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嘉田由紀子君 ありがとうございます。
いろいろ配慮していただいていても、実は
裁判所での様々な経験者の皆さんの意見というのはかなり厳しくて、自分たちの面会交流、あるいは途中での意見を聞いてもらえないというようなことが親のグループが調べた
調査結果などもございますので、そういうところもきめ細やかに
対応していただけたらと思います。
そして、私、やはり気になるのは、これまでも何度か申し上げているんですが、子の引渡しに関するところで、先ほど、僅か一一%しか、つまり九割近くのケースで引渡しが実現できていない。これは、これまでも
裁判所では継続性の原則というのはないと言っているんですけど、やはり一旦連れ去ったり、あるいは一旦実効支配を続けた親に親権を与えるという
裁判実務を生み出し、そしてそれが、家族やあるいは家庭の
領域を完全に、子供たちの意見も届かないような法の不存在の状態にしているのではないのかと
現場からの大きな声があることも
指摘をさせていただきたいと思います。そして、この継続性の原則こそが、逆にこれを主張するために、虚偽の配偶者暴力あるいは児童
虐待を捏造してもう一方の親を有利にするというようなことも
現場であると聞いております。
このような実態を防ぐためにも、やはり子供たちの養育計画を作り、そしてその中に、これまでも申し上げております面会交流という、単に言わばビジテーションではなくて、ペアレンティングという共同親権の、ヨーロッパ、アメリカで苦労してきたそのペアレンティングという内容を
日本としてもきちんとフォローする必要があると思っております。そのためには、共同養育計画を作り、そして離婚の紛争当事者である親に対しても、教育
効果というところで共同養育計画の作成を支援する必要があると
考えております。
少し海外の
事例ですけれども、アメリカのテネシー州の例を今日一ページでまとめて皆さんに提案させていただきましたが、これは子育てプラン作成のためのペアレンツ・ガイド、家族意識の維持に向けてというものでございます。一枚、文字になっておりますが、エッセンスを、少し時間をいただいて御紹介させていただきたいと思います。
パーマネント・ペアレンティング・プラン、つまり恒久的な子育てプランということで、テネシー州の子育てプランは、立法によって州の
裁判制度を機能させ、離婚後の子供により安心できる水準、コンフォートレベルを与えるために必要なツールとスキルによって、親がその子育て能力を高められるようにデザインされたプログラムであるとあります。
この恒久的子育てプランは、子供の福祉には、親子関係が根本的に重要であることを認めるものです。多くの場合、子供は、双方の親から情緒的及び経済的な支援を受けたときに最善を尽くせるものであります。ペアレンティング・プランの全ての項目は、子の最善の利益に焦点を合わせるようにデザインされております。
以下六項目あるんですが、今、
日本でも例えば明石市などでペアレンティング・プランというのを出しているんですけど、そこはかなり狭い、養育費と、それからいわゆる面会交流くらいしか触れていないんですね。
それではなくて、もっともっと本来のペアレンティング・プランについて御紹介させていただきたいと思いますけれども、まず一番目、恒久的プランの作成によって、親は子の将来の子育てのロードマップを完成させる機会を与えられる。二点目は、このプランは、興奮して感情的となったやり取りではなく、これはヒーテッド・エモーショナル・エクスチェンジと英語でありますけど、思慮深く、理性的な対話に基づいて準備された場合には、対立を和らげる有効な手段として役立つだろうと。
これまでも議論してきておりますけれども、
日本でなぜ共同親権が駄目なのかというときの理由に、
山下法務大臣も、夫と妻はなかなか話合いができないんだ、感情的になってしまうからというのを単独親権の理由にしているんですけれども、それはもう当然です。当然だけれども、やはり思慮深く、理性的な対話が必要だということがもう目的の中にきちんと書かれております。
それから三点目ですけど、このプランは、法律の専門用語を廃し、つまりリーガルジャーゴンではなくて、一般的な日常用語に置き換え、エブリデータームズ、暮らし言葉でしょうか、で家族の再統合を促す枠組みを用意する。つまり、ファミリー・リオーガナイゼーション、夫と妻が別れてもやはり再統合が重要なんだという理念を入れ込んでおります。そして、このプランは家族関係の維持に役立つだろうと。このプランは、双方の親が、子供のことを最優先とし、また、子供がそれぞれの親と緊密で継続的な関係を維持することが必要であることを理解するように奨励すると。そして最後、六点目ですけど、このプランは、双方の親が、教育、宗教、医療を含む重要な決定に関与し続けることを可能にすると。
そして、この恒久的子育てプランは、監護や訪問、ここではビジテーションとありますけど、そういう狭い概念からではなく、子育ての責任を強調するものでありますと。全体の目標とこのプランの目的は、敵対心を緩和し、親が子供の最善の利益のために協調して取り組むことを奨励する。両方の親が一緒に取り組み続ければ、あなたは、教育、宗教、医療を含む重要な決定を下すこととなるだろう。あなたが自分の子供を養育し続ければ、将来の
課題をどのように
解決するのかを決定することになるのだと。
これはアメリカのテネシー州の
事例で、私ども、各州の
事例を集めましたけれども、基本的な方向あるいはカバーするところは極めて似通っております。そして、このテネシー州のペアレンティング・プランはこの後八項目にわたって細部まで記されておりまして、全体で九ページ。それを全て埋めないと、埋めて親がサインをし、そして
弁護士さんがサインをし、最後に
裁判所のサインをもらわないと、実は離婚も成立しないんだというところまで入れ込んでおります。
これは海外だけのことで、
日本では無理だろうという意見があるかとは思いますけれども、
日本であっても両方の親が子供の利益を第一に
考えるようになれば共同親権は可能だと思います。例えば、タレントで千秋さんとそれから元夫のココリコ遠藤さんが離婚後も
協力をして子育てを行っていることはよく知られております。
そこで、
法務大臣に御質問ですが、離婚後の親権者指定の基準の策定、これ今までも申し上げておりますけれども、片親親権、継続性の原則ばかりが
裁判実務として
現場で援用されておりまして、この親権者決定の基準はないに等しい。そういう中で、共同養育計画作成を支援する仕組みをつくり、そして、できるならば行く行くは
法令的にも義務化することも含めて、
政府の
見解を
法務大臣にお伺いしたいと思います。