フレームですけれども、二〇二一年、つまり来年から五年間、どういう形で財源を賄っていくのか、事業を賄っていくのかということについてでありますけれども、どうも説明を聞くと、まさに今私が申し上げた、そのときつくった復興所得税が、当時、七・三兆円を見積もっていたんですけれども、八・五兆に上振れしそうだということで、その上振れ分を使うんだ、こういう説明でございました。  私、その一・二兆ぐらいで、これからの五年間、本当に足りるのかなというふうに心配をしているんですけれども、まず、そもそもの二〇二一年から五年間の想定される事業規模が約一兆円台半ばであるということですけれども、この積み上げの根拠をお示しをいただけますか。
  62. 田中和徳

    田中国務大臣 玄葉委員はお地元でもあるということでいろいろと御指摘をいただき、また御指導もいただいております。  今の一兆円台半ばという数字でございますが、復興庁から各省庁に対して復興創生期間後の復興事業の見通しを検討することを依頼いたしまして、それを受け各省庁が行った整理をもとに、復興庁において、復興創生期間後に必要な事業規模を現時点であらあら見込んだものでございます。  具体的な数字については、今後の復興施策の進捗等も踏まえ、引き続き精査をさせていただきまして、総理もお話をしておりますけれども、本年の夏ごろを目途としてお示しをしていきたい、このように思っておるところでございます。
  63. 玄葉光一郎

    ○玄葉委員 しかし、一・五兆というか一兆円台半ばということを示しているわけでありますから、あらあらの積み上げはできているだろうと思いますので、それを説明いただけますか。
  64. 田中和徳

    田中国務大臣 お答えをいたしたいと思います。  引き続き精査の必要がございますけれども、現段階では、被災者支援関係がおおむね〇・一兆円程度、住宅再建・復興まちづくり関係がおおむね〇・二兆円程度、産業、なりわいの再生関係がおおむね〇・二兆円程度、原子力災害からの復興再生関係がおおむね〇・五兆円程度、そのほかがおおむね〇・五兆円程度、これがあらあらと私の言った見込みでございます。  ただし、分野別内訳はあくまでも目安でございまして、それぞれの上限だとか枠を設けているわけではございませんので、本当にあらあらの数字ということで御理解をいただきたいと思います。
  65. 玄葉光一郎

    ○玄葉委員 今御説明ございましたけれども、田中大臣もしばしば、原子力災害からの復興はこれからが本格化だ、こういうことでございます。  例えば、この委員会での御挨拶の中でも、将来的に、帰還困難区域について、その全てを避難指示解除する、こういうことをお述べになっておられるわけでありますけれども、一体、田中大臣は、この帰還困難区域の全てを避難指示解除するということについてどのくらいのスパンでお考えになっておられるのか、お示しいただけますか。
  66. 田中和徳

    田中国務大臣 原子力災害被災地域復興再生には中長期的な対応が必要でございますし、復興のステージが進むにつれて生じる新たな課題や多様なニーズにきめ細かく対応する必要があることから、いろいろなことについて、事業規模等について必要に応じて見直しを行う、こういうことでございますが、復興創生期間後の基本方針にも明記しておりますけれども、いずれにしましても、これからの帰還困難区域を含めた原子力災害被災地域全体の事業費ということも含めて、今後、復興の進捗状況を踏まえ、必要があればいろいろと事業規模と財源について適切に考えていきたい、見直しもしていきたい、このように思っております。  期間等については、これからいろいろと地元の皆さんとも相談をしながら見えてくることではないかと思っております。
  67. 玄葉光一郎

    ○玄葉委員 確かに、帰還困難区域全てを避難指示解除するというのは、かなりの年月を要するのではないかというふうに思います。  ただ、私が、特に双葉とか大熊とか、一番F1に近い場所に行けば行くほど皆さんから言われるのは、国は最後まで、特に財源について責任を持ってくれよ、はしごを外すなよということを言われるんですね。  ですから、これはある意味わかりやすい例なので申し上げているんですけれども、帰還困難区域全てを避難指示解除する、こう言わざるを得ないし、やっていくべきだと思うんです。ただ、そうなると、帰還困難区域は相当広いですからね、除染も必要です。例えば再生拠点だけ今回は除染したわけですけれども、全てを除染しないと、恐らく全体を避難指示解除するというわけにはいかないだろう。そういった除染も含めて国は前面に立つとおっしゃっているわけですから、財源的にも最後まで責任を持つ、こういうふうに考えてよろしいですか。
  68. 田中和徳

    田中国務大臣 御指摘のとおり、福島の復興再生には中長期的な対応がもうこれは必要でございまして、復興のステージが進むにつれて生じる新たな課題、多様なニーズ、今委員からも御指摘をいただいた大きなお話もあるわけでございます。  今後、必要な復興事業を確実に実施するための財源の確保を含め、政治の責任とリーダーシップのもとで、福島の本格的な復興再生に向けて、強い決意で臨んでまいりたいと思います。地元の自治体皆さんの御要望もしっかり承り、また御相談をさせていただいて、前に進めていきたいと思っております。
  69. 玄葉光一郎

    ○玄葉委員 田中大臣、国は財源的には最後まで責任を持つとおっしゃってください。
  70. 田中和徳

    田中国務大臣 財源についても、その時点でニーズに応じていろいろと対応していく、このことをお話をさせていただきたいと思っております。数字的には、これから中長期的な中にあらわれてくるものではないかと思います。当然、国の責任はあるわけでございます。
  71. 玄葉光一郎

    ○玄葉委員 何か頼りないので。田中大臣、数字を言えというふうに申し上げているわけではなくて、覚悟を示してください、決意を示してくださいということを申し上げているわけで、最後まで財源の責任を国が持つということを言ってください。
  72. 田中和徳

    田中国務大臣 福島の復興は中長期的な対応が必要であることは、委員も御承知のとおりでございます。国が前面に立ってしっかりと進めていくということでございます。
  73. 玄葉光一郎

    ○玄葉委員 財源的に最後まで責任を持つと言ってください。
  74. 田中和徳

    田中国務大臣 当然、国が責任を持つということは、財源の裏づけもしっかりと対応していくということでございます。
  75. 玄葉光一郎

    ○玄葉委員 ありがとうございます。  実際に国が前面に立って国が財源に責任を持たないと、復興は、特に福島の原子力災害からの復興はできないというふうに思いますので、ぜひそういう覚悟で進めていただきたいと思います。  もう一つは、この場でも何回も出ている話ではありますが、通告していたので、これまで取り組んできた風評被害の取組で、最も効果的だったなというふうに思われる取組、あるいは必ずしも効果的ではなかったなと思われる取組、それぞれ挙げていただければと思います。
  76. 田中和徳

    田中国務大臣 風評払拭・リスクコミュニケーション強化戦略というのが、私たちは一番、情報発信にとりまして重要でございまして、福島県産の主要な農産物について全国平均との価格差が徐々に縮小、輸入規制について、五十四カ国・地域のうち三十四カ国・地域が撤廃をし、十八カ国・地域が緩和等の成果を示してきておるところでございます。  さらに、昨年十一月、私から関係府省庁に対し、国内外に向けた取組の強化を指示をいたしました。  引き続き、関係省庁と連携して、官民挙げて風評の払拭に全力で取り組んでまいりたいと思っております。  外国に対しても、私自身がトップセールスも含めて頑張ってまいりたいと思っております。
  77. 玄葉光一郎

    ○玄葉委員 これは、私、通告していたつもりなんですけれども、要は、風評被害、この間やってきて、例えば、さっきもお話ししていましたけれども、テレビとかインターネットとかSNSとか、いろいろ取り組んできたと思うんですけれども、一番費用対効果が高かったとか、一番効果があったなとかということについて、説明をできればしてもらいたいと思っているんですけれども。
  78. 田中和徳

    田中国務大臣 たくさんあると思いますが、国内的には、流通の業者の方々と、十分理解をし、価格の設定をしていただくということが一番です。海外に対しては、やはりメディアを通じての対応だと思っております。
  79. 玄葉光一郎

    ○玄葉委員 ぜひ、これから、例えばALPS処理水の処分の問題でも、仮に、どこに放出するにしても、場合によっては大阪湾かもしれません、それはわかりませんけれども、どこに放出するにしても、また風評被害との戦いになるので、風評被害についてのこれまでの費用対効果等々もよくまとめておいていただければなというふうに思っております。  あともう一つ、これは通告していないんですけれども、答えられたらということでもいいんですが、ことしの夏までに福島のイノベーション・コースト構想の中の国際教育研究拠点の構築の構想をまとめる、こういうふうになっているわけであります。地元の皆様は大変期待をしているわけでありますけれども、これは国立の研究施設というふうに考えていいのかということと、研究教育施設と言っていますので、大学若しくは大学院を併設するというふうに考えていいのか。後ろから紙が入ったようなので説明できると思いますので、説明いただけますか。
  80. 田中和徳

    田中国務大臣 十二日に、三月の、第九回福島浜通り地域の国際教育拠点に関する有識者会議が開催され、個別論点整理として組織形態が議論をされております。その中で、座長私案として国際教育研究拠点の基本コンセプト案が提出され、「国立研究開発法人を新設することが望ましい。」と提示をされておるところでございますので、そういう中で、今、最終的な議論がございます。  今、委員からもお話があったようなことも含めて、いろいろとありますけれども、最終的に取りまとめが進んでいく、私の方もお約束のことを果たしていかなければならない、この思いでございます。
  81. 玄葉光一郎

    ○玄葉委員 最後に、大臣としてどういうふうにお考えになっておられるか。現時点でのお考えでいいんですけれども、国立で研究施設をつくっていく、あるいは学生も何らかの形でそこに来てもらうようにする、そういうふうに考えてよいのかどうかということについて、大臣としてお考えがあればお答えいただけますか。現時点のお考えで結構です。
  82. 伊藤達也

    伊藤委員長 申合せの時間が過ぎておりますので、簡潔な答弁をお願いします。
  83. 田中和徳

    田中国務大臣 では、一言。  地元福島の発展に寄与できること、世界に誇れるものにしなければならないことだと思っております。
  84. 玄葉光一郎

    ○玄葉委員 どうもありがとうございます。
  85. 伊藤達也

    伊藤委員長 次に、階猛君。
  86. 階猛

    ○階委員 立国社共同会派の階猛です。  あすで震災から丸九年ということで、私からも、犠牲になりました皆様に対して、改めて哀悼の意を表したいと思います。  被災地で今最大の課題といえば、私は人口減少の問題ではないかと思っております。  平成二十二年の三月末、震災の約一年前の時点と昨年の一月一日時点との比較で、人口がどのように推移したかというのを調べてみました。復興庁の方に数字を出してもらいました。  それによりますと、全国的にはこの間にマイナス一・八%人口減少だった、岩手県でいいますとマイナス七・六%だった、そして、被災された沿岸部、十二市町村ではマイナス一五%だった、こういう数字になっています。  特に、被災された地域で人口減少が著しく進んでいるという中で、きょうお配りしている資料、一ページ目を見ていただきますと、岩手県の県庁所在地である私の地元の盛岡市に、沿岸の被災された十二市町村から人口が移動する状況がずっと続いてきているわけですね。震災直後、二〇一一年は千三百七十九人の転入超過でした。もうすぐ九年になるわけですけれども、直近の二〇一九年でも五百六十三人、転入超過でした。  もちろん、震災の前から、中心部に人が移るという状況はあったわけですけれども、これが加速している。さらに、一回震災で避難されて盛岡に移ってきた人も戻っていないということで、こういう状況があるわけです。  私も、先日、沿岸部から避難されてそのまま盛岡市につくられた災害公営住宅にお住まいになった方とお話をしました。やはり、この後、沿岸のもとのふるさとに戻るつもりはないというようなお話でした。  先ほど浮島先生も福島の移住のことについてお聞きしていましたけれども、やはり、岩手のような津波被災地でも、一回ふるさとを離れた人がなかなかもう一度戻るというのは難しい中で、新たな人を呼び込んでくる、移住というものが非常に重要ではないかというふうに私は考えております。  大臣もそういう思いだと思うんですが、そういう中で、移住者をふやすための取組、そしてこれからどういう施策をしていくのか、これまでの実績と今後の取組について、大臣、どういうふうに考えているか、端的にお答えいただけますか。
  87. 田中和徳

    田中国務大臣 階委員の御指摘は、一番重要なことだと思っております。  東日本大震災被災地が抱える人口減少等の課題に対するためには、まずは、復興まちづくり、産業、なりわいの復興に全力を尽くすことが重要であります。例えば、被災地外の方も対象として、被災地域の企業の人材確保だとか、土地活用マッチング等支援を実施しておるところでございます。  加えて、人口減少といった中長期的な課題に対しては、移住支援金などの政府全体の施策を活用して総合的に対応することが重要な課題だと思っております。まち・ひと・しごと創生本部の事業というものも、そういうことで今行われておるわけでございます。  今後も、現場主義を徹底する、被災地に寄り添いつつ、関係省庁と連携して、持続可能で活力ある地域の創造を目指して、人口増加、そして活力ある地域をつくるために頑張ってまいりたいと思います。  大変厳しい仕事だと思いますが、努力をします。
  88. 階猛

    ○階委員 そこで、移住に関する取組として、私から三つほどお願いしたいことがありまして、一つは数字の把握です。  資料の二ページ目に、岩手県に移住してきた方の数の推移という表がありますが、これは、岩手県全域でしか把握していないわけですね。被災された市町村ごとに移住者がどうなっているのかということが把握されていない。これは、ぜひ、今後、移住に力を入れるというのであれば、しっかり現実を把握してほしいということが一点です。大臣、まずそのことを申し上げます。  そして、時間の関係で続けて申し上げますね。もう一つは、三ページ目、四ページ目。  三ページ目が事業復興型の雇用確保事業ということなんですが、この雇用確保事業、見ていただきますと、趣旨のところに、被災求職者等を雇用する場合はということで、県外からとか、地域外からという方を雇用する場合には、どうも適用が難しいように読める。さらに、前提として、産業政策に沿った事業をされている中小企業が雇った場合ということで、ここもなるべく間口を広げて、とにかく外から来た人を雇った場合には雇入れの助成金をしていく、ふやしていくということをやったらどうかということです。  ちなみに、地方創生の方でも、四ページ目に、地方拠点強化税制の延長、拡充というのが、今回、税制改正で盛り込まれましたけれども、これは減税措置ですので、黒字の企業でないと効果は十分得られないので、やはり、雇入れに対する助成というものをいかに移住者に対して手厚くしていくか、ここが大事だと私は思います。それが二つ目。  最後、三つ目なんですが、五ページ目です。  地域おこし協力隊というのは非常に有名で、全国各地の自治体で受入れが進んでいて、聞くところによると、地域おこし協力隊で来た方は、三年たって任期が満了しても、六割ぐらいはその地元にとどまって引き続き活躍しているというようなお話を聞いております。  他方、復興支援員、この復興支援員については実際どうなのかというのが、実際にその地域に外から何人入っているのかとか、任期が終わった後、定着したのかどうかというのがはっきりしません。ここも先ほどの移住者の数字と同じように把握していただいて、もし定着率が低いというのであれば、これも改善していただいて、私は、被災地にとって、地域おこし協力隊以上に若い活力のある人材のニーズというのは高いと思いますから、地域おこし協力隊以上の手厚い支援をして、この復興支援員というのもたくさん呼び込んで、かつ定着していただくようにすべきではないか。  こういう三つの移住に関するお願いをしたいと思うんですが、済みません、立て続けに申し上げましたけれども、大臣の見解をお願いします。
  89. 田中和徳

    田中国務大臣 まず、各自治体の居住者数の実績の把握等は、私たちも、今、自治体等のいろいろと御報告などをいただきながら数字を見ているんですけれども、確かに、岩手、宮城、福島県、それぞれが、ちょっと数字の根底、根拠というものに違いがございまして、数字を一概に申し上げられないんですが、岩手県は千二百三十三人ということになっておるわけでございますが、御指摘の点は私どもも受けとめてまいりたいと思っております。  また、移住者の促進に向けて、地方拠点強化税制あるいは事業復興型雇用確保事業等についても、本当に実の上がるように対応をしていかなければならない、この思いでございます。  また、復興支援員と地域おこし協力隊の関係についても、今、手元に私、資料があるわけでございますけれども、このことについても、もっと明確に、地元の自治体と協議して、相談をして、説明ができるようにしていくことが大事だと思いますし、実を上げるための努力をしてまいります。
  90. 階猛

    ○階委員 ぜひ、実態の把握をしっかりしていただいた上で、足らざる部分があれば、制度を改善、拡充していただきたいということを申し上げます。  その上で、次のテーマですけれども、この大変な災害を乗り越えて、その後も避難生活仮設住宅生活、そして、ようやく災害公営住宅、あるいは高台、区画整理土地で住居を再建されて、今頑張って暮らしている方々、こうした方々に寄り添っていくのは非常に重要だと思っています。  大臣の所信の中でも、先日は、まず最初に述べられたのが被災者支援ということでありました。この被災者支援ということなんですが、非常に幅広い意味を持つかと思うんですけれども、被災者支援はどういう状態が実現されればその使命を終えて完了するのか、換言すれば、被災者支援のゴールは何かということをお尋ねしたいと思います。
  91. 田中和徳

    田中国務大臣 被災者支援のゴールというイメージかと思いますけれども、復興の進展に伴いまして、被災者の抱える課題は個別化、複雑化しておるところでございます。被災者皆さんが心身の健康の維持向上だとか安定的な日常生活を営むことができるように、被災者支援に取り組んでいくことが重要であります。  具体的には、自治会の形成支援だとか、交流会の開催、コミュニティー形成の支援、そして生活支援相談員による見守りの実施、生きがいづくり等の心の復興などの自治体取組被災者支援総合交付金によって支援をいたしてまいりたいと思います。  私どもも、委員お話はよくわかるところでございますが、いろいろな、多様な中で対応していかなければいけない、この思いでございます。
  92. 階猛

    ○階委員 大臣お尋ねしていますので、もっと大きな話をしたいと思っているんですね。  どういう状況が、どういう状態が実現したら、被災者支援は終わった、被災者支援は完了したと言えるのか、大臣のお考えで結構ですので、お答えいただけませんか。
  93. 田中和徳

    田中国務大臣 被災者支援というのは、一人一人の心に寄り添い、私たちは努力できることをとにかく日々ひたむきに進めていくということだと思います。  なかなか、全ての、このようになればこれでという表現の仕方が非常に多様でありますし、地域によって、人によっての思いが余りにも多様でございますから、私たちはとにかく被災者に寄り添って、地域皆さんに寄り添って努力をしていく、そして、少しでも、やはりよかったな、よくなったな、こういうふうに思っていただくことだと思っております。
  94. 階猛

    ○階委員 先日閣議決定されました復興創生期間後の基本方針の中の地震、津波被災地域における記述、私の手元では十九ページに記述があるんですけれども、「地方創生の施策を始めとする政府全体の施策を活用することにより、コミュニティを再生し、持続可能で活力ある地域社会を創り上げていく。」というくだりがあります。  この部分は、私は、非常に重要で、被災者支援の目的地、ゴールではないかなと思っています。コミュニティーを再生すること、持続可能で活力ある地域社会をつくり上げていく、これにぜひ復興大臣として全力を傾けていただきたいし、そのために、政府全体の施策を総動員していただきたいと思っています。  最後に、私、提案しますけれども、災害公営住宅でコミュニティーを一からつくらなくてはいけないという中で、やはり、今申し上げましたコミュニティーを再生して、持続可能であらしめるためには、現役世代のコミュニティーへの参加というのが必要不可欠だと思っております。ただ、そういう中で、三年ぐらい災害公営住宅に入居して、そうすると家賃が上がってくるということから、災害公営住宅を退去して、また新たな住まいを見つけるという動きが見られるようです。  こういう動きをとめつつ、コミュニティーの維持運営に参画していただけるようにするためには、現役世代の方々で自治会等の活動に対して積極的にかかわる方については、その功績に見合う形で家賃については減免していくといったようなことも考えていいのではないかと思いますが、最後にこの点について大臣の御所見を伺います。
  95. 田中和徳

    田中国務大臣 災害公営住宅もそうでありますし、まちづくりには必ず若い人たちの力が、また未来に向かっての継続性が非常に重要だと考えております。  また、災害公営住宅の入居者の資格や家賃については、地域の実情に応じて各自治体が条例で柔軟に設定することによって、若い世代の入居や定住を促し得る仕組みとなっておるところでございまして、自治体皆さんとも十分相談をしながら、いろいろと努力をしてまいりたいと思います。自立したコミュニティー形成に資する取組被災者支援総合交付金によって支援をいたしてまいります。  復興庁としても、災害公営住宅のコミュニティー維持が図られるように、とにかく被災自治体と力を合わせて頑張ってまいりますので、よろしくお願いしたいと思っております。
  96. 階猛

    ○階委員 時間が参りましたので終わりますが、被災者支援に挙げられました取組、所信の中でさまざま挙げられておりますけれども、コミュニティー形成だけではなくて、生きがいづくりであるとか心身のケア、そうしたことに対して、NPOの活動というのが非常に重要であります。十年の復興期間が終わった後もNPOへの支援をぜひお願い申し上げまして、私からの質問を終わります。  ありがとうございました。
  97. 伊藤達也

    伊藤委員長 次に、山崎誠君。
  98. 山崎誠

    ○山崎委員 こんにちは。立憲民主党、衆議院議員の山崎誠でございます。  きょうも貴重な御質問の時間をいただきました。会派の皆様にも心から御礼を申し上げます。  復興、今どういう状況なのかということで、きょうも今、階委員の御質問、とても大事な復興のゴールのお話をされておりまして、非常に大事なポイントかなというふうに思いました。  九年たつ、あるいは十年たつということで、時間は過ぎてまいりますが、時間が過ぎれば自動的に復興が成る、例えば生活の再建、もとの皆さんの暮らしが戻るというものでは決してないということではないかということで、これまでも私はずっと取り上げてきました、東京電力福島第一原発事故の避難者の中で特に今苦しんでおられます自主避難者、区域外避難者の問題を、きょうも取り上げさせていただきます。  数えました。平成三十年の吉野大臣の時代から数えて五回、吉野大臣、渡辺大臣、そして田中大臣質問をしてまいりました。きょう、六回目になるので、もう私は、この問題、本当に早く避難者の皆さんに安心をしていただきたいという思いで、きょうも質問をさせていただきます。  現状、時間もありませんので、報告をいただいた様子お話をすると、例えば、今問題になっています、国家公務員宿舎に入っていて退去が迫られている、でも新しい住まいが見つからないという方々が、今、四十二世帯。一世帯は住宅確保済みということでございます。住宅未確保の皆さんが、四十一世帯が今残っておられます。  先ほどもお話がありました。やはり、皆さんが安心して暮らせる暮らしのベースは住まいでございまして、それは、今までお話ししてきた各大臣皆さん、同じ認識でございます。今こうして自主避難者の皆さんが国家公務員住宅の宿舎に入られて、実は昨年の三月で契約が終わって、今、不法占拠のような状態ですね。契約に基づかない状態になっておりまして、何度も取り上げていますが、損害金として二倍の家賃を請求されている状態が残念ながら続いているというところでございます。  この問題、昨年の十一月の二十六日に、田中大臣就任直後だったと思いますが、お話をさせていただきました。答弁としていただきましたので、少し紹介しますと、この問題について、「福島県は、いずれの方々に対しても、相談対応によって状況をきめ細かく把握しながら、住まいの確保等に向けて適切に対応していると承知をしておるところでございまして、委員お話、今承りましたので、そのことも十分私も重く受けとめながら、今後、福島県とも相談をして、対応してまいりたいと思っております。」というお話をいただきました。  どんな御相談をされて、どんな対応をとられているのか、現状、まだ残念ながら未退去の方々が残っているという状況を踏まえて、状況をお聞かせいただければと思います。
  99. 田中和徳

    田中国務大臣 まず、お答えをする前に、玄葉委員質問の際に、浜通り国際有識者会議の日付について、私は三月十二日と申し上げましたが、正しくは二月十二日でございますので、訂正をさせていただきたいと思います。  それでは、お答えをいたしたいと思っております。  福島県によりますと、国家公務員宿舎から未退去の方々の行き先が決まらない主な理由としては、場所や家賃などの物件についての条件面によるところが大変大きい、このように御説明があって、私も認識しておるところでございます。福島県は、未退去の方々に対して、相談対応によって状況をきめ細かく把握しながら必要な支援に関する情報を提供するなど、住まいの確保等に向けて適切に対応するとともに、必要に応じて福祉関係の支援も案内しておりまして、引き続き連携を密にして取り組んでまいりたいと思っております。  私もお話を聞いて、非常にきめの細かい対応をしておられるようでございまして、ぜひひとつ、これからもきめの細かい対応お願いしておるところでございます。  また、未退去者の中にはいろいろな事情がある、こういうことでございますけれども、福島県が現在確認しているところでは、病気を抱える方とか経済的に困窮されている方が七世帯あって、このうち四世帯生活保護世帯であるために国家公務員宿舎の貸付けを継続する、このように私どもも承知をしておるところでございます。  また、公営住宅の入居資格の状況についても、未退去者の収入について県が把握に努めておりまして、網羅的には把握ができておらない面もございますが、所得の関係は非常に難しいことでございますけれども、そういうことで一部お答えが十分でないところもあるわけでございます。  とにかく、私どもは、一生懸命福島県にお願いをさせていただき、また相談をさせていただき、福島県の今行っている仕事、事業というものに対してもサポートしてまいりたい、このように思っておるところでございます。
  100. 山崎誠

    ○山崎委員 今のお話で、この復興についての復興庁、国のスタンス、これをぜひきょうは確認をしたいと思って来ました。  復興創生期間後の復興基本方針にもありますけれども、国が前面に立つという言葉が躍っております。ゴシックになって大きな文字で書いてある。これは、今のお話、福島県のやっていることをなぞるような答弁だったんですが、国の責任、復興庁の責任、大臣、どういうふうにお考えですか。
  101. 田中和徳

    田中国務大臣 被災者支援において国が前面に立つということについてでありますが、人材面だとか財政面においてしっかりと責任を持ってバックアップをする、こういうことで前大臣から繰り返し答弁をしてきたところでございます。  福島県は、国家公務員宿舎の未退去の方々に対して、住宅、生活再建に向けた相談対応などに取り組んできておりまして、これまでに百世帯以上の方々が退去をいただいておるところでございます。  このような福島県の考え方を国も尊重する、そして、財政面、人材面で支援をいたしてきたところでございまして、引き続き、私たちは、国と福島県の役割分担を基本として、県と密に連携をして、避難者の方々生活再建をしっかりと支援をしてまいりたいと思います。  国の前面に立つということは、今御説明をしたとおりでございます。
  102. 山崎誠

    ○山崎委員 今の御説明ですと、今、福島県は二倍の家賃請求をしています、去年の四月から。大変苦しい思いをされている。これは前回の委員会でも御指摘をしました。これは損害金という形で、いわゆるペナルティーとして、今、避難者の皆さんを苦しめています。  大臣の答弁の中にありましたけれども、それぞれ事情がありますよ。事情があって、本当に移転できるものなら移転したいと言っている中で、できないんですよ。  その状況を踏まえた上で、大臣、国の責任として、では、福島県が今二倍の請求をしていることについては追認するんですか。国としてそれを受け入れる、認めるんですか。
  103. 田中和徳

    田中国務大臣 いわゆる自主避難者に対しては、仮設住宅としての国家公務員宿舎の無償供与終了後の二年間、特例的な貸付けを行ってまいりました。この二年の間に、県は、住まいの確保に向けた相談対応などに精力的に取り組んでおります。  このような支援を行った上で、昨年の四月以降は契約に基づいて二倍の家賃相当の損害金を請求しておるということでございまして、特例的な貸付け終了後も、引き続き住まいの確保等に向けて適切に対応をいたしておるところでございます。  これまでに百四十九世帯のうち百世帯以上の方が退去をいただいておるわけでございまして、未退去の四十二世帯についても、引き続き、しっかりと県とも連携をとって、避難者の方々生活再建を優先的に支援をしてまいりたい、このように思っておるところでございます。
  104. 山崎誠

    ○山崎委員 今のお話でございますと、この二倍の請求を国も認めるということだと思うんですが、どうなんでしょう、これは今、人権問題だとも言われている。  そして、今出てきました、契約に基づいているんだからいいというお話がございましたが、この契約自体も、本当に、現場お話を聞くと、ほかに選択肢もない中でやむを得ずこのセーフティーネット契約にサインをした、契約の説明もなかった、退去しなければ二倍の請求なんという話は聞いていない、そんな声もある中で、どさくさに紛れてこれを結んだというお話もあります。  私は、損害金というんだから、では、避難者の皆さん、今いる方々にどんな落ち度があって、損害を認めているんですか。損害という言葉に値するようなことがどこで行われたのか、御説明いただけますか。
  105. 田中和徳

    田中国務大臣 お尋ねの件でございますが、契約は福島県と借り主の間のものでございます。個別の契約に踏み込んで内容について申し上げることは、国の立場としては差し控えなければならない、このように思っております。  ただ、一般論として言えば、公益財団法人不動産流通推進センターのホームページでございますけれども、賃貸借契約が期間終了になったにもかかわらず賃借人が明け渡さない場合の損害金について、賃貸人は賃借人に対して賃料の二倍相当の金額の損害金を請求することは問題ないと記載されていると承知しております。  以上でございます。
  106. 山崎誠

    ○山崎委員 ちょっと余りにも、大臣、それは復興大臣が避難者の皆さん被災者皆さんに投げかける言葉としては、余りにも情けないんじゃないですか。余りにも今の答弁は情けない。  一般的にですよ、一般的に住宅を借りている方々とは根本的に違いますよ、発生している原因が。被災者なんですよ。原発事故、それが契機で動いているんです。動いた経緯は、原発事故で危ないから動いた方がいいよと声をかけられて、避難外ですけれども動いた方々もたくさん含まれています。百何十人、何世帯いたんです。百世帯出たかもしれない。残った四十世帯というのは、非常に厳しいんですよ。出られない状況があって、最後に、最後に残っているんですよ。  そういう方々に、今二倍の請求という大変理不尽な仕打ちが、もう一年になろうとしている。その思いを、大臣、受けとめていただかないと、復興なんて語る資格はありません。  時間がありませんので、私からは、今必要なのは、最後、一押しをする経済支援ですよ。経済的な支援を最後しっかりやらなければ、この最後に残された皆さんを救うことはできません。相談対応を何度も何度もやってきたんですよ。何年もやってきたんですよ。私が質問してからだって二年たっている。その間やってきて、まだ出られない方々が残っているんです。契約金がない、保証金がない、引っ越し代がない、そういう方々を救うのは、結局お金をきちっと示さなければ無理じゃないですか。そんな通り一遍のことで復興はなし得ないと思いますよ、大臣。どうですか。
  107. 田中和徳

    田中国務大臣 住宅の提供について、また現状をよく承りながらしっかりと対応する努力は今継続されておるわけでございますし、しっかりと対応をしておる、このように思っておるわけでございます。今委員からもいろいろと御指摘がありました点、また福島県とも十分相談をして努力をしてまいりますけれども、今のところ、福島県の対応は、私ども、信頼をしておるところでございます。
  108. 山崎誠

    ○山崎委員 対応継続している間に損害金の請求というのはないんじゃないですか。十分な対応ができたと胸張って言えるのであれば、そのときに、全員皆さんに安心した住居を提供させていただいて、生活再建になったところでそういうお話が私は聞きたいと思います。  時間になりましたから終わりにします。ぜひとも、この自主避難者の皆さん、大変苦しんでいる、忘れないで復興を最後までなし遂げていただきたいと思います。よろしくお願いします。
  109. 伊藤達也

    伊藤委員長 次に、岡本あき子君。
  110. 岡本あき子

    ○岡本(あ)委員 立国社の岡本あき子でございます。  質問の機会をいただきましたこと、感謝を申し上げます。委員長そして理事皆さん、ありがとうございます。  三月十一日、あすでございます。改めて、亡くなられた方々哀悼の意を表します。そして、追悼式典がなくなったのは残念ですが、あすの午後、十四時四十六分、自分なりの祈りのときとして過ごせればと思っております。  冒頭に確認したいことがございます。三月七日に安倍総理は福島県を訪問されていらっしゃいます。主な日程をお示しいただきたいと思います。お願いします。
  111. 小山智

    小山政府参考人 お答えいたします。  三月七日、まず、富岡ホテルにおきまして、ホテル経営者や富岡町長と意見交換を行いました。その後、富岡駅におきまして、駅周辺の状況につきまして町長から説明を受けました。その後、常磐線に乗りまして、双葉駅まで訓練運転車に乗車し、全線開通について説明、意見交換を行いました。到着いたしました双葉町では、双葉駅の視察を行い、双葉町長から新たなまちづくりについて説明を受けました。その後、常磐自動車道常磐双葉インターチェンジ開通式典に出席いたしました。その後、浪江町で、浪江町東日本大震災慰霊碑に献花、黙礼を行い、福島水素エネルギー研究フィールドの施設を視察した上、開所式に出席をいたしました。  以上でございます。
  112. 岡本あき子

    ○岡本(あ)委員 この日程というのは復興庁が設定をされたものでしょうか。
  113. 小山智

    小山政府参考人 日程の調整、具体的な視察先につきましては、復興庁とともに、関係省庁、官邸とも相談をしながら調整をいたしたものであります。
  114. 岡本あき子

    ○岡本(あ)委員 コロナウイルスの関係もあって、式典等の来客、一般の出席者は控えていただいた報道は目にいたしました。復興大臣も同席をされていたと伺っております。  ちょっと、きのうネットでいろいろと飛び交っていたんですが、水素エネルギー研究フィールドの開所式の後、記者会見といいますか、ぶら下がりがあったということですが、官邸随行の記者さんだけで、地元の記者さんには特に案内がなかったやのやりとりが行われておりましたが、これは事実でしょうか。
  115. 小山智

    小山政府参考人 お答えいたします。  今回につきましては、御指摘につきましては、総理は実際には地元の記者の方からも質問に答えられて、実際に記者の方々も同行されております、というふうに承知しております。  以上であります。
  116. 岡本あき子

    ○岡本(あ)委員 最後、質問した地元の記者の方は、聞いても教えてもらえなかったと。要は、式典にずっと随行して、ずうっと随行していった結果、ぶら下がりの現場にいられたと。結果からすると一問だけ質問できたんですけれども、それまでは、内閣の記者クラブの仕切りだったので、地元の記者さんとかには特段案内がなかったのではないか。これはちょっとネット上の情報ですので事実かどうかわかりませんけれども、もし事実だとすれば、私は、残念ながら、せっかく視察に行って現場に総理が行かれて、復興大臣も同席をされて、復興の姿を見ていただく一方、現場に残っている課題というところにも直面をしていただきたいと思うんですね。  首相や政府の要人が地方を視察する際に、可能な限り、本来であれば、地域や地元の記者さんが参加できる記者会見が望ましいのではないかと思いますが、復興大臣はいかがお考えですか。
  117. 田中和徳

    田中国務大臣 お答えをいたします。  今の委員の総理をめぐるやりとりは、私は全く、申しわけございません、わかりません。  ただ、私が被災地をたびたび視察をさせていただいておりますところは、地元記者が中心で実は記者会見などもいたしておりますし、報道もいただいておるところでございますので、私自身というか、復興大臣としては、とにかく地元最優先ということで努力をいたしておるところでございます。  いろいろな機会に地元の声をお互いにやはりきちっとつないでいく、大事なことだと思っております。
  118. 岡本あき子

    ○岡本(あ)委員 ぜひ復興大臣はその信念を貫いていただきたいと思います。  先ほど申し上げたのは、やはり、今回、福島の視察、復興庁も日程調整にかかわってくださったという意味でいきますと、例えば記者会見のあり方、今回はもしかしたら官邸の記者さんだけに限定をされていて、様子はもちろんテレビも新聞も追っかけておりましたけれども、総理と生のやりとりをするシーンに関しては、ちょっと残念ながら限定的なことがあったかもしれない。もしこういうことがあるようであれば、ぜひ復興大臣には、被災地に要人の方、大臣はもちろんフルオープンでやっていただきたいと思いますし、ほかに要人の方がいらっしゃるときは、ぜひ地元の声を直で聞いていただきたい、そういう場も設けていただきたいということも大臣みずから発信をしていただきたいと思います。  安倍総理は挨拶のところで、被災された方々の声に耳を傾けながら、現場主義の復興に取り組んでまいりましたということもおっしゃっていますし、大臣もきょうの御答弁でも同じような趣旨の答弁をされていらっしゃいますので、現場主義、そして被災者の声をじかで聞く貴重な機会があるということを、ぜひ実践をしていただければと思います。  そして、私からは、予算やコミュニティー形成のところは先輩議員も質問されていたので、少し順番を飛ばしますけれども、東北では例年、まさに三月十日前後に中学校の卒業式が行われております。一斉休校の要請の結果、卒業式を簡略化するところがほとんどです。式は行うけれども在校生や保護者の参列はない、証書の授与だけしか行わないなどです。  中学校の三年生の子たち、きょう資料で、資料の三、そして四、つけさせていただいておりますけれども、被災地の中学校三年生、実は九年前は保育所、幼稚園、卒園式中止になった世代でございます。そして、資料四の岩手県の大槌町では入学式もなかった、小学校の入学式も経験できなかった子供たちが、今まさに中学校三年生として義務教育を終了しようとしています。  人生の節目という儀式を縮小だったり経験ができなかったり、あるいは教室で卒業証書だけを授与されたり、あっけない別れを経験することになっております。文科省では全国一斉にケアしなさいという通知は出していますけれども、復興庁としても特別な学年の子供たちに重ねてケアの重要性を求めるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか、大臣
  119. 田中和徳

    田中国務大臣 新型コロナウイルスへの対応が必要な中で議員の今御指摘のような状況があったということは、本当に私も、やむを得なき状況とは思いながらも、大切な人生の節目がこういう形であったということは残念に思っておるわけでございます。  東日本大震災被災した子供たちの心のケアは一層重要な課題でありますし、いろいろな多様な子供たち思いをしっかりと細かく丁寧に受けとめることができるように、私たちも支援をしてまいりたいと思います。これまでも文科省だとか自治体等と連携をして、スクールカウンセラーの派遣だとか教職員の加配等、子供の心のケアに関する取組充実を図っております。  引き続き、被災地子供たちの心のケアを非常に力を入れてまいりたい、このように思っておるところでございます。文科省ととにかく協力をする、県や市町村と協力をする、教育委員会と協力する、大事なことだと思っております。
  120. 岡本あき子

    ○岡本(あ)委員 できれば復興大臣みずから、特に今回、中学校三年生、卒業する被災地子供たちに、こういう不運な状況が二回続いている、でも負けないでというメッセージをぜひ大臣からも出していただければありがたいなと思っております。今からでも遅くありませんので、ぜひ対応お願いしたいと思います。  そして、もう残り時間がわずかですので、私からは、最後の項目になりますけれども、教訓の継承というところをぜひ取り組んでいただきたいと思います。  基本方針に改めて「記憶と教訓の後世への継承」と書かれてはいますけれども、果たしてこの教訓が生かされて、ちゃんと定着し得るのかという検証こそ復興庁で行うべきだ、そして復興庁の組織があるうちに総括をして、必要な省庁にしっかり継承していくということが大事なんだと思っています。  三点申し上げますけれども、まず、避難所の運営についても、昨年の台風被害がございました。だけれども、避難所の運営、今なおホームレスの方が拒否をされたり、女性への配慮がなかったり、ペット連れが断られたり、そういう問題が起きております。震災のときに同じ課題があって、そこを一生懸命マニュアルも見直して、被災地ではそういう取組を進めたと思いますが、全国に伝わっていないということで大変がっかりでございます。こういう点、災害が起きたときの対応、これも速やかにほかの地域で本当にマニュアルに反映されているのかどうか、そういう検証というのをやるべきだと思います。  そして、罹災証明そのものの見直しの要望も出ております。罹災証明の段階が大きくくくり過ぎているんじゃないか、それから、罹災証明にひもづけされている制度というのが正しくないんじゃないか、そういう御意見も出ております。  最後に、現物給付の点、問題にもなっております。避難所での食事提供やみなし仮設住宅の提供についても、現物給付の原則がございます。食事に関しては一部現金給付が認められましたけれども、みなし仮設の提供については今なお現物給付の原則があります。  今三つ申し上げましたが、それだけに限らず、さまざま課題が残っている部分が、復興庁が終わってもやはり課題のままだったよねということであってはならないと思います。  一つ、できれば現物給付の見直しと、何か御意見があれば補足していただければと思いますが、それこそ教訓を、しっかり課題を解決して、その上で継承していく、そういう形で、復興庁の仕事として、残りの復興庁の組織があるうちにしっかり取り組んでいただきたいと思います。大臣お答えください。
  121. 田中和徳

    田中国務大臣 日本は災害列島と言われておりまして、常に自然災害がいろいろな形でやってきますし、場所を問いません。そういう意味では、今委員から御指摘があったように、いろいろなケースをやはり経験としてきちっと整理をし、地域の住民の皆さんにもいろいろとわかりやすい形でお伝えすることとあわせて、行政の方もできる限りの準備、対応をしていくということが重要だと思っております。  罹災証明だとか避難所の運営等は内閣府等の所管ではございますが、今、復興大臣にというお話でございましたので、委員指摘をしっかりと受けとめて、政府としてもきっちりと対応ができるように、私自身努力してまいりたいと思います。
  122. 岡本あき子

    ○岡本(あ)委員 細かい課題は今度の機会に詰めたいと思います。  資料五にも、実は、有識者の中間報告で、現物給付は法改正も必要なので見直すべきだという御意見が出ているんですが、実は、この有識者会議も、政権がかわった後、中間報告のまま、とまったままなんですね。  なので、災害対応復興には与野党関係ございませんので、やはり必要な課題はしっかり整理をする、そして、復興庁としてこの教訓を生かした上で、何か事が起きたときにはその教訓が生かされる、そういう状況になることを望ませていただき、質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  123. 伊藤達也

    伊藤委員長 次に、小熊慎司君。
  124. 小熊慎司

    ○小熊委員 立国社の小熊慎司です。  あすで丸九年、全てのお亡くなりになられた方々被災された方々哀悼の意とお見舞いを申し上げつつ、現在でも震災関連死の方々がいらっしゃり、ことしは残念ながら新型コロナウイルスへの対応ということで政府主催の追悼式が中止、また、私、地元の福島の追悼式に毎年参加をさせていただいていましたが、これも知事始め数名だけで超小規模で追悼式を開催するということになり、私も、あすは私なりにお祈りをささげたいなというふうには思っています。  このコロナウイルスの騒ぎの前に、十年を一区切りに政府主催のものは打ち切る方針が出されておりますけれども、この経緯について、まずお伺いいたします。
  125. 田中和徳

    田中国務大臣 東日本大震災は、発災から十年目を迎える来年度末で、東日本大震災からの復興基本方針で定めた復興創生期間が経過するなど、一定の節目を迎えるということになります。  こうした状況を踏まえて、政府として行う追悼式については、発災十年となる来年まで実施して、再来年以降についてはその時々の状況を勘案しながら判断をさせていただく、この方針が示されたところでございます。  以上でございます。
  126. 小熊慎司

    ○小熊委員 これは比べるのが適当ではないのかもしれませんが、広島や長崎の原爆の追悼式、これはそれぞれの市が主催をしており、政府関係者が参列するという形をとっています。もちろん、地元にも、閣僚がそれぞれの地元の追悼式に出てほしいという意見があるというのも、検討になった一つの意見、あり方かなというふうにも思いますが、一方で、これは一つの区切りといいながら、区切られないから復興庁はもう十年続くわけですよ。国のあり方をどう示すのか、これはもう少し議論があってもよかったというふうに思います。  想像するに、政府主催をやめて、総理が三年ごとに岩手、宮城、福島と回られるということもあるのかもしれません。関係閣僚がそれで回っていくのもあるのかもしれません。しかし、復興庁は今終わっていないということで十年延長になった、でも追悼式は一区切り、ここがちょっと筋が通らないというか疑問を感じる部分がありますし、政府が、政治が前面に立つ、国が前面に立つ、でも追悼式は十年が区切り、地元中心にどうぞ、どこか何かがずれているような気がします。  私としては、それは閣僚が現地の追悼式に出るということも一つの考え方かもしれませんが、やはり、まだ震災関連死の方も出てきている、大臣が先ほど言っていたとおり、福島のことに関してはまだ継続中の災害で中長期的な取組が必要であるということを考えれば、復興庁が道半ばだということで十年延長するわけですから、もう少し、もう十年ということがあるべきというふうに私は考えますが、大臣の見解をお聞きいたします。
  127. 田中和徳

    田中国務大臣 地元の小熊委員思いというのは私もわかるところでございますけれども、いずれにしましても、政府主催の追悼式の再来年度以降の開催について言えば、その時々の状況を勘案しながら判断をするということになっておるわけでございます。当然、地元の皆様方の御意見、またこういうものも非常にやはり重要な視点になるんだろうと思います。  いずれにしても、復興庁としては、東日本大震災からの復興を引き続き全力を尽くして対応していくこと、その記憶と教訓を絶対に風化させてはならない、引き継いでいく、このようなことで取り組んでいきたいと思います。  私も、長崎の原爆の悲惨なあの出来事の祈念の日に行って、御挨拶を政府の立場でさせていただいたこともございますし、いろいろなことを今御指摘があって思い出したところでございます。  以上でございます。
  128. 小熊慎司

    ○小熊委員 ぜひ、これは打切りありきではないという形で受けとめましたので、まさに風化をするんじゃないかというおそれから、地元でも逆に政府主催を打ち切ることに反対をしている人もいますから、慎重にこれは検討していただきたいというふうに思いますし、国が前面に立つと言っていながら、これを空虚な言葉に我々は時々受けとめてしまうのは、そうした、言葉だけが格好いいことを言って実際の行動が伴っていないということで、政治の信頼が醸成されない部分がありますから、そうしたことも含め、しっかり今後検討して、地元の納得のもとに一定の方向性を決めていただきたいというふうに思います。  次に移りますが、これは所管は経産省とわかっています。経産大臣ともやりとりを何回かしました。  御承知のとおり、梶山大臣は、二〇二二年でタンクがいっぱいになってしまう、これは報道ベースでもそれがあたかもゴールのようにして決めなきゃいけないと言っているけれども、準備に二年程度かかるというのは、この間、経産省もはっきり言いましたから。そうすれば、この夏に判断しなきゃいけないんです、海洋放出するかしないか。でも、こんなあと半年もないところで、地元の理解、関係者の理解なんか得られるはずがない。となれば、どうすればいいか。敷地外に土地を求めて保管するしかない。これも選択肢だということは、小委員会の取りまとめでは否定していますけれども、これは大臣、ちゃんと読んだと思いますが、この取りまとめは敷地外の保管に関してはハードルが高いというふうに言及していますが、経産大臣はこれは選択肢たり得るということで、今多分、検討していることになってくると思います。  となれば、敷地外の土地の確保ということになれば、これは復興大臣としても汗をかかなければならないところでありますので、この敷地外保管への対応について、大臣お答えください。
  129. 田中和徳

    田中国務大臣 ALPS小委員会の報告書はもう委員の方がよっぽどお詳しいので、重ねる必要はないと思っております。  私の立場で申し上げると、小委員会の報告書を踏まえながら、地元を始めとした関係者の御意見を伺った上で結論を出していかなければならない、こういうことでございます。  具体的な事例等は、私も復興大臣の立場でございますし、担当大臣もいらっしゃいますので、余り踏み込んだお話は申し上げないようにさせていただければ、このように思っております。
  130. 小熊慎司

    ○小熊委員 次に、ちょっと汚染土についてお聞きしますけれども、これは再利用について。八千ベクレル以下のものを遮蔽したりして再利用していく、今、実証実験も県内で行われているところでありますけれども、これをやっていけば中間貯蔵施設になっているあの土が大幅に減容化できるということですが、これもいろいろ議論がありました。私もこの法案には、当時参議院でしたけれども、賛成をしていました。  私のイメージは、これは普通の土と同じぐらいのものにしたものが再利用というふうに理解していたんですが、八千ベクレル以下ですから、これはほかの土とは違うわけです。今回のこの省令改正でも曖昧な点が多過ぎる。じゃ、土手の土盛りに使って遮蔽をしました。今、風水害も多い。これが崩れて、汚染土がむき出しになって流れたときの責任の明確化がされていません。  こういうことで、地元が四カ所指定されましたが、二カ所でしか実証実験は行われていないことも事実ですし、実際、八千ベクレル以下は大丈夫だというのは、遮蔽しなきゃいけないという基準ですから、ある意味、最終処分場のように福島県はしないと言っていながら、汚染土ではあるわけです、これは。八千ベクレル以下のものは福島県内が最終処分場で引き受けろという話なのか。以前のこの委員会でお聞きしたら、この再生利用は福島県だけではなくて全国が対象地域ですということを政府参考人から答弁していただきました。  もう一度確認します。今、実証実験は福島県だけですけれども、実際これが正式になるということであれば、これは全国が対象であるということで間違いないですか。
  131. 石原宏高

    ○石原副大臣 現時点では、福島県外において再生利用の具体的に想定している場所はありませんけれども、二〇一六年に取りまとめました基本的な考え方では、再生利用の対象区域を福島県内に限定したものではありません。  再生利用の推進に当たっては、地元の皆様の御理解なくしては実現ができませんので、再生利用の必要性や放射線にかかわる安全性等について、理屈だけではなくて、信頼を得られるよう実証事業の結果等を含め丁寧な説明に努めて、関係省庁と連携して取り組んでまいりたいというふうに思います。
  132. 小熊慎司

    ○小熊委員 であるならば、今言ったように全国ですよね、対象地域は。  田中大臣にお聞きいたします。  風評被害にも前面に立っています、言われました。僕はもう常々言ってきましたけれども、大臣というか我々自身がそれぞれ、岩手、宮城、福島だけではなくて、皆さん家庭現場だという話をしたことがあります。自分の家で福島の米を食ってください。旅行に行ってくれという話がありましたけれども、だったら、自分の地元の選挙区の小学校、中学校、今まで福島に修学旅行で行っていた学校がやめてしまっている。関東の戻っている率は少ないです。宮城や新潟、近県の学校は福島に修学旅行を戻してきてくれていますけれども、関東の学校は戻ってきていません。そういうさなかで、千葉県の市川市では、学校給食に福島県のお米を使ってくれている。  トップセールス、結構です、大事なことです、どんどんやっていただきたい。でも、量的には、イベントで売ることよりも、大臣大臣大臣をやるぐらいの実力者でもありますし、十年前から大臣とはいろいろな勉強会で御一緒させていただいていて、地方議員の経験もあって、まさに政治歴が長いわけですから、地元の選挙区内の学校や、そういったことにもアプローチをしていただきたい。  そういう中で、風評被害は非常に難しいです。簡単ではありません。これは汚染土ですね、再利用大臣、地元でやるということを想定した場合、どう思いますか。やりますか、やれますか。率先して、大丈夫なんだから、うちに持ってきて使おうぜと言えますか。大臣、どうぞ。
  133. 田中和徳

    田中国務大臣 風評被害対策については、非常に重要な政策課題でございまして、私の方も、地元の川崎市の子供さんたちの給食の食材に福島の野菜等を使っていただきたいということでお願いをし、また、そういうふうにさせていただいておるところでございますし、また、先ほどにも答弁しましたように、消費者の皆さんに対しての、正しい御理解をいただくための、ありとあらゆる副読本の講読を含め、お願いをすることも大事なんですけれども、実は流通の段階でしんしゃくをするというようなことがあって、いろいろな問題が起こっておるわけでございます。  いずれにしましても、いろいろな風評被害の対策というものを、私たちは実を上げていく、こういうことで努力をしていきたいと思います。  少し、小熊委員の御質問のところとは違うかもしれませんけれども、そのように努力をさせていただきたいと思います。(小熊委員委員長、答えていない、汚染土をどうするかだから。これは通告していますから」と呼ぶ)
  134. 伊藤達也

    伊藤委員長 もう一度質問お願いします。
  135. 小熊慎司

    ○小熊委員 聞いたことは、汚染土を、これはさっき石原環境大臣がおっしゃっておられた全国が対象ですから、じゃ、復興大臣として前面に立つ、復興のトップに立っているわけですから、これは大事な話ですから、大臣の地元ではどうですかという話です。
  136. 田中和徳

    田中国務大臣 私の立場はもう大体おわかりをいただくと思うんでございますが、仮説の話についてここで云々という答弁をすることについては差し控えたいと思っております。汚染土壌の件はそういうことでございます。
  137. 小熊慎司

    ○小熊委員 そうなんですよ。これは、大臣だけではなくて、我々自身の問題でもあります。私だってこれは、浜通りじゃなくて会津ですから、会津の造成に使えと言ったら、それはなかなかしんどいですよ。  でも、これは、じゃ、どうなるかといえば、八千ベクレル以下は再利用しますよと言っていながら、どこも使い道がなくて、結局相当の分量が中間貯蔵にため込まれ、石原さん、言っていただいたと思うけれども、環境大臣、三十年、三十年と言うけれども、あと二十五年ですからね、起点は二〇一五年だから。あと二十五年後に最終処分場がほかにできるかなんて誰も想像できていない、今。だって、これですもん。八千ベクレル以下は使えますよとやっていたって、誰も引き受けましょうなんということが出てきていない。  トリチウム水の話もそうです。でも、取りまとめにもあるとおり、もし海洋放出だってすれば、相当の風評被害が出ますと出ているんですよ。それを引き受けられる人は誰もいないのに、どこかでやらなきゃいけない。今のままでは福島がなってしまう。  それをわかって国が前面に立つという言葉を使わなければ、空虚な言葉になっているということなんです。  言えないのは当たり前ですよ、選挙を抱えているし、みんな。でも、今のままだったら我々が抱えなきゃいけないとなってくるんです。そのぐらい大変なことなんです。言えないと思いますよ。だったら、軽々しく、国が前面に立つとか、総理も言っているけれども、全然響いていませんから。そういう問題があるということ。  答弁はできなかったけれども、大臣、この前も言ったとおり、トリチウム水も、自分選挙区の海に流した場合どんな影響があるか、どんな住民の反応があるか、大臣のところの公共事業でこの再利用の土をやったときにどんな反応があるか、想像はできるはず。答弁はできないけれども。そういうものを背負って我々は生きているんです。これからも何十年も生きていかなきゃいけないんです。それをわかった上で、大臣としての責務を果たしてください。  以上で質問を終わります。
  138. 伊藤達也

    伊藤委員長 次に、金子恵美君。
  139. 金子恵美

    ○金子(恵)委員 共同会派の金子恵美でございます。よろしくお願いいたします。  新型コロナウイルスに感染し、病床にある皆様方の御回復を心からお祈り申し上げますとともに、お亡くなりになられた方々哀悼の意を表します。  あすで東日本大震災、原発事故から丸九年となります。ことしの政府主催追悼式が中止となり、そして、地元の追悼式やイベント等も中止あるいは縮小という形での開催ということでございます。  決して三・一一を忘れてはいけません。私も、あすは地元に戻りまして、十四時四十六分、黙祷をささげたいと思います。犠牲となられた皆様に哀悼の誠をささげ、そして、改めて、今もなお避難をされている方々生活再建のために全力で働かせていただくこともお誓いしたいと思います。  そこで、田中復興大臣、所信ではこのことに触れなかったんですが、あすの十四時四十六分、どこで追悼あるいはその弔意を示されるのか、教えていただきたく、お願いいたします。先日の六日の閣議後の記者会見で、復興庁としても何らかの形でしっかりと弔意を示していくというふうにおっしゃっていた。そして、どのような形になるかというのは近く発表するとおっしゃっていました。前日です。よろしくお願いします。
  140. 田中和徳

    田中国務大臣 お地元の議員でいらっしゃいます金子委員のいつもお気持ちは、質問の中でも、また現地でも、いろいろとお伝えをいただいておりまして、大変勉強になっておるところでございます。  今のことでございますが、間もなく官房長官が明らかにすることでございますので、私の方からは、ちょっとこの時点では、あとわずかなことでございますので、控えたいと思っておりますけれども、いずれにしましても、政府の中できちっと総理のリーダーシップのもとに弔意を示していく、そのことに私もともに行動する、さらには、私自身復興庁の中でもしっかりと全庁の訓示を申し上げたい、このように思っておるところでございます。
  141. 金子恵美

    ○金子(恵)委員 おっしゃることができないという、もうすぐ決定ということでありますので、ぜひ思いをともにできればというふうに願っているんですけれども、先ほどもお話がありましたように、震災関連死の数、死者数はふえてきている。これはもちろん、弔慰金に対する申請の数ということにもなりますから、もっと申し上げると、恐らく、震災に関連して亡くなっている方はふえているんだと思います。その数字が明確に示されていないということもあると思います。  でも、今もなお多くの方々が避難されている、福島県では四万人以上の方が避難をしているわけですから、その中で、本当に現地にも、さきの週末行かれたということではありますけれども、光の当たっているところだけを復興だと言ってアピールするという傾向にここのところあるように見えますから、そうではなくて、しっかりと本当に被災地方々に寄り添っていただきたいなというふうにも思いますし、そして、亡くなられた方々の、本当に、あのときの苦しかった、恐らく、もっと生きたかったという思いですね、そのことを忘れないでいただきたいというふうに思います。よろしくお願いします。  四日ですけれども、これは避難指示が出された市町村で唯一全町避難が続いていた双葉町の帰還困難区域の一部を先行解除しました。そして、五日には大熊町、本日午前六時には富岡町の特定復興再生拠点区域の一部の避難指示が先行解除されたということで、このように避難指示解除は続いておりますが、今も申し上げましたように、避難指示が解除されても新たな課題というのは出てくるわけであります。  改めて、今回の避難指示の解除についての大臣認識をお伺いしたいと思います。
  142. 田中和徳

    田中国務大臣 全町避難が続いておりました双葉町では、御指摘のとおり今回初めて、そして、大熊町では昨年四月、富岡町では平成二十九年四月に引き続き避難指示が解除されて、原子力災害からの復興に寄与してきている、前に進んでいるな、このようにも思っておるところでございます。  復興庁としても、工業団地等の産業の、あるいはなりわいの再建による働く場の創出を努めておりますし、商業施設の、医療、介護などの生活環境整備など、各町の復興を引き続きしっかりと支援してまいりたいと思います。帰還の人口をふやしていくということが大事だと思います。  また、もう既に何度も議論がございますが、被災者皆さんに対する、あるいは子供さんたちに対する心のケアの問題などは、特に力を入れていかなければならない。また、避難をしていらっしゃる方たちも、福島についてはまだ四万人という状況にあるわけでございまして、その対応が非常に重要だと思っております。
  143. 金子恵美

    ○金子(恵)委員 私は、避難指示を解除しても新たな課題が出てくるということに対するその認識というのも伺いたかったんです。  例えば、今回、双葉町が解除されますが、立入り規制緩和した区域の防犯体制を整えるということも一つの課題になっているというふうに伺っておりますが、このような新たな課題についてはどのように対応されますか、大臣
  144. 田中和徳

    田中国務大臣 防犯体制も含めて、個々のいろいろなことがあると思っております。やはり、それぞれのことを取り上げながら、地元の自治体の方あるいは警察の関係の方等々、きめ細かく対応していただきたいし、私たちも、御相談をして、実を上げてまいりたいと思っておるところでございます。
  145. 金子恵美

    ○金子(恵)委員 この間の日曜日のNHKの「日曜討論」、大臣は出演されて発言をされておられまして、私も拝見させていただいておりましたが、番組の中でNHK独自の調査の結果が示されました。東日本大震災九年アンケート。当初思い描いていた復興と比べ、今の復興の姿をどう考えるかという質問に、福島県民の皆様が答えています。思い描いていたよりよい、一二・三%。思い描いていたとおりだ、一五・六%。思い描いていたより悪い、六二・八%でした。福島県民、私も福島県民でありますけれども、我々が思い描いているものとは少し違うんじゃないかという声が多かったということであります。  この数字をごらんになって、番組の中でも発言されているんですが、改めて、恐らく言い足りない部分がおありだったのではないかと思いますので、よろしくお願いします。どのように受けとめますか。
  146. 田中和徳

    田中国務大臣 改めてこの数字を見て、本当に厳しい状況だな、福島の復興のみならずでございますが、特に福島の復興はこれからだな、このように感じておるところでございます。  原子力災害地域においても復興再生が本格的にこれから始まる、始まっているところでございまして、他方で、復興の進展に伴って、引き続き対応が必要となる事業、新たなる課題も明らかになっております。調査でいろいろなことが見えてまいります。  今後とも、被災者に寄り添って、現場主義を徹底して、福島の復興再生に全力投球で頑張ってまいりたい、この思いでございます。大変あの数字は厳しいものと受けとめております。
  147. 金子恵美

    ○金子(恵)委員 もっと具体的に、どのような対応をしているのかということだというふうに思うんですね。  番組の中では、大臣は、イノベーション・コースト構想、夢のあることについてはそれに触れられていました。しかし、福島県では、私はさきの臨時国会の委員会でも申し上げましたけれども、八割の県民は、イノベーション・コースト構想については知らない、よく知らないというふうに言っていますので、このことも含めて、やはり思いと、そして、今、復興庁が中心、政府が中心となっている復興のあり方、進め方というものにギャップがあるんだろうなというふうにも思います。  どこを重点的にやっていくか。今、私見ていますと、やはりどうしても復興五輪に進んでいかなくてはいけないということで、繰り返し申し上げますけれども、明るいところだけをどんどん表に出そうとしている傾向があるというふうに思います。一方で、やはり苦しい思いをしている方々にどうやって応えていくかということだと思います。  住民意向調査についてお尋ねしますけれども、先ほど、避難指示一部解除があった双葉町も、これも昨年十二月に復興庁が公表した住民意向調査でありますけれども、戻らないと回答した方は六三・八%、一方で、戻りたいと言っている町民は一〇・五%にとどまっているということでありまして、もっと言うと、これは回収率というのは四五・八%なんです。ですから、半分以上の方は答えていない。どうなっているんだろう、どのような考えをお持ちになって、今、避難中でありますけれども、どのようなお暮らしをしているんだろうということをやはりきちんと把握していかなきゃいけないというふうに思います。  もちろん、大臣が双葉駅で総理の隣にお立ちになってにこやかにしていらっしゃるその姿というのは、ある一定の希望というのを伝えることができないことはないと私は思うんですが、ちょっと言葉をいろいろ選びますけれども、でも、必ずしもそれが多くの避難者の方々の心に響くかというと、そうではない気がするんです。自分たちは取り残されている、そう思っている人たちも多いと思います。  富岡町でも、これもやはり昨年の調査でありますけれども、今住んでいらっしゃる方は七・五%、でも、戻りたいと考えている人たちは八・一%です。大熊町、ここも避難指示一部解除しましたけれども、今、大熊町で生活している人は一・八%ですけれども、戻りたいと考えている人は一〇・六%。これも、やはり回収率が五〇%には満たないという状況になっています。  本当の意向調査でもない。しかも、意向調査をしても、たった一〇%あるいは一〇%に満たない人たちしか戻りたいとは言わない、こういう状況であります。このことをどういうふうに受けとめながら、今後どのような施策というものを考えていかなくてはいけないと思っていらっしゃるのか、所見を伺います。
  148. 田中和徳

    田中国務大臣 委員がおっしゃるように、確かに、新しいこと、またうまくいっていることだけが全てではないわけでございまして、大変大きな問題がございます。一つ一つの、やはり私たちは事柄をきちっと対応していくということに努めることが全てだと思っております。  いずれにしましても、御指摘があったように、福島イノベーション・コースト構想だとか福島国際教育拠点のことだとかというのが、夢のある話なんですけれども、地元の皆さんに腑に落ちないということであれば丁寧に説明しなければならないと思いますし、帰っていきたい、帰ってみたいと思う人の数字がまだ少ない状況でございますので、今後とも、やはり生活をあそこでしていらっしゃらない現実があるわけでございますので、そういう方たちにもきちっと避難先で寄り添えるように、丁寧な説明ができるように、そして現場でもハード面等いろいろと進めていけるように、最大の努力をしてお応えをしてまいりたいと思っておるところでございます。
  149. 金子恵美

    ○金子(恵)委員 本当に寄り添うということであれば、三月の末に、帰還困難区域を抱える富岡、浪江両町の全域と、葛尾、飯舘両村の帰還困難区域からの避難者に対する住宅の無償提供が終了するということでありますけれども、このことについて、以前、地元紙の中で記事が書かれまして、その段階では十二月末で二四%の方々住まいの見通しが立っていないというふうに答えていましたけれども、今回、最近になりまして、三月の二日、朝日新聞が記事を書いてくれたんですが、その中では、九%、二百十一世帯は見通しが立っていないということだったんです。  今、その現状というのを復興庁はきちんと把握していらっしゃるということでいいですか。今申し上げたように、無償提供が終了してもきちんと住まいについての支援継続していくのか、あるいは今現状どのようになっているのか、こういうことも含めてお答えいただきたいと思います。
  150. 田中和徳

    田中国務大臣 三月末で応急仮設住宅の供与が原則終了する富岡町、浪江町の全域と、葛尾村、飯舘村の帰還困難区域からの避難世帯を対象に、供与終了後の住宅の確保状況について、福島県が今確認を行っておるところでございます。  一月末現在で住宅確保の見通しが立っていない方は二百十一世帯で、全体の九・三%と承知しております。十二月末の五百四十六世帯から、二四・一%から大きく減少をしておるという数字でございます。  被災者方々が円滑に恒久住宅に移転できるよう、県、町村から戸別訪問を行うなど、丁寧に対応していただいておるところでございまして、復興庁としても、県や町村と連携して、しっかりと対応してまいりたいと思っております。
  151. 金子恵美

    ○金子(恵)委員 数字は確認しなくてはいけないんですけれども、それよりも、減少はしている、でもまだ見通しが立っていない人がいるということだと思います。  減少はしているけれども、住宅、どこにこれからお住まいになるかという見通しが立っていない方々がいるということは間違いないですよね、大臣
  152. 田中和徳

    田中国務大臣 福島の方の調査が行われておりますので、そういう状況があるだろうと推測しますけれども、また福島からしっかりと対応を聞いてまいりたいと思いますし、また、そういう住宅の確保が見通しが立たない方がいらっしゃるようだったら、しっかりと対応していかなければならない、この思いでございます。
  153. 金子恵美

    ○金子(恵)委員 地元任せにしていくような御発言だというふうに聞こえたんですけれども、そうではなくて、福島県で、地元ではそういうことになっているということじゃなくて、それをどういうふうに復興庁として把握して、そしてどのように支援をしていくかということだと思うんです。  復興というのは、別に箱物とかコンクリートだけをつくるということだけが復興ではない、私は、しっかりと、人を中心とした復興、心の復興というものも含めて、全てそうやって人を中心として考えていただきたいというふうに思いますが、大臣、いかがですか。
  154. 田中和徳

    田中国務大臣 復興庁は、復興の司令塔として責任を持って頑張ってまいりたいと思っております。
  155. 金子恵美

    ○金子(恵)委員 時間が参りましたからこれで終了させていただきますけれども、災害公営住宅にお住まいになるというようなことが決定したとしても、そこでもいろいろな課題がある。  福島大などの調査によれば、やはり、自身生活復興に対する意識に関する調査というのがあったんですけれども、ほぼ回復したと言っている福島県民は一二・七%、ある程度回復した、三〇・二%。  災害公営住宅にお住まいでもそういう状況であるということですから、これからしっかりと人に本当に寄り添いながら御対応いただきたく、お願いを申し上げて、私の質問を終わります。  ありがとうございます。
  156. 伊藤達也

    伊藤委員長 次に、高橋千鶴子君。
  157. 高橋千鶴子

    ○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。  日本原水爆被害者団体協議会、以降、被団協と言いますが、ニューヨークの国連本部で四月下旬から開く原爆展に対し、外務省が後援見送りを示唆してきたと報じられました。原爆展は、五年ごとに開かれるNPT再検討会議に合わせ、二〇〇五年から連続して行ってきたといいます。  資料を配付できればよかったんですけれども、手元に資料をいただきまして見ましたけれども、チェルノブイリ原発事故、それからスリーマイル島の事故、これが一枚ずつ、そして、福島は二枚なんですけれども、事故直後の三号機の様子、そして浪江の捜索の様子の写真が、パネルが一枚、それから、道路をイノシシの親子が列をなして横切っている写真ということで、原発事故の余波と題したパネルでありました。  今まで問題なく後援をしており、かつ、今回も国連本部はもう既に了解していると聞いております。なぜ今回難色を示したのか理解ができないし、これは不当な圧力だと言われても仕方ないと思います。もちろん、被団協は、見直しはせず、展示は行うと聞いております。  三月五日の参議院の予算委員会で、我が党の井上哲士議員に対し茂木外務大臣は、今審査中と答え、被爆の実相に関する正確な認識を持つことは、核軍縮に向けたあらゆる取組のスタートとなると述べています。  もし前回と今回で判断が分かれるとすれば何が理由なのか、外務省に伺います。
  158. 加野幸司

    加野政府参考人 お答え申し上げます。  先般、外務省に対しまして、四月末から行われます核兵器不拡散条約運用検討会議の際に国連本部で開催予定の原爆展について、後援名義の使用許可申請がございました。  今般、同協議会からなされました後援名義の使用許可申請につきましては、現在、外務省において審査中でございまして、許可又は不許可という審査結果を前提とした御質問にはお答えを差し控えさせていただきたいと存じます。
  159. 高橋千鶴子

    ○高橋(千)委員 これまでもそのくらいのスケジュールだったんでしょうか。また、示唆したということが報道されたのはなぜか、考えられることをお答えください。
  160. 加野幸司

    加野政府参考人 お答えを申し上げます。  申請団体と現在やりとりをしながら、丁寧に審査をさせていただいているところでございますけれども、審査状況の詳細を明らかにすることについては差し控えさせていただきたいと存じます。
  161. 高橋千鶴子

    ○高橋(千)委員 これはいずれ明らかにしていただきたいことだと思うんですね。一方の団体の側が主張していることでありますし、五年ごとに開かれて、今まで問題がなくやられてきたのにこうしたことが起こったということを、わざわざありもしないことを言っているわけじゃないわけですから、これはいずれ明らかにしていただきたい、そして、後援の取消しということがないようにお願いしたい、このように思うんですね。  この点で、大臣にもぜひ伺いたいと思います。  原発は、核兵器の原料であるウラン235やプルトニウムを燃料とします。特に、プルトニウムの分離については、余剰プルトニウムを持たないということで、厳格に報告が求められています。原子力の平和利用は、核軍縮、不拡散と並ぶNPTの三つの柱となっています。報道されているのは、だからだめだというふうなことが報道されているんです。だから、それはおかしいでしょうと私は言いたいんです。  原発事故からの復興は特別の困難を伴うことであることは大臣も共有するのかどうか、そのためにも、原発事故がもたらした被害を国際社会に訴えていくことは重要であり、原爆と並んで展示することは矛盾しないと思います。認識を伺います。
  162. 田中和徳

    田中国務大臣 未曽有の大震災だとか原子力災害からの復興には大変多くの困難が伴うと認識をしておりまして、私の方も、所信表明等、いろいろと過去にもお話を申し上げてまいりました。  引き続き、国際社会に対して、長期にわたる取組の必要性だとか、復興が進む福島の姿を丁寧かつ正確な情報発信として努力をしてまいりたいと思っておるところでございます。  原子力発電所の事故というものは大変重いことだと思っております。
  163. 高橋千鶴子

    ○高橋(千)委員 精いっぱいのお答えをいただいたと思います。  津波被災地域は五年、福島は十年という区切り方、これ自体も、今、きょうはそれを論じはしませんけれども、やはり、原発事故の特殊性ということを考慮して、今も避難指示が全て解除されたわけではないということを考慮してのことだと思っているわけですね。ですから、国際社会にこの現実をちゃんとアピールしていくことは何の矛盾もしないことだ、このことを重ねて指摘をしたいと思っております。  そこで、次に進みますが、あすで東日本大震災と原発事故から丸九年となります。先ほど来議論があるように、新型コロナウイルス肺炎のために、慰霊式典が中央も被災地でもほぼ中止となったことは大変残念でなりません。私も、この後向かうつもりでありますけれども。  そこで伺いたいのは、まず、三月二十六日には聖火リレーをスタートさせる予定でした、福島から。これは変更がないのか、伺います。簡潔に。
  164. 諸戸修二

    諸戸政府参考人 お答えを申し上げます。  国内における聖火リレーにつきましては、組織委員会は、政府の新型コロナウイルス感染症対策の基本方針を踏まえまして、三月四日に、聖火ランナー、観客、スタッフに感染症が広がらないための適切かつ必要な対応をしながら実施するなどの基本的な考え方を公表しております。  福島のJヴィレッジからスタートをする聖火リレーにつきましては、この今申し上げました基本的な考え方を踏まえて、組織委員会などにおいて、実施に向けた具体的な検討が進められているところであると承知をいたしております。
  165. 高橋千鶴子

    ○高橋(千)委員 沿道の対策などがけさのニュースでも言われていたと思うんですけれども、無観客試合をあちこちでやっている中で、同じことはできない、同じことはできないというか、要するに、沿道をにぎわして聖火リレーということはできないんじゃないか、当然そういう検討をされていると思いますけれども。  そこで、私は、二〇一八年の十二月の四日の本委員会で、聖火リレーの質問をしています。そのときに、与党の第七次提言でこう書いてありました。「二〇二〇年前半には幹線道路沿いや身近な場所から仮置場をなくす」と書いているんですね。これは、身近な場所ってどこですか、聖火リレーの沿道だけきれいにするんですか、こう聞いたわけです。そうすると、答弁は、常磐自動車道、国道六号線などの主要幹線道路沿い、そして、身近な場所というお答えだったんですね。だからどこかと聞いているんですよと言ったら、身近な場所としか繰り返せなかった。リレーの、いわゆるルートが決まっていなかったということもあるんだけれども、やはりそれは、沿線が決まれば、ルートが決まればそこは中心にということにほかならないんじゃないかな、私はそういうふうに思ったわけなんです。  二月二十九日付の朝日新聞の読者欄に、福島県の男性の投書が載っていました。  双葉町、大熊町を含め、避難指示が出た全十一市町村を聖火ランナーが走ることになりそうだ。走る姿はテレビなどで全国に放映されるだろう。一見、明るいニュースだが、今のルートでは福島の現状が伝わらないのではないか。大熊町の移転、再建された新庁舎前、浪江町では、国や県が整備するロボットの研究開発拠点、水素製造施設を走るだけだ。そうした映像をつなげて放映すれば、避難指示は全て解除され、全被災者が普通の生活に戻っているように誤解する人も出てくるのではないだろうか。復興五輪という名のもとで原発事故が終わったような印象を与えるなら残念でならない。負の部分もしっかり伝えてほしい。  これは、まさに、私が二〇一八年に質問した趣旨と全く同じことを指摘しているなと思うんです。  今、ことし三月五日の環境省の数字で、中間貯蔵施設への汚染土壌の搬出量は、搬出計画量一千四百万立米に対して六百三十七・八万立米、四五・六%、まだ半分残っているんですね。仮置場単位で見ますと、七百六十カ所の仮置場、五割以上が残されているという状態なんです。  その状態の中で、きれいに片づけられたところだけを走り、新しい施設だけを走るとなれば、見せかけの復興五輪と言われても仕方がない。負の部分もしっかりと伝えていくべきではないんでしょうか、大臣
  166. 田中和徳

    田中国務大臣 お答えをいたします。  復興五輪は、世界じゅうからいただいた支援の感謝だとか復興しつつある被災地の姿を世界にお伝えをすることが非常に重要なことだと思っておりまして、被災地としても、被災地の産品、食材の活用、PR等がなされ、風評払拭につながることを期待する声も強いものがございます。また、被災地での聖火リレーの多数の応募があるなど、期待も非常に大きいことは事実でございます。  一方で、復興のステージに応じて生じる新たな課題だとか、多様なニーズへのきめ細かな対応震災記憶と教訓を後世にお伝えをする、こういうことも非常に重要でございます。  いずれにしましても、道半ばでございますので、いろいろな課題が山積しておるわけでございますが、引き続き、被災地方々復興五輪の理念を実感いただけるように努めてまいりたいと思いますし、福島の復興再生にしっかりと努力をして加速をしてまいりたい、このように思っておるところでございます。
  167. 高橋千鶴子

    ○高橋(千)委員 全然聞いたことに答えていないと思っております。一般論じゃないんです。聖火リレーで本当に整ったところだけ見せるというのが正しい復興五輪のあり方かと聞いております。  私が紹介した読者欄の前の日の朝日新聞にこういう記事が載っておりました。例えば大熊町、町民は百五十人しか今住んでいない、バスを出して沿道に人を集めるんだ、それでも五百人の目標は達成できないので、東電や関連企業にお願いをして集めるしかないねと。何というか、まさにそれ自体が現実なのかなと言わなきゃいけないけれども、内堀知事は、F1の近くやフレコンバッグのあるところを走るということも考えた、しかし、それではやはり余りにもじゃないかという町内の意見があって踏みとどまったということがあります。  でも、本当にそうだろうか。知事がそこまで考えたのであれば、もう一度考える必要があるんじゃないでしょうか。今、コロナの対策で、やはり同じような計画ではできないんです。聖火リレーだけ人をいっぱい集めても大丈夫となったら、それはおかしいんですよ、今の政府の方針からいって。ですから、もう一度そうしたことも含めて検討していただきたい、このことを重ねて指摘をしたいと思います。  大臣、もしか一言ありますか。
  168. 田中和徳

    田中国務大臣 私も、朝もテレビ報道がありましたし、拝見をしておりました。復興五輪に関する批判的な御意見も承知をしております。  今私が申し上げましたとおり、被災地では復興五輪の機運を着実に醸成をされてきた、こういうことも事実でございまして、とにかく復興五輪がしっかりと成功するように、また、地元の皆さんの御期待に応えて、ひとつ復興が前進をするように、その契機となるように努めてまいりたいと思っております。
  169. 高橋千鶴子

    ○高橋(千)委員 全然聞いていることと違うんですけれども、少し話を進めたいので、ここは指摘にとどめたいと思います。  県政の復興に必要な取組のトップは、原状の回復、汚染土壌の撤去、これが一番県民が望んでいることです。そのことを忘れてはなりません。  昨年十二月二十日に出された復興基本方針は、十年間の総括と今後の課題、次の大規模災害に生かすべき教訓が前半に書かれているんですね。読んでいて、やはり違和感を感じました。あれもやったこれもやったと、リレーの話じゃないんですけれども、ほとんどうまくいっているように読めるからなんです。  七日のNHK夕方のニュースで、NHKが被災三県の被災者に聞いたアンケート、これについて報じていました。一生被災者だという男性の声が入ってきて、どきっとしました。九年たっても、今も被災者だと感じている方が六割余りであること。例えば岩手県沿岸部の男性は、ハード面の整備は一定の展望が開けるが、減少した人口や縮小した地域経済、破壊されたコミュニティーはもとに戻らない状態が続いており、見通しは極めて暗いと述べております。  宮城県石巻市でも、以前私が訪問したグループ補助金で再建した水産加工会社、残念ながら倒産しました。八日付の毎日新聞によれば、被災三県で、こうしたグループ補助金などを受けた被災企業の倒産が七十五社に上ると報じていました。自己負担分の融資返済や、販路の回復ができなかったのが要因と見られます。  立派に道路や建物が立ち並んでも、人々の暮らしとなりわいが再建されなければ真の復興とは言えないと私は繰り返し指摘をしてきました。だから、今も被災者という言葉が出てくるんじゃないでしょうか。  支援を必要とする人がいる以上、支援は続けていくと、大臣、約束ください。一言で。
  170. 田中和徳

    田中国務大臣 私ども、基本方針でも示しておりますように、地震、津波の被災地域については五年、あるいは福島の原発被災地域については十年という数字を示しつつ議論をさせていただいておりますけれども、状況に応じてそれぞれ対応をしていくということも一方で申し上げておるわけでございまして、地元の知事、あるいは市町村長さん始め、各方面からの御要望にはいろいろと細かく対応してまいりたい。きめ細かく対応することによって、いろいろな、先生の今のお話にも応えていけるものであると思っております。
  171. 高橋千鶴子

    ○高橋(千)委員 一つだけ具体の例で質問します。  資料の1を見てください。大震災にかかわる固定資産税の特例についての資料であります。  避難指示区域にある土地及び家屋が免除なんですけれども、解除されれば、人が戻ったかどうかにかかわらず、三年過ぎて、半額になるというふうに、これは何種類もあるんですね。被災したもとの宅地、それから高台移転などの移転した先の宅地あるいは住宅、それぞれ細かい固定資産税の減免措置があります。どんなものがあるか説明する時間がないので、資料をつけておきました。固定資産税のしおり、絵で描いておりますので、こんなふうにいろいろなメニューがある。  陸前高田市に聞きましたら、住宅を取得して三年間、あるいは四年目、五年目から六年目というように、減税の幅がちっちゃくなるというんでしょうか、それで、この難しい計算を理解できる人はなかなかいないので、何で固定資産税が上がっちゃったのかという問合せが今市役所に来ている、こういう状態なんですね。  それから、来年の三月末までに住宅の取得が間に合わない世帯も出てくるだろう。そうすると、このせっかくの減免措置も使えない。これはやはり延長すべきじゃないか。まさに、必要とする人に対しての延長が必要だと思います。  そこで、総務省に伺いますが、固定資産税の特例を補填してきた総額、どのくらいでしょうか。延長について見解を伺います。
  172. 谷史郎

    ○谷政府参考人 お答え申し上げます。  東日本大震災に係ります地方税法等の特例措置や条例による減免により生じる地方団体の減収に対しましては、震災復興特別交付税により補填措置を講じております。  この中で、地方税法等の特例措置による減収に対する補填措置のうち、固定資産税に係る算定額につきましては、平成三十年度は四十一億円、平成二十三年度から三十年度までの累計で八百六十二億円となっております。  また、条例による減免の減収に対する補填措置のうち、固定資産税に係る算定額につきましては、平成三十年度は十六億円、平成二十三年度から平成三十年度までの累計で四百一億円となっております。
  173. 稲岡伸哉

    稲岡政府参考人 固定資産税の特例措置の関係についてお答えを申し上げます。  固定資産税の特例措置につきましては、特例期限が定められているものがございます。これらの特例措置につきましては、その期限到来の際に、復興施策の進捗状況や効果検証、被災地方公共団体の要望等を踏まえ、税制改正プロセスの中で検討がなされるものと考えておるところでございます。
  174. 高橋千鶴子

    ○高橋(千)委員 客観的な答弁でございました。  検討がされるということでありましたけれども、やはりその材料として、現実に、まだ、三月末までに新築が間に合わない、それは個人の理由だけではなくて、土地区画整理事業が終わっていない、あるいは建築工事が混んでいて間に合わないとか、そういういろいろな事情があるわけなんですよね。なので、そうした地域の実情をちゃんと踏まえて対応するべきだ、このように思いますが、いかがでしょうか。もう一声。
  175. 稲岡伸哉

    稲岡政府参考人 お答えを申し上げます。  繰り返しになりますが、期限到来の際に、さまざまな状況等を踏まえまして、税制改正プロセスの中で検討がなされる、こう考えております。
  176. 高橋千鶴子

    ○高橋(千)委員 大臣に最後、要望だけして終わります。  必要な支援は期限を区切らずにという話をしました。こういう問題がやはり現実に起きているんです。  きょうは固定資産税だけの話をしましたが、さまざま、例えば再生特区の減税制度をやってくれとか、あるいは医療、介護の減免制度の問題とか、現実に必要としている支援というのをやはりつかむのも復興庁の仕事でありますので、それに対してしっかりと応えていただきたい。  夏にいずれ検討すると思うんですけれども、そのときに、前に、せっかく被災地を回ってくださっているんですから、そこをつかんでいただいて、ぜひ現実的な支援に結びつけていただきたい。重ねてしっかり要望して、終わります。  ありがとうございました。
  177. 伊藤達也

    伊藤委員長 次に、杉本和巳君。
  178. 杉本和巳

    ○杉本委員 日本維新の会・無所属の会の杉本和巳でございます。  最後の質問者ということで、もう一頑張り、おつき合いをいただきたいと思います。  まずもって、皆様もおっしゃっておられますけれども、我が党としても、東日本大震災からあすで九年という日にちを迎えます。改めまして、亡くなられた方々への哀悼の誠をささげますとともに、被災された皆様、また、今なおふるさとに帰れずにいらっしゃる方々などの皆様方に心よりお見舞いを申し上げます。  本会議予算の賛否でも私どもは反対をさせていただきましたが、その際に、コロナショックというような形で、御案内かと思いますが、きょうの日経平均は一万九千八百六十七円十二銭ということで、百六十八円三十六銭高で引けました。  しかし、きのうのニューヨークというかは二万三千八百五十一ドル二セントということで、マイナス二千十三ドル七十六セントと、マイナス七・七九%という状況です。  このきっかけは、日経新聞の一面等にもありましたけれども、原油価格の下落。ニューヨーク原油でも、一時、湾岸戦争以来の下落を示し、二四%下落の三十一ドル十三セントというニューヨークの原油の引けということで、このきっかけは、サウジアラビアがトリガーを引いたんじゃないかというような読みをされている方々が多いようでございます。  そんな経済の状況があって、その上で、大臣の所信、前回の臨時国会のときも伺わせていただきましたけれども、終わりにというところで、現場主義を徹底するというふうに大臣はおっしゃってくださいました。  今、新型コロナウイルスの世界的な影響で、コロナショックとも申し上げておりますけれども、そういう状況で、コロナウイルスで亡くなる方も、イタリアなどで、あるいはイランなどで大変な数に急になってきているという状況です。  これに対しては、あすにも、経済対策等、また第二弾を政府が発表されるということで聞いていますし、いつから起算するんだという、一週間から二週間の水際期間というのが、十九日までというような方向づけはされたかと思っていますが、あすまた総理が日にちを言われるかなと思っています。  いずれにしても、命を救うのが政治の役割であり、健康を守るというのが役割ですけれども、一方で、比べることはできないんですけれども、いわゆる大不況とか経済的な不景気になると、今減ってきたという自殺をする方々の数が、年間二万とかが、また三万人、あるいはもっとふえてしまうのではないかという、経済的な困窮により命を絶たれる方々の命の数というものも、このコロナウイルスの問題とともに、我々は相当緊張感を持って当たらねばならないというふうに思っています。  そんな意味で、大臣現場主義ということでいらっしゃるので、これまでというか、コロナウイルスが始まって、衆議院は二月に予算をやっていました。今、予算が移りまして、参議院で審議されている、そういう状況で、なかなか現場には入りづらいというのは十分わかっております。  そんな中で、大臣にはできる限りやはり現場に入っていただいて、質疑の中でも、きめ細かくというお言葉が何度も出てきましたけれども、ちょっと生意気なお願いをすれば、復興大臣って誰だと言われて、誰だったかなというのではなくて、田中大臣だよというふうに、現場の、東北の、東日本の、千葉も地域的にはあったと思いますし、福島第一原発の問題も小熊さんが質疑をされておられましたし、本当に地元の議員の方々がされていましたけれども、現場主義と言っていただくからには本当に現場に入って、特にこの新型コロナによるところの経済的な疲弊が相当懸念されるので、ここは大臣に、本当に生意気ですけれども、汗をかいていただいて、ここに田中ありという感じで、大臣の答弁の丁寧さを聞いていると、本当にきめ細かくしていただけるのではないかという期待を持っておりますので、そんなことで、客観的に私はお願いしているつもりです。  世間では、例えば、老舗の旅館で、もう廃業するというのを流した。お嬢さんがSNSで発信したら、じゃ、何とか助けに行きたいというか、少しでもお役に立ちたいみたいなことで、廃業一カ月前にして急に予約が殺到したという、たしか伊豆の国かなんかの、静岡のケースだったかと思います。また、先ほど階さんがおっしゃっていましたけれども、復興には、NPOの方々だとか、若手の方々の処遇とか、そういう問題も大事だというお話がありました。  ちょっと話が重複するなり、行ったり来たりするかもしれませんけれども、このコロナウイルスショックに対して、特に、全国心配ですけれども、東日本の地域、私も、生意気ですけれども心配させていただいているという状況の中で、幾つか業種を分けて質問をさせていただきたいと思います。  まず、今申し上げた観光業について、現場主義の大臣として、今どんな状況でこのコロナウイルスショックで東日本の地域影響を受けているか、できるだけ具体的に把握している状況を教えていただけないかなと。私も、済みません、予算に張りついていて、なかなか入れていないのが本音でございますけれども、逆に教えていただければと思っております。
  179. 田中和徳

    田中国務大臣 私も、昨年の九月十一日に復興大臣に就任して以来、被災地自治体は全て、茨城県は残念ながらまだお訪ねしておりませんが、全てお伺いをさせていただきまして、首長さんあるいは議会の皆さん、住民の皆さん、御関係の方々の御意見を聞いてまいりました。今委員からもお話があったコロナウイルスの事態というのはその後の話でございまして、私も非常に深刻に受けとめておるところでございます。  観光業への影響については、訪日中国人旅行者の大幅な減少だとか、日本人旅行者も旅行の手控えということで、大変な事態になっているというふうに承知をしております。  復興庁としても、被災地復興の進捗や、観光業、中小企業などの地域経済にもマイナスの影響が生じるおそれというか、もう生じておるわけでございまして、被災自治体関係省庁と連携して、これらの状況を丁寧に把握して対応してまいりたいと思っております。  御存じのように、一般会計の予備費の活用、二千七百億円ということでございますけれども、対応をいたしてまいりたいと思っております。  以上でございます。
  180. 杉本和巳

    ○杉本委員 今、大体の方向感は伺えました。  これもお願いというかですが、今おっしゃられたようなことの中で、やはり、私ども維新は、この間の党首会談でも六項目、提案をさせていただいているんですが、そのうちの一つに、たしか五番目だったと思いますが、地方公共団体との連携を一層強化していただき、財政的な裏づけもしっかりサポートしていただくというような趣旨の提言をさせていただいています。  今大臣の話を伺いながら、この県の、それこそ浜通りのとか、宮城のどこの市のとか町のというような、具体的に、あの旅館は大丈夫なのかというような話を、地方公共団体の首長さんともしっかり連携をしていただいて、本当に支えるということをしていただかないと、資金繰りが本当に厳しいというか、お客さんが特別に、廃業するから、お嬢ちゃんが連絡してきたからというようなことがあって何とか、ただ、廃業をもう伊豆の国はされちゃうわけですけれども、伊豆の国の旅館はですね。  そういった発信力とともに、本当に全国の皆さんに、東日本、大変だと。我々は廃炉まで絶対東日本を忘れてはならないと思っていますので、そのぐらいの長さでお考えをいただいて、一軒一軒の旅館をつぶさに把握して、そして経営を何とか持ちこたえていただくというようなことをお願いさせていただきたいと思います。  次に、やはり、フリーランスという点についても、我々はその提言の中で補償というかそういう部分も必要だみたいなことを申し上げて、フリーランスはいわゆる自営というか個人事業主というかになると思いますが、それよりもうちょっと大きい中小・小規模事業者という扱いもあるかもしれませんが、そういった本当に何とかその御商売をやってきているという方々については、また似たような質問かもしれませんが、やはり業種ごとにきめ細かく見ていただきたいし、フリーランスのあそこの誰なんということはなかなか大臣に言っていただくのは厳しいと思いますけれども、そういった方々にもきめ細かな対応を、特にこの新型コロナウイルスの経済的なショックについてきめ細かくきめ細かく見ていただきたいんですけれども、現状の把握の状況を重ねて伺えればと思います。
  181. 田中和徳

    田中国務大臣 中小企業あるいは個人で御経営をしておられるような、お仕事をされるような方たちの状況というのは、私どもも大変重要なことだと思っておりますので、把握に努めておるところでございます。宿泊業、飲食業、小売業など幅広いそういうお立場の事業者から、資金繰りに関する相談も現実に寄せられておるわけでございます。  私から、先週六日でございますが、被災自治体関係省庁と連携して被災地状況把握に努めるとともに、適切な対応をとるように、事務方にも、復興庁の中にも細々と指示をいたしたところでございます。  被災地の中小・小規模事業者に対する対応というのは、いろいろな努力をしていかなければならない。状況がなかなか見えない部分もあるわけでございますので、今委員指摘のとおりに、地元のヒアリングが一番重要だと思いますので、いろいろと地方自治体の方ともきめ細かく、あるいは商工会とか商工会議所、先日も御要望に見えていますけれども、そういう方たちともいろいろと相談をしてまいりたいと思います。
  182. 杉本和巳

    ○杉本委員 ありがとうございます。  無利子無担保の融資とかという形をとられると思いますけれども、さらに、今申し上げたフリーランスの方々などにはやはりむしろ給付の形で、生活をとにかくつないでいただくということで、私、総理には予算委員会の最後の締め総のときに申し上げましたけれども、香港では、一人当たり全香港市民に十四万円、総予算で、香港の予算で、日本円相当で一兆七千億、この手当てができているということなんです。  前の質問大臣は二千七百億の予備費と言われましたが、最後に麻生副総理に質問させていただく中で、補正の準備をしなくていいんでしょうかというようなこととか、本会議の討論でも補正の準備ということを触れさせていただきましたけれども、二千七百億、当座はいいんですけれども、ちょっと他国と比較しても、コロナショックに対する予算の額としては、大変、少なくはないかもしれないけれども、十分たり得ないのではないかとも思っていますので、内閣の連帯して責任を負う中のお一人であられるので、本当にこの東日本の経済の実態をつぶさに見ていただいて、むしろ総理に御進言をいただくというぐらいのことでお願いしたいと思います。  ちょっと、一問、似たような質問なので飛ばしまして、よく報道等でもありましたけれども、農水産業への影響ということで、学校の通学の自粛などによって例えば牛乳の消費が落ちて、どちらかの地域では、たしか私の地元の愛知だったかもしれませんが、地元の方々が有志でまとめて牛乳を買うというようなことがあったと思いますけれども、この学校の通学の自粛等、地公体によってまちまちですけれども、乳製品の消費、畜産業、農業の需要の減退による価格下落など、これがこのコロナの関係のいろいろな、通学の、自宅待機とかで起きていると思われますので、こういった農業分野についての東日本の地域皆さんへの影響といったものは、改めて大臣の把握の状況を教えていただければと思います。
  183. 田中和徳

    田中国務大臣 新型コロナウイルス感染症の影響拡大によって、切り花や果物、高級食材等を中心に農産物の需要減退や価格低下など、被災地を含む我が国農業や食品産業等への悪影響が懸念をされております。  こうした中、農林水産省においても、休校に伴って影響を受ける酪農家等への支援、中小企業、小規模事業者等に対する資金繰り支援等について今検討をしておると承知をしております。  また、私から先週六日、被災自治体関係省庁と連携して状況把握に早く努めるとともに、適切な対応を速やかに行えるように、事務方にも厳しく指示をしたところでございます。  今後とも、東日本大震災からのとにかく復旧復興が円滑に進むようにしなければならないわけでございまして、大臣の務めを果たしてまいりたい、このように思っておるところでございます。
  184. 杉本和巳

    ○杉本委員 それでは、まとめの質問というかですが、先ほどから高橋代議士とかからも質問があって、復興五輪というものがちょっと言葉だけ浮いて走っているんじゃないか、現場とちょっと乖離があるんじゃないかと。うなずいていらっしゃる地元の議員の方々もいらっしゃいました。  ここをそのまま、浮いたままの状態でいいのかなというふうに、ちょっと私も現場に入れていなくて、この間、福島第一原発の視察は行かせていただいていますが、復興五輪をやはり地元の方々一緒に何とかやっていただくという、東電の方が一緒にやるんじゃなくて、そういうことを本当にすることが政治のお仕事なのかなということで、これはまた、野党寄りだとか与党寄りなつもりは全く私ども維新は、客観的に申し上げさせていただいているんですけれども。そういった意味で、ちょっと、文書を読まれるのではなくて、本当に大臣思いとして……(発言する者あり)後援会を、大臣の後援会は、地域にもあられるのかな、川崎とかだけではなくて。済みません、その辺はよく存じ上げませんが、ちょっとやじに反応してしまったというか、不規則発言に反応してしまって申しわけないんですが。  改めて、本当に、復興担当大臣として、この復興五輪、三谷さんがきょう質問されて、「Fukushima50」の映画もごらんになったと。たしかあの映画の最後の方に復興五輪の話が出てきて、改めて私もそれを感じたところなんですけれども、大臣の映画を見られたことも含めて、本当に地に足ついた復興五輪にしていくという思いをお言葉でいただければありがたいと思います。
  185. 田中和徳

    田中国務大臣 吉田所長の当時のあの厳しい、命がけの行動、思いというものがつづられたあの映画というのは非常に重いものだと思って、私も試写会でずっと見せていただいたわけでございます。  復興五輪というのは、もう何度も申し上げておりますように、復興と名前をあえてつけなければならない、つける理由があったというのは、やはり未曽有のあの災害が起こった現実を私たちは乗り越えて、とにかく復興をなし遂げていくという強い決意を世界に示すということでございます。また、多くの世界じゅうの方々から大変な御支援もいただきました。その感謝の気持ちも示していかなければなりません。  ただ、指摘がきょう委員会の中で多々あったように、いろいろと課題も残っております。その課題も共有しながら、やはり努力をしていくということをお答えをさせていただきたいと思います。復興五輪、とにかく頑張ってまいります。
  186. 杉本和巳

    ○杉本委員 原稿でなくて御答弁いただいて、ありがとうございます。  福島の復興も、新型コロナウイルスの問題も、これは、与野党ではなくて、ワンチームで日本が向かっていかなければならないことだと思います。処理水の問題も、小熊さんの御意見もあれば、我が党の考え方もあります。そして、現地方々の風評被害に対する懸念というのもあると思うんですが、そこの部分でも、ぜひ徹底的に、大臣が真ん中に入って、経産省任せではなくて、汗をかいていただいて、解決策を具体的に、感情論ではなくて、きちっと整理をしていく中で廃炉に向けて進んでいけるようにお力添えをいただきたいなというお願いをさせていただきます。  きょうは、寺田元首相補佐官の小冊子をいただいて、その話をちょっとさせていただこうと思いましたけれども、このことについてはまた次の機会に触れさせていただければと思います。  時間となりました。以上で終わります。ありがとうございました。
  187. 伊藤達也

    伊藤委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会をいたします。     午後四時三十六分散会