○柴田巧君 ありがとうございます。
まだまだ、今日取り上げたこの問題解決型
裁判所、そしてその背景となる治療的
司法という考え方は、日本ではまだ十二分に
周知されていると、なじみがあるという
状況ではないかとは思いますが、しかし、日本の歴史と伝統の中には、それに相通じる理念的共通項というのは実は各所に見出されるんではないかというふうに私自身は思っていまして、例えば、少年
司法手続なんかは、そういったところが多分にあると思っています。
というのは、裁判官による
職権的な審判の進行でありますとか、家庭
裁判所の
調査官による科学的知見に基づいた処遇の方針の
決定、そして何よりも、少年の成長に主眼を置いた
保護的視点というのは治療的
司法に相通じるものだと思いますし、今日も、
保護司の
皆さん、なり手がないというお話がありましたが、日本の
保護司制度は大変世界に冠たるすばらしいものだと思っていますが、この
保護司も、その精神というのは
子供に、少年に徹底的に寄り添ってこの
社会復帰を助ける、少年の非行から立ち直らせるというものですが、この考え方もそもそもは治療的
司法に通底するものだと思っておりますので、そういったものが元々土台としてあって、そして昨今の
再犯防止推進法、推進計画などができて、この問題を抱える者の
再犯防止やあるいは再
社会化に力を入れていこうという中ですから、決してとっぴなことではなくて、この国にも十二分に根差して定着して普及していけるものだと思っていますので、どうぞまた、
大臣におかれましては、また
法務省におかれましては、いろいろとまた
検討もしていただいて、そういったものを参考にこれからの
再犯防止策も十二分に考えていただきたいと思います。
次に、ちょっと時間が少し、なくなってまいりましたので、
司法外交の積極的な展開ということでお尋ねを幾つかしたいと思いますが、初めに京都コングレスの政治宣言の方からお聞きをしたいと思っております。
来年の四月に京都で第十四回となる国連犯罪
防止刑事
司法会議、京都コングレスと一般に呼んでおりますが、これが開催されます。これは五年に一度開催される犯罪
防止、刑事
司法分野における国連最大規模の会議でございまして、聞くところによると、四、五千人の専門家が世界から、あるいは
政府、国際機関やNGOなどなどから京都に、日本にやってくるということですが、日本で開かれるのは一九七〇年以来五十年ぶりでございます。
この京都コングレスでは、その専門家が議論をして、国際
協力を促進して、より安全な世界を目指して協働することを目的としているわけですけれども、この会議で、日本のこの分野における、犯罪
防止、刑事
司法分野における国際的なプレゼンスを高めていくということが何よりも大事ですし、そして、そのことで、通して
国民にも関心を高めてもらい、この犯罪
防止や、
再犯防止や安心、安全な
社会の実現に寄与する効果が
期待をされると思っております。
この京都コングレスでは、最終日になるんでしょうか、これからのこの指針となる政治宣言が取りまとめられる予定だと聞いております。前回、四年前はドーハで開かれましたが、この会議は、そのドーハ宣言は、その後のSDGsのゴール十六、「平和と公正をすべての人に」に結実されるものでしたが、今回の京都においても、これからの指針となるようなやっぱりインパクトのある宣言を
是非まとめるべきだと思っております。
今回は、二〇三〇年アジェンダ、SDGsの達成に向けた犯罪
防止、刑事
司法及び法の支配の推進というのが全体テーマですけれども、先ほどから申し上げておりますように、この分野での日本の国際的なプレゼンスを高め、そして安心、安全な
社会の実現に向けて日本はこれまでたゆまぬ努力をしてきたわけですが、また、この犯罪
被害者の
保護、
支援、そして、先ほどから触れていますが、官民
連携による
再犯防止の
取組にも力を入れているこの国ならではの発信力のある政治宣言を
是非まとめていただきたいと思いますし、
司法外交の新機軸となる、そういう意味あるものを
是非策定、まとめていただきたいと思いますが、どのようにやっていかれるおつもりか、
大臣所信の中でもお触れになっていますが、若干お触れになっていますが、
大臣のお考え、決意も含めてお聞きをしたいと思います。