○荒井
委員 ありがとうございます。
私は、横田空域の話を、大きく変更していく、あるいは返還をしてもらうというのは、これは
アメリカのためにもなるんだということをしっかり説得することだと思います。
沖縄返還交渉のときの千葉さんの論法は、このまま沖縄をああいう形で
アメリカが占有していれば、沖縄の中に反
アメリカの機運が盛り上がっていって基地そのものが否定されることになる、それでいいのかという議論を展開するんですね。これがやはり
アメリカにとってはこたえたんです。
日本の基地はやはり大事ですから、
日本全国に反米基地闘争が展開する、ちょうど本州の方はその時期だったんですけれどもね、ということから、沖縄返還交渉というのが一歩一歩進んでいったというふうにこの本には書かれています。
ぜひ、
アメリカとの交渉の際には、そういう点にも考慮して議論を展開していくべきだというふうに思います。
ところで、きょうの「工事不手際 四号機救う」というこの新聞記事、これは二〇一二年の三月の記事です。東北大震災のときに福島第一原発が電力が途絶して非常なピンチになったんですけれども、そのとき最大のピンチは、実は、稼働を停止していた四号炉だったんです。四号炉の使用済み核燃料がこのプールの中に保管されていたんです。
ここに写真がありますけれども、右側に貯蔵プールと書いてありますね。この貯蔵プールの中に、何百トンだったかな、巨大な数量の使用済み核燃料が保管をされていました。これは、水で冷やさなければ放射能が出てしまうということで、水で冷やされていました。
アメリカは、第一原発の事故の後、すぐシミュレーションをやったんですね。特に心配なのは四号炉だ、この四号炉の状態が、電力がなくなれば、空っぽの状態になれば大量の放射能が出てくる、大量の放射能が出てくれば東京も住めなくなるというシミュレーションをいたしました。それで、
アメリカは、大使館の職員も含めて、あるいは
日本に駐在をしている軍隊の家族も含めて、
日本国からの
避難を勧告するんです。かなりの人たちがその勧告に従って
アメリカは逃げました。それは、
各国みんなそうでした。フランスもそうですし、そのほかもそうだったんです。
ところが、何かよくわからないけれども、シミュレーションした放射能よりもはるかに少ない放射能しか観測されなかったんです。どうしてだろう、なぜなんだろう、どうも水があるんじゃないかという話になりました。
そこで、
アメリカ政府から大使館を通じて、この四号炉のプールの
状況について明らかにしてくれという要請がありました。
そこで、当時の与党であった私たちは、ヤマハ発動機のヘリコプターを、これが一番使える機器だったですね、無人の
飛行機として、無人の観測機としては。それを使おうということで飛ばしました。しかし、放射能の防御はない、それから、その数年前にココム違反で、このヘリコプターは、遠くへ飛ばせないような、そういう仕組みになっていたんです。したがって、操縦者がその近くまで行ってコントローラーを操縦しなきゃならないという制限があって、そこは無理だという話になって、結果的には使えなかったんです。
日本には、この原発の
災害のときに、水があるかどうかという極めて単純なことさえ明らかにできるだけの技術力がなかったということです。
そこで、
アメリカが手を差し伸べてくれました。軍事用の大型のグローバルホークという、かなりでかいもの、これを
アメリカが独自に、
日本の横田基地かどこかから出てきたんだと思うんですけれども、それが福島原発の第四号機の
上空に行って写真を撮影したんです。その結果、水があったということがわかったんです。
これは物すごい幸運でした。ちょうど四号機は水を満杯にして改修作業をやっていたんです。原子炉の改修というのは水を満杯にしてやるやり方しかないから。その満杯にした水が、原子炉の方にあった水が、ふたがずれて、そのふたを通して使用済み核燃料のあるところに流れ込んだんです。それで助かりました。東北も関東も、これゆえに助かったんですね。これは、ラッキー、何物でもありません。当時、私は神風だと言っていましたけれども、何物でもないことで、
日本は、東京は助かったんです。
しかし、そのときに、
日本にこういうことを偵察できる無人機がないということは恥ずかしいことだ、原子炉を動かしておいてそういうものがないというのは恥ずかしいことだ、そんなふうに痛感しました。
その後、
ドローンについて関心を持ちましたので、私は
ドローンの、超党派の議連だったでしょうか、それにも参加しながら、いろいろ観測をしていましたけれども、その後、
ドローンについて随分機運が盛り上がるんですね。そして、五年ぐらい前でしょうか、
アメリカを中心にして、将来十兆円ぐらいの市場規模になるだろうという観測が出て、いろいろな大手のIT企業や航空機産業の機器などが大いに参入をしていきます。
しかし、残念ながら、
日本はこの産業分野というのは非常におくれているんじゃないでしょうか。いまだに、まだあの四号炉に届く
ドローンはつくれていないんじゃないでしょうか。私は非常に残念に思います。
この
ドローンの技術というのは、一番肝心な技術というのはカメラなんですよね。NASAの惑星衛星のカメラというのは、ほとんど
日本製ですよ、あれは。それから、電池の技術、これも
日本は物すごく高いんです。電波のコントロールの技術も私は高いと思うんです。これだけそれぞれの高い技術を持ちながら産業として育成できない。きょうは通産省もいますけれども、私は、通産省は、余計なことをしないで、マスクなんかやらないで、ちゃんとこういう新しい技術を展開していく産業をつくるべきだと思います。
これから、ポスト
コロナの時代になって、新しい産業が絶対必要なんです。そのときに、この
ドローンの産業化というのは物すごい
可能性があるはずなんです。
そういう点について、まずは
大臣にお聞きします。