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2020-04-07 第201回国会 衆議院 安全保障委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    令和二年四月七日(火曜日)     午前九時開議  出席委員    委員長 西銘恒三郎君    理事 小田原 潔君 理事 大岡 敏孝君    理事 長島 昭久君 理事 原田 憲治君    理事 宮澤 博行君 理事 小熊 慎司君    理事 篠原  豪君 理事 佐藤 茂樹君       岩田 和親君    江渡 聡徳君       小野寺五典君    大西 宏幸君       大野敬太郎君    門山 宏哲君       熊田 裕通君    左藤  章君       塩谷  立君    鈴木 貴子君       中谷  元君    浜田 靖一君       吉川  赳君    渡辺 孝一君       重徳 和彦君    寺田  学君       照屋 寛徳君    本多 平直君       屋良 朝博君    浜地 雅一君       赤嶺 政賢君    串田 誠一君     …………………………………    防衛大臣         河野 太郎君    防衛大臣       山本ともひろ君    防衛大臣政務官      岩田 和親君    防衛大臣政務官      渡辺 孝一君    衆議院議事部長      今岡 武史君    政府参考人    (内閣官房内閣審議官)  三貝  哲君    政府参考人    (内閣官房内閣審議官)  山内 智生君    政府参考人    (外務省大臣官房サイバーセキュリティ・情報化参事官)           大隅  洋君    政府参考人    (厚生労働省大臣官房審議官)           吉永 和生君    政府参考人    (防衛省大臣官房政策立案総括審議官)       辰己 昌良君    政府参考人    (防衛省大臣官房審議官) 村岡  猛君    政府参考人    (防衛省防衛政策局長)  槌道 明宏君    政府参考人    (防衛省整備計画局長)  鈴木 敦夫君    政府参考人    (防衛省地方協力局長)  中村 吉利君    政府参考人    (防衛装備庁長官)    武田 博史君    安全保障委員会専門員   奥  克彦君     ――――――――――――― 委員の異動 四月七日  辞任         補欠選任   鈴木 貴子君     吉川  赳君 同日  辞任         補欠選任   吉川  赳君     鈴木 貴子君     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  政府参考人出頭要求に関する件  防衛省設置法の一部を改正する法律案内閣提出第四号)      ――――◇―――――
  2. 西銘恒三郎

    西銘委員長 これより会議を開きます。  内閣提出防衛省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。  この際、お諮りいたします。  本案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官貝哲君、内閣官房内閣審議官山内智生君、外務省大臣官房サイバーセキュリティ・情報化参事官大隅洋君、厚生労働省大臣官房審議官吉永和生君、防衛省大臣官房政策立案総括審議官辰己昌良君、防衛省大臣官房審議官村岡猛君、防衛省防衛政策局長槌道明宏君、防衛省整備計画局長鈴木敦夫君、防衛省地方協力局長中村吉利君、防衛装備庁長官武田博史君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 西銘恒三郎

    西銘委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――
  4. 西銘恒三郎

    西銘委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申出がありますので、順次これを許します。大西宏幸君。
  5. 大西宏幸

    大西(宏)委員 どうもおはようございます。自由民主党・無所属の会、大西宏幸でございます。  質疑機会を賜りまして、本当に感謝申し上げます。マスクでしゃべると大変しゃべりづらいところでございますけれども。  冒頭に、安倍晋総理大臣緊急事態宣言の準備に入られたということでございますけれども、いわゆる新型ウイルス感染拡大以後、自衛隊皆様方には災害派遣大変お世話になりまして、最前線で救急救援活動をされておられることを心より感謝申し上げる次第でございます。  さて、質問に入らせていただくわけでございますけれども、もう皆様も御存じのように、宇宙サイバー空間というのは同じぐらい無限で、行き先が見えないぐらい大きい空間でございますけれども、陸海空と並ぶ重要な戦域となってくるのは、これは事実ですね。  米国では二〇一九年夏に宇宙軍が発足するということで、中国やロシア宇宙軍軍事利用が現在加速されております。今後は、宇宙サイバー領域優位性の維持が防衛の重要な課題になってきていることは、皆さんと同じ意識だと思うんです。  今回、防衛省設置法の一部を改正する法律案ですけれども、平成二十六年、三自衛隊の隊員で構成される総合部隊で新設されましたサイバー防衛隊拡充宇宙領域専門部隊航空自衛隊新編するということで、自衛官定数変更ということでございます。  サイバーといえば、国同士攻撃をしかけたということは、どこの国も認めておりませんけれども、アメリカトランプ大統領サイバー攻撃イコール宣戦布告だということもおっしゃっておられまして、事実、御本人も、二〇一七年六月二十二日の日経新聞を始め日本でも多く報道されましたが、アメリカ大統領においてロシアのハッカーが、全米五十州のうち二十一州の選挙システムサイバー攻撃をしかけたということは記憶に新しゅうございます。  広角的に国家混乱を来すということは、電力システムとか重要な拠点をターゲットにしてサイバー攻撃を行うということが高まってきているということにもなるんです。宇宙空間を利用した技術では、我々、生活防衛、あらゆる分野で応用、活用されておりますけれども、現在、軌道上約五千基ある人工衛星防衛安全保障上も重要な課題になることは確かでございます。  そこで、この定数変更でございますけれども、防衛省から資料をいただきますと、他の部隊の定員を減らして全体の人数はそのまま、部隊新編拡充をするということになっていますけれども、安全保障上大変重要な宇宙領域サイバー領域なんですけれども、他の部隊も本当に重要な部隊、重要じゃない部隊なんか何一つないというのが自衛隊だと思っているんですけれども、その必要な人数分増員をしないでそのまま減らしていくというのは、これはどういうことでございましょうか。防衛省として御見解がありましたら、お聞かせいただきたいと思います。
  6. 河野太郎

    河野国務大臣 今中期防におきましては、中期防期間末の常備自衛官定数につきまして、陸上自衛隊はおおむね十五万一千人程度、海上及び航空自衛隊平成三十年度末の水準をめどとすることとしております。  真に実効的な防衛力整備のため、既存予算人員の配分に固執することなく、資源を柔軟かつ重点的に配分して、効果的に防衛力を強化するということとされているわけでございます。  これを踏まえまして、令和二年度予算においては、老朽装備用途廃止に伴う部隊の縮小、同一機能の集約化に伴う既存部隊廃止部外委託による業務の見直しなどを進めることによって、全自衛隊定数を見直し、宇宙サイバー電磁波といった新たな領域人員を重点配分していきたいと考えております。  このような取組をすることによって、全体の定数をふやすことなく、将来に向けた体制整備をまず行ってまいりたいと考えております。  自衛官定数を含めて、陸海空体制を今後ともしっかりと見直して、また人員充足率向上させるという大きな課題にもしっかり取り組みながら、自衛隊体制を強化してまいりたいと考えているところでございます。
  7. 大西宏幸

    大西(宏)委員 河野大臣、どうもありがとうございます。  私も、もう十四、五年、自衛官募集相談員を務めさせていただいていますけれども、本当に自衛官充足というのは大変難しいことだと思いますし、今後更にいろんな仕事、分野というのを自衛隊に課せられることがふえていく中で、どういうふうに対応していくかというのが大変だと思うんです。  その中で、私はいつも思うんですよね。人類というのは、戦争をする中で、その戦術上、戦略上、例えば、飛行機にしてもそうですし、ミサイルにしてもそうなんですけれども、高み高みに上がっていって、防空圏とかいうものを、優位性を保とうとする。  と同時に、このサイバーですね。サイバーというのは、古代から、情報戦というのは何にもまさる、万の兵士にもまさるという情報収集能力を持つことが、将来のその国が生きるか死ぬかの趨勢にかかわるぐらい大変重要なことなんですけれども、今回、このサイバーということを増員を今後されていかなければ、これは世界のトップに躍り出るか出ないかで、日本というのを守り切れることはできないと思うんですよね。  例えば、イージス艦とか高性能ミサイルとか、いわゆるABC兵器にまさることというのが情報収集能力ということにもなるので、国家を守る盾となることを私どもは望んでおりますので、更に拡充をよろしくお願いする次第でございます。  続きまして、私たち生活に身近なところの人工衛星、より可能となるのが、いろいろありますよね、GPSとか、この社会全体で宇宙サイバー空間依存度が高まっていく状況になっておりますけれども、宇宙空間でも、電磁波領域連携など、新分野兵器活用とか軍事利用が広がっております。  このサイバー空間電磁波等々の、これは本当に難しいんですけれども、自衛隊員皆さん技術向上をさせていく中で、専門的な教育研修をされておられるということも聞いているんですけれども、どういうことをしておられるでしょうか。
  8. 鈴木敦夫

    鈴木政府参考人 御指摘ございました中でも、特にサイバー人材確保育成について御説明させていただきますが、部内の教育課程における教育ですとか国内外の教育機関への留学、それから民間企業における研修等各種演習への参加、こうしたものを行っておりまして、その充実高度化に努めているところでございます。  サイバー関連教育機関といたしましては、例えば、陸上自衛隊通信学校、それから海上自衛隊航空自衛隊術科学校等がございまして、技能レベルに合わせた教育を行っているほか、令和元年度からは、各自衛隊共通教育といたしまして、サイバーに関する共通的かつ高度な知識、技能を修得させるサイバー共通課程、こうしたものを開始し、サイバーに関する教育体制拡充を図っているところでございます。  また、令和二年度は、早期からサイバー人材育成目的といたしまして、陸上自衛隊高等工科学校において令和三年度からサイバー等に関する基礎的な教育を行うシステム・サイバー専修コース、これを新設するための体制整備することとしております。  今後とも、防衛省自衛隊といたしましては、優秀な人材確保育成のためにさまざまな方策を検討してまいりたいと存じております。
  9. 大西宏幸

    大西(宏)委員 サイバーセキュリティーというのは、自衛隊、今現在、本隊ではそうできないと思うんですよね。専門分野でありますと民間企業との連携というのは必要不可欠ですけれども、民間というのは、情報が漏れる等々、大きな心配があるんです。  この情報管理なんですけれども、それに対しての対処というか、どういう状況になっておるのか、お聞かせいただけますでしょうか。
  10. 武田博史

    武田政府参考人 お答えいたします。  防衛省民間企業秘密等機微情報を取り扱わせる場合、当該企業との契約に付す特約条項に基づきまして、これらの情報を保護させているところでございます。  具体的には、この特約条項に基づき、企業に対して、一つに保全規則の作成、二つに機微情報を取り扱う社員への保全教育の実施、三つ目機微情報を取り扱う施設設置四つ目防衛省による検査の受検を企業に義務づけ、五つ目に外部から切断された社内システムの使用の義務づけなど、防衛省から貸与した機微情報等漏えい等防止する措置を講じさせているところでございます。
  11. 大西宏幸

    大西(宏)委員 いろいろ機密保持契約等々を締結されているということですけれども、やはり最終的にはお互いの信頼性ということに尽きると思うんですよね。信頼されていない組織の人間を使うというのはすごくリスキーなことでもありますから、各国のように秘密保持法律が十分ではない日本においては、そこをやはり先進的にやっていかなきゃいけないのかなと思っております。  宇宙空間をめぐる安全保障は、世界的な動向や、この領域におけるリスクや、脅威動向サイバー領域におけるリスク、その脅威動向ということでございますけれども、今の現状というのはどうなっているのか、お聞かせいただけますでしょうか。
  12. 槌道明宏

    槌道政府参考人 まず、宇宙空間でございますけれども、これは、宇宙を利用した情報収集通信測位など、人工衛星を活用するということで、各国とも軍事作戦の基盤として使っているものでございますけれども、それに対して、例えば、対衛星攻撃ミサイルであったり、キラー衛星であったり、指向性エネルギー兵器であったり、そうしたことで対衛星兵器開発向上に努めている、そういう国もあるところでございます。  このように、宇宙空間安定的利用をどう確保するか、それが損なわれるということがリスクとして存在するわけでありますけれども、これに効果的に対処することが必要となってございます。  その中で、我々の置かれている状況でございますが、自衛隊におきましても、通信測位人工衛星に大きく依存しているわけでございますけれども、各国状況を踏まえますと、宇宙状況監視衛星の抗堪性、こうした取組を一層強化していく必要がある、そういう状況であると考えております。  また、サイバーにつきましても、部隊指揮統制通信、これはサイバー空間情報通信ネットワークに大きく依存をしておりますが、それに対して攻撃をするということは、低コストで阻害可能な非対称的な攻撃手法ということになります。平素から、サイバー攻撃によって軍事機密の窃取や重要インフラ等脆弱性、こうしたことが高まる懸念、こうしたこともリスクとして存在しております。  自衛隊におきましては、サイバー空間を通じて陸海空装備品等を連接して統合的に運用するということを考えておりますけれども、一方で、他国サイバー攻撃能力を踏まえますと、現在のサイバー防衛能力を更に抜本的に強化をしていくことが必要であるというふうに考えているところでございます。
  13. 大西宏幸

    大西(宏)委員 本当に、先ほどから申し上げているとおり、この優位性というのをどういうふうに守っていくのかということと、やはり後進的なんですね、日本というのは。今からつくり上げていかなきゃいけない、将来の部隊のリーダーを今育成していかなきゃいけない、他国がどういう状況にあるかというのを自分たちで目で見て、そして経験して、その方々日本に帰していって、いろいろなところにその人材を配置していかなきゃいけない。これは、十年、二十年かかるような状況を今からやっていかなきゃいけないということも踏まえて、本当にスピード感を持っていただかなきゃいけないと思っておるわけでございます。  最後に、河野大臣にお尋ねさせていただきますけれども、特にサイバー分野に非常に安全保障上の脅威リスクというのがあるわけですけれども、サイバー攻撃対策情報搾取被害対策が特に重要でございます。防衛省として、取組現状、今後の方向性というのがあると思うんですけれども。  そして、あわせて、緊急事態宣言がもうすぐ出るということでございまして、私、個人的に申し上げますと、自衛隊は常在戦場でございまして、緊急事態宣言が出ようが、そういう状況というのは常時対応できると思うんですけれども、特にこういうときに、他国からのこういうサイバー攻撃等々も過密度が増していく可能性もありますので、その点も加味してどうぞお答えいただきますようよろしくお願いします。
  14. 河野太郎

    河野国務大臣 サイバー攻撃対処につきましては、AI技術を活用し脅威優先度を判定するなど、マルウエアの解析の効率化を図るために、AI技術サイバー攻撃対処の機材に適用するため、設計経費として三千万円を計上しているところでございます。  また、5Gを活用したIoT機器防衛省自衛隊においても何らかの形で使用する可能性を想定して、IoT機器を適切に使用するための方策について調査研究を行うための経費として二千万円を計上しているところでございます。  情報システム通信ネットワーク防護するため、二十四時間体制自衛隊ネットワーク監視をしておりますが、こうした攻撃は更に巧妙化することが想定をされますので、サイバー防衛能力向上に努めてまいりたいと思います。  緊急事態宣言について、特に自衛隊として、この宣言が出されたといって何か変わることはございません。自衛隊は、既に東京都庁、北海道庁を始め都道府県対策本部連絡員派遣する、あるいは連絡できる体制を構築をしております。  引き続き、離島などからの急患の輸送ですとか、あるいは、患者あるいはPCR検査検体輸送といった輸送支援、あるいは、帰国される方の空港での検疫支援……
  15. 西銘恒三郎

    西銘委員長 時間ですので、まとめてください。お願いします。
  16. 河野太郎

    河野国務大臣 そうしたことをしっかりと知事要請に基づいてやってまいりたいと考えております。
  17. 大西宏幸

    大西(宏)委員 時間が来ましたので、これで終わらせていただきますけれども、もう本当に、サイバー宇宙空間、今後とも全力を挙げて人員増員に尽くしていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたしまして、質疑を終わらせていただきます。  どうもありがとうございました。以上です。
  18. 西銘恒三郎

    西銘委員長 次に、篠原豪君。
  19. 篠原豪

    篠原(豪)委員 おはようございます。  質問機会をいただきまして、ありがとうございます。篠原豪でございます。  まず冒頭に、このたびの新型コロナウイルスで亡くなられた方々に哀悼の意を表しますとともに、罹患され、今なお闘っていらっしゃる皆様の一日も早い御回復を心からお祈りをさせていただきます。  そしてまた、日本のこれから経済世界経済にも大きく影響することでありますので、今夕、非常事態宣言が出されるということでありますが、政府皆様におかれましては、しっかりとした対応お願いをさせていただきます。  そして、冒頭自衛隊コロナ対応について少し河野大臣にお伺いをいたします。  これまでこの新型コロナウイルス感染防止のために災害派遣の名目で行われていた自衛隊活動が、まずダイヤモンド・プリンセスから始まって、第一弾目が三月十六日に終了しています。これは、感染症対策としては、四十六日間で延べ四千九百名の自衛隊員が四都県に送られました。これは、規模もさることながら、こうした中でも活動に当たった自衛隊皆様に、PCR検査等も含めてやっていただいて、一人も感染者を出さなかったということは、これは称賛をしたいと思っております。  その後も、三月二十八日には成田空港での水際対策での検疫支援、そして四月に入りましてからは、宮城県と長崎県で患者さんの搬送検査支援のための災害派遣をしています。そして、まさにきょう、この後、改正新型コロナウイルス等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言発令後、東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の七都県を対象に発動をされる予定です。  政府には、法改正時に約束をした国会への事前報告をしっかりしていただき、そして与野党の理解を得た上での発動としていただくことを強く求めます。  そして、緊急事態宣言発動後には、自衛隊皆様による感染拡大防止するための災害派遣役割は、もしかしたら大変重要になってくるのかもしれないと考えております。備えあれば憂いなし、海外ではやはり軍隊が中心になって感染拡大防止をしているということがありますので、自衛隊皆様に、どれぐらいの役割になるかわかりませんけれども、これから備えていただきたいと思っております。  私からは、これまでの、クルーズ船を含めて、どういったことがあったかというと、やはり医療関係者や他省庁、自治体との任務分担指揮命令系統の確立までのいろいろな混乱がありました。そして、感染者宿泊支援生活物資仕入れ、仕分、共同区画消毒活動、実際の医療支援まで、多岐にわたる活動をしていただきましたし、陽性患者方々輸送支援もしていただきました。こうしたものを支えるためには、自衛隊装備体制充実人員充実が必要だと考えています。  感染症対策で重要なことは、みずからが感染しないことと同時に、みずからが感染者となって他者にウイルスを拡散させないことでございますので、クルーズ船対応を含めましてやられていますので、こういったことも含めて、きょうこれから緊急事態宣言発動されますが、この宣言に当たって自衛隊防衛省はどのように臨まれていくのか、大切なことなので、冒頭、一問、防衛大臣にお伺いをさせていただきます。
  20. 河野太郎

    河野国務大臣 緊急事態宣言が出て自衛隊で何か体制が変わるかというと、恐らくそんなことはないんだろうというふうに思っております。都道府県それぞれに対策本部が既に設けられており、自衛隊から、東京都庁を始め、必要と思われるところには連絡員派遣をし、それ以外全ての都道府県とも、対策本部とも連絡がとれる状況には既になっているところでございます。  現時点で、都道府県知事からの御要請があれば、緊急の患者搬送、あるいは、PCR検査検体あるいは患者輸送、そうしたことは既に何件か、御指摘いただいたように、行われております。  また、昨日、東京都知事から御要請がありましたので、軽症の患者さんが入られる宿泊施設においての生活支援というものを第一師団約十名で当たるということにしております。これは、自衛隊が継続的に行うというよりは、民間方々生活支援といったものは移管できるわけでございますから、そうした業務のやり方の、防護の指導といったことをやりながら、順次民間に移管をしていきたいというふうに思っております。  また、御指摘いただきましたように、マスク、タイベックスーツ、手袋といった防護装備がなければ自衛隊も動くことができませんので、必要に応じてしっかりとそうしたものを備えながら、今後この感染症がどのように推移していくかわかりませんので、自衛隊としては、当初、極めて慎重に対応してまいりたいと考えているところでございます。
  21. 篠原豪

    篠原(豪)委員 しっかりとした対応を、これはもう与野党もありませんので、我々もしっかりとお支えをこのコロナ対策についてはしたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。しっかりとした対応をしていただければと思います。  さて、それでは、宇宙状況監視についてお伺いをいたします。  今回の改正案は、宇宙サイバー領域における優位性の獲得に必要な部隊新編拡充を始めとする防衛省自衛隊体制整備を行うものです。その主眼は、運用を終えた人工衛星ロケット部品や破片など、地球を周回する宇宙ごみが現役の人工衛星に衝突しないよう常時監視する宇宙領域専門部隊航空自衛隊新編することとされています。  この活動は、SSA宇宙状況監視と呼ばれますが、このSSAには、実は、宇宙ごみだけでなくて、地上から人工衛星に向け発射するミサイル、そして衛星攻撃衛星、いわゆるキラー衛星、そしてレーザー光線などの指向性エネルギー兵器、そして、ジャミングといった電波妨害電磁パルスを利用する兵器といった対衛星兵器による攻撃から人工衛星を守る役割もあるのだと考えます。  そこで、まずお伺いします。  自衛隊による宇宙利用原則についてですけれども、人工衛星ロケット開発利用平和目的に限るとした一九六九年の国会決議によって、自衛隊宇宙利用は実質的にできない状態が続いていました。これを変えたのが、米海軍が所有するフリーサット衛星自衛隊が使用する際に出された一九八五年の政府統一見解です。これは、米海軍衛星経由の通信は、市民が衛星電話や衛星放送を利用するのと変わらず、殊さら国会決議に反する宇宙軍事利用と解するには当たらないという判断を示した上で、書かれているのは、利用が一般化している衛星及びそれと同様の機能を有する衛星自衛隊による利用が認められるとしました。それと同時に、しかし、「自衛隊衛星を直接、殺傷力、破壊力として利用することを認めない」ともここで述べているわけです。  その後、二〇〇八年に制定された宇宙基本法では、宇宙開発利用を、「国際社会の平和及び安全の確保並びに我が国の安全保障に資するよう行われなければならない。」と規定をし、安全保障分野での宇宙利用ができるように道を開きましたが、先ほどの一九八五年の政府統一見解に明記されている、「自衛隊衛星を直接、殺傷力、破壊力として利用することを認めない」とした規定は、これは現在でも有効であると考えてよいのかどうか。まず政府見解をお聞かせください。  仮に、現在では無効というのであれば、その理由もお聞かせいただきたいと思います。
  22. 河野太郎

    河野国務大臣 御指摘いただきましたとおり、この政府統一見解は、一九六九年五月、衆議院で、我が国の宇宙開発利用は平和の目的に限ると決議されたことを踏まえ、一九八五年二月、この決議の趣旨について、当時の政府の認識を明らかにしたものでございます。この約五十年前の国会決議の効力や解釈につきましては、これは国会で御議論をいただくべきものと考えております。  議員立法によって提案され、二〇〇八年に成立した宇宙基本法の審議の際、この法律の提案者からは、専守防衛の範囲内で我が国の防衛のために宇宙開発利用を行うことは、一九六九年の国会決議の文言及び趣旨に反するものではない旨の説明がなされたというふうに承知をしているところでございます。
  23. 篠原豪

    篠原(豪)委員 専守防衛ということでございましたら、今の御回答にもありましたように、攻撃衛星を地球上の周回軌道に配備することは、宇宙からいつでも他国攻撃できることになります。ですので、明らかにこれは自国防衛の枠を超えます。したがって、自衛隊がそうした衛星兵器開発、保有、運用することは、これは憲法違反だ、そういった議論になるということになりますので、このことを、今、国会での議論ということでありましたので、議論として提起をさせていただきます。  次に、衛星攻撃衛星監視についてお伺いします。  地球を周回する宇宙ごみ監視する場合、その予測軌道上に人工衛星があれば、その衛星の軌道を変更すれば済む話なんです。ところが、監視相手が衛星攻撃衛星、いわゆるキラー衛星の場合には、攻撃を避けるために何らかの措置をとらなければ監視自体が意味をなしません。  そこで、政府は二〇二〇年代中に、有事の際に他国の軍事衛星を無力化させる妨害衛星の導入を正式決定し、二〇二〇年代半ばにも打ち上げたいという考えをお持ちであるというふうに報じられています。また、政府は、有事の際、地上から、外国の衛星や空中警戒管制機、これはAWACSですね、このAWACSを電磁波で妨害する装置の開発も進めたいとの意向ですが、これは自衛隊宇宙利用として正当なものと考えられるのか。考えられるならば、その理由をお示しください。
  24. 河野太郎

    河野国務大臣 今お話がありました妨害衛星については、何らそのような決定は行われておりません。  安全保障分野におきまして、各国の軍は、指揮、通信情報収集測位など、多くの分野宇宙への依存度を飛躍的に高めております。人工衛星は、我が国の防衛にとっても必要不可欠なインフラとなっているところでございます。  また、各国は、自国の軍事的優位を確保するため、衛星攻撃ミサイルや軍事衛星衛星通信の妨害装置などを開発、配備し、また、衛星破壊実験などによりスペースデブリが飛散するなど、宇宙空間安定的利用に対する脅威は現実に増大をしております。  このような状況を踏まえると、我が国有事においては、宇宙空間のインフラへの攻撃は不可避と考えざるを得ません。  そのため、我が国としては、宇宙空間安定的利用確保するため、宇宙空間状況監視する体制を構築するとともに、我が国の人工衛星をさまざまな脅威から回避、防護し、抗堪性を高める取組を進め、同時に、我が国に対する武力攻撃が発生した場合に、相手方の指揮統制情報通信を妨げる能力の構築を図るなど、平素から有事まで、あらゆる段階において宇宙利用の優位を確保するための能力の強化に取り組む必要があると考えております。
  25. 篠原豪

    篠原(豪)委員 問題は、キラー衛星であればいつでも攻撃できるわけではなくて、当該の衛星攻撃衛星が、これはキラー衛星ですね、我が国の衛星への攻撃を開始したとき、先ほど少しおっしゃっていましたけれども、これはいわゆる着手事態になって初めてその攻撃を妨害することができるということで、おそれがあるときは先制攻撃になってしまうということがあるんだということをまず申し上げておきます。  それと、おそれがある事態というので、着手事態を明確に見分けるだけの壮大な諜報システムを我が国が持つことは事実上不可能だと考えています。現実には、米軍のシステムに依存せざるを得ない。そうすれば、実際上、米国が最終的な決定権を持つことになるので、自国防衛と矛盾する事態も、今の御答弁も含めて考えても、起こり得るのではないかと危惧します。  こうした自衛隊による妨害行為に対して、妨害を受けた国が何らかの反撃を行った場合は、国際法上、どのような評価を受けるというふうに考えているのか。  例えば、これは今のお話を伺ってちょっとお伺いしたいんですけれども、国際法上、妨害行為が破壊行為とされる危険もあるように思いますけれども、どの程度までなら、あるいはどのような条件なら、破壊行為にならないと考えていらっしゃるのか。これはお答えできますか。
  26. 槌道明宏

    槌道政府参考人 今、国際法上のというお尋ねでございました。  一つは、自衛権行使との関係、それから宇宙にかかわる条約もございます。そうしたさまざまな、一般的な法規との関係もございますので、一概に申し上げることはできないかと思いますけれども、私どもとしては、我が国が武力攻撃を受けたときにおいて、その相手が宇宙空間を利用して指揮統制あるいは情報通信を行う、そういったものを妨げるという行為については、自衛権の範囲内で可能であるというふうに考えているところでございます。
  27. 篠原豪

    篠原(豪)委員 キラー衛星による我が国の衛星への攻撃は明らかに武力行使である以上、それを妨害する行為も当然に国際法上の武力行使と評価されます。したがって、妨害を受けた国が反撃するのも、これは国際法上、認められた権利の行使と考えられるのではないかというのは、今おっしゃったとおりだというふうに思います。  したがって、この議論は、妨害行為そのものが武力行使と評価される以上、それが物理的な破壊行為を伴うか否かは、実際に国際法上、これは無意味であるのかどうかということも考えていかなければいけないというふうに思いますので、このことも議論として提起をいたします。  次、申し上げます。宇宙状況監視に関する米軍との協力についてです。  宇宙ごみ監視は、JAXAが二〇〇四年から岡山県内にあるレーダーと光学望遠鏡の二施設、二カ所で実施していましたが、宇宙領域専門部隊新編することは、その観測データを世界的な宇宙状況監視の中核組織である米軍連合宇宙運用センター、これはCSpOCといいます、CSpOCに提供することで日米両政府が二〇一四年五月に合意したことに始まっています。  その背景には、オバマ政権が二〇一〇年に国家宇宙政策、NSPを発表し、宇宙戦略を自前主義から友好国や民間事業者と連携する姿勢に転換したこと、さらには米軍の利用する宇宙監視施設がアジア地域に余りなかった、そういったことで、いずれにせよ、その結果、合意直後の二〇一四年八月に宇宙開発利用に関する基本方針が五年ぶりに改訂され、宇宙状況監視目的とする自衛隊の専従組織の設置を検討する旨が明記されました。  そして、日米両政府は二〇一九年の三月、二〇二三年度から自衛隊と米軍の宇宙状況監視SSAシステムを連結させ、リアルタイムで他国衛星やスペースデブリなどの情報を共有するとともに、将来は他国衛星攻撃などに備えた相互防護体制の構築を目指すことに合意をしたと報じられています。  ここで注目したいのが、この合意には、二〇一九年一月に発表されたトランプ政権によるミサイル防衛見直し、MDRです、つまり、そこに盛り込まれた、ロシアが二〇一九年に配備をした極超音速、もう極めて超音速ミサイルへのこれは対抗策であるレーザー兵器を搭載した衛星など、宇宙配備型の迎撃システムの実現可能性について調査に乗り出すとの方針が反映されているとのことです。  このことから、米国は明らかに武力行使を含むシステムとして宇宙状況監視を運用しようとしているわけで、これに自衛隊が参加することは、これは宇宙軍事利用に明らかに当たると考えますが、政府の御見解をお伺いいたします。
  28. 河野太郎

    河野国務大臣 我が国の宇宙状況監視は、通信衛星や放送衛星など、我が国にとって重要な人工衛星がスペースデブリや不審な衛星によって被害を受けることのないよう、宇宙空間状況を適切に把握するためのものです。  宇宙状況監視に際して、世界各地に宇宙物体を監視するレーダーなどを有している米軍と情報を共有することにより、地球を周回する宇宙物体を切れ目なく正確に捉えることが可能となります。こうしたことから、宇宙状況監視の実効性を高める上で、米国を始めとする有志国との国際協力は極めて重要であると考えております。
  29. 篠原豪

    篠原(豪)委員 今の話は、そこにとどまらず、ロシアが二〇一九年に配備した極超音速ミサイルへの対抗策であるレーザー兵器を搭載した衛星など、宇宙配備型の迎撃システムの実現可能性について乗り出すということも反映されているということです。  憲法上は指揮権が独立していれば武力行使の一体化を回避できるということになっていますが、自衛隊と米軍の宇宙状況監視SSAシステムを連結させるということは、事実上、米軍の世界システムに自衛隊のシステムが組み入れられたということを意味するので、これは指揮権の独立も実際上あり得ないということになります。  しかしながら、他方で、米軍のインフラを活用しないで我が国の独立を守ることも、まあ、これも不可能であるのだろうというのは事実なので、最終段階では必ず我が国の国益の優先がされるという仕組みをこれは整えておくということが今から大事なんだと思います。  ですので、このことはしっかりと指摘をしておきたいと思います。やっていいことと悪いこと、実際のこととこれから守らなきゃいけないことというのはありますから、このことは、今うなずいていらっしゃいますけれども、事務方の皆さんがうなずいていらっしゃいますけれども、しっかりとした議論をしていただきたいと思います。よろしくお願いします。  防衛大臣、このことも頭に入れておいていただきたいと思います。よろしくお願いします。  次に、CSpOC、米軍連合宇宙運用センターについて伺います。  米軍は、衛星への攻撃を抑止するため、米軍連合宇宙運用センターをカリフォルニア州のバンデンバーグ空軍基地に創設しています。このCSpOCには、二〇一九年七月現在、英国、カナダ、オーストラリアなどが人員派遣しています。つまり、CSpOCというのは、米軍と同盟国あるいは友好国軍との間で宇宙領域に関する情報共有を行う機能を担っているわけですが、日本航空自衛隊宇宙空間状況を常時監視する宇宙領域専門部隊を新設した際には、これはCSpOCに連絡官を送るということで考えてよろしいのでしょうか。お伺いします。
  30. 河野太郎

    河野国務大臣 現時点で考えておりません。
  31. 篠原豪

    篠原(豪)委員 今後はその可能性はあるんでしょうか。報道にあります。
  32. 河野太郎

    河野国務大臣 今後のことはわかりませんが、現時点では考えておりません。
  33. 篠原豪

    篠原(豪)委員 それは、きょうこの時点ではわからないけれどもという話で、今後するかもしれないという、この法案にもかかわってくる話であって、それでは審議にならないです。お願いします。事務方で、もし補足があれば。
  34. 河野太郎

    河野国務大臣 申し上げたとおりでございます。
  35. 篠原豪

    篠原(豪)委員 先ほどから事務方の方が丁寧に御説明していただこうとして手を挙げていらっしゃいますが、何かありますか。(河野国務大臣「ありません」と呼ぶ)大臣、それでは質疑にならないです。現実的な議論をしたいんです、私は。ばさっと言ってしまって、あとはもう言いっ放しみたいな、そういうやり方は、私はまともな議論をしたいだけなんですよ。そういう御態度はどうかと思いますよ。
  36. 河野太郎

    河野国務大臣 現時点で考えていないから、考えていないと申し上げているだけでございまして、それは、将来のことはどうなるかはわかりませんから、わからないと申し上げているだけでございます。
  37. 篠原豪

    篠原(豪)委員 わかりました。では、私からお話しさせていただきます。  CSpOCは、これは、宇宙監視を含む宇宙における軍事作戦を遂行する機関でもあるので、参加した場合には憲法違反になる可能性もあると考えますが、参加した場合には憲法違反になると考えているかどうか、お伺いします。
  38. 河野太郎

    河野国務大臣 現時点では考えていないと申し上げております。
  39. 篠原豪

    篠原(豪)委員 私は、こういうところに参加した場合には、これは日本の憲法違反になるかどうかということを、ここに参加するんじゃなくて、実際参加したら憲法違反になりますかということではなくて、こういうところに出すことが憲法違反になるのかということを聞いているんです。  それで、CSpOCに参加して、国際社会の一員として軍事的な脅威に共同で立ち向かうことは、これは積極的に行うことかもしれませんよ、実際は。ちゃんとした議論がしたいんです。  しかし、これは米国の機関として、トランプ政権が、アメリカは今、アメリカ第一主義を担う存在でもあるという現実を忘れるべきではないという話をしたかったんですよ。それで、その中で、米軍が軍事攻撃を選択しても、日本として、あくまでも平和的解決にこだわる余地がなければ、これは憲法違反と言わざるを得なくなるので、今の時点で議論することが大事だと思っているんです。  ですので、きょうはそういったお話ですけれども、私は議論がしたいし、これをやるのが国会の場だと思いますよ。ですので、これは続けさせていただきたいと思いますが、このこともぜひ頭に入れていただいた上で、お考えいただければと事務方の皆さんにもお願いをいたします。  次に、グローバルホークについてお伺いします。運用部隊の構成についてです。  これは、法案には、二〇二一年度から、グローバルホークの運用開始に向けた諸準備を行う部隊航空自衛隊新編するとされていますが、このグローバルホークの一括購入を決めたとする二〇一四年の新聞報道では、陸海空共同の部隊を新設するとしています。  今回、この問題点は幾つかあるんですが、一つはFMS調達の問題です。  グローバルホークは、支払い金額も納入条件も米側の都合が全て優先されるFMS調達の典型事例だというふうに考えます。既に指摘されていますように、二〇一四年の選定段階でアメリカ政府は、三機を二十年間使って廃棄するまでのライフサイクルコストを約千七百億円だと説明していましたが、機種選定が終わると三千二百六十九億円に上方修正しました。それで、二〇一七年の四月には、三機の機体と地上装備で計五百十一億円と見積もった形を約六百三十億円まで値上がりすると連絡をし、同時に、この二〇年三月と見込まれていた日本への配備も二一年七月にずれ込むと通告してきました。  それで、二〇一五年に発足した防衛装備庁は通達で、高額装備品の費用が見積りよりも一五%上昇すると計画見直し、二五%上昇すると中止を検討するということを義務づけているわけですが、今回、約二三%増にもかかわらず計画見直しをしないで、そして、この購入をしました。この事実は、通達であってもFMS調達は適用除外で、必ずしも守らなくていいという先例を残したことになりますが、このことについて、大臣、どう考えるか、お伺いいたします。
  40. 河野太郎

    河野国務大臣 防衛装備庁におきましては、内部規則に基づいて、装備品の構想段階から廃棄段階までのライフサイクルに要する経費について、重点的に管理する装備品を指定し、毎年度、その時点における状況に基づき、その平均量産単価とLCC、ライフサイクルコストを算出しているところでございます。  その上で、算出された平均量産単価やLCCが、その時点の計画値と比較し、一五%以上増加した場合には取得計画の見直しを検討し、二五%以上増加した場合には事業継続の検討を行うこととされており、これはFMS調達や国内製造にかかわらず、こうした取組が行われております。  グローバルホークにつきましては、平成三十年度概算要求時点において、レーダーの部品枯渇に伴う代替品の開発が必要とされたことにより、平均量産単価が二三%上昇し、二五%近い上昇率となったことから、事業継続について総合的な検討を行ったところでございます。  その結果、北朝鮮の軍事動向を踏まえ、事態緊迫時の常時継続監視能力を強化する必要があること、この地域でグローバルホークを運用する米国と相互補完的な運用が可能になるなど、日米の共同ISRの進展、ひいては日米同盟の強化と地域の安定化にも資すること、他の無人機や衛星等による機能代替ができないことなどにより、当面事業を継続することといたしております。  その後、令和元年度概算要求時点における平均量産単価の上昇率は一九%となり、更に、二年度概算要求時点における平均量産単価の上昇率は一八%となり、改善が見られていることは事実でございますが、引き続きしっかりと検討してまいりたいと考えております。
  41. 篠原豪

    篠原(豪)委員 最後にコメントにしますけれども、今おっしゃっていましたけれども、これはブラックボックスに高額な維持管理費用もかかるんですよ。機体の大半の技術が開示されないため、米企業技術者四十人が常駐しなきゃいけないんです。そして、その生活費約三十億円を支払わなければいけないんです。定期的な本格整備、これは機体をアメリカに送り返さなければいけない。これは、飛行中に集めたデータを衛星経由で地上に送る際には、そのデータの処理の一部を機密上の理由からアメリカに委託することになっているんです。そのため、維持管理費が毎年百三十億円、二十年間で二千六百億円もかかると言われているんです。  そういったことも含めて、これはアメリカ相手なので何も文句は言えない、黙って買うしかないということなのかということでありますので、高額な維持管理費についても、ほかに合理的な理由がこれはあるのかどうかを、まあないと思いますけれども、このことも含めてしっかりとこれから考えていただきたいと思います。  終わります。
  42. 西銘恒三郎

    西銘委員長 次に、本多平直君。
  43. 本多平直

    ○本多委員 立憲民主党の本多平直です。  立国社共同会派の一員として質問をさせていただきたいと思います。  新型コロナウイルス、大変なことになっている現状で、この法案、どれだけ緊急性があるのか若干疑問でございますけれども、与党の提案ですから、きちんと審議をしていきたいと思っています。  新型コロナウイルスの関連で、まず冒頭、一点ですけれども、非常に今回、クルーズ船の話も含めて、自衛官皆さんには現場に赴いていただいて、そしてまた大臣も、割と積極的にプッシュ型でいろいろな対応をされていることに感謝と敬意を申し上げたいと思いますし、特に現場で対応に当たられている自衛官皆さんには感謝を申し上げたいと思っています。  そこで、きょうなんですかね、もう間もなく補正予算が閣議決定をされて、国会に提出をしてくる。大規模な経済対策、コロナ対策予算が出てきます。防衛省、直接の部分、決して多くないんですが、私、大事なポイントがたくさんあると思っています。  一部報道されています自衛隊の駐屯地内の外来者用の施設、これは個室じゃないと感染した方などを受け入れられないので、個室化のための費用などが入っているということもお聞きをしておりますし、自衛隊は病院を持っていますが、自衛隊中央病院などの施設の改善、こうしたこともこの際きちんとやるというのは、非常にいい予算が入っているので、しっかりとそういった面は応援をしたいと思っています。  私、ちょっと二点だけ、もう近々に閣議決定されるとしたら残念ながら間に合わないと思うんですが、また補正というのも、次もあるかもしれません。もし間に合うならやっていただきたいということで、二点御提案をしたいんですけれども。  今回私も初めて知ったんですが、空自の輸送機に積むような空飛ぶ集中治療室と呼ばれる機動衛生ユニットというのを四つ持っている、愛知県の小牧にあると。これは感染症対応にはなっていないらしいんですね、普通の病人の方を想定をしているんですが、実は私、今のこの医療状況を見ていると、感染症の対策を最優先したときに、普通の病気の方、普通の手術が必要な方、普通の重病な方を別な安全な地域に運ぶとか、感染症にこれだけ対応してくると、そうしたいろいろなニーズが出てくるということであります。緊急にどうこうということはないんですが、実は、この機動ユニットの数はふやさないということらしいんですね。  どうでしょう、こういうことも検討、この機会に、日本に四基だけでいいのか。もう少し、こういうコロナの体験をして、防衛省の中で考えたときに、この機動衛生ユニットなどというのはもっと数をふやしていくということを、できれば次の補正と私は思いますが、今後検討していくお考えはありますか。
  44. 河野太郎

    河野国務大臣 御提案ありがとうございます。  感染症対策ということではないんだろうと思いますが、恐らく、そのほかの患者さんの診療に今影響が出かねない状況になっているということはあろうかと思います。もし感染症以外の患者さんの対応を考えるということであるならば、機動衛生ユニットがいいのか、そのほか、自衛隊病院の機能を拡充する、あるいは、今セントラルパークで野戦病院のようなものができておりますが、そういう大がかりなものを考えた方がいいのか、その辺は検討の余地はあろうかと思いますので、機動衛生ユニットをふやすということを含め、感染症以外で自衛隊病院が何ができるかというのは今後検討してまいりたいと思います。
  45. 本多平直

    ○本多委員 こういう言い方は悪いんですけれども、一つの大きな予算を獲得する、これは別に、感染症から守るためにも、一般の医療をしっかり守る、その自衛隊が持っているところで、しっかりと予算要求をしていっていただきたい。この機動衛生ユニットも一つ一億円と聞きました。ふだん防衛省が扱っているものに比べると非常にわかりやすい、それほど高額なものではないと思いますので、きちんと検討してください。  もう一つは防護服です。先ほど大臣も少し触れられたんですが、一日使ったら捨てなきゃいけないわけです、事実上。これはどれぐらい今あるんだと事務方にお聞きをしたら、ちょっと防衛省の、いつもそうなんですけれども、幾つあるかは言えませんということになっちゃって、こんなことぐらい教えてくれてもいいのになと私は思ったんですが。  大臣お願いしたいのは、今私には言えなくても、大臣には言えると思うんですね。今の状況だったら、少し、僕は、あれ、耐用年数が幾らあるのかわかりません。余り買い過ぎていてもいけないのかもしれませんが、この状況に鑑みて、防衛省の方がいろんな出動をしているときに、防護服をしっかり確保する、この予算をしっかり確保するというのは正当性があると思うんですね。  大臣のところでしっかり現状の数を把握して、今後いろんな状況が起こったときでも、防衛省防護服が足りないなどということがないような対応をしていただきたい。これを間もなく出る補正予算でと私は思いますが、更に検討していただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
  46. 河野太郎

    河野国務大臣 ありがとうございます。  タイベックスーツ、マスク、手袋、フェースシールド、こうしたものについてきちんと備えるように財務当局とも折衝しているところでございますし、更に備蓄を上乗せするということは必要だろうというふうに思っておりますので、そこは自衛隊がこういう状況で動くために必要な大前提でございますので、そこはきっちりと備えなければいかぬと思っておりますし、こうした感染症が今後も起こるであろうことを考えると、やはり必要量を、備蓄量をふやしていきたいと考えております。
  47. 本多平直

    ○本多委員 とにかく、日ごろから、防衛省は厳しい予算の中で、私もいろいろ批判したりしていますけれども、大型の兵器が中心になって、なかなかこういうところに予算がつくことが少ないわけです。この機会にしっかり見直して、しっかり予算確保して、これは国民誰も文句を言わない状況だと思います、よくわかっていると思いますので、しっかりお願いをしたいと思います。  続いて、次のテーマに行きます。  実は、前回大臣所信のところで、質疑をさせていただいたところで申し上げようと思いました。ちょっと一点、大臣に評価をしたいと思うんですが、実は資料を配っているので、まあ与党の方も余り見る気がないかもしれませんが、ぜひ見ていただきたいんですね。安全保障環境について、防衛大臣と外務大臣がこの委員会でずっと述べている表現です。  私は、こんな言葉尻を捉えてどうなのかなと思うんですが、実はずっと文句を言ってまいりました。この二、三年の防衛大臣のところの言葉がちょっと踊り過ぎているんじゃないかという指摘をずっとしてきたんです。  ずっと普通は、北朝鮮もあり中国もあり、一層厳しさを増すぐらいは普通の表現です。我々が与党のときから、そういう表現をしてまいりました。しかし、二〇一七年の小野寺大臣のときに、戦後最も厳しいと。これも我々の同僚から、どういう根拠なんだなんという話もありましたけれども、でもそこまではよしとして、岩屋大臣になってから、そして河野大臣の前回の表現も、従前想定したよりも格段に速いスピードで厳しさと不確実性を増していると。厳しさを増しているというところまではいいとしても、格段に速いスピードで厳しさも不確実性も増していると安全保障環境はどうなっちゃうのかと私は思う。  つまり、言葉が躍っていて、日本語としても変だし、何というんですかね、役所の言葉として政治家が演説で使うんだったらいいけれども、大臣がこの委員会室で述べる所信としてはどうも言葉が躍り過ぎなんじゃないかということをあえて、言葉尻ではありますが、ずっと私、この委員会で主張してきて、この表もつくって前もお配りをしました。  ついに前回、所信を聞いて非常に安心をしたんですね。河野大臣が、まともな日本語に戻していただきました。厳しさと不確実性を増しておりますと。私もそういう認識は共有できる認識であります。  言葉尻ではありますが、この小野寺さん、岩屋さんのところの、河野大臣の前の発言も、私はちょっといかがなものかと日本語として思ってきましたので、私の指摘で直ったと言っていただけないとは思いますが、非常に前向きにここで議論してきてよかったなと思うので御紹介をして、コメントが一言あれば、じゃ、大臣お願いします。
  48. 河野太郎

    河野国務大臣 大変わかりやすい資料をつくっていただいて、ありがたく思っております。  外務大臣時代、大変厳しいとずっと申し上げておりました。恐らく、想定しているよりは、中国にしろ北朝鮮にしろ、軍備の拡大あるいはミサイル能力の向上といったものは想定より早いというのは間違いないんだろうと思います。そういう意味で、格段に速いスピードというのが違うかといえば違わないんだろうと思いますが、今回私がそれを落としましたのは、やはり、その厳しいというところと不確実性が増しているというところを端的に強調したいという意図があったので、三つ並べるよりは優先順位の高いものでばしっといきたいということで、こういうふうにしたわけでございます。  恐らく、今までの想定から見ると、状況はかなり速いスピードで悪くなっているというのは現実的にはあると思います。ただ、厳しいというのと不確実性が増しているということを今回強調したいということから、図らずもこういう表現になりました。
  49. 本多平直

    ○本多委員 コメントを聞いてよかったのかどうか、ちょっと今思うんですが、大臣と私の認識は若干違いますけれども、やはり言葉をそぎ落としていくということですね。いたずらに修飾詞をつけてあおっていくというのは、我々、中国や北朝鮮の情勢が、ここの安全保障委員会にいる多くの方は、厳しい、不透明性があるということはみんな共通で、ある程度思っているわけですから、そこを、余り国民をあおるような言葉を使わない、このことはしっかりと評価をしたいと思いますので、今後ともそういう姿勢で、役人に任せず、大臣の判断で大臣所信の言葉をきちんと使っていっていただければありがたいなということを指摘をしておきたいと思います。  続きまして、次のテーマに行きます。  海上自衛艦、海上自衛隊の護衛艦「しまかぜ」が中国の漁船と衝突をいたしました。若干副大臣から不適切な情報発信があったことは大変遺憾であります。きちんと今後指導していただきたいと思いますけれども、この衝突事案そのものについて最新の情報を、わかれば教えてください。
  50. 河野太郎

    河野国務大臣 三月三十日二十時二十八分ごろ、屋久島の西約六百五十キロの東シナ海の公海において、警戒監視中でありました海上自衛隊護衛艦「しまかぜ」と中国籍の漁船が衝突いたしました。事故発生直後から、「しまかぜ」は搭載艇などにより中国籍の漁船の状況確認を実施するとともに、佐世保地方総監部を通じて海上保安庁にも状況を通報したところでございます。  護衛艦「しまかぜ」は、船体に一部損傷があるものの人的被害はなく、現在、鹿児島港に入港して海上保安庁の調査を受けているところでございます。また、中国籍の漁船につきましては、乗組員十三名のうち二名が負傷したと聞いておりますが、死者及び行方不明者は出ておりません。  事故の原因等につきましては、現在、海上保安庁が調査中であり、現在行われている海上保安庁の調査に引き続き自衛隊として全面的に協力するとともに、防衛省におきましても、艦船事故調査委員会において事故原因の究明と再発防止に努めてまいりたいと考えております。
  51. 本多平直

    ○本多委員 海上保安庁の調査を待ちたいと私も思います。しかし、一点、指摘をしたいと思うんですね。  もちろん、自衛艦といっても、事故を必ず一〇〇%避けるわけにはいかないというのは、別に普通の船だって、事故を起こしたくて起こしている船はないわけであります。  ただし、今、例えば中東には「たかなみ」が派遣をされています。「たかなみ」の例でいえば、こういうふうに普通の船と衝突をするという以上に、わざわざ「たかなみ」に何か攻撃をしかけて不安定性をもたらそうという不審船が近づいてきて、当たってくるものさえ避けなければ「たかなみ」の安全は守れない、これは大臣、よろしいでしょうか。  そういう厳しい任務についている中、場所も、決して日本の平々凡々の近海ではございません。かなり中国寄りの、もちろん領海でもないということはお聞きをしていますけれども、海域において、普通の漁船、この漁船側に何らかの意図があったのか、瑕疵があったのかというのはまだ全くわかりませんけれども、意図を持って何かされてきたものでさえ発見して防護しなきゃいけないのが自衛艦の宿命だと思うんですね。  その自衛艦が漁船に衝突をしてしまったのかされたのか、この事案自体、大変、やはり原因究明を待つ前のこの段階でも遺憾なことだと私は思うんです。これは大臣、いかがですか。
  52. 河野太郎

    河野国務大臣 そこはおっしゃるとおりだと思います。
  53. 本多平直

    ○本多委員 きちんと、これはもちろん原因がしっかりわかってからの話になると思うんですが、危険な中東に私の反対も押し切り送っているわけです。大丈夫だ大丈夫だ、不審船が来ても大丈夫。大丈夫なんですか本当にと私はずっと思っています。  小さなボートがわざわざ機雷をつけにこっそり闇夜に乗じて来るものを発見をしなきゃいけないのが護衛艦の役目で、この漁船と衝突をしているというのはいかにも残念な事案だということはしっかりと指摘をしておきたいと思いますし、それに加えて、本人を直接呼んで言ってもよかったんですが、副大臣の今回の情報の、本当は、本来は公表してはいけない部分の公表という不祥事まで加わっていますので、何げない衝突事故ではないと私は思います、こういうことが繰り返されないように、まずは私も海上保安庁の調査をしっかりと待って、その報告を受けて、また必要があれば、どういう事態だったのか、質問をしていきたいと思います。  次に、前回もやりました陸上自衛隊の幹部の天下りあっせん問題について、きょうは、前回もある程度議論させていただきましたが、私が先頭でやるんだからいいだろうという意気込みに押されてちょっと途中でやめちゃったので、もうちょっとやりたいと思います。  調査体制です。  私も、野党側はこうやって情報をもらわないと、調査体制がおかしい、外部の人間を入れろと。内部の人間だってちゃんとやるときはあるし、外部の人間を入れたっていいかげんな調査はあるので、決してそれだけが全てじゃないんですが、大臣、ここが大事なんです。それだけが全てじゃないんですが、こういうときは、ある程度、国民から見て、そういういちゃもんのつかない体制をつくるというのはすごく大事。見せ方ですね、国民の信頼を取り戻すためなんだから、野党や国民から、何だ、内部だけでやっているんじゃないか、そんなふうにならないような調査班でやってほしいんですよ。  それで、きょう資料を持ってきました。二枚目の資料、前回の文部科学省の調査班と今回の防衛省の調査班を比較をして並べております。ぜひ自民党の皆さんも見ていただきたいと思います。  文部科学省は、最初、班長と副班長だけで班を組んでいたんです。これはまさに内部中の内部で、とんでもない話でありまして、これは前回も指摘しました、河野大臣大臣になる前に予算委員会で、こんなのおかしいじゃないか、泥棒が泥棒を捕まえるみたいな話だということで、文部科学省という役所はしっかりと反省をいたしまして、まず、上の特別班員、弁護士二名と企業の方、学識経験者を外から入れております。その後に、更に弁護士を十二名、その下に、その何日か後に追加をして、これは完全外部です。そして、さらに、これはきのう文科省の方から伺ったら、実は足りなくなったそうなんです。  このときの文科省の大体規模感、今回の防衛省の天下りがどういう規模感なのか、私たち情報をもらっていません、残念ながら。とんでもない話だと思っていますが。文科省のときのことを参考に言うと、三百九回ヒアリングをしたそうです、トータル。最終結果は、六十二件違反が発見されて、四十三名が処分されました。この規模感より少ないんだったら、いろいろな言いわけしてください。私は全く情報をもらっていません。  しかし、この規模感と同じぐらいまた多かったら、文科省さんの言い分によると、割と忙しい案件を抱えていない若い弁護士さんを十二名プラスしても、更に後から三名弁護士を足したんですかね。これぐらいの体制に最終的に、まずは内々だけでやっていてとんでもなかった。それで、自民党河野会議員の指摘を受けて外の人間を入れた、弁護士も入れた、弁護士を入れてやってみたら足りなくなって、若い弁護士を更に投入して、やっと三カ月ぐらいで調査をしたんですね。  ですから、大臣、ぜひ、先ほど言ったとおり、実務上のことはやりながらかもしれませんけれども、公平性の担保の観点から、何かこういうことに詳しい学者とか企業とか。  こちらの防衛省の側は、最初の文科省よりはましなんです。つまり、別に、内部の背広の方が入っているわけじゃありませんから。常日ごろからこの問題をやっている防衛人事審議会の再就職等監察官ですが、非常勤とはいえ防衛省から給料をもらっている人です。雇われているわけですよ。防衛省の内部だけなんですよ。この体制は、ちょっと前回の文科省と比べて、外部性の担保、公平性の見え方の担保、そして平の国会議員だったときの河野大臣の発言、いろいろなことを総合して、それから実務上、足りなくなると思うんです、規模感によっては。  こういう観点から、ぜひ、調査班なんて途中から増員しても何も恥ずかしいことでも何でもないんです、文科省は実際やっているわけですから。国会の声を聞いて途中から増員しているので、さすがに、前からある防衛人事審議会再就職等監察官だけ。  もう一つ言います。今回、この人たちが発見すべき役職なんですね。高い給料だか安い給料だかわかりませんけれども払っていて、これが仕事だったので、この人たちが見つけたかどうかも今防衛省から教えてもらっていません。大臣は知っているかもしれません。この人たちが見つけたんだったらまだしも、この人たちが見つけていないんだとしたら、ふだんから給料をもらっていて、余りいいお仕事をされていなかったわけです。これも、もう一つの理由です。  とにかく、この調査班、きちんと外部を入れる、増員をする、このことをぜひ御検討いただきたいと改めてお願いをしたいと思うんですが、いかがですか。
  54. 河野太郎

    河野国務大臣 先般の委員会での御指摘もございましたので、部外の調査班を入れるように、また、事務局に部外の者を加えるように既に指示をしております。検討するまでもございません。  また、調査班の弁護士さんたちと話をいたしまして、スピードアップするためにはやはり人員をふやさなければならぬということでございますので、人員を可能な限りふやす。恐らく、コロナのこういう状況がございますから、多少裁判が延期されるというようなことで、弁護士さんの中でも加わってくれる方がいるのではないかと思いますので、人員をふやすように指示をしたところでございます。  詳細につきましては、人が確定した段階で御報告申し上げたいと思います。
  55. 本多平直

    ○本多委員 非常に安心をいたしました。外部を入れ、増員をして、スピードアップを図って、この天下りの解明をしていただきたいと思います。  私たちはその間に準備を進めまして、これは合法の天下りであっても、前回も言いました、前のルールでいったら違反だった、五年間に関連したところを二年間行っている方はどれぐらいいるのかということは予備的調査も検討しつつ調べておきますので、突合しながら、皆さんのまずあっせんの調査をしっかりとしていただいて、我々は、合法でも怪しいけれども、あっせんだったら余計だめなんですが、防衛省予算やそういうものに影響していないか、そっちが本筋にもなってきますので、そのさらなるところ、ここが大事になるので、まずは皆さんにあっせんのことをしっかり調べていただいて、私たちもそのことを審議できるように準備をしておきたいと思います。  次のテーマに移らせていただきます。  五番目ですが、イージス艦、我が国は八隻持つ努力を今しておりまして、七隻目の「まや」が完成をいたしました。  この「まや」、これまでのイージス艦とは違う機能を持っております。CEC、共同交戦能力という能力であります。自分のレーダーでは見つけられないものであっても、他の船が見つけたものをそのまま自分のデータとして見て攻撃ができる、また逆もできるんでしょうかね。「まや」が捉えたデータをほかの船に提供をして、その船から自動的に、もうこれはタイムラグがほとんどなく。  これまでもデータリンクはあったわけですよね。いろいろなデータリンクはあったけれども、タイムラグとかがあって、そのままの攻撃には使えなかった。しかし、今度の自衛艦、これまでのイージス艦との「まや」の明らかな違いは、ほぼもうリアルタイムでそれが攻撃に使えるという共同交戦能力、CECを持つに至った。  事実関係はこれでよろしいですか、大臣
  56. 河野太郎

    河野国務大臣 情報がよりリアルタイムで共有されるということは、そのとおりでございます。
  57. 本多平直

    ○本多委員 何でもかんでもけちをつけたいわけじゃなくて、このCECが、もう一隻のイージス艦も今度はCECを持つわけですから、日本の自衛艦同士でCECを使う、それも、日本が武力攻撃をされたときに使う、全然いいことだと私は思います。この能力をもって、しっかり専守防衛のために生かしていただきたいと思います。しっかりとこの能力を活用していただきたいと思います。  もう一点、日本が武力攻撃されたときに、当然、CEC、米軍の船が持っていることが多いと思います、米軍の飛行機などが。米軍とこのCECを使って、しっかりと敵を把握して対処をする、このことも私は評価をしたい。しっかりとこの能力を使って対応していただきたい。  日本が武力攻撃をされた場合、専守防衛のために日本の自衛艦や日本の飛行機やアメリカの船やアメリカの飛行機とCECを使うことは、積極的に評価したいと思います。このことについて何かございますか。
  58. 河野太郎

    河野国務大臣 御評価いただいて、ありがとうございます。
  59. 本多平直

    ○本多委員 ところがなんですよ。他国であるとこれで話は終わるんですが、日本は、日本攻撃されていないときに他国の軍隊の行動に協力をした場合、つまり、平時において、日本においては武力攻撃事態が発生していたり、それから、皆さんが安保法制で通した、ああいう事態になった場合のことはちょっとややこしいのでおいておきまして、普通に、日本が武力攻撃も受けていない事態でこのCECが使われることは、実は一体化の議論に抵触をしてくるということが既にかなり前から言われております。  私は、そのことを大変危惧をしています。なぜかというと、事実上、このCEC、日本の船はたくさんこれを備えているわけじゃありませんから、これが連動できるのはアメリカの軍艦であります。  実は、この議論は、既にもう十八年前、参議院の外交防衛委員会で、今財務副大臣ですかね、公明党の遠山議員と、その当時の石破長官の間で議論をしています。  このときの議論は、イージス艦、こういう使い方をすると集団的自衛権にさえ当たることがあり得るんじゃないかという遠山議員の質問なんです。このときに石破長官はどう答えているかというと、今のぐらいのデータリンク、つまり、この「まや」以前の、今のぐらいのデータリンクでそんな心配は要りませんよ、遠山議員、とおっしゃっているんです。ところが、CECという技術開発をされて導入をされた場合には、集団自衛権の行使に当たる当たらないという話も一つあると防衛庁長官は答弁をされているんです。  つまり、「まや」ができる前は、データを多少リンクしても、それが直ちに、少しずれがありますから、それを米軍が攻撃に使ったからといって、皆さんの理屈で言うと普通の情報交換だという話になるんですが、今回就航したこの「まや」のCECに関しては、米軍がそのリンクしているデータを使って攻撃をしかけた場合には、集団的自衛権に、まさに武力行使の一体化に当たるんじゃないか、このことを十八年前に石破長官は答弁をされているんですね。  これはそういう理解でよろしいですね。常にケース・バイ・ケースになりますが、使い方によっては当たってしまうということでよろしいですか。
  60. 河野太郎

    河野国務大臣 CECは、データリンクと同様に、探知した目標に関する位置情報を共有するシステムです。データリンクに比べて共有するデータの更新頻度が高くなることから、従来のデータリンクによる情報共有システムとは質的な差という概念が生ずるとの石破防衛庁長官の答弁があったと認識をしているところでございます。  情報の提供と憲法との関係について申し上げれば、政府としては、従来より、ある目標に方位何度何分、角度何度で撃てというような行為は、情報の提供にとどまらない軍事作戦上の指揮命令の範疇に入るものであり、憲法上問題を生ずる可能性があると答弁をしております。  このCECは、射撃指揮に使用可能な情報をリアルタイムで共有するシステムであって、CECに基づいて自動的に攻撃が行われるわけではなく、CECの情報に基づいて、攻撃の方法の決定や攻撃実施の対応は米国が独自に行うこととなります。CECとは、あくまでも探知・追尾情報を共有するシステムであって、CECを介する米軍への情報提供は、方位何度何分、角度何度で撃てというような行為とは全く異なるものであります。  情報共有と他国の武力の行使の一体化との関係については、従来から、自衛隊がその所掌事務を遂行するため主体的に収集した情報を米軍に対して提供したとしても、それが一般的な情報交換の一環としての情報提供である限り、米軍による武力の行使との関係で問題を生じるおそれはなく、憲法上の問題は生じないものと考えており、ただいま御説明した点を踏まえれば、CECを介した米軍の情報共有についても同様と考えております。
  61. 本多平直

    ○本多委員 ということは、この二〇〇二年十一月二十一日参議院外防委員会での石破長官の、「このCECというものが入ってまいりましたときには、また議論は当然違ってくるのだろうと思っておりますが、」今は大丈夫だよということなんですね。遠山議員を安心させた発言。  その後、石破さんは続けています。「CECになりますと、そこに質的な差という概念が生ずるのだろうと思います」、この答弁を今回変えられるということでよろしいんでしょうか。
  62. 河野太郎

    河野国務大臣 先ほど申し上げましたように、CECは、データリンクと同様に、探知した目標に関する位置情報共有システムであって、データリンクに比べて共有するデータの更新頻度が高くなることから、より精度の高い探知・追尾情報を共有することが可能であります。  石破長官の答弁は、従来のデータリンクによる情報共有システムとはそういった点で質的な差という概念が生ずると指摘したものであると認識しております。
  63. 本多平直

    ○本多委員 いや、私、遠山さんにも今度聞いてみたいと思いますが、十八年前に心配をして、CECが入っていないから今は大丈夫ですよと公明党の議員を説得しておいて、十八年後にCECができたら、ちょっと性能がアップしただけだから関係ない、そういう答弁ですよね。かつ、石破さんの答弁もひっくり返していない。こんな矛盾したことで説明はつかないと思うんですよ。  大臣、そういう開き直った答弁をするんじゃなくて、私が言いたいことはこういうことですよ。CECを使って何か米軍がしたとしても、常に一体化であるとか集団的自衛権になるとは限らないと思いますよ、私は、使い方によっては。ただ、これだけ、石破長官が十何年前に発言しているぐらい質的な差が出たんだから、それは相当、このリンクを張って行動することには常に危険が、集団的自衛権に該当してしまったり武力行使の一体化に該当する危険が高まってはいるんじゃないんですか、これまでのデータリンク以上に。これは御答弁いただけないですか。  だから、注意をして、そこに抵触しないような使い方をよりきちんとしなきゃいけないんじゃないんですか。どんな場合も当たらないみたいな、そんなことを言われると、それはこの発言とは違うと思うんですけれども、いかがですか。
  64. 河野太郎

    河野国務大臣 繰り返して恐縮でございますが、情報共有と他国の武力の行使との一体化との関係につきましては、従来から、自衛隊がその所掌事務を遂行するため主体的に収集した情報を米軍に対して提供したとしても、それが一般的な情報交換の一環としての情報提供である限り、米軍による武力の行使との関係で問題を生じるおそれはなく、憲法上の問題は生じないものと考えており、ただいま御説明した点を踏まえれば、CECを介した米軍との情報共有についても同様と考えております。
  65. 本多平直

    ○本多委員 きょうはすれ違いで、私は全く納得をしておりません。  つまり、石破防衛庁長官の発言からいうと、それはCECというものをしっかり理解をされた上で十八年前に答弁をしているわけですから、今それは関係ないと言われても、この答弁とのそごは明らかですので、私は、今後もこの問題、そういう使い方はすべきじゃない、残念ながら、能力としてはあっても、そういう使い方をすると憲法上の疑義が生じるということは私は指摘をしておきたいと思います。  時間が少なくなりましたが、法案に関連のサイバーの話を少ししたいと思うんです。  大臣、一問だけ、サイバーのことをちょっと伺います。  体制強化、この法案自体は私は評価をしたいと思います。しっかり頑張ってください。  ただ、実は、私はこの二年来この委員会にいて、防衛大臣サイバーサイバーと、宇宙サイバー宇宙サイバー防衛大綱のときから言われて、私は完全に、きょう、余りそこに関心が強くなかったので、余り勉強していなかったので、私、自分の不明を恥じるんですが、サイバーサイバーと言われているから、何か頑張っていただけるのかなと期待を少ししていたら、今回よく調べてみたら、防衛省が言っているサイバーというのは、防衛省自衛隊サイバー攻撃から守るためのサイバーセキュリティーなんだなということを残念ながら改めて認識したわけです。  それ自体、別に、非常に大事で、防衛省自衛隊サイバー攻撃を受けて、そんなやすやすと何かをされたら大変なことになりますので、そこは、今回のサイバー防衛隊をしっかりと増強するということでやってください。  ただ、私が、済みません、安全保障委員会にいる人間として若干不明を恥じながら言いますと、私はやはり、サイバーサイバーとあれだけ防衛大綱で何度も言葉が出てきて、当然、日本にとって重要な原子力発電所を変な動かし方を外国からされたり、日本にとって非常に大事な金融機関のコンピューターに何かをされたり、こういうことにしっかりと何らかのことを防衛省として、国としてもやれることになっているんじゃないかと思っていました。  今回、これを見ると、防衛省は、いやいや本多先生、事務方の説明によると、まずは防衛省の中をしっかりやるということがこの話なんですと。ああ、そうだったんだと。じゃ、原子力発電所とか巨大な銀行のコンピューターは誰がやっているんだと。それはNISC、内閣サイバーセキュリティセンターだというので、NISCを呼びました。そうすると、NISCの皆さんとの議論をしましたが、要は、銀行は金融庁がやっているんです、原子力発電所は経産省がやっているんです、我々は調整しているだけですという言い方なんです。  防衛大綱には、きちんと、こういう国家にとって大事なインフラを守ると書いているんだけれども、どこがやっているんだというと、防衛省でもない、そして鳴り物入りでつくって、二百人いますけれども、内閣サイバーセキュリティセンターも、しょせん、よくあるパターンの内閣官房の調整役にすぎないということがわかりました、私は。経産省にしっかり原発のことはやってもらっています。金融機関のことは金融庁にやってもらっています。  河野大臣には、きょうは防衛大臣という立場じゃなくて、国務大臣。総理も目指されているんだと思いますから、我が国のサイバーセキュリティーの体制というのは、本当にこんな内閣官房のあれとで、こう言葉だけ、あっちこっち躍らせていて本当にいいのかということなんです。防衛省でやれというのも、それもまた違うし。  いや、はっきり言って、まずは電力会社や銀行が頑張らなきゃいけないんですよ。ただ、余りにも国家としての体制が弱いということを私は今回感じたので、この認識、共通していただけて、問題意識を持っていただけるかどうか、このことを質問したいと思います。
  66. 河野太郎

    河野国務大臣 何か、きょうは気持ち悪いぐらい、本多委員と認識を共通してしまうんですけれども。  今の政府の第四次計画は、システムを熟知している事業者がまずサイバー防護を行うということが一義的になっております。今、自衛隊としてサイバーサイバーと言っておりますけれども、予算にしろ人員にしろ、他国と比べるとまだまだひよっこというのが現実でございます。中には非常にすぐれた技術を持っている者もおりますが、数からいえば圧倒的に少ないというのが現実でございますので、防衛省としても、このサイバー部隊をきちんと増強しながら、必要に応じてやはりさまざまな国の危機に対応できる、そういう部隊を最終的にはつくっていかなければならないというふうに思っております。  今回のこの法案で定数をいろいろとさわらせていただいておりますのは、それに向けてのその途中のステップであるというふうに考えているところでございます。
  67. 本多平直

    ○本多委員 最後にちょっと一つだけ、資料を持ってきたので見ていただいていいですか。最後の資料なんですが。  今回、自衛官の方は一歩増強していただいたと今の答弁にもありました。しかし、内局でこのサイバーを担当している体制がどうなっているのか。私も今回レクを受けたときにちょっとびっくりしたんですけれども、戦略企画課というところでやっているんですが、宇宙・海洋政策室とサイバー政策班、八名、六名。これでも何だか、あれだけ鳴り物入りでやっていてこれはちょっとどうなのかと思ったら、これ、ほとんど兼ねているんですよ。班長と室長も同じ名刺に、宇宙・海洋の室長とサイバー政策班の班長を兼ねているんですよ。ここの人数も、八と六、十四名いるわけじゃないんですよ、兼ねてやっているんです。  つまり、鳴り物入りの政策の、まあ、サイバー防衛隊自衛隊の方も大事ですけれども、内局もこんな体制で鳴り物入りの政策をやっているんです。ここも問題意識を持っていただけませんか。きょう、指摘をしたいんですが。
  68. 河野太郎

    河野国務大臣 平成二十七年度と比べても、このサイバーあるいは電磁波分野は十八名増員というのが、これは平成二十七年度からでございますので、これはもうそれぞれの陸海空だけでなく、このサイバーを強化するためには、やはり予算人員、ほかの国と比べてもまだまだ追いついていないというのが現実でございます。その中で、防衛予算にも、そんなに無尽蔵に伸ばせるというわけではございませんので、中をしっかりと見ながら、必要なところに手厚く資源の配賦ができるように、努力してまいりたいと考えております。
  69. 本多平直

    ○本多委員 終わります。
  70. 西銘恒三郎

    西銘委員長 次に、重徳和彦君。
  71. 重徳和彦

    ○重徳委員 共同会派の重徳和彦です。  冒頭一問だけ。  今、コロナが蔓延する状況にありますけれども、外務省にお聞きしたいんですけれども、今、海外の現地邦人の役員の方、役員をやっている日本人のビジネスマンが、その国から一時期ちょっと出張で日本に来ている間に、その当該国に戻れなくなっちゃった、つまり、渡航制限がかかっちゃったというようなことがあって、さらに、緊急事態宣言がきょう発令されるようなことになれば、一カ月なら一カ月間、よりその当該国においては日本人の入国を厳しくするでしょうから、なおさらこれはビジネスが成り立たない状況が続いてしまうということになろうかと思います。そういったことが危惧されます。  私、具体的には、ベトナムに日本企業の子会社があって、そこの社長をやっている方からちょっと相談を受けたものですから、ベトナムの今の状況、今後の見通しについて御説明をいただきたいと思います。
  72. 大隅洋

    大隅政府参考人 お答えいたします。  外務省において把握する限り、四月七日午前六時時点で、百八十一カ国・地域が、日本からの渡航者や日本人に対し、入国禁止、国境封鎖、査証の発給停止等の入国制限を実施しております。ベトナムにおいては、三月二十二日から原則全ての外国人の入国を停止していると承知しております。  また、我が国としても、現在、ベトナムを含む七十三カ国・地域に対して、渡航中止勧告である感染症危険情報レベル3を発出しております。  各国市民が国境を越えて自由に往来することは国際社会にとっても望ましく、また、各国との経済関係の発展のためにも、活発な往来、とても重要だと考えております。  一方で、現在の世界各地の新型コロナウイルス感染症の拡大状況を踏まえれば、その拡大の防止のために、各国や地域がみずからの判断で入国制限等を一定期間とることもやむを得ないのではないかとは思われます。  我が国における感染症防止対策等については、政府としては、これまで、外務省、厚労省、国交省と関係省庁が連携し、在京外交団向けブリーフィング等を行い、情報発信に努めております。  私どもといたしましても、なるべく早く人的交流の再開が実現することを強く期待しております。それに向け、ベトナムを含め、各国における新型コロナウイルスの感染状況等を、引き続きしっかりと注視してまいりたいと思います。
  73. 重徳和彦

    ○重徳委員 相手のある話でもありますけれども、やはり企業の、特に役員というか、企業管理者と言われるような方が不在な状況が続いてしまいますと、これはベトナムならベトナムの国益、そして、日本の国益にもひいては支障が出てくることになろうかと思います。  ですから、一般的な多くの人たちが往来するという状況はまだ先だと思いますけれども、特定の方に限った、何か条件をつけた、そういう形での出入国については、これは個別の交渉によって実現可能なことだと思うんですよ。  これは実際に、けさのNNAベトナム版の記事によりますと、韓国とベトナムは首脳の電話会談をやっているんですよね。それで、中小企業の出張者も早期にベトナムに入国できるようにとか、こういうことで、文大統領とフック首相の間でやっているんですよね。  では、そういうやりとりというのはされているんですか。そういう要請をして、それでフック首相も、経済分野の持続的な協力が必要という点で同意する、こういう受入れについて、入国について。こういうようなことも言っているようなんですけれども、そういうやりとりというのは、今どんな感じなんですか。
  74. 大隅洋

    大隅政府参考人 お答えいたします。  一般的に、今、首脳レベルでもそうですし、外務大臣のレベルでも、いろいろな各国と意見交換をしておるところでございます。  済みません、ちょっと質問通告がなかったので、ベトナム、スペシフィックについて、今、そこの点については私承知しておらないんですけれども、各国との意見交換、外務大臣レベル、それプラス在外公館でも、いろいろと意見交換は当然各国政府と行っておりますので、そういう中でいろいろなやりとりをさせていただくということかと存じます。
  75. 重徳和彦

    ○重徳委員 こういう状況ですので、余りむちゃくちゃなことは言えませんけれども、できることからやっていく必要があると思いますので、ぜひこれは強く要請させていただきます。  それでは、本題であります。きょうはサイバー防衛について、私は前回に引き続き質問させていただきたいと思います。  サイバーというのは、コロナも同じですけれども、見えない敵と闘うという側面があります。特に、攻撃元がわからない、特定が大変難しい、こういう特有の課題があると思います。  そういう観点から、防衛省自衛隊に対して国外からサイバー攻撃があった場合、これはサイバー防衛隊の仕事だ、ここへの対処サイバー防衛隊の仕事だと思います。そのときに、サイバー空間上で、国外のパソコン、サーバーなどにアクセスをして攻撃元を突きとめる能力というのは、今、日本には実際にあるのかということをお尋ねしたいと思います。  自衛隊防衛省については河野大臣、それから、もっとほかにも、いろいろな基幹インフラとか重要な施設、そういうところに対するサイバー攻撃のもとを特定する能力があるのかについては、これはNISCになるんでしょうか、外務省になるんでしょうか、お尋ねしたいと思います。
  76. 河野太郎

    河野国務大臣 サイバー攻撃攻撃元を特定するというのは、これは非常に重要なことでございますが、近年のサイバー攻撃は非常に高度化、巧妙化している。他国のサーバーを幾つも転々と経由したり、あるいはソフトウエアそのもので攻撃元を秘匿したり、手段がだんだん巧妙になってきております。  そういう中で、サイバー攻撃の主体を特定することは非常に難しくなってきていると考えておりますが、防衛省自衛隊では、攻撃手法マルウエアの解析、さまざま関係部署との情報の共有により、攻撃源の特定に努める努力をしているところでございます。
  77. 山内智生

    山内政府参考人 お答え申し上げます。  今、河野大臣がおっしゃったとおり、例えば攻撃方は、これは政府機関それから重要インフラ事業者であった場合でも、なかなか特定するのは難しい場合が多いかと思います。  一般的に、私ども、もし攻撃があった場合には、攻撃に使われた通信の相手方を見つけて、この通信を停止させることによって攻撃をとめる、こういう措置をとることが多うございますが、ただ、その通信元が攻撃元であるということは限りません。それは先ほど大臣がおっしゃったとおりでございます。ただ、この攻撃元を特定をする具体的な手法についてお答えすることは私どもの手のうちを明らかにすることになりますので、これはお答えを差し控えさせていただきたいと思います。  なお、政府機関それから重要インフラ、我が国に対して、もしサイバー攻撃があった場合には、このような手法が日々巧妙化していることを踏まえて、まずは攻撃に強いシステムをつくること、それから速やかに検知をして所要の対策を講じること、これによって被害の対策を、最小限に抑えることが重要だというふうに認識をしております。
  78. 重徳和彦

    ○重徳委員 大臣からも、手口も巧妙になって難しいことであるという、その認識まではわかるんですけれども、攻撃元を特定する必要があるんだ、特定する必要性、そしてどこまでそれを特定する能力が必要なのか、そういった観点から御答弁いただきたいと思います。  難しい問題であるとか、手口が巧妙になっている、これはわかりましたが、しかし、それでも攻撃元を特定する必要性については十分認識している、強く認識している、そういうことでしょうか。
  79. 河野太郎

    河野国務大臣 そこはおっしゃるとおりで、誰が攻撃しているのかがわからなければ対応もできないわけでございますから、この攻撃元を特定をするというのが第一歩であるということに変わりはございません。そのための必要な能力というものをやはりしっかりと身につけるということが大事だと思っております。
  80. 重徳和彦

    ○重徳委員 そうですね、第一歩であります。それがなくして何ら対策はできないということであります。  前回の質疑でも、今回、特に予算とか定員の話でありますので、人員拡充予算拡充していくんだ、こういう方向性については御答弁をいただきましたけれども、現時点で、その人材確保育成とか、あるいは予算とか、そういったものを総合的に見て、攻撃元を特定するに当たって、どの程度まで、ちょっと余り、どうですかね、定量的に言えないのかもしれませんけれども、現状認識として、先ほど本多委員質問に対しても、こういったサイバーセキュリティーに関してはまだまだであるというような河野大臣の、今回の法案もワンステップである、一つのステップだ、こういうような御答弁もありましたので、そのあたり、今どの程度の水準まで来ていると見ておられるのか、御答弁願います。
  81. 河野太郎

    河野国務大臣 正直言って、まだまだというふうに考えております。量的にも、このサイバー絡みの予算あるいはサイバー関係の人員、まだまだ少ないというのが現実だと思います。今、自衛隊サイバー要員の中にはかなり高度な技術を持っている者もおりますが、それにしても、まだやはり数が足らないというのが現実だと思います。  今、現時点では、この防衛省自衛隊のシステムをいかに守るかというフェーズであって、更にその先をどうするかというのは、まだまだこれから人を育てていき、技術を習得していかなければならないというふうに考えております。  さまざま人員確保するための仕組みをつくっておりますが、その仕組みでまだ採用ができているわけでもありません。また、本当に高い技術を持った人間をいかにつなぎとめていくかということも当然重要になってまいりますし、技術は日進月歩ですから、民間ときっちりそうした研修というような仕組みもこれからつくっていかなければならないと思っておりますので、百点満点で点数をつけると何点になるのかというのはちょっとまだ難しいところでございますが、まだ決して高くないと言わざるを得ないのが現実だと思います。
  82. 重徳和彦

    ○重徳委員 率直な御答弁だったと思います。そして、こういった認識を、ぜひ多くの国会議員、さらには国民の間でも共有して、この分野にはもっと力を入れていくべきだと思います。  攻撃元の特定をするために、もう一つ重要なことは、やはり法律の枠組みですよね。前回さらっと質問したら、さらっとした大臣の答弁で、今関係法令の範囲内でやっているから、必要があればまた国会で議論をとかいうような話でしたけれども、もうちょっと踏み込んだ答弁をいただきたいと思います。  前回の委員会でも、例えば、これは総務省の取組ですけれども、NOTICEという、いろんな機器を使っている人に対する、セキュリティーがここは甘いよというようなことを注意喚起をする、こういう仕組み、取組が行われているということです。  そのNOTICEという取組についても、しかし、これは人の機器にインターネット上でアクセスして、パスワードを入力してという、そういうことをするわけですので、下手をするとこれは不正アクセス禁止法に該当して違法になってしまうということで、これも法改正を行って、不正アクセス禁止法を適用除外とするという措置がとられているんですよね。  それから、このNOTICEの場合は通信の中身を取得するものではありませんので、そういう意味で通信の秘密を侵害するものではないという法的な整理が行われている、そういう中でNOTICEの取組は行われている、こういう話でした。  だけれども、サイバー防衛の場合には、やはり相手を特定する、あるいは相手の意図を確認するためには通信の内容まで取得し、把握し、そして分析をする、こういう必要が出てくるわけですので、現状法律ではなかなかできることが制約されてしまうんじゃないか、こう思います。  そういう観点から、大臣、改めて法的担保というものが具体的にどこまでできているのか、御答弁いただきたいと思います。
  83. 河野太郎

    河野国務大臣 サイバー空間における脅威は近年拡大、増大をしているところでございまして、防衛省としても必要な情報収集をしっかり行ってきているところでございます。  法的根拠につきましては、防衛及び警備等の事務に必要な情報の収集整理に関すること、これは防衛省設置法第四条一項四号、あるいは所掌事務の遂行に必要な調査及び研究を行うこと、同十八号、これに基づいて防衛に必要な各種の情報を収集をしてきているところでございます。  いずれにしろ、防衛省自衛隊としては関係法令を遵守して、法令の範囲内で適切に情報分析といったことを行ってまいりたいと思います。
  84. 重徳和彦

    ○重徳委員 そこまでしか答えられないかどうかということなんですが、何を根拠に調査研究なり情報収集しているかというのは一応わかりました。防衛省設置法という一般的な規定ですけれども、それに基づいて情報収集をするに当たって、いろいろな法律上の支障があるのではないかということについて具体的にどう捉えておられるか、お願いします。
  85. 槌道明宏

    槌道政府参考人 今、大臣からお答えがあったとおり、平素におきましては防衛省設置法に基づいて情報の収集を行っているというところでございますし、武力攻撃が行われた場合には、当然それに対する自衛権の行使として、我々、防衛出動が下令されて、武力の行使が認められているわけですから、その範囲内においてさまざまな措置を講じるものと考えております。  いずれにしても、そうした権限の中で我々は工夫をして対処させていただいているということであって、それでどのような支障があるかとか、どの程度のことができるのかということについては、我が方の手のうちを明らかにすることになりますので、お答えは差し控えさせていただきたいというふうに思います。
  86. 重徳和彦

    ○重徳委員 手のうちという話が、先ほどNISCの山内審議官からもそういう言葉はありましたが、物によってはこういう平場で議論できないこともあると思います。そういったことについてはまた別の場で議論すべきなのかもしれませんけれども、少なくとも、やろうと思えば何でもできるという状況ではないものと推察をいたします。  攻撃元の特定については、議論は以上としたいと思いますが、もう一つは、サイバー攻撃の、その攻撃について議論してみたいと思います。  これは、実際に保有しているサイバー攻撃能力ということも問われなければならないと思いますし、まず、サイバー攻撃をするツールというもの、これはサイバー上の話ではありますけれども、それが兵器といいましょうか、日本では防衛装備品というのかもしれませんけれども、そういったものに当たるのかどうか。  そして、そもそも今持っている、一般的な防衛装備品は実際に持っているわけですけれども、マルウエアと言われるようなウイルスというものを保有すること、作成することということが合法的なのかどうか、今の法律上できることなのかどうかということも問われなければならないと思いますし、更に言うと、その攻撃力をどういう場面でどういう状況になったら発動することができるのか、これも法律上は防衛出動ということになると思いますが、防衛出動の要件についても、これまでの兵器による攻撃とは違う状況を想定しなきゃいけないというふうに思うわけであります。  まず最初にお聞きしますが、現在日本はどれほどのサイバー攻撃能力を持っているのかということをお尋ねしたいと思います。サイバー攻撃ツールとして、今言ったマルウエア開発とか作成とか使用する、そういう準備というものがどこまでできているのかをお尋ねします。
  87. 鈴木敦夫

    鈴木政府参考人 防衛省自衛隊といたしましては、防衛計画の大綱及び中期防衛力整備計画のもとで、サイバー防衛能力を抜本的に強化することとしております。そのような取組の一環といたしまして、防衛省自衛隊といたしましては、これまでも、マルウエアの解析ですとか実践的演習、いわゆるサイバーレンジと言われるものでございますけれども、こうしたものの構築等によって、相手方によるサイバー空間の利用を妨げる能力にも応用し得る一定の能力を得てきているというところでございます。  ただ、他方、今後、この能力を構築していくための具体的な手法につきましては、我が方のいわば手のうちを明かすことになるため、お答えを差し控えさせていただきますが、いずれにせよ、さまざまな取組を通じまして、この妨げる能力を含むサイバー防衛能力の抜本的な強化、これを図ってまいりたいというふうに考えてございます。
  88. 重徳和彦

    ○重徳委員 現有能力については、手のうちという言葉で、またちょっと答弁はできないということですが、では、こういう聞き方をしたらどうでしょうね。今後、どれほどのサイバー攻撃能力防衛能力といいましょうか、その能力を持つことを目標としているのか、お答えください。
  89. 鈴木敦夫

    鈴木政府参考人 先ほど申し上げました防衛計画の大綱におきましては、強化すべき能力の一つといたしまして、我が国への攻撃に際しまして、当該攻撃に用いられる相手方によるサイバー空間の利用を妨げる能力というものを挙げてございます。  防衛省自衛隊といたしましては、この能力の詳細を明らかにすることは困難でございますけれども、まさに有事の際に妨げる能力を円滑に発揮することが重要と考えてございまして、そのために、体制の強化ですとか人材確保育成等、さまざまな施策に取り組んでいるところでございます。
  90. 重徳和彦

    ○重徳委員 ちょっと今からの質問は、通告は必ずしもしていませんけれども、何度か私が問題視して質問をしているようなことなんですが、そもそも、相手の活動を妨げる能力としてのサイバー攻撃能力あるいは防衛能力というものの重要なことの一つとしてマルウエアという言葉がよく出てきますけれども、マルウエアの解析という言葉は先ほどから答弁の中で出てきますが、マルウエアの作成とか、それを保持、保有していること、これは今の法制上、できることなんですか。
  91. 槌道明宏

    槌道政府参考人 もちろん、マルウエアというものを用いて我々に対して攻撃が行われるということになりますので、それを解析する必要があるということになりますと、それを保持するということはあり得ようかと思いますし、また、必要に応じて、そうした電子情報について我々自身が作成をして解析するということも必要になろうかと思いますので、それ自体禁じられたものではないというように考えております。
  92. 重徳和彦

    ○重徳委員 わかりました。ちょっとそれは、そうであればいいというのかわかりませんけれども、刑法上のウイルス罪との関係がちょっと気になっていたんですけれども、そこは大丈夫だということなんですか。刑法上、マルウエアを持っていること自体はいいんでしたっけ。
  93. 槌道明宏

    槌道政府参考人 我々はもちろん法令に基づいて行為を行っているわけでございますので、刑法でいいますと、正当行為として違法性を阻却される類いのものであるというふうに考えております。
  94. 重徳和彦

    ○重徳委員 確認できました。  それから次に、サイバー攻撃日本側がしかける、これは、あくまで防衛出動ということの範囲内だということになります。いわゆる自衛権だと思うんですけれども。  具体的に、サイバー攻撃というのは、ネット上の目に見えない攻撃であり、そういう操作でありますね。それがあっても、リアルな攻撃と違って、物が目に見えて破壊されたり、人の命がその瞬間に、サイバー攻撃の瞬間に人が死ぬということ、そういうこともあるのかもしれませんが、基本的には機械の中の話ですから、人間がすぐサイバー攻撃そのものによって死ぬとか傷つくということは、ちょっと一義的には想定されないような気がいたしております。その時点でもう有事と言うことはできるんでしょうか。  それとも、サイバー攻撃によって原子力施設とかいろんなものが誤作動をして、そして人体とか日本の国土に影響を与える、具体的な目に見える影響を与えるようになって初めて有事と言えるのか。  サイバー攻撃そのものによって有事ということを想定しているかどうかについてお答えください。
  95. 河野太郎

    河野国務大臣 現代社会の中では、社会全体のサイバー空間への依存度というのが非常に高くなってきていると思います。また、サイバー攻撃の態様も高度化、巧妙化してきているわけで、例えば、物理的手段による攻撃と同様の極めて深刻な被害が発生し、これが相手方によって組織的、計画的に行われている場合には、武力攻撃に当たり得ると考えております。  他方、どのようなサイバー攻撃であれば、それだけをもって武力攻撃に当たるかというのは、これは、その時点のさまざまな情勢、相手方の明示された意図、攻撃の手段、態様などを踏まえて個別的に判断せざるを得ないと思いますが、例えばアメリカは、国防省の資料によれば、武力の行使とみなされているものの中に、原子力発電所のメルトダウンを引き起こすもの、人口密集地域の上流のダムを開放し決壊をもたらすもの、航空管制システムのふぐあいをもたらして航空機の墜落につながるものなどが含まれると言っております。このような考え方は我が国としても一つの参考になるというふうに考えているところでございます。
  96. 重徳和彦

    ○重徳委員 ちょっと確認ですけれども、今の原子力施設のメルトダウンを引き起こすようなものというのは、実際に引き起こされた段階に至る前の、そのサイバーによる何らかの侵入の段階で、具体的にメルトダウンが起こる前の段階であっても、それは武力攻撃と認定する可能性があるという、そういうことなんでしょうか。
  97. 河野太郎

    河野国務大臣 そこは個別具体的によりますが、少なくとも武力攻撃の着手というものがあったということであれば、可能性としてはあろうかと思います。
  98. 重徳和彦

    ○重徳委員 わかりました。その考え方を参考に、これから具体的に考えていくというのかな、そういう段階にあるというふうに理解をいたしました。  最後になりますけれども、前回、2プラス2で、日米安保条約第五条がサイバー攻撃に対しても適用される、当たる場合があるということを確認されたということもございました。  そのときに、今のサイバー攻撃の着手の考え方とも関連すると思うんですが、着手があった、でも具体的にはまだ何も起こっていない、その段階で、あるいはそうなるという相手の意図を察知した段階で、こちらからいわば先制攻撃的にサイバー防衛をしかけるということはあり得るのでありましょうか。いわば、ミサイルが飛ぶ前に、ミサイルを発射しようとしているその発射基地を敵地先制攻撃をするというような考え方に近いと思うんですけれども、そのあたりは瞬時に行われることでありますので、そういう中で、サイバー攻撃サイバー防衛においてはどのようにお考えでしょうか。
  99. 河野太郎

    河野国務大臣 自衛隊による、相手方によるサイバー空間の利用を妨げることは、相手方による武力攻撃が発生しているということが前提であって、これは現行法に基づいて実施することが可能であります。  他方、何ら武力攻撃が発生していないにもかかわらず武力を行使する、いわゆる先制攻撃は、国際法上も許されていないというふうに考えているところでございます。  ただ、このサイバー攻撃が、いかなる時点で武力攻撃があったか、サイバー攻撃の着手がいかなる時点であったかということについては、これはもうさまざまな情勢を判断して個別具体的に判断しなければならない。おっしゃるように、極めてサイバー世界は短時間で物事が動く中で、どのように判断していくかというのは、これからもしっかり検討していかなければいかぬと思います。
  100. 重徳和彦

    ○重徳委員 現状は、前回の質疑に比べて大分深まったとは思います。  どうもありがとうございました。また引き続きお願いします。
  101. 西銘恒三郎

    西銘委員長 次に、屋良朝博君。
  102. 屋良朝博

    ○屋良委員 立国社の屋良朝博でございます。よろしくお願いいたします。(発言する者あり)ありがとうございます。  まず最初に、ちょっとコロナについて一言言わせていただきたいんですけれども、きのう在日米軍が緊急事態を発令して、より厳しい対応アメリカ軍もやっていく、これは当面、関東地域の施設に限られたことだというふうな報道が、きのう夕方ありました。いよいよ私たちもこれから緊急事態の厳しい局面に入っていくんだなということを改めて思い知らされたわけですけれども。  そのコロナの対策とアメリカ軍基地の関連について、先週まさにここで議論させていただいていたんですけれども、実はちょうどその日に沖縄では、海兵隊が周辺の首長を基地の中に招待をして、招待というか来ていただいて、アメリカ軍の対策について説明をした、それでみんな安心をしたということが行われていた。ここでけんけんがくがく、もうちょっと情報を提供した方がいいんじゃないかというふうな議論をしているその同じ日に、実はアメリカ側はもうちゃんと情報を提供していたということでございます。  先週の議論を思い起こしますと、外務大臣は、ちゃんと情報交換をしているんだから大丈夫だよというふうなことを強調されておりましたけれども、やはり、周辺住民の安心を維持する、確保する、そして情報の提供を積極的にやっていかないと、みんなでこの難局を乗り越えていこうよというふうな機運も生まれてこないというふうな気がしておりますので、ぜひとも防衛省におかれましては、施設を提供しているという責任を負っておりますので、地域住民との関係も視野に入れながら、このコロナ対策についても対応していただきたい、施設提供行政の中でしっかりと対応していただきたいということをまずお願いいたしまして、私の質問に入らせていただきたいと思いますが、大臣、この点について何か一言もしございましたらお願いします。
  103. 河野太郎

    河野国務大臣 このコロナウイルス脅威日本にとりましても米国にとりましても同様でございますので、そこはしっかり連携をしながらやってまいりたいと思いますし、また、周辺住民の皆様の不安を取り除くべくしっかり努力してまいりたいと思います。
  104. 屋良朝博

    ○屋良委員 ありがとうございます。  質問は、まずは私、FMSについてお伺いしたいと思います。  ことしの一月に防衛装備庁と米国防安全保障協力庁との間でFMS調達の諸課題について話合いがなされておりまして、幾つかの点について合意をされている、確認をしているというふうに伺っております。  その中身については主に四点あったというふうに理解しておりますけれども、未納入に関する問題、未精算に関する問題、出荷証書と計算書の不一致に関する問題、それから価格の透明性の確保に向けた取組について方向性が確認されたというふうに承知しておりますが、この中身のどれをとってみても、一般の商取引ではちょっと理解ができないような異次元の世界での購入、売買の実態になっているのかな、字面を読んでみる限りにおいては、とても大きな買物をするような、そんな仕組みにはなっていないのかなと。  特に、価格の透明性、よくアメリカ側の言い値で買わされているんじゃないのかとか、あと、メンテナンスでも、先ほど篠原委員も指摘されていましたけれども、メンテナンスの人もアメリカ企業からこちらに来てもらってやっているというふうなところでも大きな予算が入っているというふうな問題がたくさん指摘されているわけでございます。  この価格の透明性、今回の協議の中で、米国防安全保障協力庁は、引き続き、各軍に対して、陸海空軍に対し、必要な価格情報を提供するよう指導監督するというふうなことを日本側に伝えたというふうに伺っておりますが、必要な価格情報とは一体どういうものなのかということをまずお伺いしたいと思います。
  105. 武田博史

    武田政府参考人 お答えいたします。  委員御指摘のとおり、本年一月に行われましたSCCM、すなわち、私どもFMSを担当する防衛装備庁と米国のFMSを担当する部署、この間での会議が行われ、御指摘のように、価格の透明性の確保に向けた取組として、米国の国防安全保障協力庁が各軍省等に対して必要な価格情報を十分に提供するよう指導監督するという旨の合意が行われたところでございます。  御質問にお答えいたしますと、必要な価格情報というのは、近年、御案内のように、FMSの調達額が高い水準で推移をいたしております。その個々のFMSの調達経費につきまして、例えば、前年と比べて増減があった場合に、その理由は何なのかといった、まさにその調達経費の内訳に係る情報ということでございまして、こうした情報を得た上で、私ども、予算編成過程においても財務当局にしっかりと御説明する必要もございますし、また、国民に対しても御説明する必要もございます。  そうした具体的な価格に関する情報について、私ども、米側に対して引き続き求めていきたいということでございます。
  106. 屋良朝博

    ○屋良委員 これは、仕組み的には、日本側も疑問を投げかけてその情報を確認したり、あるいは是正を求めたりというふうな措置も期待できるような確認がなされたというふうに理解していてよろしいでしょうか。
  107. 武田博史

    武田政府参考人 お答えいたします。  先ほども申し上げたように、本年一月の会議におきましては、FMSを担当する米国防安全保障協力庁、ここが引き続き各軍省等に対してFMS調達物品について必要な価格情報を十分に提供するよう指導監督する、また、私ども防衛装備庁及び米国防安全保障協力庁は、引き続き、価格の透明性の確保について改善し、検討するための最善の努力を行うということでございます。  私ども、こうした合意に基づいて、FMS調達物品に関する価格の透明性の確保について、引き続き努力をしてまいりたいということでございます。
  108. 屋良朝博

    ○屋良委員 FMS調達の装備品購入費が今回も予算計上されているわけなので、その横で日米双方が透明性の確保をどうしようかというふうな協議をしているというと、どうも私たち、それを審議する上でちょっと据わりが悪いのかなというふうな気がするんですね。  ここはしっかりと、価格変動の理由とか価格設定の理由とか、そういったものをしっかり確認できるような仕組みを確保していただかないと、私たち、これをどうやって審議すればいいのかすらちょっと迷ってしまうような状況になってしまうと思うんですね。普通にそういうふうな感じを受けるんですけれども。  大臣、これは、しっかりした仕組み、これまでも何年も続けてきたFMSですけれども、今ここに至ってですら、価格の透明性すら、未納入の問題すらなかなか、未精算も含めて解決に至っていないというふうな状況なので、どうも、一体、日本防衛装備品の調達の実態ってどうなっているんだろうというようなことで、よく国民に伝わらないというか、わからない状況があると思うんですね。  その辺の改善策について、大臣、御所見がもしおありでしたら、ひとつお願いします。
  109. 河野太郎

    河野国務大臣 日本防衛に必要な装備品の中で、FMSでなければ購入できないものがあるのも現実でございます。  ただ、一方、委員御指摘のように、このFMSの調達価格、あるいは未納入、未精算の問題、その他さまざまな問題を抱えているのも現実でございまして、ようやく、FMSの調達の問題、我々は前々から指摘をしておりましたが、米側も本腰を入れて、だからこそ、フーパー長官がわざわざ日本に来て、丸一日かけてこの問題の会合をやるというところまでは来ているわけでございます。  引き続き、FMS調達の仕組みの改善というのはやらなければいけませんが、我々としても、FMSでない調達で購入できるものは何もFMSでやる必要はありませんから、そういうものはきちんと普通の商流にのっとって調達をしてまいりたいというふうに思っておりますし、FMSの仕組みを改善せざるを得なくなるようなプレッシャーをかけていくということも当然やっていかなければならぬというふうに思っております。
  110. 屋良朝博

    ○屋良委員 ぜひとも、がんがん改善に向けて取り組んでいただきたいと思います。  ちょうど数日前に、航空機を新たに開発するという大臣のお話がアメリカのメディアにも取り上げられているような、そんなすごい影響力がある発言だったというふうにみんな認識されているので、ぜひとも、それも含めて、どんどんプレッシャーをかけながら、今、私たちの税金を使う、しかも大きな税金を使う装備品の購入については改善をして、改革を断行していただきたいというふうに思います。  それで、その一つの方策として、これは昨年暮れに報じられたのですけれども、FMS調達を行っている十カ国と共同で改善策をアメリカ側に求めていくというふうな報道がございました。  これは、実際にそういうふうな検討がなされているのか、今現在、実現に向けた取組は行われているのか、あわせて教えてください。よろしくお願いします。
  111. 河野太郎

    河野国務大臣 今年度から、このFMS調達に関する業務体制を強化する、これはワシントンに人を増員をしたということでございますが、日本側の提案によって、ワシントンに現在十一カ国、日本を議長といたしまして、アルゼンチン、韓国、ニュージーランド、オランダ、ノルウェー、スペイン、オーストラリア、ベルギー、カナダ、ポーランド、全部で十一カ国になろうかと思いますが、この多国間協議の場を立ち上げまして、ここでFMSをしっかりやろうよという議論が多国間でできるような、そういう取組を始めたところでございます。  こうした場で、ほかの国からもやはり同じようなフラストレーションがあるんだろうと思いますので、これもプレッシャーをかける一環としてしっかり使ってまいりたいと考えております。
  112. 屋良朝博

    ○屋良委員 具体的な仕組みをもう既に構築されているということを伺いまして、大変期待したいと思います。  その仕組みの取り上げるべき事項、事柄とかスケジュール感とか、もしございましたら教えてください。
  113. 武田博史

    武田政府参考人 お答えいたします。  今ほど大臣が申し上げたとおり、このFMS購入国は、いずれもFMS調達に係る課題を抱えております。  私どももそうでございますけれども、やはり未納入問題というものがあり、この未納入というのはどうして起こるのかということについて簡単に御説明いたしますと、FMS調達の物品がそもそも納期までに入ってこないということ。また、FMS調達で入ってきたときの出荷証書というものがございますけれども、それと別に政府側から送られてくる計算書、これが送られてこない。出荷証書はあるけれども計算書が送られてこない、こういった問題。また、計算書が送られてきても、出荷証書と計算書が符合しない。これは、符合しないと確認ができないということで未納入という扱いになるということでございまして、こうした未納入の幾つかのパターン、類型がございます。  私ども、最後に申し上げた出荷証書と計算書が合わない、これは先ほど委員も御指摘いただきましたけれども、出荷証書と計算書の不一致の解消に向けた取組ということで、一月の会議でも取り上げさせていただき、一定の合意を見たわけでございます。各国とも、この出荷証書と計算書の不一致の解消に向けた取組につきましては、米国側に対して、その取組を更に強化してほしいという話をしております。  こうしたことがFMS購入国で構成する多国間協議の場において行われておるということでございまして、具体的な、じゃ、いつまでとか、その期限というものが必ずしもあるわけではございませんけれども、速やかに、このFMS調達に関する幾つかの課題につきまして、しっかり米国側にその改善に向けて取り組んでもらうよう、その働きかけを強めるよう、このFMS購入国で構成する多国間協議を活用して取り組んでいきたいということでございます。
  114. 屋良朝博

    ○屋良委員 もう何年も、長いのに至っては十年ぐらいも納入がされていないような装備品もあるやに聞いておりまして、毎年毎年、安全保障環境が厳しさを増している中で、十年後にその装備品が本当にその状況に合ってくるのかというのは非常に不安になってくるので、ぜひともそこは強力に、バイでやるよりも本当にマルチでやった方がもしかしたら話はうまくいくかもしれないので、その辺、ちょっとしっかりやっていただきたい。成果が出てくるのを楽しみに待っていたいというふうな気がしております。  もう一つ、契約管理費、これの減免について、昨年の十二月、本多委員質問して、河野大臣が、カナダ、英国、フランスなどが米国と協定を交わしている減免措置、それについて検討したい、担当部局に既に検討を指示したというような答弁をなさっておりますけれども、その現状についてお知らせください。
  115. 武田博史

    武田政府参考人 お答えいたします。  委員御指摘の契約管理費の減免に関する課題につきましては、会計検査院から昨年指摘をされてございまして、私ども、現在、本格的な検討を進めておるところでございます。  具体的に申し上げますと、FMS調達における契約管理費の減免制度というものは、米側と互恵的な協定を締結して、米国の装備品の品質管理等の役務を日本側がかわって行うということで、日本が行うFMS調達において契約管理費の減免を受ける制度でございます。  この契約管理費というのはFMS調達経費のおよそ一%でございますけれども、非常に高額な調達物品もございますので、一%といっても相応の額になるということでございまして、こうした減免制度が我が国においても活用できれば全体の予算の低減にもつながるということでございます。  この減免制度につきましては、協定の内容によっては日本側において新たな役務を行うための経費が発生することも考えなければなりません。そうした場合には、必ずしも日本側の利益になるとは限らないということでございまして、これまで防衛省において、この会計検査院からの指摘のある以前は本格的な検討には至っておりませんでした。  この協定の締結には幾つかの論点があるわけでございますけれども、FMS調達額が低減される可能性があるならば検討する価値はあるという考え方に立ち、河野防衛大臣からも本格的に検討するようにという御指示もいただいております。私ども、この指示を受けまして、現在、米国防省の関係部署に対して、日本側が行うべき役務の内容について情報収集を行い、意見交換を行っております。  さまざまな論点について検討を行った上で、協定締結の是非を含め、適切な判断を行ってまいりたいと考えてございます。
  116. 屋良朝博

    ○屋良委員 去年の十二月の検討指示からもう四カ月ですか、四月ですか、ほとんど物が動いていないというか、中身が進展していないのかということを今改めて知りました。これはこれ以上深掘りしても時間がもったいないので、次に行きますけれども。  グローバルホークなんですが、これもFMSで調達することが決まっているんですけれども、今回購入を決めているのはブロック30で、最新型のブロック40とは違う、それよりも古いタイプであるんですけれども、何でわざわざ古いモデルを入れるのかということが一つわからないのと、それから、日本は海洋国家じゃないですか、周りを海に囲まれている。どこを監視するのか。海洋型のトライトンというのもあるんですけれども、それとの比較をした上での今回の決定だったのかということを、二つあわせて聞かせてください。
  117. 鈴木敦夫

    鈴木政府参考人 今回の無人機の選定に当たりましてでございますけれども、お尋ねでございます。  御指摘のように、ブロック30とブロック40、これは求められている性能や任務が異なるというふうに認識してございます。  自衛隊の導入するブロック30には、光学センサーですとか赤外線センサー、合成開口レーダー、いわゆるSARでございますけれども、これが搭載されております。これは主に地上の静止目標についての画像情報の収集に適したものだというものでございます。  一方、ブロック40につきましては、地上目標の監視のための地上移動目標識別能力、GMTIと申しますけれども、これを搭載しておりますが、光学センサーですとか赤外線センサーを搭載しておらず、地上の静止画像を把握することができないため、我が国の運用ニーズには合致しておりません。  また、もう一つ御指摘がありましたトライトンにつきましても、これも基本的に海上監視のためでございますので、我が方の運用ニーズに合致しておらないということから、ブロック30の性能がより我が国のニーズに合致していたということから、ブロック30の導入に至ったという経緯がございます。
  118. 屋良朝博

    ○屋良委員 地上静止画像、それを撮るのにすぐれていると。ブロック30の赤外線センサーというのは領域が狭いというふうに言われているので、海洋監視には不適であると。  一体、海に囲まれた日本は、このグローバルホークでどこを監視するのかということを、導入の目的をひとつ教えてください。
  119. 鈴木敦夫

    鈴木政府参考人 グローバルホークにつきましては、約三十六時間という長い時間を飛行できる高い滞空能力を有してございます。取得する三機のグローバルホークによりまして、今自衛隊が持っております、現有の装備品では十分に実施することが困難な、我が国領海、領空から比較的離れた地域での情報収集や、事態が切迫した際の空中での常時継続的な警戒監視等が実施できるようになるために、この導入を決定したというところでございます。
  120. 屋良朝博

    ○屋良委員 日本から比較的離れたところで、しかも地上の監視というと、領海というよりも、対岸の沿岸部を監視しておくのかというふうなことまでちょっと想像してしまうんですけれども。  その導入の目的について、例えばオーストラリアの比較でいうと、向こうは海上監視型のトライトンですよ。トライトンを買って、P3Cとかというのを退役させて、ポセイドンと一緒に海洋監視を強化していく。広域海洋監視、哨戒機の補完という、哨戒機を補完するような形でトライトンを入れる。しかも、日本よりこれは多分安いですね、六機で五千五百億円なので。そういうふうなスケジュールも明確に示しながら、トライトンを入れますよというふうに言っている。  ところが、日本では、海洋監視はP3Cが、ほかの国と、数段、高密度な監視体制がしかれている。そのP3Cもこれからまだ使うんでしょうね、退役するという予定というのがあれば教えてほしいんですけれども、そこに、三十六時間も飛行できる、どこまで飛んでいくのかよくわかりませんけれども、三十六時間飛行できる監視無人機を導入すると、どうも屋上屋をつくってしまうような、そんな気がするんですね。  だから、計画性が何かよくわからない、その中で高い買物をする、しかも一つ古いタイプであるということだと、なかなかすとんと落ちないんですよね。その辺の疑問について、計画性、目的性、これから二十年このブロック30を持ち続けないといけないんですけれども、何か問題意識がもしおありであればお聞かせいただきたいんですけれども。
  121. 鈴木敦夫

    鈴木政府参考人 先ほど申し上げたことにも関連いたしますけれども、当然、有人機ではなく無人機であるという特性、それから長い滞空能力、こうした意味から申し上げますと、先ほど申し上げた、いわゆる事態が緊迫した際の空中での常時継続的な警戒監視、こうしたことが可能になってくるというものについては、現有の装備品では十分に実施することが困難な分野であるということで認識してございます。
  122. 屋良朝博

    ○屋良委員 しっかりしたお答えがちょっといただけなかったんですけれども、しっかり装備品を、アメリカとの交渉、FMS調達の契約のあり方について、あるいはその実施、実行のあり方について、これからしっかり詰めていくという方向性についてはわかりました。  ただ、国内、日本側として、装備品を、どの装備品で、どの性能があるから調達するんだよ、それはどういうふうな目的があるから調達するんだよ、そこのところをしっかり私たちに示してもらわなければ、これは議論できません。大きな予算ですよ。審議ができないんですけれども、大臣、もし御所見がありましたらお聞かせください。
  123. 河野太郎

    河野国務大臣 それだけ高額な装備品を調達する以上、やはりしっかりとした根拠をお示しをする必要があるだろうと思っております。  今、装備品の調達、総点検をしているところでございますので、問題があるものについては問題を解決するように、問題がないものは速やかに導入できるように、そこはしっかり対処してまいりたいと思っております。
  124. 西銘恒三郎

    西銘委員長 屋良朝博君、時間です。
  125. 屋良朝博

    ○屋良委員 時間が来ましたので終わります。ありがとうございました。
  126. 西銘恒三郎

    西銘委員長 次に、赤嶺政賢君
  127. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 日本共産党の赤嶺政賢です。  法案について質問をいたします。  今回の法案にかかわって、宇宙ごみの増加を理由に、宇宙状況監視するための専門部隊を新たに創設するとしております。  宇宙ごみ増加の理由として近年指摘されているのが、衛星破壊実験です。ミサイルロケットによる衛星破壊実験は、大量の宇宙ごみをまき散らし、他の人工衛星を危険にさらすもので、国際的にも大きな問題となっています。  防衛省伺いますが、これまでに衛星破壊実験を行ったことのある国はどこなのか、何回行っているのか、この点をどのように把握しておられますか。
  128. 槌道明宏

    槌道政府参考人 各国ミサイルロケットによる衛星破壊実験の累計回数についてのお尋ねでございますけれども、それを網羅的にお答えするというのは防衛省の立場としてなかなか難しいわけでございますが、その上で申し上げますと、衛星の物理的な破壊を伴う実験であると指摘される最近の事例といたしまして、二〇〇七年一月、中国は、高度約八百六十五キロメートルで、自国の老朽化した気象衛星、風雲一号をミサイルで破壊した、また、二〇一九年三月、インドは、高度三百キロメートルの低軌道を周回していた自国の人工衛星ミサイルで破壊したといったものがあると承知をしているところでございます。
  129. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 衛星破壊兵器開発競争は、米ソ対決の時代から行われてきているものであります。  ソ連は、一九六八年から一九八二年にかけて実験を繰り返していたと言われています。アメリカも、一九八五年に、戦闘機から発射したミサイルで自国の衛星を破壊する実験を行いました。二〇〇八年にも、退役衛星を撃ち落とす実験をしています。  防衛省は、これらについて把握していないんですか。
  130. 槌道明宏

    槌道政府参考人 先ほどお答えいたしましたとおりでございまして、全てを網羅的に把握するというのはなかなか困難な立場でございます。物理的な破壊を伴う実験ということで指摘されているものとして我々が把握しているものは、先ほどの二例と申し上げたところでございます。
  131. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 網羅的に把握していないということで、アメリカが何をやったのか、そういうことは認識にないということなのか。それにしては、今回の法案にかかわって、いかがなものかということを強く感じます。  大臣伺いますが、現在、人工衛星の多くは民生用で、放送や通信、気象観測など、私たち生活経済活動になくてはならないものとなっています。そうした中で人工衛星を危険にさらす衛星破壊兵器開発や実験を行うことは、決して許されるものではありません。私たちは、いかなる宇宙軍事利用にも反対の立場を表明してまいりました。  日本政府として、どの国によるものであっても、また、宇宙軍事利用についての賛否の違い、そういう立場は仮にあったとしても、衛星破壊兵器開発や実験は認めない、全面的な禁止を求める、こういう立場に立つべきだと思いますが、日本政府はそうした立場に立っているんですか。
  132. 河野太郎

    河野国務大臣 我が国としては、宇宙空間安定的利用確保することが重要であると考えており、衛星破壊実験によってデブリが発生し、宇宙空間安定的利用が妨げられるような事態は避けるべきです。  我が国としては、安全保障及び宇宙空間の持続的かつ安定的な利用を確保すべく、同盟国や友好国と戦略的に連携しつつ実効的なルールづくりを主導していくとともに、各国宇宙空間における責任ある行動を求めていくことが重要であると考えております。
  133. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 私、大臣伺いましたのは、衛星破壊兵器開発や実験は認めない、全面的な禁止を求める立場に立つべきではないか、こういうことを問うたわけですが、いかがですか。
  134. 河野太郎

    河野国務大臣 我が国としては、安全保障及び宇宙空間の持続的かつ安定的な利用を確保すべく、同盟国や友好国と戦略的に連携しつつ実効的なルールづくりを主導していくとともに、各国宇宙空間における責任ある行動を求めていくことが重要であると考えております。
  135. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 求めていた全面禁止を求めるということについては、繰り返し答弁を聞いても明言いたしませんでした。  日本政府は、中国やインドが行った実験に対しても、懸念は表明しても明確に反対の立場は表明していません。これでは一番大事なことが抜け落ちていると言わなければならないと思います。  それだけではありません。政府が二〇一八年に閣議決定した防衛大綱は、宇宙領域において相手方の指揮統制情報通信を妨げる能力の強化ということを打ち出しました。今年度予算には、そのための調査研究費が盛り込まれております。  指揮統制情報通信を妨げる能力とは、これは一体どういうものですか。他国衛星の破壊や妨害なども行うということですか。
  136. 河野太郎

    河野国務大臣 お尋ねの、いわゆる妨げる能力の詳細を明らかにすれば我が方の手のうちが明らかになるため、お答えを差し控えますが、一部の国では、例えば妨害電波によって通信測位信号の円滑な送受信を妨げて、相手方部隊がその能力を最大限発揮することを妨げる兵器などを保有していると考えているところでございます。
  137. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 手のうちを明かすことになるということでのいつもの答弁で、具体的な説明はありませんが、防衛省は妨害衛星の研究に着手していると報じられています。  宇宙の軍拡競争に加担すべきではありません。宇宙平和目的のために利用するというのが宇宙条約の精神であります。私は、この精神に沿って軍事利用を制限、縮小していくことこそ重要だ、そうした取組こそ日本政府は行うべきだということを、まず強くしておきたいと思います。  次に、新型コロナウイルスにかかわる、防衛省の発注の工事、業務対応について伺います。  国土交通省においては、感染拡大防止のため、同省発注の公共事業について、受注者に工事業務の一時停止や工期の延長の意向を確認し、申出がある場合には、一時中止や設計図書の変更などの措置をとっております。  防衛省発注の工事、業務についてはどのような対応をとっておりますか。
  138. 河野太郎

    河野国務大臣 防衛省発注の直轄工事や業務につきましては、国土交通省の措置と同様に、受注者の意向を踏まえ、事情を個別に確認した上で、必要と認められるときは、受注者の責めに帰すことができないものとして、契約書に基づき、工事又は業務の一時中止や設計図書等の変更を行うこととしております。  引き続き、防衛省といたしましては、工事関係者の感染拡大防止と健康管理に留意して工事を進めてまいりたいと考えております。
  139. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 そうしますと、これまでに一時中止やあるいは工期の延長などの措置をとった事例はどの程度ありますか。主な事例としてどのようなものがありますか。
  140. 鈴木敦夫

    鈴木政府参考人 工事及び業務の中止措置につきましては、最大で工事八件、業務に関しては二十件の中止措置をとっておりまして、現在でも続いておるのが、工事で六件、業務につきましては十二件について中止措置を継続しているところでございます。  なお、新型コロナウイルス感染症をめぐる現下の状況に鑑みまして一時中止措置をとった事例といたしましては、自衛隊関係の工事業務におきましては、受注者による在宅勤務の実施や機器等の納期遅延などにより業務及び工事の期限までの実施が困難になった事例ですとか、また、米軍関係の工事業務におきましては、同ウイルス感染拡大防止を徹底し、公衆衛生上必要な措置の実施を確保する観点から、当初予定していた業務及び工事の実施を一時中止している、こうした事例がございます。
  141. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 辺野古の工事についても、受注者から一時中止やあるいは工期延長などの要望があれば応じる、そういうことですね。
  142. 鈴木敦夫

    鈴木政府参考人 先ほど大臣からお話ございましたように、防衛省としては、新型コロナウイルス感染症感染拡大防止に向けて、直轄工事や業務において、受注者の意向を踏まえまして、一時中止や工期の延長等の措置を講じることとしているところでございます。  これは辺野古の工事も同様でございますけれども、この辺野古移設に向けた工事につきまして、一時中止の要否を判断するための一助として同工事の受注者の意向を確認いたしましたけれども、一時中止の意向は示されておりません。  引き続き、防衛省といたしましては、工事関係者の感染拡大防止と健康管理に留意して工事を進めてまいりたいと考えてございます。
  143. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 キャンプ・シュワブのゲート前では、基地建設に反対する住民の抗議活動が行われ、警備員がゲートを守って立っております。この警備員について、私、沖縄防衛局にも申し入れたんですが、まず、スクラムを組むような状態で警備が何十人も立っているんですね、あれを濃密接触と言うのかなという。しかも、一日じゅうですからね。マスクもやっていないんですよ。  私、工事をやめろとかやめるなとかという前に、私はやめろという立場ではありますが、それ以前に、マスクもしないで体を寄せ合って抗議活動対処している、これはコロナ対策として本当にどうなのかなという、見ていて心配ですよ。だって、買物だって二メートル離れなさいと言っているじゃないですか。人と人との距離を離れなさいと言っている。もう本当に一寸のすき間もないぐらいの体勢で立っている。これは濃厚接触の面からいっても非常に懸念が持たれます。住民にも、警備員のそういう濃厚接触で感染が拡大していくんじゃないかという不安を持ちます。  これを防止するためにも、政府として一旦工事をとめる判断をすべきだと思います。大臣、検討いただけますか。
  144. 河野太郎

    河野国務大臣 一日も早い普天間の危険性の除去と日米の抑止力の維持のためにこの工事を行っているところでございますので、国土交通省の措置に沿って、しっかりと進めていきたいと思います。
  145. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 いや、一日も早い普天間基地の返還にもうならないですよね、十二年かかりますから。しかも、その十二年というのも、皆さんが設計変更申請を出して、玉城デニー知事がそれを審査して、玉城デニー知事は辺野古に反対の立場を貫いていますから、その取扱いというのは防衛省にとっては大変困難だと思います。仮に、防衛省の思惑どおり辺野古の設計変更申請がとれたとしても、それは何年先かわかりませんよ。それから十二年ですからね。  普天間の一刻も早い返還の代替地としての辺野古はもう破綻しているんですよ。これはもう、破綻しているのはみんなわかっているんですよ。政府だけが普天間の一刻も早い、そういうことを言っているだけで、笑い物ですよ、こうなったら。ただ、その議論はきょうはやりません。  私が心配しているのは、新型コロナウイルスのクラスターになりはしないか。ああいう濃密接触をした体勢でいて、マスクもやっていないんですよ。これは普天間の一刻も早い返還とは関係ないと思います。一旦工事をとめて、新コロナウイルスの拡大防止のために政府はこういう措置をとっていると、やるべきではありませんか。大臣、もう一度お願いします。
  146. 河野太郎

    河野国務大臣 先ほど答弁したとおりです。
  147. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 先ほどのは答弁になっていません。  これだけの人たちを、本当に日本が、世界が、コロナの感染防止のために必死に努力し、自覚し、協力している中で、辺野古の基地建設だけはコロナの感染防止対策とは全く無関係、こういう態度が許されるものではないと思います。  辺野古の問題にかかわって一点確認しておきますが、二月の末に、B―27地点で実施したコーン貫入試験に基づく非排水剪断強さをどのように求めたものか、具体的なコーン係数も含めて明らかにするよう求めました。受注業者に確認するというのが防衛省の説明でありました。既に一カ月以上がたっていますが、回答がありません。受注業者に確認した結果はどうだったんですか。
  148. 河野太郎

    河野国務大臣 今回、コーン貫入試験を実施した地点のデータの取得については、土の強度の測定ではなく、地層構成の把握を行うことを目的としております。  その上で、報告書本編に記載されている日本企業がコーン貫入試験の結果から推定した非剪断強さについては、受注者を通じて確認したところ、当該企業が地層構成の判別の際の参考として使用したもの、また、三軸圧縮試験等の信頼できる方法により別途実測した非排水剪断強さとの比較を行うことなく、一定の係数を仮定した上で仮に推定した換算値であり、その絶対値に意味はないとのことでした。  具体的なコーン係数を求められておりますが、現在、受注者を通じて確認中であり、現時点においてお答えすることは困難です。
  149. 西銘恒三郎

    西銘委員長 赤嶺政賢君、時間です。
  150. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 終わりますけれども、防衛省の主張ばかり聞かされても、こっちはたまらないんですよ。業者が使った、コーン貫入試験における設定した係数……
  151. 西銘恒三郎

    西銘委員長 時間です。
  152. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 これによっていろんなことがはっきりしてまいります。  速やかに提出するよう強く求めて、質問を終わります。
  153. 西銘恒三郎

    西銘委員長 次に、串田誠一君。
  154. 串田誠一

    ○串田委員 日本維新の会の串田誠一です。  きょうの夕方でも緊急事態宣言が出されるというような話もありますけれども、日本は、ロックダウンといっても、諸外国と違って、強制力があるとかないとかという、まあ、ないわけですが、その分、自粛要請という形の中で、国民がどれだけそれに従っているのかというのがグーグルによって発表がなされました。どれだけ移動していたのか、自宅でいたのかというのがグーグルの位置情報で把握されているということでありましたが、これ、すごいなと思ったのは、移動を把握しているだけじゃなくて、自宅にどれだけいたのかということも全部把握しているということであります。グーグルマップには自宅という登録をする機能がありますけれども、これを登録しなくても、恐らく毎日深夜、長時間いるところを自宅というふうに推定して推計しているのかなというふうな気がいたしました。  そういう意味で、自衛隊員がスマホを利用しているということも多くあるんだと思いますが、自衛隊員の宿舎が自宅として把握されていくと、毎日の行動形態がデータで集積をされているということもあり得るのかなと。特に、アプリは同盟国のものばかりではありません。いろいろなアプリに位置情報というのを設定する機能がありますので、自衛隊員の行動形態がデータとして集積されているという、そういう危険も十分考えていかなければならないのかなというふうに思っております。  きょうはこれを中心に質問するつもりではありませんので、質問に移りたいと思います。  安保法制に関して、例えば武力攻撃事態、あるいは自衛隊法において国会の承認というものがあります。現在、国会が現実に集まることができるんだろうかというような問題、きょうも一時から本会議がありますけれども、きょうは短いのかもしれませんが、前回は二時間半、長いときには三時間、四時間というような状況の中で、まさに世間的にはこれは三密状態になっているわけです。  生命の危険をさらしているというような状況も国民から指摘されている中で、本会議がこれから同じように開催を続けることができるんだろうかという観点の中で、安保法制の国会の承認の国会が開かれるかどうかというのは防衛大臣も大変危惧しているところだと思いますので、大臣の所感をお聞きしたいと思います。
  155. 河野太郎

    河野国務大臣 本会議を開くかどうかというのは国会がお決めになることでございますから、防衛大臣としてそれに何か申し上げるということは差し控えたいと思います。
  156. 串田誠一

    ○串田委員 レク段階でもそういうふうにお答えになられるだろうし、それしか答えようがないと思うので、まさに国会がこれから本会議をどうするかというのを考えていかなければ、安保法制の国会の承認というのを法律で求めながら、それを実現することができなくなる可能性があることを、やはり国会もみずから重要視していかなければならないのかなと思います。  そこで、きょうは衆議院もお呼びしておりますが、憲法第五十六条には、「両議院は、各々その総議員の三分の一以上の出席がなければ、議事を開き議決することができない。」というようになっています。  そこで、総国会議員の前半と後半というふうに分けまして、会派で調整をして、例えば四時間であれば、二時間を前半あるいは一時間ずつ分けるような形で、今、会派は縦に並んでおりますので、一人ずつにすると、前後左右に人がいなくなるような本会議が運営できるわけです。残りの人は議員会館でモニターを見て、時間になると、ある程度交代制によって交代をしていくというような形で本会議を開催するということは、憲法五十六条には反しないでしょうか。
  157. 今岡武史

    ○今岡参事 お答えいたします。  記名投票における議場閉鎖の場合を除き、本会議開会中、議員の入退場について制限はございません。そのため、定足数を維持した上で入れかえ制等を導入することにつきましては、各会派で自主的に運用していただくか、議院運営委員会において御協議いただくことになろうかと思います。  以上です。
  158. 串田誠一

    ○串田委員 事前に、議運でこういう質問があったかということを聞いたんですが、まだなかったということですので、これは問題提起をしておきたいと思うんですが、入れかえ制にすると、前後左右に議員が本会議場はいないで済むわけですね。三分の一ですから、二分の一ずつの入れかえ制であれば十分定足数を充足することができる。記名投票以外はそういうような形にして、残りはしっかりと議員会館のモニターで確認をし、時間が来れば交代をしていくというようなことも今後やはり取り入れていくということが私は必要なのではないかなというふうに一つ思っています。  次に、本会議場の場所の問題なんですが、この場所に関して、例えば国会法の第五条では、「議員は、召集詔書に指定された期日に、各議院に集会しなければならない。」集会しなければならないということですので、どうやら場所というものが、ある程度想定されるわけです。  ただ、憲法五十六条では「両議院は、」と書いてあるだけで、どこの場所というふうに書いていないんですが、例えば、本会議場が何らかの形で汚染されて、消毒が非常に難しい、あるいは災害の地震によってそこに立ち入ることが大変困難になるというような場合でも法律改正とかはしていかなければならないというような場合に、例えば、ここは分館であります、本館と分館の中で、この分館というのは、憲法五十六条の場所として、本会議にかわる場所としてこれを利用することに、五十六条の違反にはならないでしょうか。
  159. 今岡武史

    ○今岡参事 お答えいたします。  憲法第五十六条により、本会議の定足数は総議員の三分の一以上の出席とされ、また、議事は憲法に特別の定めがある場合を除いて出席議員の過半数で決する必要がございます。議院の会議が行われる場所につきましては、憲法上特に規定はございません。ただ、議長が現認できる場所で行われることが想定されております。  なお、国会法、衆議院規則におきまして議場で行われることを前提とした規定がございますが、ここでいう議場とは、議長席、議席、演壇等から成る本会議場を指しているものと考えております。  なお、分館で本会議ができるかにつきましては、先生方の収容人数等々の関係で、もろもろ御検討する必要があろうかと思います。
  160. 串田誠一

    ○串田委員 分館は今、八つほど委員会室があるわけです。  今、株主総会がこれから六月の下旬に集中して行われるということで、恐らく、上場会社は今頭を痛めているんだろうなと思います。  会社法の二百九十六条には必ずしも決算から三カ月以内という規定はないんですが、大概の会社が定款で規定がなされています。ただ、この定款も、災害のときには延期をすることができるというふうに解釈をされているので、株主総会の場合には、株主総会を延期するか、あるいは開催するときには複数箇所で開催するということが現在認められているわけです。  こういうような実務における柔軟な対応というのが、今回、日ごろからそういうふうにやった方がいいということではなくて、全く、憲政史上も恐らく例を見ないような今危機的状況のときには、オール・オア・ナッシングではなくて、できるだけ民主主義的な意味で開催するということが必要である。  ただし、生命身体に危険のあるような三密の状況において行うということは、これはやはり世間に対して、それはよくないと言っている国会が示しがつかないという部分もありますので、知恵を出し合ってこの苦難を乗り越えていくということが私は必要なのかなと思っています。そういう意味で、この分館で開催することも憲法五十六条では反していないわけですね。  ですから、株主総会の場合にはハイブリッド・バーチャル型というのがありまして、リアルな会場とバーチャルな会場と分けているんですが、どちらもリアルな部分として、例えば本会議場では席を置いて何人かの議員がいて、残りの議員はこの分館に待機し、そして、今答えがあったように、議長が十分把握できるような状況であるということであれば、モニター形式で議長が十分、各委員会室、これは議員会館のモニター室でも全てのところを把握できるので、そういうような形にして、議長が各委員会室を把握できるような形にすれば、密室状態を避けながらも、民主主義的な国会の運営というものが実現できるというようなこともあり得るのかなと。  今はまだそういう状況になっていないというのかもしれませんが、今後の運営次第においてはそういうことも考えておかなければ私はならないと思うので、これが憲法上どういう問題であるのかということを今回は確認させていただいたわけであります。  一つ、採決についてお聞きしたいんですが、記名投票の場合以外に、例えば起立採決の場合、交互に交代しながら起立採決というのは可能でしょうか。
  161. 今岡武史

    ○今岡参事 お答えいたします。  採決につきましては、特定の時点での議員の意思を決定するということでありまして、起立採決におきましては、議長が問題を宣告し表決を求めた時点での先生方の表決ということになります。  したがいまして、今先生がお尋ねの入れかえ制等については、現在の採決方法では想定していないところでありまして、恐らく困難であろうかと思われます。  以上です。
  162. 串田誠一

    ○串田委員 衆議院規則ではそういうふうな形ですが、憲法上は必ずしもこれは反していないということの中で、緊急事態が起きたときにはそういったようなことも考えていく必要があるかなと思います。  最後に、世間では、三密状態の中で大声を出すなということを言われていますけれども、衆議院では呼出し太郎さんが非常に大きな声でやっている。私は、こういう歴史とか慣行、大好きで、呼出し太郎さんのああいう「議長」というのはすごく大好きなんですが、マイクの音を最大限に生かしながら、そういう、何というか、伝統を重んじながらも、大きな声をなるべく避けるというような運営をぜひともお願いしたいのと、私の周りには、全会一致なのに「異議なし」というのを呼出し太郎以上に大きな声を出す人もいるんですよ。そういうようなことも踏まえて、ちょっと時期を考えながら運営をしていただきたいということをお願いして、質問を終わります。  ありがとうございました。
  163. 西銘恒三郎

    西銘委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。     ―――――――――――――
  164. 西銘恒三郎

    西銘委員長 これより討論に入ります。  討論の申出がありますので、これを許します。赤嶺政賢君
  165. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 私は、日本共産党を代表し、防衛省設置法の一部改正案に反対の討論を行います。  自衛官定数変更は、防衛大綱、中期防の具体化として、自衛隊宇宙サイバー電磁波領域での体制強化、滞空型無人機グローバルホークなどの導入に伴うものです。  今回、宇宙状況監視システムの運用を担う宇宙作戦隊を創設し、米軍とリアルタイムで情報を共有する体制を構築するとしています。これは、米軍の地球規模の宇宙状況監視体制の一翼を担うものにほかなりません。  サイバー防衛隊増員陸上自衛隊サイバー防護隊の新編は、兵器ネットワーク化が進むもとで、米軍との一体化を進める自衛隊サイバー能力を強化するものです。  これらの体制強化は、大国間の軍拡競争が激化するもとで、圧倒的な軍事的優位を維持強化しようとする米国の軍事戦略に日本を一層深く組み込むものであり、断じて認められません。  グローバルホークの導入は、日米ガイドラインに基づき、日米一体で周辺地域の警戒監視体制を強化するものです。  地域の緊張を高め、際限のない軍拡競争を引き起こす軍事力強化は中止すべきです。防衛大綱、中期防を撤回し、東アジア地域に平和的環境をつくる外交努力を政府に求め、討論を終わります。
  166. 西銘恒三郎

    西銘委員長 これにて討論は終局いたしました。     ―――――――――――――
  167. 西銘恒三郎

    西銘委員長 これより採決に入ります。  内閣提出防衛省設置法の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  168. 西銘恒三郎

    西銘委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。  お諮りいたします。  ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  169. 西銘恒三郎

    西銘委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――     〔報告書は附録に掲載〕     ―――――――――――――
  170. 西銘恒三郎

    西銘委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時八分散会