○尾辻
委員 私は、やはり、
行政措置だけではなくて、罰則までやって
不利益取扱いをこういうふうに抑止しないと、さっきの
事前のところだけでは不十分だと思うんですね。
それはなぜかというと、例えば、助言、指導、勧告、公表、この
行政措置に、では本当に効果があるのか。労働法制の中で、
不利益取扱い禁止規定が入っていて、実は公表まで至ったものというのは、私、きのうもヒアリングで確認したんですけれども、大体、
関係者の中で
思い当たるのは実は一件なんです。一件しかなくて、妊娠を
理由とする解雇で、男女雇用機会均等法第三十条に基づく公表というのが
平成二十七年九月四日に一件だけ公表されているんですが、結局、それですら、そんなぐらいの
運用実態なんですね。
だから、これが入ったらすごく恐ろしいことが起こるんじゃないかというふうに皆さんは思われているかもしれませんけれども、労働法制の分野においても、実は、公表までしてもどこまで抑止できているのかなというような
状況があって、だからこそ、命令と
刑事罰までしっかり入らないと、これは
実効性が担保できないと思うわけです。
ですので、
大臣、
附則の中にも入っているとおっしゃいましたので、これはしっかり、事実認定、執行
体制に課題ということは聞いておりますが、これは鶏と卵でありまして、やるんだと決めて実行していけば、できる
体制をつくることが大事ですので、ぜひ政治の意思を示していただきたいというふうに、ちょっと次の
質問がありますので、これは要望にしておきたいと
思います。できるだけ早くこの
不利益取扱いの
措置をやっていただきたいというふうに
思います。
次の
論点は、では、実際に
不利益を受けた人がどのようにして被害を回復するのか、その負担をどうやって軽減するのかということについてお聞きをしていきたいと
思います。
ちょっと何回も出して恐縮ですけれども、お隣の韓国は国民権益
委員会というのがありまして、ここが本人のかわりに会社を
調査して処分するんですよ。その処分に会社が不服の場合も、会社と国が
裁判をして、本人が費用負担とか
裁判の負担がほとんどないような状態をつくっています。
では、
日本はどうかというと、先ほどから
委員の皆さんが御指摘されているように、
不利益取扱いを受けた人は、自分の会社で勤務をしながら自分の会社を民事訴訟で訴える。それも、例えば人事のことであれば、
事業者には幅広い人事考課裁量権が認められていますから、これはもう本当に難しい闘いで、オリンパスでいうと、
内部通報者として頑張っていただいた浜田さん、長い長い
裁判を闘ってきたわけです。ですので、やはりこのルールを変えなければいけない。浜田さんは、究極のざる法だと
公益通報のことを言われている。実際に
内部通報された人が、こんなんじゃ使えないし、自分が
裁判で訴えないとどうにもならないというのはおかしいんじゃないかと言われています。
大臣、お聞きしますが、この部分、結局変わらないわけなんですね。今のこの
制度のままで、
通報者側の
リスクと負担はやはり大き過ぎると思うんです。
大臣、その
認識はいかがでしょうか。