○杉本
委員 維新の杉本和巳です。
二十分しかないので、端的にと言いつつも、ちょっと冒頭、少し申し上げさせていただければと思っております。
まず、
大臣の所信的な
発言で、タイトルは、衆議院
外務委員会における
国際情勢に関する報告というのがございました。それで、前提の積極的平和主義というのは書いていなかったんですけれども、先ほど小熊議員が提起され、
松本委員長も、過去そういった
発言があったかどうか、ちょっと私も
確認できておりませんけれども、「地球儀を俯瞰する外交」というのが、やはり地球を俯瞰する外交の方が適切なのではないかと。言葉は難しいので、ただ、小熊さんの発信を聞いていると確かにそうかなというふうにも思いましたので、この点もまた
政府として御検討いただければ私もいいかなと思っております。
それとあわせて、「包容力と力強さを兼ね備えた外交」と書いてあるんですけれども、ここに平和を入れて、兼ね備えた平和外交とされてもいかがかなというふうに思います。
何ゆえかといえば、
大臣も十分御案内かと思いますが、きのう、ロシアのプーチン
大統領とトルコのエルドアン
大統領が、モスクワにおいて、シリアのイドリブ県についての停戦に向けての方向づけの首脳会談をされているということ。
ここから読み取れるのは、シリアの問題について
アメリカがもはや関与しておられないという
状況が一つあるのと、もう一点は、アフガン情勢ですけれども、二十九日に和平合意の署名がされたにもかかわらず、きのう、ポンペオ
米国務長官が会見で、タリバンによるアフガン
政府軍への攻撃は過去数日、暴力の急増は容認できないというような
発言がなされて、まさしく地球を俯瞰する外交が
我が国にも、
アメリカがいろいろ、アフガンでは十八年間なかなか撤退できず、向こう十四カ月で撤退していきたいというようなプランを持っていても、アフガンでスタックしちゃっているという
状況とか、シリアになかなかもう関与していないというような
状況の中、やはり
日本の外交の役割というのは大変大きいかと思います。
今申し上げたアフガンの方では、タリバンという言葉があって、ちょっとこれは包容力と力強さを兼ね備えた、私は平和外交と申し上げさせていただいているんですけれども、平和を本当に希求する
我が国の、
日本の一人として一つだけ、資料は机の上に置いたまま読むので、
皆さん、
理事会の了解を得ていないんですけれども、あえてここに置いたまま読みますけれども。
中村哲さんが、タリバンとかアフガンにかかわっておられて、亡くなられましたけれども、澤地久枝さんとのインタビューの本が、「人は愛するに足り、真心は信ずるに足る」という御本があって、この七十六ページあたりに、実はタリバンという言葉は、これは
予算委員会でも中央公聴会でちょっと披瀝させていただいたんですけれども、アフガニスタンではタリバンという言葉は二つ意味があって、いわゆる反
政府勢力のタリバンと、もう一点は、寺子屋で学ぶ子供たちのことをタリバンというと。タリバンで八十人亡くなったという事案があって、それは八十人タリバンを殺したというような意味なんですが、実は子供たちが亡くなっていたということがあったんだというようなことを中村哲さんがおっしゃっておられました。
そういった意味で、包容力のある外交というものを標榜してくださっているという意味からは、やはり現場に入っている方々、全て正しい答えを持っているとは思いませんけれども、やはり現場の声を拾っていただいて、そして
我が国の外交に生かしていただいて、
我が国が本当に平和のために積極的な平和外交をしていただくということを冒頭、
大臣の所信にかかわるところで一方的にお願いをしておきたいなというふうに思っております。
さて、そこで、その包容力の一つとして
クルーズ船の問題をちょっと伺っておければと思っておりますが、その前に、きょうも質疑が大分ありましたけれども、中韓の方々の
入国規制、タイミングの問題、いろいろ意見があることはわかっておりますけれども、我が党も三月四日の党首会談で、安倍総理に対して提言という形で
中国全土からの
入国禁止措置といったものを提案させていただく中で、中韓に対してこれに準じる
入国の十四日間の滞留というか、
待機要請というんですか、そういったものをしていただいているということは前向きに受けとめさせていただきたいと私は思っております。
そこで、ちょっと
確認というか、麻生副総理・財務
大臣が指摘していたやにちょっと記憶はしておるんですけれども、
ダイヤモンド・
プリンセス号について伺っておきたいんですが、三月一日に三千七百十一名全員が下船されたということの中で、英国の
船籍であり、
米国の運航、
米国の方が社長、イタリア国の船長という
状況でありました。
我が国は人道的あるいは包容力を持った外交というような意味で、今その姉妹船が、サンフランシスコ沖でグランド・
プリンセスというのが、
日本人四名を乗せた
状況の中で二十数名が
感染しているというような
報道があったりしていますけれども、一体、
ダイヤモンド・
プリンセスの対処についていろいろ意見はあるのはわかっているんですが、その話とは別に、
我が国が、
我が国の乗船者が多かったこともあるけれども、いずれにしても、英国
船籍、
米国運航という
状況の中で、人道的、包容力のある外交として展開をしたというふうに私は認識しているんですけれども。
このことに対して、
日本政府、
外務省に対して、
関係国、英国、
米国あるいはイタリア等から公式の謝意であるとか連絡であるとか、そういったものがあったのかなかったのか。また、もしあったならば、いつどのような内容のものがあったのかということを事実の
確認として教えていただければということで、
外務大臣の御
答弁をいただきたいと思います。