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石川参考人 おはようございます。
石川でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
私は、お
手元に私の名前を書きました
資料を七ページ用意いたしまして、これに沿いまして
陳述をしたいと思います。
この
法律案、厚さ一センチぐらいの
法律案でありまして、大変なものだと思います。本当に、これまでの
梶山大臣を始めとした
政府御当局の皆様、大変な
利害調整だったと思いますが、よく取りまとめられたなということで、まず敬意を表したいと思います。
その上で、私は、本
法案につきましては、めくっていただきまして一ページ目ですが、賛成であります。早く
成立を見て、そして
施行していただきたいということなんですが、きょうは、せっかくの
機会ということもございまして、この
法律案の具体的な中身、その
改正法の
施行の暁における
運用面でのいささか注文したいということに加えまして、やはり何といっても
コロナでございますね。これに関しては、
日本のみならず
世界経済は非常に傷んでいるという
観点から、この
エネルギーの
強靱化法案が
成立されたときに、言ってみれば、だしに使うという
言い方はちょっとあれですけれども、こういうルールというのはやはりそれを使っていくことが大事だと思いますので、
エネルギーというこの分野におきまして、
コロナ後、
アフターコロナなのか、それとも
コロナとともに行くという
意味で
ウイズコロナなのか、いろいろな
意味があろうかと思いますが、この
資料では
ウイズコロナという表現でもって、
幾つかの
政策提言も含めて
陳述をさせていただきたいと思います。
めくっていただきまして、二ページ目でありますけれども、まず
一つ目は
電気事業法改正。
ここは、今回私が非常に注目して、ぜひこういったものを法の
運用で明記しておくべきということを、ここに
幾つか掲げさせてもらっていますけれども、まず1といたしまして、
送配電事業者、いわば
送電会社が
災害時の
連携計画をつくるということでございます。
これは、恐らく去年の台風十五号、十九号、これは関東を直撃した大きな二つの台風でございまして、私も関東に住んでおりますので大変なことだったなというふうに記憶に新しく、更にその前の年の関西豪雨、いわゆる気候変動というか、気候のそういう
自然災害、こういったことに対して、やはり
送配電網の役割というのが再認識されたと思います。特に、去年の台風では倒木が
送電線をなぎ倒してしまったということで、非常にその停電の回復がおくれたというのは記憶に新しいかと思います。
そういった点におきまして、ここに赤い字で書きましたけれども、自衛隊や消防、警察、そういう当局、道路管理者、こういった行政機関に対して、
送電会社がいわば
連携をするということなんですけれども、前回の台風のときの
災害復旧のことを私なりに拝見させてもらって強く感じましたのは、やはり
電力会社は民間企業なんですよね。なので、やはり行政機関の中心になって何かを仕切るというのは難しいんじゃないかということで、やはりこれは
政府、
電力の場合には
経済産業省ということでここで書いていますけれども、経産省が前面に出て取りまとめる、仕切るということを、今回の
運用として、ぜひ、私は、この国会の先生の皆様から
政府に対してそういう指示を出していただくのも
一つの案かなというふうに思います。
それともう
一つ、この下に、「また、」ということで、「感染症蔓延時」と書いていますけれども、これはこの法律をつくる過程ではなかったことだと思うんですね。
コロナによって、今、実は、どこにも行くなというふうに言っているわけですね。越境するなということなんですけれども、どうしても、
送配電網の話になりますと越境するわけであります。北は北海道、南は沖縄まで十社の
送配電区域があるわけですけれども、当然県をまたぐことがあるわけであります。そういったことにつきましても、
政府が前面に出て、ここで
政府と書きましたのは、経産省だけではなくて、やはり厚労省当局も含めた、そういうところも参画をして、きちんと指揮をとるという体制が必要かというふうに思います。
それから、次の矢印でございますけれども、これは、恐らく六月になって解除になるだろうというふうに私は想像しておりますけれども、そのときに、どんどんどんどん動き出すというときに、現場の職員の方、エッセンシャルワーカーの方々が安心して働けるという環境も非常に重要だなと思いますので、例えばいろいろな、抗体検査でありますとかPCRとか、いろいろ話が出ておりますけれども、そういった検査というものを優先的にこういう公共
インフラ分野の職員の皆さんに提供するという体制も必要じゃないか。これは必ずしも
電力インフラのみならず、水道でありますとか鉄道でありますとか、そういった公共
インフラにも通ずることかなというふうに思っております。ここで提言をさせていただきたいと思います。
それから、その下でございますが、2ということですが、これは何を言っているかというと、
送配電線というのは
更新していくわけですね。これは、実は公共
事業という形で
雇用対策になるんじゃないかと。
雇用対策のためにやるというわけではないんですが、結果的に
雇用対策となるということでございまして、特に九〇年代、不景気、バブルが崩壊して、その後、景気
対策をぼんぼん打っていったわけですけれども、その中には、こういう公共
インフラの
整備をするということでもって、
政府あるいは自治体がお金をつけることで、
雇用を促進し、維持したという経緯もございます。いろいろ、当時は無駄だなんと言われましたけれども、私は結果的にそうは思っておりません。やはりああいった努力があったからこそ、今、
日本の
インフラがきちんと機能しているんだと思います。そういう
意味におきましては、これは
法改正と絡めた、言ってみれば
ウイズコロナの
経済対策の
一つの
政策の材料として皆様にお考えいただければなというふうに思います。
次のページです。
電気事業法改正の二つ目ですが、
配電事業者、それから
遠隔地での
配電網の独立化。
これは、やはり分散型
電源が進んでいく、そういうふうな
政策の方向ということで、私はこれはよろしいかと思います。
ただ、
一つだけ申し上げたいのは、ここで
配電事業者については許可制がしかれておりますが、その
条件といたしまして、
FITのときに、
太陽光発電がどんどんどんどん、ぼんぼんぼんぼん出てきちゃって
太陽光バブルみたいになった。その教訓も私は踏まえるべきだと思っておりまして、やはり最終的には、ここで書いておりますのは、どんどんどんどん入ってきてほしいと思うんです、
配電事業者、新規参入、ただし、いざとなったときに結局誰が面倒を見るかといったら、これは大手
電力会社ですね。
したがいまして、やはりレジリエンスというのは今回のテーマであります。そういったことを考えますと、私は、この
配電事業を進めていく上で、より一層円滑に進めるためにも、そこを取り仕切る
送配電会社、大手の
送配電会社の資本参加というものもきちんと義務づけるべきじゃないかというふうに思います。これはいざというときのための備えの発想であります。
それから、2でありますけれども、
アグリゲーター、ここに絵を用意させていただいておりますけれども、これは
政府資料から引用させてもらいました。
分散型
電源、
電源でありますとか蓄電池、これは全て分散型
電源でありますが、こういったものをいわば集めていくというのが
アグリゲーターの役割なんですけれども、これも非常にいい
政策だと思いますが、私はこれは、さっき申し上げたような
経済対策としても
一つ機能するんじゃないかと。
下のところに括弧書きで、実は、
太陽光はバブルといいながら、あれは
事業用であります、
家庭用は、九割以上がらあきです、屋根はがらあきです。今後、究極の分散型
電源である
太陽光、そういう再生
エネルギーを将来主力化していくということであるならば、ここを少してこ入れしていくというのが
一つ景気
対策としてあるんじゃないかなというふうに思いますので、ぜひとも、今後、二次補正等々で
経済対策をここの
委員会でも審議されると思いますけれども、
一つ、
委員の皆様に、これを私として提言をしておきたいというふうに思います。
次のページです。再
エネ特措法についてですが、大きく二つほど提言をさせていただきます。
一つ目が、例の
太陽光パネルの廃棄の
外部積立ての問題でございますけれども、これも、なかなか、
事業者にしてみれば、廃棄のお金を積み立てるとかしてこなかったんですけれども、これを今回義務づけるということで、賛成ですけれども、内部積立てと
外部積立てということで随分もめたと。内部積立てをしたいという
事業者が多かったと思うんです、私もその気持ちはよくわかるんですけれども。やはり非常に大きな
条件をつけて、ちゃんとするということをコミットした場合には、まあそれもいいのかなという
インセンティブ制というものをしいてもいいんじゃないかというふうに考えております。
二つ目でありますけれども、失効についてですけれども、今回失効のことをぼんと出す、これも大事なことだとは思うんですけれども、一旦つくった
設備を失効して、それはだめだということも、これもどうかと思いますので、こういった
設備を、
設備には罪はないわけでありますので、大手
事業者を含めて、そういったところに
設備譲渡、集約というものを進めるルールも必要であろうというふうに思います。
これは、実は、前回、二〇一六年の再
エネ特措法改正案の審議のときに、私、
参考人で立たせていただきましたときにも提言をしたものでございます。そういった方向になりつつあるのかなというふうに思っております。
最後にということで、次のページですが、
電力産業発の
コロナ、
ウイズコロナ経済対策ということで、ぜひとも心にとめておいていただきたいのは、再
エネが高いという印象はやはりあります。2で書いていますけれども、我が家の例で恐縮ですけれども、再
エネ賦課金、このぐらいです、二千円超えちゃいました。計算すれば、恐らく皆様の御家庭でも
消費税よりも高くなっております。社会保障財源よりも高い財源が
電気から取られているという。
だからといって、やめるわけにいきません、再
エネは進めますということでもって、では、再
エネの高いところをどこかで面倒を見ないかぬということで、今とまってしまっている原子力について、暫定的にでもいいからフル活用したらどうかというふうに私は考えております。そこの財源を出して再
エネに充てるということで、CO2のない原子力と再
エネの共存共栄、そういったことで
日本の
エネルギー安全保障をいま一度考えていただきたいというふうに思っております。
それと、最後になりますけれども、もう
一つだけ言わせてください。
コロナということでありまして、
地域経済対策。私も、こういう仕事をしておりますといろいろな声を聞くんですが、今回の
経済対策で兆単位の巨額の予算がついているものが三つあります。これは経産省
関係ということですが、ここの二番で書きましたけれども、
政府系金融機関による資金繰り、それから持続化給付金、そしてゴー・トゥー・キャンペーン、これはどれも注目度が高いです。
特に、持続化給付金は物すごく人気があるといいますか、私のところにも非常に問合せが多くて、助かっているという声を聞いております。それからゴー・トゥー・キャンペーンに関しては、非常にこれも期待感が高いということを私は肌で感じております。
ぜひともスピード感を持って、国会の皆様そして
政府の皆様には、多分六月に解除になると思いますので、そこをがんと、そのときにV字回復にいけるように準備を進めていただければなというふうに一人の国民としてお願いをしたいと思います。
ありがとうございました。(
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