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島村大君 前回に引き続き質問をさせていただくことを感謝をさせていただきたいと思っております。
食事の後の少し、皆様方も少し頭が鈍るところだと
思いますので、ちょっと簡単な頭の体操をさせていただきたいと思っております。
今日、ちょっと口腔の中の
お話をさせていただくんですが、皆様方、口の中を
考えていただくと、病気だというと、まずは虫歯、カリエス、そしていわゆる歯周病、昔は歯槽膿漏と言いましたが、そういうことを
思い出すと
思いますが、歯周病というのはもちろん菌なんですが、ちょっと具体的に言うとグラム陰性桿菌という、ちょっと空気が嫌いな簡単に言うと菌なんですが、ジンジバリス菌といいます。
これは、歯周病は、例えば、
皆さんがお子様とか好きな方に口でキスをすると、これは感染するかどうか。どう
思います。多分、感染するかどうか。これは、答えからいうと感染するんですよね。歯周病菌は感染します。ですから、キスをして大切なお子さんに、
自分が歯周病だとお子さんにうつってしまう可能性もありますので、注意していただきたいんですが、虫歯、カリエスの菌、虫歯菌は
皆さんどう
思います。(発言する者あり)いやいやいや、これ質問じゃ申し訳ない。
委員長、どうでしょうかね。どうですか、ちょっと。
これも、カリエスも感染症で、菌ですから、これはうつります。ですから、まずはそこを一点、先生方、
皆さんにちょっと頭に入れておいてほしいのと、あとは人間の歯の本数、親知らずを入れないと二十八本、親知らずを入れて上下で三十二本あります、人間は。
では、動物で犬、結構ペット飼っている方いらっしゃると思うんですが、犬の歯の本数は人間の歯の本数より多いか少ないか。やっぱり、大きいわんちゃんでも意外と小さい、人間より小さいのが多いですよね。そうすると、歯の本数というのはどう
思いますかね。これも質問を誰にというのも申し訳ないので答えますと、犬の方が多いです。犬の下顎、下の顎が二十二本、上が二十本、合計四十二本あります。ですから、犬の歯の方が多いんですよ。(発言する者あり)先ほどのように三十二本、三十二本ね。
じゃ、何でこんな話をするかといいますと、やっぱり自然の世界で野生動物なんかは歯がなくなってしまうと、これは食べられなくなるのはもちろんですが、やっぱり外敵から襲われてしまう。死を、これは、野生動物としては歯がなくなるということは死をイメージするわけですね。
ですから、やはり我々人間も動物ですから、やはりこれだけ歯が大切だということと、もう一つは、やっぱり感染するということをひとつ理解していただきたいと思って、質問に入らせていただきたいと思っております。
そして、今、歯に関しての今日
資料をお配りさせていただいたんですが、この
資料は、十二歳、お子様の十二歳の永久歯、先ほど
お話ししましたように、親知らず入れなければ二十八本、親知らず入れると三十二本でございますが、この三十二本に当たっての、今虫歯がどのぐらいの本数があるかということを
調査をさせていただいております。一番左側が一九九二年、このときには大体四本以上、一人のお子様に対して三十二本に対して四本以上あったというのが正直な
状況でございます。あれから過去、過去というか、あれから三十年たちまして、現在、二〇一八年の
調査ですと〇・七四本と。これだけ虫歯の数は減っていると。これは年々年々ずっと、一年たりとも増えずに減り続けたというのが今のカリエスの
状況でございます。
これは、なぜこれだけの虫歯が減ったかというと、一つは、やはりお父様、お母様の歯に対しての
考え方がすごく変わったと。いわゆるお子さんに対しての歯に対しての教育も変えていただいた。ただ、もう一つは、これ、日本は学校に対して健診制度がございます。世界でこれだけの学校の、お医者さんもそうですし、我々歯科医師、眼科さんとかいろんな、内科医さんもそうですし、耳鼻科もそうですが、これだけの学校の健診が制度がしっかりしているのはこの日本だけでございます。ですから、このように、一つはお子さんの教育はもちろんそうですが、やはり、このいわゆる健診制度がやっぱりこれだけ
数字として出ているなというのが我々も感じさせているこれは
数字でございます。
そして、二枚目に、右下に二と書いてありますように、八〇二〇運動というのを我々歯科医師会はやらせていただきました。これは
平成元年に始まったんですが、八十歳で歯を最低二十本残そうということで八〇二〇運動というのをさせていただいているんですが、これに関しましても、
平成二十八年度の
状況ですが、八十歳の
方々がどのぐらいの歯の本数があるかというと、半分以上の方、五一%が二十本以上あると。ここまで本当に回復させていただきまして、目標値、
平成三十四年に五割を目標にしていましたが、国の目標より六年間早くこれは結果をしっかりと出させていただいております。
このように、先ほど
お話ししました歯がなくなってしまう理由は、一つはやはりカリエスとは言われていますが、やっぱり一番多いのは歯周病なんですね。ですから、歯周病に対しての対策、それからお子様に対しての虫歯に対しての対策もこの日本は大分進んだなというのが私の実感ですし、このように予防とそれから健診を進めていくとこういう結果が出るということが今現在あります。
ただ、これは、一つは、虫歯に関しましては、確かにお子様の虫歯は減っていますが、逆に高齢者の
方々の虫歯は増えています。これは残念ながら増えているんです。これが一つの今の問題点だと言われております。
そして、歯周病に関しても、残念ながら、予防を我々現場としましては、相当以前より、この公的保険の中でも重症化予防ということで、歯周病になった
方々も公的保険の中でこの重症化予防という治療方法で大分これは抑えることはできております。ただ、まだまだこの歯周病が、大体四十歳以上、どのぐらいの罹患率があるかというと六割、七割、五十歳以上になるとやっぱり八割、九割が歯周病にどうしても罹患していると、これが今の現在でございます。これを今後どうするかというのが一つの大きな柱と。
もう一つは、三ページを見ていただきたいんですが、この歯周病の管理、それから口腔機能の管理を徹底させていただくと、この図でいきますように、例えば一番右の血液内科でこれはオペをした場合に、いわゆる口腔
ケア、清掃と口腔
ケアというのはイコールじゃないんですが、清掃というのは確かに皆様方想定していただけるように、口腔内をクリーニングしていただくのが清掃、口腔清掃。ただ、いわゆる歯科医師による口腔機能管理というのは、もちろん清掃も入るんですが、それプラスいわゆる歯周病にかかっている
方々の歯周病をしっかりと治療する、治す。それから、カリエスがあればもちろんカリエスですし、かめないところはしっかりとかめるようにするのが口腔機能管理ですから、ここをちょっとごっちゃにされている
方々が多いんですが、そこはしっかりと分けさせていただいて、口腔機能管理をさせていただくと口腔内の
状況が良くなって、いわゆる感染、周術期、要するに手術をする前にこの口腔機能管理をさせていただくと感染の割合が減るわけですから、いわゆる病院に入院する期間を短くすることができるということがこの図表でも出ております。
そして、次のページが、四ページに行きますと、これはがん治療に対しての一つのこれは
データですが、大阪にある大阪警察病院がこれは調べていただいて、八百十九のがん手術の
方々に今言った口腔管理の徹底をさせていただきますと、今言ったように入院の日数が減るわけですし感染症が減るわけですから、これは一つの
指標ですが、この四兆円を約一五%ぐらいの
医療費としては削減できる可能性がある、まあ可能性ですけど、こういう
考え方も出てきているなというのが一つでございます。
ただ、残念ながら、ここ、この大阪警察病院はこの病院の中に歯科がしっかりとあるんですが、日本全国で病院の中に歯科があるというのは大体二割、そのうちの半分ぐらいしか口腔機能管理がなかなかできていないというのが今の
状況ですので、一つは、やはり病院の中に、ある程度の大きさの病院中に歯科をどのぐらい今後更に充実させるかということを一つの大きな私も
考えだと思っております。
そして、五ページは、東京大学が、口腔
ケアに対しての肺炎の発症率、それから、がんで亡くなるという方は、直接がんで亡くなる方というのは、余り病名としてはあれなんで、この死亡率というのは、やっぱり肺炎によっての、感染症によっての死亡率を減少させることができるということを、これはNDBの解析でも出ておりますので、ここは一つの大きな
データが出ております。
そして、次の六ページに行きますと、歯周病と糖尿病の関係。これに関しましてもエビデンス的に大分出てきておりまして、この赤文字に入ってありますCRPというのは、御案内のとおり、体の中に炎症が起きたり、細胞、組織が壊れてしまうとこの
数値が上がるわけですが、この
数値が、歯周病の治療と、この抗菌剤局所投与というのは歯周病のところに抗菌剤を直接投与した場合の
データですが、CRPが下がるとか、ヘモグロビンA1cがしっかりと下がるという
データがしっかりとあります。
このように、歯周病と糖尿病の関係も出ておりますし、御案内のとおり、口腔と全身の疾患もこれは相当今関係があることが出てきております。
次のページの七ページに、歯科における重症化予防の視点ということで、ちょっとこれ、中身に関しては難しいんであれなんですが、結局何が言いたいかというと、重度の歯周病の方に関しての重症化予防というのは、大分これはおかげさまで公的
医療保険でもできるようになっております。ただ、残念ながら、中等度とか軽度に関してはまだまだこれがなかなか厳しい。縛りがありまして、これはなかなか厳しいのが正直な
状況です。
ですから、私どもは、やっぱり、今まで
お話ししましたように、やはり歯科に関しての口腔と全身疾患とか歯周病とかカリエスに関しては、予防、また健康増進のための啓発をしていくと、先ほど
お話しした虫歯もそうですし歯周病もそうですが、相当これは結果として出てきているなということが言えますので、是非ともそこは、重度になる前の中等度も軽度も公的保険で私は重症化予防を是非とも進めていってほしいなというのが私の気持ちです。
八ページは、これはちょっと今日はあれなんで、参考に御興味ある方は見ていただいて、
最後に九ページ目、
最後にこの
資料を出させていただいているのは、
認知症に関してです。
認知症も、今なかなか治せる薬が厳しい
状況で、ただ、この
データもそうなんですが、いわゆるエビデンスベースの分析の高い方のメタ分析とか、これランダム比較やっているんですが、そういうエビデンスでも高い
データでも、この
認知症の
障害と
認知症リスクと歯の本数、また歯周病もそうですが、大分これは関係が出てきておりますので、そこもしっかりと我々は進めさせていただき、少しでも
認知症予防になっていけばと思っております。
こういうのが今の歯科の
状況でございますが、
大臣に、是非とも、今
お話しさせていただいたことを含めて、この重要性に関して
大臣の認識を
お話ししていただければと
思います。