○林幹雄君 自由民主党の林幹雄です。
私は、自由民主党・無所属の会を代表して、安倍内閣
総理大臣の
所信表明演説に対し質問をいたします。(拍手)
冒頭、けさ、
能登半島沖の
我が国のEEZ内で、水産庁の
漁業取締り船と
北朝鮮の漁船が衝突し、漁船は転覆、現在、
乗組員を救助しているという事案が発生いたしました。
水産庁は、この漁船に対し、EEZ内から退却するよう警告していたとのことですが、水産庁の行動は法律に基づく正当な行動であります。その後の人命救助についても、速やかに行われております。
政府は、今後、事案の詳細を明らかにし、しっかり
対応していただきたいと思います。安倍
総理の答弁をお願いします。
この夏も、佐賀県を中心とする大雨や
台風十五号、十七号などの
影響で、
日本各地で甚大な
被害が発生しました。これらの
災害により、お亡くなりになられた方々に心から哀悼の意を表しますとともに、
被害に遭われた方々に深くお見舞いを申し上げます。
台風十五号は、観測史上最大の風速を記録し、千葉県を中心として、多くの地点で強風や豪雨に襲われました。長
期間にわたる
停電で、市民
生活、道路などの交通、水道などのライフライン、生産や物流など
企業活動に深刻な
影響が生じ、
被害の大きさを改めて
認識しました。
農業用ハウスや畜舎は倒壊し、野菜、果物、畜産など、農林水
産業における
被害額は東
日本大震災による
被害額を超え、この
災害で離農するとの声も少なくありません。農林水
産業者への経営安定や今後の営農、早期の
事業再開に最大限の支援が必要です。
秋の行楽シーズンが真っただ中にあって、観光業も大きなダメージを受けました。
災害廃棄物は膨大で、広域で連携し、万全な
対応が必要です。
千葉県内の住宅
被害は二万軒を超え、補修のスピードを上げないと、安心して年末年始を過ごせない
状況です。屋根に
被害のあった被災家屋の多くで、屋内が浸水するなど
被害が広がっています。
半壊の住宅に対しては
災害救助法による公費
負担がされることになるようですが、一部損壊でも日常
生活に支障を来すようなケースには、
制度を柔軟に適用することも考えるべきであります。
停電長期化の主な原因は、鉄塔の倒壊や倒木により送電網が大きな
被害を受けたことであると言われていますが、同様の問題は、昨年の
台風二十一号や北海道胆振東部地震でも発生しています。
停電してもすぐに復旧するのが
日本の電力供給の強みだったはずなのに、これだけ復旧に時間を要したということは、既存の体制では激化する
自然災害に
対応できないことを示しています。
全国の電力会社で過去の経験を共有し、専門家を交え、
長期停電の
検証を行い、電柱の地中化や強度化など送電網の電力供給体制の
強化、非常用電源の確保、
家庭用発電機への補助など、電源のバックアップ体制について真剣に考えるべきであります。
大
規模な通信障害も発生し、
情報に全くアクセスできない
地域も多数発生しました。今回の通信障害に対する復旧プロセスの
検証を踏まえ、携帯電話の基地局への非常用電源の設置など、強靱な通信網の整備が急務です。
JR、私鉄、バスの運休で、一万人を超える利用者が成田空港に足どめとなりました。昨年の西
日本豪雨では関西空港が、北海道胆振東部地震では新千歳空港が孤立しており、来年の東京オリンピックを見据えたとき、公共交通機関の強靱化は喫緊の課題です。
例えば首都圏においては、羽田、成田、茨城の三空港で発着の調整を行う枠組みをつくることや、
災害時の外国人への
対応がおくれている地方空港の機能の
充実を図るなど、非常時に強い柔軟な航空政策も必要です。
政府の初動
対応は迅速で、
台風接近前から、
関係省庁
災害警戒
会議を開催したり、閣僚懇談会の場を活用するなど、しっかりと
対応してきたと思います。武田防災担当
大臣は、就任翌日には千葉県の香取市と多古町に入り、被災
現場を
調査されました。
自衛隊は、給水、入浴支援を始め、倒木処理、ブルーシートを張るなど、最大約一万人体制で活動し、感謝の声が多く上がっています。ボランティアの
皆さんの心温まる支援にも感謝申し上げるものであります。
他方、
停電の
影響で電話が通じず、
被害が広大な範囲に及んだことから、全体の
把握が難しく、
自治体間でスムーズな連携ができなかったことも事実です。全容の
把握には被災
自治体や地方整備局における機動的な
対応が必要であり、今後、防災ヘリやドローンを積極的に活用すべきであります。
東電の見通しの甘さは大変遺憾であり、
社会的
責任の重さを考え直していただきたいと思います。
地球温暖化が進み、
台風は今やゲリラ
台風ともスーパー
台風とも言われ、
被害も激甚化しています。過去五年間における激甚
災害の指定は二十五件にも上ります。
今般の
台風十五号は、佐賀県の大雨や十七号などと一体化して、柔軟かつ早期に激甚
災害に指定される見込みとなりました。これは、
自治体や住民に大きな勇気を与えるものであります。
災害は、今や
日本全国どこでも発生することを想定し、オール・ジャパンで
対応しなければ
国民の生命や
生活を守ることはできません。
国の職員による助言や被災経験のある
自治体からの職員派遣など、プッシュ型の人的支援を始め、全国千七百四十一の
自治体のうち、わずか百十五市区町村でしか策定されていない国土強靱化
地域計画を早急に策定する必要があります。地方創生と国土強靱化を調和させることも
効果的です。
以上、これまで述べてきた復旧復興や
災害対応の課題について、安倍
総理のお考えをお尋ねします。
この十月から
消費税が一〇%へ引き上げられ、
消費税を
財源として、三歳から五歳までの全ての
子供たちの幼児教育、保育が無償化され、来年四月からは、真に必要な
子供たちの高等教育の無償化もスタートします。
消費税の
増収分を活用し、全世代型
社会保障へと転換を進め、全ての世代が安心できる
社会を築くことは、我が党と
国民の皆様との約束であります。支える側と支えられる側のリバランスを通じ、人生百年
時代にふさわしい
社会保障制度を構築することは、安倍内閣最大のチャレンジでございます。
先月には、全世代型
社会保障検討
会議も発足し、具体的な施策について議論が始まりました。
消費税と、
年金、医療、
介護、
労働などの
社会保障制度は、いずれも
国民の関心の高い
重要課題であり、財政再建の道筋とあわせ、幅広い理解を得て進めることが大切です。
全世代型
社会保障制度の構築に向けて、西村担当
大臣の意気込みを伺います。
全ての世代が希望に応じて意欲、能力を生かして活躍できる
環境整備を進める中で、就職氷河期世代への
対応は、
我が国の将来にわたる重要な課題であり、
社会全体で正面から取り組むべきと考えます。
政府は、ことし六月に就職氷河期世代支援プログラムを取りまとめ、今後三年間で集中的に支援に取り組んでいくこととしています。この支援について、西村担当
大臣の御決意をお伺いします。
日本経済を支える
中小企業にとって、後継者問題は大きな課題であります。
事業を承継する際に大きな課題となるのが、経営者の個人保証の問題です。
経営者の個人保証を引き継ぐことが障害となり、
事業継続を断念する
事業者は後を絶ちません。また、起業を目指す起業家にとっても、一度失敗すれば全てを失いかねない個人保証は、心理的にも起業のハードルになっています。
この
日本独特の商習慣を是正することは、
日本経済の活性化にとって不可欠であります。
我が党は、これまでも、法人、個人版の
事業承継
税制の拡充、創設を始め、生産性向上に向けた設備投資、ITの
導入支援、取引慣行の適正化など、
中小企業の
立場に立った取組を進めてきました。
金融機関が融資の際に取得する個人保証についても抜本的に見直す必要があると考えていますが、安倍
総理の
認識を伺います。
デジタル経済が進展していく中で、オンラインの市場で支配力を有する巨大IT
企業の存在感が増しています。いわゆるプラットフォーマーの問題であります。
中小企業やベンチャー
企業にとっては、世界に取引市場を広げるチャンスになる一方で、圧倒的な市場での力の
格差のため、出店条件が一方的に変更される、利用料が高いといった課題も生じています。
こうした課題を解決し、デジタル市場の活性化を
日本経済の
成長につなげるため、
政府はどのように取組を進められるのか、安倍
総理に伺います。
消費税率の引上げと同時に、経済への
影響を乗り越えるため、新たに軽減
税率制度やキャッシュレス
ポイント還元制度がスタートしました。
他方で、
キャッシュレス決済を全く使っておらず、
負担軽減につながっていないといった声もあります。
制度の
周知徹底や利用促進を含め、しっかりと
対応していかなければなりません。
消費税引上げの経済への
影響とその対策について、安倍
総理に伺います。
海洋プラスチックごみの対策は、世界的な課題であります。安倍
総理は、さきのG20大阪サミットで、大阪ブルー・オーシャン・ビジョンを提案され、各国から高く評価されています。
アジア諸国での削減を進めるため、年内にも、インドネシアにあるERIA、東アジア・ASEAN経済研究センターの中に、各国の政策や取組事例を共有する
情報集約拠点を設立すると聞いています。
ERIAは
我が国が主導して設立した国際機関であり、海洋プラスチックごみの対策に
政府は総力を挙げて取り組まなければなりません。
小泉環境大臣の決意を伺います。
気候変動は、我々の命や
生活にかかわる極めて身近な問題です。近年、
日本においても、毎年のように記録的な猛暑となり、熱中症により多くの方々が命を落としています。世界各地で、
災害や猛暑に見舞われるリスクは今後更に高まると考えられています。
G20大阪首脳宣言では、イノベーションを通じて
環境と
成長の好循環を目指すことが
確認されました。脱炭素化が世界の潮流になる中で、アメリカはパリ
協定の脱退を表明しました。
我が国としては、定められた目標達成に向け、温暖化対策と経済
成長の両立を目指すべきであります。
低炭素、省エネ製品の開発、水素、洋上風力の発電などの革新的技術の推進、ESG金融の
拡大など、
経済社会システムの転換を進めていかなければなりません。
他方、エネルギーの安定供給は
国民生活の根幹であります。ホルムズ海峡における航行の安全が脅かされたり、サウジアラビアの石油施設で一部供給停止が生じたりするなど、
日本のエネルギー安定供給体制を揺るがす
事態が生じています。
我が国にふさわしいエネルギーミックスを冷静に考えることが、将来に向けた
責任ある態度であります。
中東の平和と安定のために、世界が安倍
総理に期待することは年々大きくなっており、緊張緩和に向け、一層頑張っていただきたいと存じます。
エネルギーの安定供給について、安倍
総理の
見解を伺います。
先月最終
合意をした
日米貿易協定は、世界のGDPの約三割を占める日米の貿易をより強力で安定的なものにする、大きな意義のある
協定であります。
TPPの範囲内で取りまとめられた結果に、我が党も
関係団体も評価しており、粘り強い交渉力を発揮した
政府関係者の
皆さんに感謝申し上げたいと思います。
今後は、農林水
産業者の懸念や不安に丁寧に応え、
協定の早期発効に
政府・与党一致団結して取り組まなければなりません。
日米交渉の成果と総合的なTPP等関連政策大綱の改定について、安倍
総理のお考えをお聞かせください。
昨年から、韓国の
我が国に対する動きは、到底看過することはできません。財産、請求権の問題は、一九六五年の日韓請求権
協定で完全かつ最終的に解決済みであり、韓国大法院の判決は到底受け入れられません。
また、GSOMIA破棄の通告は、
地域の安定という大局を見失っているとしか言いようがありません。
我が国としては、日米連携のもと、冷静に
状況を分析し、決して譲らず、主張すべきは主張することが肝要であります。
北朝鮮は、引き続き、
我が国全域を射程におさめる弾道ミサイルを数百発保有、実戦配備しております。移動式発射台やSLBMなど、発射兆候を
把握することがより困難な手段を保有しています。
ことしに入って、新型短距離弾道ミサイルと推定されるものも含めて十一回ものミサイル発射を強行し、技術の高度化を図っていることは深刻な
事態であります。イージス・アショアを含めた総合ミサイル防空体制の確立は急務です。
他方、配備に当たって、地元の御理解が大前提であるにもかかわらず、
防衛省の
一連の不適切な
対応によって、地元住民の皆様から大きな反発を招くことになりました。このような
防衛省の
対応は言語道断であり、今後、全省一丸となって信頼回復に取り組むべきであります。
安倍
総理は、
北朝鮮のたび重なる暴挙に毅然と
対応することで、
我が国の平和と安全の確保に努めてこられました。何よりも重要な拉致問題については、トランプ大統領と拉致
被害者御
家族との面会を実現させ、さらには、米朝首脳会談で拉致問題が提起されたことは、首脳間の信頼
関係の深さをあらわしています。
安倍
総理は、金正恩委員長と直接向き合う決意を表明されておりますが、この問題の解決に全力を尽くしていただきたいと思います。
安倍内閣は、発足以来、
沖縄の基地
負担軽減に全力で取り組み、着実な成果を出しています。特に、
平成二十八年十二月の北部訓練場の返還は、
沖縄の本土復帰後最大
規模であり、大きな成果です。
沖縄には、戦後七十年余りを経てなお、米軍基地の存在による大きな
負担を背負っていただいております。私
たちは今後も、
県民の期待に応えられるように努力を続けていかなければなりません。
六月のG20大阪サミットでは、厳しい国際情勢の中、安倍
総理が貿易や
環境などの議論をリードし、主要国が一致協力して問題解決に当たるとの決意を内外に示すことができました。
八月のTICAD7では、アフリカのさらなる発展に向け、経済、
社会、平和と安定の
観点から活発な議論が行われました。横浜宣言二〇一九は、
我が国の今後のアフリカ外交の指針を明確にするものとして内外から高い評価を受けています。
多国間外交の成果について、安倍
総理に伺います。
ハンセン病の問題については、患者、元患者の皆様のみならず、その御
家族に対しても極めて厳しい偏見、差別が存在したことは事実であります。
御
家族の方々が強いられてきた苦痛と苦難に、改めて深く反省し、
対応していかなければなりません。
補償や、偏見、差別の解消は、できる限り
家族の皆様に寄り添い、真摯に検討を進めていくべきと考えます。安倍
総理のお考えをお聞かせください。
現行の過疎法は、令和三年三月末に期限が到来いたします。このため、過疎
関係市町村が新たな過疎対策法の制定を求めています。過疎
地域は、全国の
自治体の約五割、国土の約六割を占め、食料、水、エネルギーの供給を始め、
自然環境の保全、癒やしの場の提供など、多くの機能を有し、国家への多大な貢献をしています。
これを維持し、風格ある国土を築き上げていくために、過疎
地域への支援を
充実させる必要があると考えます。
自民党としても、新法の制定を視野に入れ、現地視察や意見交換を行うなど、精力的な活動をしています。安倍
総理のお考えを伺います。
我が国で二十六年ぶりとなる豚コレラが発生し、一年が経過しました。感染は各地に
拡大しており、生産者は不安な日々を過ごしています。
政府はワクチンを接種する方針ですが、今後、豚コレラをどのように終息させるのか、
被害をこうむった農家への支援とあわせ、安倍
総理にお伺いします。
昨年、漁業法の改正が行われました。一九六一年には七十万人に達した漁業従事者は、二〇一七年には十五万三千人へと大幅に減少しています。その多くが小
規模又は
家族的な経営体であり、今後進められる水産改革に不安を感じる漁業者が多くいるのも実情です。
地域社会を守りつつ、持続可能な水
産業としなければ、真の改革とは言えません。
新たに資源管理に関する措置も定められましたが、
我が国の水産物の漁獲量が減少している中で、
政府は水産資源の適切な管理を今後どのように進めていくのでしょうか。水産政策改革について、安倍
総理にお伺いします。
観光は、
我が国の
成長戦略の柱であり、地方創生の切り札です。訪日外国人はことし一月から八月で二千二百十四万人と過去最高ペースで推移し、訪日ラッシュは続いています。
特に、中国やベトナム、アメリカやカナダなどからの来客が前年比一〇%以上の伸びを見せており、この流れを持続させるためには、
長期的な視点で受入れ体制を考えていかなければなりません。
昨今、旅行者がふえ過ぎて交通混雑などが日常化し、
地域の
生活環境が悪化するオーバーツーリズムが世界的に問題となっており、
我が国でも京都や鎌倉など各地で起きています。
二〇二〇年に四千万人、二〇三〇年には六千万人の訪日客の目標達成には、オーバーツーリズムへの本格的な対策が必要です。
日本人による
国内観光の機運を高めることも、地方の観光インフラの維持向上のためには必要です。観光政策について、安倍
総理のお考えをお伺いします。
ソサエティー五・〇の
時代を迎え、これからの国や
社会を支え、未来を生きる
子供たちにとって、ICTを活用した教育が不可欠であります。しかしながら、学校のICT
環境は脆弱で、
地域間
格差もあり、危機的な
状況です。
例えば、現在は、地方財政措置で三人に一台が措置されることになっていますが、
現状では全国の平均で五人に一台にとどまっているなど、なかなか整備が進んでいません。国土強靱化の一環として、
災害時の避難所としての学校の機能を
強化するためにも、ICT
環境の整備が必要です。
全ての
子供たちが授業中に自分のパソコンを持ち、全ての学校のネットワーク
環境が整備され、
子供たちが令和にふさわしい教育を受けられるようにすべきです。地方任せにせず、一刻も早く国が主導して取り組むべきと考えます。
高等専門学校は、昭和三十七年の
制度創設以降、中学校卒業後の早期に、五年一貫による工学分野を中心とした専門的、実践的な技術者教育
制度です。この
我が国独自のユニークな教育システムは
産業界から高い評価を受け、就職率はほぼ一〇〇%、学生一人当たり二十件以上の求人が来る
状況です。
また、アジアを中心にKOSENとして広く知られています。ことし五月には
日本型教育システムを完全に取り入れたタイ高専が開校するなど、
我が国の教育システムへの理解促進や海外展開が進み、多彩な人材を育成しています。
にもかかわらず、高専の施設設備の老朽化は著しい
状況であり、高等専門学校の機能の高度化が急務であると考えます。
以上、ICT
環境の整備と高等専門学校の機能の高度化について、萩生田
文部科学大臣の決意を伺います。
この夏、憲法審査会の
皆さんがドイツなどを視察され、
合意形成のプロセスや
国民投票
制度などについて知見を深めてこられたと聞いています。その知見をもとに、憲法審査会の場で冷静な議論を行うことで、課題が浮き彫りになってきます。
立法府で行わなければならないことはまさに活発な議論を行うことであり、それが主権者である
国民の
皆さんに対しての立法府の
責任であります。
二百回目の記念すべき
国会が始まるに当たり、まずは、提出されて四
国会を経過した
国民投票
法案の議論を、与野党で前に進めようではありませんか。
最近では、積極的に憲法議論を進めている野党の代表も出てきました。大変喜ばしいことであり、まさに令和の
時代にあるべき姿であります。各党の発信がふえれば、
国民の皆様にも、
国会で何が行われているのか、どういう考え方なのかが明確に伝わります。
国民に伝えていくこと、判断する材料を示すこと、それこそが最も大切なことであります。
議論を恐れてはいけません。自民党は、党
幹部が率先して憲法集会を開催したり、地方に出向く機会をふやし、公党としての
責任を果たしていきたいと考えています。
憲法の議論においては、自民党案を押しつけることや数の力で押し切ることはいたしません。スケジュールありきでもありません。各党の
皆さんとともに冷静な議論を行い、
時代に合わせて変えていくべき部分については勇気を持って提案していきます。
さきの参議院
選挙で
国民の皆様が安倍内閣に託したことは、政治の安定であります。政治の安定なくして
国民生活の安定はありません。自民党と公明党が連立を組んで二十年を迎えた今、この道のりは間違っていなかったことを心から実感します。
世界の厳しい競争の中にあっては、挑戦なくして新しい
時代は切り開けないということもまた真実であります。安定
政権のもと、チャレンジを恐れず、実りある
国会にしていくことを申し上げ、質問を終わります。(拍手)
〔内閣
総理大臣安倍晋三君登壇〕