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麻生国務大臣 金融所得課税の話ですけれ
ども、これは
御存じのように、平成二十五年、六年に改正させていただいて、一〇%から二〇%まで引き上げさせていただいたところなんですが、これによって高
所得者の
所得税の
負担率が上昇する傾向が見られて、よく言われます
所得配分機能というものの回復に一定の効果があったんだと思っております。
この間からよく言われますように、やはり
金利がつかないものですから、金をたらたら持っていても、よく言いますけれ
ども、一万円
金利所得を得ようと思ったら、
普通預金でやったら
分離課税がかかるから十二億円
預金しなきゃ一万円稼げませんからね。計算するとそうなりますので。十二億円持っている人って、ちょっとここにはいらっしゃらないような感じがしますけれ
ども、なかなかおられぬものですよ。そんな、十二億ですよ、それでも一万円ですから。それはもう全然昔とは違うので。
そういった
意味では、この
現金というものを持っておられるだけではということになると、持っておられる方は、その分でいわゆる株とかいろいろな形に、債券とかいうことになりまして、そこから得られる
金融所得というものの率がどんどんどんどん大きくなって結果的にあの差が出てくるという形になっているというのは、一億円の差をよく使われておられましたけれ
ども、それは事実だと思っております。
したがいまして、この
金融所得課税というものの見直しというのは、いわゆる
所得分配機能というものの改善というものをあわせてこれはちょっと
考えないかぬというところまで来ているんだと、私もそう思っておりますので。
ただ一方、私
どもとしては、何といっても一千八百六十兆円と言われる薄気味悪いほど大きな
個人金融財産というもののうち九百八十兆円ぐらいが現
預金ということになっているのは、これはちょっとどう
考えても普通じゃないなと思っておりますので、貯蓄から
投資ということを、いわゆる家計というこの資産を形成する
意味でぜひということを申し上げてきておりますので、これをやらせていただくという
意味では、ちょっと何となく、今言っておいて、傍ら、言った途端にはいというのはちょいとなかなか難しかったんだとは思いますけれ
ども。
いずれにいたしましても、私
どもとしては、来年度の
税制改正というものが控えておりますので、その段階でちょっとこの点は検討させていただくということをやらせていただきたいと思っております。
内部留保課税の話もしておられましたけれ
ども、これはもう昔から言うておる話なので、ちょっと今さら私が申し上げることもないとは思いますけれ
ども、少なくともこの
内部留保課税というのは、この
税制の中で、どうして
企業の
経営者というのはこの程度の
意識に成り下がったんだかよく知りませんけれ
ども、少なくともこの二十数年間の間に、全くこういった金というものを
設備投資とか給与とかいうものに回す意欲がなくなってきて。
労働分配率。
労働分配率は余りこの業界では使わない
言葉ですけれ
ども、我々
経営者の
世界でよく使う
言葉で
労働分配率という
言葉があったんですけれ
ども、それがもうどんどんどんどん下がって、今六〇%台の前半ぐらいまで落っこちちゃっているんじゃないの、これ。何でですかね、これ。と思うぐらいは下がって、どなたも、
組合が品がいいからか何か知りませんけれ
ども、最近、この種の話で
賃上げ闘争なんて聞いたことがありませんから。
今度のこの
ウイルスの話だって、これを賃下げに使われたらたまらんと思わぬのはおかしいでしょうが。僕はそう思いますよ。僕が
組合だったら絶対だね。これをネタにされますから。だから、それはだめよということを言うのが
組合の仕事なんじゃないのと。俺から言われているのはおかしいでしょうがと、ちょっとある偉い方に申し上げましたけれ
ども。
そういったような形になってきていると思いますので、少しこの点は、
内部留保が、わんわんいって二十五、二十五とずっと上がっていたのが四十まで上がって、いいかげんにしてくださいといって十七まで下がっていますけれ
ども、それでもトータル四百何十兆ということになっていますので、ちょっとたまって、
国家予算の四倍、
企業は持っているという話ですから、それはちょっとでか過ぎるんじゃないんですかね。
私
自身は、
内部留保という形でたまっているのに関しては、ただ、うかつに、これは二重
課税とかいろいろな問題が発しますので、どうしてその金をこう使っていただく気になるかというところが、私
どもとして、
経営者の
意識の問題ですから、なかなかここのところは頭を痛めているところではありますけれ
ども、何らかの形でこれを刺激することを
考えないかぬという形には思っております。