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篠原(孝)
分科員 大臣の認識は正しいと思います。
やはり、私が長らく携わっている分野では、食の安全です。これも規制緩和、規制緩和の大合唱です。それを変なふうにすると、食品添加物とか農薬とかで、そういうので体がむしばまれる、これは絶対に規制を強化しなければいけない分野だと思います。
この件に関して、私もそこそこ経験したことがあるのです。古い古い昔ですけれども、一九九六年、私が水産庁の企画課長を拝命して、二百海里対策の担当課長で大忙しだったんですけれども、企画課で労働班というのがありまして、それを所管しているんです、それでロンドンに出張いたしました。なぜかというと、IMOはここにSOLAS条約でおわかりのとおり、船員の安全、船の安全を考えていますから、とんでもない
改正案だった。正しいんですけれども、日本にはとても無理だと。
どういうのかというと、船の乗組員というのは、大体、二十四時間だから八時間で三人ですね、三人、英語の試験でTOEFLという、アメリカに留学するときのTOEFL、五百点以上の者を三人乗せなければ外航船舶は航行してはならないという
法律がある。僕はびっくり仰天しました。水産庁にTOEFL五百点以上は十人いないと言って冗談を言いましたけれども、十人以上いたかもしれません。それはなぜかというと、事故が起きたとき、海難事故が発生したときに位置をきちんと知らせる、その三、四分が大事で、そのときにちゃんと英語が話せないとだめだというんです。
いや、だけれども、それは外航船舶の一般の船舶だったらいいですけれども、漁船員の皆さん、それだけ英語の能力があるかというと、ないんだ、そんなのは無理だと。対処方針では、古い話で運輸省ですけれども、でも、外航船舶は大丈夫なわけですね、あそこに船員はいっぱいいますから、英語ができるのもいますから、そんなものは何でもないんですけれども、カツオ・マグロ漁船にそんなのは無理ですよ。そして、それを言いわけに行ったんです。僕は、大事だけれどもそれは無理だ、やめてほしいと訴えて、ひっくり返すことができたんですね。
スペインの人たちは、英語ができると思っていると。聞いていると、私の英語も大した英語じゃない、だけれども日本人の水準以上だと言った。スペインも遠洋漁業国ですからね。だけれどもそれは、あちらの方がしゃべっているけれども内容はよくわからなかった。そうしたら、スペインの方もわかりまして、それはあんまりだと。
そのときに、でたらめを言っていたんですね、今で思えば。皆さん知っているだろうと。ソニー、パナソニック、日立、東芝、こういった日本の電気機器メーカーが、人間のかわりにちゃんと知らせてくれる機械をつくっているはずだから待ってほしいと言ったんです、それがGPSや位置情報です。そのとき僕はそういうことを予測したわけじゃありませんけれども。ですけれども、それは
流れとしては僕は正しかったと思います。
ですけれども、次の二ページ目の資料を見ていただきたいんです。
この水産ワーキンググループの議事録。ちょっと見ていただきたいんですけれども、じっくり。バツのところ。ぱっと見られるように書いてあります。堀課長に対して、もう結構です、前に進めたいと金丸議長が言うわけです。ちゃんと
説明する時間をいただけませんかと。だけれども、金丸議長代理が、堀さんは一切変える気はない、これからもずっとこのような
議論を続けるということですかと。物すごい高圧的な
議論ですね。
こんなことを言っては怒る人がいるかもしれませんけれども、野党議員が、やたらワンワンキャンキャン言って、どぎつい言い方をします。族議員のボスの人たちが、役所に向かっていろいろ高圧的な言辞を発する人がいるだろうと思います。私は、今これが実態だと思うんです。官邸の何々
委員。
国民に名前を書いていただいたわけでもない。それから、国家公務員試験を通って国家公務員になっているわけじゃない。いや、元国家公務員だという人が言いわけをするかもしれません。この人たちがこう言って、知らない。課長が一生懸命
説明しようとしているのを制する。
これは、今見ましたら、大坪海事
局長、来ていないと言っていますけれども、このときは、
審議官で
答弁されていた。違う人ですか。(赤羽国務
大臣「違います」と呼ぶ)ああそう。済みません、議事録を見たんですけれども、そんなような名前の人がいたと思ったんですけれども、違うんですか。
まあ、これは僕はひど過ぎると思うんです。水産ワーキンググループといっていますけれども、さすが、その専門
委員は水産の人が入っていますけれども、メンバーを見たら、水産をわかっている人なんかいない。この人たちが決めて、そして、やれと。それで、もう各省は防御一辺倒です。悪いことをしている、やる気がない、だから俺たちがやらせるんだ、こういう態度でずっとやっているんですね。私はこのやり方が本当によくないと思っているんです。これは、ぜひ
大臣、パワフルな
大臣として、改めていただきたいと思います。
対処方針はいいんです。しかし、この細かいのを、医療
関係にしたって食料
関係にしたって農業
関係、こういう海事
関係を、
国土交通省が業界団体とお話しして、現状を見て、発意して、これは問題だ、これを直していこうという、それが一般的ですよ。それを、ごく一部の人の業界団体の声が入る。おお、それはいいネタだといって、絶好機到来という感じでこれをやり出すんですね。そしてまた、業界の方にも悪い魂胆があって、魂胆じゃないですね、やむにやまれない事情がある。この場合、聞きますと、大体わかるので、人手不足だというので、そんな資格のある人を乗せようとしていたら船は動かない、だから緩めるんだと。
しかし、これは本末転倒ですね。人手が足りないから資格がなくても乗せて、船が動くようにする。私は、プレジャーボートだったらいいと思います。それだって、いろいろなところにぶつかって大事故になったりする。本人次第ですからね、本人の命は本人が責任を持ってやる。だけれども、ほかの人に迷惑をかけるという点ではいけませんけれども。
外で操業する漁船には漁船員がいっぱい乗っているわけです。その人たちの命がかかっているんですよ。それを、僕ははっきり言っていいかげんだと思います。一級船舶操縦士、この人たちの免許だけでいいのか。いやいや、講習を受けると。講習を受ければいいというものじゃないんですよね。
これはもう絶対改悪で、私は撤回してもらいたいと思っているんです。まだ、施行が七月一日だそうですから、それまでの期間、三カ月ありますけれども。その後も、私、事故が起きてからでは遅いと思っているんです。
大臣にお伺いしたいのは、今、この安倍政権のやり方。今まで、規制改革というのはあったと思います。規制改革、行政改革、ずっとありました。しかし、これだけ横暴なやり方が続いている政権というのはないですね。しっちゃかめっちゃかだと私は思いますよ。各省の真面目な役人が辟易しているんです。ピンポイントでこうやって、これが
議論の実態です。ちゃんと対等にやっているかというと、やっていないんです。上から目線で、高圧的に。
このやり方を改めていただきたいんですが、
大臣、どのようにお考えでしょうか。ぜひやっていただきたいんです。