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2020-03-17 第201回国会 衆議院 総務委員会 第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    令和二年三月十七日(火曜日)     午前九時開議  出席委員    委員長 大口 善徳君    理事 大西 英男君 理事 古賀  篤君    理事 坂井  学君 理事 冨樫 博之君    理事 中根 一幸君 理事 高井 崇志君    理事 吉川  元君 理事 國重  徹君       井林 辰憲君    池田 道孝君       石田 真敏君    小倉 將信君       金子万寿夫君    川崎 二郎君       木村 次郎君    木村 弥生君       小林 史明君    佐藤 明男君       斎藤 洋明君    鳩山 二郎君       百武 公親君    穂坂  泰君       松野 博一君    務台 俊介君       宗清 皇一君    山口 俊一君       山口 泰明君    吉川  赳君       岡島 一正君    奥野総一郎君       佐藤 公治君    重徳 和彦君       長尾 秀樹君    西岡 秀子君       緑川 貴士君    山花 郁夫君       太田 昌孝君    本村 伸子君       足立 康史君    井上 一徳君       初鹿 明博君     …………………………………    総務大臣         高市 早苗君    内閣府副大臣       宮下 一郎君    総務大臣        長谷川 岳君    総務大臣        寺田  稔君    総務大臣政務官      木村 弥生君    総務大臣政務官      斎藤 洋明君    政府参考人    (総務省大臣官房長)   横田 真二君    政府参考人    (総務省大臣官房総括審議官)           前田 一浩君    政府参考人    (総務省自治行政局長)  高原  剛君    政府参考人    (総務省自治財政局長)  内藤 尚志君    政府参考人    (総務省情報流通行政局長)            吉田 眞人君    参考人    (日本放送協会経営委員会委員長)         森下 俊三君    参考人    (日本放送協会監査委員会委員)          高橋 正美君    参考人    (日本放送協会会長)   前田 晃伸君    参考人    (日本放送協会専務理事) 木田 幸紀君    参考人    (日本放送協会理事)   松原 洋一君    総務委員会専門員     近藤 博人君     ――――――――――――― 委員の異動 三月十七日  辞任         補欠選任   小林 史明君     吉川  赳君   佐藤 明男君     百武 公親君 同日  辞任         補欠選任   百武 公親君     佐藤 明男君   吉川  赳君     小林 史明君     ――――――――――――― 三月十六日  放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件(内閣提出承認第一号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  政府参考人出頭要求に関する件  参考人出頭要求に関する件  市町村合併特例に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出第八号)  放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件(内閣提出承認第一号)      ――――◇―――――
  2. 大口善徳

    大口委員長 これより会議を開きます。  内閣提出市町村合併特例に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  この際、お諮りいたします。  本案審査のため、本日、政府参考人として総務省大臣官房長横田真二君、大臣官房総括審議官前田一浩君、自治行政局長高原剛君及び自治財政局長内藤尚志君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 大口善徳

    大口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――
  4. 大口善徳

    大口委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。重徳和彦君。
  5. 重徳和彦

    重徳委員 共同会派重徳和彦です。  きょうは、朝一番、九時からの質疑に立たせていただきまして、ありがとうございます。  きょうは、合併特例法の延長という、そのための法改正案審議でございます。私は、前回質疑から引き続き、市町村合併の光と影をしっかりと検証して、包み隠すことなく、精緻に検証していく必要があるだろうという立場から質問させていただきます。  特に、地方の主要な産業基幹産業といえば第一次産業でございます。今、農水省では食料農業農村基本計画の見直しが行われているところであります。日本食料生産力食料安全保障、極めて重要なことでありますし、第一次産業振興というのは、国土の保全そのものでもあります。昨今多発しております水害の抑止のためにも、第一次産業振興は非常に重要だと思います。そういう観点から、合併に伴いまして、この農林水産部門自治体施策遂行能力がどう変わったかというようなことをひとつ検証していきたいと思います。  まず一つは、資料一をごらんいただきたいと思いますが、これは総務省から、合併による効果組織機構充実という観点からの資料でございます。特に専門職員配置充実が進んだという資料です。この中で農林水産部門を見ていきますと、グラフが幾つかありますが、左上の四角の中の農林水産技師、これを配置している市町村が、合併市町村においては三四・三%から五二・二%に上がった、こういう数字がございます。  この農林水産技師配置率が上がったことによって政策的にどのような効果が上がったのか。どのように捉えておられますか、大臣
  6. 高市早苗

    高市国務大臣 農林水産技師配置している市町村の比率は、非合併市町村において減少した一方で、合併市町村では増加しております。  合併市町村における農林水産技師職員数自体減少しておりますが、合併しなければ単独では専門性を有する農林水産技師確保配置することができなかった市町村においても配置することが可能となっているものでございます。このことによって、農林水産行政などの行政サービス提供体制確保に資することとなっていると存じます。
  7. 重徳和彦

    重徳委員 そういう体制確保ができるだろう、こういうことなんですけれども、やはり大事なことは、それによって各自治体における農林水産施策がどのように進んだか、進んでいるのか、そして、それは合併していない地域よりも農林水産業が現に振興されているのか、生産額就農者数、どうなのか、こういったことまで精緻な検証をしていかないといけないと思うんですけれども職員数配置以上の検証というのは何かあるんですか。
  8. 高原剛

    高原政府参考人 御答弁申し上げます。  私ども合併市町村における農林水産技師配置率ですとか配置人数等分析はいたしておりますが、その結果、いわゆるアウトカムというんでしょうか、農産物の生産量ですとか新規就農者数にどういった影響を及ぼしたかといった分析はいたしておりません。
  9. 重徳和彦

    重徳委員 そういうことだと思うんです。  もう合併から十年以上たっている自治体がたくさんあります。必ずしも、合併したところだけが農業が盛んになって、合併しなかったら廃れたとか、こういうわかりやすい成果が出ているとも限らないというか、そんなことは決してないんじゃないかなとも思うんですね。  だから、合併によって専門職員配置されたよ、配置されている自治体の率がふえたよということだけ捉えて成果だと言うのは、私は非常に表面的なことだけだと思うんですね。もう十年以上たっているんですから、そういったことまで検証しよう、あるいはそういう姿勢すらないというのは、私は問題だと思います。  まして、合併した結果、配置市町村数がふえている、これは当たり前ですよね。それまで一人いた自治体とゼロだった自治体が一緒になれば、単純に言えば、それでその両団体、分母が減って配置されている自治体は一のままなんですから、だからこの率が上がるのは当然なんですね。  だから、その意味もどれほどのことかと。非合併市町村と比べると減ってはいないよねということなんですけれども、もう少しこのこと自体も、どういう経緯で専門職員配置されている市町村の率が上がっているのか、この辺も解説がないと、このグラフだけ見ると、ああ、そうかと納得してしまいかねない、そんな資料になっていると思います。  それから、その下に、専門職員平均配置人数という資料もございます、データもございます。これは、農林水産技師について言うと、合併市町村は、平均二・一人、これは実際には二十年近くかけてなんですよね、平成十一年度と平成三十年度にかけての変化ですが、これが四・二人になりましたと。倍になりました。これも、二人ずついた自治体合併したら四人になるわけですから、合併したら当然、数的にはふえるのは当たり前ということでありまして、それ以上の意味がどれほどあるのかということを検証していかなければならないんじゃないかと思います。  このこともちょっとあえて尋ねますけれどもアウトカム的な政策効果について検証しているのかどうか、お尋ねします。
  10. 高原剛

    高原政府参考人 御答弁申し上げます。  やはり、農林水産技師といったような専門職員というのは、少数の方がおられるよりも、世代間の引継ぎといいますか、そういった教育効果とかもございまして、一定の規模が必要だということで、合併市町村では平均配置人数がふえているということは一つ効果かなと思っておるところでございます。  ただ、先ほど来御指摘いただいております、これが農業生産額とか新規就農者数とかそういったものに及ぼす影響等については、私ども分析をいたしておらないところでございます。
  11. 重徳和彦

    重徳委員 農業に対する影響については農林水産省とも連携しなければ検証不可能だと思いますので、これは総務省だけの課題ではないと思います。その辺も省庁連携で取り組んでいただきたいと思います。  また一方で、もちろん専門職員の方、大事な存在だと思います。それは一人でも多い方がいいでしょう。だけれども、もうちょっと、ロットでいうと、農林水産部門に従事している職員の数が全体でどのぐらいいるのかという検証の方がより大きな影響があるんじゃないかと考えておりまして、資料の二をごらんいただきたいんですが、これは総務省調査地方公共団体定員管理調査から作成をいたした資料です。  この背景になっている帯は、二〇〇〇年から二〇一五年までの市町村団体数変化をあらわしています。上の図で言いますと、三つの帯が分かれていますが、上の帯は市の数、真ん中の白くなっている帯は町の数、一番下が村の数ということなんですが、一目瞭然で、二〇〇四年、五年ぐらいを境に急激に減っているのは町ですね。村もかなり減っていますね。だから、町村が物すごく減ったという市町村合併だったということがこれでわかるんですが。  その中で、上のグラフは、各部門における職員配置の、その前の年と比べた増減率なんです。これを見ますと、非常にわかりやすいんです。農林水産部門職員数合併を機に非常に大きく減少しているということがわかります。ほかの部門も、これは増減減少率ですから、一〇〇以下のラインをたどっていれば全体としては職員数が減っているという意味なんですけれども、それにしても、一〇〇%をちょっと切るぐらいですね、九八%ぐらいのところで踏みとどまっているのがほかの部門ですが、それから全体もそうですが、農林水産部門だけは九五%を割っている時期もある、こんなことであります。  これはちょっと私の手元のデータで調べたものでありますので、合併市町村と非合併市町村に分けておりません。数でいうと、この農林水産部門職員は、平成十二年、つまり二〇〇〇年で四万六千八百八十八人だったのが二〇一五年には三万八百七十五人ということで、三四%減なんですが、これは、合併団体、非合併団体内訳はわかりますか。
  12. 高原剛

    高原政府参考人 御答弁申し上げます。  農林水産部門職員数について、私どもで把握している数値を申し上げます。  平成合併が始まった平成十一年度でございますが、合併市町村で三万四百三十九人、非合併市町村で一万七千四百五十八人、それから、平成三十年度は合併市町村において一万八千二百十六人、非合併市町村で一万二千百九十七人でございます。それで、平成十一年度から平成三十年度にかけて、合併市町村農林水産部門職員は四〇・二%の減少、非合併市町村における農林水産部門職員は三〇・一%の減少でございます。  以上でございます。
  13. 重徳和彦

    重徳委員 調べていただいてありがとうございます。  今の御答弁で明らかなのは、合併した市町村農林水産部門で四割減っている、非合併は減っているけれども三割にとどまっている、踏みとどまっていると言うこともできるかと思います。  この数の検証も、専門職員がふえているよとか、配置されている率が上がっているよというのは、非常に一面的な見方だと思うんですね。大事なことですよ、専門職員を置くことは大事なことだと思いますが、それにしても、職員全体の数でいうと、よっぽど合併市町村の方が減っているんだ、こういう数字とも向き合わなければ、そもそも、更に言うとアウトカムが大事だという議論もあるんですが、この事実を踏まえなければならないんだと思うんですが、この今の合併に伴う減少率が大きいという点について、大臣、どのように捉えておられますでしょうか。
  14. 高市早苗

    高市国務大臣 合併市町村における職員減少率でございますが、これは、平成十一年度から平成三十年度にかけて、農林水産部門では四〇・二%、総務部門の約四倍の減少率となっていて、また、非合併市町村においての減少率ですが、農林水産部門で三〇・一、これは総務部門の約七・五倍ということになりますので、非合併市町村においても農林水産部門減少率の方が大きいという傾向は変わりません。  ですから、この減少率農林水産部門減少率が大きいということ、これを合併と必ずしも関連づけるということはできないと考えております。
  15. 重徳和彦

    重徳委員 ちょっと今不思議な答弁だったんですけれども、私のこの資料をごらんいただければわかるように、合併をした時期と軌を一にして農林水産部門職員が大きく減っているのは、これは有意な関連性があると見ていいと思うんですよね。合併か非合併かのその区別、それはグラフまで落としていませんので、そこはちょっとにわかにわかりませんけれども合併と何か必ずしも関係ないみたいな御答弁は、私はちょっと違うと思うんですけれども。  もう一回お願いします。いいんですか、本当に今の答弁で。
  16. 高市早苗

    高市国務大臣 合併市町村においても非合併市町村においても農林水産部門では職員減少率は高い。総務部門との比較では非合併市町村の方が約七・五倍と高くなっているので、必ずしも合併か非合併かということでその減少率というものを関連づけることはできないという意味答弁でございます。  ただ、各地方公共団体において、今、必要な部門において適切に職員数というものを配置しているわけでございますので、各地方公共団体の適切な御判断というものがあると存じます。
  17. 重徳和彦

    重徳委員 必ずしもというのは、いわば、ちょっと今まだわからないという答弁だと思うんですね。もっとこれは精緻に更に調べていただきたいんですよ、合併、非合併に分けて。  それで、時期も、二十年間でこれだけ減りましたというだけじゃなくて、その二十年の間に、特に合併した時期において、合併市町村は少なくとも大きく減っていると思うんですよ。合併していない市町村は、合併時期に限って大きく減るということはないのかもしれません。それから、減り方も、もしかしたら、結局は大きく減っているという意味では、合併した意味、そうはいっても、少し持ちこたえている要素もあるんだとか、いや、そうじゃないんだとか、そういう議論まで今至っていません。  この点について、合併特例法案はきょう採決しちゃうのかもしれませんが、余り実際の影響のない法律ですから、改正しても。実際に大事なことは、これまでに合併をした自治体が今後にわたってちゃんと施策を運営していく状況になっているかどうか、この検証が何より大事でありますので、きょうに限らず、これからもちょっと私自身も追いかけていきたいと思いますので、ぜひ共同作業でやっていきたい、やらせていただきたいと思います。よろしいですね。大臣も同意いただければ、ぜひ指示を出していただければと思います。
  18. 高市早苗

    高市国務大臣 一つ、よい御指摘をいただいたと思っております。農林水産省とも連携しながら、これから、特に地域農林水産業の発展に資する状況になっているかどうかということは注視してまいります。
  19. 重徳和彦

    重徳委員 私、ちょっとこの検証をなぜ数字的にしてみようかと思ったかといいますと、去年の日本農業新聞にこういった指摘があったんですよね。ちょっと違う資料を持ってきちゃいましたけれども日本農業新聞において、去年の秋ぐらいの論説記事で、やはり地方農業は疲弊している、合併によって職員数も減って、要するに、ふだんから見回りに来てくれるような身近な役場職員が随分減っちゃったねというようなことも肌で感じている。これが農業現場だと思うんです。そういったことから、じゃ、実数はどうなのかなということで調べてみたのが今回の、まだ十分じゃないですけれども、第一歩の調査なんですよね。  ですから、こういうことも一つ一つ精緻にやっていくことで、何がよくて何が悪かったのか、こういったことにたどり着いていくんじゃないかと思いますし、それに応じた施策を展開していくことができるんじゃないかと思っているところであります。  ちょっと、じゃ、一応お聞きしましょう。  もう一つ資料の三をごらんいただきますと、総務部門人数変化、これも総務省数字を出しておられます。それで、全体的には、合併したところは一〇・七%職員が減り、非合併のところは四%にとどまっている、だから行革効果合併市町村の方が総務部門において非常に大きいんだというんですが、これも全体的には納得しますけれども、ただ、これはどういう意図で並べているのかよくわからない数字がありまして、内訳がですね。  企画開発という部門がありまして、企画開発というと何か攻めの部門ですから、総務部門と同じように減らせばいいということじゃない印象があります。企画開発部門合併市町村で二六・二%減っています。非合併市町村は一・七%しか減っていません。逆に、ちょっと減らし過ぎじゃないかという感もいたします。  それから、住民関連部門において、これは全体的にも住民関連はちょっとふえているんですね。防災部門合併も非合併もふえているのはわかるんですが、減っている分野もありますが、住民関連一般というところが、合併市町村は八一・三%もふえています。非合併は二七・五%、これも増加していますけれども、これは分析されていますか。
  20. 高原剛

    高原政府参考人 御答弁申し上げます。  平成十一年度から平成三十年度にかけて、定員管理調査における住民関連一般職員が増加した要因、それから、合併市町村において企画開発職員減少した要因については分析したことはございませんが、住民関連一般については、平成十一年度以降の社会経済情勢などの変化に伴い、住民サービスが多様化したことなどにより、住民生活文化住民相談などに関することで、他の小部門のいずれにも属さないものとして計上される職員が増加したものと考えられるところでございます。また、企画開発については、市町村における総合計画作成などを担当する職員が計上されますが、こうした事務は旧市町村間で重複する部門でありますことから、合併により職員数が一定程度減少することも考えられるところでございます。  いずれにいたしましても、合併の有無にかかわらず、市町村においては、地域の実情を踏まえつつ、行政需要変化に対応した、めり張りのある人員配置を行っているものと認識しております。  以上でございます。
  21. 重徳和彦

    重徳委員 最初の御答弁にあったように、ちゃんとした分析がされていないということであります。  やはりこれは、数字を出す以上は、しかも微増微減じゃありませんので、大きな変化が見られる企画開発部門減少について、また住民関連一般の増加ということについても、これは恐らく、私が指摘をしてから、どうだったんだろうかということで、今のがぎりぎりの答弁ぐらいじゃないかなと思いますので、さらなる検証、ここもお願いしたいと思います。  そして、次に、財政面についての検証でございます。検証と提案があるんですけれども。  合併算定がえというのがあります。ありましたと言ってもいいぐらいの段階に入っております。合併してから十年間は、あたかも旧市町村が存在したままであるかのごとく交付税算定をして合算をする、つまり上乗せをするという制度であります。これはもう今年度をもって、三月で終わりですけれども、フルの算定がえを受けている自治体はゼロになるということでありまして、この十年間の優遇措置が切れるという段階に入ってくるわけでございます。  そもそも、まちづくりというのが十年計画合併した当初は十年先といったら随分先のことだなという印象もあったと思うんですけれども、ただ、首長さんも、当時の首長は、前回質疑でわかったように、一割ちょっとしか残っていない、こういう状況であります。だけれども、やはり、そこで暮らしている住民は、いや、合併前は役場もあって町長も議員もおって、それでわしらも元気な町に住んでおったんだけれども合併して一つもいいことがない、こういうことをまだまだ記憶されていますよね。そういう記憶がなくて、いわば不満ばかりの町がまだたくさん全国にあるという言い方をしてもいいんだと思います。  こういう、十年で、建設計画で、合併特例債でやることはやったからいいじゃないかという言い分は、必ずしも通らないんじゃないかと思います。こういった、昔はよかったと思っている住民の皆さんがたくさんいる町がいい町だとは言えないんじゃないでしょうかね。  大臣、どう思われますか。
  22. 高市早苗

    高市国務大臣 合併によって、専門職員配置組織充実、行財政の効率化など、効果があらわれているところもあります一方で、委員がおっしゃったとおり、周辺部の旧市町村の活力が失われているとか、住民の声が届きにくくなっているという課題指摘があることも事実でございます。これは私の地元にもございます。  こうした課題の解決に向けて、合併市町村においては、支所の設置や地域自治区の活用など、さまざまな取組が行われております。  この合併算定がえ終了後の交付税算定についても、平成合併によって市町村の面積が拡大するなど市町村の姿が大きく変化したということを踏まえて、支所に要する経費加算、旧市町村単位の消防署や出張所に要する経費加算、旧市町村単位保健福祉に係る住民サービス経費加算など、平成二十六年度以降、五年間かけて普通交付税算定を順次見直してきているところです。  引き続き、合併市町村課題を踏まえて必要な支援を行ってまいりたいと存じますが、合併したその市の市長さん、また市議会の先生方にも、しっかりと、どういう算定が行われているか、旧市町村の部分に、特に旧町村部ですね、こういったところにしっかりと必要なサービスが行き渡っているか、こういうことに目を配っていただきたいなと思っております。
  23. 重徳和彦

    重徳委員 ちょっと私の質問にストレートにお答えいただいていないと思うんですけれども、やはり住民の意識、感覚というものをもっと大事にしないと、やはり納得感納得度の低い町というのはいい町だと言い切れないと私は思います。  大臣の御地元合併したところもあると思いますけれども、全国的に見ると奈良県は少ない方ですからね、合併した市町村が。佐藤先生の広島県なんか、物すごい大合併をやって、よかったと言っている人もいるかもしれませんが、まあ、ほとんどいませんよね。正直言って、住民の皆さん、いません。この点は、もちろん合併しなかったらもっと悪いことになっていたんだ、こういう言い方もあるかもしれませんが、その納得度を上げなきゃいけないと私は思います。  合併した首長さんも、もうかなり代がわりしていますので、じゃ、どうするんだ、十年たっちゃった、その後はどうするんだということについても、いや、建設計画、これも基本的に十年限りですよね、十年の計画をちゃんとやれば大丈夫なんだというのが今までの総務省の御答弁でありますけれども、私は、やはり一世代、三十年ぐらいかかるんだと思うんです、住民の意識の定着は。その間、三十年間ぐらい、総務省としての合併を進めた責任において、さらなる支援をするべきだと思います。  合併算定がえも、十年たったら、あと五年かけてもう物すごい勢いで減っちゃうわけなんですけれども、今の仕組みは。だけれども、その半分でもいいから、合併した旧町村部に、例えば合併した当時のことを知らない首長さん、三十年というと、要するに十年掛ける三ですから、首長の任期というと大体十年前後ですので、合併を直接知る首長がいなくなっても、その後二代ぐらいの首長さんが責任を持ってさらなる建設計画を、建設といってもいわゆる箱物建設だけじゃなくて発展計画ですね、それから、前回も申し上げました、その旧町村部における自治の仕組み、制度提案を行って、その地域を守り抜くんだ、こういう計画をもう二十年つくってもらって、それを条件に算定がえによる、旧町村部を支援し続ける。  金額的には、フルの算定がえとは言いません。それの何割かでも構わないと思うんです。そういった、合併をして、昭和の合併と違って右肩上がりの時代ではありませんから、人口は減って財政も厳しくなる、こういう時代における合併ですから、もう少し、これからもう二十年ほど支援を続けるという方策、これは制度設計は可能じゃないかと思うんですけれども、どうでしょうか。
  24. 高市早苗

    高市国務大臣 普通交付税合併算定がえ制度は、市町村合併後、当面は行政運営に係る経費の急激な節減が困難であることを考慮して、一定期間、合併市町村普通交付税額が、合併せずに関係市町村が存続したと仮定した場合の普通交付税の額の合算額を下回らないようにする特例でございました。  委員の御提案ですが、合併後三十年間、普通交付税算定がえを一定程度復活させるということについては、合併算定がえの制度趣旨を踏まえて、合併を推進した平成合併期間を除いて、従来から特例期間五年、激変緩和措置の期間五年としてきたということ、それから、特例期間を終えた合併市町村や同規模の非合併市町村との公平性ということも考える必要があるということを考慮すると、慎重に検討する必要があると考えております。
  25. 重徳和彦

    重徳委員 まあ、いきなり言われてもというところかもしれませんけれども。  だけれども、これは、我が会派においても、団体自治的な自治機能、役所の自治機能は少々高まったかもしれませんけれども住民自治という観点がやはり欠落しているのじゃないか、こういう意見も多いです。特に、最初申し上げました国土を守るということから考えても、やはり森林環境税で全国にお金をばらまきますというだけでは、その地域を守ることはできません。
  26. 大口善徳

    大口委員長 時間が来ております。
  27. 重徳和彦

    重徳委員 時間が来た、もうだめですね、質問は。じゃ、まあいいですよ……(発言する者あり)いいですか、先生。  じゃ、ちょっと、先輩の議員の御了解をいただきましたので、最後に、やはり地方自治というのは、その自治体の中の自治の仕組みということも一つありますが、やはり国土の三分の二を占める山国ですよ、日本は。この山が崩れ、そして田んぼが廃れていって耕作放棄地になってしまったら、昨今の地球温暖化に伴って豪雨の傾向があります、集中豪雨の傾向があります、こういった雨を受けとめるだけの森林の機能も損なわれ、また、それが里に流れてきたときの水をためる水田の機能も損なわれてしまったら、結局、都市住民に大きな災厄をもたらす、こういう結果になっていくと思うんです。  このことは、数年間の国土強靱化でダムをつくったり川を固めるというだけでは抑え切れないだけの大きな役割、大きな機能をもともと日本の山林や中山間地域、農村地域は持っていたんだと思いますが、この国土を守るためにも、各地域の自治をこれからもしっかりと守り続けるということが、私は、各省庁横断的なテーマでありますが、これを束ねるべき総務省の役割だと考えますが、そういった地方自治のあり方、役割について、大臣、どのようにお考えですか。
  28. 高市早苗

    高市国務大臣 これは重徳委員指摘のとおり、中山間地域ですとか農村地域自治体というのは国土の大きな部分を占める山村や農地を守る役割を果たしており、それは国民全体の公益的な機能を大切にすることにもつながっております。  こうした観点からも、今後の人口減少、高齢化を見据えた地方行政体制のあり方の検討に際しましては、小規模な自治体を含めた基礎自治体において、地方自治の本旨である住民自治をしっかりと守っていくということは重要だと考えております。そのための施策を今も展開しているところでございます。
  29. 重徳和彦

    重徳委員 ありがとうございました。検証については、引き続きよろしくお願いいたします。  ありがとうございました。
  30. 大口善徳

    大口委員長 次に、佐藤公治君。
  31. 佐藤公治

    佐藤(公)委員 立国社・無所属会派を代表して質問させていただきます、佐藤公治でございます。  重徳委員の時間の分はどうぞ削っていただいて結構でございますので、よろしくお願いいたします。  合併特例法改正の質疑の前に、二つのことを質問させていただきます。  一つ目は、現在大変御苦労されている新型コロナウイルス感染症についてです。  新たに新型インフルエンザ等対策特別措置法の一部を改正する法律が施行されることになりましたが、先日の委員会大臣の御答弁でも、重徳委員また足立委員への質疑答弁でもおっしゃられておりました。大臣としての強い意欲というものを感じることができました。  この新たな法律によって、緊急事態宣言による対策、対応は、国民の皆さんに、当然、国関係だけでなく、地方にも多くのお願い、負担を強いることになると思われます。特に、地方自治体は、私は、本当にかなめであり、緊急事態宣言を出さずに収束させることが望ましいことでありますが、その努力は今一生懸命されておりますが、最悪な状況を考えたときに、緊急事態宣言が発令されたときのための準備体制をどのように考えているのか。当然、その前段においては本部を設置することがあると思いますが、総務大臣総務省としていかがでしょうか。
  32. 高市早苗

    高市国務大臣 新型インフルエンザ等対策特別措置法の改正法が施行されましたけれども、三月十四日の記者会見で安倍総理も申し上げているとおり、あくまで万が一のための備えをするための法律でございます。さまざまな私権を制限することとなる緊急事態宣言をするかどうかの判断に当たっては、専門家の御意見も伺いながら、慎重な判断が行われると存じます。  このような宣言ですから、今先生おっしゃっていただいたとおり、これを使わずに済むならばそうなるように、まずは政府として新型コロナウイルス感染症の拡大防止に向けて地方公共団体と連携をして、国と地方が心を一つにしてこの難局を乗り越えていくことができるよう、全力で取り組むこととしております。  その上で、安倍総理が同日の記者会見で、事態は時々刻々変化しており、高い緊張感を持って事態の推移を注視し、国民の命と健康を守るため、必要であれば、手続にのっとって法律上の措置を実行する考えであるとも言っておられました。  総務省としては、これまでもですが、地方公共団体に対してこの法律に関する情報提供をしっかりと行ってきております。関係省庁と連携しながら、これからも、地方公共団体との一対一の連絡体制もありますので、丁寧に御疑問にお答えをしてまいりたいと思っております。  幾つか、緊急事態宣言が出された場合に地方公共団体が何をなすべきかということについては、外出自粛の要請だったり、さまざまな催物の開催制限の要請だったり、都道府県知事がやるべきこともございますけれども、それらの事項についても地方自治体に対してしっかりと情報提供を進めてまいりたいと存じます。
  33. 佐藤公治

    佐藤(公)委員 対策本部ができる段階と、そして次、緊急事態宣言が発令される、これにおいて、それまでと大きくフェーズが変わってくると思います。大臣自身の御認識で、今お話しできることで結構でございます、どう変わっていくのか、変えていくのか、そこの部分を、何かお考えございますでしょうか。
  34. 高市早苗

    高市国務大臣 まず、緊急事態宣言というのは、相当これは慎重に、専門家の御意見を伺いながら、判断されていくということになると思います。  私が特に心を配りたいと思っているのは、地方公共団体における対応でございます。  まず、都道府県知事が実施主体となるものとして、外出自粛の要請というものがありましょう。それから、都道府県知事がやはり実施主体として、学校、社会福祉施設、興行場など、多数の方が利用される施設の使用制限、そして先ほど申し上げた催物の開催制限の要請をなさらなければならないケースもある。これが一番避けたいことではあるんですが、都道府県知事が臨時の医療施設開設のための所有者などの同意を得ないで行う土地の使用というものがございます。  段階に応じていろいろな対応を都道府県知事が行っていくということについて、総務省としてはしっかりと情報提供し、また御相談にも乗りながら取り組んでまいりたいと思います。  今は、できましたら、所有者の同意を得ないで行う土地の使用、これも緊急の医療施設の開設ということに伴って起きてくることでございますから、そうならないように、公立病院でふだんから維持していただいている感染症病床の活用ですとか、それから、それもまた足りなくなったときにほかの病床を安全な状態で感染症対策に使えるように、こういった準備について地方公共団体にも要請し、また地方で新たに必要になる経費については手厚い地財措置を講ずる、こういう対応を総務省としては行い、そしてまた地方公共団体にもお伝えをしているところであります。
  35. 佐藤公治

    佐藤(公)委員 丁寧な御説明、ありがとうございます。  今後の変化で、地方は、現状、いろんなお声を聞くことが多々あります。これが不安の一部としてあらわれているのかもしれませんが、例えば、地方選挙があった場合はどうするとか、公共施設のイベントキャンセルの費用が発生したときはどうしたらいいか、子供たちや地域で差別的いじめが発生したらばどうすればいいのか、公共施設の運営状況の財政的悪化が起きたときにどうしたらいいのかなどなどが、悩むことが多くあるように思います。  地方自治体の判断になることも多くありますが、今は、以上のような声があるということだけ、ここでお話をさせていただきたいと思います。  つまり、私は、このたびの新型コロナにおける緊急事態の、地方の頼れるところは、よりどころは総務省がかなめだというふうに、つくづく、この新型インフルエンザ等の特措法を見て思うんですね。担当は、内閣だの厚労だの経産省だの国交だの、縦割りの対処法での作業も大事ですが、それらの調整やフォローができるのは総務省しかないと思っております。  今までの災害の状況を見ても、総務省の御活躍は大変なものがあり、本当に、総務省の調整能力というか、フォローアップ体制というのは、私は、大変に立派なことをされてきたというふうに思うと、まさに、この新型インフルエンザ特措法を見ても、総務省が本当にかなめだというふうに改めて思うところでございます。  一番言いたいことは、実は総務省というのは、まさに地域状況を考えて、本当に、住んでいる皆さんのことを考え、不安をできるだけなくし、暮らしやすさ、住みやすさ、地域に暮らす方々の幸せを考えてくださっている一番の国の機関だというふうに私は思いますので、何とぞよろしくお願いを申し上げたいと思います。  ちょっと褒め過ぎかもしれませんけれども、これから大変な事態がいろいろと起こるというふうに私は考えており、それに対応していただきたいと思います。  もしお話しいただけるなら、有識者や専門家会議等の話合いがあってのことだと思いますが、何を基準に、どのような状況になると本部を立ち上げること、そして緊急事態宣言を発令することになるのか、内閣の共通認識としてあれば、お答えください。
  36. 前田一浩

    前田政府参考人 お答え申し上げます。  内閣におきまして本部を立ち上げる場合は、これは厚労大臣の方から、今般の法律改正によりまして、新型コロナウイルス感染症にあっては、その蔓延のおそれが高いと認めるとき、この報告をいただきまして、その上で、内閣といたしまして本部を立ち上げるというふうになるところでございます。  その具体的な判断というものをどうするのかというのは、これはまさに時々刻々と変化しているというところでございますので、客観的に一本の線というものではなかなか示し得ないとは思いますけれども、しっかり対応できるように、政府一丸となって体制を整えていくということだと承知しております。
  37. 佐藤公治

    佐藤(公)委員 これは内閣委員会でも議論がございました。ということは、今は本部を立ち上げないということは、まだその時期にないということだというふうに、御答弁内閣でもされておったと思いますけれども、私は、本部を立ち上げるべき時期に今はもうあると思っております。だから急いで成立を望んだ一人ですが、専門家も、緊急事態宣言まではと言うのは、それはわかります。しかし、本部は今立ち上げないと、後悔というか、遅い状況にあるということを、私は改めて大臣にはお話ししておきたいと思います。  今は、わからないこと、予測不能、まさに未知との闘い、その中で国民は不安を多く抱いていることは、大臣もお感じになられていると思います。今は言われたことに協力をしてください、そうすれば、わかります、その時間がたてばたつほど、漠然とした協力要請だけでは、不安は拡大してしまうように思えます。  そこで、緊急事態宣言の発令とともに、その終わる目安を示すことも大事になると思われます。今は、いつになったら収束するのか、どうなったら収束するのか、国民の皆さんは具体的に知りたがっていると思います。もとの生活にいつ戻れるのか。  総務大臣として難しければ、政治家高市早苗先生として、何かお答えできることはございますでしょうか。
  38. 高市早苗

    高市国務大臣 本部の立ち上げということでございますけれども、現段階では、総理及び全閣僚が出席するインフルエンザ感染症、対策本部をたびたび開いて情報共有をし、そしてまた、総理からの御指示もあるわけでございます。別途、事務次官級による話合いの場もあり、そしてまた、各省職員が集まる会議の場も持っております。  特に、総務省としましては、今せっかく一対一で各都道府県と連絡体制を築いておりますし、そしてまた、都道府県は、その圏域の中の市町村からの意見もしっかりと吸い上げていただいて総務省に伝えていただいておりますので、それを迅速に関係府省にお伝えをし、今、かなり早いタイミングで対応も進めていただいております。  これから、国民の皆様におかれましては本当に不安な状況だと思います。ただ、今は、もうこれ以上感染が拡大しないということを第一義に対応しておりますし、最悪の事態も想定しながら、特に、重症患者が命を落とすことがないように地域の医療体制を整える、ここに、厚生労働省と総務省で協力をしながら、また、経済産業省にもマスクとか消毒液とかの手配で御協力をいただきながら取り組んでおりますし、また、今回、予備費で消防の方の体制もしっかりとしたものにしていっております。  ですから、精いっぱいのことをさせていただきますし、いつ収束するのか、これを、本部を立ち上げた時点で、若しくは、最悪の場合、緊急事態だという宣言が出た段階で申し上げるというのはなかなか難しいんだろうと思うんですけれども、連鎖的な感染がとまっていく、一定の収束、患者数の減少というのが見えてくる、こういった状況をつくっていくというのが大切だと考えております。
  39. 佐藤公治

    佐藤(公)委員 この話、もっとしたいことがたくさん大臣とあるんですけれども、きょうはもうこれぐらいにさせていただきます。  私たちも、この非常事態に協力をしていきたい気持ちは、与野党を問わず、皆さんお持ちだと思います。ぜひ、大臣始め総務省の皆様には、地方との窓口として、そして後ろ盾として頑張っていただきたい、その思いでございますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。  二つ目という質問があったんですけれども、もう時間がないので、ちょっと合併特例法の一部改正に関しての質疑の方に、とりあえず順番を変えて移らせていただけたらありがたいと思います。  私は、賛成の立場の思いでお聞きをいたします。  そもそも論として、このたびの合併特例法の一部改正に関しての資料を読み、いろいろな方々からお話を聞いていると、合併の総括をするべきだ、合併検証をすべきだといった内容が多く読み取れたり話されたりしているように思います。  そこで、高市大臣総務省にお聞きしますが、そもそも、合併の総括とは何か、合併検証とは何か。重徳委員の先ほどの質疑の中で話もございました、検証という言葉を使っておりましたけれども、もう一度お話ししますと、合併の総括とは何か、合併検証とは何か、そのような前提がある中で、総括や検証をしたのかと問われたとき、何とお答えになるのか。総務大臣及び総務省の方、お答え願えたらありがたいと思います。
  40. 高市早苗

    高市国務大臣 平成合併後、総務省では、今後の基礎自治体のあり方の検討に際して、必要に応じて平成合併後の市町村状況課題の把握は行ってまいりました。  まず、平成二十二年には、「「平成合併」について」として、その時点における平成合併の評価を総務省として取りまとめて公表しております。  また、これまで、累次の地方制度調査会においても、これからの基礎自治体のあり方等の調査審議に際して、合併成果課題が取り上げられ、答申でもそれぞれ言及をされております。  第三十二次地方制度調査会でも、市町村合併についての今後の対応方策に関する調査審議の中で、市町村合併成果課題について取り上げました。  その中で、合併市町村に関するデータやアンケート結果などをお示ししながら、職員配置の適正化など行財政の効率化や、専門職員配置充実などの効果も確認しました。  一方で、先ほど重徳委員からも御指摘があった、周辺部市町村の活力が失われているといった指摘もございますので、こうした課題の解決に向けて、合併市町村において支所の設置や地域自治区の活用などさまざまな取組が行われていることも確認し、丁寧に御議論をいただいております。  その上で、昨年十月に、市町村合併についての今後の対応方策に関する答申が取りまとめられました。  総務省としましては、基礎自治体のあり方等の検討に際しては、平成合併後の市町村状況課題の把握にしっかり努めてまいりたいと存じます。
  41. 佐藤公治

    佐藤(公)委員 結論から言うと、総務省として、この合併に関しての検証、総括はしたということでよろしいんでしょうか、大臣
  42. 高市早苗

    高市国務大臣 適宜検証はしてきたと考えております。特に、効果また課題の洗い出しということは続けてまいりました。今は、それに対応する施策を検討したり、そしてまた実行しているところでございます。
  43. 佐藤公治

    佐藤(公)委員 私も、合併の総括を、今まで多くの合併をした地元広島でしようと思いながらも、今思うこと、言えることは、私の地元にての肌感覚では、果たして本当によかったのか、疑問に思っているところなんです。  というのも、このまま合併をしない方がよかったのではと思ってしまう。なぜなら、私も合併推進論者であったからなんです。その責任を感じているという状況だと思います。地方が自主自立して、そこそこ幸せに住民の皆さんが暮らしていける、そんな夢と希望を持って推進をしてきたつもりです。誰のせいと言うつもりはございません。しかし、何かが違う、こんなはずではなかった。  当時は、権限と財源、移譲とセットでもあった。バブルのころの社会状況との違い、少子高齢化に直面していることが、当時とは違う社会環境になってしまっている現状。だからこそ、本質的な総括や検証をして、軌道修正すべきだと強く思っている次第でございます。  特に、地方、田舎は、行政的なことだけではなく、第一次産業の農林水産などは直結した問題であり、中小零細企業のこともあり、総務省だけで解決できることではなく、まさに、地方をどうする、日本をどうするという大きな議論になってしまっております。  高市大臣の初当選、その後の御活躍は、マスコミで拝見したときのインパクトのある姿を記憶しております。そのころ大臣も、首都機能移転だの、遷都だの、地方分権だの、道州制だの、権限移譲だの、そういった中で合併の推進を思われたように思いますが、そのころの地方のあるべき姿と今と、いかがな思いを持たれておりますでしょうか、大臣
  44. 高市早苗

    高市国務大臣 当時、若手議員を中心に首都移転の話もありましたし、最近も、災害の多発などを受けまして、これはまた、与党の中でも若手議員がそういった議論をされていると承知をしております。  私は、若いころの記憶をたどりますと、やはりこれは、合併を選ぶか選ばないかというのは、村を二分した激しい激しい村長選挙が行われて、その後もまだしこりが残っている。結果、合併推進派の方が勝って合併をした。その結果、よくなった部分もあるんだけれども、実は、支所の設置ですとか先ほど申し上げた消防団の施設の整備ですとか、総務省として交付税措置をしている。ところが、交付税は一般財源ですから、どうしても、合併した後の大きな市の市長さんや市議会の方で、総務省の方で考えているように、積算したように使われていないということで、残念ながら寂れてしまったところもございます。  だからこそ、今また、支所の設置ですとか、できるだけ、合併した旧の町村部分の、特に保健医療、子育て関係、こういったサービスが低下しないように、何らかの形で総務省から、一般財源には介入できませんけれども、こういう形で積算しているんだということを正確にお伝えしたい、その取組ができないかということを先般も局長に指示をしたところでございます。  さまざまな課題もあり、さまざまなメリットもあった、そういった合併であったと思いますので、その課題の部分を解決していくのが今の私どもの仕事だと思っております。
  45. 佐藤公治

    佐藤(公)委員 これに関しても、また話をすると一時間、二時間かかってしまいますので、別の機会に大臣とお話をさせていただきたいかと思います。  先ほど、総括をしたということですけれども、まさに今回の十年延長の答申を出されたこの第三十二の地方制度調査会、この調査会についてもいろいろとお聞きしたいこともあるんですけれども、ここの議論の中、実際問題これは、「自治総研」といったような雑誌の中で、一部ここの議論に関して出ていることがございました。全般的には、圏域化の議論の前に平成の大合併検証を行うべきという意見が多数を占めたと。  実際問題、検証、総括をしているにもかかわらず、この議論の中での委員が、皆さん、やはり総括をすべきだ、検証すべきだということをおっしゃられている。これは本当に総括をしたと言えるんでしょうか。  私は、きちっと総括、検証があって今回の十年合併延長ということが出てくるなら、まだ筋論としてわかりますが、委員の中で、検証、総括をすべき。でも検証はした。じゃあ一体全体、日本語はかみ合っていないじゃないですか。  私が言いたいことは、こういった検証、総括をきちっとした上で、まさに大臣がおっしゃられた、昔の思いとともに、どう変えていくべきかということを、本質的な議論をしていかなければ、同じことの繰り返し。実際問題、大臣は、基礎自治体にふさわしい行財政基盤を確立することを目的で行っているとおっしゃっておられますが、将来の地方を思う気持ちはわかりますが、結果、国の財政負担を軽減するためになってしまっているように私は思います。  だから、私は、この調査会の委員の方々に、御苦労に敬意を表し、感謝の気持ちを持った上で、この調査会等々の、こういったところにおける健全な議論をすべきだということを私は言いたい。そうしないと、同じことの繰り返しになってしまう。  今、経済財政諮問会議を含めて、大臣はいろいろな場所で、IoT、ICT、5G、ローカル5G、デジタル化、いろんなお話をされております。みんな、合併推進に関して、バラ色とはいかなくても、夢と希望を持ってそれを推進してきた。でも、今それをもう一度見てみると、本当によかったのかという思いは誰もが持っていると思います。同じことにならないがためにも、私は、こういう調査会が健全にやはり総括や検証をして、どうあるべきなのか、重徳委員も言っていたようなことを一つ一つもう一度やり直していくことからスタートして、十年の合併延長ということに関して答えを出していただきたかった。  私は、今、批判をするつもりで言っているわけじゃないんです。どうか健全にこういった会議調査会が機能していくこと、国会議員の皆さんの中でも何人もここの会議に出ていらっしゃる方が、六名いらっしゃるというふうに私は聞いております。しかし、総会は何回ございましたか、二回、三回。小委員会は三十数回、その中で国会議員が出ているのは二、三回ですよ。それが本当に総括と言えるんですか。私はそういう思いを持ちました。  ですので、どうか大臣、そういったことを考えた上で、今後の合併議論を再度していただけたらありがたいと思います。  もう時間があと一、二分になってしまいました。私は、この合併のことで具体的に、私の地元広島尾道のこと、きょう皆さんに地図をお渡ししましたけれども、この地図が一番よくわかるのはそこで私を見ていただいている小林先生だと思います。この地図を見れば全てのことがわかるのは、小林先生しかいらっしゃらないかと思います。  私は、ここで三点のことだけを言いたかったんです。合併における現象というか、問題点が出てきている。  その三つのことだけを取り上げて言わせていただければ、まずは私の、尾道ということは、しまなみ海道という橋がございます。ここには因島と生口島というのがございますけれども、因島市や瀬戸田町というのが合併したことによって、まさにこの橋が、同じ行政区分でありながら、橋の料金が大変に高いために、住民たちに経済的負担がかなりかかっている。合併したことによって、これが市町村が別だったらまた違ったのかもしれません。こういった交通インフラにおける問題点。こういったことを我々地元でも大変努力をして解決しようと思っても、なかなか本四高速の借入金の件の問題で頭打ちになっている、こういった一点目の問題。  二点目は飛び地の問題でございます。戸崎瀬戸というところの、海があるんですけれども、ここも旧浦崎村というところが昭和の合併において尾道市と一緒になった飛び地……
  46. 大口善徳

    大口委員長 佐藤君、時間が参っております。
  47. 佐藤公治

    佐藤(公)委員 はい。  飛び地の問題がございます。こういったところを解決するための、橋をかける。又は、情報インフラの整備といった、この三点をお話ししたかったんですけれども、最後に言いたいことは、この昭和、平成合併といったことのブラッシュアップをもう一回していくような考え方における政策を引き続き大臣の方で、担当部局の方で考えていただけたらありがたいと思います。  地元では、今、どうしようもできない部分に、頭打ちになっている。合併をもう一度考え直し、総括をし、ブラッシュアップしていただくお願いをして、私の質問を終わらせていただきます。よろしくお願いいたします。  ありがとうございました。
  48. 大口善徳

    大口委員長 次に、本村伸子君。
  49. 本村伸子

    ○本村委員 日本共産党、本村伸子でございます。  どうぞよろしくお願いを申し上げます。  まず、大臣に確認をさせていただきたいんですけれども、この法案の前提に地方制度調査会の答申がございます。その中に、みずからの判断により合併を進めようとする市町村を対象と書かれております。  当然のことだというふうに思うんですけれども合併しないと選択をした、とりわけ小規模な市町村に対して、合併を強制することはせず、合併しないことを理由とする不利益な取扱いはしないということは確認させていただきたいと思います。
  50. 高市早苗

    高市国務大臣 この法律案は、市町村合併を推進するというものではなくて、みずからの判断により合併を進めようとする市町村を対象として、引き続き合併の円滑化のための措置を講ずることができるよう現行法の期限を延長するものでございますので、本村委員指摘のような懸念は生じないと認識しております。
  51. 本村伸子

    ○本村委員 不利益な取扱いはしないということを確認させていただいたというふうに思っております。  私、二〇一八年豪雨のときに被災地に行かせていただいたときに、合併によって面積が大きくなる一方で地域から職員の方が削減をされる、そういう中で、災害対応あるいは被災者の方々の支援が非常におくれたのではないかということを痛感してまいりました。  例えば、私が痛感をした事例では、広域化したことによって各地の状況が把握されておらず、河川も別のところばかりを見て避難指示がおくれて、川が氾濫して二十分以上たってから避難指示が出たという事例がございました。また、被災をされた地域に本当に職員の方が全然来ないということで被災者の方をずっと不安に思わせていた、支援も届かない状況であったという事例。あるいは、人手が足りず、合併をされた地域ですけれども支所長が現場で本当に対応で精いっぱいやられていたわけですけれども、しかし、災害救助法の仕組みとか被災者支援の仕組みが知られていなかったために迅速な支援とか救援につながらなかった事例。こういう事例を現地に行って痛感をしてまいりました。  合併をして広い範囲になった自治体で、職員の数が減って、なおかつ、地域がわかる職員さんでない方も赴任してくるということで、災害時に、より十分機能しないという弊害があるのではないかというふうに思いますけれども総務省としてはどのように認識をされておられますでしょうか。
  52. 高原剛

    高原政府参考人 御答弁申し上げます。  災害時における市町村の対応については、基本的には、合併の有無にかかわらず、被害の程度や地域の実情に応じて異なるものと考えております。  その上で、合併市町村においては、もちろん課題もございますが、一般的な状況を申し上げますと、合併により行財政基盤が強化されたことを生かしまして、災害防災対策の専門部署の新たな設置、他課、係等と兼務しない防災部門の専任職員配置をするなど、災害対応体制の強化に取り組まれているものと私ども認識しております。  以上でございます。
  53. 本村伸子

    ○本村委員 専任職員の設置で、ちゃんと機能していればいいんですけれども一つのところしか見ていなくて、全域を見ていなかったということで、避難勧告、避難指示がおくれるということが出ております。だから、そういういい面だけを見るのではなく、やはり全体、総合的に総務省としても把握していただきたいというふうに思うんです。  これは私が言っているだけではなく、資料の一、一つ目に出させていただきましたけれども、これは読売新聞の記事でございます。合併によって自治体の防災力が低下したという指摘がございます。  具体的には、これは調査室の方がまとめてくださったんですけれども一つ目に、合併による市町村の広域化によって、災害時、市役所本庁と支所の間で通信不能になり状況が把握できなかった。二つ目に、本庁に権限が集約された結果、旧市町村地域は自己決定力を失い、迅速に対応できなくなった。三つ目、支所職員減少し、災害対応人員としては少な過ぎるなどがこの記事でも指摘をされております。  こういう問題があるということは、大臣、お認めになられますね。
  54. 高市早苗

    高市国務大臣 この新聞報道のような課題があれば、これは合併市町村において適切に対応をしていただかなければなりません。  支所が果たす役割というのは、災害においては非常に大きなものがあります。大規模な災害が発生した場合に、例えば、対応に多くの職員が必要になります。合併市町村において、沿岸部の市街地が被災した際に、被害が比較的軽微だった内陸部の旧市町村職員を派遣したり、また、災害対策本部の置かれている本庁で十分な状況把握が行えない場合に、支所において避難勧告などの避難誘導を適時適切に行っているといった取組もございます。合併によって強化された行財政基盤は十分に活用して、地域の実情に応じて、災害対応の強化に取り組んでいただきたいと考えております。  これから、IoT水位計ですとか、それから情報通信機能の強化、こういったことも、災害時の長時間の停電などにも対応できるようにという取組も進めておりますので、支所の適切な対応、ここも各合併市町村において考えていただく、取り組んでいただくべきことだと思っております。
  55. 本村伸子

    ○本村委員 実際には、合併によって自治体の防災力が低下したと思われる事例が幾つも出ているわけです。それを直視していただきたいというふうに思います。災害時の命や暮らしを守る問題に、この問題は本当に直結しているというふうに思います。  今私が指摘をいたしました、広域で合併したことによる災害時の弊害、あるいはマスメディアでも指摘をされている合併の災害時の弊害、問題点を総務省は改善しようとしているのかどうか。先ほど、いいことしか言われなかったんですけれども、ちゃんと見て、改善しようとしているのかどうか、そのことを御答弁いただきたいと思います。
  56. 高原剛

    高原政府参考人 御答弁申し上げます。  先ほど来大臣からも支所機能の重要性というお話がございましたが、例えば、九州地方合併市町村では、合併時から旧市町村単位支所を設置しておりまして、災害時には支所に現地対策本部を置いて、支所長が現地対策本部長として避難勧告の実施権者となっているということで、災害の被害を軽減することもできたという報告もいただいております。  そういった意味で、支所の果たす役割というのは大変大きいものがございますので、先般来御議論になっておりますが、合併市町村支所設置について普通交付税の措置をするとか、そういった中で、私ども取組を進めているというところでございます。  以上でございます。
  57. 本村伸子

    ○本村委員 地方交付税で、算定の見直しということで支所も位置づけているというお話でしたけれども、そもそも、そういうことを想定せずに合併を推進してきたというのが問題だったというふうに思います。だから、どんどん修正をするということになってきたのだというふうに思います。総務省が当初やってきたことに対しての反省が深く必要だというふうに思っております。  結局、合併した市町村のことでいえば、防災のことや地域の活性化の問題を考えたときに、やはり支所などに職員をふやして、機能を強化をし、各地域のことについて考えて働ける状況をつくっていくしかないというふうに思いますけれども大臣の御答弁をお願いしたいと思います。
  58. 高市早苗

    高市国務大臣 合併そのものは、それぞれの地方公共団体において、住民、また住民を代表される首長や、また議会の皆様が激しい議論をしながら選択をしてこられたものだと思っております。  合併市町村支所というのは重要な役割を果たしており、実際、住民サービスの維持向上、災害対応などに活用する取組が行われてきております。  普通交付税算定におきまして、支所に要する経費加算、旧市町村単位の消防署、出張所に要する経費加算、旧市町村単位保健福祉に係る住民サービス経費加算など、平成二十六年度以降、五年間かけて順次見直してきました。  これからも、合併市町村に対する必要な支援を適切に行ってまいります。
  59. 本村伸子

    ○本村委員 各自治体の御判断だというふうに言われたんですけれども、当時約束していたことが全く守られないというものもありまして、当時の約束は世論を誘導するためのものであったのではないかという事例もあるわけでございます。そういう中で、合併に誘導されたという自治体もあることもしっかりと見ておかなければいけないというふうに思います。  支所などに人をふやさないと、結局、災害時にも機能しないし、地域の活性化にもなかなか結びつかないことになるというふうに痛感をしております。  それで、今後の基礎自治体はどうあるべきかという議論なんですけれども総務省自治体戦略二〇四〇構想研究会の第二次報告の中で、市町村を超えた圏域などの団体自治、住民自治に反するものが入っておりまして、これは大問題でございます。  更に問題なのは、自治体職員は半分にして、標準化して、スマート自治体という方向が出されていることでございます。AI、ロボティクスなど書かれておりますけれども、AI、ロボティクスなどは災害時、緊急時、本当に機能してくれるんでしょうか。  研究会報告には、災害時、緊急時のことは、首都圏の帰宅困難者のことなどはございますけれども、本当に不十分な記述しかございません。私の地元は、毎回というほど言っているんですけれども、南海トラフ巨大地震の被害想定区域にございます。こういう乱暴な議論自治体職員が削減されるということに誘導されていくことになれば、本当に地元の皆様の命を守ることができないという大変な危機感を私は抱いております。  大臣に伺いますけれども、将来の自治体のあり方を考える場合、災害対応や緊急対応、今回の新型コロナウイルス感染症の対応もそうですけれども、こういうこともしっかりと位置づけて、将来の自治体、どうあるべきかということを考えていくことが必要だと思いますけれども大臣、御答弁をいただきたいと思います。
  60. 高市早苗

    高市国務大臣 今、第三十二次地方制度調査会で、将来の人口減少社会を見据え、必要となる地方行政体制について調査審議が進められております。防災の視点も含めて議論は行われております。  昨年七月に中間報告が取りまとめられましたが、南海トラフ地震や首都直下地震などが高い確率で発生する見込みであるなど、今後、二〇四〇年ごろにかけて災害リスクの高まりが想定される中で、地域間の協力による災害対応分野における技術職、専門職の確保の必要性、大規模災害への都道府県を超えた協力関係の構築の必要性、自助、共助による防災活動の重要性といった指摘もなされております。  今、最終的な答申に向けて調査審議が進められておりますが、この調査会における議論も踏まえて適切に対応してまいります。
  61. 本村伸子

    ○本村委員 研究会報告で、自治体職員は半減してということで書かれて、本当に乱暴な議論だと思いますので、そういうことがないようにぜひしていきたいというふうに思っております。  今後の自治体のあり方を考える際に、前も公立病院改革ガイドラインのことでも申し上げましたけれどもまちづくりの点でもそうですけれども、災害時のことをしっかりと位置づけられていない、いろいろなものを読んでも位置づけられていないというふうに痛感をしておりますので、ぜひ、総務省のおやりになることに対して、災害時のこともしっかりと想定した施策を徹底するべきだということを強く求めたいというふうに思います。  災害時の実態もそうなんですけれども合併や広域行政について、先ほど来御議論ありましたけれども、しっかりと評価、検証を行うべきだということを、地方団体の方々から指摘をされております。  地方制度調査会でも、全国市議会議長会の委員から、平成市町村合併について、政府による総括の重要性、政府の責任で改めてトータルに評価、検証を加えておくこと、評価を行ったわずかの県の調査結果を引用するだけでは不十分という指摘がございます。また、全国町村会の委員からは、新たな圏域行政の推進は、平成の大合併の再来ではないかと大変危惧しています、新たな仕組みを検討する前に、広域行政に関する現行制度の検証が不可欠との発言もございます。  評価を行ったわずかな県の調査結果を引用するだけでは不十分との指摘がありますけれども、私はそのとおりだというふうに思います。表面的に見るのではなく、しっかりと検証、評価を行うべきだと思いますけれども、これは大臣、お願いしたいと思います。
  62. 高市早苗

    高市国務大臣 これからの基礎自治体のあり方の検討に当たりましては、これはもう本村委員指摘のとおり、市町村合併や広域行政の現状や効果課題を把握した上で行う必要があると考えております。
  63. 本村伸子

    ○本村委員 では、これからしっかりと検証、評価していくということなのだと理解をしております。  二〇一九年九月十三日の第三十二次の地方制度調査会第二十二回専門小委員会資料を見てみましても、合併した旧町村の皆様の声が十分反映されているとは思えない内容になっております。私の地元の豊田市のことも書いてありますけれども、本当に表面的な書きぶりだなというふうに痛感をしております。各自治体で深掘りをぜひしていただきたいというふうに思います。  そういう点では、日本弁護士連合会の中の公害対策・環境保全委員会の皆様方が調査検討されたということについて、お話をお伺いをいたしました。これは、日本弁護士連合会の皆様の公式なものではないということだそうですけれども合併したところと合併しなかったところ、類似の自治体調査されて、九カ所調査をされております。  この結果はどうだったのかということと同時に、人口一万人未満の過疎指定市町村での分析もされておりますけれども、二〇〇五年から二〇一五年の産業分類別就業者数の増減を見てみますと、合併によって公務で働く人が少なくなっているというのが顕著でございます。地域から役所の人がいなくなれば、地域の実情や声を吸い上げる人も少なくなる。そこの地域をどう活性化していこうかと、安定した仕事として専属で考えてくれる人もいなくなる、少なくなる。そして、役場の周りのお店も、売上げが減り、なくなっていく。地域が寂れ、若い人はいなくなる。子供さんも少なくなっていく。小学校、保育園がなくなっていくということだというふうに思います。農林水産予算も、十数年前からすると、一兆円規模で予算が減っている。  こういう問題も人口減少の重大な要因だというふうに思いますけれども、この日弁連の有志の方々が類似自治体調査で、合併したところの方が合併しなかったところよりも人口減少が急激になっているという結果が出ております。総務省として、これはなぜそうなっているのかということを検証し、把握をするべきじゃないか、もっと検証について深掘りするべきじゃないかというふうに思いますけれども、これは大臣、お願いしたいと思います。
  64. 高市早苗

    高市国務大臣 本村委員もおっしゃいましたけれども、このシンポジウムで報告された分析については、日本弁護士連合会として意思決定したものではなくて、特定の報告者によって行われたものと伺っております。  そもそも、市町村が置かれた社会的、経済的条件はさまざまでありますので、単純な比較というのは困難でございます。また、市町村の人口変化には、その地域の人口構成や、あと、地理的条件による生活の利便性などの状況など、さまざまな要因影響いたしますので、一概に人口変化要因合併と関連づけるということは適切でないと考えております。
  65. 本村伸子

    ○本村委員 ですから、総務省として、日弁連の有志の方が調査をされた中身について、なぜそうなっているのか、さまざまな要因と言われました。なぜそうなっているかというのをもっと深掘りしてやるべきじゃないかという質問でございます。
  66. 高原剛

    高原政府参考人 御答弁申し上げます。  私どもが事務的に分析しているところでは、日弁連が比較対象とした四十三組中二十七組、全体の六三%で合併市町旧町村部の人口減少率が非合併町村を上回っていたということでございます。つまり、合併時点において、既に合併市町旧町村部の方がより人口減少が進行していたという分析をしております。  それから、高齢化率で比較したところ、日弁連の四十三組中二十九組、全体の六七%で合併市町旧町村部が非合併町村の高齢化率を上回っていたということで、合併時点において既に合併市町旧町村部の方がより高齢化が進行している状況にあったということでございまして、四十三組中三十五組が人口減少率若しくは高齢化率で既に上回っている状況にあったという分析はいたしております。  以上でございます。
  67. 本村伸子

    ○本村委員 資料二も質問をさせていただきたいんですけれども、二〇一七年十二月に、まち・ひと・しごと創生本部事務局が移住・定住施策の好事例集第一弾を出しております。合併しない自治体の方が移住・定住施策の好事例が多いというふうになっておりますけれども、なぜそういう結果になったと考えているか、お示しをいただきたいと思います。ちょっと端的にお願いしたいと思います。
  68. 高原剛

    高原政府参考人 御答弁申し上げます。  掲載されている団体は合計十八ございまして、合併団体が六、非合併が十二でございます。それで、もともと、全国の合併市町村数が五百九十で非合併市町村数が千百二十八ということで倍近くございますので、大体同じ比率になっているというふうに認識をしております。
  69. 本村伸子

    ○本村委員 日弁連の有志の方が調査をしていただきました。そういうことも材料にして、なぜそうなっているかというのをもっともっと深掘りをして検証していただきたいということを強く求めたいというふうに思います。  これからの自治体のあり方の問題なんですけれども、先ほども申し上げました総務省自治体戦略二〇四〇構想研究会の第二次報告では、これからは圏域だというふうに言っております。これまでの広域連携の仕組みとは異なって、市町村の権限、財源の一部を取り上げて圏域に担わせようとしているのではないかというふうに危惧をしております。  日本弁護士連合会の皆様方も、自治体が自主的権限によってみずからの事務を処理するという団体自治からしても問題がある、住民による選挙で直接選ばれた首長、議員から成る議会もない圏域に対して国が直接財政措置を行うことは、住民自治からしても問題があるというふうに意見を上げておられます。また、町村会、町村議長会の皆様方からも声が出ているというふうに思います。  自治体と国は対等な関係なはずでございます。国が一方的に市町村の権限や財源を取り上げて新たな制度をつくるということがあってはならないというふうに思います。名前は圏域というふうにしないにしても、実質的に市町村から権限と財源を取り上げる、そういうことが絶対にあってはならないというふうに思いますけれども大臣、御答弁をいただきたいと思います。
  70. 高市早苗

    高市国務大臣 第三十二次地方制度調査会では、今後の人口減少、少子高齢化を見据えた地方行政体制のあり方について調査審議が進められておりますが、専門小委員会では、市町村間の広域連携は地域の実情に応じた自主的な取組として行われるものであることを前提として議論が進められております。  よって、広域連携に関して、圏域のような何か別の行政主体を設けて、そこに市町村の権限を移譲するような方向の議論はなされておりません。
  71. 本村伸子

    ○本村委員 ぜひ、圏域的なものによって財源や権限を奪うようなことはないようにしていただきたいというふうに思います。  民主主義の質の向上と人権保障の強化に資する地方制度を求めて、質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  72. 大口善徳

    大口委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。     ―――――――――――――
  73. 大口善徳

    大口委員長 これより討論に入ります。  討論の申出がありますので、これを許します。本村伸子君。
  74. 本村伸子

    ○本村委員 私は、日本共産党を代表し、市町村合併特例等に関する法律の一部を改正する法律案に対し、反対の討論を行います。  合併特例法は、国、都道府県主導で合併を押しつける仕組みを導入するなど、平成の大合併を進める役割を果たしました。住民合意をとる過程で、合併後の公共施設等の存続などを約束して世論を誘導し、結局その約束が守られない事例もありました。  強引な合併押しつけに対する批判を受けて、二〇一〇年の改正で、国、都道府県による市町村への積極的な関与等の文言は削除されましたが、有権者の五十分の一以上の署名で合併発議できるとした住民発議権や、合併協議会設置が議会で否決されても首長の請求若しくは有権者の六分の一以上の署名により合併協議会設置の住民投票請求ができる特例はそのまま残されました。  合併という自治体住民にとって最も重要な問題について、合併推進側だけに有利な仕組みが残されたのは問題です。  二〇一〇年以降、現行合併特例法のもとでは七件の合併事例がありますが、その中には、合併協議会設置を議会が否決しても、住民発議、住民投票の仕組みを利用して合併に至った事例も含まれています。  本法案は、合併推進にだけ有利な仕組みを変えずにそのまま延長するものであり、反対です。  以上を申し上げ、討論といたします。
  75. 大口善徳

    大口委員長 これにて討論は終局いたしました。     ―――――――――――――
  76. 大口善徳

    大口委員長 これより採決に入ります。  市町村合併特例に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  77. 大口善徳

    大口委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。     ―――――――――――――
  78. 大口善徳

    大口委員長 この際、ただいま議決いたしました法律案に対し、中根一幸君外四名から、自由民主党・無所属の会、立憲民主・国民・社保・無所属フォーラム、公明党、日本維新の会・無所属の会及び希望の党の五派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  提出者から趣旨の説明を求めます。高井崇志君。
  79. 高井崇志

    ○高井委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。  案文の朗読により趣旨の説明にかえさせていただきます。     市町村合併特例に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法施行に当たり、次の事項について措置すべきである。  一 市町村合併については、地域の自主的な判断を尊重し、合併を強制することのないようにすること。また、自主的に合併を選択した市町村に対しては、合併後のまちづくりが円滑に進められるよう、必要な支援措置を講ずること。  二 平成合併効果課題等について、合併を選択しなかった市町村や、合併に伴う課題指摘している合併市町村を含め、幅広く関係団体等の意見を聴取した上で、引き続き評価・検証を行うこと。  三 既に合併した市町村については、周辺地域の活力の低下、職員減少等に伴う住民サービスの低下、住民の声が反映され難くなったことなど、なお多くの課題指摘されていること等を踏まえ、合併市町村の一体的な振興や周辺地域への対応が適切に行えるよう継続的な支援を行うとともに、住民自治の拡充のための必要な措置を講ずること。  四 市町村の在り方については、平成合併によって市町村の人口や面積が増加したことに伴い、合併前の旧市町村の区域の住民の意見が十分に反映され難くなったなど、住民自治にふさわしい基礎自治体の姿や規模について様々な議論があること等を踏まえ、地域の実情に応じて、地域自治区、地域審議会等の地域自治組織を活用するなど、住民の意見をきめ細やかに反映するために必要な措置を適切に講じるよう、必要な助言を行うこと。  五 市町村間の広域連携の在り方については、現行の広域行政の仕組みについて十分な検証を行った上で、市町村の主体性や意見を十分に尊重しつつ、慎重かつ丁寧な検討を行うこと。また、広域連携に係る新たな制度を創設する場合には、強制とならないようにするとともに、周辺地域の活力が失われることのないよう万全の措置を講ずること。 以上であります。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
  80. 大口善徳

    大口委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。  採決いたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  81. 大口善徳

    大口委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。  この際、総務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。高市総務大臣
  82. 高市早苗

    高市国務大臣 ただいま御決議のありました事項につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。     ―――――――――――――
  83. 大口善徳

    大口委員長 お諮りいたします。  ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  84. 大口善徳

    大口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――     〔報告書は附録に掲載〕      ――――◇―――――
  85. 大口善徳

    大口委員長 次に、放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題とし、審査に入ります。  この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  本件審査中、参考人として日本放送協会の出席を求め、意見を聴取することとし、その人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  86. 大口善徳

    大口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  引き続き、お諮りいたします。  本件審査のため、本日、政府参考人として総務省大臣官房総括審議官前田一浩君及び情報流通行政局長吉田眞人君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  87. 大口善徳

    大口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――
  88. 大口善徳

    大口委員長 まず、趣旨の説明を聴取いたします。高市総務大臣。     ―――――――――――――  放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件     〔本号末尾に掲載〕     ―――――――――――――
  89. 高市早苗

    高市国務大臣 日本放送協会の令和二年度の収支予算、事業計画及び資金計画につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  この収支予算、事業計画及び資金計画は、放送法第七十条第二項の規定に基づき、総務大臣の意見を付して国会に提出するものであります。  まず、収支予算について、その概要を御説明申し上げます。  一般勘定事業収支につきましては、事業収入が七千二百四億円、事業支出が七千三百五十四億円となっており、事業収支における不足百四十九億円につきましては、財政安定のための繰越金の一部をもって充てることとしております。  一般勘定資本収支につきましては、資本収入が千百二億円、資本支出が九百五十二億円となっております。  次に、事業計画につきましては、東京オリンピック・パラリンピック競技大会に関する放送・サービスの実施、防災・減災報道の充実、多言語対応の強化、4K、8Kの推進などに取り組むこととなっております。  総務大臣といたしましては、この収支予算等につきまして、東京オリンピック・パラリンピック競技大会に関する放送・サービスの実施、受信料の還元策の実施などを考慮するとやむを得ない面があるとした上で、今後も受信料の公平負担の徹底により、増収を確保するとともに、徹底的に支出の精査、削減に取り組むことにより、赤字額をできる限り減少させるよう努めること、さらに、業務全体の抜本的な見直し、予算編成のあり方の見直しなどにより、早期に黒字を確保できるよう努めることを強く求めてまいります。  また、日本放送協会のあり方について、業務、受信料、ガバナンスの三位一体改革について具体的な取組内容を早期に明らかにし、次期中期経営計画などに反映することを強く求める旨の意見を付しております。  何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同を賜りますようお願い申し上げます。
  90. 大口善徳

    大口委員長 次に、補足説明を聴取いたします。日本放送協会会長前田晃伸君。
  91. 前田晃伸

    前田参考人 ただいま議題となっております日本放送協会の令和二年度収支予算、事業計画及び資金計画につきまして御説明を申し上げます。  令和二年度の事業運営に当たりましては、放送法に基づく公共放送の原点を堅持し、公平公正で正確な情報を伝え、命と暮らしを守る防災・減災報道に全力で取り組みます。東京オリンピック・パラリンピックでは、4K、8Kでの競技中継やインターネットを含めた新技術を駆使するなど、大会の魅力を余すところなく伝えます。さらに、常時同時配信・見逃し番組配信サービスによる視聴機会の拡大や人にやさしい放送・サービスの拡充に取り組み、多彩で魅力的なコンテンツを届けます。  また、積極的な国際発信により世界各国と相互理解を進めるとともに、地域の魅力や課題を広く発信して多様な地域社会に貢献いたします。  受信料につきましては、公平負担の徹底に向け、受信料制度の理解促進と営業改革を引き続き推進し、支払い率の向上を図るとともに、令和元年十月に行った実質値下げに加え、令和二年十月から受信料の値下げを実施いたします。  関連団体を含めたNHKグループが一体となり、効率的で透明性の高い組織運営を推進するとともに、働き方改革を通じてより創造性を発揮できる環境の実現に取り組みます。  次に、建設計画におきましては、緊急報道設備や地域の放送会館の整備を進めるとともに、いかなる災害時等におきましても安定的に放送・サービスを継続するための設備整備を実施いたします。また、老朽化した東京渋谷の放送センターの建てかえ事業を引き続き推進してまいります。  以上の事業計画に対応する収支予算は、一般勘定の事業収支におきまして、受信料などの収入七千二百四億円、国内放送費などの支出七千三百五十四億円を計上いたしております。事業収支における不足分百四十九億円につきましては、財政安定のための繰越金の一部をもって充てることとしております。  また、資本収支は、収入として、減価償却資金など総額千百二億円を計上し、支出には建設費九百五十二億円を計上いたしております。  最後に、資金計画につきましては、収支予算及び事業計画に基づいて、資金の需要及び調達を見込んだものであります。  以上、令和二年度収支予算、事業計画及び資金計画につきまして、その概要を申し述べました。事業計画一つ一つ施策を着実に実行し、公共放送として視聴者の皆様の期待に応えてまいりたいと存じます。  委員各位の御理解と御支援をお願い申し上げます。あわせて、何とぞよろしく御審議の上、御承認賜りますようお願い申し上げます。
  92. 大口善徳

    大口委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。     ―――――――――――――
  93. 大口善徳

    大口委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申出がありますので、順次これを許します。小林史明君。
  94. 小林史明

    小林(史)委員 自由民主党の小林史明です。  きょうは、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。頑張ります。  まず、昨今のコロナ対策に当たって、NHKの皆さんに感謝と、そして改めて要望を申し上げたいと思います。  NHK・フォー・スクールであったりとか、子供向けのコンテンツを開放したり、正しい情報をなるべく届けようということで、さまざまな努力をいただいていることに感謝を申し上げたいと思います。  とはいえ、こういうときこそNHKの本領が試されるときだと思っていますので、より積極的に、足立委員に叱られる前に、積極的にしっかり取り組んでいただけることをお願いしたいと思いますし、今、国を挙げて、なるべく国民負担を下げよう、危機を乗り越えようということで、例えば税の支払いを延期をしたりということをやっています。受信料の支払いも、しっかり柔軟に対応いただくということも検討をお願いしたいと思います。  その上で、きょうはNHK改革について質疑をさせていただきたいと思います。  昨今の報道で、総務省の諸課題検討会のもとで、公共放送のあり方についての見直しを、検討を始めるという報道がありました。実際にはこれから立ち上がるというふうに聞いています。ここで、ぜひ抜本的な改革について議論をいただきたいというふうに思います。  私自身も、一年間総務省の政務官を務めさせていただいて、さまざまな改革に立ち会わせていただきました。特に、放送に関して感じているのは、やはり、改革の逐次投入というのがNHKを混乱をさせているし、民放の将来も混乱をさせていると私は思っています。やはり、あるべき姿をきちっと示して、それに向かって段階的に改革を進めていくのであれば、私は、NHKの職員さんも迷わずに済むと思いますし、民放の経営者も悩まずに大きく前に進めるというふうに思っています。  だからこそ、今回の検討会では聖域なき議論をしていただきたい。一つの聖域は、恐らく、スクランブルを含めた受信料の制度そのものをどうするかということと、やはりNHKの事業主体、この規模感をどうするのか。そして、グループ。この多く立ち上がったグループ企業をどうするのか。ここを、やはり聖域なき議論を展開をしていただくことが必要だと思いますが、まずは、これは役所の皆さんにお伺いをしたいところですが、検討のポイントを教えていただきたいと思います。
  95. 吉田眞人

    ○吉田政府参考人 お答えを申し上げます。  NHKは国民・視聴者の受信料で成り立っているものでございますので、常に業務の合理化、効率化を不断に進めていくということが必要であろうかと思っております。  このため、先月でございますが、今御指摘のございましたように、私ども総務省の有識者会議におきまして、NHKの三位一体改革に加えまして、受信料制度のあり方も含めた公共放送のあり方について御議論いただくようにお願いをしたところでございます。  有識者会議は、お願いをしたばかりでございますので、御議論というのはまさにこれから御検討いただく段階ではございますが、例えば、受信料といったようなことにつきましては、委員指摘のようなさまざまな点も含めまして、どのような課題や論点があるのかといったようなことを洗い出していただき、それらに対してはどのような対応をとっていくのかといったようなことを専門的な見地から幅広く御議論をいただきたいと考えております。  受信料以外の公共放送に係る課題についても、同様に考えております。
  96. 小林史明

    小林(史)委員 次の問いは大臣に、ちょっと問題意識をお伺いしたいと思いますが、先に私の問題意識と提案をさせていただくと、今回の議論の重要なポイントは、やはりNHKの事業規模、これを定めることだというふうに思っています。  皆さんのお手元にも配付をさせていただいている資料に、NHKのチャンネル数が全部わかるようにしています。BS右旋にもう既に三チャンネル。そして8Kで一チャンネル、BS左旋。さらに、NHKのラジオ放送で五つ。こんなに要りますかねということは、ちゃんと見ていただけるとわかっていただけるんじゃないかと思います。  さらに、ネット配信もできる。地上波も、これは二チャンネルあるわけですね。NHKの教育、Eテレですね、これはすごいいいコンテンツなんですけれども、むしろこれはネットにあった方が、必要なときに必要なだけ取り出せるという部分もあるかもしれない。そうすると、これは地上波も二つ必要なのかということもあります。  非常にクオリティーの高い番組も多い中で、それをしっかり継続していくためにも、もう一度、ちょっと事業規模を見直すことが必要じゃないかと思っています。  これは民放改革にも私はつながると思っています。民放の皆さんは必ず、事業改革をやろうよと言うと、NHKが肥大化するから私たちは先に進めないんだと言う。でも、そんな議論をいつまでも進めていたら、パイの少なくなる日本国内だけの放送の競争で疲弊が進んでしまう。むしろ、グローバルを見据えて、どうやって世界に打ち出していくのかという議論に進んでいくためには、そろそろこのNHK肥大化論というのを終えなきゃいけない。  じゃ、肥大化論の脱却のポイントは何かというと、受信料収入の規模ですよ。幾らでも徴収すれば、七千億から八千億にふえる、これではもちろん肥大化はとまりません。そして、NHK自体の業務改革も、受信料さえ入ってくれば幾らでもお金が使えるということであれば、全く自己改革は、進むインセンティブは働かないわけです。  ですから、当面、私からの提案は、受信料の規模を七千億円に設定をして、それで、受信料の金額、国民負担をもうそれで割る。頭割りをすれば負担が減るわけです。  そして、私は、ぜひこの検討会でその先の、私個人としては五千億円でいいと思っていますが、NHKの規模を決めていただきたい。それが決まって初めて、NHKがどう事業規模を整理をするのか、そして業務を見直していくのか、そして放送とネットをどうやっていくのか、さらには、IT投資の調達改革も今回やるというふうに聞いていますが、そこの調達改革のインセンティブも働いてくる、こういうことだと思っています。  そういう意味で、ぜひ今回を機に、高市大臣の、まずはNHK改革への問題意識と、こういう観点で今回の改革議論をやりたい、思いをお聞きしたいと思います。
  97. 高市早苗

    高市国務大臣 NHKに関しましては、前回の私の大臣在任中にも、業務、受信料、ガバナンスの三位一体改革を繰り返し指摘してまいりました。  今、小林委員から、まずNHKの事業規模についての御指摘がありました。  こういった、問題意識をある程度共有すると思うんですが、今回、令和二年度予算に対する総務大臣意見の中でも、徹底的な支出削減により赤字額を減少させることと、三位一体改革を具体化して次期経営計画に反映することを求めております。  それから、受信料改革ということで、これは、結論によっては放送法改正にもつながる大きな議論になりますので、相当勇気は要りましたが、もうタブーなく議論していくべき時期が来たと判断をしました。今、もう放送・通信融合の時代を迎えておりますので、受信料制度を含む公共放送のあり方というのはもう喫緊の検討課題ですので、有識者会議に御議論いただくことといたしました。  私から有識者会議に対しましては、例えば、テレビを受信できないモニターが更に普及していった場合どうするのかという課題ですとか、受信設備を持っていないけれどもNHKの同時配信は視聴したいというニーズのある方についてどうするんだというような課題もありますので、専門的な見地から御議論していただくようお願いしております。  加えて、私の問題意識としては、受信料収入の一〇・八%を超える徴収費用、これはもったいないので低廉化をすべきじゃないかということもございますので、有識者会議にはこれから御検討いただく段階ではございますけれども、諸外国の公共放送における受信料制度も参考にしながら、また、国民・視聴者の皆様から十分な御理解が得られるかという観点も踏まえて検討を進めてまいりたいと思っております。
  98. 小林史明

    小林(史)委員 ありがとうございます。ぜひ力強く改革を進めていただきたいと思います。  特に、先ほどの受信料の徴収費用ですね。七百億円を超える徴収費用を、払っている人たちが負担をしているということなんですね。払っている人たちが払っていない人の分を負担しているというのは、これはとてもアンフェアな話だと思いますから、ぜひそれも含めて改革を進めていただきたいと思います。  次に、NHKのネット配信事業について問いたいと思います。  NHKのネット配信が始まりまして、アプリがスタートしているんです。皆さん、ダウンロードされたかどうかわかりませんが、アプリサイトへ行ってみると、口コミの評価が載っているんですね。実は非常に評価は高いんです。これほどいいアプリはなかなかないということで、こういうのを待っていましたという声も多かったんですね。そういう意味では、NHKを視聴される方にとっては非常にいい。まさに先ほど大臣がおっしゃったように、テレビで見れないんだけれども外で見たいんだよねというニーズはやはりあるということです。  そういう意味では、ネットと放送の融合というのはもう早く進めていった方がいいというふうに思いますが、これも何か民放の意見の中で、NHKのインターネット放送が肥大化すると嫌だということがあって、受信料の上限二・五%までしかネット配信の予算は使っちゃいけないという枠が定められています。一定の枠が定まっている方がいいという、安心感があるというのはもちろんそのとおりだと思いますが、何でもかんでもおさめてしまうと、必要なNHKの事業まで縛ってしまうんじゃないかというふうに思っています。  その一つが、やはり海外に向かっての配信事業です。今、NHKワールド等で、各国の放送波で一生懸命流しているということなんですが、今後、他国のライバルと競い合うことを考えると、実は資金的に見れば全然かなわないんですね、地上波で参入しようとすると。そうすると、インターネットで世界じゅうに配信をして、多くの方に日本のことを伝えていくというのが重要な戦略になるわけです。  ですが、今回、残念ながら、この二・五%上限の中に海外へのネット配信も実は含まれてしまった。このまま含まれ続けてしまうと海外への発信に足かせになってしまうので、私は、これは整理をして外すべきだというふうに思っています。そして、その先にぜひ描くべき未来は、このNHKのネット配信に民放のコンテンツも乗っけて、互いにグローバルマーケットをとりに行く、そういう成長戦略まで描く。それがあって初めて、民放とNHK、二元体制でグローバルな市場をとりに行く、こんな前向きな改革になるんじゃないかと思います。  そういう意味で、二・五%からNHKの海外配信については外す、ぜひ検討いただけないでしょうか。いかがですか。
  99. 吉田眞人

    ○吉田政府参考人 お答え申し上げます。  今委員指摘のインターネットの関係にございましては、昨年の十一月に、NHKのインターネット活用業務に関しまして総務省の基本的考え方というものを公表させていただきまして、その中で、国際インターネットの活用業務については適切なものと認めつつ、適正なコストで実施すること、さらに、令和二年度には、これは昨年秋の時点での見通しでございますけれども、二百十五億円の赤字が想定されていたということを踏まえまして、令和二年度について、費用の上限は、オリンピック・パラリンピック東京大会に係るものを除き、今御指摘のように、受信料収入の二・五%を維持することが望ましいという考え方を表明させていただきました。  これは、NHK全体の経営の中で、重要な一部としてインターネット活用業務が推進されるということで、全体としての赤字が想定されている中でどの程度の費用を新たにかけていくのかといった、適切かという観点から、ひとまずそれまでの水準である二・五%を維持することでどうかという考え方を示させていただいたものでございます。  NHKにおかれましても、これを受けとめていただきまして、結果といたしまして、インターネット活用業務の実施基準を、現行のものを認可をさせていただきまして、令和二年度につきましてはこの範囲で、NHKにおいて国際配信も含めて適切な配分で業務を実施していただきたいと考えております。  さらに、今後ということでございますけれども、NHKは、令和三年度以降、中期の経営計画ということを策定をすることになっておりまして、その中で、NHK全体といたしまして、今委員指摘の業務改革、規模感も含めた三位一体改革を具体化をしていただいて、その中でもインターネット活用業務のあり方を示していただけるのではないかと思っております。  さらに、現在試行中であります、また来年度から本格実施になる、今ここでも御指摘のNHKプラスの利用実態なども踏まえまして、その上で、NHKにおいてインターネット活用業務の実施基準の見直しが必要ということであれば、総務省といたしましても、十分にお話をお聞きして、適切に対応していきたいと思っております。
  100. 小林史明

    小林(史)委員 ありがとうございます。  加えて、今度は、ちょっとNHKの視聴率の話に入りたいと思います。大臣、大丈夫ですか、このまま座っていていただいて、せっかくなので聞いていただきたいんですけれども。  あり方検討会でもう一個、私が検討した方がいいと思っているのは、NHKの人事評価だと思うんですね。  どうも中で聞いていると、まず、国際部門が人事的には余り評価されていない。もう一つは、どうしても番組の視聴率でやはり評価されているということなんですよ。どう聞いたって、表で聞いても、やはり視聴率で評価していませんと言うんですけれども、中から聞くと、どうしても視聴率で評価している。  今回の機なので、ぜひちょっと教えてほしいんですけれども、それを明らかにする上で。何でNHKの地方局は、今プロ野球の放送をやるんでしたっけというのを聞きたいと思います。視聴率をとる必要がないんだったら、プロ野球なんて民放がやればいいんですよ。でも、何で今プロ野球の放送をやっているんですかというのを、ちょっとNHKさん、教えてください。
  101. 木田幸紀

    ○木田参考人 お答えいたします。  NHKは、スポーツ放送に関しても、公共放送にふさわしい多様で良質な番組を視聴者に届けることに努めておりまして、プロ、アマチュアを問わず、幅広く各種のスポーツを取り上げています。  プロ野球の中継につきましては、視聴者のニーズに応えるために必要であると考えており、プロ野球ファンの幅広い期待に応えられるようにするために、十二球団全ての試合を放送しております。
  102. 小林史明

    小林(史)委員 広島でカープ戦を放送すると、視聴率は三〇%いくんですよ。だから民放は流したくてしようがないんですね。ほかの局だってそうですよ。だから、これはやる必要はないんですよね。  では、二元体制で何か役割分担があるとすると、パラスポーツをやるとか、もっと、まだメジャーになっていないスポーツを取り上げていただくことが、本当はNHKと民放の役割分担上あるんだと思うんです。なんですけれども、いまだプロ野球をやり続ける。こういうことは見直していかなきゃいけないと思うんですね。  その上で、ぜひ利用していただきたい指標があるなと思うんです。  そもそも番組を評価する上での指標が視聴率しかないからどうしても視聴率に偏るということだと思うんですが、実はNHKに聞くと、番組の質的調査というのをやっていますと。これは、お配りした資料の一番最後のページなんですね。  どんな項目で調査しているかというと、十指標なんです。丁寧に取材、制作されている、正確な情報を迅速に伝えている、新しい切り口や演出に挑戦しているなどなどですね。まだあります。さらに、社会的な課題について考えているか、次世代の育成につながる、生活に役立つ情報やヒントが得られる、人生を豊かにする情報やヒントが得られる、くつろげる、リラックスできる、わくわく、どきどきする、感動できる、心に残る。これをウエブで調査をしているということなんです。でも、これは全く世の中に公表されていないですし、どうもNHKの中でうまく活用もされていないと聞いています。  さらに、調査のサンプル構成を見れば、調査エリアを見ると、総合テレビ、Eテレは関東地区しかとっていないんです。こういうものをきちっと全国でとって番組ごとに公表すると、視聴率以外に、ああ、なるほど、質的にいい番組だったなということが国民にもわかり、評価につながる、そしてそれがNHK職員の中の評価にもつながる。これが実は根本的にNHKの改革のモチベーションを上げていくことに私はつながるんだというふうに思います。  そういう意味で、この指標について、より公表をし、活用することを検討いただきたいと思いますが、NHK、いかがですか。
  103. 木田幸紀

    ○木田参考人 番組の評価につきましては、視聴率も指標の一つではあるんですが、公共放送としては、それだけではなく、質の高い番組を届けることが重要であると考えており、多面的な評価を行っております。  一つ一つの番組の視聴率だけではなく、一定の期間内にどれだけの方々にNHKの放送に接していただいたかをはかる接触者率、あるいはチャンネル別の放送の質に関する調査も定期的に行っています。こういったもののほかに、番組審議会での御意見やモニター報告、コールセンターに届く視聴者の皆さんの声なども参考にさせていただいております。こうした評価につきましては四半期業務報告でまとめて紹介して、NHKのホームページなどで広く公開しております。  番組ごとの質の調査も、今御案内のように行っているんですが、それぞれの番組の狙いなどの特徴によって数字の出方が異なるということがあります。単純に比較されると誤解を招くおそれが大きいと今は考えております。公表するにはまだ検討の余地がちょっと大きいかなと考えておりまして、内部で活用して改善に生かしております。  委員からの御指摘、御趣旨を踏まえて、引き続き研究してまいりたいというふうに考えております。
  104. 小林史明

    小林(史)委員 今回も、この資料を出すのは初めてだったということで、その点で前向きに検討を進めていただいているということだと思って感謝したいと思います。  実際に、ネットで調べると、さっきの四半期報告が出てくるんですね。そこには実は十四項目あって、それぞれ期待度と実現度ということであるんですが、こっちの十項目になくてこちらの四半期にあるもの、例えば、「教育・福祉・人にやさしい放送」というのが七四・九に対して五九・三と。だから、そういう意味でも、やはりプロ野球じゃなくて、パラスポーツというのは、本当はニーズはあるんですよ。  だから、こういうことも含めてぜひ検討いただきたいということをお願いして、質問を終えたいと思います。  ありがとうございました。
  105. 大口善徳

    大口委員長 次に、國重徹君。
  106. 國重徹

    國重委員 おはようございます。公明党の國重徹です。  NHK予算の具体的な質問に入る前に、いわゆるかんぽ、NHK問題、これに関して、NHK経営委員会の情報公開のあり方につきまして、何点かお伺いしたいと思います。  今般のかんぽ、NHK問題におきまして、NHK経営委員会がNHK会長に対して厳重注意を行っております。これが個別の放送番組の編集に介入することを禁じた放送法三十二条に抵触するんじゃないか、そのやりとりを明らかにするためにも議事録を公開すべきだ、こういった指摘がされてまいりました。  これに対して、経営委員会は、議事録の一部非公表を定めた経営委員会議事運営規則に基づいてその公表を拒んできましたけれども、この対応について、国会あるいはメディア等で厳しい指摘がなされ、議事録を簡略化した議事経過が公表されることになりました。  その後、今月二日に、その議事経過に記載されていない発言内容が新聞報道されまして、今般、経営委員会全員の了解を得た議事経過を具体的に補足する文書、具体的には「郵政三社からの申し入れに関する経営委員会での対応の経緯について(案)」と題する文書が我々国会に示されるに至っております。この補足文書を出したことについては、評価をいたします。  その一方で、なぜもっと早い段階でこういう公表ができなかったのか、そう思わざるを得ません。対応が後手に回ったことで、さまざまな疑念を抱かれかねない、そういう状況が生じてしまった。  厳重注意の内容について、高市大臣は、現時点においては放送法に直ちに抵触するものではない、こういう趣旨のことを言われておりますけれども、経営委員会としては、これは違法でなければいいというわけではありません。経営委員会は、国民の受信料で成り立っているNHKを監督する立場にあります。だからこそ、経営委員会の議事録については、経営の透明性を確保する観点から、放送法四十一条に基づいて、その作成、公表を行うこととされています。  そういう立場にある経営委員会として、今回の対応は適切だったのか、メディアの後追い、自主的というより他律的な、後手後手の対応ではなかったのかと、反省すべき点はさまざまあると思います。  そこで、今回の問題をめぐる議事録や議事経過といった情報公開に関する反省点を経営委員会としてどう捉えているのか、お伺いいたします。
  107. 森下俊三

    ○森下参考人 お答えいたします。  郵政三社からの申入れに関するやりとりにつきましては、あくまで非公表を前提とした意見交換の場で行いましたが、経営委員会が会長に注意を申し入れたことの重要性や経営委員会の透明性という観点から考えれば、会長へ注意したことは議事録で公表すべきだったと反省をしております。このため、昨年十月には議事経過を公表し、更に今回、議事経過を補足する資料作成いたしました。  委員指摘のように、議事録の扱いや議事の公表については、視聴者の皆様にわかりやすく説明することができず、結果的に今回の問題で世間をお騒がせしたことにつきましては、厳しく受けとめております。  当時の経営委員会のやりとりにより、視聴者・国民の皆様に誤解を与えてしまったことにつきましては、大変申しわけないと反省をしております。  放送法第三十二条の規定のとおり、経営委員会が個別の放送番組の編集に関与できないことは十分認識しております。経緯を確認する中で、過去の番組に関する意見や感想も出ましたが、そのことで経営委員が番組編集に介入したのではないかという疑念を持たれてしまったことについては反省をしております。  経営委員会に課せられている役員の職務の執行の監督という責務を果たす上で、状況によっては番組について意見を述べ合うこともあり得ると考えますが、これからは、番組編集の自由に一層配慮し、個別の番組についての発言には疑念を持たれないように慎重を期してまいりたいと思います。  以上、お答え申し上げました。
  108. 國重徹

    國重委員 真摯な反省をした上で、今後どうしていくのか、これが肝になってまいります。  放送法四十一条の趣旨である経営の透明性を確保する観点から、この四十一条では、「委員長は、経営委員会の終了後、遅滞なく、経営委員会の定めるところにより、その議事録を作成し、これを公表しなければならない。」と定められておりまして、原則、議事録は公開となっております。  経営委員会議事運営規則には一部を非公表とすることについての例外規定が設けられておりますが、例外は厳格にという法の大原則からいたしまして、非公表とする部分は最小限にとどめるべき、これは当然のことであります。  そういったことから、今回の事案の対応はどうだったのか、一昨年の時点ではやむを得ない面もあったかもしれませんけれども、その後の状況変化を踏まえて、非公表とし続けていることが適切だったのか、主体的に再検討することもできたのではないかというふうに思います。  予算や経営計画、事業プランなどに関する議事録は、公表できるようになってからさかのぼって公表するような取扱いをしている、このように聞き及んでおります。今回の件を真摯に反省をして、今後は、非公表としている議事録について、一定期間経過した後に非公表とし続けることが適切なのかどうなのかと主体的に再検討するという方針を決めて、それに従った運用をとることも一つだというふうに思います。  こういったことを含め、今後、経営委員会として、放送法四十一条の趣旨を踏まえて、経営の透明性を確保するための情報公開に今後どのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。
  109. 森下俊三

    ○森下参考人 お答えいたします。  経営委員会は、説明責任を果たし、視聴者・国民の御理解をいただけるよう、より一層、経営委員会議事録の透明性を確保してまいります。  経営委員会の議事録は、委員指摘のように公表が原則でございますが、人事や個人のプライバシーに関する事案、あるいは自由な意見交換をすることが必要な議題など、非公表とすることがふさわしい案件もありますので、放送法第四十一条及び内規に基づき非公表とする妥当性の判断を更に厳格にいたしてまいりたいと思います。  委員会における議題の検討に当たりましては、自由な意見交換は必要でございますので、自由な意見交換や議事録のあり方など、今後の透明性の確保につきまして、次の経営委員会で具体的に検討してまいりたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。  以上、お答えいたしました。
  110. 國重徹

    國重委員 真摯な反省の上に立って、実効的な取組、本気の取組をぜひお願いしたいと思います。  次に、NHK令和二年度予算に関して具体的にお伺いします。  いよいよ、この新年度からNHK番組のインターネット常時同時配信が本格始動いたします。この常時同時配信を含めたインターネットの活用業務は、放送と通信の大融合時代におきまして重要な業務である一方、民業圧迫とならないように、それに関する費用を、東京オリンピック・パラリンピック関連業務の費用を除いて、受信料収入の二・五%のうちにおさめた、このことは評価をしたいと思います。  その上で、今回の予算を見てみますと、令和元年度に引き続いて事業収支差金が赤字となっております。しかも、その赤字幅は前年度より増大をしております。NHKは特殊法人でありまして、意識しなければ業務は肥大化しがちであります。  そこで、前田NHK会長にお伺いいたします。  今回のNHK予算において、どのように既存業務の効率化を図って支出を抑制したのか、また、令和二年度以降、黒字転換に向けてどのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。
  111. 前田晃伸

    前田参考人 お答え申し上げます。  番組制作では、2K、4K番組の一体制作の推進等によりまして番組制作費の削減や、取材、制作した番組素材を多角的に番組や企画に展開する取組等の推進、番組制作プロセスの見直しや制作期間の短縮等によりまして経費の削減に取り組んでおります。このほか、ポータルサイトの統廃合や既存アプリの廃止などのインターネット活用業務の見直し、設備整備における補修対象の精査などによりまして、百億円規模の支出の抑制に努めております。  昨年度、受信料の値下げを発表した際の見通しでは、事業収支差金は、令和四年度までの間はマイナスが続き、令和五年度には黒字に転換すると見込んでおりますが、一層の業務改革の推進などによりまして経費削減を行い、赤字額を減少させるとともに、早期の黒字を目指したいと思います。  具体的には、次期経営計画において改めて収支の見通しをお示しいたします。  以上です。
  112. 國重徹

    國重委員 今般のNHK予算等に対する総務大臣意見の中におきまして、受信料契約などの手続をする訪問員に対する苦情が、二〇一八年度で約三万七千件NHKふれあいセンターに寄せられたとの指摘がありました。同じく二〇一八年度に全国の消費生活センターに寄せられたNHK関連の相談は八千百二十四件。これは、一つの企業に対する苦情としては非常に数が多いです。その中には、女性の単身世帯に深夜に訪問する、訪問員が名前や訪問目的を言わない、土足で上がり込む、これはひどいんじゃないかと思われるものも数多くあります。  受信料徴収は、一般の勧誘などとは性質が異なりまして、特定商取引法の適用外ともなっております。ただ、だからといって、何でもしたらいいわけではなくて、一定の節度を持って訪問活動するのは当然のことでありまして、自主ルールを定めて、それを徹底し、実際の勧誘にまずいところがないのか、訪問活動にまずいところがないのかとしっかりチェックをして、見直しを行う必要があります。  NHKは、この受信料徴収の苦情についてどう認識しているのか、そして、それを踏まえて今後どのように対応していくのか、お伺いいたします。
  113. 松原洋一

    ○松原参考人 お答えします。  受信料の支払いや受信契約をいただく際は、受信料制度の趣旨をよく説明して御理解をいただくことが何よりも大切だというふうに考えています。  訪問員に対しては、公共放送NHKの役割や受信料制度の意義について丁寧に視聴者に説明するよう、講習会や現地の指導などで努めているところであります。  苦情等については、主にNHKのコールセンターに寄せられることになっていますので、訪問員の対応に問題がある場合は、内容を把握して、法人委託先の指導に任せるのではなく、NHKの職員が必要に応じて直接指導を行い、再発の防止に努めるということをやっております。  こうした取組を受けて、今委員の方からも件数の報告がありましたけれども、昨年度は月間平均にすると三千件をちょっと超える件数が、訪問員の対応に関する苦情がありましたけれども、今年度は、現在のところ、一カ月平均二千四百件台まで減少をしているということです。  おっしゃるように、今後も、訪問員の育成をしっかりと重点を置いて、視聴者に対する丁寧な説明に努め、先ほど御指摘がありましたような行き過ぎた契約勧奨とか収納活動が行われないように、しっかりと指導を徹底していきたいというふうに思います。
  114. 國重徹

    國重委員 ぜひよろしくお願いします。  その一方で、受信料の徴収に回る徴収員さんの御苦労というのもあります。一部の人だけがこの受信料を負担して、支払い義務のある一部の人がそれを逃れる、こういった不公平がまかり通ってはいけないと思います。受信料の公平負担をどう図っていくのか、受信料徴収のあり方も含めてしっかりと考えていかなければならない問題であります。  この点、二月二十一日の放送をめぐる諸課題検討会におきまして、公共放送の在り方に関する検討分科会の設置が決まり、その中で、受信料制度のあり方も含めて議論していくことが決まったと聞いております。  今、若者のテレビ離れが顕著であります。二〇一八年にビデオリサーチの出したテレビ調査白書によりますと、二十歳から三十四歳の二十時台のテレビ個人視聴率は、二〇〇〇年に比べて十ポイント以上も下がっております。この背景には、ユーチューブを始め、さまざまな動画配信サービスが広がる中で、テレビは要らない、ネットで十分だと考える人がふえていることもあります。昨年末からは、テレビを単にモニター画面として利用するチューナーレス液晶テレビというものも売り出され始めました。動画の配信サービスも、月額五百円とか千円程度でさまざまなものが提供されております。  一方で、NHK受信料は、地上波で月額千二百六十円、衛星通信料も入ると月額二千二百三十円、この負担がテレビを買うと漏れなくついてくる。そういう状況の中で、テレビは持たない、こういう生活スタイルを選ぶ人もふえていると思われます。放送と通信の大融合時代にあって、NHK受信料のあり方についてはさまざまな検討が必要と思います。  高市総務大臣、今回、大臣の主導で、公共放送の在り方に関する検討分科会が立ち上げられて、受信料制度のあり方についても議論されることとなっておりますけれども、この会議を立ち上げるに至った大臣の思い、また、この会議にかける大臣の意気込み、これについてお伺いいたします。
  115. 高市早苗

    高市国務大臣 今、國重委員がおっしゃっていただいたとおり、通信・放送融合の時代を迎えております。  若い方々のテレビ離れが進んでいて、視聴環境も大きく変化しております。だから、受信料制度を含む公共放送のあり方というのは、難しい課題ですが、未来への責任として、今検討を始めなければ間に合わなくなる課題だと考えました。  私からは、有識者会議に対して、先ほど國重委員が御紹介いただいたとおり、テレビを受信できないモニターが更に普及した場合にどうするのか、これはもう受信料収入にかかわってくる話ですし、また、受信設備を持っていないけれどもNHKの同時配信を視聴したいとおっしゃる方のニーズにどのように対応すべきかという課題について、専門的な見地から議論していただくようにお願いをしました。  また、先ほど申し上げましたが、やはり受信料収入の一〇・八%を占める徴収費用、これはもったいないので低廉化をしていただく。また、マイナンバーカードを活用した手続の電子化といった工夫も考えられるのではないかと思っております。  これから本格的に御検討いただく課題ではありますが、諸外国に多くの例もございますので、さまざまな情報をしっかりと集めて御議論をいただきたいと思っております。
  116. 國重徹

    國重委員 ぜひよろしくお願いします。  最後に、ちょっと時間の関係で、私の言いっ放し、要請で終わらせていただきたいと思いますけれども、NHKというのは国民の受信料で成り立っております。広告収入で成り立つ民間とは違います。公共放送という特殊性を持っているからこそ、より国民・視聴者の目線に立って、真に役に立つ情報発信をNHKは行っていく必要があると思いますし、そのような放送を国民は望んでいると思います。  この点、例えば、国民の皆様からいただいた税金によって、予算措置としてさまざまな支援策が講じられております。ただ、知らなければ活用できない、そういった支援策も多くあります。他方で、支援を求めている人は、高齢者とかシングルマザーとか、情報弱者であったり、あるいは、小規模事業者で幾つも仕事をかけ持ちしてなかなか支援策の情報に触れる機会がないような人たちもいらっしゃいます。国としても、当然広報には取り組んでいますけれども、ポスターやパンフレットでは十分には届きません。  そこで、潜在的なニーズも含めて、国民が求めている支援策等の情報についても、公共放送として、わかりやすく説明したり、国民のもとに届けていくような取組を行うということが私は重要ではないかと思います。これはもちろん、政権万歳みたいなことではなくて、一党一派に何か偏るとかではなくて、不偏不党の立場から、ただ国民のニーズに応じたものをやっていくということが私は重要なのではないかと考えております。  インターネットの影響力、これは増大しておりますけれども、自分から情報を主体的にとりに行く必要があるインターネットに比べて、テレビは受動的でも情報が入ってくるために、影響力は今なお大きいと言えます。
  117. 大口善徳

    大口委員長 時間が来ております。
  118. 國重徹

    國重委員 はい。  そこで、こういった国民のニーズを踏まえた放送を更に充実させていただきたいことを御要望いたしまして、私の質問を終わります。  ありがとうございました。
  119. 大口善徳

    大口委員長 次に、山花郁夫君。
  120. 山花郁夫

    ○山花委員 立国社共同会派の山花郁夫でございます。  先般、当委員会地方財政計画また地方税法の改正案に関連いたしまして、昨年の台風被害のことについて政府に対しての質疑をさせていただきましたが、その文脈で、きょうはNHKでもこのことから入ってまいりたいと思います。  今、机上配付されております、放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求める件というのがございますが、その二十五ページにも書かれております。NHKの令和二年度収支予算、事業計画及び資金計画の冒頭の計画概説のところですけれども、先ほど前田会長からも趣旨の説明ということで、放送法に基づく公共放送の原点を堅持し、公平公正で正確な情報を伝え、命と暮らしを守る防災・減災報道に全力で取り組みます、こういうことが書かれ、また先ほど述べられました。  今、委員の間での御意見の中でも、発言の中でもありましたけれども、NHKというのは公共料金で成り立つ公共放送ということであります。民放と違いまして、スポンサーに都度御理解いただいて、ちょっと差しかえますからねということではなくて、いざとなれば、ほかの番組を脇に置いてでも台風だとかそういうことについて報道するというのは、これはNHKのある意味アイデンティティーといいましょうか、存在意義だと思うわけであります。  そういう意味からすると、全力で取り組むというのは、ちょっと厳しい言い方をすると当たり前のことのような気がいたしますが、あえてこうやって言われているこの具体的な中身について、どのようにお考えかということをお聞かせいただきたいと思います。
  121. 前田晃伸

    前田参考人 お答え申し上げます。  災害時や災害発生のおそれがあるとき、NHKは、公共放送、公共メディアとして命と暮らしを守る報道の使命を果たすため、全国と各地域において、テレビ、ラジオ、インターネットを駆使して情報発信を強化しております。  災害が発生した場合、地域の放送局には、報道を始め技術や総務など、本部や被災地以外の地域放送局のさまざまな部局から速やかに応援要員を送り、放送・サービスやロジの支援を行い、NHKが一丸となって、二十四時間体制で防災・減災報道や生活情報の発信に当たっております。
  122. 山花郁夫

    ○山花委員 その上でなんですけれども、私、東京といいましょうか、少し広くいうと関東の人間なものですので、昨年、台風の十五号そして十九号で大変大きな被害が関東ではございました。  今御説明ありましたけれども、頑張っておられると思うんですけれども、これは批判して言っているということではなくて、実際に、例えば南房総の、十五号の件ですけれども、あのときはちょっと内閣改造のタイミングが重なって、組閣の報道との関係でということもあったのかもしれませんが、それだけではなくて、ちょっと速報性のところでどうなったんだろうかとか、あるいはSNSなんかでも、実際に自分のところはこんな被害に遭っているのに全然報道されないんだみたいなことがあったりとか、そういったことがあったと思います。  また、十五、十九に関して言うと、非常に被害が広範だったものですから、どうしてもそういったことというのはいろいろなところであったのかなと思うんですけれども、そういったことを踏まえて、やはりそういうことをちゃんと検証して今後に生かすことも大事だと思うんですけれども、この件に関して、どのようにNHKとして評価されているんでしょうか。
  123. 木田幸紀

    ○木田参考人 お答えいたします。  大規模な停電が発生した台風十五号、台風十九号とその後の記録的な大雨では、NHKは公共放送、公共メディアとして命と暮らしを守る報道を実践するため、テレビ、ラジオ、インターネットとあらゆる伝送路を使ってニュースや情報をきめ細かく伝えました。  いずれの災害も、早目の避難の呼びかけや、その後の浸水や土砂災害、それに停電などの被害のほか、生活への影響について連日放送しました。特に台風十九号では、総合テレビで三日間終夜にわたって放送しました。  また、各地の放送局では独自の地域向け放送枠を設けて、地域に密着した災害情報を提供し続けました。このほか、L字放送やライフライン放送、NHKオンラインやニュース・防災アプリで長期間にわたって伝えたほか、訪日外国人や在留外国人向けにはウエブサイトや英語放送で情報を発信しました。  被害情報に加えて、生活情報を伝え続けたことに評価をいただきましたが、命を守る報道はもとより、その後の生活支援の情報にも大きな求めがあると認識しており、しっかりその役割を果たしてまいりたいと考えております。特に台風十九号につきましては、極めて広い範囲で河川の氾濫や堤防の決壊などが同時多発的に発生し、被害の全容の把握が困難だったんですが、自治体別にきめ細かい情報を放送やインターネットでお伝えしました。  災害が激甚化、広域化する中、視聴者に頼りにされる公共放送、公共メディアであるため、必要な情報をきちんと届け切ることができるよう、今後もさまざまな工夫をしながら、防災・減災報道に取り組んでまいりたいと考えております。
  124. 山花郁夫

    ○山花委員 何か非常にポジティブな評価をされているように聞こえるんですけれども、もちろん、非常に頑張っておられたとは思います。それを否定しているわけではなくて、やはり何か、問題点があって、それを今後に生かしてほしいなと思うわけでありまして、そういう意味からも、どうしても人間は後になれば賢くなりますので、後づけの話かもしれません。しかし、その後づけで、もっとこういうことがあったじゃないのよという話が、今、ネットなどでも結構書かれておりますから、そういったこともちゃんと拾っていただいて今後に生かしていただきたいと思うわけであります。  もう少し具体的にお話をいたしますと、もちろん、防災とか減災ということでNHKが大変重要な役割を果たしてきたし、今後もそうあるべきだと思いますけれども、ただ、どうしても予算とかマンパワーには限りがあります。先ほど会長からも、いざというときは応援要員をという話がありました。恐らく現場の記者の方というのはNHKで千三百ぐらいかなと承知をいたしておりますが、記者の方だけではなくて、いざとなれば営業の人だとかいろんな方を動員してという形で態勢はとられるんでしょうけれども。  ただ、繰り返しになりますけれども、やはりそれでも要員というのは限界がありますので、今回こういった事態が起こりました。十九とか十五号というのは大変大きな被害でした。もちろん、それ以上のこともあり得るのかもしれませんけれども、少なくとも、これほど大規模ので、私が何で先ほどからそういう指摘をしているかというと、実際にやはりできなかったこともあるよねということはちゃんと確認をする必要があると思うんですよ。  その上で、例えば今のマンパワーの中で、ここまではできます、ただ、それ以上についてはやはり難しいんじゃないかというようなことがはっきりと示されてしかるべきではないかと思うんですね。それがなくて、現状のところで何とかやるだけはやります、全力でやりますなんということをやって、あれもやれ、これもやれみたいな話になると、それこそ、働き方改革だ何だと言っている中で、現場の気合いと超過労働に頼るみたいなことになってもこれはいけないと思うわけであります。  ですので、かつては地方のNHKの支局なんかへ行くと泊まり込みでみたいなことが常態化していた時代があったようですけれども、最近はそういうことももうなくなってきたと聞いておりますけれども、何か、全力でやりますということと効率性みたいな話と相矛盾するような話で、もし、今のマンパワーで全力でやります、これもやります、あれもやりますなんというと、むしろ逆戻りをしてしまうおそれもあると思うんです。  つまり、一定のところまでは、これはNHKの使命として絶対やりますというような、ある程度、今まで出されている資料とか御意見とか見ても、そういったかちっとしたものがなくて、ある意味何か、頑張りますとか努力しますとか、こういうことも評価していただいています、それはそれでいいんですけれども、そういった何か指標みたいなものがはっきりとしていないと、例えば、総務省から効率化しろと言われたときに、大臣を前に恐縮ですが、いやいや、絶対これだけはやらなきゃいけないからここは確保させてくれとか、そういった話があってしかるべきだと思うし、逆に、マンパワーはこれだけなのでこれ以上のことは難しいんですよというような限界というのがはっきりしていていいと思うんです。  何かその辺がふわっとしていると、何かやるたびに、NHKというのは肥大化するんじゃないか、そういう懸念があるというのは、やはりそういう説明をちゃんとしてほしいな、このように思うわけですけれども、こういったことが私は必要ではないかと思うわけです。  ちょっと、今、今回のこれについて改めて出し直せという話にはならないと思いますので、今後そういった形で、ある程度見える形で、数量化したりとか、守備範囲はここまでですとか、そういったことをやる必要があると思うんですけれども、この点、御見解をいただきたいと思います。
  125. 前田晃伸

    前田参考人 大地震、それから津波、それから短期間に局地を襲う豪雨などが頻発しております。これをどこまで報じるかという意味で、目標値を定めるのは率直に申し上げて大変困難でございます。  災害対策基本法では指定公共機関となっておりますNHKといたしましては、命と暮らしを守る防災・減災報道、災害報道によりまして、視聴者・国民の皆様から託された使命を果たすことが責務であると考えております。  一方で、御指摘のとおり、限りある経営資源をいかに生かして計画的に取り組むかということは大変重要でございます。さまざまな災害を想定して、基盤となる報道取材体制充実を図ることといたしております。  来年度につきましては、航空取材体制、ヘリコプターでございますが、ヘリの強化、独自の火山監視カメラ、これは増設です、それから外部ロボットカメラの整備、ライフライン情報の支援体制充実、それから安心、安全の拠点となる地域の放送会館の建てかえ等を行いまして、災害報道の強化に努めてまいります。
  126. 山花郁夫

    ○山花委員 数量的な目標値というのは困難だ、こういうお話ではあるんですけれども、数値であらわすかどうかは別といたしましても、ある程度のやはり指針みたいなものがないと、果たして本当に適正なのかどうか、規模とか人員とか、そういったもののいわば物差しがなくて、何となくイメージで、適正なのか適正じゃないのか、肥大化しているんじゃないか、そんなことないみたいな議論になっているような気がいたしますので、数値の形かどうかは別といたしましても、御努力いただきたいということは申し上げたいと思います。  これは、私、二年前のNHK予算のときにも申し上げたんですけれども、前の会長でしたので、改めてちょっと自身の経験からも申し上げたいんですけれども、三・一一の東日本大震災のときに、当時、民主党政権の時代でしたので、私も政府側としてお仕事をしておりました。岩手の、決して期間は長くないですけれども、災害対策本部長を務めておりまして、被災地も回っておりました。  そのときの経験からいたしますと、今、先ほども御説明ありましたけれども、実際に避難所で避難されている方、かなり長期にわたっておりましたので、例えば、ちょっと地震があって一時的に避難するとか、この間の台風みたいに、この間といっても十九号で、済みません、私の地元の話なので、一晩でした。十五の南房総はもっと長期だったかもしれません。長期で体育館だとか公民館で生活されている方にとっては、もちろん、それぞれニュースの役割として、全国に今こんなことが起こっているというのを伝えるということも大事かもしれませんけれども、現場で避難生活を送られている方にとっては、ここでこんなことがありましたとか、平たく言えば、何人亡くなりました、今回これだけの数がという話よりも、よっぽど、先ほどから御紹介あった生活情報の方が大事であると。  どこのスーパーがあくようになったんだとか、当時、避難生活が長くて、ライフラインもやられていました。お風呂も入れない状態でしたから、どこどこの銭湯がどうやらあくらしいぞ、よっぽどそっちの方が生活にとって必要なことだし、必要な情報なんですよ。  当時そのことも申し上げまして、何かここのところ、L字形になって、生活情報というのも入れていただくようになって、それは大変よかったと思うんですけれども、それを見ながらまた更に改めて思ったんですけれども、家でテレビを見ている状態ですと、あれで多分事足りるというか、非常にありがたいなということだと思うんですけれども、改めて、自分がその避難所の絵をリマインドしたときに、実は、そういう長期で公民館で避難しているところって、テレビがあった印象が余りなくて、ある場所にはあるんでしょう。集会所みたいなところで集まってごらんになっている方もいらっしゃいましたけれども。  長期化しているケースの話です。一晩とか二晩の話ではなくて長期化しているケースですと、だんだんとプライベートな空間が欲しいということで、周りもパーティションで囲ったりとかいう中でそれぞれ皆さん生活していて、そうすると、やはり周りに迷惑かけちゃいけないというので、イヤホンでラジオを聞いているケースが多うございます。  これも二年前に申し上げたことなんですけれども、そうすると、生活情報的なことというのは、例えば岩手ですと、有志の方が集まって、即席でと言うと言い方はよろしくないかな、FMラジオを始めて、生活情報を発信するみたいなことをやっておられました。本当にそれが被災されている方々には役に立つ情報です。  つまり、先ほど、何でもかんでもNHKでというわけにはいかないよねという問題意識の中で、ここまでという話でいうと、例えば、そういう話の中で、集まったときに、テレビの画面でL字形のところで、例えば、FMの地域放送局がこういうのがあって何ヘルツですよと案内を出してあげるとか、そういう形の連携の仕方というのもあると思いますし、また、先ほど南房総の件で言いましたけれども、千葉の場合はUHFの千葉テレビがローカルとしてあるぐらいなんですけれども地方に行くとローカル局がありますから、先ほどはちょっと違う文脈で、あれは4K、8Kの話だったでしょうか、何か民間との連携みたいな話がありましたけれども、そういった局面とはちょっと違うんですけれども、こういった災害時に民間の地方の局と連携をするということも私はあっていいのではないかと思います。  それとあわせて、だから、NHKとしてはここまでやるけれども、ここから先はそういうところに任せるよみたいな発想というのもあってもいいのかなと思うわけですけれども、このあたりについて、御見解があればお聞かせいただきたいと思います。
  127. 木田幸紀

    ○木田参考人 各地域の民放FM局に対しましては、非常災害時に国民の生命財産にかかわる情報を一人でも多くの視聴者に伝えるという観点から、個別に覚書を交わして、非常災害時に限って、一定の範囲かつ民放FM局側の責任で、NHKの災害情報を無償で使うことを認めております。  委員指摘の、昨年の台風十五号では、こうした覚書に基づき、千葉県内の民放FMがNHKの詳しい生活情報を放送に活用するなど、連携して災害情報の発信に取り組みました。こうした覚書は、これまでに百十六社・団体と締結しております。  今後も、地域での民放との連携を模索してまいりたいと考えております。
  128. 山花郁夫

    ○山花委員 きょう、質問の趣旨は、つまり、全力でやるのはやっていただくということなんだと思うんですけれども、その上で、今話があったように、例えば、ここまではできるけれどもという一定の指針があって、そこから先は地域のところに任せますというような、要するに評価の基準があって初めてNHKに対する業務の評価というのができるのではないかと思うわけでありまして、ぜひ、今後ちょっとそういった視点で工夫をしていただきたいということを申し上げておきたいと思います。  それでは、少し話がかわりますけれども、一方で、NHKというのは、先ほどちょっとスポンサーという話をしましたけれども、スポンサーの意向に左右されないでという、非常に、効率性だけでははかり得ないような番組もつくられるんだなというふうに思います。先ほど、質についての議論というものがございました。  さきの総務委員会で、台風十九号で避難した際に、車椅子の方が避難所に行ったけれども、トイレがなかなか対応できなかったということについて、総務大臣にも少しお話をさせていただきましたけれども、つまり、私たちも反省しなきゃいけないのは、どうしても健常者目線で見ちゃうと防災のときに穴があくよね、こういうことだったと思うんです。  今度、ちょっと、オリパラというと、足の不自由な方とか手足のという身体の方なんですが、今回のNHKの予算の中でも、オリンピック、パラリンピックについてということで特出しをされております。  これも二年前の総務委員会で、これは時間の関係でお願いだけしてということで終わってしまいましたが、聴覚障害の方についてはパラリンピックには出場いたしません。デフリンピックというのがございます。デフというのは耳が聞こえないということでありまして、実は、デフリンピック、来年なんですよ。二〇二一年にあるんですが、恐らく世の中、来年デフリンピックがあるなんということを知っている方も余り多くないのではないかと思っております。  先ほど、野球よりもパラリンピックをなんという話がありましたけれども、こちらの方も応援していただきたいなという気持ちがあるんですけれども、特定の、これについて番組をつくれだなんだと言うとちょっと問題がありますので、こういった、少なくとも番組の多様性という中に御検討いただくということはできないでしょうか。
  129. 木田幸紀

    ○木田参考人 聴覚障害のある人たちの国際スポーツ大会であるデフリンピックにつきましては、NHKとしましても、大会が行われる年を中心に、ニュースや番組で随時取り上げてきております。二〇一七年にトルコで開かれた夏の大会では、Eテレの「ハートネットTV」や「ろうを生きる 難聴を生きる」などの番組で、大会に臨む選手の思いや大会での活躍ぶりを放送しました。  二〇二一年の大会の放送計画はまだ決まっていないのですが、聴覚障害のある人たちへの理解を深めるとともに、障害のある人もない人もともに生きる社会の実現に寄与する放送を目指したいと考えております。
  130. 山花郁夫

    ○山花委員 NHKは、「みんなの手話」だとかろうの方のニュースとか、そういうことをやっていますので、ETVの方でですね、御検討いただければ。これは希望として申し上げておきたいと思います。  その文脈でですけれども、二〇一八年にETV特集で放映された「静かで、にぎやかな世界~手話で生きる子どもたち~」という番組がありました。私もこれはビデオで、正直に申し上げると、告白すると、私が撮ったんじゃなくて連れ合いが録画をしていたものを見まして、これが第五十六回ギャラクシー賞でテレビ部門の大賞を受賞しております。大臣、ごらんになっていますでしょうか。見ていなかったらぜひ見ていただきたいなと思いますけれども。  これは、ディレクターも難聴の方が番組をつくられたというふうに聞いております。それぞれの感想はあるんでしょうけれども、私、個人的なことで申し上げると、この番組というのは、音声のナレーションなしで、手話とか字幕とかでずっとやられている。ある学校の日常の光景であるとか、卒業された方が今大学で非常に苦労されているとか、そういう話がありましたし、冒頭の方の寸劇では、以前これもこの場で申し上げた、当時、野田総務大臣でしたけれども、野球のアウトとかセーフとかストライクとかいうジェスチャーというのは、もともと、聾の大リーガーの方がいて、その方がきっかけでつくられたと。それを寸劇で学生さんが演じられているところから始まったりとか、非常に興味深い番組でありました。  何が言いたいかというと、すごく極端な言い方をします、失礼に当たるというか、不愉快な思いをされる方もいらっしゃるかもしれませんが、健常者がつくると、どうしても、健常者目線で、何か、ハンディがある人たちが、かわいそうな子たちが頑張っているみたいなものになりがちなのかなと思うんですけれども、これは本当に、ある意味、当事者的な感覚を持ったディレクターがつくられたんでしょう、非常に、同じような目線でつくられていたのかなということと、だからなんでしょう、かわいそうだとか頑張っているとかなんとかという気持ちじゃなくて、何かこれに応えていない社会の方がおかしいんじゃないだろうかというような気持ちを抱かせるような、そんな番組でありました。  そこで、もちろん健常者の方であったってそういう番組をつくれるかもしれませんけれども、たまたま、ちょっとハンディがある方がつくられたということで、私がそういう気持ちで見ちゃっているのかもしれませんけれども、これは、公共放送ということでいうと、それこそ、スポンサーの意向とかじゃなくて、先ほどの番組の質の話でありましたけれども、そうやって、世に問うだとか、非常に多様性について考えさせるだとか、ちょっとごめんなさい、手元にないので、いろいろ指標があったけれども、さっき話を聞いていて、まさにそういうことだよねというような番組だったし、だからこそ、これは権威ある大賞だと思いますよ、番組で年間一本しかないやつについて大賞をとられた、こういうことでありますので。  私は、一つは、防災とか減災とかそういったところも大事ですけれども、やはり公共放送として、こういった番組づくりというのは非常に大事なことではないかと思います。  番組のことだけではなくて、ある意味、公共の放送局ですから、ここ何年か少し問題になりました障害者雇用、これは役所がやっていたことで、水増し等々、国としてはちょっとお恥ずかしい話です、ありましたけれども、まさにこの事例というのは、その枠で採用された方かどうか、私、承知しておりませんけれども、そういった方でも活躍できる職場であってほしいと思うし、また、別に、ディレクターとか番組制作だけに限らないと思います、営業職であったとしても何であったとしても。  やはり公共放送として、まさにそういうことについて、採用したはいいけれども、何か片手間の仕事しかさせていないみたいなことというのは、これも言葉が過ぎるかもしれませんけれども、現実にやはりそういうところはありますから、そうじゃなくて、それぞれの職員の方が、そういうハンディがあったとしても活躍できる職場であってほしいという希望があるんですけれども、今後、番組制作もそうですし、いろいろな、会社の中もそういった形であってほしいと新会長に期待したいんですけれども、ぜひ前向きなお話をいただければと思います。
  131. 前田晃伸

    前田参考人 NHKでは、障害のある職員も、それぞれの適性に応じて、番組制作を担当するディレクターや、技術、事務など、さまざまな業務で活躍をしていただいております。  また、障害のある方の採用につきましても積極的に行っております。合同企業説明会への参加やNHK独自の説明会の実施、採用ホームページでの職員の仕事紹介などを継続して行ってきております。先月、初めて障害のある学生のためのインターンシップを実施いたしました。  今後も、積極的に採用活動を進めるとともに、障害のある方がより働きやすいような職場環境の整備を進めてまいりたいと思います。
  132. 山花郁夫

    ○山花委員 採用だけではなくて、そういった方々が元気に活躍できる職場ということを努力していただきたいということを申し上げまして、時間が参りましたので、質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  133. 大口善徳

    大口委員長 午後三時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。     午前十一時四十九分休憩      ――――◇―――――     午後三時開議
  134. 大口善徳

    大口委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。奥野総一郎君。
  135. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 立国社の奥野でございます。  きょうは、お時間をいただきまして、ありがとうございます。  まず最初に、インフル特措法の問題について、きょうは宮下副大臣がお見えでございますけれども、伺いたいと思います。  先日、三月十一日、まさに三・一一当日でありますけれども、その日に、同じく立国社の、我が会派の山尾委員の質問に対して宮下副大臣答弁をされています。インフル特措法で指定公共機関というのがありますが、NHKは法律に書き抜かれています。民放は政令で定めれば指定公共機関になることができるんですが、仮にその指定公共機関、民放を指定した場合に、番組の中身について指示できるのかということに対して、こう副大臣答弁されています。民放を指定して、そうしたことであれば、今この情報を流してもらわないと困るということで指示を出す、そして放送内容について変更、差しかえをしてもらうということは、本来の趣旨に合う、そういったことはあり得ると思います、こう答弁されているんですね。  一方、放送法は、三条におきまして、「放送番組は、法律に定める権限に基づく場合でなければ、何人からも干渉され、又は規律されることがない。」、こういうことで、番組内容に対する干渉を禁止しているということなんですよ。  まず、この放送法三条を所管している、放送法を所管している高市大臣に伺いたいんですけれども、このインフル特措法というのは、この放送法三条の法律に定める場合に当たるのか。要するに、宮下副大臣答弁のように、NHK、民放を問わず、指定公共機関となれば番組内容についても指示をして差しかえることができるのかということを、まず、放送法の趣旨に照らして、大臣に伺いたいと思います。
  136. 高市早苗

    高市国務大臣 まず、放送法第三条に規定する「法律に定める権限に基づく場合」というのは、武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律第五十条に定める警報の放送のように、個別の条文において放送事業者に関する特別の措置が明文上規定されている場合に限られます。  よって、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく総合調整や指示は、これに該当いたしません。
  137. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 今、明確に該当しませんということでありますから、指示を出して放送内容を差しかえるということはできない、これはNHKも民放も問わず両方だということで改めて確認をさせていただきましたが、そうしますと、これは宮下副大臣答弁が間違っているということになります。まず、宮下副大臣に、この答弁の撤回を、この総務委員会の場でも撤回をしていただきたいということと、それからもう一点、これはやはり、こういう発言を軽々にしちゃいけないと思うんですよ。放送事業者が萎縮をする。こういうインフルの報道においても政府から指示があり得るということになれば、やはりそんたくをしてしまう、政府の意向に沿うような報道をしなきゃいけないんじゃないかとそんたくをしてしまうおそれがありますから、こういう発言を私は軽々にしてもらっては困ると思うんですね。  なぜこういう発言をするに至ったか。通常は、通告がなければ、通告がありませんでしたからといって答えない、あるいは、ちょっと待ってくださいといって総務省に合い議をして問合せをする、後日答えますということになるんですが、なぜこういう発言をしたのか。もし意図的にやったんだとすれば、これはやはり、放送に対する、私は、重要な報道の自由に対する挑戦だ、干渉だと思いますので、撤回していただくと同時に、なぜこうした発言をよく確かめもせずにしたのかというのを改めて伺います。
  138. 宮下一郎

    ○宮下副大臣 お答えをいたします。  改めまして、委員が御指摘の私の発言を撤回し、心から謝罪を申し上げます。  その上で、経緯を申し上げたいと思います。  三月十一日の衆議院法務委員会におきまして、山尾志桜里委員質疑の中で、民間テレビ局を指定公共機関として指定することは違法か、こういった御質問がございまして、それに対して、まず、違法ではないけれども、国民保護法における緊急の放送のような緊急性は想定されないという新型インフルエンザ特別措置法制定時の議論を踏まえて、民間放送は指定公共機関に加えることは想定をしていないし、現在も指定をしておりませんとの趣旨でまずお答えをしました。  さらに、山尾委員からは、民間テレビ局を政令指定することが違法でないなら、指定をすれば、総理大臣が報道内容に対する指示も法的には可能かとの趣旨で御質問がありまして、私からは、指定公共機関に指定されると業務計画作成していただきますけれども、その際には、報道内容についてまで制限を加えることは想定していないので、報道の自由が阻害されることはないとの趣旨でお答えをいたしました。  その上で、山尾委員から、想定はしていないが、必要があればその報道内容に対する指示も法的には可能である、そういう余地はあるのかとの御質問を重ねていただきました。この御質問に対しまして、新型インフルエンザ等対策特別措置法の枠組みとしましては、指定公共機関に指定された場合には、一般的に、新型インフルエンザ等が発生したときには、「その業務について、新型インフルエンザ等対策を実施する責務を有する。」これは三条に規定されております。このことから、放送法との関係を考慮せずに、放送内容に関する指示をする可能性があるかのような誤った答弁をしてしまったところであります。  しかしながら、委員指摘のように、改めて放送法との関係を整理しましたところ、先ほど大臣がおっしゃったような条文に基づいて、「法律に定める権限に基づく場合でなければ、何人からも干渉され、又は規律されることがない。」という規定があって、国民保護法の場合には、第五十条において警報の放送をしなければならないことが定められていることを根拠とし、また、災害対策基本法では、第五十七条に、基幹放送事業者に放送を行うことを求めることができる、こうしたことが定められていることを根拠としてそうした指示の可能性がある一方で、新型インフルエンザ特別措置法にはそうした条文が置かれていないことから、民間テレビ局等が指定公共機関になったとしても、その報道内容に関しては、政府対策本部長等の総合調整あるいは指示の対象にならないことを確認いたしました。このことは、平成二十四年の参議院内閣委員会質疑でも明確なところであります。  これを踏まえまして、三月十三日の昼の衆議院法務委員会理事会及び三月十六日の参議院予算委員会におきまして答弁を撤回し、おわびを申し上げたところでございます。  まことに申しわけありませんでした。
  139. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 今、国民保護法制についておっしゃいましたけれども、関係ないんですね、ここでは。少なくとも、新型インフルエンザ特措法においてはそういう条文はないわけですから。しかも、今わざわざその国民保護法制についてここで触れる必要はなくて、そういう法体系もあるかもしれませんけれども、やはり報道への介入というのは、政府は絶対にやっちゃいけないし、法律の根拠なしに絶対やっちゃいけないし、法律の根拠もめったやたらに私は発動すべきじゃないと思います。  ですから、思いつきと言っては申しわけないけれども、思いつきでそういう答弁をするのはぜひやめていただきたいし、今撤回されましたけれども、それだけやはり報道の自由というのは、私は大切なものだと思います。  安倍政権は、僕はこの報道の問題にずっと携わってきましたけれども高市さんには申しわけないですけれども、停波の問題とか、あるいは放送改革とか、やはりメディアへの圧力を私は露骨にかけている政権だと思いますから、ぜひそこは慎んでいただきたいと思います。  以上で、NHKの中身に入りたいと思いますので、宮下副大臣は、もうここで結構でございます。  さて、NHKの問題に入っていくわけですが、きょうは森下新経営委員長にお越しいただいています。  これも、NHKの内部とはいえ、報道の中身への私は介入になるんじゃないかと思いますが、例のかんぽ、クローズアップ現代問題についての会長への経営委員会の注意の問題について、これから少し時間をかけてやっていきたいと思います。  最初、ちょっと入り口のところで、通告をしていないんですが、クローズアップ現代、二〇一八年ですか、かんぽ問題について放映後、第二弾をやろうとして、動画をネットにアップしたんですね。情報提供を呼びかける動画をインターネットにアップをしたんですが、その動画が、日本郵政から、三社の、三社長の連名でNHKに申入れがあって、その申入れを受けてすぐに撤回される。それから、八月十日、これは放送予定だった「クローズアップ現代+」という番組の中で取り上げる予定だったんですが、これも放送されなくなるということがありました。  これだけでも十分問題なんですが、要するに、日本郵政側の圧力に屈して番組を、放送を見送ったんじゃないかと疑念が、NHKは否定されていますけれども、あるわけです。それで終わったんじゃないかと思いきや、更に経営委員会の方に鈴木副社長からアクセスがあったということですね。  皆さんにお配りしているこの資料、郵政三社からの申入れに関する経営委員会の対応の経緯について、ここにも書かれていますけれども、九月二十五日に鈴木上級副社長から当時の副委員長、森下経営副委員長に相談があった。NHKのガバナンスがきいていないことと、いまだに返答がない、要するに、八月二日のお手紙に対してNHKから返答がない、おわびがないということについて、経営委員会で対応してほしいという話が、九月二十五日に鈴木上級副社長から森下経営副委員長にあったということであります。  これはなぜ森下さんに相談があったのか。そして、森下経営副委員長は、個人では対応できないので経営委員会に伝えてほしいと回答したということなんですが、これはなぜこの話を受けたんですか。そこで断ることもできたはずですよね。どういう関係で森下委員長、現委員長に話があり、なぜ経営委員会でこの話を議論することを受けたんですか。
  140. 森下俊三

    ○森下参考人 お答えいたします。  日本郵政の鈴木様が来訪されるというのは、その前の週に私の会社の秘書の方に電話がございました。私は、電気通信事業部長のころから挨拶する程度でありますけれども面識はありましたが、阪神高速道路の方に電話がありましたので、ビジネスの仕事だろうということでお会いする日を定めました。それが一昨年の九月二十五日の午前中であります。  阪神高速道路の東京事務所に来ていただいたわけでありますが、そのときに、先ほどお話ししましたように、会社の仕事の関係だろうと思っておったんですけれども、先ほど委員がお話ありましたように、NHKのガバナンスがきいていないよ、返事が、もらっていないよということがありました。当然これは、私は、個人では対応できるお話ではありませんので、そういうことであれば経営委員会に言ってくださいということでお答えをしたわけであります。  以上、お答えいたしました。
  141. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 これはやはり、経営委員会で受けるというのは非常に重たい判断なんですよね。経営委員会というのはボードですし、きちんと議事録を残せと言っている場でもあります。そういう場で受けるということは、それなりのやはり判断があったと思うんですね。  なぜ、まあ、返答がないということについておかしいと思ったのか、あるいはガバナンス上問題があるというふうに考えられたから、これを受けられたんでしょう。
  142. 森下俊三

    ○森下参考人 お答えいたします。  先ほどお話ししましたように、私は全くそういうことは予想もしていませんでしたが、ガバナンス上問題があるというように言われれば、これは経営委員会で対応しないといけないのかなということで、経営委員会に申し出てほしいということをお話ししました。個人で判断できることではないという意味であります。
  143. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 これは、鈴木さんだから会われたんじゃないですか。一般の、例えば視聴者から経営委員長代行宛てにお手紙が来て訴えられたら、会われましたか、あるいは、同じように経営委員会につながれましたか。
  144. 森下俊三

    ○森下参考人 お答えいたします。  特に、それは鈴木副社長だからということではなくて、先ほどお話ししましたように、内容がガバナンスのことであるということと、返事が、二カ月近くもらっていないということでしたので、これは経営委員会議論すべきだというお話がありましたから、そういうことであります。  以上、お答えしました。
  145. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 これは、今の話だと、やはりガバナンス上問題があるとそこで思われたわけですよね、話に動揺して。それから、二カ月返事が、もらっていないからといって、まず本当に返事を返すべき案件かどうかということもやはりここは慎重に考えないといけないわけですよ。一般の方のお手紙に対して、では一々返事をしているのかということは、返事をしているわけはないんですよね。だから、鈴木副社長だから、かつての監督官庁の事務次官だった、そして今、NHKにおられるわけですから、その鈴木さんからあった話だからこそ受けたし、経営委員会議論をしようということになったんですね。そこをまず指摘をしておきます。  本当に、では、これから議論していきたいのは、ガバナンス上問題があるのかという話をしていきたいんですが、その前にもう一点。  きょうお配りしている資料の二ページ目ですけれども、経営委員会の中身、意見交換では次のような意見が出ましたといって、二ページに出ています。  これは、誰が発言したかわからないんですよ。毎日新聞によれば、二ポツ目ですか、オープンジャーナリズムというが、インターネットの情報は偏っているので、つくり方に問題があるのではないかという発言を経営委員長がされたというふうになっています。  いっぱいポツが並んでいますが、この中の発言、どれか、経営委員長はされたんですか。
  146. 森下俊三

    ○森下参考人 お答えさせていただきます。  これはもともとが非公表を前提とした意見交換でございましたので、誰が何を発言したのか、具体的なやりとりを公表することは差し控えさせていただきます。  これは従来から、非公表を前提とした意見交換におきましては、個別の発言については、自由な意見交換に支障が出るということで公表はしないことを経営委員会で申し合わせておりますので、その意味で、個々のやりとりについては、誰が発言したかについては、公表することは差し控えさせていただきます。
  147. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 でも、さすがに御自分の発言についてはいいんじゃないですか。御自分の発言がどれかぐらいは答えていただいてもいいんじゃないですか。
  148. 森下俊三

    ○森下参考人 お答えいたします。  経営委員会は、十二名の委員組織する合議制の議決機関であります。従来から、非公表を前提とした意見交換での個別の発言については、先ほど御説明しましたように、自由な意見交換に支障が出るので公表はしないということを経営委員会で申し合わせております。たとえ私自身の発言でありましても、非公表を前提とした経営委員会での発言でありますので、コメントすることは差し控えさせていただきます。
  149. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 いや、これは公表しないから無責任な発言が出るんじゃないですか。誰が言ったかわからないから、何を言ってもいいということになるんじゃないですか。せめて自分がおっしゃったことぐらいは、こう言ったと認めていただきたいんですよね。経営委員長なんですから、自分の発言にやはり責任を持っていただきたいんですよ。そこはしっかり自覚を持っていただいて、発言を認めていただきたいと思いますが。  今、もう一度、この、つくり方に問題があるのではないかというのは御自分の発言かどうか確認したいと同時に、これは、放送法の三十二条違反。二項、経営委員会の「委員は、個別の放送番組の編集について、第三条の規定に抵触する行為をしてはならない。」。第三条というのは、先ほど取り上げましたけれども法律に定める権限以外の場合は番組内容に干渉しちゃいかぬということですから、経営委員といえども、番組内容については言っちゃいかぬということが決まっているわけです。この、つくり方に問題があるというのは、明らかにこれは番組の編集、中身に入っていますよね。  この発言は委員長がされたのかどうかという話をもう一度確認します。と同時に、これは経営委員会の誰かがしたことには間違いないですよね、ここに出ているのは。だから、誰が発言したにしろ、経営委員がこういう発言をすることは放送法違反じゃないんでしょうか。
  150. 森下俊三

    ○森下参考人 お答えいたします。  前半の御質問でありますが、先ほど述べましたように、私どもは十二名の委員の合議体でございますので、たとえ私自身の発言でありましても、非公表を前提とした経営委員会でありますので、コメントすることは差し控えさせていただきます。  それから、後半の方の御質問でございますが、二〇一八年十月二十三日の経営委員会におきましては、郵政三社からの書状に記載されている経緯や状況を確認するために意見交換を行ったときの発言であります。  放送法三十二条の規定のとおり、経営委員会が個別の放送番組の編集に関与できないことは十分認識しております。過去の番組に関する意見や感想も出ましたが、今後の番組の具体的な制作手法などを指示した事実はございません。  以上、お答えしました。
  151. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 この、つくり方に問題があるのではないかというのは番組のつくり方を指示していないとおっしゃるんですか。これは番組の中身を指示しているんじゃないですか。つくり方がおかしいと言っているわけですよね。
  152. 森下俊三

    ○森下参考人 お答えいたします。  この経過の資料にありますように、先ほどお話もしましたが、郵政三社からの書状に記載されている経緯や状況を確認するためにSNS動画に関して意見交換を行ったときの発言でございますので、あくまでも経緯を確認するためのときの発言でございます。  そういったことで、先ほど言いましたように、今後の番組の具体的な制作手法を指示した事実はございませんということであります。
  153. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 番組のつくり方を確認したというのはわかりますよ、動画を見て確認したのはいいんですが、確認した結果、問題があると言っているわけですよね。確認した結果を問題があると言っていることは、番組の内容について批評を加えて指示をしているんじゃないですかと言っているんです。ちゃんと答えてください。
  154. 森下俊三

    ○森下参考人 お答えいたします。  繰り返しになりますが、郵政三社からの書状に記載されている経緯や状況、SNS動画に関する経緯や状況について確認するためにいろいろ意見交換をした、その意見でございますので、今後の番組の具体的な制作手法を指示したという事実ではないということをお話ししております。  以上です。
  155. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 いや、これはすれ違いというか、明らかに指示じゃないですか。さっきの話と一緒ですよ。そんなことを経営委員長がみずからおっしゃっていたら、放送の現場が萎縮しますよ。一々経営委員長が個別の番組の中身についてつくり方がおかしいという発言をするというのは、私は番組への干渉だと思うし、明確に放送法違反と思います。  時間がなくなってきたので、さらに、その後もう一つ重大な問題があって、ガバナンスの問題で前会長が注意を受けているわけですよね。経営委員会が会長を注意するというのは、かつては籾井会長の時代にありました。いろんな事例がありましたよ。受信料を使って、ゴルフに行くときのタクシーを、チケットを使ったりとか、いろんな問題がありました。そういう会長に注意をしたという例はありますけれども、果たしてこれが、上田会長に注意に値する行為だったかということをもう一回確認したいんですが。  ガバナンスに問題があったというんですが、きょうは監査委員が来られているんですね、事実関係はどうだったんでしょうか、伺いたいと思います。現場の部長さんは何を、チーフプロデューサーは何を言ったのか、何が問題なのかをもう一度監査委員から伺いたいと思います。
  156. 高橋正美

    ○高橋参考人 お答えいたします。  二〇一八年十月五日付で郵政三社から申入れがございました、会長によるNHKのガバナンス体制に関する認識の表明がおよそ二カ月間にわたりいまだ行われていないという主張に関しまして、執行部の対応について監査を行い、組織の危機管理上の瑕疵があったとは認められないとの判断に至り、経営委員会に報告をした次第でございます。
  157. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 いや、今答えていただいていないんですが。その間に、チーフプロデューサーの発言についてはお調べになりましたでしょうか。どこが問題なんですか。  十月に、上田会長に私が質問したときに、会長はこう答えているんですね。  昨年の十月二十三日の経営委員会では、郵政三社からの経営委員会宛ての書状で協会のガバナンス体制に関する指摘があったことについて、監査委員会から、協会の対応に瑕疵があったとは言えない旨の報告がありましたと言っているんですね。  危機管理上ということは言っていなくて、ガバナンス上問題がなかったと監査委員会から報告があったと上田会長はこの国会の場でおっしゃっているんですが、ガバナンス上問題がなかったということを答えられたんですね。  その理由は何ですか。
  158. 高橋正美

    ○高橋参考人 お答え申し上げます。  この件につきましては、先ほども申し上げましたけれども、郵政三社から、二カ月間にわたり会長からの返事がないということに関しまして、我々として、それがNHKの社内でしっかりと上まで上がり、それに対する会社としての対応がなされているかどうか、ここについての確認をした次第です。  したがいまして、ガバナンス全体ということではなく、二カ月間放置されていることがどのような状況であったのかということを確認させていただいたものでございます。
  159. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 ということは、問題がないということは、二カ月間放置したことは問題がなかったと結論したということでよろしいですね。
  160. 高橋正美

    ○高橋参考人 先ほども申し上げましたけれども、この案件につきましては、トップまで迅速に話が上がっていて、その結果としての行動でしたので、二カ月間何もトップも知らずに走っていたということではないということを確認して、先ほど申し上げたような結果といたしました。
  161. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 じゃ、何で注意をしたんですかね。問題がないと監査委員が言っているのに、経営委員長は何で注意されたんですか、会長を。
  162. 森下俊三

    ○森下参考人 お答えいたします。  監査委員会からは、協会の対応に組織上の危機管理上の瑕疵があったとは認められないという報告であったわけでありますが、それは情報が上に伝わっていたということだけであります。  経営委員会としては、この郵政三社からの申入れ文書にありましたように、一つは、郵政三社からの書状が、二〇一八年八月に会長宛てに質問の文書を送ったのに、二カ月近くたっても回答がなかったために経営委員会に文書を出した、そういう趣旨でありましたので、協会側の業務執行が視聴者目線に立っていないということ、それから、指摘されておりました、番組制作と経営は分離していないため、番組制作について会長は関与しないというチーフプロデューサーの発言は、編集権についての考え方が組織にきちんと共有されていないという見逃してはいけないガバナンス上の問題が含まれていると考えましたので、注意をいたしました。  以上です。
  163. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 いや、びっくりしましたね。  監査は何を調べたかというと、情報が上に伝わったことでオーケーだと。本当にそうですか。ちゃんと、どういうことがあったか調べたんじゃないんですか。それで問題ないと言ったから、上田会長は、問題ありませんでしたということで、怒ったわけですね。注意を受けて、反論されていますよね、このペーパーにもあるように。  今、視聴者目線でとおっしゃったけれども、視聴者って誰ですか。日本郵政だけのことを言っているんじゃないんですか。何度も言いますけれども、一般の視聴者にもこういう対応をされますか。元事務次官だからそういう対応をされたわけでしょう。森下会長のお知り合いだからそういう対応をされたわけでしょう。  今、苦しいと思いますけれども、監査がそんなことを言うわけないじゃないですか。普通はどう答えるか。会長は個々の番組には口出しはできませんと。それは間違いじゃないんですよ。会長が個々の番組に口を出したらおかしなことになるから。  時間が来ましたけれども、せっかく会長がお見えですから、この注意について、経営委員会が上田前会長に対して出した注意について、正当な、適切な注意だったと思われますか。
  164. 大口善徳

    大口委員長 もう時間が来ておりますが、じゃ、簡潔に答えてください。
  165. 前田晃伸

    前田参考人 経営委員会の判断につきまして私がコメントする立場にはございませんが、上田前会長は、厳重注意を重く受けとめたと聞いております。  いずれにいたしましても、放送の自主自律や番組編集の自由が損なわれた事実はないと私は認識いたしております。
  166. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 ありがとうございました。  これは十月にも、放送する予定だったのがなくなったというような話もあります。上田会長も……
  167. 大口善徳

    大口委員長 時間が来ています。
  168. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 注意は不当だという趣旨の答弁をされていますので、申し添えておきたいと思います。  以上です。
  169. 大口善徳

    大口委員長 次に、長尾秀樹君。
  170. 長尾秀樹

    ○長尾(秀)委員 立憲民主・国民・社保・無所属フォーラムの長尾秀樹です。  どうぞよろしくお願いします。  私からも、まず、かんぽ報道の厳重注意問題についてお聞きをしたいと思います。  ただいまのやりとり、あるいは午前中の森下経営委員長答弁をお聞きしておりましたが、全く危機感が感じられないというふうに思います。  三月七日ですか、毎日新聞と朝日新聞、両方社説で取り上げました。朝日は「委員長の資質を疑う」、毎日は「NHK番組への批判 経営委員長の資格あるか」、こういうふうに大マスコミの社説に書かれたわけです。  そういうことを本当に真剣に受けとめているんですか。今回の事態の責任を自覚をしているんでしょうか。とてもそのようには思えないお答えが続いている。相変わらず繰り返されているというふうに思います。大変遺憾でございます。  NHKの自律性、放送番組の編集の自律性を損なったという自覚、反省はないんですか。お答えください。
  171. 森下俊三

    ○森下参考人 お答えさせていただきます。  個別の新聞報道についてコメントすることは差し控えたいと思います。  放送法第三十二条の規定のとおり、経営委員会が個別の放送番組の編集に関与できないことは十分認識しております。  経営委員会に課せられている役員の職務の執行の監督という責務を果たす上で、状況によっては番組について意見を述べ合うことはあり得ると考えますが、個別の番組に介入したのではないかという疑念を持たれないように、発言には慎重を期してまいりたいと思います。  以上、お答えいたしました。
  172. 長尾秀樹

    ○長尾(秀)委員 ずっとそういう御答弁が続いています。世間を騒がせた、誤解、疑念を抱かせた、そのことについては申しわけない、そういうことはおっしゃいますけれども、経営委員会としての問題、じゃ、対応に問題はなかったと本当に思っていらっしゃるんですか。とても理解ができません。  明らかに介入に当たる。一般的に番組の感想を述べた、そういうレベルじゃないわけでしょう、恐らく。具体的な発言は、議事録じゃないから詳細にはわかりませんけれども、四月の番組自身、それからその後のインターネットでの取材のあり方、それに問題があると、多分、本人はお認めにならないけれども、森下委員長自身がおっしゃったわけでしょう。まさに議論を主導したわけじゃないですか、当時の経営委員会の。全くその自覚に欠けている。  何度も申し上げていますが、議事録は公開されるべきであるということを申し上げたいと思います。  先ほど答弁で、御自身も、経営委員会は合議制の議決機関であるということをおっしゃいました、いみじくも。もっと言えば、最高意思決定機関です。その議事録が公開されないということは普通はあり得ないじゃないですか。  なぜこの問題に限って、あらかじめですよ、後からじゃなくて、あらかじめ非公表を前提とする、そういうことを決めることができるわけですか。経営委員会にそういう権限があるんですか。どこかにそういう規定があるんですか。お答えください。
  173. 森下俊三

    ○森下参考人 経営委員会につきましては、基本的に議事録を公開するということでやっておりますが、中には非公開が適切だというものがございます。  特に、経営委員会の議事録は公開が原則でありますけれども、人事や個人のプライバシーに関する事案、自由な意見交換をすることが必要な議題など、非公表とすることがふさわしい事案もございまして、これにつきましては、内規を定めて、非公表の部分を制限をしております。  以上、お答えいたしました。
  174. 長尾秀樹

    ○長尾(秀)委員 いやいや、そんな内規はないでしょう。証拠を示してくださいよ。議事録作成した後で、今おっしゃったようなことに該当する場合は一部非公表にすることがある、そういう規定じゃないんですか、議事規則は。違いますか。  あらかじめ非公表、そんなことを前提に議論を始める、そういうことを決める権限は経営委員会にないと思いますけれども、いかがですか。
  175. 森下俊三

    ○森下参考人 お答えいたします。  放送法第四十一条では、「委員長は、経営委員会の終了後、遅滞なく、経営委員会の定めるところにより、その議事録を作成し、これを公表しなければならない。」と定めております。これに基づきまして、経営委員会として自律的に内規を定め、議事録を作成し、公表しております。  議事録では、審議、検討又は協議に関する情報であって、公表することにより、その審議、検討又は協議が円滑に行われることを阻害するおそれがあるもの、それから個人情報や人事にかかわる機密事項など、内規で一部を非公開にしております。  これは、議事を進める段階で、事前に非公表にするかどうかを宣言してから議事をやっております。本件については、当初から非公表ということで審議をしております。  以上、お答えいたしました。
  176. 長尾秀樹

    ○長尾(秀)委員 もう言いませんけれども、今もおっしゃったじゃないですか、一部を非公開にするんでしょう。あらかじめ、議論する前から、どういう意見が出るか発言があるかわからないのに、何でそれを全部非公表と最初に決めれるんですか。そんなことはできるという規定はどこにもない、そのことだけもう一回指摘しておきます。  この問題ばかりやるわけにはいかないですけれども、あと一問だけ。  森下委員長、当時は経営委員長代行でした、この間ずっと、放送の中身の話は一切していないとおっしゃっていたんです。それが前回委員会で、番組や動画について意見を述べたというふうに変わったんです。前の説明はうそだったんですか、発言は。
  177. 森下俊三

    ○森下参考人 お答えいたします。  番組の編集の自由を損なうような話はしていないという趣旨でございましたが、説明不足だった点についてはおわびをいたします。  郵政三社からのお申入れに至る経緯を確認する中で、過去の番組に関する意見や感想も出ましたが、議論の本質はガバナンスに関する議論でございましたので、過去の番組の感想などについては議事経過には記載しませんでした。  以上、お答えしました。
  178. 長尾秀樹

    ○長尾(秀)委員 今回のこの問題は、郵政側が、根本的には番組や取材方法への批判があるということは、だから、森下委員長はもう最初からわかっていたわけでしょう。それを知りながら、なぜガバナンスの問題として、それは個別番組の介入と言われないためということだとは思いますけれども、ガバナンスの問題ではないのにガバナンスの問題として扱った、そういうこと自身が不適切であるというふうに私は思います。  いずれにしても、毎度お願いしております、要求をしておりますが、ここまで、発言は特定できませんけれども、こういう発言があったということを、正式には次の経営委員会で決めて公表されるんだと思いますけれども、そういうことであれば、すっきりと議事録として公開されますように再度要求をしておきたいと思います。  では、予算についてお伺いをしたいと思います。  まず、そもそも、NHKの番組というのは一本当たり幾らでつくられているというか、まあいろいろ差があるでしょうけれども、一番多いもの、あるいは一番少ないもの、例示ができるのでしたらお示しをいただきたいと思います。
  179. 木田幸紀

    ○木田参考人 お答えいたします。  個別番組の制作費は、編集権に深くかかわるもので、公開していないため、お答えは控えたいのですが、ただ、青少年・教育とかあるいはドラマなどのジャンルごとに一本当たりの制作費の幅を目安として示したものは公開しております。  例えば、青少年・教育ジャンルでは一本当たり七十万円から七百二十万円、ドラマジャンルでは千三百五十万円から七千九百万円となっております。この金額には、出演料や美術費などの番組の直接制作費に加え、人件費や機材費なども含まれております。
  180. 長尾秀樹

    ○長尾(秀)委員 当然のこととして、ドラマの方が経費がかかるということだと思います。  NHKはまだ予算が恐らく恵まれているというか、民放はもっと厳しい状態にあるんじゃないかというふうに思います。  さらに、近年のメディア環境が劇的に変化をしてきているんじゃないかと思います。デジタル化の進展、そしてそれがもたらすグローバル化ということです。  聞くところによりますと、海外資本が本格的な日本語のドラマを制作するようになって、その制作費が一話当たり億単位も珍しくないと言われている状況だそうです。  一方、視聴者の側の負担額という面から見ると、DAZNとかネットフリックスはNHKの衛星受信料とほぼ同額、アマゾンプライムは半額という状況になっております。  このままで、NHKだけじゃない、民放もですけれども、太刀打ちできるのかということが今後問題になるというふうに思います。グローバリズムに日本のメディア市場が席巻されれば、日本の社会の多様性が損なわれる、文化的豊かさ、ひいては経済的豊かさに影響を与えかねないんじゃないかというふうに思っております。  ぜひ、日本のメディアの自主性、自律性を高めつつ、長期ビジョンを今構築すべきではないかというふうに思っております。そういう問題意識で、以下御質問したいと思います。  NHKさんにお聞きする前に、まず総務省にお聞きをいたします。  そういう背景がある中で、もともと経営環境が厳しい、NHKよりも厳しい民放、さらには、民放の中でもローカル局が今後どう存立していくのかというあたりについて、何か総務省としてお考えはあるのか、助けていく方策はあるのか、お聞きをしたいと思います。
  181. 吉田眞人

    ○吉田政府参考人 お答えをいたします。  今御指摘のとおり、ローカル局を含めて民間放送事業者の経営環境は厳しくなっております。民放連研究所によれば、本年度の地上波テレビの営業収入は昨年度より三%減となる見込みであるほか、昨年、二〇一九年の広告費に関しまして、インターネットが初めて地上波テレビを上回るといった状況でございます。  このような状況の中で、民間放送事業者においてもさまざまな取組が行われておりまして、例えば、放送以外の収入を拡大するものとして、放送コンテンツの海外展開や地域に密着した各種のイベントの開催といった取組が行われているほか、固定費の多くを占めますインフラコストを縮減するものとして、鉄塔設備の共用化などというものを進めているというふうに承知をしております。  今後、このようないわばベストプラクティスといったようなものの共有、あるいは視聴データの利活用も含めたインターネットなどの活用の推進、また、海外展開の一層の推進といったようなことが重要になるものと考えております。  総務省といたしましても、従来より、放送コンテンツの海外展開に対する支援といった取組を行ってきておるところでありますが、さらに、これはあくまでも経営でございますので、事業者の意向や御要望というものを酌み取りながら、それぞれの事業者が創意工夫に満ちた経営を行えるような、そういう環境整備といったものに努めてまいりたいと考えております。
  182. 長尾秀樹

    ○長尾(秀)委員 そういう問題意識は持っていただいているということで理解をいたします。  地方でこそ、こういうメディアの環境の激変に対して、整備といいますか支えていくということが今後もっと必要になってくると思います。  同じことになるかもしれませんが、もう一回御答弁いただきたいと思います。
  183. 吉田眞人

    ○吉田政府参考人 ローカル局は、それぞれの地域において、地域の皆様に情報を提供する非常に重要な役割を担っておられます。このローカル局がしっかりと経営が行われていくことは極めて重要でございます。  ただ一方、御指摘ありますように、その経営環境が厳しさを増しているということは事実でございます。私ども、有識者会議でローカル局の経営基盤の強化といったようなことについての議論もいただいております。そういうふうな取りまとめも踏まえまして、総務省としてできることは行ってまいりたいと考えております。  ただ、これはやはり民間事業者の経営でございます。民間事業者は基本的にはかなりいろいろなことを、自由に経営を行えることでございますので、もちろん事業者自身の創意工夫もお願いをしたいと思っております。  総務省としても、できることはしっかりとやってまいります。
  184. 長尾秀樹

    ○長尾(秀)委員 ありがとうございます。  後ほど総務大臣にもまとめてお聞きをしたいと思います。  そこで、NHKさんにお聞きをいたします。  地方の視点という点からいきますと、地域発ドラマというのがあると思います。先ほど番組の予算をお聞きしましたけれども、この地域発ドラマはどれぐらいのランクなんでしょうか。地域発ドラマがどういうものかという説明もあわせて、お願いします。
  185. 木田幸紀

    ○木田参考人 お答えいたします。  各地域の放送局が、地元の豊かな自然、暮らし、人と人との温かなつながりなど、さまざまな題材をもとに制作した地域発ドラマをBSプレミアムで全国発信するとともに、総合テレビでも放送し、地域活性化に貢献しております。ドラマは、地域放送局がふだんの地域に密着した取材で発掘した地域の魅力を十分に伝えるものであると同時に、単にその地域だけでなく、全国の視聴者の関心にも応え得る普遍性のある内容となっております。  取り扱う題材や制作形態などにより制作費に多少の差はあるんですが、先ほど御説明したドラマジャンルの制作費の範囲内で制作しております。
  186. 長尾秀樹

    ○長尾(秀)委員 範囲内、千三百五十万から七千九百万、めっちゃ幅広いですけれども、到底七千九百万レベルとは思えないですから、多分かなり安目ですよね。どうぞ。
  187. 木田幸紀

    ○木田参考人 ドラマの制作費はいろいろな要素で積み上がっているんですけれども、七千九百万円というのは、やはり時代物であるとか、いろいろな別の要素が含まれるものが多いことが確かです。  地域発ドラマは大体現代物であることが多いのが現状であります。
  188. 長尾秀樹

    ○長尾(秀)委員 いずれにしても、地域発ドラマ、多分少ない予算で現場は苦労をされているんだと思います。でも、こういう番組にこそ力を入れていくということが、私は今後必要だというふうに思います。  去年、ローマ教皇が来日をいたしました。それを見越して、アマゾンは、天正少年使節の連続ドラマというのを去年の正月から一挙放送をしておりました。かける予算が違うと言われればそれまでですけれども、やはり、よりいいものをつくれば地域の財産にもなり活性化にもつながる、そして、それを世界に発信できればインバウンド政策にも資するのではないかというふうに思っております。  そういう観点から、地域活性化の観点からも、特に今後、地方に主眼を置いて、NHK、民放あるいは地方公共団体も協力して、コンテンツをつくる、メディア事業を行う、そういう、予算を外部調達したり、共同制作を推進していくという工夫は、NHKとしてないのでしょうか。その点、お聞きをしたいと思います。  会長がお答えになるんですかね。会長がお答えになるんでしたら、冒頭申し上げましたように、長期的なそういうメディア環境の変化に関するビジョンの点についてもお答えください。
  189. 前田晃伸

    前田参考人 お答え申し上げます。  インターネットの急速な普及や携帯端末の浸透などによりまして動画配信サービスへの接触が拡大する一方で、テレビ離れが進むなど、映像コンテンツへの接触が急速に多様化しております。  こうした中で、NHKは、放送を太い幹としつつ、インターネットも積極的に活用して、多様な伝送路で公共性の高い情報や番組などを視聴者の皆様に届け、信頼される情報の社会的基盤としての役割を果たしていくことが極めて重要だと考えております。  命と暮らしを守る防災・減災報道を始め、正確、迅速な報道や質の高い多彩な番組、4K、8Kなどの最先端のコンテンツ、ユニバーサルサービス、常時同時・見逃し番組配信サービス、NHKプラスなど、NHKならではの価値を放送とインターネットを通じてお届けし、視聴者の皆様のお役に立つことがNHKが目指す公共メディアの姿だと考えております。  放送法で期待されております役割をしっかりと果たし、自主自律を堅持しながら、視聴者の皆様の期待に応えてまいりたいと思います。  また、NHKの地域放送局では、地域民放や公共団体と連携して、地域課題や歴史、文化と向き合うさまざまな取組を行っております。  例えば、北海道では、北海道命名百五十年の節目に、道内の全てのテレビ局の合同キャンペーンとして、ワン北海道プロジェクトと称して特別番組を共同で制作し、昨年二月に同時生放送を実施いたしました。  また、昨年行われましたラグビーワールドカップでは、地元で試合が開催される各地域放送局が地域の民放と協力して、試合の見どころや出場国の横顔を紹介したり、ファンゾーンからの同時生中継を実施したりするなど、地元開催で沸く地域の活性化に貢献いたしました。  福島では、東日本大震災の発生から十年となる二〇二一年に向けて、復興への取組や課題地元メディアと連携して伝える取組を続けております。  今後も、公共放送NHKと民放や公共団体、それぞれの立場をお互いに尊重しながら、地域文化や地域の防災などの観点で協力を深めてまいることによりまして、共存共栄のスタンスで地域に貢献してまいりたいと思います。
  190. 長尾秀樹

    ○長尾(秀)委員 ありがとうございます。  今、高市大臣、お聞きのとおりでございます。東京や大阪ではNHKと民放のコラボレーションがあるというふうに聞いておりますが、地方ではまだそんなに進んでいないということで、これからということだと思います。  総務省としても、地方でこそNHKと民放のコラボをマネジメントすべきじゃないかと思いますが、大臣の御見解をお聞きしたいと思います。
  191. 高市早苗

    高市国務大臣 NHKと民間放送事業者の協力につきましては、これまで、鉄塔の共用や地デジ化の際の技術協力などが行われてまいりました。通信・放送の融合時代を迎えておりますので、特にこれからネット分野での協力というのが課題になってきていると思います。  ネット配信につきましては、ことし一月に施行された改正放送法でも、NHKに対して、民間放送事業者によるインターネット番組配信などの円滑な実施に必要な協力をする努力義務が設けられました。  ことし一月に認可させていただきましたインターネット活用業務実施基準において、民間放送事業者の要望に応じて、連携、協調の取組を具体化するために必要な協議の場の設置を条件として付させていただきました。  特にローカル局につきましてなんですけれども、先ほど吉田局長が答弁させていただいたとおり、経営基盤の強化方策について、現在、ちょうど有識者会議で検討していただいております。今後、ローカル局とNHKがどのような分野で協力関係を構築できるかといったことについても取りまとめに盛り込んでいただいて、対応していきたいと考えております。
  192. 長尾秀樹

    ○長尾(秀)委員 時間が来たので終わりたいと思いますが、NHKの番組の技術は、私はすばらしいものがあると思います。それは、NHKだけの財産ではなくて、NHKと民放が六十年以上テレビ放送を競ってきた日本ならではの財産だと思います。  デジタル化、グローバル化への対応を見据えて、そういう技術、スキルを社会的な資産として活用していく、さらには海外に打って出ることを検討すべきであるということを申し上げて、質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  193. 大口善徳

    大口委員長 次に、緑川貴士君。
  194. 緑川貴士

    ○緑川委員 皆様、大変審議お疲れさまでございます。立憲民主・国民・社保・無所属フォーラムの緑川貴士です。  NHK予算の審議の前に、冒頭、新型コロナウイルスの蔓延防止のために、先般、政府の要請を受けて、コンサートやイベント、卒業式や入学式、中止や延期、規模縮小する動きが広がりましたが、全国的な、あるいは大規模なイベントについては政府は対応を要請してきたんですが、一方で、地域で聞かれるのは、小規模なイベントや集会についてどこまで自粛しなければならないのか、主催者が困って自治体に判断を仰いでも、自治体も対応に苦慮していて回答に困ってしまっています。結局は主催者任せになっているという現場の戸惑いの声が聞かれました。  そこで、大臣に伺いたいんですが、現場の今の御認識、そして、困る自治体へ御助言をいただければと思います。
  195. 高市早苗

    高市国務大臣 イベントの開催に関しての判断を民間事業者などが自治体に問い合わせるということで、明確な回答がしにくいということでお困りだろうということは私も承知をいたしております。  集会などの開催に当たっては、集団感染しやすい場所や場面を避ける行動によって急速な感染拡大を防げる可能性があるということが、新型コロナウイルス感染症対策専門会議が三月九日に発表した新型コロナウイルス感染症対策の見解でも明らかにされております。換気の悪い密閉空間であった、多くの人が密集していた、近距離での会話や発声が行われたという三つの条件が同時に重なった場で感染が拡大しやすいということなんでしょうが、総務省でもこういった情報を小まめに地方公共団体に提供してきております。  三月十日の政府対策本部において、三月十九日ごろを目途に、これまでの対策の効果について専門家会議の判断が示される予定でありますので、それまでの間はこれまでの取組を継続していただくように、政府として国民にお願いをすることとしました。今後についてですけれども、こうした専門家会議の意見も聞きながら、政府として判断をしていくものだと思っております。  専門家会議の御見解や政府全体の方針につきましては、引き続き地方公共団体に適切にお伝えしてまいりますし、総務省のホームページでも、できるだけ多くの役所の情報が集まるように工夫をして今掲載させていただいております。
  196. 緑川貴士

    ○緑川委員 大臣おっしゃるような、典型的な個々のケース、場面という想定されるものはあるんですけれども、やはり、あくまで地域的なものというのはいろいろなものが本当にあります。判断の基準、情報がそもそもありません。感染者が出ればやはり参加者に迷惑がかかる、その主催者が今度は批判されかねない、結局は自粛するしかないということで、こういう動きがやはりまだ長期化する懸念も残されていますし、自粛がいつまで続くかわからない。  景気が急速に悪化していくことに対応する大胆な経済対策ということはやはり必要ですし、それとあわせて、大臣がおっしゃった、あさっての専門家会議による判断を待ちたいと思うんですけれども、緊急事態宣言ともしこれは別に今後ならなかったとしても、その判断によっては、国が自治体や事業者に対して、その地域にとって自粛の参考になるような基準を改めてわかりやすく示していく必要性もやはり出てくるのかなというふうに思いますので、引き続きこの点は確認をさせていただきたいというふうに思います。  予算の審議に絡んで、NHKが、このネット時代に対応するために、テレビとネットの融合、公共メディアとして海外にも日本の魅力をより伝えやすくしていこうと新たなスタートを切ろうとしている中で、今のNHKに何より求められているのは、視聴者・国民の信頼であると思います。その経営に重大な問題が今起きている。NHK経営委員会が国民の負託に真に応えられているのか、まずは私からも聞かなければなりません。  かんぽ生命保険の不正販売を報じた番組をめぐって、郵政三社からの申入れに関する経営委員会のこれまでの対応について、本日お越しいただいておりますが、森下経営委員長には、過去に委員長代行としてもお務めされていたということで、国会での過去のお答えされた内容も含めてお尋ねをしてまいりたいというふうに思います。  NHKの経営委員会が、おととしの十月の二十三日、当時の上田会長を厳重注意した会合の議事経過を補足する資料、本日奥野委員がお配りされているものと同じですが、先週十二日付でつくられております。  補足資料の三ページなんですけれども、下の方ですね、当時、経営委員会議事録を非公表としたことについてというふうに書いてあります。そもそも、これまでの御回答で、議事録の存在についてははっきりしたお答えが本当になかったんですけれども、文書でこう記しているということは、ある前提のやはり記載だと思います。  一方で、昨年の十月の野党合同のヒアリングでは、当時の高橋正美経営委員がこう言っています。非公表を前提に議論をしたので議事録がないのが実態だ、また、誰がどういう発言をしたかについては何も残っていないと説明されましたが、今回、補足資料をごらんいただくとわかるように、多数の発言の要約があります。何も残っていないわけではありませんでした。  ここで改めて、議事録は放送法に基づいてしっかりと残している、とっているんだということと、そして、今言ったように、昨年十月の会合での発言は事実でなかったと、まずは経営委員会として訂正をしてください。
  197. 森下俊三

    ○森下参考人 お答えいたします。  昨年、合同ヒアリングのときに、非公表のものについて議事録があるかないかということに非常に不確定な回答があったということについてはおわびを申し上げます。もう既にそれについてはおわびを申し上げておりますが。一応、非公表の議事でありましても、議事の経過を記録したものは残っているということで訂正させていただいております。  そういった意味では、公表、非公表にかかわらず議事録は作成しておりますが、同時に、先ほど御説明いたしましたが、放送法第四十一条で、「委員長は、経営委員会の終了後、遅滞なく、経営委員会の定めるところにより、その議事録を作成し、これを公表しなければならない。」と定めておるわけでありますが、これに基づきまして経営委員会としては議事録を作成して公表しておるわけでありますが、一部、審議、検討又は協議に関する情報であって、公表することにより、その審議、検討又は協議が円滑に行われることを阻害するおそれがあるものとか、個人情報とか人事にかかわる機密事項、こういったものについては、経営委員会が定める内規によりまして非公表にしているというところがございます。  今回のこの十月二十三日のものにつきましては、相手のあることでありましたので、もともと非公表ということで検討をしておったものでございます。  以上、お答え申し上げました。
  198. 緑川貴士

    ○緑川委員 非公表の経緯については今後聞きますので、私が聞いていることに対してお答えをいただきたいと思います。  あわせて、昨年のヒアリングのときに、森下経営委員長、当時委員長代行でいらっしゃいましたけれども、こう言っています。番組に関する議論は一切していないというふうに発言されていますね。当時の経営委員会で批判があったことが、きょうお配りのこの補足資料では、批判があったことは間違いない、確認ができます。  その中で、番組のつくり方に問題があるのではないかという発言があります。きょうの審議では、これはどなたの発言とは教えることはできない、申し上げることはできないというふうにお答えされましたが、これが誰であれ、委員がされました。番組に関する議論を一切していないという昨年の国会での発言も訂正されるべきではないですか。
  199. 森下俊三

    ○森下参考人 お答えいたします。  先ほどお答えいたしましたが、番組の編集の自由を損なうような話はしていないという趣旨でございまして、そういった意味では、説明不足だった点についてはおわびを申し上げます。  当時は、当時というか、番組について議論を一切していないと言っているのは、郵政三社からの申入れに至る経緯を確認する中で過去の番組に対する意見や感想も出ましたが、これは、議論の本質はガバナンスに関する議論でしたので、過去の番組の感想などについては議事経過に記載しておりませんでした。  いずれにしましても、番組の編集の自由を損なうような話はしていないという趣旨でございましたので、説明不足だった点を先ほど来おわび申し上げております。  以上です。
  200. 緑川貴士

    ○緑川委員 番組に関する議論をしていないということは言えるわけがないんですね。どなたかの発言でなくても、この二ページの補足資料のところで、例えば、どうしても番組内容を確認せざるを得ない場合もあると。明らかに個々の番組に対して、内容について触れている発言があるじゃないですか。  ガバナンス体制検証するためにというふうに言いますけれども、監督する経営委員会が、番組の編集権を持つ執行部のトップの当時の上田会長を呼んで、出席する委員の前で、全員出席です、番組のつくり方に問題があると執行部は考えるべきだと批判しているんです。番組をどうつくるかは、当然番組の編集にもかかわってくる話じゃないですか。委員長
  201. 森下俊三

    ○森下参考人 お答えいたします。  二〇一八年の郵政三社からのお申入れに関するやりとりにつきましては、申入れ文書の中に書かれておりましたSNS動画等のことにつきまして、経過、それから状況を確認するために意見交換を行ったものでありまして、そういった意味で、その意見交換の中で過去の番組に触れるということがあったということでございます。  以上、お答えいたしました。
  202. 緑川貴士

    ○緑川委員 全くの詭弁ですね。これは過去の番組に対する意見であろうが、番組は続くんですね。今後放送予定だったと言われているものが中止になっている。過去の番組への意見であったとしても、現場が萎縮すれば報道できないことになるんですよ。  経営委員は番組内容に触れてはいけない、当然この認識があるというのは、放送法を御理解されているでしょうから、それはお持ちでしょうけれども、認識があろうがあるまいが、経営委員の立場で番組の内容に触れて、しかも、郵政三社の不満の本質は取材の内容だともこの議事で意見が出ている。その上で、再度、上田会長を呼んで、郵政三社側に御理解いただける対応ができていないことについて、経営委員会としてまことに遺憾に思っている、会長に対し、必要な措置を講ずるよう厳しく伝え、注意することとしますと、厳重注意をしたわけです。それでも上田会長は納得がいっていなかった。  経営委員会の決議事項において、業務執行の全ての権限がある会長に対して、特定の内容は指示はできないんですよ。措置を講じろという指示を含めた注意自体が、放送法の三十二条で禁止する干渉、規律づけそのものに当たります。番組への干渉そのものでしょう。お答えください。
  203. 森下俊三

    ○森下参考人 お答えいたします。  執行部による動画の公開終了や夏季特集では取り上げないということは、二〇一八年の七月から八月にかけて行われたものでございます。経営委員会による上田前会長への注意は十月でございますので、番組の取材や制作に影響したとは考えられません。  経営委員会としては、あくまでも指摘されたガバナンスについて議論して、それについて注意をしたということでございます。  以上、お答え申し上げました。
  204. 緑川貴士

    ○緑川委員 あなたが形としておっしゃるガバナンス、その中身は明らかに番組への意見のボリュームの方が多いですね、資料を見ても。この番組への意見という形が、結局は注意という形につながりました。  同じ意見として、あわせて看過できないのは、経営委員会で森下委員長がこう言っているとも言われています。ネットをうのみにし、現場を取材していないと。  私は、秋田県なんですけれども、放送局で五年前まで記者も経験しておりました。公共放送の報道においても、取材というのは重要なプロセスです。情報の裏をとって放送するというのは、当然のイロハ。かんぽ不正報道でも、不正販売の被害者、また郵政グループの幹部の取材をしていたにもかかわらず、誤った認識のもとで御発言されました。現場の取材陣の努力に対する発言としては余りに過ぎるお言葉であろうと思いますが、経営委員会のトップとしてどのようにお考えですか。
  205. 森下俊三

    ○森下参考人 非公表を前提とした意見交換でございますので、誰が何を発言したか、具体的なやりとりを公表することは差し控えさせていただきたいと思います。  その上で、先ほどお話ししましたように、SNS動画についてガバナンスがきいていない、それと返事が二カ月近くたっても返ってこないという申入れがございましたので、それについて検討するために、そのSNS動画の状況、経緯等を確認するために自由な意見交換を行ったものでございます。  以上、お答えいたしました。
  206. 緑川貴士

    ○緑川委員 ガバナンスは関係ないじゃないですか、ここでは。ネットの情報は、これをうのみにして現場が取材しているんじゃないかという発言自体に対しての委員長の御認識を求めているんですよ。もう一回。
  207. 森下俊三

    ○森下参考人 先ほどお話しいたしましたように、過去の状況や経緯を確認するためにいろいろ意見交換をした部分の意見でございまして、その個別のことにつきましてはコメントすることを差し控えさせていただきます。
  208. 緑川貴士

    ○緑川委員 トップとしての責任を本当に放棄しているような御発言、大変に残念です。情報の真偽を見きわめた上で仕事をしている現場、職責をかけて公共放送に当たっているんですよ。そういう現場に対して、組織を監督する立場の御発言としてはあってはならない話だと思います。  あわせて、この件、政府にも確認をしたいと思います。  放送局は、政府が大きな認可権を持っている。一方で、放送法の三条では、放送番組は法律の定めがなければ誰からも干渉されたり規律されないと、表現の自由を保障している。そして、三十二条では、経営委員に、重ねてこの三条に抵触する行為を禁じています。その上で、三十一条では、委員の選任について、公共の福祉について公正な判断をすることができる、そういう人の中から、広い経験と知識を持つ人の中で、国民の代表である衆参両議院の同意を得て総理大臣が任命するとあります。  放送行政を所掌する高市総務大臣に伺いたいんですが、公共の福祉のために行う放送、その使命に燃えて取材に当たった記者を始め、放送現場に携わっているさまざまな努力に対して、ネットをうのみ扱いした。経営委員として公正な判断ができているとお考えでしょうか。
  209. 高市早苗

    高市国務大臣 今、事実関係がまず明らかではないので、公正な判断ができたかどうかというのはわかりません。  実は、前回、森下委員長が発言をされたときに、非常に、ちょっとわかりにくいという趣旨の発言を私が申し上げたことがございました。そのときには、経営委員会の場で一体何が話されたのかということが、この議場で聞いている限りでよく理解できなかった御答弁であったからでございます。  きょう、森下委員長答弁を聞いておりまして、まず一つは、日本郵政からの書状がそのまま二カ月放置されたということに関して、放送法第二十七条にある「協会は、その業務に関して申出のあつた苦情その他の意見については、適切かつ迅速にこれを処理しなければならない。」、これを放置したままで経営委員会に話が回ってきてしまったということが一点、森下委員長がお困りになったことだったんだろうと思います。  それから、先ほどおっしゃいましたけれども、番組制作に会長は関与しないといった対外的説明があったと。これは放送法で言いますと、第五十一条、会長は、協会を代表し、その業務を総理するですから、番組にも責任は持つ立場であります。  こういった事柄について執行部がきちっと処理できていなかったという認識のもとで経営委員会が開かれたんだと、きょう、説明を伺っていて、経営委員会の権限である第二十九条、経営委員会は役員の職務の執行の監督をするということに従って経営委員会が開かれたんだろうと思います。  ただ、これまで、上田前会長を始めNHK執行部におかれては、放送の自主自律が損なわれた事実はないと表明しておられるので、私は、この場でも、経営委員が個別の放送番組の編集に介入することを禁じている放送法三十二条に直ちに抵触するものではないという答弁をしてまいりました。  しかしながら、一般論で申し上げますと、経営委員が個別の放送番組の干渉を行っているのではないかというような、誤解されるような発言を行うということがあったとしたら、それは決して望ましいことではないので、放送法第四十一条に基づいて、やはりこれは、経営の透明性を確保する観点から経営委員会の定めるところにより作成、公表を行うこととされている議事録でございますので、NHKでもっと説明責任を果たしていただきたいと思います。  なお、森下経営委員長が三月十日の経営委員会の記者ブリーフで、次回の経営委員会、三月二十四日に、厳重注意に至る議事の経過を補足する資料の公表を検討することとおっしゃっていますので、ここでより透明性のある事実関係の公表があることを期待しております。
  210. 緑川貴士

    ○緑川委員 本当に時間が足りないので、また改めて議論を進めたいというふうに思いますけれども、やはり、国民は、毎度言われますけれども、誤解をしているわけではありません。本当に、その発言に対して正しく受けとめた上で、問題であるから、今も議論が続いています。そのことをしっかり重く受けとめて、しっかりまた質問させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  時間も本当に限られてしまって恐縮なんですが、予算案の審議について、制作の現場では国民のための番組づくりを真摯に進めていらっしゃると思います。  新型コロナウイルスへの対応という観点から一つお尋ねしたいと思いますが、今、全国の学校が臨時休校になったことを受けて、NHKでは、Eテレを中心に、家にいる子供のために特別編成を行っています。特に、Eテレではサブチャンネルを使って、平日の午前中には子供の学習に役立つような番組とか、また子供が楽しめる、ストレス発散につながっていくような番組が放送されるようになっています。  ただ、テレビ以外でも番組を見たい、例えば、タブレットやパソコンで番組を見られるNHKプラスを使って勉強したい、親が勉強させたいという御家庭もあります。  NHKプラスは便利なんですが、私、ちょっとアプリを使ってみたんですけれども、サブチャンネルについては、朝から昼の時間帯というのは、サブチャンネルのタブは出てきても番組が映らないんですね。今は配信の対象外なのか、現在放送中の番組は配信しておりませんというメッセージがずっと流れています。  来月から本格的にサービスを始めるNHKプラスでのサブチャンネルの活用と、そして、内容自体も、子供がより学習しやすいように、また親子の心や体の健康にも資するような番組の内容の充実について御対応を伺います。
  211. 前田晃伸

    前田参考人 お答え申し上げます。  大半の学校が臨時休校となりましたことを受けまして、NHKは、三月の二日以降、あらゆる伝送路を使って、在宅の児童生徒に学ぶ機会や日々の暮らしに潤いと楽しみを感じていただけるようなコンテンツを特別編成し、教育テレビ、Eテレでは、同じ時間帯に複数の番組を放送するサブチャンネルを活用して、学習に役立つ番組などの放送を実施いたしております。  サブチャンネルで放送する番組につきましても、インターネットで配信する権利が確保できたものにつきましてはNHKプラスで配信をいたしております。  今月、三月の一日から試行的なサービスを始めるに当たりまして、あらかじめ放送予定が決まっている番組につきましては権利の確保を進めてまいりましたが、今回のサブチャンネルの放送のように急遽放送することを決めた番組の大半につきましては、配信する権利の確保は難しいのが現状でございます。  およそ二千本の教育番組と関連する七千本の動画クリップを誰でも視聴できるようにしておりますウエブサイト、NHK・フォー・スクールで、子供たちが家庭で学び、楽しむことができるよう、特設ページを設けております。また、NHKプラスの見逃し番組配信では、子供たちが自宅で学べる番組などを集めたリスト、「おうちで学ぼう!」、「おやこでカルチャー」なども設けております。  今後とも、あらゆる伝送路を使いまして、多様なニーズに応えることができるよう努めてまいりたいと思います。
  212. 緑川貴士

    ○緑川委員 質問はいたしませんけれども、こういう状況の中で、平日の昼間にほっとできる、親子がほっとできるひとときというのがやはり求められていると思います。  東日本大震災のときもそうでしたけれども、続く余震とか、また自粛をしなければならないという状況の中で出かけられない日を過ごす家庭では、いつもどおりの放送をしてくれたのがEテレだった、子供の不安な様子が笑顔に変わった、親も元気をもらったという声がありました。内容の充実に向けて、しっかりとまたお願いをしたいと思います。  質問を終わります。
  213. 大口善徳

    大口委員長 次に、高井崇志君。
  214. 高井崇志

    ○高井委員 岡山から参りました高井でございます。  私も、NHK予算、本当に重要な、公共メディアとしての役割、そしてまた受信料のあり方も大いに議論をしなきゃならないこの審議に、経営委員会の問題を取り上げざるを得ないのは本当に残念でありますが、しかし、これはまずやらざるを得ません。きょうは、特にテレビ中継もされています。私のこの時間は、多分、もう深夜の二時半ぐらいに放送されると思うんですが、もうちょっと早く放送してもらえたらなということも申し上げたいと思いますが、しかし、見てくださっている視聴者もいると思うので。  この問題、NHK経営委員長、何がこんなに今問題にされているのか。私は、大きく三つあると思うんですね。  一つは、まずは、NHKの会長に対する厳重注意というのは極めて重い行為である。しかも、その内容が放送法違反である。個別の番組に介入することは放送法は禁じているわけですから、そういう疑いがある厳重注意をしたことを、全く非公開の場で、しかも非公開のうちに、厳重注意したことすら公表していなかったんです。このことはまず大問題です。どういう議論があったとかじゃなくて、厳重注意したことすら公開していなかったんですから。  これが新聞で、二〇一八年の十月二十三日に厳重注意して、約一年、一年たって、新聞で、スクープ記事で、こういう厳重注意があったというのが去年の九月二十六日に報道されて、そしてようやくその一カ月後の十月十五日に経営委員会はこの事実を認めたわけです。このことがまず一つ大問題です。  そして、このことが発覚した後に、一カ月後に我々野党の合同ヒアリングでNHKが出してきた資料は、一時間半議論をしたという内容をわずか五行、五行の、経営委員会がこんな意見がありましたというものだけ出して、後、ずっと出していないんです。ようやく、五カ月間、この委員会でも何度も審議をして、五カ月たって、つい先日、三月十二日に、さきの奥野委員が配ったこの資料が出てきました。  これは、ページは六ページありますけれども、余り中身のあることを書いていないんですよ。我々が一番知りたい十月二十三日、二〇一八年十月二十三日の議論はわずか十四行ですよ。A4の半分ですよ。六ページのうち半ページしか、その中身が書いていないんです。これで本当に公開したと言えるのかということです。  そして三つ目は、これはもう放送法違反ではないか。  これも三月二日の毎日新聞の記事で相当詳細に、経営委員長が語ったと言われる、まあ、関係者ということで書かれていますので、経営委員長はなかなかお認めにならない、しかし、否定もしていないわけです。非公表の場でやっているから答えられませんとしか言っていませんが、もうかぎ括弧つきで、この毎日新聞はさまざま、例えば「森下氏は「ネットをうのみにし、現場を取材していない。番組の作り方に問題があると執行部は考えるべきだ」と主張した。」とか、あるいは「森下氏は議論の中で「郵政側が納得していないのは、本当は取材内容だ。本質はそこにあるから経営委に言ってきた」」というふうに、これはもう議事録を持っていますよね、このメディアは。そういうくらい明確に、こういうふうに取材の結果、書かれているわけです。しかも、その内容が放送法違反に当たるだろうと。  しかも、それを、三月十二日に出してきたペーパーでは、この毎日新聞の記事を微妙になぞって、微妙にうまく言いかえて、さも放送法違反ではないかのようにうまくまとめたつもりかもしれませんけれども、やはりこれは、どう考えても私は放送法違反の疑いが極めて高い。  これだけ疑われているのに、なお議事録を出さないという今の経営委員長の姿勢は、もうきょうは時間がありませんから単刀直入に申し上げますけれども、経営委員長、責任、どうとられるんですか。私はもうおやめになった方がいいと思いますけれども、経営委員長、そういうおつもりはありませんか。
  215. 森下俊三

    ○森下参考人 お答えいたします。  本件はあくまでもガバナンスの問題として検討いたしました。検討をし、対応したものでございます。NHKが公平公正、不偏不党、そして真実を伝える公共放送としての役割を果たすには、編集権は会長にあるという認識を全役職員に徹底することは、ガバナンスの観点から極めて大切なことだと考えております。  しかし、今回の問題で世間をお騒がせしたことにつきましては、厳しく受けとめております。当時の経営委員会でのやりとりにより、視聴者・国民の皆様に誤解を与えてしまったことにつきましては、大変申しわけないと反省をしております。  経営委員会では、説明責任を果たすことが重要と認識しておりまして、視聴者・国民の皆様の御理解をいただけるよう、透明性の向上に向けて更に引き続き検討してまいりますので、よろしくお願いをいたします。
  216. 高井崇志

    ○高井委員 そういう謝罪の言葉だけで済む問題なんでしょうか。  経営委員長、こうも記者会見で言っているんですね、番組批判でも感想の範囲なら問題ないんだと。  これは、NHK会長がいる場面で、さまざまそういう番組の批判の感想なのかもしれません、ですけれども、経営委員長が、あるいは経営委員のメンバーが番組内容に介入するようなことを感想とはいえ言ったら、それはNHK会長に対する圧力になるじゃないですか。そういう認識でおられるということ、これも本当に驚くべきことであります。  総務大臣、先ほど緑川委員の質問にかなり踏み込んで答えていただきました。私は放送法違反だと思いますが、なかなか総務大臣はそこまでおっしゃらないが、しかし、今後、NHK経営委員会には、もっと透明性、そして議事録ももっと出してほしいという趣旨で先ほど答弁されたと思う。  それで、三月二十四日の経営委員会議論されると聞いているとおっしゃったんですが、実は、三月二十四日の経営委員会で出そうとしている文書を先取りしたのが、この奥野委員が配った三月十二日付のペーパーだと私は説明を受けています。ですから、今のままだと、このペーパー、さっき私が、A4の半ページしか、一時間半の議論がわずか十四行、この議事録で経営委員会はおさめようとしている可能性があるんですよ。  これで総務大臣は、議事録の公開はもう十分だとお考えですか。
  217. 高市早苗

    高市国務大臣 先ほどのペーパーにつきましては、三月十二日に事務方が、補足的資料の案ということで、経営委員会の事務局から任意で提供を受けたものでございます。  その後、同日中に私も事務方からそのペーパーを見せてもらいましたが、ただ、これはあくまでも案ということですので、三月二十四日の経営委員会で正式な文書となり、そして議決を経た上で公表されるものだと思っておりますので、まだ完成形じゃないんだろうなと考えております。
  218. 高井崇志

    ○高井委員 経営委員長、今の言葉を重く受けとめていただきたいと思います。完成形じゃない、総務大臣なりに最大限気を使っての発言だと思いますので、それはやはり経営委員会のまさに自律性を期待しているということでありますから。  これは本当に、この程度の議事概要の公表で済ますということでは、到底国民の皆さんは納得できません。本当にこれはNHKの予算にもやはりかかわる問題ですから、しっかりこのあたりは肝に銘じて二十四日を迎えていただきたい、そしてみずからの責任についてもしっかり考えていただきたいと思います。  NHK会長にもお伺いしたいのは、私はちょっと別の観点から。今回、この問題、新聞にここまで議事録がかぎ括弧つきで載るというのは、これはこれでどうなんだろうと。心ある職員が、もうこれは経営委員会を見ていられないと内部告発されたというなら、それはそれで健全なのかもしれません。しかし、この手の議事録は、相当機密性が高い、誰でも持っているものではないと思われます。私は、こういうものを持っている一部の幹部、相当、最高幹部とかが出さない限りこういうものは出ない、通常考えてそうだと思います。  会長も同じような認識を持っておられると思うので、これはやはりNHKの、まさにこっちこそガバナンスが問われているんじゃないか、経営委員会が注意するのはこういう方じゃないかと思いますが、そういった問題が一つあります。  関連して、私は、会長のガバナンスが本当に大丈夫なのかというのが、会長は何度もこの場でも、政治的公平性、不偏不党は非常に大事だということをおっしゃって、私はその言葉にうそはないと信じています。ただ、現実に、その会長の考えが現場までおりているんだろうかということがちょっと疑わしいことが、最近何件か出ているんですね。  その一つの代表を言うと、先日の、安倍首相の十四日の記者会見、コロナウイルス対策の、土曜に行った記者会見で、これは番組の内容にかかわることなので、極めて慎重に、抑制的に私は申し上げたいと思っているんですが、あるメディアがこういうふうに書いています。午後六時から始まった会見は実質五十二分ほど、NHKは午後七時のニュースの時間まで中継できたはずだ、実際、トランプ大統領との共同記者会見などは予定時間を延長しても最後まで中継したと。  そして、これは脳科学者の茂木健一郎さんがツイッターで書いているんですけれども、総理の記者会見は前回に比べればよかった、ただ、NHKはそこは中継を打ち切って、スタジオから愚にもつかない解説をしていたというふうに批判しているんですね。  多くの国民の皆さんからも、この中継、何で打ち切ったんだろうということをいろいろ言われるわけです。  やはり、私は、この会長のまさに不偏不党という思い、政権をそんたくするという、かつての会長とは、というような姿勢はとらないという思いが本当に現場までちゃんと浸透しているのかということを疑いを持ってしまうんですけれども、この点について、会長、どういうお考えを持っていますか。
  219. 前田晃伸

    前田参考人 NHKは、報道機関といたしまして、公平公正、不偏不党、何人からも干渉されることなく、みずから律して放送に当たっております。  総理大臣の記者会見は、国政、外交の重要な節目に行われることが多く、国民・視聴者にとって政府の考えを直接知る貴重な機会となることなどを踏まえまして、今回もNHKの自主的な編集権に基づき中継で放送したものでございます。
  220. 高井崇志

    ○高井委員 恐らく事務方からつくったペーパーをただ読みましたという感じがいたしました。  会長の思いは、私も、会長は個別の番組はそれぞれ現場に任せている、それはいいスタンスだと思うんですよ。ただ、それがやはり、行き過ぎというか、会長の思いと違う、会長が示している方向性と違うときは、それはやはりリーダーシップをとっていただくべきであるし、先ほどの議事録が漏えいしている問題も、私は、会長は言わなくてもわかっておられると思っているんですけれども、やはりこれはなかなかゆゆしき問題であろうと。単なる職員の内部告発という意味を超えている、会長なりあるいは経営委員長なりに対するいろんな思惑のある方がやっているのではないかという、いろんなうわさもあるわけです。  そういうことも含めて、会長のガバナンス、人事でも、正籬さんを一番若い理事から一気に副会長に登用した、私はそういうやり方はある意味評価をしています。さすが大企業の経営者だなと。そういった経営手法については私は評価しますが、しかし、そこは、やる以上はしっかりそこのガバナンスを、まさに会長のリーダーシップを発揮していただきたいということをお願いするのと、あとは、ただ、さはさりながら、これはぜひ会長に一度申し上げたかったんですけれども、これは前の上田会長に私は同じことを申し上げてきたんです。五代続けて民間企業経営者の方が会長をする公共放送というのはやはり私はちょっと異常だと。  去年の夏、総務委員会のメンバーで海外、ヨーロッパ視察に行って、私は行くたびに、行く国で、どういう人が公共放送の会長をやっていますかといえば、ほとんどやはり生え抜きの人か、あるいはほかのメディアで働いていた方。企業経営者がやっているなんという国はなかったし、日本ではそうなんですよと言うと、皆さん驚いていました。  そういう意味では、私は、早く、NHKの中から会長がきちんと出る、そういう人材を育てる、引き上げる、これも会長の大きな使命ではないかなと思っています。なってすぐの会長にそんな次のことを言うのは失礼かもしれませんけれども、これは前の上田会長のときから私は申し上げていることで、ぜひこの点、お願いしたいんですけれども、会長、ちょっと一言、決意のようなものをいただけたら。
  221. 前田晃伸

    前田参考人 大変貴重な御意見だと思います。私もそのように考えております。
  222. 高井崇志

    ○高井委員 ありがとうございます。  会長はいつもうなずいて聞いてくださるので、その言葉に二言はないと信じたいと思います。  それでは、残った時間で、NHK予算の中でもとりわけ私は重要なのは受信料のあり方だと思っています。  これは私の持論なんですけれども、かつてこの総務委員会でも、NHKの受信料は義務化した方がいいんじゃないかということを申し上げました。それはなぜかというと、私は、学生時代、NHKの受信料の集金を四年間ずっとアルバイトでやっていまして、いろいろな家庭に行くと、どう見ても大きな大邸宅で、テレビが三台も四台もありそうな家の方が出てきて、私は留守番の者なのでわかりませんとか、とにかく絶対払わない方がいるんですね。  最近、収納率は上がってきましたけれども、まだやはり八三%ですね、今。払っている人と払っていない人がいるというのはやはり不公平だと私は思います。それを一〇〇にするための努力をしようと思ったら、やはり、義務化というか、BBCのような罰則をつけるとか、あるいは、韓国なんかそうですかね、電気料金と一緒に請求するというような、そういう方式もあると思います。  これを二〇一五年ぐらいに私はこの委員会で言って、当時の籾井会長がそれは大変賛成だと言って大きな新聞記事に出て問題になったんですけれども、NHKはそういうスタンスをとっていなかったので、当時の籾井会長の勇み足なんですが。  ただ、そこからまた五年たって、これもまた去年、総務委員会で海外へ視察に行って、ヨーロッパはもうかなり税方式というんですか、義務化というか、皆さんから取る方式になっているんです。  それはなぜかというと、ネットですよ。テレビだけ持っている人というのはもういない。若い人なんかネットでも見る。それをどうやって、じゃ、スマホを持っている人に全部受信料を義務づけるのかとなったときに、これからは、テレビだけじゃない、公共メディアになった、インターネットの時代になったときは、やはりこういったやり方も、ヨーロッパに倣って私は考えていかなきゃいけないんだろうと思っています。  それで、これのメリットは、受信料を下げることができますよね。八三%の契約率が一〇〇パーになれば、一七%収納もふえるわけですし、それから、実は、受信料というのは一割コストがかかっていますね。七千億の予算のうち約七百億が、集金して歩く、最近は集金ではなくて会社に委託して、集金だと、私も働いている人の雇用をどうするんだろうと、それはそれで考えていかなきゃいけないんですけれども、しかし、最近はもう外部委託でどんどん企業に頼んで、それはそれでまた、取り方が問題だったりしているわけです。そういったことを考えれば、もうこの収納コストを一割も、七百億もかけていなければ、その分を利用者に還元できる、値下げできる。単純に考えても三割ぐらい値下げができるわけです。  そう考えると、今、一部でスクランブル、あ、足立さんもいるな、スクランブルという意見が結構出ていますけれども、スクランブル化してしまうと、やはりどうしても、契約する人、払う人は相当激減するだろう。今のNHKの状態で、本当にスクランブルにして、見る人はどのくらいいるんだろうかと思ったら、半分ぐらい減っちゃって、そうしたらもうNHKも規模を縮小しなきゃいけない。そして、NHKの質のいい、高い番組が維持できなくなってしまう。  もちろんNHKの内部改革、必要ですよ。必要ですけれども、やはり番組の質がこれ以上下がって、さっき長尾委員が言ったように、海外のネットフリックスなんか一話二億円でドラマをつくっている、NHKなんか大河ドラマですら一億円もかけられないんですよ。  そういう状態の中で、やはりNHKが維持していくためには、私は、ヨーロッパあるいは世界の趨勢になっている、こういう、皆さんから受信料を広く、そのかわり値下げもしますという方式を、そして、払っていない人がいない、そういう不公平な状態をなくすという案は大いに検討すべき、やるべきだと考えますが、NHK会長、御見解をお聞かせください。
  223. 前田晃伸

    前田参考人 放送と通信の融合が進む中におきまして、例えば、テレビを持たない方に対して公共性の高い情報やコンテンツを届けていくのは、信頼される情報の社会的基盤という役割を果たしていく上で重要な課題でございます。  こうした観点から、放送と通信の融合時代にふさわしい受信料制度のあり方につきましては、研究が必要な課題だと考えておりまして、海外の公共放送の事例や有識者の専門的な知見を参考に、引き続き研究してまいりたいと考えております。  各国の公共放送は、それぞれの国の歴史、伝統、政治、経済に応じて発展してきておりまして、その財源につきましても、その歴史的経緯に応じて各国が独自に決めているものと承知しております。  いずれにいたしましても、受信料制度のあり方につきましては、視聴者・国民の皆様の御理解を得ることが大前提であると考えております。
  224. 高井崇志

    ○高井委員 総務大臣にも聞きたいんですけれども、もう時間になりましたので。  これは珍しく、今までNHKの受信料というのはNHKが考えることだと言ってきた総務省が、初めて踏み込んで、みずからが検討を始めた。それは、私は、総務大臣、危機感を持っているんだろうと思います。  ちなみに、昨年の総務委員会の視察では、与党の皆さんも含めて、今私が申し上げたやり方がいいんじゃないかという意見が大半であったことを申し添えて、質問を終わります。  ありがとうございました。
  225. 大口善徳

    大口委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後四時四十五分散会