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国務大臣(
茂木敏充君) まず、大きな話から申し上げますと、
世界のGDPの三割を占める
日米の
貿易協定によりまして、既に
発効している
TPP11、
日EU・
EPAを加えれば、
世界経済全体の六割をカバーする自由な
経済圏が
日本を中心として誕生すると。まさに
自由貿易の旗手たる
日本のプレゼンス、これが高まっていること、これだけでも大きな成果であると考えております。
その上で、具体的に申し上げても、今回の
協定は
日米双方にとってウイン・ウインで、バランスの取れた
協定となっていると考えております。決して二三二条の回避だけの話を私は申し上げているつもりはございません。
本
協定では、
日本の
農林水産品については、全て過去の
経済連携
協定の
範囲内に収まっております。そして、こういった
貿易交渉において常に焦点となってきた、また農家の皆さんも一番心配をされていた米については完全に除外、これは
TPPと違うんですね、調製品も含めて完全に除外。水産品、林産品についても完全除外となっております。
一方、
米国にとりましても、既に
TPP11、これが昨年の十二月の三十日に
発効し、今年の二月の一日に
日EU・
EPAが
発効すると、こういった中で、
他国に劣後する、こういう
状況を回避することができるようになったわけであります。また、工業品については、
日本企業の輸出関心が高く
貿易量も多い品目を中心に
早期の
関税撤廃、削減が実現をしているわけであります。
さらに、その二三二条にかかわらず、思い起こしていただきますと、
日米交渉、これは半導体でも鉄鋼でもそうでありましたが、様々な数量
規制、こういったことが問題になってまいりましたが、自動車への数量
規制、輸出自主
規制等の措置を排除をしたと。さらには、原産地規則、今、
日本の自動車メーカー、グローバルにサプライチェーンを展開しておりますが、この原産地規則を全く入れていないということにおきまして、
日本の自動車メーカーがこのサプライチェーンを見直す必要もない、こういった点においても大きいのではないかなと思っております。
ですから、
日本の自動車産業も、そして農家の皆さんも今回の
協定については評価をしていただいていると、またアメリカの農家の皆さんも評価をしていただいていると、それぞれの
関係する皆さんが評価をしているということがまさに私はウイン・ウインな結果なんだと思います。