○藤野
委員 きょう
初鹿委員も取り上げていらっしゃいましたけれども、外国人、とりわけ収容問題というのは、まさにこの正義がない状態なんですね。ですから、
大臣にこの分野でも正義をぜひ
実現していただきたいというふうに
思います。
私は、
河井前
大臣の
所信質疑の際に、この問題に絞って
質問させていただいたんです。それは、前
大臣の
所信の中に見逃せない文言があったからであります。
配付資料の一をお配りさせていただいているんですが、
河井大臣は上の方のところでそうおっしゃっていまして、「退去強制令書が発付されたにもかかわらず、さまざまな理由で送還を忌避している者がおり、その存在は、迅速な送還に対する大きな
障害となっているばかりか、収容の長期化の大きな要因となっています。送還を忌避している長期収容者の問題は、
我が国の出入国在留管理
制度の根幹を脅かし、ひいては、
我が国の
社会秩序や治安に影響を与えることにもなりかねない深刻な問題です。」こういう発言がありまして、
我が国の
社会秩序や治安に影響を与えることを理由に仮放免を認めない、収容を継続すると。
これは、
先ほどもありましたけれども、戦前の治安維持法三十九条などで規定されていた予防拘禁、これを肯定するような発言だと思うんですね。これはやはり許されないというふうに
思います。
この論理というのはやはり大変危険なものでありまして、前科を持つ人とか仮釈放歴を持つ人というのは日本人にもいるわけですから、それが
社会にとって危険だから収容していいんだ、収容を継続していいんだということになりますと、これは日本人にもはね返ってくる論理になってくる。何より、入管法という
制度が認めている短期の収容というこの本来の
趣旨にも著しく反しているということで、私は前
大臣のときに
質問をさせていただきました。
この論理に関する部分、いわゆる秩序や治安というこの論理に関する部分が森新
大臣の
所信ではすっぽり抜けておりまして、私は、率直に言いまして、
人権をつかさどる
法務大臣の
所信から予防拘禁を肯定するかのような文言がなくなったこと、これ自体は、
個人的には前向きに評価したいと思うんです。
ただ、言葉も大事ですが、やはり具体的にどう実践されていくのか、これが問われていると思うんです。
前
大臣は、こうした論理のもとに、私的ないわゆる懇談会、これがございます、
法務省に。
大臣の私的懇談会である出入国管理政策懇談会、このもとに収容・送還に関する専門部会を設置されて、もう既に
議論を進められております。来年三月には最終報告を行うというふうに伺っております。
確かに、私も、入管法というものの整備は、改正は必要だと思うんです。これは本当に、いわゆる一九五一年にこの前身となる政令が制定されて以降、全く大きく変わっていないわけですね、とりわけ、この収容に関する部分というのは。ですから、私は、
時代に合わせて、世界の
人権の水準に合わせて、世界の収容のさまざまな
制度に合わせて、これは改正が必要だと
思います。
しかし、今設置されている専門部会は、そういう方向ではなくて、先日の
質疑でも、例えば仮放免の要件を厳格化するだとか、そういう方向で今
議論が進められている。ですから、私は、この今の専門部会の
検討というのはやはり問題があると思うんですね。
ですから、
大臣にお伺いしたいんですが、やはり、前
大臣の私的懇談会のもとに今の専門部会は設置されております。その
大臣がかわられたわけです。ですから、この際、この当該部会は一旦立ちどまって、メンバーとかテーマとか方向性、こういうものを再
検討すべきじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。