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高良鉄美君 沖縄の風の
高良鉄美でございます。
先日、十二日の
委員会で通告しながらできなかった
選択的夫婦別姓と通称の使用、さらには難民政策についてお
伺いします。今日はその三点です。
森大臣は、七日の
所信表明で、来年の京都コングレスにおいて、法の支配や基本的人権の尊重といった基本的価値を国際
社会において確立させるべく指導力を発揮しますと述べられ、十二日の私の
質問に対して、法の支配とは、人権の保障と恣意的権力の抑制を主として、全ての権力に対する法の優越を認める
考え方をいうものと
認識していますと。さらに、法の支配とは、権力を法で拘束することによって
国民の権利、自由を擁護するということを
目的としておりますので、ここでいう法は形式的な
法律ではなく、今御
指摘のような様々な基本的な人権や基本的価値を含む
内容が合理的な法を指すものと
認識していますと答弁されました。
法務大臣の法の支配に対する御
認識を
伺い、大変心強く、また
質疑を通して有意義な
対応ができるものと御期待申し上げ、
質問に入りたいと思います。
今日、先ほど申しました
選択的夫婦別姓と通称使用について
伺います。
安倍総理は、十月四日の
所信表明演説で、「みんなちがって、みんないい。」と金子みすゞの詩の一節を引用し、新しい時代の
日本に求められるのは多様性である、みんなが横並び、画一的な
社会システムの在り方を根本から見直していく必要がある、多様性を認め合い、全ての人がその個性を生かすことができる、そうした
社会をつくることで、少子高齢化という大きな壁も必ずや克服できるはずだと述べられました。
まさに家族の在り方についても同じだと思います。
選択的夫婦別姓が認められずに事実婚にするカップルは増えています。結婚する人の四組に一組は双方あるいは片方が再婚です。働く女性の四人に一人は通称使用をしています。子供を持たないカップルやステップファミリーなど、家族の形は多様化しています。ところが、これまで政府は、
選択的夫婦別氏
制度の導入の問題については、
我が国の家族の在り方が深く関わるもので、
国民の間にも様々な
意見があることから慎重に
検討すると繰り返し、夫婦別姓を認めていません。しかし、この答弁、よく見ますと
理由が全く述べられていません。法改正しない根拠が示されていないということです。
法改正が必要であるという
理由は様々に示されています。戦後の大改正から長い年月が経過し、結婚や家族に関する価値観が多様化したこと、結婚改姓による不利益が大きく、民法改正を求める声が高まったこと、
法律で同姓を強制している国が
日本以外に見当たらないこと、女性
差別撤廃条約批准を念頭に、契機に、政府が男女平等の
観点から見直し作業を行い、法制審議会が答申したこと、国連機関から民法改正を繰り返し勧告されていること、若い世代、とりわけ改姓を余儀なくされる女性たちの賛成が圧倒的多数であることなどが挙げられますが、同姓を
法律で強制しなければならない根拠は明確に示されていません。
今月八日の
衆議院法務委員会での所信
質疑で、
森大臣は、法制審議会に諮問する立場ある
法務大臣としては、法制審議会における審議及びその結果である答申については重く受け止めるべきものであると
考えております、
法務省においては、この答申を踏まえ、平成八年と平成二十二年に
選択的夫婦別氏
制度の導入等を
内容とする
法律案の
提出に向けて準備をしましたが、それぞれその当時の与党内でも様々な
意見があったことから、いずれも
提出には至らなかったと答弁されています。そのとおりで、当時の与党は
自民党であったんでしょうか、その一部の強硬な反対があって法改正が実現しなかったということが言われています。事実だと思います。
法制審の幹事を務め、
法律案要綱の作成、公表に中枢で尽力された
法務省の当時の小池参事官は、与党に
説明するために奔走したけれども法改正に至らなかった無念さを明らかにされています。
そこで
伺います。政府は、民法改正に慎重な姿勢を示す一方で、旧姓の通称使用の拡大に意欲を見せておられます。
法務省は、
選択的夫婦別姓導入の民法改正よりも、この旧姓の通称の使用、つまり、民法上の氏の問題と、通称、ダブルネームを持つことを推奨するということでいいのでしょうか。
確かに公的に通称を認めることで不便を
解消できるという
考え方、
意見もありますが、限りなくこの通称が可能になれば、民法上の氏というのは何なのか、あるいは通称と戸籍上の氏を区別する意味があるのかという疑問もあります。
そこで、民法を所管する
大臣に、民法上の氏というのをどのように捉えていらっしゃるのか、お
伺いします。