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2019-11-21 第200回国会 参議院 農林水産委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    令和元年十一月二十一日(木曜日)    午後一時開会     ─────────────    委員異動  十一月十九日     辞任         補欠選任      加田 裕之君     岩井 茂樹君      石垣のりこ君     須藤 元気君  十一月二十日     辞任         補欠選任      宮崎 雅夫君     末松 信介君      須藤 元気君     石垣のりこ君  十一月二十一日     辞任         補欠選任      末松 信介君     宮崎 雅夫君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         江島  潔君     理 事                 高野光二郎君                 堂故  茂君                 舞立 昇治君                 徳永 エリ君                 宮沢 由佳君     委 員                 岩井 茂樹君                 野村 哲郎君                 藤木 眞也君                 宮崎 雅夫君                 山田 修路君                 山田 俊男君                 石垣のりこ君                 打越さく良君                 郡司  彰君                 森 ゆうこ君                 河野 義博君                 塩田 博昭君                 谷合 正明君                 石井 苗子君                 紙  智子君    国務大臣        農林水産大臣   江藤  拓君    副大臣        農林水産大臣  加藤 寛治君    大臣政務官        厚生労働大臣政        務官       小島 敏文君        農林水産大臣政        務官       藤木 眞也君    事務局側        常任委員会専門        員        大川 昭隆君    政府参考人        農林水産省消費        ・安全局長    新井ゆたか君        農林水産省生産        局長       水田 正和君        農林水産省農村        振興局長     牧元 幸司君        水産庁長官    山口 英彰君        環境省大臣官房        審議官      白石 隆夫君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○農林水産に関する調査  (CSF豚コレラ対策に関する件)  (薬剤耐性(AMR)対策に関する件)  (鳥獣被害対策に関する件)  (養殖ホタテガイの大量へい死に関する件) ○肥料取締法の一部を改正する法律案内閣提出  、衆議院送付)     ─────────────
  2. 江島潔

    委員長江島潔君) ただいまから農林水産委員会開会をいたします。  委員異動について御報告いたします。  昨日までに、加田裕之君及び宮崎雅夫君が委員辞任され、その補欠として岩井茂樹君及び末松信介君が選任されました。  また、本日、末松信介君が委員辞任され、その補欠として宮崎雅夫君が選任されました。     ─────────────
  3. 江島潔

    委員長江島潔君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りをいたします。  農林水産に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、農林水産省消費安全局長新井ゆたか君外四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 江島潔

    委員長江島潔君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 江島潔

    委員長江島潔君) 農林水産に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 高野光二郎

    高野光二郎君 自由民主党、高知県と徳島県から選出をいただいております高野光二郎と申します。よろしくお願いします。  さて、二十六年ぶりに、昨年、致死性伝播性が極めて高い豚コレラウイルス感染による豚とイノシシの病気である豚コレラCSFが九月三日、岐阜県で確認され、私は、ちょうど十月四日から農林水産大臣政務官といたしまして、豚コレラのあらゆるリスク想定をしまして、ワクチン接種以外のあらゆる対策対応を試行錯誤の中、当時の吉川貴盛農林水産大臣の下、行ってきました。  豚コレラ撲滅に出口が見えない中、農林水産省職員皆様はもちろん、現場である県や市町村生産者を始め様々な関係者皆さん心身共に大変な御苦労をされております。  今年の九月十一日から吉川大臣の後御就任をされた江藤大臣は、九月二十日には、都道府県判断において自治事務豚コレラワクチン接種を可能にする家畜伝染病防疫指針を見直しを発表いたしました。そして、十月二十五日からワクチン接種推奨地域十二県から順次接種を行っています。  そこで、まずCSFの最近の発生状況、そして、CSF発生した農場では全頭処分となっていますが、これまでに殺処分をした豚の頭数についても併せて御答弁よろしくお願いします。
  7. 新井ゆたか

    政府参考人新井ゆたか君) お答え申し上げます。  CSFにつきましては、昨年の九月の岐阜県の発生以来、飼養豚での発生が、岐阜愛知、三重、福井、埼玉長野、山梨の七県、計五十事例となっております。また、野生イノシシにつきましては、これらの県に加えまして富山、石川、滋賀、群馬、静岡の十二県で発生をしているところでございます。現在までの殺処分頭数は、合計約十五万頭となっているところでございます。  また、一昨日、十九日には、愛知県西尾市の農場におきまして国内五十例目のCSF発生確認されたところでございます。当該農場は十一月六日にワクチン接種済みではございますが、初回ワクチン接種除外対象であります哺乳豚、これは免疫機能が十分に発揮できませんので、生まれた後には大体一か月から二か月の時期に接種をするということになっております、その哺乳豚CSF感染。それから、ワクチン接種豚におきましては、八割が抗体ができておりましたけれども、二割相当の豚で抗体ができていなかったということが確認されているところでございます。発生確認後、防疫指針に基づきまして全頭処分の措置を実施しているところでございます。  このように、予防的ワクチン接種につきましては、出荷二十日前の出荷間際飼養豚については初回は除外する、それから飼養豚については生まれてから一か月から二か月ぐらいのときに接種をするということで行っております。それから、ワクチン接種したとしても一割から二割は抗体ができず感染を完全に防ぐことはできないということでございます。  そういうことでございますので、ワクチン接種実施しても安心ということではなく、感染リスクは常に存在するということで、飼養衛生管理徹底緊張を持ってやっていただくということ、これを現場への周知徹底、丁寧な指導を引き続きやってまいりたいと考えております。
  8. 高野光二郎

    高野光二郎君 水田生産局長にお伺いします。  大変多くの豚が殺処分をされておりますが、国内産の豚におきましては、近年、人口減少においてもその消費量が高くなってきている傾向がある、そして生産高も上がってきている傾向があります。国内豚肉需給価格への影響についてお答えください。
  9. 水田正和

    政府参考人水田正和君) お答えいたします。  CSFにつきまして、これまでの殺処分頭数でございますが、先ほど消費安全局長から答弁ございましたように、約十五万頭ということでございます。これは全国の豚の飼養頭数約九百万頭の一・七%程度ということでございまして、全国豚肉市場価格でございますが、昨年九月以降おおむね安定して推移をしているところでございます。  市場関係者からも、全国的な価格及び需給への影響はないというふうに聞いております。
  10. 高野光二郎

    高野光二郎君 加藤寛治大臣、よろしくお願いします。  私が農林水産大臣政務官を務めさせていただいたときには、ワクチン接種は万全ではない、まずは王道である飼養衛生管理を厳守することが大切だということで、ワクチン接種は行ってきませんでした。  今般、この方針を転換し、ワクチン接種判断に至った理由についてお願いいたします。
  11. 加藤寛治

    ○副大臣加藤寛治君) 高野委員の御質問お答えをいたします。  まず、高野委員におかれましては、約一年間にわたり農林水産大臣政務官として農林水産行政に御尽力をいただいてまいったところでございます。今後とも御指導のほどをよろしくお願いを申し上げます。  従来の防疫指針におきましては、緊急時のワクチン接種のみ認めておったわけでございます。その備蓄についても、短期間に密集地域での発生に必要な量として備蓄していた百万回分と回転備蓄分の五十万回分を合わせて、現有の備蓄が百五十万回分であったわけでございます。  宮崎県において発生しました口蹄疫は、いわゆるパンデミック状態であり、殺処分を前提とした緊急ワクチン接種実施をしたわけでございますが、今般のCSFにつきましては、いわゆるパンデミックのように急速に広がったものではなく、じわじわと広がったものと考えておるところでございます。  しかしながら、九月には埼玉県や長野県においてCSF発生確認されるなど発生地域が拡大したことから、ワクチン備蓄量も勘案をしまして、予防的ワクチン接種実施する方針を決断をした次第でございました。埼玉県及び長野県における発生時には対策本部緊急招集をされました。その後も連日対策本部を開催をいたしまして、省内担当部局だけでなく、省内一丸となって議論を十分に重ねた結論で、決定をいたした次第でございます。
  12. 高野光二郎

    高野光二郎君 新井ゆたか消費安全局長にお伺いします。  ワクチン接種豚は食べても全く人体に影響しない、安全であるということであれば、スーパーなどで不適切な表示がなされないかが重要と考えています。農林水産省として、CSFワクチン接種による表示監視をどのように行っていくのか、お伺いいたします。
  13. 新井ゆたか

    政府参考人新井ゆたか君) 表示監視についてでございます。  これは昨年の九月のCSF発生以来、全国小売店舗地方農政局職員が巡回をしております。これまで大体二万八千を超える店舗を見ているところでございます。例えば、CSF発生している地域豚肉は扱っていませんでありますとか、今回ワクチン接種が行われましたので、CSFワクチン接種した豚肉を扱っておりませんといった不適正な表示確認をした場合には、表示の改善を求めてきているところでございます。  ワクチン接種決定後におきまして、出荷が十一月十五日から始まっております。今後、継続的にこの監視活動をしていこうというふうに思っておりますが、現在のところ、不適正な表示というのは確認されていない状況でございます。
  14. 高野光二郎

    高野光二郎君 関連してお伺いします。  生産者とか関係者だけではなくて、やはり消費者目線というのが必要だと思っておりまして、とりわけ消費者というところにいうと、内食だけではなくて、いわゆるコンビニとかお弁当とかお総菜の中食であったりだとか、あと、ホテルとかレストランとか、最近はデリバリーも入っていますけど、外食であるとか、中食外食はかなり需要が増えてきているんですね。この辺についての対応をちょっとお伺いいたします。
  15. 新井ゆたか

    政府参考人新井ゆたか君) まさに中食外食といったところの需要が増えているところでございます。  防疫指針を改定いたしました十月十五日に、これらの団体中食団体惣菜協会とか弁当サービス協会、それから外食各種団体に不適切な表示、例えば店頭とか商品へのシールあるいは掲示といった表示をしないようにということで通知を発出するとともに、それぞれの会合にできる限り出向いて、事業者の理解を得られるような今活動をしているところでございます。  引き続き、丁寧な情報発信に努めてまいりたいと考えております。
  16. 高野光二郎

    高野光二郎君 加藤大臣、私は食通ではないんですが、食いしん坊なんですけど、ワクチン接種豚は、味とかどうなんですかね、変わらないんですか。
  17. 加藤寛治

    ○副大臣加藤寛治君) お答えいたします。  ワクチン接種の有無によって豚肉の味とか品質に影響が出ることは決してございません。CSFワクチンは、我が国では一九六九年から二〇〇六年までの三十七年間にわたりましてワクチン接種をしていたところでございます。私自身も、よくよく振り返ってみても、これまでワクチン接種した豚の、豚肉を食べ続けてきたわけですが、大変うまかった、おいしかったという思いしかございません。  消費者皆様方にも、是非このおいしい日本豚肉を安心をしてたくさん食べていただきたいと改めてお願いを申し上げておきたいと思います。
  18. 高野光二郎

    高野光二郎君 加藤大臣のそのおいしそうな顔を見て、必ずおいしいと確信をいたしました。ありがとうございます。  新井局長、お伺いさせてください。  輸出ワクチン接種が始まったことで、日本清浄国の地位を失い、豚肉豚肉豚皮、皮ですね、輸出影響が出るのではないかと心配する声が出ていますけれども、どのように対応を取っているのか、お伺いいたします。
  19. 新井ゆたか

    政府参考人新井ゆたか君) 豚の関連商品豚肉及び豚の皮でございますけれども、二〇一八年の実績で申し上げますと、豚肉で約十億円、豚の皮で七十億円弱の輸出が行われているところでございます。  これらにつきましては、予防的なCSFワクチン接種決定した後、接種後も輸出が継続できますように、主要輸出国でございます香港、マカオ、シンガポール、タイ、カンボジアといったところで交渉をさせていただきました。その結果、一定の条件下でこれらの国への輸出の継続が可能という回答を得たところでございまして、この主要国におきます輸出が大体全体の九七%を占めておりますので、これらにつきましては輸出が可能ということで、影響は限定的ではないかというふうに考えております。  また、ワクチン接種県からの聞き取りによれば、CSF発生したことや今回ワクチン接種したことに伴い実際に輸出を断念した生産者はいないということでございまして、今後も事業者のいろいろな話に丁寧に相談に乗っていきたいと考えております。
  20. 高野光二郎

    高野光二郎君 続きまして、ワクチン接種についてちょっと深くお伺いしたいと思います。  国が防疫指針の改定を十月の十五日、江藤大臣の下で行いました。これを都道府県判断、いわゆる自治事務に譲りまして、国がワクチン接種推奨地域の設定をして、国は希望する都道府県に対しワクチンの貸与をする。  豚コレラは遡ること過去二十六年間発生していない状況で、江藤大臣就任時には政府保有ワクチンは百五十万頭分しかなかった。現在、在庫を含めたワクチンの数、そして国内業者での対応ができるのか、また、一回打った後、例えば豚は生後八か月で種付けされて、百十四日から百十六日の妊娠期間を経て、一年で二、三回出産をして、一回の出産で十頭から二十頭の子豚を産むといったようなことでございますが、想定をする需要量を確保するためにどのように対応するのか、お伺いいたします。
  21. 新井ゆたか

    政府参考人新井ゆたか君) 今委員から御指摘がありましたとおり、緊急時に必要なワクチンとして持っておりましたもの、それから回転備蓄分の中で国がワクチン接種を開始したときに保有しておりました百五十万頭分でございます。これらにつきまして、各県のワクチンプログラムに基づきまして順次配付を行っているところでございます。現在、約百三十四万頭分のワクチンを各県に配付しております。したがいまして、現在国が持っているいわゆる在庫という観点から申しますと、約十六万頭分ということになります。  これらにつきまして、ワクチン接種を開始した直後にワクチンの増産をメーカーお願いしているところでございまして、年内に二百五十万回分、それから年度内に追加で二百五十万回分の製造がされる見込みでございます。  今後いろいろなことを考えながら、メーカーと連携しながら安定的にワクチンを供給できるように体制整備に努めてまいりたいと考えております。
  22. 高野光二郎

    高野光二郎君 先ほど御答弁でもいただきました、ワクチンは万全ではないということで、例えば百頭その農場にいれば二割程度、二十頭は効かないと。仮に二十頭が感染をすれば、感染をしていない八十頭も同じ農場と殺処分をしなければいけないということでございまして、飼養衛生管理基準の高位な平準化を始め、あらゆる手段を用いましてCSF撲滅に取り組んでいただきたいと切に要望いたします。  江藤大臣戻ってこられましたので、江藤大臣にお伺いをさせていただきたいと思います。予防的殺処分でございます。  ASF、つまりこれは、アフリカ豚コレラ家畜伝染病予防法では予防的殺処分ができないということでございます。現行法予防的殺処分対象となっている牛の口蹄疫感染スピードがすごく速くて、CSFASFでは感染しない、伝染しない、空気感染があるということで予防的殺処分ができる。予防的殺処分は直接的には生産者の、そして間接的には国民の財産を国が予防として殺処分をするという極めて重い判断であります。  江藤大臣は、国会議員として中心的に口蹄病について深く関与をして撲滅を果たしたと、私も先輩方からお伺いをいたしております。今回は、CSFには非完全だが有効な感染防止のためのワクチンがある、一方で、アフリカ豚コレラについてはワクチンはないというのがASF予防的殺処分が可能となる判断基準になり得ると考えています。  危険極まりないASF対策として、予防的殺処分も含めた家畜伝染病予防法の改正が必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
  23. 江藤拓

    国務大臣江藤拓君) 衆議院会議がありまして遅参しましたことをおわびを申し上げます。  これも検討中としか今のところは申し上げられませんが、予防的殺処分におきましては、当該農場だけではなくて、範囲を決めてワクチン接種する、ワクチンはありませんけど、ASFは。面的に、地域的に、その地域を一斉に殺処分しなければならないということがありますから、家畜伝染予防法の中でしっかり書き込むことがまず基本だと思っております。  ですから、その内容については今いろいろなところで検討を進めておりますので、この場ではっきりやりますというふうには申し上げられませんが、前向きに、委員が御指摘されたような方向で今検討が進んでいるというふうにお答えさせていただきます。
  24. 高野光二郎

    高野光二郎君 藤木眞也政務官にお伺いいたします。  ASF予防ワクチンがない、危険だ、発生した際の対策事前シミュレーション行動計画策定が私は必要だというふうに思っています。豚コレラ対策においても、農水省を始め都道府県市町村養豚団体生産者、企業、流通業者、自衛隊、消防、警察、建設会社等を含めたASF発生前に、発生してしまった際の防疫対策対応計画策定と、法定受託事務自治事務を含めた責任の明確化を図り、県や市町村と十分に共有した上で周知徹底と訓練をすべきであると考えますが、いかがでしょうか。
  25. 藤木眞也

    大臣政務官藤木眞也君) お答えをいたします。  高野委員指摘のとおり、ASF対策に当たっては、関係者一丸となって実施をしていくことが重要だと認識をしております。  農林水産省では、本年十月二十五日に全国都道府県家畜衛生担当を集め、防衛省などの関係機関にも出席をいただき、ASF防疫対策推進会議を開催し、諸外国におけるASF対策事例の紹介であったり、各主体の役割分担発生時における初動体制確認などを行ったところでございます。  具体的には、各都道府県レベルでの発生時のタイムラインの作成であったり、防疫演習実施、また必要な人員体制備蓄資材、埋却地の確保などについて更なる取組の強化を指示したところでございます。  引き続き、関係機関との連携を密にし、緊張感を持ちながら、ASF対策に万全を期してまいりたいと考えております。
  26. 高野光二郎

    高野光二郎君 水際対策も踏まえて、徹底してよろしくお願いを申し上げます。  最後の質問をさせていただきます、新井ゆたか消費安全局長。  今回のこの豚コレラ対策費用の額についてお伺いをいたします。国が全額費用を支出をする、殺処分する豚の市場価格を鑑みての手当金の支給、野生イノシシ経口ワクチン購入散布費用、これは国が全額負担をいたします。これの費用が一つ。そして、国が二分の一の補助、半分を都道府県市町村が見た場合に、特別交付税で八割支援をするといった防疫対策費用である早期出荷促進対策あと防護柵の設置など、これらの対策費用はそれぞれどれぐらい掛かっているのか、教えてください。
  27. 新井ゆたか

    政府参考人新井ゆたか君) お答え申し上げます。  まだ年度途中でございますので、予算枠も含めてお答えをさせていただきたいと思います。  まず、手当金でございます。これは、家畜伝染病予防法に基づきまして全額国が支払うということでございます。現在までの約十五万頭の殺処分につきまして、概算といたしまして約五十億と計算をしているところでございます。それから、野生イノシシ対策、これ、購入それから散布費用を国が全額負担しておりますけれども、これは昨年度末、少し始めておりますので、昨年度と今年度を合わせまして約二十億ということでございます。それから、国が二分の一を負担をしております、それから都道府県負担した場合の五分の四を特別交付税やっておりますが、早期出荷対策防護柵支援等防疫対策費につきましては、国の予算といたしましては約二百十億円の枠を確保しているということでございます。合計をいたしますと約二百八十億円ということでございます。
  28. 高野光二郎

    高野光二郎君 質問を終わります。  本当に、金額ももちろんそうですが、日本食料安全保障の大きな問題でもあります。農林水産省皆さんも大変お疲れだと思いますし、特に現場方々は大変長い期間神経を研ぎ澄まして、すり減らされて頑張っていただいているというふうに思っており、感謝をしておりますが、我々もできることは一緒に共有してやっていきますので、撲滅に向けて最大限努力をしていただくよう心からお願い申し上げまして、私の質問に代えさせていただきます。  ありがとうございました。
  29. 谷合正明

    谷合正明君 公明党の谷合です。CSFASFを中心に質問いたします。  まず、名称変更について確認的な質疑をさせていただきます。  先日の委員会で、豚コレラアフリカ豚コレラ名称、通称についてはCSFASFに改めると、またその理由についても御答弁いただきました。質問は、CSFASF名称変更ということなんですが、家畜伝染病予防法などの法令用語との整合性はどのように整理されるのかについて確認をしたいと思っております。
  30. 新井ゆたか

    政府参考人新井ゆたか君) CSFASFということで、消費者方々に不要な不安や不信感を招かないようにということで、国際的に使用されている名称ということで変更したところでございます。  御指摘のとおり、家畜伝染病予防法におきましては豚コレラ、それからアフリカ豚コレラと規定されているところでございます。これら法律上の名称と、それからいわゆる世の中での名称というのは必ずしも一致をしているということではございません。BSEにつきましては、法律上は伝達性海綿状脳症というふうに書かれておりまして、これら法律上のものにつきましては、全体的に名称をどうするかということは今後検討すべきことではないかなと考えておりますが、呼称につきましては、CSFASFという形で皆様に定着していくように徹底してまいりたいと考えております。
  31. 谷合正明

    谷合正明君 BSEについてお話がありましたので、これも、当初マスコミではマッドカウディジーズということを直訳して、これ狂牛病ということで報道があったと。やはりこれはちょっとおどろおどろしいという、誤解を招くということで、通称というんですか、世の中の呼称としてはこのBSEということで使うようになったというふうに承知をしております。ただ一方で、その法令用語については、今局長が言われたとおり、伝達性海綿状脳症ということになるということであります。言わば、通称はBSE、法令用語伝達性海綿状脳症、俗称が狂牛病のような整理になるかと思うんですね。  そうすると、今回のCSFですけれども、通称はCSFだと。法令用語豚コレラだと。ただ、そもそも豚コレラはちょっと誤解を招くような名前でもあると、そもそも正式な英語名称じゃないという御説明でございました。しからば、法令用語もやはり正式な名称というものが、ふさわしい名称ってあるべきなんだと思っております。  局長の方の答弁、今後検討の課題だというふうにおっしゃられたわけでありますけれども、改めて、これから報道機関等で使っていただく名称CSF、これはこれで結構だと思うんですけれども、しっかりこれを浸透させていくということで結構なんですけれども、法令用語についてもやはり問題意識というのは私持っているんですけれども、今後ここをどうするかということについて改めて御答弁いただきたいんですけど。
  32. 新井ゆたか

    政府参考人新井ゆたか君) 法令用語につきまして、私ども、どのようにするか今研究をしているところでございます。なかなか、このローマ字とか片仮名というものを法律上で使うことに対するいろいろな制約というのもございます。  それから、また新しい和名を付けた方がいいのではないかというような御意見もありまして、これは実際に獣医学の学会というのもございますので、それらの方々の専門的な知見、それから法律上どのような表記ができるのかというもの含めまして少し検討検討というか勉強をさせていただきたいと考えているところでございます。
  33. 谷合正明

    谷合正明君 しっかりよく研究していただきたいなと。私、アフリカに暮らしたこともあるものですから、アフリカの方にとってみたら、日本アフリカ豚コレラということが法令用語になっていること自体どうなのかなというふうに、そういうことを問題提起、国際的にされているかどうか知りませんけれども、私自身そういう問題意識を持っているということも紹介させていただきたいと思っております。  さて、防疫指針の改定でございまして、今後このCSFをどうやって封じ込めていくのかということが、本当に大臣のもう恐らく頭の中の、ほとんどって失礼かもしれませんけれども、大宗、このCSF対策って今本当に喫緊の緊急的課題ということで、だというふうに私自身想像させていただいているわけであります。  さて、この封じ込めでありますけれども、十月十五日から推奨地域においてはこの養豚へのワクチン接種が可能になったということで、新たな段階、フェーズになってきたということであります。ただ、これで飼養衛生管理徹底が緩むことがあってはならないということでありまして、しっかりこの飼養衛生管理徹底、またこの病原体を媒介する野生イノシシ感染撲滅していくということが肝でございますから、しっかりこのCSF封じ込めに向けた今後対策を講じていただきたいわけでありますが、この点について改めて決意を伺いたいと思っております。
  34. 江藤拓

    国務大臣江藤拓君) 日本の場合は非常に山が急峻だという事情があって、経口ワクチンも、一生懸命穴を掘って埋めるという作業を自治体にも御協力いただいて一生懸命やりましたが、しかし、どうしても到達できない地域があるということでありまして、日本では初めてですけど、自衛隊の御協力が得られることになりましたので、もう機種も決まりました。もうほぼほぼ日程も、まあ天候の事情がありますけれども、第一回の散布が今月中には始まります。空中からも経口ワクチンを散布させていただくことにして、それも今度こそ全ての地域の当該都府県、自治体の方々の御理解をいただいて、ベルトにして、そこから外には出ないように万全の、万全というものはなかなか自然相手ですから難しいですけれども、できるだけの手だてをしたいと思っております。  そしてまた、養豚農家そのものについても、国からの支援、それから当該都道府県の自治体の支援を併せて、農家の御負担もかなり小さい形で今進んでおりますけれども、それもまだ完全ではありませんので、徹底させていただきたいと思っております。  そしてまた、家伝法上にありますように、埋却地をしっかり確保することはこれ義務になっております、飼養する場合にですね。しかし、調査をしますと、はっきりとした埋却地の予定がないという回答も幾つか見られますので、そういったことも、なるべく距離が離れていない近接したところに埋却できるように指導もしたいと思っております。  そしてまた、ASFの御質問でもありましたけれども、起こったときに、どこに誰がどういう段取りで処分をし、埋却するのか、そういったシミュレーションもしっかりやっていく。もうやることはたくさんあります。例えば、種豚を移動させるときにどうやって交差汚染を防ぐのかとかですね。話が長くなりますからもうやめますけれども、あらゆる最悪の事態を想定して、何としても一年でも早く、一か月でも早く撲滅に向けて努力をしたいと考えております。
  35. 谷合正明

    谷合正明君 もうあらゆるケースを想定してできる対策を打っていくということ、大臣、に答弁尽きるんだと思うんですけれども。  その一方で、前回、私の委員会質疑でも、ちょっと質問まではできなかったんですが、徳永先生と同じ質問になるんですけれども、種豚と精液の域外流通についてなんですけれども、先日、大臣の方から、精液については検討の余地があるのではないかというような御回答もありました。  ちょっと、具体的にどのような検討状況なのかということについて、改めて教えていただきたいと思っております。
  36. 江藤拓

    国務大臣江藤拓君) まず、安心が、安全が確定されなければ出せないということが大前提でございます。それは種豚と同じ扱いでございます。  ということでありますから、私は牛の世界のことは結構よく知っていて、マイナス百九十度とかそういうところまで温度を下げますので、そうしますとほとんどのものは不活化しますので、そういう手段もあるのではないかということで、専門家の方々の御意見も伺いながら、この豚の精液についても、また受精卵についても移動させる手段はないかということで今必死に検討をしております。  この間、徳永先生のときには何とかなるのではないかという前向きな発言を実はしたんですが、どうも雲行きが怪しいです。私、科学者でもないし疫学者でもないんで、私が決めることではなくて、やっぱり専門家が大丈夫だと言えば決めますけれども、しかし、それがきっちり担保されないとやはりこれの移動についてゴーサインは出せないので、もうしばらくは結論まで待っていただくことになると思いますが、徳永先生との質疑をさせていただいたときと比べると三歩ぐらい下がったかなと思っていただいた方がいいかなと思います。
  37. 谷合正明

    谷合正明君 この後、徳永先生が今日は質問されるということなんで、そっちの方に譲りますけれども、また別の観点で質問したいと思うんですね。  ジビエ対策、ジビエ振興ということなんですけれども、CSF野生イノシシに広がっております。一方で、このジビエについては倍増目標ということで、ジビエの流通倍増目標ということで今やっております。実は、昨日から第六回日本ジビエサミットが東京都内で開催されております。私もちょっと出させていただいたんですけれども、こういう状況の中で、やはりジビエに関わっていらっしゃる方も、当然CSFを終息させるというところはもう一致しているわけであります。  ただ一方、こういう状況の中で、ジビエの推進、大臣の所信にもあったこのジビエの推進というのは本当に大丈夫だろうかというような私心配を持つんですけれども、この点についていかがでしょうか。
  38. 牧元幸司

    政府参考人牧元幸司君) お答えを申し上げます。  農林水産省では、今委員から御指摘いただきましたように、平成二十八年度から令和元年度までにジビエ利用量を倍増させるという目標を掲げておりまして、その達成に向けて、現在、ジビエ利用モデル地区といったようなところで処理加工施設の整備による供給力を増大するということ、あるいは国産ジビエ認証の取得促進によりまして衛生管理の高度化をやるというようないろいろな方策を講じているところでございます。関係者皆様方の大変な御努力もございまして、平成三十年度のジビエ利用量は、二十八年度から比べますと約一・五倍、一千八百八十七トンまで伸びてきているところでございます。  また、委員から御指摘いただきましたように、昨日からは第六回日本ジビエサミットということで、これは大変多彩なプログラムが展開されておりまして、外食業界の皆様方を始め大変多くの方に来ていただいているところでございますけれども、このようなプロモーション活動、先月にはジビエ利用拡大フォーラムとかジビエペットフードシンポジウム、こういうものも開催をさせていただいているところでございます。  一方、委員指摘のように、現在、CSFが拡大をする中で、このジビエ利用、大丈夫なのかという御心配の声も聞かれているところでございます。この点につきましては、もちろん家畜防疫に十分配慮するということが大前提でございますけれども、例えばそういうCSF確認しているような地域におきましては鹿利用を拡大するとか、なるべくその当該地域でジビエ利用ができる限り利用できるような形での対応をやっていきたいというふうに思っているところでございます。  これらによりまして、とにかくこの捕獲鳥獣を地域資源として有効に活用していくということで、更にしっかり取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
  39. 谷合正明

    谷合正明君 牧元局長もよく御存じだと思うんですけれども、昨日、私は石川県のある加工施設の方とお話をして、そこは要するにジビエのモデル地区にも指定されているところでして、今年から始まる、年間千頭のイノシシを処理してジビエに回していくという計画で、国のそのモデル地区の指定を受けて始まったところなんですけれども、しかし、石川県では御案内のとおり野生イノシシ感染というのが確認されていまして、実は今一頭も入ってこないような状況であります。  これは、しかも、鹿の利用ということでおっしゃられましたけれども、ここは鹿がちょっと入ってこないところでして、イノシシがオンリーなものですから、そこで実際地域おこし協力隊の方々なんかが元々ジビエ振興のために雇われているような状況でありまして、何とか宝の持ち腐れにならないような形でいろいろ知恵と工夫を出していかなきゃならないなというふうに思っておりますので、是非、農水省においてもそうした、面的に見ればそう大きな影響はないのかもしれませんが、ちょっと個別で見ますとかなり影響を受けているところもありますので、よく配慮いただきたいというふうに思っております。  次に、ASF対策に移りたいと思っております。  現状の家伝法でASF対策は十分なのかという議論がこれまでもありました。また、高野先生の方からもありました。まず、このASF対策への万全な措置というものを求めたいと思っております。  そして、家畜防疫に関しまして、ASFあるいはCSFのみならず、水際の検疫体制の強化でありますとか、あるいはこの野生イノシシの捕獲の強化でありますとか農場におけるバイオセキュリティーの向上など、今こういう危機的な状況を迎えているわけでありますから、この度の補正予算の編成においては、当初予算では足らざる部分があると思います。この補正予算、しっかりと組み込んでいくということが重要ではないかというふうに思っておりますが、この点について伺います。
  40. 加藤寛治

    ○副大臣加藤寛治君) お答えいたします。  家畜伝染病予防法上、ASFは特に伝播力が高く病原性の強い疾病として位置付けられております。  ASF防疫指針によりまして、万が一国内発生した場合には、早期発見と患畜等の屠殺や死体の焼埋却等によりその蔓延を防止することとされております。また、法に基づく輸入検査等の水際対策によりまして、国内への侵入防止を図っているところでございます。  まず、早期発見につきましては、十月の十五日にASF防疫指針を改正をしまして、各都道府県における検査体制を強化するとともに、死亡イノシシ又は飼養豚でのサーベイランスを実施をしておるところでございます。  加えて、農場への侵入防止対策として、各地での農場防護柵設置に対する支援と併せて、野生動物侵入防止対策の義務化を含む飼養衛生管理基準の見直しとか、自然公園やキャンプ場において残飯を通じたイノシシへの感染拡大を防ぐためにごみ箱対策等の措置も関係省庁と連携をして取り組んでいるところでございます。また、防衛省も参加して全都道府県の埋却地や資材のチェック、タイムライン確認を進めているところでもございます。  ASFは、今年の九月には隣国である韓国でも発生確認をされるなど、侵入リスクは最大限に高まっておるという認識でございますので、現在感染が拡大しているCSFASFにかかわらず、家畜防疫に関する予算については十分に検討をしてまいりたいと、このように考えておるところでございます。
  41. 谷合正明

    谷合正明君 続きまして、AMRについて伺います。  今、人類の脅威として薬剤耐性、AMRがクローズアップされているところであります。抗菌薬が効かない耐性菌は抗菌薬の使い過ぎによって世界中で生まれていて、対策を講じなければ、二〇五〇年に世界全体で年間一千万人が耐性菌による結核や肺炎で死亡するとの予測もございます。今、WHO、また今年のG7などの会議では世界的な課題になっているところであります。  そこで、このAMR、薬剤耐性とは何か。また、AMR対策を進める上で、なぜ、人と動物の保健衛生の一体的推進、すなわちワンヘルスアプローチが重要なのか。さらに、今月、十一月は政府のAMR対策月間でもございます。畜産分野、水産分野を抱える農林水産省として、このAMRへの対策をどのように進めていくのか、基本的な見解を伺います。
  42. 江藤拓

    国務大臣江藤拓君) 谷合先生は大変、副大臣時代にもこのことは大変熱心に取り組まれておられたというふうに伺っております。  AMRとは何かというまず基本的な御質問がありましたのでお答えいたしますが、これは、効くはずの抗菌剤が効かなくなる、薬剤耐性又はAMR、アンティクロ、ちょっと、よう読まぬです、済みません、と呼んでおりまして、抗菌剤が効かない細菌であります。  薬剤耐性菌が引き起こす感染症の増加は国際的な脅威、今おっしゃったようにWHOとかG7、それからNHKの特集とか民放でも私も見たことがありますが、とにかく、抗生物質というものは人類の最大のこれはもう発明品と言われているものでありまして、人類の命を長らく守ってきたものでありますけれども、このAMRの問題は動物も人間も関係がないと、この垣根を越えたものでありますので、そのワンアプローチということが必要でありますから、厚労省ともしっかりと連携してやらせていただくということは先生もよく御存じのことだと思います。  特に、今月はこの薬剤耐性対策推進月間、十一月はそういう月にまたなっておりますので、まずやはり国民の方々にもこのことの問題意識というものをしっかり持っていただく努力もしなければなりませんし、この対策について一生懸命頑張ってくれている優良事例もありますので、この間の十一月の九日には藤木務官から大臣賞の授与なども行って、啓蒙活動にも力を入れているところであります。  平成二十八年の四月に関係閣僚会議決定いたしました薬剤耐性対策アクションプラン、これがありますので、これに基づきまして更に内容もブラッシュアップしながら対策を進めてまいりたいと思っております。
  43. 谷合正明

    谷合正明君 私が伺った国際保健の専門家からは、日本はワンヘルスアプローチ、人と動物の医療の、保健衛生の一体的な推進ですけれども、これは比較的優れているという御所見いただきました。しかし、幾ら農水省と厚労省が連携しても、これは日本だけで完結できる話ではございません。実際に、畜産大国、畜産頭数の多い中国、米国、ブラジルでは抗生剤の使用が多いわけでありますし、またAMRの発生リスクの高いのはアフリカ、アジアということでありまして、国際社会との連携というのが重要になってきます。  我が国の知見を生かした国際貢献をどのように進めていくのか、この点について伺います。
  44. 新井ゆたか

    政府参考人新井ゆたか君) 御指摘のとおり国際協力が必要ということで、平成二十八年の閣僚会議におきましても、国際協力を六つのうちの柱の一つということで行われているところでございます。  我が国は、動物の分野におきましてはOIEを通じて国際的な連携をしています。世界各国の研究者を集めて研修をするということもやっておりますし、特に、御指摘がありましたアジアにおきましての連携というのを深めております。日中韓の三か国につきましては、耐性のワーキンググループというのを設置いたしまして、平成二十九年から各国の対策や課題について定期的な意見交換をしているということでございます。  これまで蓄積された日本の知見と経験を生かしながら、引き続き国際社会と連携して薬剤耐性対策に努めてまいりたいと考えております。
  45. 谷合正明

    谷合正明君 しっかりとやっていただきたいと思っております。  先ほど大臣の方から、AMRの対策のアクションプランについて言及をいただきました。これは二〇一六年から二〇二〇年までの五年間の計画でございまして、ここには農林水産省に関わる取組目標というのが幾つか掲げられております。例えば動物医薬品検査所の基幹検査機関としての体制強化でございますとか様々な目標が掲げられているわけでありますけれども、今、二〇一九年ということでちょうど中間を過ぎているところでございますが、これらのアクションプランの進捗状況について最後確認させていただきたいと思っております。
  46. 新井ゆたか

    政府参考人新井ゆたか君) お答え申し上げます。  アクションプランの中で、動物分野につきましては、まず抗菌剤の使用を必要最小限とする指導の強化、それから薬剤耐性に関する監視、動向調査の充実、三番目といたしまして、養殖業者が抗菌剤を購入する際に獣医師などの専門家の指導書を必要とする仕組みの導入ということが特に行うべきことというふうにされているところでございます。  御指摘のありました基幹検査機関であります動物医薬品検査所につきましては、アクションプランの決定後、これまで家畜で実施していた監視、動向調査を愛玩動物や養殖水産動物の分野にも拡大をいたしました。それから、遺伝子を解析するための先端機器を導入いたしまして調査体制を強化し、この動向調査を公表しているところでございます。  それから、国際協力、あと人の保健衛生分野との共同研究というのも推進しておりまして、このような活動を更に強化してまいりたいと考えております。
  47. 谷合正明

    谷合正明君 時間になりましたので、終わります。以上です。
  48. 宮沢由佳

    ○宮沢由佳君 立憲・国民.新緑風会・社民の宮沢由佳です。喉を痛めてしまって、聞きづらくて申し訳ございません。  本日は、CSF豚コレラ影響について質問いたします。  十一月十六日、私の地元山梨県でも豚コレラ発生いたしました。おととい、十九日には、県内の養豚農家で発生した豚コレラ防疫措置につきましては完了したとの連絡をいただきました。国や山梨県、関係の皆さんが一生懸命防疫措置を行っていただいたことに心から感謝と敬意を表します。また、国内豚コレラ発生してからこれまで、現在も関係の皆さんが懸命に防疫措置にお取り組みいただいています。水際でアフリカ豚コレラなどが国内へ入らないように御尽力いただいている方々もいらっしゃいます。重ねて敬意を表したいと存じます。  しかし、一方で、なぜ防げなかったのか、なぜもっと早くワクチン接種に踏み切らなかったのかという対策の遅さを指摘する声があちらこちらから聞こえてきます。六百八十八頭の豚を殺処分した養豚農家の方が、豚コレラでいきなり強制終了となってしまった、経験したことのないむなしさ、悲しみ、寂しさが心を覆っていると語り、廃業を決めたそうです。国が示す衛生管理基準を満たすには莫大な投資が必要であり、もしも再び殺処分となり周囲に大きな迷惑を掛けるリスクを負うことはできないと、何十年も続けてきた養豚に見切りを付け、仕事を探し始めるそうです。また、何百人もの人が小さな畜舎に集まって数百頭の豚を殺処分する光景は思い出すのもつらいという声があります。まだ発症していない養豚農家の方も、こうおっしゃっています。朝起きて豚舎に行くのが怖い、もしも豚コレラだったら、そんな毎日がもう一年近く続いていると、つらい思いを語っています。  これらの今苦しんでいる養豚農家に寄り添う農政が必要だと考えますが、大臣から苦しんでいる養豚農家への思いを聞かせてください。
  49. 江藤拓

    国務大臣江藤拓君) なかなか、思いを聞かせてくれと言われるとなかなか難しいんですが、私のところでも口蹄疫などを経験いたしております。私のところは予防的殺処分ワクチン接種します、健康な豚にですね。そして、ワクチンを打ったのに殺処分をすると。それはもう悲惨な世界でありまして、私の例えば酪農家の友人なんかは、明日殺処分する予定の牛の背中をなぜながら畜舎で一晩を過ごし、泣きながらその場面をですね、ちょっと思い出すと私もちょっとエモーショナルになってしまうんですけど。  ですから、どれほどのおつらい気持ちをされておられるかについては、政治に責任がないとは申しません。私たちには責任があります。決断が遅かったというふうに現場の方からお叱りをいただければ、それはしっかり受け止めなければいけないと思っております。  そして、なかなか養豚農家も、近代的な例えばウインドーレスの養豚をやっている方もおられれば、昔ながらのいわゆる養豚業をされている方もおられる。いろんな経営形態があって、なかなか難しい。自分のところは一生懸命やっても国が求める飼養衛生管理基準には到達できないと、施設が古いから到達できないんだという方もおられたことも事実だろうと思います。国はこれをやったら安心ですよと言うけれども、こんな古い豚舎でどうやってやったらいいんだと、設備投資する金もないじゃないかということも多分にあって、そういう方に関しては行き届かなかったことが多分にあったと思います。  しかし、例えば早期出荷対策などについては、相当な値段を決めさせていただきました。例えば豚だったら、大人の豚と子供の豚じゃ当然値段が違いますけれども、大きい小さい関係なく一頭幾ら、一頭三万九千円。これは相場ではちょっと考えられない数字です。だから、金払ったからいいとは申しません。でも、できるだけのことは、私がこのポジションに就く前も、前の大臣も懸命にやられていたと思います。  しかし、結果としてこれだけの地域に広がって、さらにワクチン接種した愛知でもやはりまた侵入してしまうという事態になっておりまして、非常な御苦労を掛けております。  話が長くなって申し訳なかったんですが、とにかく、頑張っていただけるお気持ちを持っている方にはしっかり支援もさせていただこうと思っておりますので、おわびを申し上げながら、頑張っていただきたいという気持ちでございます。
  50. 宮沢由佳

    ○宮沢由佳君 ありがとうございます。  大臣が養豚農家の気持ちを共感していただける方でよかったと思います。  ただ、先日、豚コレラに関しての政府からのヒアリングで、ワクチン接種が遅かったのではないかとの問いに対して政府側から、反省すべき点が多いということを言われました。今、大臣の言葉からも反省すべき点があるということでしたが、これは、今、大臣を責めようとか今の体制を責めようとかではなく、今後また同じようなことが起きないように反省すべき点はきちんと反省していかなければいけないということを聞きたいということです。  もう一度、つらい答弁いただきたいと思いますけれども、反省すべき点は何なんでしょうか。
  51. 江藤拓

    国務大臣江藤拓君) やはり、これは難しいんですよ。じゃ、前大臣の取ってきた対策が間違っていたかと言われれば、じゃ、間違っていたと私は断言はできないです。予防的ワクチンを打つということは、先ほど申し上げましたけど、健康な豚にもワクチンを打つ、発生したところだけじゃなくて、これはもう家伝法上書いてありませんから、そもそもできませんけれども。それは、パンデミック、いわゆる爆発的に人間の英知の及ばないスピードでどっと広がっていくので、これはもう予防的ワクチンを打つしかほかに手がないという状況だったかと言われれば、もう大丈夫かなと思って一か月ぐらいたつとまた次が出るとか、本当に真綿で首を絞めるかのような、結局首は絞まったんですけど、ゆっくりゆっくり首を絞められたような感じだったと思うんです。  ですから、農水省も吉川大臣もなかなか、随分迷われていた場面にも私も立ち会いましたけれども、しかし、何を反省したらいいのかと言われるとなかなか、私のしたことであれば幾らでも反省をいたしますが、前大臣のことでありますので、とにかく結果を見てこうなっているということでありますので、詳細については、申し訳ありませんが、どの点についてと申し上げることはちょっと避けますけれども、反省いたしております。
  52. 宮沢由佳

    ○宮沢由佳君 大臣をいじめても仕方がありませんので、国として、大臣が替わってもやはり反省すべき点、これは継続しているというふうに思います。  次に、豚コレラがこれまで拡大した原因について、野生イノシシをよく取り上げられていますけれども、カラスやイタチなど野生動物が介してウイルスが豚舎に侵入するということもあるんでしょうか。
  53. 江藤拓

    国務大臣江藤拓君) 十二分にあり得ると思います。  例えば、CSFに罹患したイノシシが排せつしたものの上をイタチやタヌキが通る、若しくは虫が通る、鳥が踏む、それでもウイルスがそのものに付着する可能性は全く排除できません。ということであれば、もっと言えば虫の可能性がないのかと言われれば、虫の可能性もあります。もちろんネズミの可能性もあります。  ただ、ですから、なかなかこれまでのいろんな、口蹄疫やBSEやいろんなこと、鳥インフルエンザ等起こってきましたけれども、感染経緯が明確に解明されたことは、残念ながらこれまでありません、それが一つの大きな問題なんですけれども。  そもそもは、これ神様が悪いと私は思っていますのでね、どこからやってきたか分かりませんけれども。病気とかそういうのもそうじゃないですか、ウイルスは人間が作ったものではそもそもありませんので。ですから、そういう可能性は排除はできないということでございます。
  54. 宮沢由佳

    ○宮沢由佳君 小動物やそれから虫、また靴、また人、そして車、様々なものが介入、侵入するという可能性があるということでした。  既に検討されていると思いますけれども、今後の防疫につながるようにしっかりと検証して、神様のせいにしないで、そして、やはり清浄国にこだわった、そこは今後また同じようなことが起きないように、しっかりと検討していただきたいというふうに思います。  野生のイノシシワクチン空中散布、また、先ほど埋めてというお話もありましたけれども、これのことについて伺います。川への影響、水への影響はありますでしょうか。また、野山で遊んでいる子供たちが口にしてしまう危険はありますでしょうか。
  55. 江藤拓

    国務大臣江藤拓君) 空中散布、場所については、当該の自治体の皆様方に御意見をいただいて、詳細にこれは検証させていただくということになっております。勝手に我々が行って、ぱらぱらぱらとまいて、どこにまいたかも分からないと、そんな無責任なようなことはいたしません。例えば、子供が簡単にアプローチできるようなところにはもちろん駄目ですし、河川等に影響が出るようなところ、基本的にはありませんが、基本的にはありませんが、河川等に落ちてしまうようなことはないように十分注意してやることになっております。  ですから、その高度についても、余り高高度でまくと散らばりますので、高度についても、アメリカまで行って研修もさせて、どのような高度が適切か結論を得ております。
  56. 宮沢由佳

    ○宮沢由佳君 今、トレイルランですとか山登りとか、かなり森林の中に入っている人たちが多い中で大変心配ですので、是非安全を守って進めていただきたいと思います。  次に、風評被害について伺います。  風評被害について、大臣はどのような対応を取られているでしょうか。豚コレラCSFと呼ぶようになったのも風評被害対策というふうにお聞きしました。また、先ほども安全局長の方から、スーパーなどでの不当な表示に対しても目を光らせているというお話もありましたけれども、それ以外の風評対策についてお聞かせください。
  57. 江藤拓

    国務大臣江藤拓君) 詳細は申し上げませんが、実は省内で風評被害対策についていろんなアイデアを用意しておりました。それは、起こるのではないかと思っていたんです、正直なところですね、排除できないんじゃないか。ところが、今もう実際に屠畜場で、卸の段階ですけれども、肉の取引は始まりました。しかし、価格を見ると少し高くなっているんですよ、実は。ということであれば、まだ小売の段階でどのような取扱いをされるか分かりませんので、最終的な結論を出すのは早いと思っておりますが、用意はしています、メディア系に訴えるようなツールをですね。しかし、それを出すことによってもう一回、消費者方々がこのCSFのことをもう一回思い出してしまうのは逆効果ではないかという考えもあって、今のところは表に出しておりませんが、必要があればいつでも打てる準備だけはいたしております。
  58. 宮沢由佳

    ○宮沢由佳君 是非、風評被害対策お願いいたします。  養豚農家が何を必要としているのかをしっかり確認していただきたいと思います。豚コレラ発生した養豚農家や、移動制限、拠出制限区域内外での養豚農家に対し、必要な支援に関して直接養豚農家から要望を聴取しましたか。いかがでしょうか。
  59. 江藤拓

    国務大臣江藤拓君) いろんな県の方が来られますので、その中に養豚農家の方々も当然入っておられて、たくさんの方にお会いしました。それから、養豚協会は、全部の養豚家が入っているわけではありませんが、大体五割ぐらいの養豚家が加盟している大きな団体ですけど、そこの会長とは相当な回数会って、接種県、接種以外の県、隣接県、それ以外の九州や北海道の人たちがどのような思いでこれを見ているかというような意見交換はかなりまめにやってきたつもりでございます。
  60. 宮沢由佳

    ○宮沢由佳君 ありがとうございます。是非続けていただきたいと思います。  豚コレラ発生した養豚農家では、国等の支援いかんで再建するかどうか迷っている方がいらっしゃいます。地域の養豚産業への影響も大きいです。今国が行っている支援策では養豚農家の再建への積極的意欲がもう一つ喚起できないのではないかと推察されます。苦しんでいる養豚農家に寄り添う、農家の要望に踏み込んだ支援策を打ち出していただきたいのですが、いかがでしょうか。
  61. 江藤拓

    国務大臣江藤拓君) これにつきましては、家畜疾病経営維持資金というのがございます。これについては国が出しますんですけれども、自治体がそれに対して上乗せでやっていただけると、結果として養豚農家は無利子で融資も受けられるようになります。こういったものと、あと、互助基金の方で九か月分の固定費の補填もありますので、そういったものを使っていただけると再建への一助となるんではないかと考えております。
  62. 宮沢由佳

    ○宮沢由佳君 再建するか、養豚、畜産をやめてしまうか、本当に、瀬戸際の方が増えているのは本当に残念なことです。是非、大臣の方からも背中を押していただけたらうれしいです。  次に、豚の殺処分の作業に関わった職員たちの疲労、また精神的なショックも耳に入ります。豚の殺処分の作業は心理的な負担も大きく、体調を崩す職員もいるそうです。こういった様子は大臣の耳にも届いていますでしょうか。心理的なダメージに対して国はどのような対応を取っているでしょうか。
  63. 江藤拓

    国務大臣江藤拓君) その場がいかに修羅場であるかは私はよく知っております。豚はすごく動きが速く、しかも、鳴き声はとってもとっても聞くに堪えない悲しい鳴き声を出します。それを豚舎は、下が、例えば堆肥がある程度、ふんとかがたまっているとべちゃべちゃになりますので、そこを駆け回っているものを捕まえて、それを殺処分する作業というのは、これはもう心的、何というんですか、PDSでしたっけ、に類するようなダメージを宮崎県の県の職員も共済の職員もみんな負いました。  これについては、我々としてもケアする必要があると思いますが、まずは都道府県方々とこういうことについても意思の疎通をしっかりして、県の方でまずは一義的には御対応いただくことになりますけれども、国でできることがあればあらゆるサポートをしていきたいと考えております。
  64. 宮沢由佳

    ○宮沢由佳君 現状を知っている大臣だからこそ、是非この辺りの支援お願いいたしたいと思います。  次の質問は大変答えにくいとは思いますけれども、豚コレラの終息の見通しについて、大臣の、どのようにお考えか、お聞かせください。
  65. 江藤拓

    国務大臣江藤拓君) CSFの終局につきましては、ヨーロッパの例を見ても大変な時間が掛かっております。  アメリカに経口ワクチン空中散布のための研修に行かせました。農林省から一人、それから防衛省から三人。その研修した人間から話を直接聞いたんですが、これは狂犬病を撲滅するための空中散布なんですけど、目標年度が二〇五五年だそうです。テネシー州ですが、二〇五五年目標で空中散布をしているというのを聞いて、ちょっと、えっと正直思いました。そんな時間は掛けられないです。掛けられないけれども、しかし、それは一つの目安にならないこともないなと思います。  ですから、いつまでということはもう断言とてもできませんけれども、終息を目指すからには一日も早い終息を目指すと。これは当たり前の話ですので、今やれることについては全部出し尽くしているつもりですけど、例えば経口ワクチンについても、今輸入なんですよ、ドイツ製で。で、高いんです。ですけど、これも国産に振り替えようと思って、今一生懸命お願いもしています。  それから、ワクチンについても、工場でこのCSF対策ワクチンの製造をお願いしているがゆえに、本来作りたいワクチンを工場が作れなくなっているんですよという事情もあるんです。  ですから、そういう工場にも財政的な支援をして、設備投資について支援をするとか、いろんなことを総合的にやることによって、もちろん基本は飼養衛生管理基準徹底ですけれども、頑張って、早く終息に向けて頑張りたいと思っております。
  66. 宮沢由佳

    ○宮沢由佳君 是非よろしくお願いします。  質問を終わらせていただきます。
  67. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 皆さん、お疲れさまでございます。共同会派、国民民主党の徳永エリでございます。  先ほど、大臣、神様のせいというふうにおっしゃいましたけれども、今感染が拡大していて、そして、終息まで十年掛かるか二十年掛かるか、あるいは三十年掛かるか分からないという非常に危機的な状況であります。そんな中、私のところにも全国の養豚農家の方々から連日のようにお電話をいただいておりますけれども、発生していない養豚農場方々も大変に疲弊しておられます。  そういう中で、この問題を農林水産大臣として先頭に立ってしっかり対応していかなければいけない江藤大臣が神様のせいとおっしゃるのは、ちょっと責任回避のようにも聞こえます。これは訂正をしていただきたいと思いますが、いかがですか。
  68. 江藤拓

    国務大臣江藤拓君) 訂正いたします。間違いでした。前言撤回が許されるのなら、議事録からも削除していただけるなら削除していただきたいと思います。  ただ、一つだけ思いを、言い訳ではなく聞いていただければと思うんですが、本当に口蹄疫のときに、何でこんなことが宮崎で起こるんだと強く思ったんです。それがあって、そういう発言をしてしまいました。
  69. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 大臣のお立場で今いろんな状況を見ていて、お気持ちは分からないことはないです。でも、言っちゃいけないことってあるんです。そこだけお気を付けいただきたいと思います。  それから、先ほど高野委員から口蹄疫についてお話がございました。二〇一〇年、口蹄疫宮崎県で発生したときは民主党政権でした。大変に重たい判断でありましたけれども、特措法を制定いたしまして、そしてワクチン接種をし、ワクチン接種した家畜も殺処分をし、予防的殺処分も行ったわけであります。そして、発生から僅か四か月で終息に至ったということでありまして、いろんな間違った情報がインターネット上でも流れておりますけれども、私たちもあのときには相当苦労して、そして対応したということを改めて確認をしておきたいと思いますし、大臣は恐らく宮崎ですから御存じだというふうに思っております。  そういう中で、私はやっぱりワクチン接種大臣にとっても重たい決断だったと思います。清浄国でなくなる、長い間清浄国に復帰するまでには時間が掛かる、莫大なお金も掛かるわけでありますから。ですから、大変に重たい決断をしていただいたということは評価したいと思いますけれども、どうして岐阜愛知発生したあのときに、もっと早い時期にワクチンを打てなかったんだろうと。あのときワクチンを打ってワクチン接種ベルトを構築してしっかり対応していればこんなことにならなかったんじゃないかということを大変に私は悔しく思いますが、大臣、いかがでしょうか。
  70. 江藤拓

    国務大臣江藤拓君) 過去を振り返れば、これまでの経緯を振り返れば、あのときにこうしておけばよかったということはあると思います、それは。  しかし、繰り返しの答弁で恐縮ですけれども、基本的にパンデミックではなかった、そして、飼養衛生管理基準をきちっと守っていただければ抑えられると、最初は私もそう思いましたですよ、最初岐阜で出たときには。飼養頭数もそんなに多くないし、岐阜自体がですね。隣で出て、愛知に出たときはもう海側にべらっと集中していますから、これはまずいというふうに思いましたけれども。  あの段階での接種という考え方もあったかもしれませんが、そのときの農水省の責任者とそれから農林水産省職員が熟慮を重ねた結果、飼養衛生管理基準徹底と、あと早期出荷への御協力という形で知恵を絞ってやったんですけれども、しかし、結果、現在に至っているわけでありますから、大変、繰り返しになって恐縮ですが、過去との連続性ということはあります。前の大臣だから私には責任がないとは全く思っておりません。これ、政権が替わっても国民にとっては同じですし、大臣が替わっても国民にとっては同じですから。私の責任も含めて痛感いたしております。
  71. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 先ほどもお話ございましたけれども、十九日に愛知県の西尾市の養豚場でCSF豚コレラ感染哺乳豚から新たに確認されました。この養豚場では既に、肉豚というんですか、大人の豚といったらいいんでしょうか、ワクチン接種していたということですが、なぜ哺乳豚感染したのか、感染確認されるまでの経緯と対応について改めてお伺いしたいと思います。
  72. 新井ゆたか

    政府参考人新井ゆたか君) 今月十九日に愛知県の西尾市で発生した農場状況でございます。  ここの農場におきましては、十一月六日にワクチン接種をしておりました。初回ワクチンにつきましては、哺乳豚につきましては、生まれて間もない哺乳豚免疫機能が十分に発揮されないということですので、生後一か月から二か月目に達したところで打つということでございますので、哺乳豚につきましてはワクチン接種しておりません。この接種除外対象哺乳豚CSF感染をしたということ。  それから、ワクチン接種していた豚でございますけれども、八割相当は抗体ができておりましたが、二割のものについては抗体ができていないという状況が現在確認されているところでございます。  詳細のこれからの遺伝子の解析、それから疫学についてはこれからと、現在やっておりますけれども、現在のいわゆる感染ということでありますとそのような状況でございます。
  73. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 接種前の検査のときは感染していなかったと、で、接種したときには感染をしていたのではないかという話も聞こえてきています。豚コレラ感染したワクチン接種豚、つまり隠れ豚コレラ、この存在が哺乳豚感染したことによって明らかになったんだというふうに思います。  今回のケースのどこに問題があったのか、そしてこういうことが起きないように今後どう対応していくのか、お答えいただきたいと思います。
  74. 新井ゆたか

    政府参考人新井ゆたか君) 今回ワクチン接種するに当たりまして、家畜防疫が臨床で豚コレラ感染しているかどうかというのを確認をしておりましたが、検査をしていないという状況でございます。したがいまして、豚コレラが疑いのあるような過去の、かつての地域とかそういうところにおきましては、臨床のみならず、危ない場合には検査をするということも必要ではないかというふうに考えているところでございます。  それから、今回、ワクチン接種をいたしましたけれども、ワクチン接種では感染を一〇〇%防ぐことはできない、これは、ワクチンについても一割から二割は抗体ができないということは既に皆様にお知らせをしているところでございます。したがいまして、ワクチン接種したといたしましてもそれで安心ということではなく、飼養衛生管理を常に徹底していただくと、これが防疫の基本であるということでございますので、これの現場への周知徹底、丁寧な指導を繰り返し行っていきたいと考えております。
  75. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 確認ですが、CSFの発症を防ぐことはできるけれども、感染を防ぐことがワクチンではできないということですか。
  76. 新井ゆたか

    政府参考人新井ゆたか君) お答え申し上げます。  感染を一〇〇%防ぐことはできないということでございます。
  77. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 分かりました。  先ほどから野生のイノシシへの感染の話が出ています。イノシシだけではなくて、ネズミとかハエとかいろんなものに付着して養豚場に入っていって感染が可能性があるということでありますけれども、やはりこのイノシシは自由に動き回るということで、野生のイノシシ、この対策頭数を減らしていくことが急がれると思います。  環境省から伺いました。平成二十九年度末におけるイノシシの我が国の推定個体数は、中央値で約八十八万頭ということであります。もっと多いという話もありますけれども、経口ワクチンイノシシの生息密度の高いところをまずは集中的にという御意見もありますが、それを踏まえて、野生のイノシシの分布と最近の傾向について、環境省にお伺いしたいと思います。
  78. 白石隆夫

    政府参考人(白石隆夫君) お答え申し上げます。  既に徳永先生の方から御紹介ございましたイノシシの個体数につきましては、二〇一七年度末におきまして中央値で約八十八万頭と推計してございます。推計かなり難しゅうございますので上下値かなりございますけれども、中央値でも八十八万頭という推計になってございます。これは二〇一四年度から、二〇一〇年度の百十三万頭をピークに徐々に減少傾向にございます。  他方、その分布でございますけれども、イノシシにつきましては北海道を除いた本州以南に広く分布してございまして、特に近年では北陸地方、それから東北地方を中心に分布域が拡大しているという状況にございます。
  79. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 頭数もかなり多くて、分布も東北の方へ、北へ北へと拡大しているということであります。大変に心配な状況であります。  環境省としては、豚コレラ発生を受けて、野生のイノシシを減らすためにどのような対策を講じているのか、いつまでに何頭くらい減らすという具体的な目標は立てておられるのか、また、その際に課題になっていることは具体的に何なのか。環境省からいただきました資料を今日お配りしておりますので、もし説明の際にお使いになるんでありましたら、ページ数付けてありますので、使っていただいて御説明いただければと思います。よろしくお願いいたします。
  80. 白石隆夫

    政府参考人(白石隆夫君) お答え申し上げます。  まず、イノシシ個体全体の削減目標でございますが、指定鳥獣といたしまして、環境省におきましては、二〇二三年度までに半減目標ということで、五十万頭を目標に個体数を削減するという目標を掲げて取組を進めてございます。  イノシシの駆除の課題でございますけれども、イノシシ、年間、出産によりまして個体の増加率が非常に高いという問題がございます。したがって、生息数を低減するためには非常に高い捕獲圧を継続して掛ける必要がございます。  他方で、現状でございますけれども、狩猟者の減少とか高齢化によりまして捕獲従事者数が必ずしも十分に確保できないという問題があるというふうに認識してございます。  環境省におきましては、その野生イノシシの捕獲を効率的に実施していくために、農林水産省と協力いたしまして、二十一都府県に対して捕獲重点エリアとかあるいは目標頭数の設定を依頼し、捕獲強化を図っているということでございます。このように、環境省、指定管理鳥獣捕獲等事業交付金というのを持っておりますが、これを活用いたしまして都道府県に対して必要な支援を行うことにより、捕獲の確実な施行に努めてまいります。  また、捕獲の担い手の確保ということでございますが、目的といたしまして狩猟の魅力を伝えて狩猟免許取得を促すための狩猟フォーラム、それから認定鳥獣捕獲等事業者を育成するための講習会、こういったものを実施いたしまして、CSF感染拡大要因の一つであります野生イノシシの捕獲に努めてまいります。
  81. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 いろいろお取組をしていただいているようでありますけれども、例えば、わなを仕掛けても、何頭かが見ている中で一頭がわなに掛かってしまうと、そうするとそれを見ていたイノシシたちはもう怖がってそばに寄らなくなるとか、あと猟友会の方々も、実際に銃を持って山に入って獣を撃つという方がどんどん減っているし、高齢化している問題もあります。自衛隊の隊友会の方々お願いをして撃っていただいているという話も聞きましたし、あるいは警備会社に依頼をしているということもお聞きしました。とにかく半減ということでありますけれども、その半減のための人員が本当にいないんですね。これ、イノシシだけじゃなくて、鹿の問題も熊の問題もそうです。これから人とそれから野生動物との境目がどんどんなくなっていっている中で、様々な問題が発生してくる中で、この問題は真剣に考えて取り組んでいかなければ今後大変なことになると思いますが、いかがでしょうか。
  82. 白石隆夫

    政府参考人(白石隆夫君) 環境省といたしましても、イノシシは、近年のそのCFS並びにASF予防という観点からも生息域の生息密度を引き下げていくということが重要な課題であると認識してございまして、引き続き農林水産省と連携を取りながら捕獲強化に努めてまいります。
  83. 江藤拓

    国務大臣江藤拓君) 農林水産省といたしましても、イノシシ感染確認されている県、それからその周辺県におきましては、山に入ってもイノシシ捕れるとは限らないです。今、鳥獣駆除については尻尾を切って一本何ぼという払い方をしていますので、山に入ってもお金にならない可能性も高いということではなかなかしんどいということでありますから、一日一万円の日当を周辺県も合わせて二十一県では使えるようにしておりますので、是非猟友会の方々には、これから寒くなってまいりますが、是非山に入ってイノシシを捕っていただきたいというふうに考えております。
  84. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 人はどんどん減っていく、獣はどんどん増えていく、そしていろんな問題が起きてきている。ですから、もうこれまでと全く違うフェーズに入ったんだと思って、省庁を超えてこの問題にしっかりと取り組んでいただきたいということをお願い申し上げたいと思います。  資料の二ページを御覧いただきたいんですけれども、密度を下げていくというお話がありましたけれども、これ環境省の資料なんですけれども、大体一平方キロの中に六頭から七頭ぐらいイノシシがいるだろうということなんですけれども、これ面積とか環境にもよりますが、奄美大島見てください、約十頭、九・八三頭。徳之島においては十九頭もいるんですね。これ、半減していくという目標を立てても、大変に厳しい状況だと思います。是非ともこの現実をしっかり受け止めていただいて、御対応お願いしたいと思います。  それから、大臣、私、農家の方にこの間伺ったんですけど、水田とかあるいは野菜を作っている畑に鳥獣被害が発生していますよね。イノシシがその稲や野菜を食べて非常に栄養を取って、栄養過剰というぐらいいっぱい栄養を取っているそうなんです。そのことによって、一年に一産していたイノシシが、どうやら最近は一年に二産しているらしいということなんですよ。一回に四頭から六頭産むイノシシが一年に二産したら大変なことですよ、これ。今までは六頭産んでも大体半分ぐらいは自然的に淘汰されていたんですけれども、それが温暖化の影響もあるし、餌も豊富にあるし、人はいなくなっているし、オオカミ、天敵もいないということで、死ぬはずのウリ坊がそのまま生き続けて、どんどん増えていっているという状況なんですね。  そこで、アフリカ豚コレラ対策もそうですけれども、養豚農家だけじゃなくて、果樹、畑作、稲作、こういったところの鳥獣対策もしっかりとこれまで以上に強化していかなければいけない、つながっているということを認識していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  85. 江藤拓

    国務大臣江藤拓君) 農林水産省といたしましては、鳥獣対策交付金というものがございます。これはまさに柵を作ったり捕獲活動をしたり、それからやぶを刈って、隠れるところがあると隣接した畑に入ってきまして、そこを刈る費用、これの補助をしたり、それから焼却施設、なかなか肉として、本当はジビエで使うのが、先ほど御指摘があったように、本当は一番生き物に対するリスペクトの意味でもいいんですけれども、全頭いけません。なかなか京都なんかでも余ってしまっているという現状もあって、焼却しなければはけ口がないということであれば、焼却処分なんかについても補助ができることになっております。  それから、若干使い勝手が悪いというような指摘もあります。北海道なんかでもそれ聞いております。ですけど、余りこの委員会の場で大きい声で言うとあれなんですが、昔は農林水産省の施策というと、連帯要件とかいって、三軒並んでいなきゃ駄目よとか、そういうのが間々ありましたけれども、今そこら辺もかなり柔軟に対応するようにさせていただいております。  例えば、私が一人でしたとして、この交付金使いたい場合は、三軒という要件がありますけれども、三人以上の方から農地を例えば借り受けているとするじゃないですか。持ち主は三人、私のほかにいるわけですよね。それで、私一人であっても、三人持ち主がいるので要件を満たすと。そして、地域的にも、くっついていなくても、余り北海道のこっちとこっちというのは駄目ですけど、常識的な範囲であれば多少離れていても連帯要件は認めるということにしておりますので、また個別に御相談があれば言っていただければと思います。
  86. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 柔軟な対応を是非ともお願い申し上げたいと思います。今までと違うわけですから、本当に危機的な状況だということを御認識いただいて、使い勝手のいい事業にしていただきたいというふうに思います。  お配りした資料の五ページ目を御覧いただきたいんですが、先ほど谷合委員からもお話がありましたけれども、先日も私、お話をさせていただきました。ワクチン接種によって種豚や精液の流通に混乱が生じているというお話でございましたけれども、これ見ていただくと、ワクチン接種区域内の出荷農場からワクチン接種区域内の養豚農場には移動ができると、接種区域外の農場から接種区域内の養豚農場にも移動はできると、しかし、接種区域内から接種区域外へは移動はできないということであります。  実は、農水省から通達を出していただいていて、市場がないということで、今まで養豚農家、相対でもって種豚とか子豚とか精液を入れていたわけですけれども、その取引していたところが、出荷農場接種地域、区域内ということで仕入れができなくなってしまったその農家に対して、農水省から、肥育素豚及び精液等の入手や販売先の確保に支障が生じる農場があれば、まずは貴県内でのマッチングに努め、県内のみでは調整が困難な場合にあっては、農林水産省から日本養豚協会及び全国農業協同組合連合会に別紙により協力を要請したので、貴県の養豚協会や経済連を通じて肥育素豚や精液の供給、確保が円滑に図られるようマッチングを行っていただきたく御協力をお願いしますと、こういう通達が出ているんですが、通達出すのはいいんですけれども、養豚協会の皆さん、自分たちの協会に入っている方々のことだけでも対応できないんです。  全農の皆さんも、農水省から言われたけれども、実は地域の単協に振っているんですね。単協に振られても、単協も、本当に規模の小さなところなんかはとても手が回らなくて対応できないということなんですよ。それでも、頑張っていただいて情報を提供していただく。情報は提供したけれども、あと出荷農場と養豚農場の間で交渉してくださいということになる。交渉すると、例えば接種地域の隣接地域の養豚農場が九州の出荷農場と交渉をすると。いや、協力してあげたい、何とか力になりたい、だけど、トラックが接触することも怖い、万が一、九州に豚コレラウイルスが入ってきたら大変なことになる、だから申し訳ないけれども今回はお断りすると、こういうことが起きているんですよ。  この問題をどうやって解決していったらいいのか、私もよく分からないんです。これ、大臣、本当に深刻な問題で、本当にこれから先経営していけるんだろうかと、豚コレラ発生していない農家の方々が本当に困っているんですね。  この間もお話ししましたけれども、これはもう北海道から沖縄まで全ての問題になっていますから。例えば静岡、これ、イノシシ抗体陽性が見付かったことによって接種区域になりましたよね。静岡は、子取り農家経営体数が十六戸あります。出荷頭数は、接種地域へは一万一千八百頭、接種地域外へは一万二千五百頭、つまり地域出荷率は五一・四%なんですよ。だから、地域の中でやれといっても半分余っちゃうんですよね。こういう問題、大臣、どう対応していかれますかね。
  87. 江藤拓

    国務大臣江藤拓君) これは、今日も朝から悩んでおります。非常に、だんだんこれが表面化してきたということであります。今のところはまだそれほど養豚農家も気が付いていなかったんだけれども、この段階になって、この一週間ぐらいに特に表面化してきた問題であって、この間はかなり、三倍の値段で言われたというようなお話もありまして、それについては、そういうことのないようにということをやらせていただきましたけれども、今、静岡で言われた十六経営体のうちの五十数%で、半分余るという話、片っ方では足りないという話。マッチングを、じゃ自治体に丸投げ、養豚協会に丸投げ、それでなるのかという話も、おっしゃるとおり、ならないと思います。じゃ、我々で完璧にできるかというと、これもなかなか難しいんでですね。  これはとにかく、昨日、おとといだったですかね、とにかく養豚協会も東京に呼べと、なるべく多くの関係者方々を同じテーブルに着けて話をしないと、これはうまいこといかんぞと。農水省だけでやっても駄目だし、養豚協会だけでやっても駄目だし、県に丸投げでも駄目だから、もうすぐに呼んで話合いの場を設けろということ、まだ今日の段階でできておりません、委員会とか重なっておりますので。しっかりこれは話合いもさせていただいて、解決に向けて努力したいと思っております。
  88. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 先ほどの資料のバッテンになっているのは、接種区域内から接種区域外なんですよ。でも、その接種区域内同士でも、隣接区域の場合には、いつ発生するか分からないから取引したくないという状況なんですね。だから、なかなかその防疫指針どおりにはいかないということで。  それで、これもすごく難しいと思うんですけれども、新たな防疫指針接種区域における遵守事項、移動の管理の方法の中で、生きた豚等、精液、受精卵、豚等の死体、豚等の排せつ物、敷料、飼料、家畜飼養器具に関しては、原則として接種区域内の農場等への移動に限るとなっているんですね。この原則というところなんですけれども、例えば、管理体制の強化、監視体制の強化あるいは施設の高度化などを図って、何とかこの移動できる環境をつくるというのは困難なんでしょうか。
  89. 新井ゆたか

    政府参考人新井ゆたか君) 今、防疫指針の中の第三の三の五の(五)の、生きた豚等は原則として接種区域内の農場等への移動、流通に限るというところでございます。  この原則としてということで、現在、例外として認めておりますのは、その次にございます焼却、埋却、化製処理、堆肥化処理又は消毒を目的とした、豚等の死体、豚等の排せつ物、敷料、飼料、家畜飼養器具につきましては、接種区域内の焼却施設その他必要な施設への移動は以下の条件ということで、いろいろな衛生条件を守るといいですよというところまでは今議論しておりますけれども、生きた豚等についてはまだ、お話し申し上げたように、まだいろいろ話が進んでいないところでございます。
  90. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 議論をしているというところでいいです、今すぐ答えは出てこないと思うので。こういった問題が非常に深刻だと。  今、森委員からペーパーが入りました。プラットフォームを一両日中につくれということでございますが、いかがでしょうか、ちょっと連携して。
  91. 江藤拓

    国務大臣江藤拓君) 相談窓口はもう農水省には設置はしてございます。一応プラットフォームのようなものは、まあようなものもできておりますけれども、もうちょっとですよ。先ほど申し上げましたように、関係する、まさに困っていると言っている方々を同じテーブルに着けて話をする必要があるというふうに思っております。  先ほども局長の方から、生きている豚、それから精液、受精卵については、今のところと申しましたけれども、基本的にこれは駄目でございます、これは駄目です。これは例外の、この原則として例外を認める中には入りませんので、これはちょっと修正させていただきます。
  92. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 それから、六枚目の資料を見ていただきたいと思います。これもこの間少し触れましたが、中間地点の利用についてです。  これも、出荷農場、そして豚コレラ発生した養豚農場、この間で移動はできるわけでありますけれども、中間地点で載せ替えをしてくださいということを指導しているわけでありますけれども、じゃ、中間地点ってどこなんだって話なんですよ。豚コレラ感染が大変に広がって心配されている中で、例えばどこか土地を借りる、どこか場所を借りる、果たして貸してもらえるのかという問題もあります。それからトラックも、出荷農場からのトラック、養豚農場からのトラック、やっぱり交差汚染が大変心配、お互いにしますし、だったら一台のトラックで行き来をして徹底的に消毒をすると。そのトラックの管理を自治体がやるのか国がやるのか、責任を持ってやると。その方が実効性があるんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
  93. 江藤拓

    国務大臣江藤拓君) ここはまた大変痛いところを突かれたなと思いますけれども、非常に悩んでいるところでございます。  各県が大変御努力をされていまして、我々からのこういう指針があったからということ以前で、例えば群馬県、愛知県、長野県では、豚を取り扱っていない家畜市場を中間地点に設定をして、出荷元のトラックと出荷先のトラックの交差がないように豚の受渡しをするということも実際に行っておられます。これは大変有効だと思うので、もうこれを、消毒を徹底でいいですから、やめてくださいというのは違うなと思っているんです。  それから、岐阜県では、全農のライスセンターの駐車場でトラックのお尻とお尻をくっつけて移すというのをやっておりますが、しかし、トラックもいろんな規格があって、高さの段差があったり、大きい小さいもありますので、全てに万能で通用するものでもありませんので、まあ有用な例だとは思いますが、しかし、こうやってトラックで載せ替える場面においても消毒は徹底してもらっていますよ。載せ替えをやっても消毒はするのだということでありますから、ここも消毒を徹底すれば一台のトラックで一気通貫でいいではないかという御意見もありますが、現場方々が載せ替えの努力を今現在されておられますから、それについて必要ないというのも我々としては言い難い部分があるということは御理解いただきたいと思います。
  94. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 なるべくそのリスクを小さく、不安を小さくできるように取り組んでいただきたいと思いますし、うまくいっているケース、あるいはこういうところを中間点として使ったらいいんじゃないかと、そういう情報をどんどん提供していってあげてください。農家に自分で考えろと言ったって、そんな簡単な話じゃないんですよ。是非ともその情報提供をお願いしたいというふうに思います。  先日、これも大臣から御答弁をいただきましたが、ワクチン接種農家の二十日間の出荷停止の間の餌代、人件費、これがお金がないので払うものが払えないと、だから無利子融資ないだろうかということを農家の方から聞かれまして、大臣の方から家畜疾病経営維持資金、これを使ってほしいという御答弁をいただきました。この利率が〇・六七五%と、国が二分の一を補助しますと、残りの二分の一を都道府県がしっかり補助してくれればそれを後で特交で国が見ると、つまり農家負担はありませんよと。いや、これはよかったと思ってすぐ連絡しました、養豚農家の皆さんに。もう是非行政に行って、この融資を受けたいというお話でありましたが。  しかし、大臣から御答弁があるまでは何度行政に行っても、こういった事業があるということを行政が把握しておりません。ですから、提案もありませんでした。いまだに知らない方もたくさんおられますので、行政にしっかりとこれも情報提供してください。いかがですか。
  95. 江藤拓

    国務大臣江藤拓君) それは反省をして、もう一回やりますが、経営体の数もそんなに何百も何千もある話ではありませんので、各経営体単位でお知らせをさせていただこうと思います。
  96. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 是非ともよろしくお願い申し上げたいと思います。  それから、豚コレラ、この感染拡大によって思わぬ影響が出ていることも知りました。  先日、岐阜県の恵那市でクリを作っている農家から御連絡をいただきました。養豚農家から仕入れていた完熟した豚肥、この堆肥が、相対でお付き合いをしていた養豚農場から豚コレラ発生して、全頭殺処分したことによってふん尿が出なくなってしまって、豚肥が入らなくなったと。花の咲く大事な時期にこの豚肥を入れることができなくて、仕方がないので鶏ふんと化成肥料で対応したと。そうしたところ、地力がぐっと低下をいたしまして、品質は低下していないんですけれども、収量が例年の六分の一まで減少したそうであります。  それで、鶏ふんや化成肥料を入れたことでコストも掛かりましたし、来年の営農計画どうしようかということで、実はクラウドファンディングを立ち上げまして、支えてくれた方々に僅かですけれども恵那のクリを返礼品としてお届けするということで、今、農家の皆さんがそんな対応をしなければいけなくなっているんですね。特に、GAPに取り組んだり、有機農法や自然農法に取り組んでいる方々ほどこの堆肥、豚肥を使っているわけで、耕畜連携が壊れると、悲鳴に近い声が上がっているわけであります。  これ、果樹農家や畑作農家の方々が悪いわけではなくて、豚コレラのウイルスが入ってきて、感染拡大して養豚農家の豚が殺処分されることになった。ある意味犠牲、これを負うことになったわけですよね。こういう方々に何の補償もないというのも、これも私は問題なんじゃないかと思います。  是非とも、そういった影響が出ているところがどのくらいあるのかということを調査をしていただいて、来年の営農に影響が出ないように、是非、大臣、支えてあげていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
  97. 江藤拓

    国務大臣江藤拓君) どのような支援をするかについては、ここで確定的なことはもちろん申し上げられませんが、このような話があるということは聞いておりました。六分の一という説もあれば三分の一という説もあるみたいですけど、どちらにしましても、現実、収量が落ちたということは間違いないと思います。それが豚肥を入れられなかったこと由来なのか、クリとかそういうもの、裏作があったりいろいろありますので、因果関係がなかなか、その証明が難しい。しかし、今まで入れていたものを入れていないということであれば、因果関係があるということかもしれません。  いずれにしましても、先生から御指摘いただきましたので、一度この農園の方に専門の人間を派遣して、まず調べることから始めさせていただきたいと思います。
  98. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 是非とも、まずは調査からお願い申し上げたいと思います。  そして、先ほどからお話が出ておりますが、この後大変に心配しているのは、ASFのウイルスの侵入であります。昨年の十月、私の地元の北海道の千歳空港、この動物検疫所でアフリカ豚コレラのウイルスが発見されました。その後、空港や海港でこのアフリカ豚コレラのウイルスは見付かっているんでしょうか。これまでの事例を御説明いただきたいと思います。
  99. 新井ゆたか

    政府参考人新井ゆたか君) お答え申し上げます。  昨年十月、中国から新千歳空港に到着した旅客便、旅客が所持した豚肉製品からASFのウイルス遺伝子が国内で初めて検出をされました。それ以降、これまでに全国で八十一例を検出しているところでございます。このうち二件の豚肉製品につきましてはASFウイルスが検出をされているところでございます。
  100. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 空港までは来ているんですよ。すぐ目の前にある危機、迫っているわけであります。来年は、家伝法の改正案、政府から出てくるというお話も聞いておりますし、飼養衛生管理基準も相当厳しくなって春頃には改定されるというお話も聞いております。この水際対策の強化も本当に急がれると思うんですね。  安倍政権になってから、経済成長のために外国人観光客、インバウンド、もうどんどんどんどん我が国に、観光立国を目指して招き入れようという動きになっておりまして、来年は四千万人、二〇三〇年には六千万人という目標を立てていますが、確かに経済的なメリットはあるかもしれません。でも、訪日外国人数が増えることによるリスクというものをしっかり政府は考えていたんでしょうか。農林水産省もこれまでリスクを考えていたんでしょうか。  大臣のところに御要請に行ったときに、北海道は中国の観光客が観光バスを農村地帯で止めるんですよ。止めて降りてきて、牛と写真撮ったり豚と写真撮ったり、あるいは牧草ロールの上に乗っかって写真を撮ったり、農場にどんどん入ってくるんですよ。もう家畜農家の皆さんは戦々恐々としているんですよ。  だから、来年、オリンピックでたくさん人が入ってくる。特に北海道、東京オリンピック、札幌のマラソン、競歩決まりました。短期間に一気に人が入ってくるんです。だから、本当にこの水際対策徹底していただかないと、北海道、イノシシはいませんけれども、でも、人に付いてきて豚に感染する可能性は十分にあります。どうかここをしっかりやっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  101. 江藤拓

    国務大臣江藤拓君) 宮崎空港には探知犬はおりませんのですけれども、新千歳には二頭おられますので、それでも十分だとは思っておりません。ですから、これから人の出入りが急に多くなるオリンピックは正直、正直非常に危機感を持っております。  昨日も衆議院の方で御答弁させていただいたんですが、例えば国で予算を確保すれば探知犬がすぐに手に入るかといえばそうではなくて、もう世界中でこのASFCSF発生していることによって探知犬はもう引っ張りだこになってしまって、全くお金を出しても買えないと。もう値段は言いませんが、ちょっとびっくりするようなお値段に今なっております。  もうハンドラーもおりませんし、そして、もう一義的には、やはり探知犬も大事ですけれども、検疫官、やっぱり人間の目、それから怪しいとか開けて調べるとか、そういうことが一番大事ですから、私の考えとしては、もちろん予算も獲得して、国内でのハンドラーそれから検知犬の養成も含めて対応することをやらせていただこうと思っていますが、今のところ検疫官の増員要求は余り多く認められておりません。  ですから、この点については若干、私は検討する余地が多分にあるのではないか、若干ではなくてですね、と思っておりますので、あと、私の一存で増やせるものではありませんので、これ私の範囲の外の人、世界の人たちですから、また閣内でしっかり話をさせていただきたいと思います。
  102. 徳永エリ

    ○徳永エリ君 先日、森委員から御質問がありましたけれども、入国カードの記載事項を変えていくとか、あるいはCSFASFというふうに変わりましたから、今は空港を降りるとポスターが豚コレラ注意となっていて、これはやっぱり危機感があるんですよ。これがこれから新しいポスターになってCSFって書いてあったって、何のことか全然分からない。危機感が非常に薄まっていく危険性があります。  それから、国際空港は別ですけれども、やっぱりドメスティックの外国人の移動が激しいわけですから、空港に着いた途端にやっぱり危機感をあおるようなアナウンスをいろんな言葉で流すとか、やっぱりもっともっと国民全体でこの危機感を共有できるような、そういった対策をもうできることからどんどんやっていかないと、来年の法律が成立するまではこのまんまなんていったら大変なことになりますよ。もう今から、あしたから、今日からもうできることをどんどんやっていただきたい、そのことを心からお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきたいと思います。  ありがとうございました。
  103. 石井苗子

    ○石井苗子君 日本維新の会の石井苗子です。よろしくお願いいたします。  私は、豚の専門家ではございませんが、疫学・予防保健学科でO157の研究チームのワーキングチームに入ったことがございまして、そのときに対策を取ったのが少し役に立つかなと思って今日は質問をさせていただきます。  まず、この新聞報道などを見ておりますと、一般紙の方ではそれほどまだ危機感がないような感じがするんですけれども、こういうことはもう過去に起こってしまったことを考えてもしようがなくて、食い止めなきゃならなくて、食い止めるためにはできることは前向きに何でもするというのがまず大事であることと、二番目にリスクコミュニケーションの能力を上げていくという、この二つがとても大事だと思うんです。  私、豚の専門家じゃないと最初に申し上げましたけれども、このCSF日本への流入してきたルート、これは特定されていませんと聞いておりますけれども、改めまして、可能性のある流入ルート、どんなルートが考えられますでしょうか。私が八月に受けましたレクと現在の状態とで、何か分かったことがあったら教えていただきたいんですが、まずそこからお願いいたします。
  104. 新井ゆたか

    政府参考人新井ゆたか君) 我が国に対しますCSFウイルスの侵入経路につきましては、疫学調査チームにおきましてあらゆる可能性を検討しているところでございます。  委員指摘のありました八月の中間取りまとめの段階で、最初にどのような形で入ったのかということで指摘をしているところでございます。したがいまして、八月の時点から新しいものということはございませんが、まず発生農場感染イノシシから分離されたウイルスについて遺伝子解析を行った結果、原因ウイルスは中国又はその周辺国から侵入したウイルスというふうに推定されるということでございます。それが海外から国内イノシシ群に侵入し、それが発生農場に伝播した可能性というのが一つ指摘されております。  それから、海外からイノシシ群へのウイルスの侵入ルートにつきましては、輸入検疫を受けずに持ち込まれた旅行者の手荷物や国際小包によりウイルスに汚染された肉又は肉製品が持ち込まれ、不適切に廃棄され、野生イノシシ感染した、いずれも可能性でございますけれども、これをチームの報告書において指摘しているところでございます。
  105. 石井苗子

    ○石井苗子君 そうなんですね。  今、食い止めることが大事だと申し上げましたけれども、今日資料には配っておりませんけど、皆さんのお手元には、このASFが、ほとんど地図を見ると真っ赤な状態でございまして、私が持っている資料というのが、このASFが入ってくるかもしれない、完全に加熱されていないソーセージの類なんですね。こういうことは早期発見と水際対策でとにかく止めていかなければならない。  特定されていないので何とも言えないという今の御発言がございましたけれども、アジアからの観光でいらっしゃった方々が持ってきたという、それで増えてしまったという関連性もあるかもしれません。そうすると、日本にまだ水際で入ってきていないASFも、アジアからの訪日外国人が増えますと、先ほども御発言がありましたが、侵入してくる可能性が高まってきますね。ASFはダニも関与していますので、あらゆることを考えていかなければならないと思います。    〔委員長退席、理事堂故茂君着席〕  食い止めるには、日本に持ち込んでいけない、とにかく日本にいらっしゃる方々の外国人の方々ですね、に肉を日本に持ち込んではいけないと、こういうルールをどのように周知徹底していくのか、そこをちょっと確認させてください。
  106. 新井ゆたか

    政府参考人新井ゆたか君) 現在、まず日本に持ち込ませないというための対策を外務省、それから観光庁、国交省等々で海外の空港あるいは海外のメディアで展開しているところでございます。  まず、中国、ベトナム、韓国につきましては日本政府観光局のホームページでありますとかSNS、それから中国では動画でいろいろ周知をしているところでございます。それからあと、旅行代理店、中国、韓国旅行代理店につきましては、いわゆる旅行客に対していろいろ周知をするときに、肉を持ち込まないでくださいという話をしているところでございます。  それから、機内アナウンス、あと最近は現地の空港カウンターで荷物を預けるときのチェックということで、今、世界の四十五の空港におきましてそのような注意事項を発しているところでございます。  さらに、ビザの発給している国、これは中国でございますけれども、ビザを出したときに、お知らせするときに、肉を持ち込まないでくださいというリーフレットを作っておりまして、これも十万枚ほど配布しているところでございます。  このように、あらゆる手段を考えながら、まずは日本に持ち込ませないという対策を更に徹底していこうと考えております。
  107. 石井苗子

    ○石井苗子君 足りないと思います。  今、八月の時点からずっとやってきて、どのくらいの人がちゃんとやってくれているかというところのデータというのが全然入ってこないんですけれども、効果が見られるのどうか。先ほどから言っていること、できることはあらゆる手を尽くして、水際の強化と緊張感というのは非常に大切です。これが私が言ったリスクコミュニケーションの能力を上げるということだと思うんですけれども、今やっていただいていることに関しては強化していただくことと、それから、特に何度も何度も繰り返して言うという、放送を繰り返すとか、ポスターも変えるとか、新しく名前が変わりましたというようなことを言ってみたり、言語的にもこれは注意を促すという緊張感が必要だと思います。是非強化していっていただきたい。  もう一つ、動物検疫所ですね、ここで不正な持込みを発見してという、先ほど私、資料には配りませんでしたけど、ソーセージ、こういったものを本当にちょっとしたことで持ち込んでしまって、それを食べる、捨てたために食べるということがあるんですね、お弁当の中に入っていたものを、捨てたものが食べるというような。徹底して、その肉の加工食品からASFを発見しているというようなことが今まであったと聞いています。これはあったんですね、ASFを発見していると。まず、肉の加工食品からASF発見しているということを聞いていますけど、これ、あったかどうかを一つ。  それから、ASFを防ぐには水際の取締りに懸かっていると思うんです。これすごく大事だと思うんですが、動物検疫所の人員や、それから、検閲探知犬というんですか、犬が非常に優秀だと聞いておりますけれども、こういった人員を増やしていったり、それから犬を増やしていくと、犬を増やしていくという計画があるんでしょうか。    〔理事堂故茂君退席、委員長着席〕  まず、二つお聞きします。ASFを発見している、肉の加工品からASFを発見しているという事実があるか、そして、皆さんに非常に厳しく水際をやっていただくために、取締りに係っている人員や犬の増加というのをお考えでしょうか、計画があったら教えてください。
  108. 新井ゆたか

    政府参考人新井ゆたか君) まず、水際でAFSの関係の肉製品からウイルスあるいはウイルスの遺伝子が発見されているかということでございます。  十一月十五日現在でございますが、ASFのウイルスの遺伝子が検出されたものということで八十一件、そのうち二件からはASFのウイルスを実際に分離をしているということでございます。  それから、探知犬でございます。探知犬は現在三十六頭でございまして、年度末には五十三頭まで増頭するということを目指しているところでございます。探知犬につきましては、実際に探知活動で発見されているものは実は三割ぐらいということでございまして、実際は職員の口頭質問でありますとか、放送によりまして自主廃棄、今空港に自主廃棄ボックスを置いておりますので、そういう形で肉を捨てる方というのが増えているところでございます。  今年の四月から厳格化ということで、警告書を発行し逮捕者を出していくという活動を税関としております。現在、悪質の高い者ということで日本人のみならず外国人も逮捕しているところでございます。そういう中で、空港におきましては、厳格化によりまして摘発の数量が落ちていくということでございます。今後もこのような活動をしっかりやっていきたいと思っております。  検疫官につきましては、厳しい中ではございますが、今年も二十数名以上の定員増を要求をしておりまして、人をやりくりしながら対応していこうと考えております。
  109. 石井苗子

    ○石井苗子君 ちょっと足りないと思うんですね。もう少し強化することについてもあらゆる手段を取っていただきたいと思うんです。三〇%ではちょっと駄目、足りないと思うんですけれども、人員も少し増やしていただきたいと思います。これ、いっときこれで強化すると、やっぱりリスクコミュニケーションという意味では緊張感が違いますので、やっていただきたいと思うんです。  水際と、それから今度入ってきてしまった話をしますけれども、イノシシによる感染予防ですね、防ぐ方法として、先ほどから本州八十八万頭というお話が出ておりまして、わなですとか経口ワクチンですとか柵を設けるとか、これに六十億円掛けたとか、石灰で消毒をしているというようなことも聞いております。あとは狩猟を。  このほかにもどのような方法があるか考えていらっしゃいますでしょうか、その予防として。それに掛かった費用というのがどのくらいか。どのような方法をほかに考えていらっしゃるのかということと、これまでに掛かった費用をちょっと教えていただきたいんですが。
  110. 新井ゆたか

    政府参考人新井ゆたか君) 現在までにCSF対策費用ということで、まず、野生イノシシ、お話ありました野生イノシシ対策でございます。  これにつきましては、捕獲、それから検査、防護柵の設置、経口ワクチンといったものが大きな柱でございますけれども、野生イノシシをまとめますと、捕獲、検査が二億六千万、防護柵が百四億円、経口ワクチンが約二十億円ということでございます。そのほか、手当金、それから発生予防策というのも含めますと約二百八十億円、CSF全体としては二百八十億円ということでございます。
  111. 江藤拓

    国務大臣江藤拓君) 新しいやり方としては、自衛隊の協力を得て、特に急峻で人がなかなか入れないようなところについて経口ワクチンの空中散布を行おうというふうに思っております。  それから、その捕獲につきましても、二十一府県については一万円の奨励金、山に入って空振りでもお金を出すというようなこともやらせていただいておりますし、またわなにつきましても、先ほど一回入ったら近づかないという御指摘がありましたが、今、AIのiPadでリアルタイムで見れるようなシステムを今開発されていますので、入ったり出たりしますので、イノシシさんは。ですから、なるべく三頭、四頭と入ったタイミングでiPadの上のボタンをぽっとやるとばしゃんと閉まると、そういうような新しい機材の導入も進めて、できるだけの効率化を図っていきたいというふうに考えております。
  112. 石井苗子

    ○石井苗子君 実に二百八十億掛けてまだ終息はしていないということなんですけれども、あらゆることという意味において、イノシシが嫌う臭いというのがあります。次に、イノシシの天敵はオオカミで、オオカミなんか今から探してくるわけいかないんですけれども、鳴き声というのがあります。比較的安くて、比較的効果があって、追い詰めてゴキブリホイホイみたいにわなに持っていくということで、こんな簡単なことでも、できることは何でもやったらいいと思うんですね。とにかくやれることは何でもやっていただきたい。  でないと、今日、資料をお配りしましたけれども、このベルト、十月十一日でしたっけ、以降、埼玉、山梨でもCSF発生しているということで、ワクチンベルト、このワクチンベルト構想というのがあったんですが、これは失敗したということでよろしいんでしょうか。なぜワクチンベルトが突破されてしまったのかというのをお聞きします。
  113. 新井ゆたか

    政府参考人新井ゆたか君) お答え申し上げます。  ワクチンベルトにつきましては、夏の八月から九月まで準備をいたしまして、十月まで、関係県において配付したところでございます。  山がちなところ、それから実際のわなと組み合わせてやるということで、東側、長野県のラインでワクチンベルトを構築したところでございますが、結果的には埼玉県、群馬県で見付かったということでございまして、やはりこれらの反省を踏まえまして、更に東の方でのワクチンベルトの構築を今考えているところでございます。  それから、大臣からお答えさせていただいております、穴に埋めるということではなく、もうちょっと広範囲にまくような手法も踏まえながら、より効果的に対応してまいりたいと考えております。
  114. 石井苗子

    ○石井苗子君 やっぱりこれは、もう少し水際と、それから、ここへ入ってきてしまってからの終息のやり方というのを、これから新しいことをやっていかないと、ワクチンベルト、ワクチンベルトとやっていて全部失敗してしまいましたというのも、やっぱりリスクコミュニケーションとして何て説明していいか分からなくなってしまうというような状態にならないようにしていただきたいと思うんですね。  次に、未病の豚というのがいるんですが、これ、ワクチンを打ってから何日ぐらいで屠畜しているのか、屠畜というのは殺すという意味なんですが。私が聞いている中では、二十日間、ワクチンを打ってから二十日間ぐらいなら大丈夫、その日数で豚の体内からの抗体がなくなる、つまり二十日たったらいいということの判断でよろしいですか。ここをもうちょっと予防的に詳しく聞きたいんですが。未病の豚にワクチンを打ってから二十日でということで、抗体ができた。
  115. 新井ゆたか

    政府参考人新井ゆたか君) お答え申し上げます。  CSFに限らず、家畜にワクチンを注射した個体につきましては、と畜場法の施行規則に基づきまして、厚生労働省の指導により、二十日間を経て食の安全性を確認してから屠畜場に出荷するということにされているところでございます。このため、防疫指針におきましても、CSFワクチン接種した場合は二十日間は出荷を控えるということにしているところでございます。
  116. 石井苗子

    ○石井苗子君 そういうことをちゃんと科学的に伝えていくというリスクコミュニケーションも必要だと思います。  元々毒性を弱めたワクチンで、しかも人には感染せず、ワクチンを打ったということで人には全く影響ないと、影響ないということでいいのかということなんですね。二重、三重の意味で人体に影響ないということを言っていって風評被害ということを食い止めていかなければならない、これ、リスクコミュニケーションの大切なことだと思うんですね。前向きに何でも検討していくということなんですが。  風評被害が起こるというふうに大臣は考えているのか、どのような対策を取っていらっしゃるのか、ちょっと最後にそれを一つ。なぜ風評被害が起きると、起きていると大臣は考えていらっしゃるのか、どのような対策を取っているのか、教えてください。
  117. 江藤拓

    国務大臣江藤拓君) 風評被害が起こることを予見して、政務官をトップとして、風評被害対策のメディア対策を実は省内でしっかりやってまいりました。そして、いよいよ十五日にいわゆるワクチン接種豚がいわゆる屠場から枝となって卸されると、卸売の手に渡る。そして、先ほど申し上げましたけど、まだ店頭には出ていない。  この間も、私、実はスーパーに行ってまいりました。いつも行く近くのスーパーなんですけど、県名は言いませんが、関東の県名が書いてありますが、何とか県産の。ワクチンを打っている打っていないは書いてありませんけれども、いわゆるCSF発生していないということを多分この生産者は、もしかしたらお店側も言いたいのかなと、とっても不安な気持ちになりました。何か所か見て回りました。  ですから、対策については、起こり得るということで警戒はしておりましたが、しかし、先ほど言ったように卸の値段では若干価格も上がっておりますので、必要がないのではないか。逆に、ネットやいろんな、実は芸能人を起用することもちょっと考えていたんですが、そういうことをやってテレビでフィーチャーされると、また消費者方々がこのことに強い関心を持つことも生産者にとってはマイナスなのではないかということで、今のところ、準備はしていますがやっていないということでございます。
  118. 石井苗子

    ○石井苗子君 その対策が吉と出るか凶と出るか、ちょっと今の時点では分からないと思うんですけれども。  最後に質問しますが、ASFワクチンというのがないんですけれども、これ開発のめどというのはあるんでしょうか。めど立っていますか。
  119. 江藤拓

    国務大臣江藤拓君) 日本には元々ASFは入っておりませんので、バイオハザードで、しっかり隔離したところで一応持ってきてはおりますが、それで開発を一生懸命やってもらっています。  自分としては、これは世界的な問題なので、世界中のデータリンクをつないで、もう中国も日本も韓国もほかの国も共同研究という形を取れないかということで、農林水産省から、それぞれ知見を出し合って早期の開発を目指すべきだということで働きかけをいたしました。しかし、なかなか、我が国の我がメーカーで開発したら、嫌な言い方ですけど非常に売れるじゃないですか。だから、共同開発に余りいいお返事をいただけないです。  自分としては、世界中の知見を集めることは地球のためにも人類のためにもいいと思っておりますんですが、その働きかけはこれからも続けていこうと思っておりますけれども、日本日本でやれる範囲のことは精いっぱいやらせていただくということでございます。
  120. 江島潔

    委員長江島潔君) 時間ですので、おまとめください。
  121. 石井苗子

    ○石井苗子君 めどは立っていないということですか。
  122. 江島潔

    委員長江島潔君) 時間が来ておりますので、簡潔にお願いいたします。
  123. 江藤拓

    国務大臣江藤拓君) 立っておりません。立っておりません。
  124. 石井苗子

    ○石井苗子君 終わります。
  125. 江島潔

    委員長江島潔君) 先ほど江藤農林水産大臣から、先ほどの同大臣の発言中に不適切な言辞があれば委員長において適当に処置されたい旨の申出がございました。  委員長としましては、後刻速記録を調査の上、適当な処置をとることといたします。
  126. 紙智子

    ○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。  まず、CSF豚コレラについて質問いたします。  十一月の十六日が山梨県の韮崎市内の養豚場で四十九例目、十九日には愛知県の西尾市で五十例目の患畜が発見、確認されました。報道では、韮崎市内で捕獲した野生イノシシからこの豚コレラ確認をされ……(発言する者あり)韮崎です。山梨県の方は野生イノシシによる感染の可能性に言及をされているということであります。  野生イノシシ対策ということでは、飼養豚に対しての予防的ワクチン接種と同時に、経口ワクチンの散布、そして捕獲強化など、これスピード感を持って行っていかなければいけないということだと思います。  予防的ワクチン接種は、早いところでいうと十月二十五日から始まっていると思うんですが、今後必要なワクチンの確保に向けて、ちょっとこれ確認をしたいんですけれども、メーカーに対して増産を依頼しているということなんですけれども、今後の見通しについて藤木務官にお尋ねします。
  127. 藤木眞也

    大臣政務官藤木眞也君) お答えをいたします。  先生、先ほどおっしゃったように、ワクチン製造メーカーに対しては、防疫指針の見直しをしたタイミングで速やかにワクチンの増産をお願いしているところでございます。年内に二百五十万頭分の製造がされ、更に年度末までに追加で二百五十万頭分が製造されるという見込みでございます。
  128. 紙智子

    ○紙智子君 昨年九月の発生以降、この感染が拡大する中で、養豚農家の皆さんは、先ほどもお話ありましたけれども、本当に日々不安な気持ちで朝を迎えているということであります。一刻も早くこの不安を取り除いていかなければいけないと思います。とりわけ、この豚コレラ感染したイノシシ確認をされた地域に隣接する自治体、そして養豚農家は不安でいっぱいですよね、いつになったら自分のところに来るだろうかと。さらに、野生イノシシがこの間台風などで大きく移動したという、そういう可能性もあるわけです。  それで、CSF豚コレラ防疫指針、この今回出された指針では、ワクチン接種推奨地域の設定についてと。農場周辺の環境要因として、野生イノシシの生息状況や周辺農場数、それから豚などの飼養密度、それから山や河川の有無などの地理的な状況を考慮するというふうになっております。  この指針に基づきますと、これ、ワクチン接種推奨地域というのは、隣接する地域ワクチン接種を希望する自治体については、野生イノシシから豚コレラ発生確認されなくともこれは可能ではないかというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
  129. 江藤拓

    国務大臣江藤拓君) 現段階ではまだ二百五十万ドーズ届いておりませんので対応できないということは御理解いただいているという上で申し上げますが、確かに、地理的要件とかその密度とか、いろんな要件を課しております。しかし、その地理的要件も、県境からどれぐらい離れているかとかいうこともございます。例えば、県境から百キロ離れているのと県境から十五キロしか離れていない、五キロしか離れていない、ほとんどもう県境、川一個またいだらもう隣の県だという場合もございます。そういうことを考えると、余りしゃくし定規に考えることもいかがなものかと実は考えております。  ですから、もう既に私どもとしては検討には入っておりますが、ただ、希望をすれば打てるというような理解をしていただくと若干問題があるんだろうと思います。イノシシで発見されていないところに予防的ワクチンを打つということになれば、それなりのやはり指針の内容も見直す必要もまた出てくるかとも思いますし、それから、家畜疾病小委員会方々の御意見も、これはしっかり、手続としてということじゃなく学術的な知見の積み上げとして必要になりますので、そういう手続を踏んだ上で判断をさせていただくことになろうかと思っております。
  130. 紙智子

    ○紙智子君 イノシシ発生確認されなければできないという画一的な、そういうふうなことが最初出されていたということもあって、しかし、現状は、やっぱりいろんな条件の中で、もうすぐ隣まで来ているというときにやっぱりもう少し柔軟に対応できないのかという声があるわけでありまして、この指針というのはそういうことも含めて検討できるようになっているし、その際、もちろん専門家の意見を聞くというのは大事なことだと思うんですけれども、是非それを踏まえてやっていただきたいというふうに思います。  やっぱり、ワクチン接種の推進地域、これ隣接する自治体のワクチン接種というのは、養豚農家、団体、各県の知事さんもこれ早くから要請されているわけでありまして、野生のイノシシ対策が後手後手にならないように、既にもう一年超えているわけですからもう遅いんですけれども、しかし、これ以上後手後手にならないように、届かなければ検討しないんじゃなくて、もうワクチンは作って増産しているわけですから、届くのを待つんじゃなくて、もう既にそういうことができるということが分かっている中で、やっぱり待たずに対応していただきたいというふうに改めて思いますので、よろしくお願いします。  ちょっと一言、じゃ、それに対して。
  131. 江藤拓

    国務大臣江藤拓君) 先ほども御答弁させていただきましたが、二百五十万ドーズ、あと二週間か三週間で届くということは予見される、もう確実なことでありますから、それに備えて省内でも検討を始めておるということでございます。
  132. 紙智子

    ○紙智子君 急いでやっていただきたいと思います。  次に、北海道噴火湾地域における養殖ホタテの大量へい死についてお聞きします。  これ、漁業者にとっては大幅な増産になり、関連する水産加工業や運輸業者にも影響が出ています。生産量は、二〇一九年期、これ二〇一八年の十月から今年の五月なんですけれども、生産量は約一万八千トンで、前期比較で約七割減少しました。ある漁協では、ホタテの水揚げ額が十億円減少したと、ホタテが駄目になったら漁師は三分の一に激減するだろうというふうに言われているわけです。  この噴火湾のホタテのへい死による被害の実態を把握しているでしょうか。
  133. 山口英彰

    政府参考人(山口英彰君) お答えいたします。  養殖ホタテの主要産地でございます北海道噴火湾では、本年の漁期、平成三十年十月から令和元年五月の生産量が一万八千トンと、前年同期の約三割に大幅減産しているということでございます。
  134. 紙智子

    ○紙智子君 そのホタテのへい死がなぜ続いているのかと。漁業者は、ホタテは七月まで生きていたけれども、八月になるとばたばたと死んでいった。調査が速やかに行われなかったと。ホタテの貝に付着するザラボヤというホヤですね、ホヤの一種です、ザラボヤがプランクトンを食べるのでホタテに栄養が届かないんじゃないかと。海水温などの環境変化や潮の流れも影響しているというふうにも言われています。  噴火湾沿岸の八漁協と八市町村は、大量死の原因究明と海洋環境観測施設の整備への支援を求める要望書を出しています。この原因究明、ブイなどの観測施設の整備をすべきではないでしょうか。
  135. 山口英彰

    政府参考人(山口英彰君) お答えいたします。  まず、この大量死が起きた原因でございますが、北海道によりますれば、近年のホタテへい死の発生の原因といたしましては、高水温、餌不足及び波浪による振動発生といった気象・海洋環境の問題、また、変形や小さな成育不良の稚貝を使用するといった貝の健康状態の問題、さらに、稚貝の選別や飼育密度の確保等の作業を海洋環境に応じて適切になされなかったといった養殖管理の方法の問題等が関係しております。また、先生から御指摘のございましたザラボヤの発生という問題もあるかと思います。これらの要素が複合的に重なって昨年の大量へい死になったと考えられているところでございます。また、漁業者間でもへい死に差がございますので、具体的に一つの要因に特定はされていないという状況でございます。  こうした状況から、北海道は、貝のストレスを抑制して発育を促すことが大事だということで、例えば、一籠当たりのホタテ収容数の削減をする、また大きく変形のない稚貝の選別厳格化をする、最近の環境に応じた作業時期の実施といった養殖管理を適切に行うための、それらを含んだマニュアルを当面の養殖管理のポイントという形で作成いたしまして、へい死対策を今進めているところでございます。  水産庁といたしましては、こうした北海道の取組を支持しておりまして、地元の意見を聞きながら、今先生からも御指摘がございました気象・海洋環境を把握するための海洋観測ブイの設置や、また北海道が平成二十八年から研究開発を行っておりますICT画像解析技術の成果を用いた生産管理、こういったものに国庫補助事業の活用も含めて支援検討してまいりたいと考えております。
  136. 紙智子

    ○紙智子君 ブイの支援については、漁協が事業主体になると、これは浜の活力再生交付金使えるということでよろしいんでしょうか。
  137. 山口英彰

    政府参考人(山口英彰君) おっしゃるとおりでございます。
  138. 紙智子

    ○紙智子君 漁業者は、これザラボヤが影響していると行った先々で言うんですね。大変な作業なんですよ。いっぱい細かいのが付くので、早いうちに、大きくならないうちに水を、圧力で全部取るんですね。そして、もう一回沈めるわけです。そういうことを繰り返さなきゃいけないんです。で、これ大きくなるまでいると大変な重さになるんですよ。だから、もう引き上げようとしたときに落ちちゃうんですね。そういうことで、大変なもう作業なんですよ。だから、口をそろえて、行ったらですね、いや、ザラボヤがという話が出てくるわけであります。  噴火湾では、これ外来種なんですけれども、ザラボヤの付着というのは常態化してきていると。耳づりでは引き上げるときにもう落ちてしまうと。ザラボヤの重さで小さな船の場合だと危なくなるんですね、バランス崩して。  そういうことなんで、それで、有害生物漁業被害防止総合対策事業というのがあるんですけれども、この予算が底をついちゃって足りないと、駆除費用が足りないというふうに聞いているわけで、これ予算を拡充すべきではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
  139. 山口英彰

    政府参考人(山口英彰君) 外来性ホヤの一種でございますザラボヤは、北海道噴火湾において養殖ホタテガイに大量に付着し、漁具の破損、漁労作業の遅延、さらにはホタテガイの成長阻害等の被害を及ぼしておるところでございます。  このような状況に対しまして、国といたしましては、平成二十八年度と二十九年度の補正予算におきまして洋上駆除を行うための洗浄機の導入への支援を行ったところでございます。さらに、有害生物漁業被害防止総合対策事業において、駆除されたザラボヤの処理施設への運搬や処理に要する経費への支援を行っているところでございます。  現状において、この金額についての増額等のお話は直接は承っておりませんが、引き続き、漁業団体の御意見を聞きながら、ザラボヤ対策に必要な予算の確保に努めてまいりたいと考えております。
  140. 紙智子

    ○紙智子君 噴火湾のホタテ養殖というのは、昭和四十年当時からの努力がずっとされていて、今海外にも輸出するなど、この地域の基幹産業になってきているんですね。ですから、へい死の原因究明と、それからやっぱり対策ということでは支援を強化していただくように求めておきたいと思います。  次に、ちょっと病院の問題なんですけれども、公的病院の統廃合の問題です。  厚生労働省が全国一律の基準を設けて公立・公的病院の再編統合を地方に押し付けようとするやり方に批判が強まっています。十月四日に行われた全国知事会など地方三団体との協議の場では、地方側から、余りにも唐突で不適切だと、国への強い不信感が出ているなどの意見が相次ぎました。この場に出席をしていた長谷川岳総務副大臣は、本来ならこのような協議の場で公表の仕方や公表前の各自治体への事前通知、それから改善の洗い直しをするなど、過程が大事なんだと、必要なんだと、公表の仕方に注文を付けたわけですね。  それで、JA厚生連の病院、これ所管しているのは農水省ということなので、江藤農水大臣にこの見解をお聞きしたいと思います。
  141. 江藤拓

    国務大臣江藤拓君) 九月二十六日付けで、全国千六百五十二の公立・公的病院のうちの四百二十四、再編検討が必要だと。大変唐突な話でございまして、実は、私の宮崎の五ケ瀬、もう県境、ちょっと行ったら熊本ですよ、一番外れのところです。ここも対象になっておりまして、地域方々のもう大変なハレーションが起こって、こういう発表の仕方をされるのは非常に迷惑だと、もう率直にそう思っております。厚労省の話としては議論のたたき台だというふうに言っておりますけれども、しかし、五ケ瀬から、じゃ、県病院までどれぐらい距離が掛かるとか、そういうこともやたら言っておりますけれども、これもたたき台ということで、これは徹底的に抵抗しなきゃならぬというふうに思っております。  そして、厚生病院については、これも大変大事な病院で全国に百六もあります。宮崎には実は一個もないんですけれども、大変羨ましいなと思っておるんですが。  先週の十二日に厚生連関係者と厚生労働省の意見交換会の場も設けさせていただきました。私も、個人的には加藤厚労大臣とは大変友人ですので、この話も個人的にもさせていただいております。  ですから、今後は十分丁寧な議論をして、地域医療の在り方についても地域の理解を得ながら結論を得るべきだと考えております。
  142. 紙智子

    ○紙智子君 日本農業新聞のアンケートを取っていますけど、その中では、今回の公表について非常に問題というのとやや問題合わせると九六%にもなっているということなんですね。だから、これ真剣に受け止める必要があると思います。  それで、厚生労働省、今日来ていただいているんですけれども、北海道において批判する意見が出ております。全国最多の実は北海道は五十四施設が名指しされたんですね。その中には、奥尻島とか利尻島とか島も入っているわけです。  その中で今日特にお聞きしたいのは、政策医療を行っている八雲病院の関係者から驚きと不安の声が上がっていることなんです。八雲病院は、北海道の中でたった一つしかない筋ジストロフィーと重症心身障害児の専門病院です。今、移転計画が進んでいるんですけれども、重症心身障害児の移転先と言われている函館病院がこの統廃合の対象病院に出ていたわけですよ。元々移転を望まない患者、家族がいるのに、一方的に移転計画を公表し、今度はその移転先を統廃合するという対象にするということでは、命を何よりも大切にしている厚生労働省が患者や家族にこういう不安を与えていいのかということなんですが、いかがでしょうか。
  143. 小島敏文

    大臣政務官(小島敏文君) お答え申し上げます。  まず、今回の公表に至るまでのことを申し上げますと、自治体、病院関係者も含めまして、二〇一七年、二〇一八年におきまして、医療関係者にお集まりいただきまして公開で議論を行っている地域医療構想に関するワーキンググループや都道府県等説明会の場において、医療関係機関名を含め、公表することをお伝えをいたしております。幾つかの事実であります。  実際に病院を運営している自治体等への説明が不十分であった、地域住民への不安が広がっている等の御意見がいただいております。  そうした御意見について、十月四日の地域医療確保に関する国と地方の協議の場におきまして、厚生労働省としても、出し方に問題があった、大変ハレーションを起こしていたことについてきちっと反省しなければならない、地域に足を運び説明責任を果たすとともに、厚生労働省としましてもしっかりと取り組んでまいりたいと、まず申し上げておるところでございます。  このため、まずは全国七か所で地域医療構想に関する自治体や医療関係機関等との意見交換会を開催いたしまして、今回の分析は急性期機能に着目し、二〇一七年六月分の診療分の診療実績データの分析を行っていること、筋ジストロフィーや重度心身障害者への診療など、今回の分析だけでは判明し得ない、判断し得ない診療領域や地域の実情に関する知見については、全国的な分析を公平に行う観点から基準には盛り込んでいないこと、病院が将来担うべき役割等を機械的に決めるものではないことについて直接丁寧に説明し、意見交換を行ったところであります。  今後も、都道府県の要請に応じて、各地において意見交換を行うことといたしております。厚生労働省といたしましても、これらの意見交換の場を通じまして、御指摘のような事情を抱える病院については、地域医療構想調整会議におきまして議論をすることに当たっては留意が必要であることを丁寧に説明し、情報発信に努めてまいりたいと考えておるところでございます。
  144. 江島潔

    委員長江島潔君) 時間が来ていますので、おまとめください。
  145. 紙智子

    ○紙智子君 八雲病院の患者さんや家族は、職員に二重の不安を与えているというふうに言っているんですね。八雲病院の移転を望んでいない患者、家族、そして今も不安を訴えている家族がいるわけです。意見を出してもまともに回答がないと、聞きおくだけになっているという意見も聞いています。移転計画を既定の路線として進めるのではなくて、改めて、これ患者、家族とよく話し合うべきじゃないかと。  最後にそのことを一言だけ、よく話し合っていただきたいということを答弁いただきたいと思います。
  146. 江島潔

    委員長江島潔君) 簡潔に、小島政務官お願いします。
  147. 小島敏文

    大臣政務官(小島敏文君) 八雲病院の移転問題に関しましては、長距離の入院患者の移送等の課題があります。同機構において、患者やその家族に安全確保等について説明会を実施すると聞いております。  また、八雲病院の機能移転については、基本的には同機構で検討し進めていくものであるが、患者やその家族、職員には移転の趣旨や安全対策を丁寧に説明し進めていきたいと考えております。
  148. 紙智子

    ○紙智子君 それが現場では聞き取られていないというのを何度も言われているので、やっぱりきちっと意見交換をして、納得いくようにやっていただきたいということと、最後にやっぱり公的病院の今回のこの発表は撤回していただきたいということを申し上げて、質問を終わります。
  149. 江島潔

    委員長江島潔君) 本日の調査はこの程度にとどめます。     ─────────────
  150. 江島潔

    委員長江島潔君) 次に、肥料取締法の一部を改正する法律案を議題といたします。  政府から趣旨説明を聴取いたします。江藤農林水産大臣
  151. 江藤拓

    国務大臣江藤拓君) 肥料取締法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。  肥料取締法は、農業生産力の維持増進に寄与するとともに、国民の健康の保持に資することを目的として、肥料について登録、届出の制度等を設けているところであります。  世界的な肥料の需要の高まりの中で、国内の低廉な堆肥や産業副産物の活用を進めるため、これらを安心して使用できるよう、肥料の品質管理を進めることが重要であります。また、施肥の効率化等の農業現場需要に柔軟に対応した肥料を供給していくことが求められております。  こうした観点から、産業副産物等の肥料原料を管理する制度を導入するとともに、肥料の配合に関する規制を見直すほか、肥料の表示基準の整備等の措置を講ずることとし、この法律案を提出した次第であります。  次に、この法律案の主要な内容について御説明申し上げます。  第一に、肥料の原料管理制度の導入についてであります。  農林水産大臣は、肥料に使用することができる原料の範囲の規格を定めるとともに、肥料業者は、肥料に使用した原料を帳簿に記載しなければならないこととしております。また、肥料の原料に関する虚偽の宣伝を禁止することとしております。  第二に、肥料の配合に関する規制の見直しであります。  普通肥料と特殊肥料を配合した肥料及び肥料と土壌改良資材を配合した肥料について、新たに届出による生産を可能とするとともに、肥料の配合に伴い造粒等の加工を行った肥料について、登録を不要とし、届出による生産を可能とすることとしております。  第三に、肥料の表示基準の整備であります。  農林水産大臣は、肥料の効果の発現時期等の肥料の品質や効果に関する表示の基準を定めることができることとしております。  以上が、この法律案の提案の理由及び主要な内容であります。  何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
  152. 江島潔

    委員長江島潔君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後三時三十分散会