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嘉田由紀子君 今回、
会社法で
社外取締役、
義務化されるわけですけれども、そのときに、今のような
社外取締役の効果も含めて共に社会に出していただきたいと思います。
そういうところで、今日、日本
企業の国際競争力と女性参画というところで少し話題を広げていきたいと思います。今ほど
高良委員も言及しておられましたけれども、私自身は、平成に入って日本
企業が国際競争力を失っている、様々な要因があると思いますけれども、その
一つは女性参画の少なさがあるのではないのかと思っております。ただ、こういうことはなかなか因果
関係、相関
関係も出しにくいんですけれども、少しその辺を
議論を深めていきたいと思います。
まず、今日、資料一でお出ししておりますけれども、生産年齢人口、日本はこの少子高齢化の中でどんどん下がっておりまして、今後三十五年で三割減少いたします。女性がきちんと経済活動に責任ある地位を求めて参画をしないと経済そのものが成り立たなくなる、これはもう数十年前、三十年、四十年前から分かっていたんですけど、そこに手を打てなかった日本社会の立ち遅れだと思っております。
少し個人的な
経験ですが、私自身、一九七〇年代、日本だけでなく
アメリカで学び、その後、
アメリカ、ヨーロッパで比較社会研究を進めてきました。そのときに女性の仲間がたくさんおりました。皆さん大体
企業のトップ、そして例えば国際機関のトップで働きながら子育てを両立できている人が圧倒的に多かったんです。それで、仕事か家庭かという二者択一を迫られない。あっ、これは違うな、何で日本では逆に二者択一を迫られるんだろうと。
例えば、七〇年代、私、大学を卒業するときに、大変優秀な同級生、三十名おりました。その三十名、今、人生いろいろたどってみますと、二者択一を迫られた人ばかりで、両立しているのはたった二人です。そういう
意味から見ても、この七〇年代、そして八〇年代に社会に出た女性たちが大変厳しい状況にあると。
今日お示ししました資料の中で三を見ていただきたいんですけれども、結果として、これは女性の有業率と出生率の相関を取ったグラフでございます。
一般に、女性が仕事するから子供が産まれにくいんだと、日本の少子化は女性が外へ出たからだと思われるとしたら、それは全く逆です。女性が両立できている国、これは右上のところです。スウェーデン、アイスランド、デンマーク、ノルウェー、スイス、そしてフランス、
アメリカ合衆国、こちらは出生率が高いんです。逆に、左下、日本、韓国、イタリア、ギリシャ、スペイン、ここは出生率が低いんです。つまり、二者択一を迫られると、有業率も低くなるし、出生率も低くなる。当然ですよね、個人的選択肢として。それが社会として現れているのが図三でございます。
この図を全国知事会の男女共同参画
委員会の
委員長として出したときに、皆さんが大変不思議がっていました。何でこうなるんだ。これを都道府県別に出しても、やはり同じ傾向でございます。
実は、職住が一致していた農業社会あるいは自営業の時代から、最初に近代化された、つまり職住不一致の雇用者の社会になり始めた七〇年代、八〇年代では、全国の、また全世界の傾向は逆でした。仕事の有業率高い国が出生率が低くなってしまう。それが、後期近代化の中ではこういうふうになっているということ。
日本はここで出遅れてしまっているわけです。海外で仕事をしてきて、日本に帰ってきた
経営者の中にも、日本の
会社の女性
取締役の少なさ、異様に感じております。具体的に、ある家電メーカーの社長さん、Nさんですけど、イギリスや
アメリカで仕事してきて、日本に社長として戻ってきたときに、余りに、家電メーカーでありながら一人も女性
取締役がいないことにびっくりして、そして、彼は女性かがやき本部をつくり、女性たちが求める製品要求が幾つか出てまいりました。斜めドラム洗濯機、掃除が不要のエアコン、これは技術者からは、つまりプロダクト・アウトの側からは不可能だと言われながら、社長命令で結果的には開発をして、そして、かなり
経営が厳しかったところ、起死回生の
企業の
経営改善に役立っております。
言うまでもなく、製品開発、サービス開発の中で大切なのは、消費者が何を求めているかというマーケット・インの発想です。しかし、日本の
企業体質はプロダクト・アウト。これは別に男性女性差別するわけではないんですけれども、プロダクト・アウト、男性得意です。家を造るのもそうです。あるいは、プラモデルを組み立てるのもそうです。じゃ、その家をどう使うか、あるいはそのでき上がった製品をどう使うかというのは、どちらかというと女性が得意です。傾向の問題ですけど。今や、食料品、衣服、住宅などだけでなく、例えば車でも製品選択時には女性意思が強く反映される比率が高いというデータもあります。
そういう中で、先ほど来、女性参画の問題、これは
企業側にもインセンティブがないといけません。
企業も女性を参画させる方が
企業成績良くなるんだというようなことで、
内閣府の男女共同参画官にお尋ねしますけれども、
企業の女性活用に取り組む程度と
経営指標の相関
関係を示すデータ、日本社会であるでしょうか。お願いいたします。