○階
委員 ありがとうございます。
その上で、私も公明正大に、揚げ足をとるような
質問をするつもりはありません。
ただ、私は今回の
剰余金の
特例法案、極めて問題が多いと思っていて、それが今回
提出される遠因となったのが、日銀の異次元の
金融緩和が無期限に続いていることだと思っているんですね。それできょうは日銀総裁にも来てもらっていて、後ほど日銀総裁にも答えてもらわなくちゃいけないと思っていますので、ぜひ、
質問に対してはなるべく手短に、
麻生節も聞きたいところなんですが、手短にお願いします。
その上で、きょうは資料を用意しました。私の方で
財務省が
もともとつくった資料を
もとにして、ちょっとフローチャートみたいな表があると思うんですが、こちらをごらんになってください。
平成以降の
財政法第六条
剰余金の
処理状況と題しております。
過去の借金返済に充当したケース、御案内のとおり
財政法六条では少なくとも五割、五〇%という定めなわけですが、その五〇%を超えて借金返済に充当したケースも三回ほどある。特に、
平成十六、十七
年度の
剰余金については一〇〇%過去の借金返済に充当したということでありました。
一番多いのが、
財政法六条をぎりぎり守ったケース、つまり五〇%だけ返済に回した。これが、実は最近このパターンが一番多くて、二十三
年度から二十九
年度の
剰余金についてはずっとこういうやり方をしてきた。
最後に、全く過去の借金返済に充てなかったケース、これは当然
特例法を制定することになるんですが、過去を見ますと、今回のを除いて七回あります。
私も
財務省からも資料をもらって分析したんですが、
平成二年、三年は、バブル崩壊が始まったところで大幅に
税収が落ち込んで、それを埋めるために
剰余金を使った。あと、
平成六
年度の
剰余金は、
平成七年に
阪神・
淡路大震災があったのでそれの
復旧復興などもあり、
補正予算で使った。
あとは、十一年、十二年、十四年、このあたりは、非常に
財政規律をしっかりやりましょうということで、なるべく国債発行をしないように
補正予算を組んだ。あと、二十二
年度の
剰余金は二十三
年度の
補正で使っているんですが、これは言わずと知れた東
日本大震災の
復旧復興のためです。
こういう中で、三十
年度は
税収が落ち込んだというのもありますけれども、その使い方なんですね。借金抑制の程度ということで右側に書いておりますけれども、
補正予算での新規の借金をどれぐらい抑制したかということも過去の例を調べてみました。
この
剰余金を使うことによって、全く国債を発行しないで済んだというのが
平成十四年、二十二年。
そして、建設国債は赤字国債と違って財産が残るということで同じ借金でも質がいいと思うんですが、建設国債のみ発行したというのが
平成二年、三年、十一年の
剰余金でした。
それから最後に、赤字国債まで発行している、つまり、
剰余金も使うんだけれども建設国債のみならず赤字国債も発行したというのが
平成六、
平成十二年、そして今回です。
その赤字国債の発行額という
意味でも、今回が群を抜いて多くなっているわけですね。二兆二千二百九十七億円ということであります。
阪神・
淡路大震災のときよりも圧倒的に多いわけであります。
こういう使い方、よく見ると数字の左側に上中下とか書いていますけれども、過去の借金返済に充当したかどうかという
意味では、上中下でいえば下ですね。そして、
補正予算で新規借金を抑制したかどうかという
意味でも下です。下の下ですね、これは。かつ、下の下であるだけではなくて、本
予算に
剰余金を回したことによって赤字国債の発行額も異常に膨らんでいるわけです。二兆二千二百九十七億円。
こんな下の下、そして
大臣もお認めになられた粉飾、こうした法案をどうして出すんでしょうか。
財務省の矜持が全く感じられません。私、
大臣としてこれは恥ずべきことだと思いますよ。どうしてこんな法案になったんですか。反省というか、自分自身として、こんな法案で問題ないとお思いでしょうか。お答えください。