○浮島
委員 昨日も、この団体の方からは、配慮の必要性、そして、当事者の声を直接聞いてほしい、障害者の意見を抜きで決めないでほしいというお言葉もいただいたところでもございます。
障害を持たれている方に対しては、柔軟な
対応が必要になります。
文科省でもしっかりヒアリングの
機会を設け、早目早目に話を聞くこと、そして、何よりも現場の問題点を知ること、また、財政的支援も出てくると思いますけれども、それをどうやってクリアできるのか考え、そして実行することが大切だと思いますので、ぜ
ひとも全力で取り組んでいただけるよう、再度
お願いをさせていただきたいと思います。
では、次に、大学入学共通テストにおける記述式の導入についてお伺いをさせていただきたいと思いますけれども、この記述式の問題を導入するに当たっての課題を議論をさせていただく前に、まずその意義について確認をさせていただきたいと思います。
人工知能、AIが飛躍的に進化する中で
子供たちにはどんな力が必要かについて、我々公明党は、国立情報学研究所の新井紀子教授といったAIの専門家の
方々とも対話を重ねてまいりました。
目の前の
子供たちは、確かに、AIが解なしとお手上げになったときにその力量を発揮しなければなりませんけれども、それはスー
パーマンや突出した天才でなければできないということではないと思います。AIは、明確に定義づけられたビッグデータという土台があってこそ、初めてその力を発揮できます。そのAIに代替されない人間としての強みは、データがない曖昧な
状況の中で、対話や協働を通じて納得解を形成し、そして実行する力であります。
具体的には、文章や情報の意味を正確に読み取る力、教科固有の見方、考え方を働かせて、知識を習得し、考え、表現する力、そして、対話や協働を通じて納得解を生み出そうとする態度、日本の義務
教育がこのような力を育むために頑張っていることは、OECDのPISA
調査からも、全国学力・
学習状況調査からもわかっているところでございます。
しかし、義務
教育で頑張っている
子供たちは高校、大学と進学して伸びているかというところが疑問があります。高校生の半分が普通科文系、大学生の半分が人文社会科学系の学部で、このコースの生徒たちは、高校二年以降、理数科目をほとんど学ばずに、英語、国語そして公民の三教科を、多肢選択式問題に
対応すべく、知識の暗記、再生に徹しています。
他方、入学者選抜で学力を問わない大学の存在が高校生の学びのインセンティブの底を抜けさせているため、学力中間層の高校生の
学校外の
学習時間は三十年前の水準から大きく低下し、回復しておりません。これが高校生の現状であり、課題であると思います。
しかも、新井紀子先生が開発しているAI、東ロボくんが最も得意なのは世界史の五肢択一式試験でございます。この五肢択一式の問題に
対応するため知識を習得されただけでは、今の
子供たちの力はAIに及びません。
そこで、今大事なのは、概念を軸に知識を体系的に理解して考え、
自分なりに表現すること。だからこそ、入学共通テストに記述式問題を導入することが構想されました。また、AI時代を担う
子供たちが人間としての強みを発揮する上で、語彙をしっかりと習得し、文章を読んで意味を把握して、
自分の頭で考え、表現できることは必須の力だと思っております。
共通テストの記述式が導入されることは、かつて大学入試センター試験に英語のヒアリングが導入された結果、高校の英語の
教育が大きく変わったように、高校
教育に大きな変革をもたらすことと私は思っております。
民間試験の活用は
令和六年度まで延期されましたが、さまざまな課題が
指摘されている記述式の導入は来年度に迫っています。私としては、論理的な思考力、表現力の育成、語彙力の強化などの
観点から、入試においてこの記述式問題を導入することは必要、大切だと思っています。
その一方で、解決しなければならない課題が数多く
指摘されています。英語の認定の試験の見直し、延期の方針を受けまして、これまで一生懸命準備をしてきた高校生の声も聞いておりますけれども、大変な思いをしています。記述式ではその二の舞になるようなことがあってはなりません。まず、これまで
指摘されている課題を洗い出し、課題を課題として認識して、どのように解決していくのかを
一つ一つ丁寧に考えていくことが大切であります。
そこで、今回の共通テストにおける記述式の問題を導入する意義、そして、最も受験生への影響が大きい課題として、先ほどもお話ありましたけれども、自己採点の不一致の課題、これについて今後どのように
対応していくのか。
私は、この課題の解決策として、例えば、高校生が
自分の解答内容を入力することで自己採点のシミュレーションができるようなシステム、こういうのを開発することも一案として考えられるのではないかと思いますけれども、大臣の御見解をお伺いさせていただきたいと思います。