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2020-06-16 第201回国会 衆議院 安全保障委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    令和二年六月十六日(火曜日)     午前九時三十分開議  出席委員    委員長 西銘恒三郎君    理事 小田原 潔君 理事 大岡 敏孝君    理事 長島 昭久君 理事 原田 憲治君    理事 宮澤 博行君 理事 小熊 慎司君    理事 篠原  豪君 理事 佐藤 茂樹君       岩田 和親君    小野寺五典君       大西 宏幸君    大野敬太郎君       門山 宏哲君    木村 次郎君       熊田 裕通君    左藤  章君       鈴木 貴子君    中谷  元君       丹羽 秀樹君    浜田 靖一君       山田 美樹君    渡辺 孝一君       重徳 和彦君    寺田  学君       本多 平直君    屋良 朝博君       浜地 雅一君    赤嶺 政賢君       串田 誠一君     …………………………………    外務大臣         茂木 敏充君    防衛大臣         河野 太郎君    防衛大臣政務官      岩田 和親君    防衛大臣政務官      渡辺 孝一君    政府参考人    (出入国在留管理庁在留管理支援部長)       丸山 秀治君    政府参考人    (外務省大臣官房参事官) 田村 政美君    政府参考人    (外務省北米局長)    鈴木 量博君    政府参考人    (財務省主計局次長)   阪田  渉君    政府参考人    (防衛省大臣官房政策立案総括審議官)       辰己 昌良君    政府参考人    (防衛省大臣官房審議官) 土本 英樹君    政府参考人    (防衛省大臣官房審議官) 村岡  猛君    政府参考人    (防衛省防衛政策局長)  槌道 明宏君    政府参考人    (防衛省整備計画局長)  鈴木 敦夫君    政府参考人    (防衛省地方協力局長)  中村 吉利君    政府参考人    (防衛省統合幕僚監部総括官)           菅原 隆拓君    政府参考人    (防衛装備庁長官)    武田 博史君    政府参考人    (防衛装備庁防衛技監)  三島 茂徳君    安全保障委員会専門員   奥  克彦君     ――――――――――――― 委員の異動 六月十六日  辞任         補欠選任   江渡 聡徳君     丹羽 秀樹君   塩谷  立君     木村 次郎君 同日  辞任         補欠選任   木村 次郎君     山田 美樹君   丹羽 秀樹君     江渡 聡徳君 同日  辞任         補欠選任   山田 美樹君     塩谷  立君     ――――――――――――― 四月二十二日  自衛隊員の再就職状況に関する予備的調査要請書安住淳君外百二十六名提出、令和二年衆予調第二号) は本委員会に送付された。     ――――――――――――― 四月二十一日  緊急出動のある自衛官官舎改善に関する請願小田原潔紹介)(第六二八号) 六月二日  戦争法廃止を求めることに関する請願本村伸子紹介)(第七八〇号) 同月八日  緊急出動のある自衛官官舎改善に関する請願(三ッ林裕巳紹介)(第八六七号)  戦争法安保法制)を即時廃止することに関する請願藤野保史紹介)(第九五四号) 同月九日  本土からの辺野古埋立て用の土砂搬出計画をやめることに関する請願志位和夫紹介)(第一一八八号)  戦争法廃止を求めることに関する請願藤野保史紹介)(第一一八九号) 同月十日  緊急出動のある自衛官官舎改善に関する請願杉田水脈紹介)(第一四四九号)  木更津へのオスプレイ配備撤回に関する請願志位和夫紹介)(第一五八四号)  戦争法廃止を求めることに関する請願志位和夫紹介)(第一五八五号)  本土からの辺野古埋立て用の土砂搬出計画をやめることに関する請願志位和夫紹介)(第一五八六号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  政府参考人出頭要求に関する件  国の安全保障に関する件      ――――◇―――――
  2. 西銘恒三郎

  3. 西銘恒三郎

    西銘委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――
  4. 西銘恒三郎

    西銘委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。寺田学君。
  5. 寺田学

    寺田(学)委員 寺田です。  約二年半ぐらい、三人の大臣小野寺大臣もいらっしゃいますけれども、小野寺さん、岩屋さん、そして河野さんにわたって、七、八回ですかね、十回近く、イージス・アショアのことについてずっと質問してきました。きょうも、このイージス・アショアについて、そして、昨晩、河野大臣が発表されたプロセス停止について、自分の考えとともに質問させていただきたいと思っています。  本題としてお伺いしたいことがあるんですけれども、まず、きょうの報道とかも見てみますと、なぜ今なんだという疑問の声というものが載せられたりしています。ただ、二年半やってきたという自負もありますけれども、秋田という地元を抱える者にとっては、ずっと結論を先延ばしされてきました。もちろん当初の予定もありましたし、その後、再調査をするということで新たなステージに入りましたけれども、その再調査の結果も、三月、四月、五月、今度は七月ということで何度も先送りをされてきて、いつ結論が出るのかということを、私含め秋田県民みんな、その時期に対していつなのかということを思っていたので、余り唐突感というのは私はないんですけれども、やはり、この問題に対して、今触れた方々にとってみると、なぜ今なのかというような問いもあると思いますので、そこは大臣から率直な御意見をいただきたいとまずは思います。
  6. 河野太郎

    河野国務大臣 二〇一七年ですか、北朝鮮が盛んにミサイルを発射し、北朝鮮の撃ったミサイル日本を飛び越えていく、そういう時期がございました。そのときに、北朝鮮ミサイルから国土を防衛する、そういう議論の中でイージス・アショア配備をする、その配備に当たっては、国土全体を守るために秋田県並びに山口県に配備をするのが防護範囲観点から一番望ましいということで、このイージス・アショアのプロジェクトが動き出したわけでございます。いまだに北朝鮮日本を射程に入れる弾道ミサイルを多数持っておりますので、その判断については正しかったというふうに思っております。  この配備を進めるに当たりまして、山口県のむつみ演習場というのが候補地でございました。むつみ地元皆様から、このむつみ演習場の中にブースターを確実に落とす、そういう御要請があり、我々も、そのようにしてまいりますという説明をしてまいりました。  当初は、イージス・アショアのシステムを、ソフトウエア改修することでこれが果たせるというふうに認識をして準備を進めておりましたが、どうも、そのむつみ演習場という場所に確実に落とすためには、ソフトウエア改修だけでは確実にできると言いがたい、そういう話になりまして、ハードウエア改修しなければ確実に落とすということが実現できないということになりました。  ハードウエア改修をする、つまりミサイル改修をするということになりますと、SM3ブロック2A、日本側で一千百億円を負担し、アメリカで同額、あるいはそれ以上の負担をしたわけでございますので、二千億以上の費用があのミサイル改修にかかっておりますし、十年以上の歳月がかかっているわけでございます。  今回、ミサイル改修ということになりますと、同じようなコスト期間がかかるということになりますが、同じコスト期間をかけて、ミサイルそのものの能力が上がるわけではなく、ブースターを確実に定められたところへ落とすということだけでございますので、このコスト期間考えると、それは合理的な判断とは言えないと言わざるを得ない、そう判断をしたわけでございます。  秋田の方は、二十カ所の再調査をした上でゼロベースで判断をするということにしておりましたが、むつみ演習場でこうした判断をするということは、当然に秋田の方のプロセス停止せざるを得ないということになりましたので、昨日、このイージス・アショア配備プロセスをとめる、今後についてまず安全保障会議議論をいただく、そういうことを申し上げた次第でございます。
  7. 寺田学

    寺田(学)委員 私は、まさしく激動する安全保障環境であり、もちろん装備品に関しても技術的な部分でかなり動きがあるので、その都度その都度適正な判断というものはあり得るんだと思います。その判断自体が過去の判断と違う場合も私はあり得るんだと思います。  私がきょう申し上げたいのは、難しい言葉で言うと無謬性行政の無謬性とかよく言われますけれども、一度言ってしまったことを方向転換したり撤回すること自体は、過去を誤りだと決めてしまうので、やめたくてもやめられない、やめたいと思っているけれどもそのまま続けてしまうということを無謬性ということを言われると思います。  今回の判断というのは、私は、過去のされてきた、是非はいろいろありますよ、それは今回割愛しますけれども、各大臣であったり各かなめかなめ判断されてきたこと自体は、そのタイミングにおいてのその御自身の御判断だと思うので、賛否は別として尊重したいと思いますけれども、この行政の無謬性というものをどう打ち破っていくかというのが私は政治役割そのものだと思うんです。  もちろん、この間二年半、きょう後ろにも座ってくださっていますけれども、防衛省内部の方ともいろいろ議論しましたし、そしてまた、間接的なことも含めて制服組方々の内心、いろいろお伺いしていると、やはり本心ではやめたいんだけれども、今やめると言うと過去のものに対して示しがつかないということで、ずるずるずるずる続いてきた、そしてまた、地元に対する説明も、だからこそなかなか説得力があるものが提供できず、反対という気持ちが一層高まるばかりだったと。  私は、その行政の無謬性というか政治の無謬性みたいなものを、今回、大臣自身が今の現状に鑑みて判断をされたんだというふうにきのうの会見を見て思いました。  もちろん、無責任だという批判は起こり得ると思います。ただ、私自身思うのは、だとすれば、無責任だと批判するのであれば、その方自身は、今大臣が述べられた、ブースター住宅街に落ちるかもしれないということ、そのことがいかに妥当であるかということの説明であったり、また、宇サ電予算と言われていますけれども、宇宙やサイバーや電磁波だ、これからそこに予算をつぎ込みたいんだということを多くの方々専門家を含めて思っているにもかかわらず、過去決めたことによって多額の予算アショアに使い続ける妥当性であったり、あとは、町長であったり、秋田の場合であれば、知事、市長、県議会、多くの議会、そしてまた自民党秋田県連を含めて反対をしている中で、本当にその方々を説得できるのかということの確実性、さまざまなことをしっかりと議論して、反論できて初めて、無責任だと私はその方は言えるんだと思うんです。  私が申し上げたいのは、今回の大きな判断というのは、今まで、わかってはいるけれどもやめられないと続いてきた、そのこと自体を、河野大臣として、その無謬性を打ち破るという意味判断されたものだと私はきのう思いましたけれども、このことに関して、判断された経緯を含めて、御答弁をいただけたらと思います。
  8. 河野太郎

    河野国務大臣 導入を決めた当時の状況を見れば、このイージス・アショア導入をする、海上自衛隊イージス艦で対応してまいりましたけれども、やはり、二十四時間三百六十五日、当時はまだイージス艦の隻数も少ない中で対応するというのはかなり困難だ、そういう中でこのイージス・アショア導入を決めたというのは、当時としては正しかったというふうに思います。  しかし、さまざまな情勢に鑑みて、都度判断をしていかなければいけないというのは、そのとおりなんだと思います。そういう意味で、今回のこの配備プロセス停止するということにも、当然、サンクコスト議論もございますし、秋田山口地元皆様には、いろんな意味で御迷惑をおかけをしてきた、御心労をおかけをしてきたということにはおわびを申し上げなければいけない、私も、なるべく早く、秋田山口、それぞれの地元へ赴いておわびを申し上げたいというふうに思っております。  ただ、防衛大臣を拝命をいたしまして、外務大臣時代と比べて予算の金額が非常に大きいと思いましたが、内情を見ると、外務省よりも防衛省の方が予算の制約の厳しさというのははるかに厳しい中で、今後の安全保障をどう考えていくのかというのは、これは相当真剣に議論しなければならないなというふうに思ったことも事実でございますし、これまで、行革担当大臣をやらせていただいたり、自民党行革推進本部長を長くやらせていただきましたが、必ずしも行政が言っていることが全部正しいということではない。行革担当大臣のときに、この予算はおかしいと言ってとめたものも幾つかございます。  ですから、時々の判断はあったにせよ、やはりそのときの判断として間違っているものはやめなきゃいけないというのは、これはそのとおりだと思いますし、これからの政府は、やはりそのときに最善なことというのを将来にわたって考えていかなければいけないんだろうというふうに思っております。
  9. 寺田学

    寺田(学)委員 私は、政治家としての役割はまさしくそこにあると思うんです。  私は、本当に、過去の判断小野寺大臣も含めて、当初、中期防にも入っていなかったイージス・アショア閣議決定されて、その中で初めて議論させていただいて、しっかりと地元理解が必要だというような御判断もいただいて、そこから築き上げてきて今になっています。  今からつくり上げたところで五年以上稼働までかかってしまうという中において、私は無駄だとは言うつもりはないです、効果は絶対値としてはあると思いますけれども、本当に優先順位として、今大臣言われたとおり、限りある予算の中で優先的にやっていくには何が必要なのかということをその都度判断していくことの必要性があると思っています。  正直、上の方からは、きのう、先輩も含めてですけれども、決して褒めるなというような御指導をいただいています。ただ、私は、ここは議事録に残したいと思います。今回の判断は私は英断だと思います。もう一度言います。今回の判断は私は英断だと思います。その判断にひるむことなく、本当にこの安全保障環境にとって必要な予算というものを必要な装備品に優先的に振り向けていくということが私は大事だと思っています。  例えば、よく言われていて、イージス・アショア必要性議論するときに、飽和攻撃には耐えられないから無駄だというような議論がありました。それに対して反論する形で、じゃ、それができないから、飽和攻撃に対応できないからということの例えですけれども、泥棒がドアを蹴破ってくるから鍵をかけなくていいということなのかというような返しがありました。私はまさしくそうだなと思うんです。ただ、だからといって、鍵を一個から二個、二個から三個、三個から四個にするというよりは、じゃ、監視カメラをつけてみよう、その監視カメラの内容を自動的に判断できるようなAIを開発してみよう、さまざまな、多角的な形で、今ドアの話をしましたけれども、国の安全保障というのは総合的に私は高めることができると思うんです。  ですので、今回のイージス・アショアを、プロセス停止する、大臣自身として、NSCを抱えられていますので、大臣自身としてできる最大の判断だと思いますけれども、その中において、これをきっかけに、本当に必要な防衛装備品を無謬性にとらわれることなくしっかりとつくり上げていくことが本当の国防につながるのではないかなと私は思います。  ちょっと時間がないのであれですけれども。  当初予定していたのは、アショアグローバルホークでした。陰では三種の神器と言われていて、グローバルホークとほかの二つをいろいろ言われています、無謬性にとらわれていると。  いろいろ調べていくと、やはり本当にこのまま突っ込んでいいのかなということをいろいろ考えます。先に導入している韓国では、一昨年、昨年に比べて保守費用がいきなり四倍を提示されたということの話が報道でもありました。アメリカの方では、このグローバルホークの退役を政府として提案をしている、議会判断を待っているという状態だと。もちろん、海軍の方でそれと似たようなものを導入するんだときのう説明を受けましたけれども、基本的にはそことは大きく性能及び搭載するものが違ってくる、撮影するものが違ってくる。  このグローバルホークのみならず、今回した大きな判断をもとに、本当に必要な予算というものを、もう一度立ちどまって、このアショアにとどまらず検討していく、そういう姿勢というのが私は大事だと思うんですけれども、大臣からお考えがあれば御答弁をいただき、あと、もちろん、事務的に何か必要な補足があれば、グローバルホークに関しては、参考人の方からお話しいただいても結構です。
  10. 武田博史

    武田政府参考人 お答えいたします。  グローバルホークにつきましては、その価格平均量産単価についてはこれまで、平成二十九年八月にそれまでの計画値に比べて二三%ふえ、また、平成三十年八月に一九%、令和元年八月に一八%の上昇率となっております。低減はしてきておるという状況でございます。大臣からは、しっかり検討しろという御指示もいただいております。  その後、米国政府とは担当者会議を複数回実施しておりまして、引き続き、価格低減、抑制は働きかけておるということでございます。  また、委員から御指摘のあった韓国の詳細については私ども必ずしも承知しておりませんけれども、保守に関する件について、防衛省においては、従来から、年一回、グローバルホーク保有国が一堂に会するユーザーグループ会議、年二回の日米調整会議、月二回の日米担当者レベル会議などを通じまして、価格に関する情報収集を行っておるところでございます。  こうした会議において、部品枯渇に関する情報共有を行いつつ、将来的に他国との補用品等のまとめ買いを行うことなどについても検討する予定です。  また、米国企業による後方支援につきましては、今後、段階的に、米国企業の要員による作業を自衛隊員が行うことによる経費の低減について検討、調整を進めているところでございます。
  11. 河野太郎

    河野国務大臣 日本の財政を考えると、防衛予算が飛躍的にこれから伸びるという状況にあるとは考えにくいと思っております。  他方、例えばお隣の中国を見れば、国防に二十兆円使っている、装備品も相当更新されている、そういう状況があるわけでございます。  また、自衛隊の採用などを考えれば、勤務環境生活環境改善をしていかなければならないわけで、限られた日本防衛予算をどういう優先順位をつけて使っていくかというのは非常に大事になってまいります。そういう中で、優先順位というものをこの五兆円の総額の中でしっかりと見直しながら、本当に必要なものにきちんと手当てをする、これは今後ともやっていかなければならないと思っております。
  12. 寺田学

    寺田(学)委員 時間が来たので終わりますけれども、大きな説明責任を、判断とともに負われたと思います。今回、その発表自体を、しっかり、この委員会審議の前の日に発表されて委員会質疑を受けるという姿勢を保たれたことは私は本当に評価したいと思いますし、今後ともしっかりと説明責任を、今回の判断に対して、地元を含め、内部を含め、果たされることを願って、終わります。
  13. 西銘恒三郎

    西銘委員長 次に、本多平直君。
  14. 本多平直

    本多委員 立憲民主党本多平直です。会派を代表して質問をさせていただきます。  まず、昨日の河野大臣イージス・アショア配備計画停止という決定については、私も、二〇一七年に五年ぶりに国会に戻ってきてからずっとこの安全保障委員会に所属をして、地元を抱える寺田議員と同じぐらい、この問題については議論をさせていただいてまいりました。また、個別の問題はあるんですけれども、私、やはり大きなことからいって、有効性、それとコストパフォーマンス、この点からほかに方法があるのではないか、これだけにこだわるのはおかしいのではないか、こういった観点からこの問題をずっと追及してきて、そして、ようやく昨日、大臣のああいう判断になったことを私も評価をしたいと思います。  しかし、ここまで、例えばこの委員会でいえば、ほかにもたくさん議論したいことがある中、このイージス・アショアのよしあしということを、与党の皆さんから何か冷たい目で見られながらひたすら言い続けてきた私としては、やはり遅きに失したのではないかと、そのことは強く申し上げておきたいと思います。  昨日の記者会見でもいろいろ質問に答えられているんですが、きちんとこの国会で報告をいただきたいので、幾つか確認をします。  この決定総理了解は得られていますか。
  15. 河野太郎

    河野国務大臣 先週の金曜日に総理の御了解をいただいて、昨日発表したということでございます。
  16. 本多平直

    本多委員 そうであれば、何か、停止であり、この後、国家安全保障会議に諮ると。手続としてそれが正しいのかもしれないんですが、事実上、防衛大臣判断をし、総理大臣了解をし、国家安全保障会議手続をするということは理解しますが、この後、方向が変わるということはないと理解してよろしいですか。
  17. 河野太郎

    河野国務大臣 国家安全保障会議でも議論され、閣議でも決定をされていることでございますので、防衛省として、今回、この配備プロセス停止をするということを申し上げたわけでございます。  今後、国家安全保障会議の中で議論をし、また、必要ならば閣議で再決定をするということにこれはなるわけでございますので、防衛省として今の時点で申し上げられるのは、この配備プロセス停止する、そういうことでございます。
  18. 本多平直

    本多委員 今、防衛大臣の権限でできるのが停止ですと。  閣議決定国家安全保障会議にかかった場合は、正式に撤回ということになるという理解をしていいですか。そのときも停止なんですか、あくまで。
  19. 河野太郎

    河野国務大臣 イージス・アショア配備に関しましては、国家安全保障会議あるいは閣議ということがございますし、これまでの日本防衛政策の中にもあるわけでございますから、そういったことが必要なところで議論をされ、必要ならば必要な修正が行われるということになると思います。
  20. 本多平直

    本多委員 わかりました。  今、防衛大臣としては停止としか言えないけれども、正式に国家安全保障会議閣議では撤回という決定をし得るということはいただきましたので、ここまで、費用の件、期間の件を考えても、私は到底、これを継続をすること自体継続をすればするほど、調査費であるとか、いろいろな国民の税金が使われます。一刻も早く、停止という、更に不安をあおるような、またやるんじゃないかと反対をしている方は思います、こういう言い方ではなくて、そして税金も、調査費とかいろいろな形で無駄遣いがすぐにもとまるよう、曖昧な形ではなく、きちんと、閣議国家安全保障会議での変な巻き返しを受けないように、撤回に向けて大臣の意思を貫いていただきたいと思います。  ちなみに、ちょっと外務大臣にも来ていただいているんですが、この問題については、大事な国家安全保障会議のメンバーでもある、そしてまた、アメリカとの関係を所管されている外務大臣は、いつどのような形で聞かれましたか。
  21. 茂木敏充

    ○茂木国務大臣 事前に報告を受けております。
  22. 本多平直

    本多委員 もう少し具体的にお話をいただけますか。
  23. 茂木敏充

    ○茂木国務大臣 防衛省の方から事前に連絡を受けております。
  24. 本多平直

    本多委員 了解したということでよろしいですか。
  25. 茂木敏充

    ○茂木国務大臣 あくまで今回の発表は防衛省において行われたものでありまして、報告を受けました。  NSCにおきまして議論が行われ、適切に、必要であれば何らかの決定等がなされると考えております。
  26. 本多平直

    本多委員 防衛大臣判断を示されて、総理大臣がそのことも了解をされている。  手続としては国家安全保障会議閣議があると思いますが、今、こういう技術的な問題が発生をして、費用期間も大幅にかかるとなったとき、この状況を聞いて、外務大臣は、外務省としてどうお考えですか。
  27. 茂木敏充

    ○茂木国務大臣 NSCで議論すべきテーマであると思っております。
  28. 本多平直

    本多委員 議論する方向性は今ないということですか。
  29. 茂木敏充

    ○茂木国務大臣 方向性がないと私は全く申し上げていないと思います。NSCで議論すべきテーマだと申し上げております。  NSCにおきまして、外務省考え、私の考えをしっかりとお話をしたい。NSCが開かれていない段階から、NSCでどういう議論をする、このことについては当然控えるべきものだと思っております。
  30. 本多平直

    本多委員 いや、何か御意見があるようなので、NSCも大事な、国家安全保障会議も大事な組織ですけれども、衆議院も大事な組織なんです。きょう開かれているんです、この委員会は。外務大臣に御出席いただいていますので、感想だけでも述べていただけないですか。  何か異論を、もちろん、日米関係からいったら、これはアメリカはどうなるんだという心配も乗っているわけですよ、怒るんじゃないかと。そういう観点から、どう思われますか。私は、アメリカが何を言おうと、きちんと河野大臣には方針を貫いていただきたいと思いますが、どうですか、外務大臣
  31. 茂木敏充

    ○茂木国務大臣 大切な問題だときちんと私は申し上げているつもりであります。何も言っていないというのは、それはちょっと違うんじゃないかな、こんなふうに思います。  その上で、我が国を取り巻きます安全保障環境が一層厳しさを増す中、国民の生命財産を守ることは政府の重大な責務でありまして、これまで、同盟国であります米国とのさまざまな協力によりまして、切れ目のない体制構築をしてきたところであります。  今回の決定がこのような米国とのさまざまな協力に影響を与えることは考えておりませんが、我が国としては引き続き米国と緊密に連携し、日米同盟の抑止力、対処力を一層強化していきたいと考えております。
  32. 本多平直

    本多委員 そもそも、住宅地にブースターがおっこってくるようなものを売りつけてきた人たちに、それをやめたからと余り文句を言われる筋合いは私はないと思いますけれども、きちんとアメリカにも説明する仕事をしていただきたいと思いますし、総理大臣防衛大臣がした判断に余り変な突っ込みを入れないでいただきたいなということは申し上げておきたいと思います。  さて、少し防衛大臣に戻って議論をしたいんですが、ちょっと今回、ありとあらゆる人を納得させる理由として、ブースターの問題を一つ絞って、ブースターが演習地の外、つまり一般人が歩いたり住んでいるところに落ちるかもしれないということを払拭できないということでこの判断をしていただいたということは評価しますが、実は私から言わせていただくと、これはほんの、いろいろいろいろ、私も、秋田に問題があり過ぎて、山口の問題は残念ながら私の口からは指摘したことがなかったんですが、たくさん感じている問題点の一つです。  ほかにも、もっと大きな問題点は、本当にコストパフォーマンスとして正しいのか、それから、北朝鮮やロシアなどのミサイル技術の発展の今の速度は、今既にもう迎撃が不能なんじゃないかという方もいらっしゃるわけです。この議論、根本だと思うんですね。五年後、十年後にできて、北朝鮮やロシア、今でも、まずいんじゃないか、撃ち落とせないんじゃないかという人がいる中で、この期間をかける、これはおかしいんじゃないかというのが根本の主張で、頑張ってきたんです。  今回、直接の決定にこれというのはなかなか言いにくいのかもしれないですけれども、やはり私としてはそこ、そういうことも判断の、いろいろな考えの一つにあったということは、どこまで言えますか。
  33. 河野太郎

    河野国務大臣 北朝鮮は、ノドンを始め、日本を射程におさめる弾道ミサイルを多数持っております。現に日本の上空を北朝鮮ミサイルが飛び越えたということもある中で、このイージス・アショア配備して、そうした弾道ミサイルから国土を守るという決断は、当時正しい決断であったというふうに思っております。  しかし、政府として、このブースター演習場の中にしっかり落とします、確実に落としますという約束をし、そういう説明をしている以上、政府としてその責任はしっかり果たさなければなりません。その責任を果たすために、SM3のブロック2A並みの、恐らく二千億、十年というコスト期間をかけるというのは、これは安全保障観点からも、限られた防衛予算の使い方としても合理的でないという判断を今回したわけでございます。
  34. 本多平直

    本多委員 残念ながら、今の河野防衛大臣としては、ここに絞って議論をしないと、いろいろな方向からいろいろ突っ込まれるということは理解しなくはないんですが、やはり、安全保障にとっての総合的な観点で、もしこれに本当に合理性があるなら、このブースター改修をしても、私は、そんなことすべきじゃないと思いますよ、費用対効果からいっても、ほかの土地を探すとかということをするわけなんですよ。  やはり私は、我々がずっと言ってきた、コストパフォーマンスの件、北朝鮮の技術の進歩、こういったものに追いついていけず、五年後、十年後に陳腐化するおそれがある、こういう大きな総合的な判断も今回の決定の背景にあったというふうに理解したいんですが、どうですか。
  35. 河野太郎

    河野国務大臣 先ほど答弁申し上げたとおりでございます。
  36. 本多平直

    本多委員 わかりました。残念ながら、そこは答弁をいただけない。  私は、今でもその自分の考えは正しかったと思いますし、これからまたいろいろな識者の方も、これまでは何となく政府の方向に水を差さないように、表現をしてこなかった軍事の専門家の方にもいろいろな御意見を言っていただけると思いますし、突然降ってきて、ほかの予算どうなるんだ、運用どうなるんだ、本当に効果あるのかと心配されていた防衛省の中からもいろいろな声が出てきて、さらに、私の言ってきたこと、きちんと理論が皆さんに広まっていけばいいなと思っています。  さて、そうはいうものの、今回の決定決定なんですけれども、このブースターの件についても、相当、山口県の説明会では、落ちないということを何度も防衛省の担当者は、演習場の中に落ちる、外には落ちないようにすると。  探しましたら、国会の共産党の仁比先生の議論の中で、岩屋防衛大臣は、この機能を用いて飛翔経路をコントロールし、演習場内に落ちるような運用を行ってまいりたいと考えていますと。  これ、この時点、去年の六月三日ですが、このときの答弁は、わからないことを、いいかげんなことを言っていたんですかね。それとも、わかっていたのに虚偽の答弁国会でしていたんですかね。
  37. 河野太郎

    河野国務大臣 ソフトウエア改修ブースターをどこに落とすかということをコントロールできるという認識がございましたので、日米の間で、そういうコントロールをする、そういう議論をずっとしてまいりました。岩屋大臣答弁も、そういう防衛省の認識に基づいて行われたものでございます。  しかし、残念ながら、ソフトウエア改修だけでは、確実にむつみ演習場に落とすということが言えないということがわかってまいりました。確実にむつみ演習場に落としますという御説明どおりのことをやるためには、このハードウエア改修もせざるを得ないということがわかってまいりましたので、今回の決断につながったということでございます。
  38. 本多平直

    本多委員 この説明国会で、演習場の中にちゃんと落とすのは難しいんじゃないかという共産党の仁比議員の指摘、それから、私、ずっと秋田のことばかり勉強していたので、秋田とは違うんですけれども、山口の方はずっとこのブースターのことを心配をして、そして、大丈夫だ、大丈夫だという説明をしてきたわけです。これは百歩譲って、大臣、ここで岩屋大臣答弁をどうこうと、じゃ、言わないですけれども、これは説明が足りなかったんじゃないんですか。  つまり、今の技術ではソフトウエアで何とかなると思う、ハードまでは大丈夫だと思うとか、全然、これを検討しているとか、アメリカ調整しているとか、そういう情報を説明会とか国会できちんと言っていないんですよね。これは、やはり今となって考えると、もう少し途中の状況をきちんと説明しておくべきだったんじゃないんですか、国会への説明として。どうですか。
  39. 河野太郎

    河野国務大臣 結果として、ソフトウエア改修だけでは御説明どおりの場所に落下することができなくなったということでございますので、そこはもうおわびを申し上げなければなりません。  しかし、日米間の議論の中で、当初、このソフトウエア改修でやれるのではないか、そういう判断でございましたので、この配備までの間にしっかりとこのソフトウエア改修をする、同時並行でできるという判断でございました。そういうことなんだろうと思います。  ですから、一〇〇%、確実にまず物を持ってから御説明をするということではまた配備が遅くなるということで、配備の御説明をしながらこの改修の努力をしてきたということなんだろうと思いますが、結果としてこういう事態になったことについては、防衛大臣としておわびを申し上げなければなりません。そこは真摯におわびを申し上げるとともに、これはきちっと私も、山口そして秋田に赴いて直接おわびをしてまいりたいというふうに考えております。
  40. 本多平直

    本多委員 山口秋田、相当な方々が、やむを得ず賛成の立場に立っていた方だって、この決定を見て、何だとなるわけですよ。反対で努力してきた方はもちろんです。大変な心配を、自分の子供が通う学校のそばにこういうものをつくるのかという素朴な思いで頑張ってこられた大勢の方がいるので、きちんと地元にも対応していただきたいんですが、きのうの記者会見を見て、大臣地元には行くと言っていますけれども、国会でだって、こうやって我々、一生懸命いろいろな観点から質問していることをこういうふうに国会議事録に残されたら、これが正しいのかと思って、ブースターは落ちないんだと思ってここの議論はしてこない、こういうことが続いてきたわけですよね。だから、そこはしっかりと反省をして、今後の防衛省のいろいろな問題への議論にしっかりと生かしていただきたいと思います。  河野大臣は、今回の件も、言わないということはわかりましたけれども、コストのことも相当考えられたと思います、行政改革に取り組んでこられたので。  それで、ただ、今回撤回したといっても、既にこのイージス・アショアには幾ら支出をされていますか。
  41. 河野太郎

    河野国務大臣 実際に今まで支払っているのは百二十数億だと思います。契約額で申しますと千八百億弱というふうに認識しております。
  42. 本多平直

    本多委員 ちょっと予算の年度が、私、確定できないんですが、百億は既に支出をされたのは当然戻ってこないと思うんですけれども、その千八百億も支出を今後せざるを得ないんですか、停止をしようが撤回をしようが。
  43. 河野太郎

    河野国務大臣 その中には、さまざまな情報を取得するための経費ですとか、地質測量あるいは基本設計の調査費、設計費というものがございます。これはもう実際に支出をしているものでございます。  それ以外に、このイージス・アショア本体の取得経費、あるいはレーダー、SPY7の取得経費というものがございます。これらについては、例えばSPY7というのはかなり高性能のレーダーでございますから、今後これをどのように使っていくかということは議論をしていく必要があると思いますし、このイージス・アショアを、配備をとめるとなると、今後どうするかという議論をしなければならないと思います。その中には、イージス艦をふやすという選択肢が考えられる。これは、するかどうかはまた別でございますが、仮にイージス艦をふやすということになれば、このイージス・アショアのシステムをそれに搭載するということもできます。そういうことを考えながら、このコストのことについては議論をしっかりやってまいりたいというふうに思います。
  44. 本多平直

    本多委員 千八百億とかという大きな数字が出てくると、百何十億というのが小さな額のように思えるんですが、今回、撤回をしようが停止をしようが、もう既に百何十億は支出をしている。  大臣、当然おわかりのとおり、一つの福祉的なプロジェクトだったら百億あれば余裕で、財源がない、財源がないと私たちの提案は社会保障の分野では蹴られるんですが、そういったことが一つできるぐらいの予算の規模が支出をされた。  一度この企画に使うと言った千八百億円ですけれども、何かもごもごと、イージス艦に載っけるかもしれない。私は、悪いんですけれども、イージス艦は八隻にすればということで、それで既にイージス・アショアは要らないということで議論してきたんですが、またそれをふやすというのも、ちょっと話が飛んでいるような気がします。  この千八百億円、そもそも全部で四千五百億円かかると言っているのに、千八百億円がとめられるのかどうかというのは大事な話なんですが、もうちょっと明確に、やらないんだったら、新しいことを計画するなら、それはもう一回ゼロから議論しなきゃいけないので、今回、秋田山口に置かなかったものを船に積むから、アメリカ、勘弁してください、どっちみち買いますからということなんですか。
  45. 河野太郎

    河野国務大臣 既に契約しているものが約千八百億、千七百数十億でございます。これについても、当然、日米で協議をしていかなければならないというふうに思っております。  委員おっしゃるように、今回、サンクコストになってしまう金額、これは決して安いものではございません。そういうことが発生したということは、これは防衛大臣として責任を痛切に感じているところでございます。  ただ、サンクコストがあるからといって、更に二千億、十年を追加するしか選択肢がないということでは、更に御迷惑をかけることになるわけでございますので、こうした費用がこれまでに発生をしているということについては、これもおわびを申し上げなければいけないわけでございますが、しっかりそこは立ちどまって、今後どうするか、検討してまいりたいと思います。(発言する者あり)
  46. 本多平直

    本多委員 真摯なお気持ちを述べていただきました。  今同僚から、防衛大臣じゃなくて総理が悪いんだという発言があったんですけれども、私もこれはずっと意思決定機関がわからないんですけれども、防衛大臣だけ、防衛省の皆さんの責任だけじゃないという感じがずっと、私、二〇一七年に来てから思っています。外交の面、総理大臣判断、そして新しくできた国家安全保障局が、何だか防衛のプロの意見を聞かずに、どんどんどんどんいろいろなことを進めている。自民党の防衛族の先生方も情報をきちんと得ていない。こういうことが、仄聞ですが、来たわけです。  だから、今回、防衛大臣が方針転換をしたということは、そこにもしっかり責任をとってもらわなきゃいけないと思うんです。防衛大臣だけがきちんと謝ればいいという問題ではなくて、誰が本当に判断をしたのか。これは、そこにさかのぼって、きょうは時間はそこまでないですけれども、私はずっと興味があったんですよ。誰に聞いても教えてくれないし、小野寺さんに立ち話で聞いたら教えてもらえるかと思ったけれども、そんな簡単な世界でもないみたいですから。  ただ、私は、ここまで来て、千八百億円の契約したものは、もしかしたら、もう戻ってこないかもしれないということですよね。私、やはり、大臣おっしゃるとおり、このまま突き進んで、このまま億単位の、一千億単位の予算が無駄遣いされるよりは、当然、大臣の言っておられる今回の決定、いいですが、これは違約金という形かわかりません、要らないけれども、もう一つイージス艦をつくって、どこかにつけますとかというのでも、本当にやはり国家的な予算の使い方として、千八百億円、やはり出ていく可能性はあるということなんですか。どうなんですか。
  47. 河野太郎

    河野国務大臣 このイージス・アショア配備プロセス停止をし、今後、国家安全保障会議でも議論をいたします。そういう議論を見た上で、これは当然、相手があることでございますから、日米でしっかり協議をするということになります。  既に支払っているものもございますし、既に契約が行われているものもございます。全く支出がないと言うつもりはございません。そこはおわびを申し上げたいと思います。
  48. 本多平直

    本多委員 予定していたものをやめたので何億かかかりますというのは、ないことではないかもしれないです。ただ、国家の予算、皆さんおわかりのとおり、一千億の単位でそういうことが発生するというのは前代未聞のことだと思いますので、やはりこの意思を、今決断をした河野大臣の責任というよりも、二〇一七年の十二月、突然の閣議決定を、防衛省さえきちんと知らないまま、与党の中もきちんと根回しがされないまま、ましてや我々は何だこれという中で決まった決定について、もう一度やはりきちんと検証していただきたいと思いますが、いかがですか。
  49. 河野太郎

    河野国務大臣 あの当時を思い起こしていただければ、北朝鮮ミサイル日本の上空を飛び越えていく、毎週のようにミサイルが発射されている、そういう中で、日本の国民の皆様の平和な暮らしをどう守るか、日本の領土、領海、領空をどう守るか、そういう議論の中でこのイージス・アショア配備決定をされたというふうに認識をしております。  大事なのは、今の厳しい安全保障環境というのは変わらないわけでございますから、今後どのように日本の国を守っていくかという議論をしっかりやらなければなりません。また、おっしゃるように、どういう形で今日まで来たのかということは、これは何らかの形で総括はする必要があると思います。それはやりますが、それとあわせて、今後どのようにしていくかという議論は更に重要だと私は思っておりますので、国家安全保障会議あるいは閣議決定などを経た上で、今後の対応をしっかり防衛省として責任を持って考えてまいりたいと思います。
  50. 本多平直

    本多委員 イージス・アショアの件については、私からは終わります。  今国会で、この委員会で、私はぜひ私の口から触れなきゃいけないのは、中東に行っている自衛隊の問題です。  政策としての賛否は大臣と分かれるのはわかっています。私は意見は変わりません。余り必要性のないものを、アメリカとのつき合いで、遠くまでこういう形で防衛力を出すことに私は否定的です。  しかし、その賛否を超えて、このコロナでオリンピックのような大きなイベントも延期をされ、世界じゅうでいろいろな大きな国際会議がとまり、全て要ることです、オリンピックも大切なイベントですし、世界各地で行われる国際会議、どれも大事なものですけれども、延期をされています。百歩譲って、大臣のお考えのとおり、調査研究が大事だとしまして、このコロナで自衛官の皆さんは中東の土地まで行って、港にも上陸ができない、数カ月にわたって陸地を踏めない、こういう中で単調な海の上を調査研究に従事されているわけです。  これはちょっと余りに酷なので、余り何回も何回も英断ばかりやれないかもしれないですけれども、こういう大きなことをやった後は、逆に。しかし、大臣期間を、ちょっと、一年というのは何となく言っただけなので、アメリカも、もうトランプさんはそれどころじゃなくて文句を言ってこないと思うので、少しこのコロナを理由に、きちんと派遣の時期を考えていただけないですか。短縮するということについて検討していただけないですか。やはり陸に上がれないで何カ月というのはちょっと酷だと思いますけれども、どうですか。
  51. 河野太郎

    河野国務大臣 閣議決定のときと比べて中東情勢に変化はないというふうに考えております。日本のエネルギーがこの海域を通る、非常に重要な海域であるという状況にも何ら変わりはございませんし、このコロナの感染症が広がっていく中で、タンカーを始めとする商船の乗組員は、この船をしっかりと運航してくれている、そういう状況にあるわけでございます。  そういう中で、委員おっしゃるように、残念ながら、今、補給のために港に入っても乗組員がなかなか自由に足を伸ばせない、そういう中にありますが、港の中には、波止場に区域を設けて、そこで運動することを認めてくれている、そういう港も出てまいりました。あるいは、そういう場所でWiFiの設備を使って、日本に残る家族とWiFiを使って連絡をとるということができるような設備の導入も進んでまいりました。  当初の予定に比べると、やはりそういう意味で隊員のストレスというのはふえておりますが、日本自衛官、それに負けるようなものでは決してございません。海上自衛隊、あるいは派遣している船と、私も、VTCですとか、あるいは海幕長以下と意見交換をしながら様子を聞いておりまして、現時点で、派遣の継続に問題ない、そういう判断をしているところでございます。
  52. 本多平直

    本多委員 ぜひ検討してほしいと私は引き続き思います。  最後に一問、天下りの問題、調査をしていただくことをお願いをしています。残念ながら、まだ結果をいただいていません。どのぐらいのところまで来て、いつごろをめどに私たちには報告をいただけますか。
  53. 河野太郎

    河野国務大臣 再就職等監視委員会から要請のありました調査については、しっかりと調査をして、再就職等監視委員会に報告をしております。既に再就職等監視委員会での審議が始まっておりますので、先方での審議が終わり次第、これはしっかりお示しをしたいというふうに思っております。
  54. 本多平直

    本多委員 終わります。
  55. 西銘恒三郎

    西銘委員長 次に、重徳和彦君。
  56. 重徳和彦

    ○重徳委員 共同会派の重徳和彦です。  昨日のイージス・アショア配備プロセス全体を停止するという報道、そして防衛省からの資料もいただきましたので、一点、最初に大臣に確認をしたいと思います。  このイージス・アショア配備については、配備決定されたときには、そのときの中期防には位置づけられていなかった。その後、二〇一八年末の現在の中期防には明確に位置づけされたと認識しております。  今回、賛否は別として、イージス・アショア配備プロセス停止するということによって、いずれにしても何らかの見直しが行われるということでありますので、これは中期防も見直すということになるんでしょうか。
  57. 河野太郎

    河野国務大臣 今後、国家安全保障会議、あるいは閣議といった議論がございますので、そこでさまざま御議論をいただいた上で、必要な措置をとるということになろうかと思います。
  58. 重徳和彦

    ○重徳委員 何らか影響は出てくるということと認識をいたしますが、政府としての防衛力の整備については、政府の責任者は防衛大臣である河野大臣でありますので、その辺の考え方についても、きちんと今後、この委員会においても、我々に対してもお示しをいただきたいということを申し上げておきたいと思います。  さて、きょうは、私は次のテーマに入りたいと思うんですが、四月から延期をされておりました中国の習近平国家主席の訪日、とりわけ国賓として日本に来られるという予定でありましたが、コロナの影響でずっとなかなか決まらずに、そして年内訪日が困難となっているんじゃないか、こういう報道もございました。  その際に、やはり国賓として迎えることに対して、随分反対論が国内で与野党からも出ているというふうに受けとめておりますけれども、やはりこれは香港における問題、昨年から逃亡犯条例の問題もありました。そして、今は国家安全法ということが直近の問題となっておりました。こうした、民主主義のあり方、人権への制約といったことが問題になっております。ということを我々は問題視しなければならないと思っております。また、もとより、ウイグルの弾圧といった、やはり我々、民主主義あるいは人権重視の国家体制をとる我が国としては看過できない状況があるということだと思います。  それから、日本との関係においては、特に防衛面でいうと、尖閣諸島を取り巻く課題があるということであります。中国公船が尖閣諸島の領海に侵入を繰り返しました。日本漁船を追尾するということも起こりました。  こうした一連のことを踏まえて、河野大臣としましては、習近平主席の訪日延期あるいは国賓待遇といったことについて、国家体制の違いということも踏まえて、どのようにお考えでしょうか。
  59. 河野太郎

    河野国務大臣 中国は、ここ最近というよりはもう少し長いタームで、国防費を急速に伸ばしてきております。この十年で見ても二倍以上でございますし、今、我が国と比べれば、中国の公表されている分だけで、防衛予算、四倍あるわけでございます。  また、尖閣諸島の接続水域には中国の公船が恒常的に入ってくる、領海侵入も頻繁に起こる。さらに、領空侵犯を防ぐためのスクランブルを、航空自衛隊は、中国の戦闘機を始めとする飛行機に対して、ことしの一月―三月の九十日間で百五十回以上行うという状況でございました。  また、南シナ海、あるいは香港の二制度一国、こうしたものを力によって一方的に現状変更をしようという試みが続いているというのも明確になってきているわけでございまして、こうしたことは、日本安全保障に責任を持つ防衛大臣として、政府で対中政策が議論されるときにしっかりと問題提起をしなければならないというふうに考えているところでございます。また、もちろん、こういう日本側の懸念を、首脳を始めとする高いレベルで直接中国側に伝えるということも大事なことだと思っております。  今御質問のありました国賓訪日につきましては、今、そうしたことが具体的に議論される状況にないというふうに考えております。
  60. 重徳和彦

    ○重徳委員 私は、今、河野大臣も言われたようなさまざまな問題がある、そしてそれを問題提起をする、あるいは中国に対しても直接伝えていく、こういう御答弁がありましたけれども、きょうは、ちょっと違う、ちょっと変わった切り口から議論してみたいんですけれども、いわば中国側の対応を批判するあるいは注文をつけるといったことでありますが、やはり中国の力による現状変更といったスタイルの現状ということに対して、という状況に対しまして、日本は、じゃ、どのようにして特にアジアにおいて国としての影響力を発揮していくのか、ここに着目してみたいと思います。  そのときに、先ほどから申し上げておりますように、防衛力というのは一つでありますけれども、やはり我が国が世界に冠たる民主主義国家であり、人権重視の国である、ここが中国との大きな違いであり、また、アジア諸国からの信頼や期待を集める源泉でなければならないというふうに考えるわけです。  それで、きょうは安全保障委員会ではあるんですが、先週成立しました第二次補正予算における十兆円に上る予備費ということに対しまして、私は大変問題視をしております。もちろん、今回の予算はコロナ予算でありましたので、予算全体に反対するものではないんですが、しかし、この予備費の部分だけはどうしても納得いかないし、ここの部分だけはどうしても許せない。賛否どっちかというと、もちろん我々は、予算の組み替えという動議を出した上で、最終的には賛成しましたが、それは苦渋の賛成だったと言わざるを得ないと思っております。  民主主義というのはいきなり瓦解するものではなくて、こうした一つ一つの小さな積み重ね、額は小さくないですけれども、十兆円の予備費、こういったものから、少しずつ積み重なって劣化していくものだと思います。  河野大臣も、予算委員会答弁機会もないのに縛りつけられている感を持って座っておられたかもしれませんが、ここ安全保障委員会におきましてではありますが、今回の十兆円の予備費について、これは私、権力側、つまり日本政府から、日本の民主主義や日本国民に対する挑戦だというふうに捉えておりますが、河野大臣は、この予備費は適切なものだと捉えておられますか。率直な御意見を聞かせていただきたいと思います。
  61. 河野太郎

    河野国務大臣 予備費については財務大臣にお尋ねいただきたいと思います。
  62. 重徳和彦

    ○重徳委員 所管が財務大臣だということをおっしゃりたいんだと思いますが、私が今申し上げました文脈は、この安全保障、あるいはアジアにおける我が国の存在感、影響力というものを保持するためにも、そしてそれは、中国のような国家体制をとる国とは大きく違うんだということを内外に示し続ける必要がある。そういう中で、この十兆円の予備費というのはいわば象徴的なことでありまして、民主主義国家であります日本の国民主権そして議会制民主主義といったものが崩れていくということは、これは最終的には、日本の国益といいましょうか、安全保障観点からも大きく捉えれば、非常に、こういう積み重ねをすることによって対外的にもその信頼性というものが崩れていくのではないか、こういう観点からお聞きをしたいと思います。
  63. 河野太郎

    河野国務大臣 予備費については財務大臣にお尋ねください。
  64. 重徳和彦

    ○重徳委員 それでは、予備費で、きょうはちょっと配付をさせていただいておりますが、財務省管轄ではなく、防衛省における過去十年間の予備費の使用実績という資料を配付しておりますので、これをベースに少し議論を深めたいと思いますが、これをざっとごらんいただきますと、裁判関係のものはやむを得ないと思いますし、それから、国際協力だとか災害派遣といったものについても、これは十分理解されるものだと思います。  ただ、気になりますのが二点ありまして、二番目にあります、いわゆる中東派遣のこと、これが五億円ほどあります。それから、十五番にあります、普天間飛行場を移設して返還を受けるための必要となる施設の整備、つまり辺野古のことだと思いますけれども、これらについて、まず事務方の方から、なぜ補正予算でなく予備費対応だったのかということについて御説明いただきたいと思います。
  65. 菅原隆拓

    菅原政府参考人 お答え申し上げます。  中東地域における情報収集活動につきましては、昨年十二月二十七日の閣議決定に基づきまして、本年一月十日に防衛大臣自衛隊の部隊に対して、その実施を命じたところでございます。  防衛省自衛隊としては、この情報収集活動のために、令和元年度中に必要となる経費について、当初予算の執行状況も踏まえつつ、必要な措置を検討したところでございます。  その結果、国会が閉会している中にあって、護衛艦「たかなみ」の出港までの日時に余裕がなく、緊急を要するものと判断し、財政法に基づきまして、必要な経費を予備費で措置することといたしました。  本年一月十四日の閣議において、令和二年三月末までの情報収集活動に必要な経費として、約一・五億円の予備費の使用を決定しているところでございます。  以上でございます。
  66. 鈴木敦夫

    鈴木(敦)政府参考人 御指摘の、資料の十五番の関連でございますけれども、普天間飛行場の代替施設建設事業につきましては、工事を進めていくために必要な汚濁防止膜やフロートの製作、設置、作業ヤードの整備などに要する経費として、平成二十六年度に約百四十億円の予備費を活用することといたしました。  この予備費を活用することとした経緯につきましては、平成二十六年度当初予算では、環境調査に要する経費やキャンプ・シュワブの陸上再編事業に要する経費以外に、普天間飛行場の移設に係る経費について計上していなかったところですが、平成二十六年度政府予算案の決定後、平成二十五年十二月二十七日でございますけれども、沖縄県知事による公有水面の埋立承認を受けたこと、ただし、一方で、この埋立承認を受けた後も、平成二十六年度に実施可能な事業の内容と必要経費については、設計等の進捗状況や米軍との調整を踏まえて精査する必要があったこと、それからさらに、工事の施工方法、手順については、沖縄県が埋立承認に当たりまして留意事項として求めた環境監視等委員会からの指導助言を得る必要がございました。  こうしたプロセスを経た上で、政府といたしましては、普天間の一日も早い全面返還を実現するため、事業を迅速に進める必要があったことなどから、予備費等で対応することが適当と判断し、平成二十六年七月一日に普天間飛行場移設関連事業に係る予備費について閣議決定されたというふうに承知してございます。
  67. 菅原隆拓

    菅原政府参考人 失礼いたします。  先ほど、中東関連の情報収集活動についての予備費ですけれども、一・五億円と申し上げましたけれども、約五・一億円の間違いでございますので、訂正させていただきます。  失礼いたしました。
  68. 重徳和彦

    ○重徳委員 今回の二次補正で予備費というのは十兆円も積まれたわけでありまして、これは大変政策判断を伴う支出、しかも巨額なものが出されるんだと思います。しかし、性質的に見れば、今のような中東派遣、それから普天間移設のための工事といったものについても、これは、本来的にはしっかりと国会でも議論し、審議を踏まえて予算を出す、こういう手続が本来必要だと私は思います。  そして、それは、緊急性ということと閉会中であるということは、たまたま閉会中ということだと思いますけれども、閉会であることというのは、本来これは理由にしてはならないことだと私は思います。議会を開けというんだったら、国会議員はいつでも応じますよ。今回の十兆円の予算だって同じことでありますから、まだ我々は会期の延長を求めておりますけれども、その結果、結論がどうなろうとも、特に巨額の予算については、責任ある国民の代表たる我々がしっかりとした審議をするというのは当然のことだと思います。  そして、今は、防衛予算、確かに金額は五億円とか百四十億円といった、これは必ずしも小さいと言いたいわけじゃないですが、数兆円というものに比べれば、この程度のものであっても、一つ一つその政策的な意味合いについて、この委員会あるいは国会でしっかり諮るというのが本筋だと思います。  ところで、この予備費というのは、国会を開くいとまもないとか、そういうことも一つの要件だと思うんですけれども、つまり、国会を開いて予算を組むというのは、どの程度の時間を、期間を要するものなのかということについても、ちょっとここで議論しておきたいと思います。  というのは、予備費であれば、閣議決定を経て、それで支出ができるわけですが、予算だって、閣議決定をして、審議にかかる日数を経て支出できるということを考えると、当初予算のようなさまざまな予算が盛られているものについては、相当な時間と手続が必要だというのは誰もがわかることでありますし、いろんなものが盛り込まれた補正予算であれば、それも日数がかかるというのも、それはそうだろうと思いますが、防衛省でいうと、一つ言えば、例えば中東派遣のための五億円、これは油代だというふうに聞いていますが、こういう一つだけの費目についての予備費を、これを予備費じゃなくて補正予算という形でやろうとした場合には、これは閣議決定から、これは国会側の問題でもありますが、国会が短期間で審議をしてあげようという合意さえできれば、予算として執行することができるわけです。  このことを、例えばこの間の二次補正について振り返りますと、概算の閣議というのは五月二十七日だったんですが、最終的に提出することを決めた閣議は六月五日金曜日でありました。そして、翌週月曜日から審議が始まって、一日ずれ込んだという解説がありますが、それでも同じ週の金曜日に成立しているわけですから、要するに一週間なわけです。  まず、こういった手続面でいうと、要するに、国会が一週間で上げようと思ったらそれは一週間、つまり、予備費で出すか、補正予算を組んでやるか、非常にこれはシンプルな補正予算だと想定してください。その場合に、その程度の違いだという認識でよろしいでしょうか。ほかにも実務的に考えるべき要素があるのでしょうか。財務省の方にお尋ねします。
  69. 阪田渉

    阪田政府参考人 お答え申し上げます。  まず、提出閣議後の日数ということでございますが、御指摘のとおり、今回の第一次補正予算並びに第二次補正予算、それぞれ提出閣議後、四、五日間で成立しているというのは事実でございます。一方で、国会での審議日程、補正予算提出後の審議日程について、政府として予断を持って見込むといったことは、これはまたできないことではないかと考えております。  その上で、補正予算と予備費の比較について申し上げれば、やはり総理の編成指示というものがございまして、これを受けて補正予算を編成する。こういう場合には、提出閣議に先立って概算閣議それから予算書の作成などを経る必要がございまして、単純に、提出閣議から予算成立までの期間を取り出して、予備費の使用に要する期間と比較することにはなじまないものかと考えております。
  70. 重徳和彦

    ○重徳委員 これまで経験の、そんな実際の比較なんかしたことはないでしょうから、今の段階ではそのような御答弁になるんだと思います。  要するに、概算閣議から提出閣議までの日数、それから予算書をつくる作業時間、これをぐっと圧縮すればほぼ同じだというようなことだと思うんですけれども、そうすると、国会の審議日程、今回でいうと七日間とか、もっと短くすれば三日とか、そういうことさえできれば、その程度の違いでしかないと私は思います。  そこで、同じ答えが返ってくるかもしれませんが、そんなことないですよ、ちょっと河野大臣にお聞きしたいんですが、この予備費のあり方について、私は、この数日間を急ぐために十兆円も予備費を積むというのは、今の説明を踏まえた上でもやはりこれは間違ったやり方だと思います。  その一方で、これも仮の話ですし、何とも大臣も言えないかもしれませんけれども、本当の武力攻撃事態、有事においてこそ、そして、そういうことが予想されるような状況に今あるとした場合に、例えば首都が攻撃をされて国会議員が集まることができないとか、審議をしているいとまがそれこそないというときに、防衛関連の予算を予備費として積んでおく、あるいは今もある予備費というものを防衛費として支出をする、そういったことというのは想定にあるんでしょうか。
  71. 河野太郎

    河野国務大臣 緊急事態に対処しなければならないときには、予備費を含め、適切に予算を執行していきたいというふうに考えております。
  72. 重徳和彦

    ○重徳委員 時間の関係がありますので、次の、もう一つ、私がきょう、これも今コロナ禍において発生している国内における問題ともとれる話ですが、大変重要な国際問題でもあることについて指摘をしたいと思います。  それは、外国人が技能実習生や留学生として国内に来ていますね。その方々が今、在留期間が終わっても、もとの国に戻れない、本国に戻れないという状況が続いております。  このことも、その帰国待機中の外国人の方々の扱い方というのが、これが余りに人権無視というような、つまり、生活の糧もない、あるいは住まいもない、そして、場合によっては病気になっても医者にもかかれない、こういう健康上の問題、そういったことを含めた人権上、人道上の問題が発生するということでは、やはり日本国、我が国として、他国を批判したり、他国の民主主義や人権尊重の体制を悪く言うような立場でなくなってしまうんじゃないかと私は思います。  そこで、ちょっと入管庁にお聞きしたいんですけれども、外国人の技能実習生とか留学生のうち、在留期間が過ぎて、帰国待機中ですね、飛行機が飛ばないから本国に帰れない、こういう方々がどう過ごしているのか、どのぐらいいるのか、これを把握しているのか、そしてどのような対応をしているのかということについて御答弁ください。
  73. 丸山秀治

    丸山政府参考人 お答え申し上げます。  出入国在留管理庁におきましては、現在、新型コロナウイルス感染症の影響により、本国への帰国が困難な技能実習生や留学生につきまして、帰国できる環境が整うまでの間、特定活動六カ月などの在留資格により、本邦での在留を認めているところでございます。その間、技能実習を修了した技能実習生につきましては、従前と同一の業務であれば就労を認めているほか、留学生につきましては、在学中と同様に、週二十八時間以内の就労を認めているところでございます。なお、帰国できない事情が継続している場合には、在留期間の更新許可を受けることが可能でございます。  本年六月十二日時点における、これらの許可を受けて在留する外国人につきまして、概数でございます、新型コロナウイルス感染症の影響以外の理由により許可になっている方が一部含まれておりますけれども、概数を御説明させていただきますと、帰国が困難であるため、在留資格、技能実習から特定活動などの在留資格に変更し在留している方が約一万三千人、帰国が困難であるため、在留資格、留学から特定活動などへの在留資格に変更して在留している方が約二千四百人と把握しているところでございます。  これらの取扱いにつきましては、外国人技能実習機構や教育機関を通じるなどして周知を図っているところでございますが、今後とも、個々の外国人の置かれた状況に十分配慮しながら、柔軟に対応してまいりたいと存じます。
  74. 重徳和彦

    ○重徳委員 一万五千人以上の方々が帰国待機という状況に置かれている。なかなか帰国するための便も見通しが立たない、あるいは随分順番を待たなきゃいけない、こういう状況なんだと思いますけれども。  結局、これは、通常であれば、即刻帰国できれば何の問題もないんですが、帰国できない状態に置かれている、コロナ危機における特殊な今状況にあると思うんですが、制度上はそこにぽっかりと穴があいてしまっているということと認識しています。  そういう法的には整備されていない部分、最後は生活保護、日本人だったら生活保護ですが、外国人ですから生活保護の適用にならないですね。こういったことについて、最終的なセーフティーネットとしては、この在留を認めている入管庁の立場から、セーフティーネットというのはどのように考えていますか。
  75. 丸山秀治

    丸山政府参考人 お答え申し上げます。  今御指摘ございましたような、暮らしとか住居、医療といった問題とかございますけれども、これら新型コロナウイルス感染症の影響による情報提供、各支援策につきましては、各府省庁や地方公共団体においても取り組んでいただいているところでございます。  出入国在留管理庁におきましては、外国人生活支援ポータルサイトにおきまして、特別定額給付金を始めとする関係省庁が実施している各種生活支援策を取りまとめて紹介したり、これら支援策に係る情報を地方公共団体の多文化共生部局に提供しているところでございまして、地方公共団体おきましても各種相談対応等をしていただいていると認識しているところでございます。  また、本年四月二十七日時点において住民基本台帳に記録されている在留外国人の方については、特別定額給付金の支給対象となるものと承知しているところでございます。  今後も、こうした支援策等につきまして、外国人や外国人を支援されている方々に届くよう、情報提供、情報発信に取り組んでまいりたいと思います。
  76. 重徳和彦

    ○重徳委員 最後に、前外務大臣でもあられます河野防衛大臣に、こうした外国人、日本国内で暮らす外国人のこうした扱いについても、十分留意を、配慮をしていくことが日本の国益にもなり、また、中国脅威論に対してどうするかといった安全保障観点からも、アジア諸国の中で日本の、我が国の存在感を高める方策の一つというのは、そういったことにも注意をするということが大事なことだと思いますが、所感があったらお聞かせいただきたいと思います。
  77. 河野太郎

    河野国務大臣 日本が、自由ですとか民主主義あるいは法の支配といった共通の価値観を大事にする国であるというのは、これはもう、志を同じくする国との連携の中で非常に大事だと思っておりますし、日本に住んでいる外国の方をしっかり大切にしていくというのも同じことだろうと思います。そういうことが安全保障にも回り回って効いてくることになろうかと思います。そこはしっかり対応してまいりたいと思います。
  78. 重徳和彦

    ○重徳委員 ありがとうございます。我々も同じ思いで対応していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  ありがとうございました。
  79. 西銘恒三郎

    西銘委員長 次に、屋良朝博君。
  80. 屋良朝博

    ○屋良委員 立国社の屋良朝博でございます。よろしくお願いします。  きのう夕方のニュース、本当にびっくりしました。ブースターの落下地点の予測が難しいし、開発が、時間がかかるし予算もかかると。これはすごく合理的な判断をなさったのだなというふうに感じ入りまして、なぜびっくりしたかというと、ちょっと話させていただきたいんですけれども。  日本防衛政策というか、何か装備品を新しく配備するときとかというのは、どれほどの合理的な判断がなされているのかとずっと疑問に思っておりました。今回も、ブースターの落下地点が果たして特定できるかどうかということの予測を、イージス・アショア配備する前にある程度予測ができなかったのかなと。重要な点だと私は思っておりまして、これは将来的に検証されるかもしれませんけれども、そういったことを今思いとどまって、踏みとどまって、それを事前に、合理性を判断されたというのはすごいことだなと思っております。  思い起こせば、例えば、日本がP3Cを百機導入したときも、そんなにすごい数、要るのか、百機を日本周辺で飛ばすなんて、P3Cの対潜哨戒能力の密度というのは世界一だぞというふうなことを言われたりしたり。あと、ドローン、無人機、これをわざわざ一世代おくれたやつを導入するとか。F35も、これはネットで調べると、欠陥機だというふうな指摘がたくさんございます。それから、オスプレイについても、輸送能力でいえば、陸上自衛隊が持っているバートルの方がずっと人数は多く運べるわけでありまして、しかも、その配備先、九州以南の、南西諸島の防衛のためにとかといううたい文句があるにもかかわらず、九州で配備地となる、想定していたところで住民の反対があったので、木更津、千葉に持っていくとか。  どうも、その合理性を判断することの、そうであろうなという予測と、実際に行われている政策との乖離が多くあった中で、今回のイージス・アショア判断というのが、実に、異例というか、これまでにない、私は英断だったんじゃないかなというふうに思っております。  そういったことを思いながら、私、地元の沖縄の海兵隊の集中配備の合理性とかというのを思ってみたりするんですけれども、米軍再編が決まったとき、二〇〇五年、二〇〇六年の配置転換は、グアムに司令部と補給部隊を置くということだったんですね。沖縄に実戦部隊は残しましょうというのが最初の合意だった。ところが、二〇一二年に突如それが入れかわっちゃった。何でそうなったのか、全く僕らはわからないんですよ。その間、合理的な説明があったかというと、ほとんどない。現状、日米でこう決まりましたからこうしてねということだったんですね。  しかも、もっと言えば、海兵隊の千五百人実戦部隊を山口県の岩国に持っていくよというアメリカ側から提案があったんだけれども、地元反対があって、それはできませんということになっちゃう。  安全保障上とか、抑止力を維持するためにこれが唯一の選択肢なんだとかという、これまでの海兵隊の沖縄配備にかかわる政府説明というのが、どうも、どこまで合理的な判断あるいは根拠を持った議論なのかというのがさっぱりわからないということなんですね。  それを一つ指摘させていただいた上で、その予算についてですけれども、普天間の移設にかかわる辺野古の埋立ては九千三百億円、当初予算の三倍。そして、かかる年数は十二年、当初計画の倍。これは、イージス・アショアと比べると更に合理性が問われるし、政治的な目標、目的が達成できるかどうかというのが実に曖昧な事業になってしまっているんじゃないのかというふうな気がしておりまして、まさにここでも合理的な判断を実はやっていただきたいんですけれども。  前回、実は予算委員会で私、米軍の再編が行われた後、海兵隊の地上戦闘兵力は八百人に縮小されますよと何度か繰り返し発言させていただいたときに、河野大臣が、詳細な移転計画は、今後、日米間で協議されるものであって、八百人とはまだ決まっていませんよというふうな答弁をいただいたんです。  そこで、ちょっと質問ですが、米軍再編はいつから始まって、今、計画ではハワイとかオーストラリアとかと挙がっていますけれども、何人がグアムなどへ移転するのかというのを、数字をちょっと教えてください。
  81. 河野太郎

    河野国務大臣 約九千人の米海兵隊の要員の沖縄から日本国外への移転、これとともに、そのうちの四千人のアメリカ海兵隊のグアム移転が二〇二〇年代前半に移転開始されるということを日米間で確認してきております。
  82. 屋良朝博

    ○屋良委員 グアムを含めていろんな場所へ移転するということがこれまで報じられてきておりますけれども、既に日本政府はグアムでの受入れ体制を整えるための施設整備に予算を投入しているということですけれども、日本政府がこれまでに投入した予算が幾らで、どんなところに使われたかということ、それから、これから総額どのぐらいを想定した、これはもう日米合意のとおりだと思いますけれども、現状を確認させてください。
  83. 河野太郎

    河野国務大臣 沖縄の米海兵隊のグアム移転事業に係る日本側の資金提供に関しましては、二〇一三年改定議定書で改正されましたグアム協定第一条に基づきまして、二〇〇八年アメリカ会計年度価格で二十八億ドルを上限とするということになっております。  これまで約二十二億二千万ドル、二千二百九十八億円をアメリカ側に提供しておりますが、この二十二・二億ドルというのは、グアム協定で定めています二〇〇八年アメリカ会計年度価格でいえば十八・九億ドル、二十八億ドルに対しまして約六七%がこれまで提供されております。  これらの資金につきましては、沖縄から移転する主要部隊の庁舎の施設に加えまして、教場、隊舎、生活関連施設の一部及びこれらの施設整備の前提となる基盤整備事業に用いられてきたというふうに認識をしております。
  84. 屋良朝博

    ○屋良委員 もう六七%も支出されているということで、結構進んでいるんだなと、現状は。それは、二〇年代の初めに移転が開始されるということで、むしろもうちょっとキャッチアップしないといけないペースなのかなというようなことも今感じました。  よく米軍再編に絡んで、アメリカ海兵隊のグアム移転と普天間の辺野古移転、移設というのはリンクしているんだよとか、これはリンクしていないんだよという議論があります。大臣は、この二つの事業というのは切り離されたというふうに認識されているのか、あるいは、これから十何年かかるかわからない辺野古の移転とグアム移転というのはまだリンクしているものだというふうに認識しているのか、大臣の御認識をお願いします。
  85. 茂木敏充

    ○茂木国務大臣 まず、二〇〇六年に日米合意をされました再編の実施のための日米ロードマップにおきましては、米海兵隊のグアム移転、そして嘉手納以南の土地の返還、さらに普天間飛行場の辺野古移設の三つをパッケージとして推進することとされました。  その後、政権交代もあり、御案内のとおり、国外、最低でも県外、そして最終的にはやはり辺野古、こういった紆余曲折を経て、二〇一二年四月の日米2プラス2共同発表におきまして、二〇〇六年の再編のロードマップに示した計画を調整し、在沖縄海兵隊のグアム移転及び嘉手納以南の土地の返還の双方を普天間飛行場の代替施設に関する進展から切り離すこととするとともに、再編後の沖縄及びグアムにおける海兵隊の部隊構成を調整することとしたと承知をいたしております。  この共同発表を踏まえて、日米政府は、共同発表によります再編計画の調整等を反映した形で、在沖縄海兵隊のグアム移転に係る協定を改正するための議定書に関する交渉を行いまして、二〇一三年十月にグアム改正議定書に署名をしておりまして、在沖縄海兵隊のグアム移転及び嘉手納以南の土地の返還の双方を普天間飛行場の代替施設に関する進展から切り離すとの日本政府の立場に変わりはないわけであります。  なお、こういう立場でありますが、普天間飛行場の代替施設に関する進展、これは重要であると考えております。
  86. 屋良朝博

    ○屋良委員 茂木大臣、最後の言葉なんですけれども、辺野古の移転が重要であるということと、グアムへの移転、これから最低でも十二年かかるわけですね、辺野古の完成。そして、運用、供用開始までどのぐらいかまだわからない。それから、これから裁判もあるわけですから、何年かかるか今のところちょっと見通せない状況になっているということなんですが、米軍再編の、予定では二〇二〇年代の前半、ことし二〇二〇年なので、もうすぐ始まるというふうなことを考えた場合、辺野古移転とグアムへの兵力の移転というのは、もう完全に別の事業になっていって、分離されているというふうに認識するのが自然だと思いますけれども、もう一度、この点だけ。切り離されたのか、あるいはまだリンクしているのか、そこをちょっと、もう一度だけ確認させていただいてよろしいですか。
  87. 茂木敏充

    ○茂木国務大臣 先ほど申し上げましたように、在沖縄海兵隊のグアム移転及び嘉手納以南の土地の返還の双方を普天間飛行場の代替施設に関する進展から切り離すこととしております。  ただ、世界でも一番危険で、民有地に隣接をしております普天間の一日も早い返還、これは極めて重要だと考えております。
  88. 屋良朝博

    ○屋良委員 それは私たちも普天間周辺で生活しているうちの一人なので、それが十二年も十五年も同じような状況がこれから続くというふうなことがあってはむしろならない。  それから、イージス・アショアでは、コストの問題とかいろいろ判断材料があったと思いますけれども、沖縄の場合はもう一つ大きなコストがございまして、民主主義ですよ、民意。民意が余りにも軽く扱われている。イージス・アショアの場合、地域の反対があって、その予定地を見直そう、ゼロベースでもう一度検討しようという話になりました。でも、秋田とか山口で県民大会とか県民投票が行われたということは、一切私たち聞いておりません。  それで、やはりこれは合理的に考えていかないといけないというふうな局面に立っているというのが私たちの考え方なんですけれども、詳細な移転計画は、今後、日米間の協議で決まるものであるという河野大臣予算委員会での御答弁なんですけれども、既に六七%の予算が支出されているわけでございます。その使い道は、隊舎をつくったとか生活関連基盤であると。そうすると、何人が行くかというのをわかっていなくて、これから協議するから、これから決まりますというのでは、これはちょっと話の後先が逆転しているんじゃないのというような気がするんですけれども。  どうでしょう、大臣。何人が行くかとか、どれだけのグアムにおける施設整備の需要があるかというのを先に見積もった後で、予算というのは執行されるべきではないんでしょうか。
  89. 河野太郎

    河野国務大臣 先ほど申し上げましたように、九千人の米海兵隊の要員が沖縄から日本国外へ移転をするわけでございますが、そのうち四千人の海兵隊員が二〇二〇年代前半にグアムに移転を開始するということを確認して、こうした事業が行われているわけでございます。
  90. 屋良朝博

    ○屋良委員 具体的な数字は既に上がっているわけでありまして、それがどのような部隊であるかというのを当然わかった上で、日米双方がこの事業を進めていることだと思います。  もう一度、予算委員会での大臣説明、これは防衛省が繰り返し説明していることなんですけれども、再編終了後に、日本に、沖縄に残る部隊は、第三海兵機動展開部隊司令部、第一海兵航空団司令部、第三海兵後方支援群司令部、第三一海兵機動展開隊、基地維持要員ほか、必要な航空、陸上及び支援部隊から構成されるというふうな説明でした。これはほとんど司令部なんですね。  だから、実戦部隊、実動部隊というのは第三一海兵機動展開部隊、MAGTFの一番小さな規模、アメリカは31MEUとか海兵遠征隊というふうに呼んでいますけれども、その兵力、三一海兵遠征機動展開隊ですか、の兵力は何人で、それを構成する司令部、航空、地上戦闘部隊、後方支援のそれぞれの兵力がもしわかっていれば教えていただきたい。それとあわせて、三一機動展開隊の主力の部隊というのは一体どのような部隊で、それが何人かというのを教えてください。
  91. 中村吉利

    中村政府参考人 お答え申し上げます。  あくまで一般論ということになりますが、委員御指摘の31MEUにつきましては、規模は約二千五百名というように承知をしているところでございます。その大半につきましては陸上要素になりますが、海兵隊の歩兵大隊を基幹といたしまして、砲兵ですとか偵察、工兵、水陸両用などの部隊で増強された部隊と承知をしております。その規模につきましては、通常の海兵隊の歩兵大隊の規模が約八百名でございますが、これよりも大きい規模となるというように承知をしているところでございます。
  92. 屋良朝博

    ○屋良委員 御説明いただいたとおり、日本に、沖縄に残る海兵隊の主力部隊である第三一海兵遠征隊、31MEU、その地上兵力は八百人なんですね。なぜ二千五百人かというと、恐らく、地上戦闘兵力が主要部隊で、そのバックアップなんでしょう。オスプレイもヘリコプターも全てが、地上戦闘兵力を前線に押し出す、そういう輸送力でしかないわけですよ。そのような部隊の、小さい部隊だと僕は思っています。海兵隊の構成の中では、三段階の兵力構成の中では一番小さな部隊になるわけですね。それがどうして抑止力の維持なのかとかという、その合理的な説明はまだいただいておりませんけれども。  この三一展開部隊の主要な任務というのは一体何でしょう。お願いします。
  93. 槌道明宏

    槌道政府参考人 沖縄に維持されますMAGTFであります31MEUの任務につきましては、強襲上陸作戦のような大規模で高烈度なもののほか、島嶼防衛のための航空部隊を用いた上陸作戦、在外邦人を含む民間人の救出活動、自然災害発生時における捜索救助活動など、広範囲にわたるものというふうに承知をしているところでございます。
  94. 屋良朝博

    ○屋良委員 上陸作戦にしても、八百人でやるわけですから、その中には歩兵も砲兵も含まれているということなので、非常に限定的な作戦にならざるを得ないわけですね。私たちが想定している、戦争でどこかの敵対国が攻めてこられたときに守るとか、そんな大きなオペレーションには、恐らく本国から来ますよ、アメリカ本国から。それが合理的な考え方というか合理的な見通しだと私は思っております。  むしろ、今の説明の中で、第三一海兵遠征隊がやる今主要な任務というのは、恐らく、民間の救援活動、災害救援だとか民生安定、これは、アメリカ海兵隊、太平洋軍においては、近年、二〇〇〇年代に入って非常に力を入れている分野であります。この部分であれば八百人でも全然問題なくできるというのが、恐らく、今後の海兵隊の運用、その拠点に沖縄を使う、何かがあったら本国からぼんと持ってくれば、恐らくそれは用は足りる。  韓国がそういうふうにやっているではありませんか、むしろ。韓国は、防衛白書でどのぐらいの兵力が来るかということも明らかにしていますよ。大変大きな数の兵力が来て、韓国は受入れを準備すると。そっちの方がむしろ抑止力になるし、日米の同盟というのは信頼性を増すというふうなことだと思いますが、日本が今やっているのは、辺野古をつくるかつくらないかでもうさんざんこれだけ議論をしてきて、何が残るのかというのも、今聞くと、八百人の陸上戦闘兵力を中心とした海兵遠征隊になると。  それがなぜ日本の防衛にとって必要不可欠なのかとかというふうな議論が余り深まっていないような気がしている中で、沖縄の民意をかいま見ることもなく、どんどんどんどん埋立てが、あのきれいなサンゴ礁の海が埋め立てられる。七万四千体の、しかも絶滅危惧種を含むサンゴも含まれている、その七万四千体のサンゴを移す。ジュゴンだって、これは保護するべき希少動物じゃないですか。それが、生息状況もわからない、鳴き声は最近聞こえているけれども、それを確認することもないまま、どんどんどんどん進めている。これって先進国がやるべきことなのかというふうな気をずっと強くして思っているんですね。  もう一つ聞きますけれども、具体的な配備について。  機動展開する三一海兵遠征隊の部隊は、輸送手段はどのようなものがあって、それがどこに配備されているんでしょうか。そして、さらに、その輸送力というのは一体どれだけの兵員を動かすことが可能なんでしょう。お答えください。
  95. 槌道明宏

    槌道政府参考人 沖縄には、司令部、陸上部隊、航空部隊、後方支援部隊を統合したMAGTFである31MEUが駐留しておりますが、その航空部隊を構成するのは普天間飛行場の部隊でございまして、同飛行場には、現在、MV22、最大で二十四機、あるいはCH53、十二機といった航空機が配備されているというふうに承知をしております。  その上で、どの程度の輸送能力を保有するかということについては、米軍の運用に関する事柄でございまして、我々から一概に申し上げることは困難でございますけれども、米海兵隊が公表している情報に基づきますと、MV22については一機当たり二十四名、CH53については一機当たり三十七名の人員を搭載可能であるというふうに承知をしております。
  96. 屋良朝博

    ○屋良委員 これはかなり限定的な数じゃないですか。だって、MV22が二十四機で、掛ける二十四人とおっしゃいましたか、一機当たり。そうすると、これは六百、七百人ぐらいのオーダーでしょう。しかも、オスプレイはずっと一〇〇%稼働率を保っているわけじゃないから、恐らく半分ぐらいしか稼働していないというふうに見るのが通常の見方じゃないですか。そうすると、かなり限定的である。だから、沖縄に配備されている輸送力なんというのはとても小さいというふうに見るしかないでしょう。  だけれども、本来、31MEUが出ていくときというのは、今説明された、いわば小型機ですよ、小型の輸送機で動くはずがないじゃないですか。もう一度答弁をお願いします。
  97. 槌道明宏

    槌道政府参考人 MAGTFの任務というのは多様なものがございます。その中で、31MEUが所在するということは、その初動において対処をするということを含めて、即応性、機動性を発揮して対応するということでございます。  航空輸送については、31MEUと組み合わせて、平素配備されておるのはMV22、CH53といった航空機、先ほど申しましたものが恒常的に普天間飛行場にいるということでございます。  なお、広範囲の任務のうちの例えば強襲上陸作戦といった大規模の任務につきまして、そうした一部の任務については、必要に応じて、佐世保に配備されている強襲揚陸艦等の部隊、これが沖縄の31MEUを支援するということになると理解をしております。
  98. 屋良朝博

    ○屋良委員 その強襲揚陸艦はどこにあるんでしょうか。それが運べる数というのはどのぐらいですかということを聞きたいんです、実は。お願いします。
  99. 槌道明宏

    槌道政府参考人 現在、強襲揚陸艦につきましては、日本においては佐世保に配備されております。その強襲揚陸艦アメリカ級でございますけれども、この輸送能力については、揚陸部隊千六百八十七名程度、最大で千八百七十一名というふうに承知をしております。
  100. 屋良朝博

    ○屋良委員 そうすると、沖縄に海兵隊がいる、その輸送能力は佐世保にある、それが一度に輸送できる数は千八百とか二千人とかというオーダーになっていると。二千人で大規模な上陸作戦というのが可能なのかどうかです。上陸大隊は八百人でしょう。そうすると、ミッションは実に限定的だというふうに外形的な事実から見てもわかるんですね。  もう一つ別の質問をしますけれども、31MEUというのは遠征部隊なので遠征をしている、それをアメリカ軍は、パシフィックツアー、定期的に船に乗って、アジア太平洋地域をぐるぐる回っている。その回っている期間というのは、一年のうち何カ月程度かということを教えてください。
  101. 槌道明宏

    槌道政府参考人 米軍に駐留する31MEUが洋上等に展開されている期間、これが相当程度あることは承知をしておりますけれども、具体的にどれくらいであるかについては、米軍の運用にかかわる事項でございます。防衛省として、必ずしもその全てを把握しているわけではございません。また、年によって一律でないことも承知しておりますので、一概に申し上げることは困難でございます。
  102. 屋良朝博

    ○屋良委員 そうすると、外形的な事実を見てみると、非常に数は少ないわ輸送力は乏しいわ、主力兵力である上陸大隊は八百人であるわという事実と、今防衛省が一生懸命言っている地理的な優位性とか抑止力とか唯一のとか、それはちょっと、もうそろそろ合理的な判断をすべきときなんじゃないのかなと。  これは、埋立てに十五年ぐらい、最低でも十二年かかる。それで九千三百億円の予算も投じないといけない。これは当初計画していた予算の三倍ですよ。しかも、これから軟弱地盤にどれだけお金を投下していかないといけないかわからない。そこじゃないですか、合理的な判断をすべきところというのは。  何年か前の参議院外交防衛委員会で、沖縄選出の伊波洋一議員が質疑をしております。31MEUが、東日本大震災のときマレーシアに展開していた、それから緊急展開して来てくれた、熊本地震でもフィリピンに展開していた、それで緊急に応援に駆けつけてくれたというふうな事実があると。その事実について、当時の岩屋大臣は、日本の緊急事態には、沖縄の海兵隊が洋上展開中であっても急行して対応することを示しているものと考えられるというふうに言っているんですね。  そうすると、フィリピンからでもマレーシアからでも……
  103. 西銘恒三郎

    西銘委員長 時間ですので、まとめてください。
  104. 屋良朝博

    ○屋良委員 はい。  展開できるというふうに理解されますけれども、大臣、そろそろ、こういった事実関係をテーブルの上に並べてみて、本当に合理的なものなのか、民意というコストを払ってまでもそれをやらないといけないものなのか、所感をお願いします。
  105. 西銘恒三郎

    西銘委員長 河野防衛大臣、簡潔にお願いします。
  106. 河野太郎

    河野国務大臣 多種多様な任務遂行能力を有するアメリカの海兵隊が、安全保障上極めて重要な位置にある沖縄を拠点として、そのプレゼンスを維持し、さらに、大規模な作戦が必要となる場合には、来援する部隊の基盤となることによって、あらゆる事態に対して迅速かつ柔軟な対応が可能となるという、このことが日米同盟の抑止力の中核となっていることに変わりはないと認識しております。
  107. 屋良朝博

    ○屋良委員 時間が来たので終わります。ありがとうございます。ただ、この問題、まだやっていきたいと思いますので、よろしくお願いします。  ありがとうございました。
  108. 西銘恒三郎

    西銘委員長 次に、赤嶺政賢君
  109. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 日本共産党の赤嶺政賢です。  冒頭、昨日のイージス・アショア停止表明について質問をいたします。  SM3のブースター演習場内や海上に確実に落下させるためにはシステム全体の大幅な改修が必要となり、相当のコスト期間を要することが判明したとのことですが、具体的に、どのような改修が必要で、どのくらいのコスト期間がかかることが判明したんですか。
  110. 河野太郎

    河野国務大臣 具体的なコスト期間の見積りは、これはアメリカ側の協力が必要でございますので、現時点において確たることは申し上げることはできませんが、例えば、SM3ブロック2Aの開発で、これは日米で共同で行ったものでございますが、日本側が一千百億円、アメリカ側が同額かそれ以上開発費を負担をしておりますので、なおかつ、開発に十二年かかっております。恐らく、それに近いコスト期間になるというふうに考えております。
  111. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 共同開発で日本側の負担が一千百億円。  システムの改修に伴うコストの増加分を含めた場合、現時点でのイージス・アショア導入経費の総額と内訳、これはどのように見積もっておられますか。
  112. 武田博史

    武田政府参考人 お答えいたします。  ただいま大臣からも申し上げましたが、システム改修に伴う具体的なコストについては、米側の協力を得て見積もることが必要でございます。したがいまして、現時点において確たることはお答えできない点については御理解いただきたいと思います。
  113. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 確たることは申し上げられないというわけですが、イージス・アショア導入経費は総額六千億円と言われてきました。そこにまた新たに千二百億円が追加されるということになると、七千億円ということになります。  一方、辺野古の経費は三千五百億円というのが当初の説明でありました。地盤改良工事に伴い九千三百億円になったというのが政府説明です。イージス・アショアをはるかに上回る新たなコストがかかることが判明しているわけです。  辺野古の新基地建設のコストはどんどんどんどん上がってきました。コスト期間という点でいえば、なぜ辺野古は停止しないんですか。一旦工事をとめて、事業そのものを再検討すべきだと思いますが、いかがですか。
  114. 河野太郎

    河野国務大臣 防衛省といたしましては、普天間飛行場の一日も早い全面返還を実現するべく、引き続き、辺野古移設に向けた工事を着実に進めてまいりたいと思います。
  115. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 コスト期間という点では、あと十二年ですよ、それに九千三百億円。沖縄県の試算では二兆五千五百億円。まさにイージス・アショアとともに、コスト期間というのであれば、辺野古も停止すべきだ、私たちはこのように訴えたいと思います。自衛隊であろうと米軍であろうと、膨大なコストのかかる基地建設事業である点では全く同じです。米軍基地の見直しは聖域だという姿勢は許されないということを申し上げておきたいと思います。  政府は、緊急事態宣言下の四月二十一日、沖縄県に設計変更承認申請を提出いたしました。これに対して、沖縄県は五月二十五日、五十六項目の補正を指示いたしました。これによりますと、埋立てに用いる岩ズリの採取場所を県名ではなく、これまでと同様に地区名で記載して、それぞれのストック量を示すよう沖縄県は求めております。  埋立承認願書の添付図書では、採石場のある地区ごとにストック量が明記されていました。今回、なぜ記載ぶりを変えたんですか。
  116. 河野太郎

    河野国務大臣 公有水面埋立法に基づく申請の添付図書であります埋立てに用いる土砂等の採取場所及び採取量を記載した図書は、公有水面埋立実務便覧において、埋立用材が確保されているかを審査するために必要な事項を記載するとされております。  これを踏まえ、今回の変更承認申請書においては、土砂等ごとの全体の採取量及び調達可能量とこれらの採取場所を記載して提出したと承知をしております。
  117. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 埋め立てる場合に、埋立資材、この場合は岩ズリですが、これが本当に確保できるかどうかというのは、従来、沖縄県は埋立ての審査をするときに重要事項としてきました。  沖縄県内の採取場所については、これまでは、本部地区六百二十万立米、国頭地区五十万立米と具体的に明記されておりました。ところが、今回は、北部地区、南部地区というまとめられ方になっているわけです。  北部地区、南部地区というのは、具体的にどこを指すんですか。
  118. 村岡猛

    村岡政府参考人 お答え申し上げます。  先日、四月二十一日でございますけれども、沖縄防衛局から沖縄県に提出いたしました変更承認申請書につきまして、五月二十五日付で沖縄県から、申請書の形式面の確認結果を踏まえた補正の要求がございまして、現在、沖縄防衛局において、申請書の補正について検討を進めているところでございます。  この変更申請書におきましては、岩ズリの供給者の採取場所といたしまして、北部地区と南部地区、この記載があります。これ以上の詳細につきましては、補正後、県の形式審査を経まして、告示、縦覧による公表をされるものでありますため、現時点では明らかにすることは差し控えさせていただきたいと思います。
  119. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 要するに、あなた方は、沖縄県の形式面の調査のチェックでさえ、全然答えていないような抽象的な書き方をしているわけです。  二〇一四年に防衛省が委託調査をしたときには、本部、国頭両地区に加えて、糸満市が加わっていました。南部地区というのは糸満市にある鉱山のことを指しているんですか。
  120. 村岡猛

    村岡政府参考人 お答え申し上げます。  先ほど申し上げましたとおり、今、県の方から補正の指示が来ておりまして、この指示に基づきまして、県が形式審査を経まして、告示、縦覧により公表されることになると思います。  でありますので、現時点では、これ以上については控えたいと思っております。  以上です。
  121. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 今までは、最初から、本部地区、国頭地区というぐあいに明記していたわけですよ。それを今回隠している。皆さんの調査では、糸満市にある鉱山も候補地に挙がっている。それさえ説明しようとしない。沖縄県は、鉱山の所在地を市町村名で記載することを求めています。  そもそも、沖縄県の埋立承認には留意事項が付されておりますが、添付図書の変更を行う場合は、どのような手続、これを踏むことが求められておりますか。
  122. 辰己昌良

    辰己政府参考人 添付図書につきましては、平成二十五年に沖縄県が、公有水面埋立ての承認書、これに関して付された留意事項において、埋立てに用いる土砂等の採取場所及び採取量を記載した図書、埋立ての用途及び利用計画の概要を表示した図書、環境保全に関し措置を記載した図書、これについて、これらを変更して実施する場合は、沖縄県から承認を受けることとされております。  沖縄防衛局は、この留意事項で示された図書を添付した上で、四月二十一日に、沖縄県に対して変更承認申請書を提出しております。
  123. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 留意事項は、埋立てに用いる土砂等の採取場所や採取量を記載した図書を変更する場合には沖縄県の承認を受けることを明記している。今の答弁のとおりですが、ところが、今回、具体的な採取場所や採取量がわからない形で申請書を提出しているわけですよ。これは留意事項違反だと思いますが、いかがですか。
  124. 辰己昌良

    辰己政府参考人 繰り返しになりますが、留意事項において、先ほど申しましたように、埋立てに用いる土砂等の採取場所及び採取量を記載した図書、これを変更して実施する場合は、沖縄県から承認を受けることとされておりますので、今回、この留意事項で示された図書を添付して、そして変更承認申請を提出しているので、留意事項違反とは考えておりません。
  125. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 これまで提出していた形式と明らかに違うような形で、場所が不明になるような形で出していて、それを留意事項違反ではありませんと言って、留意事項をつけて出したから留意事項違反ではないなんて、そんな一方的で本当に身勝手な、そういう申請は許されないと思います。  私は、今回の申請書というのは、留意事項さえ踏まえない欠陥申請書だと思いますが、採取場所に関する直近の調査では、平成三十年シュワブ資材調達検討業務という委託業務の中で行っています。受注者がアンケートをとって、採石場ごとのストック量を調べております。その内訳の資料を提出するよう、ことし一月から私は求めておりますが、いまだに提出されておりません。国会も閉会されようとしております。もちろん、閉じるべきではありません。会期を延長するべきでありますが、この調査結果、なぜ提出しないんですか。いつ提出するんですか。これは公開できない話なんですか。
  126. 村岡猛

    村岡政府参考人 お答え申し上げます。  御質問の業務でございますけれども、調査対象地点の資材供給能力等に関する資料収集、整理等を行うこととされておる業務でございます。  これは、現在履行期間中でございますので、現時点で沖縄防衛局が業務報告書を受注者からまだ受領していないということから、提出するのは困難でございます。  この業務報告書でございますけれども、履行期限でございます今年度末までには、受注者が必要な業務を終えた上で、沖縄防衛局に提出するものと承知をしております。
  127. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 結局、県民の抗議活動を恐れて、採取場所に関する情報を隠そうとしている、そういうぐあいに疑わざるを得ません。民意に反する事業であることを象徴するものだ。採取場所を明らかにしたら反対運動がどんどんどんどん広がっていく、だから明らかにしない。そういう民意に反する事業を示すものとして、厳しく指摘しておきたいと思います。  沖縄防衛局は、十二日、辺野古の工事を再開しました。沖縄県は、工事再開に先立ち、ジュゴンの保護策をめぐって、四月、六月の二度にわたって行政指導文書を防衛局に出していました。防衛省、どのような内容の指導を沖縄県から受けていたんですか。
  128. 辰己昌良

    辰己政府参考人 委員今おっしゃったように、四月十七日付で沖縄県知事から、六月四日付で沖縄県土木建築部長、環境部長から文書を受領しております。  その文書では、ジュゴンの生育範囲に変化があったことに関する原因調査を含め、事業によるジュゴンへの影響を再評価すること、ジュゴンの保護対策について県と協議が終了するまでの間、事業を再開しないことなどについて要求があったものです。  これらに対しましては、六月十一日、沖縄防衛局より県に回答しておりまして、環境監視委員会の指導も踏まえながら警戒監視を強化し、引き続き、現在の環境保全措置を継続し、ジュゴンの影響に適切に配慮しながら工事を進めることなどが可能であるということを回答しているところでございます。
  129. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 沖縄本島の周辺では、辺野古の事業を実施する前には三頭のジュゴンが確認されていました。このうち、個体Cについては二〇一五年六月を最後に、個体Aについては二〇一八年九月を最後に、昨年三月に、個体Bについては今帰仁村の漁港で死亡が確認をされました。  こうしたもとで、国際自然保護連合、IUCNは、昨年十二月に改訂したレッドリストで、日本の南西諸島に生息するジュゴンについて、絶滅の危険度が最も高い深刻な危機にあると評価を引き上げました。成熟個体数は十頭以下、生息数は減少傾向にあり、野生絶滅の一歩手前の状況にあるという評価であります。  沖縄県の行政指導文書は、こうした経緯に触れた上で、南西諸島のジュゴンの絶滅が現実味を帯びているとの認識を示しています。防衛大臣は、そうした認識を持っておりますか。
  130. 河野太郎

    河野国務大臣 ジュゴンは、環境省のレッドリストにおいて絶滅危惧1A類に指定されていると承知しております。
  131. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 絶滅危惧種、環境省のみならず、IUCNも非常に懸念を表明している。もともと絶滅が危惧されていたジュゴンが、辺野古の事業の着手後にほとんど確認されなくなり、危機的状況に陥っているということです。  こうした中で、ジュゴンが行方不明になっている中で、今回、辺野古、大浦湾の施行区域内にあるK4地点でジュゴンの鳴き声が確認をされました。ことし二月から三月にかけて、合計で九日間、四十二回の鳴き声が確認されました。多くは、工事が行われていない休みの日や深夜の時間帯に確認をされています。要するに、工事が行われているときには近寄れず、工事が行われていないときに餌場を求めて辺野古、大浦湾に来遊してきている、そういうことではありませんか。
  132. 辰己昌良

    辰己政府参考人 今委員おっしゃったように、本年二月から三月において、水中録音装置の録音データから、ジュゴンの可能性が高い鳴音が検出されておりますが、これはさまざまな時間帯で検出されているものでございまして、工事の施行日でございました三月六日には八回、三月二十五日にも検出されております。こういうことから、検出状況に明確な傾向は確認できておりません。
  133. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 三月六日、二十五日、工事の途中でもジュゴンが確認されたといいますけれども、そのときの工事というのは、護岸で締め切られた辺野古側への土砂投入が主で、大きな水中音を発するものでなかったのではありませんか。
  134. 辰己昌良

    辰己政府参考人 御指摘の三月六日、三月二十五日の二日は、いずれもK8護岸及びK9護岸からの揚土、それから埋立区域二への土砂投入、それからK4及びK8護岸の消波ブロック設置工事などを実施しております。  これらの工事は、この日に限らず、継続的にこれまで実施しているものでございまして、そういう工事であるという性格でございます。
  135. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 水中音を発しない工事をしているときにジュゴンはあらわれていた、鳴き声が記録されている。  もう一点伺いますが、辺野古、大浦湾内では、ジュゴンと作業船との衝突を避けるために監視用プラットホーム船という監視船を配置して、ジュゴンが確認された場合には施行区域周辺から離れるまで工事を中止するというのが環境保全図書に書かれておりました。  ところが、先ほど説明があったように、三月六日、二十五日の両日ともに監視船は配置されていた。しかし、ジュゴンの接近に気づくことはできなかった。作業船は航行を続けていました。ジュゴンとの衝突のおそれがあったということであります。  今回、監視船がジュゴンの接近に気づけなかった理由はわかったんでしょうか。
  136. 辰己昌良

    辰己政府参考人 委員御指摘のとおり、ジュゴンの監視用プラットホーム船というのが出ております。これは、工事着手前までに、まず、その日の工事をやる前に三隻のプラットホーム船が施行区域全域を調査しました。その結果、ジュゴンは存在しておりませんでした。その後、工事着手後に、施行区域外において三隻のプラットホームがそれぞれ移動しながら監視を行い、進入すると思われる経路を中心に、隊形をつくって監視をしておったところでございます。  本年の三月六日、二十五日においては、こういった形でプラットホーム船により警戒監視を行いましたが、ジュゴンの姿それからはみ跡は確認をされていないところでございます。また、船は常に見張りを励行して、速度を緩めながら、ジュゴンの姿があるかどうかも確認しながら、衝突を回避できるような速度で航行しておりますが、こういった作業船からもジュゴンの姿は確認されていないということでございます。
  137. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 要するに、あなた方がどんな対策をとったかではなくて、ここで大事なことは、ジュゴンの鳴き声が聞こえている、記録されているのに、あなた方は、ジュゴンとの衝突を避けるためにいろいろな監視体制をとっていますと言う。土砂を運ぶ作業船も通っていく。衝突のおそれは監視体制をとっているから大丈夫ですということを言い続けてきました。  今回、ジュゴンの姿は見えなかった、はみ跡はまだ見つからなかった、しかし鳴き声は記録されている。だったら、あなた方のこれまでの監視体制では、環境保全図書ではこれは不十分だと……
  138. 西銘恒三郎

    西銘委員長 時間です。
  139. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 こういうことになるのではありませんか。そういうことじゃないですか。
  140. 西銘恒三郎

    西銘委員長 辰己審議官、時間が来ていますので、簡潔にお願いします。
  141. 辰己昌良

    辰己政府参考人 この監視体制につきましては、環境監視等委員会において御説明をし、こういうようなプラットホーム船を、今まで三隻だったんですが一隻増加して、さらに、こういう隊形で監視をするということについても御指導、助言をいただいた上で、引き続き、工事に伴うジュゴンへの影響について適切に配慮しつつ、工事をやっていきたいと考えております。
  142. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 今回は、あなた方のジュゴン保護の監視体制が極めて不十分である。鳴き声はあるが姿も見つけ切れない、そういう中でジュゴン保護の安全ができるはずはないです。沖縄県が求めているとおり、工事を中止して、そしてジュゴン保護についてきちんと検討するということを強く求めて、質問を終わります。
  143. 西銘恒三郎

    西銘委員長 次に、串田誠一君。
  144. 串田誠一

    ○串田委員 日本維新の会の串田誠一です。  イージス・アショアの件に関しては、質問通告後だったものですから、大変驚いてはいるんですけれども、その政治決断に関して私は高く評価をしたいと思っています。ブースターが演習外に落下するおそれがあるということで、ちゅうちょなく見直しをするという決断というのは、私は非常に大事なことなんだろうと思っています。  一方で、懸念もあります。なぜかといえば、我が国は専守防衛ということでありますので、飛んでくるミサイルは撃ち落とさなければならない。そのための必要なものであったという点では、やはり、私は国民として、このミサイルを撃ち落とすということの能力を阻害されてしまうのではないかという不安をお持ちの方も私はいらっしゃるんだろうなと思っております。そういう意味で、費用対効果という言葉を私は安易に使うべきではないんだろう、着弾をして失われるたくさんの命に対する経済的効果というようなものは、安易に口に出すことは私はできないんだろうと。  今回のイージス・アショアは確かに高いですけれども、私には、高過ぎるということを言える根拠を持ち合わせておりません。政府と違って情報を持っておりません。本当に必要なミサイルを撃ち落とす必要があるのであるならば、それは国力の範囲内においては投資していかなければならないものだろうと。今回、これに関して合理性がないという大臣答弁というのは、それをも比較してでも、今回、続行はできないという判断をされたんだろうと思います。  そういう意味では、飛んできたミサイルを撃ち落とすということのイージス・アショアというものが、イージス艦という話がありますけれども、聞いている限りでは、レーダーの能力が格段に高いという評価をイージス・アショアがあったということでありますので、イージス艦に対する、これが代替機能を有するのだろうか、また、隊員が常時イージス艦に滞在することによる精神的、肉体的なものを補うという意味での陸地でのイージス・アショアということもありました。果たしてこれがイージス艦で補っていけるのかどうかという点に関して、国民として大変心配をしているという方も多いかと思います。  この点に関して、大臣の御所見をいただきたいと思います。
  145. 河野太郎

    河野国務大臣 おっしゃることはよくわかりますし、我々としても丁寧に説明をしていかなければいけないと思います。  現時点で、北朝鮮ミサイルに対してはイージス艦で対処する、そういう体制をとっております。ただ、このイージス艦という船を三百六十五日二十四時間任務に当たらせる、これは海上自衛隊自衛官への負担が相当なものになる、それを避けるためにイージス・アショア導入しようということを計画をしておりました。  しかし、御説明申し上げましたように、イージス・アショア地元へ御説明してきたように配備をするためには、ソフトウエアに加え、ハードウエア改修が必要になってくるという事態になりまして、その投資に合理性はないという判断をするに至りました。現時点で、当面、イージス艦によるミサイル防衛を続けることになります。  国家安全保障会議に報告し、そこでの議論を経た上で、今後どのように我が国のミサイル防衛体制を構築していくか、しっかりと御説明を申し上げながら、英知を結集して議論し、実施してまいりたいというふうに考えております。
  146. 串田誠一

    ○串田委員 次に、外務大臣にお聞きしたいと思うんですが、香港の国家安全法に関しての質問をさせていただきたいと思います。  先日行われました予算委員会において、我が党の森議員が拉致問題を取り上げさせていただきました。横田滋さんがお亡くなりに、大変残念なことでありますけれども、拉致被害家族が高齢化しているという中で、拉致問題というものを早期に解決するために、更に力を入れていかなければならないというふうに思います。  そのためには、国際社会の協力というものも更に一層受けなければならないということだと思います。日本の主権あるいは人権が侵害されていることに対して、他国も協力をしてほしいということをお願いする以上は、隣国が人権を侵害されているようなことがあったときには、我が国も毅然とした態度をやはりとるべきではないだろうかと思っています。  そういう意味で、先日、院内で勉強会というか報告会がありましたが、今回の一国二制度というのは、外交と防衛に限られるはずであるのにかかわらず、地方議会の集会に解散を命じるとか、そういったような国内の人権に対して過度な干渉というものがあるし、また、全く無防備な国民に対して発砲というものもビデオで流されました。そういったようなことに関して、やはり人権問題というものを我が国も毅然として世に訴えていかない限りは、拉致問題も国際社会からの協力は得られないんだろうというふうに思います。  そういう意味で、外務大臣として、今回の香港の国家安全法に関する所見をお聞きしたいと思います。
  147. 茂木敏充

    ○茂木国務大臣 拉致問題もそうでありますが、まさにこれは日本の国民の生命、そして安全にかかわる極めて深刻な問題でありまして、日本が主体的に取り組むと同時に、国際社会を挙げてさまざまな連携、協力をしながら、世界共通の問題として働きかけを行っていくことが極めて重要だ、そんなふうに考えております。  有本嘉代子さん、そして横田滋さん、恵子さん、そしてめぐみさん、お嬢さんの帰国を待つことなくお亡くなりになってしまった。改めて心から御冥福をお祈りし、そして全ての拉致被害者の一日も早い帰国、これに向けて全力を尽くしてまいりたいと考えております。  香港についてでありますが、先般の全人代によります香港に関する決議については、香港の一国二制度にかかわる問題でありまして、我が国としても、他国に先駆けて深い憂慮を表明してきております。  一国二制度の将来、これは香港と緊密な経済関係、人的交流を有する我が国にとっても重要でありまして、これは我が国だけではなくて国際社会全体にとっても重要な問題でありまして、一国二制度のもとに自由で開かれた体制が維持をされ、香港が民主的、安定的に発展していくことが重要である、これが我が国の一貫した立場であります。  中国側にはこのような我が国の考えを伝えてきておりまして、五月二十八日には、私そして官房長官から議決後直ちに日本の立場を表明するとともに、私の指示のもと、秋葉次官が孔鉉佑大使を招致して、この旨伝達をしたところであります。  また、我が国としては、本件については、基本的価値及び考え方を共有するG7等の関係国と緊密に連携していくことが重要であると考えておりまして、私も、宗主国イギリスのラーブ外相、そしてオーストラリアのペイン外相、フランスのルドリアン外相等との電話会談におきまして、香港情勢に対する深い懸念、これを共有するとともに連携を確認するなど、密接に連携をしてきたところであります。引き続き、状況を注視をするとともに、関係国と連携しつつ適切に対応してまいりたいと考えております。  今、新型コロナが世界的にまだ拡大をする、この問題については、それぞれの国の対応だけでは不十分でありまして、国際社会全体が一致団結して協力して取り組むことが必要な中で、さまざまな形で中国が、東シナ海においても南シナ海においても香港情勢についても新たな動きをとっている、これについてはしっかりと注視して、国際社会全体での対応を図ってまいりたいと考えております。
  148. 串田誠一

    ○串田委員 日中関係を気にするという方もいらっしゃるんですが、例えば子の奪取のハーグ条約とか国内法に関して、アメリカが、あるいはフランスが大変な非難を日本にしています。これは私は、やはり日本も謙虚に受けとめなければならないと思いますし、直さなければならないものは直さなければいけないと思います。ただし、非難されたからといって、ではアメリカやフランスと交渉できなくなるか、そんなことはないわけですよ。協力し合える分野というのは協力をすることができる。そういう意味で、今回のような行為に関して、だめなものはだめなんだということ、そういうことを毅然とした態度で主張していかなければ私はならないと思います。  最後に一つ、河野大臣にお聞きをしたいんですが、最近地震が多い状況でございまして、毎日というほどではありませんが、一日置きぐらいに、私のスマホにはいろいろな地方の地震が速報される状況でありまして、非常に地震が多いというのは国民も感じ取っているのではないだろうかなというふうに思っています。そういう意味で、災害時、これから大雨もなされてくる中で、自衛隊方々による救助というのは、国民も大変頼っているという部分もございます。  新型コロナの環境下において、今回、災害が発生したときには、救助の仕方というものも、三密を避けるような形で、最終的には地方自治体にバトンタッチをするにしても、それまでの間、自衛隊方々による救助というものが要求される場面ももしかしたら出てくるかもしれない。そういうことがないことを祈っておりますけれども、あり得るかもしれない。そういう中で、現在の救助関係に関する体制がどうなっているかの御説明を最後にお聞きしたいと思います。
  149. 河野太郎

    河野国務大臣 梅雨入りもいたしましたし、おっしゃるように地震のいつ来るかわからぬという状況でございますので、自衛隊、災害派遣にいつでも出動できるような体制を整えております。  昨今のコロナの状況がございますので、マスク、グローブあるいはタイベックスーツといった感染防止のための装備を整えながら、いつでも出動できるように体制を整えると同時に、例えば、救助された方を輸送するときに、今までより、車両ですとかあるいは航空機、ヘリコプターの中で、やはり間隔をあけるというようなこともやらなければいけませんし、自衛隊がこれまでコロナの関係で輸送してきたように、車両の中でビニールシートをうまく使って感染をしないような、そういう仕組みも当然やっていかなければならないというふうに考えております。  自衛隊として、こういうコロナ禍でも必要な災害派遣には出動しなければなりませんので、その際に、感染が拡大することがないように最大限注意を払って取り組んでまいりたいと考えております。
  150. 串田誠一

    ○串田委員 その際には、動物も同行避難、力を入れていただきたいと思います。  終わります。ありがとうございました。
  151. 西銘恒三郎

    西銘委員長 外務大臣は退室されて結構です。      ――――◇―――――
  152. 西銘恒三郎

    西銘委員長 この際、御報告いたします。  去る四月二十二日、議長より本委員会に送付されました、議員安住淳君外百二十六名からの自衛隊員の再就職状況に関する予備的調査要請につきましては、理事間の協議により、衆議院規則第五十六条の三第三項によって、去る四月二十三日、調査局長に対し、予備的調査を命じましたので、御報告いたします。  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時三分散会