運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

2020-04-06 第201回国会 衆議院 決算行政監視委員会第二分科会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    分科会令和二年三月二十七日(金曜日)委員会において、設置することに決した。 四月三日  本分科員委員長指名で、次のとおり選任された。       田中 英之君    野田 聖子君       福田 達夫君    船橋 利実君       三ッ林裕巳君    落合 貴之君       後藤 祐一君    高木錬太郎君       宮本  徹君    丸山 穂高君 四月三日  後藤祐一君が委員長指名で、主査に選任された。 令和二年四月六日(月曜日)     午前九時開議  出席分科員    主査 後藤 祐一君       田中 英之君    野田 聖子君       百武 公親君    福田 達夫君       船橋 利実君    三ッ林裕巳君       荒井  聰君    落合 貴之君       城井  崇君    高木錬太郎君       福田 昭夫君    谷田川 元君       畑野 君枝君    宮本  徹君       丸山 穂高君    兼務 川内 博史君 兼務 岡本 三成君     …………………………………    財務大臣         麻生 太郎君    総務大臣         高市 早苗君    文部科学大臣       萩生田光一君    防衛大臣         河野 太郎君    財務大臣        藤川 政人君    会計検査院事務総局事務総長官房審議官       中村 和紀君    会計検査院事務総局事務総長官房審議官       吉田 裕治君    会計検査院事務総局第二局長            篠原 栄作君    会計検査院事務総局第三局長            宮川 尚博君    会計検査院事務総局第四局長            内野 正博君    会計検査院事務総局第五局長            原田 祐平君    政府参考人    (外務省大臣官房参事官) 有馬  裕君    政府参考人    (財務省大臣官房長)   茶谷 栄治君    政府参考人    (財務省大臣官房政策立案総括審議官)       岡本 直之君    政府参考人    (財務省主計局次長)   角田  隆君    政府参考人    (財務省主税局長)    矢野 康治君    政府参考人    (財務省理財局長)    可部 哲生君    政府参考人    (国税庁次長)      田島 淳志君    政府参考人    (文部科学省大臣官房文教施設企画防災部長)   山崎 雅男君    政府参考人    (文部科学省総合教育政策局長)          浅田 和伸君    政府参考人    (文部科学省初等中等教育局長)          丸山 洋司君    政府参考人    (文部科学省高等教育局長)            伯井 美徳君    政府参考人    (スポーツ庁次長)    瀧本  寛君    政府参考人    (文化庁次長)      今里  讓君    政府参考人    (国土交通省大臣官房建設流通政策審議官)     中原  淳君    政府参考人    (防衛省整備計画局長)  鈴木 敦夫君    政府参考人    (防衛省人事教育局長)  岡  真臣君    政府参考人    (防衛省地方協力局長)  中村 吉利君    政府参考人    (防衛装備庁長官)    武田 博史君    政府参考人    (株式会社日本政策金融公庫代表取締役総裁)    田中 一穂君    政府参考人    (株式会社国際協力銀行代表取締役総裁)      前田 匡史君    総務委員会専門員     近藤 博人君    財務金融委員会専門員   齋藤 育子君    文部科学委員会専門員   吉田 郁子君    安全保障委員会専門員   奥  克彦君    決算行政監視委員会専門員 橋本 和吉君     ――――――――――――― 分科員の異動 四月六日  辞任         補欠選任   野田 聖子君     百武 公親君   落合 貴之君     玄葉光一郎君   高木錬太郎君     荒井  聰君   宮本  徹君     畑野 君枝君 同日  辞任         補欠選任   百武 公親君     野田 聖子君   荒井  聰君     福田 昭夫君   玄葉光一郎君     阿部 知子君   畑野 君枝君     藤野 保史君 同日  辞任         補欠選任   阿部 知子君     城井  崇君   福田 昭夫君     谷田川 元君   藤野 保史君     清水 忠史君 同日  辞任         補欠選任   城井  崇君     落合 貴之君   谷田川 元君     高木錬太郎君   清水 忠史君     宮本  徹君 同日  第一分科員岡本三成君及び第四分科員川内博史君が本分科兼務となった。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  平成二十八年度一般会計歳入歳出決算  平成二十八年度特別会計歳入歳出決算  平成二十八年度国税収納金整理資金受払計算書  平成二十八年度政府関係機関決算書  平成二十八年度国有財産増減及び現在額総計算書  平成二十八年度国有財産無償貸付状況計算書  平成二十九年度一般会計歳入歳出決算  平成二十九年度特別会計歳入歳出決算  平成二十九年度国税収納金整理資金受払計算書  平成二十九年度政府関係機関決算書  平成二十九年度国有財産増減及び現在額総計算書  平成二十九年度国有財産無償貸付状況計算書  (総務省財務省所管株式会社日本政策金融公庫株式会社国際協力銀行文部科学省及び防衛省所管)      ――――◇―――――
  2. 後藤祐一

    後藤主査 これより決算行政監視委員会第二分科会を開会いたします。  私が本分科会主査を務めることになりました後藤祐一でございます。どうぞよろしくお願いいたします。  本分科会は、総務省所管財務省所管株式会社日本政策金融公庫株式会社国際協力銀行文部科学省所管及び防衛省所管について審査を行います。  なお、各省庁の審査に当たっては、その冒頭決算概要説明会計検査院検査概要説明及び会計検査院指摘に基づき講じた措置についての説明を聴取することといたします。  平成二十八年度決算外二件及び平成二十九年度決算外二件中、総務省所管財務省所管株式会社日本政策金融公庫株式会社国際協力銀行文部科学省所管及び防衛省所管について審査を行います。  これより文部科学省所管について審査を行います。  まず、概要説明を聴取いたします。萩生田文部科学大臣
  3. 萩生田光一

    萩生田国務大臣 おはようございます。  平成二十八年度文部科学省主管一般会計歳入決算並びに文部科学省所管一般会計歳出決算及び特別会計歳入歳出決算概要を御説明申し上げます。  まず、文部科学省主管一般会計歳入決算につきましては、歳入予算額三百三十八億一千六百三万円余に対しまして、収納済み歳入額は三百二十九億三千七百六十六万円余であり、差引き八億七千八百三十六万円余の減少となっております。  次に、文部科学省所管一般会計歳出決算につきましては、歳出予算現額五兆八千六百二十四億九千八百八十四万円余に対しまして、支出済み歳出額は五兆五千十一億九千六十八万円余であり、その差額は三千六百十三億八百十六万円余となっております。  このうち、翌年度へ繰り越した額は三千二百五十三億六千七十一万円余であり、不用額は三百五十九億四千七百四十四万円余となっております。  次に、文部科学省所管エネルギー対策特別会計電源開発促進勘定歳入歳出決算につきましては、収納済み歳入額一千百十九億三千百六万円余に対しまして、支出済み歳出額は千九十三億千七十九万円余であり、その差額は二十六億二千二十七万円余となっております。  このうち、翌年度に繰り越した額は九十六万円余で、平成二十九年度予算に歳入計上した剰余金は二十億八百七十八万円であり、これらを除いた純剰余金は六億一千五十二万円余となっております。  次に、文部科学省所管東日本大震災復興特別会計歳入決算につきましては、歳入予算額二十五億四千八百三十八万円余に対しまして、収納済み歳入額は十二億七千七百七十七万円余であり、差引き十二億七千六十万円余の減少となっております。  次に、文部科学省所管東日本大震災復興特別会計歳出決算につきましては、歳出予算現額千九十七億千二十六万円余に対しまして、支出済み歳出額は八百九十九億四千百三十三万円余であり、その差額は百九十七億六千八百九十三万円余となっております。  このうち、翌年度へ繰り越した額は九十四億七千四百十二万円余で、不用額は百二億九千四百八十一万円余となっております。  続きまして、平成二十九年度文部科学省主管一般会計歳入決算並びに文部科学省所管一般会計歳出決算及び特別会計歳入歳出決算概要を御説明申し上げます。  まず、文部科学省主管一般会計歳入決算につきましては、歳入予算額二百七十九億二千百八十一万円に対しまして、収納済み歳入額は二百九十三億六千五十二万円余であり、差引き十四億三千八百七十一万円余の増加となっております。  次に、文部科学省所管一般会計歳出決算につきましては、歳出予算現額五兆八千九百十九億三千九百九十一万円余に対しまして、支出済み歳出額は五兆六千四十九億五千五百五十六万円余であり、その差額は二千八百六十九億八千四百三十五万円余となっております。  このうち、翌年度へ繰り越した額は二千三百四十七億九千九百二十六万円余で、不用額は五百二十一億八千五百八万円余となっております。  次に、文部科学省所管エネルギー対策特別会計電源開発促進勘定歳入歳出決算につきましては、収納済み歳入額一千百二億九千六百三十六万円余に対しまして、支出済み歳出額は千九十二億四百七万円余であり、その差額は十億九千二百二十八万円余となっております。  このうち、平成三十年度予算に歳入計上した剰余金は六億一千五十二万円余であり、これを除いた純剰余金は四億八千百七十六万円余となっております。  次に、文部科学省所管東日本大震災復興特別会計歳入決算につきましては、歳入予算額二十六億一千二百二十六万円余に対しまして、収納済み歳入額は二十一億三千五百六十九万円余であり、差引き四億七千六百五十七万円余の減少となっております。  次に、文部科学省所管東日本大震災復興特別会計歳出決算につきましては、歳出予算現額六百二十一億六千百五十二万円余に対しまして、支出済み歳出額は五百二十一億二百九十三万円余であり、その差額は百億五千八百五十八万円余となっております。  このうち、翌年度へ繰り越した額は七十三億三千六百十三万円余で、不用額は二十七億二千二百四十五万円余となっております。  以上、平成二十八年度及び二十九年度文部科学省所管一般会計及び特別会計決算につきましては、その概要を御説明申し上げました。  何とぞよろしく御審議のほどお願いを申し上げます。
  4. 後藤祐一

    後藤主査 次に、会計検査院検査概要説明を聴取いたします。会計検査院内野第四局長
  5. 内野正博

    内野会計検査院当局者 平成二十八年度文部科学省決算につきまして検査いたしました結果の概要を御説明いたします。  検査報告に掲記いたしましたものは、不当事項四十六件、意見を表示し又は処置を要求した事項二件及び本院の指摘に基づき当局において改善処置を講じた事項二件であります。  まず、不当事項について御説明いたします。  検査報告番号四九号及び五〇号の二件は、会計経理が適正を欠いていたもの、同五一号は、委託費の支払いが過大となっていたもの、同五二号から九四号までの四十三件は、補助事業実施及び経理が不当なものであります。  次に、意見を表示し又は処置を要求した事項について御説明いたします。  その一は、公立学校施設整備費負担金における新増築事業及び学校施設環境改善交付金等における改築事業等実施に関して是正改善処置を求めたもの、その二は、中期目標期間終了時の会計処理の結果、積立金がないことなどにより次の中期目標期間への繰越し等の対象とならずに国立大学法人に留保されることとなる精算収益化額に相当する額等資金に関して改善処置を要求したものであります。  次に、本院の指摘に基づき当局において改善処置を講じた事項について御説明いたします。  その一は、被災私立高等学校等教育環境整備支援臨時特例交付金により造成された基金における被災私立学校復興支援事業に係る取崩し額の算定に関するもの、その二は、東日本大震災からの復旧復興事業に関連して発生した返納金等に関するものであり、これら二件について指摘したところ、それぞれ改善処置がとられたものであります。  続きまして、平成二十九年度文部科学省決算につきまして検査いたしました結果の概要を御説明いたします。  検査報告に掲記いたしましたものは、不当事項三十件、意見を表示し又は処置を要求した事項一件及び本院の指摘に基づき当局において改善処置を講じた事項一件であります。  まず、不当事項について御説明いたします。  検査報告番号七九号から一〇八号までの三十件は、補助事業実施及び経理が不当なものであります。  このうち、七九号から八二号までの四件はへき地児童生徒援助費等補助金が過大に交付されていたもの、八三号及び八四号の二件は公立高等学校授業料徴収交付金が過大に交付されていたもの、八五号は独立行政法人国立高等専門学校機構設備整備費補助金が過大に交付されていたもの、八六号は私立高等学校等経常費助成費補助金が過大に交付されていたもの、八七号及び八八号の二件は国宝重要文化財等保存整備費補助金が過大に交付されていたもの、八九号から九三号までの五件は義務教育費国庫負担金が過大に交付されていたもの、九四号は公立学校施設整備費負担金が過大に交付されていたもの、九五号から一〇四号までの十件は学校施設環境改善交付金が過大に交付されていたもの、一〇五号から一〇八号までの四件は私立学校施設整備費補助金が過大に交付されていたものであります。  次に、意見を表示し又は改善処置を要求した事項について御説明いたします。  これは、高校生等奨学給付金制度実施に関して、意見を表示したものであります。  次に、本院の指摘に基づき当局において改善処置を講じた事項について御説明いたします。  これは、不特定の人が出入りする文化財建造物に関して、改善処置がとられたものであります。  以上をもって概要説明を終わります。
  6. 後藤祐一

    後藤主査 ただいまの会計検査院指摘に基づき講じた措置について説明を聴取いたします。萩生田文部科学大臣
  7. 萩生田光一

    萩生田国務大臣 平成二十八年度及び二十九年度予算の執行に当たりましては、予算の効率的な使用と経理事務の厳正な処理努力したところでありますが、平成二十八年度及び二十九年度決算検査報告において会計検査院から御指摘を受けましたことは、まことに遺憾に存じます。  御指摘を受けました事項につきましては、適切な措置を講ずるとともに、今後、この種の事例の発生を未然に防止するため、より一層指導監督の徹底を図ったところであります。
  8. 後藤祐一

    後藤主査 この際、お諮りいたします。  お手元に配付いたしております決算概要説明等のうち、ただいま説明を聴取した部分を除き、詳細な説明は、これを省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 後藤祐一

    後藤主査 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――
  10. 後藤祐一

    後藤主査 以上をもちまして文部科学省所管についての説明は終わりました。     ―――――――――――――
  11. 後藤祐一

    後藤主査 これより質疑に入ります。  質疑の申出がありますので、順次これを許します。荒井聰君。
  12. 荒井聰

    荒井分科員 立憲民主党衆議院議員荒井聰でございます。  冒頭、先週、北海道教育長佐藤さんという方が急死をされました。二月から三月にかけて、学校の一斉休校という突然の処置に奔走し、また、その前は危機管理監として、北海道のブラックアウトという、電力が全部とまってしまって、一番あれで気をつけなきゃならないのは人工呼吸器電力を確保するということ、それに奔走された方で、非常に真面目で、北海道の中でも大変尊敬も集め、人望も集め、期待をされていた方ですけれども、その方が心臓疾患で突然亡くなられました。本当に残念でたまりません。  これに関して、大臣、通告はしていないんですけれども、今、緊急事態宣言を発するのではないかというふうに言われていますけれども、一斉休校についてどのような考えなのか、また、それについて、佐藤さんの場合には突然だったものですから、非常に心労を煩わせたと思うんですけれども、そういうことがないように。  と申しますのは、私、三・一一のときに原発事故で、地方自治体職員があの対応に非常に苦労をして、中に精神的なディジーズに悩んだ、そういう事例も知っています。そういうことで、現場で働く人を一番大事にしていかないとこのコロナ対策でも有効な対策が打てないと思うんですけれども、そんな中で、大臣、どのようなお考えを持っているのか、お聞かせ願いたいと思います。
  13. 萩生田光一

    萩生田国務大臣 まず、佐藤さんの御逝去を心からお悔やみを申し上げたいと思います。御冥福をお祈りしたいと思います。  全国一斉休業の要請は、二月の二十七日に三月二日からということで、大変準備期間のない中で、全国皆さんに御負担をかけたことは事実だと思います。繰り返し国会でも答弁してきましたけれども、あらかじめさまざまな準備を各自治体がする余裕があった方がよかったということは、私自身、大いに承知をしているところでございます。  他方、二月二十五日通達で、もしかすると感染者がいない自治体であっても今後学校を閉めなきゃならない事態というのは、各教育委員会、各首長の皆さんにもあらかじめ心構えはお願いをしていたところでございまして、今後、事態が更に進んで、もう一度そういう事態が生じるということになれば、一度経験をしているということもありますけれども、あらかじめ地方自治体皆さんの御負担を最小限にして、事がスムーズに進むように努力をしたいと思っております。  なお、北海道につきましては、三月二日以前から既に休校を行っておりました。そういう意味で、職員皆さんも大変さまざまな御負担がきっとあったんだろうと察するところでございます。  いずれにしても、こういうときには、地方公務員皆さん、本当に頑張っていただかなくてはなりませんし、一般民間皆さんとは違う意味での責任を感じながらお仕事に従事されると思いますので、そういった心労も含めて、最大限の配慮をしっかり心がけていくことを改めてお誓い申し上げたいと思います。
  14. 荒井聰

    荒井分科員 ありがとうございます。  一斉休校の場合には、過去にインフルエンザの蔓延などで何度も例があるんですよね。やり方等についてもかなり一定のルールでやってきている。そういうことからいけば、今度の新型コロナ治療法がないということも、あるいはワクチンがないということもあるんですけれども、十分従来のやり方でもよかったのではないかなと私自身は思っております。  それに関して、これから緊急事態の対処について議論がされるんだと思うんですけれども、PCRの、これは大臣所管じゃないからお聞きだけしていただければと思いますけれども、PCR検査法だけではなくて、血清抗体検査法というのが十分か十五分ぐらいでできる。市中クリニックをされているお医者さんたちは、この手法をなぜとらないんだろうか、確かにPCR手法よりも精度は下がるんだけれども、十分か十五分ぐらいですぐ結果が出ると。既に市中感染が始まっているわけですので、なるべく時間を短く結果を得るということが自分たちクリニック治療についても緊急なものであるので、ぜひこれを採用するように政府内で具体的に議論してほしいという要望もございます。私も、ドイツなどではこの方法をとっているようですけれども、なぜ日本ではこの方法がとられないのか、不思議で仕方がありません。  この話はさておきまして、きょうは、文科省にお礼を一つ言う話をしたいのと、もう一つは、文科省にぜひこの点については改正をしてほしいという、二つの点についてお話をさせていただきたいと思います。  皆さんのお手元にこのペーパーが行っていると思います。  私は、この三年半、医療的ケア児という問題をずっと、自民党では野田聖子さん、公明党では高木先生などと、政治家は限られた政治家だけで、それよりも、民間障害児福祉施設の人でありますとか、その親御さんの会だとか、そしてそれに加えて、霞が関の課長補佐から室長クラスの若手の人たち勉強会を重ねてきました。  三年半ぐらいになるんですけれども、その三年半、最初の成果が、障害者自立支援法の中で医療的ケア児に関する事項を書き足して改正をしたことであります。それまでは、医療的ケア児という言葉さえも、この委員会の中の先生でさえよく知らなかったという方がたくさんおられます。  この二枚目のところに、ももかちゃんという女の子の写真ですけれども、大体が生まれたときに呼吸をしていないということで、それは母胎にいるときから今の医療ではわかるんですね。ですから、生まれたときにすぐ気管切開をして人工呼吸器をつけるという処置を施すんです。そういう子供たちが、今、日本全体で一万九千人から二万人弱存在をしています。  この子たちは、普通ですと、障害児障害者重症心身障害者という形で、そういう施設で扱うということになっていたんですけれども、しかし、この十歳の女の子自分で書いた手紙です。「ベッドの上でこの手紙を書いています。私の小さな夢は通学バスに乗って学校に行くことです。なんどなんどお願いしたのにかないません。学校に新しいバスが来たけれど、私は乗れません。こきゅうきの子はまだまだお母さんがいっしょじゃないと学校に行けません。今年もまたクリスマスがきます。ここにゆめをかなえてくれる人はいますか?サンタクロースを信じてもいいですか?」去年書いた手紙です。  その後ろ、九歳の男の子です。この子は、先天性の筋肉の疾患で寝たきりで、やはり気管切開をして、二十四時間人工呼吸器をつけざるを得ないんです。しかし、この子はとても頭のいい子なんですね。最近読んでいる本は何ですかと聞いたら、「君たちはどう生きるか」、これは中学生の高学年が読む本ですよ。それから論語、これは子供用論語なのかもしれませんけれども、論語を読んでいるんです。「僕はとても勉強がしたいです。支援学校では、あまり勉強できません。先生がわかってくれないからです。もっと難しいことを教えて欲しい。」「もっとたくさんの人とお話ししてみたいです。僕のことを外の世界へもっと知って欲しいです。これからの未来に期待したいです。」この子はお医者さんになりたいと言っているんです。  そういう子たちの、今は義務教育時代ですよね、義務教育時代にもかかわらず、ちゃんとした、これは大人責任です。義務は、子供義務ではなくて、大人義務のことを言っているんですね。その義務が果たしてちゃんと果たされているのか、そういうことをこの間ずっと感じております。  そこで、この間、文科省の大変な努力によって、こういう学校、あるいは普通の学校でもこういう障害者を受け入れるような学校については、看護婦さんの配置について非常に手厚くやってくれました。これは時代が変わったのではないかと思われるぐらいその対応をやってくれているんですけれども、しかしながら、ほとんどの学校では、ここにも、このももかちゃんの話に書いてありますけれども、通学時あるいは学校にいるときにお母さんがいないとだめよということを校長先生から言われるんですね。  それに対して、ほとんどの学校がそうです、しかし、そうではない学校もあるんです。例えば、大阪の豊中の小学校なんというのは、あるいは愛知県の刈谷市などでは、親御さんが付き添わなくても大丈夫だという学校も出てきているんです。そういう学校と、そうではなく、普通の学校、特別支援学校でさえも、東京の特別支援学校でさえも、親がついていないと学校に来ちゃだめという対応を迫られているんです。  このあたり、どうお考えなのか、また、今後どのように対応をとっていかれるのか、それについてお答え願います。
  15. 丸山洋司

    丸山政府参考人 お答えを申し上げます。  医療技術の進歩によりまして、人工呼吸器を使用する児童生徒が学校に通うようになるなど、医療的ケア児を取り巻く環境は変わりつつあることから、平成二十九年十月に有識者会議を設置をし、学校における医療的ケアの実施体制のあり方について検討を行ってまいりました。平成三十一年二月に有識者会議が取りまとめた最終まとめを受けまして、文部科学省では、学校における医療的ケアの基本的な考え方などを整理し、翌三月に各教育委員会等に対して通知を発出したところであります。  この通知におきましては、保護者に付添いを求めることについては、本人の自立を促す観点からも、真に必要と考える場合に限るよう努めるべきであることを示すとともに、教育委員会の担当者が集まる会議におきましてその趣旨を説明をしてきたところであります。  教育委員会等において、通知で示した内容が十分理解をされ、適切な対応がとられるよう、引き続き設置者の取組を促してまいりたいというふうに考えております。
  16. 荒井聰

    荒井分科員 そうなんですね。文科省あるいは関係省庁、厚労省ですけれども、何度か通知を出して地方自治体改善を求めているんですけれども、しかし、何か靴の底からかいているみたいで、教育委員会そして学校長、そういう壁を突破できないところがたくさんあるというふうに思います。ぜひ、そういう点は実態を調査されて、そういう点があるところは積極的に指導していくということが必要なのではないか、あるいは、そのことがこの子供たちのチャンスを生かしてやることにつながっていくというふうに思いますので、ぜひお願いをいたします。  ところで、最近は、特別支援学校という学校、このペーパーでもありましたけれども、男の子が特別支援学校じゃなくて普通の学校に行きたいというふうに書いているんですけれども、普通の学校で普通の子供たちと一緒に生活をしていく。  例えば、この子供たちはほとんど食べられないんですね。喉から、食道から物を入れられないんです。そこで、胃に直接穴をあけて、胃瘻というんですけれども、栄養をとっているんです。でも、普通の学校に行って普通の友達が口から物を入れているのを見ていて、自分もそうしたい、そうすることが自分の未来なんだということをだんだん感ずるんですね。そうすると、食べられないにもかかわらず、何とか口から物を入れたい、そういう努力をしていくんだそうです。本当に変わっていくんですね。みんなと一緒に学校の中で教育を受けるということがいかに子供たちにとって大きな力になっているのかということを思い知るんですけれども、そういうチャンスを失わせているのではないだろうか。  先般、大臣の御地元の八王子にある打越保育園というところに行かせてもらいました。そこでは、本当にインクルーシブな教育というか、そういう扱い方をしていて、健常な子供たちと一緒にそういう障害児。  そのときに、私たちが行ったその視察団の中に、ある小児科のお医者さんがいました。その小児科のお医者さんは、自分子供がやはり障害児で、ところが、日本では障害児をインクルーシブで教育をしてくれる機関はないということで諦めて、子供を連れてカナダに行った、カナダでそういうインクルーシブな教育を子供に受けさせることができた、日本ではできないだろうと思っていたけれども、きょう、この打越保育園に行ってみて、これはできそうだ、自分でやってみようかという気持ちになったということを話をされておりました。  インクルーシブ教育というのはとても大事なことだし、効果のあるものだというふうに思いますけれども、最近ですが、残念ながら、三月の十八日に横浜地裁で、ある方が、支援学校には行きたくない、普通の学校に行きたいんだという訴えを出したんですね。しかし、残念ながら、司法の世界の中ではそれは退けられたんです。司法ですから、行政の立場あるいは立法府の立場で物を申すことは差し控えますけれども、ただし、この決定が全体として障害児はみんな支援学校に行けばいいんだという風潮をつくっては、私は逆だと思うんです。それは、全体の子供たちの中でそういう障害者も育てることによって、健常者も障害者もお互いに理解し合っていく、そういう力をむしろ逆に失わせることになるのではないかという心配をしています。  実際にそういうインクルーシブな教育をやって成功しているのが、大阪の豊中とか愛知県の刈谷市などではそういう実例があるわけですから、ぜひ、そういう実例を各学校の中に通知をして、そういう努力をしてもらいたい。そして、そのために、今、看護婦さんの派遣とか、あるいは、先ほどお話をされていた医療的ケアの実施に関する検討会などでもいろいろなさまざまな提案がなされているわけですから、ぜひそういうことをやっていただきたいということをお願いをしたいと思います。  この話で、大臣、どうですか、何かしら所見はございますか。
  17. 萩生田光一

    萩生田国務大臣 先生には打越保育園の御視察をいただきまして、ありがとうございます。園長を始め、ここ数年、本当にインクルーシブな保育に努力をしていること、私も目の当たりにさせていただいております。  残念ながら、シームレスでそのまま小学校に上がれるかといいますと、市内に七十校も小学校はあるんですけれども、どこか入ることを決めた上でマンパワーで応援するということは当然必要なんですけれども、一般学校に引き続きインクルーシブな環境で障害者の人と健常者の人が一緒に学ぶというのはなかなか難しい実態があると思います。  私は、特別支援学校と、要するに進路が二つしかないというのは全く子供たちにとって不幸だと思っておりまして、先ほど先生からお示しいただいた資料のお子さんなどは、十分学力的にはきっとついていける環境にあるんだと思います。問題は、例えば人工呼吸器ですとか、たんの吸引ですとか、やはり誰かがついていないとなかなか日々の生活ができないというお子さんも数多くいらっしゃると思いますので、看護師の派遣だけではなかなか解決できないものがあると思います。  今、省内で話しているのは、あまねく公立学校でどこにでも入れるというのはなかなか現実問題難しいので、結果として特別支援学校を選択するということになってしまうんだとすれば、自治体内でやはり拠点校みたいなものを設けて、ぜひそこには人もお金も集中して支援していくようなことも一つの方法として考えてみようではないかということで、前向きな努力をしていきたいと思っています。  いずれにしても、子供たちの学ぶ機会を奪うことはあってはならないと思いますので、文科省としてはしっかり応援をしていきたいと思っています。
  18. 荒井聰

    荒井分科員 大臣、ありがとうございます。ぜひその方向で推し進めていただきたいと思います。  では、次の課題に移らせていただきます。  私は、私の父が学校法人を創設をしたということもございまして、今にも潰れそうな廃校寸前の高等学校の運営を、マネジメントを引き受けざるを得なくなりました。高等学校なんですけれども、そこでいろいろなことを知りました。例えば、学校先生には超過勤務手当が、四%という、そういう仮定的なものがついているだけで、実際は超過勤務手当に相当するものはちゃんとなされていない。  私は物すごく不思議に思うんですね。学校のマネジメント、校長先生は何をやっているんだろう、教頭先生は何をやっているんだろう、マネージというのは何なんだろう、この先生方は理解しているんだろうか。というのは、マネージというのは、自分の配下のというか、属する組織がどのように動いているのか、その構成員である一人一人の先生がどのぐらい残業をせざるを得ないのか、しているのか、それを把握することから始まるんですね。それがマネージだと思うんですけれども、それを一切やっていないということで、びっくりしました。  そこで、私は、教職員の組合を改めてつくらせまして、理事長が学校の教職員の組合をつくれと言われたというのでみんなびっくりしていましたけれども、そこの組合と協定を結びまして、三六協定を結んで、残業代を払うことにいたしました。相当な残業代の手当になるかな、全体の一割ぐらい人件費増になるかなと覚悟をしていたんですけれども、実際はそうではありませんでした。この残業をしっかりと把握することによって、必要のない残業、そういうものもあるんだということが、教師や、あるいはマネジメントをやる校長や教頭も理解をしてきたんですね。  その中で、残業で一番ウエートを占めていたのが、全体の八割を占めていたのがクラブ活動でした。  このクラブ活動は、全くの素人の先生が、自分はどこか引き受けないといかぬということで、特定の種目のクラブ活動の顧問になって、残業の八割がそこで占められている。これでは、学力をつけるとか、あるいは人格教育をつけるとか、本当の教育のための時間を割いているのではなくて、クラブ活動のために学校先生が疲弊しているという実態を見まして、私の方から、そういうクラブ活動のあり方についてはもう一度ちゃんと議論した方がいいということを教職員先生方に話をしまして、そういうコーチをやる先生とはっきり分けようよ、コーチは外部の、セカンドキャリア、国体の選手だとか、あるいはプロの選手でも構いません、そういう人たちに特別に教えてもらえるような、そういう仕組みづくりをした方がいいということを話をしまして、そういう形になりました。  その結果、先生の残業代も物すごく減りました。そして、クラブ活動も、クラブの力も非常につきました。子供たちが、あの時代はゴールデンエージといって、適正なコーチングをすると物すごく伸びる時期なんですね。それが逆に失っていた、そのチャンスを奪っていたということに気がつきました。  このあたり、文科省は今どういうふうに捉えていて、どのような対応をしようとされているのか、お聞かせ願えますか。
  19. 丸山洋司

    丸山政府参考人 お答えを申し上げます。  部活動を理由とした超過勤務の実態が数多くあるのではないかと。  まず、実態でございますが、文部科学省の方で平成二十八年に実施をしました教員勤務の実態調査におきましては、例えば、公立中学校の教諭の一日当たりの平均勤務時間は平日で十一時間三十二分となっておりまして、条例等で定める七時間四十五分の正規の勤務時間を差し引くと、時間外勤務は三時間四十七分ということでございます。  また、部活動の時間については、平日は一日当たり四十一分であり、土日は、十年前の同調査と比較をしますと、一日当たり一時間六分から二時間九分へとほぼ倍増しているという実態がございます。  そういった実態を踏まえまして、例えば、中学校の教師のうち約半数が具体の部活動の競技経験がない、そういった課題があることも踏まえまして、適切な指導体制の構築や教師の負担軽減を図るため、平成二十九年度に、部活動における専門的な指導や大会の引率を行う部活動指導員を制度化したところでございます。  ガイドラインの遵守等、部活動の適正化に向けて取組を現在進めておりますが、令和年度予算におきましても、一校一人以上の配置を実現する、全体として一万二百人、計十一億円に経費を拡充するとともに、各自治体が広範囲で人材確保が進められるよう、新たに交通費などを補助対象経費として含めることとしたところでございます。
  20. 荒井聰

    荒井分科員 今、学校先生の働き方、少し話をされたんですけれども、今度、文科省では、子供たちにiPadとかパソコンを支給するという議論をしているんでしょうけれども、私は、一番必要なのは学校の教師だと思いますよ。iPadで、あるいはパソコンで、もっと自分たちの仕事の簡素化を図る工夫をやるべきだというふうに思います。  私が学校に行ったときに、学校先生方は、iPadも持っていない、パソコンも古いパソコンだと。そこを全部かえさせて、そして、自分たちの仕事を見直す、そして全体として合理化ができないかどうかということを学校先生方にお願いをしました。知的レベルが高いですから、すぐ覚えちゃうんですね。そして、その種の学校のマネージに関するソフトというのはグーグルですとかいろいろなところが出していて、それらを使いますと、非常に合理的な、時間を節約できるような、そういう仕方があるということです。実際に私のところではそういう形で成功しているんじゃないかなというふうに思うんです。  ところで、そのことはまた文科省でぜひ議論をしてほしいと思うんですけれども、そのことと関係をして、中体連のあり方、中学校体育連盟のあり方について、私は、極めて今、子供たちのための中体連なのか、それとも特定のある人のための中体連なのかということが問われているんじゃないかと。  中学校体育連盟というのは、これは公益法人です。公益法人というのは、税金も安くしていますし、さまざまな補助金も入るような形になっているんですけれども、本当に子供たちのための中体連になっているのか。  例えば、戦後七十五年間、中体連の種目というのは、一種目変わったのかな、ほとんど変わっていないんですよね。したがって、子供たちが今楽しみにしているスポーツを学んでいくチャンスが失われているんです。  典型的なのは硬式テニスなんですけれども、日本で錦織だとか大坂なおみとかという極めて世界的なプレーヤーが出ている。これは大体、小学校のときから始めているんですね。あの人たちはお金持ちだったから、外のクラブ活動、民間のクラブなどで腕を磨くことができたんですけれども、しかし、そういう人じゃない人は、ソフトテニスをやるか、あるいは諦めてしまう。ソフトテニスでも、それから硬式テニスに移ることはできるんですけれども、やはり違うんですね。そこで時間と、それから力量が問われてしまっている。そういう実際があります。  私は、なぜ中体連が子供たちのそういうチャンスを奪ってしまうのかと。何か自分たちで規定をつくって、その規定に合わないからこの種目は採用しないということを言っているようでありますけれども、それはどこか違うんじゃないか、本来の中学校体育連盟の役割と違うのではないだろうかということを私は強く思うんですけれども、スポーツ庁、どうですか。
  21. 瀧本寛

    瀧本政府参考人 お答えを申し上げます。  公益法人などの民間団体への加盟基準については、団体の自主性、自律性の観点から、団体みずからが基準を定めて運用しております。他方、時代の進展に伴い、新たなニーズも生じており、このニーズへの対応が求められる場合もあると承知をしております。  御指摘日本学校体育連盟への加盟についても、公平性、透明性の観点から、みずから定めた加盟基準を適切に運用していくべきものであります。その際、中体連と加盟を希望する団体との間で意思疎通を図りつつ進めることも有効であると考えております。  御指摘の本件については、中体連と加盟を希望する団体との間で話合いをしていただきたいと考えますが、私どもスポーツ庁としても、関係団体が話し合う機会を設けること、あるいはその場に中立的な立場として同席をさせていただくことについても検討させていただきたいと思います。  以上です。
  22. 荒井聰

    荒井分科員 私は、中体連のこの加盟問題というのは四年か五年ぐらいやっているんですけれども、全くらちが明きません。  というのは、自分たちの今までの立場を保守的に守っているというふうにしか見えません。北海道では、札幌では、二〇三〇年に冬季オリンピックが招致をされていますけれども、この冬季の、冬の種目なども、ほとんど中体連種目にはなっていません。  今、子供たちは、アルペンスキーなんかよりも、スノーボードだとかそういうのに憧れるんですね。しかし、そういうことを学んでいくというチャンスが全部奪われてしまっています。どういう形で奪われるかというと、やはりこれは中体連種目じゃないから学校のクラブ活動としては成立しないという一言でキャンセルされてしまうというのが今の中学校の実態であります。  戦後七十五年間、ほとんど対象種目が変わらない。それだけではなくて、少子化でクラスの数も大変少なくなり、施設は遊んでいるけれども、そのクラブがない、廃部になってしまったという実例があちこちで見られます。  私は、いっそのこと、中体連にかわる組織をちゃんとつくったらどうだと。全国の中学生がスポーツを通じて、しっかりとした教育環境が更に向上するような、あるいはゴールデンエージと言われているその時期にしっかりとスポーツの基礎を学ぶことができるような、そういうものをつくったらどうなんだと。今の中体連にはもう期待できないんじゃないかというふうにも思っております。  最後に、大臣、何かこの件に関してありましたら、お答え願えますか。
  23. 後藤祐一

    後藤主査 萩生田大臣、簡潔にお願いいたします。
  24. 萩生田光一

    萩生田国務大臣 はい。  中体連も高体連も、戦後、日本のスポーツを支えてきた、大きな役割を果たしていただいたと思いますが、おっしゃるように、時代の変化に対応しているかというと、やや硬直化した部分があると思います。  先ほどスポーツ庁の次長から答弁をさせましたけれども、今後のあり方については、自主性も尊重しながら、ぜひ、子供たちがスポーツをするチャンスを中学生時代に失わないように、環境を整えていくことに努力をしてみたいと思っています。
  25. 後藤祐一

    後藤主査 荒井聰君、申合せの時間が過ぎておりますので。
  26. 荒井聰

    荒井分科員 ありがとうございました。
  27. 後藤祐一

    後藤主査 これにて荒井聰君の質疑は終了いたしました。  次に、宮本徹君。
  28. 宮本徹

    宮本分科員 日本共産党の宮本徹です。  ちょっと質問の通告の角度も変えて伺わせていただきたいと思います。  きのう、東京で百四十三人新たに新型コロナウイルスの感染が確認されて、三分の二が感染経路がわからないということで、東京でも学校休校が延長されるということになりました。さらに、報道では、緊急事態宣言についてきょう諮問されるということも流れております。学校休校もどこまで長期化するかわからないということだと思います。  感染拡大がもっと厳しい局面にこれからなっていった局面でも、そういう状況になっても、国民生活の維持や社会の維持のためには働き続けなければいけない人たちがいるわけですね。医療関係者だとか福祉の関係者だとか、そういう方々がいます。ですから、学校休校ということになっても、そういう方々の家庭の支援、子供の支援というのは必要だと思うんですよね。イギリスでは学校休校ということをやっていますけれども、医療関係者だとか、教育関係者だとか、警察の皆さん子供たちは受け入れているということが報道されております。  ですから、この学校休校がずっと続くという中でも、やはり、医療関係者始め、どんな局面でも頑張って働き続けなきゃいけないその家庭のお子さんたちをしっかり支えていく、学校でも受け入れていくということを考えなきゃいけないんじゃないかと思いますが、大臣の御所見を伺いたいと思います。
  29. 萩生田光一

    萩生田国務大臣 前回の一斉休業のときにもその課題は認識をさせていただきました。特に、保育園、幼稚園につきましては休業対象にしませんでしたけれども、しかし、その中で、医療関係者の方たちのお子さんについては積極的な支援をしていくということも厚労省とも連携をして行ってきたところでございます。  今後、休業が更に延びることになれば、当然、そういう人たちが現場から離れてしまったのではこれは医療崩壊が更に進んでしまうと思います。しっかりとした対策を講じていきたいと思っています。
  30. 宮本徹

    宮本分科員 保育園、幼稚園だけじゃなくて、学校も含めて、ぜひお願いしたいというふうに思うんですよね。医療関係者プラスアルファの部分があると思うんですよね。福祉を支えている皆さんも本当に必死でやられていますので、そういうどうしても社会の維持のために働かなければならない人たちはしっかり受け入れていくということをお願いしたいと思います。  それから、そういう中でも、学校休校の場合の子供の学ぶ権利をどう保障していくのかということについて次にお伺いしたいと思います。  この三月、どうだったかというのが、萩生田さんのところにもいろいろなお話が入っているかと思いますが、教材だけ渡されても、自分では勉強できない、家庭では勉強できないというお話も実際はいろいろたくさん伺いました。ゲームやユーチューブをずっと見て昼夜逆転してしまった、こういうお話なんかも私のところにもたくさんやってまいりました。  本当に、子供の学ぶ権利をどう保障していくのかという点では、三月の一斉休校から見えてきたたくさんの課題があったというふうに思うんですけれども、その課題について、大臣、どういうふうに認識されているでしょうか。
  31. 丸山洋司

    丸山政府参考人 お答え申し上げます。  今般の新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえまして、学校の臨時休業を行う場合において、子供たちが授業を十分に受けることができないことによって学習に著しいおくれが生じないようにするといったようなことは非常に大事なことだと考えております。  先般、四月一日改訂をいたしましたコロナウイルス感染症に対応した臨時休業の実施に関するガイドラインにおきましても、可能な限り、家庭学習を課したり、家庭訪問を行ったりするなど、各教育委員会等に対して必要な措置を講じるよう依頼をしているところであります。  各設置者及び学校においては、例えば、家庭訪問を通じた課題の配付や回収、ICTを活用し、児童生徒に課題を送信することによる学習状況の確認、教科書を教材とする各教科の授業動画の公開などの取組を行っている事例もあると承知をしており、文部科学省においてはこうした取組事例の周知に努めてまいりたいと考えております。  また、児童生徒の学習の支援方策の一つとして、児童生徒及び保護者等が自宅等で活用できる教材や動画などを紹介する、子供の学びの応援サイトを開設をしまして、その内容の充実に努めているところであります。  同時に、ガイドラインにおきましては、家庭学習を課すことに加えまして、各学校が児童生徒の学習状況の確認や補習等の学習指導を適切に行うとともに、生徒指導、児童生徒等の健康観察を適切に行う観点から、児童生徒や学校の実態に応じて登校日を適切に設定をすること、体調面にも配慮した上で、特に配慮を要する児童生徒など一部の児童生徒については登校させたりすることなど、きめ細かな工夫を行うことについて示しているところであります。  今後とも、学校の臨時休業を行う自治体と緊密に連携をし、児童生徒の学習に対する支援に努めていきたいと考えております。
  32. 宮本徹

    宮本分科員 武蔵村山市で生活実態調査というのをやって、これは去年の三月に公表されているものがあるんですね。小学校五年生と中学校二年生の調査なんですけれども、中学校二年生の場合、自分専用の勉強机があるというのは、一般層では八四%、困窮層では六三%。自宅で宿題ができる場所があるというのは、一般層では九三%、困難層では七八・七%。  ちなみに、今、いろいろな動画とか配信だとかとお話がありましたけれども、インターネットにつながるパソコンがあるというのは、困窮層では、小学校五年生、二一%という調査なんです。これは去年ですから、一年たてばもうちょっと広がっていると思います。  あと、実は、この三月なんかは、結構、経済的に余裕がある家庭は塾にかなり通わせているというのがあったと思いますが、学習塾に通うということが経済的にできないとお答えになっているのは、一般層では八・五%に対して、困窮層は六六・七%。物すごい大きな差があるわけですよね。  先ほど局長の答弁の中で、特に配慮を要する児童生徒など一部の児童生徒については登校させたりするなど、きめ細やかな対応のための工夫を行うということがありましたけれども、そういう中に、本当に、こういう、自宅で勉強しようにも、なかなかそういう状況がない家庭も受け入れていくというのをもうちょっと明示的にやった方がいいんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
  33. 丸山洋司

    丸山政府参考人 お答え申し上げます。  各自治体の取組について、今しっかりと、臨時休業中に、先ほど委員御指摘いただきましたように、各学校において子供たちを受け入れているさまざまな事例もございますので、そういったことを収集を今しているところでありまして、各自治体に対してしっかりと横展開をしていくということ、それからさらに、これから、QアンドA等を今充実をさせているところですけれども、状況に応じては、必要な取組ということについては通知を発出するなどのことも検討していきたいと考えております。
  34. 宮本徹

    宮本分科員 先ほど私はイギリスの例をお話ししましたけれども、イギリスは、そういう医療関係者や警察官だとか教育関係者の子供に加えて、支援が必要な子供を受け入れるというのを明示的にやっているんですよね。  ですから、そこはかなり明示的にやっていただかないと、本当に大変な状況に子供も家庭もなっていくんじゃないかと思いますので、対応大臣の方からも一言お願いします。
  35. 萩生田光一

    萩生田国務大臣 設置者の判断というのを尊重しなきゃなりませんけれども、先生の問題意識は私もよくわかります。  三月の一斉休校は、ぎゅうぎゅう詰めていきますと、授業日数は、中学校で十日以内、小学校でも十五日以内だったので、このリカバーは何とかできるなというイメージで来たんですけれども、今後更に休校が続くとしますと、先生がおっしゃるように、それは、プリントを渡して自分でやっておきなさいといってできる子はふだんからやはりやっている子で、学習がなかなか自分ではできない子にとっては非常に苦痛でありますし、また、学習がおくれていく実態というのは、これは正直言って否めないものがあると思います。  開校後にリカバーしようというのが局長の先ほどの説明だったので、この間も、やはり学習に課題があるお子さんについては、家庭訪問などをしていただいている学校も数多く確認をさせていただいております。  しかしながら、多分、本当は一部でも学校を開いてそういう子たちの授業をした方がいいんじゃないか、こういう御提案だと思うので、そこを、文科省がそういう例示をすることが果たしてできるかどうかちょっと研究してみたいと思うんですけれども、異常事態なので、余り前例や踏襲をするんじゃなくて、ここは、できることは何でもやって、子供たちのおくれはないように全力で努力をしてみたいと思っています。  開校後、加配の教員などの用意もしていますけれども、都道府県から教員を配置してもらうのを待っているのでは間に合わないという可能性がありますので、例えば市町村単費で、直接OBなどに声をかけて二人制で授業をやってもらうようなことも含めて、いろいろなことを考えていかないとこれは本当に大変なことになってしまうと思いますので、全力を尽くしたいと思います。
  36. 宮本徹

    宮本分科員 お願いしたいと思います。  それから、あともう一つ、私もたくさん聞いた声が、昼食の問題なんですよね。学校休校の間の昼食で、一人親の皆さんだとかから大変だという声が上がっています。私の知り合いでも、シングルファーザーで、三人男の子を育てているお父さんがいます。実は、率直に聞いたら、ふだんは、肉、野菜は学校給食でとっていたというんですよね。家でとるのはカロリーだということなんですね。  あわせて、ちょっと、先ほど紹介した武蔵村山の生活実態調査を紹介したいと思うんですけれども、栄養群の摂取状況というのを聞いているんですね。小学校五年生で毎日野菜をとっているというのは、一般層では六三・八%ですけれども、困窮層は三七%。三人に一人。肉か魚を週に四、五日以上食べるというのは、一般層は七八%ですけれども、困窮層は五三%。二人に一人なんですね。  逆に、カップ麺やインスタント麺を週に四、五日以上食べるというのが、困窮層では九・四%。ほぼ毎日、カップ麺かインスタント麺を食べざるを得ないという状況というのがあるんですね。  文科省学校給食の活用ということを言われています。ちなみに、ニューヨークも、学校閉鎖、今、ニューヨーク州はやっています。でも、ニューヨーク市は、朝食、昼食、そういう困窮層に対して、苦労している層に対しての無料提供というのをやっているんですね。  これ、現状、給食をどうしていくのかという問題も難しい問題ではあるんですけれども、こういう方々の食の支援というのはどうするのかというのは、もう一歩踏み込んで考える必要があるんじゃないかと思うんですけれども、大臣、いかがでしょうか。
  37. 萩生田光一

    萩生田国務大臣 三月の臨時休業のときにもたびたびお答えしましたけれども、子供の居場所を確保するに当たって、児童生徒等に学校給食の調理場や調理員を活用して昼食を提供することも工夫の一つと考えられます。  今回、大阪市などは、やはり大阪府と並んで、しばらく、二週間ごとの休業延長をすることになったんですけれども、市長が、やはり子供たちの食事が一番心配なので、時間差でお昼だけでも食べに来て、そのときに健康状態のチェックをしたりするようなことを試みてみたいというお話をいただきました。そういう工夫を各自治体でされることは私はよろしいことだと思います。  新年度に向けて示した新型コロナウイルス感染症に対応した臨時休業の実施のガイドラインにおいても、児童生徒に、ぜひ、こういった工夫によって昼食の提供をすることを考える旨を記載しております。  また、就学援助の対象となる家庭に関しては、給食の休止により執行されなかった就学援助の学校給食費相当の財源などを活用し、別途昼食費の支援を行っている教育委員会もございますので、こういった点も横展開をしていきたいと思います。  文科省としては、臨時休業に係る各地域の取組や工夫を集めて情報提供をし、各教育委員会において地域の実情やニーズに応じて判断をいただきたいと考えております。
  38. 宮本徹

    宮本分科員 工夫の一つという答弁をずっとされているのは私も存じて、その上で、工夫の一つで、東京を見ても、給食を考えているという自治体ももちろんありますけれども、なかなかそうはなっていない現状がありますので、もう一歩踏み込んで、促すということをぜひやっていただきたいと思います。  それからあと、就学援助の食費の部分について、給付している教育委員会があるという御答弁が先ほどありましたけれども、これも全国的にばらばらだったわけですね、三月。東京を見ても、もう大変だろうからということで戻している自治体もあれば、全然戻していない自治体もあるわけですよね。  ですから、これは、必要な家庭には私は昼食をぜひ出していただきたいと思いますけれども、そうしていないところは、本当、生活費、大変だという声が上がっています。もともと就学援助を受けている世帯というのは低所得者の世帯ですから、そこで、子供一人、二人、あるいはまた三人の昼食を出していくというのは大変ですから、これをもう一歩促すということが必要じゃないかと思いますけれども、大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
  39. 丸山洋司

    丸山政府参考人 お答えを申し上げます。  先ほど大臣の方からも答弁ございましたように、各自治体において、さまざまな昼食の提供についての取組が工夫をされているということだろうと思います。  文科省としては、臨時休業に係る各地域の取組や工夫を集めて、これを横展開していくということをしっかり行っていきたいと思いますし、各教育委員会において、地域の実情、ニーズに応じた対応というものを御判断をいただきたいというふうに考えているところであります。
  40. 宮本徹

    宮本分科員 これはいいことだよということで、奨励的にやっていただきたいというふうに思います。  それから、あともう一点、就学援助について、三月二十四日に出た文科省の通知では、新型コロナウイルス感染症の影響等により家計が急変、年度の途中において認定を必要とする者については、速やかに認定し、必要な援助を行うこととあります。  ですけれども、実はこの就学援助は、家計急変の条項がもともとある自治体とない自治体とあるんですね、家計急変の場合。もともと家計急変の場合はそういう申請ができますよという自治体もあれば、そのルール自体がない自治体なんかは、ちょっと聞いてみましたら、この間の文科省の通知自体、後ろの方に書いていましたね、就学援助のその話は、自覚がない、うちの市議の方が担当課に行って、どうなっていますかと聞いても、それが実情なんですよね。  ですけれども、こういう事態になってきますと、本当に就学援助を必要とするという方がかなりたくさん全国的に生まれてくると思いますので、これは文科省から出す就学援助の通知をもうちょっと特出しして、制度自体がないところはぜひつくってほしいということを書いていく。  それから、奨学金なんかは、今、家計急変のパンフレットを出していますよね。独自にあるわけです。ですけれども、就学援助の、普通の家庭に配られるのは、やはり前年度収入に基づいてという一般的なものが配られているわけですよね。家計急変の場合はできますよというのが特別配られているわけではないわけですよね。ですから、そういう案内を再度作成して全世帯に届けるだとか、そういう取組が必要だと思うんですけれども、その点、いかがでしょうか。
  41. 萩生田光一

    萩生田国務大臣 それは、先生の御指摘、大事だと思います。  災害時でも、今御説明がありましたように、前年度の収入に対してということでやらなきゃならないんですけれども、これは、二月と三月でそれぞれの御家庭、もう状況がすごく違っていると思います。四月になって更に違う関係がありますので、これは、直近の収入状況で申請ができるような柔軟な対応事例を各自治体にしっかり示して、新学期に当たって保護者への周知が徹底されるように働きかけをしたいと思います。  就学援助を必要とする児童生徒に対して速やかに援助が行われるように、ここは御意見は御一緒でございますので、確かに前例がないんですけれども、ここは異常事態緊急事態だと思いますので、しっかり声を上げたら手を差し伸べることができるような仕組みを全国自治体にもしっかり例示をして、特出しでいきたいと思います。
  42. 宮本徹

    宮本分科員 よろしくお願いします。  それからあと、学生なんですけれども、学生も、バイトがなくなって収入が途絶えて困窮しているという声がたくさん上がっております。飲食店はどんどんどんどん閉まっていますし、いろいろなところが休業に入っていますので、大変なわけですよね。この間、修学支援制度の家計急変の問題だとか、文科省からいろいろな通知が出ているのは存じております。ただ、親の収入が減っていなくても、学生のアルバイトで学費を出していたり学生自身の生活費を出しているというケースもあるわけですよね。  親の家計は急変していない、だけれども学生自身自分で学費を出したりアルバイトで生活費を出している、そういう場合はどういう支援をできるのかということなんですけれども、その点については何か考えていることはあるんでしょうか。
  43. 伯井美徳

    伯井政府参考人 お答え申し上げます。  文部科学省といたしましては、今般の新型コロナウイルス感染症の影響で学生が進学、修学を断念することがないよう支援をしていくことが重要というふうに考えております。  今御紹介いただきました修学支援新制度あるいはより幅の広い世帯を支援対象としている貸与型奨学金の両制度におきまして、家計急変の学生等への支援を行うことを積極的に広報、周知をしているところでございます。これらの制度についても積極的に御活用いただければと考えているところでございます。  また、こうした支援制度とあわせて、入学料等初年度納付金あるいは授業料等の納付が困難な学生に対して、新型コロナウイルス感染症の拡大を踏まえ、各大学に授業料等の納付の猶予などの弾力的な取扱いや減免等のきめ細やかな配慮の要請も行っております。  引き続き、子供たちが経済的理由により進学、修学を断念することがないよう、しっかり支援をしていきたいと考えております。
  44. 宮本徹

    宮本分科員 今、一世帯三十万円の給付金というのが政府で検討されていると思うんですね。多分、これも世帯単位だから、親の収入は減っていないけれども、学生が、学生の分はアルバイトで稼いで生活費へ充てていたけれども、学生の収入が減ったからというので受けられるようになるんですかね、これは。萩生田大臣、これは政府全体で検討している話だと思うんですけれども、世帯単位でというのは。
  45. 伯井美徳

    伯井政府参考人 今御説明いたしましたように、文部科学省としては、高等教育の修学支援新制度あるいは貸与型奨学金によりまして進学、修学の後押しを行うということにしています。  一方、雇用に係る支援につきましては、厚生労働省において、雇用調整助成金の特例措置として、四月一日から六月三十日までの間、企業が雇用の維持を図るために休業手当を支払う場合には非正規雇用も含めて対象とする拡充が行われており、学生アルバイトについても休業手当が支払われた場合には対象となり得るということでございます。  文科省といたしましては、引き続き、厚労省とも連携しつつ、学生が経済的理由により進学を断念することのないよう、丁寧に対応してまいりたいと考えております。
  46. 宮本徹

    宮本分科員 学生も雇調金の対象になり得る、それは法律上はそうだと思うんですけれども、実際どこまでそれが対応されるのかという問題があるわけですよね。しかも、なおかつ、休業手当は六割ですから、アルバイトと奨学金で今までやってきた学生はどうするのかということが起きるわけですよね。  ですから、この給付金をどうするかというのは、学生の対策をどうするのか、ぜひ政府全体で検討していただきたいと思います。  それともう一つ、厚労省に住まい確保給付金というのがあるんですね。大臣、厚労省に住まい確保給付金というのが。これは厚労省の制度で、離職した場合で、住まいを失いかねない人に対しては支援するという制度なんですよ。  これは離職というのが条件になっていて、ところが、今回は実は離職じゃなくて収入の急減だとかいろいろあるから、制度を、対象要件を変えてくれというのを私は厚労省にもお願いしているんですけれども、例えば学生なんかについても、東京でひとり暮らしをやっていて、アルバイトが全然仕事がなくなってしまってという場合に、例えばこの住まい確保給付金がそういう学生にも適用できるように文科省からもお願いするとか、ちょっとそういう検討もしていただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
  47. 萩生田光一

    萩生田国務大臣 先ほど局長から学生アルバイトの休業手当の御説明をしましたけれども、これは雇用者側が休業手当を払った場合ですから、多分、先生の問題意識はもっと深刻で、もうバイトに来なくていいですよとバイトに利用されてしまった学生はどうするんだという問題もあると思うので、いろいろなケースを今後幅広に考えていかなきゃいけないと思います。  もちろん、自立して東京なりに出てきて、自分でアルバイトをして学費を稼いで、なるべく実家に負担をかけないでと頑張っている学生さんの応援をしたい、そういう気持ちはあるんですけれども、こういう事態なので、本当に家庭そのものも支援ができないのかどうなのかは、ここはやはりちゃんと相談をしていただきたいなと思うんです。そして、家庭の方でも収入が減っていれば、先ほど申し上げたようなさまざまな制度も使えますから、玉突きで、結果として学生の応援をすることもできると思います。  今御指摘の、家屋の家賃の件につきましては、文科省だけでは判断できませんので、そういう実態も踏まえて厚労省と相談してみたいと思います。
  48. 宮本徹

    宮本分科員 ぜひ厚労省との相談をお願いしたいと思います。  次の問題に移りたいというふうに思います。  これも大学生にかかわる問題ですけれども、新しい修学支援制度がこの四月からスタートいたしました。その一方で、去年ずっと一年議論になってきたわけですけれども、国立大学の授業料の減免との関係でいえば、対象が小さくなる、収入ラインが下げられるということになったわけであります。  ちなみに、私たちが調べたところ、独自の減免で、従来どおりの減免を新入生に対しても維持したのは東大だとか五つの大学にとどまったということだと思います。  大臣にお伺いしたいんですけれども、私たちの国は高等教育の漸進的無償化の条項、これを民主党政権のときに批准したわけですけれども、この人権規約には後退禁止原則というのがあるんですね。それは御存じですか。
  49. 伯井美徳

    伯井政府参考人 国際人権規約では、高等教育の漸進的無償化を図ることとされておりますが、具体的な方法については、どのような方法をとるかは加盟国に委ねられているものと承知しております。  今回の高等教育修学支援新制度でございますが、真に支援が必要な低所得者世帯の学生に対して確実に授業料等が減免されるということで、大学を通じた支援を行うとともに、学生生活の費用をカバーするために十分な給付型奨学金を支給するものでございまして、全体としては支援の規模や金額が拡大しているということで、支援が広がっていくものと考えております。  そういった意味で、高等教育の漸進的無償化の趣旨にもかなうというふうに考えております。
  50. 宮本徹

    宮本分科員 ですから、後退禁止原則というのがあるのかと私は問うたんですけれども、それについて知っているとも知らないとも、まさか知らないということはないかと思うんですけれども。  国連人権規約は、社会権規約第二条第一項で、この規約の各締約国は、この規約において認められる権利の完全な実現を漸進的に達成するため、自国における利用可能な手段を最大限に用いることにより、行動をとることを約束するとなっていますね。  この社会権規約第二条第一項の義務の性格について、社会権規約委員会一般意見三というのがあるんですね、一般意見三。ここには、いかなる意図的な後退的な措置についても、最も慎重な検討を必要とし、かつ利用可能な最大限の資源の完全な利用という文脈で、十分に正当化されなければならないというわけです。つまり、後退させては絶対だめと言っているわけじゃないですからね。後退させるためには、今回みたいに国立大学の授業料減免の基準が後退する、そういう場合には、利用可能な最大限の資源の完全な利用という文脈で、十分に正当化されなければならない。  今回の新しい修学支援制度は消費税増税の財源でやったわけですよ。もともと、文科省予算としては、それとは別個に授業料減免の予算があったわけですよ。その予算はどこに行っちゃったんだろうかと思っているわけです、私は。そのお金を使えば、その一部でもともとの国立大学の減免は継続することができたわけですよね。  ですから、私は、この国連人権規約を批准した国として、今回の措置というのは明確に国連人権規約違反になると思いますよ。後退禁止原則違反。そうなるんじゃないですかね。
  51. 伯井美徳

    伯井政府参考人 お答え申し上げます。  各国立大学がこれまで独自に行ってきた授業料免除につきましては、従来からも、各大学が、自己財源も活用しながら、おのおのの方針に基づいて実施してきており、引き続き、各大学においてその取扱いを検討いただくことが基本となりますが、令和年度予算におきましては、各大学の自主的な授業料免除に活用できる運営費交付金の増額を行ったところでございます。  その上で、令和年度以降の各大学の独自の授業料免除につきましては、例えば昨年度と同水準の経済的基準で行う大学もあれば、学力基準など経済的理由以外の基準で行うことを検討している大学もあるというふうに聞いておりまして、高等教育の修学支援制度に加えて、各大学の方針に基づき、個々の事情に応じた取組を検討しているというふうに認識しております。
  52. 宮本徹

    宮本分科員 ですから、私の、この人権規約の後退禁止原則との関係で違反じゃないかということに対して、ちゃんとした反論が来ないわけですよ。私は、そこをちゃんと検討されていないというのは大変問題だと思いますよ。  時間が来たから終わりますけれども、本当は、この新しい制度で三浪以上が差別されている問題だとか、あと、この対象がこれでいいのかという問題も議論したかったんですけれども、また次の機会に、なかなか萩生田大臣と議論する機会が少なくて寂しいんですけれども、また議論させていただきたいと思います。  ありがとうございました。
  53. 後藤祐一

    後藤主査 これにて宮本徹君の質疑は終了いたしました。  次に、田中英之君。     〔主査退席、三ッ林主査代理着席〕
  54. 田中英之

    田中(英)分科員 自民党の田中英之でございます。  決算行政監視委員会の第二分科会文科省に対しての質問をさせていただきますことを感謝申し上げたいと思います。  学校施設整備について、若干、決算の大きな概要を見たときに、大体、予算額があって、どれだけ執行されたか、その中で繰越しもあれば不用額ということもあるわけでありますが、この繰越し、不用額というところについて執行率を見ながら言いますと、やはりどうしても、いろいろな理由がある中で、翌年度に繰り越すというところが大変多くあるんだというふうに思います。  ここは、当初予算もあれば、補正予算、またまた、近年はよく災害なんかも起こりますので、そういった形の補正予算で、どうしても手続上いろいろと時間がかかり、年度末近くに仕事が出るなんということもあって、どうしても繰り越してしまうということがあろうかと思います。  事業を出す省としては、この繰越しに関して直接的にどう考えるかということを言うところではないのかもわかりませんが、いかんせん、いろいろな予算の組み方の中でそういったことが起こっているということでありますので、この繰越しというものに関して、初めからこれは繰り越していいなんということをやりながらやるわけではございませんので、どのような考えを持っておられるかということと、どうあってくれれば、実は各省としても、またその事業を受ける人としてもやりやすいか、こんなことを冒頭お伺いしたいと思います。
  55. 山崎雅男

    ○山崎政府参考人 お答え申し上げます。  委員御案内のとおり、公立学校施設整備を含め、国の一会計年度歳出予算は、その年度内に使用することが原則というふうになってございます。他方、歳出予算のうち、財政法の規定に基づき、あらかじめ国会の議決を経たものにつきましては、明許繰越しとして、一定の要件のもとに、翌年度に繰越しして使用することが認められている状況にございます。  委員御指摘のとおり、繰越しが多いという御指摘ですけれども、具体的には、翌年度の繰越しが認められる事例としましては、学校現場や地域住民との協議、調整に日数を要した場合、入札不調の結果を踏まえ設計内容を変更した場合、工事箇所が集中したことで資材の納期が遅延した場合等のやむを得ない事由により年度内の支出が困難となった場合が考えられるというように思います。  特に、公立学校施設整備費につきましては、補正予算等の追加財政措置を活用する場合、年度後半から事業に着手するため、翌年度に繰越しされる割合が多くなるというふうに考えられます。しかし、それら繰越しされた事業のほとんどは、翌年度中には終了している、完了しているということでございます。  また、工夫としましては、公立学校施設整備費の大半を占める学校施設環境改善交付金においては、年度ごとの工事出来高に応じて所要額を申請するということが可能でございまして、大規模な工事であっても、無理のない工期を設定して事業を進めるということが可能となっております。  また、さらに、文科省の取組としましても、先生指摘のとおり、予算成立後の可能な限り早期配分に努めるということであるとか、設計施工一括発注方式等の効率的な発注方式の周知などを通じて、今後、地方公共団体における円滑な施設整備の遂行などを支援してまいりたいというふうに考えてございます。
  56. 田中英之

    田中(英)分科員 ありがとうございます。  今お聞きすると、財源の問題にしても、またまた、いろいろな手続や広報の問題にしても、いろいろと考えていて苦慮しながら、極力繰越しということがないように、また、繰り越しても翌年度にはきっちりと結果が出せるようにしながらやっていただいているものだと思います。  実は、なぜこれを聞くかというと、これは国も地方も同じだろうと思うんですが、よく話を聞くのが、年度末に仕事がぽんと出てきたことに対して、業者の皆さんというのはやはり仕事というものを自分のところでやりたいという思いがありますので、その入札に参加をされ、でも、よくよく考えてみたら、次年度への繰越しだけでは実は到底やはり難しいなという、次々年度までいかなければしんどいなという状況が近年は資材の問題とか人材不足の問題でやはり多々起こっているというふうによくお聞きしますもので、ですから、そういう意味では、繰越しに関しての考え方というのは、単年度予算ということはありますけれども、一方でそういったことをしっかりもう一度考えなければならないのかなというところもあったので、お伺いをさせていただきました。  次に、学校施設に関して少しお伺いしたいと思います。  自分自身が小学校や中学校のときを思い起こすと、今の公立の小学校や中学校というのは、学校で生活をするには大変快適になってきたように私自身は感じております。  例えば、空調、クーラーに関しても、ちょうど四十年ぐらい前が私の小学校四年生で、五、六年生の教室は大通りに面していましたので、その教室にだけクーラーがついていたという記憶がございます。以降、気温も上がり、五月、六月も空調を使わなければ授業がなかなか成り立たない、近年では熱中症の問題もあったので、そういう意味では、空調機、クーラーというものがかなり設置をされる、そんな状況になってきたと思います。  空調機の公立学校の設置の表を見ていますと、平成三十年度、このあたりから急激に進んできたように見えるわけでありますが、どうした理由があるのか、お伺いしたいと思います。
  57. 山崎雅男

    ○山崎政府参考人 お答え申し上げます。  学校施設は、子供たちの学習、生活の場であるとともに、災害時には地域住民の避難場所となる施設であり、厳しい気候の中におきましてもその環境の安全性を確保することは重要であるというふうに考えております。  文科省では、これまで、公立小中学校への空調整備につきましては、児童生徒の熱中症対策、豊田市で児童がお亡くなりになったということも踏まえて、平成三十年度第一次補正予算におきまして新たな臨時特例交付金を創設し、まずは児童生徒が最も長時間を過ごす普通教室を優先的に空調設置に措置してきたところでございます。  令和元年九月一日時点のフォローアップ調査によりますと、公立小中学校等における普通教室の空調設置率は七八・四%となっております。令和年度末には九割に達する見込みとなっております。  文科省としましては、子供たちの安全、安心の確保のため、各地方公共団体における空調の整備が早急に進むよう、引き続きしっかりと支援してまいりたいというふうに考えております。
  58. 田中英之

    田中(英)分科員 臨時特例交付金等々で、時代の要請といいますか、そのときの気象の関係でこれはもう本当に急いでやらなければならないということがあってこの間も進んできたということでありますし、とりわけ普通教室に関しては令和年度で九〇%を目指すというようなことでありますので、今後の見込みについても、できる限り公立学校の普通教室には、北海道のような涼しいところは別なのかもわかりませんけれども、必要なところには適宜そういう整備がなされていくものだというふうに思います。  また、特別教室なんかは、お聞きすると、半分ぐらいが大体整備ができているということでありますが、まだ半分が未整備であるということもありますので、こういったところも当然ながら設置率を上げていただければなというふうに思いますので、その点についてはよろしくお願いしたいと思います。  もう一つ、先ほど、災害時なんかのことも、学校というところは避難所になるというお話もございました。大きいところでいうと、やはり体育館なんですね。なかなか、体育館の方に空調機をどうするかということは、大変ハードルが高い部分はあるやに思っております。  でも、ともすれば、夏の暑いときにそういうところを利用しなければならないということは、この間でもやはりありましたし、その際の報道やいろんなことを見ていると、大変、暑さというものに対しても、人間の体力が失われていく。気力も体力も災害時は失われていくと、やはりなかなか、そこでもう一回頑張っていこうという、そういったものは失われると思います。  ですから、体育館というところまでやることが果たしてできるかできないかというのは、今の体育館のあり方なんかを考えるといろいろとハードルがあるのはわかるんですが、体育館での空調機、とりわけクーラー等々の設置、整備に関して、どのようなお考えを持っておられるか、お伺いしたいと思います。
  59. 山崎雅男

    ○山崎政府参考人 お答え申し上げます。  委員御指摘のとおり、公立小中学校等の体育館の空調設備の設置率は、先ほど申し上げた令和元年九月一日時点で三・二%となっております。  現時点で、先ほど申し上げたのは普通教室等々ですけれども、災害等の影響で普通教室への設置がおくれている地域があるということや、全国的に特別教室への設置がおくれているということから、文科省が支援する事業においては、まずはこれらの普通教室、特別教室への設置を優先するというふうに考えております。  また、体育館は避難所に指定されていて、体育館は避難所になっていますので、避難所に指定されている公立学校の体育館への空調設備については、防災の観点から緊急防災・減災事業債を周知しておりまして、その活用を促しているところでございます。  文科省としましても、体育館への空調設置については、既存体育館の多くは断熱性能が確保されておらず、冷暖房効率が悪いことが課題というふうに考えております。  このため、文科省としましては、体育館本体の建てかえや全面的な改修工事に合わせて断熱性能を確保した上で空調を設置するなど、各地方公共団体においても対策を検討していただいた上で、その設置を支援していくことが重要であるというふうに認識しているところでございます。
  60. 田中英之

    田中(英)分科員 構造上、設置をしてもなかなか効果が上がらないということがあるということは、従前にもお伺いしておりました。  そういった意味では、これから、各公立の学校の体育館の役割というのが、かつてのように、子供たちが中心になって体を動かしたり集会をしたり、そういったところではなくして、地域の皆さんの、ある意味では、災害のときにはそういった拠点になってくるということも考えると、少しやはり、お金がかかってしまうのかもわからないですけれども、これからの体育館のあり方という意味では、そういう断熱性やさまざまなことを考慮した中で建てかえをしていく必要性があるんだというふうに思いますので、そういった点もあわせて今後の整備というところではお考えいただきたいと思います。  また、我々が子供のときに比べると、改善されたなというのがお手洗いであろうかと思います。特に、男性の便器でなくしてでありますけれども、洋式がかなり普及されたし、そういった意味では、各家庭においても、お手洗いの形というのは本当に変わったと思います。やはり、ウォシュレットなんかというもの、ほとんどがそういったものがついているというふうにも思いますので、そういった意味では、本当に物すごく変わったなという点であります。  お伺いすると、洋式のトイレと和式のトイレの割合というのは、意外や意外、私はもっと洋式が進んでいるのかなと思うと、六対四ぐらいの割合でまだ和の方が多いということです。ちなみに、私の住まいしています京都市なんかは、これは逆でありまして、六割が洋式で、政令市は多分そんな感じが多いと思います。六対四で洋の方がかなり多くなってきているわけであります。  そこででありますけれども、今後、おトイレの環境の改善ということについて、和洋の割合もありますし、またまた、衛生面でもやはりかなり変わってくるかと思います。そういった点についてどのようにお考えか、お伺いしたいと思います。
  61. 山崎雅男

    ○山崎政府参考人 お答え申し上げます。  先生指摘のとおり、近年、各家庭におけるトイレの洋式化が進んでいることや、学校が災害時の避難所ともなることから、児童生徒や高齢者等が安心して過ごせるよう、洋式トイレの整備は重要であるというふうに考えております。  公立小中学校のトイレ整備の状況につきましては、平成二十八年度、これは三年ぐらい前に実施した調査の結果では、全便器数のうち、洋式は四三・三%、和式は五六・七%、また、今後のトイレ整備に際して、洋式を多く設置する方針の地方公共団体の割合が全体の八五%ございました。  文科省としましては、防災・減災、国土強靱化のための三カ年緊急対策において、防災機能強化の一環としてトイレ整備を盛り込んでおり、各地方公共団体の整備方針に応じて必要な支援を行ってまいっているところでございます。  なお、委員御指摘の温水洗浄便座につきましては、現在の文科省が支援する事業の中で設置できる仕組みとなっておりますが、一般的には、設置費が割高になることや設置後にかかる維持管理費等の状況がある中で、その設置の要否は各地方公共団体において判断いただいているというところでございます。
  62. 田中英之

    田中(英)分科員 和洋に関しても、割合をふやしていこうという方向性であるということ。  もう一点は、温水の便座でありますけれども、ウォシュレットに関してでありますけれども、意外や意外と、やはりあると思ったら、ないというのが実態だと思います。これも、京都市なんかは、ほぼほぼ男の子のお手洗いのところもそうなっているところがあれば、女性のところも幾つかある中の一つはそういうふうになっているというところで、かなりこういった整備が進んできております。  そういった意味では、衛生面とか、またまた、各御家庭が、今はそういう家庭が多いようにもなってきているということを考えると、このあたりのことも少し視点に入れながら、そういったサポートをしていただける制度はあるにしても、進めていただける方が、何といいますか、文化的というか、先進的でもあろうかと思いますので、この点についても取組としては力を少し注いでいただければなというふうに思います。  この部分に関しても、確かに、公立学校の全てがお手洗いがそうなるということはなかなか難しいんだと思いますが、やはり、先ほどと同じで、災害の起こった際のそういう拠点にもなってまいります。ともすれば、やはり、足腰の少し弱い高齢の方々なんかも当然ながらこういう避難所にお越しになるという可能性はありますので、そういうところも見越して今後のその整備というものを少しお考えいただければ幸いかなというふうに思いますので、よろしくお願いしたいと思います。  次は、少しやはり新型コロナウイルスに関してのこれまでの文科省の取組といいますか、省庁的なところでお伺いしたいと思います。  総理の会見が二月二十八日にございました。  小学校を始め、そういった学校休校要請という形でありましたので、これはもう全校一斉という要請でもあったので、恐らく、これは役所の皆さんも大変なことだというふうに思われたでしょうし、世の中の皆さんは、驚きといいますか、どうなるんやろうという、実はそんな感じを感じられた方々がたくさんおられたのではないかと思います。  そんな中で、地元にいる際に地元紙を見たときに、やはり学校給食問題のことが記事にもなっておりました。私のところではなく近隣県ではありましたけれども、教育委員会なんかが大体十三日分の食材はもう発注済みしていた、大体それが数千万円を調達する予定であった、またまた、今度は納入をされる業者さんなんかは、数字だけでいうと、ともすれば、三月、この二週間の部分でも五千万ぐらいの損失があるというような記事が載っておりました。  そこで、やはり、実はいろいろと考えさせられたのは、事業者の方々に対してどんな対応をやらなければならないんだろうということ、もう一つは、食材の使い回し、フードロスをどういった形にしたら出さずに済むんだろうということをいろいろと考えさせられたところでもあります。  ただ、学校給食に関しては、文部科学省と農水省、この二つの省庁が大きくかかわっていただいているというふうにお伺いいたしております。そこで、文科省、それから農水省とのかかわり方での役割、どういった連携をとってこられたかということをお伺いしたいと思います。
  63. 丸山洋司

    丸山政府参考人 お答え申し上げます。  政府の一斉臨時休業要請に伴う学校給食休止によりまして関係者に生じる負担につきましては、去る三月十日に決定をされました新型コロナウイルス感染症に関する緊急対応策第二弾において、新たに学校臨時休業対策費補助金を令和年度の予備費で創設をしまして、政府として対応することとしたところであります。  本事業におきましては、保護者への給食費返還に加えまして、今委員から御指摘いただきました事業者への違約金の支払いも補助の対象といたしておりまして、学校設置者におかれては、事業者への違約金等の支払いについても関係事業者等と十分協議を行うなど、関係者の理解と協力が得られるよう丁寧に対応いただきたいと考えております。  なお、農林水産省におきましても、本事業と同様に、令和年度予備費によりまして、食品納入業者等の代替販路の確保、酪農業者の加工費、乳業メーカーの処分費等への支援を行っていると承知をいたしております。  政府全体として、しっかりと給食関連の対策について対応していきたいと考えております。
  64. 田中英之

    田中(英)分科員 即座に学校臨時休業対策費の補助金というのが、こういったものがなかったわけでありますけれども、文科省の方で、限られた時間の中で早急に対応されたものだというふうに思います。  文科省と農水省の役割というのは、そういう業者の方々の部分であったり保護者の方々の給食費であったりというこちら側をしっかりと対応いただくということ、農水省は食品そのものをどのようにうまくロスが出ないようにしていくかというようなことを考えながら、双方、連携をしてやられたんだというふうに思います。  間違いなく、要請があって、休校になると本当に大変困られた部分はあるんだと思います、この対応に関しては。私も実は文科省の方にもお伺いすれば、農水省の方にお伺いしても、実は三月の二日にいろいろなお話をしたもので、まだ対応していく入り口のところだったので、恐らく、てんてこ舞いだったのが事実だと思います。でも、その後、しっかりと連携をしながら、またまた、連携をした中で、文科省としては、納入される業者の方々の違約金の問題や、また、保護者の方々の給食費をどのように返還するかということ、こういったことに関して真剣に考えていただき、限られた時間の中で予算をしっかり確保して制度をおつくりいただいたというふうな意味では、本当にある意味では敬意をこれは表すところでございます。  恐らく、以降、こんなことが起こってもらったら困るんですが、こういう事態が起こった際に、間違いなくこの制度が大きく生かされていくものだというふうに思いますし、これは、地方の教育委員会皆さんも、少しほっとされた部分もあるでしょう。またまた、納入される業者の方々、先ほどの新聞記事なんかを見ていると、間違いなくそれで会社が潰れてしまうという、そんなことが頭をよぎっておられたと思います。そういう方々からしても、一定の要件を満たせばこういったところで対処をしていただけるルールができたんだということでは、間違いなくほっとされたものだというふうに思います。  だからといって、全校一斉の休校なんというものがたびたびあってはこれは困りますが、でも、お守りみたいなもので、こういったことをしっかりしていただくことによって、それにかかわるそれぞれの方々の立場を守ることができるということは、大変大きな実は結果を生み出していただいているというふうに思いますので、どうぞ、この制度、できたばかりでありますので、自治体関係なんかには当然ながらこの制度のことはお伝えいただいているものだと思いますが、しっかりと周知をしていただいて、安心感を与えていただけるようにお願いを申し上げたいなと思います。  そこで、いろいろな、実は、こういった制度ができても、お困りになることは多々あるんだと思います。一番初めに繰越金の話を少ししましたが、これも、ここに来て、年度末でこういう事態が起こって、そして制度をつくったというところであろうかと思います。実は、この学校臨時休業対策費補助金というものを、年度をまたいで申請をしたり、また利用するということになります。  そういった点は間違いなく特例扱いになるのは当然だというふうに思いますが、そういったところでの不安点が若干あるやにも聞いております。その点についてどのようにお考えか、お伺いしたいと思います。
  65. 丸山洋司

    丸山政府参考人 お答えを申し上げます。  学校臨時休業対策費補助金の執行に当たっての御質問をいただきましたが、学校給食の休止や再開にかかわりまして、学校設置者や関係事業者にはさまざまな御対応をいただいているところであります。  本補助事業の申請から交付に係る一連の事務については、一定の時間も要するというふうに考えておりますが、学校給食の安定的な実施の観点から、学校設置者や関係事業者の置かれている状況に配慮をしてまいりたいというふうに考えております。  委員から御指摘いただきました補助金の繰越しでございますが、令和年度予備費におきまして計上しました百八十二億円、これは全額を繰り越しておりまして、令和年度におきましてこの補助金の執行が可能であるということとなっております。  そういった状況も踏まえまして、文科省としては、学校設置者に対し、今後の予定も含め、必要な情報提供をしっかりと行っていきたいと考えておりまして、関係事業者との十分な協議についても、設置者の方に改めて周知を図っていきたいと思います。
  66. 田中英之

    田中(英)分科員 本当に、これができることによって、ここにかかわる方々というのは安心感ができたと思います。また、繰越しも当然ながら可能だということでありますので、本当にこれは大きな役割を果たしていただけるものだというふうに思いますので、どうぞどうぞ、そういった意味では、周知徹底を図っていただいて、安心感を日本じゅうのそういった関係の方々にお与えいただけることを願っております。  今回のこの全校の休校要請で、本当にいろいろなところで大変だったと思います。本当に、教育委員会はそれぞれ、またいろいろな地域によって違う部分もあろうかと思います。学校給食一つとっても全然違うということを、改めてあのときいろいろな形で動かせていただいて感じましたし、京都と滋賀県でも全然違うということも改めて実感いたしました。  そういったことを考えますと、ある意味では、文部科学省自治体、設置者、教育委員会、こういったところとの、何といいますか、一つ筋の通った関係というものは改めてちょっと考えておかないと、やはり、いざとなったときにばらばらで、対応することがなかなか難しいなんということも出てくるんじゃないかなと思います。  今回の新型コロナウイルスの対策の中で、御苦労のあった点というのは多々あろうかと思います。ともすれば、教育委員会のありようなんというものも、それぞれが余りにも個々でやっているというところもあって、その取りまとめというのが難しい部分があったかと思いますので、そんな観点も、どうぞ、これからいろいろと教育委員会との関係やあり方なんかも含めて御検討いただく中で、やはり、こういった問題が起こったときに即座に動けて、そして、そういった皆さんに御安心をいただけるような体制づくりのためにも御努力をいただきますこと、このことをお願いして、質問を終わらせていただきたいと思います。  ありがとうございました。
  67. 三ッ林裕巳

    ○三ッ林主査代理 これにて田中英之君の質疑は終了いたしました。     〔三ッ林主査代理退席、主査着席〕     ―――――――――――――
  68. 後藤祐一

    後藤主査 これより財務省所管株式会社日本政策金融公庫及び株式会社国際協力銀行について審査を行います。  まず、概要説明を聴取いたします。麻生財務大臣
  69. 麻生太郎

    ○麻生国務大臣 平成二十八年度及び平成二十九年度財務省所管決算について、その概要を御説明させていただきます。  最初に、平成二十八年度財務省所管決算につきまして御説明をいたします。  まず、一般会計歳入歳出決算について申し上げます。  財務省主管の一般会計歳入決算につきましては、収納済み歳入額は百兆二千四百十八億円余であります。これを歳入予算額と比較いたしますと、二兆三千五百十七億円余の増加となっております。  収納済み歳入額のうち、租税等は五十五兆四千六百八十六億円余となっております。  財務省所管一般会計歳出決算につきましては、歳出予算現額二十四兆八千二百八十六億円余に対して、支出済み歳出額は二十四兆二千三百五十五億円余、翌年度繰越額は五十億円余であります。不用額は五千八百八十億円余となっております。  支出済み歳出額のうち、国債費は二十一兆九千五百八十三億円余となっております。  次に、特別会計歳入歳出決算について申し上げます。  国債整理基金特別会計におきまして、収納済み歳出額は百九十八兆九千九百三十五億円余、支出済み歳出額は百九十五兆九千百十一億円余であります。  このほか、地震再保険等の各特別会計歳入歳出決算につきましては、決算書等にて御了承をお願いをいたしたいと存じます。  以上が、平成二十八年度財務省所管決算概要であります。  続きまして、平成二十九年度財務省所管決算について御説明を申し上げます。  まず、一般会計歳入歳出決算について申し上げます。  財務省主管の一般会計歳入決算につきましては、収納済み歳入額は百一兆二千六百九十八億円余であります。これを歳入予算額と比較いたしますと、四兆三千五百十七億円余の増加となっております。  収納済み歳入額のうち、租税等は五十八兆七千八百七十四億円余となっております。  財務省所管一般会計歳出決算につきましては、歳出予算現額二十四兆七千六百五十八億円余に対し、支出済み歳出額は二十四兆二千四百四十一億円余、翌年度繰越額は五十一億円余であります。不用額は五千百六十六億円余となっております。  支出済み歳出額のうち、国債費は二十二兆五千二百八億円となっております。  次に、特別会計歳入歳出決算について申し上げます。  国債整理基金特別会計におきまして、収納済み歳入額は百九十一兆二千二百七十億円余、支出済み歳出額は百八十八兆一千三百三十八億円余であります。  このほか、地震再保険等の各特別会計歳入歳出決算につきましては、決算書等にて御了承をお願いいたしたいと存じます。  以上が、平成二十九年度財務省所管決算概要であります。  よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
  70. 後藤祐一

    後藤主査 次に、会計検査院検査概要説明を聴取いたします。会計検査院中村審議官。
  71. 中村和紀

    中村会計検査院当局者 平成二十八年度財務省の決算につきまして検査しました結果の概要を御説明いたします。  検査報告に掲記いたしましたものは、不当事項一件及び本院の指摘に基づき当局において改善処置を講じた事項一件であります。  まず、不当事項について御説明いたします。  これは、租税の徴収に当たり、徴収額に不足があったものであります。  次に、本院の指摘に基づき当局において改善処置を講じた事項について御説明いたします。  これは、確定申告会場を利用して確定申告を行うなどした個人に対するお知らせはがき等の郵送に当たり、割引制度を適切に活用することにより郵便料金の節減を図るよう改善させたものであります。  続きまして、平成二十九年度財務省の決算につきまして検査いたしました結果の概要を御説明いたします。  検査報告に掲記いたしましたものは、不当事項一件及び本院の指摘に基づき当局において改善処置を講じた事項一件であります。  まず、不当事項について御説明いたします。  これは、租税の徴収に当たり、徴収額に過不足があったものであります。  次に、本院の指摘に基づき当局において改善処置を講じた事項について御説明いたします。  これは、日本銀行に対して交付している引揚者特別交付金国庫債券等四債券の償還用の資金について、受取人に対する支給が行われることなく日本銀行に滞留している資金を国に返納させるなどするよう改善させたものであります。  以上、簡単でございますが、説明を終わります。
  72. 後藤祐一

    後藤主査 次に、会計検査院原田第五局長
  73. 原田祐平

    ○原田会計検査院当局者 平成二十八年度株式会社日本政策金融公庫決算につきまして検査いたしました結果、特に違法又は不当と認めた事項はございません。  続きまして、平成二十九年度株式会社日本政策金融公庫決算につきまして検査いたしました結果、特に違法又は不当と認めた事項はございません。  続きまして、平成二十八年度株式会社国際協力銀行決算につきまして検査いたしました結果、特に違法又は不当と認めた事項はございません。  続きまして、平成二十九年度株式会社国際協力銀行決算につきまして検査いたしました結果、特に違法又は不当と認めた事項はございません。
  74. 後藤祐一

    後藤主査 ただいまの会計検査院指摘に基づき講じた措置について説明を聴取いたします。麻生財務大臣
  75. 麻生太郎

    ○麻生国務大臣 平成二十八年度及び平成二十九年度に関し、ただいま会計検査院から御指摘のありました事項につきまして、財務省のとった措置について御説明申し上げます。  会計検査院の検査の結果、不当事項として、税務署における租税の徴収に当たり、徴収額に過不足があったこと等の御指摘を受けましたことは、まことに遺憾であります。これらにつきましては、徴収決定等の適切な措置を講ずる等の対応をいたしておりますが、今後一層事務の改善に努めたいと存じます。
  76. 後藤祐一

    後藤主査 この際、お諮りいたします。  お手元に配付いたしております決算概要説明等のうち、ただいま説明を聴取した部分を除き、詳細な説明は、これを省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  77. 後藤祐一

    後藤主査 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――
  78. 後藤祐一

    後藤主査 以上をもちまして財務省所管株式会社日本政策金融公庫及び株式会社国際協力銀行についての説明は終わりました。     ―――――――――――――
  79. 後藤祐一

    後藤主査 これより質疑に入ります。  質疑の申出がありますので、順次これを許します。福田昭夫君。
  80. 福田昭夫

    福田(昭)分科員 立国社の福田昭夫でございます。  消費税の根本的な問題点について、今国会四回目の質問です。私が、国民にはなかなか理解できないもの、公開されていないものをブラックボックスと名づけましたので、今回は、その点について四点、政府考えをただしてまいりますので、簡潔にお答えをいただきたいと思います。  まず、仕入れ税額控除方式という巧妙な仕組み、ブラックボックスワンですけれども、についてであります。  一つ目は、仕入れ税額控除方式とは、納税義務者である事業者が、売上高掛ける消費税率マイナス仕入れ額掛ける消費税率イコール残額を納税する仕組みを指すのかどうか、イエスかノーで答えてください。
  81. 矢野康治

    ○矢野政府参考人 お答え申し上げます。  イエスでございます。課税繰延べが起こらないようにするために、前段階の税額を控除する仕組みでございます。
  82. 福田昭夫

    福田(昭)分科員 今お答えのとおり、残額を納税する仕組みということですが、そこで、二つ目ですけれども、仕入れ税額として控除できる対象の取引はどういうものを指すのかであります。  事業者が資産をつくるときにかかった費用のうち、消費税法に規定されている非課税取引、税の性格から課税対象とならないもの、社会政策的な配慮に基づくもの以外のものは全て控除の対象となるのかどうか、お答えをいただきたいと思います。
  83. 田島淳志

    ○田島政府参考人 お答えいたします。  消費税法上、仕入れ税額控除の対象となる取引は、国内において行われる課税仕入れ、つまり、消費税の課税対象となる取引とされてございます。
  84. 福田昭夫

    福田(昭)分科員 そうしますと、更に具体的に申し上げると、例えばでありますけれども、派遣労働者の賃金や外注費はもちろん、家賃や、あるいは上下水道、電気などの光熱水費、あるいはボールペンやノートを買ったときなど一般管理費や、さらには設備投資など、こうしたものなど、非課税取引以外のものは全て対象となる、こういうことでよろしいですか。
  85. 田島淳志

    ○田島政府参考人 お答えいたします。  法令上、消費税が非課税又は免税となる取引以外のものは全て入るということでございます。
  86. 福田昭夫

    福田(昭)分科員 そうすると、ほとんどのものが引けるということになるわけですけれども、三つ目は、消費税は間接税だといいますけれども、酒税やたばこ税と同じだという説明がありますけれども、しかし、どうも違うようなんですが、それはどこが違うのか、ぜひ教えていただきたいと思います。
  87. 矢野康治

    ○矢野政府参考人 お答え申し上げます。  一般的には、法律上の納税義務者と租税を実際に負担する者が一致することを予定している租税、これが直接税と呼ばれ、転嫁が行われて、納税義務者と負担する者が一致しないことを予定している租税が間接税と呼ばれております。  この点、消費税と、酒税、たばこ税などのいわゆる個別間接税は、納税義務者と実際に負担する者が一致しないことが予定されていることから、ともに間接税に分類されることになります。  他方で、酒税やたばこ税等の個別間接税は、製造場から移出される段階でのみ課税する単段階課税でございますけれども、消費税につきましては、生産、流通、販売などの全ての段階において課税する多段階課税でございまして、税の累積を排除する観点から、前段階の税額を控除する仕組みとなっており、この点が異なっております。
  88. 福田昭夫

    福田(昭)分科員 この消費税のもとは、フランスがつくった付加価値税だ、こういうふうに言われておりますが、フランスは、ウルグアイ・ラウンドのときに、輸出量をふやす補助金や減税は禁止という大原則がつくられ、それをくぐり抜けるために、付加価値税、我が国でいうと消費税ですけれども、これを間接税と偽って導入したという話があります。酒税やたばこ税と大きく違うのは、この仕入れ税額控除方式があるということだと思います。  いずれにしても、この仕組みは本当に巧妙な仕組みで、よく考え抜かれた仕組みだと思っておりまして、国民、消費者にはわかりにくい税金であります。私が何度消費者の人たち説明しても、理解が進みません。サラリーマンや本当に家庭の主婦には全く理解できない仕組みだということを申し上げておきたいと思います。  次に、輸出免税還付金という隠れ産業補助金、ブラックボックスツーについてであります。  一つ目は、消費税の還付金は多過ぎますけれども、そのうち輸出免税還付金はどのぐらい占めるのか。先日は数字を教えてくれませんでしたけれども、今回、例えば、二〇一九年度の還付金見込み税額が五兆一千百六十億円になっておりますけれども、そのうち輸出免税還付金がどのぐらいを占めるのか。せめてパーセンテージぐらい教えたらいかがと思いますが、どうですか。
  89. 田島淳志

    ○田島政府参考人 お答えいたします。  消費税の申告書におきましては、法令に基づきまして、国内売上げに係る消費税額、国内仕入れに係る消費税額、還付税額などについて、全体の金額が記載されているため、執行機関として把握するのは、それぞれについての総額でございます。  このため、先ほど先生、還付金総額について御指摘いただきましたが、お尋ねの輸出に係る還付金は把握しておらず、お答えしかねるところでございます。
  90. 福田昭夫

    福田(昭)分科員 それはおかしいですね。  それでは、私の方から申し上げますが、二〇二〇年度予算ベースで見ると、還付率は二〇・二二%となります。これは、国、地方を合わせた消費税収が三十四兆五千二百四億円、国、地方の還付金額が六兆九千八百四億円でありますから、この六兆九千八百四億円を三十四兆五千二百四億円で割ると、何と二〇・二二%となります。これが実は消費税をつくった目的じゃないですか。還付する割合が高いですね。これは驚きです。これは、多分、企業にとっては資本蓄積率を高めることにつながる、資本金をですね。本当に悪税ですね。  二つ目でありますけれども、二つ目は、消費税法第五十八条の備付け帳簿にはどのような事項を記載するのかでありますけれども、資料の上段をごらんいただきたいと思います。  これは財務省からいただきましたけれども、消費税法第三十条の第八項第一号のイ、ロ、ハ、ニに、仕入れに係る消費税額の控除について、備付け帳簿に記載すべき事項が明示されています。イは、課税仕入れの相手方の氏名又は名称、ロが、課税仕入れを行った年月日、ハが、課税仕入れに係る資産又は役務の内容、ニ、第一項に規定する課税仕入れに係る対価の額、こういうことでありますが、こうしたことで間違いございませんか。
  91. 田島淳志

    ○田島政府参考人 お答えいたします。  先生指摘のとおりでございます。
  92. 福田昭夫

    福田(昭)分科員 それでは、ここにおける、先ほど仕入れ税額控除できるものをお聞きいたしましたけれども、資産と役務の、資産につきましては大体わかりましたけれども、役務の具体的内容を改めて具体的に教えてください。
  93. 田島淳志

    ○田島政府参考人 お答えいたします。  さまざまなことがございますが、いずれにしても、事業者の方が入手した役務全般を指すと思います。
  94. 福田昭夫

    福田(昭)分科員 その役務の具体的なものを言ってちょうだいと言っているんです。
  95. 田島淳志

    ○田島政府参考人 他の事業者から入手したサービスですとか光熱費等々が含まれると承知してございます。
  96. 福田昭夫

    福田(昭)分科員 サービスとか光熱水費が役務に入るということですね。そのほか、入りそうですけれども、まあ、その次に行きますね。  三つ目は、消費税法第三十条、先ほど申し上げたイ、ロ、ハ、ニが記載してあれば、輸出品にかかった仕入れ額と消費税額がわかるのではないですか。いかがですか。わからないんですか。
  97. 田島淳志

    ○田島政府参考人 お答えいたします。  今御指摘のありましたこの帳簿に記載する事項、これは課税仕入れの総額でございますので、我々として、税務の執行機関たる国税庁としては、把握しておりますのはこの総額ということになります。
  98. 福田昭夫

    福田(昭)分科員 おかしいんじゃないですか。  さっき申し上げたように、この課税仕入れの相手方及び氏名又は名称、課税仕入れを行った年月日を書くんですよ。そうしたら、総額だけ書いているんじゃないんじゃないですか。その年月日ごとに、誰から仕入れたか、ちゃんと書いてあるわけでしょう。  ですから、これは消費税をつくった当初から多分わかっていたはずだし、ましてや、今、IoTの時代ですよ。こんなもの、すぐ出てくるじゃないですか。国内で販売したもの、輸出したもの、すぐ分類できると思いますよ。いかがですか。
  99. 田島淳志

    ○田島政府参考人 お答えいたします。  例えば、電気料金等々でございますれば、製品をつくる際にかかった電気でございますので、その総額ということでございますから、そのつくった商品がどこで売られるかということで、含めまして、そこの区別なく総額が記載されているところでございます。  それと、事業者の方々がどの程度管理されているかということは、これは事業者に、それぞれ、さまざまなやり方で管理されていると思いますけれども、ただ、いずれにしても、国税庁としては、この申告内容をチェックするのに把握が必要な金額は、申告書に記載された課税仕入れの総額が正しいかどうかという確認をすることが任務であると考えております。
  100. 福田昭夫

    福田(昭)分科員 四つ目に入りますけれども、じゃ、国税庁の審査はいいかげんかということじゃないですか。輸出品にかかった仕入れ額がわからないとしたら、どうやって還付金を計算して決めるんですか。いかがですか。
  101. 田島淳志

    ○田島政府参考人 お答えいたします。  税務の執行機関としてお答えいたしますが、この還付につきましては、審査を行った上還付するわけでございますけれども、その場合に、法令に基づきまして、国内における売上げに係る消費税額、これから、国内における課税仕入れに係る消費税額、これを差し引いた差額を還付することになります。  したがいまして、その審査におきましては、法令にのっとった適正な内容か否かという観点から行うわけでございますが、例えば、実際に国内における課税仕入れがあったのか、また、その課税仕入れの金額が正しいのかなどの点について、総額ベースで確認を行うこととなります。
  102. 福田昭夫

    福田(昭)分科員 そうしたら、国内で仕入れたものを全部確認できたらば、残りが輸出だというんだったらば、輸出額は出てくるんじゃないですか。  今までは、国民にないしょにしてきたんですね、これはお知らせせずに。しかし、ちゃんと国民に明らかにしないと、消費税に対する国民の不信はこれからますます高まっていきますよ。一〇%だってこんなに消費が減退しているのに、財務省は、これから一五にする、二〇にすると、経団連と一緒に議論をしているようですけれども、そんなことをしたら、本当にこれは国民一揆が起きますよ、こんなもの、こんな悪税をですよ。ちゃんと明らかにするということがまず前提条件ですよ。国民の理解が得られないと思いますよ。  次に、三つ目ですけれども、国と地方公共団体が負担する消費税、これがブラックボックスのスリーです。  一つ目は、国と地方公共団体は、消費税法上、これは消費者なのか事業者なのか、教えてください。
  103. 矢野康治

    ○矢野政府参考人 お答え申し上げます。  消費税法上、事業者とは、個人事業者及び法人をいうこととされております。法定されております。  また、国、地方公共団体が一般会計に係る業務として行う事業又は特別会計を設けて行う事業につきましては、当該一般会計又は特別会計ごとに一つの法人が行う事業とみなして、消費税法を適用するということになっております。
  104. 福田昭夫

    福田(昭)分科員 ということは、国は、時には消費者になり、時には事業者になって、消費税を実は負担をしている、こういうことなんですね。何だかよくわからなくなってきますね、これは。  二つ目ですけれども、二つ目は、EUでも、国と地方公共団体も付加価値税、消費税を負担していると前回も説明を受けておりますが、例えば、道路とか公園とか学校等の公共施設等をつくったときも負担しているのか、教えていただきたいと思います。
  105. 矢野康治

    ○矢野政府参考人 お答え申し上げます。  何度も委員会先生から御質問をいただいておりますけれども、今委員から御指摘のとおり、欧州などの付加価値税におきましても、日本の消費税と同様に、国及び地方公共団体に対するものも含めまして、事業者が行う課税資産の譲渡等を広く課税対象としていると承知しております。これは、EUのみならず、EU非加盟国も、その他の国も全て同じでございます。  したがいまして、欧州諸国におきましても、建設事業者が行う公共施設の工事請負等にも付加価値税が課税されておりますし、国及び地方公共団体が対価を支払います場合には、その対価には当該国内の付加価値税が含まれているということと承知しております。
  106. 福田昭夫

    福田(昭)分科員 ということは、EUは、納税義務者は経済活動を行う者としているわけでありますが、そうすると、こうした公共事業も経済活動という位置づけでやっているということですね。そうすると、EUの付加価値税もいいかげんだなというのがよくわかります。  その次、時間の関係で行きますけれども、三つ目は、これは省略して、後でまとめて伺います。  次に、大きな四番目の、消費税は本当に景気の変動に強いのか。ブラックボックスのフォーですけれども、これについてお尋ねをいたします。  まず、一つ目は、国と地方公共団体の一般会計負担する消費税総額についてであります。  先日も申し上げたように、令和年度の国の一般会計予算額ベースでは、消費税負担額は約五千八百億円。平成二十九年度の地方の一般会計負担する消費税額は、決算ベースで約一兆六千億円です。両方合わせますと二兆一千億円を超えるような額になりますけれども、これは答えは要りませんので、後でよく確認をしていただきたいと思います。  そこで、二つ目でありますけれども、二〇一九年度補正予算(第1号)において、消費税について減額補正がされましたけれども、減額幅は所得税や法人税に比べて小さいところですが、消費税収が景気変動に強いというのは、国や地方公共団体が消費税分を支払っているからではないでしょうか。  資料の下段の方をぜひごらんください。  資料の下段に、二〇一九年度の補正予算の税収の減額補正をここに書かせていただきました。これをごらんいただければ一目瞭然わかりますように、法人税については一兆一千四百三十億、それから所得税については八千七百億、消費税については三千三百億、関税については七百三十億、減額補正。相続税だけは一千十億円の増額補正。こうなっております。  これで、下の注に書いてありますように、国と地方公共団体の一般会計負担していない場合の減額補正額は、例えばですけれども、三千三百億プラス国分と地方公共団体分を合わせますと、何と、今回、一般会計だけでですよ、二兆五千百億円もの減額補正をしないと実は歳入が確保できない、こういうことになります。これは一般会計だけですからね。これに特別会計負担しているのも入れると、とてもとても消費税が景気に強い税金とは言えない、こう思いますけれども、いかがですか。
  107. 矢野康治

    ○矢野政府参考人 お答え申し上げます。  消費税収につきましては、令和年度補正予算におきまして、政府経済見通しにおける民間最終消費支出が令和年度当初予算の見積時と比較し下方修正となったことなどを受けまして、三千三百億円の減額補正を行わせていただいたところでございます。  消費税の課税ベースとなります国内消費につきましては、景気変動等の影響を大きく受ける企業収益や資産価格に比べまして変動が少ないということが構造的にございますので、法人税や所得税に比べまして、消費税は相対的に景気の変動に左右されにくく、税収が安定しているということだと認識しております。
  108. 福田昭夫

    福田(昭)分科員 だから、先ほどから私が申し上げているように、国と地方公共団体も、一般会計は消費者として、特別会計は事業主として負担しているわけですから、当然、どんなに景気が悪くたって、国や地方自治体は税金を納めないわけにいきませんからね。ですから、実は、景気に強い税金になっているということを指摘しておきたいと思います。  三つ目ですけれども、米国はなぜ付加価値税、消費税の導入をやめたのか、御存じですか。
  109. 矢野康治

    ○矢野政府参考人 先ほどの御指摘ですけれども、仮に国や地方公共団体が支払う消費税を除いて計算をいたしました場合でも、減額補正額は相対的に小さいという事実だけお答え申し上げます。  そして、米国がなぜ付加価値税の導入をやめたか。やめたという結論を出したとは申せませんけれども、ブッシュ政権時代、レーガン政権時代などにそれぞれ逐次報告書が出ております。  一九八四年のレーガン政権時には、財務省報告書において、付加価値税のメリットが幾つか書かれて、貯蓄や投資を抑制しないとか、経済活動に中立的であるとか、多額の歳入を効率的に集めることができるといった長所が掲げられている一方で、売上税の課税ベース、課税対象ですね、これは州や地方政府の排他的な領域であり、小売売上税のことを指しているわけですけれども、州や地方政府の排他的な領域であり、連邦による課税はこれへの侵食とみなされることなどの短所があると指摘されて、それで、それぞれの政権で今までのところ思いとどまっていると承知しております。
  110. 福田昭夫

    福田(昭)分科員 今までのところじゃないでしょう、ずっとでしょう。  米国は、今話があったように、一九八五年、昭和六十年、共和党のレーガン大統領のときに付加価値税の導入について検討して、政府の行政費用が、一〇%の税率で、当時のお金で約七億ドル、そんな大金を導入しなきゃならないということで、米国は導入を諦めたそうであります。私は、米国の判断は正しかったんじゃないかと思っております。  したがって、米国は今、先日も申し上げましたが、産業補助金がある中国、あるいは付加価値税で輸出免税還付金があるEUに対して追加関税二五%を課しているんじゃないですか。今度、日本に対していよいよ二五%を課してくる、もしトランプ大統領が継続して大統領になれば、そういうおそれが非常に私は強いと思っております。  それでは、四つ目ですけれども、EUでは、輸出免税還付金の不正還付が多額になっております。これについては時間がありませんので省略しますが、何と、二〇一三年度平成二十五年、EU全体で千七百億ユーロ、当時のレートでいうと日本円で約二十二兆円超、EU圏内だけでも五百億ユーロ、六兆円超の不正還付が発覚して、その対応に苦慮しているそうであります。  私が質問状を出しましたら、EUからこんな答えが返ってきました。五百億ユーロ、EU圏内だけの防止策については今検討中で、その防止策ができればこの不正還付の約八割は何とか防止できる、そのような答えが返ってまいりました。  次に、大きな五点目に行きます。消費税の情報開示でブラックボックスの扉をあけることについてであります。  一つ目は、輸出免税還付金と国の一般会計及び特別会計負担する消費税額を予算書、決算書、明細書で国民に明らかにするべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。  そうすれば、国がいかに輸出産業を優遇しているのか、また、国が、時には消費者として、時には事業者として姿を変えて消費税を負担しているのかが国民の皆さんにはっきり見えて、消費税が公平公正な税金なのか、よくわかるのではないでしょうか。いかがですか。
  111. 角田隆

    ○角田政府参考人 まず、国の一般会計特別会計予算書、決算書において表示すべきではないかという点について、私の方からお答えを申し上げます。  制度的な説明になって恐縮でございますけれども、国の歳出予算につきましては、財政法上、政策目的に応じて項に区分をいたしまして国会の議決を得るということになってございます。さらに、その予算の統制を期す観点から、項を施設費ですとか補助金ですとか委託費といった支出対象別の科目に区分いたしまして予算書に添付をさせていただいております。  御指摘の国が負担している消費税額は、当該経費の一部をなすものでございますので、それを別途明記するということにはなじまないのではないかと考えてございます。  また、決算の方でございますけれども、こちらも、国会の議決によって成立いたしました予算の執行実績を一定の形式に従って計算、整理した記録でございまして、こちらも、財政法の規定に基づきまして、先ほどの歳入歳出予算と同一の区分により作成しているものでございます。  以上でございます。
  112. 福田昭夫

    福田(昭)分科員 主計局の次長、国の会計制度そのものが間違っています。予算に出したものがそっくりそのまま歳入歳出決算として出てこなきゃおかしいですよ。これも国民だましですよ。しっかり歳入歳出予算として款項目節を組んだら、それが歳入歳出決算として款項目節でちゃんとして出る、そういう予算決算書に変えないと、会計の仕組みはだめですよ。そのためにはADAMSスリーをつくってちゃんとそういうふうにしないと、いつまでも、とんでもない国家になります。  税は国家なりともいいますけれども、国民の皆さんが納得することが一番大事じゃないですか。その数字を明らかにしないで、国民の信頼は得られないと思いますよ。それだけ申し上げておきます。  時間が来ましたので、だんだん最後に行きたいと思います。  括弧二ですけれども、これだけ国民にわからないブラックボックスがあると、律令時代の、民はよらしむべし、知らしむべからずと変わらないのではないですか。  税制については、釈迦に説法になりますけれども、アダム・スミスやワグナーやマスグレイブのいろいろ条件、原則があるようでありますけれども、それを簡単に、基本的な要素にすると、公平、中立、簡素、この三つに集約されると言われております。公平、中立、簡素ですよ。消費税が本当に公平で中立で簡素な税金ですか。全くわからない、ブラックボックス、国民には全く教えない。こんな税金は本当に見直さなきゃならないと思っております。  直間比率の見直しで始まった消費税の創設と、法人三税と所得税、住民税の大幅減税が見直しが行き過ぎましたので、格差を広げました。消費税率を引き下げて、その分を法人税と所得税で賄うことを考えるべきだと思っております。  大蔵省の出身だと言われている東京財団政策研究所の研究主幹、森信先生の消費税に対する講演がありました、三月に。その中で森信先生が消費税のメリットとして挙げているもの、私から言わせれば全てだめです。これは七点挙げます。  同等の消費水準には同等の税負担を求める水平的公平性にすぐれる。税は、公平なものは累進性が入っているものだと言われていますが、水平的公平性にすぐれる。  二番目、特例措置が少なく簡素な税制だ。全然簡素じゃないですね。仕入れ税額控除方式なんて、全く国民にはわかりません。  三点目、安定した税収が得られる。約二割も還付しておいて、安定した税収とは言えないでしょう。  四番目、税負担が勤労世代に偏らないと言っておりますが、消費税は、赤ちゃんのミルク代、おしめ代から、お年寄りの介護に必要なおしめ代まで取るんですよ。これが本当に偏らない税制というんですか。私はそうは思いません。  五番目、輸出時には還付されるので国際競争力を弱めない。これは、先ほど言ったように、ウルグアイ・ラウンドの大原則を、WTOの附属書で、その国の付加価値税率、消費税率の範囲内なら還付していいよということで、大原則を打ち消しているんですよ。OECDもそれを理論づけているのが、あの仕向け地主義です。これはみんなまやかしじゃないですか。  六番目、貯蓄に課税しないので資本蓄積に有利だ。まさにこれは産業補助金じゃないですか。資本を高めるのに有利だ、こう言っていますよ、六点目。  消費という欲望の充足時に課税するので哲学的に受け入れやすいと言っていますけれども、赤ちゃんのおしめやミルクまで取っておいて、本当にこれは哲学的に受け入れられるんですかね。私は全くそう思いません。  経済、財政、賃金を悪化させて国民や中小・小規模事業者を苦しめる、こんな悪税はやはり抜本的な見直しが必要だということを申し上げて、私の質問を終わります。
  113. 後藤祐一

    後藤主査 この際、政府より発言を求められておりますので、これを許します。麻生財務大臣
  114. 麻生太郎

    ○麻生国務大臣 先ほど読み上げました平成二十八年度特別会計歳入歳出決算、国債整理基金特別会計収納済み歳出額と読み上げましたが、収納済み歳入額に訂正をさせていただきます。  また、同様に、平成二十九年度財務省所管一般会計歳出決算、国債費の支出済み歳出額を二十二兆五千二百八億円と読み上げましたが、二十二兆五千二百八億円余に訂正をさせていただきます。
  115. 後藤祐一

    後藤主査 これにて福田昭夫君の質疑は終了いたしました。  次に、川内博史君。
  116. 川内博史

    川内分科員 川内です。大臣、よろしくお願いいたします。  市中にマスクがなかったりとか、トイレットペーパーやティッシュペーパーがなくなったりとか、食料品が棚から消えたりとか、世の中、疑心暗鬼というか、何が原因なんだろうと考えたときに、政府に対する、行政に対する信頼というものも、そういうみんなの疑心暗鬼の一つの原因になっているのではないか。  そういう問題の一つとして森友問題というのがあるわけですけれども、人間というのは、みんな誰でもミスをするし、間違うし、だけれども、そういうときに、何が間違っていたのか、何をミスしたのか、その真実を明らかにすることが大事だろうというふうに思うんですね、信頼をかち取っていくためには。  決裁文書の改ざんを強要されて自死に追い込まれた元近畿財務局の上席国有財産管理官赤木俊夫さんの手記並びに遺書が奥様によって公表をされた。この問題の財務省の責任者であり、そして現在も責任者である麻生大臣に、いろいろとまた御見解を、今、この局面において改めてお聞かせをいただきたいんです。  大臣、二〇一七年の二月十七日に、安倍総理大臣の国会答弁、余りにも有名になりましたけれども、私や妻が関係したということになれば総理も国会議員もやめる、こう御発言をされたわけであります。手記には書いていないけれども、赤木さんの奥様も、この発言が改ざんの端緒であった、夫を自死に追い込んだ最初の言葉になってしまった、こうおっしゃっていらっしゃる。  改めて、麻生大臣に、この二〇一七年二月十七日の安倍総理の国会答弁が決裁文書改ざんの端緒の一つであったというふうに御認識をしていらっしゃるかということをお聞かせいただきたいと思います。
  117. 麻生太郎

    ○麻生国務大臣 これもたびたび同じような御質問をいただいたので同じようなお答えをせざるを得ませんけれども、文書改ざんの主たる目的につきましては、これは平成三十年度六月に公表させていただいた調査報告書におきまして、平成二十九年度二月以降の国会審議において森友学園の案件が大きく取り上げられる中で、さらなる質問につながる材料を極力少なくすることであったと認定をいたしておるところであります。  したがいまして、総理答弁が問題行為の出発点とかきっかけになったとは考えておりません。
  118. 川内博史

    川内分科員 大臣、他方で、この報告書の十五ページには、平成二十九年二月十七日の衆議院予算委員会における内閣総理大臣の上記答弁以降、本省理財局の総務課長から国有財産審理室長及び近畿財務局の管財部長に対し、総理夫人の名前が入った書類の存否について確認がなされたというふうに経緯が書かれておりまして、総理答弁も、さまざまな財務省で行われた文書の書きかえ、改ざんの端緒の一つであるということは、これはお認めになられなきゃいけないんじゃないかなというふうに思うんですけれども。報告書に書いてありますから。
  119. 可部哲生

    ○可部政府参考人 お答えをいたします。  ただいま委員が御指摘になりましたように、調査報告書に明記してございますのは、平成二十九年二月十七日の総理答弁以降に、理財局の総務課長から国有財産審理室長及び近畿財務局管財部長に対し、総理夫人の名前が入った書類の存否について確認を行ったということでございますが、さらに書かれておりますのは、総理夫人本人からの照会はないことや、総理夫人付から本省理財局への照会に係る記録についても特段問題のあるものではないことも調査報告書には記載されてございます。  したがいまして、先ほどお尋ねがございましたような、総理答弁が問題行為の出発点やきっかけになったとは考えておりません。
  120. 川内博史

    川内分科員 ちょっと驚きますよね、麻生大臣。  認めるべきことはしっかりお認めになられた方がよいのではないかというふうに思いますし、今、この報告書は人事部局が作成したものですから、官房長が答弁するならまだしも、理財局長が出てきてそれは違いますよとおっしゃるのは、またちょっと答弁者が違うんじゃないのという気もしますが、あくまでも認めない。そういうところが政府の信頼を逆におとしめることにつながってしまうのではないかというふうに私は思います。  大臣、この報告書と赤木さんの遺書並びに手記とは大きなそごはない、こう大臣は御発言されていらっしゃるわけですけれども、大きなそごがないということは、そごはあるということなんでしょう。大きいか小さいかは、それは評価の問題ですから、そごはあるんだろうと思います。  何が一番の違いかというと、この報告書には、赤木さんの手記並びに遺書で明らかになった、赤木さんは明らかに改ざんを強要されたことによって自死をされたわけであります。これが、手記、遺書が公表されることによって公になったと思います。この報告書、平成三十年の六月四日、財務省報告書には、改ざんに抵抗した職員がいたということは書いてある、すなわち赤木さんが抵抗したということは書いてある、しかし、その赤木さんが自死をされたということは書かれていない、これが一番の違いだというふうに私は思います。  この報告書は、少なくとも、赤木さんが抵抗をし、そして自死に追い込まれたということは報告書に補正として書き込むべきではないかというふうに思いますが、大臣の御見解を教えていただきたいと思います。
  121. 麻生太郎

    ○麻生国務大臣 決裁書を経ました行政文書の改ざん、これを国会等に提出することはあってはならないことであって、これは甚だゆゆしきことであると、昔からずっと申し上げてきたところであります。  また、職員が亡くなられたという事案の重大性を踏まえて、私ども財務省として、一連の問題行為の経緯、目的等を明らかにした上で責任の所在の明確化を図る観点から調査をさせていただいて、その結果を調査報告としてまとめたところであります。  近畿財務局の職員が亡くなられたことは、これは公務に起因するものとして公務災害に認定をいたしておりますのは、御存じのとおりであります。  また、繰り返しになりますけれども、一連の行為、目的を明らかにした上で責任の所在の明確化を図らせていただきましたし、さらに、再発防止に向けた今後の取組についてもいろいろやらせていただいたというところであろうと思いますので、私どもとしては、職員が亡くなられたことにつきましては、その要因を含めまして個人のプライバシーにかかわることでありますことから、調査報告書に記載するということは考えておりません。
  122. 川内博史

    川内分科員 調査報告書には記載しないと。  私は、抵抗し自死に追い込まれた、財務省として今後、あるいは霞が関として今後二度とこのようなことがあってはならないのだということであれば、そういう事実をしっかり記載した上で、歴史公文書としてこの報告書をきちんとした形にした上で、霞が関の後輩たちに語り継いでいく、衆議院議長が、民主主義の根幹を揺るがす事態であるというふうに述べたわけですから、そういうことを霞が関としてされることが大事なことではないかなというふうに思いますが、書き込む気はないとおっしゃられて、ちょっと残念に思います。  じゃ、事実関係を幾つか教えていただきたいんですけれども、処分を受けた幹部職員、この報告書の中で処分が発表されているわけですけれども、処分を受けた幹部職員以外で近畿財務局で改ざんに携わった、書きかえに携わった赤木さんクラスより下の職員というのは何人いたんでしょうか。
  123. 茶谷栄治

    ○茶谷政府参考人 お答え申し上げます。  調査報告書におきましては、「当時の配下職員は、一定の作業に従事していたものの、本省理財局からの指示に明確に反発して幹部職員にも相談していた経緯を踏まえ、責任は問わない」と認定しているところでございます。  この配下職員は、赤木さんを含め複数名いたところでございますが、具体的な人数などをお答えすると、改ざんに携わったにもかかわらず処分されなかった職員が特定されるおそれがございます。したがって、改ざん作業に携わった近畿財務職員の人数をお答えすることは差し控えたいと考えております。
  124. 川内博史

    川内分科員 赤木さんの手記の中では、赤木さんのもとにいた若手にはそういうことをさせなかった、それが自分の矜持であるという趣旨の記述がございます。だから聞いたんですね。赤木さんの下にいた若手にはさせていないと。しかし、今、複数名いる、こうおっしゃる。大きな違いですよね、赤木さんの手記と今の御答弁は。  何人いたのか。答えられないんですか。赤木さんの手記には、自分の下の若手にはやらせていないと書いていますよ。
  125. 茶谷栄治

    ○茶谷政府参考人 お答え申し上げます。  たしか手記にはそういうふうには書かれていなくて、週刊誌の記事の中に書かれていたんじゃないかと思うところでございます。  いずれにしましても、人数につきましては、今申し上げたように、改ざんに携わったにもかかわらず処分されなかった職員が特定されるおそれがあることから、お答えをすることは差し控えたいと考えておるところでございます。
  126. 川内博史

    川内分科員 週刊誌の記事というのは、奥様の証言をもとに記事が構成されているわけですから、ある意味、赤木さんが語っていたことをそのまま記事にしていらっしゃるということだろうというふうに思うんですけれどもね。  今、あくまでもそれは答えないと。私は、恐らく赤木さん一人だったんじゃないかなというふうに想像します。赤木さんは、全ての責任を押しつけられそうになっている、自分のことをそうお思いになられ、みずからが追い詰められていったということではないかなというふうに思うんですけれども、改ざんを指示した側は、何事もなかったかのように出世をし、改ざんを押しつけられた人が、みずからを追い詰め自死をする。  世の中の人々は、そこに大変な反発を覚えているのではないかというふうに思いますし、平成三十年六月四日にこの財務省の報告書が発表された、その日にも、麻生大臣は、何でこんなことが起きたんでしょうかという記者の質問に対して、それがわかれば苦労はせぬよというふうに会見で述べていらっしゃいます。  要するに、真実はまだ明らかになっていないというのが麻生大臣の御真意ではないかというふうに思います。真実を明らかにし、後世に語り継いでいかなければならないわけですけれども、財務省の事務方の皆さんは、口では真摯に丁寧に説明します、こうおっしゃる、安倍総理大臣もそうおっしゃる。しかし、本当に真摯に丁寧に説明しているか。私どもが資料を下さいと言うと、なかなかその資料はお出しいただけないということになっているわけでございます。  この赤木さんの手記には、私と太田理財局長のやりとりの中で、太田理財局長が虚偽答弁をしているということも書いてございます。私と太田さんとのやりとりが手記の中に残っているので、私も自分自身責任として、本当はどうだったのかということを明らかにしなければならないというふうに思っているんですけれども、そこで、三つの資料を財務省さんに明らかにしていただきたいというふうに思います。  大阪地検特捜部に財務省あるいは近畿財務局が提出した資料ですね。これはもう大阪地検特捜部としての処分は終了しておりますので、資料の特定をするためにあえて地検特捜部に提出した資料というふうに呼ぶわけですけれども、その資料を御提出をいただきたい。  さらに、赤木さんが克明に記録をしていた改ざんに係る記録ですね、いわゆる赤木ファイル。  さらに、決裁文書の書きかえ案を本省と近畿財務局との間でやりとりをしたメール等のやりとりの文書の一式。  この三つの資料を、真実を明らかにするために御提出をいただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
  127. 可部哲生

    ○可部政府参考人 お答えいたします。  ただいま三点につきまして、資料の提出の御要請がございました。  まず最初に、大阪地検に近畿財務局が提出いたしました資料ということでございますけれども、こちらにつきましては、個別案件において捜査当局がいかなる証拠を収集していたのかというのを明らかにするものであることから、私ども財務省の方からそれを明らかにすることは差し控えさせていただきたいと存じます。  第二点でございますけれども、記事の中で出ております、赤木さんが改ざんに関するファイルを残していたという事実関係についてでございますけれども、お尋ねのものが何を指すのかは必ずしも明らかではございませんけれども、その記事の中の記述に関して、原告の代理人が訴訟の中で争点になさるというふうに報道されていると承知しております。現時点において訴状が接到しておらず、内容を確認しておりませんことから、その点についてのコメントは差し控えさせていただきたいというふうに存じます。  第三点に、決裁文書の書きかえを指示したメールがあるのではないか、それを開示すべきではないかという点でございます。  メールは一般的に、書き手の主張が一方的に宛先に伝達されたものでございまして、電話や会話などのさまざまなコミュニケーション手段の一部にすぎず、また、より日常的な担当者レベルの率直なやりとりが記載された未成熟な情報が含まれている文書でございます。これを一部でも公にいたしますと、職員が萎縮して、本来記載すべき率直なやりとりや報告事項などを記載することを控えるようになり、率直な意見交換が不当に損なわれるおそれや、国有地売却等の事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがありますため、情報公開法上の不開示情報に該当すると考えており、お示しをすることは差し控えさせていただきたいと考えております。
  128. 川内博史

    川内分科員 理財局長、その理由は、情報公開・個人情報保護審査会で違法だと指摘をされているじゃないですか、そんな理由は。それは理由にならぬですよ。  主査、この衆議院の場というのは、民主主義や世の中の正義や理想を実現する場でなければならぬというふうに私は思っております。そういう意味で、今の理財局長の答弁は、私は看過するわけにはいかないというふうに思います。大阪地検特捜部に財務省、近畿財務局が提出した資料一式、そして、いわゆる、赤木さんが残していたファイル、赤木ファイル一式、さらには、決裁文書の書きかえ案を本省と近畿財務局との間でやりとりをしたメール等の一式、この三点の資料提出を、主査において財務省に命じていただきたいと存じます。
  129. 後藤祐一

    後藤主査 ただいまの資料要求については、財務省において御提出願えますか。
  130. 可部哲生

    ○可部政府参考人 お答えいたします。  先ほど川内委員の方から御指摘があった、メールに関して情報公開・個人情報保護審査会が出した答申で、その不開示決定が違法とされているではないかという御指摘がございましたけれども、事実関係を申し述べますと、川内委員からの情報開示請求でございましたので、あえて、個別の請求ではございますけれども、ただいまここでお答えさせていただきますが、昨年六月に情報公開・個人情報保護審査会から出た答申につきましては、具体的な文書名や当該文書中のどのような情報がどのような理由によって不開示となるのかを十分に了知できないため、理由の提示の要件を欠き、違法であるので、取り消すべきとの答申でございましたが、これを受けて、答申の内容を精査、検討し、改めて、大量にある対象文書を個別に見直し、行政文書名、不開示理由の整理を実施した結果、昨年の十月に改めて、開示すべきもの、不開示すべきものを整理して、開示手続をとらせていただいているところでございます。  それから、その余の二点、捜査資料とそれから原告代理人が主張されているファイルについては、先ほど申し述べた理由から、提出をすることは差し控えさせていただきたいと存じます。
  131. 川内博史

    川内分科員 非常に残念な御答弁ですし、前段の情報公開・個人情報保護審査会の部分は、ちょっと突っ込んだやりとりを後でまたさせていただこうというふうに思います。私は、今の御答弁は、情報公開・個人情報保護審査会から出た答申に沿わない答弁ではなかったかというふうに思いますし、私に寄せられた裁決書も、その趣旨に、じゃ、沿っていないのではないかということを確認した上で、またやりとりをしたいというふうに思います。  法律相談文書のことを次に聞かせていただきますが、会計検査院に法律相談文書のことを隠していた、太田理財局長は、気づかなかったんですということを御答弁になられたわけですけれども、管財業務に係る法律相談要領についてとする、法律相談をする場合にどういうルールがあるかということを定めた文書がございます。  この文書の中には、訟務課という管財部の中にある法律セクターが、原課から連絡を受けて、法務監査官へ照会しますよ、法務監査官との間でやりとりをしますよということが書いてありますけれども、本件森友事案については、法務監査官とのやりとりを訟務課を通してきちんと行ったのかということを教えていただきたいと思います。
  132. 可部哲生

    ○可部政府参考人 お答えいたします。  御指摘の事務連絡は、近畿財務局におきまして、管財業務に係る法律相談の典型的な手順をいわば目安として示したマニュアルでございます。  この事務連絡では、ただいま御指摘ございましたように、近畿財務局管財部各課による統括法務監査官への法律相談につきまして、訟務課が、質問又は照会内容について統括法務監査官への照会の必要性を判定し、法律相談書類をチェックの上、統括法務監査官に照会することとされております。  お尋ねの森友事案に係る法律相談につきましては、平成二十五年度実施いたしました一番最初の一件につきましては、統括国有財産管理官が訟務課を経由して統括法務監査官に相談をいたしております。その以降の法律相談二十四件につきましては、訟務課を経由せず、直接、統括法務監査官に相談をしております。
  133. 川内博史

    川内分科員 訟務課を通してやるよということがルールだけれども、そのルールにのっとらず、国有財産管理セクションが法律相談セクション、法務監査官セクションと直接やりとりを、一回以外は、二十四回全てやっているということですが、じゃ、訟務課を通さなくていいよということは誰が意思決定したんですか。
  134. 可部哲生

    ○可部政府参考人 お答えいたします。  御指摘の事務連絡につきましては、近畿財務局において、管財業務に係る法律相談の典型的な手順をいわば目安として示したものでございまして、実際の運用におきましては、訟務課における統括法務監査官への照会の必要性の判定などが最初の法律相談時に行われている場合などは、迅速性の観点などから、訟務課を経由せずに直接、統括法務監査官に相談を行うこともございます。  森友事案についてもこのような取扱いがなされていると承知をしておりますが、こうした取扱いは、御指摘の事務連絡が法律相談の典型的な手順を目安として示したものであることに鑑みれば、迅速な対応が求められる場合の運用の実態に即した対応であったというふうに考えております。
  135. 川内博史

    川内分科員 今御説明いただきましたけれども、訟務課という一つの官が、セクションがあるわけですね、官職がある、訟務課長さんという方がいらっしゃる。その方を飛ばして法務監査官と直接やりとりしていいよということはよくあることなのだ的御答弁をされたわけですが、この相談要領は、原則という言葉はどこにも使われていないんですよ。全部、ものとする、こととするというふうに書いてあります。  では、例外的に、訟務課を通さなくてよいのだという取決めが何らかの文書で、それこそルールとして定められているのか否か。どうですか。
  136. 可部哲生

    ○可部政府参考人 お答えいたします。  この文書のそもそもの性格から申し上げますと、これは、管財業務に係る法律相談の典型的な手順をいわば目安として示しているマニュアルということでございますので、典型的でない場合というのは、最初から想定されているというふうに認識をしており、運用の実態はそのようになっているというふうに承知をいたしております。
  137. 川内博史

    川内分科員 ですから、理財局長さん、私、聞いているじゃないですか。訟務課を通さずに直接法務監査官セクションと管理セクションとやりとりしようねということを意思決定した人は誰ですか、この森友問題に関して。
  138. 可部哲生

    ○可部政府参考人 この事案の取扱いにつきまして、当時の具体的な事実関係を把握しているわけではございませんけれども、ただいま申し上げましたこの事務連絡の趣旨からいたしますと、関係者が、一番最初は法律相談の必要性ですとかあるいはその様式ですとかそういったものをチェックをする必要があるけれども、その後は、迅速な対応を必要とする場合には、円滑な実施を目的として、直接法務監査官とやりとりをするという実態があるという中で、このような取扱いがなされた一つの例であるというふうに思っております。
  139. 川内博史

    川内分科員 だから、一応ルールとして定められているわけで、法務監査官というのは管財部長並びですよね、訟務課を通すと。統括国有財産管理官は課長さんですから、課長さんが訟務課を通さずに勝手に法務監査官とやるというのは、これは、管財部長さんと法務監査官との間で、じゃ、今回は森友問題については直取引でやろうねということを決定しない限りそうはならぬというふうに思うんですけれども、なかなかお答えにはならないですね。  非常にここは大事なところですよね。一応ルールとして定まっているわけです。最後、訟務課は、法律相談事案について、将来争訟に発展するおそれがあると判断したものについて、争訟を未然に防止するため、法務省大阪法務局に意見照会を行うこととするというようなことも書いてあります、この相談要領に。訴訟に発展しそうだから時間がなくて結論を出したんだというのが今までの財務省の御答弁ですけれども、訟務課を通していれば、大阪法務局に意見照会しているわけですよ。  森友事案については、大阪法務局に意見照会していないでしょう。
  140. 可部哲生

    ○可部政府参考人 御指摘の事務連絡文書においては、今委員から御指摘がございましたような意見照会についての記述もございます。  その上で、ただいまのお尋ねは予防司法支援制度に関する事柄であり、同制度は、一般的には政府部内において両省間の信頼を前提になされるものであることから、これは従来も国会で申し述べさせていただいておりますけれども、個別の案件について相談の有無をお答えするのは差し控えさせていただいているところでございます。
  141. 川内博史

    川内分科員 時間が来ましたけれども、大臣、事務連絡というのは、事務連絡ですけれどもルールですよ。そのルールについて、どうでもいいんだみたいなことを答弁して、それで真実を明らかにしようとしないというのは、私は、政府の信頼を非常におとしめることになってしまっているのではないか、そこに赤木さんが自死した大きな原因があるというふうに思いますので、ちょっとこの問題は、改めてしっかり、またいろいろやりとりしながら教えていただこうというふうに思います。  終わります。
  142. 後藤祐一

    後藤主査 これにて川内博史君の質疑は終了いたしました。  以上をもちまして財務省所管株式会社日本政策金融公庫及び株式会社国際協力銀行についての質疑は終了いたしました。  午後一時から本分科会を再開することとし、この際、休憩いたします。     午前十一時五十六分休憩      ――――◇―――――     午後一時開議
  143. 後藤祐一

    後藤主査 休憩前に引き続き会議を開きます。  これより防衛省所管について審査を行います。  まず、概要説明を聴取いたします。河野防衛大臣
  144. 河野太郎

    ○河野国務大臣 平成二十八年度における防衛省主管の一般会計歳入決算及び防衛省所管一般会計歳出決算並びに東日本大震災復興特別会計歳入歳出決算につきまして、その概要を御説明いたします。  まず、防衛省主管一般会計の歳入につきまして御説明申し上げます。  収納済み歳入額は四百四十二億五千三百万円余となっております。  次に、防衛省所管一般会計の歳出につきまして御説明申し上げます。  歳出予算現額は五兆四千六百五十一億三千二百万円余でありまして、支出済み歳出額は五兆一千五百五十五億八千百万円余、翌年度へ繰り越した額は二千六十八億五千六百万円余でありまして、差引き不用額は一千二十六億九千三百万円余であります。  次に、防衛省所管東日本大震災復興特別会計の歳入につきまして御説明申し上げます。  収納済み歳入額は十二億二千四百万円余となっております。  次に、防衛省所管東日本大震災復興特別会計の歳出につきまして御説明申し上げます。  歳出予算現額は百十四億六千百万円余でありまして、支出済み歳出額は百九億四千八百万円余でありまして、差引き不用額は五億一千二百万円余であります。  続きまして、平成二十九年度における防衛省主管の一般会計歳入決算及び防衛省所管一般会計歳出決算並びに東日本大震災復興特別会計歳入歳出決算につきまして、その概要を御説明いたします。  まず、防衛省主管一般会計の歳入につきまして御説明申し上げます。  収納済み歳入額は五百七十九億円余となっております。  次に、防衛省所管一般会計の歳出につきまして御説明申し上げます。  歳出予算現額は五兆五千六百三十五億七千九百万円余でありまして、支出済み歳出額は五兆二千七百七十八億七千九百万円余、翌年度へ繰り越した額は二千二百二十七億三千八百万円余でありまして、差引き不用額は六百二十九億六千百万円余であります。  次に、防衛省所管東日本大震災復興特別会計の歳入につきまして御説明申し上げます。  収納済み歳入額は二億八千九百万円余となっております。  次に、防衛省所管東日本大震災復興特別会計の歳出につきまして御説明申し上げます。  歳出予算現額は百二十八億三百万円余でありまして、支出済み歳出額は百八億三千二百万円余、翌年度へ繰り越した額は四億一千五百万円余でありまして、差引き不用額は十五億五千五百万円余であります。  以上をもちまして決算概要説明を終わります。  何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。
  145. 後藤祐一

    後藤主査 次に、会計検査院検査概要説明を聴取いたします。会計検査院篠原第二局長
  146. 篠原栄作

    ○篠原会計検査院当局者 平成二十八年度防衛省の決算につきまして検査いたしました結果の概要を御説明いたします。  検査報告に掲記いたしましたものは、不当事項二十一件、意見を表示し又は処置を要求した事項一件及び本院の指摘に基づき当局において改善処置を講じた事項六件であります。  まず、不当事項について御説明いたします。  検査報告番号二九六号から三〇二号までの七件は、東日本大震災復興特別会計に納付させるべき返納金等を誤って一般会計に納付させていて会計法令に違反するなどしていたり、特会法改正法の規定に基づき同特別会計に繰り入れられるべき返納金等について返納金等額等財務省に報告するなどの所要の措置をとっていなかったりしていたものであります。  同三〇三号から三一一号までの九件は、若年定年退職者給付金の支給に当たり、支給額に過不足があったものであります。  同三一二号は、浮き桟橋の係留アンカーの設置に当たり、設計が適切でなかったため、艦船を安全かつ円滑に係留するための所要の水深が確保されておらず、工事の目的を達していなかったものであります。  同三一三号は、九九式空対空誘導弾(B)製造請負契約において、代金の中途確定に関する特約条項に基づく確定計算価格の算定に当たり、部品の製造に要する費用を重複して計算したり、部品の数量を誤って計算したりなどしていたため、支払い額が過大となっていたものであります。  同三一四号及び三一五号の二件は、補助事業実施及び経理が不当と認められるものであります。  このうち、補助の目的を達していなかったものが一件、工事の設計、施工が適切でなかったものが一件であります。  同三一六号は、職員の不正行為による損害が生じたものであります。  次に、意見を表示し又は処置を要求した事項について御説明いたします。  これは、有償援助調達の実施に関して是正改善処置を求め、及び意見を表示したものであります。  次に、本院の指摘に基づき当局において改善処置を講じた事項について御説明いたします。  その一は、シースパローミサイルRIM162の新規組立て整備に関するもの、その二は、統合気象システムの整備に関するもの、その三は、海上警備業務契約の予定価格の積算に関するもの、その四は、装備品等の整備に使用する油脂等の調達に関するもの、その五は、鉛蓄電池の交換作業等により発生する廃電池に関するもの、その六は、東日本大震災からの復旧復興事業に関連して発生した返納金等に関するものであり、これら六件について指摘したところ、それぞれ改善処置がとられたものであります。  続きまして、平成二十九年度防衛省の決算につきまして検査いたしました結果の概要を御説明いたします。  検査報告に掲記いたしましたものは、不当事項二件、意見を表示し又は処置を要求した事項一件及び本院の指摘に基づき当局において改善処置を講じた事項五件であります。  まず、不当事項について御説明いたします。  検査報告番号二七一号は、ヘリコプター着陸帯の移設工事のうち警備業務に要した費用について、警備期間外の費用が含まれていたため、支払い額が過大となっていたものであります。  同二七二号は、ソフトウエアを使用するためのライセンス及びソフトウエアのアップグレード等を行う権利の調達数量の算定に当たり、ソフトウエアを使用するパーソナルコンピューターの台数の把握が適切でなかったため、調達数量が過大となっていたものであります。  次に、意見を表示し又は処置を要求した事項について御説明いたします。  これは、防衛装備品等に係るコストデータを一元的に管理して分析等を行うパイロットモデルシステムに関して意見を表示したものであります。  次に、本院の指摘に基づき当局において改善処置を講じた事項について御説明いたします。  その一は、まとめ買いにより長期間保管する器材に関するもの、その二は、製品として民生品と同一の交換用の無停電電源装置の調達に関するもの、その三は、防衛施設周辺地域における騒音障害の防止等のために取得し、国有地として保有する周辺財産に関するもの、その四は、航空機、艦船等に搭載する物品の計上に関するもの、その五は、装備品等の用途廃止に伴う部品採取に関するものであり、これら五件について指摘したところ、それぞれ改善処置がとられたものであります。  以上をもって概要説明を終わります。
  147. 後藤祐一

    後藤主査 ただいまの会計検査院指摘に基づき講じた措置について説明を聴取いたします。河野防衛大臣
  148. 河野太郎

    ○河野国務大臣 平成二十八年度及び平成二十九年度決算検査報告において会計検査院から御指摘を受けました事項につきましては、まことに遺憾に存じております。  不当事項として、若年定年退職者給付金の支給に当たり、支給額の算定が適正に行われておらず、支給額に過不足があったことなどの御指摘を受けましたものにつきましては、返還等適切な措置を講じたところであります。  今後このような御指摘を受けることのないよう、より一層事務の適正な執行に努めてまいる所存であります。
  149. 後藤祐一

    後藤主査 この際、お諮りいたします。  お手元に配付いたしております決算概要説明等のうち、ただいま説明を聴取した部分を除き、詳細な説明は、これを省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  150. 後藤祐一

    後藤主査 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――
  151. 後藤祐一

    後藤主査 以上をもちまして防衛省所管についての説明は終わりました。     ―――――――――――――
  152. 後藤祐一

    後藤主査 これより質疑に入ります。  質疑の申出がありますので、これを許します。畑野君枝君。
  153. 畑野君枝

    畑野分科員 日本共産党の畑野君枝です。  河野太郎防衛大臣に伺います。  まず、陸上自衛隊オスプレイ木更津暫定配備について伺います。  政府は、島嶼防衛等を目的として、オスプレイを十七機購入するということです。配備先として考えている佐賀空港では地元住民らの反対があるため、木更津駐屯地を暫定配備先として、二〇一九年五月二十四日に、政府が木更津市に対しその旨の要請を行いました。同年、二〇一九年十二月二十五日に渡辺木更津市長が河野防衛大臣と面会した際、市長が暫定配備期間はオスプレイの暫定配備の開始から五年以内としていただけるかと述べたことに対し、河野大臣は陸上自衛隊オスプレイの暫定配備期間は五年以内を目標とする旨の発言をしたと、木更津市のホームページにあります。  確認ですけれども、大臣、こうおっしゃったのは事実でしょうか。
  154. 河野太郎

    ○河野国務大臣 陸上自衛隊オスプレイの木更津駐屯地への暫定配備については、昨年十二月の木更津市長とのやりとりの中で、市長から、オスプレイの暫定配備期間について、暫定配備の開始から五年以内を暫定配備期間としていただきたいとの要請がありました。この市長からの要請に対し、私からは、市長からいただいた五年以内の陸自オスプレイの暫定配備期間を目標とさせていただきたいと回答したところでございます。
  155. 畑野君枝

    畑野分科員 そうしますと、陸自オスプレイの暫定配備期間は五年以内を目標とすると河野大臣はおっしゃったわけですから、その期間が過ぎたら配備は撤退するということですか。
  156. 河野太郎

    ○河野国務大臣 暫定配備期間に係る市長からの御要請は、防衛省からの暫定配備期間について予断を持ってお示しすることは困難という説明についても御理解をされた上で、これまでの住民説明会などにおいて、その期間を区切るべきという地元の皆様からの御意見を踏まえた、市長としての御判断に基づくものであると認識しております。  防衛省としては、これを重く受けとめ、木更津駐屯地への配備があくまで暫定であることを明確にするため、市長から御要請のあった五年以内との目標を達成すべく、最大限努めることをお約束させていただきました。  今後、市長からの要請に応えるべく、陸自オスプレイの佐賀空港配備計画について、さまざまな機会を通じて誠心誠意対応し、調整を加速させることを通じ、市長から示された目標を達成できるよう努めたいと考えております。
  157. 畑野君枝

    畑野分科員 大臣に伺いますが、なぜ五年となっているのか、その根拠はお示しいただけますか。
  158. 河野太郎

    ○河野国務大臣 これまで、木更津の住民説明会などにおいて、配備期間を区切るべきという地元の皆様からの御意見を踏まえた、木更津市長としての政治的な御判断から、五年以内という御要請があったと認識しております。
  159. 畑野君枝

    畑野分科員 それで防衛大臣としてよろしいんですか。  ですけれども、目標ですよね。ですから、五年以内にできなかったらどうするのか。その場合は撤退するということになると思うんですが、いかがですか。
  160. 河野太郎

    ○河野国務大臣 防衛省としては、この誠実な履行に努めなければならないと理解をしているところでございます。最大限達成できるよう努めてまいります。
  161. 畑野君枝

    畑野分科員 何の根拠も示されなかったわけですよね。  この間、木更津市長は、佐賀空港の沿革において、佐賀空港の建設期間が着工から開港まで五年とされていることを踏まえ、暫定配備期間については五年以内とすることが考えられるが、見解はいかがかと防衛省に質問をし、その回答として、昨年十月三十一日に北関東防衛局長が、施設整備については、今後の検討の中で決まっていくものであることから、現時点で確定して言えませんが、一定期間を見込んでいます、御指摘を踏まえ、期間の目安についても検討する、こういうやりとりがあるんです。  しかし、これはおかしい話で、佐賀空港というのは民間空港ですよ、いろいろありましたけれども五年かかったと。しかし、新たな陸自オスプレイの問題では、合意、ないんですね。これから何年かかるかわからないということじゃありませんか。  根拠はどういうふうにお考えなのか、もう一回重ねて伺います。
  162. 河野太郎

    ○河野国務大臣 陸自オスプレイを佐賀空港に配備できるようになるまでの暫定配備期間については、これまで御説明してきたとおり、駐屯地建設予定地の地権者との交渉が必要なことや、土地取得後の施設整備に要する工期が未確定であることなどから、現時点での正確な見積りが困難であることは現状においても同様です。  他方、昨年十二月、木更津市長から暫定配備期間については五年以内としていただきたいとの御要請をいただき、防衛省として五年以内の陸自オスプレイの暫定配備期間を目標とさせていただく旨の合意をいたしました。  今後、陸自オスプレイの佐賀空港配備計画について、さまざまな機会を通じて誠心誠意対応し、調整を加速させることを通じ、市長から示された目標を達成できるよう努めたいと考えております。
  163. 畑野君枝

    畑野分科員 誠心誠意という精神論で言われても、地元は納得しないですよ。  きのう、四月五日、木更津市で輸送航空隊の隊旗授与式が行われましたけれども、その報道についても、陸自オスプレイを木更津に暫定配備した、本命佐賀は見通し立たず、こういう報道もされているわけですね。  ですから、根拠も示せない、誠心誠意という精神論でやってくる、これでは、木更津市民としても、市長と大臣の五年の期間の約束は守られないんじゃないか、事実上の恒久配備になるのではないかと危機感を持っているわけです。現に、騒音の問題あるいは低周波の問題、そして、潮干狩りやイベントの、飛行をやめてほしい問題等々を言っても、配慮する程度ですからね。これは何の解決にもならないんですよ。こんな配備計画はやめるべきだと私は言っておかなくてはなりません。  それで、二〇一九年の五月に防衛省が木更津市に説明した際に示した資料の中で、木更津に配備される陸自オスプレイの訓練内容、訓練場への飛行ルートは、CH47などの木更津駐屯地に現在配備している航空機と同様になると記述されておりますが、そうですか。
  164. 河野太郎

    ○河野国務大臣 まず、一般論として申し上げれば、陸自オスプレイが輸送機であること、また、木更津に暫定配備されることを踏まえれば、その教育訓練の内容や飛行ルートについては、従来から木更津駐屯地に配備しているCH47輸送ヘリなどと基本的にはおおむね同様のものとなることが想定されます。  他方、陸自オスプレイが暫定配備された場合の教育訓練の具体的な内容については、現時点で決まっておりません。  木更津駐屯地への暫定配備が決まったことも踏まえ、今後、検討を加速させ、早期に確定していきたいと考えております。
  165. 畑野君枝

    畑野分科員 加速させていくという重大な答弁がありました。  資料の一枚目ですけれども、実際に木更津駐屯地に配備されている航空機が飛来し訓練を行った演習場や場所、昨年度一年分ということで、これは三十年度になっていますけれども、こういう事態が起きるということですよ。  委員長お願いがあります。まだ最新のが出ていないので、資料を請求したいと思います。
  166. 後藤祐一

    後藤主査 ただいまの資料要求については、政府において御提出いただくことは願えますか。
  167. 岡真臣

    ○岡政府参考人 御指摘の点につきましては、必要な作業をやった上で、資料の提出について検討させていただきたいと思います。
  168. 畑野君枝

    畑野分科員 それで、防衛省の資料では習志野演習場も訓練地とされているんですが、そういうことですか。
  169. 河野太郎

    ○河野国務大臣 陸自オスプレイが暫定配備された場合の訓練の具体的な内容については現時点で決まっておらず、習志野演習場を使用するか否か、また、使用する場合にどのような教育訓練を実施していくかについても、現時点で決まっておりません。  木更津駐屯地への暫定配備が決まったことも踏まえ、今後、検討を加速させ、早期に確定していきたいと考えております。
  170. 畑野君枝

    畑野分科員 重大な御答弁なんです。  資料の二枚目、これは防衛省の資料ですけれども、もうルートが書かれております。木更津駐屯地から習志野演習場、相馬原演習場、関山演習場、そして一方では富士地区演習場と、ルートが書かれております。  木更津駐屯地から習志野演習場へのコースの下には、京葉コンビナートや千葉市などの市街地があります。習志野演習場は、船橋市、習志野市、八千代市に隣接して、人口約百万人の人口密集地です。降下訓練など、場外降着事故が繰り返し起こって、ことしに入っても、一月十日に、パラシュート降下訓練中に、隣接する習志野市立習志野高校第二グラウンドに自衛隊員一人が過って降着する事故が既に起こっております、現場を見てまいりましたけれども。こんな危険な地域で、そもそもパラシュート降下訓練をやめてほしいというところで、オスプレイまで飛んでくる。  これに対して、習志野演習場のある船橋市議会でも、二〇二〇年三月二十五日に、「陸上自衛隊が運用する垂直離着陸輸送機「オスプレイ」が陸上自衛隊習志野駐屯地・演習場へ飛来することについて、地域住民への十分な説明を求める意見書」が決議されました。大臣のところへ届いていますでしょうか。御存じですか。
  171. 河野太郎

    ○河野国務大臣 届いております。
  172. 畑野君枝

    畑野分科員 長い議会での議論があったと伺っております。こんな危険なオスプレイは日本のどこにも飛ばせてはならない、ましてや船橋市でもだめだ、そういう声なんですね。  私は、では説明すればいいのかという話じゃないと思うんです。その根底にあるのは、党派を超えて、こんな危険なことが木更津市でもあり、そして何の説明もなくこういうルートに書かれるということへの批判の声、心配の声だと思うんです。これはしっかりと受けとめていただきたいと思います。  確認なんですけれども、ことし三月三日に米海軍厚木基地で、米海軍CV22B、海兵隊MV22B、それぞれオスプレイですが、その定期整備、稼働中の修理の事前入札案内が行われたということが言われていますが、これは事実かどうか確認させてください。
  173. 武田博史

    ○武田政府参考人 お答えいたします。  米海兵隊のオスプレイの定期機体整備につきましては、現在、木更津駐屯地において、富士重工業、現在のSUBARUが行ってございます。期限は二〇二〇年まででございまして、二〇二一年以降のオスプレイの定期機体整備を実施する企業につきましては、現在、米軍において今後選定する計画を持っておるということは聞いてございますが、現時点で具体的な企業の募集は行われていないものと承知をしております。
  174. 畑野君枝

    畑野分科員 つかんでいる企業の名前、わかったら教えてください。
  175. 武田博史

    ○武田政府参考人 お答えいたします。  防衛省といたしましては、具体的な企業名については承知をいたしておりません。  米軍が企業何社かと意見交換をしているということは承知しておりますが、具体的な企業名については承知しておらないところでございます。
  176. 畑野君枝

    畑野分科員 委員長、その名前も今後調べていただきたいと思いますので、後でで結構ですけれども、そのことだけ求めておきたいと思います。
  177. 後藤祐一

    後藤主査 ただいまの要求につきましては、主査から委員長に申し伝えておきます。
  178. 畑野君枝

    畑野分科員 ベル・ボーイング、エリクソン、日飛というふうに伺っております。  つまり、何を言いたいかというと、木更津では、既に米軍オスプレイの整備拠点になっているんです。そして、米軍のオスプレイの飛来があるわけです。一方、横田基地に配備されている米空軍CV22オスプレイも飛来してくるわけです。六月にも、今度、木更津に陸上自衛隊オスプレイの暫定配備が開始されたらどうなるかということなんです。首都圏がオスプレイの一大訓練拠点になるということです。沖縄にも、首都圏にも、そして日本のどこにもオスプレイは要らない、米軍も自衛隊もオスプレイの配備はやめるべきだという声なんです。  私は、陸上自衛隊が買うオスプレイ一機百億円、維持費を含めると二百六十億円と伺っておりますけれども、金額の確認、そういうことでいいですか。
  179. 鈴木敦夫

    ○鈴木政府参考人 恐縮でございます。ただいまちょっと資料を持ち合わせておりませんので、後ほど確認してからお答えを差し上げたいと思っています。
  180. 畑野君枝

    畑野分科員 合計、十七機でいうと四千四百二十億円ですよ。莫大な金額です。しかも、兵器購入の分割払いの前倒しをやってきたわけです。今、コロナ対策で、本当に国民の命が心配されているときに、医療や社会保障に回すべきだと私は思います。  木更津への暫定配備、こういうやり方、これは、先ほど大臣まともに根拠を話されませんでしたけれども、木更津市民にとっても佐賀県民にとってもひどいことだと思いますよ。私は、このような危険な陸自のオスプレイの配備はやめるべきだ、撤回するべきだということを申し上げておきたいと思います。  次に伺いたいのは、昨年開催された武器見本市、DSEIジャパンについてです。  見本市の公式ガイドブックで、近年の日本国憲法の一部改正に伴い、軍備拡大、自衛隊の海外派遣、日本の防衛産業のより積極的な海外展開が可能なことになったこともありと記載されております。資料を見てください。近年の日本国憲法の一部改正に伴いと書いてあるんですよ。  大臣、どう思われますか。こんなことが起きているんですか。起きていないですよね。
  181. 河野太郎

    ○河野国務大臣 事実関係について申し上げれば、御指摘のガイドブックは、DSEIジャパンを開催した英国のクラリオン社ではなく、ガイドブックを作成する業者であるイギリスのイベントガイド社が作成した冊子であり、その冒頭にイベントガイド社が企画したクラリオン社のソアー国際開発部長に対するインタビュー記事が掲載されており、御指摘の記載は、そのインタビューにおけるソアー氏の発言の中にあるものです。  御指摘の記載については全く誤っており、イベントガイド社はソアー氏に対して、メッセージの聞き取りを誤ったことを心よりおわび申し上げますとのレターを出しているものと承知をしております。  防衛省としては、DSEIジャパンの主催者に対して、こうした記載は事実誤認であることを指摘しており、主催者からは、この事案はイベントガイド社によるものであり、御迷惑をおかけして申しわけないとおわびがあったところです。  また、事実誤認であることを公表すべきである旨防衛装備庁から申し入れたことを受け、DSEIジャパンのウエブサイトにおいてその旨を公表しております。  このようなガイドブックの件については、大変遺憾に考えております。
  182. 畑野君枝

    畑野分科員 大臣がおっしゃっていただいたことに関して、資料の四枚目につけておきました。訂正のものなんですけれども、何て書いてあるか。「DSEIJapanで配布しました、ショーカタログに日本国憲法が開催されたという記載がありましたが、」と。これも間違えているんですよ。  こんないいかげんなものへの後援なんかやめるべきですよ。どうですか、大臣
  183. 河野太郎

    ○河野国務大臣 このようなガイドブックの件については大変遺憾に考えております。  いずれにしても、防衛省としては、DSEIジャパンについて主催者からの後援を依頼する申請書を受けて、省内の規則に基づき、必要な検討、手続を経て、他の省と同様後援をしたものであり、そのことに問題があるとは考えておりません。
  184. 畑野君枝

    畑野分科員 しかし、これだけ大問題になっているんですよ。日本国憲法についてもまともに認識していない。日本国憲法九条がある日本で、こんな武器見本市、やめるべきですよ。大臣、後援しないというふうに判断すべきじゃないですか。こんなひどいものを認めるんですか。
  185. 河野太郎

    ○河野国務大臣 このDSEIジャパンについては、また次に開催されるかどうか承知をしておりませんが、省内の手続に基づいてしっかりと審査をしてまいりたいと考えております。
  186. 畑野君枝

    畑野分科員 日本でやるべきではないということを強く申し上げておきます。  一昨年、集中豪雨のときにも甚大な浸水被害が起きた蓼川下流域での浸水対策について伺います。  もう二十年前から地元から要望が出されている米軍厚木基地内の雨水調整整備にかかわって、この間、私も現況を見てまいりました。古塩綾瀬市長とも、お話を伺って、懇談してまいりました。  この間、住民の方からは、洪水時に河川の水量が満杯になり、住宅の水が河川に排水できず、家庭のお風呂などの排水管から逆流してしまう、大変困っているという声などを伺ってまいりました。昨年の台風十九号のときにも大勢の住民が避難されるような状況なので、ことしも大変心配だ、一刻も早く整備を完了してほしいということですが、調整池、配管工事などの整備の進捗状況、そして完成の見通しはどうなっているでしょうか。
  187. 河野太郎

    ○河野国務大臣 御指摘の厚木飛行場内における雨水排水のための施設整備については、蓼川流域における洪水被害への対策に関する地元要請を受け、二〇〇七年から事業を実施しております。  具体的には、二〇〇七年から流域の調査を行い、左岸と右岸にそれぞれ排水施設を整備することで米側と合意した上で、まずは左岸の工事について二〇一四年から実施をしております。左岸における施設整備については、調整池などの工事を本年三月に終了しており、残余の部分を含めた全ての整備を本年六月までに終了する予定です。また、右岸における施設整備については、調整池の工事に関する契約を本年二月に締結したところであり、残余の部分の工事については今後順次契約の上実施していく予定です。その上で、本事業については米側とも緊密に調整しつつ行っているところであります。  工事の終了時期の見通しについて現時点でお答えすることは困難でありますが、防衛省としては、引き続き早期の完成に向け最大限努力してまいります。
  188. 畑野君枝

    畑野分科員 左岸の整備に十三年もかかっています。  綾瀬市洪水ハザードマップでは、蓼川下流、比留川、引地川の合流地点は数メートルの浸水想定区域とされています。一刻も早い対応を求めておきます。  横浜市根岸住宅地区の返還の見通しについて伺います。  今後どうなるのか、早急に明らかにしていただきたい。そして、基地の中に囲まれるようにして、日本人居住者の方がおられます。以前も質問しましたけれども、その生活環境の整備を丁寧に行っていただきたいと思っています。この二つについて伺います。  この現地に私行ってまいりました。今後の返還の見通しで一つ言われているのは、アスベストが使われているんですね、ですから、そういう対策をしっかり、安全対策をやってほしいと。それから、今、基地に入れるのは一カ所なんです。以前あいていたように、中村橋方面をあけてほしいという声も伺ってまいりました。  それから、もう一つ。日本人居住者の皆さんなんですが、この間の台風で木が倒れまして電線にかかっているという心配の声や、あるいは、途中で管が終わって汚水が垂れ流しされているという現場も見てまいりました。こういうことを含めて早急にやっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  189. 河野太郎

    ○河野国務大臣 通常、米軍施設・区域が返還される場合は、返還後に原状回復作業を行った上で土地所有者に引渡しを行っております。  根岸住宅地区については、地元の要望を受け、土地所有者への早期引渡しと跡地利用を推進するため、返還前から原状回復作業が行われるよう日米間で共同使用を合意し、現在、作業に向けた手続に着手しているところであります。  具体的には、建物配置及び地形等を把握するための調査、PCB含有の可能性がある電気機器などの所在を確認するための調査、土壌汚染等蓋然性及び希少動植物の生息の有無を確認するための調査、これを行うための手続に着手しているところでありまして、まずはこの作業をおおむね三年程度で完了し、その後、地区の返還と土地所有者への引渡しを行い、早期の跡地利用を実現したいと考えているところでございます。  また、根岸住宅地区に囲まれた土地に居住されている日本人居住者の方の生活環境につきましては、ライフラインなどさまざまな御不便があることは承知をしております。このため、住民の方からの御要望を受け、防衛省としても米側や関係機関と生活環境改善のため必要な調査を行ってまいりました。これまでの間、上水道や電力施設等の改善が図られていると承知をしておりますが、そのほかの御要望につきまして、引き続き適切に対応してまいりたいと考えております。
  190. 畑野君枝

    畑野分科員 戦後ずっと御苦労されてきた方たちですから、ぜひ丁寧に聞いていただきたいと思います。  最後に、防衛省に伺います。世界は新型コロナウイルスとの大変な闘いになっております。セオドア・ルーズベルトの感染者の問題も出ております。また、横須賀の原子力空母ロナルド・レーガンの乗組員二人が新型コロナウイルスに感染した、基地を閉鎖しているという報道もあります。  そこで伺いますけれども、多くの米軍人軍属とその家族が横須賀市では基地の外に住んでいる、地元住民との接点も非常に多い町ですので、ぜひ公衆衛生上も十分な情報を関係自治体や住民に知らせていただきたいと思いますが、いかがですか。
  191. 有馬裕

    ○有馬政府参考人 お答え申し上げます。  これまでも、新型コロナウイルス感染対策について、在日米軍と緊密に連携しているところでございます。  具体的に申し上げますと、公衆衛生上の観点から、日米合同委員会合意に基づき、米軍施設・区域の医療機関と地元の保健所との間で感染者の行動履歴の追跡等を含めて必要な情報共有を行い、感染拡大防止のために緊密に連携していくことを確認しているところでございます。また、在日米軍関係者が感染した事例についても米側から適切に情報共有を受けてきております。  新型コロナウイルス感染症対策につきましては、引き続き在日米軍と緊密に連携してまいりたいと考えております。
  192. 畑野君枝

    畑野分科員 時間が参りましたので、一言だけ。  三月二十六日、二十七日、二十八日と、横須賀市には外務省から連絡があり、ホームページでも公表しているんです。それ以降は何の連絡もないということなんです。多分、保健所などと連絡をしているのかもしれないんですけれども、一切公表されないということなので、私はやはり市民の不安に応えてちゃんとやっていくべきだと思います。  この間、本当にぴたりと、米国防総省から言われた途端に出ないということです。やはり、これは何でかというと、軍隊だからですよ。市民は知りたい、しかし、軍隊のは知らせない。私は、こういう原子力空母が、ロナルド・レーガンが横須賀に置かれている、大問題だと思いますよ。  私は、こういう配備はやめるべきだ、そして、今、世界が人の命を新型コロナからどうやって守るかと真剣になっているときに、アメリカ追従のやり方ではない道に日本も踏み出すべきだ、軍事増強ではなく、本当に国民の命、暮らしを守る方向に切りかえるべきだということを申し上げて、質問を終わります。  ありがとうございました。
  193. 後藤祐一

    後藤主査 これにて畑野君枝君の質疑は終了いたしました。  以上をもちまして防衛省所管についての質疑は終了いたしました。     ―――――――――――――
  194. 後藤祐一

    後藤主査 次に、文部科学省所管について審査を進めます。  質疑の申出がありますので、順次これを許します。岡本三成君。     〔主査退席、三ッ林主査代理着席〕
  195. 岡本三成

    岡本(三)分科員 公明党、岡本三成です。  質疑の機会をいただきまして、ありがとうございます。  それでは、まず初めに、休校措置について文科大臣にお伺いしたいと思います。  昨日、東京では新たに百四十三人の新型コロナ感染者が出るなど、日に日に感染者が増大をしておりまして、報道によりますと、あすにも緊急事態宣言をする可能性があるのではないかというふうに言われております。  東京都内でいいますと、都立の高校は五月六日まで休校を決定いたしました。また、小中学校は、一部の自治体でそれより早く再開することを検討しているところがありますけれども、多くは五月六日の連休明けまで休校措置をとっています。  ここでもし緊急事態宣言が出ますと、当然、対象としては、大都市で拡大をしている東京もそこに入ってくる可能性があると思いますので、五月の連休明け以降の休校ということも可能性としては十分にあるかと思います。そうしますと、児童の立場からすると二カ月以上の休校となりまして、学習が一層おくれるということを懸念されていらっしゃるような方も多くいらっしゃいます。  文科省として、子供たちの教育のおくれを防ぐために具体的にどのように対処をしていこうと考えていらっしゃるのか、御答弁をお願いいたします。
  196. 萩生田光一

    萩生田国務大臣 今後、新型コロナウイルス感染症の感染状況等を踏まえて、学校の臨時休業を行う場合において、児童生徒が授業を十分に受けることができないことによって学習に著しいおくれが生じないようにすることは極めて重要だと思います。  先般発出した新型コロナウイルス感染症に対応した臨時休業の実施に関するガイドラインにおいても、可能な限り、家庭学習を課したり、家庭訪問を行ったりすること等について、各教育委員会等に対して必要な措置を講じるよう依頼をしております。  各設置者及び学校においては、例えば、家庭訪問を通じた課題の配付及び回収、ICTを活用し、児童生徒に課題を送信することによる学習状況の確認、教科書を教材とする各教科の授業動画の公開などの取組を行っている事例もあると承知しており、文部科学省においてはこうした取組事例等の周知に努めております。  また、児童生徒の学習の支援方策の一つとして、児童生徒及び保護者等が自宅等で活用できる教材や動画等を紹介する、子供の学び応援サイトを開設し、内容の充実に努めているところです。  同時に、ガイドラインにおいては、家庭学習を課すことに加えて、最大限の感染拡大防止のための措置等を講じた上で、各学校が児童生徒の学習状況の確認や補習等の学習指導を適切に行うとともに、生徒指導、児童生徒等の健康観察を適切に行う観点から、児童生徒や学校の実態に応じて登校日を適切に設定すること、体調面にも配慮した上で、特に配慮を必要とする児童生徒などの一部の児童生徒については登校させたりすることなど、きめ細かな工夫を行うことにしているところです。  今後とも、学校の臨時休業を行う自治体と緊密に連携し、児童生徒の学習に対する支援に努めてまいりたいと思います。
  197. 岡本三成

    岡本(三)分科員 コロナ対策に踏み込んでいく前に、一つちょっと確認をさせていただきたいんですが、総理が記者会見で学校の自粛を要請したのがたしか二月の二十三日だったと思います。それに対応する形で、三月以降、多くの修学旅行がキャンセル、延期になっております。  そこで、私は、三月六日の国土交通委員会で、このコロナウイルスの感染拡大を受けて出た修学旅行のキャンセルの料金について、何とか支援をいただけないかということを申し上げました。例えば、御両親がそのキャンセル料を負担しているようなケースもありますし、又は、ホテルや旅館やバス業者が、総理の記者会見、政府の依頼によるものだからということで、キャンセル料を約款にうたってあっても取らずに、キャンセル料をかぶっているような事実もあります。  このことで財政支援を委員会で求めた際に、文科省の方から、今後検討していきたいという旨の御答弁がありました。あした閣議決定が予定されております経済対策もあると思いますけれども、このキャンセル料の政府支援についてどのような検討状況になっているか、お聞かせください。
  198. 萩生田光一

    萩生田国務大臣 今回、新型コロナウイルス感染症のため、三月二日からの学校の臨時休業をお願いしたところ、これに伴い、三月に修学旅行を計画されていた学校において、修学旅行の中止や延期等の影響が生じているものと承知しております。  文部科学省としては、現時点においては感染の拡大防止策を最優先としていただきたいと考えておりますが、修学旅行の教育的意義や児童生徒の心情等にも配慮いただき、当面の措置として取りやめる場合においても、中止ではなく延期扱いとすることを検討いただくなどの配慮をお願いしたい旨の通知を都道府県教育委員会等に対して発出をしているところでもございます。  学校の一斉臨時休業に伴い、修学旅行の中止や延期により発生したキャンセル料等については、文科省として、各自治体における対応状況等を踏まえ、保護者の経済的負担軽減を図るための支援策の検討を進めているところでございます。  と言いますと、じゃ、何を検討しているのかと言われちゃうので、あしたの閣議にしかるべき支援策を示してまいりたいと思います。
  199. 岡本三成

    岡本(三)分科員 ありがとうございます。  そのように政府の要請に対応する形で適切に行動をとっていただいた方にはしっかりと補償もセットでやっていくという姿勢が明確になるかと思いますので、あしたの閣議決定の内容をぜひよろしくお願いいたします。  続きまして、そのあしたの経済対策の中で、さまざまな形で御苦労されている国民の皆さんに現金の給付をしていこうということがされるのではないかと報道されておりまして、例えば世帯ごとの現金の給付であったり、児童手当の上乗せであったりということが報道されております。  私はここに、ぜひ、直接学生を支援するような形での現金の支給もお願いをしたいと思っておりまして、もしきょうのあしたで難しいのであれば、今回のコロナウイルスの影響が甚大であることを考えると、常識的には、あした閣議決定される経済対策の後にも、更に数回経済対策が行われる可能性は十分あると思っておりますので、そのどこかでぜひ御検討いただきたいと思っていることがあります。  まず、大学生です。大学生は、アルバイト先から解雇をされたり、又は実際のアルバイトのスポットが入らない等で大変厳しい経済状況にある方が多くなっていらっしゃっていて、実際に文科省の御指導もあり、大学における学費の支払いの猶予や奨学金の緊急採用、増額貸与等が行われることは承知をしております。ぜひ、この厳しい生活状況にある大学生にも現金給付ができるように、今後検討していただきたいと思っています。  加えまして、高校生。これは高校生等奨学給付金制度がございまして、生活保護世帯や住民税非課税の世帯の方々に対して返済不要の給付をしていただいておりまして、一人当たりの支給額は年間約十万円前後であります。この方々が学ぶ本当に基礎になっていまして、平成三十年度の給付実績は四十一万三千人、令和年度でこの予算は百三十六億円確保されているわけですけれども、このように、直接的に、学ぶ意欲のある、けれども経済的に厳しい学生たちに対する財政的な支援も、あした決定するものか、又は今後決定するものの中でぜひ配慮をいただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
  200. 萩生田光一

    萩生田国務大臣 まず大切なことは、今般の新型コロナウイルス感染症の影響で子供たちが進学や修学を断念することがないようにしっかり支援をしていくことが重要と考えています。  御指摘の大学生等に対しては、高等教育修学支援新制度及び日本学生支援機構による貸与型奨学金において、家計が急変した学生等への支援を行うこととしており、家計急変後の所得見込みで所得判定を行い、要件を満たす世帯の学生等が支援対象となります。特に、高等教育の修学支援新制度では、新型コロナウイルス感染症による影響を受けた家計急変については、災害時と同様に、より幅広い方に活用いただけるように運用を拡充をしているところでございます。  さらに、入学料等初年度の納付金や授業料等の納付が困難な学生に対しては、新型コロナウイルス感染症の拡大を踏まえ、各大学に授業料等の納付の猶予等、弾力的な取扱いや減免等のきめ細かな配慮の要請を累次にわたって行っております。  高校生に対してですけれども、低所得世帯の授業料以外の教育費に対して支援を行う高校生等奨学給付金について、これまでも支援額の充実を図ってきたところ、新型コロナウイルス感染症による影響を踏まえ、新たに家計急変世帯を対象に加えるとともに、年度当初に特に負担の大きい新入生に対する早期給付の実施を検討しています。家計急変の判断が前年度の所得に対してという計算方式ではなかなか急変をキャッチできないと思いますので、この辺は現場にも柔軟な対応ができるように、ぜひ文科省としても発信をしてまいりたいと思います。  今申し上げた施策にしっかりと取り組むことで、子供たちが経済的理由により進学、修学を断念することのないよう、関係省庁とも連携し、政府全体における経済対策の検討状況も踏まえながら、しっかり支援をしていきたいと考えております。
  201. 岡本三成

    岡本(三)分科員 一番初めに、休校が長引く状況の中でどのように子供たちの学習に対して取り組むかということをお伺いし、その中で、大臣にも一部御答弁いただきましたけれども、政府が今掲げていらっしゃいますGIGAスクール構想、実はこれが大きな価値を生んで、今回、コロナウイルスで大きな問題が起こっていますけれども、実は、結果的に、将来、振り返ってみるとあそこから教育格差が少なくなってきたというふうなことを言っていただけるような可能性があることし一年間にできるのではないかと思っています。  令和年度の補正予算でパソコン配付に関する予算として二千三百十八億円計上していただきまして、小中学校の児童に一人一台のパソコンを配付することがいよいよ本格的にスタートをいたします。一人平均四万円から五万円補助する予定ですけれども。  パソコンを一人一台、又は、小学校一年生だと基本的にパソコンは大きいかもしれないのでタブレットかもしれませんが、そのようなITツールを一人一台導入すれば、個々の学生の皆さんのスピードに合わせたカリキュラムの作成が可能となります。また、御自宅で勉強をするに当たっても、実際に学校に来ていただかなくても補習をすることができるかもしれませんし、又は、このような配付を早めることができて家に持ち帰ることができれば、例えば、先生には大変なプレッシャーになりますけれども、授業を録画して、塾に行くような経済状況にはないような御家庭であっても、家に帰った後、端末で録画された授業をもう一度復習することによって学習の理解をより深めたりするようなこともできると思います。  要は、今回のこのGIGAスクール構想、コロナウイルスの影響で学習の前進がおくれている学生さんに対しては大変大きな、強力なツールになると思っているんですけれども、政府の今の予定では、まず、小学校五年生、六年生と中学校一年生から配付をされて、四年間で全てのお子さんに行き渡るというような計画を立てていらっしゃると思うんですけれども、このスピード感を何とか早めていただけないかというお願いをしたいと思うんです。  一部、世界じゅうでリモートワークがはやってきていますので、パソコンの供給がおくれているというようなことも聞いていますけれども、そういう供給のボトルネックを解消しながら、一日も早く、四年といわず三年でも二年でも一年でも早く、一人一台、タブレット、パソコン端末が行くような施策を講じていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
  202. 丸山洋司

    丸山政府参考人 お答え申し上げます。  学校の臨時休業期間中に児童生徒が学習を進める際にICTを活用することは有意義であり、既にICT環境整備が進んでいる自治体においては、積極的に活用いただいたと考えております。  文部科学省としては、まず、令和年度補正予算におきまして、GIGAスクール構想の実現として、学校における高速大容量の通信ネットワークと児童生徒一人一人端末の一体的な整備を開始したところであり、今後、あらゆる機会を捉えて、スピード感を持って、令和時代のスタンダードとしての学校のICT環境の整備を進めてまいりたいと考えております。
  203. 岡本三成

    岡本(三)分科員 ちょっと確認させてください。その配付されたパソコンやタブレットは、お子さんは御自宅に持って帰ることができるという認識でよろしいんでしょうか。
  204. 丸山洋司

    丸山政府参考人 今般のGIGAスクール構想において整備をするPCにつきましては、これは学校の資産という形になりますけれども、活用においては、学校の授業等で使うということも当然でございますが、御自宅の方に持ち帰って家庭学習等でも活用していくということも当然あり得る話だと思います。設置者の御判断ということだと思います。
  205. 岡本三成

    岡本(三)分科員 わかりました。  一部報道では、なるべく早くそういうツールが使っていただけるようにということで、もう既に御自宅にパソコン等のシステムがあるところよりは全くない方を先に優先して配付するようなことも言われていました。  それはいろいろ工夫してやっていただければと思うんですけれども、加えて、特段配慮していただきたいのは、例えば、障害をお持ちの方であったり、特別養護学校に行かれている方であったり、不登校の方であったり、よりこのような端末が有効なツールとして活用できるような方々にも優先順位高く配付をするというようなことも、誰に一番最初に配るかということの判断の中にぜひ加えていただきたいと思っていますけれども、いかがでしょうか。
  206. 丸山洋司

    丸山政府参考人 お答えを申し上げます。  端末の配付についてでございますけれども、令和年度補正予算による端末の整備におきましては、まず、小五、小六、中一及び特別支援学校を可能な限り優先をするということを考えております。  また、他の学年につきましても、特別支援学級を優先しつつ、各自治体からの支援の状況等を踏まえまして、予算の範囲内で、そういった特別の支援を必要とする子供たちにしっかりとPCが行き渡るように配慮も考えていきたいと思います。
  207. 岡本三成

    岡本(三)分科員 ぜひお願いします。  学校先生方は皆さんITリテラシーが高い方ばかりではないと思うんです。その方々がこういう端末を活用しながら、子供たちにより効率的、効果的に授業を行っていく、又は勉強を推進していくことになると、この先生方をテクノロジーの観点から支援するようなスタッフが大変重要になると思います。  現在、ICT支援要員の制度がありますけれども、現在は十校に一人ぐらいの割合でしか配置をされておりません。全てのお子さんに端末を配付するとなると、十校に一人というのはかなり厳しいなという気がしております。当面、少なくとも三校に一人ぐらいは必要と思っておりますけれども、お子さん方も直接その支援員の方に質問するようなこともあると思いますので、私はやはり、基本は一校に一人そのICTの支援員がいるというようなことが、実際に、ハードの端末のみならずソフトのサービスを提供する上について重要だと思っているんですけれども、支援員の方の増員についての基本的な姿勢をお聞かせください。
  208. 丸山洋司

    丸山政府参考人 お答えを申し上げます。  一人一台パソコンの環境整備とあわせて、教員がICTを活用して指導する力を身につけられるようにするとともに、教員を支援する体制が必要だというふうに考えております。  しかしながら、これまで、御指摘の教員のICT環境をサポートするICT支援員につきましては、四校に一人を自治体で配置すべく所要の地方財政措置が講じられておりますけれども、現状が進んでおらず、今後、今回のGIGAスクール構想の実現に向け、文部科学省としても、ICT支援員の配置の促進の必要性を認識しておるところであります。  文部科学省としては、教員がICTを活用して指導を行えるよう、自治体でのICT支援員の配置を促すとともに、教員の指導力向上に向け、独立行政法人教職員支援機構における各地域でのICT活用に関する指導者の養成研修の充実を図ってまいります。  また、さらに、学校設置者に対しましてICT活用に関する助言や研修支援などを行うICT活用教育アドバイザー事業を令和年度に新規事業として行うこととしているところでございます。  また、本年二月には、萩生田文部科学大臣が直接、学校の情報化に関連する事業者に対しまして、適切な環境整備、効果的な指導方法、使いやすい教育用コンテンツの提供などに関する学校現場への協力をお願いをしたところであります。  文部科学省としても、ICT支援員の配置促進や、学校現場において教員がICTをしっかりと活用できるよう、これらの施策を積極的に推進してまいりたいと考えております。
  209. 岡本三成

    岡本(三)分科員 IT端末を学生お一人お一人に配付するというのは大変意義深い、すばらしい事業だと思いますけれども、その運用管理等を全て自治体学校に任すことになりますので、文科省として、毎年、これをよりよくしていくために、ちゃんとPDCAを回した方がいいと思うんですね。  余りにも煩雑になり過ぎて、それがまた先生負担になって、端末を使って教えることに時間が割けなくなってしまうようなことがあってはいけないと思うんですが、なるべく簡便で、しかも、よりよいものに毎年できるような形でPDCAを回していくということに関して、もう既に何か準備をされていたりすることはありますでしょうか。
  210. 萩生田光一

    萩生田国務大臣 まず、先生、さまざまな視点から御提案をいただいて、ありがとうございます。  今局長から答弁しましたけれども、ICTの指導員につきましては、これは、言うならばパソコン世代、第一世代がちょうど今シニアになられて、退職されて地域にいます。メーカーの皆さんにもお願いして、そういうシニアの皆さんの紹介をしてもらって、できるだけ学校現場に入っていただこうという、こんな努力も今させていただいているところでございますので、自治体任せにしないで、国もしっかりタイアップしながらやっていきたいと思います。  今回の端末整備とその活用のPDCAサイクルの徹底は極めて重要です。このため、端末補助の措置要件として、一人一台環境におけるICT活用計画、また、その達成状況を踏まえたフォローアップの計画を各自治体に提出をいただくとともに、自治体に対してその公表を求めているところです。  さらに、文科省としても、さまざまな指標を用いてICT活用の効果を確認し、自治体とともにPDCAサイクルを実現して、令和時代のスタンダードとしての学校ICT環境の確実な整備とICTの効果的な活用の促進に努めてまいりたいと思います。
  211. 岡本三成

    岡本(三)分科員 大臣、ありがとうございます。ぜひお願いいたします。  では、最後に、大きなくくりとしての最後に、工業高校の設備の老朽化問題についてお伺いしたいと思います。  文科省は従来から、職業教育の重要性から工業高校や工業専門高校等に施設整備を推進して、多くの人材を生んでいただきました。ただ、近年、その設備が老朽化していることが現場で問題になっています。  昨年九月、群馬県の八つの工業高校に対して地元群馬県の建設業協会が学校調査をしておりまして、例えば、測量機器の使用が不可となっているものは二〇・三%、一部ふぐあい、故障があるけれども使用しているという状態のものは三三・五%、合わせて五三・八%の測量機器には問題があって、良好なものは半分以下となっております。  とりわけ、今スタンダードとなっております電子平板、これは測量しますと、もう現場ではみんなアナログじゃなくて電子のものを使っているんですが、これは七七・八%が使用不可能の状態、約八割は使い物にならずに、使っていないんですね。これまでのアナログとは全く違いまして、例えばトータルステーションとノートパソコンを連結して、ペンタブレットを使ってCADに書き込んでいくというようなことがスタンダードに現場ではなっているのに、学校ではそれが十分に教育できないような状況になっています。  よくよく聞いていきますと、使用年数が二十年以上のものが多くて老朽化しておりまして、土木業界では一般的になっている、例えば3Dスキャナー、ドローンを使ったUAV測量、3Dソフトは全く所有していないということでありまして、現場のi―Constructionの進捗と学校との大きなギャップが生まれてしまっている状況にあります。  昨年も多くの自然災害がありました。国土交通省も命を守るための公共事業をやっていこうということで予算をふやしておりますけれども、最大のリスクは、どんなに公共事業予算を積んでも、受けてくださるような建設会社、職人さんがいなくなることなんですね。その意味において、工業高校に進んで、将来建設の業界に身を置こうとしていらっしゃる方は、日本の将来を守ってくださるような方と同じ意味合いであるにもかかわらず、社会に出た後に十分に実践力となるような教育の機会を提供できていないということに大変申しわけない気持ちを持っております。  この測量を中心といたしました工業高校における設備の老朽化について、国交省並びに文科省、どういうふうに政府としてお考えかということをお聞かせください。
  212. 中原淳

    ○中原政府参考人 お答え申し上げます。  委員御指摘のとおり、近年、衛星測位システムや無人航空機を用いた測量など、測量技術が進歩しているところでございます。  国土交通省においては、新しい測量技術にも対応できる未来の測量業を担う人材を確保、育成するため、関係団体と連携し、工業高校や大学等に出向き、学生に対する説明会を行っているところでございます。工業高校を含め、入職前の教育現場においても、新しい測量技術に対応した機器を用いて実習を行っていただくことにより、魅力的な生産性の高い産業を支える人材をふやしていくことが重要と認識しております。  国土交通省としては、測量業を担う人材確保のための環境整備に向けた適切な取組がなされるよう、測量業界の実態をよく伺いながら、文部科学省を始めとした関係機関、関係機関の中では、例えば、内閣府の地方創生事務局においては企業版ふるさと納税を大幅拡充したところでございますけれども、実際に企業からの寄附を活用して工業系の設備更新を実現した例も出ているところでございますので、こうした事例も参考に、関係機関とも連携してまいりたいと考えております。
  213. 丸山洋司

    丸山政府参考人 お答え申し上げます。  先生指摘の工業高校におきましては、実験、実習に重点を置いた実践的な職業教育を行っておりまして、そのために必要となる設備を整備することは大変重要であるというふうに認識をいたしております。  新しい高等学校の学習指導要領が令和年度からスタートするわけでございますが、その指導要領の実施に当たりまして、都道府県等が産業教育関係の施設設備を整備する際に参考となる産業教育設備基準の改定作業に今現在取り組んでおります。その中で、御指摘をいただきましたような、いわゆるドローンでありますとか測量用GNSS装置等の整備ということについても、新しい品目としてその整備基準の中に盛り込みたいというふうに今考えておりまして、改定の作業に取り組んでいるという実態でございます。  また、あわせて文科省では、科学技術の進展やグローバル化等による専門的な知識、技術の高度化への対応のため、新高等学校学習指導要領において教育内容の改善充実を図るとともに、令和年度からは地域の産業界等と連携、協働による実践的な職業教育を推進しており、その中で、例えばインターンシップにより企業等が所有する最新機器を生徒が利用するなど、地域企業等で即戦力となる人材育成の取組を支援しているところでございます。  今後とも、建設業を所管する国土交通省を始めとした関係機関とも連携を図りながら、工業高校で即戦力となる質の高い職業人育成が推進されるよう取り組んでいきたいと考えております。
  214. 岡本三成

    岡本(三)分科員 最後に、要望と、一つ質問をさせてください。  まず、実態調査をしていただきたいんですね。  平成三十一年四月に文科省は百七の自治体教育委員会に調査を行っていますけれども、これは私も質問を拝見しましたが、大変ざっくりした調査でありまして、どの設備がどの程度老朽化していて必要かというような詳細にまでは実態調査は至っておりませんので、今おっしゃったようなぜひアクションをとっていただきたいんですけれども、実態調査をまずしていただきたいと思います。  最後に、済みません、予算をとってくださいというお願いです。  実は、平成十六年までは、産業教育設備整備費等負担金として個別に予算措置されていたんですが、平成十六年からは、地方分権一括化法で、自治体にまとめて渡すようになりました。自治体もいろいろな優先順位をつけますので、どうしてもこういう工業高校に対する資金の支援というのが後手後手になって、なかったわけですけれども、先ほどおっしゃったようなアクションをとろうと思ったときには、実際には国として新たな補助制度を考えるぐらいの財政に対する支援もお願いしたいと思っているんですけれども、それを聞いて、質問を終わらせていただきたいと思います。
  215. 三ッ林裕巳

    ○三ッ林主査代理 手短にお願いいたします。
  216. 丸山洋司

    丸山政府参考人 お答え申し上げます。  先生の方から御指摘のありました、平成十七年、これは、三位一体改革等を経まして、現行の産業教育関係の施設設備について、施設については国の補助金で引き続き、それから設備は一般財源化がもう図られたという状況でございます。  先ほども申し上げましたように、新しい学習指導要領がスタートする中で、その実施のために必要な装置、設備等については、国で基準を設けて、それを各自治体の方で参酌していただきながら整備を進めていただくということを考えているところでございます。  新しい補助金の創設ということについては、これは、一義的には国と地方の役割分担、費用負担のあり方の観点から、もう既に整理を行っているわけでございますけれども、先ほども申し上げましたように、教育委員会が、地元の産業界、それから首長部局の産業振興部局等とも連携をしながら、企業との協働による整備、共同利用など、さまざまな手法を活用した設備の充実について取組も進められておりますので、そういった取組も実際うまく活用しながら、先ほど国土交通省の方からもお話があった地方創生の交付金やふるさと納税等々、そういったこともうまく活用しながら、現場で実践的な職業教育が進められるように、しっかりと支援をしていきたいと考えております。
  217. 岡本三成

    岡本(三)分科員 ありがとうございました。終わります。
  218. 三ッ林裕巳

    ○三ッ林主査代理 これにて岡本三成君の質疑は終了いたしました。     〔三ッ林主査代理退席、主査着席〕
  219. 後藤祐一

    後藤主査 次に、城井崇君。
  220. 城井崇

    城井分科員 国民民主党の城井崇です。  質疑の機会をいただき、ありがとうございます。  萩生田文部科学大臣、本日もよろしくお願いしたいと思います。  まず、新型コロナウイルス対策についてであります。  特に、四月一日に出された学校再開ガイドラインの改定通知について率直に伺います。  急激な感染拡大が見られる地域は休校継続との方針を国が示したのか。感染拡大警戒地域とは現時点で具体的にどの地域か。感染拡大警戒地域であっても、条件が整えば学校再開させるのか。その条件は何か。感染拡大警戒地域は原則休校を継続させるべきです。大臣、国の見解をお聞かせください。
  221. 萩生田光一

    萩生田国務大臣 まず、新型コロナ感染症対策の専門家会議が四月一日に行った分析、提言によれば、感染拡大警戒地域とは、最近一週間の新規感染者やリンクなしの感染者数が、その一週間前と比較して大幅な増加が確認されていること、直近一週間の帰国者・接触者外来の受診者についても、その一週間前と比較して一定以上の増加基調が確認されていること、重症者を優先する医療提供体制の構築を図ってもなお、医療提供体制のキャパシティー等の観点から、近い将来、切迫性の高い状況又はそのおそれが高まっている状況と示されております。  また、同専門家会議の記者会見において委員から、どの地域が該当するかは指標に従って自治体において判断すべきこと、感染拡大警戒地域には少なくとも東京と大阪が含まれるという説明がなされたと承知をしております。  その上で、専門家会議では、感染拡大警戒地域において、その地域内の学校の一斉臨時休業も選択肢と提言されています。  また、学校については、地域のみならず、生活圏ごとの蔓延の状況を踏まえていくことが重要であると示されています。  このことから、臨時休業のあり方については、児童生徒等の生活圏内においてどの程度の感染が広がっているかを考慮する必要があり、地域や児童生徒等の実態を踏まえて、きめ細かな対応を行っていく必要があると考えます。  いずれにしても、新学期をどのような形で開始するかの判断は設置者が行うべきものであり、文科省としては、教育委員会等の各設置者に対して、ガイドラインやQアンドAを周知するとともに、個別の状況に即して必要な情報の提供や助言等の支援を行ってまいります。
  222. 城井崇

    城井分科員 関連して、大臣、一つ聞かせてください。  緊急事態宣言の発令が目の前に迫ってきたと思っています。これが出された場合、学校再開のガイドラインを見直す場合があるかどうかを確認したいと思います。自治体に改めて指導助言するケースも出てくると思いますし、学習指導員の追加配置など支援拡充も必要になってくると思います。この点、いかがでしょうか。
  223. 萩生田光一

    萩生田国務大臣 仮に緊急事態が発令をされた場合には、都道府県知事によって、例えば、学校の休業というのではなくて、学校施設の閉鎖ということがあり得ると思います。したがって、指定された地域の学校は全て使えなくなりますから、休業が続くということになろうかというふうに思います。  他方、東京都などはもう既に、都立学校あるいは各都下の学校につきましても五月の連休まで休校を決めていますけれども、一方、島嶼部の学校については引き続き普通どおり授業を行うということも示されておりますので、その判断というのは、指定をされた都道府県知事又は設置者との間で調整することになると思います。  そうなったとしても、いずれにしても、今出しているガイドラインの中で大部分は包含できるというふうに思っておりますけれども、しかし、こうなりますと再開時期がいつになるのかというのは非常に困難なことになりますので、例えばその間の支援策をどうしていくか、例えば、東京などはICT環境は割と整っている方ではありますけれども、しかしながら、学校のパソコンを持ち帰ってルーターがなければ使えないとかいろいろなことがあるので、新たにガイドラインを追加することも当然考えられます。  あわせて、再開後に、どのくらいの期間休みになるかわかりませんけれども、もし再開をしたときに、普通に授業をやっても本当に今までのおくれを取り戻せるのかということもありますから、加配などを通じて、今までとは違ったフェーズで義務教育を支えていかないといけない、そういう認識でいます。
  224. 城井崇

    城井分科員 ぜひ、フェーズが変わるとともに踏み込んだ支援をお願いしたいと思います。  学習の継続については後ほどお伺いしたいと思います。  次に、学校再開時の感染防止対策について伺います。  この学校再開ガイドラインにおいて、いわゆる三密を避けるためという名目で、マスクの着用が半ば義務化されています。しかし、文科省が協力要請した手づくりマスクにしても、一世帯二枚の布マスク配付ということになっても、肝心の感染防止の効果は極めて限定的であります。  大臣学校再開を認めるのであれば、国の責任で効果の高い感染防止対策を行うべきです。例えば、学校などにおけるマスクの購入の支援や衛生環境の改善支援など、一つ一つ行うべきと考えますが、大臣、この点、御支援いただけますか。
  225. 萩生田光一

    萩生田国務大臣 布マスクの効用については、連日、テレビなどでもいろいろな議論がされています。しないよりはした方がいいというものであるんだと思いますけれども、十分かと言われれば、いろいろ課題は残ると思います。  先生指摘のように、我々、子供たちを守るという視点からいけば、もちろんマスクの購入なども文科省を挙げて今努力しておりますけれども、この四月の段階では、やはり布マスクを配るということが選択肢の中で唯一、限界でございました。しかし、今後、他国からの輸入や国内での生産もかなり進んでおりますので、できる限りいい環境で三密を防ぐ努力というものを国を挙げてしっかりサポートしていきたいと思っています。
  226. 城井崇

    城井分科員 今ほど申し上げた具体的な提案も含めて、迅速に対応お願いしたいと思います。  続きまして、各国の入国制限措置に伴い苦境に陥る日本人留学生支援について伺います。  まず、この間大臣にもお願いさせていただいた奨学金についてですが、継続という迅速な対応をいただきました。お礼を申し上げたいと思います。  一方、自費滞在、自費帰国の支援は政府サイドでは費用の工面に苦心しているようですが、資力に乏しい学生は自力では何ともならず、自己責任だといって放置はできません。  公共交通使用禁止については何らか移動方法の明示を、二週間の待機場所については、参議院予算委員会にて大臣が言及された代々木のオリンピックセンターや、東京都知事も言及した準備中の新しい選手村の活用なども含め、具体的に検討、提示をすべきと考えますが、大臣、この点、いかがでしょう。
  227. 萩生田光一

    萩生田国務大臣 日本人留学生の支援については、日本学生支援機構の奨学金において、これまで、派遣学生の身の安全や健康を守る観点から、速やかな帰国を促すため、留学中の感染症危険情報レベルが2以上となった場合、奨学金の支給を停止することとしていた取扱いを、先生などの御指摘もございまして、レベル2以上となった国、地域の留学中の学生が速やかな帰国が困難な場合、奨学金による支援を継続すること、留学中にレベル2以上となり、やむなく帰国した学生が帰国後もオンライン等により留学先大学の学修を継続している場合、支援を継続することとしました。  また、留学中の日本人学生の皆さんに対しては、こうした奨学金の柔軟な取扱いや、日本政府実施する検疫の強化等の内容についてホームページに掲載するとともに、各大学等を通じ積極的に周知をしています。  帰国後の待機場所の確保に関する支援については、引き続き関係省庁とも連携しつつ検討しているところですが、私、確かに参議院の中で、代々木のオリンピックセンター、具体的な例を挙げたんですが、ちょっと状況が変わってまいりまして、代々木まで歩いてくるのも大変ですし、それから、公共交通機関を使わないで、例えば羽田か成田から代々木まで移動するというのは非現実的なものですから、もう少し近いところで、学生さんが戻ってきたときに一時的に十四日間待機ができるようなそういう場所を今確保しつつあるところでございますので、引き続き学生の皆さんに寄り添って対応してまいりたいと思います。
  228. 城井崇

    城井分科員 聞きますと、羽田空港の検疫では、二週間の待機場所が見つからなかったり公共交通での移動もできないという人が空港に足どめをされまして、なすすべもなく座り込んでいるというようなことも、同僚議員が先日、実際の現場を見てきたところでありました。対応を急いでいただければと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。  続きまして、高大接続改革の見直し検討会議について伺います。  大臣、検討会議を立てたまではいいと思うんですが、メンバーに推進派が多いんではないかというふうに考えています。過去の委員の発言を調査いたしました。推進を表明している方が、慎重な意見の方よりも三倍以上の数でございました。これでは公平な議論の場とは言いがたいと考えます。しかも、過去の政策決定にかかわる会議にも参加していた人が今回の検討会議の場に入っているのは、議論の客観性に疑念をもたらすと考えます。大臣、見解をお聞かせください。
  229. 萩生田光一

    萩生田国務大臣 本検討会議については、あらかじめ特定の方向を前提とするのではなく、今回の一連の経緯やその過程でいただいたさまざまな御指摘を踏まえ、よりよい試験制度を構築する観点から、関係団体の代表や、これまでの施策に批判的な立場をお持ちだった方に加え、過去の検討過程に参画されていた方や、入試改革をめぐる議論に加わってこれなかった方にも入っていただいたところでございます。  一月十五日の第一回会議以来、既に四回開催しており、私も時間の許す限り出席していますが、さまざまな立場の委員から率直な御意見をいただいていると考えています。例えば、英語四技能については、大学入試のみではなく高等教育、大学教育を通じた育成、評価が重要ではないか、英語四技能を共通テストの枠組みで評価することは困難であり、原則、各大学の個別入試で評価すべきではないか。また、記述式についても、共通テストで記述式問題を課す場合、多くの制約を設けざるを得ず、思考力、表現力をどこまではかれるのか、多くの国立大学では既に個別試験で記述式問題を出題しており、実態を踏まえた検討が必要ではないかなど、過去の政策にとらわれないさまざまな御指摘をいただいております。  確かに、過去携わっていただいた先生方もいらっしゃいます。先生が、推進派だ、あるいは反対派だと色分けをする前の段階で、あの大きな流れの中で最終的には反対をしなかったけれども途中でやはり懸念を発言している方もいらっしゃいますので、私は、これは一回リセットしてやっていますから、そういう色づけをしないで、ぜひ自由な議論をしていただこうと思っていますので、私もしっかりウオッチしたいと思いますので、その御懸念のないように、しばらく先生方の議論に耳を澄ましてみたいと思います。
  230. 城井崇

    城井分科員 色をつけない議論は大事かと思います。ぜひお願いしたいと思いますが、このメンバーを見てまいりますと、大臣、そもそも、数学教育や英語教育の専門家がおのおの一人しか入っていません。国の共通テストのあり方の議論なのに、教育測定学やテスト理論の専門家も入っていません。これでは結論の信憑性が下がります。大臣、今からでも追加しませんか。
  231. 萩生田光一

    萩生田国務大臣 これは、先生、始める前にいろいろな議論が実は省内でありました。できるだけ幅広に入っていただいて会議を進めるということも考えたんですけれども、これは後ほどちょっと触れたいと思いますけれども、数学教育、英語教育の専門家、一名ずつ入っていただきましたけれども、テストに関する専門的な知見としては、諸外国の入試に詳しい研究者や入試実務について豊富な経験を有する方にも参画をいただきました。  現在、これらの皆さんから意見発表をいただいているところですが、その後は、外部の有識者のヒアリング、すなわち本会議じゃなくて横出しで、今御指摘のあったような専門的な知見を持った皆さんからの会議もしっかり時間をとって、お話を聞いてまいりたいというふうに思いますので、その辺もぜひ見守っていただきたいと思います。
  232. 城井崇

    城井分科員 通告を三つ飛ばしまして、議論を注目していくのはもちろんなんですが、その折にやはり問題になったのは、利益相反の問題でした。この利益相反をただしていこうと思ったときに、やはり、参加しているメンバーがその外形的な公正性をきちんと確保できるか、つまり、利益相反にかかわっていない方が議論することが重要だと思います。  そこで、大臣に提案です。  検討会議のメンバーに、自分自身は試験にかかわる民間業者とはつながりがないということをそれぞれ表明してもらうことで、あらぬ疑念を払拭できると考えます。無関係を表明できない方には外れてもらうべきです。これらを踏まえ、以下の内容を検討会議で申し合わせることを提案します。  一つ、過去に民間業者と会食、金品の受領、有料の講演、原稿依頼などを受けたことがあれば、その事実を検討会議にて公表する。二つ、検討会議の結論が出るまで民間業者とは一切接触しない。三つ、やむなく接触する場合には、事前に検討会議の場で示し、事後にその具体的内容を報告する。  大臣、検討の公正性の担保のためにこうした申合せをやっていただけませんか。
  233. 萩生田光一

    萩生田国務大臣 本検討会議は、あらかじめ特定の方向を前提とするのではなく、今回の一連の経緯やその過程でいただいたさまざまな御指摘を踏まえ、よりよい試験制度を構築する観点から設置したものです。各委員の先生方には、就任依頼の際にはこのような趣旨を丁寧に説明した上で御参画いただいております。  実際の議論についても、先ほど答弁申し上げたとおり、各分野における経験や専門性を生かし、過去の政策にとらわれないさまざまな御指摘をいただいており、御懸念には及ばないと考えております。
  234. 城井崇

    城井分科員 続きまして、高等教育の修学支援に穴があいている件について伺います。  四月から始まりました高等教育の修学支援、低所得者世帯向けの授業料免除や給付型奨学金が法制化されたことは評価できる部分ですが、その一方で、令和年度の新入生からは、前年度の入学生が受けることができた授業料の減額免除を受けられないケースが出てくることとなりました。特に、法制化をされなかった年収三百八十万円を超えて五百万から六百万円あたりの家庭の子供たちは、受験真っ最中の時期に経済的な壁をいきなり与えられてしまう厳しい状況となりました。  文部科学省によりますと、これまでの、平成三十年度後期実績で、免除者数は約九万五千人でした。これを四月入学の大学一年生に当てはめてみますと、現行の授業料免除と新制度の免除で同じ人が四千人。現行の授業料免除より新制度での免除の方が金額が大きくなる人が五百人。未申請か不採択だったが、新制度で免除を受ける人が一千人です。つまり、新たに恩恵を受けるのは一千五百人です。一方、現行の授業料免除より新制度の方が支援が減るとなる人が五千人にも上ると推計されます。  つまり、この一千人が新制度による恩恵を新たに受ける一方で、本来受けられたはずの五千人が支援を取り上げられる状況です。  大臣、この支援を取り上げられる五千人に、従来どおり授業料免除が受けられるように、国が責任を持って措置すべきです。やっていただけますか。
  235. 萩生田光一

    萩生田国務大臣 高等教育の修学支援新制度の検討に際しては、経済状況が困難な家庭の子供ほど大学等への進学率が低い状況も踏まえ、国公私立の学校種の別を問わず、真に支援が必要と考えられる低所得世帯の子供に支援の手が確実に行き渡るよう制度を整備し、その結果、支援対象となる学生数、金額が大幅に拡充されるとともに、個々の学生の支援も手厚く行われることとなっております。  国立大学では、この新制度以前にこれまで独自に行ってきた授業料免除については、従来から各大学が自己財源も活用しながらそれぞれの方針に基づいて実施してきたものであり、引き続き各大学においてその取扱いを検討いただくことが基本となりますが、令和年度予算においては、各大学の自主的な授業料免除に活用できる運営費交付金の増額を行っております。  公立大学における対応についても、各公立大学や設置者である各地方公共団体においてその取扱いを検討していただくことが基本となりますが、令和年度においても、国立大学と同様、引き続き独自の授業料減免が実施できるよう、地方財政措置が講じられることとされています。  私立大学については、新制度により支援対象となる人数や国からの支援の割合が大幅に拡充することになり、大学における負担分が減少し、大学にとって新たな財源が捻出されるものと考えており、各大学には、これらの財源やその他の自主財源も活用し、現に支援を受けている学生に対する支援について適切に対応していただくようお願いをしております。各大学においても、これにより新たに活用可能となる自己財源も用いながら適切に対応していくことを促してまいりたいと思います。
  236. 城井崇

    城井分科員 各大学の取組は、国立大学の運営費交付金などで裏打ちをされているからこそやれてきたというのが実態でございましたから、今の説明ですと、その事実の部分から目をそらしているというふうに思いますし、また、中間層は、今回の新型コロナウイルスの感染拡大に伴いまして、家計急変の世帯も激増するということになっています。この給付型奨学金や授業料減免といった修学支援、こうした家計急変世帯の学生にも、一人も漏らすことなく適用されるべきです。大臣、やっていただけますか。
  237. 萩生田光一

    萩生田国務大臣 家計急変については、先ほども触れましたけれども、柔軟な対応でしっかりサポートをしていきたいと思っています。  制度が変わることによって今まで支援を受けられていた年収の方で外れてしまう新入生というのは、制度が始まる前から御指摘をされておりましたけれども、我々も、まだ新学期は始まったばかりなので全てを把握していないんですが、大学ごとに考えて、独自の財源などを使って今までと同じルールで支援をしている学校も複数確認をしておりますので、もうしばらく様子を見てみたいと思います。
  238. 城井崇

    城井分科員 そうでもない大学もありますので、しっかり見ていただければと思います。  続きまして、未婚一人親家庭に対するいわゆる寡婦(寡夫)控除の端境期について伺います。  高等教育の修学支援制度が抱える溝にはまってしまう子供たちがいるケースはほかにもあります。未婚の一人親家庭の子供たちが高等教育の修学支援を受けるケースです。  二〇二〇年の税制改正大綱におきまして、未婚の一人親家庭に対するいわゆる寡婦(寡夫)控除の適用を行う見直しが行われることになったことは、私どもからも求めてきたことであり、一歩前進だと評価をしています。しかし、大臣、残念ながら、その適用時期が制度発足とずれてしまっています。所得税については令和二年分から、住民税については令和年度分からの実施となるため、令和二年四月入学の未婚の一人親家庭の新入生には適用が間に合わず、せっかくの支援が約四十万円から五十万円削減されてしまうことになります。これでは、制度見直しの趣旨が生かされません。  私ども野党からは、高等教育未婚一人親支援法案を昨年、臨時国会で国会提出しておりまして、この支援が削られる端境期の解消をすべく、可決、成立を求めています。  本来ですと、文部科学省の政省令でこのみなし適用を行うことができます。このみなし適用ができれば、新入生は修学支援削減の危機を回避できます。文部科学大臣の決断次第です。  大臣、みなし適用をすぐさま決断いただくか、私どもが出した高等教育未婚一人親支援法案の成立に協力いただけますでしょうか。
  239. 萩生田光一

    萩生田国務大臣 給付型奨学金の支給及び授業料等減免を措置する高等教育修学支援新制度は、住民税を所得の判定の基準としているところ、今般の未婚の一人親に対する税制上の措置令和年度分の住民税から適用されることが予定されており、住民税の課税開始時期との関係上、令和三年十月には新制度への適用が開始されることとなっています。  しかしながら、未婚の一人親に対する支援を速やかに行うことは重要であり、現在、令和三年十月より早く実施できるように文部科学省において検討を行っているところでございます。  四月一日より新制度が施行されたところであり、まずは新制度の円滑かつ確実な実施に努めてまいりたいというふうに思います。  その上で、前倒しの対応について十分に認知されるよう一定の周知期間が必要であること、審査対象者が推計で数万人程度見込まれ、これらを個別に審査し、支援額などを確定させるには相当時間を要すること、新たな一人親控除に係る住民税の施行が令和年度であることなどを踏まえつつ、令和三年の十月より早く実施できるように検討を行ってまいりたいと思います。
  240. 城井崇

    城井分科員 学生本人に責任がない部分ですので、ぜひ前倒しでの取組を急いでお願いしたいと思います。  続きまして、不登校対策関連の通知の廃止について伺います。  令和元年十月二十五日に、「不登校児童生徒への支援の在り方について」という通知が出されました。これに伴いまして、関連の三つの通知が廃止をされました。変更された内容について確認をしたいと思います。  新たな通知にあります社会的な自立とは具体的に何を指すか、大臣、お答えください。
  241. 萩生田光一

    萩生田国務大臣 今回の通知の見直しは、これまでの複数の通知を事務的に一つにまとめるとともに、不登校児童生徒の学校外における学習活動等について出席扱いとすることができる要件の記載を明確化することを主たる目的としております。  具体的には、学校復帰を目指すことが前提であり唯一の目標であると誤解されるような記載を見直し、当該児童生徒が現在において登校を希望しているか否かにかかわらず、みずからの意思で登校を希望した際、円滑な学校復帰が可能となるような指導、相談等が行われていると評価できる場合に出席扱いとすることができることを明文化しました。  また、通知にある社会的自立とは、児童生徒が将来的に精神的にも経済的にも自立し、豊かな人生を送ることができることを意味しております。  文科省としては、今後とも、個々の不登校児童生徒の状況に応じた支援の充実に努めてまいりたいと考えております。
  242. 城井崇

    城井分科員 学校復帰が唯一の選択肢ではない、こういう捉まえだというお答えだったかと思いますが、では、学校復帰を前提としたこれまでの取組は否定されていない、そういう捉まえでよろしいんでしょうか。これまでの学校復帰を前提としてきた取組についての評価と今後の扱いについてお答えいただけますか。
  243. 萩生田光一

    萩生田国務大臣 今回の通知では、不登校児童生徒に係る出席扱いに関する記載について、従来の通知から一部変更していますが、我が国の義務教育制度を前提としつつ、学校復帰に資する指導、相談等が行われている場合に出席扱いとすることができる点において、従来の考え方を大きく変更するものではありません。  その上で、今後の不登校支援施策については、平成二十八年に制定された教育機会確保法に規定する基本理念である、不登校児童生徒が行う多様な学習活動の実情を踏まえ、個々の不登校児童生徒の状況に応じた必要な支援を行うこと、不登校児童生徒が安心して教育を十分に受けられるよう、学校における環境の整備が図られるようにすることなどを十分に踏まえるとともに、その趣旨を周知していく必要があるものと考えております。  文科省としては、引き続き、学校教育環境の整備や不登校児童生徒に対する支援策の充実に努めるとともに、教育機会確保法や同法に基づく基本指針の趣旨を踏まえ、個々の不登校児童生徒の状況に応じた支援の充実に努めてまいりたいと考えております。
  244. 城井崇

    城井分科員 通告を一問飛ばしまして、GIGAスクール構想に基づく地方自治体の調達についてお伺いします。  新型コロナウイルス対応の一環として、オンライン学習、遠隔授業など学校教育のICT化推進を急ぐべきですが、推進に当たり、地方自治体の調達方法に問題があることを文部科学大臣は認識しておられるでしょうか。  各自治体教育委員会職員がICT関係の相場価格に疎く、一部業者の言いなりで入札することで、PC一台二十七万円といった割高な調達になる例も出ています。こうした割高な調達のせいで、整備が進んでいません。  令和年度補正予算の執行を見ても、各自治体でかなり割高な調達をしています。端末は標準仕様書にある四万五千円で差がないんですけれども、受取費用の割増しや、既に校内LANがあるのに二重に整備を見積もるなども割高の原因です。複数年契約の二年目以降などに割高なサービス契約を紛れ込ませる手口もあります。同じようなことが、検討中の令和年度補正予算でも起きる可能性が高いと考えます。  GIGAスクール構想の早期整備実現のためにも、適正な相場価格に見合った予算執行へと国が是正すべきです。大臣、やっていただけますか。
  245. 萩生田光一

    萩生田国務大臣 やります。  各自治体が端末や校内LANを整備する際、調達が高額となっている例があることは十分承知しております。例えば、令和年度補正予算、GIGAスクール構想の実現におけるネットワーク整備について、全国からの要望額の積算根拠を確認したところ、適切に積算されている設置者も多くあるものの、ネットワーク仕様の構成が標準仕様と比較して過剰となっているものや、機器の数量が過大であったり単価が割高となっていたりするものなど、要望額が高額となっているものも多くございました。  これを受け、文科省において、適切な仕様に基づき積算されている設置者の見積書の構成例や見積額が高い状況となっている事例などについて各自治体に対し整理、提示するとともに、見直しについて個別に相談に応じております。  また、端末の整備については、提示した標準仕様書例をもとに、既に四万五千円以下のモデルが企業から示されておりますが、先月には、企業から自治体に対してモデルを直接紹介する機会も設けたところでございます。  今年度からは、ICTの整備に関し専門家が個別に助言を行うICT活用教育アドバイザー事業を開始することとしています。  文科省としては、これらの個別の指導助言を丁寧に行いながら、自治体において整備が適正に行えるように支援をしてまいりたいと思います。  実は、先生、二月に、このGIGAスクール構想を進めるに当たって、関連企業の民間皆さんに全員集まってもらいました。私、経営者の皆さんに大変失礼だと思ったんですが、誤解を恐れず申し上げました。今まで結構学校でもうけたでしょう、高いものを売ってきたでしょうと。今度ばかりは、国策でとにかく子供たちのための環境を整備するので、各企業も国民の一人のつもりで一緒にやってもらいたいというお願いをさせていただいて、皆さん方からも一定の理解をいただきました。  したがって、何か、年度またぎで何かを紛れ込ませて、そして自治体職員がわからないだろうみたいなそういうものを出せば、当然そういう企業は、こういう企業ですということをよそにも紹介しなきゃなりませんので、しっかり皆さんでスタンダードは守っていただいて、その下で競争してもらえないかということを今積極的にお願いして、皆さんも大変理解していただいていると思っていますので、標準的なもの、いい例をしっかり横展開して、間違っても高いものに手を出さないように、しっかり自治体とも連携をとってまいりたいと思います。
  246. 城井崇

    城井分科員 自治体の後押しにもなるというふうに思いますので、ぜひお取り組みいただければと思います。  時間が参りましたので、最後に要望だけ申し上げます。  多くの地域で学校休校は長引くと考えます。先日の委員会でも提案いたしました一人一台端末と持ち帰りルールの設定、学校と家庭の通信環境の整備、そして、遠隔授業の要件見直しや単位取得数の制限緩和、オンライン学習での著作権要件の整理等含めて、学習指導要領を前提にした公教育としてのオンライン学習の内容準備を始め、学校の受入れ体制整備を、国としてぜひ支援を加速していただきたいと思います。  大臣に最後に聞いて、質問を終わります。
  247. 萩生田光一

    萩生田国務大臣 振り返って、この機会に日本のICT教育が前進したと言ってもらえるように、考えられる全てのことをチャレンジしてまいりたいと思います。
  248. 城井崇

    城井分科員 終わります。ありがとうございました。
  249. 後藤祐一

    後藤主査 これにて城井崇君の質疑は終了いたしました。  次に、谷田川元君。
  250. 谷田川元

    谷田川分科員 野党共同会派、立国社の谷田川元です。どうぞよろしくお願いいたします。  城井議員から、コロナウイルス対策とか、あと、オンライン教育について質問がありましたが、それに重複しないように質問してまいりたいと思います。  まず、教員の採用と配置について質問したいと思います。  今、本当に教員のなり手が少なくなっております。一つだけ数字を挙げますと、二〇一九年度から働き始めた公立小中学校教員向け採用試験の受験者は、全国で九万八千人だったんですね。七年前は、何と十二万二千人いたんですよ。ですから、二万四千人も減っているんです。これだけ、いかに優秀な人材を確保するかということで、各都道府県教育委員会が力を入れているというのがよくわかります。できるだけ優秀な人材を自分たちで確保したいと。  私の地元、千葉県ですと、昨年度は、北は北海道から南は鹿児島まで、何と、全部で十八都県に教員採用説明会をやっているんですよ。確かに、一つの教育委員会としての判断は正しいと思いますが、四十七都道府県が同じようなことをやったら、これはパイの奪い合いにすぎませんよ。これはまさに経済学が言う合成の誤謬だと私は思うんです。  特に大阪市なんかは、初任の給与を何と三万円上げているんですね。財政力豊かなところがそういうことをやると、これは非常に公教育として問題じゃないかと私は思うんですが、大臣、こういった実態を把握されていらっしゃいますか。
  251. 萩生田光一

    萩生田国務大臣 近年、公立学校の教員採用選考試験の採用倍率の低下傾向が続いており、特に一部の自治体で採用倍率が著しく低くなっていることについて、危機感を持って受けとめております。  採用倍率が低下している原因としては、定年退職者数の増加に伴う採用者数の増加や、民間企業等の採用状況等、さまざまな要因が複合的に関連しているものと考えられますが、つい先日、国会でも御審議いただきました働き方改革の法案でも御説明しましたように、先生方の負担が非常に大きくなっているという点も敬遠される一つの要因だと思います。  一方、先日、日経新聞の調査で、高校生の職業の希望第一位が教員というのは残っていまして、ちょっとほっとしたところなんですけれども、いずれにしましても、各都道府県委員会においては、こうした状況や現場のニーズの多様化に伴い、例えば、採用試験の年齢制限の引上げ、撤廃や、教職経験者に対する特別選考、実施試験を廃止し、採用試験の日程を短縮することによる受験者の負担軽減など、必要な教員の確保のためのさまざまな努力は、工夫をしていると承知しています。  給与については、今御指摘のあった大阪市において、平成三十一年四月から初任給の引上げが行われたことは承知しておりますが、各自治体が自主的に行う給与改善について、地方公務員法等で定める給与条例主義のもと、一概に文科省として否定されるものではないというふうに思っております。  文科省としては、教員の採用選考についても、各自治体で成果を上げている事例を横展開するとともに、教師を目指して志を持って学んでおられる皆さんに、教師の魅力を積極的に発信し、また学校における働き方改革を強力に進め、教師が誇りを持って、子供たちへ、教育へ打ち込むことのできる環境をつくってまいりたいと思います。
  252. 谷田川元

    谷田川分科員 お手元に資料一というのが配られていますね、大丈夫ですね、ありますね。  実は、私、今から二十七年前から約十年間、千葉県議会議員をしておりました。そのときから持っていた問題意識なんですが、というのは、当時、千葉県教育委員会学校先生の資格を持った人が大体五〇%ぐらいいたんですね。私は、非常に多いんじゃないかという問題意識を持っていたんですよ。とにかく、学校現場で優秀な成績を上げた人が県教育委員会に来るわけですね。  本来、やはり教育というのは子供のためにあるべきですから、そういう優秀な先生はできるだけ現場に戻すべきじゃないかという考えを私は持っているんです。残念ながら、千葉県はまた更にふえまして、今六〇%なんですよ。ところが、静岡県を見ていただきますと、今四一%になっています。  実は、今から五年ぐらい前は、何と静岡県は六割だったんです。川勝平太知事が、これはやはり優秀な先生を現場に戻そうと強いリーダーシップを発揮して、五年の間に百人の先生を現場に戻そうと、一年間に二十人ずつ、そういう経過で、何と四〇%に減ったんですね。私は、これは非常にいい例だと思うんですよ。  ぜひ、文科省として、この静岡県の例を一つの模範として推進すべきだと思うんですが、大臣、どういう御見解をお持ちでしょうか。
  253. 萩生田光一

    萩生田国務大臣 教育委員会の事務局に、一般的に行政職として採用された事務職員と教員出身の職員の両方が勤務しております。静岡県のように、教育委員会事務局における教員出身者の割合を調整することは、いわゆる教員不足に対する対応策の一つにもなり得ると思います。また、首長や首長部局と教育委員会の連携を一層促進するために、教育委員会事務局において、首長部局を経験した事務職員に御活躍いただくことも重要と考えております。  一方で、教育委員会事務局に教員出身者を配置することにより、教員の経験を行政に反映したり、行政経験を学校現場での教育に生かしたりするなど、教育行政や学校教育の質の向上や教員の資質向上の観点から、一定の人事交流は必要と考えております。言いかえれば、現場を知らない人たち学校の教育のことを予算づけも含めて考えていただくというのは結構難しいと思うので、現場がわかっている人たち教育委員会の事務局にいることのメリットというのもあると思うんです。  ここからは私の私見ですけれども、私も、やはりある程度の人事交流は必要だと思うんですけれども、五割を超えて、本来現場で子供たちと接していただかなきゃならない先生方が長い期間、教育委員会の現場にいるというのは、ちょっともったいないんじゃないかなと。若いうちに経験するのはいいかなと思うんですけれども、その辺は、やはり首長たちがもう少しいろいろバランスを考えていただいたらどうかなと個人的には思っています。
  254. 谷田川元

    谷田川分科員 大臣、私と認識を共有していただいて、ありがとうございます。ぜひ、その問題意識を持ち続けていただいて、文科省に適切な指導助言を各教育委員会にするよう御指導いただきたいと思います。  それで、今度は、この四月一日からいわゆる同一労働同一賃金の制度が強化されておりますけれども、公立、私立を問わず、小中高、大学の非正規の教職員の待遇改善がなされたと理解してよろしいでしょうか。大臣、御答弁願います。
  255. 丸山洋司

    丸山政府参考人 お答えを申し上げます。  非正規の教職員の処遇については、従前より、公立学校の場合は、給与負担者である地方公共団体が職務の内容や責任等に応じ適切に決定をすべきものです。  その上で、平成二十九年の地方公務員法等の改正によりまして、本年の四月一日から、臨時、非常勤職員の適正な任用、勤務条件の確保を図る観点から、一般職の会計年度任用職員制度が創設をされまして、期末手当の支給が可能となるなど、制度運用の改善が図られたところであります。本件については、総務省が各都道府県、指定都市宛てに、また、文部科学省が各教育委員会宛てに、適切な給与決定等に係る通知を既に発出をしているところであります。  また、私立の学校等につきましても、同一労働同一賃金の制度が強化されたことを踏まえ、各学校法人等において適切に対応されているものと考えております。  いずれにしても、非正規の教職員に対する適切な処遇の確保は、設置者、学校種にかかわらず行われるべきものであると考えております。
  256. 谷田川元

    谷田川分科員 今回のコロナウイルス感染に関して一斉休校したことによって、非正規雇用の方々の雇いどめがなされるんじゃないかという不安がありますが、そのようなことがあってはならないと思いますが、文科省の見解を伺います。
  257. 丸山洋司

    丸山政府参考人 お答え申し上げます。  学校の今般の臨時休業に当たっては、各地域や学校の実情に応じ、非常勤職員を含む職員全体の働く場の確保を図ることが重要であり、休業中の学校においては、例えば、非常勤講師については授業準備や児童生徒の家庭学習の支援、学校用務員については学校施設の修繕、学校調理員の場合は給食調理場等の清掃、消毒などの業務を行うということが考えられます。  文部科学省としては、各教育委員会において、非常勤職員等の任用形態や学校の運営状況等を踏まえながら、臨時休業の場合にも引き続き適切な任用がなされることが必要であるというふうに考えており、このことについては、非常勤講師については二月二十八日付で、その他の非常勤職員についても三月の三日付で、当省のホームページに掲載したQアンドAにおいても周知をさせていただいたところであります。  また、その後、三月五日付で総務省より、これと同趣旨の地方公務員の業務体制の確保に関する通知が発出をされ、文部科学省も同日付で教育委員会等に対し通知を発出したところであります。またさらに、臨時休業の実施に係る考え方については、ガイドラインを作成し、公表、通知をしているところですが、この中でも同様に、臨時休業の場合に非常勤職員等の業務体制を確保するように求めているところであります。  文部科学省としては、非常勤職員を含む職員全体の働く場が適切に確保されるよう、引き続きしっかりと周知を、そしてまた徹底をしてまいりたいと考えております。
  258. 谷田川元

    谷田川分科員 ひとつ、徹底するという今強い言葉があったので、よろしくお願いいたします。  大臣、今回、コロナウイルスのことに関して、一斉休校するとか、いろいろな基準とか、文科省から通知が、まず都道府県教育委員会に行って、その後、市町村教育委員会に行って、そして市町村立の小中学校に行く。ということは、末端の市町村立小学校、中学校に行くと二段階経るんですよね。ということはそれだけ時間がロスしちゃうんですが、下手すると、メールで送っても一週間ぐらいかかるという事例があります。  ですから、確かに今、文科省は、都道府県教育委員会あるいは市町村教育委員会に対して指揮監督する立場はありません、指導助言が限度です。それを重々承知しておりますけれども、やはり文科省考え方をいち早く知りたい、そう市町村の現場の小中学校の方で思っている方は結構いるので、文科省は最近、ホームページで一番上に、コロナウイルスについてはこうだというのを、しっかり、わかりやすいようにホームページ上に掲載していますけれども、それをしっかりやはり現場の小中学校の管理職の先生あるいは現場の先生が見られるように、その習慣をつけてもらうのが非常に大切だと思うんですが、その辺いかがでしょうか。
  259. 萩生田光一

    萩生田国務大臣 文科省から関係機関へ通知や事務連絡などを発出する際には、ホームページへの掲載もあわせて行っており、学校関係者の参考となるよう、情報を適時提供するように努めております。  特に新型コロナウイルス感染症に関しては、日々刻々状況が変化していることを踏まえ、文科省ホームページから最新の情報を入手するよう、事務連絡により周知をしております。各学校の教職員の皆様にもこれらの情報を適時確認をいただくように、引き続き機会を捉えて促してまいりたいと思います。  平時でしたら、先生が今言ったように、都道府県教育委員会、市町村教育委員会、そして学校現場ということになるんですけれども、この事態ですから、私、この事態で、日々の状況の変化を敏感に感じない学校関係者はいないと思います。それだけアクセス数が多くなっているから大丈夫だと思いますし、さっき、マイナス面で、学校先生教育委員会の事務職にいることのマイナス、先生と私と共有しましたけれども、他方、こういうときには、やはり先生出身の事務職員がいることが、非常にわかりやすくまた下の自治体に連絡をしていただいておりますので、こういうメリットも今感じているところでございます。
  260. 谷田川元

    谷田川分科員 それでは、次の話題に移ります。  コロナウイルス一色の中で、日本にとって、あるいは世界にとっていい話題が一つありましたね。望月新一京都大学教授が数学の超難問というABC予想を証明したということが報じられました。  この望月新一教授の経歴を見ますと、一九六九年三月生まれ、五歳で渡米して、それでフィリップス・エクセター・アカデミー高校を二年で卒業、プリンストン大学に十六歳で入学、十九歳で卒業、二十三歳で博士号取得、その後、すぐ日本に帰国されるんですね。日本に帰った理由は何ですかと、朝日新聞の記事によりますと、英語を聞くのがもう面倒くさくなった、それで日本に帰ってきたと。そのおかげで頭脳流出しなくてよかったなと私は思いますけれどもね。  やはり、アメリカにいて才能を開花させたとも言えるんですよね。つまり、天才、特異な才能を持っている人に対して、アメリカは一九五〇年代からそういった特殊な教育をやっているんですね。どうも一九八〇年代に、ヨーロッパやアジアの方も、そういった特異な才能を持った人の特殊教育というのを国を挙げてやっているそうなんです。  残念ながら、今、日本はまだこれから検討するというふうな話が新聞に出ておりましたけれども、実は、この間、私、そういういわゆるギフテッド、ギフテッドというのは、英語ではギフテッド・バイ・ゴッドですね、才能を天から与えられた、まさに天才という意味なんですけれども、一般的にIQ一三〇以上の人が大体全体の二%ぐらいいるというんですけれども、そういう人たちのことをギフテッドと言う場合もあります。  まだ定義がしっかりしていませんけれども、そういう知能が高い人が対人関係でつまずいて、学校になじめない子が少なからずいると聞いております。こうした子は、俗に、落ちこぼれの反対、浮きこぼれというらしいんですね。大臣、こういった実態があることを御存じでしょうか。
  261. 萩生田光一

    萩生田国務大臣 特定分野に特異な才能を持つ者を含め、児童生徒一人一人の能力、適性等に応じた教育を行うことは非常に重要です。  学校教育において、例えば生徒の自由な発想を重視した課題研究の実施など、先進的な理数系教育の実践を通じた、将来のイノベーション創出を担う創造性豊かな科学技術人材を育成するスーパーサイエンススクール、あるいはグローバルな社会課題探求や大学教育の先取り履修など、学年や学校を超えたより高度な内容の学びを通じて、将来、新たな社会を牽引し、世界で活躍できるビジョンや資質、能力を有したイノベーティブなグローバル人材を育成するワールド・ワイド・ラーニング・コンソーシアム構築支援事業といった取組をしております。  学校外においても、大学等が特別な教育プログラムにより理数系分野で突出した才能を有する児童生徒の能力を伸長するグローバルサイエンスキャンパスやジュニアドクター育成塾、メダル獲得の可能性の高い若い有望アスリートの海外における強化活動支援といった取組を実施しています。  中教審において、特定分野に特異な才能を持つ者に対する指導及び支援のあり方について審議をいただいているところであり、今後、その結果を見て考えていきたいと思います。  ギフテッドのお話と、それから、言うならば、ややもすると発達障害と一緒に扱われてしまうような場合もあるんですけれども、そういった能力のある子たちが協調性がなくて学校に行かなくなってしまうなんということも中にはあるやに承知しておりますので、この辺は一人一人の子供にしっかり目配りをしていきたいなと思っております。
  262. 谷田川元

    谷田川分科員 非常に誠実にお答えいただいたんですが、一人一人の子供に目配りしていきたいとおっしゃっていただいたんですけれども、どうも最近、人間関係につまずく事例が多々あるみたいで、この間も、実は、三月十二日のNHK教育テレビで「素顔のギフテッド」という番組があったんです。ぜひ大臣もごらんいただければありがたいんですけれども、本当に、頭がいいがゆえに、やはりほかの方々に理解できない行動をとる、それで学校側も非常に対応に苦慮している場面がこのNHKの番組にありました。  ですから、IQ一三〇以上の方が大体二%いるということであれば、四十人学級であれば一人ぐらいいるということですよね。ということは、全国的に、そういう人たちがどういう学校生活を送っているか、そういうのを調査するお気持ちはございませんか、大臣
  263. 萩生田光一

    萩生田国務大臣 IQが高い子を、その分野をしっかり伸ばしてあげるということも大事なんですけれども、だからといって、義務教育期間中に、全く集団生活ができない、協調性がない、あるいは人と対話ができないということを見過ごして、しかし、この分野だけ伸ばせばいいんだというのは、やはり日本の教育の概念とはやや違うところがあると思いますので、その辺は調査をするかどうか改めて考えてみたいと思いますけれども。  伸ばすことは大事なんですけれども、だからといって、それさえできればいいんだと、うちの党にも、物すごくIQが高いんですけれども、みんなと協調できない人とかおりますので、やはりそれは大事なことだと思います、社会に出る上では。いずれも大事なことだと思いますので、しっかりやっていきたいと思います。
  264. 谷田川元

    谷田川分科員 なかなか、大臣、バランス感覚がおありでいいと思います。そのとおりだと思います。  それで、資料二が出ていますよね、資料二、資料一の裏側です。皆さん、お手元にありますね。  残念ながら、日本の国家戦略として教育というものがしっかり位置づけられていないんじゃないか、私はそんな気がずっとずっとしているんですよ。  この各主要三十カ国の、二〇〇五年から二〇一七年の教育に関する一般政府支出の対GDP比というのを一覧表にさせてもらいました。これを見ますと、残念ながら、日本は、例えば二〇一七年の数字で見ますと三・三二。それに対して、日本より下の国を探すのが難しくて、日本より下なのは、この三十数カ国の中でアイルランドだけなんですよ。ここに中国がありませんけれども、中国は大体、対GDP比四%と言われています、四%。お隣の韓国も五%でずっと来ているんですね。  よく、私、小学校、中学校のときから、日本の防衛費はGDP比一%以内に抑えるんだ、とはいいながらも、ソ連の脅威があるから対GDP比一%を超えてもいいんだ、そういう議論がずっと来ました。ある意味で世論を喚起しまして、このままじゃ日本は大変なことになるといって、防衛費がどんどんどんどんと上がっていった。それはある意味で軍拡競争になって、私はよくないと思いますけれども、やはり、この数字を見ますと、日本はどうも世界各国からどんどんどんどん教育面でおくれてしまうんじゃないか。日本はやはり資源がありませんから、人材をいかに育成するか、これが日本にとって一番大切なんですよ。  そう考えますと、これは二〇〇五年から三・四四と三%台でずっと来まして、ましてや二〇一七年は減っている。この数字を見て、大臣、危機感を感じませんか。いかがでしょうか。
  265. 萩生田光一

    萩生田国務大臣 危機感も不満も感じているところでございます。
  266. 谷田川元

    谷田川分科員 そうすると、大臣、私は、先ほどから答弁を聞いていまして、真正面から質問にしっかり答えていただいて、自分考えでやるんだという意思を感じます。ぜひ、これは国家的に、教育が大切なんだという発信を積極的にしていただきたい。世界各国と比べてこんなに日本は対GDP比で少ないんだ、これをやはり多くの国民に知ってもらうべきだと私は思うんですよ。  文科省として、対財務省と予算折衝するんじゃなくて、国民を巻き込んで、日本にとってこれだけの教育予算をふやすのは大切なんだ、そういう一大キャンペーンをやりませんか。いかがでしょうか。
  267. 萩生田光一

    萩生田国務大臣 今回のコロナの事態を受けて、先日、ユネスコが主催の教育大臣会合がテレビ会議で夜間に行われたんです。十一カ国が参加しまして、イタリア、フランス、イラン等々、各教育大臣が参加しました。  各国からは、やはり日本医療や衛生面についてはすごく高い評価をいただいた一方、ちょっとびっくりしたんですけれども、十一カ国のうち十カ国は、もうオンライン授業で、家庭で皆さん、ICTで授業をやっているというんですね。ちょっと私、もう発言の機会を逸しまして、そういう意味では、日本がやはりあらゆる面でおくれているんじゃないかなと思います。  資源が乏しいこの国で唯一誇れるのは、私は人材だというふうに思っています。そういった意味では、人への投資というのをちゅうちょなく行っていく国に、令和時代になりましたので、フェーズを変えていかなきゃいけないと思っています。  今回、義務教育のスタンダードも変えていこうということで、ICTの環境整備などを掲げさせていただきました。それだけでは十分じゃなくて、先ほどからお話がありますように、マンパワーも含めて、人へしっかり投資していくことが結果としてこの日本という国をしっかりと立てていくことになると思いますので、引き続き教育行政の責任者として努力をしてまいりたいと思います。
  268. 谷田川元

    谷田川分科員 ありがとうございます。  まさに、教育というのは未来への投資なんですよね。ですから、小泉総理が米百俵の精神というのを所信表明演説でされましたけれども、あのときは、ぱあっと全国に、ああ、米百俵の精神かといってすごい話題になったんですが、あれから十数年たって、そんな話どこかへ行っちゃったなという感じがしないでもないんですね。  ですから、ぜひ、大臣は非常に発信力がある方だと私は思っていますので、もう積極的に、事あるごとに、将来の日本にとって教育予算をふやすことは大切なんだということをあらゆる機会におっしゃっていただきたいことを要望したいと思います。  それで、先ほど城井委員からオンライン教育のことに関して話がございました。いわゆるGIGAスクール構想で、令和年度までに一人一台のPCを持つように目標を決められましたが、最近記者会見で、それを前倒ししてやるというお話を新聞で拝見しました。それは非常にいいことだと思います。  まさに今、日本の教育にとって、いや、世界の教育にとって、このコロナウイルスの被害というのは、教育にとってピンチですけれども、ある意味でオンライン教育を進めることにとっては一つのチャンスだと捉えて、今月中には補正予算を通したいという政府の意向があるようでございますが、この際、オンライン教育に対して積極的に補正予算をつけるべきだと思いますが、大臣の見解を伺います。
  269. 萩生田光一

    萩生田国務大臣 今も各国の例示を申し上げましたとおり、ICTを活用した環境整備というのは、これからの先進国のまさにスタンダードだと思います。  文科省では、国のおくれた学校ICT環境を抜本的に改善すべく、令和年度補正予算において、GIGAスクール構想の実現として、学校における高速大容量の通信ネットワークと児童生徒一人一台端末の一体的な整備を開始したところであり、今後早急に整備を進めたいと思います。  また、臨時休業期間中の児童生徒が家庭等においてパソコンやタブレットを活用して学習できるよう、児童生徒及び保護者等が自宅等で活用できる教材や動画等を紹介するポータルサイトの開設の周知、また、各地域におけるICTを活用した取組事例等に関する情報のホームページの掲載、周知なども行っております。  まずは、あらゆる機会を捉え、スピード感を持って令和時代のスタンダードとしての学校ICT環境の整備を進めるとともに、これらの取組の周知を図り、休校時の学習活動を含め、教育におけるさまざまな学習現場でのICTの活用を促進してまいりたいと思います。
  270. 谷田川元

    谷田川分科員 非常に前向きな答弁、ありがとうございます。  繰り返しになるかもしれませんが、やはり国家戦略としてしっかり教育を位置づけていく、これを肝に銘じて、文科省皆さんお一人お一人、意識を持って政策を実現していただきたい、そのことを切に要望したいと思います。やはり、教育は未来に対する投資だ、今投資しなくて日本の将来はない、そういう考えをお一人お一人の文部科学省職員の方々が共有していただいて、日本の教育行政がうまく進むことを心から期待するものでございます。  今、コロナウイルス、あすにも緊急事態宣言だという話でございますので、また学校現場との調整とかいろいろ大変だと思いますが、ぜひ、皆さん自身がコロナウイルスにかからないように細心の注意を払っていただきたいと思います。  非常に積極的な、前向きな答弁をいただけましたことを心から御礼申し上げまして、私の質問を終わります。  ありがとうございました。
  271. 後藤祐一

    後藤主査 これにて谷田川元君の質疑は終了いたしました。  以上をもちまして文部科学省所管についての質疑は終了いたしました。     ―――――――――――――
  272. 後藤祐一

    後藤主査 これより総務省所管について審査を行います。  まず、概要説明を聴取いたします。高市総務大臣
  273. 高市早苗

    ○高市国務大臣 平成二十八年度及び平成二十九年度総務省所管決算について、その概要を御説明申し上げます。  最初に、平成二十八年度総務省所管決算について御説明申し上げます。  まず、一般会計歳入歳出決算について申し上げます。  総務省主管一般会計の歳入につきましては、歳入予算額八百億四百二十八万円余に対し、収納済み歳入額は八百五十七億五千百九十万円余であり、差引き五十七億四千七百六十一万円余の増加となっております。  次に、総務省所管一般会計の歳出につきましては、歳出予算現額十六兆千六百三十三億七千三百十五万円余に対し、支出済み歳出額は十六兆八百十一億八百四十三万円余、翌年度繰越額は五百六億六千八百九十九万円余であり、不用額は三百十五億九千五百七十一万円余となっています。  次に、総務省所管の交付税及び譲与税配付金特別会計決算について申し上げます。  総務省所管交付税及び譲与税配付金特別会計収納済み歳入額は五十三兆五千七百六十八億八千三百三十九万円余、支出済み歳出額は五十二兆五千八百九十六億五千百五十万円余であります。  続きまして、平成二十九年度総務省所管決算について、その概要を御説明申し上げます。  まず、一般会計歳入歳出決算について申し上げます。  総務省主管一般会計の歳入につきましては、歳入予算額千百七十三億九千五百七十一万円余に対し、収納済み歳入額は千二百二十八億九千十八万円余であり、差引き五十四億九千四百四十六万円余の増加となっております。  次に、総務省所管一般会計の歳出につきましては、歳出予算現額十六兆三千百七十七億八千六百三十七万円余に対し、支出済み歳出額は十六兆二千三百三十七億六千六百九十二万円余、翌年度繰越額は四百九十億五千二百二十万円余であり、不用額は三百四十九億六千七百二十三万円余となっております。  次に、総務省所管の交付税及び譲与税配付金特別会計決算について申し上げます。  総務省所管交付税及び譲与税配付金特別会計収納済み歳入額は五十二兆五千百七十四億六千五百六万円余、支出済み歳出額は五十一兆七千八百一億四千四百六十二万円余であります。  以上が、平成二十八年度及び平成二十九年度総務省所管一般会計及び特別会計決算概要であります。  何とぞよろしく御審議のほどお願いを申し上げます。
  274. 後藤祐一

    後藤主査 次に、会計検査院検査概要説明を聴取いたします。会計検査院中村審議官。
  275. 中村和紀

    中村会計検査院当局者 平成二十八年度総務省決算につきまして検査いたしました結果の概要を御説明いたします。  検査報告に掲記いたしましたものは、不当事項二十九件、意見を表示し又は処置を要求した事項一件及び本院の指摘に基づき当局において改善処置を講じた事項二件であります。  まず、不当事項について御説明いたします。  検査報告番号一七号から三八号までの二十二件は、補助事業実施及び経理が不当と認められるものであります。  このうち一七号は市町村合併推進体制整備費補助金が過大に交付されていたもの、一八号及び一九号の二件は地域経済循環創造事業交付金が過大に交付されていたもの、二〇号は地域活性化・公共投資臨時交付金が過大に交付されていたもの、二一号から三二号までの十二件は地域の元気臨時交付金が過大に交付されていたなどのもの、三三号から三五号までの三件は個人番号カード交付事業費補助金が過大に交付されていたもの、三六号は地域公共ネットワーク等強じん化事業費補助金により実施した事業の補助対象事業費が過大に精算されていたもの、三七号及び三八号の二件は無線システム普及支援事業費等補助金により整備した無線設備の設置工事の設計が適切でなかったものであります。  同三九号から四五号までの七件は、震災復興特別交付税の額の算定に当たり、算定の対象とならない経費を含めるなどしていたため、震災復興特別交付税が過大に交付されていたものであります。  次に、意見を表示し又は処置を要求した事項について御説明いたします。  これは、地域公共ネットワーク等強じん化事業費補助金及び無線システム普及支援事業費等補助金により防災を目的として整備する通信設備等を構成する設備機器等に関して改善処置を要求したものであります。  次に、本院の指摘に基づき当局において改善処置を講じた事項について御説明いたします。  その一は、個人番号カード交付事業費補助金に関するもの、その二は、不法無線局等の探査を行う小型可搬型多機能センサーに関するものであり、これら二件について指摘したところ、それぞれ改善処置がとられたものであります。  続きまして、平成二十九年度総務省決算につきまして検査いたしました結果の概要を御説明いたします。  検査報告に掲記いたしましたものは、不当事項四十九件、意見を表示し又は処置を要求した事項一件及び本院の指摘に基づき当局において改善処置を講じた事項一件であります。  まず、不当事項について御説明いたします。  検査報告番号二八号から六二号までの三十五件は、補助事業実施及び経理が不当と認められるものであります。  このうち二八号から三七号までの十件は地域経済循環創造事業交付金が過大に交付されていたなどのもの、三八号から五九号までの二十二件は地域の元気臨時交付金が過大に交付されていたなどのもの、六〇号及び六一号の二件は地域公共ネットワーク等強じん化事業費補助金により整備した設備の施工が適切でなかったため、補助の目的を達成していなかったなどのもの、六二号は情報通信利用環境整備推進交付金により整備した光ケーブルの架設工事の施工が適切でなかったものであります。  同六三号から七六号までの十四件は震災復興特別交付税の額の算定に当たり、経費の算定が適切でなかったなどのため、震災復興特別交付税が過大に交付されていたものであります。  次に、意見を表示し又は処置を要求した事項について御説明いたします。  これは、物品として管理している宇宙電波監視施設等を構成する設備等に関して適宜の処置を要求し、及び是正改善処置を求めたものであります。なお、本件につきましては、総務省において、本院指摘の趣旨に沿った処置を講じております。  次に、本院の指摘に基づき当局において改善処置を講じた事項について御説明いたします。  これは、災害時の情報伝達手段を確保するために公衆無線LAN環境を整備する事業に関して改善処置がとられたものであります。  以上をもって概要説明を終わります。
  276. 後藤祐一

    後藤主査 ただいまの会計検査院指摘に基づき講じた措置について説明を聴取いたします。高市総務大臣
  277. 高市早苗

    ○高市国務大臣 ただいま会計検査院から御指摘のありました事項につきまして、総務省のとった措置について御説明申し上げます。  最初に、平成二十八年度に御指摘のありました事項について御説明申し上げます。  所管事業に係る予算につきましては、その適切な執行を図るよう常に心がけておりますが、会計検査院の検査の結果、地域の元気臨時交付金が過大に交付されていたなどの御指摘を受けましたことは、まことに申しわけなく存じます。  これらにつきましては、既に地方自治体などから補助金を返還させるなどの是正措置を講じています。  続きまして、平成二十九年度に御指摘のありました事項について御説明申し上げます。  会計検査院の検査の結果、地域の元気臨時交付金が過大に交付されていたなどの御指摘を受けましたことは、まことに申しわけなく存じます。  これらにつきましては、既に地方自治体などから補助金を返還させるなどの是正措置を講じています。  以上が、平成二十八年度及び平成二十九年度決算に関する会計検査院の御指摘について講じた措置概要です。  内容を真摯に受けとめ、今後なお一層事務の改善に取り組むとともに、厳正な態度で事務の執行に努める所存でございます。
  278. 後藤祐一

    後藤主査 この際、お諮りいたします。  お手元に配付いたしております決算概要説明等のうち、ただいま説明を聴取した部分を除き、詳細な説明は、これを省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  279. 後藤祐一

    後藤主査 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――
  280. 後藤祐一

    後藤主査 以上をもちまして総務省所管についての説明は終わりました。     ―――――――――――――
  281. 後藤祐一

    後藤主査 これより質疑に入ります。  質疑の申出がありますので、これを許します。落合貴之君。
  282. 落合貴之

    落合分科員 立憲民主党落合貴之でございます。  まず、きょうは、地方税ですとか公共料金についてから質問をさせていただければと思います。  この前の金曜日、三日前ですが、IMFの専務理事が、世界の景気は二〇〇八年のリーマン・ショック時よりはるかに悪い状況で、IMFの歴史の中でほかに類を見ない危機だということを、世界に強い警告を出しました。  総務省は、地方税を所管しております。それから、公共料金の中でも水道などは地方自治体が管轄しておりますので、総務省所管である。それから、携帯電話の会社等も総務省所管でございます。今、地方税ですとか公共料金、猶予、それから猶予のためのこれまでよりもの基準の緩和、それから減免、どういう対応をしているか、大臣からお聞かせいただければと思います。
  283. 高市早苗

    ○高市国務大臣 三月十八日に政府新型コロナウイルス感染症対策本部において決定された生活不安に対応するための緊急措置に基づき、地方税の徴収猶予のほか、公共料金の支払い猶予についても、総務省において関係者に要請を行い、それぞれ対応を行っていただいております。  具体的には、固定電話、携帯電話料金の支払いについては、感染拡大の影響で支払い困難な方に対し十分な猶予期間を設けるなどの柔軟な措置実施するよう、三月十九日に業界団体を通じて要請いたしました。これを受けまして、例えば、NTTグループ各社、KDDI、ソフトバンクは、支払い期限が二月下旬以降となっている料金について、新型コロナウイルス感染症の影響により期限までの支払いが困難となっている顧客から申出があった場合、五月末まで支払い期限を延長しており、また、今後の状況を踏まえて、各社においてさらなる対応を検討すると公表していただいております。  また、NHKの受信料については、その不払いでサービスが停止されるものではなく、また、延滞利息は支払い期限から四カ月間発生しませんので、NHKに対して、その取扱いを視聴者の皆様に丁寧に説明してほしいということを三月十八日に要請いたしました。これを受けまして、NHKでは、三月二十五日に、支払い延滞時の取扱いなどに関する相談窓口を設置されました。さらに、とりわけ、旅館やホテルを始めとする中小企業者の経営に対する影響が深刻化していることに鑑みまして、三月三十日に、受信料負担の軽減についてNHKの会長に検討をお願いいたしました。これを受けて、NHKでは前向きに検討したいと国会でも答弁をしておられます。  また、公営企業の上下水道、ガス料金につきましては、それぞれの事業所管省庁の支払い猶予の要請内容も踏まえまして、支払い猶予について適切な対応を図るように、地方公営企業制度を所管する立場として、総務省からも三月十九日に地方公共団体に要請をいたしました。現在、事業所管官庁が支払い猶予の実施状況に関する調査を行っており、関係省庁と連携して、まずは現状把握に努めさせていただきます。  また、地方税につきましては、三月十八日に、徴収猶予などについて、納税者の皆様の置かれた状況に十分配慮して迅速かつ柔軟に対応するように、地方公共団体に対して要請をいたしました。それとともに、徴収猶予の具体例を示したリーフレットのひな形を作成しまして、このリーフレットを活用した猶予制度の周知、広報についても要請したところでございます。
  284. 落合貴之

    落合分科員 三月の時点では、できる限り猶予ということで対応を、大臣もできる限りのことをしていっているというようなことでございます。今月、しっかり大型の補正予算も組んで、総務省だけではなく各分野で国費も投入してやっていくということで、猶予だけではなくて減額とか減免とか、それを国費で穴埋めをしていったりするというようなことが話されていくのではないかなというふうに思います。  地方税等も見てみますと、一番大きいのは固定資産税である。固定資産税は、消費税もそうですけれども、収入に関係なくこの額は払わなきゃいけないということで、赤字であろうが黒字であろうが払わなければいけない税金であるということで、特に事業者にとっても重い税金であるわけでございます。  それから、この七年間、アベノミクスで、まず資産の価値を上げていこうということで、固定資産税の評価額、土地の評価額等も利益の伸びよりも高い伸び率で上がってきたわけなので、七年前、八年前と比べると、固定資産税の重さというのは特に都市部では重くなっているというような状況でございます。  それで、数日前、国土交通省も、テナントが家賃を払うのは大変だろうから、家賃の猶予の努力をしてくださいというようなメッセージも発しました。  これは、建物を持っている人たちにとってはかなり重い負担が今どおんとのしかかってきているということで、特に固定資産税については、猶予だけでは、財務諸表上も、税金を猶予すると、翌年以降に払うので、負債の方にどんどんどんどんお金がたまっていくので、お金を借りようとしても、これだけ負債があって決算書が悪いからだめですということになっていってしまいますので、税金自体をやはり減らしていくというような措置をもうこの四月に打ち出していく必要があるというふうに思います。  そういう方向で大臣も思っている、特に固定資産税について、猶予だけじゃなくて減免それから免除も考えているということでよろしいですね。
  285. 高市早苗

    ○高市国務大臣 これまで、官邸での会議の中でも、さまざまな業種の方々からのヒアリングを続けてまいりました。今般の状況によって厳しい経営環境に直面する事業者の方々などから、固定資産税の負担を軽減していただきたいという声も伺いました。それから、事業を継続することへの支援というのは、総理指示の柱の一つとしても位置づけられております。  固定資産税は地方の基幹税ではございますけれども、事業継続ができなかったら、これは何もなりません。固定資産税の軽減措置を含む税制の取扱いについては、きょう現在ではまだ与党税制プロセスの最終段階にあると承知をしておりますけれども、総務省としては、地域経済の実情を踏まえてしっかりとした対策を講じさせていただきます。
  286. 落合貴之

    落合分科員 これは大きな施策だと思います。それで、もし減免したとしましたら、自治体の収入が減ってしまうわけですので、ぜひ国費でしっかり裏でお金を入れるという形で実現をいただければと思います。  一点、そもそも固定資産税についてなんですが、これは調べれば調べるほど奥が深いなというか、問題が結構あるんじゃないかなというふうに思います。固定資産税は、自治体が計算をして、これだけ払ってくださいというふうに所有者に金額を提示するわけですけれども、これは調べてみると、二〇〇九年から一一年の三年間が特にあれでして、課税ミスが三年間で三十九万件、その七割が取り過ぎてしまったということで、これは恐らく、まだ間違えているんだけれども、気づいていないというのもたくさんあると思うんですね。  高市大臣もちょうど二〇一四年の九月に、就任の後、ガイドラインで指示をしていまして、しかし、それでも間違いがその後も連発している。  これは調べてみますと、去年でも例えば、市の名前を言うのもあれですけれども、新聞に載っていたので、米沢市が去年、課税ミスが千七百八十九件、同じ山形県の上山市も千三百八十五件、これはすごい数、まだ課税ミスを連発しているわけでございます。  これは、大臣も何年か前にミスしないようにと通達を出したわけですけれども、通達を出してもこれだけ間違いが連発しているわけですから、やはりこれは税自体にも、特に計算の方法にも問題があるんじゃないかなというふうに思います。  早急に改善しなきゃいけないんじゃないかなというのが二つあるんですが、まず、特にバブルのあたりに地価が上がり過ぎたので、固定資産税、その前までの計算方法だと高くなり過ぎちゃうので減額しましょうということでいろいろな調整をしていまして、この三十年ぐらいでかなり複雑になってしまっている。  どうやって計算しているんですかと総務省に聞いたら、こんなにたくさん計算方法がありまして、私も全部見たんですが、これは間違える可能性はかなり高いと思います。地価掛ける何%だけで済むんだったらいいわけですが、これだけ、冊子一冊分、計算の方法が書いてある。そのマニュアルに従って計算しなきゃいけないということで、この複雑な状況を簡潔にするということは、行政改革の点でも税制改革の点でも、両方の点で大切なことだと思います。  それから、これはほかの分野にも及んでいるわけですが、ミスの原因をいろいろ見てみますと、やはり役所の非正規雇用の割合がふえてしまっている。どんどんどんどん税金の計算の仕方が難しくなっているにもかかわらず、専門家の数が減って、しかも、補助業務等窓口業務も非正規雇用の方が行うことがふえてきている。これですと、やはり間違いは残念ながら多くなってしまう。これは、自治体の非正規雇用がふえているということも是正しなきゃいけないのではないかというふうに思います。  それから、中長期的な点ですが、ほかの法人税とかは自分たちで計算して、所得税の確定申告もそうですけれども、自分たちで計算して、自分はこれだけ払いますということで税務署に持っていって、間違いだったら間違いだと税務署から言われるわけですけれども、計算の仕方もわからない状況でこの金額払えと役所から来る。これは、賦課課税方式ではなくて、やはり、特に法人はプロに任せているはずですので、計算の仕方をわかりやすくした上で申告方式に直すということが必要なのではないかなと思います。  これは、これだけ間違いが多くて、大臣ももう二〇一四年には気づいていたわけですので、さらなる改革というか改善が必要だと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
  287. 高市早苗

    ○高市国務大臣 固定資産税の課税誤りにつきましては、総務省としても実態把握には努めております。関係団体と連携して、防止策に係る具体的な事例を取りまとめるなどして、課税誤りの防止に向けた取組は進めてまいりました。  また、実態把握や具体的事例の調査研究結果を踏まえて、各市町村に対して通知を発出して、納税者の皆様の信頼を確保するため、課税事務の検証などを行い、特に、委員の問題意識にも近いと思うんですが、人事異動などによって適正な事務の執行に支障が生じることがないように助言をしてまいりました。この四月一日にも助言通知を発出いたしております。  また、機会を捉えてさまざまな会議や研修の場での注意喚起、通知による助言に努めておりまして、課税誤り防止の観点から、各市町村の取組を支援してまいりたいと思います。  それから、制度が複雑であるという御指摘につきましては、課税の公平性ということに留意しながら、これまでも可能な限り簡素化は進めてきております。今後も、制度の簡素化に向けた検討は進めてまいります。具体的には、家屋評価につきましては、令和年度の評価がえでかなり簡素化もされていく見込みでございます。
  288. 落合貴之

    落合分科員 余りにも複雑で、どうしてこの金額なのかということがわからないと、やはり税に対する信頼というものにもつながっていきますので、ぜひ中長期的な点も含めて固定資産税の改善についてお取組をいただければと思います。  それでは次に、地方財政についてなんですが、これは、新型コロナウイルス感染症、対応するのはもちろん国なんですが、実際にかかわる多くは基礎自治体、それから都道府県が大きな役割を果たさなければならない。実際に、権限も自治体が持っていて、責任自治体が負っていて、しかし財源は縛られてしまっているというのが現状であると思います。  これは、地方財政健全化法などいろいろな法律で縛っているわけですけれども、報道では、まず臨時交付金をどっさり国から出すというふうに言われています。これは、しっかりとした金額を出して、それから、使い道はそれぞれ、いろいろ地区によって状況も違いますので、これは使いやすい状況でそれなりの金額を近々各自治体に出すということで、大臣、よろしいですね。
  289. 高市早苗

    ○高市国務大臣 地方創生に資する、そしてまた使い道が自由な交付金ということで、その規模感についてもまだ正式に決定をいたしている段階ではございませんが、それでも、思い切った金額、それから各地方公共団体による自由な使い道ということを胸にとめて、しっかりと対応させていただきます。
  290. 落合貴之

    落合分科員 地方創生とおっしゃいましたけれども、やはり今、現下、一番お金がかかる、それから対応しなきゃいけないのは新型コロナに対する財源でございますので、ぜひ思い切った対応をしていただければと思います。  これは追加での質問なんですけれども、質問通告したのが先週の半ばぐらいだったので、これから何か状況が変わってきまして、特にこの週末、いろいろな評論家ですとか学者の人たちが、やはり地方の財源についていろいろ発信をし始めました。やはり今、さっき申し上げたのは交付金、国から地方自治体へお金を渡してあげるという話ですけれども、地方債について、もっと自由に発行できるようにするべきだというような意見も出てきているわけでございます。確かに、今、日本銀行も、ETFですとか、買う資産がもう限られていて、偏り過ぎてしまっているという中で、地方債を買うということも一つの手段ではないかなというふうに思います。  そういったことについて、いろいろな専門家の方がそれぞれの立場で発言しているんですけれども、例えば、わかりやすいところで、多くの与党議員のブレーンもしている藤井聡先生も、先週末ですか、提言をしています。それを印刷してきたんですが、各自いろいろな提言はしているわけですけれども、藤井先生は、まず、臨時特別の地方債を自治体が発行して、その地方債はあくまでも臨時特別のものであるから、コロナ対策のための特定財源債として自治体特別会計で管理をさせる。その自治体負担を軽減するために、緊急時における臨時特別の措置として日銀が買い取ることを前提として、超長期債あるいは半永久的な借りかえを可能として、そして同時に、これは地方財政健全化法が定める規律の対象外とするというような提言もされています。  これは一案で、ここまでドラスチックにやるかも検討課題でございますが、どちらにしても、地方債を発行しやすくする。ほかにも、地方債を買う機関としては地方公共団体金融機構等もありますので、そういったいろいろな手段を使って地方債を発行しやすくする、自治体独自に。これは緊急的に、ことし、来年あたり必要があると私も思うんですが、大臣、これについて、いかがですか。
  291. 高市早苗

    ○高市国務大臣 藤井聡先生には、私に対しましても、二回にわたって長い長いメールが参りました。  まず、地方は相当お困りでございますので、令和年度政府が決定した第一弾、第二弾の緊急対応策の中で、地方負担が見込まれる事業につきましては、災害並みの措置を講ずる観点から、手厚い、基本八割という地方交付税措置を講じました。  それから、地方債の活用についても御提案がございました。  委員に御理解いただきたいのは、きょうの段階でまだ、緊急経済対策政府として決定をしておりませんのでなかなか話しづらいのですが、前例にとらわれることなく、財政、金融、税制を総動員して、思い切った措置をとっていくということにしております。  地方公共団体や、また関係省ともしっかりと意見交換を今行っておりますので、ベストな方策をしっかりと打ち出してまいります。
  292. 落合貴之

    落合分科員 IMFの偉い方が、これはIMF始まって以来の大変な事態なんだというふうに言っているような事態ですので。  やはり、役所からは、今までにないような発想というのをやることはボトムアップ型では難しいですので、ここは、今大臣についている方々、政府の要職についている方々の決断が大きくこの国の将来を決めていくと思います。ぜひ、正しく思い切った決断をしていただければと。これはまた改めて取り上げさせていただければと思います。  財政についていろいろ調べてみますと、特に平成の大合併以降、本当にどんどんどんどん数を減らしていく。今回気づいたのが、病院にしても保健所にしても、やはりちょっと減らし過ぎちゃったかな、ここで方向転換をそろそろしていかなければならないという状況だと思います。  今回、保健所のキャパがオーバーしていることもあって、PCR検査ですとか、対応ができていないということがいろいろなところで言われているわけですが、保健所の数はどれぐらい変わったのかなと調べてみますと、平成八年から平成の終わり、去年までの間に、八百五十幾つあった保健所が四百七十二に半分近くも減ってしまっている。病院も減ってしまっているわけでございます。  今回、緊急事態ですので、今までと同じ、延長線上で財源を同じぐらいつける、それかちょっとふやすぐらいではやはり対応できない状況でありますので、ここは大臣の思い切った決断をお願いできればと思います。  では、残りの時間、選挙のあり方、特に今の状況のもとでの選挙のあり方についてお伺いできればと思います。  きのう、徳島の市長選挙がありました。たくさん選挙はあるわけですけれども、今月も大きなものでいえば、静岡四区の補欠選挙も四月十四日から二十六日まである。それから、東京二十三区では、目黒の区長選挙が四月十二日に始まって十九が投票日。あと、都知事選挙も六月から七月にかけて予定がされています。  憲政史を振り返ってみると、昭和十七年の戦時下でも衆議院選挙もやっているわけでございますが、このときは、翼賛選挙と言われて、いろいろな制限がある中でも、野党の議員も、大政翼賛会に入っていない議員も二割ぐらいは当選したわけですけれども、この一年半後には衆議院の任期まで来る、そのときまでに終息しているかも正直わからない状況でございます。  いかなる事態であっても、やはり選挙をやるのであれば、公平公正で、有権者の権利行使が阻害されないような状況をつくっていかなければならないわけでございますが、この二月、三月にわたって総務大臣からもいろいろな通達を出しているということも見させていただいております。  実際に、選挙は、集会を開いて有権者と握手してですとか、今の三密がだめだと言われている状況では、今までの選挙のやり方で選挙をやるということは大変難しいわけでございますけれども、総務省として、それでも選挙をやるんだったら、しっかり、こういうふうな工夫をしますという方針は出されていますでしょうか。
  293. 高市早苗

    ○高市国務大臣 選挙の管理、執行におきましては、選挙が行われることの選挙人への周知も重要でございますし、選挙人の方々が安心して投票を行っていただくことができる投票環境の整備も重要でございます。  総務省では、行われる選挙の管理、執行に万全を期すため、これまで五回にわたって、選挙の管理、執行における新型コロナウイルス感染症への対応に当たって留意すべき事項について、各都道府県選挙管理委員会委員長宛てに通知を発出いたしました。  通知の中では、例えば、投票所やまた開票業務などにおけるせきエチケットの徹底やマスクの着用、消毒薬の設置、また、特に開票作業では距離の確保、また、それぞれの場所で換気を行うなどの感染防止対策、そしてまた、期日前投票の積極的な利用によって、投票所などに選挙人が集中することを避ける取組などを要請してまいりました。  これらの要請を踏まえて、選挙を管理、執行する選挙管理委員会では、各投票所などで必要な対策を行っていただき、選挙人の方々の安全、安心に配慮した管理、執行に努めていただいております。  また、こういうときに皆様が心配されるのは選挙が行われることの周知についてでございますが、これも各選挙管理委員会において、通常どおり、ホームページや市町村の広報誌、また全部の御家庭に配られる選挙公報、また投票所の入場券などの媒体によりまして周知が行われております。  また、私どもの通知では、さらに、投票所などにおいて必要な感染症対策を講じていることの周知や、また、選挙人の方々自身の予防対策もした上での積極的な投票参加の呼びかけなどを行うように要請をいたしております。市町村選挙管理委員会においては、これらの呼びかけを通じて、地域の有権者の方々に選挙が行われていることを認識していただけるように取組もしていただいております。  引き続き、新型コロナウイルス感染症の動向に注意しながら、各地で執行される選挙が滞りなく執行できるように努めてまいりたいと存じます。  また、有権者の皆様におかれましては、選挙というのは国や地方の将来を託す代表者を選ぶ大変重要なものでございますので、御自身での予防対策もしていただいた上で、積極的な投票への参加をお願いしたいと存じます。
  294. 落合貴之

    落合分科員 最後、一問ですが、緊急事態宣言が出される可能性が高いです。このもとで、外出自粛しろと言っている中で、民意が、その中で選挙をして、適正に反映されるのか。それから、そもそも、選挙をやる、やらないという判断はあり得るのか。それを最後にお伺いできればと思います。
  295. 高市早苗

    ○高市国務大臣 まず、これは市区町村で条例が定められていることが条件でございますが、選挙公報、全戸配布の選挙公報がございます。この中で、しっかりと候補者のお名前、政策を見ていただき、票を投じていただくということ、しかも、期日前投票所が混み合ってしまっては何にもなりませんので、期日前投票所におきましても、例えば記載台を離すとか、広い会場に変更していただくとか、また記載台の消毒、使い捨て鉛筆などなど、さまざまな工夫をしていただいておりますので、十分に安全に注意をしていただきながら、また混み合う時間帯の周知もしていただいていますので、御自身の身も守っていただきながら、民意を反映していただきたいなと思っております。  選挙に関しましては、もう委員が十分御承知のとおり、現在の公職選挙法におきましては、特例法をつくらなければ、期日を延ばすということができません。これまで、阪神・淡路大震災のとき、そしてまた東日本大震災のときに、特例法をつくって選挙期日を延ばすこととなりました。  今回につきましては、ことしの迫っている選挙につきましては、そのような特例法の措置をいたしておりません。これは民主主義の根幹にもかかわることですから、各党各会派でも御議論をいただく必要がございます。よって、選挙は予定どおり執行されるという見立てでございます。
  296. 落合貴之

    落合分科員 時間が来ましたので、終わります。ありがとうございました。
  297. 後藤祐一

    後藤主査 これにて落合貴之君の質疑は終了いたしました。  以上をもちまして総務省所管についての質疑は終了いたしました。  これにて本分科会審査は全て終了いたしました。  この際、一言御挨拶申し上げます。  分科員各位の御協力を賜りまして、本分科会の議事を無事終了することができました。ここに厚く御礼申し上げます。  これにて散会いたします。     午後三時五十三分散会