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柳ヶ瀬裕文君 これ、ちょっと
検討するということなんですけれども、人口というものにとらわれ過ぎなんではないかというふうにちょっと心配をしています。
これ、人口の流出、流入というのは、様々な要因が重なって最終的に出てきたアウトプットだということだというふうに思います。一つの指標としてこれ扱うことに
異議があるわけではありませんけれども、人口移動ということばかりにこの
地方創生ということが集中していく、頭を使っていくということに今なっているんじゃないかなと。
ですから、本質的に、この
地方創生というのは
地域の、地方の活性化、産業を興していくということ、そして、そこに住み続けられるように持続可能性を持たせるということ、これが本質的な議論であろうというふうに思いますから、これちょっと人口にこだわり過ぎなんではないかというふうに思います。
そのいい例が、これ安倍さんがよく
地方創生で成功事例として
地域おこし協力隊ということをよく取り上げるわけであります。これはいい事業だなというふうに私自身も思っているんですが、これは外部からどうやって人材を獲得していくのかと、
過疎化の
地域に都会から若者をどうやって呼び込むのかといったことを主眼に置いた事業ですよね。これは
地方創生のやっぱりメーンストリームの事業ではないだろうというふうに私は思います。
どうやって産業を興していくのか、
地域で生まれ育った人がそこでしっかりと最後まで
暮らしていくようなシステム、これをつくっていくことが大事だというふうに思います。ですから、重要、重視すべき指標としては、その
地域内でGDPはどれくらい上がったのかとか、そういったことを重視するべきなんだろうというふうに思っています。今の
地方創生に関する
取組が外部からの人材獲得競争みたいに陥っているのではないかというふうに私はちょっとこの事業を見て心配したということをまず申し上げておきたいというふうに思います。
この地方から都市への流入というのは、これはすごい大きな流れです。これは日本だけのことではありません。世界的にも、ロンドン、パリ、ニューヨーク、これも各国のあらゆる
地域からどんどん人が流入しているというような実態があります。
それで、私は、この
地方創生を考えたときに、国主導の小手先の事業では流れを変えることはできないんじゃないかというふうに考えています。ですから、これ大胆な方向転換が必要ではないかというふうに私は考えているわけで、それを提示していきたいというふうに思うんですけれども、その前に、この東京一極集中是正という言葉によってミスリードがされている側面があるのではないかという懸念を表明しておきたいというふうに思います。
これまで東京一極集中是正という名の下に、東京二十三区における大学の定員抑制、
企業の本社
機能の
地方移転、国の機関の
地方移転といったことを行ってきたわけであります。これは東京圏の魅力を下げるということにもつながる施策だというふうに私は思います。ということは、これは東京の成長を阻害するということにつながっていかないか、そして、その結果、こういった施策を続けていくとどうなるのかなということを考えていただきたいんですね。
東京は、国、地方合わせた税収のうちの三〇%を占める税収をたたき出しているということです。還流率があるんですけれども、これ、東京の還流率は〇・二六ということになっています。還流率というのは、自分の都道府
県内で徴収した税財源が同じ都道府県でどれだけの割合で使われているか、これを示すのが還流率と言われるわけですけれども、東京については、都内で納められる一の税収に対して都内で使っているのはこれ〇・二六なんですね。つまり、残りの〇・七四、七四%は他府県への財政
調整に使われているということになります。
つまり、この国の大きな税収を稼いできた東京、そして、その税収のほとんどは地方に再配分されているといった現状を考えたときに、この稼ぎ頭の東京が日本の大黒柱としてお金を稼いで地方に分配をしてきたと。その東京の魅力が失われて衰退するということになれば、これはすなわち我が国の衰退に直結するんだ、それがひいてはこの地方の衰退にもつながっていくんだということ、これをしっかりと申し上げておきたいというふうに思います。
世界では都市間競争が激化しておりまして、東京が競っているのはシンガポールやソウルや香港や上海、北京と、そういった都市間競争の時代なんですね。世界の富はもうこれダイナミックに動いているということの中で、あっという間にその都市間競争に敗れた町は没落していくと、そういう競争の時代に入っているということなんですね。
東京は、一番のやっぱり勝っている点は大規模な集積にあるということ、これはあらゆる方がおっしゃっていることなんですけれども、とにかく集積をしているんです、多くの人がいるんです。大消費地なんですね、そして産業も集積をしていると。これが東京のメリットだろうということでありますから、これを損なうような施策というのは、この東京なのか地方なのかという議論、ちょっと狭小なんですね、議論に陥ってこれを損なうようなことがあってはならぬだろうということを申し上げておきたいというふうに思います。
そこで、
大臣にお伺いしたいんですけれども、この東京の成長ということと
地方創生の両立についてどのようにお考えなのか、この点についてお伺いをしたいと思います。