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山田俊男君
大臣には、私がこの後
質問したいことをもう前段にちょっとおっしゃっていただいたものですから、この次の
質問の仕方が難しいんですが。
要は、いずれにしましても、今
大臣から御紹介いただいたように、資料を皆さんのところに差し上げております。昨年の夏にかけて西
日本豪雨被害で被災した愛媛県かんきつ産地の復旧復興の
状況で、「諦めない強さは、いつだってみかんが教えてくれた」という大変いい資料であります。
ここに、二ページめくってもらいますと、応急
対策で、畑地かんがい施設、そして
農地、モノレールの問題がある。それから、その次のページに、樹園地の復旧復興方針で、一つは原形復旧という形、その次に改良復旧という形、そしてその次、三つ目は再編整備の話を整理して載せております。写真がありますので、御覧いただくとよく分かります。
私は、可能な限り、この再編整備の世界にどんなふうに被災地がちゃんと発展していけるかということを是非是非
大臣にも訴えると同時に、
農林水産省のみならず、それぞれ、農業者もそうです、地方
自治体もそうです、
関係者が本当に一体になりまして、この先を見据えた取組をどんなふうにやれるのかということを私は今日のテーマにしたかったわけであります。
基本理念としては、当然のこと、生産者の営農意欲が折れず、一人も脱落者を出さない取組、それから防災に強い新たな園地の形成、それからさらに、今回の豪雨被害に伴うピンチをそれこそチャンスにすることだったと、これが私は理念だったんだろうというふうに
思います。
いずれにしても、今、全国の農村、今日もずっと議論出ていますが、圧倒的に生産者の高齢化が進んでおるわけですから、そうなると、そういう実態の中で災害に遭った、災害の今の
状況を、ともかく暮らしを再建する手だて、それから災害ごみをどんなふうにちゃんと処理できるかということも含めて、これはもう
徹底してやらなきゃいかぬのですが、同時にまた、今後産地をどう生かすかということが物すごく大事だというふうに思うわけであります。
提出資料の二ページ目に、今申し上げました原形復旧、改良復旧、それから再編整備があるわけでありまして、それぞれ大事なんですが、この三つ目に申し上げました再編整備をどんなふうに取り組めるかということなんだと思うんです。園地の緩傾斜化や道路や水路の整備を総合的に行う、とりわけ災害に強く生産性の高い園地として再生することを狙いにして、地域の実情に適した事業を国庫補助事業を活用しながら取り組むというのが理念であります。
元々これは
農林水産省の担当の皆さんもよく
考えられておられたと
思いますし、それから、これは四国のミカン園地だけの話じゃなくて、全国でももう既にこの方向で取り組んでおられたというふうに
思いはしますが、しかし、これをもうちょっと体系的に、そして具体化していく政策手法といいますか、それが必要じゃないかというふうに思うんです。
いろいろ、ミカンの産地は団結心が大変強いということもあります。一つの銘柄のミカンを自信を持って世の中に出しているということもあるんだと思うんですね。ですから、原状復帰、回復に際しても、被災者の雇用と所得の確保を図るため、ともかく、壊されたモノレールの復旧など園地の回復と整備、さらに、JA等の選果場の復興や他産地への手伝いも含めて何をやったかといったら、雇用の確保を工夫したわけですね。皆さん働きに行けるような工夫をした。
それから二つ目は、園地の復興整備について、単に旧に復するだけじゃなくて、隣接する園地もあるわけですね。新たな視点での開発や新しい品種の導入に結び付けるという取組もやってくれたわけであります。
そして三つ目は、集出荷施設もずっとあるわけで、多分、農協ごと、場合によったら農協の支店ごとに集出荷施設を持っているような例もあったんだと思うんです。だから、その場合、JAの
区域を越える統廃合やその整備に関して、被災農業者の雇用の確保を進めたということだと
思います。もちろん、ミカンが成木になるまでの間の雇用について、
自治体やJAが一緒になって、更にまた広域に、県内広域に連携した雇用確保の取組をちゃんと手を打ったということも私はなかなかの取組だったんだろうというふうに
思います。
この間、ボランティアも受け入れたんですが、宿泊施設の確保、作業受託組織の立ち上げとその拡大、代替園地の掘り起こしと希望農家へのあっせん、新しい品種の導入の
検討やドローンによる防除等、新技術や新品種の導入も併せて進められたというふうに聞いています。
理念としては、
農地をどう有効に活用できるか、意欲ある農業者がいかに将来を描き、地域を元気にすることを
基本に、国、県、
市町村、さらには地域の農業
関係者が一致して取り組むことができるよう仕組みをつくったということだと思うんですね。
本当に私は仰々しく言っていますが、そうじゃなくて、私も現地へ伺いましたが、本当に緊密に
市町村自治体やJAや生産者組織が連携して、そして
自分たちの誇りを達成するために全力を挙げようという涙ぐましい努力をしてきたわけであります。どうぞ、これらの取組を一体どんな形で今回の被災地に、被災地は一律的に一般化できないというふうに
思います。水田地帯もある、果樹地帯もある、さらにはもう家を失ってしまったところもある。そこは生活をどうするかという問題を抱えるわけですから、
農地の復興や農産物をどうするかということまで頭が回らない
可能性もあるわけでありますけれ
ども、しかし、ともかく深刻な被害を当面は元に戻すと、そして生活できる
状況に復するということが急がれるんですが、同時にまた、破壊された地域の農業や水田や畑地をどう整備し、将来につなげていくか、どうしてもこれらのことを地域で話し合う取組がなされなきゃいかぬ。
今、被災された皆さんはもう毎日毎日一生懸命だと思うんです。もういろんなことに頭が回らないかもしらぬ。だけれど、それこそ
自治体や、それから県や
農林水産省や多くの皆さんがそのことについて
考え方を披瀝する、相談する、こうした取組をどうぞやろうじゃないですか。
私は、昨年の西
日本の台風被害における愛媛県の取組、この産地の取組から学べるものをちゃんと学んで、そしてやっていける仕組みがあっていいと、こんなふうに思うところであります。原状に復するということだけでなくて、創造的な復興をつくるという努力なんだろうと、こんなふうに思うところであります。
どうぞ、これらの取組についても、私は、間違いなく
農林水産省はちゃんといろんな形で関わってきているんじゃないか、関わってきたんじゃないかというふうに私は思うんですよ。だから、
農林水産省として、いやいや、それはもう俺たち知ったことだよということでもあろうかというふうに
思いますけれ
ども、どうぞ、農水省の御意見をここで聞いておきたいというふうに
思います。