○
馬淵委員 つまり、今回、吉田開発に査察が入りました。そしてそこで、会社やあるいはその先の金銭の流れの中で、個人の不正な金銭の流れが発覚した場合には、取引先に対して反面
調査で実態並びに趣旨、これについて供述をとってくるということであります。
さて、今回の事例は、報道によりますと、先ほど申し上げたように、二〇一八年一月に吉田開発に対する国税局の査察が行われたとされています。吉田開発に対する査察で、吉田開発と深い
関係にあった森山氏への多額の金銭の提供の証拠が押さえられた、このように報道をされています。
関電は、吉田開発が査察を受けたことを知り、行く行くは森山氏への反面
調査がなされ、さらに、森山氏の持つ証拠から、関電に対しても反面
調査が行われるであろうことを察知した。関電の岩根社長は十月二日の会見で、そういううわさというか、そういう話を聞きましたのでとはっきり語っておられます。
そして、二〇一八年の二月、森山氏から金品を受け取っていた一人である豊松元副社長が、いわゆる六名役員、
会長以下六人分、約一億六千万円の金品を取りまとめて森山氏に返却した。これも会見で、また
調査報告書でもそのように書かれています。つまりは、みずからへの
調査を察知した関電幹部が、今なら受け取ってくれそうだ、これは岩根社長のお言葉でありますが、慌てて返却した。
吉田開発への一月の査察開始から森山氏への反面
調査、これは数カ月後だと、このように報道に上がっています。そしてその後、関電にも吉田開発査察の反面
調査が入り、それを契機として関電コンプライアンス部門による事実
関係調査が行われました。さらに、内部の
調査委員会が設置をされた。これが七月であります。
つまりは、一月に査察が入り、それを知った関電幹部は二月に慌てて一億六千万円の金品を返却に行く。今なら受け取ってもらえそうだ。数カ月後に森山氏、関電への反面
調査が入る。それで、事態が公になっていく過程の中で
調査委員会の設置、これが七月なわけであります。この
調査結果を検証し、さらには追加
調査の実施、評価、原因分析、再発防止策の提言、報告書がまとめられたのがその年の九月の十一日です。
関電は、つまりは、それから一年以上、翌年の、つい先日の九月の二十七日に報道で疑惑が発覚するまで、事態を公表しないどころか、ある意味沈黙をしてきた。社内のコンプライアンス
委員会にも報告をしない。社外取締役会はもとより、監督官庁の経産省にもこれは沈黙をしてきたというのが、経産
大臣の御答弁とも整合を持つという流れです。
さて、今申し上げたような流れの中で、この関電役員の金品授受、これについては御当人
たちがいらっしゃらないとなかなかわからないんですが、それでも、傍証で確認できることが幾つかありました。
私の
調査の中で、手元に関電役員の金品授受を告発した二種類の文書があります。告発文と称されるものであります。
一つは、二〇一九年の、すなわちことしの三月十日付、これは岩根社長宛てに今回の
事案を告発したものです。そしてもう一方は、外部への告発文書です。これについては年月日は不記載でありますが、中を見ますと、六月二十一日
開催の株主総会資料に言及をしておりますので、少なくとも関電のことしの株主総会招集通知発表の六月三日以降に出されたもので、同様に今回
事案を告発しているものであります。
この二種類の文書、岩根社長宛ての文書、少しだけ読み上げます。
二〇一九年三月十日、関西電力株式会社岩根社長宛てですね。
岩根社長に忠言いたします、中略しまして、吉田開発の脱税、森山氏に対する利益供与だけであれば、国税の査察も入り、既に解決、安堵されているやもしれません、しかし、残念ながら、問題はそこにとどまりません、以下の大罪が挙げられます、一、利益供与された金が、関西電力の八木
会長を始めとする原子力事業本部、
地域共生本部などの会社の幹部に還流されていたこと、二、利益供与の原資は、協力会社や発注工事費、特にゼネコン、プラントエンジニアリング会社、管理会社等を介して渡されていたこと、三、その原資はコストとして計上され、ほかならぬ、お客様からいただいている電気料金で賄っていること、四、原子力事業本部で
開催された倫理
委員会なるものは、実質、隠蔽工作のための作戦
会議場としてしまったこと、五、官権、国税、地検まで手込めにとり、官権と共謀して闇に葬ろうとしていること、以上の五つの大罪に対してどう釈明なさるおつもりかという文書であります。
そして、これは岩根社長に三月十日に発出されたわけでありますが、岩根社長が動かないということを受けとめたこの告発者は、先ほど申し上げたように、六月三日から六月二十一日の間に、まあ
地域の方々がどこに送ったかはわかりませんが、文書を発出されています。
これも少し読みますが、四十年を超える長年にわたり大きな不正が行われてきました、この手紙はそれを内部告発するものですと冒頭に書かれ、以下、先ほど来申し上げたようなお金の流れがある、このように書き、そして、このことに対して、私どもは、岩根社長及び現監査役全員に、不正に関与した幹部の退陣と人心の一新を書面にて求めました、しかしながら、原子力事業本部内で
開催された
調査、コンプライアンス
委員会は、過去、現状の把握と、隠蔽工作の作戦
会議体と化しました、来る六月二十一日に
開催される予定の株主総会資料によりますと、私どもの訴えは全く無視され、コーポレートガバナンスは全く機能していない、期待できない組織になっていることを確信いたしました、問題人物のリストを以下に示します、問題と考える関西電力原子力事業本部の幹部、八木
会長、豊松副社長、森中常務、右城常務、大塚副事業本部長、
鈴木副事業本部長、その他水増し発注を指揮、遂行した副事業本部長諸氏、このように記されているわけであります。
これは、確かに、発出者、あるいはどのような経路でどのような方々に渡ったかわかりません。これらの文書を怪文書の類いと切り捨てるのは簡単でありますが、余りに実態に即した内容で、金品を受け取ったとされる者の氏名は、関電公表の金品授受をした者と完全に一致をしています。
経産省は、菅原
大臣は、一切知らなかった、このようにおっしゃっておられましたが、改めて、まずは、私、ちょっと
総理にお聞きをしたいんです。
総理は、これは官邸として、すなわち、
総理がまさに内閣を
総理されているわけですが、この文書の存在というのは
総理は御存じでしたでしょうか。