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2020-04-17 第201回国会 衆議院 経済産業委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    令和二年四月十七日(金曜日)     午前九時開議  出席委員    委員長 富田 茂之君    理事 大岡 敏孝君 理事 神山 佐市君    理事 小林 鷹之君 理事 鈴木 淳司君    理事 武藤 容治君 理事 田嶋  要君    理事 山岡 達丸君 理事 鰐淵 洋子君       畦元 将吾君    穴見 陽一君       安藤 高夫君    石川 昭政君       石崎  徹君    岡下 昌平君       神田  裕君    高村 正大君       國場幸之助君    武部  新君       辻  清人君    冨樫 博之君       野中  厚君    福田 達夫君       穂坂  泰君    星野 剛士君       細田 健一君    三原 朝彦君       山際大志郎君    吉川  赳君       和田 義明君    浅野  哲君       落合 貴之君    柿沢 未途君       斉木 武志君    中谷 一馬君       宮川  伸君    山崎  誠君       中野 洋昌君    笠井  亮君       足立 康史君     …………………………………    経済産業大臣       梶山 弘志君    内閣府副大臣       宮下 一郎君    財務副大臣        遠山 清彦君    厚生労働大臣      稲津  久君    厚生労働大臣      橋本  岳君    経済産業大臣      松本 洋平君    内閣大臣政務官     神田 憲次君    経済産業大臣政務官    中野 洋昌君    国土交通大臣政務官    佐々木 紀君    政府特別補佐人    (公正取引委員会委員長) 杉本 和行君    政府参考人    (内閣官房日本経済再生総合事務局官民体型キャンペーン準備室次長)    風木  淳君    政府参考人    (内閣地方創生推進室次長)           長谷川周夫君    政府参考人    (金融庁総合政策局参事官)            齋藤  馨君    政府参考人    (消費者庁審議官)    高島 竜祐君    政府参考人    (総務省大臣官房審議官) 森  源二君    政府参考人    (総務省大臣官房審議官) 二宮 清治君    政府参考人    (外務省大臣官房参事官) 赤堀  毅君    政府参考人    (経済産業省大臣官房商務サービス審議官)    藤木 俊光君    政府参考人    (経済産業省大臣官房審議官)           春日原大樹君    政府参考人    (経済産業省大臣官房審議官)           河本 健一君    政府参考人    (経済産業省商務情報政策局長)          西山 圭太君    政府参考人    (資源エネルギー庁資源燃料部長)        南   亮君    政府参考人    (中小企業庁事業環境部長)            奈須野 太君    政府参考人    (中小企業庁経営支援部長)            渡邉 政嘉君    政府参考人    (国土交通省大臣官房建設流通政策審議官)     中原  淳君    政府参考人    (国土交通省航空局安全部長)           川上 光男君    経済産業委員会専門員   佐野圭以子君     ――――――――――――― 委員の異動 四月十七日  辞任         補欠選任   菅  直人君     中谷 一馬君 同日  辞任         補欠選任   中谷 一馬君     菅  直人君     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  政府参考人出頭要求に関する件  特定高度情報通信技術活用システム開発供給及び導入促進に関する法律案内閣提出第二二号)  特定デジタルプラットフォーム透明性及び公正性向上に関する法律案内閣提出第二三号)      ――――◇―――――
  2. 富田茂之

    富田委員長 これより会議を開きます。  内閣提出特定高度情報通信技術活用システム開発供給及び導入促進に関する法律案及び特定デジタルプラットフォーム透明性及び公正性向上に関する法律案の両案を議題といたします。  この際、お諮りいたします。  両案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房日本経済再生総合事務局官民体型キャンペーン準備室次長風木淳君、内閣地方創生推進室次長長谷川周夫君、金融庁総合政策局参事官齋藤馨君、消費者庁審議官高島竜祐君、総務省大臣官房審議官森源二君、総務省大臣官房審議官二宮清治君、外務省大臣官房参事官赤堀毅君、経済産業省大臣官房商務サービス審議官藤木俊光君、経済産業省大臣官房審議官春日原大樹君、経済産業省大臣官房審議官河本健一君、経済産業省商務情報政策局長西山圭太君、資源エネルギー庁資源燃料部長南亮君、中小企業庁事業環境部長奈須野太君、中小企業庁経営支援部長渡邉政嘉君、国土交通省大臣官房建設流通政策審議官中原淳君及び国土交通省航空局安全部長川上光男君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 富田茂之

    富田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――
  4. 富田茂之

    富田委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。國場幸之助君。
  5. 國場幸之助

    國場委員 本日は、貴重な質問機会をありがとうございます。  それでは、特定高度情報通信技術活用システムに関する法案について質問を行います。  まず、新型コロナ対応でできることという問題意識質問したいと思うんですが、この法案をこの時期に審議する歴史的な意義とタイミングとして、特定高度通信技術活用し、いかに感染症との闘いに勝ち、経済再生に資するのかという時代の要請、課題克服にもあると考えます。  事実、この法案の第一条「目的」にも、「我が国安全保障に寄与することを目的とする。」と明記されております。サイバーセキュリティーや中国の通信機器安全保障上の重要課題ですが、感染症というテーマ国家安全保障上の緊急課題でございます。  この法案がどのように貢献できるのか、国民の命と健康を守るためにどのような余地があるのかについての答弁をお願いします。
  6. 梶山弘志

    梶山国務大臣 今回の新型コロナウイルス感染症拡大の局面において、我が国課題というものも浮き彫りになってきたのも事実であると思っております。人と人との接触機会を劇的に減少させなくてはならなくなる中で、医療現場はもとより、産業活動から個人の日々の生活といったあらゆる面で、デジタル化リモート化を急速に進める必要性が生じていると感じております。  コロナウイルス感染拡大を受けて、我が国では、デジタル化リモート化は不可逆的なものとして進んでいくものと考えており、5Gやドローンはその根幹となるインフラとなると承知をしております。  例えば、5Gは、テレワーク遠隔教育オンライン診察等の一層の拡充につながります。ドローンは、議員の地元沖縄でも実証等が行われていると承知しておりますが、農業、離島間の物流、災害対応などで、日常生活地域課題解決につながるさまざまな用途での活用が見込まれているところであります。  また、経済再生観点でも、これらは、産業用ロボットの高精度な制御等実現するスマート工場や、設備の多様なデータの収集、分析により生産性や操業の安定性向上させるデジタルプラント、さらには都市の高度化を図るスマートシティー実現するソサエティー五・〇の基幹インフラとなると考えております。それには、また、リアルデータをどう活用するか、どう収集していくか、どういった形で個人との権利を考えていくか、さまざまな論点があろうかと思いますけれども、将来像というのが少しずつ見えてきていると思っております。  このように、デジタル化リモート化の流れの中で、5Gやドローンがもたらす変革は、経済のみにとどまらずに、先ほど申しましたように地域課題解決安全保障を始め、社会のあらゆる分野に大きな影響を及ぼすと認識をしております。  こうした認識のもと、セキュリティー確保された安全、安心な5G等の高度情報通信インフラ早期に整備していく必要があり、5G、ドローン法案は、これらを後押しする重要な役割を果たす法案であると考えております。
  7. 國場幸之助

    國場委員 答弁ありがとうございます。  今大臣答弁にもありましたように、リアルデータをいかに活用していくのか、このことも非常に重要なテーマだと思っております。  そこで、次に質問したいことは、我が国として、特定高度情報通信技術活用に関する法案を通して、どのような日本型の5Gの姿を目指していくのか、この点について質問をしたいと思います。  例えば、基地局ベンダー世界シェアをふやしていくのか、日本からGAFAを誕生させていくのか、国際競争力のあるベンダー企業を公平な選定を経て絞り込んで、特化して支援するという方法もあるかと思います。また、大臣答弁にもありましたように、日本産業が本来持っている強さを生かして、そこにデジタルを掛け合わせていくのか、日本が目指す姿というものを示していただきたいと思います。
  8. 西山圭太

    西山政府参考人 お答え申し上げます。  今委員からお話がございましたとおり、5Gやドローンを使いました高度な情報通信技術、これを活用しましたシステムというのは、単に個別の技術活用ということにとどまらず、まさにサイバー空間リアル空間融合を進めることで社会ビジネスモデルあり方を大きく変えるものだというふうに認識しております。  それについては、政府としてはソサエティー五・〇という言い方をしておりまして、これまでのインターネットを中心とした情報化社会の単純な延長線上にはないのだという理解をしております。その上で、特にこの5Gについては、技術的には、超高速容量にとどまらず、超低遅延、あるいは多数同時接続といった技術情報通信システムの中に埋め込む開発に注力をすることで、産業あり方も、日本が強みのある製造業を含めて非常に大きく変わるんだというふうに理解をしております。  例えば、多数同時接続実現によって、工場あり方もこれまでとは全く異なる、生産制御保守管理、あるいはラインの組み直しにしても、これまでのあり方とは大きく変わるというふうに考えられますし、超低遅延技術活用することによって、例えば、将来的には、リアルタイムでデータを処理し、自動車の遠隔運転あるいは自動運転といったものが実現をされる可能性があるということであります。さらには、こうした技術を組み合わせることによって、例えば、スマートシティーと言われるように、かなり広範なビジネス公共サービスを組み合わせたようなシステムが登場してくるのではないかというふうに理解をしております。  そうした中で、これも委員から御指摘ございましたけれども、今、日本として取り組まなければならないのは、本法案や本法案に基づきます税制の支援のもとに、例えば、ハードソフトの面で技術力を高め、世界的に、国際的に連携もしながら競争力を高めるようなベンダーを育成するといったこともございますが、同時に、いわゆるユースケースソフト面での強化というのも当然必要になってまいります。  先ほど申し上げましたようなさまざまな仕組み、いわゆるスマート工場スマートシティー、あるいはさらにはスマート保安といったようなものについての多くは、いわゆる協調システムというものでございます。つまり、個々企業だけでできるものではなくて、一定部分については協調領域を設けて互いにタッグを組む、オープンイノベーション実現しないとうまくいかないということでございます。これは我が国のこれまでの企業競争あり方を大きく変えるものでございますので、そうしたことを支援できるように、昨年の情報処理促進法の改正によって生まれます、アーキテクチャーセンターと呼んでおりますけれども、その協調システム構造、設計を担うような形でも支援をしてまいりたいというふうに思っております。  そうしたものを通じて、単に個々技術企業のみならず、ビジネスあり方社会あり方も含めて変革をしていくことでソサエティー五・〇を実現していくことが目標だというふうに考えております。  以上でございます。
  9. 國場幸之助

    國場委員 答弁ありがとうございます。  今ありましたように、やはりサイバーリアル融合というときに、私は端的に三つの課題があると思っておりまして、まず、リアルデータデータ化というものがどれだけなされているのか。特に、日本の強さである中小企業といったところは、どうしても、現場感覚といいますか、以心伝心、アナログ、暗黙知という部分が非常にたくさんあります。しかし、そこに本当の強さが凝縮されていると思います。それをどうやってデジタル化していくのか。  次に、デジタル化していったものを、どうやって、今答弁にもありましたように、社会全体で共有する環境をつくっていくのか。  三点目に、それが政策として活用されていくためには、自由にアクセスできるといった環境も大事だと思いますけれども、それら全体を構想して戦略として練り上げて、国際競争力を高める枠組みをつくっていく、また人材をつくっていく、こういったことが大切だと思っております。  それができればすばらしいと思うんですけれども、今週の参考人質疑の中で私が印象に残ったことの一つに、有識者の先生から、やはり、この5Gであるとかソサエティー五・〇の成功の鍵というものは、どれだけ盛り上がるか、それが大事なんだという答弁がありました。  総務省の第四次産業革命における産業構造分析IoTAI等の進展にかかわる現状及び課題に関する調査研究というものがありまして、これは総務省経済産業省、国会図書館で調べたら、この調査しか出てこなかったんですけれども、それによると、我が国企業IoTAIに対する盛り上がり、期待度は、アメリカは六三%、イギリス七〇%、ドイツ七六%である一方で、日本は三〇・八%しかないんですね。ちっとも盛り上がっていない。これはどうしてかというと、イメージがやはり湧いていないと思います。  ですから、隗より始めよで、やはり行政、自治体から範を示していくことが大切だと思いますので、インフラも整ったから、その上でやはり経済産業省のビッグピクチャーというものを常に示していただきたいと思います。これは要望でございます。  サイバーセキュリティーについてお尋ねしたいと思います。  先ほど梶山大臣からもありましたけれども、私の選挙区には南大東島という島がありまして、そこでは、ドローンとかIoTとか自動走行ビッグデータ活用したスマート農業実証実験をしております。しかし、この実証実験のうち、5Gの特徴である自動走行遠隔走行の際に必要とされる超低遅延同時多発接続技術というものは、いわゆるスマホの常識とされております超大高速、大容量という分野に比べ、まだ発展途上である、このような指摘も聞きました。  そこで、やはりこういった技術開発サイバーセキュリティーというものは車の両輪で進めていかなくてはならないと思います。特に最近は、在宅勤務リモートワークがふえてくると、おのずとサイバー攻撃領域はふえてきますし、特にローカル5Gの同時多発接続IoTといったものは無数に接続されますから、セキュリティーが弱いところから狙われます。  特に沖縄県というところは島嶼県でございますので、海底ケーブル陸揚げ場所ケーブルがむき出しの場所もありまして、そこにアクセスできないような施設の建設対応といったものも、これはサイバーセキュリティーとは直接関係ないかもしれませんけれども、こういうところも大きな課題となっております。こういった点についての答弁をお願いします。
  10. 二宮清治

    二宮政府参考人 お答え申し上げます。  委員指摘のとおり、5Gの普及に当たりまして、サイバーセキュリティーは極めて重要な課題だというふうに認識をしております。  5Gを活用したシステムは、今後、急速に普及をいたしまして、御指摘自動走行並びに遠隔医療等実現に向けた重要な社会基盤となることが見込まれているところでございます。  本法案では、サイバーセキュリティーを含む安全性信頼性確保等を図るための指針を策定し、その指針に沿って、安全、安心な5Gシステム開発供給及び導入に係る計画を認定いたします。その上で、各種支援策を講じることによりまして、サイバーセキュリティー確保された5Gの早期普及を後押ししていくこととしているところでございます。  また、総務省におきましては、本法案のほかにも、5Gネットワークに用いられるソフトウエアの脆弱性等の検証及びその対応策検討や、ハードウエアに組み込まれる半導体チップ脆弱性を検知するための技術開発というように、ハードソフト両面に対する対策を実施しているところでございます。  また、産業界におきましても、本年より、5Gの運用者などの間で、5Gシステムリスクや脅威につきまして情報共有を行う枠組みが立ち上がっているところでございます。  総務省といたしましては、これらの取組によりまして、5Gを活用したシステムについての総合的なサイバーセキュリティー確保をしっかりと進めてまいります。
  11. 國場幸之助

    國場委員 時間も来ますので、特定デジタルプラットフォームについて、法案について、一問だけ質問したいと思います。  これは、規制法であるにもかかわらず、基本理念を定めております。透明性かつ公正性という理念を達成する。そのために、法案第九条で、年に一回、経産大臣に対して自己評価を付したレポートの提出が課せられておりますけれども、この対象であるデジタルプラットフォーム企業というものは、例えばグーグルの会社の理念というものを見てみると、世界じゅう情報を整理して、世界じゅうの人がアクセスできて使えるようにする、そしてまた楽天についても、イノベーション世界を変える、そしてアマゾンは、地球上で最もお客様を大切にする企業を目指していると。  何が言いたいかといいますと、このプラットフォーム法案というものは、もちろん国家国民というところに、最後法案の文章に盛り込まれておりますが、こういうデジタルプラットフォーム企業というものは、もう国家という枠を超えて、やはり人類、地球という規模で、そういうスケールでさまざまなことを目指しているわけでありまして、どのように実効性のある公正性透明性を担保していくのか、その仕組みと、人的な資源関係していると思いますけれども、この点について、最後答弁をお願いします。
  12. 西山圭太

    西山政府参考人 お答え申し上げます。  今委員質問ございましたとおり、デジタルプラットフォーマーというのは、全くこれまでにないビジネスモデルということで、幾つかの特徴を持っております。それで、今御指摘ございましたとおり、一つ特徴として、いわゆるネットワーク効果が働く結果として、規模も非常に大きくなりますので、グローバルに活動するようなデジタルプラットフォーマーが非常に多い。しかも、一つデジタルプラットフォーマー幾つかの事業を兼ね備えて実施するという場合も多いという特徴がございます。  したがいまして、今回、私ども、このデジタルプラットフォーマー取引透明性公平性についての法案提出させていただいているわけでございますけれども、その検討に当たりましてはEUの規則も参考にしたという例にあらわれておりますとおり、こうした施策の実施に当たりましては、国際的な連携がまず非常に大事になってくるというふうに考えております。したがいまして、この法案の施行に当たりましても、関係諸国、さまざまな諸外国との間でも連携をしていくということが大事であるというふうに考えております。  また、全く新しいビジネスモデルでありますことから、それに対する規制あり方についても、これまでの手法とは異なるような手法を採用する必要があろうかと思います。  この委員会でも、参考人質疑も含めて御議論があったかと承知しておりますけれども、特にデジタルプラットフォーマーという取引実態については、何よりもデジタルプラットフォーマー自身にたくさんの情報データがあるという実態がございますので、できるだけそういうものを積極的にデジタルプラットフォーマー側が開示するような環境をつくることを通じて適切な規律を導入したいというふうに考えてございまして、この法案の中で、毎年度、運営状況に関する報告の提出を受けて、取引透明性公正性状況を評価することとしておりますのは、いわば、そうした共同規制やある意味での対話型の規制導入することを通じてそうした環境をつくっていきたいという考え方に基づくものでございます。  以上でございます。
  13. 國場幸之助

    國場委員 ありがとうございました。
  14. 富田茂之

    富田委員長 次に、鰐淵洋子君。
  15. 鰐淵洋子

    鰐淵委員 公明党の鰐淵洋子でございます。よろしくお願いいたします。  まず、新型コロナウイルス感染症対策について質問させていただきたいと思います。  十五日に、日本政策金融公庫が、政府緊急事態宣言対象都府県の五十支店営業時間を短縮すると発表しました。午前九時から午後五時まででしたが、これを午後三時までに短縮するということでございます。これは、中小零細企業皆様相談申請申込みが殺到しており、支店の三密リスクが高まっていることに対応するためとのことでした。公庫の職員の皆様、そして訪問される皆様の健康と命を守るためにはいたし方ない対応かもしれませんが、ただ、この体制で引き続き相談申請に応じていただけるのか、不安も残ります。  また、営業時間が短縮されたということで、逆に三密リスクが今まで以上に高まってしまう可能性もあるかと思います。このような懸念事項がありますけれども、これまでも実施されておりますインターネット郵送による融資の申込み、これにしっかりと、更に力を入れていただき、迅速に対応していただきたいと思いますし、そして、このことも含めまして、広く関係者皆様に周知していただきたいと思います。  中小企業庁の御対応をお伺いいたします。
  16. 奈須野太

    奈須野政府参考人 お答え申し上げます。  日本政策金融公庫としては、新型コロナウイルス感染拡大を防止するため、店頭で多くのお客様をお待たせすることは適切でないという観点から、電話による相談インターネット郵送での借入れ申込みを可能にしております。また、御来店いただく場合でも、他のお客様との接触を減らすというため、事前にアポイントメントをとることを可能としていきます。  今回、政府緊急事態宣言が発出された七都府県に所在する五十の支店窓口営業時間を平日十五時までに変更したということですけれども、これは、十五時をもって店舗の営業を終了するというわけではございません。御事情があって十五時から十七時までにしか御来店ができないお客様については、これまでと同様に、事前予約などをいただければ十五時以降でも対応することに変更はございません。また、電話での対応も引き続き十七時まで実施しております。  経済産業省としても、インターネット郵送での申込みができるということ、それから今回の窓口営業時間の変更の趣旨、内容について事業者に周知するとともに、日本政策金融公庫に対しても、事業者利便性を損なわないよう、しっかりと指導してまいりたいと考えております。
  17. 鰐淵洋子

    鰐淵委員 ありがとうございました。  ただ営業時間が短縮されるという御連絡だけでは、やはり対応していただけないんじゃないか、そういう不安がますます高まりますので、今、御答弁いただきました対応インターネット、また郵送申込み可能である、また電話対応もしっかりとする、だから安心してくださいという、そういったメッセージもしっかりと含めて、周知をお願いしたいと思っております。  その上で、念のため確認をさせていただきたいんですが、営業時間が短縮されますのは、さきに緊急事態宣言が発出されました七都府県、現在のところ七都府県の五十店舗でよいのか、改めて、ちょっと確認をさせていただきたいと思います。
  18. 奈須野太

    奈須野政府参考人 お尋ねのとおりでございます。七都府県の五十支店ということでございます。
  19. 鰐淵洋子

    鰐淵委員 ありがとうございました。  窓口の方も含めて、本当に現場の方も一生懸命対応していただいていると思いますが、引き続き丁寧に、そして迅速な対応をお願い申し上げたいと思います。  それでは、ここからは特定プラットフォームの透明性及び公正性向上に関する法律案につきまして質問をさせていただきたいと思います。  デジタルプラットフォーム企業が提供するサービスは、新たなサービスチャンスの提供や国民生活利便性を飛躍的に向上させており、社会で大きな役割を果たすようになりました。実際に、オンラインショッピングモールやアプリストアを利用する中小企業やベンチャー企業などが商品やサービスを地方や海外の顧客にも販売できるようになるなど、大きなメリットをもたらしております。  一方で、政府が行った調査の結果、一部の市場におきまして、取引条件の変更について事前の通知や説明が十分になされていないといった中小企業を始めとする利用者の声が聞こえてきておりまして、不透明な取引実態が明らかとなっております。社会にとって重要性がますます高まっているデジタルプラットフォームについて、その健全な発展が求められております。また、デジタルプラットフォームを利用する中小企業などのために、取引透明性公正性をしっかり確保することも重要です。  今回の法案でどのように対応されるのか、経済産業省にお伺いしたいと思います。
  20. 中野洋昌

    中野大臣政務官 鰐淵委員にお答え申し上げます。  まさに委員指摘のとおり、デジタルプラットフォーム事業者イノベーションの担い手でございまして、中小企業等に対しまして、さまざまなメリットをもたらしているということは事実でございます。  他方、あるデジタルプラットフォームを利用する事業者あるいは消費者がふえるほど、そのデジタルプラットフォームの利便性が増すという、いわゆるネットワーク効果が著しく働く、こういった特徴によりまして、独占や寡占が生じやすい、中小企業等が一部のデジタルプラットフォームを利用せざるを得ない、こういう側面が生じやすい、こういうこともございます。  そこで、先ほど委員からもお話がございましたとおり、二〇一九年に公正取引委員会が、特に懸念の声が多かったオンラインモール、またアプリストアにつきまして取引実態調査を実施をいたしました。その結果、オンラインモールでは約六割、アプリストアでは約五割の取引先の事業者が一部のデジタルプラットフォームに売上げを依存している、それを利用せざるを得ない状況にある、こういうことも判明してきております。  また、実態調査の結果、先ほど委員からも御指摘がございました、例えば、事前の説明もないままに規約が一方的に変更される、あるいは取引拒絶の理由が示されない、取引事業者の問合せや意見に対応する体制、手続が不十分、こうした取引環境上の課題の存在が明らかとなってございます。  こうした課題対応するため、本法案では、特定デジタルプラットフォーム事業者に対しまして、一つは、取引条件等の情報の開示を求めることとしております。そしてまた、運営の公正性確保するための自主的な手続、体制の整備を求めることとしております。そして三点目として、これらの取組状況自己評価につきまして毎年度、行政庁への報告を求める、そして政府が評価を行う、こういうことを措置してございます。  これらの措置を通じまして、特定デジタルプラットフォーム事業者特定デジタルプラットフォームを利用する中小企業との間の取引透明性公正性、これをしっかりと確保してまいりたいと思います。
  21. 鰐淵洋子

    鰐淵委員 ありがとうございました。  今答弁の中にもございましたけれども、取引の適正化とイノベーションのバランスということで引き続き質問させていただきたいと思っております。  このデジタルプラットフォームは、中小企業などに対しまして、先ほども申し上げましたが、新たなビジネスチャンスを提供したり、国民生活を支えたりと大変に大きな役割を果たしているわけですけれども、最近ですと、新型コロナウイルス感染症拡大によりまして外出自粛が続いておりますので、家にいながら買物をすることができるオンラインショッピングモールは大変に重要な役割を果たしております。こうしたデジタルプラットフォームの発展を妨げないためにも、イノベーションを過度に阻害しないよう、規制は最小限のものとすることが重要と考えております。  今回の法案におきまして、取引の適正化とイノベーションのバランスに関しどのように対応していくのか、お伺いしたいと思います。
  22. 西山圭太

    西山政府参考人 お答え申し上げます。  今委員から御指摘ございましたとおり、いわゆるデジタルプラットフォームという事業については、企業活動や日常生活に有益なさまざまなサービスを提供しておりまして、現在のような環境のもとで、オンラインでさまざまな活動をすることをサポートするような基盤にもなっているということもございますので、この法案におきましては、透明性公正性確保するのに当たりまして、イノベーションを阻害しないようにバランスをとることが重要だというふうに考えております。  具体的には、この法案に「基本理念」という条文を盛り込んでおりますけれども、その中で、特定デジタルプラットフォーム透明性公正性向上を図るに当たっては、特定デジタルプラットフォーム事業者による自主的な取組を基本とし、国の関与を必要最小限にする旨など、まさに基本理念を定めており、それに基づいて法の施行を図ることとしております。  他方において、もちろん取引の適正化の確保ということも必要でございますので、取引条件の開示など取引透明性公正性の根幹にかかわるような問題については、必要に応じて勧告、命令、あるいは罰則が科されるといったような手続も準備をしておるところでございます。  そうしたような理念に基づいて、例えば、毎年事業者から運営状況について報告を受け、それに対して、取引先の事業者や消費者の意見も聞いた上で評価を行うなど、全体として対話型の規制導入することで、自主的な取組と取引の適正化のバランスを図ってまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。
  23. 鰐淵洋子

    鰐淵委員 ありがとうございました。  取引の適正化とイノベーションのバランスということで、これを図る上で、モニタリングレビューも大変に重要になってくるかと思っておりまして、これも先日の参考人でも御意見を伺いました。ちょっと時間の関係でこれは要望にさせていただきたいと思いますけれども、やはりこれは、デジタルプラットフォームの自主的な取組を促すための仕組みということで、そういったものにしていただきたいと思っておりますし、また、それを横展開できるような、そういったものにしていただきたいということで、要望とさせていただきたいと思っております。  次の質問に入らせていただきたいと思いますが、消費者の保護ということで、関連して質問させていただきたいと思っております。  本法案は、デジタルプラットフォームの提供者と中小企業等との間の取引透明性公正性向上を図るものと承知をしておりますが、オンラインショッピングモール等のデジタルプラットフォームは消費者も広く利用するものでありますので、本法案の直接の保護対象でないとしても、消費者の観点を忘れてはならないと思っております。  デジタルプラットフォーム提供者と中小企業などの商品等提供利用者だけでなく、デジタルプラットフォームを利用する消費者の利益の保護とのバランスも重要と考えますが、今回の法案でどのように対応されるのか、お伺いしたいと思います。
  24. 西山圭太

    西山政府参考人 お答え申し上げます。  今委員の御質問にございましたとおり、この法案そのものは、特定デジタルプラットフォーム事業者とそれを利用する中小企業等との間の取引の透明化あるいは公正化を目的とするものでございますが、他方において、デジタルプラットフォームについては多くの消費者の方が利用されるという実態がございます。  そうした中で、このデジタルプラットフォームの利用に関する消費者の保護ですとかあるいは個人情報保護の問題は、基本的には本法案以外の規律、例えば特定商取引法などの消費者保護法制や個人情報保護法で対処されるものだというふうに考えております。  ただし、本法案目的の達成のために必要な範囲で、消費者の利益に資する措置も法案の中に盛り込んでおります。  例えば、特定デジタルプラットフォームにおいて、商品等を検索する際の順位を決定する基本的な事項を開示することとなっておりますが、これは消費者に向けても開示をすることとしております。またさらに、特定デジタルプラットフォーム運営状況政府が評価することとなっておるわけですけれども、その際には、特定デジタルプラットフォームを利用する中小企業などに加えまして、消費者などさまざまな関係者の意見を聞いた上で、全体として相互理解の増進を図ってまいりたいというふうに考えてございます。  こうした取組を通じまして、また他の施策ともあわせまして、特定デジタルプラットフォームを利用する中小企業等の取引事業者のみならず、消費者の利益にも配慮し、取引透明性及び公正性向上を図ってまいりたいと存じます。  以上でございます。
  25. 鰐淵洋子

    鰐淵委員 ありがとうございました。  基本的に、消費者の保護は消費者保護法制の中で対処されるというのが前提かと思いますが、消費者、利用者の皆様がいて成り立つものでもありますので、ぜひとも引き続き、消費者保護という観点、大事にしていただきたいと思います。  関連してお伺いしたいと思いますが、三月六日の当委員会でマスクの転売について質問させていただきました。その後、対応していただきまして、状況が変わっているかと思いますので、大変申しわけありません、時間の関係で、政府のその後の対応によって状況はどう変わったかということを消費者庁にお伺いしたいと思います。  その上で、これからも、今回のようなマスクの転売、例えば生活必需品、また皆さんが必要とするもの、例えば体温計とか食料品とか、そういったものがまた悪質な転売に利用される可能性もあるかと思いますが、こういった行為にどう対応していくのかということで、消費者庁と経産省に最後、お伺いをしたいと思います。
  26. 高島竜祐

    高島政府参考人 お答え申し上げます。  委員からお話ございましたとおり、三月の十五日に国民生活安定緊急措置法施行令の一部を改正する政令が施行されまして、マスクの転売行為が禁止となったところでございます。これは個人対象でございまして、購入価格を超える価格でマスクの転売を行った場合には処罰の対象となり得るものでございます。  これを受けまして、現状では、一部のオンラインフリーマーケットにおきまして、マスクの出品が禁止されているところと承知をしております。  消費者庁としても、大臣メッセージの発出でございますとか、QアンドAの周知、広報、それから、全国の消費生活センターに協力依頼文書も発出をいたしまして、マスクの転売禁止に関する消費生活相談に適切に対応ができるようにしたところでございます。  この転売禁止が実効的なものとなりますように、今後とも関係省庁と連携して取り組んでまいりたいと思います。  それから、もう一つ質問のございました、今後その他の転売がという点でございますけれども、消費者庁といたしましては、自身の消費行動が内外の社会経済情勢に影響を及ぼし得るものであることを消費者の方々一人一人が自覚をして、事業者とも協同して、公正かつ持続的な社会の形成に積極的に参画していく社会、いわゆる消費者市民社会実現を推進していく必要があるというふうに思っております。  こういう考え方に照らしますと、新型コロナウイルスの感染が拡大している現状におきましては、マスクや生活に必要な食料品等の物資が、必要とする消費者に届くことが重要でございますので、転売目的の購入は望ましくないというふうに考えております。  この点につきましては、これまでも累次、関係省庁と連携して呼びかけを行ってきたところでございます。引き続き、関係省庁と連携して適切に対応してまいりたいと思っております。
  27. 藤木俊光

    藤木政府参考人 お答え申し上げます。  マスクに関する取組は、今、消費者庁から御答弁あったとおりでございます。  その他の品目につきましても、消費者生活にどのような影響が生ずるか、しっかりウオッチした上で、消費者庁始め関係省庁と協力してしっかり取り組んでまいりたいと考えております。
  28. 鰐淵洋子

    鰐淵委員 以上で終わります。ありがとうございました。
  29. 富田茂之

    富田委員長 次に、山岡達丸君。
  30. 山岡達丸

    ○山岡委員 山岡達丸と申します。  本日もまた、さまざま、全国的にコロナウイルスで厳しい環境が続いている中、こうして国会の中で質問機会をいただきました。委員長始め理事委員皆様に心から感謝申し上げ、質問に入らせていただきたいと思います。  まず、大臣にお伺いいたします。  緊急事態宣言が、対象が全国になるということになりました。私は地元北海道であるんですけれども、北海道は、特定警戒都道府県ということで指定もされました。  事態は本当に刻一刻と変化している中で、やはり当初言われていたころよりも極めて深刻な事態になっているということで、こういう事態になっているんだろうと考えています。  まず、大臣にお伺いいたしますが、今回の緊急事態の、全国に広がったという措置、このことを受けて、経済政策を所管されるお立場として、このことにどう向き合っていかれるのか、まずお伺いしたいと思います。
  31. 梶山弘志

    梶山国務大臣 委員指摘のように、昨日、緊急事態宣言区域が全国に拡大をされました。  まずは感染拡大の防止、重症化の防止が最優先ということでありまして、人と人との接触機会を極力減らすために、私どもが所管する企業における出勤者の削減の取組など、最大限の協力をお願いしていくとともに、従来の仕事でありますけれども、生活物資が製造、流通、小売の現場で滞らないように、また不足にならないように、最善の注意を払っていくということ。  そしてまた、電力、ガスなどのライフラインと言われるインフラについても、更にフェーズが変わったということで、確認をしながらしっかりと維持ができることを対応してまいりたいと思いますし、そして、これまでも何度も御答弁をしておりますけれども、日本中小企業をしっかりと支えていかなくちゃならない、事業の継続、雇用の維持、このために、資金繰りそして支援というものを、最大限の努力をしてまいりたいと思っております。
  32. 山岡達丸

    ○山岡委員 今大臣が、フェーズが変わったというお話もいただきました。  私、北海道で選出させていただいている身として、北海道をずっと見てきた身として、あえて大臣にもう一つ伺いたいんですけれども、北海道は、一月の末、二月のころからコロナウイルス拡大が始まり、そして自主的な緊急事態宣言ということもあって、三月を頑張れば少しは開けてくるのかなということになったら、緊急事態宣言でまた大都市が選定される。そして、また今回、北海道も含めて全国に広がり、そして特定警戒都道府県ということに指定されて、北海道の中小事業者、本当に企業全体の方、あるいは生活者も含めてそうですが、の思いとしては、フェーズが変わったという全国の思いとはまた違って、フェーズが延び続けて終わらない、極めて長期にわたって自粛と、そしてまた経済的な疲弊が続いている。これは、当初、国内の消費が落ち込む前から、海外からの観光客が中心であった北海道の経済に大きく打撃を与える中に重なっているという実態であります。  大臣にぜひお伺いしたいんですけれども、こうした特定警戒都道府県にも指定された北海道、先日の答弁では、北海道からいろいろな提案があればそこにきちっと向き合っていきたいというお話もいただきましたけれども、この事態にあって、大臣として今この地域にどう向き合っていただけるか、このこともあわせて伺いたいと思います。
  33. 梶山弘志

    梶山国務大臣 さまざまな産業が影響を受けておりますが、特に観光業、大変大きな影響を受けていると思っております。そういった中で最大限の支援をしてまいりたいと思っておりますけれども、北海道からいろいろなまた御提案をいただければ対応してまいりたいと思いますし、私どもも、今ある制度をとにかく使ってもらわなくちゃならないという中で、いかに簡素化をして、早く迅速に使っていただけるか、そしてお手元にその資金が届く形にするかということに最善を尽くしてまいりたいと思っております。  北海道だけ切り取ってこれをということではなくて、御提案があれば何でも対応したい、検討もしてまいりたいと思っております。
  34. 山岡達丸

    ○山岡委員 ありがとうございます。  もちろん、北海道だけではなくて全国的に本当に厳しい中でありますけれども、私の身近な地域としての見解をお伺いさせていただきまして、本当にそうした心意気を伺う中で、ぜひまたしっかりと、この事業者経済産業大臣として救っていただきたいといいますか、この状況の改善にぜひお力を貸していただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。  今回、法案質疑なわけでありますが、ちょっとまず初めに、やはりこれだけ世界的にも国内的にも大きな課題となっているコロナウイルス対応について、少し私も質問をさせていただければと思います。  経済産業省関係の補正予算案というのがもう公示されておりますので、恐らく委員皆様も、皆さんお目を通されておられることと思います。持続化給付金というのが二兆三千百七十六億、組まれているわけでありますけれども、いわゆる法人の方には二百万、個人事業主の方には百万、特定の月が五〇%以上落ち込んだ方には支給するというこの仕組みについて、本当に私の地域でも連日このことについての問合せをいただいている。それぐらい期待の大きいといいますか、それぐらい厳しい状況がここまで続いてきた中で、やはり、真水でという表現をすると、まあ我々の言葉でありますけれども、本当に給付をされるということを心から望んでいるという状況であります。  また、この二兆三千億が組まれたということは私は英断だと思いますし、これは取組としてはぜひ迅速に進めていただきたいわけでありますが、一方で、これもほかの委員会、あるいはさまざま、さんざん出ておりますけれども、コロナ終息後の措置についても一兆六千七百九十四億円、これは経産省のみならずということでありますけれども、政府全体として組んでいるという状況であります。  終息後に、観光とか運輸とか飲食とかイベントの消費喚起を大々的にやっていくんだということで、確かに、一兆七千億円ぐらいの予算規模というのは、これは多分前代未聞の大きさなんじゃないかなということも規模感でいえば感じるところでありますが、しかし、先ほど大臣も最初におっしゃいました。全国的に見ればフェーズが変わって、そして今、緊急事態宣言も全国に広がり、このコロナ終息後の措置というのが一体いつになるのか、ますます見えないという状況であります。  この補正予算の話が出たのは、今月の初めのころから組んでおられるんでしょうから、そのころに比べても今局面が違っているということを考えたときに、大臣にお伺いしますけれども、やはり、終息後の措置、ここに予算をこれだけ組むんだったら、事業者給付、こちらの方に回して、もう一回、第二弾をやるのか、支援拡大するのか、範囲を広げるのか、そのことを今、たまたま、全国民への給付という、ほぼ全ての野党はそれを推し、そして恐らく与党の皆様もそういうことをやりたいと思っている方が多くおられる中で、ようやく官邸の方でそのことが検討が始まったということで、補正予算も組み替えをしようという動きがあります。コロナの先が見えない中で、この事業者の給付金も、あわせて拡充を検討するべきではありませんか。大臣にお伺いします。
  35. 梶山弘志

    梶山国務大臣 まずは、今の段階では、コロナの感染拡大の防止、そして重症化の防止というのが最優先であると思っております。そして、その中で今、中小企業、その企業の継続、そして雇用の維持というものも考えていかなければならないと思っております。  先般、ヒアリングを各産業にいたしました。そういった中で、今回の給付金のこと、そして、無利子無担保の融資に関しましてできるだけ窓口を広げて多くの方に利用していただく、今、混雑している政府系金融機関の窓口だけでは足りないということで、民間金融機関も使えるようにした。さらに、そういったこととともに、観光の業者から、将来の見通しというのも少し明るい兆しを出してくれということも言われました。このままじゃないだろうな、観光が落ち込んだけれども、その後、日本は観光立国だと言っているんだから、しっかりとした対応策というのを我々に見せてくれ、そのことによって頑張れるというお話もあったのも事実であります。  そういった形でこの補正予算を組ませていただいたんですが、同時並行ではありません。まずは今をどうするかということだと思っております。そして、この中小企業対応企業対応というものが足りなければ、しっかりとまた措置をしていくということであります。  先のことばかり言っているわけではありませんでして、先のことについても、もし終息したらということで、この後、こういう形で、予算規模も見せた上で、皆さんに希望を持っていただくという意味でこういう計上をさせていただきましたけれども、今が足りなければしっかりとした措置をしていくという考え方に変わりはございません。
  36. 山岡達丸

    ○山岡委員 大臣にあえてもう一つ伺いますね。  今お話ありました、ヒアリングをしたそのタイミングも、恐らくこの予算を組む前にやっているわけでありますから、そのときとフェーズは違うんだと思いますが、しかし、そのとき確かに、おっしゃったように、先のことも希望を持ちたいという思いで、声もあった、メッセージとしてこのことを組んだ、その心意気は私はすばらしいことだと思います。しかしながら、フェーズが変わっていく中で、この予算を組んで、一兆七千億も積んでおいて、終息が来なければ、例えば消費喚起キャンペーンというのをやって、その結果コロナウイルスが更に拡大になるなんということがあれば、これは政府ももたないわけでありますから、それはできないわけでありますよ。  ですから、私からあえて申し上げますが、例えば夏までにコロナウイルス拡大がおさまらなかったと。秋になれば国会があります。臨時国会を開けば補正予算をそこで組むこともできるんですよ。そのときにも一兆七千億が使えないまま、浮いたままで、これが将来のためのお金だと言い続けるよりは、例えば夏までにおさまらなければ、この今組んである、おさまった後の予算を、事業者給付とかそういう事業者救済のために回すべきだと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
  37. 梶山弘志

    梶山国務大臣 あくまでも、同時並行ではなくて、先のことでこれは組ませていただいたということでありまして、企業関係で足りないものがあれば、しっかりと措置をしていくということであります。家族が病気になれば、一般の例えでありますけれども、借金をしてでもやはりその病気を治すためのことをするのが当たり前のことでありますから、それと同様に、足りないものはしっかりと措置をしていくということであります。
  38. 山岡達丸

    ○山岡委員 足りないものは措置をしていくということを何度もおっしゃっていただいているので、その言葉を強く私たちも胸に刻んで、やはり地域の声に更に耳を傾けていきたいと思いますので、引き続き、いろいろな提案といろいろな声をお寄せさせていただきたいので、ぜひまた御答弁をいただければと思います。  今お話にもありました、当座を乗り切るんだというお話があった中で、これまでも各委員皆様からさんざん質問が出ておりますけれども、やはり金融支援というのが今、当座の資金繰りでは一番重要な、大切なものであるという理解はそのとおりであろうと思っております。  私の地域政府系金融機関も本当に対応に頑張っていただいています。やればやるほどいろいろなケースがありますので、単純に貸付けをできるということじゃなくても、解決できる課題はクリアにしながら迅速に対応していただいているということで、本当に敬意を表するところであります。  この件について、我が会派の落合委員質問を先日されていましたけれども、例えば、既に債務を抱えている、お金を借りているという方に対しても、これはやはり、このコロナのことを思えば、きちんとした柔軟な貸付けをするべきではないかという話について、大臣も、その借金を、例えばほかに金融機関の借入れがあることをもって、そのことをもってのみでは判断しないという御答弁もいただいているわけであります。  私はもう少し踏み込んだ話を伺いたいと思うんですけれども、私がやはりいろいろ相談を受けて取り扱っているケースの中で、例えば観光業とか、老舗の大きなところは、最近は、外国人観光客が多く入ったりとかいろいろしている中で、収支は黒になっていたりしますけれども、長い歴史があったりするものであります。その積み上げの中で、債務が積み上がっていって、例えば、サービサーがその債権を持っている、でも、収支がいいものですから、サービサーとのつき合いも良好で、一括の返済を求められないまま今日まで来ている、あるいは債権回収機構のRCCが債権を持っているというケースの案件も、私の地域にありました。  金融機関のほかのところから借入れしているというケースは、また一歩進んでいて、契約を切られると常に一括の返済を求められてしまう、こういうケースもあるんだということも私も知りました。  しかし、ずっと経営を良好に続けてきて、最近の外国人のインバウンドの入りの中でやってきて、ようやくいろいろそういうめどが立ってきたやさきに、このコロナのことで一気に落ち込んで、しかし、関係が良好だ良好だと幾ら言っても、やはり形としては一括返済を求められたらどうなるんだということが心配になるということで、政策金融公庫やそういう政府系金融機関も、この件に関して極めてやはり悩ましいところなんだと思っております。  ですが、やはり、地域にとっては、利用者もたくさんいて、歴史もあって、そうした老舗の観光業とか大型の施設とかに対しても、やはり踏み込んだ対応をしていただきたいという思いであります。それは、御本人の責任じゃなくて、やはりコロナウイルスによる自粛、このことによって、経営がようやく上向いてきたのが今危うくなっているという実態があるからであります。  このことについて大臣から御見解をお寄せいただきたいと思います。
  39. 梶山弘志

    梶山国務大臣 これまでの委員会でもお答えしていますとおり、金融機関に対しましては、金融担当大臣と連名でそういう文書を発出をさせていただきましたし、政府系金融機関についても再三、私の方から、柔軟にという話をしております。  委員指摘のような、多額の借入れを抱えつつも新型コロナウイルス感染症拡大する直前まで問題なく事業ができていた事業者が、融資を断られたという声があることも承知をしておりますけれども、そういった件につきましても、また話があれば政府系金融機関に私の方から伝えて、また、そういった件も柔軟にもう一度話を聞くようにということを、個別の案件は指定しておりませんけれども、大体地域はわかりますから、そういった形で指導をしているところであります。  このため、政府系金融機関等に対しまして、融資審査に際して、融資先の赤字や債務超過、貸出条件の変更で形式的な判断をせずに、事業者の実情に応じて最大限配慮することはもとより、こうした対応が徹底されるように必要な措置を講じて、本店、各支店に対して周知徹底すること、代表であるとか本店に言っても下まで伝わっていないという声も聞こえますから、それもまた再三、今指導をしているところであります。  さらに、財務状況が悪化して資金調達が困難な事業者に対しましては、中小企業再生支援協議会が、金融機関の支援姿勢を確認の上で、一括して元金返済猶予の要請を実施するとともに、更に踏み込んだ事業再生支援も行うこととしているところでもあります。  全力を挙げて、それぞれの個別の事情を勘案しながら、しっかりとした金融支援ができるように、また最大限の努力をしてまいりたいと思っております。
  40. 山岡達丸

    ○山岡委員 ありがとうございます。  本当に、柔軟に対応する、そしてきめ細やかに向き合っていただくんだということが御答弁の中でもお話があったものですから、ぜひ本当に、それぞれ委員皆様地域にもいろいろな御事情の事業者があろうかと思いますが、しかし、コロナウイルスによって結果として倒産させてしまうということは一つでも防いでいかなきゃいけないという思いでありますので、ぜひ個別のケースについても向き合っていただきたいということも、重ねてお願いさせていただきたいと思います。  そして、金融のことでもう一つ、今の御答弁と少し重なるかもしれないんですが、あえて伺いたいんです。  個別の事業者さんでも、北海道においては二月ごろからもう資金の借入れを始めた方も多くおられます。しかし、お話にもあったように、三月、四月とフェーズが変わり、そしてフェーズが終わらない、長く続いているという実態がある中で、最初、二月ごろに借りた方が、五月ぐらいまでの見通しで、資金繰りの計画で借りたりとかしているわけであります。  とはいえ、多額のお金でありますから、一回直近に金融機関に借りた中で、もう一回追加的に借りに行くというのは心理的にもハードルが高く、とはいえ、それをしないともう、自分の見通しが甘かったという反省も持ちながらも、やはり、でもそれをしないともたないという実態のケースも私、相談を受けたりとかしています。  こういう方に、もちろん今のお話にあるように柔軟に対応するんだというお話なんだと思いますけれども、やはりきちんとしたメッセージを大臣からも出していただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
  41. 梶山弘志

    梶山国務大臣 新型コロナウイルス感染症拡大の影響により売上げが急減した中小・小規模事業者に対しましては、今ずっと議論してきています日本政策金融公庫等による実質無利子無担保、最長五年間元金返済据置きの融資という強力な資金繰り支援を講じてきたところであります。  今委員からお話がありまして、更にまた資金がショートする可能性があるというような場合ですけれども、これは複数回でも御利用も可能であります。この状況が延びているということですから、最初の状況で、そして、別な状況が入ってきたということではなくて、コロナウイルス感染拡大の局面が長期化しているということでありますから、そういった事情、理由も含めて、複数の利用が可能であると思っております。  個別のそれぞれの事情もおありになるでしょうけれども、原則として複数が可能だということで御理解をいただきたいと思います。
  42. 山岡達丸

    ○山岡委員 御答弁いただき、ありがとうございます。  私は、あえてこの場で取り上げているのは、こういうケース、恐らく皆様も多くあられようと思いますので、こういうことでちゅうちょされて結果的に倒れてしまうような事業者はやはり一つでも全国的にも減らしていかなきゃいけないと思っておりますので、あえてこうした事例の御紹介もさせていただきました。大臣から御答弁もいただきましたので、私もそういう説明をしっかりと地域にしてまいりたいと思っております。  ちょっと地域のことで伺うんですが、私は今、北海道の苫小牧という、港町でもあるんですけれども、ものづくりの町でもある、そういう地域を活動エリアに持たせていただいているところであります。また、室蘭という鉄の町、鉄鋼の町も抱えているところであります。  ここは、例えば苫小牧であれば、製油所、石油精製の設備がありまして、具体的に言うと出光さんなんですけれども、メンテナンスが二年に一度あります。これが数千人規模地域に入ってきます。これがやはり地域にとっては経済的な支えにもなっているという実態があるわけです。  法定点検でもあるわけでありますから、当然、入ってこられるというのはもうこれは変わらないわけでありますし、町の商店等もこれを見込んだ経営計画をつくっているという実態であるわけでありますが、しかし一方で、数千人が地域外から多く自分たちの地域に入ってくるということについて、ある種の不安もあるという実態であります。これは、しっかりとやはりメンテナンスも入っていただきたいし、あるいは、室蘭の日本製鉄というところでは、今回、高炉の改修で多くの方が入ってくるということもあります。  やはり、安心、安全な状況でしっかりと地域に、地域皆様にそういう安心、安全な思いを持っていただくためにも、ぜひ大臣から、こういうメンテナンスとか、あるいは改修工事とか、恐らく私の地域だけじゃありません、全国、こういう大量の方が、大量といいますか、多くの方が地域に入るという事例はあろうかと思いますけれども、こうした企業に対して、しっかりと、やはり事前のそれぞれの働き手の方の体調管理、安心な環境をつくって入っていく、そのことに十分に配慮していくべきだということを指導していただきたいという思いでありますが、大臣、所見はいかがでしょうか。
  43. 梶山弘志

    梶山国務大臣 委員の御地元、今、苫小牧市についてお話がありましたが、苫小牧市の製油所や室蘭市の製鉄所は、日本のエネルギー供給や日本経済を支えていることに加えまして、地元経済にとっても重要な存在であることは承知しております。そして、定期点検というのも、地元の宿泊業であるとか飲食店にとっては予定に入る需要ということでありまして、当てにしているということもよく存じ上げております。  こうした事業所の設備の安全かつ安定的な稼働を維持するために、民間企業による定期修繕などの工事は必要な取組であると、一方でも認識しております。  昨日、緊急事態宣言が全国に拡大されたように、国内における新型コロナウイルス感染拡大防止に当たって重要な局面を迎えておりまして、工事に当たっては多くの作業員が従事することから、新型コロナウイルス感染症拡大防止の徹底は極めて重要でありますし、所管をする経済産業省としてしっかりと指導してまいりたいと思っております。  定期保安検査等、産業保安規則の一部について、事業者が柔軟な対応ができるように、検査期限の延長を可能とする制度改正も行ったところであります。  ほかのコンビナート等でも委員と同じような御心配がありまして、どうにかならないかというような話も数多くあるわけでありまして、その場合には、自治体と事業者とそして地域の住民でよく話し合った上で、それらを延期することが可能な制度にしてありますので、ぜひそういったものも含めて、自治体とよく話し合っていただきたいと思っております。  十分な感染措置を講ずるように、石油会社、製鉄会社、保守メンテナンス会社を始め、民間企業に対して改めてしっかりと指導するとともに、そういった制度改正も御理解いただいた上で、民間企業に対してもそういったものも周知をしていただきたいと思いますし、私どもももう一度周知を徹底したいと思っております。
  44. 山岡達丸

    ○山岡委員 大臣、ありがとうございます。  今、柔軟に対応することもできるというお話がありましたけれども、四カ月ということであります。夏の四カ月後は北海道は真冬でございまして、なかなか、北海道としては恐らく夏、秋、この時期になろうと思います。  よい関係をこれまでも地域としてはつくっておりますので、そのことも含めて、きちんと、大臣から、そうしたお話も企業の皆さんに周知していただけるということでありますから、ぜひ今後も注視していただいて、このことについてもまた向き合っていただければと思います。  少し風評被害のことも伺いたいと思います。  残念なことに、全国的に新型コロナウイルスがこれだけ広がっていく中で、感染者になられた方もおられるわけであります。お亡くなりになられてしまった方には心から御冥福をお祈りしたいと思います。  一方で、既に治癒された、もう治られた方もいらっしゃるわけであります。コロナウイルスが出た事業所は、当然休みをとって、消毒をして、その事業所は再開するわけであります。それは商店でもあり、医療機関でもあり、いろいろあるわけでありますけれども、しかし、やはり、そうした風評被害、あそこはそういうことがあったということが残るという実態もやはりあるわけであります。  もう一つ、私が、つい最近あった事案として、コロナウイルスを出しているわけではないんですが、経済的に厳しくて飲食店とかが一定期間休業されたというケース、張り紙を出されたケースがありました。ところが、これが、どうやらあそこはコロナウイルスを出したから休業しているらしいといううわさにつながっているということに直面をいたしました。  こういうケースだと、本当にいろいろな形で、こういう、治っていてもう問題もないのに言われるケースや、そういうこともなかったのに言われるケースとか、いろいろあろうかと思います。  解決方法がなかなか難しい案件ではあるんですけれども、この風評被害に対しての対応ということに、大臣、どのように向き合っていかれるか、このことを伺わせてください。
  45. 梶山弘志

    梶山国務大臣 風評が経営に与える影響ということになりますと、やはりしっかりとした資金支援をしていくということになろうかと思います。  個別の風評被害については、地域の自治体であるとか、また地域の商工会議所、商工会、その払拭のために取組をしていただきたいと思っておりますし、その取組に関してまたしっかりとした支援をしてまいりたいと考えております。
  46. 山岡達丸

    ○山岡委員 ありがとうございます。  本当に、こういうケースも全国的にこれからまたふえていくのではないかということが心配されるわけであります。コロナウイルスという見えないものに対して、私たちが、どういうことが起こって、どう向き合わなきゃいけないのかということを、本当にさまざま、こうしたことを体感しながら、一つ一つ政治の中で解決していかなければならないというふうに思うところであります。  この風評被害にも少し関連するんですけれども、私の地元苫小牧市では、コロナウイルスの感染者の拡大を見込んでといいますか、検査をして、もしそういう方がふえてきたことの状況の体制を見込んで、やはり受入れの医療機関がどうしても少ないという実態があります。  きょうは、北海道で選出されておられます稲津副大臣がお越しいただいておりますので、厚労省のマターということで、稲津副大臣にぜひまた伺いたいということで、きょうは質問をさせていただきます。  苫小牧の医師会が、既にとあるホテルと打合せを行って、場合によってはもう受け入れるよということを今内々に話を詰めていまして、北海道の保健所にもそういう要請をしているという状況であります。  ホテルも、経営的にも厳しくなっているのもあるんですけれども、やはり、この事態の中で、世の中のために何か貢献したいんだという思いの中で、地元の医師会とそういう話をしていただいているものと理解しているところであります。  こうしたホテルにもちろん風評なんてものがあってはならないということを思いますし、あわせて、場所提供に協力しようという、こういうホテルの動きに対して、政府として、必要な支援といいますか、必要な対応をしていくべきだというふうに考えますが、副大臣、いかがでしょうか。
  47. 稲津久

    ○稲津副大臣 お答えさせていただきます。  まず、苫小牧市の事例については、詳細を把握しておりませんので、そこはお許しいただいて、一般論として申し上げたいと思います。  その前に、北海道が全国に先駆けて、これは自主的ですけれども、緊急事態宣言を発令をして、そしてその知事のもとに、さまざまな方々の御協力をいただいて、感染者の発生が非常に少なくなってきて、そうした経過の中でありましたけれども、その後、感染者が増加するということで大変懸念しておりましたが、昨日の全国の緊急事態宣言で、その中に、北海道を始め幾つかの地域が特定警戒緊急事態宣言区域というふうになりまして、一層、これまで以上にまた、苫小牧の医療関係者の方々、医師会の皆さんを始め、大変なまた御協力をいただかなければならない、そして、これまでも大変なお力添えをいただいたことに心から敬意を表させていただきたいと思います。  その上で申し上げたいと思うんですけれども、まず、三月二十八日に決定いたしました基本的対処方針、ここにおいて、今後、患者が増加をして重症者等に対する入院医療の提供に支障を来すおそれがある場合には、入院治療が必要のない軽症者等は自宅療養とする、その際に、家族構成から、高齢者ですとか基礎的疾患をお持ちの御家族がいる、そういう中での自宅での療養というのにやはり感染のおそれがあるという場合には、宿泊施設等での療養を行うなど、家族内の感染のリスクを下げるための取組を講じる、このようにしております。  そうした中で、今お話のあった苫小牧市の軽症者等への療養体制確保のために御協力をいただく、そうした事業者の方々には心から感謝を申し上げたい、このように思うところでございます。  いわゆる軽症者等の療養の関係ですけれども、入院の治療が必要のない軽症者等の療養体制については、四月二日に、自宅療養、宿泊療養の対象者の解除の考え方ですとか、また宿泊療養のマニュアル、自宅療養患者へのフォローアップの仕組みについて、都道府県に周知をさせていただきました。  今、議員からの御質問の中の財政的な支援について触れさせていただきたいと思いますが、今般の緊急経済対策に基づいて創設されます新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金、これは仮称でございますが、これを活用していただいて、各都道府県の状況に応じて進めていく。まず、そういう財政的な仕組みを今回構築をさせていただく。その上で、軽症者の療養体制の確保ですとか自宅療養者の情報通信のフォローアップ、こうしたことはこれからしっかり、その対策も含めて講じていきたいというふうに思っています。  それからもう一点、風評被害のお話がありました。これは決してあってはならないことだと思っております。その防止のために、やはり何といっても国民皆様一人一人が感染症の基本的な知識それから感染予防策、これを正しく理解していただくということが非常に重要でございまして、感染症の発生状況ですとか原因ですとか、そうした正しい、正確な情報を収集また提供することが最も大事と思っておりまして、国民皆様が不当な差別を受けるようなことがないように、厚生労働省としてもわかりやすく正しい情報提供、周知に努めてまいりたい、このように考えております。
  48. 山岡達丸

    ○山岡委員 ありがとうございます。  今、稲津副大臣から思いを込めてのお話もいただきました。稲津副大臣はこの経産委員会委員長もお務めになられたこともあり、また北海道の道議会にも精通されておられるということで、私は今苫小牧の事例をお伝えしましたけれども、先生の御地元も含めて、北海道のいろいろな課題に対してぜひ今後ともいろいろ御指導いただきながら向き合ってまいりたいと思いますので、今の御答弁も含めて、また地域に説明していきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。  副大臣、ありがとうございました。  少し法案の話、きょうは5Gとプラットフォームに関する法案質疑も兼ねておりますので、そのことについて質疑をさせていただきます。  コロナウイルスというのが広がる中で、テレワークを始め、非対面型の社会をつくっていくという流れの中でこの5Gという法案が出てきているというのは、何か少しきっかけとしては奇妙なものを感じるわけでありますけれども、しかし、この5Gという時代の中で、やはりこうしたウイルスにも強い社会づくりというのが、非常にそこにも貢献するのではないかということを期待を寄せるわけであります。  一方で、この5Gという最先端の仕組みが、私は北海道でありますから、いかに地方の都市にもやはりあまねくそうした恩恵がきちんと広がるかどうかということも気になる中で、そのことを後押しをする法案だということを理解するところであります。  一方で、全国5Gというのはキャリアの皆さん、ドコモとか、そういったそれぞれのキャリアが敷設するわけでありますけれども、ローカル5Gという、各事業者や団体が自主的にそのエリアのみを5Gを入れていくということを、後押しをすることもこの法案に含まれているわけであります。  地元の話で、何度もで恐縮でありますが、ものづくりの室蘭という町の日本製鉄室蘭製鉄所、ここでいち早くローカル5Gを自分たちの工場にも入れていきたいんだということを手挙げされていることは大臣も御存じのことだと思っております。設備の遠隔操作、製造ラインに不良が含まれているかのデータ等もしっかりと画像で収集して、そしてあらゆるところからそういう経過を見る中で、人工知能、AI分析して、より効率的な生産体制に変えていこう、そういうことも想定しながら、5G、ローカル5Gを企業としても入れていこうということを今検討しているわけであります。  本当に、日本製鉄というのも世界で戦うものづくり企業でありますけれども、こういう取組を地域が行っていくことによって、また世界にも非常に勝負していくという時代を迎えているんだということを考えるわけであります。  大臣に改めて伺いますが、こうしたローカル5Gに取り組む、この室蘭の日本製鉄もそうですけれども、そうしたところをどう評価されるか、このことをお伺いしたいと思います。
  49. 梶山弘志

    梶山国務大臣 日本製鉄が室蘭製鉄所においてローカル5Gを活用したシステムの構築を準備していることは承知をしております。  最適化する作業の工程、そして、安全を図るため、また労働災害をなくすためという利用の仕方だと思っておりますけれども、日本製鉄というその工場に限らずに、例えば北海道であれば農業もローカル5Gとして使っていくことは大変重要なことであると思っておりますし、従来ある産業との組合せでどう変わっていくか、また、異業種も含めて、幾つもの複数の産業が組み合わさって新たなビジネス産業が生まれて出てくることもあるわけでありまして、特に、やはり地域課題解決のために、5G、知恵を絞って、この使い方を考え出していただきたいと思いますし、利用もしていただきたい。そして、そのための支援もしっかりとしてまいる所存であります。
  50. 山岡達丸

    ○山岡委員 ありがとうございます。ローカル5Gこそ各地域のいろいろな努力とかアイデア、工夫、創意工夫が生かされるものだと思っております。  こうした中で、今回の法案は二年のみの税制優遇なわけでありますけれども、ローカル5Gというのが二年で十分に広がり切るかといえば、その二年後以降こそがまた大きな広がりをするのがローカル5Gだと思っておりますので、これは要望にとどめさせていただきますが、この二年後以降もしっかりとした支援をしていただきたいという思いであります。  あわせて、きょう、政府にお伺いしますが、この法案は、ドローンについても開発等を後押しをしていくという中身になっていると思っております。先日の参考人質疑で、苫小牧で、いわゆるコロナウイルスに打ちかつために、飲食店二十四以上が組んで宅配を始める、焼き肉屋さんが焼き肉のものを全てそのまま御自宅にお届けする、安全な食卓で本物の外食をというスローガンをつけて、そういう取組をしている中で、やはり、東西四十キロ、この二十三区が三十キロぐらいだということでいえば、非常に広い中で十七万都市ということで、距離の課題がある中で、ドローンというのが非常に、物を運ぶということに、地方の課題解決に大きな期待を、地元のそうした取組をしている方も、そういうのを入れたいというアイデアも持っているところであります。  政府のドローンの本格活用、いわゆる有人地帯も飛行する、こういうことに対しての検討状況というのはどうなっておられるのか、このことをまずお伺いしたいと思います。
  51. 川上光男

    川上政府参考人 お答え申し上げます。  先生御指摘のドローンの飛行についてですけれども、現在、航空法によって、航空機や地上の人又は物件の安全確保という観点から、人口集中地区等の上空における飛行や操縦者の目視の範囲外の飛行については、国土交通大臣の許可、承認を得た上で飛行することが可能となっております。  先生御指摘の今後の都市部での物流等の活用に向けた制度整備でございますけれども、現在、二〇二二年度中に有人地帯における目視外飛行、いわゆるレベル4と言われておりますけれども、この飛行を実現するために、本年三月に、小型無人機に係る環境整備に向けた官民協議会において制度設計の基本方針を策定したところです。  国土交通省としては、本基本方針に基づいてより詳細な制度設計を行って、二〇二二年度中のレベル4の実現に向けて必要な制度整備を行っていく所存でございます。
  52. 山岡達丸

    ○山岡委員 二〇二二年度には有人地帯も飛ぶということも念頭に置いておられるというお話がありました。東京みたいな大都市と、また地方都市というのは、車社会でもあり、あるいは山林地帯もあり、海もあり、いろいろ条件も違ってこようかと思います。一方で、地方の課題解決は、距離の壁やあるいはさまざまな課題について、ドローンが大きな期待を寄せられているということはぜひ確認したいと思います。  その上で、ドローンの中にも、いろいろな開発がこれから進む中には、水素燃料を基本とする水素燃料型のドローン開発されているということであります。  室蘭という町は、日本製鉄を始め、ものづくりの生成過程で水素を多く産出する。そしてまた、これは環境省のマターでありますけれども、風車から水素をとって、室蘭の日本製鋼所というところとあるいは室蘭工大というところが協力しながら水素を取り出していくことを研究したりとか、あるいは、独自に水素ステーションを導入したり、水素自動車を市として導入したり、非常に水素に力を入れている。  そうした中で、ドローンも水素燃料で飛ぶ日が来るとしたら、やはり地産地消の取組、その上でドローン地域課題の解決という非常に魅力あふれるものだなということを感じるわけであります。  私個人としては、ぜひ寒冷地実証実験の取組もしていただけないかなということを思うわけでありますけれども、地域課題解決にいろいろな努力とアイデアが生まれてくるドローン技術についても、大臣、どのように期待されるか、伺います。
  53. 松本洋平

    ○松本副大臣 今、委員から御紹介をいただいたとおり、室蘭市におきまして水素を活用した大変先進的なお取組をしていただいていることに対しまして、我々としても、そのお取組を承知しているところでもありますし、また、地域における意欲的な活動に心から敬意を表したいと存じます。  水素を活用したドローンは、さまざまな地域課題を解決するのみならず、脱炭素という意味においても大変重要な取組ということで理解をしているところでありますが、一方で、水素燃料電池ドローンにつきましては、さまざまな技術的な課題というものも指摘をされているところでもありまして、我々といたしましては、水素燃料電池ドローンにおける高圧ガスの安全に関するガイドラインというものを四月十日に作成し公表をいたしたところであります。このガイドラインは、安全性観点から水素燃料電池ドローンが満たすべき事項の明確化などを図るものでありまして、今後、ドローンにおける水素利用の拡大にも資するものと考えております。  引き続き、水素社会実現やドローンの利活用拡大などの政策課題に対し、しっかりと取り組んでまいりたいと思いますし、室蘭市を始めとしたこうした先進的な取組に我々経産省としてもしっかりと寄り添いながら、一緒にやっていきたいと思っております。
  54. 山岡達丸

    ○山岡委員 ありがとうございます。  最後法案担当ということで、松本副大臣にも御答弁をいただきました。非常に期待も寄せていただき、課題もおっしゃっていただいて、感謝であります。  高圧ガスのお話がありましたが、このことを所管するのも経産省でありまして、さまざまな規制、安全の中での規制もあるわけでありますけれども、地域からの期待の声もあるということもぜひ御理解もいただいて、ぜひ前向きな対応もいろいろ研究していただきたいと思っております。  きょうは、法案質疑もまださまざまあったんですけれども、附帯決議もつけさせていただく中で、私たち、また、さまざまな議会としての考え方も述べさせていただくことになろうかと思いますので、私の持ち時間での質疑はここまでとさせていただきたいと思いますが、ぜひ、この最新の技術というのが地域、地方にとって本当にさまざまな課題解決につながるという期待を寄せていくとともに、その導入には政策的な支援をやっていかないと、民間ベースで、ビジネスベースでやっていったら間違いなく地方には普及しないという実態も踏まえながら、引き続きいろいろな点について私も問題提起していきますので、ぜひ御指導賜れればと思います。  きょうは、質問機会をいただきましてありがとうございました。
  55. 富田茂之

    富田委員長 次に、浅野哲君。
  56. 浅野哲

    ○浅野委員 国民民主党の浅野哲でございます。よろしくお願いいたします。  本日は、時間が約二十分と限られておりますので、早速質問に入らせていただきます。  まず最初に、マスク、人工呼吸器の国内生産能力の強化策について、一昨日の議論の続きをさせていただきたいと思います。  まず初めに、マスク製造装置の調達上の課題について、前回は価格ですとか納期といった議論がございましたが、今どういった現状になっているのか、答弁を求めたいと思います。
  57. 藤木俊光

    藤木政府参考人 お答え申し上げます。  経産省といたしまして、マスク供給の不足が見られる中、国内の生産能力拡大ということで、二月から設備投資支援を行っております。  マスクの製造装置の価格につきましては、さまざまばらつきがあるところでございますが、中国等の海外の製造メーカーによる価格はおおむね二千万円から三千万円程度、国内メーカーによるオーダーメードの比較的生産性の高い製造装置については一億円以上の水準のものもあるというふうに伺っているところでございます。  今、公募申請相談を受ける中で、こういった製造装置について、どういう状況かということもお話を伺っております。設備の納入時期のおくれに関する声というのは多く聞いているところでございますが、設備の価格自体が高騰している、それによって申請ができないという声は、現時点においては少ないというふうに認識しているところでございます。
  58. 浅野哲

    ○浅野委員 ありがとうございます。  中国製の装置の場合は二千万から三千万、そして国内生産のものは一億円以上の価格帯でということであります。  ただ、それを踏まえると、今、経済産業省の方で補助事業を計画しておりますが、補助上限額が原則三千万円、製造ライン当たり原則三千万円ということであります。そして、補助率が四分の三から三分の二ということなんですけれども、きょう議論したいのは、この上限額、そしてこの補助率であります。  前回のこの経済産業委員会大臣答弁ですと、今、補助上限額の引上げが必要な状況にはないと現時点では認識しているというふうに答弁をなさいましたが、やはり、この価格帯の変動、そして、今まさに世界じゅうで製造装置が引っ張りだこになっている状況を考えれば、この原則三千万円、原則という言葉がついておりますので、ぜひ、もう一度答弁をいただきたいのは、これから、中国産の装置が入ってこなくて、国内の製造装置を買わざるを得ない場合ですとか、いろいろなケースが考えられます。  上限額についてはある程度の融通性を持たせるべきだというふうに思いますので、その点に関して、まずは御答弁いただきたいと思います。
  59. 梶山弘志

    梶山国務大臣 補助上限額につきましては、一ライン原則三千万としておりまして、通常の設備であれば対応可能な水準と考えております。  そして、前回、予備費で計上いたしました補助事業に関しましては十三件採択をされまして、こういった上限の中で、補助率の中で全てが稼働をし始めたということであります。  ただし、マスクの生産数量や、一般的な設備と比較した出荷までの早さ、人手を要しないこと等を満たす高性能な設備に関しましては、今回、上限額を二億円としたいと思っております。柔軟な対応をしてまいりたいと思っております。  補助上限額については、以上のとおりであります。
  60. 浅野哲

    ○浅野委員 ありがとうございます。  続いて、この補助率についても議論をさせていただきたいと思います。  一昨日のこの委員会の中では、人工呼吸器については補助率を十分の十としている理由については、薬事審査や部品供給も含めて大がかりな形になる、企業の決断を促すために十分の十ということにしているという答弁がございました。つまりは、導入障壁が、導入の負荷が高いので決断を促すために十分の十ということだと思います。  一方で、マスクの補助率、マスク製造装置に対する補助率を三分の二から四分の三というふうにしている理由については、感染拡大の終息後も国内や海外における需要に期待ができるからということで、一定の負担をお願いするということなんですけれども、これはちょっと見方を変えると、人工呼吸器も、終息後であっても、やはり、今回、人工呼吸器がこれだけ足りないというのが世界じゅうにありますから、需要が世界的に今よりもふえるということは予見できると思います。  逆に、人工呼吸器は導入が大変だということなんですが、マスクに関しても、決して導入障壁が低いわけではなくて、かなり専門的なノウハウだったり、今議論したような装置の入手から、さまざまな準備、手間がかかります。  こういった環境の中で企業の決断を促すためには、やはり、マスクの生産装置やアルコールの生産装置についても、補助率を人工呼吸器と同様の十分の十にすべきだというふうに思うんですけれども、この補助率について答弁を求めたいと思います。
  61. 梶山弘志

    梶山国務大臣 補助率につきましては、マスクは、先ほど委員からも前回の私の答弁の引用がございましたけれども、事態収拾の後も、国内における花粉症対策、保湿などを目的とした通常の需要に加え、これまでマスクを着用する文化のなかった欧米の需要など、引き続き高いニーズが想定をされております。  先ほど申しましたけれども、予備費で計上した六・一億円のとき十三件が採択をされて、これは補助率はそのまま、今のままですけれども、すぐ稼働に、今至っております。そして、今度の補正予算はまだ成立しておりませんけれども、数多くの相談が来ているということで、今の補助率のままでも手を挙げる企業はかなりあるということでありまして、補助率はこのままで参りたいと思っております。
  62. 浅野哲

    ○浅野委員 続いての質問に移ります。  この補助率が現状の状態でもさまざまな問合せが来ているということなんですけれども、このマスクの製造装置の導入に対しては、あらゆるメーカーが簡単に導入できるものではないということなんですね。今、あくまでも、増産要請をしているのは、これまでマスクを製造してきたメーカーに対するさらなる増産の要請をしていますけれども、全くマスクをつくったことのない企業が、クリーンルームですとか設備に余裕があるので協力したいという場合には、なかなかこれは簡単にマスク生産を開始できないような状況にあるというふうに伺っています。  そこで、マスク、人工呼吸器の製造に初めて参加する企業に、より参加しやすくするためにどういった対応をすべきなのか、政府の見解をお伺いしたいと思います。
  63. 藤木俊光

    藤木政府参考人 お答え申し上げます。  マスクや人工呼吸器に関しまして、供給体制を速やかに確保するということで、国内の既存企業による増産や輸入の拡大について働きかけを行っておりますが、今先生御指摘のように、それに加えまして、異業種からの協力を得ることも重要だというふうに思っております。  一方で、今、これもまた御指摘ございましたように、異業種の方がいきなり生産にかかるということはかなり難しいということも事実でございます。そのため、マスクの設備投資補助金に関しましては、初めて参画する事業者については、マスクの生産経験のある事業者連携して材料の調達、販路の確保が可能ということを確認させていただいた上で申請をしていただくということで、これまでの十三件のうち三件については、こうした事業者連携ということで新たな事業者の方に入ってきていただいている、こういう案件になってございます。  また、人工呼吸器に関しましても、設備投資支援や医療機器メーカー等他業種の連携促進を行っておりまして、また、厚労省においても審査プロセスの迅速化ということに取り組んでいただいておりまして、企業の新規参入を後押ししているところでございます。そうした中で、自動車メーカー、電機メーカー等からの協力も具体的な事例が出始めているというふうに承知してございます。  今後とも、厚労省等と連携しまして、異業種を含む企業の協力、連携を促していくということについてしっかり取り組んでまいりたいと思っております。
  64. 浅野哲

    ○浅野委員 ぜひお願いします。  繰り返しになりますけれども、やはり今、マスク、人工呼吸器や消毒薬、あらゆる医療関連物資が不足している中で、まず、投資障壁を、導入障壁をできるだけ取り除く努力と、そして、今おっしゃっていたような、より多くの企業がこの輪の中に入ってきやすいように、例えば、今、既に生産経験のある企業と未経験の企業連携をする必要があるということをおっしゃっていましたけれども、この連携をする部分はあくまでも企業間同士の自主努力になっていますので、そこをいかに円滑に政府が後押しできるのか、この部分については、ぜひさらなる検討をお願いしたいと思います。  では、続いての質問なんですが、特定デジタルプラットフォーム関連の質問に移らせていただきたいと思います。  こちらも一昨日の議論の続きになりますけれども、私として前回も主張させていただきましたが、スタートアップしたばかりの比較的ネットワーク効果の小さなデジタルプラットフォーム事業者の創意工夫、イノベーションを阻害しないことは確かに重要であります。その一方で、業界において透明性公正性を持つ取引環境実現することもあわせて重要だと思っております。しかも、この二つというのは、決して相反するものではない、両立可能なものであると思っております。  そのために必要なことは、この法律の中でも規定されておりますが、情報開示と手続、体制の整備、この部分については、特定デジタルプラットフォーム事業者のみならず、この業界に参入する全ての事業者が基本的には守るべき責務としてこの法律の中に位置づけるべきではないかというふうに思うんですけれども、改めて政府答弁を求めたいと思います。
  65. 西山圭太

    西山政府参考人 お答え申し上げます。  今、委員の御質問にもございましたとおり、デジタルプラットフォームあるいはデジタルプラットフォーマーの市場全体として、取引透明性公正性向上が図られるということそのものは望ましいことでもありますし、重要なことであるというふうに考えております。  他方におきまして、この法案に基づいて具体的な規律を導入するということになりますと、本来自由である取引に関する一定の義務を課したり、あるいは、例えば条件の開示といったような場合については、最終的には罰則を科すことも含めて、そうした規律を導入するということになりますので、そうした点については一定の考慮が必要になるということから、この法案の全体としては、基本理念の中で、自主性を重んじ、規律を導入する範囲は必要最小限のものとするというふうにうたっているところでございます。  具体的には、デジタルプラットフォームの透明性公正性について、今申し上げたような規律を導入することが特に必要なものは、やはり、その規模が大きく、集中度が高い場合、つまり、取引先の事業者の方々から見ると他のデジタルプラットフォームに切りかえづらいということ、いわゆるロックイン効果が働いているというのが取引上の懸念を生んでいる大きな理由であるというふうに考えてございます。  したがいまして、本法案では、いわゆる特定デジタルプラットフォーム事業者として指定するに当たりましての条件については、今申し上げましたような、規模ですとかあるいは利用の集中の度合いといったものを勘案するということにしております。  他方、もとに戻らせていただきますけれども、委員指摘のとおり、取引透明性公正性デジタルプラットフォーム市場全体として向上することそのものは大変重要だと考えております。  したがいまして、法案では、特定デジタルプラットフォーム事業者取引の透明化、公正化に向けた取組を強化することとしておりますけれども、その中で、そうした事業者の積極的な取組をいわばベストプラクティスとして評価をし、公表することも予定をしております。  そうした取組、ベストプラクティスを参考としながら、先ほど申し上げました、直接的に罰則つきの規律のようなものの対象にならないような小規模デジタルプラットフォーム事業者も含めて、自発的に取引の透明化や公正化のための取引が行われるようになることは大変望ましいことだというふうに考えてございます。  以上でございます。
  66. 浅野哲

    ○浅野委員 私も、それほど大きな違いがあるとは思っておりません。言いたいのは、ベストプラクティスを横展開していくというのはいいと思います。ただ、このデジタルプラットフォーム業界に参入する段階で、その参入する事業者がどういうことを守らなければいけないのかというところ、規律をつくるというと罰則もあわせてついてしまうようなものなのであれば、例えば行動規範ですとかそういった指針になるような部分については、ぜひ政府の方からも事業者に周知徹底をしていただきたいと思いますので、この件はここまでにして、次の質問に移りたいと思います。  時間も少なくなってまいりましたので、特定高度情報通信技術活用システムの法律の方について質問させていただきます。  ちょっと、当初予定していた質問一つ飛ばさせていただきます。当初は、この法案がいつの段階から検討され始めたのかというところを時系列で確認をさせていただくつもりだったんですけれども、時間がないので、ちょっとこちらで調べたことを申し上げますと、この5Gの基地局整備の必要性が最初にうたわれたのは、昨年、令和元年六月に閣議決定がされた成長戦略ですとか、まち・ひと・しごと創生基本方針、あるいは世界最先端デジタル国家創造宣言・官民データ活用推進基本計画、こういった計画の中で、5Gの基地局整備の支援というのが初めて盛り込まれたそうであります。去年の六月の話です。  私が言いたいのは、当初から言ってきていますけれども、これだけ5G技術に対する期待が膨らむ中で、余りにも着手が遅過ぎるのではないか。これはもう過ぎた話なので取り戻すことができませんが、ぜひ、次を見据えた、環境整備のみならず技術開発といったところにも軸足を重く置いてほしいということであります。  最後質問なので簡潔に答弁をいただきたいですが、特にドローン技術。国内メーカーが海外メーカーに非常に劣後しているような環境の中、どうやって育成、そしてドローンシステム普及に取り組んでいくのか。最後政府答弁を求めて、終わりたいと思います。
  67. 春日原大樹

    ○春日原政府参考人 お答え申し上げます。  ドローンの民需市場でございますけれども、これまで主にホビー用途の小型機体が中心でございまして、現時点では中国メーカーが高いシェアを占めているという状況でございます。他方、日本のメーカーは、ベンチャーを含めまして主に産業用途の中型、大型のドローンを製造販売しているという状況でございます。  こうした産業用途のドローンの市場でございますが、まだ黎明期でございますけれども、今後、インフラの点検それから物資輸送などのニーズにより、拡大が見込まれているというふうに思っております。また、産業用途のドローンでは、機体の安全性それから信頼性、用途に応じたきめ細やかなカスタマイズそれからアフターサービスが重視されるために、日本のメーカーにも一定の強みがあるというふうに期待をしております。  今後の普及拡大観点からは、利用環境の整備が重要でございます。政府としましては、二〇二二年度までにレベル4、すなわち、ドローンが第三者上空を操縦者の目視外で飛行可能な社会実現するということを目標として掲げております。そのためのロードマップを取りまとめております。  経済産業省といたしましては、本法案支援スキーム、それから予算を通じた支援によりまして、産業用途の安全、安心なドローン開発供給及び利活用促進するとともに、ドローンの運航管理システム技術開発や制度構築など利用環境の整備を進めまして、成長が期待される産業用途のドローン市場におきまして日本のドローン産業拡大を後押ししてまいりたいと思っております。
  68. 浅野哲

    ○浅野委員 ありがとうございました。  これで終わりますが、ぜひ、ドローンはまだ安全性信頼性も含めて開発途上であることを踏まえながら、この国の指針にどう適用させていくかというのを十分に御検討いただきたいと思います。  以上で終わります。ありがとうございました。
  69. 富田茂之

    富田委員長 次に、落合貴之君。
  70. 落合貴之

    ○落合委員 立憲民主党の落合貴之でございます。  本日は、まず、現下の経済対策における金融の重要性について伺えればと思います。  緊急事態を全国に拡大させるということで発表がされました。今言われているのが、需要の蒸発という言葉が使われ始めています。自粛や休業要請を政府、自治体が行うことで、いきなり事業者の収入がなくなってしまうというような事態でございます。  中小企業、小規模事業者の既存の債務、これも、いきなり需要が蒸発したことで返済が難しくなるということが多発しているわけですが、今までの大臣答弁を伺っても、既存の債務の繰延べ、これは、よりやりやすくするということの重要性が高まっているというふうに大臣もお考えであるということでよろしいでしょうか。
  71. 梶山弘志

    梶山国務大臣 既存の債務に関して、しっかりと考慮をしていくということは重要であると思っております。
  72. 落合貴之

    ○落合委員 きょうは金融副大臣にもお越しいただいております。お忙しい中、ありがとうございます。  既存の債務の繰延べにつきましては、先日私は、決算行政監視委員会で麻生大臣に伺ったんですが、かつての中小企業円滑化法、モラトリアム法をつくらなくても通達等で対応ができるんだという大臣答弁だったんですが、これは、法律じゃなくても通達でできるという根拠について伺えればと思います。
  73. 宮下一郎

    ○宮下副大臣 委員指摘のいわゆる中小企業円滑化法でありますけれども、当時、金融機関に対しまして、中小企業等から申込みがあった場合には、できる限り貸付条件の変更など適切な措置をとるよう努めるものとするということに加えまして、条件変更等の取組状況について報告を求め、その状況を公表するということを内容とするものでございました。  経緯としては、その前に、平成二十年十一月に金融機関への要請文があったわけですけれども、やはりもっと実効性を高めなきゃいけないということでこの法律ができたというふうに認識をしております。特にそこの実効性というところでは、条件変更等の取組状況について報告を求める、そこが重要であったというふうに思います。  そういうことを踏まえまして、三月六日の麻生大臣から金融機関への要請では、金融機関に対しまして、既往債務について、返済猶予等の条件変更に迅速かつ柔軟に対応すること、また、新規融資について、事業者ニーズに迅速かつ適切に対応することを要請するとともに、今申し上げましたが、金融庁が、銀行法第二十四条等によって、金融機関による条件変更等の取組状況の報告を求め、その状況を公表するということを内容とした要請となっております。  このように、今回の要請が事業者の資金繰りを支援するという観点では、中小企業円滑化法と同様の対応がとれる内容となっているというふうに考えております。  また、金融庁において、金融機関による事業者の資金繰り支援仕組みを当面の検査監督の最重要事項として、三月六日の要請内容を実効性のあるものにするために頑張ってまいりたいということで、これに加えまして、三月二十四日、四月七日にも、条件変更の柔軟な対応を金融機関に求めるべく追加で要請を行っておりますし、四月八日には総理から、官民の金融機関の代表者の皆様に対して、事業者の方々が事業を継続していくための力強い支援を迅速かつ柔軟に行っていただくよう要請いただいたところであります。  いずれにしても、企業の皆さんの資金ニーズにしっかり応えられるようにこれからも対応してまいりたいと考えております。
  74. 落合貴之

    ○落合委員 立法には時間がかかりますから、要請、あと通達を出すということは有効であるとは思います。  十年前、このモラトリアム法案をつくったときの経緯を先輩方に聞いたんですが、やはりそれまで、同じように通達とか要請でやっていたけれどもなかなか進まなかった、なので立法作業をしたということです。  これは報告等を求めていますけれども、例えば債務の返済の繰延べをすると、債務の区分がちょっと下がってしまいます。要は、金融機関にとっては不良債権がふえていくということで、金融機関にはデメリットが発生するわけです。それを、中小企業円滑化法によって、不良債権化させない、債務の区分を動かさない、そういった措置をしたことで、金融機関が、じゃ、いいですよというふうにどんどんどんどん返済の猶予を行うようになったというような経緯があるわけでございます。  これは、一カ月後、二カ月後には必ずこういった法律が必要になるということを私も述べさせていただければと思います。これはまた改めて、経緯も見ながら取り上げさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  経産大臣に伺います。  これはやはり、何回も、経産大臣にも週一回ぐらいは質問させてもらっていますが、週を追うごとに、政府系金融機関さえ断られちゃったんだよという声がやはり多くなっていると思います。大臣も、既に要件を今までよりは緩和しているんだというふうにおっしゃっていますが、今の緩和している状況よりも更に要件を緩和する必要があるんじゃないかと。大臣のところにも断られたという声がたくさん来ているんじゃないか、数字も出ているんじゃないかと思うんですが、大臣、さらなる要件の緩和について、いかがでしょうか。
  75. 梶山弘志

    梶山国務大臣 断られたという話は委員会等での質疑を通じて何回か聞かせていただいておりますし、そのことにつきましても、この前も申し上げましたけれども、都度、金融機関に対してそういう話を私の方からもさせていただき、改善をさせていただいているものもあるかと承知をしております。  金融の状況、大変厳しくなってきて、条件変更等についてももう少し柔軟にということで毎週のように話をしておりますし、要件につきましてはその時々でやはり考えていく必要があるかなとは思っております。
  76. 落合貴之

    ○落合委員 平時でしたら、もう全然だめなところと生き返れる可能性があるところを選別する必要というのはもしかしたらあるのかもしれませんが、緊急時は連鎖倒産が起きやすいということで、なるべく緊急時は多くの企業事業者を救っていかなければならないというふうに思います。  それで、金融副大臣にまたお伺いしますが、先ほどもありますように、政府系金融機関の窓口がもうパンク寸前になってしまっている。私もいろいろな事業者に聞くと、三月末に相談したいと言って、やっと最初の面談ができるのがゴールデンウイークぐらいだということで、それはいろいろな記事を読みましても、そのようなこともやはり書かれております。  きょうの日経にも出ていましたが、公庫と商工中金と保証協会で申込みが既にもう三十一万件も来ていて、やはり処理し切れない、審査が間に合わないということも記事にもなっているわけでございます。  先週、総理の口からも、地銀、信金、信組など地域の金融機関に協力をしてもらうというふうな発言もしましたが、具体的にどのようなことを行っていますでしょうか。
  77. 宮下一郎

    ○宮下副大臣 金融庁におきましては、厳しい状況に置かれている中小企業皆様への資金繰り支援を徹底する観点から、三月二十四日に、特に民間金融機関の皆様に対して、相談が急増しています公庫の特別貸付制度の概要の説明と、また、申込みに必要な書類の案内等を行って、当該書類を確認の上、近隣の公庫支店提出するなど、公庫との連携の強化に努めるように要請をしております。少しでも公庫の窓口での事務負担を減らすというようなことで、まずは連携しようということです。  あわせて、無利息無担保、据置期間が長いという資金ニーズが非常に大きいということから、四月七日に、緊急経済対策の中に、民間金融機関によります実質無利子無担保の融資制度、これを盛り込んでおります。これを迅速かつ適切に実施をする観点から、地方公共団体等と連携して必要な体制整備を進めるよう要請をしております。  民間金融機関の皆様におかれましては、こうした要請を踏まえて、日本政策金融公庫とか、又は地方公共団体と連携して、企業皆様のニーズに応えるためのさまざまな対応を進めていただいていると承知をしております。金融庁としても、こうした取組を一層強力に促してまいりたいと考えております。
  78. 落合貴之

    ○落合委員 ふだんおつき合いのある金融機関がこういうふうな業務を請け負っていくということは、今、危機時で、しかも戦後今までなかったようなことが起こっているわけですので、大変重要であると思います。  きょうは財務副大臣にも、お忙しい中お越しをいただいております。危機対応業務が財務省の管轄ということでお越しいただきました。  危機対応業務は、一般的には政府系金融機関が担っていくということで今まで動いているわけですが、これは、仕組みを調べてみますと、メガバンクも危機対応業務を請け負うことができるような法律になっているわけでございます。公庫支店がもうパンクしていて、公庫支店数を調べてみたら百五十二、商工中金が百、各都道府県に信用保証協会があるわけですけれども、三メガバンクの支店を単純に足すと千六百以上あるわけでございます。これは、国家の危機、世の中の危機、国の危機でありますから、重要な日本経済を担っているメガバンクにも公的な役割を担ってもらうことが必要であるのではないか、ここまでもう決断するべきときが来たんだと思いますが、副大臣、いかがでしょうか。
  79. 遠山清彦

    ○遠山副大臣 お答え申し上げます。  落合委員から大変重要な御質問をいただいたというふうに思っております。  危機対応業務につきましては、もう委員御承知のとおり、政策投資銀行及び商工中金においても実施をいたしているところでございますが、民間金融機関、メガバンク等も、一定の要件を満たせば指定金融機関として実施することができる枠組みとなっており、これまでも、政府としましても、メガバンクを含めた民間金融機関に参加を促してきたところでございますけれども、現時点では民間金融機関からの参加は得られておりません。  それで、私、委員の御質問を受けて、ちょっと事務方と勉強してわかったんですけれども、民間金融機関が指定金融機関として政府の危機対応業務を行うことは可能なんですが、その根拠法は株式会社日本政策金融公庫法になります。ところが、私もちょっと驚いたんですが、この法律が施行された平成二十年四月以降、民間金融機関からの申請実績はゼロなんですね。ですから、今回に限らず、平成二十年から今日まで、法的な根拠もある枠組みがあるんですが、一度も使われていないということなんです。  これは実は、今ちょっと危機的な状況ですから性急な結論を出すことがいいのかどうかということはあるわけでございますが、これはちょっと政府の中でも、要するに法的枠組みがあるのに一度も使われていないというのはどうしてなのかというところを、専門家の御意見も聞きながらしっかり検討しなきゃいけないと、これは私、個人的に大事な課題だというふうに思っております。  その上で、現下の状況ですが、民間金融機関には、日本政策金融公庫の融資を希望する顧客を公庫につないでいただく取組は今始めております。それから、今般の緊急経済対策、これは次の補正が通ったら実現をしていくわけですが、融資窓口の拡充のため、民間金融機関でも、実質無利子無担保の融資を受けることができる制度を創設するとしたところでございます。  いずれにせよ、先生の御指摘もいろいろありましたけれども、今後とも、財務省としても、事業者の資金繰りを強力に支援する観点から、民間金融機関との連携を進めてまいりたい、このように思っております。
  80. 落合貴之

    ○落合委員 各セクションでいろいろな工夫をして、いろいろな施策をしているわけですが、危機対応業務をメガバンクまで拡大させることは劇的に状況を変えて改善するものであると思いますので、ぜひ、ふだん財務省そして金融庁はメガバンクともおつき合いがあるわけですので、働きかけ、前向きにいただければと思います。  時間が来ましたので、この件はこのあたりにしますが、日本政策金融公庫の法律の第一章の「目的」を見ますと、ちゃんと「感染症等による被害に対処するために必要な金融を行う」ということが明記をされていました。これは今回必ず動かなきゃいけない問題であると思います。  それから、今まで政府系金融機関は合理化、合理化で整理してきたわけですけれども、これを機に、そして、この問題が何年も続くと、各国が長期スパンも考え始めていますので、政府系金融機関の人員の合理化の方向を少し緩めて、また、窓口等は人をふやしていくというような形で検討する段階にも来ていると思いますので、そのことを伝えさせていただきまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
  81. 富田茂之

    富田委員長 次に、田嶋要君。
  82. 田嶋要

    ○田嶋委員 立国社の田嶋要でございます。  まず、私からも冒頭、新型コロナで亡くなられた方々に心からの御冥福をお祈り申し上げるとともに、今治療中の方々、一日も早く御回復なされますようにお祈り申し上げ、お見舞いを申し上げます。  と同時に、そうした患者の方々に対して尽くされている医療従事者の方々の御尽力、心から敬意を表させていただきたいというふうに思います。感謝申し上げます。  こういうところで私たち、仕事をしていると、想像力の欠如という問題はやはり常にあるというふうに思っております。そういうことに、時々頭をがんと殴られるような感じがするのは、地元の有権者からのお声でございますが、大変私はありがたいことだと思います。そうした悲痛な声が、日ごろのおつき合いもある中で、届くことで、私たちは本来の大事な情報というのが現場にあるんだということを改めて思い知らされるわけでございます。  きょうは、そうした意味で、前半、コロナの話をさせていただきますが、大変お忙しいところ、厚労省副大臣、橋本先生もお越しいただきまして、感謝を申し上げたいというふうに思います。  やはりそうしたギャップということを意識しながら、きょう、まず、ぜひ副大臣にお話を伺いたいのは、見えていないということだと思います。  こういう声がございました。現場の方に、コロナ用のベッドを百何十床用意してくれ、そういう話がいきなり来たと。そういう要請だけは来たけれども、道具を見渡しても何もないということで、非常な恐怖心を覚える、不安感を覚えるということがやはり声として上がっておるわけでございますので、これはいろいろな方からも御指摘が出ておるかと思いますが、私は、見える化ということがやはり大事になってくるというふうに思います。  資料をおつけしました。一、厚労省の資料からこうした基本スキームというようなものが示されておるわけでございますが、これはいわゆるサージカルマスクも含めての話かと思いますが、きょうはN95そしてKN95に特化して、お尋ねをさせていただきたいと思います。  橋本副大臣、そうした見える化ということで、今まだでき上がっていないようでございますが、これは本当に大事だと思います。私たちが一々、厚労省のいろいろな人に聞いたり、そうしたことが全国から来れば、結果的に御負担がふえてしまうわけですし、医療関係者の安心をやはり広げるということ、そしてデマを防止するということ、いろいろなメリットがあると思いますが、こうしたダッシュボードというんですかね、そうしたものを今つくる御予定があるのかどうか、まず、その点を確認させていただきたいと思います。
  83. 橋本岳

    ○橋本副大臣 お答えをいたします。  今御指摘をいただきましたように、N95のマスク始め、さまざまな医療資材が今、医療の現場において大変求められている、そして不足をしているというお声があるということは、私どもも承知をしております。  また、その中で、そうしたものに対して、国の取組などをきちんと見えるようにすべきだという御指摘は、そうだろうというふうにも思うわけであります。  今、私どもの取組といたしまして、まず、現場にどんなニーズがあるのかということを酌み取るということがまず大事であろうと思っておりまして、厚生労働省では、内閣官房IT総合戦略室と連携をして、各医療機関等の協力を得て、各医療機関の状況に関する情報をウエブ上で入力をしていただけるシステム開発しました。開設して、今、稼働して、各医療機関の皆さんに入力をお願いをしているところでございます。  この入力をいただく項目の中で、そのN95マスクを始めとするさまざまな医療に関する、PPEといいますが、備品ですね、いろいろな物品、マスクだとか防護具だとかフェースシールドだとか、そうしたものがあとどのぐらい残っているかということを目分量でいいので教えてくださいというような項目もある。それから病床のぐあいなどなどをお尋ねをして、それを入力をしていただいておりまして、私どもの方できちんとそれを集計して、どこでどのぐらい足りているのか、足りていないのかということを見るシステムというのを今稼働させ、その入力のお願いをしているところということでございます。  こうしたことによって、まずは、どこでどう足りていないのか、足りているのか、把握を私どもとしてしっかりしたい。そして、それを、国の、今後、調達をして都道府県を通じて配付をする、そのメカニズムの中でも生かしていけるといいな、このように思っているところでございます。  また、分配の点について、これも、国から都道府県、買い上げたものについては都道府県を通じて各医療機関に分配をしていただくということになりますが、これは都道府県とも、意見を求める必要があろうと思いますけれども、国から都道府県に対してどのように分配を行っているのか、そこのところも見えるような方向で、公表するような方向で調整をしたいというふうには思っております。  ダッシュボードという形で、見ばえよく、わかりやすく見ていただけるか、プレスリリースのような形になるか、ちょっとそこはまだあれしておりませんけれども、できるだけわかりやすい形で見えるようになるといいなと。  また、その先、都道府県から先をどうするのかということもあろうと思います。ちょっとここも都道府県との御相談ということになると思いますが、委員の今の御指摘を踏まえながら、やはり現場のまず医療機関の皆様に安心していただけるということが大事だと思いますので、そのように取り組んでまいりたいと考えております。
  84. 田嶋要

    ○田嶋委員 今、冒頭、ニーズとおっしゃいましたけれども、あ、副大臣、お疲れかもしれませんが、少し大きい声でお願いしますね。  ニーズとおっしゃいましたけれども、ニーズは、これから患者がふえてくる中で、不安にするなということですよ。それしかないですよ。だから、道具がそろっていないのにやれというのは無理だという声が出ているわけでありますから、もうニーズは明らかであります。  そして、前半で、現場から情報を吸い上げる仕組みはできているというお話がございましたが、それは非常に自分中心の発想であって、俺のところに情報をよこせという話なんだけれども、彼ら中心で考えれば、どういうふうに状況がなっているかということを知りたいわけでありますから、今つくろうと検討中というのはちょっと遅いと思いますね。彼らにとっては、今どこにどれだけの備蓄があって、例えば千葉県にはどれだけ来ていて、千葉市にはどれだけ来ていて、うちの病院にはどうなんだ、隣の病院にはどうなんだ、そういうことも、基本は、情報を出せば出すほど私はデマの防止、そしてパニックの防止につながると思います。  私たちが、三・一一のときも、情報開示というのはスピードと正確性がある意味反する部分があるので大変悩ましい問題だというのはよくわかりますけれども、結果的に、役所が、これを余り早く出しちゃうと間違っていたときに後で怒られるとか、いろいろな役所的な発想で守りに入ると、必ず失敗すると思います。  例えば、自分の病院には減っているけれども隣の病院にはN95が結構あるぞ、そういうことがわかるだけでも、それは非常に私はプラスになると思いますので、ちょっとおくれていると思いますので、副大臣、ぜひそこはスピードアップしていただきたいというふうに思います。立派なものじゃなくていいんです。立派なものじゃなくていいから、今の時点で千葉県にどれだけ残っているか、国はどれだけ倉庫にあるか、そういうことを現場の医療従事者がわかるようにしてほしいんです。  そこでお尋ねしますが、今までのこととして、何回に分けて、いつ、幾つのN95、あるいは、中国製かもしれませんがKN95、まあ合格できる水準でですね、どういった調達が行われたかという、これまでの実績を教えてください。
  85. 橋本岳

    ○橋本副大臣 お答えをいたします。  まず、これまでの国の取組として、国内メーカーに対して増産や輸入拡大の要請を行った、あるいは都道府県に対して、備蓄を医療機関に対して放出するようにお願いをしてまいりました。また、都道府県の備蓄が少ない場合には、都道府県からの申請によって、そのニーズを踏まえて、国で設定した優先順位に基づいて、メーカーから医療機関に直接供給をしていただくといったことも行っておりました。  その上で、今委員からは、政府が何回、いつ調達をしたのかというお尋ねでございましたが、そういったことに加えて、国で調達をしたN95マスクということについて申し上げれば、三月分でいうと二社から調達をしておりまして、一社は四回に分けて、ほかの一社は一回で納品をされております。三月末までに合計約四十三万枚の納品をいただいております。  また、あわせて、これは四月九日になりますが、中国大使館から、N95マスク十万枚、あと、ゴーグル、ガウン、フェースシールド、サージカルマスク、防護服などなど、これもちょっと数は割愛をいたしますが、そういう寄附もいただいておりますので、こうしたものにつきましても、先ほど申しましたように、都道府県等のニーズを踏まえて配付をする、こういう予定にしております。
  86. 田嶋要

    ○田嶋委員 あわせて見通しもお願いします。来週、今度の木、金ぐらいにどっと来るんですか、何かそんな話もきのう聞きましたけれども。  副大臣、どうぞ。
  87. 橋本岳

    ○橋本副大臣 今後の見通しでございます。  こちらの方は、今鋭意調達を行っておりまして、変動があり得るものとして申し上げますけれども、今見えている範囲では、来週末に百五十万枚のN95マスクの入荷を見込んでおりまして、更にその上乗せを図るべく交渉しているところでございます。  また、製造業を始めとする産業界の協力を得るため、十五日の午後に、総理と医療防護具等の増産貢献企業との懇談というのを行っておりまして、そこにおいても企業から御提案をいただいておりまして、N95マスクと同機能を有するDS2マスクについて、経団連を挙げて提供を求め、十万枚超を集めたということ、また、国内のN95マスクのメーカーが、昨年は月七十万枚だった生産規模を、三交代にして約百四十万枚まで倍増していること、一日当たり約三万枚を国内の医療機関向けに供給していること、また更に、夏に向けて設備投資を行い、増産を計画していること等が表明をされております。  引き続きまして、関係省庁と連携し供給量を確保していく。それとあわせて、N95マスクの再利用についてということを私どもはお示しをしております。そういう面で、需給面、両方あわせて、しっかりと満たせるように努力してまいります。
  88. 田嶋要

    ○田嶋委員 再利用は、その通知も読ませていただきました。二回までは再利用できるとか、一週間で五つまでだよとか、いろいろ書いていましたけれども、それはそれで窮余の策のような、やはり印象がありますね。だから、再利用は大事かもしれませんが、やはり安心感をふやしていただきたいというふうに思います。  総じて、副大臣にお願いでありますが、これからいつ、どこからどのぐらいの量の調達が可能なのか、そして、それがどこに備蓄されるのか、どういうふうに全国に流通して、千葉県にはどれだけ、そして北海道にはどれだけ、そうした供給サイドから現場の方に届くN95、KN95の情報開示を、どんなに原始的なやり方でも結構ですから、この一週間ぐらいの間に、ゴールデンウイーク前にはつくっていただくということでお約束いただけませんか。
  89. 橋本岳

    ○橋本副大臣 まず、調達については日々努力をしております。ただ、これも、話があって聞いてみて、でもやはりちょっとだめだったとか、そういうことも結構ありますので、どこまでお見せできるかというのは恐らく考えなければならないとは思います。  ただ、今答弁をしたような形で見えているものというのもございますので、そうしたことも含めて、きちんとできるだけお示しをできるようにということで考えてまいりたいと思います。
  90. 田嶋要

    ○田嶋委員 内閣官房のテックチームってありますけれども、そんなテックは要らないんですよ、ローテックで結構ですから。メールで、全国に一斉メールを毎日一回ずつ出してください、今。  千葉県にはこれだけあります、もうすぐこのぐらいとれるかもしれないけれども、調達、ひょっとしたらまだリスクもあります、そういうことを正直に伝えることが安心感につながります。  私も、供給者と話もできました。一日に十万、KN95を生産できる中国の供給者と、代理店を通じて話もできました。そして、厚生労働省にもおとといお届けしていますね。だから、そういうことも含めてお役に立つことがあればやりますけれども、ぜひ、情報共有こそが非常に大事だということです、現場の安心感のために。  最後に、この点に関しては同じことが、フェースシールド、それから撥水性のガウン、こうしたことも声が上がっておりますので、同じことですから、やることは。ぜひやっていただきたいと思います。  それから、KNはNとちょっと違って心配だという声も上がっているから、当然、何でもいいから買えばいいという話にはなりませんね。そこのテストの部分もしっかりと発信をしていただきたいんです。  そして、きのうの役所の方は、調達は恐ろしくて、最後までどこかの国にとられるリスクがあると。そのとおりですよ、実際とられたんだから、そういう実績もあるから、日本はね。  だから、いろいろ書かれていますけれども、そういうことも含めて正直に書けばいいんですよ。まだこれは絶対入ってくるかの保証はないけれども、今こういう取組をしていると。そういうこともちゃんと情報開示していただいて、現場の皆さんが暗中模索で怖い仕事をさせられている状況なんかはやめてください。  そのことをぜひ、副大臣、はっきりとお願いしますので、一週間後にちゃんと現場の皆さんに聞きますから、お医者さんに、届いた、届いたと毎日聞くから、これから一週間。  副大臣、よろしくお願いしますよ。もう一回、最後にはいと言ってください。
  91. 橋本岳

    ○橋本副大臣 私どもといたしましても、鋭意調達の努力をしている、その努力をしている姿というのをきちんとお示しできていないなという反省はしております。鋭意努力をいたします。
  92. 田嶋要

    ○田嶋委員 現場から情報をよこせ、情報をよこせ、情報を入れてくださいばかりじゃなくて、そちらから一生懸命現場に対してサポートをお願いしたいと思います。よろしくお願いします。  それでは、法案質問をさせていただきますが、大臣、ありがとうございます。  このデジタルプラットフォームの法案は、私は評価としては、七、三でデジタルプラットフォーマー寄りのやはり印象を受けます。ただ、役所が言いわけすれば、全部三年後の見直し規定が入っているんだからいいだろう、こういうようなことだろうと思うんですよ。  しかし、今まで事後規制だけでやってきた独禁法の世界、公取の世界、初めて事前規制を補完的に入れるということでありますし、このデジタルという分野に初めてこうした規制を入れていくということで、少し慎重に、こわごわというか、それは自主性を尊重するというか、そんなようなたてつけになっているのかなという感じもするんですが、例えば、禁止行為規定というのがさまざまございますね。最初、こういうものを入れようとしていた。しかし、それも全部入れないことにした。  何か私、これと、デジタルプラットフォーマーのいわゆるイノベーション阻害ということは余り関係のない感じもするんですけれども、大臣、その辺、どのようにお考えですか。
  93. 梶山弘志

    梶山国務大臣 委員からも御指摘ありましたけれども、イノベーションと規律のバランスというものをとっていかなければならないと思っておりますけれども、先日の参考人質疑においても、参考人の方々から、特定の行為の禁止行為が必要だとの御意見がある一方で、どのような行為を対象とするか等について課題が多い、また、イノベーションとのバランスも考慮して、まずは報告、評価制度の運用等を通じて実態を把握し知見を蓄えるべきといった御意見もあったと承知しております。  そういった意見も踏まえてきたわけでありますけれども、デジタルプラットフォーム取引透明化法案では、取引透明性公正性を高めるための事前情報開示や自主的な手続、体制整備を求めることとしており、こうした措置と、問題が起きた際の独禁法の執行によって、この二つで透明性公正性取引実現していくということと、委員がおっしゃったように、三年の見直しということも視野に入れてしっかりと評価をしてまいりたいと思います。
  94. 田嶋要

    ○田嶋委員 御専門の先生方も両論あったということですけれども、両論あったから今回は抑制的なたてつけにしました、そういうことだと思うんですね。  そこで私は、もしそういうことであれば、理念とか目的とか、それから禁止規定を入れないという判断をしたのであれば、特に私は、七条と九条に関してやはりちょっと抵抗があるというか、どうなのかなという感じがします。  つけております資料の二ですけれども、これはEUのPツーB規制というやつですね。プラットフォーマーとビジネスの間の規制関係でございますが、特に、やはり、EUらしいというのは、オンラインプラットフォーム経済監視員会を欧州委員会のところにつけましたと。それからもう一つ、一番下でありますが、調停者の調停サービス提供機関もつくりましたということであります。そしてまた、割と細々と、プラットフォーマーを通じてビジネスをされる中小・小規模企業の方々の側に立った提案がある。  EUの規制に倣って、これは七条関係でございますが、そうした紛争処理の、無料であることとか、容易なそうしたサービスのアクセスとか、それから合理的な期間内の処理とか、そして調停者を指定するとか、あるいは調停団体をつくりなさいと推奨するとか、やはりそういうところが、私は、今回の日本政府のたてつけよりも、スモールプレーヤー寄りのいろいろな配慮があるというふうに感じるんです。  それから、第九条の関係でいっても、日本のこの法案のたてつけは、毎年度ですね。年に一回で本当にいいんですか。一年間、何が起きているかわからない。年に一回だけ報告書を出させるやり方ですよ。それから、有識者への相談も、できる規定でとどまっていますね。これで本当にいいのかなという感じがします。  例えば、ついこの間やりましたけれども、電力・ガス取引監視等委員会、ございましたね。あれは、なぜああいうものをつくったか。自由化で、今までの独占のビジネスとは全く違う新しい産業がこれから始まるから、やはりああいう専門家たちが必要だということで始まったんだと思うんですよ。  このデジタル産業は同じような話じゃないですか。我々、余り、ふなれですから、これまで。だから、EUも、オンラインプラットフォーム経済監視委員会というものをつくって、常にモニターを、産業のモニターをして、来年はどういうビジネスモデルが出てくるかもわからないような世界ですよ。だから、やはり専門家の、有識者の力をかりよう、そういう姿勢をもっと見せるような私はたてつけにすべきであったのではないか。  電力、ガスがああいうものをつくったんだから、こっちも、法律をつくった後でもいいから、ぜひ、大臣検討された方がいいと思いますよ。いかがですか。     〔委員長退席、鈴木(淳)委員長代理着席〕
  95. 梶山弘志

    梶山国務大臣 EUのたてつけについては承知をしております。  EUの紛争解決の問題がまず第一点あるのと、そして今委員がおっしゃった組織ということもありますけれども、法律のたてつけでは、先ほど委員がおっしゃったように、意見を聞くことができると規定をされておりますけれども、毎年度の運営状況の評価以外にも、取引事業者から随時の情報提供があった場合には、調査を行って、必要に応じて勧告、命令等の必要な措置を検討してまいりたいと思いますし、先ほど申しましたように、有識者からの意見を聞いた上で、また、三年の見直しの中でしっかりと対応してまいりたいと思っております。
  96. 田嶋要

    ○田嶋委員 相当デジタルプラットフォーマーに気を使って、やはり、何というか、声の大きい方々だろうと思うし、それから、ゼロから大きなビジネスをつくったということに敬意も表したいと思いますよ。しかし、気を使い過ぎて、困っているスモールプレーヤーたちの声が結局、今までどおり余り聞かれないような状況が続く懸念も、私は結構あると思います。  だから、七条関係も、全部お任せですね。EUと全然アプローチが違う。七条関係の子細は全部、デジタルプラットフォーマーお任せ。  それから十条関係も、利用者からの不安の声は、受けとめる仕組みはありますよ。だけれども、受けとめられた声がどうなるのかはさっぱりわからない、そういう、何か、いいんですかという感じがするんですよ。だから、自主性お任せで、ちょっと、今までから余り状況が改善しない懸念も、私はあります。  だけれども、三年後に見直すと言っているんだから、それはそれで私はよしとしますけれども、しかし、ずっと見させていただいて、本当に状況が改善しないようだったら、やはりもう少しEU的なアプローチをこの三年間の間にも考える必要も私はあるのではないか、そのことを最後に申し上げまして、終わりとさせていただきます。  ありがとうございました。
  97. 鈴木淳司

    ○鈴木(淳)委員長代理 次に、笠井亮君。
  98. 笠井亮

    ○笠井委員 日本共産党の笠井亮です。  まず、5Gの促進法案についてでありますが、この5Gをめぐる米中の覇権争いがある中で、本法案には、経済産業省提出法案として初めて、この法目的の中に「我が国安全保障に寄与すること」という文言が入りました。  米国は、昨年二〇一九年の八月から、国防授権法によって、安全保障上の懸念があるとして、ファーウェイやZTEなどが生産する中国製の通信機器やビデオ監視装置の政府調達を禁止しております。米国は、そういう中で、同盟国にも同様の措置をとるように要請したとされているわけですが、まず、外務省に伺います。日本に対してはどのような要請があったんでしょうか。
  99. 赤堀毅

    赤堀政府参考人 お答えいたします。  御質問法案につきましては、特定の国の企業や製品の排除を念頭に置いたものではないと承知しておりまして、こうした我が国の取組は、米国等の特定国の要請に基づくものではございません。  日米間では、サイバーセキュリティーに関し、さまざまな議論をしておりますが、外交上のやりとりの詳細については差し控えさせていただきたいと存じます。
  100. 笠井亮

    ○笠井委員 私は要請があったのかなかったのかを聞いたんですが、なければないと言えばいいと思うんですね。それも国会に明らかにできないんですか。あったかなかったか、要請が。
  101. 赤堀毅

    赤堀政府参考人 お答えいたします。  日米サイバーセキュリティーに関します外交当局間のやりとりの詳細については、申しわけございませんが、お答えを差し控えさせていただきたいと存じます。     〔鈴木(淳)委員長代理退席、委員長着席〕
  102. 笠井亮

    ○笠井委員 法案との流れで聞いても、国会には明らかにできないと。  梶山大臣に伺いますが、シャナハン米国防次官は、昨年四月に、日米安全保障協議委員会、いわゆる2プラス2後の記者会見で、こう言っております。  情報セキュリティーは防衛協力の核心だ、大きなリスクを有する5G企業から日本の通信会社のネットワークインフラを守るための、政府調達における制限と、サイバーセキュリティー基準の遵守を通じた日本の取組を認識し、感謝いたします。  このようにまで述べているわけでありまして、米国からの要請があって、それに応えたからこそ、感謝いたしますという表明がアメリカの国防次官からあったのではないか。  「安全保障に寄与」を目的に入れた新法で、どのような要請が米国からあったかも明らかにせず、どうやってこれを審議せよということになるんでしょうか。
  103. 梶山弘志

    梶山国務大臣 私どもには、5G設備等の調達から、今委員がおっしゃったようなことに関しては、米国からの要請を受けたことはございません。  なお、本法案はあくまで、安全、安心な5G等のシステム早期普及を後押しする振興法であり、特定の国の企業や製品の排除ありきのものではありません。  今、利用範囲が広がれば広がるほど、やはりサイバーセキュリティーの重要性というのも大変重要であるというのは、またどの国も考えていることであると思っております。
  104. 笠井亮

    ○笠井委員 本法案は、経済的な覇権政策を強める米トランプ政権にくみするものになりかねない、このことを厳しく指摘しておきたいと思います。  次に、デジタルプラットフォーム法案について質問いたします。  四月十五日の審議の中で、本法案には禁止規定がないという問題を私がただしたところ、梶山大臣は、事前と事後で公正取引委員会連携をしながら取り組む、本法案も必要に応じて公正取引委員会に対処を要請する仕組みというふうに繰り返し答弁をされました。  大臣が言及された事後の取組、公正取引委員会連携しながらというのは、本法案の十三条のことということでよろしいですか。
  105. 梶山弘志

    梶山国務大臣 十三条の「公正取引委員会への措置請求」を指して、公正取引委員会に対処を要請する仕組みになっていると申し上げました。
  106. 笠井亮

    ○笠井委員 この条文のモデルは建設業法ということでありますが、その何条になるんでしょうか。
  107. 西山圭太

    西山政府参考人 お答えを申し上げます。  私ども、このデジタルプラットフォーム取引透明化法案をつくるに当たりまして、今御指摘の公正取引委員会の行政とこの法案関係性をどうするかということで検討してまいりました際に、いわゆる措置請求ということについて検討をしてまいりました。  その際にさまざまな法令を調べたわけでございますけれども、その中の参考例として、今、建設業法ということにお触れになりましたけれども、建設業法の第四十二条に「公正取引委員会への措置請求等」という規定がございまして、国土交通大臣などが公正取引委員会への措置を請求できる旨が規定されていることがございまして、これも参考にしております。
  108. 笠井亮

    ○笠井委員 国土交通省に伺いますが、この建設業法の第四十二条の規定に基づいて、これまで建設大臣あるいは国交大臣が公正取引委員会に措置を要求したことがあるでしょうか。
  109. 中原淳

    中原政府参考人 お答え申し上げます。  建設業法第四十二条に基づき、これまで建設大臣、国土交通大臣が公正取引委員会に対して措置請求を行った事例はございません。
  110. 笠井亮

    ○笠井委員 法の規定はあるけれども、実際に措置を要求、請求したことはないということであります。  梶山大臣に伺います。  過去に建設大臣、国土交通大臣が一度もやったことがない措置請求、措置要求を、果たして経済産業大臣が実際にやられるのかということになるわけです。  大臣は、ことし年頭の所感の中で、デジタル技術データをあらゆる産業社会生活に取り入れるソサエティー五・〇を世界に先駆けて実現するというふうに述べられました。一昨日の質疑でも、イノベーションも大事にして、デジタルプラットフォーマーもしっかりと育てていかなければならないというふうに繰り返し答弁をされたわけです。  果たして、じゃ、公正取引委員会に措置要求するのかということで、大臣もちゅうちょなくやるんだということを断言できるでしょうか。
  111. 梶山弘志

    梶山国務大臣 イノベーションだけ大事にしているわけではなくて、イノベーション規制のバランスというものを大事にしてまいりたいと思っております。  そして、法のたてつけでこういうことになっておりますから、そういうことが生じれば、今委員がおっしゃったようなことをさせていただきたいと思っております。
  112. 笠井亮

    ○笠井委員 どのように独占禁止法違反を事実認定するかという問題もあります。  二〇一九年の五月二十一日に経済産業省、公正取引委員会総務省検討会が発表した「取引環境透明性公正性確保に向けたルール整備の在り方に関するオプション」というのがありますが、そこには、独占禁止法に基づいて調査を行い、個別に事実認定を行うのは相当程度の時間を要する、特にデジタルプラットフォーマーについては一層の時間を要するというふうに述べられております。  梶山大臣は適切に措置要求するというふうに今おっしゃったわけですけれども、経済産業省のどの部署で、何名の体制で、この事実認定の作業をするということなんでしょうか。
  113. 西山圭太

    西山政府参考人 お答え申し上げます。  今委員指摘ございましたとおり、このデジタルプラットフォームという業態については、そのこと自身が非常に新しいものである、それから、そうしたデジタルプラットフォームについて例えば調査をしたり監視をしたり、また、この法案を執行するためには、当然のことながら専門性のある人員が必要だというふうに考えております。  したがいまして、経済産業省で申しますと、私ども商務情報政策局のもとに既にデジタル取引環境整備室というものを設置しております。そして、今後この法案が成立をいたしまして施行となった暁には、さらに、予算措置なども活用、充実をして、デジタル技術に詳しい人材や独占禁止法の運用に詳しい弁護士などの専門的な知見を有する外部人材を任用する。これは常勤、非常勤の別なく任用するとともに、デジタルプラットフォームの取引事業者の方々の意見、情報というのも非常に大事になりますので、そうした窓口を設置する。それから、きょうの御議論もございましたとおり国際的な連携というのも必要になりますので、もう既に規則をことし施行することを予定しております、EU当局との執行に関する知見の交換などを取り上げる予定にしております。  また、私どもとしては、公正取引委員会においても、この法案に関連する、あるいはデジタルプラットフォームに関連する部署を設けられるというふうに承っております。  そういう体制のもとで、十分な人材を確保して施行させていただきたいというふうに考えております。  以上でございます。
  114. 笠井亮

    ○笠井委員 いろいろなところと連携しながらという話であって、適切にと言われたんですが、経済産業省の部署と体制ということで私が問うたのに対してはかなり少ない人数という話になるわけで、公正取引委員会でも事実認定の作業というのは時間がかかると言われているということを、今局長答弁されたような経済産業省の体制でどれだけできるのか。経済産業省が本当に責任を持たなきゃいけないわけですけれども、何より、そういう点では、先日も申し上げましたが、日本経団連に言われて禁止規定を取り下げたんじゃないかと言われる経産省だけに、本当にやるのかという姿勢が問われる問題だと思っております。  そこで、公正取引委員長に伺います、杉本委員長。  もし経済産業大臣と公正取引委員会との間で、デジタルプラットフォーマーの行為が独占禁止法違反かどうか見解が分かれたらどうするのかということなんですけれども、経産大臣が要求せずとも、公正取引委員会はある意味粛々と措置をするというふうに断言できるでしょうか。
  115. 杉本和行

    ○杉本政府特別補佐人 お答えさせていただきます。  私どもは、独占禁止法の執行を担っている官庁でございますので、いろいろな案件に関しまして、その事実関係を的確に把握いたしまして、事実関係を解明いたしました上に、それで、独占禁止法違反のことがあると考えられますときには厳正に対処するという方針は全く変わっておりません。
  116. 笠井亮

    ○笠井委員 もちろん、そういう点では、経産省に伺いを立てたり、事前相談するというようなこともないわけですよね、委員長
  117. 杉本和行

    ○杉本政府特別補佐人 私どもは独立してその権限を行使する立場にございますので、私どもの立場から事実関係を解明して、その事実関係に基づいて判断していくということになると思っております。
  118. 笠井亮

    ○笠井委員 委員長が言われたように、公正取引委員会は厳格な中立性が必要とされて、ほかからの指揮監督を受けることなく、独立して職務を行うことが大原則ということであります。  梶山大臣、経産大臣の認定の有無にかかわりなく、公取委が行う措置については当然尊重する、これはもちろんですよね。
  119. 梶山弘志

    梶山国務大臣 そのとおりであります。
  120. 笠井亮

    ○笠井委員 大臣がこの間述べられた事後の取組にもこれだけいろいろな論点があるという状況の中で、事前の取組は禁止規定が削除されてしまって、自主性任せということになって、本当にこれで透明性公正性向上になるのか。こういう点ではどのようにお考えでしょうか。
  121. 梶山弘志

    梶山国務大臣 先ほども申しましたように、この前の参考人質疑の中でもやはり意見が分かれるわけであります。禁止規定はどういったものを禁止にすればいいのかということも意見が分かれるということでありまして、そういったものは、今の報告の評価の制度の中で、三年の見直しの中で、しっかりまた考えてまいりたいと思っております。
  122. 笠井亮

    ○笠井委員 自主規制と法規制を組み合わせた共同規制ということでルールをつくるということでありますけれども、では伺いますけれども、大臣が言われる共同規制というのは誰と誰による共同規制ということになりますか。当たり前のようなことですが、伺います。
  123. 梶山弘志

    梶山国務大臣 一般的に、共同規制とは、政府事業者に対して画一的かつ厳格な行為規制を課す従来型の規制手法とは異なり、事業者が遵守すべき事業の大まかな枠組み政府が提示しつつ、事業者の自主的な取組にも一定程度委ねながら規制目的を達成する手法であります。  共同規制は、一般的にイノベーションに親和的であるとされ、デジタルプラットフォーム取引透明化法案では、政府特定デジタルプラットフォーム事業者の双方が、規制目的を達成するための役割を担っております。  具体的には、政府情報開示や体制整備等について一定の枠組みを示し、特定デジタルプラットフォーム事業者が自主的に具体的な措置を講じるとともに、政府がその運営状況を、取引事業者等の声も聞きながら定期的に評価するということにしております。
  124. 笠井亮

    ○笠井委員 事業者政府による共同だということだと思うんです。  経済産業省の、プラットフォーマーを巡る法的論点検討調査報告書というのがあります。この百十八ページのところに、EUの、よりよい自主規制及び共同規制の原則ということで、二〇一四年の八月ですけれども、紹介をされております。  経済産業省に伺いますが、EUの規制の原則では、構想段階で、参加者、開放性として何と書かれているか、また、導入段階で、反復的な改善、モニタリングでは何と書かれているか、紹介をしてください。
  125. 西山圭太

    西山政府参考人 お答えを申し上げます。  いわゆる共同規制についてはさまざまな国がさまざまな文書をつくっておりまして、その中に、今委員指摘のEUの原則というのもあるわけですけれども、その文書のもとでは、効果的な自主規制、その原則が自主規制共同規制の両方をカバーしておりますので、自主規制共同規制の構築、運用に当たって重要な要素を整理したものでありますけれども、その中では、共同規制の構築に当たっては、なるべく多くの利害関係者の意見、関与のもとになされるべきこと、また、運用に当たっては、オープンな形でモニタリングを実施し、反復的に改善を図るべきことが示されているものと承知しておりまして、デジタルプラットフォーム、この本法案取引透明化法案検討に当たりましても、こうした点を参考に、さまざまなアンケート調査やヒアリングを実施し、また、運用に当たっての体制についても法案の中に盛り込んでいるところでございます。  以上でございます。
  126. 笠井亮

    ○笠井委員 今、局長、その紹介していただいた中で、ちょっと要約して、略して言われたことがあるわけですが、EUの場合は、公的機関と企業にとどまらず、議員、規制当局、市民社会も広く関与するという規制になっている、そういうことが書かれているわけです。今、そこのところを意図的に省かれたかもしれないけれども。日本のように事業者政府という狭い枠組みではないということであります。  しかも、梶山大臣に伺いますが、先ほど田嶋委員からも指摘がありましたけれども、共同規制の具体化も異なっている。  EUの場合には、法学、経済学、情報工学等の専門家から成るオンラインプラットフォーム経済監視委員会を設置をして、オンライン仲介サービスの公共性及び透明性促進規則の運用状況を監視をして、そして紛争調停機関とともに、踏み込んで規制をしようとしている。  一方の日本は、経済産業省の内部にデジタル取引環境整備室を設置するだけということになっているわけで、経産省から独立した専門機関を設けてこそ、私は、そういう意味では、EU等を参考にするのだったら、共同規制というふうに言えるんじゃないかと思うんですけれども、その点はいかがでしょうか。
  127. 梶山弘志

    梶山国務大臣 先ほどもEUの体制について議論をしたところでありますけれども、それについてもさまざまな議論があることを承知しております。  ですから、例えば、その紛争解決も、事業者側に置くのがいいのかどうなのかという議論もあります。その後の組織につきましてもさまざまな議論がありますから、そういった点も含めて、この三年間、しっかり評価をしながら、また改善を図る必要があれば図ってまいりたいと思っております。
  128. 笠井亮

    ○笠井委員 さまざまな議論というふうにおっしゃいましたが、この法案審議の中でも、大臣からも局長からも、EUのことを参考にしながらということで、またそれを引きながらということでつくったということなんですけれども、実際には随分違うところがある。やはり、EUの場合は、監視機関や紛争調停機関を含めた共同規制となっているわけで、そういう点では、日本もしっかりと見習うべきだというか、本当にそれを生かすべきだというふうに思います。  EUがデジタルプラットフォーマーの法律違反に強い制裁を実施してきたことも忘れてはならないという点も議論したいと思うんですが、杉本公正取引委員長に伺います。  EUは、グーグルの競争法違反事件をめぐって巨額の制裁金を課す決定を立て続けに出しました。二〇一七年六月、一八年七月、一九年三月、三度にわたって制裁金を課したわけですが、その合計額というのは幾らになっているか、ユーロと円でお答えください。
  129. 杉本和行

    ○杉本政府特別補佐人 委員の御指摘にありましたように、欧州委員会は、比較ショッピング、アンドロイドOS及び検索連動型広告に関しまして、支配的地位を濫用したとして、グーグル社に対しまして、二〇一七年六月から三回にわたりまして制裁金を賦課しております。  三回の制裁金の合計額は、約八十二億六千万ユーロでございます。日本円に換算いたしますと、約一兆円となるものでございます。
  130. 笠井亮

    ○笠井委員 今お答えありましたけれども、EUは、一般データ保護規則、GDPR違反でも、全世界年間売上高の四%以下の制裁金などを設定しているということで、フランス当局はグーグルに五千万ユーロ、約六十二億円の制裁金を課したわけであります。  では、日本ではどうかというと、日本でGAFAなど巨大なデジタルプラットフォーマーに独禁法違反で課徴金納付命令を出したことはあるでしょうか。
  131. 杉本和行

    ○杉本政府特別補佐人 いわゆる巨大プラットフォーマー、GAFAを始めとするプラットフォーマーに対しましては、公正取引委員会としても、各種事案において調査をいたしまして対応してきたところでございますが、今のところ、まだ課徴金を課した例はございません。
  132. 笠井亮

    ○笠井委員 梶山大臣に伺いますが、本法案でも、情報開示の命令違反ということでは百万円以下ということで、報告書を提出しない場合は五十万円以下の罰金ということになっていますが、EUと比べても、本当に規模が全然違うわけですね、五十万、百万で。向こうはとにかく、一兆とか、あるいは五千万ユーロとかというような形での、実際にそれを課すということをやっておるわけです。  日本のような罰金ということで、この法律による罰金ということでいうと、これで、巨大なデジタルプラットフォーマーに対して、違反への抑止の効果があるというふうに思われるでしょうか。いかがですか。
  133. 梶山弘志

    梶山国務大臣 デジタルプラットフォーム取引透明化法案では、特定デジタルプラットフォーム事業者取引条件等の開示義務違反に対する措置命令に従わなかった場合など、罰金を科すことにしております。  他方で、罰金だけでなく、デジタルプラットフォームの運営状況を評価、公表する仕組みや、公正取引委員会に対処を要請する仕組みを設けており、これらのさまざまな措置を組み合わせて総合的に法案の抑止効果を担保していると考えております。  具体的には、各事業者取引透明性公正性向上のための取組状況を評価する仕組みや勧告の規定を設け、これらを利用者などに広く公表することとしております。デジタルプラットフォーム事業者にとって、社会的評価は極めて重要であると考えております。公表により事業者の自主的取組を強く促せると考えております。  さらに、必要な場合にも公正取引委員会に対し対処を要請する仕組みも設けており、独占禁止法では、排除措置命令や課徴金納付命令も含めた対処がなされることになると考えております。
  134. 笠井亮

    ○笠井委員 大臣は、ほかにもいろいろな仕組みあるいは規定を設けて、そして、デジタルプラットフォーマーに対して、やはり社会的評価にかかわるようなことをやるんだからということを言われるわけですが、罰金とかということや制裁について言うと、じゃ、軽くていいのかということにはならなくて、巨大なデジタルプラットフォーマーに百万円という罰金など痛くもかゆくもないという話になっちゃうんですね。実際にこれをやったときにはこれだけ罰金かかりますよというふうになると、百万円ですか、ああ、こういう話になるので、EUはグーグルに一兆円を超える制裁金ということであります。  そういう点では、EUは、こうした競争法やあるいはGDPRの強い執行力を前提として、その上で共同規制という考え方で、しかも、そこに参加するのは広く市民も含めたという形になっている、そうして新しい規則をつくっているということでありますから、EUを本当に例にしながら参考にしてやったと言うんだったら、日本でもやはり実効力ある踏み込んだ規制をしっかりとやるべきだ、このように考えるのですが、いかがでしょうか。
  135. 梶山弘志

    梶山国務大臣 EUの仕組み参考にしておりますけれども、全てを取り入れているわけではございません。  日本に合った制度にしていくということと、冒頭も申し上げましたけれども、イノベーション規制のバランスというものをどうとっていくかということも含めて、日本経済というものも考えながら、この制度をつくらせていただきました。
  136. 笠井亮

    ○笠井委員 時間が来たので終わりますが、私は、そういう点では、この法案については、本当に真に実効性のある規制法とするために、やはり更に改善が必要だということを考えます。そういう点で、日本共産党として修正案を提出したいと考えております。  質問を終わります。
  137. 富田茂之

    富田委員長 次に、足立康史君。
  138. 足立康史

    ○足立委員 日本維新の会の足立康史でございます。  きょうも法案審議ということですが、あまたある通告、申し上げた関連質問は、大臣西山局長にはもう既に各委員にお答えをいただいていますので、全て割愛をさせていただいて、恐縮でございますが、新型コロナのお話をさせていただきたいと思います。ごゆるりとお願いしたいと思います。  さて、新型コロナですが、緊急事態宣言が全国に広げられて、また新しい局面を迎えております。現場の困窮度は、全く改善をしていません。これからまさに補正予算を急いで成立をさせて、現場にお届けをしていく、急がねばならないと思っています。その上で、また来週、再来週になるのかな、補正予算、我が党からも幾つ指摘せざるを得ない点がありますが、それは、きょうも含めて、予算委員会、本会議でさせていただきたいと思います。  きょう、私からは、経済産業委員会でもありますので、事業資金が本当に大丈夫かということです。  もうこれは一度御答弁いただいていますが、もう一回、繰り返しになる部分もありますが、経済産業省の方から、私たちが今着目をしている、休業要請が拡大する中で、賃料負担が問題になっています。大都市部で今、休業要請がずっと続いています。そういう中で、雇用調整助成金などがあるので、仮に人件費がまだ一息つくことがあっても、賃料負担が大変、穴があいているということで問題になっている。  この休業要請に伴うそういう現場の足元の実態、これは、どう捉えていらっしゃるか。また、経済産業省梶山大臣のところで御用意いただいている持続化給付金が大きな期待を集めているわけでありますが、それで間に合うのかどうか、その辺の見通しを経産省の方から御答弁をいただきたいと思います。
  139. 奈須野太

    奈須野政府参考人 お答え申し上げます。  新型コロナウイルス感染拡大の影響によって、多くの事業者が売上げの大幅な減少などの影響を受けております。  このような状況の中で、経営が厳しい事業者に対しては、三年間実質無利子で、最大五年間元本返済不要の融資であるとか、あるいは、今委員から御指摘がございましたけれども、従業員が休業した場合の雇用調整助成金による実質的な人件費の補填、それから、国税、地方税、社会保険料、光熱費、公共料金などの延納、それから家主に対する家賃の徴収猶予の検討の要請、こういったさまざまな支援を行っているところでございます。さはさりながら、大家さんのほとんどは中小零細ということでございますので、家賃の支払いを猶予してくれと言っても、完全には手当てし切れない場合もあると認識しております。  そこで、今回、売上げが前年同月比で半分以上減少する、経営が特に厳しいという事業者向けに、使途の制限のない給付金を設けるということで、中堅、中小法人には二百万円、個人事業主には百万円、給付金を給付しております。  これで足りるかというお尋ねでございますけれども、どのぐらいの規模かと、百万円、二百万円というのはどういうインパクトかということを申し上げますと、中小、小規模法人の九五%を占める五十人以下の事業者について、固定費のうち、地代家賃、広告宣伝費を合計した費用の平均が年間四百万円程度ございます。それから、個人事業主については、これが年間二百万円程度ということでございまして、これは、売上げが半減した事業者に対して、年間のこうした固定費の支払いの半分程度に相当するインパクトというふうになっております。  もちろん、所在している都市であるとか、あるいは面積によって、家賃その他の固定費は異なるものでございまして、二百万円あるいは百万円ということでは多かったり少なかったりする、こういうことは当然あろうかと思います。しかしながら、所在地であるとか、家賃がどうであるとか、こういったことを勘案して給付金の額を決めようということになりますと、非常にわかりにくい仕組みになったり、あるいは審査に非常に時間を要するということになって、目下経営の危殆に瀕している事業者に対して迅速に給付金をお届けするということが困難になるわけでございます。  こういった観点から、今回、二百万円あるいは百万円という額の給付金を提供させていただきたいと考えているわけでございます。
  140. 足立康史

    ○足立委員 ありがとうございます。  大変要領を得た御答弁、ありがとうございます。現状について、それで大丈夫だということではなくて、今政府が何を考えているかということは大変よくわかります。  そこで、きょうは、国土交通省から佐々木政務官においでをいただいています。ありがとうございます。  国土交通省が、今この家賃の問題についてだけではありませんが、四月九日付で「新型コロナウイルス感染症に係る対応について(補足)」という詳細な通知を、不動産関連団体向けに発出をされています。そこには幾つか、金融機関における条件変更等とか税務上の取扱い、それから、今、奈須野部長から御紹介があった持続化給付金、固定資産税、いろいろあります。  きのうも、政府・与党野党協議会で、我が党の浅田政調会長の方から、その協議会の場で政府・与党に対して、この家賃の問題を提起しました。ちょっと、ちゃんと議事録とかは拝見していませんが、浅田政調会長等から聞いているところによると、固定資産税でちゃんと措置しているとか、そういう、この紙に沿った御回答しかなかったと。  ただ、法案を今準備していますから、家賃モラトリアム法案について、政府・与党野党協議会の与党野党筆頭、田村憲久与党筆頭と逢坂誠二野党筆頭で議論が始まるということを承知しているわけでありますが、佐々木政務官、国交省として、この問題、現状について、それから、今あった、こういう通知で十分だと御認識されているか、御答弁いただけますか。
  141. 佐々木紀

    ○佐々木(紀)大臣政務官 足立委員にお答え申し上げたいと思います。  賃料の支払いについてでございますけれども、これはやはり事業者にすれば、売上げがなかなか立たない、減っていく中で賃料はこれまでどおり払っていかなければいけないということで、大変な御負担かというふうに御理解をしております。我々国土交通省としても、やはり不動産業界を所管する立場として、もちろん、借りる側、テナント事業者からの相談も受けておりますし、貸す側、ビル賃貸事業者からも同様の相談を受けている。どちらの方もお困りだということだというふうに思っております。  そこで、政府としては、まず、借りる側の皆さんに対しては、今ほど経産省の方から御説明があったとおり、賃料も含めた包括的な支援、金融支援、これをやっているところでもございます。実質無利子無担保の融資であるとか持続化給付金、こういったことも使って、家賃の支払いを含めた事業継続に必要な資金が確保できるように取り組んでいるところでもございます。  一方で、貸す側ですね。委員も、この辺がすごく大事なんじゃないかという御指摘だと思うんですけれども、ビル賃貸事業者皆様には、まず先月の三十一日に、賃料の支払い猶予などの柔軟な措置を検討していただくように、不動産関連団体を通じて要請をさせていただいたわけでございます。ただ、この要請だけでは、なかなか猶予まで踏み切れないという御意見もあるのも事実でございます。  その上で、今ほど御指摘のように、今月九日に幾つかのことを不動産関係団体に周知をしておりまして、一つは、賃料の減免等は、損失額は損金算入ができる措置がありますよとか、事業収入が大幅に減少した場合は固定資産税の減免が受けられますよとか、あるいは金融機関に対しては、既往債務の返済猶予、条件変更等の依頼をしていますとか、こういったことを周知したというわけでございます。  さらに、これに加えて、ここからが新しい情報ですが、きょう大臣が記者会見をさせていただいたことでもございますけれども、賃料の支払いを猶予した場合にも、一年間、国税、地方税、社会保険料の納付猶予が受けられること、あるいは固定資産税の減免が受けられることについて発表させていただいたということでございます。  つまり、猶予についても、これは収入が減少したとみなしますよというような取扱いをするということを発表させていただいておりますので、ぜひ、こういったことを周知していただいて、活用していただいて、今後、猶予や減免について取組が進むように取り組んでいきたいというふうに思います。  これからも引き続き、現場の状況をしっかりと把握して、新たな政策対策を打たなければいけないということであれば、適切に対応していきたいと思っております。
  142. 足立康史

    ○足立委員 佐々木政務官、大臣のきょう朝の話も御紹介をいただいた、感謝申し上げたいと思うけれども、現場はもう休業要請は始まっているわけです、今、休業要請中ですね。だから、本当は、今おっしゃったようなことは、休業要請する前に全部用意していないといけないし、私は、足りないし、遅いとやはり言わざるを得ない。  佐々木政務官にもう一言ちょっと伺いたいのは、じゃ、大丈夫かということです。  やはり国交省には、よく現状を調査していただいて、大規模調査はできないですよ、でも、ヒアリングでもいいんです、しっかりと現場の調査をしていただいて、やはり足りない、私が現場感覚で聞いているのは、全く足りない。そんな、政府が設計したような形で世の中は動きません。金融機関、オーナー、大家さん、それからテナント、たな子、それから、そこに商売がある、その商売が休業しているんですから、このサプライチェーン、お金の流れがふん詰まると、そこで誰か死ぬわけです。  だから私は、やはりもっと包括的な法律として、この分野、家賃の問題をちゃんと解決するという手当てが必要だということで、きのうの政府・与党野党協議会からまた来週にかけて、補正予算案と並行して、法律を仕上げるつもりで提案をしてまいりたいと思います。  これは別に佐々木政務官だけに申し上げているんじゃなくて、与党に申し上げているわけでありますが、ぜひ、適時適切に現場をよくヒアリングして、やはりだめだと、いや、私は、今ヒアリングしたら、だめだと思いますよ。だから、やはり改めて調査して、ヒアリングしていただいた上で、来週、補正予算案と並行して、この家賃の問題、法律的な手当ても含めて調整をさせてほしいと私は思っているので、その辺、現場をしっかり調査するということでお願いできますか。
  143. 佐々木紀

    ○佐々木(紀)大臣政務官 ありがとうございます。  本当に、状況は日々、刻々と変化しているということでございますので、可能な限りリアルタイムで状況把握をしていきたいというふうに思いますし、きょう発表させていただいた内容もしっかり周知させていただいて、これからテナント事業者とビル賃貸事業者の間で賃料の支払い猶予、減免の話合いが進むようにしっかり取り組んでいきたいというふうに思います。
  144. 足立康史

    ○足立委員 ありがとうございます。  あと、残る時間は若干でありますが、今申し上げたのは事業資金ですね。もう一つ生活資金です。まさに、それもあって、きのう総理が、三十万円を取り下げて、十万円でいくんだ、こういう話です。  これは、神田政務官、ちょっと状況を御紹介いただけますか。
  145. 神田憲次

    神田大臣政務官 お答え申し上げます。  昨日、緊急事態措置を実施すべき区域を七都道府県から全国に拡大したことによりまして、全ての国民皆様にさらなる御協力をいただくことになったところでございます。  このため、外出自粛を始め、さまざまな活動を制約することとなる全国全ての方々に、一律に一人当たり十万円の給付を行う方向で、総理の御指示によりまして、与党において再度検討を行っていただいておるところでございます。  具体につきましては、まさに今御検討をいただいているところではありますが、肝心なのは、簡素な仕組みで迅速かつ的確に皆様にお届けするというところでございまして、これが極めて重要であると考えております。  与党での検討を経て、速やかに取りまとめをいたしまして、できるだけ早期の補正予算の提出及び成立を図ってまいりたいと考えておるところでございます。
  146. 足立康史

    ○足立委員 今、神田政務官から迅速という話がありました。これを実際に段取りするのは総務省と承知していますが、森審議官ですか、いつごろ配れそうですか。
  147. 森源二

    ○森政府参考人 質問レクの際に、前回の定額給付金のことということでお伺いをしておりましたので、そのときの実績ということでお答えさせていただきたいと存じます。  平成二十年度の補正予算事業として実施された定額給付金でございますけれども、これは、全ての世帯を対象に、世帯を構成する方一人について一万二千円を基本として給付されたものということでございます。  この定額給付金の交付の実績でございますけれども、平成二十一年の一月二十七日に国の第二次補正予算が成立をした後、これは自治体への十分の十の補助事業でございますので、各自治体での予算計上等を経まして、最も早い団体で三月上旬、三月五日に給付が開始をされ、四月中旬までに約五割で開始をされ、五月二十八日には全ての団体で給付が開始されたというふうに承知をしています。十一年前に実施されたものでございます。
  148. 足立康史

    ○足立委員 今、皆さん、聞いていただきましたか。これぐらいかかるんですね。森審議官、今回も私は似たような感じにならざるを得ないのかなと思いますが、それを今聞かれても、指示を受けたばかりでわからぬということだと思いますが。  今御紹介があったように、まあ二カ月とか三カ月とか、場合によっては四カ月、団体によって、地域によって変わるわけですね。きのうのNHKのニュースを拝見していると、報道では五月中にもという、それは報道が言っているのでよくわからないんですが、大変難度の高い作業がこれから総務省にあると思います。本当に迅速にできるのか、大変心配をしています。  ぜひ、あらゆるアイデアを尽くして、迅速に、この一律一人十万円、これを国民皆様の手元にお届けいただくよう、改めて私からもお願いをしておきたいと思います。  きょうはもう時間が余りありませんが、金融庁にもお越しをいただいています。これは、金融庁、政務はいないのか。ああ、神田さん、同じ神田さんやね。  どうですか、神田さん。今、事業資金のみならず生活資金の話をした。生活資金の、国民の窮状の現状、それから消費者金融等の貸金業の足元がどうなっているか、御紹介をいただきたいと思います。
  149. 神田憲次

    神田大臣政務官 お答え申し上げます。  先生お尋ねの消費者金融大手三社ということでお答えをさせていただきたいと存じますが、まず、貸金業者の足元の融資実績については、今現在、正確には把握できているわけではございません。消費者金融大手三社に確認したところによりますと、今般の新型コロナウイルス感染症の発生前後では大きな動きはないと聞いておるところでございます。  次に、金融庁の対応状況につきましては、二月七日に、新型コロナウイルス感染症の発生を踏まえまして、顧客から金融サービスに関する要望があった場合には、顧客の状況等を十分に勘案して、柔軟な対応に努めることを要請したところでございます。  また、四月七日には、緊急経済対策が公表されたことを踏まえまして、同日に、住宅ローン個人向けローンについても、これまでの要請を十分に踏まえた、更に個人顧客のニーズに合った、顧客ニーズを十分踏まえた条件変更等について、迅速かつ柔軟な対応を要請したところでございます。  金融庁といたしましては、こうした取組を通じまして、新型コロナウイルス感染症の影響を受けている顧客に対する支援を現在促しておるところでございます。
  150. 足立康史

    ○足立委員 時間を超過しました。失礼しました。来週また引き続き議論させていただきたいと思います。  ありがとうございました。
  151. 富田茂之

    富田委員長 これにて両案に対する質疑は終局いたしました。     ―――――――――――――
  152. 富田茂之

    富田委員長 ただいま議題となっております両案中、まず、内閣提出特定高度情報通信技術活用システム開発供給及び導入促進に関する法律案について議事を進めます。  これより討論に入ります。  討論の申出がありますので、これを許します。笠井亮君。
  153. 笠井亮

    ○笠井委員 私は、日本共産党を代表して、いわゆる5G促進法案について反対の討論を行います。  5Gが国民の暮らしや産業を支える公共、公益インフラとして多様に発展することはもちろん必要ですが、本法案には以下の重大な問題点があり、賛成できません。  反対理由の第一は、巨額の内部留保を抱える通信大手四社を始め、一握りの大企業に破格の減税を行うものだからです。  本法案は、安倍政権が国家プロジェクトとして進める5Gサービスの早期開始と普及のために、設備投資額の一五%もの減税を実施しようとするものです。  恩恵を受けるのは、大手通信四社、ローカル5Gを導入するトヨタ自動車、日立製作所、富士通、NECなど一握りの大企業で、それらの内部留保を積み増すことにしかなりません。  昨日、緊急事態宣言が全国に拡大されたもとで、今緊急に実施するべきは、全ての日本在住者への一人十万円の給付とともに、外出自粛、休業要請と一体の補償、検査体制強化と医療現場への本格的な財政支援であります。この際、不要不急の財政支出はきっぱり中止すべきです。  第二は、本法案が国の安全保障への寄与を目的に掲げ、しかも、安全保障上の懸念を口実にした5Gとドローンに関するサイバーセキュリティー確保の規定は抽象的かつ曖昧で、政府に白紙委任するものだからです。  本法案の背景には、5Gをめぐる米中の覇権争いがあります。米国は、自国第一主義の立場から、国防授権法に基づき、国内はもとより、同盟国にもファーウェイなど中国企業の排除を求めています。日本政府がこれに呼応しているもとで、本法案は、経済的覇権政策を強める米トランプ政権にくみするものになりかねません。  以上、反対討論といたします。
  154. 富田茂之

    富田委員長 これにて討論は終局いたしました。     ―――――――――――――
  155. 富田茂之

    富田委員長 これより採決に入ります。  内閣提出特定高度情報通信技術活用システム開発供給及び導入促進に関する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  156. 富田茂之

    富田委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。     ―――――――――――――
  157. 富田茂之

    富田委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、武藤容治君外三名から、自由民主党・無所属の会、立憲民主・国民・社保・無所属フォーラム、公明党及び日本維新の会・無所属の会の四派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  提出者から趣旨の説明を求めます。山岡達丸君。
  158. 山岡達丸

    ○山岡委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表し、その趣旨を御説明申し上げます。  まず、案文を朗読いたします。     特定高度情報通信技術活用システム開発供給及び導入促進に関する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法施行に当たり、次の諸点について十分配慮すべきである。  一 特定高度情報通信技術活用システム開発供給計画及び導入計画の認定については、サイバーセキュリティの確保を前提としつつ、事業者にとって公正公平で予見可能性が高い認定基準を明確に定めるとともに、サイバーセキュリティ及び5Gに関する専門人材の確保に努め、電波法に基づく調達ベンダーの確認等、関係省庁の密接な連携の下、適切な認定の実施に向けた体制の整備に万全を期すること。  二 5G基地局の整備に当たっては、通信事業者において効率的に全国への基地局早期整備が行われるよう、インフラシェアリングや既存の4G基地局の利用促進に向けた環境整備を図ること。  三 本法による5G基地局早期整備が産業分野での新事業創出及び事業革新につながるよう、5Gの実証研究に対する一層の支援を進めるとともに、活用事例・成功事例を広く周知し、大企業のみならず個人事業主まで含めた中小企業等における5Gの幅広い活用の推進に努めること。  四 ローカル5Gについては、その導入促進我が国産業競争力の底上げに資するものとして期待される一方、本法による支援措置を考慮してもなお特に財政基盤の弱い中小企業等の導入事業者の負担が重くなることに鑑み、本法施行後の導入状況を注視しつつ、更なる支援策について検討すること。  五 今後、ドローンが配達困難地域での配送、インフラの点検、農業分野での活用等様々な分野で地方の抱える問題を解決する切り札となり得ることに鑑み、地方でのドローン活用促進するため、導入事業者に対する更なる支援策について検討すること。  六 我が国の従前の産業政策について厳密な政策評価が行われてこなかった現状を踏まえ、5Gを始めとした激変する成長分野に対するこれまでの産業政策について適切な検証・評価・総括を行った上で、日本産業界を取り巻く市場の変化、特に中国その他アジア諸国の企業が台頭する状況等に的確に対応した政策への抜本的見直しを行い、ポスト5Gや6Gを見据えて新しい産業の創造の支援に努めること。 以上であります。  附帯決議案の内容につきましては、審査の経過及び案文によって御理解いただけるものと存じますので、詳細な説明は省略させていただきます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
  159. 富田茂之

    富田委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。  採決いたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  160. 富田茂之

    富田委員長 起立多数。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。  この際、梶山経済産業大臣から発言を求められておりますので、これを許します。梶山経済産業大臣
  161. 梶山弘志

    梶山国務大臣 ただいま御決議のありました本法律案の附帯決議につきましては、その趣旨を尊重してまいりたいと考えております。     ―――――――――――――
  162. 富田茂之

    富田委員長 次に、内閣提出特定デジタルプラットフォーム透明性及び公正性向上に関する法律案について議事を進めます。  この際、本案に対し、笠井亮君から、日本共産党提案による修正案が提出されております。  提出者から趣旨の説明を求めます。笠井亮君。     ―――――――――――――  特定デジタルプラットフォーム透明性及び公正性向上に関する法律案に対する修正案     〔本号末尾に掲載〕     ―――――――――――――
  163. 笠井亮

    ○笠井委員 特定デジタルプラットフォーム透明性及び公正性向上に関する法律案に対する日本共産党の修正案について、その提案理由及び趣旨を御説明申し上げます。  急成長を遂げてきたGAFAと呼ばれる巨大IT企業をめぐって、個人情報収集や税逃れ、労働者の使い捨てなどが大問題となっています。世界各国は規制や課税の強化に乗り出しています。  本法案は、デジタルプラットフォーマーの育成の側面とともに、中小企業への優越的地位の濫用の是正を求める声に応え、取引の透明化と国への定期報告を義務づけるなどの規制の側面がありますが、より実効性のある規制を行うために、本修正案を提出することとしました。  以下、本修正案の主な内容について御説明申し上げます。  修正案は、第一に、デジタルプラットフォーマーの自主性に配慮する、国の関与と規制を最小限にする等の文言を削除することで、本法案目的基本理念が、国の適切な関与と規制のもとで、広くデジタルプラットフォーマー透明性公正性向上に責任を果たさせることを明確にすることです。  第二に、政府自身が検討段階で提示していたにもかかわらず、法案から削除された四つの禁止行為、すなわち、競合商品を拒絶、自社サービスなどの利用強制、自社の商品を有利に表示、一方的な不利益変更を法定化するものです。これにより、デジタルプラットフォーマーによる独禁法違反の未然防止につなげます。  第三に、さきに挙げた四つの禁止行為に違反すると経産大臣が認めるときは、公正取引委員会へ措置請求を行うものとし、このうち、優越的地位の濫用違反に当たる場合の課徴金の算定率を引き上げるものです。繰り返し違反者への加算規定と相まって、抑止力を高める効果が期待されます。  第四に、検討事項として、デジタルプラットフォーマーを監視し、利用者との間の紛争を調停する中立公正な機関の設置や、単発で業務を請け負う、いわゆるギグワーカーに対する不当行為を防止するための措置について、速やかに検討し、所要の措置を講じるものとするものです。  なお、参考人質疑で、労働は商品ではないとの指摘があったことを踏まえ、「商品等」を「商品役務等」に置きかえるなど、用語の整理を行っております。  以上が、本修正案の趣旨であります。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
  164. 富田茂之

    富田委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。     ―――――――――――――
  165. 富田茂之

    富田委員長 これより原案及びこれに対する修正案を一括して討論に入るのでありますが、討論の申出がありませんので、直ちに採決に入ります。  内閣提出特定デジタルプラットフォーム透明性及び公正性向上に関する法律案及びこれに対する修正案について採決いたします。  まず、笠井亮君提出の修正案について採決いたします。  本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  166. 富田茂之

    富田委員長 起立少数。よって、本修正案は否決されました。  次に、原案について採決いたします。  原案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  167. 富田茂之

    富田委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。     ―――――――――――――
  168. 富田茂之

    富田委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、武藤容治君外四名から、自由民主党・無所属の会、立憲民主・国民・社保・無所属フォーラム、公明党、日本共産党及び日本維新の会・無所属の会の五派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  提出者から趣旨の説明を求めます。山岡達丸君。
  169. 山岡達丸

    ○山岡委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表し、その趣旨を御説明申し上げます。  まず、案文を朗読いたします。     特定デジタルプラットフォーム透明性及び公正性向上に関する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法施行に当たり、次の諸点について十分配慮すべきである。  一 特定デジタルプラットフォーム提供者の対象範囲については、プラットフォームビジネスの市場変化のスピードが速いこと、また、現状において商品等提供利用者との間で契約の合理性・対等性等の課題指摘されていることを踏まえ、取引現場において必要とされる規制等を適時確認する調査を実施し、デジタルプラットフォームのイノベーションが阻害されることのないよう留意しつつ、国内外のデジタルプラットフォーム提供者に同一の規律を及ぼすとともに、必要とされる見直しの検討を行うこと。  二 特定デジタルプラットフォーム提供者が経済産業大臣提出する報告書の評価に当たっては、迅速性も踏まえつつ、利用者又はその組織する団体、学識経験者等から幅広く意見を聴くことで、商品等提供利用者や一般利用者の保護を図るとともに、特定デジタルプラットフォーム提供者とも十分なコミュニケーションを図り、当該特定デジタルプラットフォーム透明性及び公正性実効性確保に資するよう、適切な実施に努めること。  三 特定デジタルプラットフォームに係る苦情処理及び紛争解決については、中小企業者等の利用者にとって過度な負担とならない、簡便かつ迅速な苦情処理及び紛争解決のための体制の整備を図るとともに、当事者間の苦情処理や紛争解決の適切性、妥当性が客観的に評価できるようなシステムの構築を検討すること。  四 本法の実効性を高め、とりわけ中小企業者等の利用者の意見等について迅速に対応するため、諸外国における取組等を踏まえながら、外部の知見を得るために専門人材等を積極的に活用し、利用者、特定デジタルプラットフォーム提供者等の関係者間において課題を適時共有するとともに、相互理解促進を図るよう体制整備に努めること。 以上であります。  附帯決議案の内容につきましては、審査の経過及び案文によって御理解いただけるものと存じますので、詳細な説明は省略させていただきます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
  170. 富田茂之

    富田委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。  採決いたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  171. 富田茂之

    富田委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。  この際、梶山経済産業大臣から発言を求められておりますので、これを許します。梶山経済産業大臣
  172. 梶山弘志

    梶山国務大臣 ただいま御決議のありました本法律案の附帯決議につきましては、その趣旨を尊重してまいりたいと考えております。     ―――――――――――――
  173. 富田茂之

    富田委員長 お諮りいたします。  ただいま議決いたしました両法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  174. 富田茂之

    富田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――     〔報告書は附録に掲載〕     ―――――――――――――
  175. 富田茂之

    富田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時二十六分散会