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2019-11-07 第200回国会 参議院 内閣委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    令和元年十一月七日(木曜日)    午前十時二分開会     ─────────────    委員の異動  十一月一日     辞任         補欠選任      山田 太郎君     金子原二郎君  十一月五日     辞任         補欠選任      金子原二郎君     山田 太郎君  十一月七日     辞任         補欠選任      石井 準一君     岩本 剛人君      岡田 直樹君     高橋はるみ君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         水落 敏栄君     理 事                 上月 良祐君                 柘植 芳文君                 杉尾 秀哉君                 矢田わか子君                 石川 博崇君     委 員                 石井 準一君                 今井絵理子君                 岩本 剛人君                 岡田 直樹君                 岡田  広君                 古賀友一郎君                 高橋はるみ君                 山田 太郎君                 山谷えり子君                 木戸口英司君                 岸 真紀子君                 塩村あやか君                 高橋 光男君                 清水 貴之君                 高木かおり君                 市田 忠義君                 田村 智子君    国務大臣        国務大臣        (内閣官房長官) 菅  義偉君        国務大臣        (内閣特命担        当大臣)     武田 良太君        国務大臣        (内閣特命担        当大臣少子化        対策))     衛藤 晟一君        国務大臣        (内閣特命担        当大臣経済財        政政策))    西村 康稔君        国務大臣        (内閣特命担        当大臣規制改        革))      北村 誠吾君        国務大臣        (内閣特命担        当大臣男女共        同参画))    橋本 聖子君        国務大臣     赤羽 一嘉君    副大臣        内閣府副大臣   平  将明君        防衛大臣   山本ともひろ君    大臣政務官        内閣大臣政務        官        今井絵理子君        内閣大臣政務        官        藤原  崇君        財務大臣政務官  井上 貴博君        国土交通大臣政        務官       和田 政宗君    事務局側        常任委員会専門        員        宮崎 一徳君    政府参考人        内閣官房内閣審        議官       大西 証史君        内閣官房内閣審        議官       宮崎 祥一君        内閣官房内閣審        議官       阪本 克彦君        内閣官房内閣審        議官       星屋 和彦君        内閣官房内閣審        議官       河村 直樹君        内閣官房日本経        済再生総合事務        局次長      風木  淳君        内閣官房まち・        ひと・しごと創        生本部事務局次        長        田川 和幸君        内閣官房内閣人        事局人事政策統        括官       山下 哲夫君        特定複合観光施        設区域整備推進        本部事務局審議        官        兼観光庁審議官  秡川 直也君        内閣府政策統括        官        増島  稔君        内閣男女共同        参画局長     池永 肇恵君        内閣地方創生        推進事務局審議        官        村上 敬亮君        内閣府子ども・        子育て本部統括        官        嶋田 裕光君        内閣大臣官房        カジノ管理委員        会設立準備室審        議官       徳永  崇君        公正取引委員会        事務総局経済取        引局取引部長   東出 浩一君        公害等調整委員        会事務局次長   吉牟田 剛君        消防庁国民保護        ・防災部長    小宮大一郎君        文部科学省大臣        官房審議官    蝦名 喜之君        文部科学省大臣        官房審議官    玉上  晃君        厚生労働省大臣        官房審議官    迫井 正深君        厚生労働省大臣        官房審議官    吉永 和生君        厚生労働省大臣        官房審議官    本多 則惠君        厚生労働省大臣        官房審議官    諏訪園健司君        農林水産省大臣        官房危機管理・        政策立案総括審        議官       岩濱 洋海君        農林水産省大臣        官房参事官    上田  弘君        経済産業省大臣        官房商務・サー        ビス審議官    藤木 俊光君        経済産業省大臣        官房審議官    小笠原陽一君        中小企業庁経営        支援部長     渡邉 政嘉君        国土交通省水管        理・国土保全局        次長       塩見 英之君        環境省大臣官房        審議官      松澤  裕君        防衛省大臣官房        政策立案総括審        議官       辰己 昌良君        防衛省防衛政策        局次長      石川  武君        防衛省地方協力        局次長      田中  聡君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○内閣重要政策及び警察等に関する調査  (質疑通告漏えい問題に関する件)  (女性に配慮した避難所環境整備に関する件  )  (災害対応等を現場で担う国の機関の定員管理  に関する件)  (消費税率引上げに伴う対策実施状況に関す  る件)  (女性活躍推進意義に関する件)  (特定複合観光施設の誘致に向けた地方公共団  体の取組状況に関する件)  (令和元年台風第十五号、第十九号等による被  害に対する支援策に関する件)  (東京オリンピック競技大会マラソン競技会場  の札幌市への変更に関する件)  (全世代型社会保障改革意義方向性に関す  る件)  (地域経済・景気の現状及び地域経済活性化  方策に関する件)  (下請取引におけるフリーランスの保護に関す  る件)  (幼児教育保育無償化開始時における食材  料費の取扱いに関する件)  (企業主導型保育事業の在り方に関する件)     ─────────────
  2. 水落敏栄

    委員長水落敏栄君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。  政府参考人出席要求に関する件についてお諮りをいたします。  内閣重要政策及び警察等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官大西証史君外三十二名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 水落敏栄

    委員長水落敏栄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  4. 水落敏栄

    委員長水落敏栄君) 内閣重要政策及び警察等に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  5. 木戸口英司

    木戸口英司君 立憲・国民.新緑風会・社民の木戸口英司です。  まずは、台風第十五号、台風第十九号、その後の集中豪雨により犠牲となられた方々の御冥福をお祈りし、被災された全ての皆様にお見舞いを申し上げます。政府には、被災者支援早期復旧復興に全力で取り組むこと、早期補正予算の編成を行うことを強く求めます。  まずは、質問通告漏えい問題について北村大臣にお伺いをいたします。  十月十五日火曜日、参議院予算委員会森ゆうこ議員国家戦略特区について質疑を行うに当たり、原英史国家戦略特区ワーキンググループ座長代理参考人招致することについて予算委員会理事懇談会で合意され、予算委員会から内閣府へ出席要請がなされています。しかし、質問が行われる前の時点で、森議員質問通告に対し、原氏及び原氏と関係ある複数の人がネット等批判を展開するという事態が生じております。そこで、質問通告等事前に漏えいしたのではないかとの疑いが持たれております。  資料一にもありますとおり、自民党森山国対委員長も、通告が漏れて質問の前に国会議員批判にさらされるのは極めて遺憾だとし、精査再発防止に乗り出すことを表明しておりますが、これは当然のことだと思います。  加えて問題なのは、質問通告提出期限は十一日金曜日の十七時であり、森議員はその前の十六時半までに提出していたにもかかわらず、匿名の若手官僚なる者が、森ゆうこ議員質問通告遅れのせいで帰れないというツイート、これは当日登録のいわゆる捨てアカと言われるものでございますが、これが数千、ツイートが拡散されて、森議員がいわれなき批判にさらされることとなりました。  また、予算委員会質問後、松井孝治氏、これは元官房長官大学教授でありますけれども、がツイッター匿名のアカウントからとして、十月十五日火曜日、参議院予算委員会質疑者一覧表を添付し、ツイートしています。この資料は、霞が関イントラネットから流出したものとして、内規違反であることも内閣府は認めています。  そこで、内閣府の調査についてでありますけれども、霞が関官僚職業倫理を欠いた国会軽視とも言えるこの行為、厳しく糾弾されるべきであり、早期精査再発防止を求めるものでありますが、この経緯確認も含め、政府全体で対応しているということでありますけれども、現在の対応状況についてお伺いいたします。
  6. 北村誠吾

    国務大臣北村誠吾君) お答えいたします。  森ゆうこ議員質問要旨については、既に国会でも御説明したとおり、議員本人から問合せ不可との御連絡をいただく中で、参考人招致を調整するためにやむを得ず原氏への質問要旨を送付したものでございます。また、原氏以外の第三者である高橋洋一氏に内閣府から直接接触をしたり情報を渡したりした事実はないことを確認いたしております。  全質疑者の、全ての質疑者質問状況一覧表につきましては、政府全体として経緯確認が進められているところでございまして、その結果についても政府全体として対応を判断するものであり、私の立場からコメントをすることは差し控えさせていただきたい。  以上です。
  7. 木戸口英司

    木戸口英司君 それでは、そのイントラネット、流出した件について、政府全体で今調査中ということでありますので、その調査結果についてこの委員会にも報告を求めたいと思いますが、委員長のお取り計らいをお願いいたします。
  8. 水落敏栄

    委員長水落敏栄君) 後ほど理事会で協議いたします。
  9. 木戸口英司

    木戸口英司君 今、原氏、高橋洋一氏からの聞き取り調査についても触れられましたけれども、この資料一にございますとおり、十月十四日月曜日、質問の前日でありますが、八時から放映された「虎ノ門ニュース」において、高橋洋一氏が森ゆうこ議員質問通告について批判を展開されております。そして、原英史氏が、十一時三十分、同日、森ゆうこ議員国家戦略特区に関する質問通告についてというタイトルでアゴラに投稿し、批判を展開しているということであります。  今大臣がおっしゃられたとおり、十一日の夜に、これも資料一に書いておりますけれども、夕方二回にわたり、質問通告、そして追加として資料内閣府からメールで送られていること、そして、内閣府はこの点については問題ないということでされております。  それで、今、繰り返しになりますけれども、原氏は高橋洋一氏に対し質問通告資料は渡さずに電話メールで行ったと、そして、高橋氏には内閣府から直接接触したり情報を渡したりした事実はないと、高橋氏は十一日の晩にアップされていた森議員ツイッター質問項目があるのを見た、発言情報源は原氏からの連絡森議員ツイートだけで通告書も受け取っていないということで、大臣はこの間の衆議院でも内閣委員会でも答弁されております。  それで、資料一に、池田信夫氏、この方、アゴラの方でありますけれども、ツイッターを載せております。このツイッターには、私も十二日夜に特区についての質問通告は知っていた、原英史さんからのメールでということが答えられており、ツイートされております。  原氏は、池田氏を始め複数の人に質問通告メールしていたのではないでしょうか。大臣、いかがですか。
  10. 北村誠吾

    国務大臣北村誠吾君) お答えいたします。  原座長代理確認したところ、池田信夫氏に十月十二日土曜日夜にメールをいたし、十月十一日金曜日に、夜、内閣府から参考人招致要請などの連絡があったことをお伝えをした、これは森議員質問通告時刻ネット上で議論になっていたので、池田氏の主宰するネットメディアを含め、情報正確性を期するため自分の知る事実を伝えたとのことでございましたとの報告事務方より私は受けております。  以上です。
  11. 木戸口英司

    木戸口英司君 まあそれも問題ないということであればですが、非常に問題だと思います。  じゃ、資料二を御覧ください。「虎ノ門ニュース」の高橋洋一氏の発言の書き起こしでございます。  冒頭に、私も森ゆうこ議員通告書を見ましたよ、箇条書で、更に追加が来ていた、役所の方から来たんですよと高橋洋一氏は明確に答えております。この点はいかがですか。
  12. 北村誠吾

    国務大臣北村誠吾君) 森ゆうこ議員からの質問要旨につきましては、原英史氏が高橋氏に連絡し、参考人出席要請があったこと、質問要旨嘉悦大学があることと伝えた、高橋洋一氏が質問要旨項目中に固有名詞が入っているという連絡を受けただけということであり、質問内容その他の質問項目は知らないと自ら発信いたされており、原氏から高橋氏に質問要旨が渡っていないこと、また高橋氏に質問要旨を渡っていないことを御本人自らの責任で公表をなさっていると承知をいたしております。  今後とも、新たに確認すべき事実が明らかになった場合には、その内容に応じて必要な対応を取ってまいりたいと存じております。  以上です。
  13. 木戸口英司

    木戸口英司君 役所の方から来たんですよと言っているんですね。これは否定できないと思います。  森ゆうこ氏のツイートを見てと言っていますけれども、森ゆうこ氏のツイート資料三に付けておりますけれども、箇条書ではありませんし、また追加ツイートはありません。追加しているのは、内閣府から原氏に二回にわたって送っている、これに符合するんですね。  もう一度、資料二、この高橋洋一氏の発言最後を御覧ください。  私なんかはファクス受けただけだから、連絡受けただけだから、楽といえば楽なんだけど、実際に行ってやってる人がいるわけだから、土日はちょっときついと思いますよと。これ、どういう意味かというと、前段を読んでいただければ分かるんですけれども、土日行っている人というのは役所人たちのことを言っているんですね。台風で大変だなと、自分ファクス受けただけだからと。  これ、この文脈からいくと、役所から、あるいは内閣府から直接ファクス高橋洋一氏に来たということを明確に言っているんじゃないですか。調査不足じゃないですか。ここ読みましたか、この高橋洋一氏の発言大臣。この点いかがですか。
  14. 北村誠吾

    国務大臣北村誠吾君) 原氏からは電話メール連絡をもらっているけれども、その際、添付ファイル、すなわち質問要旨は受け取っていないと。また、番組中に、役所から来たとおっしゃった高橋氏の発言は原氏からのメールを指すもので、政府関係者と述べたのも原氏のことである、他のいかなる者からも通告について連絡はもらっていないとのことであります。  以上です。
  15. 木戸口英司

    木戸口英司君 大臣、無理あります。やっぱり高橋洋一氏が番組でしゃべっていること、その後にそういう話をし出していることでありますから、明確にファクス役所、そういうことを言っているんです。もう一回調査するべきだと思いますよ。  そして、予算委員会質問が終わった後、これも資料一に書いておりますが、高橋洋一氏がツイッターでこう言っています。特区ビジネスコンサル社の図の中で俺も書かれている、顧問をしていたなんて知らないしと言っています。これは森議員質問を見てこう言われているわけですけれども、資料特区ビズ社の過去のホームページからダウンロードし、内閣府が同社社長に過去の会社案内だと、これは間違いないものだと確認森ゆうこ氏がしております。ただし、高橋洋一氏が顧問と記載されているページは資料としてその委員会では質問していないんです、使っていないんです。使用した資料は、高橋氏がセミナー講師であることを紹介する、図ではなくて写真を紹介してあるんです。  ということは、特区ビズ社の当時のホームページ内容については、森議員が関心を持って過去において内閣府に問合せを行っていたんですね。当日使用していない資料に基づいて高橋氏がツイートをしているということは、内閣府が森議員質問を想定して、様々な資料高橋氏に事前ファクスを送っていたという証左じゃないですか。  ですから、まあ大臣、今は答弁できないでしょうから、ファクスの履歴を調査して委員会報告するように、委員長、お取り計らいをお願いいたします。
  16. 水落敏栄

    委員長水落敏栄君) 後刻理事会で協議します。
  17. 木戸口英司

    木戸口英司君 大臣衆議院内閣委員会で、内閣府から通告内容が漏えいした事実はないということを確認しておりますから、責任問題が生じたときには責任を取りますということをおっしゃっております。  責任問題が生じたときに責任取るのは当たり前です。大臣、今私が述べたこと、非常に疑義が高まっています。大臣、どのような責任を取りますか。もし、今私が言ったようなファクス、出てきた場合、どうしますか。
  18. 北村誠吾

    国務大臣北村誠吾君) 十月二十三日の衆議院内閣委員会での今井雅人議員との質疑におきまして、第三者である高橋洋一氏に内閣職員が直接接触したり情報を渡したりした事実はなく、質問要旨が漏えいした事実もない旨を申し上げましたが、議員から納得がいただけない様子でございましたから、そのため、私の方から、内閣府の職員報告を信用しており、問題ないと考え、万一その報告が異なるものであれば、一般論として必要な対応を取るとの趣旨で申し上げたものであります。  事務方から高橋洋一氏に、御本人に改めて連絡をいたし、内閣職員から情報を入手したわけでなく、内閣府からの漏えいはないことを高橋氏自身に確認しており、その結果、内閣府として特段の対応を取る必要はないと考えておる次第であります。  以上です。
  19. 木戸口英司

    木戸口英司君 言い切りましたね。  内閣府から情報が漏れていないということを確認したというところで、もしあれば責任を取りますとおっしゃった。  私は、ファクスが送られているんではないかということを申し上げました。調査いたしますか。
  20. 北村誠吾

    国務大臣北村誠吾君) 今後とも、新たに確認すべき事実が明らかになった場合には、その内容に応じ必要な対応を取ってまいります。  以上です。
  21. 木戸口英司

    木戸口英司君 大分後退したような感じがいたします。いずれ調査してください。今、委員長にもお願いをいたしました。  最後の一問、官房長官にお待ちいただいていて申し訳ないんですけれども、もう一問だけ聞かせてください。  国家戦略特区ワーキンググループについて、プロセスが一点の曇りもないということを再三大臣も答弁で言われております。そこに大変な疑義が今持たれているわけでありまして、議事要旨、削除されたり改ざんされたりしているのではないかということを、我々はそのように考えておりますが、これ以上、議事要旨について隠蔽は、改ざんはないということを言えますか。端的にお答えください。
  22. 北村誠吾

    国務大臣北村誠吾君) 規制改革提案を募る段階では、様々なアイデアを得るために、いろいろな形での提案に門戸を広げております。どのような形の提案であるにせよ、実現に向けて動き始めた提案については、法令にのっとり、一貫してオープンなプロセスをもって進められております。この選定のプロセスにおいては、民間有識者も一点の曇りもないと述べておられるということを承知しております。  今後とも、国民の目線もしっかりと踏まえた上で誠意を持って丁寧に説明をさせていただく、そういう姿勢には変わりはございません。  以上です。
  23. 木戸口英司

    木戸口英司君 この国家戦略特区についても、今後また議論を深めていきたいと思います。  それでは、もうあと三分しかないところ、官房長官、お待たせして申し訳ありません。もう一問ぐらいしかできませんけれども。  まずは官房長官に、首里城の火災、焼失は大変ショッキングでありました。再建に向け、政府は全面的に支援する姿勢を打ち出していますけれども、私からも財政的、技術的支援要請をさせていただきたいと思います。お願いいたします。  では、米軍による嘉手納基地でのパラシュート訓練及び普天間飛行場航空機運用に対する規制形骸化についてお伺いいたします。  米軍は二十九日、沖縄県の嘉手納基地パラシュート降下訓練を行っています。日米合意降下訓練を伊江島に集約するとしていますが、河野防衛大臣は、日米同盟維持強化に反する事案と言わざるを得ないと強く批判しております。  また、普天間飛行場の返還が実現しない中で、航空機騒音落下物に対する不安等、大きな負担周辺住民に強いる状況が続いております。航空機騒音発生件数、増えているという報道もございます。  大臣沖縄基地負担軽減、こういった点からいっても後退していることはないでしょうか。大臣、この事案について見解をお伺いいたします。
  24. 菅義偉

    国務大臣菅義偉君) 我が国を取り巻く安全保障環境が極めて厳しさを増す中で、日米同盟抑止力は極めて重要であり、沖縄における米軍機飛行訓練等米軍運用上必要なものであると考えております。他方、これによる騒音等の問題は周辺住民の皆さんにとって深刻であり、その軽減を図ることは重要な課題の一つであるということは認識しています。  このような認識の下に、政府としては、米軍に対して騒音規制措置の遵守や地元への配慮などを申し入れるとともに、普天間飛行場のオスプレイの県外訓練実施などを今日まで実現をさせてきております。また、米軍機運用については、引き続き安全確保に万全を期すよう求めていきたいと思います。  また、今お話のありましたパラシュート降下訓練でありますけれども、SACO最終合意に基づき、基本的に伊江島補助飛行場を使用することにされており、嘉手納飛行場はあくまでも例外的な場合に限ってのみ使用されるものであるという認識を持っております。政府としては、引き続き米側に対し、SACO最終報告に沿って伊江島補助飛行場において実施をするよう強く求めていく考えであります。  また、安倍政権になって、これまで普天間飛行場の空中給油機十五機全てを岩国に移転をしました。また、北部訓練場四千ヘクタール、この返還を実現をしております。そして、嘉手納以南人口密集地に存在する米軍基地において約七割の返還計画を発表し、返還を進めているなど、基地負担軽減は着実に進んでいる、このように思っています。  また、市街地に位置し、住宅、学校に囲まれ、世界で一番危険と言われている普天間飛行場の固定化は避けなければならない道、危険はまさに取り除かなければなりません。政府として、早期に辺野古への移設と普天間飛行場の返還を実現したい、このように考えています。  沖縄の基地負担軽減は安倍内閣の最重要課題であり、私、基地負担軽減担当大臣として、できることは全て行う、目に見える形で実現するという気持ちで負担軽減に全力で取り組んでいるところであります。
  25. 木戸口英司

    木戸口英司君 もう時間となりましたので、もうまとめたいと思います。  資料五に最近の国と沖縄との、訴訟の……
  26. 水落敏栄

    委員長水落敏栄君) 時間が過ぎていますから、簡潔にまとめてください。
  27. 木戸口英司

    木戸口英司君 状況が続いておりますので、是非対話を大事にしてやっていただきたいと。異常な状態だと思いますので。  これで終わります。
  28. 高橋光男

    高橋光男君 公明党の高橋光男です。  まず、改めて、この度の台風十五号、台風十九号、そして二十一号関連の豪雨により犠牲になられた方々に衷心よりお悔やみ申し上げるとともに、今なお被災者の皆様に対し、心よりお見舞いを申し上げたいと思います。  台風十九号については、最新の政府発表によれば、十三都県で死者九十五人、行方不明者五人、七十四河川百四十か所で決壊するなど、各地に甚大な被害をもたらしました。  東日本大震災からの復興の光がようやく見え始めた中だったのに。これは、今回最も犠牲者が多く、今なお最大数の避難者がいらっしゃる福島県を先日視察させていただいた際に本宮市の住民の方から伺った切実なお声です。政府としても真摯に受け止めていただかなければならないと考えます。  被災地の寒さも一段と厳しさを増しています。政府には、一日も早い復旧復興のために、どこまでも被災者第一、被災者目線に立って、お一人お一人に寄り添った支援に全力で取り組むとともに、災害に屈しない強い国づくりのために、必要な対策、十分な予算措置を講じていただきたいと思います。  この点、菅官房長官は、先日の所信的挨拶におきまして、台風十九号等に関し、被災者の皆様が一日も早く安心して暮らせる生活を取り戻せるように全力を尽くすと述べました。  公明党としても、先月二十五日、台風十九号等からの復旧復興に向けた七十五項目にわたる政策提言を提出したのに対し、菅長官は、しっかりと取り組んでいくと応じました。  その後、十月二十九日には激甚災害と大規模災害復興法に基づく非常災害の指定が閣議決定されるとともに、報道によれば、今週中には包括的な生活再建支援策が打ち出されるものと承知いたします。まさに、内閣の最重要政策として取り組まなければならない喫緊の課題であることに鑑み、本日は台風十九号等の被害への対処を中心に質問させていただきます。  まず初めに、避難所体制についてです。  避難所生活という過酷な環境の中にあっては、特に、高齢者、障害者、乳幼児などのいわゆる要援護者に配慮した避難所運営が重要であることは言うまでもありません。今なお避難所にいるそうした方々への配慮、例えば、防寒対策やインフルエンザ、ノロウイルスを始めとする感染症対策はもちろんのこと、引き続き、多様なニーズに応じてきめ細やかな支援策を講じていただきたいと思います。  一方、今回の被害を通じて、避難所運営における女性への配慮不足の課題も浮き彫りとなりました。特に、更衣室や授乳室のスペースがないといった問題や、女性被災者からは、避難所女性のスタッフがおらず女性特有の悩みを相談できないといった声が各地で寄せられました。これに対し、公明党より個別に自治体に働きかけ、配置が実現したケースもございます。  この点、避難所運営に関しては、六年前にできた、男女共同参画の視点からの防災・復興の取組指針というものがございます。この指針は、阪神・淡路大震災や新潟中越地震の経験を踏まえ、男女共同参画の視点を取り入れた体制の確立が重要といった観点から策定されたものです。これによれば、例えば避難所等の相談体制に関しては男女両方の相談員を配置することなどが記載されています。しかし、今回徹底されていたとは言い難いかと思います。  こうしたことが災害のたびに繰り返されぬよう、政府には、今回の経験を踏まえ、女性に配慮した避難所環境の整備を徹底していただきたい。具体的には、女性スタッフを必ず避難所に配置すること、女性にとって必要な支援物資を提供すること、更衣室、授乳室、男女別のトイレを配置することなどです。  政府はこのほど、女性に配慮した避難所運営指針を改定する方針を表明したと承知いたします。そこで、新たな指針の策定に当たり、政府はこの度の対応をどう受け止めているのでしょうか。また、指針を現場に浸透させ、実行していくためにどのように取り組まれるお考えでしょうか。
  29. 橋本聖子

    国務大臣(橋本聖子君) まず、この度の災害により亡くなられた方々に心からのお悔やみを申し上げ、災害に遭われた被災者の皆様方にお見舞いを申し上げたいというふうに思います。  内閣府では、平成二十五年に、地方公共団体に向けた、男女共同参画の視点からの防災そして復興の取組指針というものを策定しております。この策定では、委員が御指摘されましたように、平常時から、意思決定の場への女性参画の推進、そして災害時の男女のニーズの違いに配慮した対応等の必要性を示しておりまして、内閣府から随時その活用を促しているところであります。そして、今回、台風十九号の接近に先立ちまして指針の活用を改めて促すとともに、発災直後には特に被害の多かった五県に個別に活用を働きかけたところです。  この度の台風災害における各自治体の指針の活用状況等については、今後の被災地の状況を見ながら、負担を掛けない配慮をして、しかるべき時期に把握していきたいというふうに思います。  問題として御指摘ありましたように、まだまだ、直前に、あるいはその直後にしっかりと女性に対しての配慮を被災地あるいは避難所でしていただきたいというふうに言いましても、その場その場で状況が変わってきております。毎日求められるものが違ってくるという状況の中で、女性やあるいはお子様、そして特に小さなお子様を抱えられた女性の方々、あらゆる対応に対してしっかりとやっていかなければいけないということを改めて認識をいたしました。  今、大変な状況の中で被災を、復旧復興に努められているような状況でありますので、その状況を今すぐに検討していくということには逆に現場に大変な御迷惑をお掛けすることにもなりますので、しっかりと寄り添いながら、状況を把握して、そして次の指針に向けていきたいというふうに思っております。  六年たちましたので、改定に向けて、今お話を申し上げましたようなものをしっかりと組み込みまして、改定に向けて努力をしていきたいというふうに思っております。  活用を促進するための方策についても、これがしっかりと策定されたとしても、現場に浸透させて、そして実行されなければ意味がないものだというふうに思っておりますので、引き続き、関係省庁としっかりと連携強化を図りながら、次の策定に向けて全力を尽くしていきたいと考えております。
  30. 高橋光男

    高橋光男君 ありがとうございます。  まさに大臣おっしゃったように、今回初めて災害の発生前にそうした女性等に配慮した避難所運営を要請されたり、また事後の対応をされたことは評価いたします。  しかし、おっしゃられたように、まさに平時の対策というものが一番こういった緊急時において重要でございまして、まさに、台風接近の直前に要請したといっても現場がすぐに対応できるものでもないかというふうに思います。  現行制度におきましては、男女共同参画センターなどが中心になって現場では取り組むものとも理解いたしますけれども、そうした体制の在り方も含めて、政府が新たに作られるそうした指針がまた現場で徹底されるよう、不断の努力を行っていただくことをお願いいたしたいと思います。  そして次に、住まいの確保についてお聞きします。  今なお、十都県、十の都県におきまして約三千人の避難者がいらっしゃいます。寒さも厳しくなっている中、避難者や被災者の皆様の住まいを確保することは急務であると考えます。  一方で、先日訪問した郡山市におきましては単身用の空き部屋は逼迫している状況であったり、また、お会いした本宮市の高松市長からは、市営住宅は残り僅かであって、東日本大震災時の災害公営住宅も一〇〇%埋まっている状況とも伺いました。その他、震災後に設置した借り上げ住宅や応急仮設住宅があるようでございますけれども、それらの改修もしたいと言っておりますが、国の支援が必要といった要請がございました。  こうした被災地の実態や被災者の多様なニーズに即して、公営住宅のほか、寒冷地仕様の仮設住宅を含めた応急仮設住宅などの建設とともに、いわゆるみなし仮設住宅、すなわち民間賃貸住宅などの空き家、空き室を確保していくことが必要となってきます。  また、あわせて、修理業者の不足も今言われています。それにより、被災住宅の改修、修繕作業に時間を要している地域もございます。そうした方々に対しては、一時避難先として、みなし仮設又は公営住宅等への仮入居を可能な限り認めていただきたいと考えます。  そして、こうした手続には罹災証明書が必要かと承知いたしますけれども、福島などでは引き続き発行が遅れている自治体が多数ありますので、認定手続の簡素化及び迅速化を重ねてお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
  31. 今井絵理子

    大臣政務官今井絵理子君) お答えいたします。  災害において自宅を失い避難された方々ができるだけ早く公営住宅や仮設住宅などの安定した住居に移行し、安心した生活を取り戻せるよう住まいの確保に努めていくことは、高橋議員がおっしゃるように、大変重要であると感じております。  現在、被災自治体において、住まいに関する意向確認が進められております。具体的には、十一月七日時点で、賃貸型応急住宅については九つの被災自治体において受付を実施しております。公営住宅等については、現在までに約千四百三戸の入居が決定されております。また、積雪や寒冷地でも安心して生活できる建設型応急住宅については、宮城県、茨城県、長野県において四市町村で百七十一戸建設準備に着手するなど、被災者の多様なニーズを踏まえた住まいの確保に向けて準備が進んでいると伺っております。  また、住宅が半壊等の被害を受けているものの、修理により御自宅での生活が可能となる方々に関しては、住宅の改修、修繕を行う間、公営住宅等を一時的な避難先として使用することも可能とされています。  さらに、罹災証明書の交付の前提となる被害認定調査の簡素化そして迅速化については、去年三月に被害認定基準運用指針というものを見直し、その中では、航空写真等を活用して全壊の判定を速やかに行うことができること等としたところであり、今般の台風第十九号の災害においても、被害認定調査における留意事項として取りまとめ、周知を図ったところでございます。  引き続き、一人一人に寄り添い、そして被災地の声を伺いながら、住まいの確保に向けて全力で取り組んでまいります。
  32. 高橋光男

    高橋光男君 是非、引き続き御対応をよろしくお願いします。  さて次に、災害廃棄物の扱いについて伺いたいと思います。  今回の被害で多くの災害廃棄物が出ました。被災地にはまだ道路脇に多くのごみが置かれていて、十分な処理ができていないところもございます。  災害廃棄物の量は、例えば郡山市においては東日本大震災時の五倍のペースで発生しています。しかしながら、市内に二つあるクリーンセンター、ごみ処理場でありますけれども、このうち一つは浸水で稼働停止となり、施設復旧の時期は未定となっています。現在、残り一つのセンターで対応していますけれども、一日の焼却能力は三百トンに対し、ごみの量は四百トン、すなわち毎日百トンたまっている状況であります。  さらに、郡山におきましては中央工業団地の一帯が水没し、災害廃棄物の処理が第一の課題となっています。こうした工業団地は地域産業が集積し、そして、地域雇用にとって重要な役割を担っています。この度の災害によって団地内の企業が撤退することのないように特別の配慮と支援が必要と考えます。  こうした地域での災害廃棄物については、広域処理、つまり他の自治体の協力の下で処理していますけれども、例えば郡山の場合は片道一時間半以上も掛かる南相馬市や浪江町に運搬しなければならず、最近になって県内の焼却施設での処理も始まったと承知いたしますけれども、運搬体制など、無理のない体制を確立していくことは引き続き大きな課題かと思います。  そこで、国として、被災処理施設の早期復旧、再開のために必要な支援を行うとともに、膨大な災害廃棄物の回収、廃棄を進めるためには一層効率的な広域処理のための支援を行っていただきたいと思います。また、災害廃棄物が長期間保管されるような場合には安全性の確保等の措置もしっかりと講じていただきたいと考えますけれども、いかがでしょうか。
  33. 松澤裕

    政府参考人(松澤裕君) お答え申し上げます。  今回の災害で被災しましたごみ処理施設については、この施設復旧のための補助金、国庫補助率が二分の一でございます。交付税措置を含めますと最大九二・七五%の財政措置が可能となります。  こうした財政的な支援に加えまして、先生御指摘のありました郡山市のごみ処理施設、クリーンセンターにつきましては、浸水で現在停止しておりますが、早期復旧、再開が非常に大事でございますので、私どももプラントメーカーと協議しながら、技術的な面からもできるだけ早く復旧できるように郡山市をサポートしているところでございます。  また、先生御指摘のとおり、郡山市でクリーンセンターが停止したことに伴って生活ごみが処理できず、こちらについては、環境省保有の南相馬あるいは浪江の焼却施設、仮設の焼却施設に加えまして、現在、福島県内の自治体の焼却施設でも広域処理を実施しております。引き続き、この郡山市の生活ごみ、早急に処理が、たまっているものがなくなるように、処理先の拡充に向けて調整を行っていきたいと考えております。  この生活ごみの広域処理、先生御指摘ございましたように、七十キロ遠方まで運んでおったりしますので、運搬経費が、例えば追加的に掛かります運搬経費、それから焼却の経費、追加的な経費について、これらのいわゆる掛かり増し経費についても、この度、災害廃棄物処理事業補助金の対象として支援をいたしてまいります。  また、御指摘ございました工業団地の中小企業から発生した災害廃棄物の処理につきましても、市町村が生活環境保全の観点から処理が必要だと認められると判断した場合には、災害廃棄物処理事業補助金の補助対象として応援していくことが可能でございます。  なお、今回の災害におけます補助制度では、国庫補助が二分の一、交付税措置を含めますと最大で九五・七%の財政措置が可能となっております。  広域処理につきましても、県内での広域処理を中心にしつつ、必要に応じて県外での処理も含めて処理先の確保を現在進めておるところでございます。  最後に、仮置場の保管の問題でございますが、環境省の職員が巡回を行うなど、火災防止の安全対策、こういったことを確認をして、市町村に対して助言を行っているところでございます。  引き続き、市町村や被災した中小企業からの相談に丁寧に対応して、災害廃棄物の処理が円滑、迅速に行われるように全力で取り組んでまいりたいと思います。
  34. 高橋光男

    高橋光男君 次に、医療施設の早期復旧についてお願いしたいと思います。  自治体の中には、町の中心的医療施設が浸水により甚大な被害を被ったところがございます。例えば、本宮市には谷病院という中心病院がございます。そこで、お配りした資料を御覧いただければと思います。一枚目から四枚目が、私自身、視察させていただいたときに撮らせていただいた写真でございます。  ここは、一階部分が二メーター五十センチ、ほぼ天井まで浸水し、受付、診察室、調理室、ボイラー室など、全て水につかってしまいました。また、高額なMRI、レントゲン等を含む医療機器も使えなくなりました。  こうした医療施設の復旧、再開のための支援につきましては、昨年七月の豪雨災害のときにも活用された医療施設等災害復旧費補助金制度というものがございます。しかし、この現行制度におきましては、谷病院のように医療機器がリースの場合、これも高額な金額がまだ残っているようです。そして、レントゲンバス、送迎車などの車両については補助の対象にならないものと承知します。  こうした地域医療の拠点となっている病院施設の早急な復旧、再開は、地域住民の健康福祉にとって極めて重要であることは言うまでもございません。寒さも厳しくなる中、今回の台風で被災した病院施設が早期復旧、再開できるよう、病院が直面する困難な状況に真摯に寄り添い、国として十分な支援を行っていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。
  35. 迫井正深

    政府参考人迫井正深君) 御答弁申し上げます。  被災した医療施設に対しましては、医療施設等災害復旧費補助金によりまして、建物の工事等の復旧に要する費用について、公的医療機関及び特に優先度の高い救急医療や周産期医療等の政策医療を実施しております民間医療機関へ二分の一を補助いたしております。さらに、台風十九号が先般激甚災害に指定されたことから、公的医療機関に対しましては二分の一から三分の二への補助率の引上げ、それから、対象となります民間医療機関に対しましては補助額の上限の撤廃、それから一定額を超える医療機器を補助対象へ追加されるといった対応がなされております。  今後、被災された都県を通じまして復旧のための所要額の把握をいたしまして、関係省庁とともに協議を行った上で必要な支援を行ってまいりたいと考えております。  それから、福祉医療機構におきます医療貸付事業により災害復旧に係る融資での支援も行うことといたしておりまして、これらの取組を通じまして医療機関の早期復旧に努めてまいりたいと考えております。
  36. 高橋光男

    高橋光男君 まさに、今おっしゃったようなこういった制度の活用というものは、今回策定される包括的な生活再建支援策の中でも盛り込まれるものと考えますけれども、やはり従来制度の範囲内でしか手当てできないという、そういった制約があるのかもしれませんけれども、今後、補正予算の編成等を通じて必要な追加的支援を行うなど、現場のニーズに応える御支援を是非ともよろしくお願いいたします。  そして次に、なりわいの再建についてお伺いしたいと思います。  復興を進めるためには、なりわいの再建に向けた支援が不可欠なことは言うまでもございません。被災した中小企業にはグループ補助金等の活用を積極的に進めていただくことが重要かと考えます。  一方、個人店舗などの小規模事業者にとっては、グループ補助金を利用することは簡単ではございません。この度の激甚災害指定を受け、例えば雇用調整援助金については助成率の引上げや支給限度日数の延長などの特例措置が認められました。一方で、被災した小規模店舗の再建には数千万円が必要なところも多くあります。私も本宮市でそうした複数の個人店舗を視察させていただきました。  しかしながら、現行の小規模事業者持続化補助金におきましては、上限が平時では五十万円、西日本豪雨災害のときも特例措置において二百万円でございますので、それだけではとても事業の再開が困難な状況です。融資の枠組みがあるといっても、多重債務に陥るおそれがあることから、利用は容易なことではございません。東日本大震災で被災した事業者が再度被災しているところもございます。  ついては、政府には、こうした小規模事業者が直面する個別の困難な状況に寄り添い、現存の補助額の上限額や国負担率を引き上げる、あるいは新たな補助金制度をつくるなど、更に踏み込んだ支援を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。
  37. 渡邉政嘉

    政府参考人(渡邉政嘉君) お答えいたします。  東日本大震災からの復興の途上で今回の台風等の被害に遭われた地域の中小企業・小規模事業者の皆様には、心よりお見舞いを申し上げます。再度被災されました中小企業・小規模事業者も含め、被害状況に応じ必要な支援を講じていくことが重要と認識しております。  御指摘の小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者が商工会、商工会議所と一体となって策定する経営計画に基づいて行う販路開拓等の取組を支援するものとして、原則、補助上限額五十万円、補助率三分の二で措置しております。  一方で、同補助金におきましては、災害により被災した事業者向け支援として、例えば西日本豪雨の際には、補助上限額を災害救助法が適用された地域に所在する八府県の事業者は百万円、本激基準を満たした広島県、岡山県、愛媛県に所在する事業者は二百万円に引き上げ、機械装置の導入、広告宣伝費、開発費などを支援しております。  被災地の生活やなりわいを支援する施策パッケージにつきましては、現在、政府内で取りまとめに向けた大詰めの調整を行っているところでございます。被災企業の一日も早い事業再開に向けた対策を早急に講じてまいります。  具体的には、御指摘のグループ補助金も含め、被災した建物や設備の復旧に対する補助を始め、設備、備品の修繕や販路維持の支援、商店街のにぎわいを取り戻す再建の支援など、被災地に寄り添う幅広い支援策について検討を進め、取りまとめを急ぎたいと考えております。
  38. 高橋光男

    高橋光男君 今回の災害の被災県の多くは、農林水産業も重要な産業におきまして被害が深刻な状況にあります。農林水産関係の被害総額は二千億円を超え、農業用施設だけで約一千二百億円、農作物も百六十億円を超えるなど、日に日に規模が増している状況です。  福島でお会いした農業関係者からは、例えば、ライスセンター、選果場、ビニールハウスといった施設の復旧は農家の力だけではどうにもならないといったお声や、特に大規模農家では被害範囲が広範にわたるため自力で再建は難しいといった声を伺いました。  政府は、このほど、土砂撤去や農業用ハウス再建等の補助をするための支援パッケージを策定したと承知します。是非、早期の営農再開のため、各地の実情を踏まえ、農地に散乱するごみの撤去、出荷前の作物等の補償、生産施設、機械や集出荷施設の復旧など、早急に必要な支援を行っていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。
  39. 岩濱洋海

    政府参考人岩濱洋海君) お答えいたします。  台風第十五号、第十九号等による農林水産関係の被害につきましては、十一月六日時点で約総額三千七億円の被害という形になっております。甚大な被害だということで認識しております。  特に台風十九号では、浸水被害を受けました米や果樹、トラクター等の農業機械の水没などが生じております。現在、現場からの御要請がある被災果樹農家の未収益期間が長くなることへの対応、また収穫後に農家が保管していた大量の米が冠水してしまったこと、さらに営農再開のための農業機械等の修繕、再取得について、支援の内容の最終的な詰めを行っているところでございます。  総理の御指示を踏まえまして、被災者の生活となりわいの再建に向けた対策パッケージ、これが今週にも打ち出されるということになりますが、追加的な支援策を打ち出しまして、被災農家の営農の継続につなげてまいりたいというふうに考えております。
  40. 高橋光男

    高橋光男君 続きまして、地方整備局の人員体制強化について最後お伺いしたいと思います。  今回、災害の現場におきましては、自衛隊、警察、消防のほか、全国各地の国交省地方整備局の職員で構成されますテックフォース、緊急災害対策派遣隊が派遣され、対応しています。この機会に、関係当局や、またボランティアの皆様の方々も含めて、その御尽力に敬意を表したいと思います。  さて、お配りした資料の五ページ目を御覧いただければというふうに思います。  年々、テックフォースの派遣回数は増えている状況にございます。例えば、昨年は十二回、延べ人数は一万六千七百九十人でした。一方、今回の台風対応においては、昨日の時点で六百六十八人、延べ一万七千七百二十五人となっています。これはすなわち、既に昨年一年分の派遣総数を上回っている状況です。  被災自治体からは、被災した道路、河川等の災害査定の迅速かつ柔軟な対応、国や県が管理する河川の抜本的な治水対策等の要望がなされており、既に国直轄の復旧事業も相当程度進行中と承知いたします。  こうした災害復旧事業には調査、設計、用地買収、工事発注、監督等が必要ですが、これらを担うのも地方整備局です。一方、お配りした資料の次のページにございますとおり、地方整備局等の定員数は年々減り続けています。十八年間で六千五百人、約二〇%も減少しています。  そこで、内閣人事局担当の武田大臣にお伺いしますが、地方整備局の定員管理につき、これまでどのような考え方に基づき、どのような査定を行ってきたのでしょうか。  また、併せて次の質問もさせていただきます。  それは、まさに定員数は減少の一途をたどっている中、国交省によれば、今年度も六百十一人が合理化されたことを受けて、七百七十二人の定員要求を行っているようでございます。しかしながら、これ、例年認められるのは要求数の約半分程度とのことでありまして、これでは減る一方となるかと思います。  そして、こうした相次ぐ激甚災害への緊急対応のみならず、防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策の下でインフラ整備の拡充を現場で担っているのも地方整備局です。これらの事業を進めていくには、今こそ地方整備局の定員純減の傾向を食い止め、体制をしっかりと組んでやっていかなければならないのではないでしょうか。  つきましては、地方整備局を取り巻く実情をよく把握していただき、同局の職員についてはこれまで定員管理の枠から外すなどして適切な人員の量を確保していく必要があるのではないかというふうに考えますが、まさに防災担当でもございますし、そして内閣人事局を所掌されておられる武田大臣のまさにお考え、また決意をお伺いしたいと思います。
  41. 武田良太

    国務大臣(武田良太君) 御指摘のように、相次ぐ災害における国交省、なかんずく地方局の皆さん方の活躍ぶりというのは目をみはるものがありました。現に、被災地の多くの皆さん方も、ブルーシートの配布でありますとか、決壊しましたそうしたものに対しても二十四時間体制で緊急の対応に当たってくれたということで、本当多くの方々が感謝をしていただいております。  現在、その人員が減っている、需要は上がっているのに人員が減っているということを御指摘だと思いますが、御承知のように、国家公務員の定員管理、これは閣議決定事項でありまして、内閣重要政策への対応に重点的に増員を措置する一方で、その増員の原資を確保するために、五年間で一〇%以上の合理化に取り組んでいるところであります。  地方整備局につきましても、平成三十一年度査定では、平成三十年七月豪雨等災害への対応や、テックフォースのマネジメント機能強化等を始めとする防災・減災対策等の重要課題への対応に重点的に定員を措置したところであります。  よって、今後とも、その政策課題、そして現場の実情、こうしたものをしっかり我々は情報を集めながら、的確なる判断でこの定員管理には努めてまいりたいと思います。常に、その代わり、減員するにしても増員するにしても、実情を見直す努力、これを怠らずに定員管理に励んでいきたいと、このように考えております。
  42. 高橋光男

    高橋光男君 ありがとうございました。是非これからもよろしくお願いします。  以上で質疑を終わります。
  43. 清水貴之

    ○清水貴之君 日本維新の会の清水貴之と申します。  通常国会に引き続きまして、この内閣委員会でお世話になります。どうぞよろしくお願いをいたします。  私からも、まず初めに、この度の台風災害で亡くなられた方々にお悔やみを申し上げるとともに、被害に遭われた皆様にお見舞いを申し上げさせていただきたいと思います。  質問の方なんですけれども、消費税が十月一日から上がりまして一か月余りが過ぎましたので、その対応であったりとか影響、徐々にそのデータなども出てき始めておりますので、西村大臣にお聞きしていきたいというふうに思っております。  まず、データ、調査としまして、日経新聞とテレビ東京が行った調査で、支出を減らしたかどうかという質問があります。変わらないと答えた方が七六%、減らしたと答えた方が二一%、変わらないという方が圧倒的に多いんですが、ただ、一方で減らした方は二割いらっしゃいますので、これが少ないと捉えるか、それともやっぱり二割も減らしているんだと捉えるのか、これは大きな違いがあるというふうに思います。  家電とか車といった大型商品はやっぱり反動減が出てきているという話もありますが、一方で、株価などに関しては変化がないどころか最近また上がってきたりしておりますので、非常にこの影響をどう捉えていくのか難しいところもあると思うんですが、今現在、政府としてはどのような認識でしょうか。
  44. 西村康稔

    国務大臣(西村康稔君) お答えを申し上げます。  御指摘のように、消費税、税率引上げ後の動向につきましては、様々なデータを私どもも週次データあるいは日次データも含めてきめ細かく把握をしながら、また、私自身も現場に足を運んで、商店主の皆様、あるいは消費者の皆さん、様々な御意見もいただいているところでございます。  御指摘のように、全体としては、軽減税率あるいは政府の政策もありまして、駆け込みや落ち込みは前回引上げ時ほどではないという声が多くございます。ただ、その一方で、米中の貿易摩擦等への影響の懸念、あるいは消費者マインドの先行きを心配する声、それから、所得の低い方や子育て世帯とは異なって支援対象とはなっていないいわゆる中間層の消費の冷え込みを懸念する声も上がっております。  日次のデータでも、食料品、雑貨など、日次で取れるものですね、これはごく一部の範囲に限られますけれども、前回よりは小幅にとどまっているところでありますし、また、十月の百貨店、あるいは新車、家電、こうしたものは九月に少し駆け込みがありましたので減っているところもございますけれども、ただ、台風の影響などもございますので、この辺り、よく見ていかなきゃいけないなと思っております。  いずれにしましても、幅広いデータを引き続き確認しながら、台風十九号あるいは二十一号等の被害、こうしたこともよく見極めながら、消費者マインドも重要でありますので、しっかりと注視してまいりたいというふうに考えているところでございます。
  45. 清水貴之

    ○清水貴之君 今挙げられたデータで、日経のCPINowというデータですね、食料品とか日用品の価格の上昇率なんですが、これを見ますと、上昇率が前年比で大体一%以下ということですから、それほど変化がないという話なんですね。ということは、増税前の水準と変わらないということですから、私が指摘したいのは、やはり結局、増税で売上げが落ちるのを嫌がるといいますか困る企業側の努力、若しくは小売店側の努力によってそれを一生懸命吸収しようとしていて、なかなか物価の方に反映されなかったりする、ということは、企業にしわ寄せが行ってしまっているんじゃないかというのがすごく気になるんですけれども、これについてはどのように見ていらっしゃいますか。
  46. 西村康稔

    国務大臣(西村康稔君) 消費税につきましては、全額社会保障費に充てるということで、少子高齢化が進む中で、私ども、社会保障の充実を考えましてもこれは引き上げざるを得ないという決断をしまして今回お願いをしましたので、引き上げたということでございます。  ですので、このことについては多くの皆さんに理解もしていただきながら政策を進めたいと思っておりますけれども、一方で、企業への影響、経済への影響を考えまして、今般、軽減税率であり、またポイント還元、あるいはプレミアム商品券などの施策を講じているところでございまして、何より、半分は幼児教育保育の無償化に使うということ、あるいは高等教育、真に必要な方への高等教育の無償化に使うということで、こういったところもしっかりと丁寧に説明しながら、これはもう国民全体で負担をしながら少子高齢化、今後の社会保障の充実に備えていくということでしっかりと御理解を求めていきたいというふうに思っております。
  47. 清水貴之

    ○清水貴之君 その増税対策で、今お話出た軽減税率であるとかポイント還元、このキャッシュレスですね、こういったところにもかなりの予算をつぎ込んで政府としても対策を取っているわけなんですが、そもそもやはり非常に税の公平性とか簡素さというのが失われてしまいますので、我々維新としては非常にここに関しては反対という意見を述べてきているわけですけれども、ポイント還元なんですが、当初、申請したけどなかなか手続が進まない、滞ってしまっているとか、アプリの情報に間違いがあってとか、いろいろ、なかなかスタート時点でやっぱりそれはすぐには完璧にはいかないとは思うんですけれども、問題点も発生しているというふうに思っているんですが、今現在、対応というのは取られているものでしょうか。
  48. 藤木俊光

    政府参考人(藤木俊光君) まず、ポイント還元事業でございますが、現在の参加店舗数六十四万店、一方で申請数は九十二万店ということでございまして、徐々に理解が深まっているとともに、一方で、今御指摘のように、決済事業者による登録手続に時間が掛かっているというようなことを原因として中小店舗の登録に遅れが生じているといった実態があるところでございます。  現在、決済事業者に対しても個々にヒアリングをいたしまして、それぞれの人員の増強も含めまして体制強化を図り、この解消に努めていきたいというふうに思っております。  それから、アプリについても言及がございましたけれども、アプリについても、当初、データの打ち込みミスというのが約二万店ございました。これらについては解消しているところでございます。依然、幾つかまだミス、御指摘いただくところございますので、これらについては順次修正を掛けているというところでございます。
  49. 清水貴之

    ○清水貴之君 これもどれぐらいの店舗が参加しているのかという話で、データで見ていきたいと思うんですが、対象となる店舗が大体全国で二百万店舗あると、大体その半数ぐらい、百万店舗ぐらいから申請があって今進んでいるということなので、かなり、半分ですから、これも多いと捉えるのか、なかなかまだまだ申請しない中小企業、中小店舗、私もいろいろ地元を歩かせていただいたら、やっぱりうちは現金商売だからもうそんなカードなんて分からないしという方も多いわけですよね。だから、そういう方も多いんじゃないかというふうにも思います。  個人に聞いたアンケート調査ですと、日経新聞、テレビ東京の調査ですと、増やした、キャッシュレスの決済量ですね、増やした方が二二%、増やしていないという人が七五%です。毎日新聞の調査だと、利用を始めた、検討しているという方が七%、一三%ですから、合わせて大体二〇%ぐらい。ということは、これだけ政府を挙げてやっているけれども、大体二割、一割から二割ぐらいの方が使い始めた、増やしているという結果なんですね。ですから、決して多くはないんじゃないかなというふうに感じてしまうんですが、ただ、一方で、一日の決済の額がかなり高くて、もう予算足りなくなるんじゃないかなんというニュースにもなっているわけです。  この辺りもしっかりと見ながら進めていかなければいけないと思いますが、いかがでしょうか。
  50. 藤木俊光

    政府参考人(藤木俊光君) 今御指摘のように、各種調査出ております。例えば、今ございました毎日新聞の調査でありますと、ポイント事業をやる前から使っていたという方が三五%、この事業をきっかけに始められた方が七%、始めてみようと思っていらっしゃる方が一三%ということで、事業の前からやっていらっしゃる方も含めれば相当浸透も進んできているのかなとは我々思っておりますが、一方で、お店の方も、あるいは消費者の方も、まだまだ我々これで十分というふうには思っておりません。更にきめ細かく、中小企業の各種支援団体や業界団体あるいは自治体と連携して更に周知をしっかり行っていく、それから、お使いになられる方にも、例えば使い方講座のようなことを各地で開催するというようなことで更にきめ細かく浸透を図ってまいりたいと思っております。
  51. 清水貴之

    ○清水貴之君 そして、次が私、一番指摘しておきたい点で、また対策を考えていただきたい点なんですけれども、地元でこれもいろいろと参加した、今回を機に参加したという店舗に話を聞いていますと、これだけ大々的に国を挙げてのキャンペーンですから、その流れに乗り遅れてはいけないという思いで参加された方々も多いんですよね。ただ、やはり、これまで現金商売をしていたお店からしますと、今回は国から補助金があったりとか、企業努力で手数料を低くしたり、ゼロにしたり、そういった決済業者もあるわけなんですけれども、ただ、それでも数%は発生しているわけです。  さらに、このポイント還元制度、このキャンペーンが終わった後に、今ゼロにしていても、恐らくその手数料というのは引上げというのが行われるだろうというふうに言われております。国からの補助もなくなってくるわけですからね。そうしますと、これもなかなか価格転嫁できない小売店舗からしますと、飲食店などからしますと、結局は自分たちで吸収をしているわけですね。ですから、何かやらなきゃいけないと思って一生懸命参加してみたけれども、やってみたら、まあ手数料は取られるわ、売上げには反映されないわ、もうこれは大変だと。そして、将来的にもまたこれ手数料上がってしまったら、一回始めたのでやめるわけにはいかないし、どうしたものかという声をこれかなり聞くんですよね。  ですから、ここもしっかりとやっぱり対応対策考えなきゃいけないなというふうに感じるんですけれども、いかがでしょう。
  52. 藤木俊光

    政府参考人(藤木俊光君) 今御指摘のように、中小店舗にとっては手数料負担というのが大きな課題になっているというふうに承知してございます。これまででございますが、店舗によって違うわけですが、例えば五%、七%取られているというところも決して珍しくないという状況だと承知してございます。  今回の事業では、手数料率を三・二五%以下と、中にはゼロ%近いという業者もいるわけでございますが、これらについては、今回の事業が終わった後、この手数料を維持するかどうかということも併せて公表してございまして、実は半分くらいの事業者の方がこの下げた手数料水準をキープするというような表明を既にされているところでございます。  こうしたことも含めまして、手数料率を見える化して、そして競争の中でこれをできるだけ低い水準にして、そして中小の方に参加しやすい環境をつくっていく、このことに引き続き取り組んでまいりたいというふうに思っております。
  53. 清水貴之

    ○清水貴之君 是非、本当にいろんな業者、大臣も歩かれているという話だけれども、話を聞きながら進めていただきたいなというふうに思います。  もう一点、プレミアム付き商品券に関してなんですけれども、これ、なかなか申請が進んでいないという話で、大体今、三割ぐらいなんですかね、有資格者といいますか、手続する権利を持っていらっしゃる方のうち三割ぐらいしか手続をされていないということなんですね。  やはり、これ手続が大変なのというのもありますし、また、これも私が指摘したいところのコストが相当掛かるわけですね。そもそもやっぱり効果に疑問を持っていますので、これに関しても反対という思いを持っているんですが、今回、予算が一千七百億円余りで、そのうちの経費が大体六百億円ぐらい掛かるわけです。もう三分の一ぐらい経費なわけですね。  ですから、ここも、まあやろうとしていることは分かるんですけれども、経費の部分で相当予算を使ってしまうと。今、キャッシュレスの話もあるわけですから、この辺も何かもう少しうまく経費を減らせるよう、事務手続を減らせるような仕組みというのを考えながらもっと効率的に進められないかという思いもありますので、この辺りについてもお話聞かせていただけますでしょうか。
  54. 西村康稔

    国務大臣(西村康稔君) 御指摘のプレミアム付き商品券でございますけれども、御指摘のように、これは所得の低い方とか、あるいは小さな乳幼児のおられる子育て世帯、三歳未満のお子さんがおられる世帯に対して消費税引上げ後の負担軽減しようということで、言わば消費を下支えしていこうということで発行しているものでございます。  もう既に十月以降、ほぼ全ての自治体、一自治体だけが御自身で自分のところでやるのと併せてやりたいということでちょっと遅れていますけれども、それ以外全て始まっておりまして、負担軽減につながって利便性も高いという声もいただいております。  御指摘のように、申請が低調ではないかという、そういう報道があることも承知をしております。現在、全国の自治体の申請状況について調査を行っているところでありますけれども、御指摘の数字よりもう少し上がってきているかなという実感を持っておりますが、いずれにしても、十一月末以降までほとんどの自治体で受け付けておりますので、更にしっかり広報しながら御利用していただけるように取り組んでいきたいと思っております。  あわせて、経費の件でありますけれども、数字を申し上げますと、本年度予算と二次補正、昨年度二次補正の合計で一千八百十九億円を計上しておりまして、事務費がそのうちの五百九十四億円ということになります。  御指摘のように事務費が掛かるわけですけれども、これはどうしても、その対象者を抽出するために、過去もそうなんですけれども、一旦は申請してもらわなきゃいけないということがありますし、使いやすいということで紙の商品券ということもしておりますので、そういったものでの経費がどうしても掛かるわけですけれども、もしこれがきちんと使われれば事業規模としては六千百二十五億円使われるということでありますので、我々としては、できるだけ事務経費も節約もしながらですけれども、しっかりと使っていただいて、消費の下支えになるように取り組んでいきたいというように考えております。
  55. 清水貴之

    ○清水貴之君 西村大臣、ありがとうございました。  大臣への質問、ここまでになりますので、もし許可いただけるなら御退席いただいて結構でございます。
  56. 水落敏栄

    委員長水落敏栄君) どうぞ御退席ください。
  57. 清水貴之

    ○清水貴之君 続いてなんですが、公害紛争調停についてお話をお聞きしたいと思います。  私の地元の話なんですけれども、神戸市が神戸の須磨区に都市計画道路須磨多聞線というものを造ろうということで計画を進めています。この建設に反対する周辺住民らが、市を相手に第二次公害紛争調停を起こしています。この第一回調停、三月にあったんですが、市側は欠席をしたと。兵庫県公害審査会調停委員会は、公害紛争処理法に基づき、市に次回調停への出席をこれ勧告するんですが、市側は第二回の調停も欠席したというような、こういう事例なんですけれども。  まずお聞きしたいのが、このように都道府県の公害審査会などで起きている事案に対して、国の公害等調整委員会、今日お越しいただいていますけれども、国としてどう把握をしているのか。また、これに対して意見を述べたり、何か指導する、そういう権限であったりとか、そういう話というのはあるんでしょうか。
  58. 吉牟田剛

    政府参考人吉牟田剛君) お答えいたします。  公害等調整委員会では、全国の公害紛争処理についての情報を取りまとめるため、都道府県公害審査会が調停事件の申請を受け付けた際と終結した際に概要の報告を受け付けております。  先生御指摘の事案につきましては、兵庫県公害審査会から、平成三十年十二月二十五日に申請を受け付けた旨、報告を受けております。ただし、公害等調整委員会と都道府県公害審査会とは公害紛争処理法上独立の機関でございまして、都道府県公害審査会で行われている調停事件の具体について把握する立場にはございません。
  59. 清水貴之

    ○清水貴之君 中身、具体的にはということなんですが、そうしますと、今回は勧告、出席勧告というのも県が出したんですね。これはもう全国的な、報告は受けているということですから、全国的にこういった勧告が出されるという話がよくある話なのか、非常にこれはレアケースだというふうに聞いているんですけれども、この辺りはいかがでしょうか。
  60. 吉牟田剛

    政府参考人吉牟田剛君) 先生御指摘のような報道があることは承知しておりますが、具体については承知しておりませんということを前提に申し上げます。  そして、そういうことがレアケースかどうかという御質問でしたけれども、私ども、期日をどういうふうに進めるかにつきましては、当該都道府県公害審査会が進めていることについては、入口と出口については報告を受けていますけれども、その進め方につきましては、独立しておりますので概要を承知しておらず、あくまでも業務上の中で把握しているということですけれども、我々はそういうことは承知しておりません。
  61. 清水貴之

    ○清水貴之君 過去に勧告が出たケースがあるとか、何件ぐらいあるとか、そういうことも把握はされていないということですか。
  62. 吉牟田剛

    政府参考人吉牟田剛君) 特に把握しておりません。
  63. 清水貴之

    ○清水貴之君 私は、この神戸の道路の話で、道路、確かにもめるケースというのはよくある話だというふうには思うんですね。ですから、何が正しいかというのを言うつもりはないんです。  造ろうとしている側と反対する側がある、意見が対立するというのは、これはまあそうだなというふうに思いますので、どっちが正しいということを言うつもりはないんですが、ただ、調停というこの仕組みがあって、第三者の専門家を交えて話し合うこれは公的な場なわけですね。それを地方公共団体側が欠席するということは、その調停制度そのものであったりとか公害紛争処理法という法律そのものが形骸化してしまうんじゃないかなというふうに思うわけです。やっぱり話し合って、そういう調停という場があるんだから、解決に向かって進んでいくべきではないかなというふうに思うんですね。  これについて、何か御意見ありましたらお願いいたします。
  64. 水落敏栄

    委員長水落敏栄君) 時間が来ておりますので、簡潔にお願いします。
  65. 吉牟田剛

    政府参考人吉牟田剛君) 先生がおっしゃるとおり、話合いをしてほしいと思う気持ちはありますけれども、調停制度そのものは法律上非公開になっていることとか、また、公害紛争処理法上、都道府県公害審査会は職務の性質上独立して調停手続を行うこととなっておりますので、その進め方等に関して、当委員会として個別事件について見解をお示しする立場にないことを御理解いただければと存じます。
  66. 清水貴之

    ○清水貴之君 質問を終わります。ありがとうございました。
  67. 高木かおり

    高木かおり君 日本維新の会の高木かおりです。  今回、初めて内閣委員会での質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。  また、台風の影響で甚大な被害を受けておられる被災地の皆様にお見舞いを申し上げるとともに、亡くなられた方々にお悔やみを申し上げたいと思います。    〔委員長退席、理事上月良祐君着席〕  さて、本日は、橋本大臣女性活躍について伺っていきたいと思っております。  先日の大臣所信の中で女性活躍推進について数々述べておられたかと思います。振り返れば、一九八六年の男女雇用機会均等法が施行されて、そして職場での性差別廃止がうたわれました。そして、二〇一三年の一月には、安倍総理が所信演説で、女性が輝く社会を実現すると、女性活躍推進を国の重点施策とされたわけです。  やっとここまで来たんだなと思うわけですけれども、改めて、女性活躍がそもそも、なぜ、どのように日本企業や今のこの日本の社会にとって必要だと大臣はお考えでしょうか。お聞かせください。
  68. 橋本聖子

    国務大臣(橋本聖子君) 全ての女性自分の希望に応じて、家庭や、そして地域、そして職場、そういった中でそれぞれの場において活躍できる社会の実現というのは非常に重要だというふうに思います。安倍内閣においても更にその加速化を図っていかなければいけないところだというふうに思っております。  女性の活躍は、個々の女性の希望を実現するという意義と同時に、就業人口の増加によって経済成長に資するということ、そしてまた、女性の視点というのは非常に様々な観点から大変な大きな力を及ぼすものだというふうに思っておりますけれども、そういった多様な視点によってのイノベーションが促進されて、我が国の経済社会に活力をもたらす意義があるというふうに思っております。
  69. 高木かおり

    高木かおり君 大臣、ありがとうございました。  私も、共通認識でこの国にとってしっかりとこの女性活躍を進めていかなければいけないというふうに思ってはいるんですけれども、やはりこの女性活躍、政府の方では、女性の就業率が上昇して育児休業取得者も増えた、そして妊娠、出産が離職の、障害にはならなくなってきた、そういったデータを掲げているわけなんですけれども、とはいうものの、一口にこの女性活躍と言っても、大臣もおっしゃっていただいたように、やはり個々に支援をしていかなければならない部分はまだまだ課題が多いと思っております。  例えば、キャリアを積んだ女性管理職だったり、出産、育児で家庭にいる専業主婦だったり、また子供を抱えながら働くワーキングウーマン、また非正規、就職氷河期のときに非正規雇用で働いているシングルの女性、様々、女性といっても、女性のそのライフスタイル、今多様化をしている現状です。    〔理事上月良祐君退席、委員長着席〕  今日、資料をお配りをさせていただいていますが、少し前のデータで、二〇一七年十二月の、日経新聞からの資料になりますけど、働く女性二千人意識調査実施されています。自分の会社で女性活躍が進んだという実感がありますかという問いに対して、全年代を平均するとですけれども、二割に届かないような状況。まだまだこれから課題があるということが浮き彫りになってきております。  そこから少し時間もたっておりますので改善されていっている部分もあるかとは思いますが、この女性の生き方、働き方、目指すもの、支援の在り方、いろいろと違うはずです。もっときめ細かい支援がそれぞれに必要だと考えますけれども、いかがでしょうか。
  70. 池永肇恵

    政府参考人(池永肇恵君) お答えいたします。  御指摘のそれぞれの課題については個別施策で対応しているところでございます。例えば、女性役員を増やすという課題に対しては候補者育成のための研修。妊娠、出産を機に離職した女性に対しては子育て中の女性に対する再就職支援。妊娠、出産後も就業が継続できるような両立支援体制の整備、保育の受皿整備。また、非正規雇用の労働者の方に対しては処遇の改善や正社員転換の支援。また、就職氷河期の世代の方々もいらっしゃると思います。そういう方たちに対しては一人一人の状況に合ったきめ細やかな支援プログラムなど、それぞれの課題にそれぞれの施策で対応しているところでございます。  今後とも、関係府省と連携し、全ての女性が活躍できる社会づくりを進めてまいります。  以上です。
  71. 高木かおり

    高木かおり君 今御答弁いただきまして、女性活躍のためにいろいろな取組をやっていただいているということは理解をいたしました。  そこで、内閣府の事業である地域女性活躍推進交付金についてなんですけれども、これ平成二十六年から始まっています。この事業、内閣府としてはどういう効果を狙っていて、この五年間、どういう効果があったとお考えでしょうか。
  72. 池永肇恵

    政府参考人(池永肇恵君) お答えいたします。  この交付金は、住民に身近な地方公共団体が行う地域の実情に応じた女性活躍の取組を支援するものでございます。実際、地方公共団体では、この交付金を活用して、女性活躍を推進する企業に対する独自の認定、表彰、事例集を作成したり、事業所向けセミナーを行ったり、女性のロールモデルによる女性活躍セミナーなど、様々な取組を行っております。  この事業につきましては、地方公共団体から報告を受けているところでございますが、そこからは、地方公共団体が設置する女性活躍に取り組む先進事業所の登録数が増加したとか女性活躍に取り組む機運が醸成されたなどの報告も上がっており、私どもとしては一定の効果が出てきているというふうに認識しております。  以上です。
  73. 高木かおり

    高木かおり君 こちらの交付金の事業に関してなんですけれども、半分は国がお金を出して半分が地方自治体という事業になっているかと思います。  先ほどおっしゃっていただいたのは、地方自治体からどういった状況かという状況報告があったということで、もちろんこれ、いろいろな事業実施に当たっての留意点等きめ細かく書かれてはいるんですけれども、やはりこれを上げてきて、内閣府で、今どういった状況で、次のステップ、どういうふうにやっていくのか、ここをやはり是非次のステップとして考えていただきたいと思うんですね。  これは一年の、一年間しかできない事業ということで、例えば京都府の方で、大学と連携した女性活躍を推進するリカレントプログラム、こういったものがございました。こういったことは大学と自治体とで連携をしているいい取組だと私は思うんですけれども、これも一年限りということでなかなか次に続いていかない。  そして、もっと言えば、一年しか続けられないということで、その一年間しか、まあ単発事業というか、そういったことに進んでいってしまうんじゃないかというふうに危惧をしているわけですね。本来だったら、これで、この交付金を使って二年目、三年目と続いていって、女性の再就職ですとかそういった部分、学び直し、これが継続していける、そういった事業にしていくべきではないかと私は思います。  そして、この交付金がもう少し全国的に広がって、そして、次にちょっと質問をさせていただこうかと思っておりましたけれども、ちょっと時間の都合上まとめてお話をさせていただきたいんですけれども、女性が社会進出する、活躍していく、そういったときに、国としての、内閣府としての交付金、それからまたリカレント教育、こういったいろいろな方向から、角度から支援をしていただいているということは分かるんですけれども、例えば、この地域女性活躍推進交付金、これは恐らく、単年度ということで、女性が社会に出るきっかけ、契機としていただく、そういった事業なのかなというふうに思います。でも、その次のステップに行くときに、やはり大学という、既に学ぶ機関、ここを活用していく、こういった観点も取り入れていただきたいというふうに思うわけですね。  私が前に所属していた、文科省の方でもこのリカレント教育の質問をさせていただきました。そうしますと、大学でのリカレント教育、このリカレント教育って幅広い意味合いがあるかとは思いますけれども、こちらと是非、内閣府の先ほどの交付金事業、こういったこともプログラム的に連携をする、まあ例えばですけれども、そういったことも考えていただきながら、スムーズに女性がステップアップ、キャリアをステップアップしていける、そういった取組も考えていただけないかなと思うんですけど、その点についてどうでしょうか。
  74. 池永肇恵

    政府参考人(池永肇恵君) お答えいたします。  交付金、単年度ということでございますが、これは交付金でございますので、やはりその地域の事業の呼び水となっていくということ、また、実施した年の教訓を踏まえて更なる発展をしていただきたいということで、単年度で切るという考え方ではなくて、より発展した事業にしていただくという考え方でございます。  委員御指摘のリカレント教育、これも、私どもも大学におけるリカレント教育は女性の職業能力の向上やキャリアアップに大変重要だと考えております。  六月に決定されました女性活躍加速のための重点方針二〇一九の中におきましても、文部科学省を始めとした関係省庁において、大学などが男女共同参画センター、産業界、ハローワークなどと連携して、地域の中で女性の学びとキャリア形成、再就職や起業などの支援を一体的に行う仕組みづくりに取り組むといった施策を盛り込んでおります。内閣府としましても、こうした事業を、地域の男女共同参画の推進の拠点である男女共同参画センターなどを通じて、こういったことがあるんだよということで、より周知をしてまいりたいと思います。  また、先ほどから御指摘のある交付金でございますが、これも地方公共団体からの申請に応じて、大学が行政や経済団体等と連携をして女性活躍を推進するために行うリカレントプログラム、先ほど京都の例ございました、こういった申請ございましたら、私たちも交付金を通じて応援してまいりたいと思います。  以上でございます。
  75. 高木かおり

    高木かおり君 是非、この交付金、有効に、少ない金額であっても有効に使っていただくということを考えていただきたいなというふうに思います。単年度で多くの、広く浅くといいますか、やはりこれ女性が社会進出するときのきっかけとするという部分にここは一定の効果があると思っております。  ただ、やはり、地方公共団体にどういった効果があって、そういった部分をやはり内閣府としてもしっかりと把握をし、そして、それを生かしていくもう一つ上のプログラム等、そういったものも考えていただきたいと。なかなかやはり一年で、せっかくこういった女性の学び直し、こういったことが大学等でも、今いろいろな大学で行われつつあります。けれども、なかなか、それが一年で終わってしまう。もちろんその大学自体も頑張っていかないといけない部分ではあるんですけれども、ここをもう一押し、やはり、先ほど大臣もおっしゃっておられたように、この女性の社会進出、女性の活躍というのは国の重点施策でもあるというわけですから、やはり国をしっかりと強く、人材育成もしていく、そして雇用の部分も女性に頑張っていただく、そういったいろいろな観点からやはりこういった事業の次のステップを考えていただきたい。  そして、質問ちょっとさせていただこうと思っていたんですが、時間の関係で。  やはり、地方自治体のいろいろな男女共同参画センターでしたり市民センター、こういったところで先ほどの交付金事業、地域のいろいろな施設で行われているかと思います。そして、内容も幅広いと思います。けれども、何度も申し上げている、女性がもう少しキャリアアップをして積んでいく、そういった段階ではやはり既存の大学施設、こういったものを有効に活用していく、そして、その大学とそして産業界とも連携をしながら、社会にスムーズに女性が進出できるようなそういった事業も是非考えていただきたいなと思いますので、よろしくお願いをいたします。  時間が参りましたので、本日はこれで終了させていただきます。ありがとうございました。
  76. 矢田わか子

    矢田わか子君 共同会派の矢田わか子です。  今日はお忙しいところ、まず、官房長官、ありがとうございます。  まず、官房長官に冒頭、政府の目標値の達成状況と評価についてお伺いをしたいと思います。  安倍政権においては、いろんな目標値を今まで掲げてこられました。表一に、資料一に少し安倍政権の主な目標設定とその後の経過についてまとめさせていただいております。  ありとあらゆるいろんな目標値掲げてきたんですけれども、例えば介護離職ゼロ、待機児童ゼロ、出生率一・八など、未達成、あるいは達成不能に近い目標が私は多過ぎるんじゃないかと思っております。  安倍政権は、経済財政諮問会議を始め様々な審議会や諮問委員会などを通じて次から次へと目立つ目標を設定され、しかも、十分な科学的な検証を経ないままに達成時期を先延ばしにしたり、新たな目標を立てている傾向にあるというふうに批判も出ております。  官房長官国民生活にやはり深く関わる政策の目標設定は実現可能性を検証し、各省庁で十分な事前調整が必要と思いますけれども、見解を伺えますか。
  77. 菅義偉

    国務大臣菅義偉君) 安倍内閣として、政権発足以来、経済の再生最優先で取り組んできました。名目GDPは、政権発足以来、一割以上増加をいたしております。また、生産年齢人口が約五百万人減少するにもかかわらず、就業者数は三百八十四万人増えております。このうち、女性が二百八十九万人であります。また、有効求人倍率は、政権交代前の〇・八三から現在一・五七倍であります。約四十五年ぶりの高い水準となるなど、経済状況を抜本的に改善することができたと、このように思っています。  財政についても、経済再生なくして財政健全化なしという考え方で取り組んできました。政権発足以来、国、地方の税収は約二十八兆円増加し、プライマリーバランスも政権当初から大幅に改善していると思っています。さらに、地方経済を活性化する観点から、外国人観光客の誘致、農産品の輸出などに取り組んできました。訪日外国人数は政権発足前と比べて約四倍、農産品の輸出は約二倍に伸びております。  いずれにせよ、あらゆる政策分野において政権として目標を明らかにし、それに向かって関係省庁一体となって取り組んでいき、随時、結果を検証して更なる政策に反映をしているところであります。こうした取組を通じて、引き続き、経済の再生、地方再生、そして全世代型社会保障、その実現を目指して進んでいきたいと思います。
  78. 矢田わか子

    矢田わか子君 官房長官、確かに進んでいらっしゃることも、政策もあると思います。見かけ上数値的に伸びているとか、そういうものもたくさんあるのかもしれませんが、私が申し上げているのは、ここで一覧表にしたものについて、やっぱり、赤い字で今どうなのかということをしっかりと書かせていただいているとおり、進んでいないものも事実あるわけですよ。  例えば、介護離職ゼロなんて、もう打ち出されたとき、皆さん、物すごい期待しました。まあゼロには行かぬけど、少しは進むやろうと思うたわけですよ。でも、全く今の数字を見ると、元々十万人いて、九万九千人ですか、ほとんど進んでいないやないのというふうな気持ちもあるわけです。  したがって、私、企業勤め長いんですけど、企業だと、立てた目標に対して近づかなければ、何が要因なのかと本当に因数分解して要因分析をし、必ず近づけるように計画組んでやるんですよ。到達しなかったら人事評価下がりますよ。それぐらい厳しく企業はやります。是非、政府も、掲げた目標ですので、科学的見地からの検証をしながら、近づける御努力をお願い申し上げておきたいと思います。  官房長官、お忙しいですので、委員長のお取り計らいで御退室をお願いします。
  79. 水落敏栄

    委員長水落敏栄君) 菅内閣官房長官は御退席いただいて結構でございます。
  80. 矢田わか子

    矢田わか子君 続きまして、行政改革について、武田大臣、お伺いをしていきたいと思います。  武田大臣、いろんなことを担当されているので、大変だと思います。防災担当、警察庁、そしてこの行革担当。ただ、私は、この行革が本当に進んでいるのか、後ろ向きになっていないかということを今日は問うていきたいなというふうに思います。  所信において大臣は、行政事業レビューの実施、それから、今注目を集めていますEBPMですね、エビデンス・ベースド・ポリシー・メーキング、こういったものを推進することによって取り組んでいきますというふうに述べておられます。しかしながら、社会保障費も防衛費ももう本当に膨張する中で、財政の健全化の政策手段としての行政改革の推進、私は大きく後退しているんじゃないかと思っております。  資料二を御覧ください。政府の行政改革推進会議の開催状況を私の事務所でまとめました。  過去は確かに、第二次安倍政権の最初の頃です、特別会計とか独立行政法人の改革という大きな財政効果を生む課題に取り組まれていました。しかしながら、それ以降、特に三十回以降を見ていただいたら分かるとおり、近年は各省庁の自主的な取組である行政事業レビューが中心、しかも、この二年間はほとんど持ち回り開催なんですね。開いていないということです。  こういった開催の状況をどう説明されますか。
  81. 武田良太

    国務大臣(武田良太君) 御指摘のように、行政改革というのは政府への国民の信頼を得るために非常に重要なものであります。行政機能、そして政策効果を向上させる観点からも極めて重要な取組であると、不断に進めるべき課題であるとも言えると思います。  先生御指摘のように、最近持ち回りであるので、やる気がないのではないかということなんですけれども、そんなことはないんですね。持ち回りでもしっかりとした仕事を果たしているというふうに我々は思っておりますし、実開催で十七回、これ行われておるのが実情でございます。  今後も、国民の視点で事業を点検する、先ほどお話の中にありました行政事業レビュー、そして調達改善、統計データなどの具体的根拠を用いて政策立案を行うEBPMの推進等の取組を通じて、国民の納める貴重な血税というものが有効に活用されるように責任を果たしていきたいと、このように思っております。
  82. 矢田わか子

    矢田わか子君 大臣、行政事業レビューは、外部の識者の意見を取り入れたり、概算要求を反映するという努力も行われていると思いますし、大臣も先日の記者会見で、しっかりとその取組をした結果、千二百五億削減に反映したんだよというふうな会見をされていましたけれども、しかしながら、当然、各省庁はこれから新規事業とか既存事業の予算増額を行いますので、最終的にどれだけの予算削減の効果が出るかというのは未知数なわけであります。  消費税が引き上げられて、国民も痛み伴っているわけですよ。したがって、やっぱり真に予算の削減を確実にする行政改革推進が私は求められていると思います。  今後とも、各省庁が自助努力しますと言っている、それだけでとどめてしまうのか、これ事業レビューだと思いますが、やっぱり横断的に入り込んできちっとやらせていくという主導権を持った行政改革まで取り組まれるのか、本気で、そこを是非お伺いしたいと思いますが。
  83. 武田良太

    国務大臣(武田良太君) 各省庁のチェック機能をしっかりと果たすために、我々政治家だけではなくて、有識者、各界各層の方々の意見、そしてチェック機能というのを交えるためにレビューというものを導入したわけでありまして、今年も広島、そして東京の方でこれ開催するわけであります。  今の時代、無駄な税金をじゃぶじゃぶ使うというのは国民が許しません。ですから、我々もしっかりとした見識を持って、チェック機能を生かして厳しい目でこの行政改革というものを果たしていく、これが政治の責任であろうかと、このように思っております。
  84. 矢田わか子

    矢田わか子君 力強いお言葉、ありがとうございます。  内閣府に挙げられている、資料三をお付けしました。EBPMの推進におけるロジックモデルです。ツールを開発したことはすばらしいというふうに思っています。これでもってきちんと効果が上がるように実証していけるかどうかということが私はポイントだと思っています。  ただ、これ見ましたら、本当に進むのかなというちょっと疑問もありまして、やっぱりこれはどうしても、今までやったものに対してどれだけのその効果があるのか、成果があったのかということを初期と中長期にわたってアウトカム、成果を測りながら、インパクト、社会的な影響も見据えて次に向けてというふうなローテーションを回していくシートになっているわけですね。  ただ、この中には、視点として、やっぱり自分がやっている事業ですから、もう一回次もこういうふうに効果を上げながらやっていきますというのがやっぱり常でして、思い切って、いや、これはやっぱり効果ないので事業を即時打ち切ろうとか、そういう検証ツールみたいなものの視点が私は欠けているんじゃないかと思っています。  せっかく開発されたものなので、そういう視点も入れてもう一度組み直しをされてはどうかなというふうに思っておりますけれども、御見解があればお願いします。
  85. 武田良太

    国務大臣(武田良太君) 限られた資源というものを有効に活用して国民の信頼を得るということが重要なわけでありますね。  先ほどから申し上げるように、各省庁が省益というか、自分たちがやりたい事業を取っておくことを許すのではなくて、やはり客観的に国民にとって、国家にとって必要な事業か否かという観点で我々は判断し、チェック機能を果たしていきたいと思っています。
  86. 矢田わか子

    矢田わか子君 このロジックモデルは改良継続型ということを基本に考えられているモデルだと私は認識をしております。是非、思い切って縮小する、やめるというふうなものも組み込まれたロジックモデルを検討していただけないかと思います。  民主党政権のとき、いろいろ言われましたけど、やっぱり行政改革をするということの下で一・六兆円の思い切った削減しているわけです。桁が違います。やっぱり消費税を上げて痛み伴う改革したわけですので、是非ともそういった視点も含めて、お忙しいと思いますけれども、この分野においても武田大臣のリーダーシップを御期待申し上げておきたいというふうに思います。ありがとうございます。  続いて、カジノについてお伺いしていきたいと思います。IRの準備状況ということであります。  カジノの管理委員の人選について今進められているというふうに思います。これも武田大臣ですね。一応、今国会で承認となる五人の委員の人選、報道では、警察、司法関係者が選任されるのではないかというふうな報道されておりますけれども、当然、民営ギャンブルを今回認めていくわけですので、反社会勢力の排除、それから治安維持を重視した人選というのはもちろん理解はできます。  けれども、一方で、私たちが最大の課題であると指摘をしましたやはりギャンブル依存症の対策についても、きちっと専門的な見地から意見を言える、そんな人選も私たちとしては期待しているんですけれども、考え方についてお聞かせください。
  87. 武田良太

    国務大臣(武田良太君) このIRに関しては様々な意見があるというふうにお聞きしておりますし、また、我が国で初めて行う、取り組む事業でありますので、これは国民の信頼を得るためにも慎重にこれ進めていかなくてはならないということは我々も承知しております。  IR整備法第二百十七条三項におきまして委員長及び委員の人選について記しておりますが、「人格が高潔であって、カジノ管理委員会の所掌事務の遂行につき公正な判断をすることができ、かつ、識見の高い者のうちから、両議院の同意を得て、内閣総理大臣が任命する。」というふうに記されているわけであって、こうした資質というものが備わった方にしっかりとしたチェック機能を果たしていただくことがまず重要かと思っております。  また、先生御指摘の依存症の問題ですけれども、これも我々は積極的に取り組んでまいりまして、IR整備法の中身において、入場制限、これは、何ですか、もう一個は本人又は家族の申告による利用制限、これ何回以上行ってはならないとかですね、そういった制限というものをしっかりと企てて依存防止措置というものをしっかりと充実したものにしていきたいと、このように考えております。  今後とも、必要な調査検討を行いながらしっかりとしたものに仕上げていきたいと、このように思っております。
  88. 矢田わか子

    矢田わか子君 カジノの準備委員会、それから今、今回のそのカジノの管理委員会、移行していくわけですが、管理委員会はほぼ百人の体制だということで、予算書を見させていただいたら四十七億掛けるんですよ。でも、このギャンブル依存症の対策って何億か御存じですよね。六億から八億になり、今年やっと十二億ですよ。三分の一なんですね。管理委員会を回していくだけで四十七億使うと言われているのに、この日本の三百二十万人いると言われているギャンブル依存症対策に掛ける費用はたった、私、十二億かというふうにやっぱり思わざるを得ません。  是非、カジノ管理委員会でいえば、私たちが附帯決議に付けた、きちんと透明性を高めて運営していくということについても実施をしていただきたいと思いますし、三百三十一もの項目カジノ管理委員会にこれ委ねています。是非ともその辺りもお含みおきをいただきながら、またこのやり取り、是非引き続きさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。  続いて、候補地間の過当競争の懸念について国交省にお伺いをしていきたいと思います。和田政務官、ありがとうございます。  現在、IRへの事業参入を希望する自治体、増え続けております。検討中などを含めると、資料四にお示しをいたしました、十か所以上になります。しかしながら、御承知のとおり、認定されるのは三か所以内ということであります。今後、その希望の自治体間、認定に向けた過当競争が激化するのではないかということであります。  その中で、各自治体、当然自分のところに誘致したいという思いで一生懸命、今、調査費とか広告費打っています。会合費用。それ、資料五にちょっとまとめをしてみました。  資料五を御覧ください。大阪府、大阪市、長崎県とありますけれども、もう見ていただいたら分かるとおり、何億もの予算が組まれているわけですね。実際にもうお使いになっている都道府県もあるということであります。予算書で明らかになっているその当該の自治体の当初の予算だけでも億単位の予算が計上されています。しかしながら、最終的に選ばれるのは三つまでなんですよ、たくさんお金掛けても。  これは各自治体が勝手にやることだから国としてはどうしようもないよということなのかもしれませんけれども、こうした予算は本来自治体で本当は住民の理解を得て予算組んでいると信じたいんですけれども、今であれば、多くの子育て支援策だとか虐待防止とか依存症対策にも使うべきだという住民の声も大きくなってきているということであります。  政府として、このような過当競争の現状、自治体のやることだからと見過ごされるのか、どういうふうにそのコントロールしていくことが可能なのかについてお聞かせいただければと思います。
  89. 赤羽一嘉

    国務大臣(赤羽一嘉君) 赤羽でございます。  済みません。今いただいた資料で、まず一ページ目のIR誘致に向けた各自治体の動向、この十二、十以上あるということでございますが、今我々が承知しているのは、ヒアリングを行っているのは八自治体でございます。それだけ申し上げておきたいと思います。  また、資料の予算の状況でありますけれども、提出いただいた資料に書いてあるのは、ちょっと我々としてはこの予算がどういうものかというのは承知をしているわけじゃございません。ただ、平成二十九年度とか三十年度の予算ということでありますので、恐らく今回の誘致に当たって調査研究等々に充てられているものではないかというふうに思っております。  ですから、私、そこについては言及するのは妥当でないと思いますが、私たちの思いは、やはり初めてやるIR施設でありますから、相当、先生にも随分御努力をいただいて、整備法の中で様々な制限も付けていただいたり、あと、また、私は実は促進法のときは賛成もしなきゃ反対もしなかった。やっぱり社会的な、社会政策的なマイナス、懸念と経済政策的なプラスがあってその判断が付かなかったからでありますが、整備法については賛成をしまして、そして、たまさかこういった立場になった以上は、やはり懸念がないような、いい、今回の目的に資するちゃんとしたものをつくらなければいけないと、こういうふうに考えているんです。  その意味では、それぞれの自治体が誘致の手を挙げる以上、中途半端なものをやってもらっては困りますし、先ほどお話出ていましたカジノ施設の有害影響排除ということもしっかり考えてもらった施設にしなければいけないと、そう私も思っています。ですから、そういう意味では、それぞれの自治体が手を挙げていただき、正式に取り組んでいただく以上はそれなりの構えをしていただかなければいけないのではないかと思っています。  ただ、ちょっと、そうした中ででも、法定、今、整備法の中にはしっかりとこの上限というのは三というふうに決まっていますし、その決まっているとおりに、それを、それぞれ地方自治体が予算を使っているからここを少し緩くするみたいなことは全く考えておりませんので、そうしたことでしっかりとコントロールしていかなければいけないと思っています。
  90. 矢田わか子

    矢田わか子君 三つまでということなんですけど、きっと、三つ決まると、いや、うちは漏れたわということになった場合、これだけつぎ込んできたのに、また次に向けて増やしてくれよという要望がきっと出てくると予測されます。  この法律では七年後です。決まってから七年後、だから早ければ五年後ですね、今から五年後ぐらいになるかと思いますけれども、次、増設やというような話が出てきたときに増やしていくおつもりはあるんですか。
  91. 赤羽一嘉

    国務大臣(赤羽一嘉君) 今、現時点でお答えすることはできませんし、我々が言えることは、この法律で決まっている七年間、七年後まで見直しは行わないということですから、それを何か緩めたりするつもりは全くございません。  また、初めてやる施設でありますから、そうした目標に掲げたことが目標どおり行われるのかとか、IR事業の公益性も果たされるのかとか、地域についても御理解が得られるのかとか、こうしたことも検証されるので、増やす方向に行くのか減らす方向に行くのかということが全く、予断を持って何も今ちょっと答弁するつもりはございませんが、しっかりといいものをつくるように努力して、そしてその検証に堪えられるようにしっかりと取り組んでいかなければいけないと思っております。
  92. 矢田わか子

    矢田わか子君 ありがとうございます。  赤羽大臣も迷われたと言うとおり、これは元々は、経済効果が上がるという目的でもって、やりましょうという判断を最終、皆さん踏み切ったんだと思います。けれども、その経済効果が本当に上がるのかということも私たちはやっぱりちゃんと見ていかなければいけないというふうに思っているんです。  今、名のりを上げている各地の候補地で参入してきているのは、ほとんどの事業者がほぼ外資であります。苫小牧では既に四つの外国の事業者が名のりを上げていますし、そういったことに対して、入ってきたときに、モルガン・スタンレーの市場規模の予測では、東京が六十億、大阪四十億、その他二十五億とざくっとおっしゃっていて、まあ三つ入ればほぼ百億の規模、ドルですので百億ドルの市場になるだろうと、一兆円超すことを希望、希望というか予測されているんです。  でも、一面、甘いんじゃないかというような御意見もありますし、何よりも、入ってきた事業者が外国、外資ですので、実質的に負けた、そのもうけた金額は外部に流れていくというようなこともありますので、この辺り、どのようにお考えですか。
  93. 和田政宗

    大臣政務官(和田政宗君) お答えをさせていただきます。  IR整備法におきましては、IR事業者の資本構成については内外無差別とされておりまして、我が国の企業であるか海外の企業であるかを問わずIR事業に参画することができるとされています。  IRは、カジノだけではなく、国際会議場、展示場や大規模な宿泊施設を併設し、複合的に楽しめるエンターテインメント施設として観光先進国の実現を後押しするものと考えています。また、IR事業者からの法人税や地方税等に加え、カジノ行為粗収益に対する三〇%の納付金によって国及び地方の財政への貢献が見込まれます。  さらに、IR事業者は、カジノ事業の収益を事業内容の向上や自治体の施策への協力に充てるよう努めることとされております。こうした仕組みにより、カジノ事業の収益の公益還元が図られることから、カジノ事業の収益が海外に流出するだけということにはならないというふうに考えております。
  94. 矢田わか子

    矢田わか子君 いずれにしろ、和田政務官、ずっとここでカジノのやり取り、一緒にやってきたというふうに思っておりますので、是非、本当に経済効果が上がるのか、これ西村大臣もそうだと思いますけれども、元々、当初政府がもくろんだとおり功を奏していくのかということはしっかり見極めていかないといけないと思いますので、是非お願いをしておきたいというふうに思います。  時間が残り少なくなったので、済みません、橋本大臣にお願いをしたいと思います。  端的に聞きます。東京オリンピック・パラリンピック担当大臣というイメージがどうしても橋本大臣、強いんですけれども、女性活躍担当、そして男女共同参画特命担大臣であります。特に、この男女共同担当の大臣って毎年入れ替わって、橋本大臣、二十四代目なんですね。二十四代目。一年弱でもう皆さん入れ替わっていきます。  これ、入れ替わっていくんですけど、一体、じゃ、この一年間、まあいつまで任期か分かりませんけれども、橋本大臣、皆さんの期待大きいわけです。やっぱりアスリートとして関係なく、男女関係なく活躍されてきた大臣に対する期待は大きい。だからこそ、大臣、何か一つでもいいんです、実績を残してほしいと思っています。何をされますか。
  95. 橋本聖子

    国務大臣(橋本聖子君) 女性の生き方、様々であります。生涯を通じて夢と希望を持ってしっかりと歩んでいけるような支援、それが重要であるというふうに思っております。  その中で、私自身の経験からお話をちょっとだけさせていただきたいんですが、十九年前になります、参議院始まって以来、女性国会議員が出産をするということになりました。そのときの国会の欠席事由の中に出産という言葉が書き込めないという状況でありました。出産という言葉を書き込めない以上、どのようにするかというふうに手続上調べましたら、突発的な事故だということで話題となりました。  やはり子供を育てながら仕事をしていく上において、やはり様々な問題を抱えていく中で、どちらかを選択しなければいけないということには決してなってはいけないというふうに思います。  そして、暴力の問題、あるいは子供たちの取り巻く環境の虐待、そういったものをしっかりなくしていく中で、キャリアアップ、あるいはリカレント教育の推進、そういったものを様々な多様化する中で女性が自ら前向きに夢と希望を持って切り開いていくことができる、寄り添う形と同時に、しっかりとした希望を持っていけるように法的な部分においてもバックアップ体制を整えていく、そのことを早急にスピード感を持って推進していくために取り組んでいきたいというふうに思います。
  96. 矢田わか子

    矢田わか子君 ありがとうございます。  特に、性暴法ですね。この間、パレードありましたけど、大臣も今井さんもビデオレター出ていましたよ。お二人がやってくれると皆さん期待しておりますので、是非、性暴法、野党連携でこれ法律出させていただいておりますので、審議をお願いします。  以上です。
  97. 塩村あやか

    塩村あやか君 立憲・国民.新緑風会・社民の塩村あやかでございます。  七月の参議院選挙で初当選をさせていただきまして、今日が初めての質問になります。よろしくお願いいたします。ありがとうございます。  冒頭、質問に先立ちまして、この度の台風十五号、十九号、そしてその後の豪雨災害で犠牲になられた方々の御冥福を心からお祈り申し上げ、また被災された方々に深くお見舞いを申し上げます。  本日は、武田大臣にも御出席をいただいております。今回の度重なる災害について関係省庁からお話を伺ったんですけれども、省庁間や地方自治体との連携がうまくいっていないと感じる部分が多々ございました。武田大臣には、関係省庁の横串を通すような改革、関連法案の見直しなど、行政改革担当大臣としての決意を最後にお伺いしたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。最後です、よろしくお願いいたします。  今日は質問数が大変に多いですので、早口になることをお許しいただきたいと思います。そして、いろいろ説明をしますので、私の説明とかぶる部分は、どうかここはちょっと短くしていただいて、最後大臣、そして官房長官質問につながるように御協力をいただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。  今回の災害で多くの問題点が浮き彫りになりました。例えば避難に関することです。内閣府は災害救助を始め、ガイドラインや報告書を作成し、自治体はそれに沿って動いています。私は地方議員出身ですので、国が出した方針が大きく影響することを知っておりますので、今回できていなかった部分、しっかりと底上げをしていく、こうした質問をしていきたいと思っております。国民、市民の皆様の生命、財産を守りたい、そうした思いで質問していきますので、どうか前向きな答弁をよろしくお願い申し上げます。  まず、避難所が路上生活者、ホームレスの受入れを拒否した件についてです。  これは絶対にあってはいけないことです。資料の二枚目、御覧ください。災害救助法事務取扱要領の最初に出てくる基本的事項の、法による救助の原則の一、平等の原則に明確にこれ違反しているような状況です。  さらに、三枚目、御覧ください。これ、内閣府が作っている避難所運営ガイドラインの最初の章の一ページ、今後の我が国の避難所の質の向上を考えるときに参考にすべき国際基準としてスフィアプロジェクトを紹介しております。  このスフィアプロジェクトに係るハンドブック、物すごく分厚いんですが、私、全部読みました。ここには、自力で危機を脱することが困難と思われる人々への配慮が求められるとしまして、その中に明快にホームレスと書いてあります。  大型の非常に強い勢力で北上した台風十九号の中、命の危険を感じ、避難所の門をたたいた人を何と締め出したわけです。総理も問題を認めております。二度とこうしたこと起こさないという決意を伺うとともに、具体的にどのような対策を講じるのかお伺いをいたします。
  98. 平将明

    ○副大臣(平将明君) まず、御指摘の点でございますが、避難所は、御承知のとおり、災害発生後に被災者の生命、身体等を保護するために、被災者が一時的に生活を送るために設置をされたものでございます。  今回の事案については、台東区長からも対応が不十分であったという発言がされたことを承知をしております。副大臣としても、あってはならないことであろうというふうに思っております。  内閣府といたしましては、各避難所において避難した全ての被災者を適切に受け入れることが望ましいと考えておりまして、各自治体において全ての被災者を適切に受け入れる方策を検討をしていただきたいというふうに考えております。五原則ございますので、しっかり自治体とも連携をして対応させていただきたいと思います。
  99. 塩村あやか

    塩村あやか君 つまり、今後、何か内閣府から自治体に向けて発信をしていただけるという認識でよろしいでしょうか。
  100. 平将明

    ○副大臣(平将明君) 基本的に今回は自治体の対応でありますので、ただ、今後、こういうことが起きないように、また災害救助法の原則に反することがないように、自治体とも常日頃から様々なミーティング、会合を持っておりますので、その場でも共有をしていきたいと思っています。
  101. 塩村あやか

    塩村あやか君 ありがとうございます。是非よろしくお願いいたします。  この関連の質問なんですけれども、平成三十年に出された、これ資料の四枚目、御覧ください。内閣府が出していますけれども、指定避難所等における良好な生活環境を確保するための推進に対する検討調査報告書の市町村ヒアリングには、長期間避難をしている人の中には生活困窮者もいたが、特別扱いはせず、何日頃に閉鎖するのでと閉鎖予定時期を伝えてほかの人と同じように退去をしてもらったと堂々と書いてあるんですね。これちょっとひどいんじゃないかなというふうに思います。行政職員が平等の意味を取り違えているんじゃないかなというふうに感じるところなんですけれども、これが実態なんだというふうに思います。  一方で、今回分かったことは、生活困窮者やホームレスの方、路上生活の方はこうした災害時に避難所を通じて行政と接触するということが可視化されたというふうに思っております。こうしたチャンス、契機をつくる避難所はファンクションとしても大変に大事だと私は今回感じました。  生活困窮者や路上生活者などを避難所からしっかりと福祉につなげていくということが大事だというふうに思っておりますが、見解をお伺いしたいと思います。
  102. 平将明

    ○副大臣(平将明君) 路上生活者につきましては、各自治体の福祉部局において各種の支援策が行われているものと承知をしております。  路上生活者の避難に当たっては、防災部局と福祉部局が連携することが重要であると考えております。また、避難所を閉鎖するに当たっては、路上生活者について各自治体の福祉部局における支援策につなげることが重要であると考えております。  いずれにしても、防災部局と福祉部局がしっかり連携をして対応すべきものと考えております。
  103. 塩村あやか

    塩村あやか君 ありがとうございます。  私、最初、冒頭に申し上げたように、できていない部分をしっかりと底上げをして二度と同じことが起こらないようにしたいというふうに申し上げたと思うんですね。指導をして助言をするということは国の責務だというふうにも書いてございます。是非、福祉につなげて、路上生活の方、そして要支援者を福祉につなげるということを考えていただきたい。法律の趣旨を踏まえて、もう一度副大臣に答弁を求めたいと思います。
  104. 平将明

    ○副大臣(平将明君) 今般、台東区の事例も出てまいりました。私の地元の大田区も多摩川の河川敷のところに住所の持たない人たちが多くそこにいらっしゃるわけでありますけれども、いずれにしても、災害救助法の原則に基づいて対応すべきでありますし、また、そういう際に、その災害が去った後に福祉部局にしっかりと連携をさせるということは重要だと思いますので、今後、内閣府の防災部局と各自治体での場ではもう一度そういうことを相互で確認できるようにしてまいりたいと思います。
  105. 塩村あやか

    塩村あやか君 副大臣、本当にありがとうございます。是非お願いをいたします。本当に困っている人を放り出すというのは行政としてはあってはいけないことだと思っておりますので、これを契機に何とぞよろしくお願いを申し上げます。  次に、資料の五枚目を御覧ください。避難勧告等に関するガイドライン、要配慮者等の避難の実効性の確保、この要配慮者等、などのなどに河川敷にいる方や路上生活者、ホームレスの方が含まれるよう明記をするべきではないかと思います。  このガイドラインには、要配慮者等として、この等の中に地下街等を利用している方が明記されているんですね。恐らく、地下にいらっしゃるから電波が入らない、いろんな警報が聞こえないということでここに明記がされているんだと思うんですけれども、河川敷にいる人、そして河川敷に住まわれているホームレス、路上生活者の方、より高い危険にさらされているのではないでしょうか。実際に、都内唯一の死者は多摩川の中州に住むホームレスの方でした。本当に情報が取りにくいんだというふうに思います。  被災をする危険が特に高い河川敷にいる人、路上生活者に避難情報が伝わるように配慮をすべきであり、このガイドラインにも地下街等にいる人が入っているんですから、明記されているんですから、ここに是非明記をして自治体が動きやすいというふうにしていただきたいと思っています。  先ほども述べましたが、スフィアプロジェクトに係るハンドブックには、自力で危機を脱することが困難な人としてホームレスと明記がしてございます。助かる命を大事にしたいと思います。副大臣、お願いいたします。
  106. 平将明

    ○副大臣(平将明君) 路上生活者の方が情報が伝わりにくいという御指摘もありました。大田区の事例も、多分台東区もそうだと思いますが、もう大きな台風が来るときは、消防署の職員や警察や行政の職員が警告をしてできるだけ一緒に避難所に行くようにしておりますが、なかなか本人の意思で動きたくないという方もいて、その辺の問題をどう解決するかという問題があろうかと思います。  そういった中で、避難勧告等に関するガイドラインにおいては、避難勧告等を居住者等に広く確実に伝達をするため、可能な限り多様な伝達手段を組み合わせることが基本であるとされています。路上生活者はこの居住者等に含まれております。  今御指摘の、要配慮者等に入るのかという御指摘については、要配慮者には今入っていないという現状であります。というのも、要配慮者は、御承知のとおり、御高齢の方とかサポートの必要な方がメーンでありますので、そういった意味では、要配慮者の中には今、路上生活者はカテゴライズされていないということでございます。
  107. 塩村あやか

    塩村あやか君 ありがとうございます。  しかし、このガイドラインには要配慮者等として地下街等を利用している人というのが明記されているんですね。より危険度が高いところにいる人を、命を救うためには、やっぱり地下街を、いる人が明記をされているのであれば、明記をしていく、又は分かるようにしていくことが必要ではないかと考えているところでございます。  そして、情報を、先ほど行政職員が接触をしているということでございましたが、資料最後を御覧ください。届いていないんですね、やっぱり。避難所が開設されたこと自体を知っていた人が二十九人、これ傍線引っ張っていないんですけれども、知らない人が七十人ということで、残念ながら届いていないというのが現状なんです。この現状を踏まえて、もう一度副大臣にお伺いをしたいというふうに思います。  何よりこのガイドラインに、運用実態を踏まえ、より良いガイドラインになるよう見直していくと最初の方に書いてあるんです。見直すべきではないか。是非よろしくお願いいたします。
  108. 平将明

    ○副大臣(平将明君) 今御指摘をいただきましたガイドラインにおいても、まずは自分の命は自分で守る、自ら自分の居場所のリスクを確認をして自ら行動を起こすというのが原則となっております。  その上で、その要配慮者に路上生活者が入るのかどうかという御指摘でありますが、などに入るかどうかということでありますが、確かに地下にいる方は外の環境が分からない状況でいきなり水が入ってきたりするリスクもありますので、そこは注意喚起が必要であるということであります。  ですから、そういった意味では、地下にいる人と路上生活で何が違うんだというのは確かにカテゴリー見て分かりにくいところもあると思いますので、今後、ちょっと議論をして整理をしたいと思います。
  109. 塩村あやか

    塩村あやか君 本当にありがとうございます。是非よろしくお願いしたいというふうに思います。  次に、避難所の福祉の向上とボランティア支援についてお伺いをいたします。  日本は、避難訓練を熱心にするんですが、避難所対策が大変に未熟だと言われております。現在も三千人近い方が避難所で過ごしておりますので、この問題は大変に重要だと思っております。  すばらしい避難所運営ができている国としてよくイタリアが紹介されますが、迅速にトイレ、ベッドが届く、そしてホットミールが出るなど、福祉への配慮がされています。これは法律で、四十八時間以内に届けなくてはいけないという、法律で決まっているからできているんだというふうに思うんですね。さらには、職能支援者が登録をされていて、そして七日間の給与、交通費、保険までセットされているんですね。もちろん、これは訓練を受けて登録をしないといけないんですね。  しかし今、日本、ボランティア不足、かなり指摘がされておりまして、連日、テレビでも新聞でもマスコミで報道がされているような状況です。避難所の福祉、大変にひどい状況というのは皆さん御承知おきだと思いますし、ボランティアが足りていないというのは今回の災害でもかなり明らかになって、もう一度見直さなきゃいけないと思っています。  今回の災害の改善点取り入れていただきまして、関連の法律を見直す、そして、職能支援者の採用など、ボランティアの拡充。例えば、日本では求められているのは、個人ボランティアには活動費の控除、控除ですね、そしてNPOや団体には補助、これが求められているというふうに思います。福祉の向上をやっていくべきだと思いますし、そして、このボランティアの拡充も絶対にやっていかなくてはいけない問題だというふうに思っております。  プッシュ型支援など、評価できる仕組みたくさんあるんですけれども、災害救助法適用になるなどしなくては、予算面からも自治体には限界がございます。令和の時代にもなりました。地域でばらつきがあっては救える命が救えず、災害関連死が増えてしまいます。  今、私がお伝えしました職能支援者、個人ボランティアの控除、そして団体には補助、さらには避難所の福祉の向上、ベッド、食事、ホットミール、こうしたところを見直す時期に来ておりますので、どうかこうしたことを一気に今回の災害を機に見直していただきたいと思いますが、見解を伺います。もし、可能であれば、大臣もいらっしゃっておりますので、副大臣大臣、お伺いしたいと思います。どちらでも大丈夫です。
  110. 平将明

    ○副大臣(平将明君) 今御指摘いただきましたが、現在も被災地支援をしっかりするために、政府、各省庁が情報を共有しながら対応させていただいておりますし、今回の台風十九号においても、急激に長野や被災地は温度が下がってまいりましたので、段ボールベッドのみならず、電気カーペットとか電気毛布、そして、それに対応して電源車なども今きめ細かくやらさせていただいているところであります。  ただ、私も防災副大臣になって感じるのは、やっぱりこの地球温暖化の中で、ちょっと今までの対応ではやり切れないということが多く出てきているというふうに思います。そういった中で、まだその議論が本格的にスタートしているわけではないですが、しっかり問題意識を持って対応をしてまいりたいと思います。  あと一方で、キッチンカーみたいなものも被災地に行くと喜ばれると。一方で、そのキッチンカーはどこの被災地のどの避難所に行っていいのか、行ってよくないのかが分からないという御指摘もいただいていますので、例えばシェアリングエコノミー協会などとも連携をしながら、被災地での環境を充実させたものにしてまいりたいと考えております。
  111. 塩村あやか

    塩村あやか君 ありがとうございます。是非お願いいたします。  NPOの方からお話を伺いますと、ふだんからの連携ができていないと迅速に対応ができないという御意見をいただいております。その辺りも是非検討していただきますようにお願いを申し上げます。  次でございます。次は、千葉県の自衛隊によるブルーシートの展張についてお伺いをいたします。  資料の六ページ目、御覧ください。今回、千葉を中心に多くの屋根の被害が出ました。我が会派の小西洋之議員が災害特別委員会でも取り上げ、取り組んでいる件でございます。  風雨がしのげない、業者も足りないということでブルーシートの展張に自衛隊が活躍をしておりましたが、十月四日、千軒以上の未設置を残し、自衛隊は何と活動を終了してしまいました。びっくりしました。千葉県から防衛省には、自費で修繕をする人との差で不公平になるため、要支援者のみとしたとのことだったんですね。防衛省は二千人の隊員が待機し、ブルーシートの展張をまだまだできる状態ではありましたが、引き揚げざるを得なかったというふうに聞いております、私は。結果、被災をした屋根から風雨が入り込み、たくさんの家に残念ながら損害が出ているような状況でございます。  自衛隊は、災害時に駆け付けて、まさに国、国民を守ってくれると大変心強く感じています。こうした災害対応が今後も増えると予測されており、大規模災害でたくさんの屋根が被災した場合、ブルーシートの展張は被災者の財産を風雨から守るという、今後の日本の災害対策を担う、意義の大きい活動だと考えます。  防衛省に伺います。今回これだけの被害が出たことに、千葉県の対応に大変な疑問が残るところではございますが、今後、同様の災害に見舞われ、ブルーシート展張の必要性があり、公共性、緊急性、非代替性があれば自衛隊は派遣しますでしょうか。また、確認ですが、ブルーシート展張は自衛隊の災害対応に当たりますか。副大臣、お伺いいたします。
  112. 山本ともひろ

    ○副大臣(山本ともひろ君) 塩村委員にお答えを申し上げます。  御指摘のとおり、今般の自衛隊による千葉県内の被災家屋に対するブルーシートの展張支援は、千葉県知事からの要望を受けて、自衛隊法第八十三条に基づく災害派遣として実施をいたしました。  また、自衛隊の災害派遣は、自衛隊法第八十三条に基づき、都道府県知事等が天災地変その他の災害に際して人命又は財産の保護のために必要があると認め、防衛大臣又はその指定する者に要請する場合等に実施することとなっております。防衛大臣等は、事態やむを得ないと認める場合に部隊等を派遣することができますが、事態やむを得ないか否かについては、御指摘のとおり、緊急性、非代替性及び公共性という観点から判断することとなっております。  その上で、御指摘のブルーシートの展張についても、個別具体的な状況に即して緊急性等の観点から必要と判断できる場合には防衛省・自衛隊として適切に対応しておりましたし、今後もそうさせていただきたいと思っております。
  113. 塩村あやか

    塩村あやか君 ありがとうございます。  防衛省はしっかり頑張ったと思います。問題は内閣府でございます。リエゾンの役割は内閣府、これ責務でございます。法にも書いてあるので、今後二度とこうしたことが起こらないようにしていただきたい。  そして、大臣にお伺いをいたします。このようにリエゾンとかしっかりできていない、自治体とも協力ができていない、結果、多くの屋根から風雨が入り込んで、災害、どんどんどんどんと広がってしまったわけでございます。大臣としてこの事態どのように改革をしていくのか、お伺いをしたいと思います。
  114. 武田良太

    国務大臣(武田良太君) 災害対応に当たりましては、国と地方、そして地域、個々人というものが一体となってこれを果たしていかなくてはならない、迅速に対応することが重要であろうかと、このように思っています。  そのためには、各省庁がまず連携し、政府が一体となること、そして、今回の一連の災害対応に当たりましても、内閣総理大臣指揮の下に内閣官房が中心となりまして省庁横断の被災者生活再建支援チームを立ち上げまして、このチームが中心となって今、パッケージの取りまとめ等、作業に入っているわけであります。  先ほど、内閣府に対して厳しい御指摘ありましたけれども、私が着任した次の日にすぐ千葉県に入って、被災地回ってまいりました。やはり本当に気の毒なぐらいな大きな被害で、家屋もかなり屋根等が崩壊して、皆さん悩んでおられたんですけど、それぞれの地域の首長さんとも意見交換しましたけれども、今回の政府対応は極めて早かったという評価をいただきました。  被災地対応というのは、パーフェクトというのはないにせよ、その都度の培った教訓というものを次なる災害に備えていく不断の努力というものは必要になってくると思います。  先ほど副大臣答弁させてもらいましたけれども、とにかく今の災害を振り返ってみれば、日本の安全の規格というのを全て見直していかなくてはならないということを前提で、そしてまた、それに伴う災害対処、対応のやり方、マニュアルも、これもその都度顧みて次につなげていくような努力をしていかなくてはならないと思います。  今回相次いだ様々な災害を通じて学んだ教訓というものを全員で、全ての省庁が共有して次なる災害対応に生かしていきたいと、こういうふうに思っています。
  115. 塩村あやか

    塩村あやか君 ありがとうございます。  皆様のリーダーシップに期待をして、質問を終了したいと思います。ありがとうございました。
  116. 杉尾秀哉

    ○杉尾秀哉君 共同会派の杉尾でございます。  内閣委員会、初めての質問の機会でございます。どうかよろしくお願いいたします。  先ほどの木戸口委員質問に関連して伺いたいと思います。  資料をお配りしました。一ページ目でございます。木戸口委員も触れておりましたけれども、元内閣官房長官松井孝治氏が、現在大学教授をされていますけれども、ツイッターに添付をしたいわゆるバッター表、通告一覧表というんでしょうか、このペーパーについて少し伺います。  今日、内閣審議官に来てもらいましたけれども、これは内閣務官室が作ったということでよろしいんでしょうか。
  117. 大西証史

    政府参考人大西証史君) 内閣務官室でございます。  御指摘のとおり、国会関係の対応のために、便宜のために内閣務官室が作成し、イントラにアップしておる資料でございます。
  118. 杉尾秀哉

    ○杉尾秀哉君 これをアクセスできる人というのはどれぐらいの数いるんですか。
  119. 大西証史

    政府参考人大西証史君) お答え申し上げます。  現在、御指摘いただいた資料につきましては、参議院の予算委員会通告状況を整理した一覧表ということで、それがツイッターにおいて画像として掲載されたということでございます。こうした情報につきましては、国会業務の便宜のために全府省庁の国会業務関係者が広く閲覧、入手できるものではございますが、部外者への公開を予定しているものではございません。  まずは、経緯確認することが必要でございます。政府部内限りの情報が外部に流出したということであれば、あってはならないことであると長官からも御発言をいただきまして、現在、国会業務関係者を対象とした確認作業を、内閣官房から各府省庁に対して確認を依頼しているところでございます。  数につきましては、まだ現在精査中でございます。
  120. 杉尾秀哉

    ○杉尾秀哉君 どれぐらいの規模なんですか。何十万人単位なんですか。そんなにいるんですか。
  121. 大西証史

    政府参考人大西証史君) 精査中でございますけれども、国会対応関係者ということで申し上げますと、各省庁、国会答弁をさせていただく局長、審議官級だけで数百人ございます。また、国会質疑をいただくときに答弁資料を作成する各課、各室がございますけれども、課長の数でおよそ千九百人、室長になりますとまだそれ以上の数がございます。  そういうところでそれぞれに国会対応の担当のラインなり日程管理のラインなりがございますから、そういう関係者が閲覧を可能ということになりますので、業務上見る必要が出てくるということでございますので、まだ全体精査中でございますけれども、相当数になろうと思っております。
  122. 杉尾秀哉

    ○杉尾秀哉君 この二番目の欄に深夜の時間がいっぱい書いてあるんですけど、これどういう意味ですか。
  123. 大西証史

    政府参考人大西証史君) 二番目の欄といいますのは……(発言する者あり)恐れ入ります。問票配布状況という欄でございましょうか。  これにつきましては、先生方によりまして、要旨のみお送りをいただきまして、あとは役所の方でどんな問いが、御下問をいただくか考えろという先生方もおられますし、要旨をいただいた後、レクと言いますけれども、御質問の要旨を伺いに担当者参上させていただくようなケースもございますけれども、その両方のいずれのパターンにおきましても、それを受けまして、どんな御下問がありそうか、あるかということを問いの形で整理したものを内閣務官室から関係省庁に配布したその時刻が書いてあるものでございます。
  124. 杉尾秀哉

    ○杉尾秀哉君 ここに、例えば、横にいますけれども、矢田わか子さんが二十三時三十五分差し替えになっているんですよ。こういう書類が外に出て、一般の人が見たら、矢田さんが深夜遅くに差し替えて、官僚が大変な目に遭っているというふうに取られちゃう。現に矢田さんのところにそういうのがいっぱい来ているんですよ。  こういうものが出たら困る。あってはならないんですよ。もう一回答えてください。
  125. 大西証史

    政府参考人大西証史君) お答え申し上げます。  先ほども申し上げましたように、これは政府の部内で国会対応の業務の便宜のために、円滑に先生方との質疑応答、コミュニケーションが進むようにということで、便宜のために作っておるものでございます。あくまでも政府の部内、内部の資料ということでございますので、それが外部に流出して、広くツイッター、今回はツイッターという形だったと認識しておりますけれども、で流出、公になるということはあってはならないことだということでございます。
  126. 杉尾秀哉

    ○杉尾秀哉君 内規違反だということを野党のヒアリングであなたの部下の参事官がおっしゃっているんですけれども、どういう内規のどういう規定に違反するのか、明確にお答えください。
  127. 大西証史

    政府参考人大西証史君) 野党の先生方の合同ヒアリングというのがございました。そちらで、先生の方から、こういうことは法的に許されていることでしょうかというお尋ねがございまして、出席さしあげた担当官の方から、内規に違反していると思いますと申し上げたと認識しております。  この発言の趣旨についてでございますけれども、政府部内限りの情報が外部に流出したのであれば、あってはならないことであるという認識に基づきまして、そうした場合には何らかの内規に抵触する可能性があるという意味での一般論を申し上げたものと承知しております。  いずれにしましても、本事案につきましては、まずは経緯確認することが大事であると考えております。  以上でございます。
  128. 杉尾秀哉

    ○杉尾秀哉君 官房長官に来ていただきましたが、済みません、ちょっとお待たせいたしました。  官房長官は、以前にも、現在調査中で、あってはならないと同じような答弁されていますけれども、その認識に変わりがないかどうか。  そして、今もありましたけれども、こういう政府部内のやり取りの時刻が外に出て、一般的に誤解されるようなこういう大変な事態になっている。森ゆうこさんもそうです。そして、矢田わか子さんもそうです。こんな時刻には何もしていないと、こういうふうに言っている。これについて、改めて官房長官として、内規違反であれば、内規違反ということであれば処分の対象となるかどうかということも含めてお答えください。
  129. 菅義偉

    国務大臣菅義偉君) 前に私申し上げましたけれども、政府内部限りの情報が外部に流出したのであれば、これはあってはならないことだというふうに思います。事務方の中で可能性があるということを言ったということを今言われましたけれども、いずれにしろ、現在、確認作業、これ進めておるところであり、しっかりと確認作業をまずは行わせたいというふうに思っております。  それで、今委員から、この時刻がありました。こうしたことについては、誤解を招くおそれがありますので、今後しっかり気を付けさせていただきたい、ここは申し上げたいと思います。
  130. 杉尾秀哉

    ○杉尾秀哉君 お願いします。  本当はいろいろ聞きたかったんですけれども、官房長官に。ちょっと時間が短くなってしまいましたので、ここで退席して結構なので、委員長、お取り計らいください。
  131. 水落敏栄

    委員長水落敏栄君) 菅内閣官房長官は御退席いただいて結構です。
  132. 杉尾秀哉

    ○杉尾秀哉君 北村大臣に一言だけ伺います。  先ほどの木戸口委員質問に対して、質問漏えい、その通告書の漏えい、これ確認された場合責任を取るか、前回のその発言に間違いはないかというその質問に対して曖昧な答弁されましたけれども、これ、今のその通告表のこの漏えいもそうなんですけれども、内閣府から出たということが明らかになった場合は責任取られますね。それだけ確認させてください。
  133. 北村誠吾

    国務大臣北村誠吾君) お答えします。  政府全体として経緯確認が進められているところでありますから、その結果等についても政府全体の判断に従うべきものと考えております。  したがって、私の立場から今コメントすることは差し控えさせていただきたいと、そのようにお願いします。
  134. 杉尾秀哉

    ○杉尾秀哉君 そんなこと聞いていないんですよ。さっきと全く同じ答弁書読んでいますよ、それ。もういいです。結構です。ありがとうございます。  ちょっと時間がないんで、もうワンテーマだけどうしても聞きたいので、ちょっと世間の関心が非常に高かったので、東京オリパラの特にオリンピックのマラソンと競歩、この札幌移転について、ちょっとどうしても聞いておきたいことがございまして伺います。  肝腎の東京都がいまだに同意していない、同意なき合意という、何か訳の分からない言葉なんですけれども、不可解な点がいろいろあるんですが、橋本大臣に伺いますけど、これ、日本政府として札幌移転はこれは同意しているということでよろしいんですね。
  135. 橋本聖子

    国務大臣(橋本聖子君) 開催地の決定は、全てオリンピック憲章に基づいてIOCに権限があります。その中で、先般、調整委員会が行われまして、組織委員会とIOC、そして東京都と協議をした結果、決定したということであります。
  136. 杉尾秀哉

    ○杉尾秀哉君 最初に札幌移転が伝えられたときに、小池知事が青天のへきれきと、寝耳に水だというふうに言ったんですけれども、大臣事前に知らされていましたか。
  137. 橋本聖子

    国務大臣(橋本聖子君) 私が知らされたのは十五日です。そして、十六日にIOCから札幌へ変更したいという提案がなされたということで、その後調整委員会で協議をするという報告を受けた、それが十五日です。
  138. 杉尾秀哉

    ○杉尾秀哉君 開催九か月前にこれ突然の変更というのは、今でもいろんなところでいろんな議論が行われておりますけれども、いいか悪いかとかそういう議論はおいておきまして、現実問題として余計に費用が掛かるのは間違いないわけですね。追加負担はこれは誰がするんですか。
  139. 橋本聖子

    国務大臣(橋本聖子君) 大枠合意というものが示されておりまして、その基本的な姿勢は変わらないという状況であります。  IOC、そして東京都、そして組織委員会、そして開催を受け入れていただいた自治体がそれぞれ負担をするということになっておりますけれども、今回、東京都の負担はしなくてもいいというIOCの考え方が示されたわけでありますので、今回の追加負担というのは、今どれぐらいの経費が掛かるかというのは精査中であるという報告は受けておりますけれども、今後は組織委員会がIOCと協議をしていく中で負担をするということになろうかというふうに思います。
  140. 杉尾秀哉

    ○杉尾秀哉君 いずれにしても、東京都はもう既に暑さ対策として三百億円支出したと、こういう報道もあります。これが結果的に無駄金になってしまうというそういう可能性もある。本当にその納税者の理解が得られるのかという、東京都民も含めてですね、そういう話もあります。  もう一つ、今回改めて明らかになったのが、本当に夏の開催ということでいいのかどうなのか。これはマラソンだけではございません。競歩だけではございません。  今回のオリパラ、招致段階からいろいろな問題がございました。総理のアンダーコントロール発言もありましたけれども、二枚目に、二〇二〇東京オリパラの招致委員会の立候補ファイルの全体コンセプトの中の最初にこういうふうに書いてあるんですけれども、この開催時期の問題について、こういう記述がございます。  この時期の天候は晴れる日が多く、かつ温暖でもあるため、アスリートが最高の状態でパフォーマンスが発揮できる理想的な気候である、こういうふうに書いてある。  これ、オリンピックのこの開催時期というのは、温暖で、アスリートが、アスリートでいらっしゃいました、最高の状態でパフォーマンスを発揮できる、そういう時期なんでしょうか。
  141. 橋本聖子

    国務大臣(橋本聖子君) 現在のこの気候変動、温暖化に伴っては、非常に暑さ対策というものに対しては大変な力を入れていかなければいけない事項というふうになっております。  この二〇一三年の立候補ファイルから二〇一四年に示されたアジェンダ二〇二〇という新たな施策が策定されたということで、柔軟な対応が認められるということにもなってきました。  ただ、暑さということに関しては、どうしてもこの期間でなければいけないということをIOCから示されている以上は、この問題を解決していくために立候補ファイルというのは策定されたというふうに思っております。
  142. 杉尾秀哉

    ○杉尾秀哉君 全然説明になっていないんですよ。だから、最初から招致ありきでこういうことになる。  もう時間が来ましたので質問しませんけれども、今回はやっぱり招致ありきで進んだツケがいろんなところで出てきているんですよね。もうこれ以上、来年の開催に向けて混迷が起きないようなことだけを祈りまして、私の質問を終わります。  ありがとうございました。
  143. 水落敏栄

    委員長水落敏栄君) 午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。    午後零時四十一分休憩      ─────・─────    午後一時三十分開会
  144. 水落敏栄

    委員長水落敏栄君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。  委員の異動について御報告いたします。  本日、石井準一君及び岡田直樹君が委員辞任され、その補欠として岩本剛人君及び高橋はるみさんが選任されました。     ─────────────
  145. 水落敏栄

    委員長水落敏栄君) 休憩前に引き続き、内閣重要政策及び警察等に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  146. 上月良祐

    ○上月良祐君 茨城県選出の自民党の上月良祐でございます。  幾つかのカテゴリー、まず災害、そして全世代型社会保障改革、時間がちょっと心配ではありますけれども、地方の景気、経済についてお聞きさせていただきたいと思います。  まず最初に、災害対策についてお聞きいたします。  台風の十五号、十九号、二十一号による豪雨など、地元の茨城も大変大きな被害が出ております。亡くなられた皆様には心からお悔やみを申し上げ、被災された方々にもお見舞いを申し上げたいと思います。  早々に、大臣始め、各関係大臣始め政務の皆さんにも現地に来ていただき、大変感謝をいたしております。岡田広先生も、地元の大先輩であります岡田広先生もいらっしゃいますが、力を合わせて今対応を、現場でも対応いたしております。一日も早い復旧復興を目指して御尽力をいただきたいと思います。  私は、災害が大変多かった鹿児島県庁で六年間仕事をさせていただいておりました。実家が阪神大震災にも遭ったりもしました。茨城県で副知事時代には三・一一の対応もまさにいたしました。そして、議員になってからは常総の水害など、大変何度も災害、大きな災害の対応を経験をしてきたところであります。  感じることは、復旧というのは本当に大切だと思っています。とにかく頑張って、一日も早くという思いでやらなきゃいけない。そして、九五%、九九%終わってからが本当の復旧復興だと私も感じております。被災者の立場で立ってやっていただきたいと思うんですが、やっぱり被災された方々にとってはなりわいも生活も復旧していくということは本当に大変です。だから、災害は止められないんだけど、減災するなり、被災をしないようにやっぱりしていく必要があると思っております。  気候変動の影響もありまして、いろいろデータも見させていただきましたが、温度も相当上がっていてこれからも更に上がっていくだろうと、豪雨の件数も大分増えてきて更に増えていくだろうと、台風も猛烈な台風が大変出現回数も多くなり、日本周辺にも来るようになっているということで、従来と、災害の前提というんでしょうか、準備の前提自体を変えていかなきゃいけないんだというふうに思っております。  そのためにハード面の整備の前提も変えていかなきゃいけないと思いますし、まあソフト面も同じだと思います。同じような排水能力のポンプを作ってまた壊れたということではやっぱりいけないので、そういった面をしっかりやっていただきたいと思いますし、何と言っても、逃げるが勝ちという言葉は変ですけど、やっぱり早期避難、これより大切なものはないと。特に台風は来るのが分かっているので、それが大切だと思っております。  前提の見直しはソフト面も同様だと思うんですが、そういった面で、例えば常総市ではマイタイムライン、いろいろ取組も進んできているんですけれども、ハード面、ソフト面、その前提の修正というんでしょうか、見直し、そういったことについてどんなお考えで取り組まれるか、平副大臣にお聞きしたいと思います。
  147. 平将明

    ○副大臣(平将明君) 近年、まさに委員おっしゃるとおり、気候変動の影響により、大規模な水害や土砂災害などが発生をしているところであります。  ハードにおきましては、昨年十二月に改定をいたしました国土強靱化基本計画において、気候変動等の影響も踏まえた治水対策等を進めることを推進方針として、現在、各府省、関係省庁において、将来の気候変動の影響による降雨量の増加等への備えについて、技術的な検討など、近年の災害における課題を踏まえて検討を進めているところでございます。  ソフトに関しましては、私、防災と併せてIT、デジタルガバメント、科学技術を担当しておりますが、例えば、今回は、CSTI、科学技術・イノベーション会議の下で行っているSIPという事業で開発をいたしました、様々な地図を重ね合わせて被害の状況を把握をするというSIP4Dという仕組みを実装させていただきました。台風十五号においても、内閣府の情報サポートチームが県庁に入って、そういうサポートもしております。  ITとか、あと、「みちびき」の衛星で五センチぐらいの差も分かりますので、そういうことで河川の堤防を監視するなど、様々なテクノロジーも実装をして、ハード、ソフト両面で対応してまいりたいと考えております。
  148. 上月良祐

    ○上月良祐君 各省の取組も大変重要なんですが、やはり内閣府、内閣官房のグリップというんでしょうか、指示というんでしょうか、そういったものが大変重要だと思いますので、くれぐれもその点、よろしくお願いをいたしたいと思います。  そして、続いて、予算のことをお聞きしたいと思います。  一連の災害の復旧事業は、これはもう誰が見ても分かると思います、相当の額に上るはずで、今は予備費を使うということで、緊急にはもちろんそれは大切だと思います。ただ、一方で、来年の夏だってまた同じような状況になるかもしれないということになれば、その前に仕上げておかなきゃいけないのは、ちょっと前倒ししてでもやらなきゃいけないものがあるかもしれません。  そういった面でも、防災・減災のための施設整備、あるいは公共だって必要だと思っております。額とかめぐっていろいろ報道はされているようでありますけれども、私も、その規模とかはそれは政府でよく考えていただいてということだと思いますが、是非とも必要だと思うんですけれども、政府のお考えをお聞きしたいと思います。
  149. 井上貴博

    大臣政務官(井上貴博君) 御質問ありがとうございます。  まず、今年度の予算におきましては、昨今の災害被害の甚大化を踏まえて、今お話がありましたとおり、五千億円の予備費を確保しております。そして、必要な財政需要には、当初予算に加え、予備費を活用することで万全を期していきたいというふうに思っております、今の現段階でですね。  こういう観点から、今、総理の指示に基づいて、予備費等を活用し、被災者の生活、なりわいの再建に向けた対策パッケージを取りまとめております。本日発表の予定になっているとお聞きしておりますので、これ夕方になろうかというふうに思いますが、発表されるというふうに周知しております。また、被災された自治体の皆様方の財政上の、安心して全力で取り組める応急対応、復旧に当たれるようにしっかりと財政措置を講じてまいることをお約束申し上げたいというふうに思います。  また、今その上で御質問がありました補正予算の編成に関しましては、復旧作業、そしてその進捗状況を見極めて今後適切に判断していきたいというふうに思っております。  以上です。
  150. 上月良祐

    ○上月良祐君 そういう答弁になるのかもしれません。是非とも、ただ、やっぱり必要なものはしっかりやっていく、そういう姿勢で是非ともやっていただきたいと思いますので、くれぐれもよろしくお願いをいたしたいと思います。  続いて、西村大臣にお聞きしたいと思います。  国土強靱化の緊急対策は三か年というふうになっております。ただ、この状況を踏まえて、三か年でとてもやり切れるものでも元々なかったのかもしれません、緊急にやるのが三か年ということなのかもしれませんが、スペック自体の、先ほどのお話がありましたけれども、平副大臣から、そういった見直しもありますから、その後もやっぱり継続して対策が必要ではないかというふうに思うんですけれども、そこへの取組についてどんなふうにお考えか、お聞かせいただきたいと思います。
  151. 西村康稔

    国務大臣(西村康稔君) お答え申し上げます。  御指摘の公共投資ですね、公共事業、この重要性、必要性についてはもう十分に認識をしているところでございます。いわゆるワイズスペンディングの考え方を重視しつつ、生産性の向上とか、あるいは民間投資の誘発、そして御指摘の国土強靱化、防災・減災ですね、こういった観点から、いわゆるストック効果の大きい、最大限発揮されるようなそういった事業を、必要な社会資本整備を進めていきたいというふうに考えております。  今般の台風十九号等による被害の状況を目の当たりにしまして、改めて防災・減災、国土強靱化のその重要性を痛感したところでもございます。私の地元の淡路島でも、平成十六年に大きな被害が台風二十三号で出ました。激甚災害の指定を受けて、その後河川の整備などを行いましたところ、その後にそのとき以上の雨が降っても大きな被害が出ないようになっております。ですので、しっかり備えをすれば大丈夫だということでもあります。  国土強靱化につきましては、御指摘のように、現行のまず三か年のこの緊急、集中的にやる期間、来年までありますので、これをまず着実に実施をしていきたいというふうに考えておりますが、その後については、骨太の方針を踏まえ、また国土強靱化基本計画に基づいて、必要な予算をしっかりと確保して、そしてオールジャパンで対策を進め、まさに災害に屈しない国土づくりをしっかりと進めてまいりたいというふうに考えております。
  152. 上月良祐

    ○上月良祐君 西村大臣とは私はもう四十年以上のお付き合い、高校の頃からの本当の、もう本当の同じクラスだった同級生。西村大臣の能力や気遣いとか、誰よりも知る一人だというふうに思って期待をいたしております。そういう意味で、大いにリーダーシップを取って、今のような御答弁、しっかり本当政策にしていっていただきたいと思いますので、是非ともよろしくお願いいたしたいと思います。  それから、消防についてちょっとお聞きしたいと思います。  市町村消防、都道府県警察、行政には原則があるわけですよね。それで、消防組織法も改めてちょっと見させていただいて、きちっと原理が書いてあるわけです。ただ、今般、ここ最近の災害を見ているとやっぱり広域化、激甚化して、市町村消防の、原則は大切だと思うんです、消防団とか住民に密着したところは大変重要で、これは消防、市町村消防、一番役割を発揮してもらう部分もあると思うんですけど、やはりちょっと時代の変化というんでしょうか、環境の変化を踏まえて、例えばドクヘリなんかは、ドクターヘリなんかは都道府県単位化されているようなところもあるんですけど、やっぱり都道府県の役割というのをもう少し前に出していった方がいいのではないかと。  ある程度そういうことを踏まえて役割も見直しているのかもしれませんが、実際に消防組織法とか見ると、教育訓練とか人事交流のあっせんとか消防統計とかそういうのはあるんですけど、余り、やっぱり緊急消防援助隊、緊援隊以外は余り書いてないんですよね。  なので、備蓄とかを全市町村でやっていたらこれはどう考えたって効率が悪いし、高性能なものも必要になってくる時代ですから、そういうものはやっぱり市町村単位といっても財政力的にも厳しい面があるんだと思います。そういう意味で、都道府県単位というのも一つ重要かなと。ブロック単位もあるんですけど、都道府県単位かなというふうに思います。  そういう意味で、都道府県の役割をこれまで以上にちょっと前に出していくべきときではないのかなというふうに、市町村消防は大切にしながらですね、と思うんですけれども、御見解をお聞かせいただきたいと思います。
  153. 小宮大一郎

    政府参考人小宮大一郎君) 近年多発する大規模な風水害に対応するための消防力についての御提案をいただきました。  御指摘のような観点から、高度な機材の配備につきまして、現在、三十七の道県で消防防災ヘリコプターを運用しております。また、備蓄につきましては、十七の府県におきまして石油コンビナートの火災などに備えましてオイルフェンスや泡消火薬剤を、また、四十の道府県におきまして林野火災に備えました消火薬剤を備蓄をしています。  このほか、高度な機材の配備につきましては、消防庁として、水陸の両用車、あるいは高機能の救命ボートなどを、全額国費による無償使用制度ということで、まずは各都道府県に少なくとも一台となるように関係消防本部に配備を進めています。高度な機材を実際の災害時に効果的に活用するためには、都道府県で保有するだけではなくて、人員も含めた特別な部隊として配備をしたり、あるいは消防本部に無償使用として配備するなど、運用方法についても検討が必要になるものと考えております。  いずれにいたしましても、委員提案の観点を踏まえ、引き続き消防力の強化に向けて努力をしてまいります。
  154. 上月良祐

    ○上月良祐君 ありがとうございます。  時代の変化に対応して、原則も大切にしながら柔軟に対応していくということが大切だと思いますので、くれぐれもよろしくお願いいたしたいと思います。  続いて、八ツ場ダムを始めとするハード面の機能のことをちょっとお聞きしたいと思います。  先日の台風十九号などで、まあ想定を上回る豪雨なんでしょうか、河川の氾濫や越水で大変大きな被害がありました。八ツ場ダムが効果があったのかなかったのか、もちろん、それはたまったわけだからその分の効果はあったんだと思いますけれども、もちろん私は総合治水だということはよく分かっているので、どれか一個だけ取り出してということじゃないのかもしれませんが、ダムだけじゃなくて、例えば遊水地もあったし、下流の堤防もありました。  朝の五時台に利根川の沿川で土のうを積んでいる人から電話がありまして、それで、もう越水しそうだと、もう新幹線の堤防の下のところがちょっと低くなっていて、もう国交省から言われたメーターがあと上がれば越水しそうだと、もう本当大変だという電話があったんです。結果、それだけ上がらなかったので助かったんですけれども、古い堤防だったらもう絶対無理だったんじゃないかと彼は言っていました。  感情論じゃなくて、科学的な検証や分析があればちゃんと聞かせてほしいと思います。そして、それがどんな意味があったのかということを、もう感情論とか根性論とかじゃなくて、しっかり踏まえた上で的確に、先ほど来お話があったような予算措置もして整備をしていくということが必要、メンテナンスもそうですけれども、必要だと思いますので、そういった検証があれば是非お伺いしたいと思います。
  155. 塩見英之

    政府参考人(塩見英之君) ハード施設の効果につきましてお尋ねをいただきました。  今回の台風十九号で記録的な大雨となりまして、堤防の決壊でありますとか河川からの越水によりまして大変広い範囲で甚大な浸水被害が発生いたしましたけれども、こうした中でも、これまでに整備してまいりました様々な治水のための施設が被害の軽減に寄与したというふうに考えてございます。  例えば、今御指摘の八ツ場ダムがございます利根川水系におきましては、治水の基準点で八斗島という地点がございますけれども、その地点の上流におきまして既設の六つのダムがございますし、また現在試験湛水中の八ツ場ダムがございますが、これら合計で一億四千五百万立方メートルの洪水を貯留いたしました。この結果、これらのダムの貯留によりまして、仮定を置いた試算の速報値ということではございますけれども、八斗島の地点におきまして一メートル、約一メートル水位が低下したというふうに想定をしてございます。  こうしたインフラの効果につきましては、他の施設も含めまして順次記者発表を行いますとともに、整備効果をまとめたホームページに掲載するなどをいたしまして積極的にお示しをさせていただいてございます。こうした事業広報を通じて地元の皆様方の御理解も得ながら、事前防災対策を進めてまいりたいというふうに考えてございます。
  156. 上月良祐

    ○上月良祐君 ありがとうございました。  なかなか個別の施設ごとの効果というのが示しにくいというのも分からなくはないです。ただ、できる限り分かりやすく伝えるというのも大切だと思いますので、引き続ききちっと検証していただいて、感情論は横に置いておいて、しっかり科学的な検証に基づいてそこを発表していただきたいというふうに思います。  それから、農業被害についてお聞きしたいんですが、ちょっと時間が足りないので、ちょっとここは御要望にさせていただきたいと思います。  災害のときに、農水省の方が、これは僕はいろんな役所を、現場でも災害たくさん受けたので見ておりますが、現場に寄り添う姿勢というのは本当に突出してすばらしいというふうに私は思っています。なので、今回も営農が継続されるように是非やっていただきたいと。千葉や茨城、大農業県、ほかもやっぱり地方に行けば行くほど農業って大変重要な産業でありますから、是非とも頑張っていただきたいと思います。  ただ、頑張っていただくときに、前提として、もう保険に入っておいていただかないと、これはなかなか救い切れないところがどうしてもあるというところも事実だと思うんですね。なので、農済もあります、施設共済もあります。そして、それから何といっても収入保険がある。各県ごとにかなりばらつきもあるんですね。なので、ここのところをしっかりやって、前提としてまずは自助、共済だから共助かもしれませんけれども、そこのところを是非やっていただきたいと思いますので、これはちょっと御要望にしておきますから、よろしくお願いをいたしたいと思います。  ここで防災は一段落しますので、平副大臣と井上政務官は御退席いただいて結構でございます。お取り計らいをよろしくお願いします。
  157. 水落敏栄

    委員長水落敏栄君) 平副大臣、井上政務官は御退席していただいて結構です。
  158. 上月良祐

    ○上月良祐君 続きまして、全世代型の社会保障改革についてお聞きをしたいと思います。  社会保障、これなしに生きていける日本人はいないと思います。生活困窮あるいは要介護になってから、生活上の問題抱えてからどうするかということも、これも必須なんでありますけれども、子供たちの自己実現機会への保障、こういったものへの目配り、あるいは就職氷河期世代への就労支援、あるいは高齢者が年齢にかかわらず働くことができる就労機会の確保、こういったまた違った観点からの取組が徐々に広がってきていることは大変いいことだと評価をしたいと思います。  今回の全世代型社会保障改革議論は大変期待が大きいだけに、これはもうお願いなんですけれども、給付と負担だけの問題に収れんしていって、何を切るか、どういう負担を求めるかだけにならないように是非ともしていただきたいというふうに思います。  人口減少や少子高齢化の中で、これは財政的には物すごい大変だということも、財政も少しやっていましたのでよく分かっています。そう簡単にはできないことがよく分かっていますけれども、その中で、国民皆保険、これは日本にとって最も重要だと思います。この国民皆保険や、あるいは、頑張れば将来に展望が持てるような社会保障の在り方、厳しい状況でも支えがあるような、そういった持続可能な社会保障制度となるような見直し、是非していただきたいと思うんですが、大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
  159. 西村康稔

    国務大臣(西村康稔君) 大変重要な御指摘をいただいたと思います。  まさに、全世代型社会保障改革の重点は、少子高齢化が進み、そしてまたライフスタイルも多様になっていく中で、誰もが安心してもらえる、そうした社会保障制度を構築していくということだと思っております。まさに人生百年時代を見据えて、七十歳までの就業機会の確保とか、年金の受給開始時期の選択肢の拡大とか、あるいは厚生年金の適用拡大、あるいは予防、健康づくりの推進など、年金、医療、介護など全体にわたって、社会保障全般にわたって改革を進めてまいりたいというふうに考えております。  このため、社会保障に関係する政府内の会議から関係者に集まっていただいて、代表者に集まっていただいて、全世代型社会保障検討会議を設置をしまして、会議を開始したところでございます。御指摘のように、より大きな方向性についてしっかりと議論をして、年内の中間報告に向けて議論を深めていきたいというふうに考えております。
  160. 上月良祐

    ○上月良祐君 ありがとうございます。是非しっかりやっていただきたいと思います。  それから、もう一つ、十月から参議院の自民党で、政治や行政がなかなか捉え切れられないような漠然とした不安、例えば、医師の地域偏在、いわゆる医師不足で本当に困っていると、いろいろ施策はあるんだけれども、なかなか困っている状況から抜け出せない、独居高齢者であるとか孤独死の問題、あるいは地域がつながりがなくなっていって限界集落のように崩壊したり消滅したりするんじゃないかというような不安、あるいは就職氷河期世代の、子供たちの方々の将来への不安、何とも霧のようなというんでしょうか、つかみようがないような、でも不安がたくさんあるんじゃないかということで、そういったものに政治が向き合ったり、受け止めたり、寄り添ったりしていかないといけないんじゃないかということで、勉強会を始めております。事務局の一人として私も今関わらせていただいているんですが、有識者からのヒアリングに加えて、現場にも行こうじゃないかということで当事者の生の声を、厳しい声を聞かせていただいて、政治として受け止めて何かを施策化していこうというふうに思っています。  ただ、行政の、何かすごいお金を取って何か行政の新しい施策を打ち出すとかということではなくて、そういうことではなくて、何か知恵を出していったり、あるいは、ICTをうまく使ったり、あるいは今ある仕組みで動かせばうまく動くのがあるんですよね、ただ、ちょっと見直しがされていなかったり周知されていなかったりしてちゃんと動いていないといったようなもの、そういったものを動かしたり、あるいは地域のつながりというんでしょうか、これはお金では買えないような大切なものを回復していくといったような、様々な不安に対する何か柔らかな対応というんでしょうか、そういうものをしていかなきゃいけないというふうに思います。  全世代型社会保障改革は、大きなテーマが、たくさん柱があるんだと思いますけれども、施策と施策のはざまであるとか、施策全体を何となく覆っているような、先ほど申し上げたような漠然とした霧のような不安に柔らかく対応していくというような観点から、私ども、もう少しまた更に勉強して何か提言をしていきたいというふうに思っております。なので、取り込める点があれば是非ともそれは取り込んでいただきたいと思うんですが、これは大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
  161. 西村康稔

    国務大臣(西村康稔君) 御指摘のように、社会保障制度全体の改革に取り組んでまいりたいというふうに考えております。まさに子供からお年寄りまで、それぞれの不安に応える形で、全ての世代の方々に安心していただける社会保障制度に向けてしっかりと議論をしてまいりたいというふうに思っております。  もう御案内のとおり、既に十月一日からは幼児教育保育の無償化、そういう意味で全世代型に広げていっているわけでありますけれども、さらに、元気なお年寄りの皆さんもおられますので、そうした方々が年齢にかかわらず働いていける、そういった仕組み、あるいは予防にもっと重点を置いた仕組み、様々な議論をしっかりと、多くの関係者の皆さんの声にも耳を傾けながら進めていきたいと思っております。  そうした中で、まさに御指摘いただきました、不安に寄り添う政治のあり方勉強会、上月委員が事務局長的な役割も果たしておられるというふうに伺っております。是非、検討を深めていただいて御提言をまとめていただければ、私どもとしても前向きに受け止めていきたいというふうに考えております。
  162. 上月良祐

    ○上月良祐君 ありがとうございます。  是非、政府がやる大きな行政の施策とまた違った切り口で地方の不安を取り除いていったり寄り添っていったりできるような施策を出していけるようにと思ってやりますので、よろしくお目付をいただければと思います。  そのときに、一つ重要なテーマといいますか、ツールがありまして、これは厚労省さんに養護老人ホームの関係で来ていただいているんですけれども、実はちょっと時間ないんで、今日はもう詳しくやりません。  養護のことは、措置権が市町村、措置じゃなくなる、措置が残っている大変重要な施設でして、特養全盛時代なんだけど、養護というのは物すごく重要な施設なんです。ところが、余り知られていなくて、というか、一般財源化されたので誤解されていまして、市町村が措置したらお金が持ち出しになっちゃうんだというふうに誤解されているんです。それで余り使われていないところもあったりして、身体的な問題だけじゃなくて経済的な問題で入ることができる大変重要な施設でして、この施設をしっかり使っていただきたいというふうに思っていますが、これは福祉部局だけに言っていただいてもなかなか分かっていただけないので、茨城では市町村の財政の方にもちゃんと通知を出していただいたりして、両者連携しながらやっていくというふうな取組をしています。  ちょっと回を改めて、またチャンスがあるときにしっかりお話をさせていただきたいと思いますが、既存の制度で大変重要な制度があるので、それをしっかり動かしていただきたいということ、これは、済みません、今日はちょっと御要望にさせていただきたいと思います。  最後に、藤原さんに来ていただいておりますが、地方の景気、経済についてちょっとお聞きしたいと思います。  実は、これは政府のすごく、ちょっと弱点の一つだと私は思っているんですが、地方のローカルの景気、経済をしっかり見てくれていてそれを政策、施策に反映する司令塔というのが必ずしも明確じゃないんですよね。  私、二枚、今日資料をお配りしていますけれども、ちょっとこの資料、もう詳しくはお話ししませんが、一枚目は日銀短観です。二枚目は景気ウオッチャー調査。日銀、政府のどちらもれっきとした調査なんですけれども。  これ、大きな違いは何かといいますと、ゼロポイントラインですね、いいから悪い引いたところがゼロポイントライン。日銀短観ではゼロポイントラインが上の方にちょっとあって、そこのまあ何となく上にあるんです、全部の地域が。この景気ウオッチャー調査の方を見ますと、ゼロポイントラインというのは五〇のところになるんですけど、こっちは書き方が違うんですが、今はちょっと駆け込みもあって若干上がっているところあるんですけど、結構、五〇よりもみんな下なんですね。これは何の違いかといえば、僕は企業データか個人の消費の関係かなというふうに思っているんですけれども、こういったことをローカルに効くように是非政策化していっていただきたいと、つぶさに見ていただいてですね、というふうに思っています。  災害もあったり、インバウンドの問題、あるいは農産物輸出の問題など、いろいろあって難しいところはあるんですけれども、公共の発注の在り方とか、あるいは下請たたきを根絶することとか、インバウンド、あるいは農産物輸出、ちゃんとやっていただく、外の力と中の力をしっかり使うことでローカルを活性化していって経済を活性化していっていただきたいと思うんですけれども、ここについてのお取組の方向についてお聞きしたいと思います。
  163. 藤原崇

    大臣政務官(藤原崇君) 地域経済の現状に関しては今委員から御説明があったとおりでございますが、この地域経済活性化に向けては、経済の担い手である地域企業の生産性向上や働き手が安心して働くことのできる雇用機会の創出を図ることが重要と考えております。  そのような観点から、地域未来牽引企業への集中的な支援、プロフェッショナル人材戦略拠点の強化、地域商社や観光地域づくり法人への支援などを進めていくことが重要であると考えています。これらの取組については、年内に策定する第二期のまち・ひと・しごと創生総合戦略に反映することとしております。  関係省庁と連携しながら、引き続きあらゆる施策を総動員し、全国津々浦々で地域経済活性化を実感できるよう、地方創生実現していきたいと考えております。
  164. 上月良祐

    ○上月良祐君 ありがとうございます。  さっき言ったような政府の問題もありますので、政府の、何というんでしょうか、対応ぶりをしっかり、これ西村大臣も所管が微妙かもしれませんけど、お目付をいただいて、しっかりローカルの景気、経済が上がっていくような施策に努めていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。  以上で終わります。ありがとうございました。
  165. 山田太郎

    山田太郎君 自由民主党の山田太郎でございます。  三年ぶりに国会に戻っておりまして、その三年前もこの内閣委員会に所属しておりました。かつてはそちら側の野党側にいたんですが、今度はこちら側ということであります。ただ、もちろん、与党に入ったとしても国会議員でありますから、政府に対してはきちっと厳しく政策を問うていきたい、こういうふうに思っています。  まず最初、全世代型社会保障制度の改革の一環として、今回、私も選挙で大変若者に多く支持されながら選挙を勝ち抜いてきましたので、そういう視点から少し質疑させていただきたいと思います。  そういう意味で、今回の全世代型の改革の中で少し視点が足りないのがフリーランスの問題ではないかと、こういうふうに思っています。最近、氷河期とかロスジェネとかいろいろ言われておりますが、その多くの人たちがフリーランスになっているということでありまして、このフリーランスの実態を政府はどこまで把握してその対策をしているのか。これは今後の社会保障制度を考える意味では物すごく大きな問題だというふうに思っております。  そんな中で、私も党内で随分この問題を取り上げたんですが、残念ながら、厚労省、それから経産省、内閣府においてちょっとそのフリーランスの定義というか考え方が随分違うんだなということを感じました。そういう意味で、政府で是非一貫したこのフリーランスに対する視点、定義をしていただきたいなというふうに思っております。  例えば、厚労省はフリーランスについてどういうふうに定義をしているかというと、発注者から仕事の委託を受け、主として個人で役務を提供し、その対償として報酬を得る者といった、労働法制を中心に考えているんですね。そうすると、大体対象人数百七十万人ぐらいじゃないかという推計であります。経産省さんは、就業形態が自営業主若しくは内職で実店舗を持たず、調査時点の勤務先の業種が農林水産業ではない者という定義をしておりまして、どちらかというと中小企業法制の観点から見ていると。内閣府は、特定の発注者に依存する自営業主ということで、ちょっと独特な考え方を持っております。経産省はそういう意味では四百四十万人が対象になるでしょうし、内閣府は百六十万人ぐらいじゃないかということであります。  こんなことで、今後、そのフリーランスというのが何を指しているのか、何なのか、それが決まらない中で、全世代型、特に若い人たち、もう終身雇用なんというのは崩れているわけであります。そういう意味で、とっても大切なまず定義を是非していただきたいと思うんですが、まず統一的な定義というのが政府にあるのかどうか、一度伺いたいと思います。
  166. 風木淳

    政府参考人風木淳君) お答えいたします。  まず、委員御指摘のとおり、フリーランスに関する定義について明確に存在しないということでありまして、各省庁はそれぞれの政策目的に沿って枠組みを決めて調査実施しているというところでございます。  今まさに御説明あった、まず厚生労働省の調査でございますが、これは独立行政法人労働政策研究・研修機構が行った調査でございまして、雇用類似の働き方の者ということで、発注者から仕事の委託を受けというところを重視して、主として個人で役務を提供し、その対償として報酬を得る者について分析していると。  それから、経済産業省、中小企業庁、ここについても同じですね、先生御指摘のとおりの条件。  それから、内閣府が、これらを踏まえまして、本年七月に調査をいたしました。そこで、ちょっと先生の御指摘であった数字ですが、ちょっと訂正させていただきますと、内閣府がフリーランス相当という形で定義を置いておりまして、これは自営業主で店舗や雇用者を持たない者ということなんですが、本業と副業、併せまして幾つかのパターンを整理いたしております。それで、今二百万人程度とおっしゃったかと思うんですが、これは三百万人程度ということで、ただ、これは幅が非常にございます。こうした状況でございます。  こうした中で、政府としては、そういう状況を実際、把握をいたしまして、特に私の内閣官房の日本経済再生総合事務局においてよく実態を整理していきたいというふうに考えております。
  167. 山田太郎

    山田太郎君 これ、西村大臣にお願いしたいんですが、このフリーランスの方々ですね、多分、ややもすると無年金であったりとか、今後非常に厳しい状態になる可能性も、将来不安というのは非常に大きいと思うんですね。政府の方でこんな定義がばらばらな状態で、対策を打つ時点の状態である中で全世代型について話されているという実態。何とかこれ、急いで定義もして、それぞれの対策を是非していただきたいというふうに思っております。  大臣の方から、是非そういった意味で今後の対応をお願いしたいと思うんですが、いかがでしょうか。
  168. 西村康稔

    国務大臣(西村康稔君) 本当に大事な御指摘だと思っております。まさに第四次産業革命が進む中で、インターネットを活用して家庭にいながら単発、短期の仕事を請け負う、いわゆるギグエコノミーといったようなもの、どんどん広がってきておりますので、そういう意味で、フリーランスの定義をどう見るかというところはありますけれども、高齢者や女性や、そういった新しい技術、新しい形態を利用しながら働く、働き方が多様になり、広がってきている現実があると思っております。  六月に閣議決定しました成長戦略実行計画におきましても、個人が個人事業主、フリーランスを選択できる環境を整える必要があるというふうに記載をしておりまして、今も答弁がございましたけれども、各省でそれぞれに今施策の観点から調査などを進めておりますけれども、全体を見て、このフリーランスにつきまして、成長戦略を担当するまさに内閣官房におきまして、しっかりと各省と連携しながら整理、そして分析をして、今後の方針、こうした方々が継続してしっかり働いていけるようなそういった環境をつくるべく、しっかりと整理をしていきたいというふうに考えております。
  169. 山田太郎

    山田太郎君 働くことだけではなくて、将来に対する不安ですよね、非常に大きい世代だとも言われておりますので、是非その対処を政府においてもお願いしたいと思っています。  次なんですが、そのフリーランスをもうちょっと深掘りをしていきたいと思います。  お手元にお配りさせていただいているフリーランスに係る労働法制というのをちょっと見ながら質疑させていただきたいと思っておりますが、例えば、フリーランスの中で最近話題になっているのはアニメの動画職の方々と。この方々、今、年収が約百二十五万円と、月十万円行くか行かないかということで大変正直苦しい状況、しかも、長時間労働も多いということなわけであります。  例えば、このアニメの動画職の方々をフリーランスとして捉えた場合に、なぜこの方々が守られないんだろうかと、こんな条件下で普通に働かされているんだろうかということを捉えていきますと、ちょっとこの表を見ていただきたいんですが、本来、もしこの方々が正社員、あるいは労働基準法の適用に合えば、当然、労基法の最賃のいわゆる保護に当たるわけでありまして、百二十五万円なんというのは最賃違反になってしまうわけですね。  一方で、これ請負ということであったとしても、日本には独禁法の中の下請法というのがありまして、これに引っかかれば、継続的に不利ないわゆる発注をされているということになれば労働法上で守られるということになるんですが、残念ながら、このいわゆる請負の方は資本金が一千万円超の場合のみ適用されるということで、一千万円以下が入っていきません。  現実的に、このアニメの会社のケースなんですが、日本のアニメ制作会社の約九割は資本金が計ったように一千万円なんですね。ということもあって、ほとんどの人が守られていないと、こういう状況であります。  そういった意味で、是非、このまず四角の中に入っている保護なしと言われるところが大変多くの今フリーランスの人たちの置かれている状況であって、労働法制においても守られていないという実態を何とかしなければならないと、こう思っているんですが、是非、まず、この一千万円というこの資本金に対する下請法の見直しですよね、そういうことができないんだろうかということもちょっと問いたいというふうに思っておりまして、この辺りはいかがでしょうか。
  170. 東出浩一

    政府参考人(東出浩一君) 下請法につきましては、委員御指摘のとおり、幾つかの類型ございますけれども、資本金が一千万円超の親事業者から、それより下の一千万円以下の事業者あるいは個人の方に製造委託等をするときに規制の対象とするという法制になっております。  この一千万円、資本金で区分をしております理由ですけれども、これは独占禁止法の方の優越的地位の濫用規制というのがございまして、そちらの方ですと、優越的地位にある、正常な商慣習に照らして不当に不利益を与えているというふうなことを個別に立証する必要があるんですけれども、それですと立証に時間が掛かるというのがございまして、そこの部分を迅速に立証ができるようにということで、資本金区分というものと、あと、製造委託等の取引の類型ということで優越的地位のところを立証を言わば容易にする、迅速にできるようにするという法制を加えたものでございます。  この一千万円というところを外しますと、そこの部分がまた独禁法の方に戻ってしまいまして、立証の迅速さということを損なうことになりかねませんので、この区分については一千万円ということでやらせていただいておるところです。
  171. 山田太郎

    山田太郎君 資本金一千万円というのは、たしか昔、株式会社をつくるときに一千万円以上ということで置かれたというのが多分経緯なんだろうと思いますが、今は一円から会社をつくれるわけでありまして、正直余り意味がない。ただ、おっしゃられるとおり、何か置かないと迅速に優越的地位にあるということが分かりにくいと。  であれば、例えば売上規模とかですよね、あるいは従業員数と、いろんな軸を立てることによってしっかり迅速に、優越的地位にあることによって、この保護されていない人たちを直ちに守っていくと、こういう考え方もできると思うんですが、この辺り、いかがでしょうか。
  172. 東出浩一

    政府参考人(東出浩一君) 御指摘の従業員数ですとか売上規模ですけれども、そのような数字につきましては、事業年度によりますですとか、もろもろの事情によりまして結構変動するというような事情がございます。  下請法につきましては、発注の際に書面を交付する義務というのを掛けておりまして、それについては刑事罰で担保をするということになっておりますので、比較的短い期間で変動するということになりますと、そういうところの規制について安定性を損なうというような事情がございます。その関係で、比較的安定的な指標であって、それからその親事業者の方も比較的把握ができる数字ということで、資本金というのを親事業者、下請事業者の区分にさせていただいているということでございます。
  173. 山田太郎

    山田太郎君 資本金も、最近買収されたりとか、形態が変われば当然移動するものでありますから、決して資本金が万能ではないと思っていますので、現状の時代に即した形でもってこのフリーランスの人たちを守るという意味で、少し下請法等のこの基準の見直し、もっと言えば、別にこれは一千万円以下だから捕まらないわけじゃないんですよね。分かりやすいからいわゆる一千万円というのを線を引いて、一千万円だったら確かに優越的地位の証明はしなくていいから公取が対処できるというだけの話だと思っておりますから、逆に、じゃ、一千万円以下の話に関しても、是非、優越的地位にあってこういった不利益な取引が現実的にこうやってアニメの業界なんかで平気で行われているわけですよね。そういうところはやってもらいたいというふうに思っています。  じゃ、ちょっと時間がありますので次に進んでいきたいと思いますが、もう一つ、今、ガイドラインというのを経産省さんの方、総務省さんの方で作られました。この下請に関する見直しをしていかなければいけないということで、決して政府は何もやっていないということじゃなくて、一生懸命、ガイドラインを作って対処、対応してきたと。  一つは、アニメーション制作業界における下請適正等の推進のためのガイドラインというのを作ったんですが、これ、パブコメも五千件も集まったということで異例な、要は有権者、市民からの期待があったと思うんですが、その後どうなったかという是非状況報告していただきたいんですが、いかがでしょうか。
  174. 小笠原陽一

    政府参考人小笠原陽一君) ただいま御質問ありました、アニメのガイドラインでございます。  今年八月上旬、アニメーション、この取引環境の改善ということを目的といたしまして、このガイドラインということを作成をいたしました。テレビ番組の発注者となる放送事業者、それからその制作を請け負う制作会社、あるいは今話題に出ておりますフリーランスを含むアニメーターの方々、こういったアニメのサプライチェーンの全体を構成する方々、この方々の間で、今の書面の交付などなど、適正な取引を行うことが重要だということをしっかりと共通認識として持っていただくと、こういうことが大事だろうという見地から改訂を行いました。  この改訂後の取組でございますが、まず経産省といたしましては、総務省と連携をいたしまして、アニメ制作業界、それからアニメーターの団体、それから発注者となる放送業界、こういった方々に対して、この改訂されたガイドラインの遵守の徹底、それから周知ということの通達を発出をさせていただきました。それから、こうした業界団体と連携をさせていただきまして、講習会の実施ということもやりまして、現場レベルの浸透も図っているところでございます。  今、もう改訂から約三か月たっておりますが、経産省としては、まずはアニメーターの方々に対して、こういった書面の交付ということがちゃんとどういう状況になっているか、あるいはアニメーターの方々が本来持たれています著作権に関する意識、そういったことがどうなっているか、こういったことごとにつきまして、しっかり下請Gメン等も活用してヒアリング調査を行いまして、この改訂後の実態といったことがどうなっているか、きちんと把握してまいりたいというふうに考えております。
  175. 山田太郎

    山田太郎君 それによって、具体的に助言を含めて何件ぐらい行われたか。数字だけで結構ですのでお教えいただけないでしょうか。
  176. 小笠原陽一

    政府参考人小笠原陽一君) 改訂後のこの実態の調査ということだと思いますが、アニメーター、それから制作会社の方々含めて、大体これから二十者ぐらいをめどにやっていければというふうに考えております。
  177. 山田太郎

    山田太郎君 具体的助言をしたのは二件ということを事前のレクで聞いていたんですが、二十者以上やっていただきたいというふうに思っていますので、どうかよろしくお願いします。  さて、最後質問に行きたいと思いますが、最近、公正取引委員会が、優越的地位の濫用に関するデジタルプラットフォーマー向けの指針改定といいますかね、考え方の改定をしたということがマスコミなんかでも伝えられました。  実は、十月二十九日の新聞報道において、ウエブの機能の一つであるクッキー、あるいはGPS、こういったものも利用者の同意なく収集して利用すれば独禁法違反になるというような記事が出たところ、大変なネットの中では大騒ぎになりまして、このままクッキーが使えなくなるのではないか、あるいはGPSが使えなくなるのではないかと、こういうようなことが起こったわけであります。  特に、この記事が出た日は、このクッキーを使わない技術を使ったマーケティング調査の会社の株価が逆にストップ高になるような状況になっておりまして、公正取引委員会委員長が新聞社に対するインタビューに答えて、公正取引委員会のその発言が市場をゆがめてしまったという、あってはならないようなことがあったと私は思っておりますが、特にこのクッキーや位置情報の収集、それ自体が今後本当に使えなくなるのかどうか、これは公取の方、大変重要な内容ですのでお答えいただけないでしょうか。
  178. 東出浩一

    政府参考人(東出浩一君) 御指摘のクッキーですとか位置情報ですけれども、公正取引委員会といたしましては、いわゆるデジタルプラットフォーマーが消費者からクッキーや位置情報を取得することやそれらを利用すること、それ自体が直ちに独禁法の優越的地位の濫用ということで問題になるものとは考えておりません。
  179. 山田太郎

    山田太郎君 それでは、どうして公正取引委員会委員長はそういうような御発言の中でクッキーとかいわゆるGPSについて触れられたのか、こういう誤解に至ったと考えられているのか、いかがでしょうか。
  180. 東出浩一

    政府参考人(東出浩一君) 先ほど委員御指摘になりましたデジタルプラットフォーマー向けの指針の改定ということがございましたけれども、お話しの指針というのは、私どもの方で、デジタル・プラットフォーマーと個人情報等を提供する消費者との取引における優越的地位の濫用に関する独占禁止法上の考え方(案)ということで、今、パブリックコメントの手続を取ったものということで、まだ案の段階というものでございます。  その関係で委員長発言というのがあったんだというふうに理解をしておりますけれども、公正取引委員会では、いわゆるIT関係の技術を活用して事業者の方がほかの競争相手に対して優位に立とうとすること、そういうこと自体を規制しようとするものとは考えておりませんで、むしろそういうことで競争していただくということは望ましいものというふうに考えております。  ただ、取引上優越的地位にある事業者というものが、取引の相手方、消費者を含めてですけれども、それに対して不当に不利益を与える行為というのを行ってそれで競争上優位に立つということがあれば、それは公正な競争をゆがめるということになりますので、そのことは独占禁止法上問題になり得るものというふうに考えております。  先ほど申しました考え方(案)というのは、そのことを明らかにするということで策定をしようとしているものでございまして、委員長発言もその流れで申し上げたものというふうに思ってございます。
  181. 山田太郎

    山田太郎君 その文書をいろいろ入手させていただいて見たんですけど、どういうのが対象になるかということで、個人情報又は個人情報等と。個人情報等というのはどう定義されているかというと、個人情報及び個人情報以外の情報をいうと書いてあって、何言っているか分からないんですね。全部の情報じゃないかということで、またネット、業界では非常に混乱をして、何でもかんでもやばいんじゃないかと、こういうふうになったわけであります。  おっしゃられていることは、多分、ちょっと公正取引委員会も、本当に経済の警察でもありますし、強い権限を持っていますので市場に与える影響がすごく大きいということを自覚していただいて、情報の発信をしっかりやっていただきたいと。決して、GPSとかクッキーを特定して捕まえようとしているわけでもないし、ましてや、科学技術、ITに関して何かメスを入れようとしているわけじゃないと。個人情報保護はもう個人情報保護委員会の方の仕事なんであって、公取の仕事じゃないわけですから、そういう何か最近、公取は個人情報保護の仕事までし始めたんだなんということが平気で言われるようになってしまって大変誤解を受けていると思っておりますので、この辺り、是非委員長にも伝えていただいて、公取全体として、発言の方、本当に影響力ありますので改善していただきたいんですが、そこを是非お願いしたいんですが、いかがですか。
  182. 東出浩一

    政府参考人(東出浩一君) 先ほど申し上げました考え方の案でございますけれども、パブリックコメントを行いましたところ、大変たくさんの御意見をいただいております。それについては今御意見も踏まえて検討しておるところですけれども、運用の透明性ですとか予見可能性の観点から、より良い成案となるように努力をしていきたいというふうに思います。
  183. 山田太郎

    山田太郎君 最後質問にしますが、マーケティングを企業がするというのは、そもそも比較優位に立とうとする行動なんですよね。ですので、正当に行われている企業活動までいけないんじゃないかというふうに萎縮が起こらないように是非していただきたいというふうに思っていますので、そのことを是非お願いして、私の質疑はこれで終わりにしたいと思います。  ありがとうございました。
  184. 田村智子

    ○田村智子君 日本共産党の田村智子です。  幼児教育保育の無償化、その実施の直前、八月末から九月にかけて保育現場や自治体は大混乱に陥りました。保育料を無償と言いながら新たに給食の副食費を保護者から徴収する、こういうことになったんですね。それで、保育所への運営費支給の基準となる公定価格もこれに伴って変更されました。  国会審議では、実費徴収の対象となる副食費は四千五百円という答弁があって、これを前提に法案審議をしてまいりました。  資料として、三月二十八日、衆議院内閣、文科の連合審査、我が党高橋千鶴子議員質問と答弁を配付しています。  当時の浜谷子ども家庭局長の答弁ですね。公定価格における保育所の食材費の積算につきましては、昭和三十八年度当時に設定されました単価を基に、毎年の消費者物価指数等の変動を勘案して見直ししてきております。現在、主食費については三千円、副食費については四千五百円と。公定価格における食材費の積算は副食費四千五百円と、こういう答弁だったんです。  ところが、八月末、副食費の食材費分として、公定価格を五千百八十一円、引き下げることが突如示された。九月四日付けの事務連絡では、公定価格における副食費を今年度四月に五千百八十一円として計上したと説明しているわけですよ。  これ、幼児教育保育無償化の法案は、参議院で審議始まったの四月十二日なんですね。既に公定価格五千百八十一円、引下げという算定をしていたはずです。なぜそのことを答弁されなかったんですか。
  185. 本多則惠

    政府参考人(本多則惠君) お答えいたします。  御指摘の三月の委員会における高橋千鶴子委員の御質問に対する政府参考人の答弁は、委員から、保護者から徴収する保育料の内訳としての副食費の額が四千五百円である、このことの根拠について問われた際の答弁のことを指していらっしゃるものと認識しております。  その答弁の際、保育料の内訳としての副食費に関して答弁すべきところ、公定価格の積算上の副食費として答弁したため、正確性を欠く内容となってしまったものでございます。また、二〇一九年度四月から九月までの公定価格の積算上の副食費につきましては五千百八十一円であることは事実でございます。  この度は正確性を欠く答弁となってしまったことにつきまして、おわびを申し上げます。
  186. 田村智子

    ○田村智子君 これ、三月二十八日の答弁は事実上間違いだったと今お認めになったんですけど、もうそれだけじゃないですよ。法案提出前から、給食費の新たな徴収というのは議論の焦点の一つでした。ここで通常国会からいらした方はよく分かっていらっしゃると思いますよ。  私も、だから昨年から、どの程度の保護負担を見込んでいるのかということは、何度も部屋の方に呼んで説明を求めたりしてきたわけですね。その際にも四千五百円と示される。だから、こちらからは、四千五百円を超えて公定価格を引き下げることはないよねと、こういう確認もして、そうだということのやり取りをしているわけなんですよ。  五千百八十一円なんというのは国会にも国民にも一度も示したことがなく、いきなり公定価格引下げ案として直前に示された。私も驚いて、すぐに担当者呼んで、これどういうことなんだと、国会で虚偽答弁したのと同じじゃないかということで厳しく意見をいたしました。  これ、そういう質問がなかったからというのは余りに不誠実ですよ。法案審議の際に政府の側から説明する、これは当然のことだったと思いますが、もう一度、厚労省お願いします。
  187. 嶋田裕光

    政府参考人(嶋田裕光君) お答えいたします。  副食費につきましてはこの十月から施設が利用者から徴収することになりましたが、その額については、保育料に含まれる金額が月額四千五百円であったことや、支出額の実態がその額に近かったことから、目安として月額四千五百円ということで地方自治体に従来から説明を行ってまいりました。  ところが、一方、市町村から施設に支払われる公定価格においては副食費としてこれまで約五千百八十円を計上していたことから、徴収方法の変更に合わせてこの金額を減額するとともに、施設側で徴収される四千五百円との差額分を活用して栄養管理加算やチーム保育推進加算を拡充する形で十月からの公定価格の案を公表したところでございますが、やはりその際の公表が当初の予定よりも遅れまして八月下旬となり、市町村や事業者に対する十分な説明や周知が行き届かない状況となっておりまして、そのため、関係各所とまた再度調整をいたしまして、保育料に含まれた副食費の額である四千五百円の減額にとどめまして、施設において減収が生じないように措置をすることといたしました。  なお、これに伴いまして、約五千百八十円の差額を活用した加算の拡充というのは、十月からの実施は見送ることとしたものでございます。
  188. 田村智子

    ○田村智子君 これ、今の答弁でも、私たちの審議中に五千百八十一円、もう公定価格引き下がるって分かっていたということですからね。本当にとんでもないんですよ。もう保育所にとっては運営費として支給が幾ら減らされるのかという大問題です。また、給食費徴収分を独自に支援しようとしていた自治体も、これ予算の見込みが大きく変わることになって、まさに大混乱になったわけですよね。  全国市長会の立谷秀清会長、これ相馬の市長さんですけれども、制度の十月スタート寸前になり、内閣府が物価調整分六百八十円を保護負担に上積みする公定価格案を一方的に提示してきました、今更こんなことは市民に説明できません、これはPDCA協議会を通じて物事を決めるという年末の約束をほごにした国による不当な行為で、全国市長会としては到底容認できませんと、こういう檄文を飛ばして、九月十七日には自ら官房長官に直接抗議をする、こういう事態になりました。そして、政府は、先ほど答弁あったとおり、急遽公定価格引下げを四千五百円にもう一度改めて通知をし直したと。  衛藤大臣国会にこれはもう事実上虚偽答弁ですよ。ごまかし答弁ですよ、公定価格についての。こういう責任、またこの大混乱の責任、どう認識されておられますか。
  189. 衛藤晟一

    国務大臣(衛藤晟一君) 仰せのとおりでございまして、当時私は大臣じゃございませんでしたけれども、自民党としてこういういろいろな調整に皆さんいろんな形で部会等を中心にしてやりましたので、正直言って、五千百八十円が出たときにはびっくりしたということでございまして、もう仰せのとおりでございます。私は、計算上はそういうことになっていたということまで当時はまだ知る由もありませんで、この案が出たときに非常にびっくりしたということでございます。  いろんな経過がありますけれども、そういう意味で、大変市町村や事業者の皆さんに御迷惑と御負担をお掛けしたことを内閣府としてはおわび申し上げなきゃいけないという具合に思っております。
  190. 田村智子

    ○田村智子君 四千五百円になってよかったで終わらせるわけにいかないんですよ。その帳尻合わせとして、今度は十月から実施予定だったチーム保育加算、栄養管理加算、この拡充が見送られてしまいました。これも約束違反なんです。  今の保育士の配置基準では現場の保育を回すことは困難だということを私はこの委員会で何度も質問してきました。それに対して、チーム保育加算を拡充することで人手を充てられるというのが大臣の答弁だったんですよね。栄養管理加算も、食育やアレルギー対応などの取組の必要性から栄養士などの配置を拡充しますと、こういう約束をしてきたものなんですよ。これらの加算を活用しようとしていた施設は現にありました。年間数百万円規模で影響を受けております。  虚偽答弁に端を発した混乱の帳尻合わせで、今度はやると言っていた加算拡充をほごにする、これも許されないことだと思いますが、大臣、いかがですか。
  191. 衛藤晟一

    国務大臣(衛藤晟一君) 虚偽答弁というわけではなかったんですが、いわゆる計算方法を明らかにすることが遅れてきた、そしてそのことが大変な混乱を招いてきたということについて、率直におわび申し上げなければいけないという具合に思っている次第でございます。  そしてまた、今お話ございましたように、栄養管理加算とかチーム保育加算は、食育の推進とか、あるいは保育の質の向上に関して大変重要なものと思っています。ただ、今、そういう具合に予算があるわけではございませんので、この財源を入れて早急に手当てができるかどうかということについて今検討中でございまして、今はこの財源がございませんのでどうしようもありませんけれども、できるだけ早い時期にこれに対応していけるように今検討中でございますので、どうぞよろしくお願いいたします。
  192. 田村智子

    ○田村智子君 是非、必ず拡充していただきたい。  次に、企業主導型保育事業についてお聞きします。  企業参入を短期間に大規模に促すために保育事業の経験のない企業も参入させる、全国からの事業申請を児童育成協会が全て受け付け、面談も現地視察もないままに、メール電話のやり取りだけで審査をして助成決定をする、これではもうけ本位の不適切な事業者が参入し得るということを厳しく指摘してまいりましたが、そのとおりになってしまいました。  工事費の水増し請求で助成金を詐取した合同会社ANELA、助成金を受け取りながら施設整備さえしていなかったコンサルタント会社WINカンパニー。どちらも会社役員が逮捕されるという事態にまでなりました。  この二つの会社が関わった企業主導型保育施設は何か所で、助成額は幾らか。また、既に補助金助成して不適切だと思われる施設の総数、助成金額の総額、お示しください。
  193. 嶋田裕光

    政府参考人(嶋田裕光君) まず、お尋ねのWINカンパニー、ANELAの関係の関わった施設と助成された金額というお尋ねでございますけれども、まず、WINカンパニーにつきましては、設置者となっている施設は一施設、直接設置者となっている施設は一施設でございまして、七月一日から休止をしておるというところでございます。そして、返還を求めている金額は、この一施設については四千二百万円でございます。  一方、このWINカンパニーがコンサルその他として関連する施設について、その対象がどこまでかというのが明らかでないため、網羅的にお答えすることは困難ではございますけれども、現時点で取消し又は取りやめをした施設のうち、保育施設の名称とか、あるいは申請担当者が同じであるといった情報からWINカンパニーが関連していると考えられる施設を挙げると、十施設というふうになります。なお、その十施設に対してこれまで助成された金額については、正確には現在精査しているところですが、返還を求めている金額といたしましては約八億五千五百万円でございます。  それから、ANELAにつきましては、合同会社ANELAが設置者となっている施設は七施設ございましたが、現在は全て事業譲渡されておりまして、なお、その七施設に対してこれまで助成された金額及び返還を求める金額については、水増し分がどれだけなのかということについてもありますので、それを精査している段階でございます。  いずれにしましても、内閣府としては、実施機関を点検し、補助金の返還につながるような事案の有無に対して調査を進め、必要に応じて厳正に対処しているところで、引き続き調査を進めてまいりたいと思います。  それから、あともう一つお尋ねがありました、これまで助成してきた施設で助成金の返還が発生してきた過去の施設の総数と金額という、これもお尋ねだったと思いますけれども、これも四月の二十六日に公表させていただきました企業主導型保育事業の平成二十八年度、二十九年度助成決定分の検証について、いわゆる二か年検証と言っておりますけれども、それにおきまして示しましたところでは、助成決定後、事業の取消し及び取りやめをした施設のうち、助成金の返還が必要であった五十九施設のうち五十施設については既に返還済みとなっておりましたが、その後の状況とか返還が発生した助成金及び返還される助成金の総額については、現在ちょっと精査をしているところでございます。  また、九月の二十七日に公表いたしました児童育成協会に対します実地調査報告の時点で明らかにしましたのは、取消し及び取りやめにより現在も助成金の返還を求めている施設というのは、取消しが十六施設、それから取りやめ八施設の合計二十三施設でございまして、返還を求めている助成金の総額は約十一億、十一億円二千万でございまして、この額は先ほど言いましたWINとかそういったものの額を含んだものになっているということでございます。
  194. 田村智子

    ○田村智子君 これ、とんでもないことなんですね。  今お話のあった内閣調査チームが児童育成協会への実地調査を行ったと。それで、その施設の一覧、これ私も資料で二枚目と三枚目に付けています。  WINカンパニーは、企業主導型保育事業をやりませんか、事業申請、建設、保育実施まで全てお任せくださいというコンサルタント会社で、その関連企業が、J―Alive、ジャングルフードサービス、全国子ども保育促進機構、こういうところが設置者や保育受託者にもなっていたわけです。だから、どこまで関わっていたかというのは本当に分からないような状況になっているんですね。  児童育成協会が審査するのは設置者だけなので、コンサルで関わっていた、不適切企業が、あるいは保育委託先が不適切な事業者だった、こういうことは把握する仕組みもないわけですよ。  私は、福岡市内のWINカンパニーが関わった保育園の現場に実際に行きました。KIDSLAND柳瀬というのがこの欄の中にもありますけど、内閣府の資料には、整備完了報告において事実とは異なる報告をする不正の事実が判明したという柔らかい書き方なんですけど、今年七月に助成決定取消し。所在地はただ雑草が生い茂るだけの更地で、何の工事もされていなかったということは一目瞭然だったんです。  WINカンパニーとその関連会社に対しては、二〇一六年度、平成二十八年度から次々に助成決定していますが、これ、現地に行って確認すれば、まともな事業者ではないということはもっと早い時点で分かっていたはずなんですよ。助成金詐取というのは一件起きたって大問題です。ところが、年度をまたいで延々続いて、分かっているだけで、WINカンパニー絡みだけで八億超える返還ですよ。  これ、問題を認識できる能力がなかったのか、それとも、何か問題あるなと気付きながら助成決定続けたのか。どうなんですか。内閣府。
  195. 嶋田裕光

    政府参考人(嶋田裕光君) 今般、不正事案が発生したことを踏まえまして、現在の実施機関である児童育成協会の実態調査をいたしておりまして、この結果、事業を所管してきた内閣府と児童育成協会がきちんと対応できなかったことというのが改めて確認されて、この点はしっかりと受け止めたいというふうに思っています。  今後、今後の不正事案が生じることのないように、これまで専ら、先ほど御指摘のありましたように、書類審査のみであった点というのは、申請者に対するヒアリングをしっかりする、あるいは現地確認を行うということで公募要領に改善方策を盛り込んでおりまして、実施機関を改めて公募をしているところでございまして、これを基に着実に制度の仕組み、制度の仕組みの改善を図ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
  196. 田村智子

    ○田村智子君 WINカンパニーについては大変闇が深いです。  これ、WINカンパニーがコンサルトとして申請代行をしているんですけれども、私たちのしんぶん赤旗日曜版が取材したところ、この申請代行を依頼した事業者の中には、申請に必要なIDを自分は知らない、申請内容確認もできない、こういう方がいました。また、申請から助成金が振り込まれるまで、ただの一度も児童育成協会からの連絡がなかったと。川崎被告が逮捕される直前に初めて協会から連絡を受けて、何で今まで連絡なかったのかというやり取りしたんでしょうね、そうしたら、育成協会の担当者は、川崎さんから直接連絡しないようにと言われていたので連絡できなかったと、こういう弁解の説明を受けたんですよ。これ、川崎さんというのはWINカンパニーの代表で、逮捕された被告ですね。こういう証言は、WINカンパニーに申請代行を依頼した複数の事業者から私たちは得ています。  これ、一般論としてお聞きします。コンサル会社が申請代行すると、その設置者である、申請者ですよ、本当の、そこに一度も連絡しない、メールもない、電話もない、こんなことあるんですか。
  197. 嶋田裕光

    政府参考人(嶋田裕光君) その点については後ほど確認させていただきます。
  198. 田村智子

    ○田村智子君 これ、極めて不自然なんですね。  この逮捕されたWINカンパニーの川崎被告、脱税で有罪となって不動産業をやめて、名前を変えて、自分の名前を変えて、今度は企業主導型保育事業をビジネスにするためにWINカンパニーを立ち上げたと。そして、あきもと司前内閣府副大臣と古くからの知人であることは、あきもと氏が認めているとおりなんです。  資料でしんぶん赤旗日曜版の記事を付けていますので、よく御覧いただきたいんですけれども、この川崎被告は、企業主導型保育事業が始まった直後の二〇一六年六月、内閣府子ども・子育て本部の参事官、参事官補佐、企画係長の名刺、つまり企業主導型保育事業の担当者の名刺を周囲に見せていたというんですね。その名刺の写真も新聞には載せました。  二〇一七年二月三日、保育事業関係者に、二月二十三日にほとんどの内閣府の許可が出ます、他の保育園の名前を記しているんでしょう、その園についても月内には許可出る見込みと答えが入り、みんなで万歳してますというメールを送っています。私たち、そのメールを見ています。実際、若干の時間のずれはあったんですけれども、二月二十七日以降、この川崎被告が絡んだ十九園について次々と助成決定がされています。  さらに、同じ年の十一月二日には、来週、内閣府及び内閣府副大臣あきもと司先生との衆議院会館にて訪問アポが取れていますというメールも送信されています。  なぜ川崎被告が子ども・子育て本部参事官の名刺を持っていたのか、なぜ助成決定を事前に知っていたのか。あきもと氏が関わっていたからではないのかという疑念が湧いてくるわけです。また、二〇一七年十一月、あきもと副大臣は川崎被告やWINカンパニーの関係者に直接面談していたのか。もうこのとき副大臣ですから、内閣府分かると思います。以上を答弁いただきたいと思います。
  199. 嶋田裕光

    政府参考人(嶋田裕光君) 御指摘されている、報道されているような、内閣職員とそれから議員、あるいは関係者との接触等がなかったかどうかにつきましては、現在、ちょっと事実関係を調査しているところでございます。
  200. 田村智子

    ○田村智子君 これ、是非調査をちゃんとやっていただきたいんですね。助成決定内容事前に知らされるなんというのはあり得ないことですからね。  衛藤大臣にもお聞きしたいんです。WINカンパニーと内閣府の接触、これ、当時内閣府副大臣だったあきもと司氏がどういう関わり方したか。これは内閣府だけにお任せしないで、これ、大臣もちゃんと見て、徹底した調査やっていただきたいと思いますが、お願いします。
  201. 衛藤晟一

    国務大臣(衛藤晟一君) 企業主導型の保育というのは、ある意味では企業と一体となって頑張っていただいている、いいところもたくさんありますけど、今お話がございましたように、やっぱりその中に、本当に善意を持ってやろうという人と、これはひとついい仕事だと思ってやろうとする人が混在して入ってくる可能性は当初から、御指摘されたということでございますが、私も今までずっと社会保障の関係もやらせていただいていまして、そのとおりだという具合に思っています。  それだけに、児童育成協会に対して指導が甘かったというか、基準をちゃんとしていなかったということでございまして、今、これを精査をして、そして基準をはっきりしようとしているところでございます。  調査についても、できるだけの調査職員を通して今やっている最中でございますので、ちゃんと見届けたいというふうに思っております。
  202. 田村智子

    ○田村智子君 これ、あきもと司氏は、五月二十三日、参議院厚生労働委員会で石橋通宏議員質問に、川崎被告とは少なくとも五、六年会っていないと答弁しています。しかし、川崎被告は二〇一七年六月、あきもと氏の政治資金パーティーに複数保育事業者とともに参加し、あきもと氏と記念撮影もしている。十一月に面談したのではないかという疑惑も浮上をしました。  WINカンパニーによる助成金詐欺がなぜこれほど大規模に起きたのか。これはあきもと司氏を本委員会に参考人として招致し、真相究明することが必要だと思いますので、委員長、お取り計らいください。
  203. 水落敏栄

    委員長水落敏栄君) 後刻理事会で協議します。
  204. 田村智子

    ○田村智子君 内閣府は、問題の責任を児童育成協会に押し付けて、十月一日から新たな事業者を公募することで問題の幕引きを図ろうとしているんですけれども、これは許されないです。  そもそも、企業主導型保育を所管する内閣府に何のチェック機能もなかった。また、問題が明らかになっても迅速に対応することもできなかった。これは極めて重大です。  WINカンパニーの関連企業が設置者となったある保育園では、この企業の役員も逮捕をされてしまって、保育現場は大混乱となりました。それでも、保護者と子供たちを路頭に迷わせるわけにはいかないと、施設長と保育士の皆さんは保育を継続したんですね。けれど、助成金は全く入ってこなくなる、保育料も委託会社が徴収しているので手元には来ない、家賃も保育士の給料も払えない、その上、保育園とは全く関係のない高額の飲食費などの請求書が次々に保育園宛てに郵送されてくると。一体どうしたらいいのかという状態になって、児童育成協会に電話を何度もしているんです、施設長さん。ところが、担当者が不在だとか、折り返し連絡するとか、こう言われるだけだった。とうとう、この施設長さんからのSOSが参議院選挙の真っただ中に私の事務所に寄せられることとなりました。  七月十七日、私の事務所で内閣府の担当者を呼んで、すぐに相談に乗って児童育成協会と内閣府の責任で打開の方向を示すべきだというふうに求めましたが、事態は全く動かなかったんですよ。八月に入ると、今度は保育士全員に解雇通知が一方的に郵送される。これでまたSOSが来たわけですよ。もうこれは私も駆け付けるしかないと思って、飛行機で駆け付けましたよ。それで、施設長にも会って事情を詳しくお聞きして、聞き取った内容内閣府にも伝えました。何で対応しないんだと、厳しく意見しました。  これも含めて、私の事務所では都合四回にわたって直接内閣府を呼んで、現場は不安でいっぱいの状態でも懸命に保育を続けているんだと、早く直接相談に乗ってどういう対応ができるか話をすべきだと繰り返し繰り返し求めたわけです。その後、施設長さんと連絡取ってみたら、お盆明けにやっと児童育成協会の担当者が現場に向かったというふうにお聞きをいたしました。  認可保育所だったら、こんな無責任対応が、行政がやる、あり得ないですよ。保育継続が危機に陥っても内閣府には実施機関にまともな対応をさせる能力も体制もないということが露呈をしました。このまま企業主導型保育事業を続ければ、私は同じ問題が起きかねないと思いますが、これ、大臣の認識をお聞きします。
  205. 衛藤晟一

    国務大臣(衛藤晟一君) 現実に、ここまで保育事業が、企業主導型の保育については来ました。そういう中で一部問題が起こったことは大変遺憾だと思っております。  今御指摘をいただいたとおりでございまして、そういう中には、やはり民間だけの主導によると大変難しい問題が生じてくるということはお互いにみんな恐らく理解をしていたんだろうと思いますが、そこまでチェック機能を持たなかった。児童育成協会も持たなかったし、内閣府も持たなかったということも恐らく事実であろうかという具合に思っています。  ですから、今、これを全部精査をして洗い直して、そして管理団体を公募、実施機関というものを公募しているところでございまして、この公募を、基準を決めて今度は公募いたしておりますので、書類審査だけじゃなくて、実地の検査だとか、あるいは指導がちゃんとできるようにとか、そういうことができる機関としての実施機関を公募をしているということでその出直しを今やろうとしているところでございますので、どうぞ御理解をいただければという具合にお願いを申し上げる次第でございます。
  206. 田村智子

    ○田村智子君 これ、だからチェック機能を児童育成協会も果たせていない、内閣府も果たせていない。だったら、やっぱりどういう体制をつくっていったらチェック機能が果たせるのかということをまず何をもっても真剣に検討しなければならないというふうに思うんですよね。  それで、これ保育事業に責任持てないような状況というのは本当に深刻で、子供の命や育ちを預かる事業ですから、私は、何というか、こういう問題は今になって分かったことではなくて、もう詐取事件見ても分かるとおり、もっと前から分かっているんですよ。ところが、安倍政権の肝煎りの政策で企業主導型ということが言われて、これで待機児童の受皿になるんだということが言われると、結局、そういう検証がないままに、とにかくどんどん箇所数増やしていく、こういうことがこの間、ただただやられてきたんじゃないのかというふうに思うんです。そもそもの出発点からして拙速だったんじゃないかとも思うわけですよ。  最初の公募、これ東京新聞が夏に詳しく報道しましたけれども、これ児童育成協会が引き受けたときの公募ですね。これ、応募はたった二つの事業者だけだったんですよ。それはそうですね。保育の審査をするとか、あるいは運営費の交付をするなんというのは、これは自治体以外にノウハウがないわけですから。そもそも、民間のところに、こういうのをやってくださいと、応募して、果たしてそういうノウハウある事業者があるのかといったら、ないですよ。で、二事業者しかなかったんですよ。  評価検討委員会の評価の平均点というのは、四十八点満点なんです。ところが、これ東京新聞の記事では、そのうちの一者は僅か二・四点でしかなかったと。もう一者、これが児童育成協会だと思いますけれども、二十一・一点なんですよ。東京新聞が取材をした評価検討委員会委員の一人は、平均で満点の五割を切る得点で事業者が選ばれたことに心配もあったと、そう答えています。これ、やっぱり見切り発車でスタートしたんじゃないのかと言わざるを得ないような事態です。  また、児童育成協会は問題だったと、今まさに十月一日から新たな実施機関の公募していますけど、同じように拙速に年内に事業者決定、これやってしまうんでしょうか。また拙速重ねることになると思いますが、これも大臣の見解をお聞きしたいと思います。
  207. 衛藤晟一

    国務大臣(衛藤晟一君) 実施機関の公募については、これまでの反省を踏まえて結構厳しく精査をしてその条件を出しておりますので、そういう意味ではちゃんといけると思います。  しかし、今先生御指摘のように、内閣府は、どちらかというと、こういうことに関しての今までノウハウを持っていないことも事実です。それは、保育は今まで厚生労働省で中心でやってきました。しかし、その中での認可の保育所もあり、それからまた、市町村の方では無認可をどうするかということで、大変やっぱり直接お金が行っていないところについてはやっぱり非常に苦労してきたわけであります。そのことはみんな存じております。  だから、そういう意味では、内閣府の方にも厚生労働省からも出向してもらって、これがちゃんと行われるように今厳しくやろうとしているところでございますので、拙速と言われないように、今度は足下を固めて、ちゃんとした形で実施機関を選び、そして実施機関に対する指導を強めていきたいという具合に考えています。
  208. 田村智子

    ○田村智子君 企業主導型は、既に三千八百か所、全国につくられているんですよ、以上。これ、ここに適切な助成金の給付をする、立入検査の確実な実施等、指導監督を行う、これ、たった一つの事業者が行うことが本当にできるのかということも含めて、真面目な検証が求められていると思います。日本一大きな自治体である横浜市でも、これほどの規模の保育施設の指導監督、運営費の給付、やっていないですよ。  私、もう一つ、そういう状態で新たな事業者決めて、じゃ、今度はまた新規の事業決定、これを受けることになるんだろうかと、このこともちょっと内閣府に確認をしておきたいんですね。  私、伝え聞くところでは、年内にもう今年度予算で二万人分積んでいるんですよ。だけど、事態がどんどん起きてしまったから、今年度は一切新規募集やらなかったんですよ、今のところ。だけど、予算は二万人分あるんですよ。それじゃ、新しい事業者を決めたら、これ新規に事業者決定、新規の受付、またやることになるんですか。
  209. 嶋田裕光

    政府参考人(嶋田裕光君) 先ほども申し上げましたように、現在実施機関の公募を行っておりまして、年内若しくは年明けを目途に改めて実施機関を選定するということとしておりますけれども、既存の企業の主導型保育施設の保育の質の確保とか、あるいは安定的な運営に配慮した指導監査が行えるように企業主導型保育事業の制度、仕組みの改善を徹底してやりたい、そういった観点、立場に立っております。  その上で、新規の施設募集につきましては、実施機関が審査体制を踏まえた一定の準備ができるよう、審査開始の時期を実施機関、選ばれた実施機関と調整をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
  210. 田村智子

    ○田村智子君 これ、一定の準備というふうにおっしゃったんですけど、本当にすさまじい準備が必要になると思いますよね。  どこの自治体もやったことのない三千八百者以上をいかにして適正に管理をしていくのかということだけでも大変なことになる。また、もう詐欺に遭っていますから、返還求めなきゃいけない。WINカンパニーの案件なんか物すごくいろんな業者が入り組んでいますよ。これを解明して、ちゃんとその補助金を、助成金を取り戻す。これだけだって大変な体制が必要になりますよ。それから、おっしゃるとおり、内閣府にもノウハウがない。それじゃ、保育の関係者がいかにしてその体制の中に入れることができるのか。  そういうことを徹底的に準備をするということでよろしいんですか、衛藤大臣
  211. 衛藤晟一

    国務大臣(衛藤晟一君) この企業主導型の保育につきましては、元々その保育という議論の中で、大規模な保育からいろいろございますが、そういう中で各都道府県から出てきた問題は、無認可も一定の基準を設けて厳しくしていけば、やっぱり保育としてちゃんと扱わないと現実的にはやれないじゃないかという議論も出てきました。そういう中で、保育の充実全体として考えざるを得ないということになってきました。  また、こういう議論の中で、保育については、今の子育ての観点からいって、小規模とかあるいはお母さん方が預かるとかいろんな形の展開を考えないといけないねと、もっと細かく行き届くところも必要だねという中で、企業主導型という形で、いわゆる働いているところと極めて近いという意味で大きなメリットがあります。  ここは、ほとんど小規模でございますけど、やっていく中で地域の方にも半分は開いてもらう、門戸を開けてもらって結構だから、そういう形でうまくやってもらいたいということでやったところでございまして、企画の案としては極めて私はいい形で出たと思いますが、今お話がございましたように、どちらかというとやっぱり管理面での弱さがあったことは事実でございますので、今、これは改善方法を見付けて、そして一応の精査を、一応のところは終わりましたので、そういう方向で新しい実施機関も公募をしているところでございまして、そういう中で厳しく指導についてはちゃんとした指示を出していけるようにやらせていただこうと思っていますので、その決意で臨んでいることは間違いありませんので、どうぞよろしくお願いをいたします。
  212. 田村智子

    ○田村智子君 じゃ、終わります。
  213. 水落敏栄

    委員長水落敏栄君) 本日の調査はこの程度にとどめ、本日はこれにて散会いたします。    午後二時五十七分散会