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北村国務大臣 お時間を頂戴し、ありがとうございます。
地域再生法の一部を改正する
法律案及び
構造改革特別区域法の一部を改正する
法律案の二法案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
初めに、このたび政府から提出いたしました
地域再生法の一部を改正する
法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
我が国は、二〇〇八年をピークとして
人口減少局面に入っております。二〇四〇年には総
人口が一億一千万人程度まで
減少すると見込まれております。また、二〇一八年の高齢化率は過去最高の二八・一%を記録しており、高齢者
人口は、二〇四〇年ごろにピークを迎えると見込まれるなど、急速に
人口減少と高齢化が進んでおります。
こうした中で、高度経済成長期を
中心に
集中的に整備された住宅や公共施設などの既存ストックについて、
地域の特性に即した再編や利活用を図り、
人口減少社会に対応した、安心して住み続けられる
魅力的な
まちづくりを
推進することが喫緊の
課題となっております。また、UIJターンによる起業・
就業者
創出のための
支援にあわせて、
移住先の
魅力ある
環境の整備を進めることなど、
地方への新しい人の
流れを大きくすることも重要です。
この
法律案は、このような
状況を踏まえ、
人口減少社会に対応した既存ストックの活用による多世代共生型の町の形成を図り、
地方の
魅力を向上させることを目的とするものです。そのため、居住者の高齢化等の
課題を抱える住宅団地について、高齢者や
女性を含めた多様な住民が安心して住み、働き、交流できる場として再生を図る
地域住宅団地再生
事業、そして、空き家とこれに付随する農地、いわゆる農地つき空き家等を活用した
移住促進の
取組を
推進する既存住宅活用農村
地域等
移住促進事業、そして、民間の資金等を活用した公的不動産の有効活用の
取組等を
支援する民間資金等活用公共施設等整備
事業を
創設することといたしております。
次に、この
法律案の要旨を御説明申し上げます。
認定
地域再生計画に基づく
事業に対する特別の措置として、次の措置を追加することとしております。
第一に、
地域住宅団地再生
事業に対する建築物の建築等の許可、介護保険の
事業者の指定及び道路運送
事業の許可等の手続の特例等を追加することとしております。
第二に、既存住宅活用農村
地域等
移住促進事業に対する都市計画法等による処分についての
配慮及び農地等の権利移動の許可の手続の特例を追加することとしております。
第三に、民間資金等活用公共施設等整備
事業に対する株式会社民間資金等活用
事業推進機構の業務の特例を追加することとしております。
このほか、所要の規定の整備を行うこととしております。
次に、
構造改革特別区域法の一部を改正する
法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
構造
改革特別区域は、
地方や民間が自発的に構想を立案し、それぞれの
地域の特性に応じた規制の特例を導入することにより、構造
改革を更に加速させるための突破口となるものであり、同時に、
地域の
活性化の手段となるものであります。これまで千三百三十一件の構造
改革特別区域計画が認定を受け、それぞれの
地域の特性に応じた
事業が実施されてきました。
これまで、構造
改革特別区域
推進本部においては、
全国からの提案募集を行い、構造
改革特別区域に係る新たな規制の特例措置について
検討を行ってまいりました。
本
法律案は、これらの
検討結果に基づき、経済社会の構造
改革を更に
推進するとともに、
地域の
活性化を図るため、
地域から
要望の強い、新たな制度
改革事項を盛り込んだものであります。
次に、この
法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。
第一に、清酒の製造免許を保有する者が清酒の製造体験を実施しようとする場合、当該製造体験に係る製造場を既存の製造場と同一とみなす酒税法の特例措置を講ずることとしております。これにより、
地域の経済や文化の発展の一端を担っている清酒について、その製造体験の実施を通じて、
地域のブランド価値のさらなる増進、人の交流やにぎわいの
創出が図られることが期待されるものであります。
第二に、周辺
地域の市街化の進展等が著しく、建築需要が急激に増大しているなどの一定の市街化調整区域について、
地方公共団体による土地区画整
理事業の施行を可能とする都市計画法の特例措置を講ずることとしております。これにより、無秩序な市街化を防ぎつつ、円滑かつ迅速に土地利用の整序及び基盤整備が図られることが期待されるものであります。
以上が、
地域再生法の一部を改正する
法律案及び
構造改革特別区域法の一部を改正する
法律案の提案理由及びその要旨であります。
これらの
法律案が速やかに成立いたしますよう、御審議をどうぞよろしく
お願い申し上げます。
以上であります。ありがとうございました。