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藤野委員 それはおかしいと思うんですね。私どもは
外部の人間ですから、登記簿を調べたり公開されているものでしか調べられないんですが、
社長はやはり
社長ですから、わかるんじゃないかと思うんですね。
例えば、その一方当事者である加藤尚さんのこの評伝、同じ本ですけれども、二百五十四ページにこういう記述があるんですね。彼は、彼はというのは加藤さんですけれども、彼はこの
原発の設置によって今まで全くの過疎地であった地方に道路がつくられていくことを知った、高浜青戸入江に八万八千平米の土地を造成、ここに観光施設をつくり、行く行くはその一部を
原発の建設用地に譲渡するつもりであったと。
二百五十五ページにはこう書いてあります。若狭高浜の海岸へ行ったとき、漁師風の老人が私に、福井に加藤尚さんという人がおりますかと問われたので、福井放送の
社長さんですよと答えると、その老人は、その方がこのあたりの広い入り江を買収されたのですが一体何にするのでしょうねと不思議顔をしたことが忘れられません、その後、この青戸入江を埋め立て、やがて青戸園が建ち
関西電力の社員住宅街ができ上がっていったのですが、常に十年、二十年先を考えておられる方だとその洞察力に感心いたしました、これが高浜地方開発の発端となった、そして
原子力発電所の
計画が表面化してきたのはそれから間もないことであったと。
ですから、
関電さんは知らないとおっしゃいますけれども、そのカウンターパートというか、一方当事者の加藤さんの伝記にもうリアルに書かれているんですね。要するに、行く行くはとか間もないとか、初めから
関電の
原発のためにというふうに書かれているわけです。埋立てはそのためでしたと、そういう非常に洞察力があったと書かれている。ですから、
関電と加藤尚さんがタッグを組んで推進していた、これが実態だというふうに思うんですね。ぜひこれを調べていただきたいと思うんです。
今のは高浜
原発一、二号機をめぐる動きなんですが、三、四号機でも
社長にお聞きしたいことがあるんです。ここで登場するのが
森山元助役なんですね。
配付資料の二に戻っていただきますと、その一番下の、オレンジで囲んである水明という公有水面埋立地ですが、これは加藤尚さんではなくて初めから高浜町が所有者なんです。というか、埋め立てたいですと申請し、やったのは高浜町なんですね。埋め立てたいですと言った理由は何かというと、運動公園とかそういう住民の憩いのための広場を建設するためだといって、当時の県知事にこの水明の土地を埋め立てさせてくださいと申請しました。それで許可がおりました。ところが、許可がおりたら、間もなく、更にこの用途変更を高浜町が申請するわけです。
配付資料の六を見ていただきますと、その申請書になるんですが、右側に、変更前というところで、
先ほど申し上げた運動場の用地が一・六ヘクタールとか緑地が二・四とかあると思うんですが、変更後は、それらがなくなったり物すごくちっちゃくなって、
原子力保修訓練センター用地というのが最大の目的になります。下の方にありますけれども、何で変更するかというところに出てくるのは、
原子力は国策だからだということなんですね。国策に協力するために、住民憩いの運動公園や緑地を
原発の
研修センターに変えますとあるんです。これは、高浜町はこういう申請を出しているんですけれども、何でこうなったのかがよくわからないんです。
社長にお聞きしますが、何でこういう変更が起きたのか、これは
関電から高浜町に要請したということですか。