○柴田巧君 日本維新の会の柴田巧です。
私は、
会派を代表して、ただいま
議題となりました
平成三十年
度決算に関し、
総理並びに
関係大臣に
質問をいたします。
先般提出の
会計検査院決算検査報告によれば、三百三十五件、計一千二億円が税金の使い方等に問題があると
指摘をされました。
消費増税が行われましたが、税金の無駄遣いが後を絶たず、その金額が一千億円を超えているのは極めて遺憾であります。過去何度も同じ
指摘を受けながら、国費の不適切な
支出や国有
財産のずさんな管理を許しているのは看過できません。緊張感が余りにもなさ過ぎます。
今回の
報告をどのように受け止めているのか、
安倍総理にお
伺いをいたします。
税金の無駄遣いをやめ、未来に向け真に必要な
予算を確保するには、まず
議員自らがその身を切る覚悟を示し、実践をすることです。
我が党が大阪で与党となった
平成二十三年に、大阪府議会で
議員定数を百九から八十八に削減する条例改正案を可決し、その本気度が理解をされて以降、大阪府・市で抜本的な行政
改革を実施し、かつ実のある
改革も行いました。例えば、大阪市の借入れは七年間で約一兆三千億円の削減となる一方、同時に、教育の無償化の実現を図りました。
ところが、国では税金の無駄遣いが収まらず、
参議院で先般
議員定数が六も増えました。
隗より始めよ。我が党は、今
国会に、
参議院定数一割、歳費二割削減など、身を切る
改革関連十五法案を提出をしています。日本の未来に投資を行うために、税金の無駄遣い削減や徹底した行
財政改革を行わなければなりません。そして、そのスタートは、
議員の身を切る
改革ではありませんか。
総理の所見を求めます。
次に、官民ファンドについてお聞きをします。
官民ファンドは、国と民間が
資金を出し合って融資するファンドですが、第二次
安倍政権以降、各省が争うように相次いで設立をしました。現在、十三ありますが、多くのファンドで損失が膨れ上がり、
平成三十
年度末で三百二十三億円の累積損失となっています。このうち、農水省が所管する官民ファンド、農林漁業
成長産業化支援機構、A―FIVEは、累積損失が本
年度三月末時点で約百十五億円に及ぶ見込みで、廃止を視野に
見直しが始まりました。
官民ファンドへの主な
資金源は財務省所管の産業投資
資金で、国が持つNTT株やJT株の配当を元手に年一千億円から四千億円を産業投資に投じてきました。その結果が累積損失の
拡大です。
産業投資
資金の
運用先不足を解消すべく、各省が成算の乏しい官民ファンドをつくることを抑制せず、むしろ設立を積極的に促してきたのではないですか。だとすれば、所管する財務省にも大きな
責任があります。
そこで、累積損失が
拡大している官民ファンドに対して行ったこれまでの出資について、財務省の
審査に反省すべき点はなかったか。また、今後、産業投資の
在り方を
見直し、官民ファンドへの出資に当たっては、その必要性やガバナンスの確保について厳しく査定すべきではありませんか。併せて
財務大臣の
答弁を求めます。
官民ファンドについては、
政府一体となったチェックが一応行われてはいます。
平成二十五年九月に官房長官を
議長とする
関係閣僚
会議が開催され、所管官庁による官民ファンドの
運営に係るガイドラインが定まりました。そして、
関係府省一体となった横串のチェックとして、閣僚
会議の下に官房副長官を
議長とする幹事会で
運営状況の検証作業が実施されています。
平成二十八年一月二十一日の
決算委員会で、官房長官は私の
質問に答え、所管の府省庁以外に関連部局の参加を得て、
関係省庁一体となった、これ、横串チェックに取り組んでおります、こうした体制によって必要な検証をしっかりとさせていただいていると
答弁をしました。
しかし、多くのファンドで大きな累積損失が出ていることは、横串チェックが機能していなかった証左ではありませんか。官房長官の所見をお
伺いします。
また、これ以上累積損失を
拡大させないため、
政府一体のチェックを
実効性のあるものにすべきですが、どのように取り組むのか、官房長官にお聞きをいたします。
官民ファンドの赤字を防ぐには、透明性を高めなければなりません。
運営に係るガイドラインでは、投資実行後においても、当該投資について適切な
評価、情報開示を継続的に行い、
説明責任を果たしているかとあります。
各ファンドは毎
年度末に
決算を公表しますが、個別投資
案件別の
状況は多くが非公開です。公的
資金を投入している以上、
国民に対する
説明責任があり、
政策効果や投資実績の検証に当たって、もっと具体的に判断できる個別
案件ベースで損益が示されるべきではありませんか。官房長官に
お尋ねをいたします。
それにしても、官民ファンドの損失がどうしてこうも膨れ上がるのか。それは、そもそも初めからできないことをやろうとしているからであります。
官民ファンドの本来の
目的は、民間
資金は集まりにくいが、
政府が進めたい産業分野のベンチャー投資とされています。しかしながら、
成長可能性のある産業なら民間ファンドから
資金が集まるので、官民ファンドに持ち込まれるのは駄目
案件が多いのが実情です。また、官民の寄り合い世帯は生き馬の目を抜く投資の世界に不向きで、官の判断の遅さが致命傷になりかねません。
では、なぜ官民ファンドがこんなに増えたのかといえば、設立額が大きく、
政策の見かけの
規模を膨らませることができ、各省庁に使い勝手のいい自分の財布を持っていて損はないという発想があるからにほかなりません。
このため、過去にも大きな失敗を起こしました。旧郵政省と通産省が基盤技術研究促進センターを民間とともにつくり、NTT株の配当金約三千億円等を投資して九割以上失った事件であります。誰も
責任を問われないまま幕引きとなり、結局赤字を負担したのは
国民です。このような過ちを繰り返してはいけません。
そこで、原資は
国民の公的
財産であり、
国民負担を最小限に抑えるため、A―FIVE以外の赤字ファンドも早期清算に向けた
議論を加速するとともに、官民ファンド全体の出口
戦略を明確にすべきですが、
総理の御所見をお
伺いをいたします。
続いて、独立行政法人の余裕
資金についてお聞きをします。
今回の
会計検査院報告で、
案件別の
指摘金額で最大のものは、経産省の独法、中小
企業基盤
整備機構が保有する第二種信用基金における余裕
資金二百二億円です。
同機構は、
平成十六年に産業基盤
整備基金から承継した債務保証業務について、第二種信用基金による実施する業務のための原資として、二十九
年度末時点で三百七十五億円の
政府出
資金等を受け取っています。
会計検査院が検査したところ、近年、債務保証の実施が極めて低調になっていることから、必要な
政府資金の額は百七十三億円で、二百二億円は将来も
使用される見込みがないとのこと。このため、経産省及び同機構で
政府出
資金につき真に必要となる額を検討し、必要額を超えて保有されているものは速やかに国庫納付することなどを求めています。
そこで、
会計検査院の
指摘をどのように受け止めているのか、また、今後、いかなる
方針で対応していくのか、
経済産業大臣にお
伺いをいたします。
国の大切な
資金が、独法やその出資先等の中で余裕
資金として眠っているケースはほかにもあります。
例えば、農林漁業信用基金では
政府出
資金を原資とする貸付金が八十八億円過大であることや、都市再生機構の子会社が十九億円を余裕
資金として保有していると
指摘しました。これだけ眠っている
資金があれば、
災害対策や教育の無償化等、本来推し進めるべき
対策を手厚くすることができるのではないでしょうか。
この際、
政府全体で独法等に余裕
資金がないか徹底的に
見直しを行い、まずその結果を
報告させる必要があると
考えます。そして、具体的で実効的な
改善策を早急に講じるべきであります。
総理の
認識を
お尋ねをします。
最後に、行
財政改革の観点から、桜を見る会について
質問いたします。
この問題は、公務と政務の峻別ができていないことに始まり、
公文書管理の
在り方等、重要な課題を含んでいます。公に私が入りやすく、かつ招待する基準が不明瞭な中、ごく一部のカテゴリーの人を招き、税金を使ってイベントを打つことは、行
財政改革の観点からも逆行しています。桜を見る会は廃止すべきと
考えますが、
総理の所見を求め、
質問を終わります。
ありがとうございました。(
拍手)
〔
内閣総理大臣安倍晋三君
登壇、
拍手〕